JP6521345B1 - 測定ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】動脈硬化度等様々な診断ができる測定ベルトを提供する。【解決手段】人体の腸骨301の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極103、105と、アース電極107とを備える、心電を測定する電位センサと、人体の腸骨301に近接する表皮の上に設置される脈波と血中酸素濃度を測定する光センサ109と、人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される動脈壁の振動を測定する加速度センサ111と、を備え、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、脈波と動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、脈波伝播速度から相対的な血圧変動を測定し、測定された脈波伝播速度と血管の弾力性とから動脈硬化度を診断する、測定ベルト101を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、人体の心電または筋電を測定する電位センサと、腹腔内のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサと、大腿動脈に近接して配置される様々なセンサとを備えた、生体情報を測定し、様々な診断をする測定ベルトに関する。また、本発明は、人体の心電または筋電を測定する電位センサと、腹腔内のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサと、脈波または血中酸素濃度を測定する光センサと、大腿動脈に近接して配置される様々なセンサとを備えた、生体情報を測定し、様々な診断をする測定ベルトに関する。
心電は、一般に精密に測定するために胸に電位センサをつけて測定される。しかしながら、日常で定常的に心電を測定することが困難なため、腰で測定することが考案されている。
特許文献1には、歩行、労働などばかりでなく水泳、マラソンなどの激しい運動を伴う場合においても安定して波形診断や瞬時心拍数計測を行うため、パンツに類する体表面に密着する着衣に電極を有する心電信号モニタが開示されている。
また、特許文献2には、健康管理を充実させ、適切な医療サービスが受けられるようにするために、ベルトに電極装置と心電計とを取り付けることが開示されている。心電計は、携帯電話を介して医療センタとデータ通信を行うことができるように構成されている。
特開1998−262939号公報 特開2006−271659号公報
しかしながら、健康管理を充実させるには、電位測定だけでは十分ではない。特に寝たきりの患者及び認知症の患者は、動脈硬化度、睡眠時無呼吸症候群、過呼吸、呼吸困難、熱中症など様々な診断を必要とする。
一方、腰には大腿動脈がありここから測定される動脈壁の振動と深部体温と腸の活動音とのデータと、筋電と心電と心拍数等との電位測定のデータと、腹腔内のインピーダンス測定のデータと、脈波と血中酸素濃度とのデータと、を合わせることで、様々な生体情報が取得できる。
本発明は、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、脈波と動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、脈波伝播速度から相対的な血圧変動を測定し、脈波伝播速度と血管の弾力性から動脈硬化度を診断できる測定ベルトを提供することを目的とする。
また、本発明は、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる測定ベルトを提供することを目的とする。また、本発明は、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる測定ベルトを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、心拍数と呼吸曲線と深部体温とのデータから熱中症を診断できる測定ベルトを提供することを目的とする。さらに、本発明は、腹部筋電と腸の活動音とのデータから腸管運動の把握を行うことができる測定ベルトを提供することを目的とする。
本発明の1つの実施形態に係る測定ベルトは、
人体の腸骨の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極と、アース電極とを備える、心電を測定する電位センサと、
前記人体の前記腸骨に近接する表皮の上に設置される脈波と血中酸素濃度を測定する光センサと、
前記人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される動脈壁の振動を測定する加速度センサと、を備え、
前記心電と前記脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、
前記脈波と前記動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、
前記脈波伝播速度から、相対的な血圧変動を測定し、
測定された前記脈波伝播速度と前記血管の弾力性とから動脈硬化度を診断する、ことを特徴とする。
本発明により、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、脈波と動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、脈波伝播速度から相対的な血圧変動を測定し、脈波伝播速度と血管の弾力性から動脈硬化度を診断できる測定ベルトを提供できる。
また、本発明は、さらに、前記人体の表皮の上に設置される腹腔内のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサと、を備え、
前記腹腔内のインピーダンスから呼吸曲線を測定し、
前記心電と前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断し、
前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断する、ことを特徴としている。
上記構成により、本発明は、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる測定ベルトを提供できる。また、本発明は、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる測定ベルトを提供できる。
また、本発明は、前記心電と前記脈波と前記動脈壁の振動とのデータは無線通信により外部の計算装置に送信され、前記脈波伝播速度を測定し、前記血管の弾力を測定し、前記相対的な血圧変動を測定し、前記動脈硬化度を診断する処理は前記外部の計算装置で行う、ことを特徴としている。
上記構成により、計算装置に負荷のかかる処理は、ベルト上で行わずに外部の計算装置であるパソコン、スマートフォン等で行う。このため、ベルト上の計算装置は、正確なサンプリングタイム精度でサンプリングできる。
また、本発明の別の実施形態に係る測定ベルトは、
人体の腸骨の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極と、アース電極とを備える、心電と心拍数とを測定する電位センサと、
前記人体の表皮の上に設置される腹腔内のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサと、
前記人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される深部体温を測定する非接触温度センサと、を備え、
前記腹腔内のインピーダンスから呼吸曲線を測定し、
前記心拍数と前記呼吸曲線と前記深部体温とのデータから熱中症を診断する、ことを特徴としている。
本発明により、心拍数と呼吸曲線と深部体温とのデータから熱中症を診断できる測定ベルトを提供できる。
また、本発明は、
さらに、前記人体の前記腸骨に近接する表皮の上に設置される血中酸素濃度を測定する光センサと、を備え、
前記心電と前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断し、
前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断する、ことを特徴としている。
上記構成により、本発明は、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる測定ベルトを提供できる。また、本発明は、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる測定ベルトを提供できる。
前記心拍数と前記呼吸曲線と前記深部体温とのデータは外部の無線通信により外部の計算装置に送信され、熱中症を診断する処理は、前記外部の計算装置で行う、ことを特徴としている。
上記構成により、計算装置に負荷のかかる処理は、ベルト上で行わずに外部の計算装置であるパソコン、スマートフォン等で行う。このため、ベルト上の計算装置は、正確なサンプリングタイム精度でサンプリングできる。
また、本発明のさらに別の実施形態に係る測定ベルトは、
人体の腸骨の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極と、アース電極とを備える、腹部筋電を測定する電位センサと、
前記人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される腸の活動音を測定する音センサと、を備え、
前記腹部筋電と前記腸の活動音とのデータから腸管運動の把握を行う、ことを特徴としている。
本発明により、腹部筋電と腸の活動音とのデータから腸管運動の把握を行うことができる測定ベルトを提供できる。
また、本発明は、前記腹部筋電と前記腸の活動音とのデータは外部の無線通信により外部の計算装置に送信され、腸管運動を把握する処理は、前記外部の計算装置で行う、ことを特徴としている。
上記構成により、計算装置に負荷のかかる処理は、ベルト上で行わずに外部の計算装置であるパソコン、スマートフォン等で行う。このため、ベルト上の計算装置は、正確なサンプリングタイム精度でサンプリングできる。
本発明は、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、脈波と動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、脈波伝播速度から相対的な血圧変動を測定し、脈波伝播速度と血管の弾力性から動脈硬化度を診断できる測定ベルトを提供できる。
また、本発明は、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる測定ベルトを提供できる。また、本発明は、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる測定ベルトを提供できる。
さらに、本発明は、心拍数と呼吸曲線と深部体温とのデータから熱中症を診断できる測定ベルトを提供できる。さらに、本発明は、腹部筋電と腸の活動音とのデータから腸管運動の把握を行うことができる測定ベルトを提供できる。
本発明の第1の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。 本発明の第1の実施形態のセンサ、電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。 本発明で用いられる測定ベルトの人体の測定部位を示す図である。 本発明の第2の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。 本発明の第2の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。 本発明の第3の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。 本発明の第3の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。 本発明の第4の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。 本発明の第4の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。 本発明の第5の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。 本発明の第5の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。 本発明の第6の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。 本発明の第6の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。 本発明の第6の実施形態の測定ベルトを装着した人体の模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための様々な実施形態を説明する。各図面中、同一の機能を有する対応する部材には、同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。実施形態2以降では、実施形態1と要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。図2は、本発明の第1の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの断面図である。図1及び図2を参照して、動脈硬化度を診断する本発明の第1の実施形態の測定ベルトを説明する。
また、図3は、本発明で用いられる測定ベルトの人体の測定部位を示す図である。図3を参照して、人体の測定部位について説明する。
(測定ベルトの構成)
図1は、ベルトの内側正面図であるため、正面を見てベルトの左側が人体の右側であり、ベルトの右側が人体の左側である。図2は、ベルトの側面図であるため、左側が人体の右側であり、右側が人体の左側である。また、図2の上側がベルトの外側であり、下側はベルトの内側である。
図1、2を参照して、測定ベルト101は、主に基体119と帯を留める金具(バックル)121、帯部123から構成される。基体119は可撓性で腰に巻き付けることができる。バックル121で腰に巻き付けたときの帯部123の長さを調整する。
図1を参照して、測定ベルト101の基体119には、測定電極103、測定電極105、アース電極107、光センサ109、加速度センサ111が設けられる。また、図2を参照して、基体119には、電源125、計算装置127、通信装置が設けられる。
(電位センサ)
図1を参照して、基体119は、電位センサとして、測定電極103、測定電極105、アース電極107が設けられる。図3を参照して、測定電極103は、人体の腸骨301の最も尖った部分Aに近接する表皮の上に設置される。測定電極105は、反対側の腸骨に近接する表皮の上に設置される。
測定電極103は、人体の右側に配置され、測定電極105は、人体の左側に配置される。測定電極は、心臓に対して左右の両側に設置されることが好ましい。測定電極が、この位置にあるときに、最も精度よく測定できる。
アース電極107は、人体の表皮の上に設置されるが、配置において制限はない。人が仰向けに寝ることを考慮すると、アース電極107は、腹部にあることが好ましい。ここでは、測定電極103と加速度センサ111の間に配置した。この測定電極103、測定電極105、アース電極107を用いて、人体の電位を測定する。本実施形態では、心電を測定する。
(光センサ)
図1を参照して、基体119は、光センサ109が設けられる。光センサ109は、測定電極103に近接して設置される。すなわち、図3を参照して、光センサ109は、人体の腸骨301の最も尖った部分Aに近接する表皮の上に設置される。
光センサ109は、複数の波長の測定光を時分割にて放出する。そして、光センサ109は、人体内部から反射して返ってくる測定光を測定する。反射された測定光は、血液の赤さを反映する。そのため、測定光を測定することにより、脈波及び血中酸素濃度(SpO)を測定できる。骨は、この測定光を効率よく反射させることができる。そのため、光センサ109が腸骨上にあるとき、脈波及び血中酸素濃度を精度よく測定できる。
(加速度センサ)
図1を参照して、基体119は、加速度センサ111が設けられる。図3を参照して、加速度センサ111は、人体の大腿動脈303に近接する表皮の上に設置される。ここでは、加速度センサ111は、人体に測定ベルト101を巻き付けたときに人体の正面の右側に配置される。加速度センサ111は、大腿動脈303の動脈壁の振動、すなわち拍動を測定する。また、加速度センサ111は、人体の体位、行動、活動量等も同時に測定してもよい。
(計算装置)
図2を参照して、アース電極107と帯部123との間の基体119には、計算装置127が設置される。アナログ信号である測定電極103と測定電極105と光センサ109と加速度センサ111とからの生体情報は、デジタル信号に変換される。計算装置127は、デジタル信号に変換された生体情報を取得し、通信装置に送る。
生体情報の生の波形をとるために、計算装置127は、高ビットレートで、高サンプリングレートのデジタル信号を取り扱う必要がある。そのため、計算装置127は、正確なサンプリングタイム精度で、サンプリングすることに注力する。
(電源)
図2を参照して、アース電極107と測定電極103及び光センサ109との間の基体119には、電源125が設置される。電源125は、USB電源から充電できる小型リチウムイオンバッテリである。各センサと、計算装置127と、通信装置とは、電源125からの電力で駆動される。
電源125は、USB電源の他に、非接触給電で充電してもよい。寝具に大型コイル、ベルトに小型のコイルを設け、Qi規格等で電力を外部電源から電源125に充電できる。心電センサと非接触給電装置との干渉を防ぐために、電力伝送の周波数帯域は、数百kHzにする。
寝具で充電することで、充電時間を6〜8時間と長く取ることができる。したがって、本発明の測定ベルトは、人の活動時間中の電源を維持できる。また、非接触給電とすることで、本発明の測定ベルトを完全防水にできる。そのため、本発明の測定ベルトは、入浴中でも生体情報を測定できる。
(通信装置)
通信装置は、計算装置127の一部として基体119に設置される。通信装置は、計算装置127に電気的に接続される。通信装置は、外部の計算装置であるスマートフォンまたはパソコン等へ生体情報のデジタル信号のデータの無線通信で送信する。生体情報は、外部の計算装置で処理される。生体情報の生の波形及び処理された診断結果は、外部の計算装置上で表示される。
(脈波伝播速度の測定)
電位センサで測定された心電により、心臓が血液を送り出すタイミングがわかる。このタイミングと光センサ109で測定された脈波とにより、心臓が送り出した血液が大腿動脈303に到達する時間がわかる。すなわち、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定できる。
血管が硬いとき、心臓が送り出す血液の圧力はすぐに伝わり、心臓が送り出した血液が大腿動脈303に到達する時間は短くなり、脈波伝播速度は速くなる。一方、血管が軟らかいとき、心臓が送り出す血液の圧力はゆっくり伝わり、心臓が送り出した血液が大腿動脈303に到達する時間は長くなり、脈波伝播速度は遅くなる。
(血管の弾力性の測定)
光センサ109により脈波が測定され、大腿動脈303に血液が到達するタイミングがわかる。加速度センサ111により、大腿動脈303の動脈壁の振動がわかる。このタイミングの動脈壁の振動を測定することで、大腿動脈303の血管の弾力性を測定できる。
(相対的な血圧変動の測定)
脈波伝播速度は、相対的な血圧変動と強い相関が認められることが知られている。したがって、常時脈波伝播速度を測定することにより、例えば、入浴時あるいは寒冷時の外出の際等において、急激な血圧上昇を観測したときに、警告を発することができる。
(動脈硬化度の診断)
測定された脈波伝播速度及び血管の弾力性から、複数の視点による正確な動脈硬化度を診断できる。動脈硬化度は、薬の服用によって徐々に改善される。動脈硬化が進行した使用者は、この動脈硬化度を常時確認することで、薬の服用を続けられることが期待される。
本発明により、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、脈波と動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、これらから動脈硬化度を診断できる測定ベルトを提供できる。
また、本発明により、計算装置に負荷のかかる処理をベルト上で行わずに外部の計算装置であるパソコン、スマートフォン等で行う。このため、ベルト上の計算装置は、正確なサンプリングタイム精度でサンプリングできる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。図5は、本発明の第2の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。図4、5を参照して、本発明の第2の実施形態の測定ベルトを説明する。
実施の形態2は、実施の形態1の測定ベルトに、さらにインピーダンスセンサ413が設けられる点で異なる。図4、5を参照して、測定ベルト401は、基体419と、バックル421と、帯部423とを備えるが、重複する説明は省略する。
図4を参照して、測定ベルト401の基体419には、測定電極403と、測定電極405と、アース電極407と、光センサ409と、加速度センサ411と、インピーダンスセンサ413とが設けられるが、重複する説明は省略する。また、図5を参照して、測定ベルト401には、電源425と、計算装置427と、通信装置とが設けられるが、重複する説明は省略する。
(インピーダンスセンサ)
図4を参照して、測定ベルト401の基体419には、インピーダンスセンサ413が設けられる。インピーダンスセンサ413は、人体の表皮の上に設置される。インピーダンスセンサ413は、配置において特に制限はないが、通常は測定対象の両端に設置する。
インピーダンスセンサ413は、腹腔のインピーダンスを測定する。インピーダンスセンサ413は、腹腔のインピーダンスを測定すること、人が仰向けに寝ることを考慮すると、腹部にあることが好ましい。
したがって、インピーダンスセンサ413は、測定電極103、測定電極105、アース電極407に近接して配置されることが好ましい。また、インピーダンスセンサは、測定電極103、測定電極105、アース電極407と共用にしてもよい。なお、インピーダンスセンサ413は、いわゆる2電極式だけでなく、測定精度を上げるために4電極式とすることもできる。
インピーダンスセンサ413は、呼吸に伴う腹腔容量の変化によるインピーダンス変化の時系列データを得ることができ、単なる呼吸数だけでなく、いわゆる呼吸曲線を測定する。呼吸曲線と心電に同一の電極を共用した場合であっても、両者は測定原理が異なるため、フィルタリング等を行うことで分離できる。
(睡眠時無呼吸症候群の診断)
実施の形態1の測定ベルトの光センサ109は、血中酸素濃度を測定することもできる。睡眠時無呼吸症候群の使用者は、無呼吸により血中酸素濃度が低下し、心拍数と呼吸曲線とが乱れる。したがって、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とを測定することにより睡眠時無呼吸症候群を診断できる。
(過呼吸及び呼吸困難の診断)
過呼吸状態または呼吸困難状態のとき、血中酸素濃度と呼吸曲線とが乱れる。したがって、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる。常時測定ベルトを使用者に着けておくことで、例えば睡眠中など、使用者が、過呼吸または呼吸困難を起こして容体が変化したときに迅速に対応できる。
本発明は、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる測定ベルトを提供できる。また、本発明は、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる測定ベルトを提供できる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。図7は、本発明の第3の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。図6、7を参照して、本発明の第3の実施形態の測定ベルトを説明する。
本実施の形態は、実施の形態1の測定ベルトに、さらにインピーダンスセンサ613と非接触温度センサ615とが設けられ、光センサと加速度センサとが設けられていない点で異なる。図6、7を参照して測定ベルト601は、基体619と、バックル621と、帯部623とを備えるが、重複する説明は省略する。
図6を参照して、測定ベルト601の基体619には、測定電極603と、測定電極605と、アース電極607と、インピーダンスセンサ613と、非接触温度センサ615とが設けられるが、重複する説明は省略する。また、図7を参照して、測定ベルト601には、電源625と、計算装置627と、通信装置とが設けられるが、重複する説明は省略する。
(非接触温度センサ)
図6を参照して、測定ベルト601の基体619は、非接触温度センサ615が設けられる。図3を参照して、非接触温度センサ615は、人体の大腿動脈303に近接する表皮の上に設置される。ここでは、非接触温度センサ615は、人体に測定ベルト601を巻き付けたときに人体の正面の右側に配置される。
非接触温度センサ615は、大腿動脈303の温度を非接触で測定する。このため、非接触温度センサ615は、人体の深部から放出される遠赤外線も含めて検出できるため、深部体温と深い相関がある。
(熱中症の診断)
電位センサにより心拍数を測定し、インピーダンスセンサにより呼吸曲線を測定する。また、非接触温度センサにより深部体温を測定する。熱中症の時、心拍数と、呼吸曲線と、深部体温とが上昇する。したがって、心拍数と呼吸曲線と深部体温とのデータから熱中症を診断できる。常時測定ベルトを使用者に着けておくことで、使用者が、熱中症になって容体が変化したときに迅速に対応できる。
本発明により、心拍数と呼吸曲線と深部体温とのデータから熱中症を診断できる測定ベルトを提供できる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の第4の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。図9は、本発明の第4の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。図8、9を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。
本実施の形態は、実施の形態1の測定ベルトに、さらにインピーダンスセンサ813と非接触温度センサ815とが設けられ、加速度センサが設けられていない点で異なる。図8、9を参照して、測定ベルト801は、基体819と、バックル821と、帯部823とを備えるが、重複する説明は省略する。
図8を参照して、測定ベルト801の基体819には、測定電極803と、測定電極805と、アース電極807と、光センサ809と、インピーダンスセンサ813と、非接触温度センサ815とが設けられるが、重複する説明は省略する。また、図9を参照して、測定ベルト801には、電源825、計算装置827、通信装置が設けられるが、重複する説明は省略する。
(睡眠時無呼吸症候群の診断)
実施の形態4の測定ベルトの電位センサは、心電を測定できる。また、光センサ809は、血中酸素濃度を測定する。さらに、インピーダンスセンサ813は、呼吸曲線を測定する。したがって、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる。
(過呼吸及び呼吸困難の診断)
光センサ809で取得した血中酸素濃度とインピーダンスセンサ813で取得した呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる。
(実施の形態5)
図10は、本発明の第5の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。図11は、本発明の第5の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。図10、11を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。
本実施の形態は、実施の形態1の測定ベルトに、さらに音センサ1017が設けられ、光センサと加速度センサとが設けられていない点で異なる。図10、11を参照して、測定ベルト1001は、基体1019と、バックル1021と、帯部1023とを備えるが、重複する説明は省略する。
図10を参照して、測定ベルト1001の基体1019には、測定電極1003と、測定電極1005と、アース電極1007と、音センサ1017とが設けられるが、重複する説明は省略する。また、図11を参照して、測定ベルト1001には、電源1025と、計算装置1027と、通信装置とが設けられるが、重複する説明は省略する。
(音センサ)
図10を参照して、測定ベルト1001の基体1019は、音センサ1017が設けられる。図3を参照して、音センサ1017は、人体の大腿動脈303に近接する表皮の上に設置される。ここでは、音センサ1017は、人体に測定ベルト1001を巻き付けたときに人体の正面の右側に配置される。
音センサ1017は、大腿動脈303の側の腸の音を測定する。このため、音センサ1017は、腸活動の音を測定できる。
(腸管運動の把握)
電位センサは、心電と重畳して腹筋等の腹部筋電を測定できる。腹部筋電と腸活動の音とを測定することによって、腸管運動の把握ができる。使用者が常時測定ベルトを着けておくことで、使用者の便秘や下痢などの腸の異常を把握できる。
(実施の形態6)
図12は、本発明の第6の実施形態のセンサの配置を示す測定ベルトの内側正面図である。図13は、本発明の第6の実施形態の電源、計算装置、通信装置の配置を示す測定ベルトの側面図である。図14は、本発明の第6の実施形態の測定ベルトを装着した人体の模式図である。図12乃至14を参照して、本発明の第6の実施形態を説明する。
本実施形態は、今まで説明したセンサを全てつけた測定ベルトの実施形態である。図12、13を参照して、測定ベルト1201は、基体1219と、バックル1221と、帯部1223とを備える。
また、図12を参照して、基体1219は、測定電極1203と、測定電極1205と、アース電極1207からなる電位センサと、光センサ1209と、加速度センサ1211と、インピーダンスセンサ1213と、非接触温度センサ1215と、音センサ1217とが設けられる。
さらに、図13を参照して、基体1219には、電源1225と、計算装置1227と、通信装置とが設けられる。ベルトを構成する部材、センサ、電源、計算装置、及び通信装置に関しては、説明が重複するため省略する。
電位センサは、筋電を測定し、心電を測定し、心拍数を測定できる。また、光センサ1209は、脈波を測定し、血中酸素濃度を測定できる。インピーダンスセンサ1213は、呼吸曲線を測定し、内臓脂肪及び水分を測定できる。
さらに、加速度センサ1211は、動脈壁の振動を測定し、体位、行動、活動量等を測定できる。非接触温度センサ1215は、深部体温を測定できる。音センサ1217は、腸活動の音を測定し、胎児の心音を測定できる。
これらのセンサを使うことで、各実施形態で説明したように、本発明は、動脈硬化度の診断、睡眠時無呼吸症候群の診断、過呼吸と呼吸困難の診断、熱中症の診断、及び腸管運動の把握等ができる測定ベルトを提供できる。
図14を参照すると、第6の実施形態の測定ベルトの装着例において、各センサ、電源、計算装置、及び通信装置は、体の正面に全て入っていることがわかる。これは、人が仰向けに寝た場合に邪魔にならない構成である。
病気の患者及び高齢者は、健康管理のために生体情報を常時測定する必要がある。人が仰向けに寝た場合に、楽な状態をとれることが好ましい。また、使用者がうつぶせで寝たとしても、センサの位置がちょうど寝具との隙間に入りほとんど使用者の邪魔にならない。
また、測定ベルトが装着される下腹部は、心臓、肺等、生命の維持に不可欠な内臓から離れていること、生物は、腹部に圧力がかかることに抵抗がなくむしろ安心感が生まれることから、胸部等に比べてベルトの設置による圧迫に対して鈍感である。したがって、患者や高齢者は、本発明の測定ベルトを長時間取り付けられることに抵抗が少ない。
また、重度の認知症の患者は、体に巻き付くセンサ類を本能的に外してしまうという問題がある。しかしながら、患者がパンツ等を脱ぐことは本能的にない。したがって、本発明の測定ベルトをパンツやおむつの内側にこのような患者が装着した場合、患者は、ベルトを外すことはない。
また、寝たきりの患者は、測定ベルトの部材の構成を変えて、背中側の腰骨と寝具との隙間に補助ベルトを通し、腹側においてマジックテープ(登録商標)で固着することで患者の体位を変えることなくセンサを取り付けることができる。
このように、本発明の測定ベルトは、使用者の不快感が少ない。したがって、本発明の測定ベルトは、常時あるいは長時間にわたって、生体情報の測定ができる。
本発明は、心電と脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、脈波と動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、これら複数の視点から動脈硬化度を診断できる測定ベルトを提供できる。
また、本発明は、心電と血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断できる測定ベルトを提供できる。また、本発明は、血中酸素濃度と呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断できる測定ベルトを提供できる。
さらに、本発明は、心拍数と呼吸曲線と深部体温とのデータから熱中症を診断できる測定ベルトを提供できる。さらに、本発明は、腹部筋電と腸の活動音とのデータから腸管運動の把握を行うことができる測定ベルトを提供できる。
本発明は、常時または長時間にわたって、生体情報の測定を必要とする人に適用できる。
101 測定ベルト
103 測定電極
105 測定電極
107 アース電極
109 光センサ
111 加速度センサ
119 基体
121 バックル
123 帯部
125 電源
127 計算装置
301 腸骨
303 大腿動脈
401 測定ベルト
403 測定電極
405 測定電極
407 アース電極
409 光センサ
411 加速度センサ
419 基体
421 バックル
423 帯部
425 電源
427 計算装置
601 測定ベルト
603 測定電極
605 測定電極
607 アース電極
609 光センサ
611 加速度センサ
619 基体
621 バックル
623 帯部
625 電源
627 計算装置
801 測定ベルト
803 測定電極
805 測定電極
807 アース電極
809 光センサ
811 加速度センサ
819 基体
821 バックル
823 帯部
825 電源
827 計算装置
1001 測定ベルト
1003 測定電極
1005 測定電極
1007 アース電極
1009 光センサ
1011 加速度センサ
1019 基体
1021 バックル
1023 帯部
1025 電源
1027 計算装置
1201 測定ベルト
1203 測定電極
1205 測定電極
1207 アース電極
1209 光センサ
1211 加速度センサ
1219 基体
1221 バックル
1223 帯部
1225 電源
1227 計算装置

Claims (8)

  1. 人体の腸骨の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極と、アース電極とを備える、心電を測定する電位センサと、
    前記人体の前記腸骨に近接する表皮の上に設置される脈波と血中酸素濃度とを測定する光センサと、
    前記人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される動脈壁の振動を測定する加速度センサと、を備え、
    前記心電と前記脈波とのデータから脈波伝播速度を測定し、
    前記脈波と前記動脈壁の振動とのデータから血管の弾力性を測定し、
    前記脈波伝播速度から、相対的な血圧変動を測定し、
    測定された前記脈波伝播速度と前記血管の弾力性とから動脈硬化度を診断する、測定ベルト。
  2. さらに、前記人体の表皮の上に設置される腹腔内のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサと、を備え、
    前記腹腔内のインピーダンスから呼吸曲線を測定し、
    前記心電と前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断し、
    前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断する、請求項1に記載の測定ベルト。
  3. 前記心電と前記脈波と前記動脈壁の振動とのデータは無線通信により外部の計算装置に送信され、前記脈波伝播速度を測定し、前記血管の弾力を測定し、前記相対的な血圧変動を測定し、前記動脈硬化度を診断する処理は前記外部の計算装置で行う、請求項1または2に記載の測定ベルト。
  4. 人体の腸骨の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極と、アース電極とを備える、心電と心拍数とを測定する電位センサと、
    前記人体の表皮の上に設置される腹腔内のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサと、
    前記人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される深部体温を測定する非接触温度センサと、を備え、
    前記腹腔内のインピーダンスから呼吸曲線を測定し、
    前記心拍数と前記呼吸曲線と前記深部体温とのデータから熱中症を診断する、測定ベルト。
  5. さらに、前記人体の前記腸骨に近接する表皮の上に設置される血中酸素濃度を測定する光センサと、を備え、
    前記心電と前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから睡眠時無呼吸症候群を診断し、
    前記血中酸素濃度と前記呼吸曲線とのデータから過呼吸または呼吸困難を診断する、請求項4に記載の測定ベルト。
  6. 前記心拍数と前記腹腔内のインピーダンスと前記深部体温とのデータは外部の無線通信により外部の計算装置に送信され、熱中症を診断する処理は、前記外部の計算装置で行う、請求項4または5に記載の測定ベルト。
  7. 人体の腸骨の両側に近接する表皮の上に設置される測定電極と、アース電極とを備える、腹部筋電を測定する電位センサと、
    前記人体の大腿動脈に近接する表皮の上に設置される腸の活動音を測定する音センサと、を備え、
    前記腹部筋電と前記腸の活動音とのデータから腸管運動の把握を行う、測定ベルト。
  8. 前記腹部筋電と前記腸の活動音とのデータは、外部の無線通信により外部の計算装置に送信され、腸管運動を把握する処理は、前記外部の計算装置で行う、請求項7に記載の測定ベルト。
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