JP6522935B2 - 排水処理装置およびその製造方法 - Google Patents

排水処理装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6522935B2
JP6522935B2 JP2014244091A JP2014244091A JP6522935B2 JP 6522935 B2 JP6522935 B2 JP 6522935B2 JP 2014244091 A JP2014244091 A JP 2014244091A JP 2014244091 A JP2014244091 A JP 2014244091A JP 6522935 B2 JP6522935 B2 JP 6522935B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
methane
solid
treatment
methane fermentation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014244091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016107174A (ja
Inventor
準平 宮崎
準平 宮崎
中本 学
学 中本
裕士 中西
裕士 中西
朝将 本永
朝将 本永
高橋 亘
亘 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DAIKI AXIS CO., LTD.
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
DAIKI AXIS CO., LTD.
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DAIKI AXIS CO., LTD., Osaka Gas Co Ltd filed Critical DAIKI AXIS CO., LTD.
Priority to JP2014244091A priority Critical patent/JP6522935B2/ja
Publication of JP2016107174A publication Critical patent/JP2016107174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6522935B2 publication Critical patent/JP6522935B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

本発明は、筐体の内部を仕切壁にて区画して、
生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、
前記排水中の有機成分を高温メタン発酵するメタン発酵槽と、
前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、
を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置およびその製造方法に関する。
近年、各家庭や集合住宅において、ゴミの減容化等を目的として、生ごみディスポーザが普及する傾向にあり、ディスポーザにより粉砕処理された生ごみを処理可能とする排水処理装置が設置される傾向にある。
このような排水処理装置は、粉砕処理された生ごみを水で希釈した生ごみ粉砕処理廃液を受け入れて、固液分離槽で固液分離し、固液分離された液相を好気処理槽にて好気処理して浄化するとともに、沈殿物を嫌気発酵槽としてのメタン発酵槽にてバイオガス化する(たとえば、特許文献1参照)。
このような排水処理装置として、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化し、排水処理装置を小型化効率化することを目的として、本出願人らは、簡素な構成で生ごみ粉砕処理廃液の連続移流が可能な構成を実現すべく、嫌気発酵槽、好気処理槽を一体化した構成の排水処理装置を提案している(特許文献2)。
一方、排水処理装置の断熱を目的として、排水処理装置全体を断熱壁で覆う断熱構造や(特許文献3参照)、排水処理装置を構成する壁部材をすべて断熱材で構成する断熱構造が提案されている(特許文献4参照)。
特開2002−119937号公報 特開2013−027851号公報 特開平10−263570号公報 特開2009−234647号公報
上述の排水処理装置によると、特許文献1にいう嫌気発酵槽を備えたメタン発酵槽は、生ごみ粉砕処理廃液の可溶化、バイオガス化を促進すべく高温に保持することが望まれ、一方、好気処理槽では、好気性微生物の常温における活性を維持すべく浄化槽設置環境の環境温度に維持することが望まれる。
このような温度維持要求に対して、特許文献1に記載の技術によると、嫌気発酵槽の周壁が特許文献3に示されるような断熱構造に形成され、好気処理槽の周壁が非断熱構造に形成されることにより、嫌気発酵槽、好気処理槽の双方における水処理効率を高く維持することが想定される。しかし、特許文献2に記載の技術を採用する場合、特許文献3に記載の技術を採用して排水処理装置全体を断熱構造とすると、嫌気発酵槽における水処理効率は高く維持されるが、嫌気発酵槽の熱が伝導して好気処理槽まで次第に昇温し、その昇温状態が維持されることになるから、好気処理槽における水処理効率を低下させる結果になる。また、特許文献3に代え、特許文献4に記載の技術を適用した場合であっても、断熱構造を介しても嫌気発酵槽における熱は、不可避的に徐々に好気処理槽に伝達されるとともに、断熱構造により内部に保持されることになるから、長期的にみると、やはり、嫌気発酵槽の熱が伝導して好気処理槽まで次第に昇温し、その昇温状態が維持されることになるから、好気処理槽における水処理効率を低下させる結果になる。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、嫌気発酵槽、好気処理槽を一つの筐体の内部を仕切壁にて区画して形成して設けたとしても、それぞれの槽における水処理効率を高く維持することのできる排水処理装置を提供することを目的とする。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明の排水処理装置の特徴構成は、
筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置であって、
前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成され、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成され、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されており、
前記筐体に前記受入槽と前記メタン発酵槽とを隣接して備え、前記受入槽と前記メタン発酵槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されている点にある。
〔作用効果1〕
上記構成によると、筐体の内部を仕切壁にて区画して、受入槽と、メタン発酵槽と、好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してあるから、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化し、排水処理装置が小型化効率化される。ここで、前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成されていると、高温メタン発酵される前記メタン発酵槽内部の熱は、断熱構造によって遮断されて、排水処理装置外部に放出されにくくなる。そのため、メタン発酵槽内を高温メタン発酵に適した、たとえば、50℃以上80℃以下の温度に維持しやすくなり、メタン発酵槽内における水処理効率を高く維持しやすくなるとともに、高温メタン発酵に適した温度に維持するために必要な供給熱量を少なく抑制することができる。一方、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成されているから、好気処理槽内部は、排水処理装置外部の環境温度に近似する方向で加温、冷却される。そのため、好気処理槽内の温度は好気性微生物が良好に活動しうる、たとえば35℃以下の環境温度に維持されやすい方向で温度調整されることになり、好気処理槽内における水処理効率を高く維持しやすくなる。
さらに、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されているから、排水処理装置内部においても、メタン発酵槽内部の熱が好気処理槽に伝達されるのを遮断し、メタン発酵槽と、好気処理槽とで、水処理効率を高く維持するための温度に大きな差があっても、メタン発酵槽から好気処理槽への熱移動を抑制し、メタン発酵槽、好気処理槽ともに、それぞれの適した温度(たとえばメタン発酵槽では、50度〜80℃程度が適温であるのに対して、好気処理槽では35℃以上の環境には適さない)に維持することができる。
したがって、排水処理装置を小型化し、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化しつつ、メタン発酵槽、好気処理槽ともに、それぞれの適した温度に維持できるため、水処理効率の向上を図るとともに、高温メタン発酵に適した温度に維持するために必要な供給熱量を減少させ、排水処理装置を運転する際のエネルギー効率を向上することができた。
また、上記のように、前記筐体に前記受入槽と前記メタン発酵槽とを隣接して備える場合、排水処理装置に流入する生ごみ粉砕処理廃液は、一旦受入槽に受け入れられ、生物処理不能な砂、灰分等を沈殿除去した後、生物処理可能な生ごみ粉砕処理廃液を流動させて、優先的にメタン発酵槽に移流させることができる。この際、前記受入槽と前記メタン発酵槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されていれば、メタン発酵槽の保有する熱が、仕切壁を経由して前記受入槽に移動するのを抑制して、より一層メタン発酵槽内の温度を、高温メタン発酵に適した温度域に維持しやすくできる。
〔構成2〕
また、前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備える構成とすることができる。
〔作用効果2〕
このような構成としてあれば、メタン発酵槽に移流した生ごみ粉砕処理廃液は、固液分離槽において、固液分離され、固液分離された沈殿物を嫌気発酵槽においてメタン発酵させるとともに、固体成分の少ない液相を好気処理槽に移送して好気処理に供する形態とすることができる。すなわち、嫌気発酵槽では沈殿物を主にメタン発酵を行い、メタン発酵により浄化されて負荷の軽減された液相を、生ごみ粉砕処理廃液を固液分離した液相とともに好気処理槽でさらに浄化するという機能分担を明確に行うことができる。
〔構成3〕
上記目的を達成するための本発明の排水処理装置の特徴構成は、
筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置であって、
前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成され、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成され、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されており、
前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備える点にある
〔作用効果3〕
上記構成によると、筐体の内部を仕切壁にて区画して、受入槽と、メタン発酵槽と、好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してあるから、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化し、排水処理装置が小型化効率化される。ここで、前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成されていると、高温メタン発酵される前記メタン発酵槽内部の熱は、断熱構造によって遮断されて、排水処理装置外部に放出されにくくなる。そのため、メタン発酵槽内を高温メタン発酵に適した、たとえば、50℃以上80℃以下の温度に維持しやすくなり、メタン発酵槽内における水処理効率を高く維持しやすくなるとともに、高温メタン発酵に適した温度に維持するために必要な供給熱量を少なく抑制することができる。一方、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成されているから、好気処理槽内部は、排水処理装置外部の環境温度に近似する方向で加温、冷却される。そのため、好気処理槽内の温度は好気性微生物が良好に活動しうる、たとえば35℃以下の環境温度に維持されやすい方向で温度調整されることになり、好気処理槽内における水処理効率を高く維持しやすくなる。
さらに、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されているから、排水処理装置内部においても、メタン発酵槽内部の熱が好気処理槽に伝達されるのを遮断し、メタン発酵槽と、好気処理槽とで、水処理効率を高く維持するための温度に大きな差があっても、メタン発酵槽から好気処理槽への熱移動を抑制し、メタン発酵槽、好気処理槽ともに、それぞれの適した温度(たとえばメタン発酵槽では、50度〜80℃程度が適温であるのに対して、好気処理槽では35℃以上の環境には適さない)に維持することができる。
したがって、排水処理装置を小型化し、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化しつつ、メタン発酵槽、好気処理槽ともに、それぞれの適した温度に維持できるため、水処理効率の向上を図るとともに、高温メタン発酵に適した温度に維持するために必要な供給熱量を減少させ、排水処理装置を運転する際のエネルギー効率を向上することができた。
また、このような構成としてあれば、メタン発酵槽に移流した生ごみ粉砕処理廃液は、固液分離槽において、固液分離され、固液分離された沈殿物を嫌気発酵槽においてメタン発酵させるとともに、固体成分の少ない液相を好気処理槽に移送して好気処理に供する形態とすることができる。すなわち、嫌気発酵槽では沈殿物を主にメタン発酵を行い、メタン発酵により浄化されて負荷の軽減された液相を、生ごみ粉砕処理廃液を固液分離した液相とともに好気処理槽でさらに浄化するという機能分担を明確に行うことができる。
〔構成4〕
また、前記好気処理槽が、前記メタン発酵槽において処理された排水を好気処理する散気処理槽と、前記散気処理槽の浮遊汚泥を受け入れて濃縮する汚泥沈降槽を備え、前記汚泥沈降槽には、濃縮された汚泥を前記受入槽に返送する返送路を設けて構成することもできる。
〔作用効果4〕
このように構成すると、好気処理槽では、散気処理槽で、メタン発酵槽において処理された排水を好気処理するとともに、散気により排水を生物処理した際に生じる浮遊汚泥について、汚泥沈降槽で沈降回収して濃縮することができる。そこで沈降回収した沈殿汚泥は、返送路を通じて受入槽に返送することにより、再度メタン発酵に供することができメタン発酵の効率化を図ることができるとともに、好気処理槽の水処理環境の維持を図ることができる。
〔構成5〕
また、前記メタン発酵槽から前記好気処理槽に排水を移流させる移送部を備え、
前記移送部が、前記固液分離槽で固液分離された液相を、前記汚泥沈降槽を経由して前記好気処理槽に移送させるものであってもよい。
〔作用効果5〕
固液分離槽で固液分離された液相は、固液分離槽から好気処理槽に移送することにより、好気処理槽に受け入れられて好気処理されるが、汚泥沈降槽を設けてなる構成においては、固液分離槽から直接好気処理槽に液相を移送させるのに代えて、汚泥沈降槽を経由して好気処理槽に移送する構成とすることもできる。すなわち、上記構成によっても、固液分離槽で固液分離された液相は良好に好気処理を受けるとともに、汚泥沈降槽で汚泥を沈殿分離した後の上澄液についても簡易に再度好気処理可能にする構成を実現することができる。
〔構成
上記目的を達成するための本発明の排水処理装置の特徴構成は、
筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置であって、
前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成され、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成され、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されており、
前記好気処理槽が、前記メタン発酵槽において処理された排水を好気処理する散気処理槽と、前記散気処理槽の浮遊汚泥を受け入れて濃縮する汚泥沈降槽を備え、前記汚泥沈降槽には、濃縮された汚泥を前記受入槽に返送する返送路を設けてあり、
前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備えるとともに、
前記メタン発酵槽から前記好気処理槽に排水を移流させる移送部を備え、
前記移送部が、前記固液分離槽で固液分離された液相を、前記汚泥沈降槽を経由して前記散気処理槽に移送させるものである点にある。
〔作用効果
上記構成によると、筐体の内部を仕切壁にて区画して、受入槽と、メタン発酵槽と、好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してあるから、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化し、排水処理装置が小型化効率化される。ここで、前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成されていると、高温メタン発酵される前記メタン発酵槽内部の熱は、断熱構造によって遮断されて、排水処理装置外部に放出されにくくなる。そのため、メタン発酵槽内を高温メタン発酵に適した、たとえば、50℃以上80℃以下の温度に維持しやすくなり、メタン発酵槽内における水処理効率を高く維持しやすくなるとともに、高温メタン発酵に適した温度に維持するために必要な供給熱量を少なく抑制することができる。一方、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成されているから、好気処理槽内部は、排水処理装置外部の環境温度に近似する方向で加温、冷却される。そのため、好気処理槽内の温度は好気性微生物が良好に活動しうる、たとえば35℃以下の環境温度に維持されやすい方向で温度調整されることになり、好気処理槽内における水処理効率を高く維持しやすくなる。
さらに、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されているから、排水処理装置内部においても、メタン発酵槽内部の熱が好気処理槽に伝達されるのを遮断し、メタン発酵槽と、好気処理槽とで、水処理効率を高く維持するための温度に大きな差があっても、メタン発酵槽から好気処理槽への熱移動を抑制し、メタン発酵槽、好気処理槽ともに、それぞれの適した温度(たとえばメタン発酵槽では、50度〜80℃程度が適温であるのに対して、好気処理槽では35℃以上の環境には適さない)に維持することができる。
したがって、排水処理装置を小型化し、生ごみ粉砕処理廃液の移送を効率化しつつ、メタン発酵槽、好気処理槽ともに、それぞれの適した温度に維持できるため、水処理効率の向上を図るとともに、高温メタン発酵に適した温度に維持するために必要な供給熱量を減少させ、排水処理装置を運転する際のエネルギー効率を向上することができた。
また、このように構成すると、好気処理槽では、散気処理槽で、メタン発酵槽において処理された排水を好気処理するとともに、散気により排水を生物処理した際に生じる浮遊汚泥について、汚泥沈降槽で沈降回収して濃縮することができる。そこで沈降回収した沈殿汚泥は、返送路を通じて受入槽に返送することにより、再度メタン発酵に供することができメタン発酵の効率化を図ることができるとともに、好気処理槽の水処理環境の維持を図ることができる。
更に、固液分離槽で固液分離された液相は、固液分離槽から好気処理槽に移送することにより、好気処理槽に受け入れられて好気処理されるが、汚泥沈降槽を設けてなる構成においては、固液分離槽から直接好気処理槽に液相を移送させるのに代えて、汚泥沈降槽を経由して好気処理槽に移送する構成とすることもできる。すなわち、上記構成によっても、固液分離槽で固液分離された液相は良好に好気処理を受けるとともに、汚泥沈降槽で汚泥を沈殿分離した後の上澄液についても簡易に再度好気処理可能にする構成を実現することができる。
〔構成
さらに、前記仕切壁の断熱構造が、断熱層の両面にFRP層を設けた積層断熱構造であってもよい。
〔作用効果
このように構成すると、断熱層自体が耐水性や強度に優れないものであっても、FRPの優れた耐水性と強度を付与した仕切壁構造を提供できるようになり、簡素でかつ高性能な断熱壁とすることができる。
また、このような構成を選択すると排水処理装置の筐体が汎用品であって、仕切壁の材質、構造自体の変更が困難であるような場合であっても、事後的に積層断熱構造を備えた仕切壁として形成することができる。たとえば、FRP層を構成する仕切壁部材の一面に沿って断熱材からなる断熱層を被覆形成した後、前記断熱層の表面にFRPを塗布することにより、前記仕切壁を、FRP層、断熱層、FRP層を順次積層してある積層断熱構造とすることができる。そのため、種々容量、形態の排水処理装置を提供する必要がある場合であっても、従来の筐体の製造工程を大きく変えることなく断熱構造を設ける加工工程を付加するだけの簡単な製造工程の変更にて、断熱構造を有する仕切壁を備えた排水処理装置を提供できることになる。
なお、前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分を断熱構造に形成し、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分を非断熱構造に形成することについても、筐体の外部から事後的に断熱構造を付加する加工により可能である。
〔構成
また、本発明の排水処理装置の製造方法の特徴構成は、
筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置の製造方法であって、
前記筐体内部に前記メタン発酵槽と、前記好気処理槽とを仕切る仕切壁を、筐体内部を水密かつ気密に区画するFRP製仕切壁部材から構成しておき
前記仕切壁部材の一面に沿って断熱材からなる断熱層を被覆形成した後、前記断熱層の表面にFRPを塗布して、前記仕切壁を、FRP層、断熱層、FRP層を順次積層してある積層断熱構造として、
前記筐体の周壁の内、前記仕切壁部材のメタン発酵槽側周壁部分を断熱構造を有した状態にするとともに、前記筐体の周壁の内、前記仕切壁部材の好気処理槽側周壁部分を非断熱構造を有した状態にする点にある。
〔作用効果
上記特徴構成によると、筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を高温メタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置が、あらかじめ前記筐体内部に前記メタン発酵槽と、前記好気処理槽とを仕切る仕切壁を、筐体内部を水密かつ気密に区画するFRP製仕切壁部材から構成してある汎用品であっても、前記仕切壁部材の一面に沿って断熱材からなる断熱層を被覆形成した後、前記断熱層の表面にFRPを塗布して、前記仕切壁を、FRP層、断熱層、FRP層を順次積層してある積層断熱構造とする加工工程を、事後的に付加するだけで、筐体の周壁の内、仕切壁部材のメタン発酵槽側周壁部分が断熱構造を有した状態になるとともに、筐体の周壁の内、仕切壁部材の好気処理槽側周壁部分が非断熱構造を有した状態になり、上述の高効率に排水処理を行える排水処理装置を製造することができる。
なお、仕切壁部材に事後的に断熱構造を付加する加工は、既存のFRP製の仕切壁部材に対して、仕切壁部材の一面に沿って断熱材からなる断熱層を、たとえば、断熱性の高い発泡樹脂を吹き付けて形成したり、既存の板状断熱材を張り付けたりすることにより、断熱層を被覆形成でき、その後、前記断熱層の表面にFRPを吹き付けるなどの塗布方法を用いて塗布するだけでFRP層を積層形成することができる。したがって、適宜作業性の良い製造方法を選択して簡便に積層断熱構造の仕切壁を形成することができる。
したがって、メタン発酵槽、好気処理槽を一つの筐体の内部を仕切壁にて区画して形成して設けたとしても、それぞれの槽における水処理効率を高く維持することのできる排水処理装置を提供できるようになった。
排水処理装置の縦断正面図 排水処理装置における固液分離槽および嫌気発酵槽を示す図 排水処理装置における固液分離槽および嫌気発酵槽の横断平面図 積層断熱構造を示す断面図 別実施形態における排水処理装置の横断平面図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態にかかる排水処理装置を説明する。なお、以下に好適な実施形態を記すが、これら実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔排水処理装置〕
本発明の実施形態にかかる排水処理装置は、図1〜図3に示すように、
筐体Aの内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽1と、前記排水中の有機成分を高温メタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある。
具体的には、排水処理装置は、前記筐体Aには、筐体Aの内部を仕切壁W12、W23、W35、W45によって仕切ることにより、
生ごみ粉砕処理廃液を受け入れる受入口11を備えるとともに、その受入口11にて受け入れた生ごみ粉砕処理廃液を貯留する受入槽1、
その受入槽1から生ごみ粉砕処理廃液を移流させて、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽2、
固液分離槽2にて沈殿分離された沈殿物を受け入れてメタン発酵によりバイオガス化する嫌気発酵槽3、
固液分離槽2で固液分離された液相を受け入れて好気処理する散気処理槽4、および、
前記散気処理槽4の浮遊汚泥を受け入れて濃縮する汚泥沈降槽5を備えて構成してある。
つまり、前記固液分離槽2および嫌気発酵槽3にてメタン発酵槽を構成するとともに、
前記散気処理槽4と汚泥沈降槽5にて好気処理槽を構成してある。
また、受入槽1にて受け入れた生ごみ粉砕処理廃液を固液分離槽2に移流させる処理廃液移流部12、固液分離槽2から散気処理槽4に固液分離された上澄液(即ち、液相)を移送する移送部M、固液分離槽2から嫌気発酵槽3に上澄液を移流させる液相移流部21、沈殿物を移流させる沈殿物移流部22、汚泥沈降槽5にて沈殿分離された沈殿物を受入槽1まで返送する返送手段Rを設けてある。
この実施形態では、図1に示すように、返送手段Rを、散気処理槽4から汚泥沈降槽5まで主に浮遊汚泥を返送する第一返送路41と、汚泥沈降槽5から受入槽1まで主に沈殿汚泥を返送する第二返送路51とを備えて構成してある。
さらに、嫌気発酵槽3にて発生したバイオガスを取り出すバイオガス取出口31、バイオガス取出口31からバイオガス取出路37を通して取り出されるバイオガスを一時貯留するとともに、必要に応じて外部に送出可能なバイオガスタンクT、および、散気処理槽4にて好気処理された処理済みの排水を外部に排出する排水口42を設けてある。
そして、受入口11から受け入れた生ごみ粉砕処理廃液を固液分離槽2で沈殿分離し、沈殿物は嫌気発酵槽3での嫌気発酵によりバイオガス化して、バイオガスとしてバイオガス取出口31からバイオガス取出路37により取り出し、液相は散気処理槽4での好気処理により浄化して、清浄な排水として排水口42から外部に排出する構成となっている。
具体的には、図1に示すように、排水処理装置の筐体Aの内部を4つの仕切壁W12、W23、W35、W45にて筐体Aの左右方向(図1の左右方向に一致する)に5つの槽に仕切り、左右方向の一端(図1の左端)から、受入槽1、固液分離槽2、嫌気発酵槽3、汚泥沈降槽5、散気処理槽4を列状に並べて形成してある。
各槽間の連通状態に関して述べると、図1から判明するように、受入槽1と固液分離槽2および嫌気発酵槽3とは、処理廃液移流部12を介して液相がオーバーフローし、気相側が筐体A内部の天井側で流通可能に連通している。汚泥沈降槽5および散気処理槽4は、それぞれ独立の槽であり、移送部Mおよび返送手段Rに拠らなければ気相、液相共に互いの槽間で流通しない構成としてある。また、嫌気発酵槽3上部の気相部に、バイオガス取出口31を形成して、この嫌気発酵槽3で発生したガスが、バイオガス取出路37により取り出される構成となっており、気相がこの槽から汚泥沈降槽5および散気処理槽4に流出しない構成となっている。すなわち、仕切壁W35、W45は、筐体Aの内部にて各層を水密かつ気密に仕切る構成となっており、嫌気発酵槽3で発生したバイオガスを、筐体A内における仕切壁W35より上流側(受入口11側)の気相部分より効率よく回収可能な構成を実現している。
なお、以下の説明では、受入槽1と固液分離槽2とを仕切る仕切壁W12を第一仕切壁W12と、固液分離槽2と嫌気発酵槽3とを仕切る仕切壁W23を第二仕切壁W23と、嫌気発酵槽3と汚泥沈降槽5とを仕切る仕切壁W35を第三仕切壁W35と、汚泥沈降槽5と散気処理槽4とを仕切る仕切壁W45を第四仕切壁W45とそれぞれ記載する場合がある。
図2において、図2(a)が固液分離槽2および嫌気発酵槽3の縦断正面図を、図2(b)が図2(a)におけるIIb−IIb矢視図を、図2(c)が図2(a)におけるIIc−IIc矢視図をそれぞれ示し、図3が受入槽1、固液分離槽2および嫌気発酵槽3の横断平面図を示している。
〔受入槽〕
図1〜図3に示すように、排水処理装置の筐体Aにおける受入槽1の液面近傍に、受入口11を設け、受入槽1の内部に生ごみ粉砕処理廃液を貯留可能な貯留空間13を形成している。また、貯留空間13内部には、バイオガスタンクTに貯留されているバイオガスを嫌気ガスとして嫌気ガスポンプP1により供給する受入槽用散気装置14を設け、受入槽1の下部より曝気撹拌することにより、受け入れた生ごみ粉砕処理廃液を貯留しつつ、可溶化、流動化を図るように構成してある。また、この受入槽1では、砂、金属等の比重の大きい異物が除去される。なお、バイオガスをバイオガスタンクTから受入槽用散気装置14に送る送気流路(図示省略)には、開閉弁V1および流量調整弁V2を設け、これら開閉弁V1と流量調整弁V2により、受入槽用散気装置14からの散気の断続および散気量の調整が可能に構成してある。
第一仕切壁W12の上端は、排水処理装置の天井近くまで延びて、受入槽1の液面よりも上方に位置するようにしてあり、この第一仕切壁W12における排水処理装置の筐体Aの前後方向(図1、図2(a)の左右方向に一致する左右方向に対してその紙面表裏方向)の一端側部(後端側部)には、生ごみ粉砕処理廃液を可溶化した可溶化液がオーバーフローによって受入槽1から固液分離槽2に移流可能なように開口部を形成し、この開口部にて、処理廃液移流部12を構成してある。
〔固液分離槽〕
図1〜図3に示すように、固液分離槽2には、処理廃液移流部12から受け入れた可溶化液から固形成分を沈殿分離可能にする沈殿分離空間23を形成してある。
図1、図2(a)に示すように、固液分離槽2の下部には、固液分離槽2において固形成分が沈殿分離された沈殿物を嫌気発酵槽3に可溶化液とともに移流させ、嫌気発酵槽3で嫌気処理された処理済の排水(余剰の液相)を固液分離槽2に返送可能にする沈殿物移流部22を設けてある。
さらに、この固液分離槽2の上澄液を嫌気発酵槽3に移流させる液相移流部21を設けてあるが、固液分離槽2および嫌気発酵槽3それぞれに貯留される処理液に関して、両槽間においてその処理液表面側で上澄み液の流通が可能となる構成が採用されている。
図1および図2(a)から判明するように、固液分離槽2では、その下部域に固形成分が沈殿分離された沈殿物の堆積層22cが形成されるとともに、その上部域が可溶化液の上澄層となる。この上澄層は、所謂上澄液と浮遊性のごみやスカムからなる浮遊物Sが混在した状態となる。そして、本発明の排水処理装置では、沈殿物の嫌気発酵槽3へ移流を良好に行なう構成と、上澄液の嫌気発酵槽3および散気処理槽4への移流および移送を良好に行なう構成が採用されている。
即ち、図1〜図3に示すように、本発明では、液相移流部21に、固液分離槽2と嫌気発酵槽3とを仕切る第二仕切壁W23を設けるとともに、液相移流部21の受入槽1側に、固液分離槽2の液面の下方近くから、散気方向D(図2および図3において、矢印にて示す)を第二仕切壁W23の上端として、嫌気性ガスを散気する浮遊物寄せ用散気装置25(即ち、散気装置)を設け、浮遊物寄せ用散気装置25の散気領域Z1と移送部Mの液相流入領域Z2との間における浮遊物Sの移流を抑制する抑制機構C(図2(b)、(c)および図3参照)を設けてある。
以下、固液分離槽2からの排水等の移流形態について順に説明する。
〔沈殿物の嫌気発酵槽へ移流〕
図1および図2(a)に示すように、沈殿物移流部22は、固液分離槽2の沈殿分離空間23の下部に設けた絞部としての下すぼまり状のスリット状出口22aを備えて構成されている。具体的には、流下案内板24を、下方側ほど嫌気発酵槽3側に位置する形態の傾斜状で、第一仕切壁W12における固液分離槽2側の面の下方よりの箇所から延設してある。また、第二仕切壁W23の下部を、下方側ほど固液分離槽2側に近づく傾斜壁部22bに構成し、その傾斜壁部22bの下端縁と流下案内板24の斜め上向きの面との間にスリットを形成して、流下案内板24と第二仕切壁W23の下部の傾斜壁部22bとにより、スリット状出口22aを形成してある。これにより、スリット状出口22aを介して、上記沈殿物と可溶化液、処理済みの排水の移流を抑制され、固液分離槽2における沈殿物が、スリット状出口22aを閉塞して堆積する堆積層22cを形成可能に構成してある(図2(a)参照)。
なお、上記構成において、スリット状出口22aの幅は10−30mm程度、好ましくは15mm程度とする。
〔上澄側の嫌気発酵槽および好気処理槽への移流および移送〕
図1、図2から判明するように、固液分離槽2と嫌気発酵槽3とを仕切る第二仕切壁W23は、その下部域に先に説明した傾斜壁部22bを備え、筐体Aの前後方向において、筐体Aの両側壁に渡る状態で設けられている。
そして、第二仕切壁W23の上端縁27を、排水処理装置の天井よりも下方に位置させて、その第二仕切壁W23の上端縁27が、固液分離槽2および嫌気発酵槽3における処理液の液面位置を形成するように構成して、液相移流部21に、固液分離槽2と嫌気発酵槽3とを仕切る第二仕切壁W23を設けてある。これにより、両槽間の上澄液および浮遊物Sは、液相移流部21を構成する第二仕切壁W23の上端縁27を越えて互いに移流可能に構成してある。
さらに、固液分離槽2の受入槽1側の液面の下方近くには、嫌気ガスポンプP1により嫌気性ガスが供給される浮遊物寄せ用散気装置25が備えられている。この浮遊物寄せ用散気装置25は、長さが筐体Aの前後方向の長さよりも短い(例えば、排水処理装置の筐体Aの前後方向の長さの2/3程度)パイプに、その長さ方向に多数の散気孔を分散形成して、パイプ状に構成してある。
そして、このパイプ状の浮遊物寄せ用散気装置25を、第二仕切壁W23の上端縁27よりもやや下方の高さにて、第一仕切壁W12における固液分離槽2側の面に近接させるとともに、排水処理装置の筐体Aの前後方向において処理廃液移流部12側の端部に寄せた状態で、その長さ方向を略水平方向で第一仕切壁W12における固液分離槽2側の面に沿わせた姿勢で、配設してある。さらに、この浮遊物寄せ用散気装置25の散気方向D(各散気孔の向き)を、第二仕切壁W23の上端縁27に向く斜め上向きに設定してある。
そして、この浮遊物寄せ用散気装置25を働かせることにより、先に説明した浮遊物Sを、第二仕切壁W23の上端縁27を越えて、固液分離槽2から嫌気発酵槽3へ送ることができる。結果、浮遊物Sが、固液分離槽2における処理の阻害要因となることを回避できる。
さて、図1〜図3に示すように、移送部Mを、固液分離槽2と散気処理槽4とにわたって設けた管状移送路6を備えて構成してある。この管状移送路6は、嫌気発酵槽3および汚泥沈降槽5それぞれの上方の気相域を通過させた状態で、基端を固液分離槽2内における第二仕切壁W23の上端縁27よりもやや下方に位置させ、且つ、先端を散気処理槽4内上方の気相域に位置させて配設してある。
嫌気発酵槽3では多量のバイオガスが発生し、この嫌気発酵槽3の気相域と固液分離槽2の気相域とは連通した状態で気密に仕切られているから、固液分離槽2の気相域は、散気処理槽4の気相域よりも高圧となる。
したがって、固液分離槽2の気相域と散気処理槽4の気相域との圧力差により、固液分離槽2の上澄液を、管状移送路6内にその基端から流入させて、管状移送路6を通して散気処理槽4に移送することができる。
ここで、この管状移送路6に、浮遊物Sが侵入すると、散気処理槽4での好気処理の負荷が高くなるので好ましくない。
そこで、図2(b)、(c)および図3から判明するように、管状移送路6の吸引部(流入部)である基端を、排水処理装置の筐体Aの前後方向において、前端側の部分、即ち、浮遊物寄せ用散気装置25が存在しない部分に配設してある。また、浮遊物Sの移流を妨げる多孔状の邪魔板26を、その板面を上下方向と排水処理装置の筐体Aの左右方向とに沿わせた姿勢で、固液分離槽2内において、排水処理装置の筐体Aの前後方向における浮遊物寄せ用散気装置25と管状移送路6の基端との間に配設してある。
この邪魔板26は、第一仕切壁W12と第二仕切壁W23とにわたり、且つ、排水処理装置の天井部位から、管状移送路6の基端よりも下側に伸びるように設けてある。
そして、この多孔状の邪魔板26の孔径を、浮遊物Sの通過を阻止可能な径に設定して、この邪魔板26により、抑制機構Cを構成してある。
また、この邪魔板26が、浮遊物寄せ用散気装置25の散気領域Z1と管状移送路6の液相流入領域Z2との間における液相の移流を許容する。
〔嫌気発酵槽〕
図1に示すように、嫌気発酵槽3は、排水処理装置の内部において、沈殿物移流部22より受け入れられる沈殿物をメタン細菌による嫌気発酵により生物分解する嫌気発酵空間32を形成して構成してある。この嫌気発酵空間32には、この嫌気発酵空間32内の処理水を、メタン発酵を良好に行なう上で良好な温度に保持するための熱交換器33を設けてある。嫌気発酵空間32の上方空間は、この嫌気発酵空間32で生成したバイオガスを収集するバイオガス収集空間34を構成する。前述したバイオガス取出口31は、このバイオガス収集空間34に臨ませて設けてある。
嫌気発酵空間32には、バイオガスタンクTに貯留されているバイオガスを嫌気ガスとして嫌気ガスポンプP1により供給するイジェクタ用散気装置35、循環用散気装置36を設けてある。バイオガスをバイオガスタンクTからイジェクタ用散気装置35、循環用散気装置36それぞれに送る送気流路(図示省略)には、開閉弁V1および流量調整弁V2を設け、これら開閉弁V1と流量調整弁V2により、イジェクタ用散気装置35、循環用散気装置36それぞれからの散気の断続および散気量の調整が可能に構成してある。そして、イジェクタ用散気装置35、循環用散気装置36それぞれにより、嫌気ガスを間欠的に散気するように構成してある。つまり、嫌気ガスポンプP1、開閉弁V1と流量調整弁V2により、イジェクタ用散気装置35、循環用散気装置36に間欠的に嫌気ガスを供給するガス供給装置Gを構成してある。
イジェクタ用散気装置35は、図1および図2(a)において矢印で示すように、スリット状出口22aの下方から上昇する気液混相流を形成可能に配置して、固液分離槽2からスリット状出口22aを介して嫌気発酵槽3に沈殿物を移流させ、嫌気発酵槽3の余剰の液相をスリット状出口22aを介して固液分離槽2に返送可能にする沈殿物移流機構を形成してある。また、循環用散気装置36は、熱交換器33の下方側で熱交換器33と第三仕切壁W35との間に、嫌気発酵槽3全体に循環流を形成するように配置してある。
以下、イジェクタ用散気装置35、循環用散気装置36の順に、その働きを説明する。
〔イジェクタ用散気装置〕
前記沈殿物移流機構は、スリット状出口22aのやや下方から、イジェクタ用散気装置35により大量の気泡を一時に供給することにより、前記気泡の上昇流によるイジェクタ効果で、固液分離槽2のスリット状出口22aに堆積した沈殿物を嫌気発酵槽3側に吸い込み、前記沈殿物を移流させる効果を発揮する。このとき、スリット状出口22aに堆積した堆積層22cの沈殿物は、全部同時に移流してしまうのではなく、常時スリット状出口22aには沈殿物の堆積層22cが維持されるように流動する。そのため、沈殿物が固液分離槽2から沈殿物移流部22を介して嫌気発酵槽3に移流しても、即座に嫌気発酵槽3内の液相は、固液分離槽2に逆流することはないものの、堆積層22cを通じて徐々に固液分離槽2に返送される。
一方、嫌気発酵槽3内の固形成分は、堆積層22cに阻まれて固液分離槽2に移流することができない。その結果、嫌気発酵槽3では、固液分離槽2の沈殿物が流入するが、嫌気発酵槽3の内部の固形成分が固液分離槽2に返送されることがなく、嫌気発酵槽3内の微生物が嫌気発酵槽3外に流出して減少することが抑制され、良好な嫌気発酵が維持でき、嫌気発酵により減容した固形成分量に見合う沈殿物が順次補給される運転状態を維持することができる。
〔循環用散気装置〕
図1に示すように、嫌気発酵槽3の汚泥沈降槽5側の嫌気発酵空間32には、この空間内の処理水を、メタン発酵に良好な温度に保持するための熱交換器33が備えられている。この熱交換器33は具体的には、上下に熱媒ヘッド33hを、それら一対の熱媒ヘッド33h間に内部を熱媒が流通可能な複数のチューブ33cを備えて構成されている。したがって、一方の熱媒ヘッド33hから、複数のチューブ33cを介して他方の熱媒ヘッド33hに熱媒を流通させることで、嫌気発酵空間32内の処理液を加温することができる。
図1から判明するように、循環用散気装置36は、熱交換器33と第三仕切壁W35との間に設け、嫌気発酵空間32内に存在する沈殿物を撹拌するとともに、処理液の対流を形成させて、熱交換器33との熱交換により嫌気発酵空間32の処理液を嫌気発酵に適切な50℃〜80℃の温度(以下の実測試験では55℃)に維持することが可能な構成が採用されている。
したがって、嫌気発酵槽3では沈殿物を嫌気発酵により連続的にガス化減容化し、バイオガスを回収できる。
なお、上記構成の場合、イジェクタ用散気装置35および循環用散気装置36による散気は、収集されたバイオガスの一部をバイオガスタンクTから嫌気ガスポンプP1にて供給するので、嫌気発酵槽3の内部を、嫌気状態に維持することができる。
ここで、前記筐体Aの外壁のうち受入槽1、固液分離槽2、嫌気発酵槽3に対応する周壁部分Waが断熱構造に形成されている。これにより、嫌気発酵槽内の熱が前記筐体Aの外壁を介して、排水処理装置外部に放出されるのが効果的に抑制し、熱交換器33より処理液を嫌気発酵に適切な50℃〜80℃の温度に維持するために供給される熱量を節減可能に構成してある。
〔汚泥沈降槽〕
図1に示すように、嫌気発酵槽3と散気処理槽4との間に、汚泥沈降槽5を設けている。この汚泥沈降槽5には、第一返送路41を介して、散気処理槽4から汚泥および処理液が返送され、汚泥は汚泥沈降槽5内沈降され、処理液はオーバーフローで散気処理槽4へ流入するとともに、当該汚泥沈降槽5から、第二返送路51を介して、受入槽1に汚泥が返送される。
第一返送路41は、エアーポンプP2により空気を揚水用ガスとして縦管部41aの下部に供給して、管内の水位を横管接続高さまで上昇させ、横管接続高さに達した被処理水を上流側に返送する構成としてある。空気を第一返送路41の縦管部41aに送る送気流路(図示省略)には、開閉弁V1および流量調整弁V2を設け、これら開閉弁V1と流量調整弁V2により、縦管部41aへの給気の断続および給気量の調整を行って、第一返送路41による汚泥および処理液の返送の断続および返送量の調整が可能に構成してある。
また、第二返送路51は、嫌気ガスポンプP1によりバイオガスタンクTのバイオガスを揚水用ガスとして縦管部51aの下部に供給して、管内の水位を横管接続高さまで上昇させ、横管接続高さに達した被処理水を上流側に返送する構成としてある。バイオガスをバイオガスタンクTから第二返送路51の縦管部51aに送る送気流路(図示省略)には、開閉弁V1および流量調整弁V2を設け、これら開閉弁V1と流量調整弁V2により、縦管部51aへの給気の断続および給気量の調整を行って、第二返送路51による汚泥および処理液の返送の断続および返送量の調整が可能に構成してある。
この汚泥沈降槽5は、下部に汚泥を沈降させる構成が採用されている。そして、エアーポンプP2よりエアを供給して散気する汚泥沈降槽用散気装置52を設け、汚泥沈降槽用散気装置52からの散気により、槽内に循環流を形成できるように構成してある。
これにより、汚泥沈降槽5では、第一返送路41を介して散気処理槽4から返送される汚泥および固液分離槽2より管状移送路6を介して流入する液中の固形物を分離するとともに、汚泥沈降槽5で発生した沈殿汚泥を第二返送路51を介して上流側の受入槽1に返送して、再度嫌気発酵槽3にて一部処理可能に構成してある。
なお、第二返送路51では、嫌気ガスを揚水用ガスとして用いて汚泥沈降槽5内の汚泥を受入槽1に返送する構成とした、ほかに、水中ポンプで揚水して汚泥沈降槽5内の汚泥を受入槽1に返送する構成とすることもできる。さらに、嫌気ガスに代えて空気を揚水用ガスとして用いた場合であっても、第二返送路51中に空気抜き路を設けるとともに、第二返送路51の受入槽1側を被処理水内に水没させておくなどの構成を採用することができる。これによっても、空気の気泡が受入槽1に流入せず、かつ、受入槽1側の気相が大気解放されない状況を維持して汚泥沈降槽5の液相を受入槽1に返送可能となる。要するに、受入槽1側(嫌気性環境の処理槽)の嫌気状態が保たれる構成であれば、汚泥沈降槽5の液相を受入槽1に返送する第二返送路51として、種々公知の構成を採用することができる。
〔散気処理槽〕
本発明に係る排水処理装置では、固液分離槽2から上澄液を、移送部M(管状移送路6)を介して散気処理槽4に移送して、好気処理することにより、自然界に放流可能な水質レベルにまで浄化可能な排水処理装置として用いることとしている。
具体的には、筐体Aの内部に汚泥沈降槽5に隣接して受入槽1の反対側に散気処理槽4を形成してある。そして、固液分離槽2と散気処理槽4との間に、管状移送路6を設け、散気処理槽4に移送した上澄液をさらに浄化して、排水口42から排出するように構成してある。
この散気処理槽4には、担体43を多数収容する。また、エアーポンプP2により空気を供給して散気する好気処理槽用散気装置44を内装し、好気処理槽用散気装置44からの給気により、その担体43に、散気処理槽4内の液を好気処理する好気性菌を生育させるとともに、担体43が流動床を形成する循環流を槽内に形成可能に構成してある。
また、排水口42近傍に多孔状の固形分遮蔽体45を設け、排出される処理済の排水に担体43が混入するのを抑制し、浄化された排水のみが排出される構成としてある。
ここで、前記筐体Aの外壁のうち前記好気処理槽に対応する周壁部分Wbが非断熱構造に形成されている。これにより、前記好気処理槽内の温度が変化しても、容易に排水処理装置の外部と熱交換して外部環境の温度に近似する方向で加温、冷却される構成とされている。
また、上述の各仕切壁のうち第一仕切壁W12および第三仕切壁W35は、断熱構造に形成されている。具体的には、図4に示すように、断熱層L2の両面にFRP層L1,L3を設けた積層断熱構造に形成されている。これにより、前記嫌気発酵槽3において熱交換器33により処理水に供給される熱は、筐体A内においても、嫌気発酵槽3から他の槽に伝熱されるのが抑制される構成となっている。すなわち、既存の排水処理装置に設けられるFRP製の仕切壁部材をFRP層L1として、そのFRP層L1に断熱層L2を積層形成し、さらにその断熱層L2をFRPによりコーティングすることで、断熱層L2の両面にFRP層L1,L3を設けた積層断熱構造としておくことができる。
具体的には、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る第三仕切壁W35、および、前記第一仕切壁W12および、前記筐体Aの周壁の内、前記受入槽1および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分Waが断熱構造に形成され、前記筐体Aの周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分Wbが非断熱構造に形成された本発明の排水処理装置の構成(本実施形態)と、
前記筐体Aの周壁の内、前記受入槽1および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分Waが断熱構造に形成され、前記筐体Aの周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分Wbが非断熱構造に形成されてはいるものの、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る第三仕切壁W35、および、前記受入槽1と前記メタン発酵槽との間を仕切る第一仕切壁W12には断熱構造を有さない排水処理装置の構成(従来構成)とを比較すると、
従来構成では、嫌気発酵槽3の温度を55℃に維持するのに67kWh/日の熱供給を要し、かつ好気処理槽における汚泥沈降槽5内の処理水温度が32℃となるのに対して、本実施形態によると、熱交換器33による熱供給を37kWh/日まで低減することができ、エネルギー消費の少ない排水処理装置とできるとともに、好気処理槽における汚泥沈降槽5内の処理水温度を22℃まで低下することができ、一般的な好気処理用微生物の活性を、より高く維持できる温度域にまで低下できることが分かった。
なお、排水処理装置を製造する場合、筐体Aの内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽1と、前記排水中の有機成分を高温メタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置として排水処理装置が、前記筐体A内部に前記メタン発酵槽と、前記好気処理槽とを仕切る仕切壁W35を、筐体A内部を水密かつ気密に区画するFRP製仕切壁部材から形成されている、汎用の筐体Aを採用した構造体を採用している場合、
図4に示すように、その筐体Aに対し、前記筐体Aの周壁の内、前記仕切壁部材のメタン発酵槽側周壁部分Waに断熱構造を設けるとともに、前記筐体Aの周壁の内、前記仕切壁部材の好気処理槽側周壁部分Wbに非断熱構造を設け、前記仕切壁部材の一面に沿って断熱材からなる断熱層L2を被覆形成した後、前記断熱層L2の表面にFRPを塗布して、前記仕切壁W35に、FRP層L1、断熱層L2、FRP層L3を順次積層してある積層断熱構造を形成する加工工程を行えば、本発明の排水処理装置の嫌気発酵槽3における周壁を、容易に事後的に断熱構造に変換することができる。たとえば、既存のFRP製の仕切壁部材に対して、その仕切壁部材をFRP層L1として、その一面に沿って断熱材からなる断熱層L2を、たとえば、断熱性の高い発泡樹脂を吹き付けて形成したり、既存の板状断熱材を張り付けて形成したりすることにより、断熱層L2を被覆形成でき、その後、前記断熱層L2の表面にFRPを吹き付けるなどの塗布方法を用いて塗布してFRP層L3を形成するだけで上記積層断熱構造の仕切壁とできる。したがって作業性よく、汎用的な排水処理装置の構造を、付加価値の高い本発明の排水処理装置に構成変更することができる。
〔別実施形態〕
(1)本発明では断熱構造として、断熱層L2の両面にFRP層L1,L3を設けた積層断熱構造を採用したが、断熱層L2自体に耐水性や耐荷重強度が十分備わっているような場合、単に断熱材からなる断熱構造を採用することができる。また、一方面のみFRP層L1となる断熱構造を採用することもできる。ただし、FRPのもつ耐水性や強度を有効利用でき、安価で汎用的な部材を用いることができること、FRPにより、断熱層L2により強固な固定および高い耐水性を付与できること、などの点で、上記構成が推奨される。
(2)また、メタン発酵槽や好気処理槽の構成についても、種々の態様を採用することができる。たとえば、好気処理槽として、処理水とともに流動する担体43を用いることなく好気処理を行う構成や、メタン発酵槽や、好気処理槽に、固定床を設けて水処理を促進する処理槽を追加して設けるなどの構成が考えられる。これらの槽は、全体としてメタン発酵、あるいは、好気処理を行う構成であれば種々公知の構成を組み合わせて用いることができ、全体としてメタン発酵、あるいは、好気処理を行う構成をメタン発酵槽、好気処理槽のように総称するものとする。
またさらに、受入槽1、メタン発酵槽、好気処理槽とは別に、水処理槽を備えて構成することもできる。たとえば、嫌気ろ床を備えた嫌気処理槽等を設けることも考えられる。
(3)なお、仕切壁のうち、少なくとも前記メタン発酵槽と、前記好気処理槽とを仕切る仕切壁W35について断熱構造としてあればよく、前記第一仕切壁W12について断熱構造を必須とするものではない。
(4)
また、上記構成においては、固液分離槽2で固液分離された液相を直接散気処理槽4に移送する移送部Mを、固液分離槽2と散気処理槽4とにわたって設けた管状移送路6にて構成したが、図5に示すように、固液分離槽2で固液分離された液相を、汚泥沈降槽5を経由して前記散気処理槽4に移送させる構成することもできる。
すなわち、管状移送路6を固液分離槽2と汚泥沈降槽5とにわたって設ける構成とする。また、仕切壁W45の上端部を、散気処理槽4と汚泥沈降槽5との液面高さ近傍に設定して、その仕切壁W45の上端部を介して、汚泥沈降槽5から散気処理槽4に上澄液をオーバーフローさせるオーバーフロー部6aを形成しておく。そして、固液分離槽2と汚泥沈降槽5とにわたって設けた管状移送路6と、汚泥沈降槽5から散気処理槽4に上澄液をオーバーフローさせるオーバーフロー部6aとから移送部Mを構成する。
これにより、固液分離槽2で固液分離された液相は良好に好気処理を受けるとともに、汚泥沈降槽5で汚泥を沈殿分離した後の上澄液についても簡易に再度好気処理可能にすることができる。また、このように構成することにより、管状移送路6をコンパクト化することができ、長期使用の間に浮遊物Sの付着による液相の移流路の狭窄、閉塞を招くおそれを大きく低減できるようになる。
以上説明したように、嫌気発酵槽、好気処理槽を一つの筐体の内部を仕切壁にて区画して形成して設けたとしても、それぞれの槽における水処理効率を高く維持することのできる排水処理装置として利用することができる。
1 受入槽
2 固液分離槽
3 嫌気発酵槽
4 散気処理槽
5 汚泥沈降槽
6 管状移送路
12 処理廃液移流部
21 液相移流部
22 沈殿物移流部
22a スリット状出口
22c 堆積層
25 浮遊物寄せ用散気装置
26 邪魔板
35 イジェクタ用散気装置
41 第一返送路
51 第二返送路
C 抑制機構
D 散気方向
G ガス供給装置
M 移送部
R 返送手段
S 浮遊物
W23 第二仕切壁(仕切壁)
Z1 散気領域
Z2 液相流入領域

Claims (8)

  1. 筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置であって、
    前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成され、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成され、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されており、
    前記筐体に前記受入槽と前記メタン発酵槽とを隣接して備え、前記受入槽と前記メタン発酵槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されている排水処理装置。
  2. 前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備える請求項1に記載の排水処理装置。
  3. 筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置であって、
    前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成され、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成され、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されており、
    前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備える排水処理装置。
  4. 前記好気処理槽が、前記メタン発酵槽において処理された排水を好気処理する散気処理槽と、前記散気処理槽の浮遊汚泥を受け入れて濃縮する汚泥沈降槽を備え、前記汚泥沈降槽には、濃縮された汚泥を前記受入槽に返送する返送路を設けてある請求項1〜3のいずれか一項に記載の排水処理装置。
  5. 前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備えるとともに、
    前記メタン発酵槽から前記好気処理槽に排水を移流させる移送部を備え、
    前記移送部が、前記固液分離槽で固液分離された液相を、前記汚泥沈降槽を経由して前記散気処理槽に移送させるものである請求項4に記載の排水処理装置。
  6. 筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置であって、
    前記筐体の周壁の内、前記受入槽および前記メタン発酵槽に対応する周壁部分が断熱構造に形成され、前記筐体の周壁の内、前記好気処理槽に対応する周壁部分が非断熱構造に形成され、前記仕切壁のうち、前記メタン発酵槽と前記好気処理槽との間を仕切る仕切壁が断熱構造に形成されており、
    前記好気処理槽が、前記メタン発酵槽において処理された排水を好気処理する散気処理槽と、前記散気処理槽の浮遊汚泥を受け入れて濃縮する汚泥沈降槽を備え、前記汚泥沈降槽には、濃縮された汚泥を前記受入槽に返送する返送路を設けてあり、
    前記メタン発酵槽が、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を沈殿分離する固液分離槽と、前記固液分離槽において固液分離された沈殿物をメタン発酵する嫌気発酵槽と、を備えるとともに、
    前記メタン発酵槽から前記好気処理槽に排水を移流させる移送部を備え、
    前記移送部が、前記固液分離槽で固液分離された液相を、前記汚泥沈降槽を経由して前記散気処理槽に移送させるものである排水処理装置。
  7. 前記仕切壁の断熱構造が、断熱層の両面にFRP層を設けた積層断熱構造である請求項1〜のいずれか一項に記載の排水処理装置。
  8. 筐体の内部を仕切壁にて区画して、生ごみ粉砕処理廃液を含有する排水を受け入れる受入槽と、前記排水中の有機成分を50〜80℃でメタン発酵するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に隣接して、メタン発酵槽から受け入れた排水を好気処理する好気処理槽と、を含む複数の水処理槽を形成してある排水処理装置の製造方法であって、
    前記筐体内部に前記メタン発酵槽と、前記好気処理槽とを仕切る仕切壁を、筐体内部を水密かつ気密に区画するFRP製仕切壁部材から構成しておき
    前記仕切壁部材の一面に沿って断熱材からなる断熱層を被覆形成した後、前記断熱層の表面にFRPを塗布して、前記仕切壁を、FRP層、断熱層、FRP層を順次積層してある積層断熱構造として、
    前記筐体の周壁の内、前記仕切壁部材のメタン発酵槽側周壁部分を断熱構造を有した状態にするとともに、前記筐体の周壁の内、前記仕切壁部材の好気処理槽側周壁部分を非断熱構造を有した状態にする排水処理装置の製造方法。
JP2014244091A 2014-12-02 2014-12-02 排水処理装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP6522935B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014244091A JP6522935B2 (ja) 2014-12-02 2014-12-02 排水処理装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014244091A JP6522935B2 (ja) 2014-12-02 2014-12-02 排水処理装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016107174A JP2016107174A (ja) 2016-06-20
JP6522935B2 true JP6522935B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=56121475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014244091A Expired - Fee Related JP6522935B2 (ja) 2014-12-02 2014-12-02 排水処理装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6522935B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107739096B (zh) * 2017-11-24 2023-10-03 广州益方田园环保股份有限公司 工业废水节能恒温生化处理设备
CN116924549B (zh) * 2023-09-19 2023-12-12 新乡汇淼科技有限公司 一种废水的中和反应器

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57209693A (en) * 1981-06-19 1982-12-23 Matsushita Electric Works Ltd Methane fermentation
JPS59105898A (ja) * 1982-12-08 1984-06-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd メタン発酵槽
JP5868059B2 (ja) * 2011-07-29 2016-02-24 大阪瓦斯株式会社 排水処理装置およびその運転方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016107174A (ja) 2016-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104045156B (zh) 一体式高效自养脱氮反应器
JP5058177B2 (ja) 嫌気的廃水浄化の為の方法及び反応器
JP5868059B2 (ja) 排水処理装置およびその運転方法
ES2606829T3 (es) Dispositivo de mezcla e inyección por pulsos de aguas residuales y método de inyección de aguas residuales para reactores anaerobios
JP5114780B2 (ja) 嫌気性処理方法及び装置
JP4687600B2 (ja) メタン発酵装置
JP2009522095A (ja) 嫌気的廃水浄化の為の方法及び反応器
US20230391637A1 (en) Vacuum air lift systems including a fluidic oscillator
EP2628712A1 (en) Adiabatic, mechanical-biological sewage treatment plant
CN103889907A (zh) 排水处理装置
JP6522935B2 (ja) 排水処理装置およびその製造方法
CN202643512U (zh) 微污泥生活污水处理系统
CN204211537U (zh) 一体化兼氧mbr膜生物反应器
CN108017240A (zh) 一种新型农村生活污水光催化集成处理系统
JP2008012465A (ja) 水処理装置
CN105884152A (zh) Ifbr-uasb-a/obr处理化工废水组合工艺
JP5192011B2 (ja) 処理槽の上蓋部に設けられる排水機構の構造、処理槽の上蓋部の構造、及び、処理槽
ES2813446B2 (es) Procedimiento y sistema para el tratamiento anaerobio de fluidos residuales orgánicos
CN108147533A (zh) 一种升流式厌氧反应器及其处理有机废水的方法
JP6522959B2 (ja) 排水処理装置
JPH07136681A (ja) 回分式汚水処理装置
JP6071587B2 (ja) 排水処理装置およびその運転方法
CN207537208U (zh) 一种曝气生化滤池
KR20110105170A (ko) 초고속 액비생성용 반응기
CN205575780U (zh) 一种污水处理系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6522935

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees