以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、左下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。遊技者は、後述するレバー32の操作角度を調整することで遊技球の発射力を調整し、矢印61に示すような小さな発射力で遊技領域20の左側領域に向けて遊技球を発射する(以下、左打ちという)ことができるとともに、矢印62に示すような大きな発射力で遊技領域20の右側領域に向けて遊技球を発射する(以下、右打ちという)ことができる。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bが配設されている。第1画像表示部6aは、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄(後述する装飾図柄DI)の変動を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。第2画像表示部6bは、遊技者による遊技の進行に応じて、上記した装飾図柄よりも小さな小図柄(後述する小図柄SI1、SI2)を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知する。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、特別図柄抽選として、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)と、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の2つの抽選を同時に実行可能であるが、2つの抽選が同時に実行されている場合には、第1画像表示部6aでは、遊技状態に応じていずれか一方の特別図柄抽選に対応した装飾図柄が表示され、第2画像表示部6bでは、他方の特別図柄抽選に対応した小図柄が表示される。また、第2画像表示部6bは、遊技盤2に対して可動に構成された可動部7bに接続され、遊技の進行に応じて可動部7bが可動することによって第1画像表示部6aの上面を可動に構成されている。なお、第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bは、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7aおよび盤ランプ8が設けられている。可動役物7aは、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向および流下経路を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、役連作動ゲート25、第1大入賞口23、第2大入賞口51、V領域53、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21は、左打ちされた遊技球が流下する経路の途上に位置するように遊技領域20の中央領域に配置され、役連作動ゲート25、第2始動口22、第1大入賞口23、および第2大入賞口51は、右打ちされた遊技球が流下する経路の途上に位置するように遊技領域20の右領域に配置されている。また、遊技くぎや仕切り板等の規制部材(不図示)により、遊技球の流下可能な経路は規制されており、左打ちされた遊技球は、役連作動ゲート25、第2始動口22、第1大入賞口23、および第2大入賞口51へ入賞できないように規制されており、右打ちされた遊技球は、第1始動口21へ入賞できないように規制されている。このため、遊技者は、目的に応じて、第1始動口21へ遊技球を入賞させるときには左打ちを行い、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51へ遊技球を入賞させるときには右打ちを行うことになる。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入賞して所定の始動条件が成立すると、特別図柄抽選(大当り抽選;第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(第1大入賞口23、第2大入賞口51)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。
役連作動ゲート25は、特別図柄抽選に当選したとき(つまり、大当りしたとき)に第2大入賞口51が開放される契機となるゲートである。具体的には、特別図柄抽選に当選して大当り遊技(特別遊技)を実行する権利が獲得された後に、役連作動ゲート25を遊技球が通過すると、第2大入賞口51が開放されて大当り遊技のラウンドが開始される。なお、本実施形態において、第1大入賞口23は、小当りに当選したときに開放される特別電動役物であるため、役連作動ゲート25の遊技球通過を契機に開放されるのは第2大入賞口51だけである。また、本実施形態では、役連作動ゲート25は、大当り遊技のラウンドが開始される(つまり、第2大入賞口51が開放される)契機として用いられるものとしたが、大当り遊技のラウンド数を抽選する契機として用いられるものとしてもよい。つまり、大当り遊技を実行する権利が獲得された後に役連作動ゲート25を遊技球が通過することを契機に大当り遊技のラウンド数が抽選により決定されるものとしてもよい。また、本実施形態では、役連作動ゲート25は、普通図柄抽選(後述する電動チューリップ27の開閉抽選)を始動させるゲートとしても機能する。このため、役連作動ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると(図1参照)、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと(図示せず)、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、役連作動ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、1.0秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
第1大入賞口23は、第2始動口22の下方に位置し、特別図柄抽選の結果が小当りであるときに開放する。具体的には、第1大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果が小当りであると遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、第1大入賞口23は、所定条件(例えば、1.0秒経過)を満たすまで開状態となる開放動作を、所定回数(例えば、1回)実行する。なお、本実施形態では、特別図柄抽選のうち第2特別図柄抽選では小当りに当選する確率を高確率(例えば1/1.6)に設定する一方で、第1特別図柄抽選では小当りに当選しないことにしているが、この理由については後述する。
第2大入賞口51は、遊技領域20の右側領域の第2始動口22の上方に位置し、特別図柄抽選の結果が大当りであるときに開放する。第2大入賞口51は、通常はハネ形状の開閉部材(以下、右ハネという)50が実線で示すように閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果(大当りの種類)に応じて右ハネ50が点線で示すように開放して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、第2大入賞口51は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球8個の入賞の条件、又は0.1秒経過または遊技球8個の入賞の条件)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば、4回)行う。
第2大入賞口51の内部には、図1に示すように、第2大入賞口51に入った遊技球が流下する空間があり、この空間には左側の流下経路と右側の流下経路とが設けられる。この右側の流下経路には、V領域(図1の「V」を記載した領域)53が設けられ、左側の流下経路と右側の流下経路との分岐部分にはV領域開閉部材(以下、Vハネという)52が設けられる。Vハネ52は、通常は実線で示すように右側の流下経路を閉塞する閉状態であり、遊技球が左側の流下経路のみを流下する状態となっている。そして、Vハネ52は、第2大入賞口51が開放してから所定時間経過後(例えば3秒後)に点線で示すように右側の流下経路を開放して左側の流下経路を閉塞する開状態となり、その後所定条件が成立すると(例えば第2大入賞口51が閉鎖されてから1秒後)に上記した閉状態に戻る。つまり、Vハネ52が閉状態のときには、第2大入賞口51に入った遊技球は左側の流下経路を流下してV領域53を通過せず、Vハネ52が開状態のときには、第2大入賞口51に入った遊技球は右側の流下経路を流下してV領域53を通過することとなる。そして、第2大入賞口51に入った遊技球は、左側の流下経路又は右側の流下経路をした後に、領域54に入ることによって遊技領域20の外に排出される。なお、第2大入賞口51の入口部分(つまり、右ハネ50によって開閉される入口部分:図1参照)に第2大入賞口スイッチ117(図4参照)が配置されて、第2大入賞口51に遊技球が入った時点で第2大入賞口51に入賞したことが検出される。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、第1大入賞口23に遊技球が1個入賞すると10個の賞球、第2大入賞口51に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると5個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、役連作動ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、遊技状態表示器4g、および右打ち表示器4hを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄抽選に基づいて特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、第2特別図柄抽選に基づいて特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、役連作動ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球が役連作動ゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器4aにより変動表示される特別図柄(つまり、第1特別図柄抽選に基づいて変動表示される特別図柄)を第1特別図柄と称し、あるいは特1と略称し、第2特別図柄表示器4aにより変動表示される特別図柄(つまり、第2特別図柄抽選に基づいて変動表示される特別図柄)を第2特別図柄と称し、あるいは特2と略称することがある。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、例えばLED表示装置で構成され、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。右打ち表示器4hは、例えばLED表示装置で構成され、大当り遊技が行われているときや、後述する高確状態のときのように、上記した右打ちを行うと有利なときに点灯し、右打ちを行っても有利ではないとき(左打ちを行うべきとき)には消灯することで、右打ちを行うべきときを示す。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、第1画像表示部6a等に表示される複数の画像のいずれかを選ぶことや、スピーカ35による音量を変更すること等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。また、演出ボタン37は、遊技者の操作に応じて、あるいは演出の進行に応じて、振動したり、発光したりすることによって演出の一態様として機能する。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7aや可動部7bによる演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球が役連作動ゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、1.0秒経過)を満たすまで、第1大入賞口23が突出傾斜して開状態となる開放動作を所定回数(例えば1回)だけ実行するように制御する。また、例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球8個の入賞の条件、あるいは0.1秒経過または遊技球8個の入賞の条件)を満たすまで、第2大入賞口51が開状態となるラウンドを所定回数(例えば4回)行うように制御する。また、メイン制御部100は、第2大入賞口51が開閉する開閉時間間隔(インターバル時間)を制御する。
メイン制御部100は、第2大入賞口51内部の設けられたVハネ52の姿勢を制御してV領域53の開状態及び閉状態を制御する(図1参照)。また、メイン制御部100は、V領域53を遊技球が通過したことを検出する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、役連作動ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、第1大入賞口スイッチ114、第1大入賞口開閉部115、第2大入賞口スイッチ117、第2大入賞口開閉部118、V領域スイッチ119、V領域開閉部120、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、遊技状態表示器4g、および右打ち表示器4h)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、役連作動ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第1大入賞口スイッチ114は、第1大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第1大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、第1大入賞口23を開閉する。第2大入賞口スイッチ117は、第2大入賞口51へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2大入賞口開閉部118は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、右ハネ50の姿勢を変化させて第2大入賞口51を開閉する。V領域スイッチ119は、V領域53を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。V領域開閉部120は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、Vハネ52の姿勢を変化させてV領域53への流下経路を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、役連作動ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。また、メイン制御部100は、大当り遊技が行われるときや、大当り遊技後の高確状態において、右打ちを行うべきときであるとして、右打ち表示器4hを点灯表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bに表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄等の画像(後述する装飾図柄DIや小図柄SIの画像)、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bに表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bに表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bに表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38の発光、演出ボタン37の振動、および可動役物7aや可動部7bの動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400や画像音響制御部500から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38の点灯/点滅や発光色等を制御し、演出ボタン37の振動を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400等から送られたコマンドに基づいて、可動役物7aの動作や可動部7bの動作(つまり、第2画像表示部6bの動作)を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400等により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36や演出ボタン37や演出キー38での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)、ならびに演出ボタン37の振動パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400等から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータや振動パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36や演出キー38の発光と、演出ボタン37の発光および振動を制御する。また、ROM602には、演出制御部400等により設定される演出内容に応じた可動役物7aや可動部7bの動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400等から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7aや可動部7bの動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37および演出キー38が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37や演出キー38の操作に応じて演出ボタン37や演出キー38から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400や画像音響制御部500に伝達する。
なお、演出制御部400や画像音響制御部500には、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、演出ボタン37および演出キー38の操作状態が通知される。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400や画像音響制御部500に伝達される。このため、演出制御部400や画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、低確状態(通常状態)、高確状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態(通常状態)は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/150)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/70)に設定されている遊技状態である。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)第2大入賞口51が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。小当り遊技状態とは、特別図柄抽選において小当りに当選して第1大入賞口23が開放される小当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態では、低確状態であっても高確状態であっても、普通図柄抽選の実行時間(普通図柄の変動時間;例えば2.0秒)や普通図柄抽選の当選確率(例えば9/10)は同じであり、普通図柄抽選に当選した場合の電動チューリップ27の開放時間および開放回数(例えば、1.0秒間を1回)も同じである。つまり、本実施形態における遊技機1は、電動チューリップ27を備えるものの、電動チューリップ27に係る第2始動口22への遊技球入賞が容易となる、いわゆる電サポ(電チューサポート)状態を設けていない。このため、通常状態であっても高確状態であっても第2始動口22への入賞確率は変わらない。
[本実施形態における大当り遊技の概要]
次に、本実施形態において特別図柄抽選で大当りしたときの大当り遊技の概要について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳の一例を説明するための図である。図5の(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図5の(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図5の(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が75%であり、大当りBの当選確率が25%である。また、図5の(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りCの当選確率が50%であり、大当りAの当選確率が50%である。以下に、図5の(3)および図6を参照して、各大当りA〜Cに当選した場合の大当り遊技について説明する。
図6は、本実施形態に係る大当りAおよび大当りBに当選した場合の大当り遊技の一例を説明するための図であり、各大当りに当選した場合に実行される大当り遊技中の第1大入賞口23と第2大入賞口51とV領域53の開放タイミング及び閉鎖タイミングを示している。
まず、図6の(1)を用いて、大当りAに当選した場合の大当り遊技について説明する。特別図柄抽選に当選して大当り遊技を実行する権利が獲得され、大当り遊技のオープニングが行われているときに、役連作動ゲート25を遊技球が通過すると、第2大入賞口51が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)目のラウンド遊技が開始される。1R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51に遊技球が8個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、第2大入賞口51が開状態から閉状態にされて1R目のラウンド遊技が終了される。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1R目と同様に第2大入賞口51が開放されてから2R目のラウンド遊技が開始され、第2大入賞口51が閉鎖されて2R目のラウンド遊技が終了する。同様に、インターバル期間(2秒間)を挟んで第2大入賞口51の開閉によって3R目のラウンド遊技が実行される。そして、3R目のラウンド遊技の終了後、インターバル期間(例えば、それまでの2秒間よりも長い5秒間)が設けられた後に、第2大入賞口51が閉状態から開状態にされて4R目のラウンド遊技が開始される。4R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51に遊技球が8個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、第2大入賞口51が開状態から閉状態にされて4R目のラウンド遊技が終了される。ここで、V領域53は、4R目のラウンド遊技において第2大入賞口51が開状態にされてから3秒後に閉状態から開状態にされ、第2大入賞口51が閉鎖されてから所定時間経過後(例えば1秒後)に閉状態に戻る。このことから、大当り遊技の4R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51に入った遊技球が1つ以上V領域53を通過することが可能となる。そして、V領域53を遊技球が通過することを条件に、大当り遊技後の遊技状態が高確状態に制御され、より具体的には、大当り遊技が終了してから70回転終了するまで(つまり、特別図柄抽選が70回実行されて表示器4に特別図柄が70回変動されてから停止表示されるまで)の間高確状態に制御され、その後通常状態(低確状態)に制御されることとなる。なお、4R目のラウンド遊技において遊技球の打ち出しを行わなかった等の理由により、V領域53に1つも遊技球が通過しなかった場合には、大当り遊技後の遊技状態は低確状態に制御される。4R目のラウンド遊技が終了されると、所定のエンディング時間が経過することにより大当り遊技が終了し、その後、前述したように、4R目においてV領域53を遊技球が通過したことに基づいて高確状態に制御される。
次に、図6の(2)を用いて、大当りBに当選した場合の大当り遊技について説明する。大当り遊技が開始すると、大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様に、所定のオープニング時間の経過後、1R目〜3R目のラウンド遊技が開始される。そして、3R目のラウンド遊技の終了後、インターバル期間(例えば、それまでの2秒間と同じ2秒間)が設けられた後に、第2大入賞口51が閉状態から開状態にされて4R目のラウンド遊技が開始される。ただし、この大当りBに当選した場合の大当り遊技における4R目のラウンド遊技は、大当りAに当選した場合の大当り遊技における4R目のラウンド遊技とは異なる。具体的には、大当りBに当選した場合の大当り遊技における4R目のラウンド遊技においては、開放時間が0.1秒経過すると、第2大入賞口51が開状態から閉状態にされて4R目のラウンド遊技が終了される。つまり、大当りBに当選した場合の大当り遊技の4R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51は瞬間的に開放され、このことから遊技球が第2大入賞口51に入ることは殆どない。ここで、V領域53は、大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様に、4R目のラウンド遊技において第2大入賞口51が開状態にされてから3秒後に閉状態から開状態にされ、所定時間(例えば1秒間)開放される。つまり、大当りBに当選した場合の大当り遊技において、V領域53は、第2大入賞口51が閉状態になってから2.9秒後に開状態にされる。また、第2大入賞口51の構造から、0.1秒間の開放期間内に第2大入賞口51に遊技球が入ったとしても当該遊技球が第2大入賞口51の内部で2.9秒も滞留することは通常あり得ず、そのため、当該遊技球がV領域53を通過することは通常あり得ない仕組みとなっている。そして、V領域53を遊技球が通過しないので、大当り遊技後の遊技状態は低確状態に制御される。4R目のラウンド遊技が終了されると、所定のエンディング時間が経過することにより大当り遊技が終了し、その後、前述したように、4R目においてV領域53を遊技球が通過しなかったことに基づいて低確状態に制御される。
なお、大当りCに当選した場合の大当り遊技については、図示しないが、ラウンド数が異なることを除いて大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様である。具体的には、大当りCに当選した場合の大当り遊技は、1R目〜4R目までは大当りAに当選した場合のラウンド遊技と同様であり、その後、インターバル期間(2秒間)を挟んで第2大入賞口51の開閉によって5R目〜15R目のラウンド遊技が継続され、所定のエンディング時間が経過すると大当り遊技が終了する。
なお、以下では、大当りBに当選した場合の大当り遊技において第2大入賞口51が瞬間的に開放(短開放)されることにより遊技球がV領域53を通過困難な4R目のラウンド遊技のことをV短ラウンド遊技といい、大当りA、または大当りCに当選した場合の大当り遊技において第2大入賞口51が上記短開放よりも長時間開放(長開放)されることにより遊技球がV領域53を通過可能な4R目のラウンド遊技のことをV長ラウンド遊技ということにする。また、以下では、V領域53を遊技球が通過することをV入賞といい、上記したV長ラウンド遊技が行われるラウンドを単にVラウンドということがある。また、上記では、V長ラウンド遊技およびV短ラウンド遊技は、大当り遊技における4R目のラウンド遊技として実行されるものとしたが、これに限られるものではなく、どのラウンド遊技として実行されるものであってもよいし、また、1回のラウンド遊技に限らず複数回のラウンド遊技として実行されるものとしてもよい。
以上のように、図5の(3)に示すように、大当りA、大当りCでは、賞球を獲得可能なラウンド遊技として、それぞれ、V長ラウンド遊技を含む計4回(4R)、15回(15R)のラウンド遊技が実行され、V長ラウンド遊技中に遊技球がV領域53を通過可能であるため、V領域53を遊技球が通過することにより、大当り遊技後は、70回転まで高確状態で制御される。一方、大当りBでは、V短ラウンド遊技を含む計4回(4R)のラウンド遊技が実行されるが、V短ラウンド遊技では実質的に遊技球は第2大入賞口51に殆ど入らないため、賞球を獲得可能な実質的なラウンド遊技としては、V短ラウンド遊技を除く計3回(3R)のラウンド遊技が実行され、V短ラウンド遊技中に遊技球がV領域53を通過困難であるため、V領域53を遊技球が通過しないことにより、大当り遊技後は、低確状態で制御される。なお、以下では、V長ラウンド遊技が実行される(つまり、原則として大当り遊技後に高確状態に制御される)大当りA、大当りCのことを、まとめて連続大当りといい、V長ラウンド遊技が実行されない(つまり、原則として大当り遊技後に高確状態に制御されない)大当りBのことを単発大当りということがある。また、図5の(1)、(2)からわかるように、第2始動口22への遊技球入賞による大当り内訳において、大当り遊技後に制御される遊技状態が有利な状態(高確状態)となる連続大当りの割合(100%)は、第1始動口21への遊技球入賞による大当り内訳における連続大当りの割合(75%)よりも高い。また、第2始動口22への遊技球入賞による大当りのラウンド数(実質ラウンド数)の期待値は、第1始動口21への遊技球入賞による大当りのラウンド数の期待値よりも高い。このように、本実施形態では、第2特別図柄抽選に当選した場合の利益度合は、第1特別図柄抽選に当選した場合の利益度合よりも大きくなっている。
なお、上記した大当りA〜Cに基づく大当り遊技が行われる場合には、右打ちされた遊技球が入賞可能な第2大入賞口51が開放されるため、右打ちを行うべきときであることを示すように、右打ち表示器4hが点灯表示される。
[本実施形態における小当り遊技の概要]
次に、本実施形態において特別図柄抽選で小当りしたときの小当り遊技の概要について説明する。本実施形態では、第2特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合(つまりハズレである場合)に、所定の高確率(例えば1/1.6)で当選する「小当り」を設けている。この「小当り」に当選した場合には、小当り遊技として、第1大入賞口23が所定の短期間(1.0秒間×1回)開放制御される。ところで、第2特別図柄抽選が始動するのは、第2始動口22に遊技球が入賞したときであり、したがって右打ちが行われているときである。このため、遊技者が右打ちを行っているときには、第2特別図柄抽選によって小当りが頻発し、右打ちされた遊技球の流下経路上にある第1大入賞口23が短期間開放され、その間に所定数(1〜2個程度)の遊技球が入賞することにより、所定数(10〜20個程度)の賞球を獲得可能となる。なお、1回の小当りで第1大入賞口23が開放される期間は、1回の大当りで第2大入賞口51が開放される期間に比べると極めて短いため、1回の小当りで獲得可能な賞球数は少ないが、小当りは大当りよりも極めて高確率で発生するため、右打ち中には小当りによる賞球を頻繁に獲得可能となる。以上のように、本実施形態では、右打ち中において、大当りに当選しないとき(ハズレ)であっても頻繁に発生する小当りによって遊技球を増やすことができるというゲーム性を備えるものである。このため、左打ちのときには小当りは発生しないものとし、第1特別図柄抽選では小当りに当選しないもの(小当り確率が0である)としている。
[本実施形態における遊技システムの概要]
ここで、本実施形態における遊技システムの概要について説明する。前述したように、本実施形態では、電サポ状態が設けられていないため、高確状態であっても通常状態であっても同じ条件で第2始動口22へ遊技球を入賞させる(つまり、第2特別図柄抽選を始動させる)ことが可能である。しかし、詳細は後述の説明によって明らかとなるが、本実施形態では、第2特別図柄抽選に基づく変動時間(第2特別図柄の変動時間)が、通常状態のときには高確状態のときに比べて極めて長い時間(例えば、10分間)に設定されている。このため、通常状態において右打ちを行うことによって第2特別図柄抽選を始動させても、当該抽選が終了するまでに極めて長い時間を要し、遊技効率が極めて低下する。したがって、通常状態においては、遊技者は左打ちを行うことによって第1特別図柄抽選を始動させることが推奨される。このため、通常状態においては、右打ちを行うべきではない(左打ちを行うべき)ときであることを示すように、右打ち表示器4hが消灯表示される。通常状態において第1特別図柄抽選を始動させて、大当りBに当選した場合には、大当り遊技後には再度通常状態で制御される一方、大当りAに当選すると、大当り遊技後には高確状態で制御される。高確状態においては、第2特別図柄抽選に基づく変動時間は、通常状態における第1特別図柄抽選に基づく変動時間と同等である(またはより短い)ため、遊技者が右打ちを行うことによって第2特別図柄抽選を始動させても、遊技効率が低下するということはない。また、前述したように、第2特別図柄抽選に当選した場合の利益度合は、第1特別図柄抽選に当選した場合の利益度合よりも大きくなっており、かつ、第1特別図柄抽選では小当りは設けられていないのに対して、第2特別図柄抽選では小当りが頻発するように、小当り確率が高確率(1/1.6)に設定されている。このため、第2特別図柄抽選を始動させる方が遊技者にとって有利であり、したがって、高確状態においては、遊技者は右打ちを行うことによって第2特別図柄抽選を始動させることが推奨される。このため、高確状態においては、右打ちを行うべきときであることを示すように、右打ち表示器4hが点灯表示される。また、上記したように、原則として、高確状態において右打ちが行われているとき(右打ちを行うべきとき)に小当りが発生し、詳細は後述するが、小当り遊技中においては、遊技状態(高確状態)は切り替わらない。このため、小当り遊技が行われるときには、高確状態であることに基づいて、右打ち表示器4hが継続して点灯表示されることにより、右打ちを行うべきときであることが示される。高確状態において第2特別図柄抽選を始動させて大当りAまたは大当りCに当選すると、大当り遊技後には再度高確状態に制御される一方、規定の70回転の高確状態において大当りしなかった場合には、低確状態に制御されることで再び左打ちを行うことが推奨される。なお、規定の70回転の高確状態において大当りしなかった場合でも、小当りに当選することが多く、小当りに伴って規定期間(1.0秒間×1回)開放される第1大入賞口23に遊技球を入賞させることによって賞球を獲得可能であるため、遊技球を増加させることが可能となる。以上が、本実施形態における原則的な遊技システムである。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図7を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図7のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスが可能となり、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図9参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図10参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図8参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、各種の初期値乱数を更新し(カウントアップし)、処理はステップS914に移る。ここで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図10参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図10参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図7参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図10参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当りを発生させる大当り乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図8は、図7のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図8のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図7のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図7のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図9は、図7のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図9のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図7のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図10は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、および各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図15のステップS4072の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。なお、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて第1画像表示部6a等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば、装飾図柄が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄が停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される装飾図柄の変動演出や、装飾図柄の変動表示中に実行され、大当りか否かを示唆するリーチ演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)等である。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図15のステップS4073の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば変動パターン乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを異なる範囲に設定することで、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図13を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113からの出力信号に基づいて、役連作動ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。なお、本実施形態では、役連作動ゲート25への遊技球の通過は、第2大入賞口51が開放される契機としても機能するため、ゲートスイッチ113からの出力信号は、後述するステップS6の大入賞口処理においても用いられる。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図14を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。なお、本実施形態では、遊技状態(低確状態/高確状態)にかかわらず、CPU101は、普通図柄を変動表示させてから停止表示させる普通図柄変動時間を、例えば2.0秒に設定する。また、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)は、遊技状態(低確状態/高確状態)にかかわらず、例えば9/10に設定されている。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)に、第2大入賞口開閉部118を制御して第2大入賞口51に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図23〜図26を参照して後に詳述する。なお、ステップS4の特別図柄処理で小当りに当選したと判定された場合(小当りした場合)には、CPU101は、第1大入賞口開閉部115を制御して第1大入賞口23に所定の開閉動作を行わせる。この処理によって、小当り遊技が進行され、遊技者は少量ではあるが賞球を獲得可能となる。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、遊技状態(低確状態/高確状態)にかかわらず、電動チューリップ27を所定期間(例えば1.0秒間×1回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は払出制御部300へ出力する。
[制御時間カウント処理について]
ここで、図10を用いて上述したタイマ割り込み処理では説明を省略したが、このタイマ割り込み処理において、CPU101は、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する特別図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「特図ゲームカウント処理」という)、および、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普通図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「普図ゲームカウント処理」という)を実行する。特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理は、例えば、図10のステップS7の処理とステップS8の処理との間に、順番に実行される。なお、特別図柄ゲームは、始動口(21又は22)への遊技球の入賞を待機し、遊技球が入賞したことに応じて特別図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、特別図柄抽選に当選した場合には大当り遊技を実行するゲームである。また、普通図柄ゲームは、役連作動ゲート25への遊技球の通過を待機し、遊技球が通過したことに応じて普通図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、普通図柄抽選に当選した場合には電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)を実行するゲームである。
以下では、まず、特図ゲームカウント処理について説明する。図11は、特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理を実行する際に使用されるデータ、および、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明するための図である。
図11の(1)は、特別図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(「特図側設定データ」という)の種類を示している。特図側設定データは、特別図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この特別図柄ゲームの各期間(時間)には、図11の(1)に示すように、「始動口入賞待ち中」と、「特別図柄変動表示中」と、「特別図柄停止表示中」と、「オープニング表示中」と、「ラウンド中」と、「大入賞口有効期間中」と、「エンディング表示中」とが含まれる。
「始動口入賞待ち中」は、始動口入賞が有ると即時にこの始動口入賞に係る特別図柄抽選を実行して特別図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、大当り遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「特別図柄変動表示中」は、始動口入賞に応じて特別図柄抽選を実行して表示器4に特別図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「特別図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた特別図柄を特別図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「オープニング表示中」は、特別図柄抽選に当選して(あるいは、小当りに当選して)第1画像表示部6a等に大当り遊技(あるいは小当り遊技)が開始したことを報知するオープニング演出を表示している状態(期間)である。「ラウンド中」は、大当り遊技において第2大入賞口51が開放されるラウンド(ラウンド遊技)を実行している状態(期間)である。なお、説明の便宜上、小当り遊技において第1大入賞口23が開放される期間も、同様に「ラウンド中」であるものとする。「大入賞口有効期間中」は、各ラウンドの直後に配置され、ラウンドが終了して第2大入賞口51が閉鎖されたにもかかわらず遊技球の第2大入賞口51への入賞を有効と認める期間であり、これによって、いわゆるオーバー入賞が認められることとなる。なお、説明の便宜上、小当り遊技において第1大入賞口23が閉鎖されたにもかかわらず遊技球の第1大入賞口23への入賞を有効と認める期間も、同様に「大入賞口有効期間中」であるものとする。なお、ラウンド中の期間および大入賞口有効期間を除く期間においては、遊技球の第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞は有効と認められない。「エンディング表示中」は、第1画像表示部6a等に大当り遊技が終了することを報知するエンディング演出を表示している状態(期間)である。
図11の(1)に示すように、例えば、特図側設定データ「00H」は「始動口入賞待ち中」であることを設定するデータであり、例えば、特図側設定データ「01H」は「特別図柄変動表示中」であることを設定するデータである。なお、これらの特図側設定データは、ROM102に記憶されている。
図11の(3)は、RAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。図11の(3)に示すように、RAM103の記憶エリアには、カウント対象時間設定エリア10と、時間カウントエリア11と、単純変動表示用時間カウントエリア12とが含まれている。カウント対象時間設定エリア10は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10A(「エリア10A」という)と、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10B(「エリア10B」という)とから成る。時間カウントエリア11は、特別図柄ゲーム側の時間カウントエリア11A(「エリア11A」という)と、普通図柄ゲーム側の時間カウントエリア11B(「エリア11B」という)とから成る。単純変動表示用時間カウントエリア12は、特別図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12A(「エリア12A」という)と、普通図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12B(「エリア12B」という)とから成る。
エリア11Aは、上記した特別図柄ゲームの各期間(「特別図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Aは、図11の(1)を用いて説明した特図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Aで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Aは、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。なお、上記の7セグ表示の3つの表示態様は、例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、7つのセグ全てが消灯した表示態様である。
CPU101は、エリア10Aに特図側設定データを書き込むことでエリア11Aによる計測対象の期間(時間)の種類を設定すると共に、エリア11Aに計測する時間データを書き込み、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア11Aの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11A)を順番に用いて特別図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Aで特別図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Aに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア12Aの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に特別図柄の表示態様を切替える。これにより、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様が48ミリ秒毎に順番に切替わって循環表示されることとなる。
なお、図11の(3)では、一例として、エリア10Aに「01H」が書き込まれていることによって、エリア11Aにおいて特別図柄変動表示の時間経過が計測されることを設定している。また、図11の(3)のエリア11Aには、一例として、時間を示す値「2500」が書き込まれているが、この値は図10のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「2500」は10.000秒を示している。また、図11の(3)のエリア12Aには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図10のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
以上のように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図11の(3)の11A参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(特別図柄変動表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算負荷を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図11の(3)の11A参照)とは別のタイマ機能(図11の(3)の12A参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
図12は、特別図柄変動表示の時間をエリア11Aに設定するために用いられる変動時間テーブルの概念図の一例である。この変動時間テーブルは、ROM102に記憶されており、RAM103に読み出されて使用される。図12に示すように、変動時間テーブルは、変動パターンの識別番号と、基本変動時間(秒)を示すデータと、加算変動時間(秒)を示すデータとから成る。変動パターンの識別番号は、図16〜図19を用いて後述する変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1、およびHT2−2に含まれる変動パターンを識別するための番号である。基本変動時間は、変動パターン(つまり、特別図柄変動時間)を構成する基本の変動時間である。加算変動時間は、変動パターンを構成する加算される変動時間である。基本変動時間と加算変動時間とを加算した時間が、変動パターンである。例えば、識別番号1に対応する変動パターンは、基本変動時間40秒に加算変動時間0.02秒を加算した40.02秒であり、例えば、識別番号7に対応する変動パターンは、基本変動時間8秒である。なお、図12では変動パターンの一例を表示しているに過ぎず、全ての変動パターンを表示しているものではない。
CPU101は、図11の(3)のエリア11Aで特別図柄変動表示の時間を計測する場合には、後述する図15のステップS4073の処理で決定された変動パターンに対応する時間データ(「秒」の時間を示すデータ)を、RAM103の変動時間テーブル(図12参照)から読み出して、読み出した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期で実行される時間計測処理に適応する時間データに変換し、変換した時間データをRAM103のエリア11Aに書き込む。例えば、識別番号1に対応する変動パターン「40.02秒」を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間40秒および加算変動時間0.02秒を示す時間データを読み出して加算し、この加算した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「10005」に変換し、変換した時間データ「10005」をRAM103のエリア11Aに書き込む。なお、図12の変動時間テーブルの横には、参考のために、250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応させた時間データを記載しているが、250を乗算すると自然数ではなくなるものは(括弧書きの値を参照)、四捨五入により自然数に調整して処理している。
以上のように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの変動パターン(特別図柄変動時間)を示す時間データを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ;図12の基本変動時間の部分を参照)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ;図12の変動時間テーブルの右横の部分を参照)に変換する。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを1バイト以下のデータ量に押さえられる場合がある(例えば、図12の識別番号6〜10)ので、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間40.02秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている(図12参照)。ここで、図12では、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、説明の便宜上、同じ時間データ値を変動パターン毎にそれぞれ記載しているが、実際にはこのテーブルにおいて同じ時間データ値は、重複して記憶されず、1つだけ記憶されている。例えば、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、0.02秒の時間データ値は、図12では説明の便宜上2つ記載しているが、実際は1つだけ記憶されている。このことから、本実施形態によれば、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンを10個とした(図12参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンは1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用メモリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
次に、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普図ゲームカウント処理について、図11を用いて説明する。
図11の(2)は、普通図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「普図側設定データ」という)の種類を示している。普図側設定データは、普通図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この普通図柄ゲームの各期間(時間)には、図11の(2)に示すように、「ゲート通過待ち中」と、「普通図柄変動表示中」と、「普通図柄停止表示中」と、「電チュー開閉制御中」と、「第2始動口有効期間中」とが含まれる。
「ゲート通過待ち中」は、役連作動ゲート25を遊技球が通過すると即時にこの通過に係る普通図柄抽選を実行して普通図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、電動チューリップ27の開閉制御中(電チューの開放遊技中)ではなく、後述する第2始動口有効期間中ではなく、普通図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「普通図柄変動表示中」は、遊技球の役連作動ゲート25通過に応じて普通図柄抽選を実行して表示器4に普通図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「普通図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた普通図柄を普通図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「電チュー開閉制御中」は、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)が実行されている状態(期間)である。「第2始動口有効期間中」は、電動チューリップ27の開閉制御が終了した直後の所定期間について例外的に第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める期間である。なお、電動チューリップ27の開閉制御中は、一律に(つまり、電動チューリップ27が閉塞状態であっても)第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められ、電動チューリップ27の開閉制御中および第2始動口有効期間を除く期間には、第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められない。
図11の(2)に示すように、例えば普図側設定データ「00K」は「ゲート通過待ち中」であることを設定するデータである。また、普図側設定データはROM102に記憶されている。
以下、図11の(3)を参照して説明する。エリア11Bは、上記した普通図柄ゲームの各期間(「普通図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Bは、図11の(2)を用いて説明した普図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Bで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Bは、普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様(マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を48ミリ秒毎に切替えて交互表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。
CPU101は、エリア10Bに普図側設定データを書き込むことでエリア11Bによる計測対象の期間の種類を設定すると共に、エリア11Bに計測する時間データを書き込み、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア11Bの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11B)を順番に用いて普通図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Bで普通図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Bに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図10のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア12Bの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に普通図柄の表示態様を切替える。これにより、普通図柄表示器4eに普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様が48ミリ秒毎に切替わって交互表示されることとなる。
以上のことから、本実施形態によれば、既に説明した特図ゲームカウント処理と同様の効果を、普図ゲームカウント処理においても実現できる。
なお、以上に説明した特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する構成において、大当り遊技(または小当り遊技)の制御において大入賞口有効期間の直後に第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞を有効とみなさない大入賞口休止期間を設けてもよい。
また、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示とを並行して実行可能な制御構成にして、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第1特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つのタイマ機能を用いて計測し、一方で、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第2特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つの他のタイマ機能を用いて計測してもよい。
また、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの一連の制御時間をそれぞれ1つのタイマ機能を用いて計測する際に、計測対象時間の経過を、「減算」処理ではなく、「加算」処理によって計測する構成としてもよい。この場合、例えば、特別図柄ゲーム側のタイマ(11A)の値が、計測対象時間(例えば、特別図柄停止表示の時間0.5秒)を示す時間データの値「125」に到達したか否かを判定する制御となる。
また、上記したように図12の加算変動時間の部分のテーブルにおいて同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶することに加えて、図12の基本変動時間の部分のテーブルにおいても同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶する構成にして、使用メモリ領域抑制の効果を更に高めてもよい。
また、以上に説明した方法により、演出制御部400等によって実行される各種演出の実行時間を計測してもよい。
以上で、制御時間カウント処理についての説明を終わる。
[始動口スイッチ処理]
図13は、図10のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10のステップS2における始動口スイッチ処理について、図13を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの出力信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図14のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図15のステップS4072及びステップS4073の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図10のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図14のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図15のステップS4072及びステップS4073の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図10のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図10のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図14は、図10のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図14を参照して、図10のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(後述する大当り遊技フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)または小当り遊技中であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中または小当りに当選した場合の小当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、中断している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示があるか否かを判定する。なお、本実施形態では、所定の条件が成立すると第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が中断されるが、この詳細については、図21に示す特別図柄変動終了処理において後述する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS403に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS404に移る。
ステップS403において、CPU101は、中断中の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を再開する。その後、処理はステップS404に移る。
ステップS404において、CPU101は、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の少なくとも一方が変動表示中であるか、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選)の少なくとも一方が保留されているか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中とは、特別図柄が所定の変動時間(後述するステップS4073の変動パターン選択処理によって選択される変動パターンにより決定される特別図柄変動時間)変動表示した後に停止図柄(特別図柄抽選の判定結果を示す判定図柄)が所定の確定時間(例えば既定の0.5秒間)停止表示される全体の期間内であることを示す。したがって、言い換えると、特別図柄の変動表示中とは、特別図柄が変動されている変動時間中または判定図柄が停止されている確定時間中であることを意味する。ステップS404での判定がYESの場合、処理はステップS405に移り、この判定がNOの場合(つまり、特別図柄が変動表示中ではなく、かつ、特別図柄抽選の保留もない場合)、処理はステップS415に移る。
ステップS405において、CPU101は、第1特別図柄表示器4aによる特別図柄(第1特別図柄)の変動表示中であるか否かを判定する。なお、特別図柄の変動表示中とは、前述したように、特別図柄(第1特別図柄)が変動されている変動時間中または判定図柄が停止されている確定時間中を示す。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS408に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS406に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS406での判定がYESの場合、処理はステップS407に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS408に移る。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示を開始する特別図柄変動開始処理を実行する。なお、ステップS407の処理が行われるためには、大当り遊技中または小当り遊技中ではなく(ステップS401でNO)、かつ、第1特別図柄の変動表示中ではなく(ステップS405でNO)、かつ、第1特別図柄抽選の保留がある(ステップS406でYES)という条件が成立することが必要となるが、この条件(第1特別図柄の変動表示が開始されるための条件)を第1始動条件という。また、この特別図柄変動開始処理については、図15を参照して後述する。その後、処理はステップS408に移る。
ステップS408において、CPU101は、第2特別図柄表示器4bによる特別図柄(第2特別図柄)の変動表示中であるか否かを判定する。なお、特別図柄の変動表示中とは、前述したように、特別図柄(第2特別図柄)が変動されている変動時間中または判定図柄が停止されている確定時間中を示す。ステップS408での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS409での判定がYESの場合、処理はステップS410に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS411に移る。
ステップS410において、CPU101は、特別図柄(第2特別図柄)の変動表示を開始する特別図柄変動開始処理を実行する。なお、ステップS410の処理が行われるためには、大当り遊技中または小当り遊技中ではなく(ステップS401でNO)、かつ、第2特別図柄の変動表示中ではなく(ステップS408でNO)、かつ、第2特別図柄抽選の保留がある(ステップS409でYES)という条件が成立することが必要となるが、この条件(第2特別図柄の変動表示が開始されるための条件)を第2始動条件という。また、この特別図柄変動開始処理については、図15を参照して後述する。その後、処理はステップS411に移る。
なお、以上のステップS404〜410の処理からわかるように、第1特別図柄が変動表示中であっても第2始動条件が成立すると第2特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄が変動表示中であっても第1始動条件が成立すると第1特別図柄の変動表示が開始される。つまり、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示は互いに独立して実行されるため、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とは並行して実行されることになる。また、前述したように、本実施形態では、通常状態であっても高確状態であっても第2始動口22への入賞確率は変わらないが、第2特別図柄抽選に基づく変動時間(第2特別図柄の変動時間)は、通常状態のときには高確状態のときに比べて極めて長い時間(例えば、10分間)に設定されている。このため、通常状態においては第2始動条件よりも第1始動条件が成立し易く、高確状態においては第1始動条件よりも第2始動条件が成立し易くなっている。
[特別図柄変動開始処理]
ここで、図15を参照して、ステップS407とステップS410における特別図柄変動開始処理について説明する。図15は、図14のステップS407、ステップS410の特別図柄変動開始処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS4071において、CPU101は、ステップS406の処理に続いて特別図柄変動開始処理を行うときには、RAM103に格納されている図13のステップS204によって取得されて格納された第1特別図柄抽選の乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出し、ステップS409の処理に続いて特別図柄変動開始処理を行うときには、RAM103に格納されている図13のステップS210によって取得されて格納された第2特別図柄抽選の乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出す。その後、処理はステップS4072に移る。
ステップS4072において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、CPU401は、ステップS4071の処理においてRAM103から第1特別図柄抽選の乱数セットを読み出したときには、読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、CPU401は、ステップS4071の処理においてRAM103から第2特別図柄抽選の乱数セットを読み出したときには、読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。ただし、CPU101は、大当りと判定された第1特別図柄抽選に基づいて第1特別図柄が変動表示されているときには、読み出した第2特別図柄抽選の乱数セットにかかわらず第2特別図柄抽選の結果がハズレであると判定する。同様に、CPU401は、大当りと判定された第2特別図柄抽選に基づいて第2特別図柄が変動表示されているときには、読み出した第1特別図柄抽選の乱数セットにかかわらず第1特別図柄抽選の結果がハズレであると判定する。すなわち、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選が並行して実行されても、いずれか一方が先に大当りと判定されると、他方は必ずハズレと判定され、両者がともに大当りと判定されることはない。
また、ステップS4072において、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄(小当りの場合には小当りを表す小当り図柄)を、設定情報における特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS4073に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS4073において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、CPU101は、低確状態(通常状態)のときには、図16及び図17に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、高確状態のときには、図18及び図19に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、低確状態(通常状態)のときに、図16及び図17に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図16は、低確状態(通常状態)においてステップS4072の処理で第1特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図17は、低確状態(通常状態)においてステップS4072の処理で第2特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[低確状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図16を用いて、低確状態(通常状態)においてステップS4072の処理で第1特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、大当りの種類を表す大当り図柄の情報(大当りAまたは大当りB)と、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の結果が「大当りA」であると判定した場合、ステップS4072の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当りA」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「220」である場合、HT1−1の「大当りA」の部分の変動パターン「90.02秒」に割り振られた乱数値「212〜298」に一致するので、変動パターンとして「90.02秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当りA」の部分の変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「90.01秒」、「90.02秒」、および「90.00秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチ当り」、「SP当り」、「通常SPSP当り」、「特別SPSP当り」、および「プレミア当り」に対応する。また、「リーチ当り」はリーチが成立した後に大当りするタイプであり、「SP当り」は最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「通常SPSP当り」、「特別SPSP当り」は最終的に各種SPSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「プレミア当り」は、プレミア演出(例えば全回転演出)が実行されて大当りを確定報知するタイプである。なお、本実施形態では、「特別SPSP当り」では、SPSPリーチ演出として、「通常SPSP当り」では実行されない特定の演出(本実施形態では実写リーチ演出)が実行されてから大当りが報知される。
なお、リーチ(リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄のうち最後に停止される装飾図柄が、特定の図柄で停止表示されると、すでに停止中の他の図柄と合わせて特定の図柄パターンに一致することで大当りとなることを期待させる演出であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄が同じ図柄(例えば7)で停止しており、最後に停止される中央の装飾図柄が、同じ図柄(例えば7)で停止する(つまり、ゾロ目777となる)ことを期待させて変動表示される演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公キャラクタがミニゲームを行う動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公キャラクタが敵キャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果が「大当りB」であると判定した場合、ステップS4072の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当りB」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「220」である場合、HT1−1の「大当りB」の部分の変動パターン「90.01秒」に割り振られた乱数値「10〜298」に一致するので、変動パターンとして「90.01秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当りB」に対応する変動パターンには、「大当りA」に対応する変動パターンと同様に、報知演出の演出パターンのタイプが「リーチ当り」、「SP当り」、「通常SPSP当り」、および「プレミア当り」にそれぞれ対応する、変動パターン「15.01秒」、「40.01秒」、「90.01秒」、「90.00秒」が割り当てらているが、「大当りA」に対応する変動パターンとは異なり、「特別SPSP当り」に対応する変動パターン「90.02秒」が割り当てられていない。このため、低確状態において第1特別図柄抽選で大当りしたときに、「特別SPSP当り」に対応する変動パターン「90.02秒」が決定されると(つまり、SPSPリーチ演出として、特定の演出(本実施形態では実写リーチ演出)が実行されてから大当りが報知されると)、「大当りA」に当選していることになる。
また、ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであると判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS4072の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS4072の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチの成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS4072の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「220」である場合、変動パターン「40.02秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「200〜269」に含まれるので、変動パターンとして「40.02秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.02秒」、「40.02秒」、「90.03秒」、および「90.04秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチハズレ」、「SPハズレ」、「通常SPSPハズレ」、および「特別SPSPハズレ」に対応する。また、「リーチハズレ」はリーチが成立した後にハズレるタイプであり、「SPハズレ」は最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「通常SPSPハズレ」、「特別SPSPハズレ」は最終的に各種SPSPリーチに発展した後にハズレるタイプである。なお、本実施形態では、「特別SPSPハズレ」では、SPSPリーチ演出として、「通常SPSPハズレ」では実行されない特定の演出(本実施形態では実写リーチ演出)が実行されてからハズレが報知される。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図16に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、低確状態(通常状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図16に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当りA」または「大当りB」の部分から分かるように、大当りの場合には、「リーチ当り」、「SP当り」、「SPSP当り(特別SPSP当りまたは通常SPSP当り)」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「リーチハズレ」、「SPハズレ」、「SPSPハズレ(特別SPSPハズレまたは通常SPSPハズレ)」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「リーチ演出」、「SPリーチ演出」、「SPSPリーチ演出(通常SPSPリーチ演出または特別SPSPリーチ演出)」の順で大当り信頼度が高くなる。また、特別図柄変動時間の長さの観点で見れば、特別図柄変動時間が長いほど大当りの信頼度が高い演出が実行されることがわかる。なお、プレミア演出が実行される「プレミア当り」は、大当りの場合にのみ選択されるため、「プレミア当り」は、大当りを確定報知する演出パターンのタイプであることがわかる。
[低確状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図17を用いて、低確状態(通常状態)においてステップS4072の処理で第2特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第2特別図柄抽選の結果が大当り(大当りAまたは大当りC)であると判定した場合には、変動パターン乱数等にかかわらず、変動パターン「60.00秒」を決定する。ここで、変動パターン「60.00」秒は、報知演出の演出パターンのタイプ「低確特殊当り」に対応し、「低確特殊当り」は、低確状態において第1画像表示部6a上で、大当りであることを報知する大当り報知演出が実行されず、あるいは、特殊な大当り報知演出(後述する入替演出)が実行される、例外的な報知演出のタイプである。また、本実施形態では、第2特別図柄抽選では小当りが設けられている。したがって、ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第2特別図柄抽選の結果が小当りであると判定した場合には、変動パターン乱数等にかかわらず、変動パターン「600.00秒」を決定する。ここで、変動パターン「600.00」秒は、報知演出の演出パターンのタイプ「低確特殊小当り」に対応し、「低確特殊小当り」は、低確状態において第1画像表示部6a上で、小当りであることを報知する小当り報知演出が実行されない例外的な報知演出のタイプである。一方、ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであると判定した場合には、変動パターン乱数等にかかわらず、変動パターン「600.01秒」を決定する。ここで、変動パターン「600.01」秒は、報知演出の演出パターンのタイプ「低確特殊ハズレ」に対応し、「低確特殊ハズレ」は、低確状態において第1画像表示部6a上で、ハズレであることを報知するハズレ報知演出が実行されない例外的な報知演出のタイプである。
以上に図17に示す変動パターン決定テーブルHT1−2を用いて説明したように、低確状態(通常状態)において第2特別図柄抽選でハズレた場合(小当りも含む)には、極めて長い特別図柄変動時間(約600秒)が設定される。また、低確状態(通常状態)では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率(例えば1/150)であるため、低確状態において第2特別図柄抽選が実行されると、極めて高確率で長時間の特別図柄変動時間(約600秒、すなわち10分)が設定されることになる。このため、通常状態において右打ちを行うことによって第2特別図柄抽選を始動させても、当該抽選が終了するまでに極めて長い時間を要し、遊技効率が極めて低下する。したがって、通常状態においては、遊技者は左打ちを行うことによって第1特別図柄抽選を始動させることが推奨される。
次に、高確状態のときに、図18及び図19に示すHT2−1及びHT2−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図18は、高確状態においてステップS4072の処理で第1特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図19は、高確状態においてステップS4072の処理で第2特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[高確状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図18を用いて、高確状態においてステップS4072の処理で第1特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果が大当り(大当りAまたは大当りB)であると判定した場合には、変動パターン乱数等にかかわらず、変動パターン「360.00秒」を決定する。ここで、変動パターン「360.00」秒は、報知演出の演出パターンのタイプ「高確特殊当り」に対応し、「高確特殊当り」は、高確状態において第1画像表示部6a上で、大当り報知演出が実行されない例外的な報知演出のタイプである。一方、ステップS4073において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであると判定した場合には、変動パターン乱数等にかかわらず、変動パターン「5.00秒」を決定する。ここで、変動パターン「5.00」秒は、報知演出の演出パターンのタイプ「高確特殊ハズレ」に対応し、「高確特殊ハズレ」は、高確状態において第1画像表示部6a上で、ハズレ報知演出が実行されない例外的な報知演出のタイプである。
ところで、前述したように、高確状態においては右打ちが推奨されるため、高確状態においては原則的に第2特別図柄抽選のみが実行されることになるが、本実施形態においては第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選が並行して実行されるため、高確状態になる前に(右打ちが行われる前に)第1特別図柄抽選の保留が残存していた場合には、高確状態においても第1特別図柄抽選が実行されることがある。しかし、図18に示す変動パターン決定テーブルHT2−1を用いて説明したように、高確状態において第1特別図柄抽選が実行される場合には、ハズレのときには、一律に短時間の特別図柄変動時間(5.00秒)が設定される。このため、高確状態において第1特別図柄抽選の保留が残存していた場合であっても、比較的短時間で第1特別図柄抽選の保留が消化され、以降は第2特別図柄抽選のみを実行することが可能となる。なお、高確状態において第1特別図柄抽選で大当りする場合には、一律に比較的長時間の特別図柄変動時間(360.00秒)が設定されることにしているが、これに限られるものではなく比較的短時間の特別図柄変動時間が設定されるものとしてもよい。
[高確状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図19を用いて、高確状態においてステップS4072の処理で第2特別図柄抽選に対する大当り判定が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS4073において、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図19に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図19に示すように、HT2−2は、図16に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わり、「大当りA」が「大当りC」に置き換わり、「大当りB」が「大当りA」に置き換わり、「小当り」の変動パターンが設けられている。つまり、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮され、「大当りA」に対応する変動パターンでは、「大当りC」に対応する変動パターンとは異なり、「特別SPSP当り」に対応する変動パターン「90.02秒」が割り当てられていない。このため、高確状態において第2特別図柄抽選で大当りしたときに、「特別SPSP当り」に対応する変動パターン「90.02秒」が決定されると(つまり、SPSPリーチ演出として、特定の演出(本実施形態では実写リーチ演出)が実行されてから大当りが報知されると)、「大当りC」に当選していることになる。また、小当りの場合には、第2特別図柄抽選の保留数と、変動パターン乱数とに依存して、変動パターン「9.00秒」、「5.00秒」、「3.00秒」のいずれかが決定される。具体的には、図19に示すように、第2特別図柄抽選の保留数が少ない(保留数「1」)ほど、長い変動時間の変動パターン(「9.00秒」)が決定され易く、第2特別図柄抽選の保留数が多くなる(保留数「2〜4」)と、短い変動時間の変動パターン(「3.00秒」)が決定され易くなる。なお、変動パターン「9.00秒」、「5.00秒」、「3.00秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「小当り」に対応し、これは、リーチの成立がなく小当りしたことを報知する小当り報知演出が実行される報知演出のタイプである。また、ハズレの場合には、図19に示すように、HT2−2では、HT1−1と同様に、第2特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易いが、HT1−1とは異なり、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
なお、図16と図19からわかるように、特別図柄抽選の保留数が「2〜4」の場合には、高確状態において第2特別図柄抽選でハズレた場合には、低確状態において第1特別図柄抽選でハズレる場合よりも、短い変動パターンが決定され易い。このため、高確状態において推奨される右打ちの実行中には、第2特別図柄抽選の保留が増えると高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行可能としている。
なお、図16〜図19を参照して説明した変動パターンは一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば、HT1−1(図16参照)とHT2−2(図19参照)では、説明を簡単にするために、同種の変動パターンが用いられるものとしたが、HT2−2では、HT1−1では用いられない種々の変動パターンが用いられるものとしてもよい。また、高確状態が終了したときには、第2特別図柄抽選として最大4つの保留が残存している場合があるため、低確状態に移行後に第2特別図柄抽選が最大4回実行される可能性がある。このため、高確状態から移行した低確状態においては、移行後に第2特別図柄が4回変動されてから停止表示されるまでの間は、図17に示すHT1−2に基づいて変動パターンが決定されるのではなく、ハズレ(および小当り)に対応した変動パターンがより短く(例えば5.0秒に)設定されるものとしてもよい。このようにすることで、低確状態に移行した後に、第2特別図柄が長時間(具体的には最大40分間)変動しているという状況を回避することができる。
以上のようにしてステップS4073において決定された大当りか否かの情報、大当りの種類、小当りか否かの情報、変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS4074に移る。
説明は図15に戻り、ステップS4074において、CPU101は、ステップS4072の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS4073の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、第1画像表示部6a、第2画像表示部6b、およびスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報や大当りの種類を表す大当り図柄の情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、高確状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図10のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。また、CPU101は、ステップS4071の処理においてRAM103から第1特別図柄抽選の乱数セットを読み出したときには、読み出した第1特別図柄抽選の乱数セットをRAM103から削除し、RAM103に記憶されている保留数U1を1減算した値に更新する。また、CPU101は、ステップS4071の処理においてRAM103から第2特別図柄抽選の乱数セットを読み出したときには、読み出した第2特別図柄抽選の乱数セットをRAM103から削除し、RAM103に記憶されている保留数U2を1減算した値に更新する。その後、処理はステップS4075に移る。
ステップS4075において、CPU101は、ステップS4074の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理は図14のステップS411に移る。
説明は図14に戻り、ステップS411において、CPU101は、確定前コマンドを送信するための確定前コマンド設定処理を実行し、その後、処理はステップS412に移る。
[確定前コマンド設定処理]
ここで、図20を参照して、ステップS411における確定前コマンド設定処理について説明する。図20は、図14のステップS411の確定前コマンド設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS4111において、CPU101は、高確フラグがONであるか否かを判定する。ここで、高確フラグは、「OFF」に設定されることにより遊技状態が低確状態で制御され、「ON」に設定されることにより遊技状態が高確状態で制御されるフラグであり、初期設定としては「OFF」に設定され、後述する図26のステップS6282の処理により「ON」に設定され、後述する図22のステップS4151の処理により「OFF」に設定される。ステップS4111での判定がYES(つまり、高確状態)の場合、処理はステップS4114に移り、この判定がNO(つまり、低確状態)の場合、処理はステップS4112に移る。
ステップS4112において、CPU401は、第2特別図柄表示器4bによる特別図柄(第2特別図柄)の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4112での判定がYESの場合、処理はステップS4113に移り、この判定がNOの場合、確定前コマンド設定処理は終了して、処理は図14のステップS412に移る。
ステップS4113において、CPU401は、変動表示中の第2特別図柄の変動表示が終了する所定時間前(例えば4.0秒前)であるか否か、すなわち、第2特別図柄の変動表示が開始されてからステップS4073の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間(低確状態であるため、図17に示す60.00秒、600.00秒、または600.01秒)が経過する所定時間前(例えば4.0秒前)であるか否かを判定する。ステップS4113での判定がYESの場合、処理はステップS4116に移り、この判定がNOの場合、確定前コマンド設定処理は終了して、処理は図14のステップS412に移る。
ステップS4114において、CPU401は、第1特別図柄表示器4aによる特別図柄(第1特別図柄)の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4114での判定がYESの場合、処理はステップS4115に移り、この判定がNOの場合、確定前コマンド設定処理は終了して、処理は図14のステップS412に移る。
ステップS4115において、CPU401は、変動表示中の第1特別図柄の変動表示が終了する所定時間前(例えば5.0秒前)であるか否か、すなわち、第1特別図柄の変動表示が開始されてからステップS4073の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間(高確状態であるため、図18に示す360.00秒または5.00秒)が経過する所定時間前(例えば4.0秒前)であるか否かを判定する。ステップS4115での判定がYESの場合、処理はステップS4116に移り、この判定がNOの場合、確定前コマンド設定処理は終了して、処理は図14のステップS412に移る。
ステップS4116において、CPU101は、確定前コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、確定前コマンドは、報知演出の終了を指示する図柄確定コマンドよりも前に(4.0秒前に)演出制御部400に通知されることによって、可動部7bによる可動演出(第2画像表示部6bが可動する演出)を制限するために用いられるコマンドである。なお、確定前コマンドには、第1特別図柄の変動が確定停止される前に送信される第1図柄確定前コマンドと、第2特別図柄の変動が確定停止される前に送信される第2図柄確定前コマンドとが含まれる。また、セットされた確定前コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。また、可動演出の制限の詳細については後述する。その後、確定前コマンド設定処理は終了して、処理は図14のステップS412に移る。
説明は図14に戻り、ステップS412において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS4073の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS412での判定がYESの場合、処理はステップS413に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS413において、CPU101は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を終了する特別図柄変動終了処理を実行し、その後、処理はステップS414に移る。
[特別図柄変動終了処理]
ここで、図21を参照して、ステップS413における特別図柄変動終了処理について説明する。図21は、図14のステップS413の特別図柄変動終了処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS4131において、CPU101は、第1画像表示部6a、第2画像表示部6b等による報知演出の終了を指示する図柄確定コマンド(報知演出停止コマンド)をRAM103にセットする。なお、図柄確定コマンドには、第1特別図柄の変動を確定停止させる第1図柄確定コマンドと、第2特別図柄の変動を確定停止させる第2特別図柄確定コマンドとが含まれる。また、セットされた図柄確定コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS4132に移る。
ステップS4132において、CPU101は、図15のステップS4075の処理で開始した第1特別図柄表示器4aまたは第2特別図柄表示器4bによる特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を終了する。なお、このステップS4132の処理によって特別図柄の変動表示が終了されると、その後、特別図柄抽選の判定結果を表す判定図柄が規定の確定時間(例えば、0.5秒)だけ停止表示される。その後、処理はステップS4133に移る。
ステップS4133において、CPU101は、ステップS4132の処理によって終了した特別図柄の変動表示が大当りまたは小当りを示すものであるか否かを判定する。ステップS4133での判定がYESの場合、処理はステップS4134に移り、この判定がNOの場合、特別図柄変動終了処理は終了して、処理は図14のステップS414に移る。
ステップS4134において、CPU101は、ステップS4132の処理によって変動表示が終了した特別図柄ではない他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、大当りまたは小当りを示す第1特別図柄の変動表示が終了したときには、そのとき第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し、大当りまたは小当りを示す第2特別図柄の変動表示が終了したときには、そのとき第1特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ステップS4134での判定がYESの場合、処理はステップS4135に移り、この判定がNOの場合、特別図柄変動終了処理は終了して、処理は図14のステップS414に移る。
ステップS4135において、CPU101は、ステップS4134の判定処理において変動表示中であると判定された特別図柄の変動表示を一時中断する。具体的には、特別図柄の変動表示は、変動が開始されてからの経過時間がステップS4073の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間に達するまで実行されるが、CPU101は、この経過時間の計測を一時中断する。なお、この中断した特別図柄の変動表示は、前述した図14のステップS403の処理が行われることにより再開されるが、中断した特別図柄の変動表示が再開されるときには、一時中断された経過時間の計測が再開される。したがって、例えば、特別図柄変動時間が13.50秒の特別図柄の変動表示が5.0秒実行された時点で一時中断された場合には、その後再開されると、残り8.5秒の変動表示が実行されることになる。その後、特別図柄変動終了処理は終了して、処理は図14のステップS414に移る。
なお、上記したステップS4133〜S4135の処理からわかるように、本実施形態では、大当りまたは小当りを示す特別図柄の変動表示が終了したときに他方の特別図柄が変動表示中であるときには、当該他方の変動表示は一時中断されることになる。なお、この一時中断された特別図柄の変動表示は、後述する図22のステップS4144の処理により強制確定停止されない場合には、前述した図14のステップS403の処理によって再開されることになる。
説明は図14に戻り、ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行し、その後、特別図柄処理を終了して、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[停止中処理]
ここで、図22を参照して、ステップS414における停止中処理について説明する。図22は、図14のステップS414の停止中処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、図22のステップS4141において、CPU101は、図14のステップS4072の大当り判定処理で大当りしたか(つまり、RAM103に大当りの種類を表す大当り図柄の情報が記憶されているか)否かを判定する。ステップS4141での判定がYESの場合、処理はステップS4142に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS4146に移る。
ステップS4142において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技演出を開始するための準備となる準備演出の開始を指示する情報等を含むオープニング準備コマンドをRAM103にセットする。なお、このオープニング準備コマンドは、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、これにより大当り遊技演出を開始するための準備となる準備演出が開始される。なお、本実施形態の準備演出は、大当り遊技演出を開始するために実行され、第2大入賞口51が開放される契機となる役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることを促す演出である。その後、処理はステップS4143に移る。
ステップS4143において、CPU101は、遊技状態を設定する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納された高確フラグを「OFF」に設定し、大当り遊技フラグを「ON」に設定する。ここで、大当り遊技フラグは、「ON」に設定されることにより大当り遊技中であることが示され、後述する図24のステップS627の処理により「OFF」に設定されることにより大当り遊技の終了が示される。また、CPU101は、右打ち表示器4hを点灯させる。なお、このステップS4143の処理において、上記した各種フラグの設定は、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過することで実行される。これにより、大当りを示す特別図柄が確定停止(既定の確定時間停止)すると、遊技状態が大当り遊技状態で制御される。一方、右打ち表示器4hの点灯は、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過し、さらに所定の準備期間(例えば3.0秒間)が経過することで実行される。なお、この所定の準備期間は、遊技者に、第2大入賞口51が開放される契機となる役連作動ゲート25へ遊技球を通過させるための準備となる期間であり、この準備期間が経過するまでは役連作動ゲート25を遊技球が通過しても有効な通過情報とはみなされず、第2大入賞口51は開放されない。一方、準備期間が経過するとゲート有効期間が開始され、このゲート有効期間において、役連作動ゲート25を遊技球が通過すると、有効な通過情報とみなされて、第2大入賞口51が開放される。したがって、ゲート有効期間が開始されるときに、右打ちを行うべきときである(右打ちを行うと有利である)ことが示されることになる。その後、処理はステップS4144に移る。
ステップS4144において、CPU101は、中断中の特別図柄の変動表示があるか否かを判定する。具体的には、前述したように、大当りを示す特別図柄の変動表示が終了したとき(つまり、大当りしたとき)に他方の特別図柄が変動表示中である場合には、当該他方の特別図柄の変動表示は一時中断される。また、ステップS4072の大当り判定処理において前述したように、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選のうち、いずれか一方が先に大当りと判定されると他方は必ずハズレと判定されるため、この中断中の特別図柄の変動表示は「ハズレ」を示す。このため、CPU101は、この一時中断されたハズレを示す特別図柄の変動表示があるか否かを判定する。ステップS4144での判定がYESの場合、処理はステップS4145に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS4148に移る。
ステップS4145において、CPU101は、中断中の特別図柄の変動表示を強制的に確定停止する。具体的には、CPU101は、中断中のハズレを示す特別図柄の変動表示を終了させる図柄確定コマンドをRAM103にセットする。なお、セットされた図柄確定コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS4148に移る。
ステップS4146において、CPU101は、図15のステップS4072の大当り判定処理で小当りしたか(つまり、RAM103に小当り図柄の情報が記憶されているか)否かを判定する。ステップS4146での判定がYESの場合、処理はステップS4147に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS4148に移る。
ステップS4147において、CPU101は、演出制御部400に対して小当り遊技演出の開始を指示する情報等を含むオープニングコマンドをRAM103にセットする。また、CPU101は、RAM103に格納された小当り遊技フラグを「ON」に設定する。ここで、小当り遊技フラグは、「ON」に設定されることにより小当り遊技中であることが示され、「OFF」に設定されることにより小当り遊技の終了が示されるフラグである。なお、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、上記オープニングコマンドが図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信されるとともに小当り遊技フラグが「ON」に設定され、これにより小当り遊技演出が開始される。その後、処理はステップS4148に移る。
なお、前述したように、本実施形態では、大当りまたは小当りを示す特別図柄の変動表示が終了したときに他方の特別図柄が変動表示中であるときには、当該他方の変動表示は一時中断される。そして、上記したステップS4141〜S4147の処理からわかるように、大当りを示す特別図柄の変動表示が終了したときには中断中の(ハズレを示す)特別図柄の変動表示は強制確定停止される一方、小当りを示す特別図柄の変動表示が終了したときには中断中の特別図柄の変動表示は強制確定停止されない(中断されたままである)。このため、小当りを示す特別図柄の変動表示が終了したときに一時中断された他方の特別図柄の変動表示は、小当り遊技が終了すると、図14のステップS402、ステップS403の処理によって再開されることになる。
ステップS4148において、CPU101は、RAM103に格納されている高確フラグが「ON」であるか否かを判定する。ステップS4148での判定がYESの場合、処理はステップS4149に移り、この判定がNOの場合、停止中処理は終了して、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS4149において、CPU101は、RAM103に格納されているSの値を、1減算した値に書き換える。ここで、Sは、高確状態で遊技が制御される特別図柄抽選の残りの実行回数(残回数)であり、Sの値が「0」であることは、もはや高確状態では遊技が制御されない(すなわち、低確状態で遊技が制御される)ことを示す。なお、このSの値は、後述する図26のステップS6282の処理によって、高確フラグが「ON」に設定されるときに規定回数(本実施形態では「70」)が設定される。このステップS4147の処理により、特別図柄抽選が1回実行されて高確状態で遊技が制御される特別図柄抽選の残回数が1回減少したことが示される。その後、処理はステップS4150に移る。
ステップS4150において、CPU101は、RAM103に格納されている(ステップS4149の処理によって減算された)Sの値が「0」であるか否か、すなわち、今回の特別図柄抽選が高確状態で制御される最後の特別図柄抽選であったか否かを判定する。ステップS4150での判定がYESの場合、処理はステップS4151に移り、この判定がNOの場合、停止中処理は終了して、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS4151において、CPU101は、遊技状態を設定する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納された高確フラグを「OFF」に設定する。また、CPU101は、右打ち表示器4hを消灯させる。なお、このステップS4151の処理において、上記した高確フラグの設定や、右打ち表示器4hの消灯は、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過することで実行される。これにより、次の特別図柄抽選が開始されるときに遊技状態が低確状態で制御されるとともに、左打ちを行うべきときである(右打ちを行っても有利ではない)ことが示される。その後、停止中処理は終了して、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
説明は図14に戻り、ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(以下、客待ち状態ということがある)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を第1画像表示部6aに表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を第1画像表示部6aに表示させる演出である。その後、処理は図10のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図23〜図26は、図10のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図10のステップS6における大入賞口処理について、図23〜図26を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(大当り遊技フラグ)に基づいて、遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態がオープニング準備中であるか否かを判定する。具体的には、CPU101は、図22のステップS4142の処理でオープニング準備コマンドをセットしたが、未だオープニングコマンドをセットしていない状態であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS605に移る。
ステップS603において、CPU101は、大当りを示す特別図柄が確定停止してから所定の準備期間(例えば3.0秒間)経過すると開始されるゲート有効期間において、ゲートスイッチ113からの出力信号に基づいて、役連作動ゲート25を遊技球が通過したか否かを判定する。なお、上記したゲート有効期間は、役連作動ゲート25を遊技球が1つ通過するまで継続して有効に設定され、遊技球が1つ通過したと判定されることで終了する(無効となる)。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技演出の開始を指示する情報及び開始する大当り遊技の種類(大当りA〜Cのいずれに基づく大当り遊技であるか)を示す情報等を含むオープニングコマンドをRAM103にセットする。これにより大当り遊技演出のオープニング演出が開始される。また、CPU101は、外部装置に対して、大当りしたことや大当りの種類等を示す情報(外端情報)を送信する。したがって、本実施形態では、役連作動ゲート25を遊技球が通過することで外端情報が送信され、当該外端情報に基づいて外部装置(ホールコンピュータ等)が、大当り回数や大当りの種類等を管理し、あるいは外部装置(外部カウンタ表示器等)が、大当り回数等を表示することが可能となる。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS605での判定がYESの場合、処理はステップS606に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS606において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS606での判定がYESの場合、処理はステップS607に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS607において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、第2大入賞口51、およびVハネ52の動作パターン等を設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、図5を用いて説明した大当りA〜Cに基づく大当り遊技のうち今回実行する大当り遊技における、第2大入賞口51、およびVハネ52の動作パターン等を設定し、その設定情報をRAM103にセットする。このステップS607の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、RAM103に格納されている第2大入賞口51への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS609に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS610に移る。
ステップS610において、CPU101は、第2大入賞口開閉部118を制御して第2大入賞口51の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて第2大入賞口51の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS611に移る。
ステップS611において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS607で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS609の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS616に移る。
ステップS612において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS612での判定がYESの場合、処理はステップS613に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS614に移る。
ステップS613において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に第2大入賞口51が閉鎖された時点から、ステップS607の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS613での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS608に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS616に移る。
ステップS614において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS614での判定がYESの場合、処理は図24のステップS626に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、V領域開閉処理を実行する。ここで、図25を参照して、このV領域開閉処理について説明する。図25は、図23のステップS615のV領域開閉処理の一例を示す詳細フローチャートである。
[V領域開閉処理]
まず、図25のステップS6151において、CPU101は、V領域53を開放する所定の開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、現在のラウンド数Rが「4」を示すラウンド遊技(V長ラウンド遊技またはV短ラウンド遊技)において、ステップS610で第2大入賞口51が開放された時点から、ステップS607の処理で設定されたV領域53を開放させるまでの規定時間(図6の(1)、(2)に示す3秒)が経過したか否かを判定する。ステップS6151での判定がYESの場合、処理はステップS6152に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6153に移る。
ステップS6152において、CPU101は、V領域開閉部120を制御してV領域53の開放制御を開始する。この処理によって、(連続大当りの場合)第2大入賞口51に入った遊技球がV領域53を通過することとなる。その後、処理はステップS6153に移る。
ステップS6153において、CPU101は、V領域53を閉鎖する所定の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、現在のラウンド遊技がV長ラウンド遊技の場合には、第2大入賞口51が閉鎖されてから規定時間(図6の(1)に示す1秒)が経過したか否かを判定し、現在のラウンド遊技がV短ラウンド遊技の場合には、V領域53の開放制御が開始されてから規定時間(図6の(2)に示す1秒)経過したか否かを判定する。ステップS6153での判定がYESの場合、処理はステップS6154に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6155に移る。
ステップS6154において、CPU101は、V領域開閉部120を制御してV領域53を閉鎖する。その後、処理はステップS6155に移る。
ステップS6155において、CPU101は、V領域スイッチ119からの検出信号に応じて、V領域53を遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS6155での判定がYESの場合、処理はステップS6156に移り、この判定がNOの場合、V領域開閉処理は終了して、処理は図23のステップS616に移る。
ステップS6156において、CPU101は、V領域53を遊技球が通過したと判断して、V領域53を遊技球が通過したことを演出制御部400に通知するためのV領域通過コマンドをRAM103にセットする。その後、V領域開閉処理は終了して、処理は図23のステップS616に移る。なお、ステップS6156でセットされたV領域通過コマンドは、図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
説明は図23に戻り、ステップS616において、CPU101は、第2大入賞口スイッチ117からの出力信号に基づいて、第2大入賞口51に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS616での判定がYESの場合、処理はステップS617に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS618に移る。
ステップS617において、CPU101は、第2大入賞口51への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS617の処理が、第2大入賞口51に遊技球が入賞する毎に実行されることで、1つのラウンド中に第2大入賞口51に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、第2大入賞口51に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドが図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信されることにより、演出制御部400には、1つのラウンド中に遊技球が第2大入賞口51に入賞する毎に、その入賞数C(つまり、1つのラウンド中の何個目の入賞であるか)が通知され、当該通知情報に基づいて、図29のステップS128の入賞処理指示が実行されることとなる。なお、第2大入賞口51への遊技球の入賞は、ラウンド中およびラウンド直後に設けられた大入賞口有効期間中において有効(すなわち、正常な入賞である)とみなされ、上記した入賞コマンドは、これらの有効とみなされる期間において遊技球の入賞が検出された場合に送信される。また、図10のステップS8の賞球処理では、これらの有効とみなされる期間において検出された遊技球の入賞に基づいて賞球の払い出しが制御される。その後、処理はステップS618に移る。
ステップS618において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS618での判定がYESの場合、処理はステップS619に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS619において、CPU101は、ステップS610の処理で第2大入賞口51の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、V短ラウンド遊技を除くラウンド遊技においては、第2大入賞口51に対して29.5秒間の開放制御時間が経過したか否かを判定する。一方、CPU101は、V短ラウンド遊技においては、第2大入賞口51に対して0.1秒間の開放制御時間が経過したか否かを判定する。ステップS619での判定がYESの場合、処理はステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、第2大入賞口51が閉鎖されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「8」)となったか否かを判定する。ステップS620での判定がYESの場合、処理はステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS621において、CPU101は、第2大入賞口開閉部118を制御して、ステップS610で開始した第2大入賞口51の開放制御を終了する。つまり、ステップS610で開放した第2大入賞口51を閉鎖して今回のラウンドを終了する。その後、処理はステップS622に移る。
ステップS622において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド終了通知コマンドは図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、今回のラウンドが終了したことが通知される。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS607の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS623での判定がYESの場合、処理は図24のステップS624に移り、この判定がNOの場合、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図24のステップS624において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS625に移る。
ステップS625において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図10のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、大当り遊技中にV領域53を通過した場合には、大当り遊技終了後に確変状態に制御されることを示すエンディングコマンドが送信され、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変状態を示す演出モードの演出を実行する。その後、処理はステップS626に移る。
ステップS626において、CPU101は、ステップS625でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図23のステップS607の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS626での判定がYESの場合、処理はステップS627に移り、この判定がNOの場合、処理は図23のステップS616に移る。
ステップS627において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技フラグをOFFに設定して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS628に移る。
ステップS628において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。ここで、図26を参照して、この遊技状態設定処理について説明する。図26は、図24のステップS628の遊技状態設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
[遊技状態設定処理]
まず、図26のステップS6281において、CPU101は、今回の大当り遊技において図25のステップS6155で1回以上の遊技球のV領域53通過が検出されたか否かを判定する。ステップS6281での判定がYESの場合、処理はステップS6282に移り、この判定がNOの場合、ステップS6283に移る。
ステップS6282において、CPU101は、RAM103に格納されている高確フラグを「ON」に設定し、RAM103に記憶されたSの値を「70」に設定する。なお、前述したように、Sは高確状態で遊技が制御される特別図柄抽選の残回数を示す。その後、遊技状態設定処理は終了して、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS6283において、CPU101は、右打ち表示器4hを消灯させる。これにより、大当り遊技の終了後は、左打ちを行うべきときである(右打ちを行っても有利ではない)ことが示される。その後、遊技状態設定処理は終了して、処理は図10のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
以上のように、遊技球がV領域53を通過すると、大当り遊技後の遊技状態が70回転目まで(特別図柄抽選が70回実行されるまで)高確状態に設定される。一方、遊技球がV領域53を通過しなかった場合には、大当り遊技後の遊技状態は低確状態のまま変わらない。
なお、小当り遊技が実行される場合には、上記した大入賞口処理ではないものの、CPU101は、小当り遊技のオープニング終了後に、第2大入賞口51の開放制御と同様に、第1大入賞口23を例えば1.0秒間開放させる動作を1回行うことで小当り遊技を終了し、RAM103に格納されている小当り遊技フラグを「OFF」に設定して、小当り遊技の前後においては遊技状態を切り替えない。また、CPU101は、第1大入賞口スイッチ114からの出力信号に基づいて、小当り遊技中に第1大入賞口23に遊技球が入賞したと判定すると、上記したステップS617の処理と同様に、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新し、第1大入賞口23に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドが図10のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信されることにより、演出制御部400は、小当り遊技中の遊技球入賞に基づいて、図29のステップS128の入賞処理指示を実行する。また、小当り遊技における第1大入賞口23の開放態様は、総開放時間が1.8秒を超えないような態様であればどのような開放態様であってもよい。
以上で、図7〜図26を用いて説明したメイン制御部100の処理の説明は終了し、次に、演出制御部400の処理について説明する。
[演出制御部によるタイマ割り込み処理]
図27〜図34は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図27〜図34を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図27に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、演出制御部400で行われる処理はROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、図27〜図34に示すフローチャートでは、本実施形態で特徴的な演出以外の部分については、その説明を簡略化している。
まず、図27のステップS11において、CPU401は、メイン制御部100から図10のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。なお、このコマンド受信処理については、図28及び図29を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、ステップS11の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、第1画像表示部6a、第2画像表示部6b、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図10のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図28および図29は、図27のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図28および図29を参照して、図27のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、図28のステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンドまたは第2保留数増加コマンド;図13のステップS206及びS212参照)を受信したか否かを判定する。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、まず、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。なお、前述したように、通常状態においては、左打ちを行うことによって第1特別図柄抽選を始動させることが推奨される。したがって、通常状態においては、原則的に第1特別図柄抽選が保留されるため、第1保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて先読み予告演出設定処理が実行される。一方、前述したように、高確状態においては、右打ちを行うことによって第2特別図柄抽選を始動させることが推奨される。したがって、高確状態においては、原則的に第2特別図柄抽選が保留されるため、第2保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて先読み予告演出設定処理が実行される。ここで、この先読み予告演出設定処理の詳細について、図30を参照して説明する。なお、図30に示す先読み予告演出設定処理では、通常状態においては第1保留数増加コマンドに基づいて先読み予告演出設定処理が実行され、高確状態においては第2保留数増加コマンドに基づいて先読み予告演出設定処理が実行される。
[先読み予告演出設定処理]
図30を参照して、演出制御部400による先読み予告演出設定処理について説明する。図30は、図28のステップS112の先読み予告演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS1121において、CPU401は、遊技状態通知コマンドに基づいて、現在の遊技状態が通常状態(低確状態)であるか否かを判定する。ステップS1121での判定がYESの場合、処理はステップS1122に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1125に移る。
ステップS1122において、CPU401は、図28のステップS111の処理により受信された保留数増加コマンドに基づいて記憶された保留データ(以下、入賞保留データ、または単に入賞保留ということがある)が、第1特別図柄抽選の入賞保留であり、かつ、当該入賞保留に含まれる事前判定情報が、大当り信頼度の高い変動パターン(例えば、図16に示す特別SPSP当り)であるか否かを判定する。ステップS1122での判定がYESの場合、処理はステップS1123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1125に移る。
ステップS1123において、CPU401は、入賞保留を示す保留画像を激熱保留画像(例えば、「縞柄」の画像)に変化させるか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、先読み乱数を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、激熱保留画像に変化させることを決定する。ステップS1123での判定がYESの場合、処理はステップS1124に移り、この判定がNOの場合、先読み予告演出設定処理は終了して、処理は図28のステップS113に移る。なお、本実施形態において、激熱保留画像は、複数の保留画像の中で大当り信頼度が最も高いことを示唆する画像である。また、以下では、激熱保留画像に変化させると判定された第1特別図柄抽選の入賞保留のことを特1激熱対象保留ということがある。
ステップS1124において、CPU401は、入賞保留を示す保留画像の表示態様を激熱保留画像に設定する。その後、先読み予告演出設定処理は終了して、処理は図28のステップS113に移る。
ステップS1125において、CPU401は、入賞保留を示す保留画像を先読み保留画像(例えば、「青」、「緑」、「赤」の画像)のいずれかに変化させるか否かを抽選等によって判定する。例えば、CPU401は、先読み乱数を取得し、当該先読み乱数が所定の先読み当選値に一致した場合に、先読み保留画像のいずれかに変化させることを決定する。なお、先読み保留画像の何れに変化させるかは、入賞保留に含まれる事前判定情報に基づいて決定し、例えば大当りの信頼度の高い変動パターンであるほど、大当り信頼度が高いことを示す保留画像(例えば「赤」の画像)を決定し易いものとする。ステップS1125での判定がYESの場合、処理はステップS1126に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1127に移る。なお、以下では、先読み保留画像に変化させると判定された入賞保留のことを先読み対象保留ということがある。
ステップS1126において、CPU401は、入賞保留を示す保留画像の表示態様をステップS1125の処理で決定した先読み保留画像に設定する。その後、先読み予告演出設定処理は終了して、処理は図28のステップS113に移る。
ステップS1127において、CPU401は、入賞保留を示す保留画像の表示態様を通常保留画像(例えば、「白」の画像)に設定する。その後、先読み予告演出設定処理は終了して、処理は図28のステップS113に移る。
説明は図28に戻り、ステップS113において、CPU401は、受信した保留数増加コマンド、およびステップS112の処理で設定された入賞保留を示す保留画像の表示態様(激熱保留画像、先読み保留画像、通常保留画像)に基づいて、画像音響制御部500に指示して、第1画像表示部6aに、入賞保留を示す保留画像の追加表示処理等を行う。なお、入賞保留を示す保留画像の表示態様が激熱保留画像や先読み保留画像に設定されている場合には、入賞保留が発生したタイミング(保留増加コマンドを受信したタイミング)においては、当該入賞保留を示す保留画像として通常保留画像を表示し、後の所定のタイミングにおいて、設定された激熱保留画像や先読み保留画像に変更するものとしてもよい。また、表示された保留画像は、後述するステップS115の処理に基づいて報知演出が開始される際に順番に消去される。また、この画像音響制御部500への保留画像の表示指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図15のステップS4074でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、第1画像表示部6a等による報知演出の演出内容を設定し、設定した内容の報知演出の実行を画像音響制御部500等に指示して開始させる報知演出設定処理を実行する。ここで、この報知演出設定処理の詳細について、図31を参照して説明する。
[報知演出設定処理]
図31を参照して、演出制御部400による報知演出設定処理について説明する。図31は、図28のステップS115の報知演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS1151において、CPU401は、図28のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンを設定する演出パターン設定処理を実行する。ここで、この演出パターン設定処理の詳細について、図34を参照して説明する。
[演出パターン設定処理]
図32を参照して、演出制御部400による演出パターン設定処理について説明する。図32は、図31のステップS1151の演出パターン設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS1511において、CPU401は、図28のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報の変動パターンの情報が、低確特殊当りの変動パターン(60.00秒)であるか否かを判定する。つまり、CPU401は、低確状態(通常状態)において大当りと判定された第2特別図柄抽選に基づく報知演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1511での判定がYESの場合、処理はステップS1512に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1516に移る。
ステップS1512において、CPU401は、特1激熱対象保留が在るか否かを判定する。つまり、CPU401は、大当りと判定された第2特別図柄抽選が始動するときに特1激熱対象保留が在るか否かを判定する。ステップS1512での判定がYESの場合、処理はステップS1513に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1515に移る。
ステップS1513において、CPU401は、低確特殊当りの変動パターンに対する演出パターンとして「入替演出パターン」を設定する。なお、この入替演出パターンに基づいて実行される入替演出は、設定されて即座に実行されるものではなく、後述するステップS1518の処理により、開始指示が設定される(詳細は後述するが、特1激熱対象保留が消化されて、この変動表示が開始される)ことで実行される。また、入替演出は、低確特殊当りの変動パターンに対応した報知演出でありながら、特1激熱対象保留に対する変動表示に対応した報知演出であるかのように見せる演出であるが、その詳細は後述する。その後、処理はステップS1514に移る。
ステップS1514において、CPU401は、RAM403に記憶された入替予約フラグをONに設定する。ここで、入替予約フラグは、「ON」に設定されることで、実行を待機中である入替演出が存在することを示すフラグである。その後、演出パターン設定処理は終了して、処理は図31のステップS1152に移る。
ステップS1515において、CPU401は、今回の報知演出において実行する演出パターンとして「無報知演出パターン」を設定する。なお、無報知演出パターンは、特別図柄の変動表示に対応した報知演出を実行しない演出パターンであるが、その詳細は後述する。その後、演出パターン設定処理は終了して、処理は図31のステップS1152に移る。
以上のように、ステップS1511〜S1514の処理により、低確特殊当りの変動パターンが設定されたときには、この変動パターンに対する演出パターンとして、特1激熱対象保留が在るときには入替演出パターンが設定される一方、それ以外のときには無報知演出パターンが設定されることになる。
ステップS1516において、CPU401は、図28のステップS114で受信した報知演出開始コマンドが、特1激熱対象保留の変動表示に対応するものである(つまり、特1激熱対象保留が消化されるときに始動する第1特別図柄の変動表示に対応するものである)か否かを判定する。ステップS1516での判定がYESの場合、処理はステップS1517に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1520に移る。
ステップS1517において、CPU401は、RAM403に記憶された入替予約フラグがONであるか否かを判定する。ステップS1517での判定がYESの場合、処理はステップS1518に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1520に移る。
ステップS1518において、CPU401は、入替演出の開始指示を設定し、RAM403に記憶された入替予約フラグをOFFに設定する。この処理により、実行を待機中であった入替演出が開始されることになる。その後、処理はステップS1519に移る。
ステップS1519において、特1激熱対象保留の変動表示に対する演出パターンとして「例外非表示演出パターン」を設定する。なお、例外非表示演出パターンは、無報知演出パターンと同様に、特別図柄の変動表示に対応した報知演出を実行しない演出パターンであるが、その詳細は後述する。その後、演出パターン設定処理は終了して、処理は図31のステップS1152に移る。
ステップS1520において、CPU401は、入替演出を実行中であるか否かを判定する。ステップS1520での判定がYESの場合、処理はステップS1519に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1521に移る。
ステップS1521において、CPU401は、図28のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンを決定する。具体的には、図16〜図19に示したように、設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)に対応付けて、演出パターン(または演出パターンのタイプ)が規定されており、例えば、設定情報が示す変動パターンが「90.02秒」の場合には、特定の演出(本実施形態では実写リーチ演出)を実行した後に大当りを報知する演出パターンのタイプ「特別SPSP当り」が決定され、設定情報が示す変動パターンが「40.02秒」の場合には、SPリーチに発展した後にハズレを報知する演出パターンのタイプ「SPハズレ」が決定される。その後、演出パターン設定処理は終了して、処理は図31のステップS1152に移る。
以上のように、ステップS1516〜S1521の処理により、特1激熱対象保留の変動表示が開始されるときに入替演出が実行待機中であるとき、または既に入替演出が実行中であるときには、今回の報知演出において実行する演出パターンとして例外非表示演出パターンが設定され、入替演出が実行待機中であれば、その実行開始が指示されることになる。また、入替演出が実行中や実行待機中でない場合には、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンが設定されることになる。
説明は図31に戻り、ステップS1152において、CPU401は、ステップS1151で決定された演出パターンに基づく演出の詳細な構成内容(構成演出)を設定する構成演出設定処理を実行する。ここで、この構成演出設定処理の詳細について、図33を参照して説明する。
[構成演出設定処理]
図33を参照して、演出制御部400による構成演出設定処理について説明する。図33は、図31のステップS1152の構成演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS521において、CPU401は、図31のステップS1151で決定された演出パターンに基づく演出の詳細な構成内容(構成演出およびその実行タイミング)を設定する。具体的には、CPU401は、ステップS1151で決定された演出パターンに基づいて最終的に実行する演出(リーチ演出の種類や即ハズレ演出)を決定するが、その際に、装飾図柄が停止表示される際の図柄の種類(いわゆる出目)を演出乱数等に基づいて決定し、また、最終的な演出が実行されるまでのシナリオとして、どのような構成演出を実行するかを、演出乱数等に基づいて決定する。なお、構成演出とは、演出パターンに基づいて決定された最終的に実行される演出(例えば実写リーチ演出)に至るまでに、あるいは当該演出中に、実行される種々の演出であり、例えば、装飾図柄が再変動表示される擬似連演出や、装飾図柄がリーチ状態となるリーチ目成立演出や、リーチ演出中に信頼度を予告するカットイン演出や、可動部7b(第2画像表示部6b)が可動する可動演出や、装飾図柄を同色図柄(赤図柄)で停止させるチャンス目停止演出や、保留画像を変化させる保留変化演出や、背景画像を変化させる背景変化演出等が挙げられる。また、抽出された演出乱数を照会するテーブルは、ステップS1151によって決定された演出パターンに応じて異なる(例えば、決定された演出パターンの信頼度が高いほど、遊技者の期待感をより高める予告演出が実行され易いテーブルが照会される)ことにより、演出パターンに応じて(つまり、変動パターンに応じて)、実行される構成演出が異なることになる。その後、処理はステップS522に移る。なお、以下のステップS522〜S527の処理では、ステップS521で設定された構成演出以外の構成演出が設定される。
ステップS522において、CPU401は、遊技状態通知コマンドに基づいて、現在の遊技状態が高確状態であるか否かを判定する。ステップS522での判定がYESの場合、処理はステップS523に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS526に移る。
ステップS523において、CPU401は、RAM403に設定記憶されている小当り入賞演出キャラクタを表示することを設定する。なお、小当り入賞演出キャラクタとは、高確状態において表示され、小当り遊技中に遊技球が第1大入賞口23に入賞する毎に行われる小当り入賞演出として用いられるキャラクタである。また、本実施形態では、小当り入賞演出キャラクタとしてはキャラクタAまたはキャラクタBが設定され、初期状態ではキャラクタAが設定され、後述する図34のステップS1233の処理によってキャラクタBに設定変更され、後述するステップS524の処理によりキャラクタAに再設定される。このステップS523の処理が行われることにより、高確状態においては、小当り入賞演出キャラクタが表示されることになる。その後、処理はステップS524に移る。
ステップS524において、CPU401は、図28のステップS114で受信した報知演出開始コマンドが、変更中フラグがONに設定された第2特別図柄抽選の保留の変動表示に対応するものであるか否かを判定する。ここで、変更中フラグとは、後述する図34のステップS1234の処理により、小当り遊技開始時において、第2特別図柄抽選の保留の中に大当り信頼度の高い保留が在れば、当該保留に対応付けて「ON」に設定されることで、小当り入賞演出キャラクタがキャラクタBに設定変更される契機となった保留であることを示すフラグである。すなわち、CPU401は、報知演出開始コマンドが、小当り入賞演出キャラクタをキャラクタBに設定変更する契機となった第2特別図柄抽選の保留の変動表示に対応するものであるか否かを判定する。ステップS524での判定がYESの場合、処理はステップS525に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS526に移る。
ステップS525において、CPU401は、RAM403に設定記憶された小当り入賞演出キャラクタをキャラクタAに変更して設定記憶する。これにより、次に(つまり、変更中フラグが「ON」の保留の変動表示が終了して次の変動表示が開始されるときに)ステップS523の処理が実行されるときには、小当り入賞演出キャラクタとしてキャラクタAの表示が設定されることになる。その後、処理はステップS526に移る。
以上のように、ステップS522〜S525の処理により、高確状態においては、構成演出として、RAM403に設定記憶されている小当り入賞演出キャラクタ(キャラクタAまたはキャラクタB)が表示されることになる。
ステップS526において、CPU401は、キャラクタPを用いたセリフ演出(以下、単にセリフ演出ということがある)を実行するか否かを抽選(例えば、演出乱数による抽選)により判定する。なお、セリフ演出は、キャラクタPが登場して種々のセリフを発する演出であり、詳細は図46を参照して後述するが、今後の展開を予告する予告解説や、実行された演出を解説する事後解説や、実行されている演出とは関係なくキャラクタPが自己紹介等を行う紹介演出に分類される。ステップS526での判定がYESの場合、処理はステップS527に移り、この判定がNOの場合、構成演出設定処理は終了して、処理は図31のステップS1153に移る。
ステップS527において、CPU401は、図31のステップS1151の処理で決定された演出パターンや、ステップS521の処理で設定された構成演出の内容に応じて、セリフ演出の内容およびその実行タイミングを設定する。具体的には、CPU401は、構成演出として例えば擬似連演出が設定されていたときには、擬似連演出において1つ目の装飾図柄が停止した後に、リーチ図柄が滑れば擬似連演出が実行されることを予告解説する擬似連予告(図46のA4に示すセリフ演出)の実行を設定し、構成演出として例えばカットイン演出が設定されていたときには、カットイン演出が実行された後に、その内容を事後解説するカットイン解説(図46のB1に示すセリフ演出)の実行を設定し、また、例えば設定された構成演出が少ない場合には、キャラクタPが自己紹介を行う紹介演出(図46のC1、C2に示すセリフ演出)の実行を設定する。なお、特定の構成演出に係るセリフ演出(予告解説)は、特定の構成演出が設定されていないときにも設定可能であるものとしてもよい。具体的には、構成演出として例えば擬似連演出が設定されていないときにも、擬似連予告のセリフ演出(図46のA4参照)の実行が設定されるものとし、あるいは、SPSPリーチ演出が実行されない演出パターン(例えば、SPハズレ)のときにも、SP演出終了後に、特別キャラクタが登場すればSPSP演出に発展することを予告解説する発展予告(図46のA3参照)の実行が設定されるものとしてもよい。このように設定することで、セリフ演出(予告解説)が行われたとしても必ずしも予告解説どおりの演出が実行されるものではないようにすることが可能となる。また、実際に構成演出が設定されているときの方が、構成演出が設定されていないときよりも、当該構成演出に係るセリフ演出(予告解説)が設定され易いものとしてもよい。このように設定することで、セリフ演出(予告解説)が実行されたときには、その予告解説どおりの構成演出が実行され易いことが示唆されるので、セリフ演出(予告解説)に対する期待感をより高めることが可能となる。なお、特定の構成演出に係るセリフ演出(事後解説)が設定される場合には、特定の構成演出が設定されていなければ事後解説が設定されることはない。その後、構成演出設定処理は終了して、処理は図31のステップS1153に移る。
説明は図31に戻り、ステップS1153において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS1151、S1152の処理によって設定された演出内容の報知演出等を実行させる。これにより、入替演出の開始指示や、演出パターンに基づく演出(例えば実写リーチ)の実行指示や、各種構成演出(例えば、可動演出やセリフ演出)の実行指示が行われる。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、報知演出設定処理は終了して、処理は図28のステップS116に移る。なお、演出制御部400から報知演出の指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、指示された演出内容に基づいて、構成演出等の実行タイミングや実行時間等のスケジュールを設定し、当該スケジュールにしたがって各構成演出等を実行する演出実行処理を行う。この画像音響制御部500による演出実行処理については、図39を参照して後述する。
説明は図28に戻り、ステップS116において、CPU401は、図20のステップS4116でセットされた確定前コマンド(第1図柄確定前コマンドまたは第2図柄確定前コマンド)を受診したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS118に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、可動部7bによる可動演出(第2画像表示部6bが可動する演出)の実行を制限させる。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS118に移る。なお、演出制御部400から可動演出の制限指示を受けた画像音響制御部500による可動演出制限処理については、図40を参照して後述する。
ステップS118において、CPU401は、図21のステップS4131の処理でセットされた図柄確定コマンド(第1図柄確定コマンドまたは第2図柄確定コマンド)を受信したか否かを判定する。ステップS118での判定がYESの場合、処理はステップS119に移り、この判定がNOの場合、処理は図29のステップS120に移る。
ステップS119において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、CPU401は、第1確定前コマンドを受信したことにより可動演出の実行を制限しているときにステップS118の処理において第1確定コマンドを受信したとき、または、第2確定前コマンドを受信したことにより可動演出の実行を制限しているときにステップS118の処理において第2確定コマンドを受信したときには、画像音響制御部500等に指示して、可動演出の制限を解除する。また、これらの画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図29のステップS120に移る。
図29のステップS120において、CPU401は、図14のステップS414の停止中処理でセットされたオープニング準備コマンド(図22のステップS4142参照)を受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、準備演出開始指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出を開始するための準備となる準備演出の開始を指示する。なお、演出制御部400からの準備演出開始指示を受けた画像音響制御部500は、例えば、後述する図53(4)に示す準備演出を実行することで、遊技者に、第2大入賞口51が開放される契機となる役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることを促す。また、本実施形態においては、ステップS121の準備演出開始指示は、即座に行われずに待機される場合がある。この場合には、待機中に第1始動口21へ遊技球が入賞したことに基づく入賞コマンドが受信されたタイミングで、準備演出開始指示が行われるが、この詳細については、図51等を参照して後述する。また、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。
ステップS122において、CPU401は、図23のステップS604の処理でセットされた大当り遊技のオープニングコマンドまたは図22のステップS4147の処理でセットされた小当り遊技のオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS125に移る。
ステップS123において、CPU401は、大当り遊技演出や小当り遊技演出の演出内容を設定する大当り遊技演出等設定処理を実行する。ここで、この大当り遊技演出等設定処理の詳細について、図34を参照して説明する。
[大当り遊技演出等設定処理]
図34を参照して、演出制御部400による大当り遊技演出等設定処理について説明する。図34は、図29のステップS123の大当り遊技演出等設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS1231において、CPU401は、図29のステップS122の処理で受信したオープニングコマンドが小当り遊技のオープニングコマンドであるか否かを判定する。ステップS1231での判定がYESの場合、処理はステップS1232に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1236に移る。
ステップS1232において、CPU401は、現在RAM403に記憶されている(つまり、小当り遊技開始時に記憶されている)第2特別図柄抽選の保留を示すデータに含まれる事前判定情報に基づいて、大当り信頼度の高い保留が在るか否かを判定する。具体的には、例えば、CPU401は、事前判定情報が特別SPSPの変動パターン(「90.02秒」または「90.04秒」)を示す第2特別図柄抽選の保留が在る場合には、大当り信頼度の高い保留が在ると判定する。ステップS1232での判定がYESの場合、処理はステップS1233に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1235に移る。
ステップS1233において、CPU401は、RAM403に設定記憶されている小当り入賞演出キャラクタをキャラクタBに設定変更する。すなわち、小当り遊技開始時に記憶されている第2特別図柄抽選の中に大当り信頼度の高い保留が在れば、小当り入賞演出キャラクタの表示が設定されるとキャラクタBが表示される。その後、処理はステップS1234に移る。
ステップS1234において、CPU401は、ステップS1232の処理において大当り信頼度が高いと判定された第2特別図柄抽選の保留に対応付けて、変更中フラグをONに設定する。これにより、小当り入賞演出キャラクタがキャラクタBに変更されたこと示される。その後、処理はステップS1235に移る。
ステップS1235において、CPU401は、小当り遊技演出の演出内容を設定する。具体的には、小当り遊技演出として、第1大入賞口23が開放されていることを示唆する示唆演出や、RAM403に設定記憶されている小当り入賞演出キャラクタの表示演出が設定される。その後、大当り遊技演出等設定処理は終了して、処理は図29のステップS124に移る。
ステップS1236において、CPU401は、大当り入賞演出キャラクタとしてキャラクタAを設定する。なお、大当り入賞演出キャラクタとは、大当り遊技中に遊技球が第2大入賞口51に入賞する毎に行われる大当り入賞演出として用いられるキャラクタである。また、この大当り入賞演出キャラクタは、大当り遊技演出のうち、ラウンド演出が行われるときに表示されることが設定される。なお、本実施形態では、小当り遊技中における小当り入賞演出キャラクタとしても、大当り遊技中における大当り入賞演出キャラクタとしても、キャラクタAが用いられるが、その演出態様が異なる。この詳細については、図61を参照して後述する。その後、処理はステップS1237に移る。
ステップS1237において、CPU401は、図29のステップS122の処理で受信したオープニングコマンドに含まれる大当りの種類に応じて、大当り遊技演出の演出内容(大当り演出パターン)を設定する。具体的には、例えば大当りCの場合には、遊技機のテーマに関するPV(プロモーションビデオ)演出を設定し、大当りAの場合には、主人公キャラクタに関するストーリーを放映するムービー演出を設定し、大当りBの場合には、サブキャラクタに関するストーリーを放映するムービー演出を設定する。その後、大当り遊技演出等設定処理は終了して、処理は図29のステップS124に移る。
説明は図29に戻り、ステップS124において、CPU401は、オープニング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出または小当り遊技演出のオープニング演出の開始を指示する。ここで、大当り遊技演出または小当り遊技演出のオープニング演出は、大当り遊技または小当り遊技の開始を報知する演出であり、典型的には、第1大入賞口23や第2大入賞口51に向けて遊技球を発射するように遊技者に促す画像演出である。なお、本実施形態では、このオープニング演出はごく短時間(例えば0.5秒間)だけ行われる。また、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS125に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するオープニング演出処理については、図35を参照して後述する。
ステップS125において、CPU401は、図23のステップS611の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS125での判定がYESの場合、処理はステップS126に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS127に移る。
ステップS126において、CPU401は、ラウンド演出開始指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のラウンド演出処理の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS127に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するラウンド演出処理については、図36を参照して後述する。
ステップS127において、CPU401は、図23のステップS617等の処理でセットされ、図10のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS127での判定がYESの場合、処理はステップS128に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS129に移る。
ステップS128において、CPU401は、入賞処理指示を行う。具体的にはCPU401は、画像音響制御部500に対して、入賞処理の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS129に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行する入賞処理については、図37を参照して後述する。
ステップS129において、CPU401は、図23のステップS622の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS129での判定がYESの場合、処理はステップS130に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS131に移る。
ステップS130において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出(例えばラウンド数の表示)を終了する。ただし、CPU401は、大当り遊技演出のラウンド演出のうち、ラウンド間に跨って継続する一連の演出については、そのまま継続させる。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS131に移る。
ステップS131において、CPU401は、図24のステップS625の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS131での判定がYESの場合、処理はステップS132に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS133に移る。
ステップS132において、CPU401は、エンディング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のエンディング演出の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われ、このコマンドがセットされた後に、大当り遊技演出の設定情報(大当り演出パターン等)がクリアされる。その後、処理はステップS133に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するエンディング演出処理については、図38を参照して後述する。
ステップS133において、CPU401は、図14のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS133での判定がYESの場合、処理はステップS134に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理は終了し、処理は図27のステップS12に移る。
ステップS134において、CPU401は、ステップS133で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500等に指示して、客待ち処理を開始させる。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。そして、コマンド受信処理は終了し、処理は図27のステップS12に移る。なお、客待ち処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、客待ち処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、例えば、報知演出の開始指示を受けるまで、この客待ち処理を実行し、報知演出の開始指示を受けることで、この客待ち処理を終了する。具体的には、CPU501は、客待ち処理の開始を指示されると、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を第1画像表示部6aに表示し、この停止演出を開始してから所定時間(例えば90秒)が経過したときにCPU401から他の演出の指示を受けない場合に客待ち演出を開始する。ここで、客待ち演出(デモ演出)とは、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を第1画像表示部6aに表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を第1画像表示部6aに表示させる演出であり、この客待ち演出(デモ演出)によって、遊技が中断又は終了していることが示唆されるとともに、第1画像表示部6aに静止画像の焼き付き(ゴーストイメージ)が発生することが防止される。また、CPU501は、客待ち状態において役連作動ゲート25を遊技球が通過したことを示す情報や、普通入賞口に遊技球が入賞したことを示す情報を通知された場合には、客待ち処理を終了せずに継続する。
以上のように、図27〜図34を用いて説明した演出制御部400によって行われるタイマ割り込み処理によって、後述する本実施形態で特徴的な演出が設定されて、画像音響制御部500に対してこれらの演出の実行が指示される。以下では、演出制御部400からの各種演出等の実行指示に基づいて、画像音響制御部500によって行われるタイマ割り込み処理について説明する。
[画像音響制御部によるタイマ割り込み処理]
図35〜図40は、画像音響制御部500によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図35〜図40を参照して、画像音響制御部500において行われるタイマ割込み処理について説明する。画像音響制御部500は、演出制御部400からの指示に基づいて、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図35〜図40に示す処理をそれぞれ一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、画像音響制御部500で行われる処理はROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、図35〜図40に示すフローチャートでは、本実施形態で特徴的な演出以外の部分については、その説明を簡略化している。
[オープニング演出実行処理]
まず、図35を参照して、演出制御部400からのオープニング演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行するオープニング演出処理について説明する。
図35のステップS1241において、CPU501は、演出制御部400からオープニング演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS1241での判定がYESの場合、処理はステップS1242に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図35に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1242において、CPU501は、演出制御部400を介して受信したオープニングコマンドに基づいて、当該オープニングコマンドが大当り遊技に基づくものである(小当り遊技に基づくものではない)か否かを判定する。ステップS1242での判定がYESの場合、処理はステップS1243に移り、この判定がNOの場合(小当り遊技に基づくものである場合)、処理はステップS1247に移る。
ステップS1243において、CPU501は、演出制御部400を介して受信したオープニングコマンドに基づいて、大当りが通常状態からの大当り(いわゆる初当り)であるか否かを判定する。ステップS1243での判定がYESの場合、処理はステップS1244に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1245に移る。
ステップS1244において、CPU501は、RAM503に記憶された履歴情報を消去する。ところで、CPU501は、例えば通常状態において第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り遊技状態において第1大入賞口23、第2大入賞口51等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り回数等の履歴情報を記憶している。そして、ステップS1244の処理によって、この履歴情報が消去されるため、大当りのオープニング演出が開始されてから(すなわち、大当り遊技が開始されてから)第1大入賞口23、第2大入賞口51等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が新たにカウント開始されることとなる。その後、処理はステップS1245に移る。
ステップS1245において、CPU501は、RAM503に大当り履歴を記憶する。具体的には、CPU501は、RAM503に記憶された大当り回数Wcの値に1を加算して履歴情報としてRAM503に更新する。この処理により、連続して大当りした回数Wcが履歴情報としてRAM503に記憶される。なお、この大当り回数Wcは初期値として0がセットされており、前述したステップS1244の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。また、大当り履歴として、上記した大当り回数Wcに加えて、大当りの種類(図5に示す大当りA〜C)を示す情報がRAM503に記憶されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1246に移る。
ステップS1246において、CPU501は、規定時間の大当りのオープニング演出を開始する。そしてオープニング演出実行処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図35に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1247において、CPU501は、規定時間の小当り演出を開始する。なお、小当り演出では、演出制御部400から指示された小当り入賞演出キャラクタ(キャラクタAまたはキャラクタB)の表示演出が実行される。そしてオープニング演出実行処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図35に示す処理を繰り返し実行する。
[ラウンド演出処理]
次に、図36を参照して、演出制御部400からのラウンド演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行するラウンド演出処理について説明する。
図36のステップS1261において、CPU501は、演出制御部400からラウンド演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS1261での判定がYESの場合、処理はステップS1262に移り、この判定がNOの場合、ラウンド演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図36に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1262において、CPU501は、演出制御部400から指示された現在のラウンド数Rを示す情報に基づいて、現在のラウンド数を第1画像表示部6aに表示し、また、大当り履歴としてRAM503に記憶された大当りした回数Wcを示す情報を第1画像表示部6aに表示する。なお、CPU501は、極めて短時間(例えば0.1秒間)の開放しか行われないラウンド(V短ラウンド)である場合には、当該ラウンドのラウンド数の表示を行わないものとしてもよい。その後、処理はステップS1263に移る。
ステップS1263において、CPU501は、演出制御部400から指示されたラウンド演出を実行する。これにより、ラウンド遊技中に、大当り入賞演出キャラクタ(キャラクタA)が表示される。そして、ラウンド演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図36に示す処理を繰り返し実行する。
[入賞処理]
次に、図37を参照して、演出制御部400からの入賞処理の開始指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行する入賞処理について説明する。
図37のステップS1281において、CPU501は、演出制御部400からの入賞処理の開始指示を受けたか否かを判定する。ステップS1281での判定がYESの場合、処理はステップS1282に移り、この判定がNOの場合、入賞処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図37に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1282において、CPU501は、ステップS1281において指示された入賞処理が、第2大入賞口51への遊技球入賞(つまり、大当り遊技中の入賞)に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1282での判定がYESの場合、処理はステップS1283に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1287に移る。
ステップS1283において、CPU501は、ステップS1281において指示された入賞処理が、V領域53への遊技球入賞(V入賞)に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1283での判定がYESの場合、処理はステップS1284に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1286に移る。
ステップS1284において、CPU501は、RAM503に記憶された出力済フラグがOFFであるか否かを判定する。ここで、出力済フラグは、ONに設定されることにより、後述するV入賞演出を実行済であることを示すフラグである。ステップS1284での判定がYESの場合、処理はステップS1285に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1286に移る。
ステップS1285において、CPU501は、V入賞したことを報知するV入賞演出(例えば、特定の効果音の出力や特定画像の表示)を実行し、RAM503に記憶された出力済フラグをONに設定する。これにより、すでにV入賞演出が実行されたことが示され、一回の大当り中にはV入賞演出は一度しか実行されない。その後、処理はステップS1286に移る。
ステップS1286において、CPU501は、大当り遊技中において第2大入賞口51へ遊技球が入賞したことを報知する大当り入賞演出を実行する。具体的には、CPU501は、大当り入賞演出キャラクタとして演出制御部400から指示されたキャラクタAを順次お辞儀させる大当り入賞演出を実行する。具体的には、1回のラウンド遊技において第2大入賞口51に入賞可能な遊技球の数(本実施形態では「8」)と、キャラクタAの数が対応するように、8人のキャラクタAが表示され、1回のラウンド遊技において第2大入賞口51に遊技球が1つ入賞する毎に1人のキャラクタAがお辞儀を行う大当り入賞演出が実行され、8個目の遊技球が入賞すると8人のキャラクタA全員がお辞儀を行う大当り入賞演出が実行される。なお、8人全員がお辞儀を行う大当り入賞演出が実行された場合には、所定期間(例えば0.5秒)経過すると、8人全員が元の姿勢に戻されることにより、次のラウンド遊技においても同様の大当り入賞演出が実行可能となる。なお、大当り入賞演出の詳細については、図60を参照して後述する。その後、処理はステップS1289に移る。
ステップS1287において、CPU501は、ステップS1281において指示された入賞処理が、第1大入賞口23への遊技球入賞(つまり、小当り遊技中の入賞)に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1287での判定がYESの場合、処理はステップS1288に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1289に移る。
ステップS1288において、CPU501は、小当り遊技中において第1大入賞口23へ遊技球が入賞したことを報知する小当り入賞演出を実行する。具体的には、CPU501は、小当り遊技演出における小当り入賞演出キャラクタとして演出制御部400から指示されたキャラクタ(キャラクタAまたはキャラクタB)を一斉にお辞儀させる小当り入賞演出を所定期間(例えば、0.5秒間)実行する。具体的には、第1大入賞口23に遊技球が1つ入賞することによって獲得される賞球数(本実施形態では「10」)と、キャラクタAの数が対応するように、10人のキャラクタAが表示され、小当り遊技において第1大入賞口23に遊技球が1つ入賞する毎に10人のキャラクタA全員が一斉にお辞儀を行う小当り入賞演出が実行される。その後、処理はステップS1289に移る。なお、CPU501は、小当り演出が実行されているときに、第1大入賞口23への遊技球入賞に基づく入賞処理の指示を受信したときには、実行中の小当り入賞演出が終了してから、再度小当り入賞演出を開始する。これにより、小当り遊技中の短期間(例えば0.5秒間)の間に第1大入賞口23へ2つの遊技球が続けて入賞したとしても、後の遊技球入賞に基づく小当り入賞演出は、入賞タイミングから遅れて実行されることになり、2つの遊技球入賞に基づく小当り入賞演出を互いに分離して認識可能となる。なお、小当り入賞演出の詳細については、図58を参照して後述する。
ステップS1289において、CPU501は、演出制御部400から指示された入賞指示に基づいて、各入賞口(第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51、普通入賞口24)への遊技球の入賞数をカウントアップして、RAM503に記憶する。その後、処理はステップS1290に移る。
ステップS1290において、CPU501は、第1大入賞口23および第2大入賞口51への遊技球入賞に基づく入賞指示を受信すると(すなわち、第1大入賞口23または第2大入賞口51へ遊技球が1つ入賞すると)、対応する賞球数「10」または「13」を、RAM503に記憶された賞球総数Tに加算して更新する。なお、賞球総数Tは、初期値として0がセットされており、前述した図35のステップS1244の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。このステップS1290の処理により、大当りした間に獲得された賞球総数Tが大当り履歴としてRAM503に記憶される。また、本実施形態では、賞球総数Tは、第1大入賞口23および第2大入賞口51への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が加算されて算出されるものとしたが、第1大入賞口23および第2大入賞口51への遊技球入賞のみならず、他の入賞口への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数も併せて加算されるものとしてもよい。例えば、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に対応する入賞指示を受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。また、普通入賞口24への遊技球入賞に対応する入賞指示を受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。すなわち、賞球総数Tには、上記した第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数のいずれが組み合わせて加算されてもよく、すべてが加算されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1291に移る。
ステップS1291において、CPU501は、ステップS1290の処理によってRAM503に更新された賞球総数Tを示す情報を第1画像表示部6aに表示する。これにより、第1画像表示部6aには、第1大入賞口23および第2大入賞口51に遊技球が入賞する毎に更新される賞球総数Tが表示される。そして、入賞処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図37に示す処理を繰り返し実行する。
[エンディング演出処理]
次に、図38を参照して、演出制御部400からのエンディング演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行するエンディング演出処理について説明する。
図38のステップS1321において、CPU501は、演出制御部400からエンディング演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS1321での判定がYESの場合、処理はステップS1322に移り、この判定がNOの場合、エンディング演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図38に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1322において、CPU501は、規定時間のエンディング演出を実行する。その後、処理はステップS1323に移る。
ステップS1323において、CPU501は、エンディング演出の指示(エンディングコマンド)に基づいて、エンディング演出後(すなわち、大当り遊技演出の終了後)に実行されるモード演出(例えば、高確状態であることを示すモード演出)を、第1画像表示部6aに表示されるエンディング演出の下層レイヤで事前に実行する。具体的には、エンディングコマンドは、大当り図柄(例えば図5に示す大当りA)に基づいて送信され、大当り遊技終了後の演出状態の情報が含まれているため(言い換えると、大当り遊技終了後の演出状態に対応したエンディングコマンドが送信されるため)、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドに伴って送信される遊技状態通知コマンドを受信する前に、大当り遊技終了後の演出状態を知ることができる。このため、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドが送信されるよりも前に、それぞれの演出状態に対応し演出を事前に実行することで、エンディング演出が終了するタイミングで即座に大当り遊技終了後の演出状態での演出を開始させることができる。その後、処理はステップS1324に移る。
ステップS1324において、CPU501は、RAM503に記憶された出力済フラグをOFFに設定する。これにより、次に大当り遊技が開始されて当該大当り遊技中にV入賞が初めて実現するとV入賞演出が実行されることになる。そして、エンディング演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図38に示す処理を繰り返し実行する。
[演出実行処理]
次に、図39を参照して、演出制御部400からの報知演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行する演出実行処理について説明する。
図39のステップS801において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から保留画像の表示指示(図28のステップS113参照)を受けたか否かを判定する。ステップS801での判定がYESの場合、処理はステップS802に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS803に移る。
ステップS802において、CPU501は、第1画像表示部6aの例えば下部領域(後述する図41の(1)に示す第1保留表示領域SA1)または上部領域(後述する図41の(2)に示す第2保留表示領域SA2)において、演出制御部400からの指示に基づいた表示態様(例えば通常表示態様「白」)で第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の保留画像(保留球)を表示する(後述する図41の(1)、(2)に示す第1保留画像RI1または第2保留画像RI2参照)。その後、処理はステップS803に移る。
ステップS803において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から報知演出の実行指示や入替演出の開始指示を受けたか否かを判定する。ステップS803での判定がYESの場合、処理はステップS804に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS805に移る。
ステップS804において、CPU501は、ステップS803で受信した報知演出の実行指示(入替演出の開始指示や、演出パターンに基づく演出の実行指示や、各種構成演出の実行指示)にしたがって、設定された演出内容に基づいて、各種演出(セリフ演出や、可動演出や、実写リーチ演出や、入替演出等)の実行タイミングや実行時間等の演出スケジュールを設定する。その後、処理はステップS805に移る。
ステップS805において、CPU501は、ステップS804の処理によって演出がスケジュール設定されているか否かを判定する。ステップS805での判定がYESの場合、処理はステップS806に移り、この判定がNOの場合、演出実行処理は終了し、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図53に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS806において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された装飾図柄DI(後述する図41参照)の変動表示の開始タイミングであるか否かを判定する。また、CPU501は、高確状態において第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、装飾図柄DIとともに第2特別図柄に対応した第2小図柄SI2の変動表示の開始タイミングであると判定する。また、CPU501は、通常状態において第1特別図柄が変動表示中のときに第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、第2特別図柄に対応した第2小図柄SI2の変動表示の開始タイミングであると判定する。また、CPU501は、高確状態において第2特別図柄が変動表示中のときに第1特別図柄の変動表示が開始されるときには、第1特別図柄に対応した第1小図柄SI1の変動表示の開始タイミングであると判定する。また、CPU501は、通常状態において第1画像表示部6aにおいて入替演出が行われているときに第1特別図柄の変動表示が開始されるときには、第1特別図柄に対応した第1小図柄SI1の変動表示の開始タイミングであると判定する。ステップS806での判定がYESの場合、処理はステップS807に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS808に移る。
ステップS807において、CPU501は、装飾図柄DIの変動表示を開始する。具体的には、CPU501は、第1画像表示部6aにおいて、各装飾図柄DIを上下方向に高速でスクロール変動表示を行うことにより出目(数字図柄)を遷移表示させる。また、CPU501は、装飾図柄DIの変動表示と同様に、変動開始タイミングであると判定された第1小図柄SI1および/または第2小図柄SI2の変動表示を開始する。その後、処理はステップS808に移る。
ステップS808において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された、各種演出(セリフ演出や、可動演出や、実写リーチ演出や、入替演出や、小当り入賞演出キャラクタの表示等)の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS808での判定がYESの場合、処理はステップS809に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS810に移る。
ステップS809において、CPU501は、各種演出を開始する。具体的には、CPU501は、第1画像表示部6aにおいて、スケジュール設定された実行タイミングの各種演出(セリフ演出や、可動演出や、実写リーチ演出や、入替演出や小当り入賞演出キャラクタの表示等)を開始する。その後、処理はステップS810に移る。
ステップS810において、CPU501は、可動演出を制限する可動演出制限処理を実行する。ここで、この可動演出制限処理の詳細について、図40を参照して説明する。
[可動演出制限処理]
図40を参照して、画像音響制御部500による可動演出制限処理について説明する。図40は、図39のステップS810の可動演出制限処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8101において、CPU501は、可動演出を実行中であるか否かを判定する。ステップS8101での判定がYESの場合、処理はステップS8102に移り、この判定がNOの場合、可動演出制限処理は終了して、処理は図39のステップS811に移る。
ステップS8102において、CPU501は、演出制御部400から可動演出制限指示(図28のステップS117参照)を受けたか否かを判定する。ステップS8102での判定がYESの場合、処理はステップS8103に移り、この判定がNOの場合、可動演出制限処理は終了して、処理は図39のステップS811に移る。
ステップS8103において、CPU501は、可動部7bの位置が原点位置にあるか否か、つまり第2画像表示部6bが原点位置にあるか否かを判定する。ステップS8103での判定がYESの場合、処理はステップS8104に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8105に移る。
ステップS8104において、CPU501は、ランプ制御部600に指示して可動部7bの可動を禁止させることにより、可動演出の実行を禁止する。なお、禁止された可動演出は、その後、演出制御部400から可動演出の制限を解除する指示を受けることで、実行が許可される。そして、可動演出制限処理は終了して、処理は図39のステップS811に移る。
ステップS8105において、CPU501は、ランプ制御部600に指示して可動部7bの位置を原点位置に移動させることにより、第2画像表示部6bを原点位置に移動させる。そして、可動演出制限処理は終了して、処理は図39のステップS811に移る。
説明は図39に戻り、ステップS811において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された当落報知のタイミング(つまり、大当り結果を報知する結果報知タイミング)であるか否かを判定する。また、CPU501は、高確状態において第2特別図柄の変動表示が終了されるときには、第2小図柄SI2の変動表示の終了タイミングであると判定する。また、CPU501は、通常状態において第1特別図柄が変動表示中のときに第2特別図柄の変動表示が終了されるときには、第2小図柄SI2の変動表示の終了タイミングであると判定する。また、CPU501は、高確状態において第2特別図柄が変動表示中のときに第1特別図柄の変動表示が終了されるときには、第1小図柄SI1の変動表示の終了タイミングであると判定する。また、CPU501は、大当りを示す特別図柄の変動表示が終了したときに中断中の(ハズレを示す)特別図柄の変動表示があるときには、当該中断中の特別図柄に対応した小図柄(第1小図柄SI1または第2小図柄SI2)の変動表示の終了タイミングであると判定する。ステップS811での判定がYESの場合、処理はステップS812に移り、この判定がNOの場合、演出実行処理は終了し、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図53に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS812において、CPU501は、少なくとも一部が変動中の装飾図柄DIを大当り図柄またはハズレ図柄で仮停止表示させることで、大当りまたはハズレを報知し、その後、演出制御部400を介して図柄確定コマンドを受信することによって、当該大当り図柄またはハズレ図柄で確定停止表示させる。具体的には、CPU501は、第1画像表示部6aにおいて、3つの装飾図柄DIの全てを、大当りの場合には大当り図柄として、設定された出目(いわゆるゾロ目;例えば出目「1」、「1」、「1」)で仮停止表示させ、ハズレの場合にはハズレ図柄として、設定された出目(いわゆるばらけ目;例えば出目「1」「2」「1」)で仮停止表示させ、その後、確定停止表示させる。また、CPU501は、装飾図柄DIの確定停止表示と同様に、変動終了タイミングであると判定された第1小図柄SI1および/または第2小図柄SI2を確定停止表示させる。そして、演出実行処理は終了し、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図53に示す処理を繰り返し実行する。
以上で、画像音響制御部500によるタイマ割り込み処理についての説明を終了する。次に、以上に説明した画像音響制御部500によるタイマ割り込み処理によって実現する、本実施形態において特徴的な演出の概要について説明する。
[演出概要]
次に、以上に説明した画像音響制御部500によるタイマ割り込み処理によって実現する、本実施形態において特徴的な演出の概要について図41〜図61を参照して説明する。
[本実施形態における報知演出の画面構成例]
まず、図41を参照して、本実施形態において特別図柄の変動表示が行われるとき(報知演出がおこなわれるとき)に表示される第1画像表示部6aおよび第2画像表示部6bの演出画面の画面構成例について説明する。なお、以下の説明においては第1画像表示部6bをメイン画面と称し、第2画像表示部6bをサブ画面と称する。図41の(1)は、通常状態(低確状態)におけるメイン画面およびサブ画面の演出画面の画面構成例を示し、図41の(2)は、高確状態におけるメイン画面およびサブ画面の演出画面の画面構成例を示す。
図41の(1)、(2)に示すように、通常状態および高確状態のいずれにおいても、メイン画面には、中央領域において装飾図柄DIが表示され、装飾図柄DIは、通常状態(遊技者が左打ちを行う状態)においては、第1特別図柄の変動表示に応じて変動表示することにより、第1特別図柄抽選の抽選結果を報知し、高確状態(遊技者が右打ちを行う状態)においては、第2特別図柄の変動表示に応じて変動表示することにより、第2特別図柄抽選の抽選結果を報知する。
装飾図柄DIは、3つの装飾図柄から構成され、各装飾図柄の画像には、いわゆる出目と呼ばれる数字図柄が描かれており、特別図柄の変動表示に応じて変動表示され、特別図柄の停止表示に応じて停止表示され、そのときの出目により、特別図柄抽選の抽選結果を報知する。例えば、3つの装飾図柄の出目が同じとき(いわゆるぞろ目のとき)には大当りが報知され、3つの装飾図柄の出目が同じではないとき(いわゆるばらけ目のとき)にはハズレが報知される。また、各装飾図柄には数字図柄に対応して画像全体もしくは画像の一部(例えば数字そのもの)に識別可能な態様で色図柄が付されている。具体的には、「1」〜「9」の数字図柄のうち、「1」、「2」、「4」、「6」、「8」、「9」が描かれた装飾図柄は、色図柄として青色が付された青図柄であり、「3」、「5」が描かれた装飾図柄は、色図柄として赤色が付された赤図柄であり、「7」が描かれた装飾図柄は、色図柄として金色が付された金図柄である。そして、本実施形態では、装飾図柄DIが、赤図柄の同色図柄で揃って停止する(ただし数字図柄はばらけ目)ことを同色チャンス目停止と称し、同色チャンス目停止は、その後、大当りする可能性が高いことを事前示唆する事前予告として機能する。また、装飾図柄DIが青図柄のぞろ目(同じ数字図柄)で停止すると、大当りBであることを示唆し、装飾図柄DIが赤図柄のぞろ目で停止すると、大当りAであることを示唆し、装飾図柄DIが金図柄のぞろ目で停止すると、最も有利な大当りCであることを示唆する。また、装飾図柄DIが、青図柄の同色図柄で揃って停止する(ただし数字図柄はばらけ目)と、小当りであることを示唆する。また、装飾図柄DIのうち、最後に停止する中央の装飾図柄を除く他の2つの左右の装飾図柄の出目が揃うと、いわゆるリーチ状態となり、後続の演出(リーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出等)に発展することが示唆される。また、装飾図柄DIのうち、左右の装飾図柄がリーチ状態から1つ数字がずれた状態(例えば、「2」と「3」)となり、かつ、最後に停止する中央の装飾図柄として特殊図柄(例えば、「擬」という文字図柄)が停止すると、擬似連演出が実行されることが示唆される。
また、メイン画面では、通常状態においては、図41の(1)に示すように、メイン画面下部の第1保留表示領域SA1に、第1特別図柄抽選が保留されていることを示す第1保留画像RI1が表示され、高確状態においては、図41の(2)に示すように、メイン画面上部の第2保留表示領域SA2に、第2特別図柄抽選が保留されていることを示す第2保留画像RI2が表示される。
第1保留画像RI1は、第1特別図柄抽選が保留されている数に対応して左右に配列される球状の画像(保留球画像)であり、第1特別図柄抽選が新たに記憶(保留)される毎に最大4つまで右に追加表示される。したがって、第1特別図柄抽選の保留が消化される(第1特別図柄抽選が開始される)ときには、左端の保留画像に対応する第1特別図柄抽選から実行され、実行された第1特別図柄抽選に対応する左端の保留画像が非表示となると、残りの保留画像は、その表示位置を左に1つずつ移動させる。なお、第1保留画像RI1は、通常状態(遊技者が左打ちを行う状態)において表示され、高確状態(遊技者が右打ちを行う状態)においては表示されない。
第2保留画像RI2は、第2特別図柄抽選が保留されている数に対応して左右に配列される球状の画像(保留球画像)であり、第2特別図柄抽選が新たに記憶(保留)される毎に最大4つまで右に追加表示される。したがって、第2特別図柄抽選の保留が消化される(第2特別図柄抽選が開始される)ときには、左端の保留画像に対応する第2特別図柄抽選から実行され、実行された第2特別図柄抽選に対応する左端の保留画像が非表示となると、残りの保留画像は、その表示位置を左に1つずつ移動させる。なお、第2保留画像RI2は、高確状態(遊技者が右打ちを行う状態)において表示され、通常状態(遊技者が左打ちを行う状態)においては表示されない。
また、メイン画面には、演出の進行に応じて、画面全体に実写リーチ演出が実行され、あるいは、画面左下にキャラクタPが出現してセリフ演出が実行されることもある。
一方、サブ画面では、通常状態においては、図41の(1)に示すように、サブ画面右上部の第2小図柄表示領域KA2において、例外的に、第2小図柄SI2が表示されるときがあり、高確状態においては、図41の(2)に示すように、サブ画面右上部の第2小図柄表示領域KA2においては第2小図柄SI2が表示されるが、例外的に、サブ画面左上部の第1小図柄表示領域KA1において、第1小図柄SI1が表示されるときがある。
第1小図柄SI1、第2小図柄SI2は、いずれも装飾図柄DIよりも小さな3つの小図柄から構成され、装飾図柄DIと同様に、各小図柄の画像には、いわゆる出目と呼ばれる数字図柄が描かれており、特別図柄の変動表示に応じて変動表示され、特別図柄の停止表示に応じて停止表示され、そのときの出目により、特別図柄抽選の抽選結果を報知する。具体的には、第1小図柄SI1は、第1特別図柄の変動表示に応じて変動表示されて第1特別図柄抽選の抽選結果を報知し、第2小図柄SI2は、第2特別図柄の変動表示に応じて変動表示されて第2特別図柄抽選の抽選結果を報知する。
図41の(1)に示すように、通常状態(遊技者が左打ちを行う状態)においては、第1特別図柄の変動表示に応じて装飾図柄DIが変動表示されるため、サブ画面において第1小図柄SI1は原則として表示されず、通常状態において第1特別図柄が変動表示されているとき(装飾図柄DIが変動表示されているとき)に、例外的に第2特別図柄の変動開始および変動停止が行われると、第2特別図柄が変動開始されたことおよび変動停止されたことを示唆するために、第2小図柄SI2が表示される。なお、本実施形態では、第2特別図柄の変動開始時および変動停止時に第2小図柄SI2が表示されるものとしたが、第2特別図柄の変動表示中にも第2小図柄SI2が表示されるものとしてもよい。また、詳細は後述するが、通常状態において大当りと判定された第2特別図柄抽選に基づく第2特別図柄の変動表示が行われているときに、メイン画面において当該第2特別図柄の変動表示に対応した演出(後述する入替演出)が実行される場合がある。このときには、第1特別図柄が変動表示しても、メイン画面においては当該変動表示に応じた装飾図柄DIの変動表示が実行されないため、サブ画面において、第1特別図柄の変動開始および変動停止に応じて、例外的に第1小図柄SI1が表示され、入替演出の終了に伴って第2小図柄SI2が停止表示される。
図41の(2)に示すように、高確状態(遊技者が右打ちを行う状態)においては、第2特別図柄の変動表示に応じて装飾図柄DIが変動表示されるが、第2特別図柄の変動表示をより印象付けるために、サブ画面においても装飾図柄DIと同様に第2小図柄SI2が表示される。また、高確状態において第2特別図柄が変動表示されているとき(装飾図柄DIが変動表示されているとき)に、例外的に第1特別図柄の変動開始および変動停止が行われると、第1特別図柄が変動開始されたことおよび変動停止されたことを示唆するために、第1小図柄SI1が表示される。なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動開始時および変動停止時に第1小図柄SI1が表示されるものとしたが、第1特別図柄の変動表示中にも第1小図柄SI1が表示されるものとしてもよい。
また、本実施形態では、大当りを示す一方の特別図柄の変動表示が終了したときに他方の特別図柄の変動表示があるときには、当該他方の特別図柄の変動表示は強制的に終了されるため、強制的に終了されたことを示唆するために、サブ画面において、当該他方の特別図柄に対応する小図柄(SI1またはSI2)が表示される。
また、サブ画面には、演出の進行に応じて、メイン画面で実行されている演出に連動した演出(例えば、メイン画面でリーチ演出が行われているときに、当該リーチ演出の信頼度を示唆するキャラクタが登場する演出)が実行されることもある。
[可動演出概要]
次に、図42、図43を参照して、本実施形態における可動演出の概要について説明する。本実施形態では、特別図柄の変動表示が行われるとき(報知演出がおこなわれるとき)に実行される種々の演出の一つとして、可動演出が実行される。なお、可動演出は、通常遊技状態において第1特別図柄が変動表示されているときの報知演出(変動演出)としても、高確状態において第2特別図柄が変動表示されているときの報知演出(変動演出)としても実行可能であるが、以下では、通常遊技状態において第1特別図柄が変動表示されているときの報知演出(変動演出)として実行される場合について説明する。
図42の(1)に示すように、通常状態において第1特別図柄の変動表示が行われているとき(装飾図柄DIが変動表示されているとき)に、可動部7bが可動することにより、可動部7bに接続された第2画像表示部6b(サブ画面)が、メイン画面の上面を可動する可動演出が実行される。これにより、一点に集中した遊技者の視点を変えることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、通常状態において第2特別図柄が変動表示中である場合には、第2特別図柄が停止表示される所定時間前(例えば4.0秒前)に確定前コマンドに基づく可動演出制限指示が行われる(図20のステップS4116、図28のステップS116参照)。このため、図42の(2)に示すように、可動演出制限指示が行われたときに、可動演出が実行されていたことによりサブ画面が原点位置(初期位置)にない場合には、サブ画面を原点位置に復帰させる移動処理が行われる。なお、この所定時間としては、サブ画面を原点位置に復帰させるのに要する時間よりも長い時間が設定される。
そして、図42の(3)に示すように、サブ画面が原点位置に復帰すると、その後、上記した所定時間が経過することにより第2特別図柄が停止表示されるので、サブ画面が原点位置に復帰した後に、サブ画面において第2特別図柄に対応する第2小図柄SI2が停止表示される。
一方、図43の(1)に示すように、通常状態において第1特別図柄の変動表示が行われているとき(装飾図柄DIが変動表示されているとき)に、可動演出が実行されていないときには、サブ画面は原点位置に在る。このため、通常状態において第2特別図柄が変動表示中である場合に、第2特別図柄が停止表示される所定時間前(例えば4.0秒前)に確定前コマンドに基づく可動演出制限指示が行われても、サブ画面を原点位置に復帰させる移動処理を行う必要がない。しかし、この場合には、図43の(2)に示すように、可動演出を行うこと(つまり、可動部7bを可動させること)が制限(禁止)される。そして、図43の(3)に示すように、上記した所定時間が経過することにより第2特別図柄が停止表示されると、原点位置に在るサブ画面において第2特別図柄に対応する第2小図柄SI2が停止表示される。
以上のように、本実施形態では、可動演出制限指示が行われると、図42に示すように可動中のサブ画面を原点位置に復帰させ、あるいは、図43に示すように原点位置に在るサブ画面の可動を制限するが、これは、以下の理由による。具体的には、前述したように、通常状態において第1特別図柄が変動表示されているときに、第2特別図柄の変動停止が行われると、サブ画面において第2小図柄SI2が停止表示される。しかし、第1特別図柄の変動表示に伴う演出として可動演出が実行され、サブ画面が可動されていると、可動中のサブ画面において停止表示される第2小図柄SI2(つまり、大当り結果を報知する図柄)を注視させることが難しくなる。このため、本実施形態では、通常遊技状態においてサブ画面において第2小図柄SI2が停止表示されるタイミングではサブ画面が必ず原点位置に在るようにするために、第2特別図柄が停止表示されるタイミングよりも所定時間(4.0秒)前に、原点位置にないサブ画面の原点位置への移動処理を開始させることでサブ画面を原点位置に戻すのに必要な時間を確保し、あるいは、原点位置にあるサブ画面の可動を禁止することで、サブ画面を原点位置に戻した後(停止状態)で、第2小図柄SI2を表示することで、第2小図柄SI2を注視させ易くしている。なお、高確状態において第2特別図柄が変動表示されているときに、第1特別図柄の変動停止が行われると、サブ画面において第1小図柄SI1が停止表示されるが、このときも同様に可動演出制限指示が行われることにより、サブ画面において第1小図柄SI1が停止表示されるタイミングではサブ画面が必ず原点位置に在るように制御され、サブ画面が原点位置に在る状態で第1小図柄SI1が表示される。
ところで、本実施形態では、サブ画面における小図柄(SI1、SI2)を注視させるために、サブ画面の可動を制限する例について説明したが、他の実施例に応用することもできる。例えば、メイン画面において表示される装飾図柄DIを注視させるために、メイン画面を覆う可動物の可動を制限するものとすることもできる。具体的には、可動物はメイン画面の装飾図柄DIの一部または全部を覆うように可動するが、装飾図柄DIが停止表示される所定時間前において、可動物が装飾図柄DIを覆わない原点位置にない場合には、原点位置に復帰させ、可動物が原点位置に在る場合には、その可動を制限することにより、装飾図柄DIが停止表示されるタイミングでは可動物は必ず原点位置に在るように制御され、可動物が原点位置に在る状態(つまり、装飾図柄DIを覆わない状態)で、装飾図柄DIが停止表示されるものとする。このようにすることで、可動物がメイン画面上を可動したとしても装飾図柄DIの停止図柄(大当り結果を報知する図柄)を注視させることが可能となる。また、この可動物は遊技者の操作により可動に構成することもできる。この場合には、装飾図柄DIが停止表示される所定時間前において、可動物が原点位置にない場合には、遊技者の操作を禁止するとともに強制的に可動物を原点位置に復帰させ、可動物が原点位置に在る場合には、遊技者の操作を禁止するものとする。また、可動物を移動させる位置は、装飾図柄DIを視認可能な位置であれば原点位置に限られるものではない。
[実写リーチ演出概要]
次に、図44、図45を参照して、本実施形態における実写リーチ演出の概要について説明する。図44は、通常状態における実写リーチ演出の概要を示し、図45は高確状態におけるリーチ演出の概要を示す。
通常状態(遊技者が左打ちを行う状態)においては、装飾図柄DIは、第1特別図柄の変動表示に応じて変動表示され、すなわち、メイン画面においては、図16に示す変動パターンに基づく演出が実行されることになる。ここで、前述したように、実写リーチ演出が行われる変動パターンは、特別SPSP当り/ハズレに対応する変動パターン(「90.02秒」または「90.04秒」)であるが、図16に示すように、特別SPSP当りに対応する変動パターンは、大当りAのときに設定されている一方、大当りBのときには設定されていない。このため、大当りBのときには実写リーチ演出は行われない。したがって、通常状態において、装飾図柄DIがリーチ状態となり(図44の(1)参照)、その後、実写リーチに発展し(図44の(2)参照)、大当りであることが報知される(図44の(3)参照)と、この大当りの種類は大当りAとなる(図44の(4))参照。このため、例えば、装飾図柄DIの大当り図柄として、一時的に大当りBを示唆する青図柄のぞろ目(例えば「1」)が停止表示されても(図44の(3)参照)、その後、図柄昇格演出が行われることにより赤図柄のぞろ目(例えば「3」)に変更されることで、大当りAであることが示唆される(図44の(4)参照)。なお、図柄昇格演出が行われることなく、最初から大当りAであることが報知されるものとしてもよいし、報知演出(変動演出)においては、図柄昇格演出は行われず、大当り遊技中に大当りBではなく大当りAであることを示唆する昇格演出が行われるものとしてもよい。
高確状態(遊技者が右打ちを行う状態)においては、装飾図柄DIは、第2特別図柄の変動表示に応じて変動表示され、すなわち、メイン画面においては、図19に示す変動パターンに基づく演出が実行されることになる。ここで、前述したように、実写リーチ演出が行われる変動パターンは、特別SPSP当り/ハズレに対応する変動パターン(「90.02秒」または「90.04秒」)であるが、図16に示すように、特別SPSP当りに対応する変動パターンは、大当りCのときに設定されている一方、大当りAのときには設定されていない。このため、大当りAのときには実写リーチ演出は行われない。したがって、高確状態において、装飾図柄DIがリーチ状態となり(図45の(1)参照)、その後、実写リーチに発展し(図45の(2)参照)、大当りであることが報知される(図45の(3)参照)と、この大当りの種類は大当りCとなる(図45の(4))参照。このため、例えば、装飾図柄DIの大当り図柄として、一時的に大当りAを示唆する赤図柄のぞろ目(例えば「3」)が停止表示されても(図45の(3)参照)、その後、図柄昇格演出が行われることにより金図柄のぞろ目(「7」)に変更されることで、大当りCであることが示唆される(図45の(4)参照)。なお、図柄昇格演出が行われることなく、最初から大当りCであることが報知されるものとしてもよいし、報知演出(変動演出)においては、図柄昇格演出は行われず、大当り遊技中に大当りAではなく大当りCであることを示唆する昇格演出が行われるものとしてもよい。
以上のように、本実施形態では、通常状態においても高確状態においても実写リーチ演出が実行されるが、いずれの遊技状態において実行されるかに応じて、その示唆内容が異なるものとなる。すなわち、通常遊技状態において実写リーチ演出が実行された場合には、「大当りすれば大当りAである」ことが示唆される一方、高確状態において実写リーチ演出が実行された場合には、「大当りすれば大当りCである」ことが示唆される。また、本実施形態では、大当りの種類として、大当りA〜Cがあるが、大当りCの利益度合が最も高い。このため、遊技者としては大当りCに当選することを最も期待するが、高確状態において実写リーチ演出が行われたときには、大当りすると大当りCであることが示唆されるため、高確状態において実写リーチ演出が実行された場合には、低確状態において実写リーチ演出が実行されるときよりも、より高揚感を与えることが可能となる。つまり、同じ実写リーチ演出でありながら、出現するときの状況(遊技状態)によって、異なる期待感を与えることが可能となる。
ところで、上記では、遊技状態に応じて示唆内容が異なる同一の演出の例として実写リーチ演出を挙げたが、他の演出に適用することもできる。例えば、装飾図柄DIが特定の図柄(例えば「7」)でリーチ状態になる演出(以下、7テンパイ演出という)に適用することもできる。具体的には、通常遊技状態において7テンパイ演出が実行されたときには、「大当りすれば可能な大当りのうち有利な大当りである」ことが示唆され、高確状態において7テンパイ演出が実行されたときには、「最も有利な大当りに当選している(ハズレではない)」ことが示唆されるとすることもできる。また、大当りを確定報知するプレミア演出に適用することもできる。具体的には、通常遊技状態においてプレミア演出が実行されたときには、「最も有利な大当りとは限らないが大当りに当選している」ことが示唆され、高確状態においてプレミア演出が実行されたときには、「最も有利な大当りに当選している」ことが示唆されるとすることもできる。
なお、上記では、通常状態においては大当りBのときには特別SPSP当りに対応する変動パターンは設定されず、高確状態においては大当りAのときには特別SPSP当りに対応する変動パターンは設定されないものとすることにより、通常状態において大当りBのときには実写リーチ演出が実行されず、高確状態において大当りAのときには実写リーチ演出が実行されないものとした。しかし、大当りの種類にかかわらず、特定の変動パターン(特別SPSP当り)を設定可能であるものとしてもよい。この場合には、特定の変動パターンに基づいて演出制御部400が報知演出を設定するとき(図28のステップS115参照)に、通常状態においては大当りBのときには実写リーチ演出を設定できないものとし、高確状態においては大当りAのときには実写リーチ演出を設定できないものとすればよい。
[セリフ演出概要]
次に、図46〜図50を参照して、本実施形態におけるセリフ演出の概要について説明する。図46はセリフ演出の種類を示す図であり、図47〜図50は、セリフ演出が実行されるときの一例を示す図である。以下では、一部のセリフ演出の概要については、図47〜図50を参照して説明する。
セリフ演出は、メイン画面の左下にキャラクタPが登場して種々のセリフを発する演出であるが、図46に示すように、そのカテゴリが「予告解説」、「事後解説」、「紹介演出」に分類される。「予告解説」に分類されるセリフ演出は、今後の展開を予告する演出であり、セリフ演出A1〜A5が例示され、「事後解説」に分類されるセリフ演出は、実行された演出を解説する演出であり、セリフ演出B1〜B3が例示され、「紹介演出」に分類されるセリフ演出は、実行されている演出とは関係なくキャラクタPが自己紹介等を行う演出であり、セリフ演出C1〜C2が例示される。
まず、「予告解説」に分類されるセリフ演出A1〜A5について説明する。「予告解説」に分類されるセリフ演出は、導入演出が行われた後に、その先の展開として特定演出が実行され得る場合において、導入演出が実行されたことに応じて実行され、特定演出が実行されることで示唆される内容を予め解説することで、今後の展開を予告する。以下に、導入演出や特定演出の具体例を用いて、セリフ演出A1〜A5について説明する。
まず、図47を参照して、本実施形態における導入演出と特定演出の一例について説明する。図47は、最初に停止表示される装飾図柄DIとして赤図柄が停止する導入演出が行われてから、その先の展開として3つの装飾図柄DIが同じ赤図柄で停止する特定演出が実行され得る一例を示す。
図47に示すように、装飾図柄DIのうち最初に停止表示される左の装飾図柄(第1装飾図柄)として赤図柄(例えば「3」)が停止する導入演出が行われる(図47の(1)参照)と、その先の展開として、3つの装飾図柄DIが同じ赤図柄で停止する特定演出(チャンス目停止演出)が行われるとき(図47の(2A)参照)と、3つの装飾図柄DIが赤図柄で揃わないで停止する(特定演出が行われない)とき(図47の(2B)参照)とがある。そして、特定演出が実行されることで、次の特別図柄の変動表示が開始されることに伴って熱ゾーンに突入する(図47の(3A)参照)が、特定演出が実行されないときには、熱ゾーンに突入しない(図47の(3B)参照)。このように、導入演出の一例として、第1装飾図柄が赤図柄で停止する演出が行われると、その先の展開として、3つの装飾図柄DIが同じ赤図柄で揃って停止する特定演出が実行されるときがあり、特定演出が実行されることで熱ゾーンに突入する(つまり、その後の大当り信頼度が高くなる)ことが示唆される。
セリフ演出A1は、導入演出として、第1装飾図柄が赤図柄で停止する演出が行われたときに実行される演出である。なお、上記したように、導入演出として、第1装飾図柄が赤図柄で停止する演出が行われたときには、その先の展開として、3つの装飾図柄DIが同じ赤図柄で揃って停止する特定演出が実行されるときがある。
図48に示すように、導入演出として、第1装飾図柄が赤図柄(例えば「3」)で停止する演出が行われる(図48の(1)参照)と、導入演出が行われたことに応じて、セリフ演出A1が行われる。具体的には、セリフ演出A1は、導入演出が行われてから、その先の展開として特定演出が実行されることで示唆される内容を予め解説するものであるため、例えば、「赤図柄が揃うと熱ゾーンに突入だ!」というセリフ内容が表示される(図48の(2)参照)。これにより、この先の展開として、3つの装飾図柄DIが同じ赤図柄で揃って停止する特定演出が実行されることで示唆される内容「熱ゾーンに突入」が予め解説される。なお、セリフ演出A1が行われてから、その後、実際に特定演出が行われた場合(図48の(3A)参照)には、セリフ演出A1によって予め解説された内容の演出(熱ゾーン突入)が行われ(図48の(4A)参照)、特定演出が行われない場合(図48の(3B)参照)には、セリフ演出A1によって予め解説された内容の演出は行われない。
なお、上記では、セリフ演出A1を行うキャラクタPは、セリフ演出A1が行われる前後において表示されているものとしたが、キャラクタPはセリフ演出A1が行われることに伴って表示されるものとしてもよい。具体的には、導入演出が実行されたことに応じて、キャラクタPが表示されるとともにセリフ演出A1が行われ、セリフ演出A1が終了する(非表示となる)と同時にキャラクタPも非表示となるものとしてもよい(つまり、図48の(2)に示すセリフ演出A1が表示されるときのみキャラクタPが表示され、それ以外ではキャラクタPが表示されないものとしてもよい)。また、キャラクタPは表示されずに、導入演出が実行されることに応じてセリフ演出A1のみが表示されるものとしてもよい。
セリフ演出A2〜A5も、セリフ演出A1と同様に、導入演出が実行されたことに応じて実行され、特定演出が実行されることで示唆される内容を予め解説するが、導入演出と特定演出がセリフ演出A1とは異なる。
セリフ演出A2は、導入演出として、保留画像(RI1またはRI2)が特定保留(例えば「黄色」の保留)に変化する保留変化演出が行われたことに応じて実行される演出であり、この導入演出が行われたときには、その先の展開として、特定保留がさらに信頼度の高い態様(例えば、赤色)にバージョンアップする特定演出が実行されるときがあり、この特定演出が実行されることで、大当りの信頼度が高い(好機である)ことが示唆される。したがって、セリフ演出A2としては、導入演出が行われることに応じて、例えば、「特定保留はバージョンアップすると好機だ!」というセリフ内容が表示される。これにより、この先の展開として、特定保留がさらに信頼度の高い態様(例えば、赤色)にバージョンアップする特定演出が実行されることで示唆される内容「信頼度が高い(好機)」が予め解説される。
セリフ演出A3は、導入演出として、実行されていたSPリーチ演出が終了する終了演出が行われたことに応じて実行される演出であり、この導入演出が行われたとき(SPリーチ演出が終了したとき)には、その先の展開として、特別キャラクタが登場する特定演出が実行されるときがあり、この特定演出が実行されることで、SPSPリーチ演出に発展することが示唆される。したがって、セリフ演出A3としては、導入演出が行われることに応じて、例えば、「特別キャラ登場でSPSPに発展だ!」というセリフ内容が表示される。これにより、この先の展開として、特別キャラクタが登場する特定演出が実行されることで示唆される内容「SPSPリーチ演出に発展」が予め解説される。
セリフ演出A4は、導入演出として、装飾図柄DIのうち左右の装飾図柄がリーチ状態から1つ数字がずれた状態(例えば、「2」と「3」)になる(滑りが行われる)か否かを煽る滑り煽り演出が行われたことに応じて実行される演出であり、この導入演出が行われたときには、その先の展開として、滑り煽り演出の結果として実際に滑りが行われる特定演出が実行されるときがあり、この特定演出が実行されることで、擬似連演出が実行されることが示唆される。したがって、セリフ演出A4としては、導入演出が行われることに応じて、例えば、「滑ると擬似連だ!」というセリフ内容が表示される。これにより、この先の展開として、滑りが行われる特定演出が実行されることで示唆される内容「擬似連演出の実行」が予め解説される。
セリフ演出A5は、導入演出として、サブ画面が可動している演出が行われたことに応じて実行される演出であり、この導入演出が行われたときには、その先の展開として、サブ画面が可動域の最後まで可動(例えば上昇)する特定演出が実行されるときがあり、この特定演出が実行されることで、大当りの信頼度が高い(激熱である)ことが示唆される。したがって、セリフ演出A5としては、導入演出が行われることに応じて、例えば、「最後まで上昇すれば激熱だ!」というセリフ内容が表示される。これにより、この先の展開として、サブ画面が可動域の最後まで可動する特定演出が実行されることで示唆される内容「信頼度が高い(激熱)」が予め解説される。
以上のように、「予告解説」に分類されるセリフ演出は、導入演出が実行されたことに応じて実行され、その先の展開として実行され得る特定演出が実行されることで示唆される内容を予め解説する演出として機能する。
なお、「予告解説」に分類されるセリフ演出A1〜A5が実行されたときには、当該セリフ演出が実行されないときよりも、導入演出の後に実行され得る特定演出が実行され易いものとしてもよい。すなわち、例えば、導入演出として、第1装飾図柄が赤図柄で停止する演出が行われたとき(図47の(1)、図48の(1)参照)には、セリフ演出A1が実行されると(図48参照)、セリフ演出A1が実行されない(図47参照)ときよりも、3つの装飾図柄DIが同じ赤図柄で揃って停止する特定演出が実行され易いものとしてもよい。このようにすることで、「予告解説」に分類されるセリフ演出が実行されたときには、導入演出が行われた後に特定演出が実行される可能性が高くなるので、遊技者に対するセリフ演出に対する期待感をより高めることができる。
次に、「事後解説」に分類されるセリフ演出B1〜B3について説明するが、一例としてセリフ演出B1については図49に例示する。
セリフ演出B1は、リーチ演出が実行されているとき(図49の(1)参照)に、大当りの信頼度を予告するカットイン演出として金カットイン演出が実行された(図49の(2)参照)後に、「金カットインが発生!激熱だ!」というセリフ内容が表示される(図49の(3)参照)ことで、実行された演出を事後解説する演出として機能する。なお、セリフ演出B1が実行された後には、金カットイン演出が実行されたこと(大当り信頼度が高いこと)に基づいて、例えばリーチ演出の結果として大当りであることが報知される(図49の(4)参照)。
セリフ演出B2は、メイン画面に表示される背景画像が信頼度の高いことを示唆するチャンス背景に変化した後に「チャンス背景に移行!チャンスだ!」というセリフ内容が表示されることで、実行された演出を事後解説する演出として機能する。
セリフ演出B3は、保留画像(RI1またはRI2)が「赤色」の保留に変化し後に「赤保留に変化した!アツい!」というセリフ内容が表示されることで、実行された演出を事後解説する演出として機能する。
以上のように、「事後解説」に分類されるセリフ演出は、特定の演出が実行された後に実行されることで、特定の演出の内容を事後解説する演出として機能する。
次に、「紹介演出」に分類されるセリフ演出C1〜C2について説明するが、一例としてセリフ演出C1については図50に例示する。
セリフ演出C1は、特別図柄が変動開始された(図50の(1)参照)後に、「こんにちは、よろしく!」というセリフ内容が表示される(図50の(2)参照)ことで、単にキャラクタPが自己紹介する演出として機能する。
セリフ演出C2は、特別図柄の変動開始後に「疲れたなぁ〜」というセリフ内容が表示されることで、単にキャラクタPが自己紹介する演出として機能する。
以上のように、「紹介演出」に分類されるセリフ演出は、実行されている演出とは関係なく行われることで、いわゆる賑やかしの演出として機能する。
以上のように、本実施形態におけるセリフ演出は、特定の演出が実行されたことからその先に起こり得る展開を予告解説する演出として機能するときもあれば、特定の演出の内容を事後解説する演出として機能することもあれば、実行されている演出とは関係なく賑やかしの演出として機能することもある。このため、同じキャラクタPを用いたセリフ演出でありながら、実行されるタイミング等により示唆する内容が異なるものとなり、バラエティに富んだ演出を実現可能となる。また、「予告解説」に分類されるセリフ演出が行われるときには、導入演出が実行されたことに応じて実行され、導入演出が実行されたことからその先に起こり得る展開(その先の展開として実行され得る特定演出が実行されることで示唆される内容)が予告解説されるので、導入演出が実行されていないにもかかわらず、特定演出が実行されたときの示唆内容の解説を行う演出とは大きく異なる。すなわち、本実施形態の「予告解説」に分類されるセリフ演出では、実際に行われた導入演出に関連して、その先に起こり得る展開が予告されるものであるため、遊技者がもっとも興味のあるタイミングでその後の展開を予告することが可能となり、セリフ演出に対する遊技者の興味をより惹き起こすことが可能となる。
なお、キャラクタPは、セリフ演出が実行されるときにのみ表示されるものとしてもよいし、図48〜図50に例示したように、装飾図柄DIの変動表示中に表示され、セリフ演出が実行されないときにも表示されるものとしてもよい。このように、セリフ演出が実行されないときにもキャラクタPを表示しておくときには、遊技者に対して、常にセリフ演出が実行されるかもしれないという期待感を惹き起こすことが可能となる。また、上記では、キャラクタPによって全てのセリフ演出が実行されるものとしたが、セリフ演出のカテゴリに応じてセリフ演出を実行するキャラクタを変更するものとしてもよいし、セリフ演出毎に実行するキャラクタを変更するものとしてもよい。
[通常状態において第2特別図柄抽選で大当りした場合の演出概要]
次に、図51〜図57を参照して、本実施形態において、通常状態において第2特別図柄抽選で大当りした場合に行われる演出の概要について説明する。なお、前述したように、本実施形態では、通常状態においては、左打ちを行うことによって第1特別図柄抽選を始動させることが推奨されるため、通常状態において第2特別図柄抽選で大当りするのは極めてまれであるが、このときには、第2特別図柄抽選の大当りに対する変動パターンとして図17に示す「低確特殊当り(60.0秒)」が設定される。そして、「低確特殊当り」の変動パターンに対する演出パターンとしては、特1激熱対象保留がない場合には「無報知演出パターン」が設定され、特1激熱対象保留がある場合には「入替演出パターン」が設定される(図32参照)。したがって、最初に図51〜図55を参照して、第2特別図柄抽選で大当りしたときの演出パターンが「無報知演出パターン」である(特1激熱対象保留がない)場合に行われる演出の概要について説明し、次に図56、図57を参照して、第2特別図柄抽選で大当りしたときの演出パターンが「入替演出パターン」である(特1激熱対象保留がある)場合に行われる演出の概要について説明する。なお、以下では、通常状態において大当りと判定された第2特別図柄抽選に基づく第2特別図柄の変動表示を、単に特2大当り変動といい、第1特別図柄の変動表示を、単に特1変動ということがある。
[特2大当り変動が無報知演出パターンである場合の演出概要]
図51〜図55を参照して、特2大当り変動の演出パターンが「無報知演出パターン」である(特1激熱対象保留がない)場合に行われる演出の概要について説明する。以下では、特2大当り変動が開始されたときに、特1変動が行われていない場合と、特1変動が行われている場合に分けて説明する。
[特2大当り変動開始時に特1変動が行われていない場合]
まず、図51を参照して、特2大当り変動開始時に特1変動が行われていない場合について説明する。図51の(1)は、特2大当り変動の変動開始から変動終了(変動停止)まで、特1変動が行われない例を示し、図51の(2)は、特2大当り変動の変動開始時および変動終了時には特1変動が行われないが、特2大当り変動の変動中に特1変動が行われる例を示し、図51の(3)は、特2大当り変動の変動中から特2大当り変動の変動終了まで特1変動が行われる例を示す。また、以下では、演出例として、適宜、図53、図54を参照して説明する。
図51の(1)に示す例では、特1変動が行われていないとき(いわゆる客待ち状態のとき;図53の(1)参照)に、特2大当り変動が開始されても、特1変動に対応した装飾図柄DIは変動表示されないため、メイン画面において装飾図柄DIは停止表示されたまま(客待ち状態と同じ)となり、特2大当り変動の演出パターン「無報知演出パターン」に応じて報知演出は行われない(図53の(2)参照)。また、特1変動が行われていないときに特2大当り変動の変動開始および変動停止が行われるため、サブ画面においても特2大当り変動に対応した小図柄SI2は表示されない(図53の(2)参照)。そして、特2大当り変動が終了すると、役連作動ゲート25へ遊技球を通過させるための準備となる準備期間(例えば3.0秒間)が開始されるが、メイン画面においては、役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることを促す準備演出は表示されない。なお、準備期間が経過してゲート有効期間が開始されると、右打ち表示器4hは点灯表示される。また、本実施形態では、役連作動ゲート25を遊技球が通過しない限りラウンド遊技が開始されず、また外端情報も送信されないため、大当りに当選しても、役連作動ゲート25を遊技球が通過するまでは、例えば外部カウンタ表示器による大当り表示も実行されない。そして、準備期間が経過するとゲート有効期間が開始されるが、メイン画面やサブ画面にはなんら報知演出が実行されていない(つまり、客待ち状態と同じ演出が行われている)ため、客待ち中と認識した遊技者が左打ちを行うことによって第1始動口21に遊技球が入賞すると、当該入賞を契機にメイン画面において、大当り遊技演出を開始するための準備演出が開始される(図53の(4)参照)。したがって、遊技者に対しては、第1始動口21への遊技球が入賞したことで即座に大当りしたような印象を与えることができる。そして、準備演出が実行された後には、準備演出の指示にしたがって右打ちが行われて、ゲート有効期間において遊技球が役連作動ゲート25を通過することで、オープニング期間が開始されて、その後、ラウンド遊技が開始されるとともに、メイン画面においては、オープニング演出が開始されて、その後、ラウンド演出が開始され、また、例えば外部カウンタ表示器による大当り表示が実行される。なお、ゲート有効期間が開始されてメイン画面やサブ画面にはなんら報知演出が実行されていないときに、例えば、右打ち表示器4hを認識した遊技者等が左打ちを行うことなく右打ちを行うことにより遊技球が役連作動ゲート25を通過した場合には、メイン画面においては、準備演出が行われることなくオープニング演出が開始される。
図51の(2)に示す例では、特2大当り変動の変動中に特1変動が行われるため、特1変動が行われている間は、メイン画面において、特1変動(変動A)に対応した装飾図柄DIが変動表示される。つまり、メイン画面において変動Aに対応した報知演出(変動演出)が行われる(例えば、図54の(1)参照)。なお、一方の特別図柄抽選が先に大当りと判定されているときには他方の特別図柄抽選はハズレと判定されるため、特1変動は、ハズレの変動である。また、図51の(2)に示す例では、特2大当り変動の変動途中において変動Aに対応した報知演出(変動演出)が行われることを除けば、図51の(1)に示す例と同様の演出が行われる。
図51の(3)に示す例では、図51の(2)に示す例と同様に、特2大当り変動の変動中に特1変動(ハズレ変動)が行われるため、特1変動が行われている間は、メイン画面において、特1変動(変動A)に対応した装飾図柄DIが変動表示される報知演出(変動演出)が行われる(図54の(1)参照)。そして、この変動Aに対応した報知演出は、変動時間が長いことにより特2大当り変動の変動終了まで行われるが、特2大当り変動の変動終了とともにハズレ図柄で強制停止される(図54の(2)参照)。また、特1変動が行われているときに特2大当り変動の変動停止が行われるため、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2が表示される(図54の(2)参照)。また、特1変動(変動A)は、特2大当り変動の変動終了に伴って強制的に変動終了されるため、強制的に終了されたことを示唆するために、サブ画面においては、特1変動(変動A)に対応した小図柄SI1も表示される(図54の(2)参照)。そして、特2大当り変動および特1変動(変動A)が終了すると、準備期間が開始されるとともに、メイン画面において大当り遊技演出を開始するための準備演出が開始される(図54の(3)参照)。つまり、この場合には、特2大当り変動の変動終了を契機に準備演出が開始される。したがって、遊技者に対しては、変動Aがハズレであったのにあたかも復活当りしたかのような印象を与えることができる。なお、準備期間が経過してゲート有効期間が開始されると、右打ち表示器4hは点灯表示され、ゲート有効期間において、遊技球が役連作動ゲート25を通過した後のオープニング演出およびラウンド演出は、図51の(1)に示す例と同様である。
[特2大当り変動開始時に特1変動が行われている場合]
次に、図52を参照して、特2大当り変動開始時に特1変動が行われている場合について説明する。図52の(1)は、特2大当り変動の変動終了までに特1変動が終了する例を示し、図52の(2)は、特2大当り変動の変動終了とともに特1変動が終了(強制終了)する例を示し、図52の(3)は、特2大当り変動開始前に開始されていた特1変動が、特2大当り変動中に複数連続して行われる例を示す。また、以下では、演出例として、適宜、図55を参照して説明する。
図52の(1)に示す例では、特1変動が行われると、特1変動(変動A)に対応した装飾図柄DIが変動表示される。つまり、メイン画面において変動Aに対応した報知演出(変動演出)が行われる(図55の(1)参照)。なお、特1変動の後に特2大当り変動が開始されることから、この特1変動はハズレを示すハズレ変動である。そして、この変動Aの報知演出が行われているときに特2大当り変動が開始されても、特2大当り変動の演出パターン「無報知演出パターン」に応じてメイン画面においては変動Aの報知演出が継続される(図55の(2)参照)。また、特1変動が行われているときに特2大当り変動の変動開始が行われるため、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2が表示される(図55の(2)参照)。そして、特2大当り変動の変動中に特1変動(変動A)が終了すると、変動Aに対応した報知演出は終了し、特2大当り変動の演出パターン「無報知演出パターン」に応じて報知演出は行われない(図55の(3)参照)。そして、図51の(1)に示す例と同様に、特2大当り変動が終了すると、準備期間が開始されるが、メイン画面においては、役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることを促す準備演出は表示されず、第1始動口21に遊技球が入賞すると、当該入賞を契機にメイン画面において、大当り遊技演出を開始するための準備演出が開始される(図55の(4)参照)。
図52の(2)に示す例では、まず、図52の(1)に示す例と同様に、特1変動(ハズレ変動)が行われると、メイン画面において、特1変動(変動A)に対応した装飾図柄DIが変動表示される報知演出(変動演出)が行われ(図55の(1)参照)、この変動Aの報知演出が行われているときに特2大当り変動が開始されると、メイン画面においては変動Aの報知演出が継続されるが、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2が表示される(図55の(2)参照)。その後は、図51の(3)に示す例と同様に、変動Aに対応した報知演出は、特2大当り変動の変動終了とともにハズレ図柄で強制停止され、このとき、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2と、特1変動(変動A)に対応した小図柄SI1が表示される(図54の(2)参照)。そして、特2大当り変動および特1変動(変動A)が終了すると、準備期間が開始されるとともに、メイン画面において大当り遊技演出を開始するための準備演出が開始される(図54の(3)参照)。なお、準備期間が経過してゲート有効期間が開始されると、右打ち表示器4hは点灯表示される。
図52の(3)に示す例は、図52の(1)に示す例と、図51の(3)に示す例において変動Aを変動Bに置き換えて組み合わせることで理解される。具体的には、まず、図52の(1)に示す例と同様に、特1変動(ハズレ変動)が行われると、メイン画面において、特1変動(変動A)に対応した装飾図柄DIが変動表示される報知演出(変動演出)が行われ(図55の(1)参照)、この変動Aの報知演出が行われているときに特2大当り変動が開始されると、メイン画面においては変動Aの報知演出が継続されるが、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2が表示される(図55の(2)参照)。そして、特2大当り変動の変動中に特1変動(変動A)が終了すると、変動Aに対応した報知演出は終了する。その後、図51の(3)に示す例において変動Aを変動Bに置き換えた例と同様に、メイン画面において、次の特1変動(変動B)に対応した装飾図柄DIが変動表示される報知演出(変動演出)が行われ(図54の(1)参照)、変動Bに対応した報知演出は、特2大当り変動の変動終了とともにハズレ図柄で強制停止され、このとき、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2と、特1変動(変動B)に対応した小図柄SI1が表示される(図54の(2)参照)。そして、特2大当り変動および特1変動(変動B)が終了すると、準備期間が開始されるとともに、メイン画面において大当り遊技演出を開始するための準備演出が開始される(図54の(3)参照)。なお、図52の(3)に示す例において、変動Aと変動Bが連続的に行われず、変動Aと変動Bの間に特1変動が行われない時間(空白時間)がある場合には、当該空白時間においてメイン画面では報知演出が実行されないことを除けば、図52の(3)に示す例と同様の演出が行われる。なお、準備期間が経過してゲート有効期間が開始されると、右打ち表示器4hは点灯表示される。
以上のように、本実施形態では、通常状態において第2特別図柄抽選で大当りしたときには原則として(後述する特1激熱対象保留が在る場合を除いて)特2大当り変動に対する報知演出(つまり、大当り報知演出)が実行されない。このため、遊技者には、特2大当り変動が実行されていることが報知されない。また、特2大当り変動の変動終了時に、当該変動終了に伴って特1変動が終了されない場合(つまり、特1変動が行われていない場合)には、準備期間やゲート有効期間が開始されても役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることを促す準備演出が実行されず、また、例えば外部カウンタ表示器による大当り表示も実行されない。したがって、遊技者には、大当りに当選したことも報知されない。しかしながら、遊技者が、通常どおり、左打ちを行って第1始動口21に遊技球が入賞すると準備演出が開始される。これにより、遊技者は、右打ちをおおなって役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることで大当り遊技演出が開始されることを認識することができ、遊技者には、あたかも第1始動口21への遊技球入賞に基づいて大当りしたような印象を与えることができる。なお、この第1始動口21への遊技球入賞は、大当り遊技状態において行われるものであるため、当該入賞に基づく特別図柄抽選は始動しない。一方、特2大当り変動の変動終了時に、当該変動終了に伴って特1変動が終了される場合(つまり、特1変動が行われている場合)には、準備期間が開始されるとともに準備演出が開始される。ただし、このときにも、準備演出の前には、特2大当り変動に対する報知演出が実行されているわけではなく、特1変動(ハズレ変動)に対する報知演出が実行されているため、準備演出が開始されると、遊技者には、あたかも特1変動(ハズレ変動)において復活当りしたかのような印象を与えることができる。このように、本実施形態では、通常状態において第2特別図柄抽選で大当りすることは例外的な事象であるため、このような例外的な事象が発生したときには、特2大当り変動に対する報知演出を実行しないことにより、あたかも特1変動に関連して準備演出が行われて大当り遊技演出行われたような印象を与えるようにしている。
[特2大当り変動が入替演出パターンである場合の演出概要]
図56、図57を参照して、特2大当り変動の演出パターンが「入替演出パターン」である(特1激熱対象保留がある)場合に行われる演出の概要について説明する。いま、特1変動が行われているときに、第1特別図柄抽選の保留が2つ(以下、記憶されたのが古い順に第1保留、第2保留という)在り、新たに3つ目の第1特別図柄抽選の保留(以下、第3保留という)が発生し、当該第3保留が、事前判定に基づいて特1激熱対象保留と判定され(図30のステップS1123、ステップS1124参照)、第3保留が消化される前に特2大当り変動が開始される場合について考える。
図56に示すように、第3保留(特1激熱対象保留)が発生したときに行われている特1変動(第0変動)では、メイン画面において第0変動に対応した装飾図柄DIが変動表示される報知演出(変動演出)が行われる(図57の(1)参照)。次に、第0変動が終了すると、第0変動に対応した報知演出が終了するとともに、第1保留に対応する特1変動(第1変動)が開始され、メイン画面において第1変動に対応した装飾図柄DIが変動表示される報知演出が行われる(図57の(2)参照)。同様に、第1変動に対応した報知演出が終了すると、第2保留に対応する特1変動(第2変動)が開始され、メイン画面において第2変動に対応した報知演出が行われる(図57の(3)参照)。
そして、特1変動(第2変動)が行われているときに、第2始動口22に遊技球が入賞することにより第2特別図柄抽選が始動し、当該第2特別図柄抽選に基づいて特2大当り変動が開始される。このとき、特1激熱対象保留(第3保留)が在るため、特2大当り変動の演出パターンとしては、「入替演出パターン」が設定されるが、入替演出の実行は待機される(図32のステップS1513、ステップS1514参照)ことにより、メイン画面においては特2大当り変動に対応した入替演出は実行されない。ただし、特1変動(第2変動)が行われているときに特2大当り変動の変動開始が行われるため、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2が表示される(図57の(4)参照)。
そして、第2変動が終了すると、特1変動(第2変動)に対応した報知演出が終了するとともに、第3保留(特1激熱対象保留)に対応する特1変動(第3変動)が開始されるが、第3変動の開始前に特2大当り変動が開始されているため、第3変動は強制的にハズレ変動となる。つまり、第3保留が発生したときに当該第3保留が大当りであると事前判定されて特1激熱対象保留に変化されたとしても、第3保留が消化されるとき(第3変動が開始されるとき)には、第3変動は強制的にハズレであるとみなされる。なお、図16からわかるように、ハズレと判定された第3変動の変動パターンとしては、変動時間が短い変動パターンが決定され易いが、どのような変動パターンが決定されたとしても、その演出パターンとしては、入替演出が待機中であるため「例外非表示演出パターン」が設定され、第3変動の変動開始に伴って入替演出が開始される(図32のステップS1516〜S1519参照)。したがって、メイン画面においては、第3変動に対応した報知演出が行われず、特2大当り変動に対応した入替演出が開始される(図57の(5)参照)。なお、入替演出は、特2大当り変動に対応した報知演出でありながら、特1激熱対象保留(第3保留)に対応する特1変動が開始されることに伴って開始されるものであるため、本実施形態では、あたかも特1激熱対象保留に対応した報知演出であるかのように見せる演出として、例えば、激熱変動中と描かれた扉を閉める演出が実行される(図57の(5)参照)。
そして、第3変動が短い変動時間であることにより、特2大当り変動が変動終了されるまでに、第3変動が終了する場合には、メイン画面においては、入替演出が実行されたままであり、第3変動が終了したことを示唆する報知演出は実行されない(図57の(6)参照)。一方、サブ画面においては、第3変動が終了したことを示唆するために、特1変動(第3変動)に対応した第1小図柄SI1が停止表示される(図57の(6)参照)。なお、入替演出が実行されているときにおいて、第3変動終了後に特1変動が行われない場合には、サブ画面においては、停止表示した第1小図柄SI1を表示し続けることによって、特1変動が行われていないことを示唆するものとしてもよい。
その後、特2大当り変動が終了すると、メイン画面において、特2大当り変動に対応した入替演出は終了する(図57の(7)参照)。また、入替演出が終了することに伴って、サブ画面において、特2大当り変動に対応した第2小図柄SI2が停止表示される(図57の(7)参照)。
そして、特2大当り変動が終了すると、準備期間が開始されるとともに、メイン画面において大当り遊技演出を開始するための準備演出が開始される(図54の(3)と同様)。つまり、入替演出の終了(特2大当り変動の変動終了)を契機に準備演出が開始される。つまり、メイン画面においては、特1激熱対象保留が消化されて、入替演出が開始され、入替演出が終了した後に準備演出が開始されることになる。したがって、入替演出は、特1激熱対象保留に対する報知演出であるかのような印象を与え、特1激熱対象保留に基づいて大当りしたかのような印象を与えることができる。また、入替演出後には、大当り遊技演出を開始するための準備演出が実行されるので、入替演出は、大当りを確定報知する報知演出として機能する。
そして、大当りであることを報知された後(準備演出が実行された後)には、準備期間が経過してゲート有効期間が開始されると、右打ち表示器4hは点灯表示され、準備演出の指示にしたがって右打ちが行われて、ゲート有効期間において遊技球が役連作動ゲート25を通過することで、オープニング期間が開始されて、その後、ラウンド遊技が開始されるとともに、メイン画面においては、オープニング演出が開始されて、その後、ラウンド演出が開始され(後述する図60参照)、また、例えば外部カウンタ表示器による大当り表示が実行される。
なお、上記では、第3変動(特1激熱対象保留に対応する特1変動)が特2大当り変動の変動終了前に終了するものとしたが、例えば第3変動の変動パターンとして、変動時間の長い変動パターン(例えば、変動時間90.03秒の通常SPSPハズレ)が設定されることにより第3変動が特2大当り変動の変動終了まで行われるものとしてもよい。この場合には、第3変動は特2大当り変動の変動終了とともに強制停止されるが、メイン画面においては、入替演出が実行されたままであり、第3変動が終了したことを示唆する報知演出は実行されない。一方、サブ画面においては、第3変動が、特2大当り変動の変動終了に伴って強制的に変動終了されたことを示唆するために、特1変動(第3変動)に対応した小図柄SI1が表示される。また、特1変動が行われているときに特2大当り変動の変動停止が行われるため、サブ画面においては、特2大当り変動に対応した小図柄SI2も表示される。また、上記では、第3変動が特2大当り変動の変動終了前に終了してから、第3変動の次の特1変動が無いものとしたが、特2大当り変動が行われているときに、第3変動が終了して次の特1変動(第4変動)が開始されるものとしてもよい。この場合には、第4変動の演出パターンとしては、入替演出が行われているため「例外非表示演出パターン」が設定される(図32のステップS1519、S1520参照)。したがって、この場合においても、メイン画面においては、第4変動に対応した報知演出が行われず、特2大当り変動に対応した入替演出が継続される。なお、この場合には、メイン画面において入替演出が実行されているため、サブ画面においては、特1変動が行われていることを示唆するために、第4変動の変動開始に応じて第1小図柄SI1が変動表示される。また、第4変動が特2大当り変動の変動終了前に終了する場合には、第4変動の変動終了に伴ってサブ画面において第1小図柄SI1が停止表示され、第4変動が特2大当り変動の変動終了まで行われる場合には、特2大当り変動の変動終了とともに第4変動が強制停止されることに伴ってサブ画面において第1小図柄SI1が停止表示される。
以上のように、本実施形態では、通常状態において第2特別図柄抽選で大当りしたときに、特1激熱対象保留が在る場合には、特2大当り変動に対する報知演出として入替演出が実行される。しかし、この入替演出は、特2大当り変動の開始時において開始されるのではなく、特1激熱対象保留に対応する特1変動の開始時において開始され、かつ、このとき特1激熱対象保留に対応する特1変動の報知演出は実行されない。したがって、入替演出が開始されると、遊技者には、あたかも特1激熱対象保留に対応した報知演出が行われているかのような印象を与えることができる。また、入替演出が実行されるのは、特2大当り変動が行われるときだけであり、したがって、入替演出が実行されると必ず大当りする。そして、この大当りを確定報知する入替演出は、特1激熱対象保留(つまり、大当り信頼度がもっとも高いことを示唆する保留)が消化されるときに実行されるので、遊技者に対して、より違和感を与えることなく、特1激熱対象保留に対応した報知演出が行われているかのような印象を与えることができる。ところで、本実施形態では、通常状態において第2特別図柄抽選で大当りすることは例外的な事象であるが、そのときに、特1激熱対象保留が存在していると、特1激熱対象保留が大当りと事前判定されていたとしても、消化されるときにはハズレと強制判定されてしまうことにより、特1激熱対象保留が消化されるときの報知演出として相応しくないハズレ演出が実行されてしまう可能性がある。このため、本実施形態では、特1激熱対象保留が消化されるときに行われる報知演出に対する遊技者の期待感を損なわないように、特2大当り変動の報知演出を、特1激熱対象保留に対応する報知演出かの如く入れ替えて見せることにより、あたかも特1激熱対象保留の変動に関連して大当り報知演出(入替演出)が行われたような印象を与えるようにしている。
なお、上記では、入替演出の開始タイミングを第3変動(特1激熱対象保留に対応する特1変動)の開始タイミングとしたが、これに限らず、例えば、特2大当り変動が終了されるまでに第3変動が終了する場合において、当該第3変動の終了タイミングにおいて入替演出が開始され、特2大当り変動が終了されることに伴って入替演出が終了されるものとしてもよい。このようにすると、特1激熱対象保留に対する変動が終了してもなお、入替演出が実行されることによって大当りに対する期待感が高められるため、更なる特別図柄抽選を始動させるために遊技球を打ち出す必要が無く、遊技球の無駄打ちを効果的に防止することが可能となる。
なお、上記では、特2大当り変動開始時において、特1激熱対象保留が在るときに大当りを報知する入替演出が行われるものとしたが、これに限られるものではない。具体的には、大当りの信頼度が最も高いことを示唆する特1激熱対象保留に代え、大当りを確定報知する第1特別図柄抽選の保留(以下、特1プレミア保留という)としてもよい。このようにしても、特1プレミア保留が消化されるときに入替演出が実行されることによって大当りが報知されるので、あたかも特1プレミア保留の変動に関連して大当り報知演出(入替演出)が行われたような印象を与えることができる。なお、特2大当り変動開始時において、大当りの信頼度がそれほど高くないことを示唆する先読み保留画像(例えば、「青」)に変化した第1特別図柄抽選の保留(以下、特1低信頼度保留という)が在る場合には、上記した入替演出は実行されないものとしてよい。この場合には、例えば、図52の(3)を例示して前述したように、特1低信頼度保留が消化されるときには、メイン画面において、特1低信頼度保留に対応した報知演出(ハズレ報知演出)が実行され、特2大当り変動に対応する報知演出は実行されず、特2大当り変動の終了に伴って特1低信頼度保留に対応する報知演出が終了した後に、準備演出が実行されるものとしてもよい。この場合には、特1低信頼度保留に対してそれほど期待をしていない遊技者に対して、当該保留に対する報知演出として低期待のハズレ報知演出を実行しても違和感がなく、むしろ、当該ハズレ報知演出が実行された後に突如準備演出が開始されることで、あたかも特1低信頼度保留に対応する変動において復活当りしたかのような印象を与えることができる。
[小当り入賞演出概要]
次に、図58、図59を参照して、小当り遊技中において第1大入賞口23へ遊技球が入賞したことを報知する小当り入賞演出の概要について説明する。図58は、小当り入賞演出キャラクタとしてキャラクタAが設定されているときの小当り入賞演出の概要を示し、図59は、小当り遊技開始時に記憶されている第2特別図柄抽選の保留の中に大当り信頼度の高い保留(以下、特2高信頼度保留という)が在ることにより、小当り入賞演出キャラクタがキャラクタAからキャラクタBに変更されるときの小当り入賞演出の概要を示す。なお、前述したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選において小当りに当選するため、右打ちが推奨される高確状態において小当り入賞演出が行われる。
図58の(1)に示すように、高確状態において、メイン画面には、第2特別図柄の変動表示に応じて装飾図柄DIが変動表示され、また、メイン画面の下部領域には、小当り入賞演出キャラクタとして表示設定されている(図33のステップS523参照)キャラクタAが10人表示される。次に、図58の(2)に示すように、第2特別図柄抽選の結果が小当りであると、メイン画面において装飾図柄DIが、小当りを示す青図柄のばらけ目(例えば「2」「4」「6」)で停止表示され、小当り遊技が開始される。小当り遊技が開始されると、小当り遊技中であることを示唆する小当り遊技演出として、例えば、図58の(3)に示すように、装飾図柄DIが特殊図柄(例えば、「小当り」を示唆する「小」という文字図柄)に変更され、メイン画面の下部領域において小当り入賞演出キャラクタ(10人のキャラクタA)が継続表示される(図34のステップS1235参照)。
そして、小当り遊技中において、第1大入賞口23へ遊技球が1つ入賞すると、小当り入賞演出が実行される。具体的には、図58の(4)に示すように、小当り入賞演出キャラクタとして表示されている10人のキャラクタA全員が一斉にお辞儀を行うとともに、獲得された賞球数を表示する賞球表示演出(例えば「+10!」という表示演出)が実行される。なお、この小当り入賞演出は、所定時間(例えば0.5秒間)の経過に伴って終了し、10人のキャラクタAは、元の姿勢(お辞儀前の姿勢)に戻り、賞球表示演出も非表示となる。
以上のように、小当り入賞演出では、1つの遊技球の入賞に基づく賞球数に対応した10人のキャラクタAが表示され、1つの遊技球が第1大入賞口23へ入賞すると、10人のキャラクタA全員がお辞儀を行うことで、第1大入賞口23が短期間(例えば1.0秒)しか開放されない小当り遊技において、第1大入賞口23へ遊技球が入賞したことが印象的に報知される。なお、1回の小当りに基づく小当り遊技中において、2つ目の遊技球が第1大入賞口23へ入賞した場合には、当該2つ目の入賞に基づいて、1つ目の入賞に基づく小当り入賞演出と同様の演出が行われる。しかし、1つ目の入賞に基づく小当り入賞演出が実行されているときに、2つ目の入賞があった場合(つまり、0.5秒間に2つの遊技球が入賞した場合)には、1つ目の入賞に基づく小当り入賞演出の終了を待ってから(つまり10人のキャラクタA全員が元の姿勢に戻ってから)、同様の小当り入賞演出が行われる。このように、1回の小当りに基づく小当り遊技において短期間(例えば0.5秒間)に複数の遊技球が第1大入賞口23へ入賞したとしても、小当り入賞演出を実行するタイミングを入賞タイミングから遅延させることで、それぞれの遊技球入賞に基づく小当り入賞演出を互いに分離して認識可能とし、複数の遊技球が入賞したことを印象的に報知することが可能となる。
[特2高信頼度保留が在るときの小当り入賞演出概要]
次に、図59を参照して、特2高信頼度保留が在るときにおける小当り入賞演出の概要について説明する。なお、以下では第2特別図柄の変動表示を、単に特2変動ということがある。
図59の(1)に示すように、高確状態において、メイン画面には、第2特別図柄の変動表示に応じて装飾図柄DIが変動表示され、また、メイン画面の下部領域には、小当り入賞演出キャラクタとして表示設定されている(図33のステップS523参照)キャラクタAが10人表示される。そして、このとき、第2特別図柄抽選の保留が1つ(以下、第1保留という)在り、新たに2つ目の第2特別図柄抽選の保留(以下、第2保留という)が発生し、事前判定に基づいて当該第2保留が大当り信頼度の高い保留(特2高信頼度保留)であると判定されたものとする。次に、図59の(2)に示すように、第2特別図柄抽選の結果が小当りであると、メイン画面において装飾図柄DIが、小当りを示す青図柄のばらけ目(例えば「2」「4」「6」)で停止表示され、小当り遊技が開始される。
小当り遊技が開始されると、この小当り遊技開始時において、第2特別図柄抽選の保留の中に特2高信頼度保留が在るため、小当り入賞演出キャラクタがキャラクタAからキャラクタBに設定変更される(図34のステップS1233参照)。このため、小当り遊技中であることを示唆する小当り遊技演出として、例えば、図59の(3)に示すように、装飾図柄DIが特殊図柄(例えば、「小当り」を示唆する「小」という文字図柄)に変更され、メイン画面の下部領域において小当り入賞演出キャラクタ(10人のキャラクタ)がキャラクタAからキャラクタBに変更されて表示される(図34のステップS1235参照)。
そして、小当り遊技中において、第1大入賞口23へ遊技球が1つ入賞すると、小当り入賞演出が実行される。なお、この小当り入賞演出は、小当り入賞演出キャラクタがキャラクタAからキャラクタBに変更されていることを除いて、図58の(4)に示した小当り入賞演出と同様である。つまり、図59の(4)に示すように、小当り入賞演出キャラクタとして表示されている10人のキャラクタB全員が一斉にお辞儀を行うとともに、獲得された賞球数を表示する賞球表示演出(例えば「+10!」という表示演出)が実行される。
そして、小当り遊技が終了し、次の第1保留に対応する特2変動が開始され、メイン画面において当該特2変動に対応した装飾図柄DIが変動表示され、また、メイン画面の下部領域には、小当り入賞演出キャラクタとして表示設定されている(図34のステップS1233、図33のステップS523参照)キャラクタBが10人継続表示される。そして、この第2特別図柄抽選の結果が小当りであると、小当り遊技が開始され、小当り遊技中において第1大入賞口23へ遊技球が1つ入賞すると、図59の(4)に示す小当り入賞演出が実行される(つまり、小当り入賞演出キャラクタとしてキャラクタBが継続表示される)。
そして、小当り遊技が終了し、次の第2保留(特2高信頼度保留)に対応する特2変動が開始され、メイン画面において当該特2変動に対応した装飾図柄DIが変動表示され、また、メイン画面の下部領域には、小当り入賞演出キャラクタとして表示設定されている(図34のステップS1233、図33のステップS523参照)キャラクタBが10人継続表示される(図59の(6)参照)。ただし、このときには、次に入賞演出キャラクタの表示設定が行われたときに表示されるキャラクタとしてキャラクタAが再設定される(図33のステップS524、ステップS525参照)。このため、次に特2変動や小当り遊技演出が開始されたときには、入賞演出キャラクタとしてキャラクタAが表示される(初期表示に戻る)ことになる。また、特2高信頼度保留に対応する特2変動では、大当り信頼度が高いことを示唆する演出として、例えば、装飾図柄DIがリーチ状態となり(図59の(6)参照)、その後、例えばSPSPリーチ演出に発展し(図59の(7)参照)、大当りであることが報知される(図59の(8)参照)。なお、例えば、SPSPリーチ演出が実行されることに伴ってメイン画面の全画面にSPSPリーチ演出が表示され、入賞演出キャラクタが非表示となるものとしてもよい(図59の(7)参照)。
以上のように、小当り遊技開始時において特2高信頼度保留が在るときには、当該保留の存在を示唆するために、小当り遊技中において小当り入賞演出に用いられる小当り入賞演出キャラクタを変更し、変更された小当り入賞演出キャラクタ(キャラクタB)を、特2高信頼度保留に対応する特2変動が実行されているときまで継続表示することで、第2特別図柄抽選で大当りする可能性が高いことを、小当り遊技の期間も含めて複数の特2変動に亘って予告することが可能となる。つまり、小当り入賞演出は、小当り遊技中に遊技球が第1大入賞口23へ入賞したことを示唆する示唆演出として機能するだけではなく、第2特別図柄抽選で大当りする可能性が高いことを事前に予告する先読み予告演出としても機能する。
[大当り入賞演出概要]
次に、図60を参照して、大当り遊技中において第2大入賞口51へ遊技球が入賞したことを報知する大当り入賞演出の概要について説明する。
大当り遊技中においてラウンド遊技(例えば1R目のラウンド遊技)が開始されると、図60の(1)に示すように、メイン画面においては、設定されている内容の大当り遊技演出に基づくラウンド演出(例えばムービー演出)が実行される(図34のステップS1237参照)とともに、メイン画面の下部領域には、大当り入賞演出キャラクタとして表示設定されている(図34のステップS1236参照)キャラクタAが8人表示される。なお、このキャラクタAの数は、1回のラウンド遊技において第2大入賞口51に入賞可能な遊技球の数(以下、上限入賞数という)に対応している。
次に、ラウンド遊技中において、第2大入賞口51へ1つ目の遊技球が入賞すると、大当り入賞演出が実行される。具体的には、図60の(2)に示すように、大当り入賞演出キャラクタとして表示されている8人のキャラクタAのうち1人目のキャラクタAがお辞儀を行うとともに、獲得された賞球数を表示する賞球表示演出(例えば、「+13!」という表示演出)が実行される。なお、賞球表示演出は、所定時間(例えば0.5秒)経過すると非表示となる。そして、同ラウンド遊技中において第2大入賞口51へ2つ目の遊技球が入賞すると、図60の(3)に示すように、8人のキャラクタAのうち1人目のキャラクタAはお辞儀を行ったまま、2人目のキャラクタAが新たにお辞儀を行うとともに、賞球表示演出が実行される。以下、同様にして、同ラウンド遊技中において第2大入賞口51へ遊技球が入賞する毎に、新たに1人のキャラクタがお辞儀を行うとともに賞球表示演出が行われ、1回のラウンド遊技において上限入賞数目(8つ目)の遊技球が第2大入賞口51へ入賞すると、図60の(4)に示すように、最後の8人目のキャラクタAがお辞儀を行うことでキャラクタAが全員お辞儀を行うとともに、賞球表示演出が実行される。そして、キャラクタA全員がお辞儀を行う大当り入賞演出が実行されると、所定時間(例えば0.5秒)経過することで、キャラクタA全員が元の姿勢(お辞儀前の姿勢)に戻されることにより、図60の(5)に示すように、次のラウンド遊技(例えば2R目のラウンド遊技)においても同様の大当り入賞演出が実行可能となる。なお、1回のラウンド遊技において上限入賞数目まで遊技球が入賞しなかった場合には、当該ラウンド遊技が終了することに伴って、キャラクタA全員が元の姿勢に戻される。
以上のように、大当り入賞演出では、上限入賞数に対応した8人のキャラクタAが表示され、1つの遊技球が第2大入賞口51へ入賞する毎にキャラクタAが1人ずつお辞儀を行うので、お辞儀しているキャラクタAの数によって入賞した遊技球の数が示唆され、お辞儀していないキャラクタAの数によって入賞可能な残りの遊技球の数が示唆される。このため、本実施形態の大当り入賞演出は、大当り遊技中に遊技球が第2大入賞口51へ入賞したことを示唆する示唆演出として機能するだけではなく、予定されている上限入賞数まで遊技球が入賞する経過を報知する経過演出としても機能する。なお、大当り入賞演出では、お辞儀しているキャラクタAの数によって入賞した遊技球の数が示唆されるので、小当り入賞演出とは異なり、大当り遊技において短期間(例えば、0.5秒間)に複数の遊技球が第2大入賞口51へ入賞したとしても、大当り入賞演出を実行するタイミングを入賞タイミングから遅延されることなく、各入賞タイミングにおいて賞球表示演出も含めた大当り入賞演出が実行される。
[小当り入賞演出と大当り入賞演出の差異]
図58と図60を参照して前述したように、小当り入賞演出と大当り入賞演出とでは、同じモチーフ(キャラクタA)を用いて、遊技球の入賞に基づく入賞演出が行われるが、その演出態様が異なる。ここで、図61を参照して、演出態様の差異について説明する。
図61に示すように、小当り入賞演出では、キャラクタAの数は10人であるのに対して、大当り入賞演出では、キャラクタAの数は8人である。また、小当り入賞演出でも大当り入賞演出でも、遊技球の入賞に応じてキャラクタAがお辞儀をする入賞演出が行われるが、その実行態様が異なる。具体的には、小当り入賞演出では、遊技球が1つ入賞することに応じて、キャラクタA全員がお辞儀をするのに対して、大当り入賞演出では、遊技球が1つ入賞することに応じてキャラクタAが1人ずつお辞儀をする。また、短期間(例えば、0.5秒間)に複数の遊技球が入賞した場合、小当り入賞演出では、それぞれの遊技球の入賞に対応した入賞演出が互いに分離して認識可能となるように、入賞タイミングから遅延させて小当り入賞演出が行われるが、大当り入賞演出では、入賞タイミングにおいて、大当り入賞演出が行われるため、例えば1つ目の入賞に基づいて賞球表示演出が行われているときに2つ目の入賞に基づいて賞球表示演出が行われるときには、これらの賞球表示演出は重畳して表示されることになる。
以上のように、本実施形態では、同じモチーフ(キャラクタ)を用いて、遊技球の入賞に基づく入賞演出を行うが、大当り遊技中の入賞演出であるか、小当り遊技中の入賞演出であるかに応じて、その演出態様を異ならせている。このため、遊技機のテーマに関連した1つのモチーフであっても、バラエティに富んだ演出を実現することができる。なお、同じモチーフを用いながら、入賞演出の演出態様を異ならせているのは、以下の理由による。具体的には、小当り遊技中には、遊技球が多数入賞することは難しいため、1つでも入賞したことを印象的に報知することが重要であり、このため、賞球数に対応した数のキャラクタAを一斉にお辞儀させ、かつ、短時間で複数の遊技球が入賞した場合であってもそれぞれの入賞演出を互いに分離して認識可能としている。一方、大当り遊技中には、原則的には上限入賞数まで遊技球が入賞するため、遊技球が入賞したことはそれほど重要ではなく、したがって、上限入賞数に対応した数のキャラクタAを入賞毎に1人ずつお辞儀させることで、予定されている上限入賞数まで遊技球が入賞する経過を報知するとともに、短時間で複数の遊技球が入賞した場合であっても、それぞれの入賞タイミングでは別々のキャラクタAがお辞儀されることにより、お辞儀しているキャラクタAの数を判別可能としている。
なお、上記では、遊技球の入賞に基づく入賞演出として、賞球表示演出が行われるものとしたが、これに代え、あるいは、これに追加して、遊技球の入賞に基づいて効果音が出力されるものとしてもよい。この場合であっても、短時間に複数の遊技球が入賞した場合には、小当り入賞演出では、上記効果音が互いに分離して認識可能となるように、入賞タイミングから遅延させて実行する一方、大当り入賞演出では、それぞれの入賞タイミングにおいて上記効果音が出力されることにより重畳して出力されるものとしてもよい。
また、上記では、遊技球の入賞に基づく入賞演出は、大当り遊技中において遊技球が第2大入賞口51へ入賞したとき、または小当り遊技中において遊技球が第1大入賞口23へ入賞したときに行われるものとしたが、遊技球が入賞することで賞球が払い出される他のの入賞口(例えば、第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24)に入賞したときにも行われるものとしてもよい。この場合には、例えば、同じモチーフ(キャラクタA)を用いた入賞演出が行われるが、どの入賞口に遊技球が入賞したかに応じて、その演出態様を異ならせるものとしてもよいし、どの遊技状態(高確状態/低確状態/大当り遊技状態/小当り遊技状態)における入賞であるかに応じて、その演出態様を異ならせるものとしてもよいし、あるいは、両者の複合条件に応じて、その演出態様を異ならせるものとしてもよい。
[変形例]
なお、上記した実施形態では、図51〜図55を参照して、通常状態において極めてまれに第2特別図柄抽選で大当りした場合の演出について説明したが、高確状態において極めてまれに第1特別図柄抽選で大当りした場合の演出についても同様に考えることができる。具体的には、高確状態においては、大当りと判定された第1特別図柄抽選に基づく第1特別図柄の変動表示(特1大当り変動)に基づく報知演出(つまり、大当り報知演出)は実行されない。このため、遊技者には、特1大当り変動が実行されていることが報知されない。また、特1大当り変動の変動終了時に、当該変動終了に伴って特2変動が終了されない場合(つまり、特2変動が行われていない場合)には、準備期間やゲート有効期間が開始されても役連作動ゲート25へ遊技球を通過させることを促す準備演出が実行されず、また、例えば外部カウンタ表示器による大当り表示も実行されない。したがって、遊技者には、大当りに当選したことも報知されない。しかしながら、遊技者が、通常どおり右打ちを行うことで、ゲート有効期間内に遊技球が役連作動ゲート25を通過すると、大当り遊技演出が開始される。このように、右打ちが行われる高確状態においては、準備演出が実行されなかったとしても役連作動ゲート25を遊技球が通過するため、大当り遊技演出が開始されることで大当りに当選したことが突如報知されることになる。このため、特1大当り変動の変動終了時に特2変動が行われていなかったとしても準備演出が突如開始されるものとして、最初から大当り遊技演出の開始が報知されるものとしてもよい。一方、特1大当り変動の変動終了時に、当該変動終了に伴って特2変動が終了される場合(つまり、特2変動が行われている場合)には、準備期間が開始されるとともに準備演出が開始される。このため、遊技者には、あたかも特2変動(ハズレ変動)において復活当りしたかのような印象を与えることができる。
また、上記した実施形態では、通常状態において特2大当り変動が実行されても、メイン画面においては、原則として(特1激熱対象保留が在る場合を除いて)特2大当り変動に対する報知演出(つまり、大当り報知演出)が実行されないものとした。しかし、通常状態において特2大当り変動が実行されている場合には、メイン画面においては、特1変動が行われていたとしても特1変動よりも優先して特2大当り変動に対する報知演出を実行するものとしてもよい。すなわち、特1変動と特2変動とが同時に行われている場合には、メイン画面においては、原則的に特2変動よりも優先して特1変動に対する報知演出が実行されるが、特2変動が大当りを示す変動である場合には、例外的に特1変動よりも優先して特2変動に対する報知演出が実行されるものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、メイン制御部100から送信される確定前コマンドとして、低確状態においては、第2特別図柄が変動表示中である場合に第2図柄確定前コマンドが送信され、高確状態においては、第1特別図柄が変動表示中である場合に第1図柄確定前コマンドが送信されるものとした。しかし、このような遊技状態にかかわらず、所定時間(例えば、4.0秒)よりも長い変動時間の特別図柄の変動表示が行われるときには、一律に、図柄確定コマンドの所定時間(4.0秒)前に図柄確定前コマンドが送信されるものとしてもよい。この場合には、図28のステップS117において、低確状態においては、演出制御部400が、第2図柄確定前コマンドを受信したときに可動演出の制限指示を行う一方、第1図柄確定前コマンドを受信しても可動演出の制限指示を行わず、高確状態においては、演出制御部400が、第1図柄確定前コマンドを受信したときに可動演出の制限指示を行う一方、第2図柄確定前コマンドを受信しても可動演出の制限指示を行わないものとすればよい。また、メイン制御部100からは確定前コマンドが送信されないものとしてもよい。この場合には、低確状態において第2特別図柄の変動表示に対応する演出パターンが設定されているときには、演出制御部400が、当該演出パターンに基づく演出が終了する所定時間(4.0秒)前に可動演出の制限指示を行い、高確状態において第1特別図柄の変動表示に対応する演出パターンが設定されているときには、演出制御部400が、当該演出パターンに基づく演出が終了する所定時間(4.0秒)前に可動演出の制限指示を行うものとすればよい。
また、上記した実施形態では、大当り遊技のラウンド演出が実行されるときに第2大入賞口51に遊技球が入賞すると大当り入賞演出が実行されるものとしたが、大当り遊技演出の演出内容に応じて大当り入賞演出の実行可否が決定されるものとしてもよい。具体的には、大当りCに基づく大当り遊技演出が行われるときには遊技球の入賞に応じて大当り入賞演出が実行される一方、大当りAに基づく大当り遊技演出が行われるときには遊技球が入賞しても大当り入賞演出は実行されないものとしてもよい。また、大当り遊技演出の演出内容に応じて、異なる大当り入賞演出が実行されるものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、大当り遊技中には、第2大入賞口51が開放制御され、小当り遊技中には、第1大入賞口23が開放制御されるものとしたが、大当り遊技中にも小当り遊技中にも同じ第2大入賞口が開放制御されるものとしてもよい。この場合には、小当り遊技中には、第2大入賞口51が所定の短期間(1.0秒間×1回)開放制御され、V領域53は開放制御されないものとすればよく、また、小当り入賞演出キャラクタ(キャラクタAまたはキャラクタB)の数は、第2大入賞口51に遊技球が1つ入賞することによって獲得される賞球数(本実施形態では「13」)と対応するように、13人としてもよい。
また、上記した実施形態では、特別図柄抽選の保留を示す保留表示の例として、第1画像表示部6aに保留画像(RI1、RI2)が表示される場合について記載したが、保留表示はこれに限られるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第2画像表示部6bに保留画像(RI1、RI2)が表示されるものとしてもよいし、別に設けられた複数の保留ランプが点灯表示される等して保留表示されるものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、大当り遊技が開始されると、VラウンドおよびVラウンド以外のラウンドにおいて一つの第2大入賞口51が開閉制御されるものとしたが、これに限られるものではなく、VラウンドのときにはV領域53を備える第2大入賞口51が開放制御され、Vラウンド以外のラウンドにおいては第2大入賞口51とは異なる大入賞口(例えば、第1大入賞口23)が開放制御されるものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、演出制御部400が、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンを決定し、演出パターンに基づいて各種演出の内容等を決定することで演出内容を設定し、当該演出内容を指示するコマンドを画像音響制御部500に送信し、画像音響制御部500が、当該コマンドにしたがって、各種演出等の実行タイミングや実行時間等の実行スケジュールを設定して演出を実行するものとした。しかし、演出制御部400と画像音響制御部500の処理分担は、これに限られるものではなく、例えば、演出制御部400は、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンのみを決定し、画像音響制御部500は、演出制御部400から送信される演出パターンに基づいて各種演出の内容等を決定し、さらに、これらの実行スケジュールを決定して演出を実行するものとしてもよい。また、表示制御を行うためのCPUとして単一のCPUを用いる場合には、上記した全ての処理を同一のCPUが行うものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、パチンコ遊技機を一例に挙げて本発明の説明を行った。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に限られず、例えば、適用可能な範囲において、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ)に適用されてもよい。この場合、スロットマシンにメダルが投入された状態でレバーがオン操作されることによって、当たりを判定するための遊技情報(乱数;判定情報)が取得されることとなる(つまり、遊技情報が取得されるための条件が成立することとなる)。また、この場合、上記した各実施形態での「報知演出」は、スロットマシンにおけるレバーのオン操作によってリールが変動してから停止するまでの演出に対応することとなる。
また、以上に本実施形態の特徴やその変形例の特徴等について説明したが、これらの特徴を適切に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。