図1は、本発明の液滴発生装置の一実施形態を例示した概要図である。図2は、本発明の液滴発生装置の制御手段による制御の一形態を例示したブロック図である。
液滴発生装置1は、噴霧部2と、噴霧部2に液体を供給する液体供給管31を有する液体供給手段3と、噴霧部2に空気を供給する空気供給管41を有する空気供給手段4と、噴霧部2から噴霧される液滴の粒径を制御可能な制御手段5とを備えている。
噴霧部2は、建物Hの外面に配設され、液滴を建物Hの外方に向かって噴霧する。建物Hの外面における噴霧部2の配設位置は特に限定されず、液滴による冷却作用などが望まれる所望の位置に配設することができる。ここでいう「建物の外面」には、建物Hの外壁W、屋根R、軒樋S、軒下U、ベランダDなどが含まれる。図1に例示した実施形態では、噴霧部2は、建物Hの屋根Rの頂部、軒樋Sの下方付近、軒下U、ベランダDの下部および外壁Wの下方部に設けられている。液滴発生装置1は、噴霧部2が建物Hの外面に配設されているため、建物Hの外観が良好であり、大がかりな設置スペースを確保する必要もない。
噴霧部2には、液体供給手段3の液体供給管31と、空気供給手段4の空気供給管41とが接続されている。噴霧部2の具体的な形態は特に限定されないが、空気供給管41から供給される空気の流れに液体供給管31からの液体が供給されることにより、噴霧部2で微細な霧状の液滴が生成される二流体ノズルの形態を好ましく例示することができる。
液体供給手段3の液体供給管31の一端は噴霧部2と接続している。液体供給手段3には、液体供給管31の他に、開度を調整可能な水量調整弁(図示していない)、ポンプなどの液体用圧力制御装置32、流量検知計(図示していない)、ストレーナー(図示していない)などが含まれる。また、液体供給管31の他端が接続する水供給源(図示していない)としては、例えば、水道からの水やタンクに貯留された雨水などを例示することができる。なお、例えば、水道からの供給圧によって液体供給管31から噴霧部2へ十分な供給ができる場合は、ポンプなどの液体用圧力制御装置32の設置を省略することができる。
空気供給手段4の空気供給管41の一端は噴霧部2と接続している。空気供給手段4には、空気供給管41の他に、開度を調整可能な空気量調整弁(図示していない)、コンプレッサーやブロアなどの空気用圧力制御装置42、空気量検知計(図示していない)などが含まれる。図1に例示した実施形態では、空気供給管41の他端に空気用圧力制御装置42が接続されており、空気用圧力制御装置42によって生成された圧縮空気が空気供給管41を通じて噴霧部2に供給される構造になっている。
制御手段5は、噴霧部2に供給される液体量と空気量の調整によって、噴霧部2から噴霧される液滴の粒径(平均粒径)を制御することができる。具体的には、図2に例示したように、制御手段5は、液体供給手段3および空気供給手段4に接続しており、例えば、水量調整弁および空気量調整弁の開度を制御することで、液体量(体積)と空気量(体積)の比率を調整することができる。液体量に対する空気量(空気量/液体量の値)が大きくなるほど、噴霧部2から噴霧される液滴の粒径は小さくなる傾向がある。制御手段5は、気温や湿度、その他の液滴の噴霧の目的に応じて液滴の粒径を10nm〜100μm程度の範囲で調整することができる。制御手段5によって、噴霧部2に供給される液体量と空気量とが調整されるため、噴霧される液滴の粒径の大きさを精度よく制御することができる。
さらに、この実施形態の液滴発生装置1は、建物Hの外面付近の複数個所に、温度、湿度、日射量、浮遊している塵埃量(花粉などの微粒子の量)、人・動物の存在のうちの少なくともいずれかを検知してその検知情報を制御手段5に供給可能なセンサーTを備えている。具体的には、センサーTは、建物Hの屋根Rの頂部、軒樋Sの下方、ベランダDの下部、フェンスFの上部に設けられている。
センサーTは制御手段5と接続している。制御手段5は、センサーTが検知した情報(温度、湿度、日射量、塵埃量、人・動物の存在)に基づいて、噴霧部2から噴霧される液滴の粒径(平均粒径)、液滴の噴霧量や噴霧のタイミングなどを制御することができる。
具体的には、例えば、センサーTが温度、湿度、日射量、浮遊している塵埃量を検知するものである場合、センサーTが検知した情報は制御手段5へと送られる。制御手段5は、噴霧部2からの液滴の噴霧領域や、望ましい温度、湿度、塵埃量の値などに応じて、センサーTからの検知情報に基づいて噴霧部2から噴霧される液滴を好適な粒径に制御することができる。より具体的には、例えば、打ち水のように噴霧部2から地面に向かって液滴を噴霧させる場合は、制御手段5は、比較的大きな粒径の液滴が噴霧されるように制御することができる。また、例えば、液滴を広範囲に拡散させたい場合などには、制御手段5は比較的小さな粒径の液滴が噴霧されるように制御することができる。
また、液滴発生装置1が配設される建物Hの外面は親水処理されていることが好ましい。建物Hの外面が親水性を有することで、建物Hの外面に液滴由来の液体が流れやすくなり、外面の洗浄性などを高めることができる。
さらに、この実施形態の液滴発生装置1は、噴霧部2に供給する液体に機能性液剤を添加する液剤添加部Vを備えている。この実施形態では、液剤添加部Vは、液体供給手段3の液体供給管31(液体用圧力制御装置32と噴霧部2の間)と、軒樋Sの下方の噴霧部2付近に設けられている。ここで、「機能性液剤」とは、各種の色に着色された液体、臭い付きの液体、動物・害虫の忌避剤入りの液体などをいい、目的に応じて機能性液剤の種類を選択することができる。
液剤添加部Vは制御手段5と接続しており、制御手段5は、センサーTが検知した情報に基づいて液剤添加部Vから添加される機能性液剤の種類、量、タイミングなどを制御することができ、噴霧部2からは機能性液剤が添加された液滴が噴霧される。
具体的には、例えば、センサーTが検知領域に侵入した人を検知する物体検知センサー(例えば赤外線センサーなど)である場合、センサーTが侵入者を検知したときに、センサーTからの検知信号が制御手段5に送られる。そして、制御手段5は、液剤添加部Vから液体供給管31内の水に、着色された液体や臭い付きの液体などが所定量で添加されるように制御することができる。これによって、着色された液体や臭い付きの液体などが噴霧部2から液滴となって噴霧される。したがって、噴霧された液滴が侵入者に付着すると、侵入者が逃走した場合も追跡などが容易になるため、威嚇効果、防犯効果に優れている。
また、センサーTが検知領域に侵入した動物を検知する物体検知センサーである場合、センサーTが動物の存在を検知したときに、センサーTからの検知信号が制御手段5に送られる。そして、制御手段5は、液剤添加部Vから液体供給管31内の水に、動物の忌避剤入りの液体が所定量で添加されるように制御することができる。これによって、動物の忌避剤入りの液体などが噴霧部2から液滴となって噴霧される。したがって、噴霧された液滴によって動物に警戒心、恐怖心を与えて撃退することができる。
なお、忌避剤は、例えば、イヌ、ネコ、イノシシ、シカ、タヌキ、イタチ、キツネ、モグラ、ネズミ、カラスなどの動物に対して忌避作用を有する物質が添加された公知の忌避剤を適宜使用することができる。
また、この実施形態では、センサーTによる検知信号に基づいて制御手段5が液剤添加部Vにおける動作を制御する形態を例示したが、このような形態に限定されることはない。例えば、予め設定された時間に、液剤添加部Vから液体供給管31内の水に機能性液剤が添加されて噴霧部2から液滴となって噴霧されるように設定することもできる。この場合、例えば動物や害虫(蚊、ハエ、ダニなど)の忌避剤入りの液体を定期的に噴霧することで、動物の侵入や害虫の発生などの予防することができる。
このように、液滴発生装置1は、建物Hの外面に配設され、液滴を建物Hの外方に向かって噴霧する噴霧部2と、噴霧部2に液体を供給する液体供給管31を有する液体供給手段3と、噴霧部2に空気を供給する空気供給管41を有する空気供給手段4とを備えている。また、液滴発生装置1は、噴霧部2に供給される液体量と空気量の調整可能な制御手段5を備えている。そして、空気供給管41から供給される空気の流れに液体供給管31からの液体が供給されて、噴霧部2で液滴が生成される。
図3は、本発明の液滴発生装置の一実施形態における噴霧部付近の側方概要図である。図4は、図3に示した噴霧部付近の正面図である。図3、図4では、軒下付近の建物外壁部に設けられた噴霧部が表されている。以下では、図1、図2を用いて説明した内容についての説明は省略する。
液滴発生装置1(図1に図示)の噴霧部2は略円筒形であり、先端が下方(斜め下方)を向いている。液滴発生装置1は、噴霧部2の噴霧方向を変更可能な噴霧方向変更部6を備えている。噴霧方向変更部6は、制御手段5によって調整された噴霧部2に供給される液体量と空気量に応じて、噴霧部2の噴霧方向を変更することができる。
具体的には、噴霧方向変更部6は、噴霧部2と接続する可撓性ホース61と、噴霧部2の噴霧方向をガイドするガイド部材62とを備えている。
可撓性ホース61は中空であり、例えば樹脂などの柔軟な材料で形成されている。可撓性ホース61の一端部61aは噴霧部2の基端部と接続している。一方、可撓性ホース61の他端部(図示していない)は、液体供給手段3の液体供給管31などと接続することができる。可撓性ホース61は、内部を通過して噴霧部2に供給される液体量と空気量(内部の圧力)に応じて噴霧部2と接続する一端部61a付近が変形自在とされている。
ガイド部材62は、建物Hの外壁部Wに固定された固定部材63に配設されている。固定部材63は、軒下Uに固定される水平部63aと、水平部63aの後方端部から下方に延びる垂下部63bとを備えている。ガイド部材62は、固定部材63の水平部63aの先端部から垂下部63bの下端部へと湾曲して延びる側方視略円弧状である。また、図4に例示したように、ガイド部材62は、噴霧部2および可撓性ホース61を挟んで対向する第1ガイド部材62Aと第2ガイド部材62Bとを有している。
そして、第1ガイド部材62Aおよび第2ガイド部材62Bのそれぞれは、外側(建物Hの外壁部Wから離れた位置)に配設された第1ガイドレール64と、第1ガイドレール64の内側に配設された第2ガイドレール65とが所定の間隔で並設されている。
さらに、第1ガイド部材62Aおよび第2ガイド部材62Bのそれぞれには、第1ガイドレール64と第2ガイドレール65との間に、噴霧部2および可撓性ホース61と接続する支持部材66が挿入されている。支持部材66は、水平方向に延びる連結部66aと、連結部66aの両端に設けられた円形頭部66bとを有している。円形頭部66bは、第1ガイドレール64と第2ガイドレール65の間から、第1ガイド部材62Aおよび第2ガイド部材62Bの外側に突出している。円形頭部66bは、第1ガイドレール64と第2ガイドレール65との間隔より径大に形成されているため、支持部材66と、これに接続する噴霧部2および可撓性ホース61の脱落が抑制されている。
また、ガイド部材62(第1ガイド部材62Aおよび第2ガイド部材62B)には、バネ部材67が配設されている。バネ部材67は、固定部材63の水平部63aの下面から延びて噴霧部2と接続しており、噴霧部2を下向きに付勢している。
そして、制御手段5によって噴霧部2に供給される液体量と空気量(供給圧力)を変更することで、噴霧部2と接続する可撓性ホース61の一端部61aの角度を調整することができ、これによって、噴霧部2の噴霧方向を変更することができる。
例えば、制御手段5によって噴霧部2に供給される液体量と空気量(供給圧力)を低く制御した場合、可撓性ホース61内の圧力が弱いため、噴霧部2の噴霧方向は、バネ部材67による付勢によって斜め下向き(低角度方向)に維持される。この場合、例えば、噴霧部2から地面方向に液滴を噴霧することによって地面を冷却したり、建物Hの外壁部Wに向かって液滴を噴霧することで、建物の冷却や洗浄をすることができる。
一方、制御手段5によって噴霧部2に供給される液体量と空気量(供給圧力)を高く制御した場合、可撓性ホース61内の圧力によって、可撓性ホース61を上向き(水平方向)に変形させようとする動力が発生する。このため、可撓性ホース61と接続している支持部材66は、第1ガイドレール64と第2ガイドレール65の間を上方に向かってスライドし、噴霧部2の噴霧方向が略水平方向(高角度方向)に近づくように変更される。噴霧部2の噴霧方向を略水平方向に変更することで、例えば、噴霧部2から微細な霧状の液滴を広範囲に噴霧することができる。
このように、噴霧方向変更部6は、制御手段5によって調整された噴霧部2に供給される液体量と空気量に応じて、噴霧部2の噴霧方向を変更することができる。このため、噴霧方向の変更のための電力消費が抑制され、また複雑な配線を設ける必要がない。したがって、この実施形態の液滴発生装置1は、施工性に優れ、ランニングコストを抑制することができる。
なお、この実施形態では、バネ部材67によって噴霧部2を下向きに付勢する形態を例示したが、この形態に限定されることはない。具体気には、例えば、噴霧部2の先端部付近に重量が大きい錘部を設けることで、可撓性ホース61に供給圧力が付加されていない状態において噴霧部2が下向きに維持されるようにしてもよい。
図1〜図4に示したように、液滴発声装置1は、建物Hの外面に配設され、液滴を建物Hの外方に向かって噴霧する噴霧部2と、噴霧部2に液体を供給する液体供給管31を有する液体供給手段3と、噴霧部2に空気を供給する空気供給管41を有する空気供給手段4とを備えている。さらに、液滴発声装置1は、噴霧部2に供給される液体量と空気量を調整可能な制御手段5と、噴霧部2に供給される液体量と空気量に応じて、噴霧部2の噴霧方向を変更可能な噴霧方向変更部6とを備えている。空気供給管41から供給される空気の流れに液体供給管31からの液体が供給されて、噴霧部2で液滴が生成される。
また、この液滴発声装置1では、噴霧方向変更部6は、噴霧部2と接続する可撓性ホース61と、噴霧部2の噴霧方向をガイドするガイド部材62を備えることが好ましい。可撓性ホース61は、その内部を通過して噴霧部2に供給される液体量と空気量に応じて噴霧部2と接続する一端部61aが変形自在である。可撓性ホース61の一端部61aの変形によって、噴霧部2の噴霧方向がガイド部材62に沿って変更される。
図5(A)は、図1に例示した液体供給管および空気供給管を軒樋に固定するための軒樋用配管固定部材の一実施形態を例示した斜視図である。図5(B)は、(A)に示した軒樋用配管固定部材の断面図である。図6は、図5(A)(B)に例示した軒樋用配管固定部材を軒樋に取り付けた状態を例示した断面図である。
この実施形態の液滴発生装置1(図1に図示)は、液体供給管31および空気供給管41を軒樋Sに固定するための軒樋用配管固定部材7を備えている。軒樋用配管固定部材7は、樹脂などの柔軟性を有する材料からなることが好ましい。
軒樋用配管固定部材7は、長尺な板状部71と、板状部71の短手方向の両端部に沿って形成された軒樋用係合部72と、板状部71の内側端部付近に設けられた第1配管保持部73とを有している。
軒樋用係合部72は、板状部71の短手方向の内側に向かって屈曲する屈曲部72aと、屈曲部72aの先端から内向きに折り返す折り返し部72bとを有している。
第1配管保持部73は、板状部71の内側端部から外側(軒樋用係合部72から離れる方向)に向かって突出している。具体的には、第1配管保持部73は、液体供給管31の外形に対応した湾曲形状を有する液体供給管保持部73aと、空気供給管41の外形に対応した湾曲形状を有する空気供給管保持部73bとが中央側で接合して形成されている。
図6に例示したように、軒樋Sは、軒樋支持具Pによって内側から支持されている。軒樋支持具Pは、軒下に固定される基部P1と、基部P1から水平方向に向かって延びるアーム部P2とを有している。また、アーム部P2の先端には上方に屈曲する第1耳保持部P3が設けられており、アーム部P2の基端側の下方には上方に屈曲する第2耳保持部P4が設けられている。さらに、アーム部P2の下面からは下方に向かって垂下する吊部P5が設けられている。
軒樋Sは、本体部S1と、本体部S1の屋外側端部に設けられた第1耳部S2と、本体部S1の屋内側端部に設けられた第2耳部S3とを有している。
本体部S1の底部S4の屋内側の角部には、上側に向かって一段下がる第1切欠部S5が形成されている。本体部S1の底部S4の屋外側の角部には、上側に向かって一段下がる第2切欠部S6が形成されており、第1切欠部S5と第2切欠部S6の幅、深さは、略同一に形成されている。
さらに、第1切欠部S5のコーナー部には、水平方向内側に向かって凹む第1溝部S8が形成されており、第2切欠部S6のコーナー部には、水平方向内側に向かって凹む第2溝部S7が形成されている。第1溝部S8と第2溝部S7の高さ位置は略一致している。
第1耳部S2は、軒樋支持具Pの第1耳保持部P3によって内側から支持されており、第2耳部S3は、軒樋支持具Pの第2耳保持部P4によって内側から支持されている。また、第2切欠部S6の内側付近には、軒樋支持具Pの吊部P5の下端部が当接しており、吊部P5は、第2溝部S7を内側から引っ掛けた状態で支持している。
液体供給管31および空気供給管41を軒樋用配管固定部材7によって軒樋Sに固定する場合、液体供給管31および空気供給管41を、液体供給管保持部73aおよび空気供給管保持部73bに収納する。液体供給管保持部73aおよび空気供給管保持部73bは、液体供給管31および空気供給管41の外形に対応しているため、液体供給管31および空気供給管41のぐらつきが抑制され、安定に保持される。
そして、例えば、図6に例示したように、軒樋用配管固定部材7の軒樋用係合部72のうちの一方(図6では、屋内側に位置する軒樋用係合部72)を軒樋Sの第1溝部S8に係合させる。その後、軒樋用配管固定部材7の柔軟性を利用して、他方の軒樋用係合部72を第2溝部S7に係合させることができる。これによって、液体供給管31および空気供給管41は、第1配管保持部73に外側から保持された状態で、軒樋用係合部72を介して軒樋Sに固定される。もちろん、取り付け手順を逆にして、軒樋用配管固定部材7の屋外側の軒樋用係合部72を軒樋Sの第2溝部S7に係合させた後、屋内側の軒樋用係合部72を第1溝部S8に係合させることもできる。
このように、液滴発生装置1は、軒樋用配管固定部材7によって液体供給管31および空気供給管41が軒樋Sに固定される。液滴発生装置1は、建物H内部に配管経路を形成する必要がないため、施工が容易であり、施工コストを抑制することができる。また、液体供給管31および空気供給管41は、軒樋用配管固定部材7によって覆われるため、建物Hの外観を良好に維持することができる。
図7(A)は、図1に例示した液体供給管および空気供給管を軒樋に固定するための軒樋用配管固定部材の別の実施形態を例示した斜視図である。図7(B)は、(A)に示した軒樋用配管固定部材の断面図である。図8は、図7(A)(B)に例示した軒樋用配管固定部材を軒樋に取り付けた状態を例示した断面図である。図5、図6で示した実施形態と共通する部分には、同一の符号を付し、以下では説明の一部を省略する。
図7(A)(B)に例示したように、この実施形態の軒樋用配管固定部材7は、略円形に湾曲する第1配管保持部73を備えている。この第1配管保持部73は、断面略円形状に一体化されている液体供給管31と空気供給管41とを保持するものである。
図8に例示したように、液体供給管31および空気供給管41を軒樋用配管固定部材7によって軒樋Sに固定する場合、一体化されている液体供給管31および空気供給管41を、第1配管保持部73に収納する。液体供給管31および空気供給管41はそれぞれ略半円形状であり、中央の隔壁部Qを介して一体に接合している。一体化されている液体供給管31および空気供給管41は、全体として断面が略円形状である。第1配管保持部73は、一体化されている液体供給管31および空気供給管41の外形に対応しているため、ぐらつきが抑制され、安定に保持される。
この実施形態の軒樋用配管固定部材7においても、軒樋用配管固定部材7の軒樋用係合部72のうちの一方を軒樋Sに係合させた後、軒樋用配管固定部材7の柔軟性を利用して、他方の軒樋用係合部72を軒樋Sに係合させることができる。この実施形態においても、液滴発生装置1は、建物内部に配管経路を形成する必要がないため、施工が容易であり、施工コストを抑制することができる。また、液体供給管31および空気供給管41は、軒樋用配管固定部材7によって覆われるため、建物Hの外観を良好に維持することができる。
図9(A)は、図1に例示した液体供給管および空気供給管を、建物の外壁面を構成する複数のサイディング材の間の目地に沿って取り付けられるジョイナー材に固定するためのジョイナー材用配管固定部材の一実施形態を例示した斜視図である。図9(B)は、図9(A)に示したジョイナー材用配管固定部材の断面図である。図10は、図9に例示したジョイナー材用配管固定部材をジョイナー材に取り付けた状態を例示した断面図である。
液滴発生装置1(図1に図示)は、液体供給管31および空気供給管41をジョイナー材Jに固定するためのジョイナー材用配管固定部材8を備えている。ジョイナー材用配管固定部材8は、樹脂などの柔軟性を有する材料からなることが好ましい。
ジョイナー材用配管固定部材8は、長尺な第2配管保持部81と、第2配管保持部81の短手方向の両端部に沿って形成されたジョイナー材用係合部82とを有している。
ジョイナー材用係合部82は、第2配管保持部81の両端部から外側に延びる延出部82aと、延出部82aの先端部から内側に向かって屈曲する屈曲部82bと、屈曲部82bの先端から内向きに折り返す折り返し部82cとを有している。
第2配管保持部81は、液体供給管31の外形に対応した湾曲形状を有する液体供給管保持部81aと、空気供給管41の外形に対応した湾曲形状を有する空気供給管保持部81bとが中央側で接合して形成されている。
図10に例示したように、建物Hの外壁面Wを構成する複数のサイディング材W1の間の目地に沿ってジョイナー材Jが取り付けられている。ジョイナー材Jは、ベース材Lとカバー材Mとによって構成されている。ベース材Lは嵌合部L1を備え、嵌合部L1は、中央から突出する突出部L2と、突出部L2の先端から内側に向かって突出する爪部L3を有している。カバー材Mは、表面化粧部M1と、表面化粧部M1の裏面側中央付近から突出する脚部M2を有している。脚部M2の先端には、外側へ向かって屈曲する折り曲げ部M3が設けられている。ベース材Lの嵌合部L1の爪部L3とカバー材Mの脚部M2の先端の折り曲げ部M3とが嵌合することで、ベース材Lとカバーとが一体化し、目地が覆われている。また、カバー材Mの表面化粧部M1の裏面側には水密材Nが配設されている。
液体供給管31および空気供給管41をジョイナー材用配管固定部材8によってジョイナー材Jに固定する場合、液体供給管31および空気供給管41を、液体供給管保持部81aおよび空気供給管保持部81bに収納する。液体供給管保持部81aおよび空気供給管保持部81bは、液体供給管31および空気供給管41の外形に対応しているため、液体供給管31および空気供給管41のぐらつきが抑制され、安定に保持される。
そして、液体供給管31および空気供給管41をジョイナー材Jに固定する場合、ジョイナー材用配管固定部材8のジョイナー材用係合部82のうちの一方をジョイナー材Jの表面化粧部M1の一端部に係合させる。その後、ジョイナー材用配管固定部材8の柔軟性を利用して、ジョイナー材用係合部82のうちの他方を表面化粧部M1の他端部に係合させることができる。これによって、液体供給管31および空気供給管41は、第2配管保持部81(液体供給管保持部81aおよび空気供給管保持部81b)に外側から保持された状態で、ジョイナー材用係合部82を介してジョイナー材Jに固定される。
このように、液滴発生装置1は、ジョイナー材用配管固定部材8によって液体供給管31および空気供給管41がジョイナー材Jに固定される。液滴発生装置1は、建物H内部に配管経路を形成する必要がないため、施工が容易であり、施工コストを抑制することができる。また、液体供給管31および空気供給管41は、ジョイナー材用配管固定部材8によって覆われるため、建物Hの外観を良好に維持することができる。
図11(A)は、図1に例示した液体供給管および空気供給管を軒樋に固定するためのジョイナー材用配管固定部材の別の実施形態を例示した斜視図である。図11(B)は、図11(A)に示したジョイナー材用配管固定部材の断面図である。図12は、図11に例示したジョイナー材用配管固定部材をジョイナー材に取り付けた状態を例示した断面図である。図9、図10で示した実施形態と共通する部分には、同一の符号を付し、以下では説明の一部を省略する。
図11(A)(B)に例示したように、この実施形態のジョイナー材用配管固定部材8の第2配管保持部81は、略円形に湾曲する第2配管保持部81を備えている。この第2配管保持部81は、断面略円形状に一体化されている液体供給管31と空気供給管41とを外側から保持するものである。
図12に例示したように、液体供給管31および空気供給管41をジョイナー材用配管固定部材8によってジョイナー材Jに固定する場合、一体化されている液体供給管31および空気供給管41を、第2配管保持部81に収納する。液体供給管31および空気供給管41はそれぞれ略半円形状であり、中央の隔壁部Qを介して一体に接合している。一体化されている液体供給管31および空気供給管41は、全体として断面が略円形状である。第2配管保持部81は、一体化されている液体供給管31および空気供給管41の外形に対応しているため、ぐらつきが抑制され、安定に保持される。
この実施形態のジョイナー材用配管固定部材8においても、ジョイナー材用配管固定部材8のジョイナー材用係合部82のうちの一方をジョイナー材J(カバー材M)に係合させることができる。その後、ジョイナー材用配管固定部材8の柔軟性を利用して、他方のジョイナー材用係合部82をジョイナー材J(カバー材M)に係合させることができる。
液滴発生装置1は、建物H内部に配管経路を形成する必要がないため、施工が容易であり、施工コストを抑制することができる。また、液体供給管31および空気供給管41は、ジョイナー材用配管固定部材8によって覆われるため、建物Hの外観を良好に維持することができる。
本発明の液滴発生装置は、以上の実施形態に限定されることはない。