JP6522866B1 - 大径骨ネジ山を有する椎弓根スクリュー - Google Patents

大径骨ネジ山を有する椎弓根スクリュー Download PDF

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Abstract

本発明は、長手支持体用の受入スリーブ(3)と、骨スクリュー(1)とシャンクヘッド部材(2)とを含む椎弓根スクリューシステムに関し、前記骨スクリュー(1)は、外ネジ山として構成された骨ネジ山(18)と内ネジ山として構成された接続ネジ山(22)とを有し、前記シャンクヘッド部材(2)は、近位側端部に、その上に前記受入スリーブ(3)が支持されるヘッド(6)を有し、そして、前記シャンクヘッド部材(2)は、遠位側端部に、外ネジ山として構成されて、前記骨スクリュー(1)の前記接続ネジ山(22)にねじ込まれる接続ネジ山(27)を有し、前記両接続ネジ山が共にマルチネジ山として構成され、かつ、そのそれぞれが、遠位側接続ネジ山部(28,30)と近位側接続ネジ山部(29,31)とを備え、前記遠位側接続ネジ山部(28,30)と前記近位側接続ネジ山部(29,31)とが同じネジ山ピッチを有し、そして、前記遠位側接続ネジ山部(28,30)は、前記近位側接続ネジ山部(29,31)よりも小さな直径を有する。

Description

記載
本発明は、長手支持体用の受入スリーブと、骨スクリューと、シャンクヘッド部材とを有する椎弓根スクリューシステムに関し、前記骨スクリューは、外ネジ山として構成された骨ネジ山と内ネジ山として構成された接続ネジ山とを有し、前記シャンクヘッド部材は、近位側端部(外科医の視点からの)に、その上に前記受入スリーブが支持されるヘッドを有し、そして、前記シャンクヘッド部材は、遠位側端部(外科医の視点からの)に、外ネジ山として構成されて、前記骨スクリューの前記接続ネジ山にねじ込まれる接続ネジ山を有する。
基本的に、椎弓根スクリューは、骨折、腫瘍、炎症、変形、および経椎弓根ネジ接続による変性による不安定性において、脊柱を背側で安定化するのに役立つ。その際、椎弓根スクリューはそれぞれの隣接する椎骨の椎弓根内に配置され、軸方向に重なり合う椎弓根スクリューと軸方向に延びる長手方向のキャリアまたはウェブとの間に角度的に安定した連結が確立される。椎弓根スクリューおよび長手方向の支持部は、椎骨安定化システムを構成する。
この目的のために、椎弓根スクリューは、通常、受入スリーブ(いわゆるチューリップ)がネジヘッド側で結合される骨ネジ山としての軸方向延出外ネジ山を有する。前記受入スリーブは、構造的に、長手方向にU形状のスリット/トンネル構造のシートを形成し、
長手支持体を受け入れるための内ネジ山を有し、2つの径方向に対向する長手スリットの各々は、所定のギャップ幅のスリットギャップを画定する。前記長手支持体は、互いに平行に延びる前記長手スリットに横方向から挿入することができ、例えばスタッドスクリュー、ネジ山付きナット又はセットスクリューの形状の、ロック部材によって、前記内ネジ山にねじ込むことができる。
多軸椎弓根スクリューの場合、通常は球形または(半)球形のシャンクヘッドが受入スリーブ/チューリップによって相対的に回動するように包囲され、同時に、ヘッドとシャンクとの間の移行領域に後方から係合される。このようにして、椎骨の椎弓管に外ネジ山シャンクを皿絡めした後に、受入スリーブ/チューリップを揺動および/または回転させて、シャンクのアラインメントとは実質的に無関係に所望の位置およびアラインメントを得ることができる。従って、前記アンダーカットは、受入スリーブ/チューリップがシャンクヘッドから取り外されることを防止する。
実際には、大径の骨ネジ山を有する椎弓根スクリューが必要とされる場合がある。特に、大きな骨スクリュー径を有する多軸椎弓根スクリューの場合、可能な最大骨スクリュー直径が、受入スリーブの形状および寸法によって、決定、制限されるという問題があり得る。しかしながら、その構造により、骨スクリューは、そのシャンクヘッドが受入スリーブ内に支持されるべく配置されるように、近位側端部から遠位側端部まで受入スリーブを通過されなければならない。これは、小さなヘッド部分、それぞれ、できるだけ小さな受入スリーブと、そこから生じる受入スリーブ、の小さな内径との必要性に起因する。
上述した問題を解決するために、本発明の出願人は、既に、骨スクリューとシャンクヘッド部材とを含むマルチパーツ椎弓根スクリューのための構成を開発した。前記骨スクリューは、外ネジ山の形態の骨ネジ山と、内ネジ山の形態の連結ネジ山とを有する。これに対して、前記シャンクヘッド部材は、近位側端部において、前記受入スリーブを支持するためのヘッドを有し、遠位側端部において、外ネジ山の形態の連結ネジ山を有する。前記シャンクヘッド部材と骨スクリューは、接続ネジ山を介して互いに接続される。前記2パーツ構成は、シャンクヘッド部材を、近位側端部から遠位側端部へと後者を通ってシャンクヘッドの停止部まで通過することができるように受入スリーブの寸法に適合するように設計することが可能であり、他方、骨スクリューは、前記受入スリーブを通過する必要なく、遠位方向から前記受入スリーブに予め取り付けられたシャンクヘッド部材にネジ止めすることが可能であって、骨スクリュー直径に関して制限されない、という利点を提供する。
ある種のケースにおける前記マルチパーツ椎弓根スクリューの考えられる問題は、骨スクリューとシャンクヘッド部材のネジ込みの領域、即ち、接続ネジ込みの領域において、骨スクリューの十分な安定性を確保し、かつ、その高いノッチ効果によって促進される骨ネジ山と接続ネジ山との間の薄い壁による骨スクリューの破断の可能性を低減又は防止、することが可能であるように、骨ネジ山を非常に薄く、テーパされたものとしなければならないことである。しかしながら、骨スクリューが、テーパされたネジ山コアではなく、円筒状又は略円筒状のネジ山コアを備えることが重要である用途が存在する。
上述した技術現状に基づき、本発明の根底をなす課題は、等しい外径、等しいネジ込み強度、等しいネジ緩め強度および等しい生体力学的疲労強度を有する円筒状またはほぼ円筒状のネジ切りコアを有する椎弓根スクリューシステムを提供することである。特に、骨ネジ山のできるだけ大きなネジ山深さが提供されるべきである。≧12Nmのネジ込みモーメント伝達とおよび≧10Nmのネジ緩めモーメント伝達が可能であることが求められる。故障、特に、インプラントの破裂の場合、そのインプラントの修正、特に、インプラントの術中の取り外しにおいて、骨ネジ山部は大きな問題なく骨からゆるめられることが求められる。最後に、骨スクリューとシャフトヘッド部材との間には、十分な掃除適性を確保するために密接な接続が必要である。
本発明によれば、この課題は、請求項1の前提部に記載の椎弓根スクリューシステムによって達成され、ここで、前記接続ネジ山の各々/両方が、遠位側接続ネジ山部と近位側接続ネジ山部とを有する(好ましくは、アラインメントされ/単一方向の)マルチネジ山として構成される。前記遠位側接続ネジ山部および近位側接続ネジ山部は、同じ又は等しいネジ山ピッチを有する。前記遠位側接続ネジ山部は、前記近位側接続ネジ山部よりも小さな直径、特に小さい公称直径を有する。
前記遠位側接続ネジ山部(小/少)と前記近位側接続ネジ山部(大/幅広)との互いに異なる大きな直径により、以下の相反する効果が達成される。即ち、一方において、前記小遠位側接続ネジ山部は、骨に作用するノッチ効果を低減する。これにより、ネジは、高い引張強さ/「引き抜き強度」を中和することが可能となる。他方において、前記幅広近位側接続ネジ山部は、調節モーメントの増大を可能にするネジのモーメント荷重の増大を可能にする。
骨スクリューとシャンクヘッド部材の間の安全で安定した恒久的接続を確実にするためには、特定の長さの接続ネジ山が必要である。本発明の根底にある思想によれば、既知の椎弓根スクリューシステムの骨スクリューとシャンクヘッド部材との間の接続ネジ山は、複数のネジ山部分に疑似分割される。前記ネジ山の直径、特にその公称直径、は互いに異なっている。近位側接続ネジ山部は、遠位側接続ネジ山部よりも大きな直径(公称直径)を有する。したがって、連結ネジ山部の直径は、近位側端部から遠位側端部に向かって減少していると言える。これによってもたらされる他の効果は、骨スクリューの壁厚が接続ネジ山の領域において階段状に、すなわち従来技術に比べてより小さい複数の段階で変化するという事実にある(前記接続ネジ山の終端部において、対応のノッチ作用を有する断面の比較的大きな変化がある)。このように、一方では、接続ネジ山の端部、特に遠位側ネジ山端部で生じるノッチ効果を従来技術との比較で最小化することができる。他方、前記ノッチ効果は、複数の接続ネジ山端部を、即ち、各接続ネジ山部に、設けることによって、骨スクリューの長手方向の大部分、すなわち、接続ネジ山の全長に亘って、分布される。全体として、本発明は、ネジ山の長さを維持しながら、従来技術と比較して接続ネジ山の領域における骨スクリューに作用する負荷および骨スクリューに導入される張力を大幅に低減するのに役立つ。従って、本発明による椎弓根スクリューシステムは、同一の外径、同一のネジ込み強度、同一のネジ緩め強度および同一の生体力学的疲労強度を備えながらも、(実質的に)円筒形の骨スクリューコアを有するように構成することができるのである。
さらに、明確化の目的のために、本発明による近位側および遠位側の接続ネジ山部の「同一のネジ山ピッチ」とは、そのピッチに関して、互いに対して10%を超えて変化せず、それから生じる偏差(そのような偏差がある場合)がそのような小さな偏差でねじ込まれるように適合維持されることを意味する。
本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されており、以下に詳細に説明する。
本発明の1つの実施形態は、前記骨スクリューの前記接続ネジ山が2本ネジ山として構成されていることを特徴とする。後者は、第1遠位側接続ネジ山部と第2近位側接続ネジ山部とを含む。さらに、前記シャンクヘッド部材の前記接続ネジ山は、第1の遠位側接続ネジ部と第2の近位側接続ネジ部とを等しく含む二重のネジ山として構成されている。
代替的に、または追加的に、各接続ネジ山部のネジ山直径およびネジピッチは一定であってもよい。
シャンクヘッド部材が、当該シャンクヘッド部材および骨スクリューがそれぞれの接続ネジ山部を介して互いに完全にネジ止めされたときに、骨スクリューの停止面、特にその近位側端面が当接する停止部を備えると特に有利である。本発明において使用されるマルチネジ山は、前記停止部と協働して、遠位側接続ネジ山と前記停止部との間の全領域において骨スクリューに圧縮応力を作用させる。当該圧縮応力は、骨スクリューに作用する生物力学的力の吸収に関してより高い容量を保証する。前記シャンクヘッド部材および骨スクリューは、接続ネジ山が汚染されず、かつ清掃が容易であるように、前記停止部に当接して互いに特にシーリングすることができる。
本発明の1つの実施形態は、前記骨スクリューが、特に盲穴または貫通穴の形態の、長手軸心の方向に延びる中央の段付き開口部を有することを特徴とする。前記開口部は、少なくとも前記接続ネジ山の本数に対応する互いに数の異なる内径を有する複数の部分を有するものとして構成することができる。前記中央開口部は、前記骨スクリューに前記シャンクヘッド部材をネジ込むことを容易にする。貫通穴の場合、後者は、例えば、骨接続材料、例えば、骨セメントを骨に挿入するために使用することができる。
本発明の一実施形態は、前記骨スクリューの前記中央開口部が近位側非ネジ山部と遠位側非ネジ山部とを含み、遠位側接続ネジ山部と近位側接続ネジ山部とがそれらの間に配置されることを特徴とする。前記非ネジ山部は、好適には、位置決め補助具として使用され、手術外科医による椎弓根スクリューの設定を容易にする。
本発明の一実施形態によれば、前記シャンクヘッド部材は、近位側非ネジ山部と遠位側非ネジ山部とを含む段付きジャーナルを含むように提供され、それらの間に前記遠位側接続ネジ山部と前記近位側ネジ山部とが配置される。
前記遠位側非ネジ部分が前記遠位側接続ネジ部分よりも小さな直径を有し、前記近位側非ネジ部分が前記近位側接続ネジ部分よりも大きな直径を有すると、特に有利である。これは、断面の変化によるノッチ効果を低減または最小化するのに役立つ。
本発明の別の実施形態は、前記骨ネジ山が実質的に一定のコア直径を有する円筒形または実質的又は概略的に円筒形のネジ山付きコアを含むことを特徴とする。前記骨ネジ山は、骨内での前記骨スクリューのしっかりした保持を保護し、前記骨スクリューの骨の全長にわたって均一な荷重導入を骨材料内にもたらす。本発明の別の実施形態は、前記骨ネジ山のネジ山深さが前記接続ネジ山の領域において一定であることを特徴とする。
一実施形態によれば、前記近位側非ネジ山部は、前記シャンクヘッド部材が前記骨スクリューから外れた場合には、前記骨スクリューを修正することを可能にするために、或いは、前記骨スクリューのネジ込み又はネジ緩めを直接可能にする(前記シャンクヘッド部材を介さずに)ために、トルクスレンチを受け入れるためのトルクス部分受入部分を備えるものとして構成できる。
別の実施形態では、前記近位側接続ネジ山部は、ネジの周方向の特定の許容範囲内で、前記遠位側接続ネジ山部に対してオフセットされる。ネジをネジ込むときには、ある程度の反りが生じ、これは、スクリューに対して締め付け/引っ張り力(ちょうど、ネジピッチの可能な偏差のように)を加えることに有利である。
要約すると、本発明は、(実質的に)互いにアラインメントされ、(実質的に)同一のネジ山ピッチを有する2つ以上のネジ山部分を有する2部分骨スクリューを可能にするものである。前記ネジ山の直径は、前方から後方に向けて減少するものとすることができる。特に、本発明は、複数の部分、特に2つの部分を有する骨スクリューを含む多軸椎弓根スクリューシステムであって、前記骨スクリューが、テーパ付き骨ネジ山を備える従来の骨スクリューと同じ外径を有しながら、実質的に明確なねじの深さを備えた円筒状のネジ山付きコア部を備えるものとして構成することを可能にする。
本発明の更なる特徴及び利点は、図面を用いて以下の例示及び非限定的な説明から明らかになるであろう。図面は単に概略的なものであり、本発明の理解のためにのみ役立つものである。
従来技術による椎弓根スクリューシステムの概略断面図である。 本発明による椎弓根スクリューシステムの概略断面図である。
両方の椎弓根スクリューシステム、すなわち、図1に示される従来技術によるものと図2に示される本発明によるものとは、椎弓根スクリュー1、シャンクヘッド部材2、チューリップとも呼ばれる受入スリーブ3、クランプダイ4、を有する。
前記受入スリーブ3は、別個の構成要素であり、シャンクヘッド部材2上に移動可能に配置され、当該受入スリーブ3が、前記骨スクリュー1とシャンクヘッド部材2とに対して、回転可能に配置、特に回転および/または回動可能に配置され得る多軸椎弓根スクリューシステムが形成される。前記受入スリーブは、長手方向に貫通穴5を有する略円筒形状の基本形状を有している。前記貫通穴5の遠位側端部領域は、径方向において球状に内向きにテーパ状に形成されており、前記シャンクヘッド部材2のボールヘッド6のボールシート34を構成している。前記近位側端部において、前記受入スリーブ3には、図示されていない長手方向の支持のための受入チャンバ7が形成されている。後者は、その互いに面する内面に内側ネジ山10が導入される、二つの径方向に対向するスリーブ壁部分8,9によって側方向に収納されている。前記内ネジ山は、例えば従来のスタッドネジの形状で、図示されていないクランプネジを同様に受け入れるためのものである。工具ホルダ11が、前記受入スリーブ3または前記椎弓根スクリューシステム全体を取り扱うための医療器具に受け入れ接続するために前記スリーブ壁部分8,9のそれぞれの外側に導入される。
前記貫通穴5にはクランプダイ4が配置されている。径方向において、後者は、前記貫通穴5を取り囲むスリーブ壁に隣接しており、その遠位端部には、前記ボールヘッド6とのクランプ接触のための半球状受入面12を備えている。その近位側端部は、長手方向の支持のためのほぼシェル型の支持シェル13として構成されている。それは中心貫通穴14を有する。
前記シャンクヘッド部材2は、その近位側端部に、前記ボールヘッド6を有している。このケースにおいては六角レンチの形状である、工具ホルダ15も、前記ボールヘッド6に導入される。前記シャンクヘッド部材2は、また、前記長手軸心の方向に中心貫通穴16を備えている。
前記骨スクリュー1も、同様に、前記長手軸心の方向に中心貫通穴17を備えている。その径方向外側には、骨ネジ山18が設けられている。前記貫通穴17は、前記骨スクリュー1の近位側端部領域内へと径方向に広がっている。
従来技術の骨スクリュー1においては、遠位側拡幅部19と、内側拡幅部20と、近位側拡幅部21とが前記貫通穴17に形成されている。前記内側拡幅部20は、接続ネジ山部22を備えている。前記遠位側拡幅部19の内径は、前記内側拡幅部20の内径よりも小さく、これは、更に、前記近位側拡幅部21の内径よりも小さい。換言すると、内径は、遠位側端部から近位側端部に向けて増大している。従来技術のシャンクヘッド部材2は、遠位側端部にシャンク23を有する。このシャンクは、段状であって、遠位側シャンク部分24と、内側シャンク部分25と、近位側シャンク部分26とを備える。前記内側拡幅シャンク部分25には、接続ネジ山27が設けられている。前記遠位側拡幅シャンク部分24の内径は、前記内側拡幅部25の内径よりも小さく、これは、更に、前記近位側拡幅部26の内径よりも小さい。換言すると、内径は、遠位側端部から近位側端部に向けて増大している。二つの接続ネジ山22,27は、螺合して、前記骨スクリュー1を前記シャンクヘッド部材2に接続する。この構成により、前記シャンクヘッド部材2を、前記受入スリーブ3を通して、近位側端部から遠位側端部に挿入し、その後、前記骨スクリュー1とネジ止めすることが出来るので、これにより、後者を、受入スリーブ3の幾何形状とは独立してほぼ任意の公称直径を有するように設計可能である。従来技術の図1に図示された構成の欠点は、そこで壁厚が非常に小さく、従って、大きな張力のジャンプが生じることによって、そこでノッチ効果が集中的に起こることによって、前記内側拡幅部20の遠位側拡幅部19への移行中に、骨スクリュー1の破断が生じうることにある。
この問題は、図2に示す本発明によって解決される。本発明による骨スクリュー1においても、貫通穴17に遠位側拡幅部分19および近位側拡幅部分21が形成される。しかしながら、後者の間には、複数の、本例では2つの内側に広がった接続ネジ山部分、即ち、遠位側接続ネジ山部28と近位側接続ネジ山部29が形成されている。前記遠位側拡張部19の内径は、前記遠位側接続ネジ山部28の内径よりも小さく、前記近位側ネジ山部29の内径よりも小さく、前記近位側拡幅部21の内径よりも小さい。換言すると、内径は、遠位側端部から近位側端部に向かって増加している。
本発明によるシャンクヘッド部材2は、遠位側端部にシャンク23を有する。後者は、その遠位側シャンク部24とその近位側シャンク部分26と備えて段付きに構成されている。それらの間には、複数の、本例では、2つ、の内側に広がった接続ネジ山シャンク部、即ち、遠位側接続ネジ山シャンク部30と近位側接続ネジ山シャンク31、が形成されている。前記遠位側シャンク部24の内径は前記遠位側接続ネジ山シャンク部30の内径よりも小さく、近位側接続ネジ山シャンク31の内径よりも小さく、前記近位側シャンク部26の内径よりも小さい。換言すると、内径は遠位側端部から近位側端部に向かって増大している。
合計で4つの接続ネジ山部28,29,30,31が螺合して接続ネジ山35,36をそれぞれ形成し、骨スクリュー1をシャンクヘッド部材2に結合する。より正確に言えば、前記遠位側接続ネジ山28が前記遠位側ネジ山シャンク部30と螺合し、前記近位側接続ネジ山部29が前記近位側接続ネジ山シャンク部31と螺合する。この構成により、前記シャンクヘッド部材2を、前記受入スリーブ3を通って、前記近位側端部から遠位側端部へと挿入し、その後、前記骨スクリュー1にネジ止めすることが出来ので、後者を、前記受入スリーブ3の幾何形状とは無関係にほぼ任意の公称直径で形成することが可能となる。完全にネジ止めされた状態において、前記骨スクリュー1は、その端部面32において、前記近位側シャンク部26の近位側端部に形成された停止部33と隣接する。前記ダブル接続ネジ山28,29,30,31によって、前記遠位側接続ネジ山28,30と前記停止部33との間の全領域に圧縮応力がかかる。この圧縮応力によって、椎弓根スクリューシステムに作用する可能性のある生体力学的な力の吸収に関して、より高い容量をもたらされる。前記近位側接続ネジ山28,30の下において、図1を参照して従来技術において説明したように、スクリューは好ましい故障点を備え、好ましくはそこで破断することになる。本発明による直径のより細かい微細な複数の段付けは、ノッチ効果を好適に低減し、最小にするのに役立つ。
前記骨スクリュー1は、その近位側拡幅部21に、トルクス部受入部分37を有する。当該トルクス部受入部分37は、前記シャンクヘッド部材2が骨スクリュー1から分離された場合に、骨スクリュー1を修正することを可能にする。
1 骨スクリュー
2 シャンクヘッド部材
3 受入スリーブ
4 クランプダイ
5 貫通穴
6 ボールヘッド
7 受入チャンバ
8 スリーブ壁部
9 スリーブ壁部
10 内ネジ山
11 ツールホルダ
12 受入面
13 支持シェル
14 貫通穴
15 ツールホルダ
16 貫通穴
17 貫通穴
18 骨ネジ山
19 遠位側拡幅部
20 内側拡幅部
21 近位側拡幅部
22 接続ネジ山(骨スクリューの)
23 シャンク、ジャーナル
24 遠位側シャンク部
25 内側シャンク部
26 近位側シャンク部
27 接続ネジ山(シャンクヘッド部材の)
28 遠位側接続ネジ山部(骨スクリューの)
29 近位側接続ネジ山部(骨スクリューの)
30 遠位側接続ネジ山シャンク部(シャンクヘッド部材の)
31 近位側接続ネジ山シャンク部(シャンクヘッド部材の)
32 端面
33 停止部
34 ボールシート
35 接続ネジ山
36 接続ネジ山
37 トルクス部受入部

Claims (11)

  1. 長手支持体用の受入スリーブと、骨スクリューとシャンクヘッド部材とを含む椎弓根スクリューシステムであって、
    前記骨スクリューは、外ネジ山として構成された骨ネジ山と内ネジ山として構成された接続ネジ山とを有し、
    前記シャンクヘッド部材は、近位側端部に、その上に前記受入スリーブが支持されるヘッドを有し、そして、前記シャンクヘッド部材は、遠位側端部に、外ネジ山として構成されて、前記骨スクリューの前記接続ネジ山にねじ込まれる接続ネジ山を有するものにおいて、
    前記両接続ネジ山が共にマルチネジ山として構成され、かつ、そのそれぞれが、遠位側接続ネジ山部と近位側接続ネジ山部とを備え、
    前記遠位側接続ネジ山部と前記近位側接続ネジ山部とが同じネジ山ピッチを有し、そして、
    前記遠位側接続ネジ山部は、前記近位側接続ネジ山部よりも小さな直径を有する椎弓根スクリューシステム。
  2. 前記骨スクリューの前記接続ネジ山は、第1遠位側接続ネジ山部と第2近位側接続ネジ山部とを備えるダブルネジ山として構成され、そして、
    前記シャンクヘッド部材の前記接続ネジ山は、第1遠位側接続ネジ山部と第2近位側接続ネジ山部とを有するダブルネジ山として構成されている請求項1に記載の椎弓根スクリューシステム。
  3. 前記各接続ネジ山部のネジ山直径とネジ山ピッチとはそれぞれ一定である請求項1又は2に記載の椎弓根スクリューシステム。
  4. 前記シャンクヘッド部材は、当該シャンクヘッド部材と前記骨スクリューとがそれらの各接続ネジ山を介して、互いに完全に螺合された時に、前記骨スクリューの停止面、特に、その近位側端部面がそれに当接する停止部を有する請求項1〜3の何れか一項に記載の椎弓根スクリューシステム。
  5. 前記骨スクリューは、長手軸心方向に延出する、特に、盲穴又は貫通穴の形状で、異なる内径の部分を含む、中央段付き開口部を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の椎弓根スクリューシステム。
  6. 前記骨スクリューの中央開口部は、非ネジ山であるか又は内側トルクス部を備える、近位側部分と、遠位側非ネジ山部とを有し、前記遠位側接続ネジ山部と前記近位側接続ネジ山部とがそれらの間に配置されている請求項5に記載の椎弓根スクリューシステム。
  7. 前記シャンクヘッド部材は、近位側非ネジ山部と遠位側非ネジ山部とを備える段付きジャーナルを有し、前記遠位側接続ネジ山部と前記近位側接続ネジ山部とがそれらの間に配置されている請求項1〜6の何れか一項に記載の椎弓根スクリューシステム。
  8. 前記遠位側非ネジ山部は前記遠位側接続ネジ山部の直径よりも小さな直径を有し、近位側非ネジ山部は前記近位側接続ネジ山部の直径よりも大きな直径を有する請求項6又は7に記載の椎弓根スクリューシステム。
  9. 前記シャンクヘッド部材は、長手軸心方向に延出する、特に、貫通穴の形態の、中央開口部を有する請求項1〜8の何れか一項に記載の椎弓根スクリューシステム。
  10. 前記骨ネジ山は、実質的に一定のコア直径を有する円筒状ネジ山コアを有する請求項1〜9の何れか一項に記載の椎弓根スクリューシステム。
  11. 前記骨ネジ山のネジ山深さは、前記接続ネジ山の領域において一定である請求項1〜10の何れか一項に記載の椎弓根スクリューシステム。
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