JP6523066B2 - 超音波探傷装置、データ処理装置および超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷装置、データ処理装置および超音波探傷方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、超音波探傷装置、データ処理装置および超音波探傷方法に関する。
超音波探傷試験(UT:Ultrasonic Testing)は、非破壊で構造材の表面および内部の健全性を確認できる技術であり、様々な分野で欠かせない検査技術となっている。小型の超音波送受信用の圧電素子を並べ、圧電素子ごとにタイミング(遅延時間)をずらして超音波発信することにより任意の波形を形成できるフェーズドアレイ超音波探傷試験(PAUT:Phased Array UT)は、工業用途でも広く用いられている。
所定の角度しか超音波を発信できない単眼プローブに比べ、1回の探傷で広範囲を探傷したり、複数の角度で探傷したり、複雑形状に対応できる可能性があり、作業工数低減が可能な点が大きな魅力となっている。フェーズドアレイ超音波探傷技術は、さらに検査を高速化するために、さまざまな取り組みがなされている。本来、フェーズドアレイ超音波探傷試験では複数個の素子群にそれぞれ時間的な遅延をかけて励起することで、自由に探傷屈折角や焦点深さを制御するものである。
この場合、1つの素子群に1セットの遅延時間を与えて1波形の探傷結果を得る(以後これを1シーケンスと呼称する)が、シーケンス数が複数例えば1000を超えるようになってくると、測定時間が長くなってしまう。そこで、超音波を送受信する回数をなるべく減らして、測定時間を減らす試みがなされている。
そもそも上述のフェーズドアレイ超音波探傷試験では、送受信素子がn個のとき、1送信素子につき受信素子n個分の生波形すなわちn×n個の生波形が収録できていれば、遅延時間に従って波形の時間軸をずらし、足し合わせることで全条件がオフラインで再構成できる。この考え方を利用して、フェーズドアレイ超音波探傷試験を高速化する試みはいくつか試されてきた。
例えば、超音波送受信を一度だけ行い、そこで得た受信信号を任意の探傷条件で合成する技術や、1つの素子で超音波を送信して複数の素子で超音波を受信するシーケンスを、超音波を送信する素子を変えて繰返して、得られた波形を合成することで擬似的な送受信フォーカスが可能となる技術が知られている。
また、溶接部など、異方性があったり結晶粒が粗大化していたりする検査対象においてノイズを欠陥と誤認識することを防ぐため、信号ノイズ比(SN比)の向上が課題とされている。例えば溶接部検査において、データベースやシミュレーションを用いる技術のほか、専用のプローブを設計する技術なども知られている。また、最近では、アレイ素子の大きさなどを変化させた探傷法も知られている。
特許第3704065号公報 特開2009−281805号公報 特許第5588918号公報
しかしながら、上述の、ノイズを欠陥に誤認識することを防ぐ種々の対策は、あくまでファンダメンタルな信号ノイズ比(SN比)の向上を目指したもので、欠陥エコー(欠陥で反射した超音波の反射波)とノイズを効果的に判別することは、依然困難である。
以上を踏まえ、本発明の実施形態は、溶接部等の超音波探傷上のノイズの大きな対象においても欠陥エコーとノイズの判別を効果的に行うことを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る超音波探傷装置は、検査対象に超音波を送信し前記検査対象で反射した超音波を受信する複数の互いに並列に配された超音波素子を有する超音波アレイプローブと、前記超音波素子に振動を生ぜしめる電位差を印加可能な電位差印加部と、前記超音波素子が超音波を送受信するタイミングをずらすための遅延時間を算出する遅延時間演算部と、前記電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加した状態と、前記電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加しない状態とを切り替える切り替え部と、前記超音波素子が受信した受信波を前記遅延時間にしたがって合成した合成エコーに関する特徴量を算出する特徴量算出部と、前記検査対象への超音波の入射条件の変化に対する前記特徴量の変化を算出する特徴量変化算出部と、を備え、前記特徴量は、前記合成エコーの強度が予め定めたしきい値を超えるか前記しきい値以上となるエコー領域の中心位置の変化であることを特徴とする。
また、本実施形態は、複数の超音波素子を有する超音波アレイプローブによって検査対象に送信され受信された信号データを処理するデータ処理装置において、前記超音波素子が超音波を送受信するタイミングをずらすための遅延時間を算出する遅延時間演算部と、電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加した状態と、前記電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加しない状態とを切り替える切り替え部と、前記超音波素子が受信した受信波を前記遅延時間にしたがって合成した合成エコーに関する特徴量を算出する特徴量算出部と、前記検査対象への超音波入射条件の変化に対する前記特徴量の変化を算出する特徴量変化算出部と、を備え、前記特徴量は、前記合成エコーの強度が予め定めたしきい値を超えるか前記しきい値以上となるエコー領域の中心位置の変化であることを特徴とする。
また、本実施形態に係る超音波探傷方法は、超音波アレイプローブの超音波素子から検査対象に送信した超音波の受信波の合成波形に基づいて前記検査対象内部の映像を作成する映像作成ステップと、前記映像に基づいて、特徴量を算出する特徴量算出ステップと、探傷条件の変化に対して前記特徴量の変化を算出する特徴量変化算出ステップと、前記特徴量の変化を表示する表示ステップと、を有し、前記特徴量は、合成エコーの強度が予め定めたしきい値を超えるか前記しきい値以上となるエコー領域の中心位置の変化であることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、欠陥エコーとノイズの判別を効果的に行うことができる。
第1の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波探傷装置の超音波の送信を示す概念的縦断面図である。 第1の実施形態に係る超音波探傷装置の超音波の進行状態を示す概念図である。 第1の実施形態に係る超音波探傷装置の超音波の進行方向を説明するための概念図である。 第1の実施形態に係る超音波探傷装置によるエコー信号の合成信号の時間的変化を示すグラフである。 探傷空間領域内に欠陥がある場合を示す概念図である。 探傷空間領域内に欠陥がある場合の探傷空間領域の映像化結果である。 探傷空間領域内に欠陥の他に溶接部がある場合を示す概念図である。 探傷空間領域内に欠陥の他に溶接部がある場合の探傷空間領域の映像化の結果得られる画像である。 第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷空間領域の映像化結果からの有意エコー領域の抽出を説明する第1の画像であり、(a)は有意エコー領域の抽出前、(b)は有意エコー領域の抽出後を示す。 第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷空間領域の映像化結果からの有意エコー領域の抽出を説明する第2の画像であり、(a)は有意エコー領域の抽出前、(b)は有意エコー領域の抽出後を示す。 第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域の映像化によるエコー強度分布の画像であり、(a)はβが20°、(b)はβが30°、(c)はβが40°の場合である。 第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、エコー強度の変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波探傷方法における手順を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域のエコー領域の中心位置の変化を示す画像であり、(a)はβが20°、(b)はβが30°、(c)はβが40°の場合である。 第2の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域のエコー領域の中心位置の変化を示すグラフである。 第3の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域内の各画素における輝度値の頻度分布の変化であって、ノイズの場合を示すグラフである。 第3の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域内の各画素における輝度値の頻度分布の変化であって、欠陥の場合を示すグラフである。 第4の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る超音波探傷方法における手順を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る超音波探傷方法における超音波の各送信の状態を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る超音波探傷方法における超音波の送信によるエコー波形の一部を示す波形図である。 第4の実施形態に係る超音波探傷方法における超音波の送信および受信時の遅延時間を説明する波形図である。 第4の実施形態に係る超音波探傷方法によるエコーの合成波形を示す波形図である。 第5の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る超音波探傷装置、データ処理装置および超音波探傷方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。超音波探傷装置100は、超音波アレイプローブ10、受発信部20、演算部30、記憶部40、制御演算部50、および表示部60を有する。超音波探傷装置100は、検査対象1に内在する欠陥2を検出することを目的としている。
超音波アレイプローブ10は、複数の超音波素子11を有する。超音波素子11は、互いに一定の間隔をあけて1次元的(一方向)に配列されている。超音波素子11は、セラミクス製や複合材料、またはそれ以外の圧電効果により超音波を発生することが出来る圧電素子や高分子フィルムによる圧電素子またはそれ以外の超音波を発生できる機構と、超音波をダンピングするダンピング材と、超音波の発振面に取り付けられた前面板と、いずれかの構成もしくはその組み合わせからなる構成とし、一般的に超音波探触子と称されるものとする。
なお、超音波アレイプローブ10が、1次元的に配列されている超音波素子11を有する例を説明したが、これに限定されない。たとえば、リニアアレイプローブの奥行き方向に圧電素子を不均一な大きさで分割した1.5次元アレイプローブ、圧電素子が2次元的に配列されたマトリクスアレイプローブ、リング状の圧電素子が同心円状に配列されたリングアレイプローブ、リングアレイプローブの圧電素子を周方向で分割した分割型リングアレイプローブ、圧電素子が不均一に配置された不均一アレイプローブ、円弧の周方向位置に素子を配置した円弧状アレイプローブ、球面の表面に素子を配置した球状アレイプローブなどでもよい。
また、これらのアレイプローブを、種類を問わずに複数組合せて使用する所謂タンデム探傷でもよい。また上記のアレイプローブはコーキングやパッキングにより気中、水中を問わず利用できるものも含まれる。
検査対象1の検査時に、超音波探傷装置100と検査対象1との間に、楔ともよばれる音響伝搬媒質5が設けられている。音響伝搬媒質5は、指向性の高い角度で超音波を検査対象1へ入射するためのものである。音響伝搬媒質5としては、超音波が伝搬可能で音響インピーダンスが把握できている等方材を用いる。なお、検査対象1の面が平坦である場合などでは、音響伝搬媒質5は使用しなくともよい。
音響伝搬媒質5として用いる等方材としては、たとえば、アクリル、ポリイミド、ゲル、その他高分子などがある。超音波素子11の前面板(図示せず)と音響インピーダンスが近い、もしくは同じ材質を用いることもできるし、検査対象1と音響インピーダンスが近い、もしくは同じ材質を用いることもできる。また、段階的もしくは漸次的に音響インピーダンスを変化させる複合材料でもよい。
また、音響伝搬媒質5内の多重反射波が探傷結果に影響を与えないように、音響伝搬媒質5内外にダンピング材を配置したり、山型の波消し形状を設けたり、多重反射低減機構を有する場合もある。なお、以下の説明では、超音波アレイプローブ10から検査対象1へ超音波を入射させる際の説明図において音響伝搬媒質5の表示を省略している場合もある。
超音波アレイプローブ10から検査対象1に至る経路の接触部、すなわち、超音波アレイプローブ10と音響伝搬媒質5との接触部、および音響伝搬媒質5と検査対象1との接触部、あるいは、音響伝搬媒質5を使用しない場合の超音波アレイプローブ10と検査対象1との接触部には、超音波を伝搬させるために音響接触媒質(図示せず)が用いられる。音響接触媒質は、例えば水やグリセリン、マシン油、ひまし油、アクリル、ポリスチレン、ゲル等、超音波を伝搬できる媒質である。
受発信部20は、電位差印加部21、切り替え部22、およびAD変換部23を有する。電位差印加部21は、印加可能に接続された超音波素子11に対して、超音波素子11に振動を生ぜしめる電位差を印加する。切り替え部22は、制御演算部50からの指令に基づいて、超音波素子11のそれぞれについて、電位差印加部21に接続される状態と電位差印加部21に接続されない状態との間の相互の切り替えを行う。AD変換部23は、超音波素子11のそれぞれが受信した信号(エコー信号)のディジタル化を行い、ディジタル超音波波形として記憶部40に出力する。
図2は、超音波の送信を示す概念的縦断面図である。一般的なフェーズドアレイを用いた場合の探傷を示す。検査対象1の内部に、超音波を任意の探傷屈折角βおよび焦点位置で入射するために、超音波アレイプローブ10であるフェーズドアレイの超音波プローブ内に定義した駆動素子群を構成する各超音波素子11に適切な時間遅延を付与し発振させていく。これにより、超音波の検査対象1への入射角αや焦点位置の制御が可能になる。
フェーズドアレイの超音波アレイプローブ10内の駆動素子群を走査していくことで、超音波素子11の並んでいる方向の断面図を得るリニアスキャン法、駆動素子群の位置を固定して探傷屈折角のみを走査して扇状の断面図を得るセクタスキャン法等がある。本実施形態では、代表的にリニアスキャン法を例に取って説明するが、セクタスキャン法に加え、測定したい領域に合わせて焦点深さを変化させるDynamic Depth Focusing(DDF)等、複数の超音波素子11を遅延時間制御して実施する他の探傷方法でもよい。
演算部30は、遅延時間演算部31、信号合成部32、映像化部33、抽出部34、特徴量算出部35としての強度分布算出部35a、および特徴量変化算出部36としての強度分布変化算出部36aを有する。
遅延時間演算部31は、超音波を、所定の探傷屈折角βおよび焦点深さに集束させるために、駆動素子群としての複数の超音波素子11に、電位差印加部21から電圧を印加するように切り替えるタイミング、すなわち超音波の発信のタイミングをずらすための遅延時間を計算する。この遅延時間に基づいて、切り替え部22は切り替えを行い、それぞれの超音波素子11を、電圧印加状態とする。
遅延時間の算出は、超音波アレイプローブ10と検査対象1との相対位置関係、探傷屈折角β、フォーカス深さ、検査対象1の表面形状、音響伝搬媒質5および検査対象1における音速から求められる。
この際、検査対象1の表面形状が一般的な平面や傾いた平面でなく曲率や凹凸部があっても、それを考慮した幾何計算を行うこともできる。検査対象1の表面形状は、超音波素子11から発せられた超音波の飛行時間を用いて計算してもよいし、既存の図面等の形状データを読み込むことでもできる。また、カメラやレーザ距離計等の検査対象表面形状計測手段を、超音波アレイプローブ10に付属させたり、その近くに別途設けたりしてもよい。また、遅延時間自体、予め計算してあるものを読込んで使用することもできる。
検査対象1を検査するにあたって、たとえば、検査対象1の領域ごとに検査する場合があり、超音波アレイプローブ10が有する全ての超音波素子11を使用するのではなく、その一部の超音波素子11を同じグループとして同時に用い、グループを順次移動する場合がある。このように、同じグループに用いられる超音波素子11のことを、前述のように、駆動素子群と呼ぶこととする。なお、駆動素子群が、超音波アレイプローブ10内の全ての超音波素子11の場合であってもよい。
また、遅延時間演算部31は、受信側のタイミングをずらすための遅延時間も同様に計算する。
信号合成部32は、駆動素子群の超音波素子11が受信したそれぞれのディジタル超音波波形(エコー波形)のデータを用いて、それぞれの超音波素子11の受信側の遅延時間にしたがって受信したそれぞれのディジタル超音波波形データ(エコー波形信号)を時間軸移動して、加算もしくは加算平均して合成信号(合成エコーの信号)を得る。なお、合成は、加算や加算平均以外の方法であってもよい。
図3は、第1の実施形態に係る超音波探傷装置の超音波の進行状態を示す概念図である。超音波の経路を示すそれぞれの線は、それぞれの駆動素子群に属する複数の超音波素子11のそれぞれに、遅延時間演算部31で算出した遅延時間分を遅らせて発信したものである。
図4は、超音波の進行方向を説明するための概念図である。今、駆動素子群に属する超音波素子11が4つある場合を例に説明する。超音波素子11のそれぞれから超音波が発せられる発信位置をP1、P2、P3およびP4、これらの発信位置から発せられた超音波をC1、C2、C3およびC4とする。
遅延時間を設けなければ超音波は、超音波アレイプローブ10の正面、すなわち、超音波素子11の並びの直線L0に平行のままに進行しながら伝搬する。
一方、それぞれの発信位置からの発信時刻が、Δtずつずれているとすると、それぞれの超音波の進む距離が段々遅れてくる。すなわち、P1から発せられた超音波はC1まで進行するが、最も遅くP4から発せられた超音波はC4までしか進行しない。この結果、包絡線LCは、超音波素子11の並びの直線L0から傾く。駆動素子群に属する超音波素子11の中央から、包絡線LCに垂直の方向に延びたベクトルを主ビームL1とすると、主ビームL1は、直線L0に垂直な方向から傾いている。このように順次遅延時間を設けることによって、合成された超音波の方向に角度を付けることができる。
なお、以上が、リニアスキャン法であるが、前述のように、駆動素子群の位置を固定して探傷屈折角βのみを走査して扇状の断面図を得るセクタスキャン法、あるいはDDF等、複数の超音波素子を遅延時間制御して実施する他の探傷方法でもよい。
図5は、超音波素子11の受信信号であるエコー信号の合成信号(合成エコーの信号)の時間的変化を示すグラフである。横軸は時間を、また縦軸は、受信波(エコー)である超音波の合成波形(合成エコー)の振動強度を示す。時間変化の前半は、音響伝搬媒質5内での伝搬、後半は検査対象1内での伝搬を示す。
映像化部33は、超音波アレイプローブ10と、検査対象1の相対位置関係および検査対象1の形状に基づいて、駆動素子群の中心から超音波の主ビームL1が伝搬する音線を計算し、その音線に従って合成信号の強度を検査対象1の探傷空間領域にプロットし、探傷空間領域における信号強度のコンター図を生成する。
図6は、探傷空間領域内に欠陥がある場合を示す概念図である。欠陥2が検査対象1内に存在している場合である。この画像化の際には、振動の振幅、あるいは振動の振幅の二乗を、輝度に置き換えることが行われている。
画像化は、一般的にB−scanやS−scanと呼ばれる方法である。この画像は、探傷時の探傷条件に応じた屈折角や探傷屈折角により再構成される。以下の実施例についてはB−scanを用いて説明する。
図6に示すように、超音波アレイプローブ10と検査対象1の間に音響伝搬媒質5がある場合、その伝播位置も合わせて映像化することができる。音響伝搬媒質5中の伝播速度はたとえば水の場合、約1500m/秒である。また、検査対象1の材質がたとえば鉄の場合、検査対象1中の伝播速度は約5900m/秒である。
音響伝搬媒質5の寸法、入射角α、探傷屈折角βは既知であり、音響伝搬媒質5および検査対象1内での超音波の伝搬速度も既知である。したがって、合成波形に関する各時刻は、探傷空間領域における、音響伝搬媒質5内の伝搬位置および検査対象1内の伝搬位置と一対一に対応し、合成波形の時間的変化は、探傷空間領域における各位置に置き換えることができる。
図7は、探傷空間領域内に欠陥がある場合の探傷空間領域の映像化結果である。映像化部33は、B−scanの場合、このように、超音波アレイプローブ10内の超音波素子11の並びに平行な面内において、超音波の伝搬の過程における超音波信号の強弱を輝度の変化で示すものである。図7のEdで表示している部分が欠陥に対応している。
図8は、探傷空間領域内に欠陥の他に溶接部がある場合を示す概念図である。また、図9は、この場合の探傷空間領域の映像化結果である。図9のEdで表示している部分が欠陥2に対応している。一方、Enで表示している部分は、溶接部3に対応している。このように、映像化結果を一見しては、欠陥2と溶接部3の区別をするのは非常に難しい。
図1に示した抽出部34は、合成信号もしくは映像化結果に基づいて、探傷空間領域において、受信波であるエコーを合成した合成エコーの強度が所定以上となる(または、所定の強度を超える)領域(エコー領域)を有意エコー領域として抽出する。所定の強度のしきい値は、たとえば、内部状態が既知の試験体を用いた試験でのエコー強度分布などの経験に基づいて設定することができる。
図10は、第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷空間領域の映像化結果からの有意エコー領域の抽出を説明する第1の画像であり、(a)は有意エコー領域の抽出前、(b)は有意エコー領域の抽出後を示す。このように、しきい値を設けてそれに満たないエコーを全て消去する。
図11は、第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷空間領域の映像化結果からの有意エコー領域の抽出を説明する第2の画像であり、(a)は有意エコー領域の抽出前、(b)は有意エコー領域の抽出後を示す。これも、しきい値を設けてそれに満たないエコーを全て消去するものである。
図1に示す特徴量算出部35としての強度分布算出部35aは、映像化部33で映像化された画像の輝度、すなわち合成信号の各位置における強度分布を算出する。特徴量変化算出部36としての強度分布変化算出部36aは、探傷条件の変化に対応する強度分布の変化を算出する。
あるエコー領域Ejにおけるエコー強度をEIjとする。このときjは自然数で、ある探傷空間領域におけるエコー領域のインデックスを表す。合成エコーの強度は、たとえば、画像化された状態での輝度で表すことができる。インデックスjのエコー領域内のそれぞれの点の輝度は、その点における超音波の振動の振幅、あるいは振幅の二乗などに比例して設定される。インデックスjのエコー領域Ejのエコー強度EIjは、エコー領域Ej内の各点での輝度の加算、加算平均、ピーク値、またはその他の代表値などで定義される。このエコー強度EIjは、探傷屈折角βや、焦点の位置などの探傷条件によって変化するため、これらを変数として探傷条件θとすると、各探傷条件におけるエコー強度EIj(θ)と表される。
図12は、第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域の映像化によるエコー強度分布の画像であり、(a)はβが20°、(b)はβが30°、(c)はβが40°の場合である。すなわち、探傷条件を探傷屈折角とした場合である。図12では、エコー領域として、E1およびE2が表示されている。探傷屈折角βを20°から40°まで増加させると、いずれも輝度の代表値に対応するエコー強度が減少する。
図13は、第1の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、エコー強度の変化を示すグラフである。横軸は、探傷条件θとしての探傷屈折角β、縦軸は、エコー領域のエコー強度EIである。曲線E1、曲線E2はそれぞれ、図12のエコー領域E1、E2に対応する。
ここで、探傷屈折角βを20°から40°まで1°刻みで連続的に変化する場合、θは0から20までの全21パターンあることになり、エコー強度EIj(θ)の変化は、図13のような模式図で表される。このように、θに対する変化傾向がE1とE2とで明瞭に異なることから、この2つのエコー領域において抽出された有意エコー領域はその由来が異なることが認識できる。例えば、探傷条件依存性の大きいE1は不確定要素の大きいノイズであり、少ないE2は安定した散乱源である欠陥であり、E1はノイズ、E2は欠陥エコーという判別も可能となる。
記憶部40は、エコー信号記憶部41を有する。エコー信号記憶部41は受発信部20が受信した超音波のエコー信号(ディジタル超音波波形データ)を記憶する。
表示部60は、強度分布変化算出部36aで算出した探傷条件の変化に対するエコー強度の変化を表示する。なお、表示部60は、さらに、超音波エコーの合成信号、映像化結果、超音波アレイプローブ10の座標および検査対象1との相対位置、遅延時間、焦点深さ、探傷屈折角等の探傷条件などをさらに表示してもよい。
制御演算部50は、受発信部20、演算部30、記憶部40、および表示部60を制御し、これらの相互間のタイミングの整合を図る。
図14は、第1の実施形態に係る超音波探傷方法における手順を示すブロック図である。まず、検査対象1に超音波アレイプローブ10を設置する(ステップS01)。次に、遅延時間演算部31が探傷条件に応じた遅延時間を算出する(ステップS02)。発信側の遅延時間にしたがって、順次、各超音波素子11から超音波を発信する(ステップS03)。
次に、信号合成部32が、超音波素子11で受信した波形を、受信側の遅延時間に従って合成し、合成波形を導出する(ステップS04)。次に、各合成波形に基づいて、映像化部33が、映像化により画像を作成する(ステップS05)。次に、必要な走査が完了したか否かを判定する(ステップS06)。判定は、たとえば、全ての駆動素子群について完了したかを判定する。完了していない場合(ステップS06 NO)は、ステップS02以降を繰り返す。
走査が完了していると判定された場合(ステップS06 YES)は、次に、抽出部34が、抽出処理を行う(ステップS07)。次に、特徴量算出部35である強度分布算出部35aが、強度分布を算出する。また、特徴量変化算出部36である強度分布変化算出部36aが、強度分布変化を算出する(ステップS08)。表示部60はこの強度分布変化を表示する(ステップS08)。
以上のように、本実施形態は、溶接部等の超音波探傷上ではノイズの大きな対象における欠陥エコー(検査対象の欠陥で反射した超音波の反射波)とノイズの判別を行うことができる。
[第2の実施形態]
図15は、第2の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態においては、特徴量算出部35としての中心位置算出部35bを有し、特徴量変化算出部36としての中心位置変化算出部36bを有する。
あるエコー領域Ejにおけるエコー領域の中心位置(エコー中心位置)はEPjで表す。このときjは自然数で、ある探傷空間領域におけるエコーのインデックスを表す。エコー中心位置は2次元の探傷画像であれば(Xj、Zj)、3次元の座標であれば(Xj、Yj、Zj)で表される。エコー中心位置は、エコー領域Ejの中心位置を用いる。ただし、特徴量として探傷条件の変化に対応する変化が確認できるものであれば、必ずしもそのエコー領域Ejの中心である必要はない。たとえば、エコー領域Ejのそれぞれの点のうち合成エコーが最大強度を持つ座標でもよいし、あるしきい値を超える画素群の重心を用いてもよい、また、それぞれX、Y、Zの最大値や最小値、中心値などを用いてもよい。すなわち特定のロジックによって一意に求められるものであればよい。
各探傷条件におけるエコー中心位置を、EPj(θ)と表わし、座標としては、Xj(θ)、Yj(θ)、Zj(θ)と表わす。
たとえば、探傷条件θが探傷屈折角βの場合の例を示す。図16は、第2の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域のエコー領域の位置の変化を示す画像であり、(a)はβが20°、(b)はβが30°、(c)はβが40°の場合である。破線は、エコー中心位置を表す。
図17は、第2の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域のエコー領域中心位置の変化を示すグラフである。βが20°から40°までたとえば1°刻みで連続的に変化させた場合、θは0から20までの全21パターンあることになり、エコー中心位置EPj(θ)のXj(θ)変化は図17のような模式図で表される。
探傷屈折角βが大きくなるにつれて、エコー領域E1の位置は有意に移動している。一方、エコー領域E2の位置は大きく移動していない。この傾向を用いると例えば、探傷条件依存性の強いE1はビームの強い位置に現れるような材料固有のノイズであると推定される。一方、探傷条件依存性の弱いE2は安定した散乱源である欠陥と推定される。このように、E1はノイズ、E2は欠陥エコーという判別が可能となる。
[第3の実施形態]
図18は、第3の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。本第2の実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態においては、特徴量算出部35としての輝度値頻度分布算出部35cを有し、特徴量変化算出部36としての輝度値頻度分布変化算出部36cを有する。
図19は、第3の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域内の各画素(各点)における輝度値(すなわち合成エコーの強度)の頻度分布の変化であって、ノイズの場合を示すグラフである。ここで、輝度値の頻度分布は、注目するエコー領域の画像領域中の画素のそれぞれについての輝度値の、その画像領域中の出現頻度の分布である。図20は、第3の実施形態に係る超音波探傷方法における探傷屈折角βを変化させた場合の、探傷空間領域内の各画素(各点)における輝度値(すなわち合成エコーの強度)の頻度分布の変化であって、欠陥の場合を示すグラフである。
このように、たとえば、位置や強度がビーム方向の影響を受けやすいノイズは、E1のように不規則な変化傾向をとる。これに対し、比較的安定した散乱源である欠陥エコーはE2で見られるように変化量が安定的に推移するなどの推定が可能となる。
この時変化傾向の比較には、相関量計算やピーク数、ピーク位置、オフセット量などが比較できるほか、フィルタによるグラフの平滑化、ガウス関数や指数対数関数の重ね合わせ等を用いた近似値化を行い、計算負荷を低減してもよい。
[第4の実施形態]
図21は、第4の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第1の実施形態における切り替え部22、遅延時間演算部31および信号合成部32に代えて、本第4の実施形態は、切り替え部22a、遅延時間演算部31aおよび信号合成部32aを有する。それぞれの内容は、後述する。
図22は、第4の実施形態に係る超音波探傷方法における手順を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第1の実施形態と内容の同じステップは、第1の実施形態と同じ番号を付している。以下、第1の実施形態と異なるステップについて説明する。
図23は、第4の実施形態に係る超音波探傷方法における超音波の各送信の状態を示すブロック図である。超音波アレイプローブ10の有する超音波素子11のうち、使用するものは、第1素子ないし第N素子のN個であるとする。使用する超音波素子11は、超音波アレイプローブ10の有する超音波素子11の全てであってもよい。
ステップS01の後に、受発信部20の切り替え部22aは、使用する全ての超音波素子11、すなわち、第1素子ないし第N素子について、1つずつ順番に超音波の送信を行う(ステップS11)。図23の(a)は第1素子からの送信、(b)は第2素子からの送信、(c)は第N素子からの送信を示す。それぞれから送信した超音波は、超音波素子11自身を含めて、全ての超音波素子11が受信する。第1素子ないし第N素子からの送信の都度、全ての超音波素子11が受信した波形を、記憶部40のエコー信号記憶部41が記憶する。
次に、受発信部20は、全ての超音波素子11についての送信を完了したか否かを判定する(ステップS12)。完了していないと判定した場合(ステップS12 NO)は、ステップS11を繰り返す。すべてについて完了したと判定した場合(ステップS12 YES)は、次のステップに進む。
次に、遅延時間演算部31aは、検査対象1を分割した部分ごとに、送信した超音波素子11と受信した超音波素子11のそれぞれの組合せについて、送信から受信までの時間の、基準となる時間(基準時間)に対する増減分を遅延時間として算出する(ステップS13)。このようにして得られた各波形を合成する(ステップS14)。
図24は、第4の実施形態に係る超音波探傷方法における超音波の送信によるエコー波形(受信波形)の一部を示す波形図である。説明を簡略化するために、図24に示すように素子の数が3つの場合で説明する。いま、検査対象1を分割した部分が欠陥2の場合を示す。すなわち、第1素子から送信し欠陥2に到達し第1素子で受信する場合、あるいは、第3素子から送信し欠陥2に到達し第3素子で受信する場合など、9つの組合せがある。
まず、遅延時間を考慮せず、そのままの波形を基本波形と呼ぶこととする。第1素子から送信し第1素子ないし第3素子で受信した超音波を、それぞれUf1,1、Uf1,2、Uf1,3と表記する。第2素子から送信し第1素子ないし第3素子で受信した超音波を、それぞれUf2,1、Uf2,2、Uf2,3と表記する。同様に、第3素子から送信し第1素子ないし第3素子で受信した超音波を、それぞれUf3,1、Uf3,2、Uf3,3と表記する。
図25は、超音波の送信および受信時の遅延時間を説明する波形図である。図25は、第1素子から送信し、欠陥2に到達し、欠陥2で反射したエコーを第1素子が受信する場合の往復の所要時間を基準にしている。
図24に示すように、第1素子から欠陥2までの距離に比べて、第2素子から欠陥2までの距離は短く、第3素子から欠陥2までの距離は更に短い。したがって、各素子からの超音波が同時に欠陥2に到達するには、第1素子からの送信の時点より、第2素子からの送信の時点を遅らせる必要がある。また、第3素子からの送信の時点はさらに遅らせる必要がある。
復路についても同様に、欠陥2から第1素子までの距離に比べて、欠陥2から第2素子までの距離は短く、欠陥2から第3素子までの距離は更に短い。この結果、それぞれの波を重ね合わせるためには、第2素子の受信の時点を遅らせる必要がある。また、第3素子の受信の時点はさらに遅らせる必要がある。
図25に示す送信用遅延時間、受信用遅延時間は、以上のように導き出された遅延時間である。図26は、エコーの合成波形を示す波形図である。遅延時間演算部31aで到達時点を一致させているため、信号合成部32aでの合成は、大きなSN比の下に合成波形を算出できる。
本実施形態においては、各超音波素子11について1回ずつ送信を実施することによって、その後の演算部30での信号処理によって、探傷屈折角βやフォーカス深さなどを変化させた探傷条件を網羅的に得られる。具体的には、遅延時間演算部31aで目的に応じた遅延時間を設定すれば、信号合成部32aにより合成波形を得ることができる。
すなわち、実際に検査対象1についてのオンラインの検査は、各超音波素子11についての送信を1回ずつ実施するのみであり、かつ、その都度の演算等が不要であるため、連続して実施することができる。その後の処理はオフラインで行うことができ、現場での検査作業の時間を大幅に短縮することができる。
[第5の実施形態]
図27は、第5の実施形態に係る超音波探傷装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本第5の実施形態における超音波探傷装置100の演算部30は、検査対象表面形状算出部37を有する。
検査対象表面形状算出部37は、検査対象1の表面が平面でなく複雑な曲面や凹凸面を持つ場合に、検査対象1の表面形状を取得する。具体的には、基本波形を用いた開口合成法などによって表面形状を映像化して、その結果から検査対象1の表面形状を得ることでよい。あるいは、設計図面から表面形状を読込んでもよい。もしくは、カメラやレーザ距離計等の検査対象表面形状計測手段を、超音波アレイプローブ10に付属させたり、その近くに別途設けたりしてもよい。1度表面形状を得れば、遅延時間計算に繰り返し使用できる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第4の実施形態の特徴あるいは第5の実施形態の特徴を、第1ないし第3の実施形態と組み合わせてもよい。あるいは、第4と第5の実施形態をさらに組合せてもよい。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…検査対象、2…欠陥、3…溶接部、5…音響伝搬媒質、10…超音波アレイプローブ、11…超音波素子、20…受発信部、21…電位差印加部、22、22a…切り替え部、23…AD変換部、30…演算部、31、31a…遅延時間演算部、32、32a…信号合成部、33…映像化部、34…抽出部、35…特徴量算出部、35a…強度分布算出部、35b…中心位置算出部、35c…輝度値頻度分布算出部、36…特徴量変化算出部、36a…強度分布変化算出部、36b…中心位置変化算出部、36c…輝度値頻度分布変化算出部、37…検査対象表面形状算出部、40…記憶部、41…エコー信号記憶部、50…制御演算部、60…表示部、100…超音波探傷装置

Claims (5)

  1. 検査対象に超音波を送信し前記検査対象で反射した超音波を受信する複数の互いに並列に配された超音波素子を有する超音波アレイプローブと、
    前記超音波素子に振動を生ぜしめる電位差を印加可能な電位差印加部と、
    前記超音波素子が超音波を送受信するタイミングをずらすための遅延時間を算出する遅延時間演算部と、
    前記電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加した状態と、前記電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加しない状態とを切り替える切り替え部と、
    前記超音波素子が受信した受信波を前記遅延時間にしたがって合成した合成エコーに関する特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記検査対象への超音波の入射条件の変化に対する前記特徴量の変化を算出する特徴量変化算出部と、
    を備え
    前記特徴量は、前記合成エコーの強度が予め定めたしきい値を超えるか前記しきい値以上となるエコー領域の中心位置の変化であることを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 前記切り替え部は、前記超音波素子が前記遅延時間に基づいて前記検査対象に超音波を送信し、前記超音波素子が前記遅延時間に基づいて前記検査対象からの超音波を受信するように前記超音波素子のそれぞれへの電位差の印加を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷装置。
  3. 信号合成部をさらに有し、
    前記切り替え部は、前記超音波素子それぞれが、順番に超音波の送信を行うように切り替え、
    前記信号合成部が、前記超音波素子それぞれからの超音波の送信により前記超音波素子が受信した受信波を、それぞれの前記受信波に対応した前記遅延時間だけずらして合成する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波探傷装置。
  4. 複数の超音波素子を有する超音波アレイプローブによって検査対象に送信され受信された信号データを処理するデータ処理装置において、
    前記超音波素子が超音波を送受信するタイミングをずらすための遅延時間を算出する遅延時間演算部と、
    電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加した状態と、前記電位差印加部が前記超音波素子に電位差を印加しない状態とを切り替える切り替え部と、
    前記超音波素子が受信した受信波を前記遅延時間にしたがって合成した合成エコーに関する特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記検査対象への超音波の入射条件の変化に対する前記特徴量の変化を算出する特徴量変化算出部と、
    を備え、
    前記特徴量は、前記合成エコーの強度が予め定めたしきい値を超えるか前記しきい値以上となるエコー領域の中心位置の変化であることを特徴とするデータ処理装置。
  5. 超音波アレイプローブの超音波素子から検査対象に送信した超音波の受信波の合成波形に基づいて前記検査対象内部の映像を作成する映像作成ステップと、
    前記映像に基づいて、特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
    探傷条件の変化に対して前記特徴量の変化を算出する特徴量変化算出ステップと、
    前記特徴量の変化を表示する表示ステップと、
    を有し、
    前記特徴量は、合成エコーの強度が予め定めたしきい値を超えるか前記しきい値以上となるエコー領域の中心位置の変化であることを特徴とする超音波探傷方法。
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