JP6515595B2 - 人工指紋液、及び耐指紋性の評価方法 - Google Patents

人工指紋液、及び耐指紋性の評価方法 Download PDF

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Description

本件は、指紋付着性、又は指紋除去性の評価に用いる人工指紋液、及び前記人工指紋液を用いた耐指紋性の評価方法に関する。
携帯端末、ノートパソコン等の機器には、各種汚染物質による汚染、及び指紋の付着が起こる。これらは、好ましいことではない。そのため、通常、防汚性の改善、指紋付着性の減少、及び指紋除去性の向上のために、前記機器の塗装面、及びガラス表面には、表面処理が施される。
表面処理によって指紋汚れが改善されたかどうかを評価する方法には、塗装面、又はガラス表面に本物の指紋を押し当て、指紋跡の付着性及び拭き取り性を目視で評価する方法が用いられることが多い。
しかし、本物の指紋を用いるこのような評価方法は、その指紋を有する個人の性別、年齢、生活環境などに強く依存するため、定量性及び再現性に欠ける。
このような実情から、塗装面、及びガラス表面の良否を定量的に再現性良く評価するための人工指紋液の開発が望まれている。
人工指紋液に関しては、光学記録媒体に対する防汚性の評価用の人工指紋液が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−35824号公報
しかし、特許文献1に記載の人工指紋液では、形成される指紋跡が人間の指紋跡とは明らかに異なる。また、定量的に人工指紋跡を作製することが難しい。そのため、指紋付着性、指紋除去性等の耐指紋性の評価において、前記人工指紋液を用いた指紋跡の評価結果と、人間の指紋跡の評価結果とが必ずしも一致しないという問題がある。
本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、人間の指紋跡と同等の指紋跡を定量的に作製でき、耐指紋性の評価試薬として好適な人工指紋液、並びに、定量性、及び再現性に優れる耐指紋性の評価方法を提供することを目的とする。
開示の人工指紋液は、粘度が、60mPa・s〜100mPa・sである。
開示の耐指紋性の評価方法は、
評価基材上に、スクリーン印刷により開示の前記人工指紋液を塗布し、前記評価基材に人工指紋跡を形成する工程と、
前記人工指紋跡を拭き取る工程と、
を含む。
開示の人工指紋液によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、人間の指紋跡と同等の指紋跡を定量的に作製でき、耐指紋性の評価試薬として好適な人工指紋液できる。
開示の耐指紋性の評価方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、定量性、及び再現性に優れる耐指紋性の評価方法を提供できる。
図1は、スクリーン印刷パターンの一例である。 図2は、耐指紋性の評価方法の一例のフローチャートである。 図3は、実施例で用いたスクリーン印刷版により形成される理想的なスクリーン印刷パターンである。 図4は、実施例における人工指紋跡の写真である。
(人工指紋液)
開示の人工指紋液は、粘度が、60mPa・s〜100mPa・sである。
前記粘度が、60mPa・s未満であっても、100mPa・sを超えても、人間の指紋跡と同等の指紋跡を定量的に作製することができない。
<人工指紋液の粘度測定方法>
前記粘度は、動的粘弾性測定装置(例えば、HAKKE−MARS2)を用いて、直径60mmのコーンプレート、測定温度25℃、及びせん断速度範囲50[1/s]〜300[1/s](Logスケール)で測定を行い、ニュートン流体式により算出される粘度である。
前記人工指紋液は、例えば、油分を少なくとも含有し、更に必要に応じて、粉体などのその他の成分を含有する。
<油分>
前記油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、オレイン酸を含有することが、人間の指紋により形成される指紋跡の成分に近い点で好ましい。
前記人工指紋液における前記オレイン酸の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15質量%以上が好ましい。
前記人工指紋液における前記オレイン酸の含有量の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記人工指紋液の粘度範囲を、前述の粘度範囲(60mPa・s〜100mPa・s)にしやすい点で、前記人工指紋液における前記オレイン酸の含有量は、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
また、前記人工指紋液は、粘度を、前述の範囲(60mPa・s〜100mPa・s)に調整しやすい点で、100mPa・s以上の粘度を有する前記油分(以下、「高粘度油分」と称することがある。)を含有することが好ましい。この粘度も、前記粘度測定方法により測定される粘度である。
前記高粘度油分おける粘度の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記高粘度油分としては、例えば、エステル系油、炭化水素系油、フッ素系油などが挙げられる。
前記エステル系油としては、例えば、トリイソステアリン、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2などが挙げられる。
前記炭化水素系油としては、例えば、水添ポリデセンなどが挙げられる。
前記フッ素系油としては、例えば、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチルPEGリン酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、特開2004−35824号公報においては、トリオレインが用いられているが、トリオレインは、不安定物質であるため、前記人工指紋液においては、含有しないことが好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉体が好ましい。もちろん、前記人工指紋液は、前記粉体を含有しなくてもよい。
<<粉体>>
人間の指紋により形成される指紋跡は、液体又は固体である油分に加えて、固体成分を含有する。そのため、人間の指紋により形成される指紋跡の成分に近い点で、前記人工指紋液は、粉体を含有することが好ましい。
また、前記人工指紋液が、前記粉体を含有することで、評価基材への付着性の調整が行いやすくなる。
なお、人間の指紋により形成される指紋跡における固体成分の大半はケラチンと呼ばれるタンパク質であるが、前記人工指紋液においては、ケラチン以外の粉体でも、ケラチンの代替となる。
前記粉体としては、例えば、関東ローム(JIS試験用粉体1)、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化鉄微粒子、ケラチン微粒子、キチン微粒子、キトサン微粒子、アクリル系微粒子、スチレン系微粒子、ジビニルベンゼン系微粒子、ポリアミド系微粒子、ポリイミド系微粒子、ポリウレタン系微粒子、メラミン系微粒子、ゼオライトなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粉体の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。また、前記粉体の平均粒径は、0.05μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。前記平均粒径は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定できる。
そのような前記粉体としては、例えば、JIS Z8901試験用粉体1及び2、ISO試験粉体12103−1、(社)日本粉体工業技術協会(APPIE)標準粉体などが挙げられる。このような試験用粉体は、粒径が揃っており、粒度分布が安定しており、かつ比較的安価に入手できることから、前記粉体として好ましい。JIS Z8901試験用粉体1の中でも好ましいものとして、関東ロームが挙げられる。
前記人工指紋液における前記粉体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記人工指紋液は、均一系の液であることが好ましい。前記均一系とは、不均一系ではないことを意味する。前記不均一系とは、エマルションのように液中に2相以上の相を有する系を意味する。人工指紋液が不均一系であると、前記粘度測定方法において、系内の状態(各相の混合状態など)変化により、粘度測定中に粘度が変化し、安定した粘度測定ができない。
前記人工指紋液は、実質的に揮発性有機溶剤を含有しないことが好ましい。前記人工指紋液が前記揮発性有機溶剤を含有すると、スクリーン印刷により人工指紋跡を作製する際に、定量的な人工指紋跡の作製が困難になることがある。
前記人工指紋液が実質的に揮発性有機溶剤を含有しないとは、前記人工指紋液を作製する際に、前記揮発性有機溶剤を配合しないこと、又は、前記人工指紋液において前記揮発性有機溶剤が分析(例えば、液体クロマトグラフィー)により検出されないことをいう。
前記人工指紋液は、粘度が適切な範囲であることで、人間の指紋跡と同等の指紋跡を定量的に作製できる。特に、スクリーン印刷を用いて、前記人工指紋液から人工指紋跡を作製する方法は、作製される人工指紋跡の定量性が更に高くなる。
(耐指紋性の評価方法)
開示の耐指紋性の評価方法は、人工指紋跡形成工程と、拭き取り工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<人工指紋跡形成工程>
前記人工指紋跡形成工程としては、評価基材上に、スクリーン印刷により開示の前記人工指紋液を塗布し、前記評価基材に人工指紋跡を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記評価基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチック基材、ガラス基材、金属基材などが挙げられる。前記人工指紋液は、ガラスへの定着性が特に良いが、他の基材でも評価基材とすることができる。
前記評価基材の表面は、表面処理がされていてもよい。前記表面処理としては、例えば、防汚処理、防曇処理などが挙げられる。
前記スクリーン印刷に用いる印刷版の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記スクリーン印刷は、前記人工指紋液を定量的に前記評価基材上へ塗布することに適している。
前記スクリーン印刷により形成される人工指紋跡の形状としては、例えば、図1に示すようなスクリーン印刷パターン1などが挙げられる。このスクリーン印刷パターン1は、直線のラインが所定間隔をおいて複数配列したパターンである。前記ラインの幅としては、例えば、0.1mm〜0.3mmが挙げられる。この程度の範囲であれば、人間の指紋に近い幅である。前記ラインの間隔としては、例えば、0.2mm〜0.6mmが挙げられる。前記ラインの間隔は、前記ラインの幅の1.0倍〜3.0倍が好ましい。このようなパターンであれば、人間の指紋に近いパターンとなるため、前記スクリーン印刷により形成される人工指紋跡も、人間の指紋跡に近いパターンとなる。
<拭き取り工程>
前記拭き取り工程としては、前記人工指紋跡を拭き取る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
拭き取りは、前記人工指紋跡を拭き取るための拭き取り材として、例えば、布、紙などを用いて行うことができる。前記布としては、例えば、織布、不織布などが挙げられる。前記紙としては、例えば、キムワイプ(日本製紙クレシア製)などが挙げられる。
前記拭き取り工程においては、予め決めた拭き取り方法に従って拭き取りを行うことが好ましい。予め決めた拭き取り方法としては、例えば、前記評価基材上の前記人工指紋跡に対して、前記拭き取り材を一定圧力で押し当てつつ一定方向に動かして拭き取る方法などが挙げられる。
前記拭き取り工程においては、例えば、前記人工指紋跡を拭き取る際の拭き回数を数えることで、その評価基材における耐指紋性を評価できる。
前記耐指紋性の評価方法を行う際は、予め、複数の人間の指紋跡の拭き取りを行い、統計的に有意な結果として得られる拭き回数を求めておき、前記拭き取り工程における拭き回数と対比してもよい。そうすることで、人間の指紋跡の拭き取り性との相関関係も確認することができる。
前記耐指紋性の評価方法を行うことで、評価基材の耐指紋性を評価することができる。
前記耐指紋性の評価方法は、ガラス等の基材の防汚表面処理の研究開発において、前記防汚表面処理の耐指紋性の評価に好適に用いることができる。
ここで、前記耐指紋性の評価方法の一例をフローチャートを用いて説明する。
図2は、耐指紋性の評価方法の一例のフローチャートである。
まず、人工指紋跡形成工程を行う。この工程では、評価基材上に、スクリーン印刷により開示の前記人工指紋液を塗布し、前記評価基材に人工指紋跡を形成する。前記スクリーン印刷における印刷版は、例えば、図1に示すようなスクリーン印刷パターンが得られる印刷版を用いる。
続いて、拭き取り工程を行う。この工程では、前記人工指紋跡を拭き取る。この際に、拭き回数を数えておく。そして、その拭き回数によって、前記評価基材の耐指紋性の評価結果を導き出す。
以下、開示の技術の実施例について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<粘度測定方法>
以下の実施例及び比較例において、粘度は、動的粘弾性測定装置(例えば、HAKKE−MARS2)を用いて、直径60mmのコーンプレート、測定温度25℃、及びせん断速度範囲50[1/s]〜300[1/s](Logスケール)で測定を行い、ニュートン流体式により算出した。
(実施例1)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びトリイソステアリン(粘度:6,000mPa・s)を、オレイン酸:トリイソステアリン=1.0:0.5(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(実施例2)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びトリイソステアリンを、オレイン酸:トリイソステアリン=1.0:0.7(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(実施例3)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びトリイソステアリンを、オレイン酸:トリイソステアリン=1.0:1.0(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(比較例1)
<人工指紋液の調製>
トリオレイン、及び1−メトキシ−2−プロパノールを、トリオレイン:1−メトキシ−2−プロパノール=1.0:10.0(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(比較例2)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びトリイソステアリンを、オレイン酸:トリイソステアリン=1.0:0.4(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(比較例3)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びトリイソステアリンを、オレイン酸:トリイソステアリン=1.0:1.2(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(実施例4)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びテトライソステアリン酸ジグリセリル(粘度:250mPa・s)を、オレイン酸:テトライソステアリン酸ジグリセリル=1.0:5.6(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
(実施例5)
<人工指紋液の調製>
オレイン酸、及びトリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル(粘度:10,000mPa・s)を、オレイン酸:トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル=1.0:0.2(質量比)の組成で混合し、人工指紋液を得た。
得られた人工指紋液の粘度を、表1に示した。
[人工指紋跡の作製]
上記で作製した各人工指紋液をガラス基板上にスクリーン印刷により塗布し、前記ガラス基板上に、スクリーン印刷パターンを作製した。
なお、前記スクリーン印刷においては、理想的には図3に示すようなスクリーン印刷パターンが形成されるスクリーン印刷版を用いた。図3に示すスクリーン印刷パターンは、長さLが15mm、幅Wが15mm、ラインの長さが15mm、ラインの幅が0.2mm、ライン間のスペースの幅が0.4mmである。
また、前記人工指紋跡が形成された前記ガラス基板には、防汚表面処理は行われていない。
<人工指紋跡の付着性>
前記ガラス基板上に作製された前記人工指紋跡について、(1)ガラスが人工指紋液を弾いていないか、及び(2)明瞭なスクリーン印刷パターンが得られているか、を目視で評価した。以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。また、図4に、写真を示した。
〔評価基準〕
○:ガラスが人工指紋液を弾いておらず、かつ、明瞭なスクリーン印刷パターンが得られる。
×:ガラスが人工指紋液を弾いている、及び、明瞭なスクリーン印刷パターンが得られない、の少なくともいずれかに該当する。
<人工指紋跡の除去性>
前記ガラス基板上に作製された前記人工指紋跡に対して5つ折りにしたキムワイプに荷重100g/cmを付加しながら手前から奥へ向け50mm拭く動作を1回の動作とし、その動作を前記人工指紋跡が拭き取られるまで繰り返した。この際に要した拭き回数を、人間の指紋跡の拭き回数である20回と比較し、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
〔評価基準〕
○ :拭き回数が17回〜22回
△ :拭き回数が11回〜16回
△×:拭き回数が23回以上
× :拭き回数が1回〜10回
評価結果は、○>△>△×>×の順序であり、○は合格レベル、×、△×、及び△は、不合格レベルである。
なお、本評価の基準となる、人間の指紋跡の拭き回数としての20回は、複数の人間の指紋跡の拭き取りを行い、統計的に有意な結果として得られた拭き回数から決定した。
表1中の配合量の単位は、特に記載のない場合は、質量部である。
実施例1〜5では、形成された人工指紋跡が、人間の指紋跡と同等であった。
一方、比較例1〜2では、形成された人工指紋跡が、部分的又は全面的に凝集し液滴を形成しており、明瞭なスクリーン印刷パターンが得られなかった。
実施例1〜5では、拭き回数が、基準となる拭き回数と同等であった。
一方、比較例1〜2では、拭き回数が、基準となる拭き回数よりも大幅に少なかった。
また、比較例3では、拭き回数が、基準となる拭き回数よりも大幅に多かった。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
粘度が、60mPa・s〜100mPa・sであることを特徴とする人工指紋液。
(付記2)
オレイン酸と、100mPa・s以上の粘度を有する油分とを含有する付記1に記載の人工指紋液。
(付記3)
前記オレイン酸の含有量が、15質量%以上である付記2に記載の人工指紋液。
(付記4)
前記オレイン酸の含有量が、15質量%以上85質量%以下である付記2に記載の人工指紋液。
(付記5)
前記油分が、トリイソステアリン、テトライソステアリン酸ジグリセリル、及びトリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルの少なくともいずれかである付記2〜4のいずれかに記載の人工指紋液。
(付記6)
評価基材上に、スクリーン印刷により付記1から5のいずれかに記載の人工指紋液を塗布し、前記評価基材に人工指紋跡を形成する工程と、
前記人工指紋跡を拭き取る工程と、
を含むことを特徴とする耐指紋性の評価方法。
1 スクリーン印刷パターン

Claims (3)

  1. オレイン酸と、100mPa・s以上の粘度を有するエステル系油とを含有し、
    粘度が、60mPa・s〜100mPa・sであることを特徴とする人工指紋液。
    ここで、前記粘度は、動的粘弾性測定装置を用いて、直径60mmのコーンプレート、測定温度25℃、及びせん断速度範囲50[1/s]〜300[1/s](Logスケール)で測定を行い、ニュートン流体式により算出される粘度である。
  2. 前記オレイン酸の含有量が、15質量%以上である請求項1に記載の人工指紋液。
  3. 評価基材上に、スクリーン印刷により請求項1から2のいずれかに記載の人工指紋液を塗布し、前記評価基材に人工指紋跡を形成する工程と、
    前記人工指紋跡を拭き取る工程と、
    を含むことを特徴とする耐指紋性の評価方法。
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