JP6515144B2 - 水処理設備 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理設備に関し、複数の水処理工程を順次実施して放流水を得る水処理設備に関する。
従来、工場等において排出される排水は、多くの場合、有機化合物、金属イオン、懸濁物質などといった成分を含み自然界への放流や工場内などでの再利用に適さない状態になっている。
このことから前記排水は、通常、上記のような処理対象物質を除去するための種々の水処理工程を行った後に放流や再利用がされている。
この種の水処理においては、処理後の水を自然界に放流するような場合、この水が法定排水基準(水質汚濁防止法(排水基準を定める省令:昭和46年総理府令第35号)に基づいて定められた一律排水基準、以下、単に「排水基準」ともいう)を満たしている必要がある。
また、各都道府県では、条例によって前記一律基準よりも厳しい「上乗せ基準」を定めて放流水の水質規制を行っている場合がある。
ところで、近年、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)などによって提唱されている生物応答試験を含む手法によって水質を評価することが行われている(下記特許文献1(段落0003など)参照)。
特開2010−263822号公報
EPAなどによって提唱されている生物応答試験での評価は、通常、処理後の水を自然界に放流するための卒業試験のような形で実施されており、法定排水基準を満たす水に対して実施されている。
このような生物応答試験では、良好な結果が得られるとは限らず、法定排水基準を満たす水であっても良好な結果が得られない場合がある。
これは、放流水が生物に与える影響に複合的な要因が存在するためであると考えられる。
即ち、上記のような現象は、放流水が法定排水基準を満たしていても放流水に含まれている1つの物質と別の物質との量比が特定の関係になっている場合や、法定排水基準に特段の定めが無い物質の存在などによって水生生物に悪影響が生じる場合があるためであると考えられる。
このことからは、環境への実質的な影響を考慮すると放流水の水質を生物応答試験で評価することが望ましいといえる。
ところで、従来の水処理方法においては、放流水の水質を良好なものとしながらも工程等を簡略化して水処理に要するエネルギー消費を削減することが求められている。
しかしながら、従来、上記のような要望は十分満足されていないという問題を有する。
そこで本発明は、上記のような問題を解決することを課題としており、放流水の水質を良好なものとしながらも工程等を簡略化し得る水処理方法を提供することを課題としている。
生物応答試験を活用して工程の簡略化を図るといった着想は従来存在しておらず上記課題を解決すべく本発明者がこのような点に着目して鋭意検討したところ、従来の水処理では生物の生育に必要な物質までをも除去してしまっている場合があり、法定排水基準などの観点による水質としては優れた水であっても生物応答試験に合格しない水が放流されている場合があることを見出した。
即ち、本発明者は、放流水を得るための最も下流側において実施される水処理工程では含有する成分が過剰に低減された放流水が得られており、当該放流水がむしろ生物には悪い影響を与えかねないおそれがあることを見出した。
そこで本発明は、処理対象物質を含む排水に対して前記処理対象物質を除去する水処理工程実施され、複数の前記水処理工程順次実施され水質汚濁防止法で定められた一律排水基準を満たす放流水られる水処理設備であって、
第1の逆浸透膜ろ過を実施する第1の逆浸透膜ろ過装置と、該第1の逆浸透膜ろ過装置でろ過された第1逆浸透膜処理水に対して第2の逆浸透膜ろ過を実施する第2の逆浸透膜ろ過装置とを備え、該第2の逆浸透膜ろ過装置でろ過された第2逆浸透膜処理水を放流水として系外に放出し得るように構成されており、
前記第1の逆浸透膜ろ過装置に導入される水の一部を第1の逆浸透膜ろ過装置を通過させずに第1の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給する第1のバイパス流路と、前記第1逆浸透膜処理水の一部を前記第2の逆浸透膜ろ過装置を通過させずに第2の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給する第2のバイパス流路とをさらに備え、
前記第1逆浸透膜処理水と前記第2逆浸透膜処理水とに対し、環境省発行の「生物応答を用いた排水試験法(検討案)」に基づく生物応答試験実施され
前記第1の逆浸透膜ろ過装置に導入される水の一部を前記第1のバイパス流路を通じて前記第1の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給することと、前記第1逆浸透膜処理水の一部が前記第2のバイパス流路を通じて第2の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給されることとが前記生物応答試験の結果に基づいて実施される水処理設備を提供する。
本発明においては、水生生物などへの影響が少ない放流水が得られ易くなる。
本発明の水処理設備の概略的な構成を示した図。
以下に、本発明の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
以下においては、除去すべき処理対象物質として、有機性窒素や金属イオンなどの水溶解性成分とともに浮遊性固体などの水不溶性成分を含有する排水を処理する場合を例に本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1を参照しつつ水処理設備について説明する。
図1は、本実施形態の水処理方法に利用される水処理設備の一態様を例示した概略図である。
本実施形態の水処理設備では、前記処理対象物質を除去する水処理工程が実施され、複数の前記水処理工程が順次実施されて最終的な処理水が放流水とされる。
図1に示すように本実施形態の水処理設備1は、導入された排水に対して曝気処理を第1の水処理工程として実施する簡易曝気槽10を有している。
水処理設備1は、第2の水処理工程として、前記簡易曝気槽10で曝気された後の曝気処理水に対して生物処理を実施するための生物処理槽20をさらに備えている。
水処理設備1は、第3の水処理工程として、前記生物処理槽20で生物処理された後の生物処理水に対して沈殿分離を実施するための沈殿槽30を備えている。
水処理設備1は、第4の水処理工程として、前記沈殿槽30の上澄み液である沈殿処理水に含まれている浮遊物を除去すべく該沈殿処理水に対して砂ろ過を実施する砂ろ過槽40を備えている。
図1に示すように本実施形態の水処理設備1は、第5の水処理工程として、前記砂ろ過槽40でろ過された後の砂ろ過処理水に対して第1の逆浸透膜ろ過を実施するための第1の逆浸透膜ろ過装置50と、該第1の逆浸透膜ろ過装置50の下流側で第6の水処理工程として、第2の逆浸透膜ろ過を実施するための第2の逆浸透膜ろ過装置60とをさらに備えている。
そして、本実施形態の水処理設備1は、通常、第1の逆浸透膜ろ過で得られる第1RO処理水に対して第2の逆浸透膜ろ過を実施し、該第2の逆浸透膜ろ過で得られる第2RO処理水を放流水として系外に放出し得るように構成されている。
また、本実施形態の水処理設備1は、前記曝気処理水、前記生物処理水、前記沈殿処理水、前記砂ろ過処理水、及び、前記第1RO処理水の何れか1以上を、状況に応じて、系外に放出し得るように構成されている。
このとき系外へ放出される水は、法定排水基準を満足した水質であり、且つ放流しても水生生物への影響を及ぼさない、若しくは、影響があっても実質的な問題にならない程度の水である。
さらに、本実施形態の水処理設備1は、前記曝気処理水、前記生物処理水、前記沈殿処理水、前記砂ろ過処理水、前記第1RO処理水、及び、前記第2RO処理水に対して生物応答試験を実施し得るように構成されている。
また、本実施形態の水処理設備1では、前記曝気処理水、前記生物処理水、前記沈殿処理水、前記砂ろ過処理水、前記第1RO処理水、及び、前記第2RO処理水に対して「排水基準」を満たす水質となっているかどうかを確認する試験(確認試験)が実施される。
前記生物応答試験、及び、前記確認試験は、前記曝気処理水、前記生物処理水、前記沈殿処理水、前記砂ろ過処理水、前記第1RO処理水、及び、前記第2RO処理水が放流水として適しているかどうかを確認するために実施される。
本実施形態の水処理設備1の前記簡易曝気槽10では、槽底に配した散気体を用いて前記曝気処理が実施され、被処理水中に酸素を含む微細な気泡を前記散気体から放出して前記曝気処理が実施される。
該簡易曝気槽10からは、導入された被処理水よりも溶存酸素濃度が高く、有機性窒素の一部が硝酸性窒素に変換された水が曝気処理水として排出される。
前記生物処理槽20には、収容した活性汚泥によって前記生物処理を実施すべく、曝気処理水に対して更なる曝気を施して槽内を好気的環境下とする硝化槽21が設置されている。
該生物処理槽20では、有機性窒素が分解除去されるとともに曝気処理水に含まれている有機物と金属イオンとが細菌の増殖に利用される。
従って、生物処理槽20からは水溶解性の処理対象物質の含有率が曝気処理水よりも低減された水が生物処理水として排出される。
前記沈殿槽30では、生物処理槽20から持ち込まれる生物処理水に含まれている活性汚泥の沈殿分離が実施され、該活性汚泥の沈殿性を促進すべく前記生物処理水に凝集剤が添加される。
該凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化鉄などの無機凝集剤や、ポリアクリルアミド系アイオノマーなどの有機高分子凝集剤が用いられ得る。
また、前記沈殿槽30では、沈殿性を促進すべく前記生物処理水にpH調整剤が添加され、槽内水のpHが中性程度(例えば、pH6〜8)となるようにpH調整剤が添加される。
該pH調整剤や前記凝集剤が過剰に添加されて水中に多く残存すると新たに処理対象物質を生じさせることになるため、その使用量は水質等に併せて都度調整することが好ましい。
前記砂ろ過槽40としては、例えば、天然砂、アンスラサイト、ガーネット、セラミックスサンド、活性炭、マンガン砂などの“ろ材”を堆積した“ろ層”を有し、前記沈殿処理水を当該ろ層でろ過し得るように構成されたものを採用することができる。
前記第1の逆浸透膜ろ過装置50、及び、前記第2の逆浸透膜ろ過装置60は、例えば、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォンなどの材質で出来た逆浸透膜を備えたものとすることができる。
前記第1の逆浸透膜ろ過装置50、及び、前記第2の逆浸透膜ろ過装置60としては、例えば、中空糸膜タイプやスパイラル膜タイプ、平膜のディスクタイプのものを採用することができる。
第1の逆浸透膜ろ過装置50、及び、第2の逆浸透膜ろ過装置60は、それぞれ用いる逆浸透膜のタイプや材質を共通させても異ならせてもよい。
本実施形態における第1の逆浸透膜ろ過装置50では平膜のディスクタイプを用いており、例えば、第1RO処理水の塩化物イオン濃度が約1000mg/L(例えば、500mg/L以上2000mg/L以下)となるように逆浸透膜ろ過が実施され得る。
本実施形態における第2の逆浸透膜ろ過装置60ではスパイラル膜タイプを用いており、例えば、第2RO処理水の塩化物イオン濃度が100mg/L未満となるように逆浸透膜ろ過が実施され得る。
前記水処理設備1は、第1の逆浸透膜ろ過装置50を通過した後の第1RO処理水及び第2の逆浸透膜ろ過装置60を通過した後の第2RO処理水の少なくとも一方のRO処理水の電気伝導度を測定する電気伝導度計(図示せず)を備えていることが好ましい。
本実施形態の水処理設備1は、第1RO処理水及び第2RO処理水の両方の電気伝導度を測定する電気伝導度計を備えている。
また、本実施形態の水処理設備1は、逆浸透膜ろ過装置よりも上流側の水の一部を該逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給するためのバイパス流路をさらに備えていることが好ましい。
本実施形態の水処理設備1は、第1の逆浸透膜ろ過装置50よりも上流側の水(例えば砂ろ過処理水)の一部を必要に応じて第1の逆浸透膜ろ過装置50を通過させずに第1の逆浸透膜ろ過装置50よりも下流側に供給する第1のバイパス流路(図示せず)と、前記第1RO処理水の一部を必要に応じて第2の逆浸透膜ろ過装置60を通過させずに第2の逆浸透膜ろ過装置60よりも下流側に供給する第2のバイパス流路(図示せず)とをさらに備えている。
上記のような水処理設備1を用いて実施される本実施形態の水処理方法では、第1の水処理工程(簡易曝気)から第6の水処理工程(第2の逆浸透膜ろ過)までの全ての水処理工程の後の処理水に対して生物応答試験を実施するとともに各水処理工程後の処理水が法定排水基準を満たすかどうかの確認試験を実施する。
このことで本実施形態の水処理方法では、各水処理工程の上流側の水と下流側の水とに対して生物応答試験と法定排水基準に係る確認試験とが実施されることになる。
そのため本実施形態の水処理方法では各水処理工程が生物応答試験に与える影響を把握することができる。
本発明者が見出した事項によれば、生物応答試験においては、Ni、Cu、Pb、Zn、Alなどのイオンが試験結果を低下させる因子となる。
また、本発明者が見出した事項によれば、水中のイオンを逆浸透膜ろ過で除去し過ぎると生物の生育に必要なミネラル分が大きく不足して生物応答試験の結果を低下させる因子となる。
そのため、本実施形態の水処理方法では、各水処理工程の上下流の水を用いた生物応答試験の結果に基づいて各水処理工程の試験条件を変更することで、環境に影響を与え難い放流水を得ることができる。
本実施形態の水処理方法では、例えば、第6の水処理工程で得られる第2RO処理水に対する生物応答試験の結果が、その上流側の第5の水処理工程で得られる第1RO処理水に対する生物応答試験の結果よりも低下している場合には、第6の水処理工程で過剰なイオンの除去が行われていると判断することができる。
その場合、生物応答試験の結果が良好な放流水を得るためには、逆浸透膜ろ過装置50,60の運転条件を調整すればよい。
逆浸透膜ろ過装置では、生物の育成に必要なミネラル(カリウム、リンなど)までも除去されてしまうことにより、生物応答試験で影響が出る可能性がある。
そのため、逆浸透膜ろ過装置50,60のいずれか一方の運転を停止したり、これらの逆浸透膜ろ過装置50,60の運転条件を緩慢なものに変更したりすることで生物応答試験と確認試験との両方に合格する水を得ることができる。
なお、逆浸透膜ろ過装置50,60の運転条件を緩慢にするとは、逆浸透膜での塩類の除去率(以下「脱塩率」ともいう)を低減させることを意味する。
脱塩率を低減するための具体的な方法としては、逆浸透膜ろ過装置50,60に供給する水の圧力を低下させる方法、逆浸透膜ろ過装置50,60に供給する水の温度を上昇させる方法、逆浸透膜ろ過装置での回収率(透過水量/供給水量)を上げる方法、などが挙げられる。
なお、要すれば、逆浸透膜ろ過装置50,60に供給する水にミネラル分を添加し、該水の塩濃度を上昇させることによって脱塩率を低減させるようにしてもよい。
本実施形態の水処理設備1は、前記のように第1のバイパス流路及び第2のバイパス流路を備えているため、第1の逆浸透膜ろ過装置50及び第2の逆浸透膜ろ過装置60の運転条件はそのままにし、砂ろ過処理水や第1RO処理水の一部を第2RO処理水に添加し、当該第2RO処理水に不足しているミネラル分を砂ろ過処理水や第1RO処理水によって補うこともできる。
なお、当然ながら砂ろ過処理水や第1RO処理水の第2RO処理水への添加は、通常、添加後の水質が排水基準を満たす範囲で実施される。
即ち、本実施形態においては、複数の水処理工程が順次実施された後の水に対し、直前の水処理工程よりも上流側の水の一部を添加して生物応答試験と確認試験との両方に合格する水を得ることができる。
本実施形態の水処理設備1は、前記のようにRO処理水の電気伝導度を測定する電気伝導度計を備えているため、生物応答試験と確認試験との両方に合格する水を得るための逆浸透膜ろ過装置50,60の運転条件の変更や逆浸透膜ろ過装置50,60をバイパスする水の量の変更などを電気伝導度計の測定結果に基づいて実施することができる。
即ち、本実施形態の水処理方法では、第1RO処理水や第2RO処理水の電気伝導度が規定値よりも低い場合は、放流水にミネラル分が不足する可能性が高いと判断し逆浸透膜ろ過装置50,60の運転条件を緩慢にしたり、或いは、逆浸透膜ろ過装置50,60よりも上流側の水の一部をバイパス流路を通じて下流側に供給することで生物応答試験と確認試験との両方に合格する水を得ることができる。
ここで、本実施形態の水処理方法では、例えば、生物処理水に対する生物応答試験の結果に比べて沈殿処理水に対する生物応答試験の結果が低下しているような場合には、凝集剤やpH調整剤によって導入されるイオンによる悪影響が生じていると判断できる。
その場合、凝集剤やpH調整剤の種類や添加量を変更したり、特定のイオンを捕捉するキレート剤の添加によって生物応答試験の結果の改善を図ったりすることができる。
さらに、本実施形態の水処理方法では、少なくとも1つの水処理工程後の上流側の水と下流側の水とに対して生物応答試験と法定排水基準に係る確認試験とが実施されるため、当該水処理工程を通過することで法定排水基準において管理対象となっている成分の含有率がどのように変化するかについての情報が得られるとともにそれに伴って生物応答試験の結果がどのように変化するかが情報として得られる。
従って、本実施形態の水処理方法では、法定排水基準で管理対象となっている成分が生物応答試験に与える影響も把握し易くなる。
本実施形態の水処理方法では、最も下流側において実施される第6の水処理工程よりも上流側の水が前記生物応答試験と前記確認試験との両方に合格した場合は、この水を放流水として第6の水処理工程を割愛する。
特に、最も下流側の水処理工程の直前の第1RO処理水は、少なくとも一度逆浸透膜処理が行われているために前記生物応答試験と前記確認試験との両方に合格する可能性があり、周辺環境に放流するのに適した水質を有する可能性がある。
このような水を放流水とすることにより本実施形態の水処理方法では、水処理の効率向上が図られ得るとともに第6の水処理工程を実施するためのエネルギー消費を削減することができる。
即ち、このような方法で水処理を実施することで、より環境に優しい水処理方法が提供され得る。
このような観点からは、仮に曝気処理水や砂ろ過処理水などの他の処理水に対する生物応答試験と法定排水基準に係る確認試験とを実施するのを省略することがあっても第1RO処理水に対しては生物応答試験と確認試験とを実施することが好ましい。
なお、最も下流側において実施される第6の水処理工程よりも上流側の水処理工程後の水が法定排水基準を満たすものの生物応答試験に合格していない場合は、この最も下流側の水処理工程よりも上流側の水処理工程における処理条件を変更するなどして法定排水基準と生物応答試験との両方に合格する水が得られるようにして当該水を放流水とすればよい。
水処理工程における処理条件を変更しても法定排水基準を満たすものの生物応答試験に合格する水が得られ難い場合には、この水をそのまま放流水としてもよい。
なお、最も下流側において実施される水処理工程よりも上流側の複数の水処理工程後の水が法定排水基準を満たすものの生物応答試験に合格しない場合は、水生生物への影響を優先して生物応答試験の結果が最も合格レベルに近い水を放流水としてもよく、工程の簡略化による省エネルギー効果を優先して最も上流側で法定排水基準を満たしている水を放流水としてもよい。
なお、最も下流側において実施される水処理工程よりも上流側の水処理工程後の水を放流水とした後は、法定排水基準の確認試験は、決められた頻度で継続し、生物応答試験は、半年に1回程度の頻度で継続することができる。
これら試験で課題が認められた場合は、その要因を推定するための検討を実施し、省略した下流側の水処理工程が必要であると判断された場合には、その時点で省略されている下流側の水処理工程の実施を復活させることができる。
本実施形態の水処理方法で実施する生物応答試験は、例えば、環境省が発行している「生物応答を用いた排水試験法(検討案)」(排水(環境水)管理のバイオアッセイ技術検討分科会(2013))に準拠して行うことができる。
試験は、例えば、魚類(例えば、ゼブラフィッシュ:Danio rerio、メダカ:Oryzias latipes)、ミジンコ(例えば、ニセネコゼミジンコ:Ceriodaphnia dubia)、藻類(例えば、ムレミカヅキモ:Pseudokirchneriella subcapitata)などを用いた短期慢性毒性試験によって実施することができる。
より具体的には、ゼブラフィッシュなどの魚類を用いる場合、生物応答試験は、OECD TG No.212「Fish,Short−term Toxicity Teston Embryo and Sac−Fry Stages」に準拠して実施できる。
ミジンコを用いる場合、生物応答試験は、OECDのEcoTox−Statistics Ver.2.6のTG No.211に準拠して実施できる。
藻類を用いる場合、生物応答試験は、OECD TG No. 201「Freshwater Alga and Cyanobacteria,Growth Inhibition Test」に準拠して実施できる。
各水処理工程後の水に対する生物応答試験は、各水処理工程の影響をより正確に把握すべく同じ日に試料となる水を採取して実施することが好ましい。
本実施形態の水処理方法では、水質の変動を考慮し、各水処理工程で、定期的(例えば1時間毎)に数回(例えば5回)のサンプリングを実施し、これら採水を混合したものを生物応答試験の検体とすることが好ましい。
このことにより生物応答試験に影響を与える因子を特定し易くなる。
本実施形態においては、以下のようにして生物応答試験の状況監視と合否判定をすることができる。
生物応答試験については、魚類、ミジンコ、藻類ともにNOEC(No Observed Effect Concentration:無影響濃度)が10%以上の場合、生物への影響が見られないという暫定的な基準とされている。
従って、本実施形態での生物応答試験の合否は、原則的には、魚類、ミジンコ、藻類ともにNOECが10%以上であるか10%未満であるかをもって判定することができる。
しかしながら、生物応答試験がギリギリ合格となるようなレベル(例えば、NOECが10%以上20%未満のレベル)では、被処理水の水質の変動等によってNOECが10%未満となることも予想されるので、その場合は、引き続き継続的な試験(1回/月程度)により状況を監視することが好ましい。
このようなことから、本実施形態においては、生物応答試験の合否判定の基準を引き上げておくことが好ましく、魚類、ミジンコ、藻類ともにNOECが20%以上であることを生物応答試験の合否判定の基準とすることが好ましい。
但し、この場合も、生物応答試験がギリギリ合格となるようなレベル(例えば、NOECが20%以上40%未満のレベル)においては、水質の変動が想定されるので上記よりは頻度が低くとも、継続的な試験(1回/2ヶ月程度)により状況を監視することが好ましい。
魚類、ミジンコ、藻類ともにNOECが40%以上の場合は安心できる状況である。
従って、NOECが40%以上であるか40%未満であるかを生物応答試験の合否判定の基準とすることがとりわけ好ましい。
この場合は、状況を監視するために1回/半年程度の試験を継続することが好ましい。
また、魚類、ミジンコ、藻類の個別の特性としては下記を検討する。
魚類は主に窒素、アンモニアの影響を受けるため、影響があった場合はその要因を検討する。
ミジンコは主に塩分、金属の影響を受けるため、影響があった場合はその要因を検討する。
藻類は主に窒素、界面活性剤、金属の影響を受けるため、影響があった場合はその要因を検討する。
本実施形態の水処理方法での法定排水基準に係る確認試験は、工場排水試験方法(JIS K0102:2013)などに準拠して実施することができる。
前記確認試験の合否は、水質汚濁防止法(排水基準を定める省令:昭和46年総理府令第35号)により定められた「一律排水基準」を満たすかどうかで判定することができ、水処理設備が設置されている地方自治体によって定められた「上乗せ基準」を満たすかどうかで判定することが好ましい。
本実施形態の水処理方法は、上記に例示した工程以外に、一般的な水処理方法において行われている工程を適宜採用可能である。
また、本実施形態の水処理方法では、より正確に生物応答試験への影響を把握することができるように第1の水処理工程よりも下流側の全ての水処理工程の直前、直後の水に対して法定排水基準に係る確認試験と生物応答試験とを実施しているが、水処理工程が生物応答試験に与える影響を把握する上においては少なくとも一つの水処理工程の上流側と下流側とにおいて生物応答試験を実施すればよい。
さらに、本実施形態においては、どの段階で生物応答試験と法定排水基準との両方に合格するレベルの水が得られているのかを特定し易くなるように全ての水処理工程の後の水に対して生物応答試験と法定排水基準に係る確認試験とを実施しているが、生物応答試験と法定排水基準に係る確認試験とを実施する水は一つの水処理工程後の処理水のみとしてもよい。
また、水処理方法に用いる設備としても、本実施形態においては、前記のような態様のものを例示しているが本発明で用いる水処理設備は前記に例示の態様のものに限定されるものではない。
1 水処理設備
10 簡易曝気槽
20 生物処理槽
21 硝化槽
30 沈殿槽
40 砂ろ過槽
50 第1の逆浸透膜ろ過装置
60 第2の逆浸透膜ろ過装置

Claims (3)

  1. 処理対象物質を含む排水に対して前記処理対象物質を除去する水処理工程実施され、複数の前記水処理工程順次実施され水質汚濁防止法で定められた一律排水基準を満たす放流水られる水処理設備であって、
    第1の逆浸透膜ろ過を実施する第1の逆浸透膜ろ過装置と、該第1の逆浸透膜ろ過装置でろ過された第1逆浸透膜処理水に対して第2の逆浸透膜ろ過を実施する第2の逆浸透膜ろ過装置とを備え、該第2の逆浸透膜ろ過装置でろ過された第2逆浸透膜処理水を放流水として系外に放出し得るように構成されており、
    前記第1の逆浸透膜ろ過装置に導入される水の一部を第1の逆浸透膜ろ過装置を通過させずに第1の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給する第1のバイパス流路と、前記第1逆浸透膜処理水の一部を前記第2の逆浸透膜ろ過装置を通過させずに第2の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給する第2のバイパス流路とをさらに備え、
    前記第1逆浸透膜処理水と前記第2逆浸透膜処理水とに対し、環境省発行の「生物応答を用いた排水試験法(検討案)」に基づく生物応答試験実施され
    前記第1の逆浸透膜ろ過装置に導入される水の一部を前記第1のバイパス流路を通じて前記第1の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給することと、前記第1逆浸透膜処理水の一部が前記第2のバイパス流路を通じて第2の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給されることとが前記生物応答試験の結果に基づいて実施される水処理設備
  2. 前記第2逆浸透膜処理水の生物応答試験の結果が前記第1逆浸透膜処理水の生物応答試験の結果よりも悪い場合に、前記第1のバイパス流路及び前記第2のバイパス流路の少なくとも一方を用いて前記第2の逆浸透膜ろ過装置よりも上流側の水が前記第2逆浸透膜処理水に加えられて前記放流水とされる請求項1記載の水処理設備
  3. 前記第2逆浸透膜処理水の生物応答試験の結果が前記第1逆浸透膜処理水の生物応答試験の結果よりも悪い場合に、
    前記第1の逆浸透膜ろ過装置に導入される水の一部が前記第1のバイパス流路を通じて第1の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給されることと、
    前記第1逆浸透膜処理水の一部が前記第2のバイパス流路を通じて第2の逆浸透膜ろ過装置よりも下流側に供給されることとの内の少なくとも一方が実施されて前記放流水のミネラル分が増加される請求項1記載の水処理設備。
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