JP6518567B2 - 水域地中探査システム及び水域地中探査方法 - Google Patents

水域地中探査システム及び水域地中探査方法 Download PDF

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Description

本発明は、水域地中探査システム及び水域地中探査方法に関し、特に、反射法地震探査法を用いた水域地中探査システム及び水域地中探査方法に関する。
大陸棚や深海底には豊富な資源(例えば、石油、天然ガス、メタンハイドレート、多金属団塊、マンガン・クラスト、海底熱水鉱床等)が存在しており、近年の資源価格の高騰により海洋資源開発の必要性が高まっている。また、陸上における天然資源は、一定の地域に偏在しており、国内産出量が少ない資源については、外国からの輸入に頼らざるを得ず、地政学的リスクが少なくない。そして、四方を海に囲まれた我が国においては、安定した資源供給のためにも、海洋地域が資源開発の新たなフロンティアとして注目されている。
海底資源探査技術としては、反射法地震探査法を用いたものが既に提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。なお、反射法地震探査法とは、地表付近で人工的に振動(音波)を発生させ、速度と密度が変化する地下境界面で反射して再び地表へ戻ってきた反射波を受振器で計測し、その反射波のデータを解析することにより、地下構造を解明する手法である。
例えば、特許文献1には、「海面付近や海中や海底で、圧縮した空気を瞬時に海中に放出するエアガンや圧電素子や超磁歪合金等の振動源(送波器)で、振動(音波)を発生させ、海底面や海底下の地層の境界面等で反射して戻って来る音波を、ストリーマーとよばれるケーブルに間隔を設けて配置されたハイドロフォン(受波器)で受信し、この受信記録、即ち、海底面下の地震探査記録に現れる物性が異なる地層同士の境界面を探り、地質構造を解析する」ことが記載されている。
また、震源により発生する音波には、進行方向に対して平行に振動する弾性波であるP波(疎密波又は縦波ともいう。)と、進行方向に対して直角に振動する弾性波であるS波(せん断波又は横波ともいう。)とが含まれるところ、特許文献2には、S波反射法地震探査を採用することにより、P波反射法地震探査のみでは得がたい油ガス層の構造・貯留層性状を把握することが記載されている。特に、特許文献2には、複数の音源(震源)から発震される音波に位相差を付与することにより、積極的に水底面から地中に伝播するせん断波を発生させ、せん断波の発生を制御し、安定した水域地中探査を行うことが記載されている。
特開2008−14830号公報 特開2014−137320号公報
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、複数の音源(震源)を用いて位相制御することによりせん断波の発生を制御していることから、音源(震源)の重量が増大してしまう、コストが増加してしまう、という問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、せん断波の反射波のデータを容易かつ高精度に取得することができるとともにコストダウンを図ることができる、水域地中探査システム及び水域地中探査方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、反射法地震探査法を用いた水域地中探査システムにおいて、水中に音波を発震する震源と、前記音波の発震を制御する制御装置と、前記音波の反射波を受振する受振器と、前記震源を備えた探査設備と、前記反射波の受振データを処理するデータ処理装置と、を有し、前記制御装置は、複数の異なる位置から水中に音波を発震するように前記震源を制御し、前記データ処理装置は、前記反射波の受振データから正位相の受振データ及び逆位相の受振データを取得して前記正位相の受振データと前記逆位相の受振データとを合成する処理を行う、ことを特徴とする水域地中探査システムが提供される。
前記制御装置は、前記複数の異なる位置から同位相の音波を発震し、前記データ処理装置は、所定の反射波の受振データの位相を反転させて前記逆位相の受振データを生成するようにしてもよい。
また、前記制御装置は、ある位置から正位相の音波を発震するとともに異なる位置から逆位相の音波を発震するようにしてもよい。
前記制御装置は、前記受振器に対して等距離を有する位置から音波を発震するようにしてもよいし、前記受振器を挟んで対峙する位置から音波を発震するようにしてもよい。
また、本発明によれば、反射法地震探査法を用いた水域地中探査方法において、複数の異なる位置から水中に音波を発震する発震工程と、前記音波の反射波を受振する受振工程と、前記反射波の受振データから正位相の受振データを取得する第一データ取得工程と、前記反射波の受振データから逆位相の受振データを取得する第二データ取得工程と、前記正位相の受振データと前記逆位相の受振データとを合成するデータ合成工程と、を含むことを特徴とする水域地中探査方法が提供される。
前記発震工程は、前記複数の異なる位置から同位相の音波を発震し、前記第二取得工程は、所定の反射波の受振データの位相を反転させて前記逆位相の受振データを生成する工程であってもよい。
また、前記発震工程は、ある位置から正位相の音波を発震するとともに異なる位置から逆位相の音波を発震する工程であってもよい。
前記発震工程は、前記反射波を受振する受振器に対して等距離を有する位置から音波を発震する工程であってもよいし、前記反射波を受振する受振器を挟んで対峙する位置から音波を発震する工程であってもよい。
上述した水域地中探査システム及び水域地中探査方法によれば、水中に投入される震源は少なくとも一つあればよく、水域地中探査のコストダウンを図ることができる。また、正位相の受振データ及び逆位相の受振データを取得して合成することにより、疎密波(P波)の受振データを相殺し、せん断波(S波)の受振データを強調することができ、せん断波の反射波の受振データを容易かつ高精度に取得することができる。
本実施形態に係る水域地中探査方法の概要を示すフロー図である。 本実施形態に係る水域地中探査システムの概要を示す構成図であり、(a)はある位置で音波を発震した状態、(b)は異なる位置で音波を発震した状態、を示している。 第一実施例に係る水域地中探査方法を示すフロー図である。 第一実施例における発震工程及び受振工程を示す説明図であり、(a)はある位置で音波を発震した場合、(b)は異なる位置で音波を発震した場合、を示している。 第一実施例における第二データ取得工程及びデータ合成工程を示す説明図であり、(a)は第二データ取得工程、(b)はデータ合成工程、を示している。 第一実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例、を示している。 第一実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第四例、(b)は第五例、を示している。 第一実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第六例、(b)は第七例、を示している。 第二実施例に係る水域地中探査方法を示すフロー図である。 第二実施例における発震工程及び受振工程を示す説明図であり、(a)はある位置で音波を発震した場合、(b)は異なる位置で音波を発震した場合、を示している。 第二実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例、を示している。 第二実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第四例、(b)は第五例、を示している。 第二実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第六例、(b)は第七例、を示している。 水域地中探査システムの変形例を示す構成図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、を示している。
以下、本発明の実施形態及び実施例について図1〜図14(b)を用いて説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る水域地中探査方法の概要を示すフロー図である。図2は、本実施形態に係る水域地中探査システムの概要を示す構成図であり、(a)はある位置で音波を発震した状態、(b)は異なる位置で音波を発震した状態、を示している。
本発明の実施形態に係る水域地中探査方法は、図1に示したように、反射法地震探査法を用いた水域地中探査方法であって、複数の異なる位置P(nは2以上の整数)から水中に音波Wを発震する発震工程Step1と、音波Wの反射波Rを受振する受振工程Step2と、反射波Rの受振データから正位相の受振データを取得する第一データ取得工程Step3と、反射波Rの受振データから逆位相の受振データを取得する第二データ取得工程Step4と、正位相の受振データと逆位相の受振データとを合成するデータ合成工程Step5と、を含んでいる。
かかる水域地中探査方法は、例えば、図2(a)及び図2(b)に示した水域地中探査システムによって実施される。図示した水域地中探査システムは、水中に音波Wを発震する震源1と、音波Wの発震を制御する制御装置2と、音波Wの反射波Rを受振する受振器3と、震源1を備えた探査設備4と、反射波Rの受振データを処理するデータ処理装置5と、を有し、制御装置2は、複数の異なる位置Pから水中に音波Wを発震するように震源1を制御し、データ処理装置5は、反射波Rの受振データから正位相の受振データ及び逆位相の受振データを取得して正位相の受振データと逆位相の受振データとを合成する処理を行うように構成されている。
本実施形態に係る水域地中探査方法及びシステムは、一般的には海域の資源探査を対象としているが、これに限定されるものではなく、河川域、湖沼域等、水分を有する帯域全般において使用することができる。すなわち、本実施形態において、「水域」とは、海域、河川域、湖沼域等、水分を有する帯域全般を含む趣旨である。
震源1は、例えば、油圧サーボを用いた低周波発生装置11である。低周波発生装置11としては、例えば、特開平8−280089号公報に記載されたような水中音源装置が使用可能である。低周波発生装置11は、少なくとも一つの震源1を有しており、震源1は振動板の振動を油圧で制御することにより、所望の周波数の音波を発生させるように構成されている。低周波発生装置11は、例えば、水底面Gから100〜500m程度の位置に浸水させるようにしてもよいし、水底面Gに着底させるようにしてもよい。なお、震源1は、油圧サーボ式の低周波発生装置11に限定されるものではなく、圧電素子駆動式のように発生する音波の波形や位相を制御可能なものであれば他の方式のものであってもよい。
ここで、震源1により水中に発震される音波Wは、いわゆる疎密波(P波又は縦波ともいう。)である。この音波Wが水底面Gに衝突すると、水底面Gに平行な方向の弾性波、すなわち、せん断波(S波又は横波ともいう。)と、水底面Gに垂直な方向の弾性波、すなわち、疎密波を生じることとなる。したがって、水底面Gの地下にはせん断波及び疎密波が進行し、海底資源や地層境界面等に衝突して反射波Rを生じる。
制御装置2は、発震する音波Wの周波数、波形、発震タイミング等を制御することができるように構成されている。制御装置2は、探査設備4に搭載されていてもよいし、低周波発生装置11に搭載されていてもよい。震源1から発震される音波は、例えば、数Hz〜100Hz程度の低周波であることが好ましいが、上述した油圧サーボ式の低周波発生装置11であれば、200Hz〜300Hz程度の周波数の音波まで発生させることができる。
受振器3は、例えば、水底面Gに配置した複数の水底設置型受振器により構成される。底設置型の受振器3では、地中に伝播したせん断波の反射波Rを水底面Gでせん断波のまま受振することが可能である。かかる水底設置型受振器としては、例えば、OBC(Ocean Bottom Cable)やOBS(Ocean Bottom Seismometer)等を使用することができる。受振器3は、例えば、図2(a)に示したように、水底面Gに所定の間隔で配置される。これらの受振器3は、例えば、通信ケーブル31を介してデータ処理装置5に接続される。なお、ここでは受振器3とデータ処理装置5とを有線(通信ケーブル31)で接続しているが、無線で接続するようにしてもよい。
探査設備4は、例えば、図2(a)に示したように、震源1を水中で曳航する観測船により構成される。探査設備4は、例えば、水面を移動可能に構成された船体41と、低周波発生装置11に接続された曳航索42と、船体41上に配置され曳航索42を巻き取り・巻き戻しする揚収装置43と、を有している。なお、探査設備4は、観測船のような船舶に限定されるものではなく、ブイやリグ等の浮体構造物、潜水艦、水中航走体等、所定の水域において移動可能な設備であればよい。かかる探査設備4により低周波発生装置11を曳航することにより、震源1(低周波発生装置11)の水深や位置を調整することができる。
データ処理装置5は、受振器3により収録した反射波Rの受振データを用いて、位相反転、合成、解析・分析等の処理を行うコンピュータである。データ処理装置5は、例えば、地上に配置されていてもよいし、探査設備4に配置されていてもよい。データ処理装置5は、受振器3と有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよいし、受振器3から独立して配置されていてもよい。
例えば、通信ケーブル31を通信ブイに接続しておき、通信ブイのアンテナから探査設備4上に配置されたHDD(hard disk drive)等の記憶装置に受振データを送信して蓄積しておき、この記憶装置をデータ処理装置5に別途接続するようにしてもよい。また、受振器3の各々に記憶装置を埋め込んでおき、受振器3を船上又は地上に回収した後、受振データをデータ処理装置5に転送するようにしてもよい。
上述した水域地中探査システムでは、図2(a)に示したように、探査設備4から低周波発生装置11(震源1)を水中に投入し、複数の受振器3が配置された水底面G上の水面で探査設備4を移動させ、受振器3の上方で低周波発生装置11(震源1)を曳航させる。そして、制御装置2の指示に基づいて、低周波発生装置11(震源1)が所定の位置を通過する際に水中に音波Wを発震させる。このとき、制御装置2は、一つの受振器3に対して等距離を有する複数の位置から音波Wを発震させるようにしてもよいし、一つの受振器3を挟んで対峙する複数の位置から音波Wを発震させるようにしてもよい。
以下、上述した本実施形態に係る水域地中探査方法の実施例について詳述する。各実施例において、上述した水域地中探査システムを使用しているものとする。まず、図3〜図8(b)を参照しつつ第一実施例について説明する。ここで、図3は、第一実施例に係る水域地中探査方法を示すフロー図である。
第一実施例に係る水域地中探査方法は、図3に示したように、複数の異なる位置Pから水中に同位相の音波Wを発震する発震工程Step11と、音波Wの反射波R,Rを受振する受振工程Step12と、所定の反射波R,Rの受振データから正位相の受振データを取得する第一データ取得工程Step13と、所定の反射波R,Rの受振データの位相を反転させて逆位相の受振データを生成する第二データ取得工程Step14と、正位相の受振データと逆位相の受振データとを合成するデータ合成工程Step15と、を有している。
図4は、第一実施例における発震工程及び受振工程を示す説明図であり、(a)はある位置で音波を発震した場合、(b)は異なる位置で音波を発震した場合、を示している。いま、図4(a)の左図に示したように、受振器3の中心線Lから水平距離dだけ離れ、水底面Gから高さhを有する位置Pで震源1から音波Wを発震したとする。受振器3が配置された水底面Gに到達した音波Wは、水底面Gに垂直な方向に振動する疎密波Wと水底面Gに平行な方向に振動するせん断波Wとを生じる。
この疎密波W及びせん断波Wは、図示したように、それぞれ受振器3を中心にして地中に進行する。一般に、地中を伝播する速度は、疎密波Wの方がせん断波Wよりも速い。地中に伝播した疎密波W及びせん断波Wは、海底資源や地層境界面等に衝突してそれぞれ反射波R,Rを生じる。疎密波Wの反射波R及びせん断波Wの反射波Rは、図4(a)の右図に示したように、地中側から水底面Gに向かって進行し、水底面Gに配置された受振器3によって収録される。
次に、図4(b)の左図に示したように、受振器3の中心線Lから水平距離dだけ離れ、水底面Gから高さhを有するとともに、受振器3を挟んで位置Pと対峙する位置Pn+1で震源1から音波Wを発震する。音波Wは、水底面Gに垂直な方向に振動する疎密波Wと水底面Gに平行な方向に振動するせん断波Wとを生じ、それぞれ地中に進行する。
このとき、受振器3に対して位置Pと等距離を有する位置Pn+1から音波Wを発震するとともに、受振器3を挟んで位置Pと対峙する位置Pn+1から音波Wを発震していることから、位置Pからの音波Wに基づくせん断波Wに対して、位置Pn+1からの音波Wに基づくせん断波Wは位相が反転した状態で地中に進行することとなる。すなわち、位置Pからの音波Wに基づくせん断波Wを正位相のせん断波Wとすれば、位置Pn+1からの音波Wに基づくせん断波Wは逆位相のせん断波Wとなる。
一方、位置Pからの音波Wに基づく疎密波Wと位置Pn+1からの音波Wに基づく疎密波Wとは、同じ方向に進行することから同位相の疎密波Wとなる。したがって、位置Pからの音波Wに基づく疎密波Wを正位相の疎密波Wとすれば、位置Pn+1からの音波Wに基づく疎密波Wも正位相の疎密波Wとなる。なお、図4(a)及び図4(b)において、説明の便宜上、正位相の場合を細実線で図示し、逆位相の場合を細点線で図示している。
図4(a)に示したように、位置Pからの音波Wに基づく疎密波W及びせん断波Wを正位相とすれば、その反射波R,Rも正位相となる。それに対して、図4(b)に示したように、位置Pn+1からの音波Wに基づく疎密波Wの反射波Rは正位相となるが、位置Pn+1からの音波Wに基づくせん断波Wの反射波Rは逆位相となる。
図5は、第一実施例における第二データ取得工程及びデータ合成工程を示す説明図であり、(a)は第二データ取得工程、(b)はデータ合成工程、を示している。図5(a)に示したように、第二データ取得工程Step14は、例えば、位置Pn+1からの音波Wに基づく反射波R,Rの受振データの位相を反転させて逆位相の受振データを生成する工程である。反射波R,Rの位相を反転すると、図5(a)の右図に示したように、位相反転された反射波はR′,R′として図示することができる。すなわち、正位相の疎密波Wの反射波Rは、逆位相の反射波R′に変換され、逆位相のせん断波Wの反射波Rは、正位相の反射波R′に変換される。
次に、図5(b)に示したように、データ合成工程Step15では、位置Pからの音波Wに基づく反射波R,Rの受振データと、位置Pn+1からの音波Wに基づく位相反転された反射波R′,R′の受振データとを合成する工程である。図示したように、位置Pからの音波Wに基づく反射波Rは正位相であり、反射波Rも正位相である。一方、位置Pn+1からの音波Wに基づく位相反転した反射波R′は逆位相であり、反射波R′は正位相である。
したがって、これらの受振データを合成すれば、図5(b)の下図に示したように、疎密波Wの反射波Rは反射波R′によって相殺され、せん断波Wの反射波Rは反射波R′によって強調されることとなる。特に、音波Wを発震させる位置Pと位置Pn+1とを受振器3に対して等距離となるように水平距離d及び高さhを制御することにより、疎密波Wの反射波Rを精度よく相殺することができるとともに、せん断波Wの反射波Rを効率よく強調することができる。
また、音波Wを発震させる位置Pと位置Pn+1とを受振器3を挟んで対峙する位置に制御することにより、疎密波Wの反射波Rを精度よく相殺することができるとともに、せん断波Wの反射波Rを効率よく強調することができる。上述した受振データの位相反転及び合成は、水域地中探査システムのデータ処理装置5によって処理される。
なお、音波Wを発震させる位置Pと位置Pn+1とは、受振器3に対して正確に等距離である必要はなく、例えば、数m〜10m程度の範囲内で誤差を有していてもよい。また、音波Wを発震させる位置Pと位置Pn+1とは、受振器3に対して正確に対峙している必要はなく、例えば、数度〜数十度程度の範囲内で誤差を有していてもよい。
次に、本実施例における発震工程Step11について、図6(a)〜図8(b)を参照しつつ説明する。ここで、図6は、第一実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例、を示している。図7は、第一実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第四例、(b)は第五例、を示している。図8は、第一実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第六例、(b)は第七例、を示している。各図において、水底面Gを上から見た状態を図示しており、正位相の音波Wを発震させる位置Pを二重丸印で図示し、震源1を曳航する方向を点線矢印で図示している。
図6(a)に示した第一例は、複数の受振器3を一列に配置した場合であって、震源1を受振器3上で曳航する場合を示している。本第一例では、複数の受振器3に対してX軸方向に交互かつ等間隔となる位置(例えば、位置P〜P)から同位相の音波Wを発震させる。なお、かかる第一例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちX軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図6(b)に示した第二例は、複数の受振器3を一列に配置した場合であって、震源1を受振器3間で蛇行するように曳航する場合を示している。本第二例の場合も第一例の場合と同様に、複数の受振器3に対してX軸方向に交互かつ等間隔となる位置(例えば、位置P〜P)から同位相の音波Wを発震させるようにすればよい。なお、かかる第二例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちX軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図6(c)に示した第三例は、複数の受振器3を一列に配置した場合であって、震源1を受振器3の両側で曳航する場合を示している。この場合、震源1を受振器3の一方の側を曳航した後、同じ震源1を他方の側を曳航させるようにしてもよいし、二台の震源1を用いて同時に受振器3の両側を曳航するようにしてもよい。本第三例の場合は、受振器3とY軸方向の位置が一致する位置(例えば、位置P11〜P13,P21〜P23)で音波Wを発震させる。なお、かかる第三例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちY軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図7(a)に示した第四例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3上で曳航する場合を示している。本第四例では、例えば、一行目の受振器3上で震源1を曳航した後、二行目の受振器3上で震源1を曳航させるように行ごとに震源1を蛇行させる。各行に着目すれば、第一例と同じ状態であることから、第一例と同様の位置(例えば、位置P1〜P12)で音波Wを発震させるようにすればよい。なお、かかる第四例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちX軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図7(b)に示した第五例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3の各行間で蛇行するように曳航する場合を示している。本第五例では、受振器3とY軸方向の位置が一致する位置(例えば、位置P1〜P12)で音波Wを発震させる。なお、かかる第五例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちY軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図8(a)に示した第六例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3の各行間で蛇行するように曳航するとともに第五例よりも発震する音波Wの数を増やした場合を示している。本第六例では、受振器3とY軸方向の位置が一致する位置(例えば、位置P,P,P,P,P11,P13,P16,P18,P20,P23,P25,P27)で音波Wを発震させるとともに、各位置の中間点(例えば、位置P,P,P10,P12,P17,P19,P24,P26)及び受振器3を挟んで中間点と対峙する位置(例えば、P,P,P,P14,P15,P21,P22,P28)で音波Wを発震させるようにしている。
かかる第六例によれば、一つの受振器3に対して、受振した反射波R,Rのうち三方向(例えば、Y軸方向、Y=Xの方向、Y=−Xの方向)の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。換言すれば、本第六例では、X軸を0°,Y軸を90°とすれば、一つの受振器3に対して、45°,90°,135°,225°,270°,315°の位置で音波Wを発震させるようにしたものである。
図8(b)に示した第七例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3の各行間で蛇行するように曳航するとともに第六例よりも発震する音波Wの数を減らした場合を示している。本第七例では、X軸を0°,Y軸を90°とすれば、各受振器3に対して、45°,135°,270°の位置(例えば、位置P1〜P14)で音波Wを発震させるようにしている。
本第七例では、例えば、一つの受振器3により収録された反射波R,Rの受振データについて、三方向の受振データを合成することにより、疎密波Wの反射波Rの一部を相殺し、せん断波Wの反射波Rの一部を強調することができる。かかる第七例に示したように、音波Wを発震させる位置は、必ずしも受振器3を挟んで対峙していなくてもよい。
上述した第一実施例に係る水域地中探査方法によれば、水中に投入される震源1は少なくとも一つあればよく、水域地中探査のコストダウンを図ることができる。また、正位相の受振データの一部を位相反転し、他の正位相の受振データと合成することにより、疎密波Wの受振データを相殺し、せん断波Wの受振データを強調することができ、せん断波Wの反射波Rの受振データを容易かつ高精度に取得することができる。
続いて、図9〜図13(b)を参照しつつ第二実施例について説明する。ここで、図9は、第二実施例に係る水域地中探査方法を示すフロー図である。
第二実施例に係る水域地中探査方法は、図9に示したように、ある位置Pから水中に正位相の音波Wを発震するとともに異なる位置Pn+1から水中に逆位相の音波W′を発震する発震工程Step21と、正位相の音波Wの反射波R,Rを受振するとともに逆位相の音波W′の反射波R′,R′を受振する受振工程Step22と、正位相の音波Wに基づく反射波R,Rの受振データを取得する第一データ取得工程Step23と、逆位相の音波W′に基づく反射波R′,R′の受振データを取得する第二データ取得工程Step24と、正位相の受振データと逆位相の受振データとを合成するデータ合成工程Step25と、を有している。
ここで、図10は、第二実施例における発震工程及び受振工程を示す説明図であり、(a)はある位置で音波を発震した場合、(b)は異なる位置で音波を発震した場合、を示している。なお、各図において、正位相の音波Wを発震する場合を二重丸印、逆位相の音波Wを発震する場合を丸にバツ印で表示している。
いま、図10(a)の左図に示したように、受振器3の中心線Lから水平距離dだけ離れ、水底面Gから高さhを有する位置Pで震源1から正位相の音波Wを発震したとする。受振器3が配置された水底面Gに到達した音波Wは、水底面Gに垂直な方向に振動する疎密波Wと水底面Gに平行な方向に振動するせん断波Wとを生じる。ここで、正位相の音波Wを発震した場合に生じる疎密波W及びせん断波Wは正位相であると定義する。
この疎密波W及びせん断波Wは、図示したように、それぞれ受振器3を中心にして地中に進行する。一般に、地中を伝播する速度は、疎密波Wの方がせん断波Wよりも速い。地中に伝播した疎密波W及びせん断波Wは、海底資源や地層境界面等に衝突してそれぞれ反射波R,Rを生じる。疎密波Wの反射波R及びせん断波Wの反射波Rは、図10(a)の右図に示したように、地中側から水底面Gに向かって進行し、水底面Gに配置された受振器3によって収録される。これらの反射波R,Rの位相は、疎密波W及びせん断波Wと同様に正位相である。
次に、図10(b)の左図に示したように、受振器3の中心線Lから水平距離dだけ離れ、水底面Gから高さhを有するとともに、受振器3を挟んで位置Pと対峙する位置Pn+1で震源1から逆位相の音波W′を発震する。音波W′は、水底面Gに垂直な方向に振動する逆位相の疎密波W′と水底面Gに平行な方向に振動する逆位相のせん断波W′とを生じ、それぞれ地中に進行する。
このとき、受振器3を挟んで位置Pと対峙する位置Pn+1から逆位相の音波W′を発震していることから、受振器3を中心にして地中に進行するせん断波W′は正位相となる。一方、受振器3を中心にして地中に進行する疎密波W′は逆位相のままである。したがって、位置Pn+1から発震した逆位相の音波W′に基づく疎密波W′の反射波R′は逆位相となり、せん断波W′の反射波R′は正位相となる。なお、図10(a)及び図10(b)において、説明の便宜上、正位相の場合を細実線で図示し、逆位相の場合を細点線で図示している。
その結果、本第二実施例において、第一データ取得工程Step23では、位置Pから発震した正位相の音波Wに基づく反射波R,Rの受振データを取得するだけでよく、第二データ取得工程Step24では、位置Pn+1から発震した逆位相の音波W′に基づく反射波R′,R′の受振データを取得するだけでよい。
その後、データ合成工程Step25において、反射波R,Rの受振データと反射波R′,R′の受振データとを合成することにより、疎密波Wの反射波Rは反射波R′によって相殺され、せん断波Wの反射波Rは反射波R′によって強調されることとなる。特に、音波Wを発震させる位置Pと位置Pn+1とを受振器3に対して等距離となるように水平距離d及び高さhを制御することにより、疎密波Wの反射波Rを精度よく相殺することができるとともに、せん断波Wの反射波Rを効率よく強調することができる。
また、音波Wを発震させる位置Pと位置Pn+1とを受振器3を挟んで対峙する位置に制御することにより、疎密波Wの反射波Rを精度よく相殺することができるとともに、せん断波Wの反射波Rを効率よく強調することができる。上述した受振データの合成は、水域地中探査システムのデータ処理装置5によって処理される。
なお、正位相の音波Wを発震させる位置Pと逆位相の音波W′を発震させる位置Pn+1とは、受振器3に対して正確に等距離である必要はなく、例えば、数m〜10m程度の範囲内で誤差を有していてもよい。また、位置Pと位置Pn+1とは、受振器3に対して正確に対峙している必要はなく、例えば、数度〜数十度程度の範囲内で誤差を有していてもよい。
次に、本実施例における発震工程Step21について、図11(a)〜図13(b)を参照しつつ説明する。ここで、図11は、第二実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例、を示している。図12は、第二実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第四例、(b)は第五例、を示している。図13は、第二実施例における発震工程を示す説明図であり、(a)は第六例、(b)は第七例、を示している。なお、各図において、正位相の音波Wを発震する場合を二重丸印、逆位相の音波W′を発震する場合を丸にバツ印で表示している。
図11(a)に示した第一例は、複数の受振器3を一列に配置した場合であって、震源1を受振器3上で曳航する場合を示している。本第一例では、複数の受振器3に対してX軸方向に交互かつ等間隔となる位置(例えば、位置P〜P)から正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させる。例えば、奇数番号の位置(位置P,P)から正位相の音波Wを発震させ、偶数番号の位置(位置P,P)から逆位相の音波W′を発震させる。かかる第一例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちX軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図11(b)に示した第二例は、複数の受振器3を一列に配置した場合であって、震源1を受振器3間で蛇行するように曳航する場合を示している。本第二例の場合も第一例の場合と同様に、複数の受振器3に対してX軸方向に交互かつ等間隔となる位置(例えば、位置P〜P)から正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させるようにすればよい。かかる第二例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちX軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図11(c)に示した第三例は、複数の受振器3を一列に配置した場合であって、震源1を受振器3の両側で曳航する場合を示している。この場合、震源1を受振器3の一方の側を曳航した後、同じ震源1を他方の側を曳航させるようにしてもよいし、二台の震源1を用いて同時に受振器3の両側を曳航するようにしてもよい。本第三例の場合は、受振器3とY軸方向の位置が一致する位置(例えば、位置P11〜P13,P21〜P23)で正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させる。
例えば、図示したように、一方の側の位置P11〜P13から正位相の音波Wを発震させ、他方の側の位置P21〜P23から逆位相の音波W′を発震させるようにしてもよい。また、一方の側の奇数番号の位置P11,P13及び他方の側の偶数番号の位置P22から正位相の音波Wを発震させ、一方の側の偶数番号の位置P12及び他方の側の奇数番号の位置P21,P23から逆位相の音波W′を発震させるようにしてもよい。かかる第三例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちY軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図12(a)に示した第四例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3上で曳航する場合を示している。本第四例では、例えば、一行目の受振器3上で震源1を曳航した後、二行目の受振器3上で震源1を曳航させるように行ごとに震源1を蛇行させる。各行に着目すれば、第一例と同じ状態であることから、第一例と同様の位置(例えば、位置P1〜P12)で正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させるようにすればよい。
このとき、各受振器3において、正位相の音波Wを発生させる位置と逆位相の音波W′を発生させる位置とがカップリングされるように、例えば、位置P1,P,P,P,P,P11で正位相の音波Wを発震させ、位置P,P,P,P,P10,P12で逆位相の音波W′を発震させる。かかる第四例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちX軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図12(b)に示した第五例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3の各行間で蛇行するように曳航する場合を示している。本第五例では、受振器3とY軸方向の位置が一致する位置(例えば、位置P1〜P12)で正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させる。このとき、各受振器3において、正位相の音波Wを発生させる位置と逆位相の音波W′を発生させる位置とがカップリングされるように、例えば、位置P1,P,P,P,P,P11で正位相の音波Wを発震させ、位置P,P,P,P,P10,P12で逆位相の音波W′を発震させる。かかる第五例では、受振器3で受振した反射波R,RのうちY軸方向の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。
図13(a)に示した第六例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3の各行間で蛇行するように曳航するとともに第五例よりも発震する音波Wの数を増やした場合を示している。本第六例では、受振器3とY軸方向の位置が一致する位置(例えば、位置P,P,P,P,P11,P13,P16,P18,P20,P23,P25,P27)で正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させるとともに、各位置の中間点(例えば、位置P,P,P10,P12,P17,P19,P24,P26)及び受振器3を挟んで中間点と対峙する位置(例えば、P,P,P,P14,P15,P21,P22,P28)で正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させるようにしている。
このとき、各受振器3において、正位相の音波Wを発生させる位置と逆位相の音波W′を発生させる位置とがカップリングされるように、例えば、奇数番号の位置P1,P,P,P,P,P11,P13,P15,P17,P19,P21,P23,P25,P27で正位相の音波Wを発震させ、偶数番号の位置P,P,P,P,P10,P12,P14,P16,P18,P20,P22,P24,P26,P28で逆位相の音波W′を発震させる。かかる第六例によれば、一つの受振器3に対して、受振した反射波R,Rのうち三方向(例えば、Y軸方向、Y=Xの方向、Y=−Xの方向)の成分について、疎密波Wの反射波Rを相殺し、せん断波Wの反射波Rを強調することができる。換言すれば、本第六例では、X軸を0°,Y軸を90°とすれば、一つの受振器3に対して、45°,90°,135°,225°,270°,315°の位置で音波Wを発震させるようにしたものである。
図13(b)に示した第七例は、複数の受振器3を平面的(例えば、三行三列)に配置した場合であって、震源1を受振器3の各行間で蛇行するように曳航するとともに第六例よりも発震する音波Wの数を減らした場合を示している。本第七例では、X軸を0°,Y軸を90°とすれば、各受振器3に対して、45°,135°,270°の位置(例えば、位置P1〜P14)で正位相の音波W又は逆位相の音波W′を発震させるようにしている。
本第七例では、例えば、一つの受振器3により収録された反射波R,Rの受振データについて、三方向の受振データを合成することにより、疎密波Wの反射波Rの一部を相殺し、せん断波Wの反射波Rの一部を強調することができる。かかる第七例に示したように、音波Wを発震させる位置は、必ずしも受振器3を挟んで対峙していなくてもよい。また、本第七例では、合成される受振データのうち少なくとも一組の正位相の受振データ及び逆位相の受振データが含まれていればよく、例えば、位置P1,P,P,P,P,P,P,P10,P12,P14で正位相の音波Wを発震させ、位置P,P,P11,P13で逆位相の音波W′を発震させる。
上述した第二実施例に係る水域地中探査方法によれば、水中に投入される震源1は少なくとも一つあればよく、水域地中探査のコストダウンを図ることができる。また、所定の位置で正位相の音波Wを発震させ、所定の位置で逆位相の音波W′を発震させるだけで、それらの受振データを合成することにより、疎密波Wの受振データを相殺し、せん断波Wの受振データを強調することができ、せん断波Wの反射波Rの受振データを容易かつ高精度に取得することができる。
次に、水域地中探査システムの変形例について、図14(a)及び図14(b)を参照しつつ説明する。ここで、図14は、水域地中探査システムの変形例を示す構成図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、を示している。なお、図2に示した実施形態と同一の構成部品については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、各図において、説明の便宜上、データ処理装置5の図を省略してある。
図14(a)に示した第一変形例は、複数のハイドロフォンをケーブルに連結したストリーマケーブル(曳航型受振器)により受振器3を構成したものである。受振器3は、図示したように、低周波発生装置11に接続するようにしてもよいし、低周波発生装置11とは別の揚収装置により探査設備4から水中に浸水させるようにしてもよいし、震源1を曳航する探査設備4とは異なる曳航船によって曳航するようにしてもよい。
図14(b)に示した第二変形例は、探査設備4を自走式の水中航走体により構成し、水中航走体の下面に低周波発生装置11を配置したものである。本第二変形例では、探査設備4(水中航走体)が所定の水深を潜行可能であることから、例えば、水底面Gに近い位置で音波Wを発震することができ、水底面Gの地形をセンシングしながら水中を航行させることもできる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、各実施形態及び各実施例において受振器3の個数及び配置は任意である等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 震源
2 制御装置
3 受振器
4 探査設備
5 データ処理装置
11 低周波発生装置
31 通信ケーブル
41 船体
42 曳航索
43 揚収装置
Step1,Step11,Step21 発震工程
Step2,Step12,Step22 受振工程
Step3,Step13,Step23 第一データ取得工程
Step4,Step14,Step24 第二データ取得工程
Step5,Step15,Step25 データ合成工程

Claims (10)

  1. 反射法地震探査法を用いた水域地中探査システムにおいて、
    水中に音波を発震する震源と、
    前記音波の発震を制御する制御装置と、
    前記音波の反射波を受振する受振器と、
    前記震源を備えた探査設備と、
    前記反射波の受振データを処理するデータ処理装置と、を有し、
    前記制御装置は、複数の異なる位置から水中に音波を発震するように前記震源を制御し、前記データ処理装置は、前記反射波の受振データから正位相の受振データ及び逆位相の受振データを取得して前記正位相の受振データと前記逆位相の受振データとを合成する処理を行う、
    ことを特徴とする水域地中探査システム。
  2. 前記制御装置は、前記複数の異なる位置から同位相の音波を発震し、前記データ処理装置は、所定の反射波の受振データの位相を反転させて前記逆位相の受振データを生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の水域地中探査システム。
  3. 前記制御装置は、ある位置から正位相の音波を発震するとともに異なる位置から逆位相の音波を発震する、ことを特徴とする請求項1に記載の水域地中探査システム。
  4. 前記制御装置は、前記受振器に対して等距離を有する位置から音波を発震する、ことを特徴とする請求項1に記載の水域地中探査システム。
  5. 前記制御装置は、前記受振器を挟んで対峙する位置から音波を発震する、ことを特徴とする請求項1に記載の水域地中探査システム。
  6. 反射法地震探査法を用いた水域地中探査方法において、
    複数の異なる位置から水中に音波を発震する発震工程と、
    前記音波の反射波を受振する受振工程と、
    前記反射波の受振データから正位相の受振データを取得する第一データ取得工程と、
    前記反射波の受振データから逆位相の受振データを取得する第二データ取得工程と、
    前記正位相の受振データと前記逆位相の受振データとを合成するデータ合成工程と、
    を含むことを特徴とする水域地中探査方法。
  7. 前記発震工程は、前記複数の異なる位置から同位相の音波を発震し、前記第二取得工程は、所定の反射波の受振データの位相を反転させて前記逆位相の受振データを生成する工程である、ことを特徴とする請求項6に記載の水域地中探査方法。
  8. 前記発震工程は、ある位置から正位相の音波を発震するとともに異なる位置から逆位相の音波を発震する工程である、ことを特徴とする請求項6に記載の水域地中探査方法。
  9. 前記発震工程は、前記反射波を受振する受振器に対して等距離を有する位置から音波を発震する工程である、ことを特徴とする請求項6に記載の水域地中探査方法。
  10. 前記発震工程は、前記反射波を受振する受振器を挟んで対峙する位置から音波を発震する工程である、ことを特徴とする請求項6に記載の水域地中探査方法。
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