JP6513037B2 - マイクロフィブリル化セルロースを処理する方法 - Google Patents

マイクロフィブリル化セルロースを処理する方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する方法、前記マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液、および前記マイクロフィブリル化セルロースを含む製紙用組成物および紙製品を対象とする。
紙の製造では、無機填料が一般に添加される。これは、ある場合、すなわち純粋に繊維パルプから作製された紙と比べて紙の機械強度を低下させる恐れがあるが、機械強度(低下したとしても)は依然として許容されており、コスト、質、および紙における繊維量を低減することができるという環境的な利点があるので、上記のことは受け入れられている。紙の機械強度を評価する一般的な特性は、紙破裂強度である。通常、純粋に繊維パルプから作製された紙は、繊維パルプの一部が無機填料により置き換えられている同等の紙よりも紙破裂強度は高いであろう。填料含有紙(filled paper)の紙破裂強度は、填料不含紙の紙破裂強度の割合として表すことができる。
WO−A−2010/131016は、例えば、セルロースを含む繊維材料を、粉砕用媒体および無機粒子材料の存在下であってもよいが、粉砕することにより、マイクロフィブリル化するステップを含む、マイクロフィブリル化セルロースを調製する方法を開示している。無機粒子材料と組み合わせてもよい、前記方法により得られるマイクロフィブリル化セルロースは、紙において填料として、例えば、従来的な無機填料の置き換えまたは一部置き換えとして使用する場合、予想外にも、紙の破裂強度特性を改善することが見いだされた。すなわち、無機填料しか充填されていない紙に比べると、マイクロフィブリル化セルロースにより充填されている紙は、改善された破裂強度を有することが見いだされた。言い換えると、マイクロフィブリル化セルロース填料は、紙破裂強度強化属性を有することが見いだされた。本発明の特に有利な1つの実施形態では、セルロースを含む繊維材料は、無機粒子材料と組み合わせてもよい粉砕用媒体の存在下で粉砕されて、繊維勾配(fibre steepness)が20〜約50を有するマイクロフィブリル化セルロースが得られた。
WO−A−2010/131016に記載の方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースは、有利な紙破裂強度強化属性を有することが示されているが、マイクロフィブリル化セルロースの1種または複数の紙特性強化属性、例えば、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する、例えばさらに改善することができれば望ましいと思われる。
第1の態様によれば、マイクロフィブリル化セルロースを処理する方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施すステップを含む、方法が提供される。この処理は、有利なことに、マイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性、例えば、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する、例えば改善する。
第2の態様によれば、第1の態様の方法は、第1の態様の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい、製紙用組成物を調製するステップをさらに含む。
第3の態様によれば、第2の態様の方法は、上記の製紙用組成物に由来する紙製品を調製するステップをさらに含む。
第4の態様によれば、本発明の第1の態様の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液が提供される。
第5の態様によれば、本発明の第2の態様の方法により得ることができる、製紙用組成物が提供される。
第6の態様によれば、本発明の第3の態様の方法により得ることができる紙製品であって、高剪断の前の等量のマイクロフィブリル化セルロースを含む同等な紙製品の第2の紙特性(例えば、破裂強度)よりも高い第1の紙特性(例えば、破裂強度)を有する、紙製品が提供される。
本発明の使用に適したロータ/ステータ構成の平面図での略図である。 本発明の使用に適した別のロータ/ステータ構成の平面図での略図である。 変更された、例えば改善された紙破裂強度強化属性を有するマイクロフィブリル化セルロースを調製する一体法の概略図である。
マイクロフィブリル化セルロースを処理する方法は、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施すステップを含む。この処理は、有利なことに、マイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性を変更する、例えば改善する。この紙特性は、機械特性および/または光学特性とすることができる。ある種の実施形態では、この紙特性は機械特性である。
ある種の実施形態では、本方法は、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する、例えば改善するためであり、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更するステップを含む。
本明細書で使用する場合、用語「高剪断」とは、マイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性を変更する、例えば改善するために、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液に、マイクロフィブリル化セルロースを処理するのに十分な剪断を施すことを意味する。ある種の実施形態では、本マイクロフィブリル化セルロースに、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する、例えば改善するのに十分な高剪断を施す。有利には、本マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液に、マイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性、例えばマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善するのに十分な剪断を施す。当業者は、決まった手順の方法により、例えば好適に制御された方法で、剪断処理前のマイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性(例えば、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度属性)と、剪断処理後のマイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性(例えば、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度属性)とを比較することにより、マイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性、例えばマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善するのに十分な、剪断を決定することができるであろう。こうした分析のさらなる詳細は、実施例において、以下に提示されている。
ある種の実施形態では、紙特性は、破裂強度、破裂指数、引張強度、Z方向(インターナル(スコット)ボンド)強度、引裂強度)、透気度、平滑度、および不透明度の1つまたは複数から選択される。
動的剪断要素とは、少なくとも部分的に機械的剪断を生じる部分または構成要素である。本明細書で使用する場合、「機械的剪断」は、剪断が施される材料に、動的機械部分または構成要素の作用により生じる剪断であって、さらに実質的に圧力の低下なしに生じる剪断を意味する。圧力の低下により生じる剪断に依存する装置の一例は、ホモジナイザーである。通常、こうした装置では、フィード原料は、調節可能ではあるが、時として均質弁とも呼ばれる固定ギャップを有する弁を介して、高圧力区域から低圧力区域に通される。したがって、ホモジナイザーでは、材料に剪断を直接施す、動的剪断要素は存在しない。
ある種の実施形態では、剪断は、無料の(complimentary)固定した、すなわち動かない部分または構成要素を有する、動的機械部分または構成要素の作用により発生し、動的機械部分または構成要素と無料の固定部分または構成要素とのどちらか一方または両方が、1個を超えるアパーチャ、例えば100個を超えるアパーチャ、または1000個を超えるアパーチャを有する。ある種の実施形態では、少なくとも無料の固定部分または構成要素は、1個を超えるアパーチャ、例えば100個を超えるアパーチャ、または1000個を超えるアパーチャを有する。
ある種の実施形態では、用語「高剪断」は少なくとも約10,000s-1の剪断速度、例えば約10,000s-1〜約120,000s-1、または約20,000s-1〜約120,000s-1、または約40,000s-1〜約110,000s-1、または約60,000s-1〜約100,000s-1、または約70,000s-1〜約90,000s-1、または約75,000s-1〜約85,000s-1の速度を意味する。
ある種の実施形態では、動的剪断要素は、高剪断混合装置の部分または構成要素である。動的剪断要素は、高剪断混合装置の内部に収容されており、マイクロフィブリル化セルロースに剪断を直接施す。ある種の実施形態では、動的剪断要素は、ステータなどの固定されている不動構成要素またはコンパートメント内部に収容されているか、またはそこから最も近くに配置されている一端に混合手段有するロータであり、この混合手段は、固定されている構成要素またはコンパートメント内部で中心軸の周りに回転して、マイクロフィブリル化セルロースに剪断を直接施す。このロータ、すなわちこの混合手段の回転速度は、高剪断を発生させるのに十分なものである。この混合手段は、例えば、ロータの中心軸の周りに配設されている、複数の歯またはインペラまたはブレードなどを含めた、任煮の適切な形態とすることができる。
ある種の実施形態では、この固定構成要素またはコンパートメントは、混合手段が、ロータの中心軸の周りに回転するので、クローズクレアランスギャップ(close−clearance gap)と呼ばれることがある、ギャップが混合手段の先端と内部表面との間の存在するように、混合手段の半径範囲よりも大きな直径を有する円筒形状のステータである。例示的なロータ/ステータの構成の略図(平面図における)である図1を参照すると、ステータ(1)の半径R1は、ロータ(7)の回転の中心軸(5)の周りに配置されているロータブレード(3)の半径範囲よりも大きく、ギャップ(9)を生じる。このギャップは、マイクロフィブリル化セルロースがマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する、例えば改善するのに十分高い、さらなる剪断を受ける、高剪断区域が形成されるよう、十分小さい。ある種の実施形態では、このギャップは、約1mm未満、例えば、約0.9mm未満、または約0.8mm未満、または約0.7mm未満、または約0.6mm未満、または約0.5mm未満である。このギャップは、約0.1mmより大きくてもよい。剪断は、ステータとロータとの間のギャップのサイズにより分離されるステータとロータとの間の速度差である。
したがって、ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更する、例えば改善するための方法は、前記マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、剪断が少なくとも部分的に前記動的剪断要素により生じる高剪断混合装置内で、高(機械)剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更するステップを含む。ある種の実施形態では、高剪断混合装置は、高剪断ロータ/ステータ混合装置である。
ある種の実施形態では、さらなる剪断イベントは、それを介してマイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液が、ロータおよび混合手段の作用により強制的になされる、その円筒形の範囲の周りの一連の穿孔、例えば、機械加工穴、溝、またはノッチを有するステータの使用により引き起こされる。別のロータ/ステータ配設が図2に(平面図において)示されている。この構成では、ロータ(17)は、混合手段として、ロータの中心軸(15)の周りに配設されている複数の歯(13)を有している。このステータ(11)は、その円筒形の範囲の周りに一連のノッチ(21)を有する。やはり、ステータ(11)の半径範囲R1は複数の歯(13)の半径範囲より大きく、ギャップ(19)を生じる。
以下に限定されないが、回分型高剪断ミキサー、インライン型高剪断ミキサー、および超高剪断インライン型ミキサーを含め、適切な高剪断混合装置が数多くかつ様々ある。例示的な高剪断混合装置は、Silverson(登録商標)により製造されている、Silverson(登録商標)High Shear In−Line Mixerである。他の例示的なロータ/ステータの構成には、MEGATRON(登録商標)というブランドで上市されているもの、およびKady Internationalにより製造されているKadyミルなどの、Kinematica(登録商標)AGにより製造されているものが含まれる。さらに別の例示的な高剪断混合装置は、剪断を生じさせるための無料の固定部を有する動的機械部分を有するスーパーマスコロイダー(supermasscolloider)であり、この場合、動的機械部分または無料の固定部のいずれか一方が、1つのアパーチャしか有していないものである。
ある種の実施形態では、ロータの高速回転は、強力な吸引を発揮し、この吸引により、フィードとなるマイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液を固定コンパートメント、例えばステータへと引き出す。剪断された材料は、ステータから取り出される、例えばステータの円筒形の範囲の周りの穴、溝、またはノッチから強制的に押し出されるので、新しいフィード原料がステータに引き寄せられて混合周期が維持され、これは連続的であってもよい。
マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液は、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性、または本明細書に記載されている他の任意の紙特性強化属性を変更する、例えば改善するのに十分な時間および/または総投入エネルギー量で高剪断を施すことができる。ある種の実施形態では、時間は、約30秒間〜約10、例えば約30秒間〜約8時間、または約30秒間〜約5時間、または約30秒〜約4時間、または約30秒間〜約3時間、または約30秒間〜約2時間、または約1分間〜約2時間、または約5分間〜約2時間、または約10分間〜約2時間、または約15分間〜約2時間、または約20分間〜約100分間、または約25分間〜約90分間、または約30分間〜約90分間、または約35分間〜約90分間、または約40分間〜約90分間、または約45分間〜約90分間である。
ある種の実施形態では、総投入エネルギー量は、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液中のセルロース材料の総乾燥質量に対して、約1kWh/トン(kWh/t)〜約10,000kWh/t、例えば、約50kWh/t〜約9,000kWh/t、または約100kWh/t〜約8,000kWh/t、または約100kWh/t〜約8,000kWh/t、または約100kWh/t〜約7,000kWh/t、または約100kWh/t〜約6,000kWh/t、または約500kWh/t〜約5,000kWh/t、または約1000kWh/t〜約5,000kWh/t、または約1500kWh/t〜約5,000kWh/t、または約2000kWh/t〜約5,000kWh/tである。
ある種の実施形態では、総投入エネルギー量は、約100kWh/t〜約5,000kWh/tである。
高剪断工程中の総投入エネルギー量Eは、以下の通り計算することができる。
E=P/W (1)
(式中、Eは、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液中のセルロース材料1トンあたりの総投入エネルギー量(kWh/t)であり、Pは総投入エネルギー量(kWh)であり、Wは、セルロース材料の総乾燥質量(トン)である。
ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースには、2回以上の段階で、例えば高剪断混合装置を複数回(すなわち、2回以上)通過させて、高剪断が施される。例えば、この水性懸濁液は、第1の期間、上記の方法に従って高剪断を施し、マイクロフィブリル化セルロースが剪断に施されない条件下で作動している混合用タンクなどの中間区域を通過させ、次に第2の期間、高剪断を施すなどを行うことができる。ある種の実施形態では、本方法は、前記マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のフィードを連続的に、例えば混合用タンクから高剪断混合装置に供給し、高剪断を施し、高剪断混合装置から抜き取り、混合用タンクに戻して再利用し、次に、高剪断混合装置に再循環させるなどの、連続法である。紙破裂強度強化属性の変更された、例えば改善されたマイクロフィブリル化セルロースを含む生成物は、任意の段階で、例えば混合用タンクと高剪断混合装置との間に配置されているドレイン弁などの、例えば生成物抜き取り点を介して、この工程から抜き取ることができる。通常、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液は、一定流量で循環され、その生成物は、周期的に、例えば、5分間、および/または10分間、および/または15分間、および/または20分間、および/または25分間、および/または30分間、および/または35分間、および/または40分間、および/または45分間、および/または50分間、および/または55分間、および/または60分間、および/または65分間、および/または70分間、および/または75分間、および/または80分間、および/または90分間、および/または100分間、および/または110分間、および/または120分間の時間間隔で抜き取られる。
ある種の実施形態では、高剪断処理は、高剪断機器のカスケードにおいて、例えば、高剪断ロータ/ステータ混合装置のカスケード、例えば、直列もしくは並列、または直列と並列とを組み合わせてインク書き(inked)して作動する、2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個または10個の高剪断ロータ/ステータ混合装置で行うことができる。カスケードにおける1つまたは複数の高剪断用槽からの取り出し物、および/または投入物は、1つまたは複数のふるいがけステップおよび/または1つもしくは複数の分類ステップに施されてもよい。
ある種の実施形態では、高剪断処理は、単一高剪断機器、例えば複数の、すなわち少なくとも2つの個別に作動する高剪断区域を有する、単一高剪断ロータ/ステータ混合装置で行うことができる。例えば、適切な高剪断ロータ/ステータ混合装置は、それぞれがそれ自体ロータ/ステータを有する複数の高剪断区域を有することができる。
ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液は、水性懸濁液の総質量に対して、約25質量%以下の固体含量、例えば、約0.1〜約20質量%、または約0.1〜約18質量%、または約2〜約16質量%、または約2〜約14質量%固形物の固体含量、または約4〜約12質量%、または約4〜約10質量%、または約5〜約10質量%、または約5〜約9質量%、または約5〜約8.5質量%の固体含量を有する。この工程の任意の段階で、追加の水を加えて、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液の固体含量を変更してもよい。
ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液は、約8質量%以下の繊維固体含量を有する。
マイクロフィブリル化セルロースは、適した供給源のいずれからも由来とすることができる。ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースを含む組成物は、粉砕用媒体の存在下で、セルロースを含む繊維基材をマイクロフィブリル化するステップを含む方法により得ることができる。この方法は、水性環境で実施するのが有利である。
ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液は、粉砕用媒体の存在下、および前記無機粒子材料の存在下でもよく、セルロースを含む繊維基材を粉砕するステップを含む方法により得ることができる。ある種の実施形態では、水性懸濁液は、マイクロフィブリル化セルロースおよび無機粒子材料を含み、この水性懸濁液は、粉砕用媒体および無機粒子材料の存在下で、セルロースを含む繊維基材を粉砕するステップを含む方法により得ることができる。適切な方法は、その全体の内容が参照により本明細書に組み込まれている、WO−A−2010/131016に記載されている。
「マイクロフィブリル化する」とは、セルロースのマイクロフィブリルを、マイクロフィブリル化前のパルプの繊維と比べて、個々の種として、または小さな凝集体として解離させるか、または一部を解離させる方法を意味する。製紙に使用するのに適した、通常のセルロース繊維(すなわち、マイクロフィブリル化前のパルプ)には、個々のセルロースフィブリルの数百または数千からなる、より大きな凝集体が含まれる。セルロースをマイクロフィブリル化することにより、本明細書に記載されている特徴および特性を含めた、ある種の特徴および特性が、マイクロフィブリル化セルロース、およびマイクロフィブリル化セルロースを含む組成物に付与される。
ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化は、マイクロフィブリル化前のセルロースのマイクロフィブリル化を促進するよう作用する粉砕用媒体の存在下で行われる。さらに、無機粒子材料は、存在する場合、マイクロフィブリル化剤として作用することができる。すなわち、セルロース出発原料は、無機粒子材料の存在下で、共加工、例えば共粉砕されると、比較的低い投入エネルギー量で、マイクロフィブリル化することができる。ある種の実施形態では、このマイクロフィブリル化は、粉砕用媒体の存在下で実施されない方法を含む、当業者に公知の別の方法により実施される。
セルロースを含む繊維基材は、木材、草(例えば、サトウキビ、竹)、または布(例えば、紡織ウエイスト、綿、麻、または亜麻)などの、任意の適切な供給源を由来とすることができる。セルロースを含む繊維基材は、パルプの形態(すなわち、水中のセルロース繊維の懸濁液)とすることができ、このパルプは、任意の適切な化学的もしくは機械的処理、またはそれらの組合せにより調製することができる。例えば、パルプは化学パルプ、またはケミサーモメカニカルパルプ、または機械パルプ、または再生パルプ、または製紙工場のブローク(broke)、または製紙工場の廃棄物流、または製紙工場からの廃棄物、またはそれらの組合せとすることができる。セルロースパルプは、当分野においてカナダ標準ろ水度(Canadian standard freeness:CSF)としてcm3で報告される、所定のろ水度のいずれかにまで(例えば、バレービーター(Valley beater)内にて)叩解する、および/または他にはリファイニング(例えば、コニカル又はプレートリファイナーにおける加工)され得る。CSFは、パルプの懸濁液が排出され得る速度によって評価されるパルプのろ水度または排水速度に関する値を意味する。例えば、セルロースパルプは、マイクロフィブリル化前に約10cm3以上のカナダ標準ろ水度を有し得る。セルロースパルプは、約700cm3以下、例えば約650cm3以下、または約600cm3以下、または約550cm3以下、または約500cm3以下、または約450cm3以下、または約400cm3以下、または約350cm3以下、または約300cm3以下、または約250cm3以下、または約200cm3以下、または約150cm3以下、または約100cm3以下、または約50cm3以下のCSFを有することができる。次に、セルロースパルプを当分野で周知の方法によって脱水することができる。例えば、少なくとも約10%の固形分、例えば少なくとも約15%の固形分、または少なくとも約20%の固形分、または少なくとも約30%の固形分、または少なくとも約40%の固形分を含むウェットシートを得るために、パルプをふるいによりろ過することができる。パルプを、リファイニングしていない状態で、すなわち叩解または脱水または他にはリファイニングをすることなく利用してもよい。
セルロースを含む繊維基材は、乾燥状態で粉砕槽に加えることができる。例えば、乾燥損紙を直接、粉砕槽に加えてもよい。次に、粉砕槽内の水性環境によって、パルプ形成が促進されることになろう。
マイクロフィブリル化ステップは、以下に限定されないが、リファイナーを含めた、いずれの適切な装置でも実施することができる。一実施形態では、マイクロフィブリル化ステップは、粉砕槽において湿式粉砕条件下で行われる。別の実施形態では、マイクロフィブリル化ステップは、ホモジナイザーにおいて行われる。
・ 湿式粉砕
粉砕は、粒子状粉砕媒体の存在下での、磨砕工程である。粉砕用媒体とは、セルロースを含む繊維基材と共粉砕されてもよい、無機粒子材料以外の媒体を意味する。粉砕用媒体は、粉砕の完了後に除去されることは理解されよう。
ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化工程、例えば粉砕は、粉砕可能な無機粒子材料の非存在下で実施される。
粒子状粉砕媒体は、天然または合成材料であってもよい。粉砕用媒体は、例えば、いずれの硬質鉱物製、セラミック製または金属製材料のボール、ビーズまたはペレットを含むことができる。このような材料は、例えばアルミナ、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ムライト、またはカオリン質クレイを約1300〜約1800℃の範囲の温度で焼成することによって生成するムライト高含有材料を含むことができる。
ある種の実施形態では、粒子状粉砕用媒体は、約0.1mm〜約6.0mm、より好ましくは、約0.2mm〜約4.0mmの範囲の平均径を有する粒子を含む。粉砕用媒体(単数または複数)は、充填物の最大約70体積%の量で存在することができる。粉砕用媒体は、充填物の少なくとも約10%体積、例えば、充填物の少なくとも約20体積%、または充填物の少なくとも約30体積%、または充填物の少なくとも約40体積%、または充填物の少なくとも約50体積%、または充填物の少なくとも約60体積%の量で存在することができる。ある種の実施形態では、粉砕用媒体は、充填物の約30〜約70体積%、例えば充填物の約40〜約60体積%、例えば充填物の約45〜約55体積%の量で存在する。
「充填物」とは、粉砕槽に供給されるフィードである組成物を意味する。充填物には、水、粉砕用媒体、セルロースを含む繊維基材、および無機粒子材料が含まれ、本明細書に記載されている他の任意の添加物も含まれてもよい。
ある種の実施形態では、粉砕用媒体は、約0.5mm〜約12mm、例えば約1〜約9mm、または約1mm〜約6mmの範囲、または約1mm、または約2mm、または約3mm、または約4mm、または約5mmの平均径を有する粒子を含む、媒体である。
粉砕用媒体は、少なくとも約2.5、例えば、少なくとも約3、または少なくとも約3.5、または少なくとも約4.0、または少なくとも約4.5、または少なくとも(least)約5.0、または少なくとも約5.5、または少なくとも約6.0の比重を有することができる。
ある種の実施形態では、粉砕用媒体は、約1mm〜約6mmの範囲の平均径を有する粒子を含み、少なくとも約2.5の比重を有する。
ある種の実施形態では、粉砕用媒体は、約3mmの平均径を有する粒子を含む。
一実施形態では、無機粒子材料の平均粒径(d50)は、共粉砕工程の間に低下させる。例えば、無機粒子材料のd50は、少なくとも約10%(Malvern Mastersizer Sという機械を使用して、レーザー光散乱の分野において使用されている周知の従来法により測定する)低下させることができ、例えば、無機粒子材料のd50は、少なくとも約20%低下させ、または少なくとも約30%低下させ、または少なくとも約50%低下させ、または少なくとも約50%低下させ、または少なくとも約60%低下させ、または少なくとも約70%低下させ、または少なくとも約80%低下させ、または少なくとも約90%低下させることができる。例えば、共粉砕する前に2.5μmのd50を有し、かつ共粉砕後に1.5μmのd50を有する無機粒子材料は、40%の粒径低下を受けたことになろう。ある種の実施形態では、共粉砕工程中に、無機粒子材料の平均粒径は著しくは低下しない。「著しくは低下しない」とは、共粉砕工程中に、無機粒子材料のd50が約10%未満しか低下せず、例えば、無機粒子材料のd50が約5%未満しか低下しないことを意味する。
セルロースを含む繊維基材は、マイクロフィブリル化されて、レーザー光散乱により測定すると、約5μm〜約500μmの範囲のd50を有する、マイクロフィブリル化セルロースを得ることができる。セルロースを含む繊維基材は、マイクロフィブリル化されて、約400μm以下、例えば約300μm以下、または約200μm以下、または約150μm以下、または約125μm以下、または約100μm以下、または約90μm以下、または約80μm以下、または約70μm以下、または約60μm以下、または約50μm以下、または約40μm以下、または約30μm以下、または約20μm以下、または約10μm以下のd50を有するマイクロフィブリル化セルロースを得ることができる。
ある種の実施形態では、水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースは、高剪断に施される前に、少なくとも約50μm、例えば、少なくとも約75μm、または少なくとも約100μm、または少なくとも約110μm、または少なくとも約120μm、または少なくとも約130μm、または少なくとも約140μm、または少なくとも約150μmのd50の繊維を有する。ある種の実施形態では、水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースは、高剪断に施される前に、約100μm〜約160μm、例えば約120μm〜約160μmのd50の繊維を有する。一般に、高剪断工程中、マイクロフィブリル化セルロースの繊維のd50は低下し、例えば少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%低下することになろう。例えば、高剪断前に120μmのd50の繊維を有し、高剪断後に108μmのd50の繊維を有するマイクロフィブリル化セルロースは、繊維のd50が10%の低下を受けたと言われることになろう。
セルロースを含む繊維基材は、無機粒子材料の存在下でマイクロフィブリル化されて、Malvernにより測定すると、約10以上の繊維勾配を有するマイクロフィブリル化セルロースを得ることができる。繊維勾配(すなわち、繊維の粒径分布の勾配)は、以下の式
勾配=100x(d30/d70
により決定される。
マイクロフィブリル化セルロースは、約100以下の繊維勾配を有することができる。マイクロフィブリル化セルロースは、約75以下、または約50以下、または約40以下、または約30以下の繊維勾配を有することができる。マイクロフィブリル化セルロースは、約20〜約50、または約25〜約40、または約25〜約35、または約30〜約40の繊維勾配を有することができる。
ある種の実施形態では、水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースは、約20〜約50の繊維勾配を有する。
無機物およびマイクロフィブリル化セルロースの粒径分布を決定するための手順は、WO−A−2010/131016に記載されている。具体的には、適切な手順は、WO−A−2010/131016の40頁32行目から41頁34行目までに記載されている。
粉砕は、縦型ミルまたは横型ミルで行うことができる。
ある種の実施形態では、粉砕は、回転ミル(例えば、ロッド、ボール、および自生)、撹拌ミル(例えば、SAMまたはIsaMill)、タワーミル、撹拌媒体デトライター(stirred media detritor:SMD)、またはそれらの間で粉砕されることになるフィードが供給される回転式平行粉砕プレートを備えた粉砕槽などの粉砕槽において行われる。
一実施形態では、粉砕槽は、縦型ミル、例えば、撹拌ミルまたは撹拌媒体デトライターまたはタワーミルである。
縦型ミルは、1つまたは複数の粉砕区域の上部にふるいを備えていてもよい。一実施形態では、ふるいは、静止区域および/または分級器に隣接して配設される。ふるいは、粉砕用媒体を生成物であるマイクロフィブリル化セルロースおよび無機粒子材料を含む水性懸濁液から分離するよう、および粉砕用媒体の沈降を強化するようなサイズにすることができる。
別の実施形態では、粉砕は、ふるい付き粉砕器、例えば、撹拌媒体デトライターで行われる。ふるい付き粉砕器は、粉砕用媒体を生成物であるマイクロフィブリル化セルロースおよび無機粒子材料を含む水性懸濁体から分離するためのサイズにされている、1つまたは複数のふるいを備えていてもよい。
ある種の実施形態では、セルロースおよび無機粒子材料を含む繊維基材は、水性環境中に、少なくとも約4質量%の初期固体含量で存在しており、その少なくとも約2質量%がセルロースを含む繊維基材である。初期固体含量は、少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%、または少なくとも約40質量%とすることができる。初期固体含量の少なくとも約5質量%は、セルロースを含む繊維基材とすることができ、例えば初期固体含量の少なくとも約10質量%、または少なくとも約15質量%、または少なくとも約20質量%を、セルロースを含む繊維基材とすることができる。一般に、セルロースを含む繊維基材および無機粒子材料の相対量は、本発明の第1の態様による、マイクロフィブリル化セルロースおよび無機粒子を含む組成物を得るために、選択される。
粉砕工程は、粉砕槽において粗無機粒子を粉砕して、所定の粒径分布を得る予備粉砕ステップを含むことができ、このステップの後で、セルロースを含む繊維材料を、予備粉砕された無機粒子材料と混合し、所望のレベルのマイクロフィブリル化が得られるまで、同一または異なる粉砕槽において粉砕が継続される。
粉砕される材料の懸濁液は比較的高い粘度となり得るので、粉砕前または粉砕中に、懸濁液に適切な分散化剤を加えてもよい。この分散化剤は、例えば水溶性縮合ホスフェート、ポリケイ酸もしくはその塩、または高分子電解質、例えば80,000以下の数平均分子量を有するポリ(アクリル酸)もしくはポリ(メタクリル酸)の水溶性塩とすることができる。使用される分散化剤の量は一般に、乾燥無機粒子状固形材料の質量に対して、0.1〜2.0質量%の範囲内にあろう。懸濁液は、4〜100℃の範囲の温度で適切に粉砕され得る。
マイクロフィブリル化ステップ中に含まれ得る他の添加物には、カルボキシメチルセルロース、両性カルボキシメチルセルロース、酸化剤である2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、TEMPO誘導体、および木材分解酵素が含まれる。
共粉砕されることになる混合物中の無機粒子材料およびセルロースパルプの量は、存在する場合、無機粒子材料の乾燥質量とパルプ中の乾燥繊維の量に基づいて、約99.5:0.5〜約0.5:99:5の比、例えば無機粒子材料の乾燥質量とパルプ中の乾燥繊維の量に基づいて約99.5:0.5〜約50:50の比と様々であり得る。例えば、無機粒子材料と乾燥繊維との量の比は、約99.5:0.5〜約70:30とすることができる。ある種の実施形態では、無機粒子材料と乾燥繊維との質量比は、約95:5である。別の実施形態では、無機粒子材料と乾燥繊維との質量比は、約90:10である。別の実施形態では、無機粒子材料と乾燥繊維との質量比は、約85:15である。別の実施形態では、無機粒子材料と乾燥繊維との質量比は、約80:20である。
例示的なマクロフィブリル化工程において、セルロースを含む繊維基材中の乾燥繊維1トンあたりの総投入エネルギー量は、約10,000kWht-1未満、例えば約9000kWht-1未満、または約8000kWht-1未満、または約7000kWht-1未満、または約6000kWht-1未満、または約5000kWht-1未満、例えば約4000kWht-1未満、約3000kWht-1未満、約2000kWht-1未満、約1500kWht-1未満、約1200kWht-1未満、約1000kWht-1未満、または約800kWht-1未満となろう。総投入エネルギー量は、マイクロフィブリル化される繊維基材中の乾燥繊維の量に応じて変動し、粉砕速度および粉砕時間に応じて変動してもよい。
ある種の実施形態では、粉砕は粉砕槽のカスケードにおいて行われ、1つまたは複数の粉砕槽が1つまたは複数の粉砕区域を備えていてもよい。例えば、セルロースを含む繊維基材は、2つ以上の粉砕槽のカスケード、例えば3つ以上の粉砕槽のカスケード、または4つ以上の粉砕槽のカスケード、または5つ以上の粉砕槽のカスケード、または6つ以上の粉砕槽のカスケード、または7つ以上の粉砕槽のカスケード、または8つ以上の粉砕槽のカスケード、または9つ以上の粉砕槽のカスケードを直列で、または最大10の粉砕槽を含むカスケードにおいて粉砕することができる。これらの粉砕槽のカスケードは、直列もしくは並列、または直列と並列とを組み合わせて、インク書きして作動することができる。カスケードにおける1つまたは複数の粉砕槽からの取り出し物、および/または投入物は、1つもしくは複数のふるいがけステップおよび/または1つもしくは複数の分類ステップを施されてもよい。
ある種の実施形態、例えば、回分工程において、セルロースを含む繊維基材(無機粒子材料の存在下でもよい)のマイクロフィブリル化によりマイクロフィブリル化セルロースの粒径急勾配の分布勾配が生じる実施形態では、所望のマイクロフィブリル化セルロース勾配を有する、得られた(共加工でもよい)マイクロフィブリル化セルロース(および、無機粒子材料を含んでもよい)組成物(すなわち、マイクロフィブリル化セルロース含有生成物)は、水または他の任意の適切な液体によりマイクロフィブリル化装置、例えば、粉砕槽から洗い出すことができる。
無機粒子材料は、例えば、炭酸カルシウム、例えば、天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸アルカリ土類金属塩または硫酸アルカリ土類金属塩、ドロマイト、石膏、カオリン、ハロイサイトまたはボールクレイなどの含水カンダイトクレイ、メタカオリンまたは完全焼成カオリンなどの無水(焼成)カンダイトクレイ、タルク、雲母、パーライトまたは珪藻土、または水酸化マグネシウム、または三水和アルミニウム、またはそれらの組合せとすることができる。
ある種の実施形態では、無機粒子材料は炭酸カルシウムを含むか、または炭酸カルシウムである。これ以降、本発明は、炭酸カルシウムに関して、および炭酸カルシウムが加工される、および/または処理される態様と関連して議論され得る。本発明は、こうした実施形態に限定するものとして解釈すべきではない。
本発明において使用される粒子状炭酸カルシウムは、粉砕により天然源から得ることができる。粉砕炭酸カルシウム(GCC)は、通常、チョーク、大理石、または石灰石などの鉱物源を圧砕し、次に粉砕することによって得られ、望ましい微粉度を有する生成物を得るために、粒径の分類ステップが後に続くことができる。漂白、浮遊選鉱、および磁力選鉱などの他の技法を利用して、望ましい微粉度および/または色調を有する生成物を得ることもできる。粒子状固形材料は自生的に、すなわち固形材料の粒子それ自体の間の摩擦によって、あるいは粉砕される炭酸カルシウムとは異なる材料の粒子を含む粒子状粉砕用媒体の存在下で粉砕され得る。これらの工程は、分散剤および殺生物剤の存在下または非在下で行ってもよく、分散剤および殺生物剤は本工程のいずれの段階で添加されてもよい。
沈降炭酸カルシウム(PCC)を、本発明における粒子状炭酸カルシウム源として使用することができ、沈降炭酸カルシウムは、当分野において公知方法のいずれによっても製造することができる。TAPPI Monograph Series No.30「Paper Coating Pigments」の34から35頁には、製紙産業で使用するための製品の調製において使用するのに適した沈降炭酸カルシウムを調製するための3つの主な商業的方法が記載されているが、これらの方法は、本発明を実施する際にも使用することができる。3つの方法のすべてにおいて、石灰石などの炭酸カルシウムのフィード原料はまず焼成されて生石灰となり、次にこの生石灰は水中で消和されて水酸化カルシウムまたは石灰乳となる。第1の方法では、この石灰乳を、二酸化炭素ガスにより直接、炭酸塩化する。この方法は、副生成物が形成しないという利点を有しており、炭酸カルシウム生成物の特性および純度の制御が比較的容易である。第2の方法では、石灰乳をソーダ灰と接触させて、複分解により炭酸カルシウムの沈殿物および水酸化ナトリウムの溶液が生成する。この方法を商業的に使用する場合、この水酸化ナトリウムを、実質的に完全に炭酸カルシウムから分離することができる。第3の主要な商業的方法では、石灰乳をまず塩化アンモニウムと接触させて塩化カルシウム溶液およびアンモニアガスを得る。次に、この塩化カルシウム溶液をソーダ灰と接触させて、複分解によって沈降炭酸カルシウムおよび塩化ナトリウムの溶液が生成する。結晶は、使用される特定の反応方法に応じて、様々な異なる形状およびサイズで生成することができる。PCC結晶の3つの主要な形態はアラゴナイト、菱面体晶および偏三角面体であり、これらはすべて、それらの混合物を含めて本発明における使用に適している。
炭酸カルシウムの湿式粉砕は、炭酸カルシウムの水性懸濁液の形成を含み、これは、次に適切な分散化剤の存在下で粉砕してもよい。炭酸カルシウムの湿式粉砕に関するさらなる情報に関しては、例えばEP−A−614948(その内容の全体が、参照により組み込まれている)を参照することができる。
ある状況では、他の鉱物の少量添加が含まれ、例えばカオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、ボーキサイト、タルクまたは雲母の1種または複数のものが存在し得る。
無機粒子材料を天然源から得る場合、若干の無機不純物が粉砕された材料に混入することになることがある。例えば、天然の炭酸カルシウムは、他の無機物を伴って存在し得る。したがって、一部の実施形態では、無機粒子材料はある量の不純物を含む。しかし、一般に、本発明において使用される無機粒子材料は、他の無機不純物を約5質量%未満、好ましくは約1質量%未満、含有するであろう。
無機粒子材料は、粒子の少なくとも約10質量%、例えば少なくとも約20質量%、例えば少なくとも約30質量%、例えば少なくとも約40質量%、例えば少なくとも約50質量%、例えば少なくとも約60質量%、例えば少なくとも約70質量%、例えば少なくとも約80質量%、例えば少なくとも約90質量%、例えば少なくとも約95質量%、または例えば約100%が2μm未満のe.s.d.を有するような粒径分布を有することができる。
ある種の実施形態では、粒子の少なくとも約50質量%が2μm未満のe.s.dを有し、例えば粒子の少なくとも約55質量%が2μm未満のe.s.dを有し、または粒子の少なくとも約60質量%が2μm未満のe.s.dを有する。
特に明記しない限り、無機粒子材料に関して本明細書で言及される粒径特性は、Micromeritics Instruments Corporation、Norcross、Georgia、米国(ウェッブサイト:www.micromeritics.com)により供給される、本明細書において「Micromeritics Sedigraph 5100ユニット」と称されるSedigraph5100という機械を使用して、水性媒体中に完全に分散した状態の粒子状材料の沈降による周知の方法で測定される。このような機械によって測定が行われ、当分野において「等価球径(e.s.d)」と称される、所与のe.s.d値よりも小さいサイズを有する粒子の累積質量%がプロットされる。平均粒径d50は、この方法で求められる、粒子のe.s.dの値であり、この値において、d50値よりも小さい等価球径を有する粒子が50質量%存在する。
あるいは、明記されている場合、無機粒子材料に関して本明細書で言及される粒径特性は、Malvern Instruments Ltdにより提供されるMalvern Mastersizer Sという機械を使用して、レーザー光散乱の分野において使用される周知の従来法(または、本質的に同じ結果が得られる他の方法によって)によって測定される。レーザー光散乱技法では、粉末、懸濁液およびエマルションの粒子のサイズを、ミーの理論の応用に基づいたレーザービームの回折を使用して測定することができる。このような機械によって測定が行われ、当分野において「等価球径(e.s.d)」と称される、所与のe.s.d値よりも小さいサイズを有する粒子の累積体積%をプロットする。平均粒径d50は、この方法で求められる粒子のe.s.dの値であり、この値において、d50値よりも小さい等価球径を有する粒子が50質量%存在する。
したがって、別の実施形態では、無機粒子材料は、レーザー光散乱の分野において使用されている周知の従来法によって測定すると、粒子の少なくとも約10体積%、例えば少なくとも約20体積%、例えば少なくとも約30体積%、例えば少なくとも約40体積%、例えば少なくとも約50体積%、例えば少なくとも約60体積%、例えば少なくとも約70体積%、例えば少なくとも約80体積%、例えば少なくとも約90体積%、例えば少なくとも約95体積%、または例えば約100体積%が2μm未満のe.s.dを有するような粒径分布を有することができる。
ある種の実施形態では、粒子の少なくとも約50体積%が2μm未満のe.s.dを有し、例えば粒子の少なくとも約55体積%が2μm未満のe.s.dを有し、または粒子の少なくとも約60体積%が2μm未満のe.s.dを有する。
レーザー光散乱の分野において使用されている周知の従来法を使用する、無機粒子材料とマイクロフィブリル化セルロースとの混合物の粒径分布を特徴づけるために使用することができる手順の詳細は上で議論されている。
ある種の実施形態では、無機粒子材料はカオリンクレイである。これ以降、本明細書のこの項目は、カオリンに関して、およびカオリンが加工される、および/または処理される態様と関連して、議論され得る。本発明は、こうした実施形態に限定するものとして解釈すべきではない。すなわち、一部の実施形態では、カオリンは、未加工形態で使用される。
本発明で使用されるカオリンクレイは、天然源、すなわち原料天然カオリンクレイ鉱物に由来する加工済み材料とすることができる。この加工済みカオリンクレイは、通常、少なくとも約50質量%のカオリナイトを含有し得る。例えば、最も商業的に加工されているカオリンクレイは、約75質量%より多いカオリナイトを含有し、約90質量%より多く、一部の場合、約95質量%より多いカオリナイトを含有していることがある。
本発明で使用されるカオリンクレイは、当業者に周知である1つまたは複数の他の方法により、例えば公知のリファイニングまたは選鉱ステップによって原料天然カオリンクレイ鉱物から調製することができる。
例えば、クレイ鉱物は、亜ジチオン酸ナトリウムなどの還元漂白剤により漂白してもよい。亜ジチオン酸ナトリウムを使用する場合、亜ジチオン酸ナトリウムによる漂白ステップ後に、漂白したクレイ鉱物を脱水してもよく、給水してもよく、再度脱水してもよい。
無機クレイを、例えば当分野で周知のフロキュレーション、浮遊選鉱または磁力選鉱技法により、不純物を除去するよう処理してもよい。あるいは、本発明の第1の態様で使用される無機クレイは、固体の形態、または水性懸濁液として、未処理であってもよい。
本発明で使用するための粒子状カオリンクレイを調製するための方法は、1つまたは複数の細分ステップ、例えば、粉砕またはミル粉砕も含んでもよい。粗カオリンのわずかな細分化を使用すると、適切なその剥離がもたらされる。この細分化は、プラスチック(例えば、ナイロン)のビーズもしくは顆粒、砂またはセラミック製粉砕補助物もしくはミル粉砕補助物を使用することにより行うことができる。周知の手順を使用し、粗カオリンをリファイニングして、不純物を除去し、物理特性を改善することができる。カオリンクレイを、公知の粒径の分類手順、例えば、ふるいがけおよび遠心分離(またはその両方)により処理すると、望ましいd50値または粒径分布を有する粒子を得ることができる。
ある種の実施形態では、高剪断工程から抜き取られる生成物は、一部または実質的にすべての水が除去されるよう処理されて、部分的に乾燥しているかまたは本質的に完全に乾燥した生成物が形成する。例えば、共粉砕工程の生成物中の水の、少なくとも約10体積%、例えば、少なくとも約20体積%、または少なくとも約30体積%、または少なくとも約40体積%、または少なくとも約50体積%、または少なくとも約60体積%、または少なくとも約70体積%、または少なくとも約80体積%、または少なくとも約90体積%、または少なくとも約100体積%を除去することができる。例えば加圧によるもしくは非加圧による重力または真空補助排水によるもの、蒸発によるもの、またはろ過によるもの、またはこれらの技法の組合せによるものを含めた、任意の適切な技法を使用して、水を生成物から除去することができる。この部分的に乾燥したまたは本質的に完全に乾燥した生成物は、マイクロフィブリル化セルロース、および存在する場合、無機粒子材料を含み、乾燥前に添加されてもよい任意の他の添加物を含んでもよいであろう。この部分的に乾燥したまたは本質的に完全に乾燥した生成物は、再水和されてもよく、本明細書に記載されている通り、製紙用組成物および紙製品に配合され得る。
上で議論した通り、WO−A−2010/131016による方法によって得られるマイクロフィブリル化セルロースは、有利な紙破裂強度強化属性を有することが見いだされた。しかし、本発明者らは、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性は、さらなる粉砕だけによって、さらに改善し得ないことを見いだした。この点では、および理論により拘泥されることを望むものではないが、粉砕により適用される追加のエネルギー量にかかわらず、粉砕工程において、ある平衡点に到達し、この平衡点を越えて、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性がさらには改善し得ないように思われる。しかし、本発明者らは、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕法によって得られるものなどの、マイクロフィブリル化セルロースに、上記の第1の態様による高剪断処理を施すことにより、1つまたは複数(on or more)のマイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性、例えばマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が改善され得ることを予想外にも見いだした。言い換えると、本明細書に記載されている高剪断法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙は、WO−A−2010/131016に記載されている粉砕工程によって得られるマイクロフィブリル化セルロースなどの、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースを等量含む紙と比べて、改善された1つまたは複数の紙特性(例えば、破裂強度)を有することが見いだされた。
紙破裂強度は、SCAN P24に従って、Messemer Buchnel破裂試験器を使用して決定することができる。さらなる詳細は、以下の実施例に提示されている。
上記の通り、純粋に繊維パルプから作製された紙は、繊維パルプの一部分が填料、例えば無機填料により置き換えられている同等の紙よりも紙破裂強度は高いことになろう。したがって、填料含有紙の紙破裂強度は、填料不含紙の紙破裂強度の割合として通常、表される。紙において填料、例えば、従来的な無機填料の置き換えまたは一部置き換えとして使用する場合、無機粒子材料と組み合わせてもよい、WO−A−2010/131016において記載の方法により得られるマイクロフィブリル化セルロースは、予想外にも、紙の破裂強度特性を改善することが見いだされた。すなわち、無機填料しか充填されていない紙に比べると、マイクロフィブリル化セルロースにより充填されている紙は、改善された破裂強度を有することが見いだされた。言い換えると、マイクロフィブリル化セルロース填料は、紙破裂強度強化属性を有することが見いだされた。
ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得られるマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性は、高剪断処理前のマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性と比べて、少なくとも約1%、例えば、少なくとも約5%、または少なくとも約10%上昇している。言い換えると、ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕方法により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の紙破裂強度よりも高い紙破裂強度を有しており、例えば、紙破裂強度は、少なくとも約1%超、または少なくとも約5%超、または少なくとも約10%超である。
ある種の実施形態では、本明細書に記載されている高剪断方法により得られるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、改善された紙破裂強度以外の1つまたは複数の有利な特性を追加的または代替的のどちらかを示す。例えば、本明細書に記載されている高剪断方法により得られるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙は、改善された破裂指数、または改善された引張強度(例えば、縦方向引張指数)、または改善された引裂強度(例えば、横方向引張指数)、または改善されたZ方向(インターナルボンド)強度(スコットボンド強度としても知られている)、または改善された(低下した)透気度(例えば、ベンドステン(Bendsten)透気度)、または改善された平滑度(例えば、ベンドステン平滑度)、または改善された不透明度、またはそれらの任意の組合せを示し得る。
一実施形態では、破裂指数は、TAPPI法 T 403 om−91に基づく、L&W Bursting Strength試験器を使用して決定される。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕工程により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の破裂指数よりも高い破裂指数を有しており、例えば、破裂指数は、少なくとも約1%超、または少なくとも約5%超、または少なくとも約10%超である。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、少なくとも約1.25kPam2-1、例えば、少なくとも約1.30kPam2-1、または少なくとも約1.32kPam2-1、または少なくとも約1.34kPam2-1、または少なくとも約1.36kPam2-1、例えば、約1.25kPam2-1〜約1.50kPam2-1、または約1.25kPam2-1〜約1.45kPam2-1、または約1.25kPam2-1〜約1.40kPam2-1、または約1.30kPam2-1〜約1.40kPam2-1、または約1.32kPam2-1〜約1.40kPam2-1、または約1.34kPam2-1〜約1.38kPam2-1の破裂指数を有する。
一実施形態では、引張強度(例えば、縦方向引張指数)は、SCAN P16に従い、Testometrics引張試験器を使用して決定される。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕工程により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の引張強度よりも高い引張強度を有しており、例えば、引張強度は、少なくとも約1%超、または少なくとも約5%超、または少なくとも約10%超である。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、少なくとも約31.5Nmg-1、例えば、少なくとも約32.0Nmg-1、または少なくとも約32.5Nmg-1、または少なくとも約33.0Nmg-1、または約32.0Nmg-1〜約50.0Nmg-1、または約32.0Nmg-1〜約45Nmg-1、または約32.0Nmg-1〜約45Nmg-1、または約32.0Nmg-1〜約40Nmg-1、または約32.0Nmg-1〜約35Nmg-1、または約33.0Nmg-1〜約35Nmg-1の縦方向引張指数を有する。
一実施形態では、横方向引裂強度指数は、TAPPI法 T414om−04(紙の内部引裂耐性)(エルメンドルフ型方法)に従って決定される。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕方法により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の引裂強度指数よりも高い引裂強度指数を有しており、例えば、引裂強度指数は、少なくとも約1%超、または少なくとも約5%超、または少なくとも約10%超である。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、少なくとも約5.45mNm2-1、例えば、少なくとも約5.50mNm2-1、または少なくとも約5.60mNm2-1、または少なくとも約5.70mNm2-1、または少なくとも約5.80mNm2-1、例えば,約5.45mNm2-1〜約6.50mNm2-1、または約5.45mNm2-1〜約6.25mNm2-1、または約5.45mNm2-1〜約6.00mNm2-1、または約5.55mNm2-1〜約6.00mNm2-1、または約5.65mNm2-1〜約6.00mNm2-1、または約5.75mNm2-1〜約6.50mNm2-1、または約5.80mNm2-1〜約6.00mNm2-1の引裂強度指数を有する。
一実施形態では、Z方向(インターナルボンド)強度は、TAPPI T569に従って、スコットボンド試験器を使用して決定される。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕方法により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙のZ方向(インターナル(スコット)ボンド)強度よりも高いZ方向(インターナル(スコット)ボンド)強度を有しており、例えば、Z方向(インターナル(スコット)ボンド)強度は、少なくとも約1%超、または少なくとも約5%超、または少なくとも約10%超、または少なくとも約20%超、または少なくとも約30%超、または少なくとも約40%超、または少なくとも約50%超である。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、少なくとも約130.0Jm-2、例えば、少なくとも約150.0Jm-2、または少なくとも約170.0Jm-2、または少なくとも約180.0Jm-2、または少なくとも約190.0Jm-2、例えば,約130.0Jm-2〜約250.0Jm-2、または約130.0Jm-2〜約230.0Jm-2、または約150.0Jm-2〜約210.0Jm-2、または約170.0Jm-2〜約210Jm-2、または約180.0Jm-2〜約210.0Jm-2、または約190.0Jm-2〜約200.0Jm-2のZ方向(インターナル(スコット)ボンド)強度を有する。
一実施形態では、透気度は、SCAN P21、SCAN P60、BS 4420およびTAPPI UM 535に従って、Bendsten Model 5透気度試験器を使用して決定される。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕方法により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の透気度よりも低い透気度を有しており、例えば、透気度は、少なくとも約1%より低く、または少なくとも約5%より低く、または少なくとも約10%より低く、または少なくとも約20%より低く、または少なくとも約30%より低く、または少なくとも約40%より低く、または少なくとも約40%より低く、または少なくとも約60%より低く、または少なくとも約70%より低く、または少なくとも約80%より低い。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、約1000cm3-1未満、例えば約950cm3-1未満、または約900cm3-1未満、または約875cm3-1未満、または約850cm3-1未満、または約825cm3-1未満、または約815cm3-1未満、または約805cm3-1,例えば,約700cm3-1〜約1000cm3-1,または約750cm3-1〜約950cm3-1,または約750cm3-1〜約900cm3-1、または約750cm3-1〜約850cm3-1未満のベンドステン透気度を有する。
一実施形態では、ベンドステン平滑度は、SCAN P 21:67に従って決定される。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕方法により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の平滑度よりも高い平滑度を有しており、例えば、平滑度は、少なくとも約1%超、または少なくとも約5%超、または少なくとも約10%超、または少なくとも約20%超、または少なくとも約30%超である。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、少なくとも約560cm3-1、例えば、少なくとも約580cm3-1、または少なくとも約600cm3-1、または少なくとも約620cm3-1、または少なくとも約640cm3-1、または少なくとも約660cm3-1、または少なくとも約680cm3-1、例えば,約560cm3-1〜約800cm3-1、または約600cm3-1〜約750cm3-1、または約640cm3-1〜約725cm3-1、または約660cm3-1〜約705cm3-1のベンドステン平滑度を有する。
一実施形態では、紙(80gm-2)の試料の不透明度は、不透明度の測定に適した波長を使用する、Elrepho Datacolor3300分光光度計により、測定される。標準試験法は、ISO2471である。まず、反射した入射光の割合の測定を、黒色の空洞上の少なくとも10枚のシートの束で行う(R無限大)。次に、このシート束を1枚のシートに置き換え、黒色のカバー上での1枚のシートのパーセント反射率の第2の測定を行う(R)。次に、パーセント不透明度を式:パーセント不透明度=100×R/R無限大から計算する。ある種の実施形態では、明細書に記載されている高剪断方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含む紙製品は、WO−A−2010/131016において記載されている粉砕方法により得られる、本明細書に記載されている高剪断方法が施されていないマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙の不透明度よりも高い不透明度を有しており、例えば、不透明度は、少なくとも約0.10%超、または少なくとも約0.15%超、または少なくとも約0.20%超、または少なくとも約0.25%超、または少なくとも約0.30%超である。
マイクロフィブリル化セルロースを含む高剪断後生成物は、高剪断処理前のマイクロフィブリル化セルロースの粘度よりも高い粘度を一般に有するであろう。ある種の実施形態では、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい高剪断後生成物は、少なくとも約2,000MPa.s、例えば、約2,500〜約13,000MPa.s、または約2,500〜約11,000MPa.s、または約3,000〜約9,000MPa.s、または約3,000〜約7,000MPa.s、または約3,500〜約6,000MPa.s、または約4,000〜約6,000MPa.sのブルックフィールド粘度(10rpmおよび1.5質量%の繊維含量において、スピンドル番号4)を有する。ブルックフィールド粘度は、以下の手順に従い決定される。組成物の試料、例えば高剪断後生成物を、繊維含量1.5質量%を与えるのに十分な水により希釈する。次に、この希釈試料を十分に混合し、ブルックフィールドR.V粘度計(スピンドル番号4)を使用し、10rpmでその粘度を測定する。読取りは、試料を安定化させるために15秒後に行う。
マイクロフィブリル化セルロースの調製に関する一体法を図3にまとめている。水(2)、繊維パルプ(4)を粉砕槽(8)、例えば、適切な粉砕用媒体(図示せず)を含有するタワーミルまたは撹拌媒体デトライターに供給し、かつ無機粒子(6)を供給してもよい。以下に記載の方法に従い、および/またはWO−A−2010/131016に開示されている、マイクロフィブリル化セルロースの調製方法に従い、粉砕用媒体の存在下で繊維パルプを粉砕し、無機粒子材料の存在下で粉砕してもよい。次に、得られたマイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液(10)をインライン高剪断ミキサー(12)に供給する。粉砕器に、粉砕用媒体を、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液から分離するために、適切なサイズの1つまたは複数のふるい(図示せず)を装着する。水性懸濁液またはその一部を混合用タンク(14)に供給して、追加の水(16)と混合して、その固体含量を低下させ、固体含量の低下した水性懸濁液(18)を生成させて、次に、インライン高剪断ミキサー(12)に供給してもよい。例えば、粉砕器から抜き取られる水性懸濁液の固体含量が、約10%より多い場合、固体含量を10%未満に低下させるため、混合用タンクに向かわせてもよい。マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液は、インライン高剪断ミキサー内で高剪断が施される。周期的に、高剪断後の生成物(20)は、さらなる混合および任意選択のさらなる希釈のために、混合用タンク(14)に再循環してもよい。最後の高剪断後生成物(22)は、インライン高剪断ミキサー(12)から抜き取られ、さらなる加工区域(24)へと通される。さらなる加工区域(24)は、高剪断後生成物を製紙用組成物に配合するための手段(図示せず)、および製紙用組成物から紙製品を作製するための手段(図示せず)を含んでもよい。さらなる加工区域(24)はまた、紙製品を塗工するための手段(図示せず)も含んでもよい。
ある種の実施形態では、高剪断処理前のマイクロフィブリル化セルロースは、第1の場所で調製され、第1の場所とは分離している、例えば隔たりのある第2の場所で高剪断が施される。第1の場所で調製されるマイクロフィブリル化セルロースは、車、鉄道、船もしくは飛行機、または配管、またはそれらの任意の組合せにより、第2の場所に輸送することができる。ある種の実施形態では、第1の場所で調製されるマイクロフィブリル化セルロースは、水分含量を低下するよう処理され、さらなる添加物、例えば、凝集剤、保存剤および/または殺生物剤と混合されてもよく、次に、第2の場所に輸送されて、ここで適切な固体含量まで低下させて、高剪断処理を施すことができる。さらなる添加物には、例えば、1つまたは複数の高分子量陽イオン性修飾ポリアクリルアミドの凝集剤および/または1つまたは複数のBIT(2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン)、CMIT(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、およびMIT(メチルイソチアゾリノン)殺生物剤(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DBNPA殺生物剤(The Dow Chemical Companyから入手可能)、過酸化水素、グルタルアルデヒド、および/またはTHPS(テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート)が含まれる。BIT、MITおよびCMITのブレンド、例えばBITとMITのブレンド、またはCMITとMITのブレンドを加えることができる。輸送するためには、マイクロフィブリル化セルロースは、本明細書に記載されている通り、部分的に乾燥しているか、または本質的に乾燥している生成物の形態とすることができる。例えば、加圧によるもしくは非加圧による重力もしくは真空補助排水による、または加圧による、または蒸発による、またはろ過による、またはこれらの技法の組合せによる、任意の適切な技法を使用して、水をマイクロフィブリル化セルロース生成物から除去することができる。例えば、第2の場所に輸送される前に、水が除去される前のマイクロフィブリル化セルロース生成物における、水の総体積に対して、第1の場所において、マイクロフィブリル化セルロースの水分含量を約80体積%未満、または約70体積%未満、または約60体積%未満、または約50体積%未満、または約40体積%未満、または約30体積%未満、または約20体積%未満、または約15体積%未満、または10体積%未満、または約5体積%未満、または約2体積%未満、または約1体積%未満まで低下させることができる。第1の場所と第2の場所との間の、輸送方法および経路により決定される距離は、約100メートル〜約10,000kmの間、例えば、約1km〜約7,500kmの間、または約1km〜約5,000kmの間、または少なくとも約10km、または少なくとも約50km、または少なくとも約100km、または少なくとも約250km、または少なくとも約500km、または少なくとも約750km、または少なくとも約1,000kmとすることができる。
紙製品および製紙用組成物
本発明に関連して使用される「紙製品」という用語は、例えば、白ボールおよびライナーボード、段ボール、板紙、塗工板紙などのボードを含む、すべての形態の紙を意味すると理解すべきである。本、雑誌、新聞など、および事務用紙に適した紙を含む、本発明により作製することができる様々なタイプの紙、塗工紙または非塗工紙がある。紙は必要に応じてカレンダリングまたはスーパーカレンダリングされ得る。例えば、グラビア印刷およびオフセット印刷用の、スーパーカレンダリングされた雑誌用紙が、本発明の方法に従って作製され得る。軽量塗工(LWC)、中量塗工(MWC)または機械仕上げ顔料塗工(machine finished pigmentisation)(MFP)に適した紙もまた、本発明の方法により作製することができる。食品包装などに適したバリア特性を有する塗工紙および厚紙もまた、本発明の方法により作製することができる。
ある種の実施形態では、本紙製品は、本明細書に記載の方法による高剪断に施されたマイクロフィブリル化セルロースを約0.1〜約10質量%、例えば、マイクロフィブリル化セルロースを約0.1〜約8.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約0.1〜約7.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約0.1〜約6.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約0.25〜約6.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約0.5〜約6.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約1.0〜約6.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約1.5〜約6.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約2.0〜約6.0質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約2.5〜約5.5質量%、またはマイクロフィブリル化セルロースを約2.5〜約5.0質量%を含む。
ある種の実施形態では、本紙製品は、約1〜約50質量%の無機粒子材料、例えば、約5〜約45質量%の無機粒子材料、または約10〜約45質量%の無機粒子材料、または約15〜約45質量%の無機粒子材料、または約20〜約45質量%の無機粒子材料、または約25〜約45質量%の無機粒子材料、または約30〜約45質量%の無機粒子材料、または約35〜約45質量%の無機粒子材料または約20〜約40質量%の無機粒子材料、または約30〜約50質量%の無機粒子材料、または約30〜約40質量%の無機粒子材料、または約40〜約50質量%の無機粒子材料を含む。
紙製品は、以下に限定されないが、分散剤、殺生物剤、懸濁助剤、塩、および別の添加物、例えばデンプンまたはカルボキシメチルセルロースまたはポリマーを含めた別の添加物を含んでもよく、これらの添加物は、無機粒子と繊維との相互作用を促進することができる。
ある種の実施形態では、本紙製品は、本明細書に記載されている高剪断方法を施されていない、WO−A−2010/131016に記載されている粉砕方法により得られるマイクロフィブリル化セルロースなどのマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙製品と比べて、改善されている紙破裂強度を有する。
ある種の実施形態では、本紙製品は、SCAN P24に従って、Messemer Buchnel破裂試験器を使用して決定すると、少なくとも約85、例えば、少なくとも約86、または少なくとも約87、または少なくとも約88、または少なくとも約89、または少なくとも約90、または少なくとも約91、または少なくとも約92、または少なくとも約93、または少なくとも約94、または少なくとも約95の破裂強度を有する。
本発明の紙製品を調製するために使用することができる、製紙用組成物も提供される。
通常の製紙法では、セルロース含有パルプは、当分野で周知の任意の適切な化学的もしくは機械的処理、またはこれらの組合せによって調製される。パルプは、木材、草(例えば、サトウキビ、竹)、または布(例えば、紡織ウエイスト、綿、麻、または亜麻)などの、任意の適した供給源を由来とすることができる。パルプを、当業者に周知の方法に従って漂白してもよく、本発明における使用に適したそれらの方法は容易に明らかになろう。漂白セルロースパルプは、(当分野において、カナダ標準ろ水度(CSF)としてcm3で報告される)の所定のろ水度にまで叩解、リファイニングまたはそれらの両方を行うことができる。次に、適切な紙料を、漂白および叩解したパルプから調製する。
本発明の製紙用組成物は、適量のパルプを含み、当分野で公知の無機粒子材料および他の従来的な添加物を含んでもよく、それから本発明による紙製品が得られる。
本製紙用組成物は、非イオン性、陽イオン性、または陰イオン性の歩留まり向上剤、またはマイクロ粒子歩留まり向上システムを、紙製品の質量に対して約0.01〜2質量%の範囲の量で含むこともできる。一般に、無機粒子材料の量がより多いほど、歩留まり向上剤の量も多くなる。製紙用組成物は、例えば、長鎖アルキルケテン二量体、ワックスエマルション、またはコハク酸誘導体とすることができるサイジング剤も含有することができる。本製紙用組成物は、色素および/または任意選択の蛍光増白剤も含有することができる。本製紙用組成物は、例えばデンプンまたはエピクロロヒドリンコポリマーなどの乾燥および湿潤紙力強化助剤も含むことができる。
ある種の実施形態では、紙製品は、塗工用組成物により塗工されてもよい。
塗工用組成物は、質量、表面光沢、平滑度、またはインク吸収度の低下を含めた、ある種の質を紙に付与する組成物とすることができる。例えば、カオリンまたは炭酸カルシウム含有組成物を使用して、紙製品の紙を塗工するために使用することができる。塗工用組成物は、結合剤、例えばスチレン−ブタジエンラテックス、およびデンプンなどの天然の有機結合剤を含むことができる。塗工製剤は、塗工用組成物にとって他の公知の添加物も含有することができる。例示的な添加物は、WO−A−2010/131016の21頁15行目から24頁2行目までに記載されている。
ある種の実施形態では、塗工用組成物は、本明細書に記載の方法により得られるマイクロフィブリル化セルロース、例えば本発明の第1の態様による方法により得られるマイクロフィブリル化セルロース、および/またはWO−A−2010/131016に記載の方法により得ることができるマイクロフィブリル化セルロースを含むことができる。
紙および別のシート材料に塗工する方法、ならびに本方法を行うための装置は、広く公表されており、周知である。こうした公知の方法および装置は、塗工紙を調製するために使用するのが好都合である。例えば、そのような方法の総説がPulp and Paper International(1994年5月)(18ページ以降)に記載されている。シートは、シート形成機上、すなわち「オンマシン(on−machine)」で、またはコーターもしくは塗工機上での「オフマシン(off−machine)」で塗工することができる。この塗工方法では、後に蒸発させる水の量が少なくなるので、高固形分組成物の使用が望ましい。しかし、当分野において周知の通り、固形分レベルは、高粘度および平滑化問題が生じる程高くあるべきではない。この塗工方法は、(i)塗工用組成物を塗工される材料に塗布するためのアプリケーション、および(ii)正確なレベルの塗工用組成物を塗布するのを確実とするための計量機器を備えた装置を使用して行うことができる。過剰量の塗工用組成物がアプリケーターに適用される場合、計量機器はアプリケーターの下流にある。あるいは、正確な量の塗工用組成物は、例えばフィルムプレスとして、計量機器によってアプリケーターに適用することができる。塗工施用および計量の点で、ペーパーウェブ支持体は、バッキングロールから例えば1つまたは2つのアプリケーターを経由して何もないところに及ぶ(すなわち、張力のみ)。最終的に過剰分が除去される前の塗工が紙と接触している時間が滞留時間(dwell time)であり、この時間は短くても長くてもよく、または変動してもよい。
塗工は、通常、コーティングステーションでコーティングヘッドにより加えられる。望ましい質に応じて、紙のグレードは、非塗工、単層塗工、2層塗工および3層塗工でさえある。2層以上の塗工を実現する場合、最初の塗工(プレコート)は安価な製剤を有してもよく、塗工用組成物中のより粗い顔料を有してもよい。紙の両面に塗工を施用するコーターは、両面に施用される塗工層の数に応じて、2つまたは4つのコーティングヘッドを有することになろう。ほとんどのコーティングヘッドは、1度で片面しか塗工しないが、一部のロールコーター(例えば、フィルムプレス、ゲートロール、およびサイズプレス)は1回の通過で両面を塗工する。
使用することができる公知のコーターの例には、非限定的に、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、マルチヘッドコーター、ロールコーター、ロールまたはブレードコーター、キャストコーター、ラボラトリーコーター、グラビアコーター、キスコーター、液体塗布システム、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーターおよび押出コーターが含まれる。
塗工用組成物を含む固形分に水を添加することによって、好ましくは、組成物を望ましい目標とする塗工量にまでシート上に塗工する場合に、組成物が1〜1.5barの間の圧力(すなわち、ブレード圧力)により塗工されるのを可能にするのに適切なレオロジーを組成物が有するような固形分濃度にする。
カレンダリングは、紙の平滑度および光沢が改善され、塗工紙シートにカレンダーニップ間またはローラー間を1回または複数回、通過させることによってバルクを低下させる、周知の方法である。通常、エラストマーでコーティングしたロールを使用して、高固形分組成物のプレスを行う。昇温を適用してもよい。ニップに1回または複数(例えば、最高約12回、または時としてそれより多く)通過させることができる。スーパーカレンダリングは、カレンダリング度の追加からなる、紙の仕上げ作業である。カレンダリングのように、スーパーカレンダリングは、周知の方法である。スーパーカレンダーにより、紙製品に高光沢仕上げをもたらし、スーパーカレンダリングの程度が、光沢の程度を決定する。通常のスーパーカレンダー機械は、ハード研磨綱と、ソフトコットン(または、他の弾力性のある材料)ロール、例えばエラストマーコーティングロールとを縦に交互に積み重ねたものを備える。このハードロールは、ソフトロールに対して大きな力で押圧し、材料を圧縮する。ペーパーウェブはこのニップを通過するので、ソフトロールがその元の寸法に戻ろうとして生じる力が、紙を「研磨する」ことになり、スーパーカレンダリングした紙に典型的な、さらなる艶およびエナメル様仕上げが生じる。
製紙用組成物から最終紙製品の形成におけるステップは、従来的なものであり、当分野で公知であり、一般に、作製される紙のタイプに応じて、目標とする基本質量を有する紙シートの形成を含む。
誤解を避けるために、本出願は、以下の段落番号に記載されている主題を対象としている。
1.マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更するための方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更するステップを含む、方法。
2.マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善するステップを含む、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善するための、段落番号1に記載の方法。
3.動的剪断要素が高剪断ロータ/ステータ混合装置内に収容されており、前記ロータ/ステータ混合装置内で、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液に高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更、例えば改善するステップを含む、段落番号1から2のいずれかに記載の方法。
4.マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、約20〜約50の繊維勾配を有する、段落番号1から3のいずれかに記載の方法。
5.マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、少なくとも約50μmの繊維のd50を有する、段落番号1から4のいずれかに記載の方法。
6.マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液を得るステップをさらに含み、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液は、粉砕用媒体の存在下、および繊維材料を含み、無機材料を含んでもよい前記無機粒子材料懸濁液の存在下でもよく、水性環境において、セルロースを含む繊維基材をマイクロフィブリル化するステップを含む加工ステップにより得られてもよい、段落番号1から5のいずれかに記載の方法。
7.前記マイクロフィブリル化工程が、粉砕用媒体の存在下、および無機粒子材料の存在下でもよく、セルロースを含む繊維基材を粉砕するステップを含む、段落番号6に記載の方法。
8.無機粒子材料が、存在する場合、炭酸カルシウム、例えば、天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸アルカリ土類金属塩または硫酸アルカリ土類金属塩、ドロマイト、石膏、カオリン、ハロイサイトまたはボールクレイなどの含水カンダイトクレイ、メタカオリンまたは完全焼成カオリンなどの無水(焼成)カンダイトクレイ、タルク、雲母、パーライトまたは珪藻土、または水酸化マグネシウム、または三水和アルミニウム、またはそれらの組合せである、段落番号1から7のいずれかに記載の方法。
9.無機粒子が、炭酸カルシウムであり、炭酸カルシウムの少なくとも約50質量%が、約2μm未満のe.s.d.を有してもよい、段落番号8に記載の方法。
10.無機粒子材料が、カオリンであり、カオリンの少なくとも約50質量%が、約2μm未満のe.s.d.を有する、段落番号8に記載の方法。
11.高剪断後、マイクロフィブリル化セルロースの繊維のd50が低下、例えば、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約50%低下する、段落番号1から10のいずれかに記載の方法。
12.高剪断後、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が上昇、少なくとも約1%、例えば、少なくとも約5%、または少なくとも約10%上昇する、段落番号1から11のいずれかに記載の方法。
13.高剪断後のマイクロフィブリル化セルロースが、少なくとも約2000MPa.s.のブルックフィールド粘度(10rpmおよび1.5質量%の繊維含量において、スピンドル番号4)を有する、段落番号1から12のいずれかに記載の方法。
14.回分法または連続法である、段落番号1から13のいずれかに記載の方法。
15.高剪断の前、および/またはその工程中に、混合用タンクでマイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液が撹拌される、段落番号1から14のいずれかに記載の方法。
16.高剪断中の総投入エネルギー量Eが、E=P/Wとして計算され、式中、Eは、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液中のセルロース材料の1トンあたりの総投入エネルギー量(kWh/t)であり、Pが総投入エネルギー量(kWh)であり、Wがセルロース材料の総質量(トン)である、段落番号1から15のいずれかに記載の方法。
17.請求項1から16のいずれかの方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい、製紙用組成物を調製するステップをさらに含む、段落番号1から16のいずれかに記載の方法。
18.製紙用組成物から紙製品を調製するステップをさらに含む、段落番号17に記載の方法。
19.段落番号1から16のいずれか1つに記載の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液。
20.段落番号17に記載の方法により得ることができる、製紙用組成物。
21.段落番号18に記載の方法により得ることができる紙製品であって、(高剪断前の)段落番号1、4および5のいずれか1つに定義されている、マイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等の紙製品の第2の破裂強度よりも大きな第1の破裂強度を有する、紙製品。
22.約0.1〜約5質量%のマイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を最大約50質量%含んでもよい、段落番号21に記載の紙製品。
誤解を避けるために、本出願は、以下の段落番号に記載されている主題を対象としている。
1a.マイクロフィブリル化セルロースを処理する方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施すステップを含む、方法。
2a.マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙特性強化属性を変更、例えば改善するステップを含む、マイクロフィブリル化セルロースの1つまたは複数の紙特性強化属性を変更、例えば改善するための、段落番号1aに記載の方法。
3a.動的剪断要素が高剪断ロータ/ステータ混合装置内に収容されており、前記ロータ/ステータ混合装置内で、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液に高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの1つまたは複数の紙特性強化属性を変更、例えば改善するステップを含む、段落番号1aまたは2aに記載の方法。
4a.(i)マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、約20〜約50の繊維勾配、および/または(ii)マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、少なくとも約50μmの繊維のd50を有する、段落番号1aから3aのいずれか1つに記載の方法。
5a.マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液を得るステップをさらに含む方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液が、粉砕用媒体の存在下、および繊維材料を含み、無機材料を含んでもよい前記無機粒子材料懸濁液の存在下でもよい水性環境において、セルロースを含む繊維基材をマイクロフィブリル化するステップを含む加工ステップにより得られてもよい、段落番号1aから4aのいずれか1つに記載の方法。
6a.前記マイクロフィブリル化法が、粉砕用媒体の存在下、および無機粒子材料の存在下でもよく、セルロースを含む繊維基材を粉砕するステップを含む、請求項5aに記載の方法。
7a.無機粒子材料が存在する場合、炭酸カルシウム、例えば、天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸アルカリ土類金属塩または硫酸アルカリ土類金属塩、ドロマイト、石膏、カオリン、ハロイサイトまたはボールクレイなどの含水カンダイトクレイ、メタカオリンまたは完全焼成カオリンなどの無水(焼成)カンダイトクレイ、タルク、雲母、パーライトまたは珪藻土、または水酸化マグネシウム、または三水和アルミニウム、またはそれらの組合せである、段落番号1aから6aのいずれか1つに記載の方法。
8a.(i)無機粒子が、炭酸カルシウムであり、炭酸カルシウムの少なくとも約50質量%が、約2μm未満のe.s.d.を有してもよく、または(ii)無機粒子材料が、カオリンであり、カオリンの少なくとも約50質量%が、約2μm未満のe.s.d.を有してもよい、段落番号7aに記載の方法。
9a.高剪断後、マイクロフィブリル化セルロースの繊維のd50が、例えば、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約50%低下する、段落番号1aから7aのいずれか1つに記載の方法。
10a.高剪断後、
(i)マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が、少なくとも約1%、例えば、少なくとも約5%、または少なくとも約10%向上し、かつ/または
(ii)マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂指数強化属性が、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%向上し、かつ/または
(iii)マイクロフィブリル化セルロースの引張強度強化属性が、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%向上し、かつ/または
(iv)マイクロフィブリル化セルロースのZ方向(インターナル(スコット)ボンド)強度強化属性が、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%向上し、かつ/または
(v)マイクロフィブリル化セルロースの引裂強度強化属性が、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%向上し、かつ/または
(vi)マイクロフィブリル化セルロースの透気度強化(すなわち、透気度の低下)属性が、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%上昇し、かつ/または
(vii)マイクロフィブリル化セルロースの平滑度強化属性が、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%上昇し、かつ/または
(viii)マイクロフィブリル化セルロース不透明度強化属性が、少なくとも約0.10%、または少なくとも約0.15%、または少なくとも約0.20%、または少なくとも約0.25%、または少なくとも約0.30%上昇する、段落番号1a〜9aのいずれか1つに記載の方法。
11a.粉砕の完了後、および高剪断処理前に、マイクロフィブリル化セルロース含有生成物を、水または任意の他の適切な液体により、マイクロフィブリル化装置から洗い出す、段落番号5aまたは6aに記載の方法。
12a.高剪断前、および/またはその工程中に、混合用タンクでマイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液を撹拌する、段落番号1aから11aのいずれか1つに記載の方法。
13a.高剪断が施されるマイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液が、約25質量%以下の固体含量、および/または約8質量%以下の繊維固体含量を有する、段落番号1aから12aのいずれか1つに記載の方法。
14a.1つまたは複数の紙特性が、(i)紙破裂強度、(ii)破裂指数、(iii)引張強度、(iv)Z方向(インターナル(スコット)ボンド)強度、(v)引裂強度)、(vi)透気度、(vii)平滑度、および(viii)不透明度から選択される、段落番号1a〜13aのいずれか1つに記載の方法。
15a.請求項1aから14aのいずれかの方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい、製紙用組成物を調製するステップをさらに含み、製紙用組成物から紙製品を調製するステップをさらに含んでもよい、段落番号1aから14aのいずれか1つに記載の方法。
16a.段落番号1aから14aのいずれか1つに記載の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液。
17a.請求項15aに記載の方法により得ることができる、製紙用組成物。
18a.(i)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の破裂強度よりも大きな第1の破裂強度、および/または
(ii)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の破裂指数よりも大きな第1の破裂指数、および/または
(iii)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の引張強度よりも大きな第1の引張強度、および/または
(iv)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2のZ方向(インターナル(スコット)ボンド)強度よりも大きな第1のZ方向(インターナル(スコット)ボンド)強度、および/または
(v)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の引裂強度よりも大きな第1の引裂強度、および/または
(vi)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の破裂強度よりも小さな第1の透気度、および/または
(vii)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の平滑度よりも大きな第1の平滑度、および/または
(viii)(高剪断前の)請求項1および4のいずれか1項において定義されているマイクロフィブリル化セルロースを等量含む同等な紙製品の第2の不透明度よりも大きな第1の不透明度
を有し、約0.1〜約5質量%のマイクロフィブリル化セルロースを含んでもよく、最大約50質量%の無機粒子材料を含んでもよい、請求項15aに記載の方法により得ることができる、紙製品。
材料
木材パルプ:ノーザン漂白軟木クラフトパルプ(MetsaBotniaからのBotnia RM90、4時間浸漬)
無機粒子:
(1) 粒子の約60質量%が、2μm未満のe.s.d.を有するような、粒径分布を有する重質炭酸カルシウム
(2) 粒子の約50質量%が、2μm未満のe.s.d.を有するような、粒径分布を有するカオリン粒子
装置および実験手順
−タワーミルによる生産
使用したタワーミルは、250mmの内径を有する縦型カラム、ならびに円形断面および220cmの直径を有する縦型インペラシャフトからなる、15kW縦型ミルである。無機粒子(1)または(2)を6.4%、および繊維含量1.6%(木材パルプ中の繊維の総乾燥質量に相当する)からなるフィードは、粉砕工程前に、混合用タンクで調製した。この粉砕工程は、粉砕器の底部から供給されるパルプと填料との混合物を含む3mmのジルコニア粉砕用媒体を使用し、500rpmのシャフト速度で実施した。パルプ混合物の統合物(federate)を調節することにより、0〜5000kWh/tの範囲にわたる投入エネルギー量に対して試料を粉砕する。
−撹拌媒体デトライター(SMD)粉砕による生産
使用するSMD粉砕器は、185kWの底部ふるい式デトライターであった。インペラは、円筒断面を有する。
各実験に関して、粉砕器に粉砕用媒体、パルプ、無機粒子(1)、および水を投入した。粉砕は、所定のエネルギー設定点に到達すると、停止した。生成物を収集するため、保存用タンクへと取り出す前に、水を粉砕器に加えて生成物を希釈した。
希釈生成物は保存用タンク中で保管し、約1〜2日間、重力濃縮させた。次に、濁りのない上澄み液を除去すると、最終生成物は約8.0%の総固体含量を有した。
−高固形ケーキの生産
高固形ケーキ試料調製の場合、沈殿濃縮段階前の希釈生成物は、実験室規模の遠心デカンタ(Sharples P600)を使用して脱水した。脱水段階前に、異速(ボウル速度とスクロール速度との間の差)を設定かつ制限する媒体に液面(pond depth)を調節することにより、遠心分離を構成した。この異速は、10rpmに設定した一方、最大ボウル速度を2500pmに維持した。
−インライン高剪断処理
各実験について、粉砕生成物の8%固形物(固形分が>8%の場合、水を加えた)約100Lを測定して混合用タンクに入れ、少なくとも1分間、均質に混合した。次に、この混合生成物をインラインSilversonミキサーに通し、ここで、高剪断作業を行い、混合用タンクに再回収して戻した。この生成物を一定流量で再循環させ、試料500mlを5、10、15、20、25、30、40、50、60、90分間の時間間隔で、ドレイン弁から収集した。Silversonミキサーによる投入エネルギー量Eは、以下の通り計算した。
Figure 0006513037
(式中、Eは繊維の1トンあたりの総投入エネルギー量(kWh/t)であり、Pは総投入エネルギー量(kWh)であり、MFCは、生成物中の繊維の総質量量(トン)である)
−粘度試験
粉砕生成物の試料は、繊維含量1.5質量%を与えるのに十分な水により希釈した。この希釈試料を十分に混合し、ブルックフィールドR.V粘度計(スピンドル番号4)を使用し、10rpmでその粘度を測定した。各試料に関して、読取りは、試料を安定化させるために15秒後に行った。
−粒径分布測定
試験前に、分散剤溶液を試料に混合し(乾燥生成物3gあたり、1.5%ポリアクリル酸ナトリウム5ml)、この混合物を脱イオン水を使用して最大80mlまで満たした。次に、試料すべての粒径分布を、MasterSizer 「S」(Malvern、英国)を使用して測定した。
−迅速ハンドシート試験
上の手順により調製した生成物をハンドシートにおける填料として評価した。一般に、ユーカリ70部およびノーザン漂白軟木パルプ30部を含む漂白化学パルプの一回分をバレービーター内で叩解して、CSF520cm3を得た。砕いて2%の希薄な紙料まで希釈した後、繊維を希釈してシート作製するために、0.3質量%濃度に希釈した。
填料スラリー(高剪断加工後のマイクロフィブリル化セルロースおよび無機粒子を含む)を歩留まり向上剤(Ciba、Percol292、完成紙料に対して0.02質量%)を一緒に加えた。ハンドシートは、標準法(例えば、SCAN C26:76(M5:76)に従い、英国製ハンドシート型枠を使用して基本質量80gm-2に作製した。シートは、無機粒子充填量約15部および25部で調製し、無機粒子充填量20%における破裂強度値をこれらのデータから内挿した。20%充填量の破裂は、填料不含値の割合として表した。
紙破裂強度は、SCAN P24に従って、Messemer Buchnel破裂試験器を使用して決定した。
実験1 SMD試料
実験1に関するSMD粉砕生成物は、総固形分10%および繊維固体含量2%からなった。
次に、SMD粉砕生成物に、0〜1000kWh/t繊維の範囲にわたる投入エネルギー量で、高剪断処理を行った。結果が表1にまとめられている。
Figure 0006513037
「SMD/20」は、例えば、20分間の時間間隔における、インライン高剪断処理から抜き取られるSMD粉砕生成物を意味する。
高剪断処理中の比投入エネルギー量が増加すると、破裂強度は、以下の増加傾向に従う。
例えば、試料の破裂強度は、繊維の1000kWh/tにおける未処理試料に比べて、11%という高さの改善を有する。言い換えると、高剪断後のマイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性は、最大11%改善する。
実験2 SMD「高固形分」試料
デカンテーションしたSMD粉砕生成物の総固形分は30%であり、繊維固体は6%であった。
高剪断処理前は、混合用タンク内において水中で混合することにより、高固形分ケーキを8.5%の固形分に下げた。
この粉砕生成物に、0〜3000kWh/t繊維の範囲にわたる投入エネルギー量で、高剪断処理を行った。結果が表2にまとめられている。
Figure 0006513037
やはり、高剪断処理試料の破裂強度は、投入エネルギー量の増加と共に向上する。
実験3 タワーミル試料
タワーミル生成物は、総固形分含量8%を有し、繊維含量は1.6%であった。
このタワーミル生成物に、0〜2500kWh/t繊維の範囲にわたる投入エネルギー量で、高剪断処理を行った。結果が表3にまとめられている。
Figure 0006513037
高剪断処理試料の紙破裂強度は、比投入エネルギー量が増加するほど向上する。
実験4 タワーミル試料−より高い投入エネルギー量
タワーミル生成物は、総固形分含量8%を有し、繊維含量は1.6%であった。
このタワーミル生成物に、0〜4000kWh/t繊維の範囲にわたる投入エネルギー量で、高剪断処理を行った。結果が表4にまとめられている。
Figure 0006513037
高剪断処理試料の紙破裂強度は、比投入エネルギー量が増加するほど向上する。
実験5 タワーミル試料−無機粒子(2)
タワーミル生成物は、総固形分含量8%を有し、繊維含量は1.6%であった。
このタワーミル生成物に、0〜3250kWh/t繊維の範囲にわたる投入エネルギー量で、高剪断処理を行った。結果は表5にまとめられている。
Figure 0006513037
高剪断処理試料の紙破裂強度は、比投入エネルギー量が増加するほど向上する。
例6
一回分の共粉砕したマイクロフィブリル化セルロースおよび重質炭酸カルシウム填料を、上記の手順(SMDを使用する)に従って調製した。この共粉砕材料の一部に高剪断処理を施した。粉砕生成物の8%固形物(固形分が>8%の場合、水を加えた)約100Lを測定して混合用タンクに入れ、少なくとも1分間、均質に混合した。次に、この混合生成物をインラインSilversonミキサーに通し、ここで、高剪断作業を行った。
調製したままの共粉砕材料の特性、および高剪断処理材料を表6にまとめる。
Figure 0006513037
製紙
ユーカリパルプ70質量%およびBotnia RMA90軟木クラフトパルプ30%のブレンドを、パイロット規模のヒドラパルパー(hydrapulper)を使用して、水中3%の固形分で調製し、パイロット規模のリファイナーを使用して、30°SRのろ水度までリファイニングした。
このパルプブレンドを使用して、12m分-1で操作したパイロット規模の長網抄紙機を使用して、連続紙リールを作製した。この紙の目標坪量は80±5gm-2であった。添加した構成要素がすべて完全に保持されているのを確実とするため、製紙器の排水を再循環した。
各填料について、3、5、7および9%からの4種のPOP(パルプの割合:Percentage of Pulp;パルプである填料の乾燥質量の割合)レベルの範囲をもたらすために、低剪断ミキサーを使用して、さらなる重質炭酸カルシウム(上記のタイプ)と一緒に各試料のブレンドを作製した。次に、これらを製紙器内で、既に調製したパルプと一緒に混合し、填料の充填量が30%、および完成シートにおけるMFC値が1〜3%の範囲を有する、紙シートを作製した。対照となるGCC填料(すなわち、上記の炭酸カルシウム)を含み、マイクロフィブリル化セルロースを含まないGCC填料の充填量が20%を有する紙も調製した。陽イオン性ポリマー歩留まり向上剤(Percol E622、BASF)を、200gt-1および250gt-1の用量で加えた。この紙は、加熱シリンダーを使用して乾燥した。
紙特性
完成紙のシートは、以下に関する試験前に、一晩、制御雰囲気(23℃および50%RH)中で条件を整えた。
・ 紙強度(破裂、MD引張、CD引裂、スコットボンド)
・ 透気度(ベントセン)
・ 平滑度(ベントセン)
・ 不透明度
各試験は、上記の方法に従い実施した。
結果は、無機物の充填量30%についてプロットし、シートにおける、2%のMFCレベルに内挿した。これらを20%充填量における対照となる填料と比較した。表7に結果をまとめている。
Figure 0006513037
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更するための方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更することを含む、方法。
〔2〕マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液に高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善することを含む、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善するための、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記動的剪断要素が、高剪断ロータ/ステータ混合装置内に収容されており、前記ロータ/ステータ混合装置内で、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液に高剪断を施して、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を変更、例えば改善することを含む、前記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕(i)マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、約20〜約50の繊維勾配を有し、および/または(ii)マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液のマイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、少なくとも約50μmの繊維のd 50 を有する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液を得ることをさらに含み、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液は、粉砕媒体の存在下で、かつ繊維材料を含み、無機材料を含んでもよい無機粒子材料懸濁液の存在下でもよく、水性環境において、セルロースを含む繊維基材をマイクロフィブリル化することを含む加工により得られてもよい、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記マイクロフィブリル化工程が、粉砕媒体の存在下で、かつ無機粒子材料の存在下でもよく、セルロースを含む繊維基材を粉砕することを含む、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕無機粒子材料が、存在する場合、炭酸カルシウム、例えば、天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸アルカリ土類金属塩または硫酸アルカリ土類金属塩、ドロマイト、石膏、含水カンダイトクレイ、例えば、カオリン、ハロイサイトまたはボールクレイ、無水(焼成)カンダイトクレイ、例えば、メタカオリンまたは完全焼成カオリン、タルク、雲母、パーライトまたは珪藻土、または水酸化マグネシウム、または三水和アルミニウム、またはそれらの組合せである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8〕(i)無機粒子が、炭酸カルシウムであり、炭酸カルシウムの少なくとも約50質量%が、約2μm未満のe.s.d.を有してもよく、または(ii)無機粒子材料が、カオリンであり、カオリンの少なくとも約50質量%が、約2μm未満のe.s.d.を有してもよい、前記〔7〕に記載の方法。
〔9〕高剪断後、マイクロフィブリル化セルロースの繊維のd 50 が低下、例えば、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約50%低下する、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕高剪断後、マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が、少なくとも約1%、例えば、少なくとも約5%、または少なくとも約10%上昇する、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11〕高剪断の前および/または該工程中に、混合用タンクでマイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液を撹拌する、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12〕前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい、製紙用組成物を調製することをさらに含み、前記製紙用組成物から紙製品を調製することをさらに含んでもよい、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含み、無機粒子材料を含んでもよい水性懸濁液。
〔14〕前記〔12〕に記載の方法により得ることができる、製紙用組成物。
〔15〕前記〔13〕の方法により得ることができる紙製品であって、(高剪断前の)前記〔1〕および〔4〕のいずれか1項において定義されたマイクロフィブリル化セルロースを等量含む比較可能紙製品の第2の破裂強度よりも大きな第1の破裂強度を有し、約0.1〜約5質量%のマイクロフィブリル化セルロースを含んでもよく、最大約50質量%の無機粒子材料を含んでもよい、紙製品。

Claims (16)

  1. マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善するための方法であって、マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液に、少なくとも部分的に動的剪断要素により生じる高剪断を施して、前記マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善することを含み、前記用語「高剪断」が、少なくとも10,000s-1の剪断速度を意味し、更に、上記方法で調製されたマイクロフィブリル化セルロースを含む製紙組成物から調製された紙製品が、前記高剪断前のマイクロフィブリル化セルロースを等量含む比較可能紙製品の第2の破裂強度よりも大きな第1の破裂強度を有することを特徴とする方法。
  2. 前記水性懸濁液が、無機粒子材料を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. (i)マイクロフィブリル化セルロースを含む水性懸濁液の前記マイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、20〜50の繊維勾配を有し、および/または(ii)マイクロフィブリル化セルロースを含む前記水性懸濁液の前記マイクロフィブリル化セルロースが、高剪断前に、少なくとも50μmの繊維のd50を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. マイクロフィブリル化セルロースを含む前記水性懸濁液が、粉砕媒体の存在下で、水性環境において、セルロースを含む繊維基材をマイクロフィブリル化することを含むプロセスにより得られる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記無機粒子材料が、アルカリ土類金属の炭酸塩もしくは硫酸塩、含水カンダイトクレイ、無水カンダイトクレイ、タルク、雲母、パーライト、珪藻土、水酸化マグネシウム、三水和アルミニウム、またはそれらの組合せである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記アルカリ土類金属の炭酸塩もしくは硫酸塩が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトもしくは石膏であるか、前記含水カンダイトクレイが、カオリン、ハロイサイトもしくはボールクレイであるか、または前記無水カンダイトクレイが、メタカオリンもしくは完全焼成カオリンである、請求項に記載の方法。
  7. (i)前記無機粒子材料が、炭酸カルシウムであるか、または(ii)前記無機粒子材料が、カオリンである、請求項に記載の方法。
  8. 高剪断後、前記マイクロフィブリル化セルロースの繊維のd50が、少なくとも1%低下する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 高剪断後、前記マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が、少なくとも1%上昇する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 高剪断の前および/または該方法中に、混合用タンクでマイクロフィブリル化セルロースを含む前記水性懸濁液を撹拌する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、マイクロフィブリル化セルロースを含む製紙用組成物を調製することを更に含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記動的剪断要素が、高剪断ロータ/ステータ混合装置内に収容されており、該方法が、前記ロータ/ステータ混合装置内で、マイクロフィブリル化セルロースを含む前記水性懸濁液に高剪断を施して、前記マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性を改善することを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記炭酸カルシウムが、2μm未満のe.s.d.を有する、請求項7に記載の方法。
  14. 前記カオリンの少なくとも50%が、2μm未満のe.s.d.を有する、請求項7に記載の方法。
  15. 前記マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が、少なくとも5%上昇する、請求項9に記載の方法。
  16. 前記マイクロフィブリル化セルロースの紙破裂強度強化属性が、少なくとも10%上昇する、請求項9に記載の方法。
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