図1は、本発明の一実施形態に係るプリントシステムPS(情報処理システムの一例)の全体構成を示す図である。プリントシステムPSは、無線通信を介して画像データの送受信を行い、用紙に画像を形成する(プリントする)ためのシステムである。プリントシステムPSは、画像形成装置1及びタブレット端末2を有する。画像形成装置1(情報処理装置の一例)は、複写、プリント、スキャン、及びファクシミリなどの各種サービスを提供する装置である。プリントシステムPSにおいて、画像形成装置1は、タブレット端末2から送信された画像データに基づいてプリントを行う。タブレット端末2は、タッチパネル203に表示された画像(例えば、写真、Webページ、メール、及び文書などの画像)を示す画像データを画像形成装置1に送信する電子機器である。タブレット端末2は、Wi−Fi(Wireless Fidelity:登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントPを介して画像形成装置1と無線接続されている。以下では、無線通信を利用して行われるプリントを「ワイヤレスプリント」と表現する。タブレット端末2には、ワイヤレスプリントを行うためのプログラム(以下「プリントプログラム」という)が予め記憶されている。タブレット端末2は、このプリントプログラムを実行することにより、自装置と同じネットワークに接続されている画像形成装置1を検出し、ワイヤレスプリントを行うための指示を画像形成装置1に対して入力する。
図2は、ワイヤレスプリントを行う際にタッチパネル203に表示される操作画面を例示する図である。ユーザがタッチパネル203を操作してワイヤレスプリントを行うための指示をタブレット端末2に入力すると、タブレット端末2は、自装置と同じネットワークに接続されている画像形成装置1を検出し、当該画像形成装置1の装置名を示す操作画面I1をタッチパネル203に表示する(図2(A))。図2(A)では、タブレット端末2と同じネットワークに2台の画像形成装置1が接続されており、これらの装置名として「PrinterA」及び「PrinterB」がタッチパネル203に表示されている。ユーザは、操作画面I1に表示された装置名の中から、ワイヤレスプリントで利用する一の装置名を選択する。図2(A)では、ユーザは、PrinterAを選択している。装置名が選択されると、タブレット端末2は、ワイヤレスプリントにおける設定を行うための操作画面I2をタッチパネル203に表示する(図2(B))。図2(B)の例で操作画面I2には、印刷部数の変更を行うためのボタンB1及びプリント開始ボタンB2が含まれている。ユーザは、必要に応じてボタンB1を操作して、印刷部数の変更を行う。プリント開始ボタンB2が押下されると、ワイヤレスプリントの対象となる画像を示す画像データがタブレット端末2に送信され、ワイヤレスプリントが開始される。
画像形成装置1は、プリントサービスに関して、例えば、両面印刷機能、複数ページ分の画像を1枚の用紙にまとめて印刷する機能(以下「集約化機能」という)、ステープル機能(画像が形成された複数枚の用紙の束をステープル綴じする機能)、パンチ機能(画像が形成された用紙の決められた位置に穴を形成する機能)などの各種機能(以下総称して「プリンターの機能」という)を備えている場合がある。ユーザがこれらのプリンターの機能を本実施例のプリントサービスにおいて利用するためには、タブレット端末2の操作画面でこれらの機能が指定できる必要がある。一般的には、プリンタドライバと呼ばれるプログラムをタブレット端末2側に備えることによりタブレット端末2の操作画面でこれらの機能が指定され、印刷させるデータが送信されて、プリンターで印刷させることが可能となる。しかし、タブレット端末2にプリンタドライバプログラムを備えておらず、タブレット端末2の操作画面でこれらの機能が指定できない場合には、当該機能についてはワイヤレスプリントにおいて利用することができない。例えば、図2に示した例では、両面印刷機能、集約化機能、ステープル機能、及びパンチ機能を指定するためのボタンは操作画面I1及びI2に含まれておらず、これらの機能については利用することができない。
図3は、プリントシステムPSの機能構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、第1受信手段11と、生成手段12と、第1送信手段13と、第1受付手段14と、第2送信手段15と、第2受付手段16と、提供手段17と、第2受信手段18とを有する。第1受信手段11は、自装置を識別する装置名の送信の要求をタブレット端末2から受信する。生成手段12は、画像形成装置1が提供するサービスの機能別に複数の装置名を生成する。第1送信手段13は、第1受信手段11により装置名の送信の要求が受信されると、生成手段12により生成された装置名をタブレット端末2に送信する。第1受付手段14は、複数の装置名の中から一の装置名の選択を、タブレット端末2を介して受け付ける。第2送信手段15は、第1受付手段14により一の装置名の選択が受け付けられると、当該一の装置名から特定される機能についてのより詳細な機能別、又は、当該一の装置名から特定される機能と他の機能との組み合わせ別に生成された複数の装置名をタブレット端末2に送信する。第2受付手段16は、第2送信手段15により送信された複数の装置名の中から一の装置名の選択を、タブレット端末2を介して受け付ける。提供手段17は、選択された一の装置名から特定される機能でサービスを提供する。提供手段17は、第2受付手段16により一の装置名の選択が受け付けられると、当該一の装置名から特定される機能でサービスを提供する。第2受信手段18は、タブレット端末2において装置名を選択せずに指定される機能を示す情報を当該タブレット端末2から受信する。
タブレット端末2は、第3送信手段21と、第3受信手段22と、表示手段23と、受付手段24と、第4送信手段25と、第5送信手段26とを有する。第3送信手段21は、装置名の送信の要求を画像形成装置1に送信する。第3受信手段22は、複数の画像形成装置1から送信された装置名を複数受信する。表示手段23は、第3受信手段22により受信された複数の装置名をタッチパネル203に表示する。第4送信手段25は、タッチパネル203に表示された複数の装置名の中から選択された一の装置名を示す情報を画像形成装置1に送信する。第5送信手段26は、タブレット端末2において装置名を選択せずに指定される機能を示す情報を画像形成装置1に送信する。
図4は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御部101と、記憶部102と、表示部103と、操作部104と、画像読取部105と、画像形成部106と、通信部107と、画像処理部108と、後処理部109とを備えるコンピュータである。また、画像形成装置1の各部は、バス110に接続されており、このバス110を介して各種データの授受を行う。
制御部101は、画像形成装置1の各部の動作を制御する手段である。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶媒体(主記憶装置)とを備える。CPUは、ROM及び記憶部102に記憶されているプログラムを読み出し、RAMを作業エリアにしてプログラムを実行する。制御部101は、このようにプログラムを実行することにより、用紙に画像を形成すること、原稿から画像を読み取って画像データを生成すること、通信回線を介して他の装置と通信を行うことなどを実現する。
記憶部102は、データを記憶する手段である。記憶部102は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶媒体(補助記憶装置)を備え、通信部107で受信したデータや画像形成装置1で生成されたデータなどを記憶する。また、記憶部102は、いわゆるメモリーカードやUSBメモリなどの着脱可能な記憶媒体(リムーバブルメディア)と、その記憶媒体にデータを読み書きする手段とを含んでもよい。
表示部103は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置と、ディスプレイに重ねて設けられたタッチパネル(タッチスクリーン)とを備える。表示部103には、制御部101の制御の下、画像形成装置1を操作するためのメニュー画面が表示される。
操作部104は、画像形成装置1にデータ又は指示を入力するための操作子(ボタン、キーなど)を備え、押下された操作子に応じた制御信号を制御部101に供給する。画像形成装置1に対する各種指示の入力は、ユーザが表示部103のタッチパネル又は操作部104を操作することにより行われる。
画像読取部105は、原稿を読み取って画像データに変換する手段である。画像読取部105は、原稿を光学的に読み取り、読み取った原稿の画像を表す画像データを生成する画像読取装置を備えている。画像読取部105は、生成した画像データを画像処理部108に供給する。
画像形成部106は、用紙に画像を形成する手段である。画像形成部106は、電子写真方式によって用紙にY(Yellow)、M(Magenta)、C(Cyan)、K(Black)の各色成分のトナー像を形成する画像形成機構を具備している。なお、画像形成機構は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の記録方式が用いられてもよい。
通信部107は、データを送受信する手段である。通信部107は、アクセスポイントPに無線接続されており、タブレット端末2と無線通信を行う通信インタフェースとして機能する。
画像処理部108は、画像データに対して画像処理を実行する手段である。ここでいう画像処理とは、例えば、色補正や階調補正である。画像形成装置1がプリントを行う場合、画像処理部108は、画像処理が施された画像データを画像形成部106に供給する。
後処理部109は、画像が形成された用紙に対して、ソーティング、ステープル処理、パンチ処理などの特定の処理を行う。
図4において、画像形成装置1の各部の動作を制御する制御プログラムを実行している制御部101は、生成手段12の一例である。制御プログラムを実行している制御部101により制御された通信部107は、第1受信手段11、第1送信手段13、第1受付手段14、第2送信手段15、第2受付手段16、及び第2受信手段18の一例である。制御プログラムを実行している制御部101により制御された画像形成部106及び後処理部109は、提供手段17の一例である。
図5は、タブレット端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。タブレット端末2は、制御部201と、記憶部202と、タッチパネル203と、通信部204とを備える。また、タブレット端末2の各部は、バス205を接続されており、このバス205を介して各種データの授受を行う。
制御部201は、タブレット端末2の各部の動作を制御する手段である。制御部201は、CPUなどの演算処理装置と、ROM、RAMなどの記録媒体(主記憶装置)とを備える。記憶部202は、プリントプログラムなどの各種のプログラム及びデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。なお、プリントプログラムはROMに記憶されていてもよい。
タッチパネル203は、液晶ディスプレイなどの表示面上に座標を感知するパネルが重ねて設けられた入力装置である。タッチパネル203には、例えば、光学式、抵抗膜方式、静電容量式、又は超音波式のタッチパネルが用いられる。通信部204は、データを送受信する手段である。通信部204は、アクセスポイントPに無線接続されており、画像形成装置1と無線通信を行う通信インタフェースとして機能する。
図5において、プリントプログラムを実行している制御部201により制御された通信部204は、第3送信手段21、第3受信手段22、第4送信手段25、及び第5送信手段26の一例である。プリントプログラムを実行している制御部201により制御されたタッチパネル203は、表示手段23及び受付手段24の一例である。
図6は、プリントシステムPSの動作を示すシーケンスチャートである。図6では、1台の画像形成装置1と1台のタブレット端末2がアクセスポイントPに無線接続されている場合における動作を示す。図6に示す処理は、ユーザがタッチパネル203を操作してワイヤレスプリントを行うための指示をタブレット端末2に入力したことを契機に開始される。ステップS1において、タブレット端末2の制御部201は、装置名の送信を画像形成装置1に要求する。具体的には、制御部201は、アクセスポイントPに無線接続されている画像形成装置1の装置名の検索要求をマルチキャストで送信する。
ステップS2において、画像形成装置1の制御部101は、自装置の装置名を生成する。具体的には、制御部101は、自装置が備えるプリンターの機能別に複数の装置名を生成する。例えば、画像形成装置1が、プリンターの機能として、両面印刷機能、集約化機能、ステープル機能、パンチ機能を備えている場合、制御部101は、これらの機能の各々に対応させて複数の装置名を生成する。制御部101は、装置名とプリンターの機能名とを対応付けた対応テーブルを生成し、RAMに記憶する。
図7は、ステップS2で生成された対応テーブルT1の一例を示す図である。図7では、「PrinterA」についての装置名として、「PrinterA(D」、「PrinterA(2up」、「PrinterA(S」、「PrinterA(P」、及び「PrinterA(n」が記憶されている。この例で、「PrinterA(D」は、両面印刷機能に対応する装置名である。「PrinterA(2up」は、集約化機能(ここでは、2ページ分の画像を1枚の用紙にまとめて印刷する機能)に対応する装置名である。「PrinterA(S」は、ステープル機能に対応する装置名である。「PrinterA(P」は、パンチ機能に対応する装置名である。「PrinterA(n」は、プリンターの機能のいずれにも対応しない装置名である。「PrinterA(n」は、プリンターの機能を指定せずにワイヤレスプリントを行うための装置名である。
再び、図6を参照する。ステップS3において、制御部101は、複数の装置名をタブレット端末2に送信する。具体的には、制御部101は、RAMの対応テーブルから複数の装置名を読み出して、それぞれ別の画像形成装置1の装置名として当該複数の装置名をタブレット端末2に送信する。タブレット端末2の制御部201は、複数の装置名を受信すると、当該装置名をRAMに記憶する。ステップS4において、制御部201は、複数の装置名をリスト形式でタッチパネル203に表示する。具体的には、制御部201は、RAMから複数の装置名を読み出して、タッチパネル203の操作画面に表示する。ステップS5において、制御部201は、装置名の選択を受け付ける。装置名の選択は、操作画面に含まれた複数の装置名の中の一の装置名に、ユーザがタッチすることにより行われる。制御部201は、選択された装置名(以下「選択装置名」という)をRAMに記憶する。
図8は、本実施形態においてタッチパネル203に表示される操作画面I1及びI2を例示する図である。図8(A)から図8(D)は、操作画面がユーザの操作に応じて切り替わる様子を時系列に示している。図8(A)は、上述したステップS4において装置名のリストが表示された後の操作画面I1を例示する図である。図8(A)において、操作画面I1の領域D1には、「PrinterA」についての装置名として「PrinterA(n」、「PrinterA(D」、「PrinterA(2up」、「PrinterA(S」、及び「PrinterA(P」が表示されている。ユーザは、装置名を選択することにより、プリンターの機能を指定する。例えば、集約化機能を利用してワイヤレスプリントを行う場合、ユーザは、「PrinterA(2up」を選択する。別の例で、プリンターの機能を利用することなくワイヤレスプリントを行う場合、ユーザは、「PrinterA(n」を選択する。
再び図6を参照する。ステップS6において、制御部201は、選択装置名、及びタブレット端末2についての情報(以下「端末情報」という)を画像形成装置1に送信する。端末情報は、画像形成装置1がワイヤレスプリントを行う際に用いる情報であって、例えば、タブレット端末2を利用するユーザのユーザ名、タブレット端末2を識別する端末名、及びIP(Internet Protocol)アドレスなどが含まれている。画像形成装置1の制御部101は、選択装置名及び端末情報を受信すると、これらの情報をRAMに記憶する。
ステップS7において、制御部101は、自装置の装置名を再び生成する。具体的には、制御部101は、RAMに記憶された対応テーブルを参照し、選択装置名に対応するプリンターの機能を特定する。制御部101は、特定した機能と他の機能との組み合わせ別に装置名を生成する。なお、制御部101は、プリントサービスにおいて、組み合わせて実行することが可能な機能の組み合わせについて装置名を生成する。例えば、両面印刷機能と集約化機能が組み合わせて実行可能であって、これらの機能のいずれかの機能が選択装置名から特定された場合、制御部101は、これらの機能の組み合わせについて装置名を生成する。別の例で、ステープル機能とパンチ機能が組み合わせて実行不可能である場合、制御部101は、これらの機能の組み合わせについて装置名を生成しない。制御部101は、装置名とプリンターの機能名とを対応付けた対応テーブルを再び生成し、RAMに上書きする。
図9は、ステップS7で生成された対応テーブルT2の一例を示す図である。図9は、ステップS5における選択装置名が「PrinterA(2up」である場合の対応テーブルを示す。図9では、「PrinterA」についての装置名として、「PrinterA(2up+D」、「PrinterA(2up+P」、「PrinterA(2up+S」、及び「PrinterA(2up<」が含まれている。「PrinterA(2up+D」は、集約化機能と両面印刷の組み合わせに対応する装置名である。「PrinterA(2up+P」は、集約化機能とパンチ機能の組み合わせに対応する装置名である。「PrinterA(2up+S」は、集約化機能とステープル機能の組み合わせに対応する装置名である。「PrinterA(2up<」は、プリンターの機能のいずれにも対応しない装置名である。「PrinterA(2up<」は、プリンターの機能を指定せずにワイヤレスプリントを行う(この例では、集約化機能の指定をキャンセルする(取り消す))ための装置名である。
再び図6を参照する。ステップS8において、制御部101は、装置名を再びタブレット端末2に送信する。具体的には、制御部101は、RAMから端末情報を読み出して、装置名のリストの送信先となるタブレット端末2を特定する。制御部101は、RAMの対応テーブルから装置名を読み出して、特定されたタブレット端末2に当該装置名を送信する。タブレット端末2の制御部201は、装置名を受信すると、当該装置名をRAMに上書きする。ステップS9及びステップS10において、制御部201は、ステップS4及びステップS5と同様の処理を行う。
再び図8を参照する。図8(B)は、ステップS9において装置名のリストが再表示された後の操作画面I1を例示する図である。図8(B)において、操作画面I1の領域D2には、現時点での選択装置名として「PrinterA(2up」が表示されている。操作画面I1の領域D1には、「PrinterA」についての装置名として「PrinterA(2up+D」、「PrinterA(2up+P」、「PrinterA(2up+S」、及び「PrinterA(2up<」が表示されている。ユーザは、装置名を選択することにより、プリンターの機能の組み合わせを指定する。例えば、集約化機能とパンチ機能の組み合わせを利用してワイヤレスプリントを行う場合、ユーザは、「PrinterA(2up+P」を選択する。プリンターの機能を利用することなくワイヤレスプリントを行う(集約化機能の指定をキャンセルする)場合、ユーザは、「PrinterA(2up<」を選択する。
再び図6を参照する。ステップS11において、制御部201は、選択装置名を画像形成装置1に送信する。画像形成装置1の制御部101は、選択装置名を受信すると、当該選択装置名をRAMに上書きする。ステップS7からステップS11の処理は、機能の指定が確定するまで繰り返し行われる。機能の指定は、ステップS12において、制御部201が、ワイヤレスプリントを開始するための指示(以下「プリント開始指示」という)の入力を受け付けたことを契機に確定する。プリント開始指示は、ユーザがプリント開始ボタンB2を押下することにより入力される。
再び図8を参照する。図8(C)は、ステップS7からステップS11の処理が繰り返されて装置名のリストが再表示された後の操作画面I1を例示する図である。図8(C)において、操作画面I1の領域D2には、現時点での選択装置名として「PrinterA(2up+P」が表示されている。また、操作画面I1の領域D1には、「PrinterA」についての装置名として「PrinterA(2up+P+D」、「PrinterA(2up<+P」、及び「PrinterA(2up+P<」が表示されている。「PrinterA(2up+P+D」は、集約化機能、パンチ機能、及び両面印刷機能の組み合わせに対応する装置名である。「PrinterA(2up<+P」は、集約化機能とパンチ機能の組み合わせから集約化機能の指定をキャンセルした装置名(すなわちパンチ機能に対応する装置名)である。「PrinterA(2up+P<」は、集約化機能とパンチ機能の組み合わせからパンチ機能の指定をキャンセルした装置名(すなわち集約化機能に対応する装置名)である。ユーザは、指定した機能に対応する装置名が領域D2に表示されると、領域D2にタッチする。領域D2がタッチされると、操作画面I1は操作画面I2に遷移する。図8(D)は、図8(C)に示す操作画面I1において領域D2がタッチされた後に表示される操作画面I2を例示する図である。操作画面I2が表示されると、ユーザは、必要に応じてボタンB1を操作して、印刷部数の変更を行う。ユーザは、プリント開始ボタンB2を押下することにより、プリント開始指示を入力する。
再び図6を参照する。ステップS13において、制御部201は、ワイヤレスプリントの対象となる画像を示す画像データ、及び、操作画面で設定された情報(以下「設定情報」という)を画像形成装置1に送信する。上述した例では、印刷部数が設定情報として送信される。画像形成装置1の制御部101は、画像データ及び設定情報を受信すると、これらの情報をRAMに記憶する。ステップS14において、制御部101は、選択装置名及び設定情報の内容に従って、ワイヤレスプリントを実行する。具体的には、制御部101は、RAMから選択装置名及び対応データを読み出し、選択装置名に対応する機能を特定する。例えば、選択装置名が「PrinterA(2up+P」である場合、制御部101は、プリンターの機能として集約化機能及びパンチ機能を特定する。制御部101は、特定されたプリンターの機能で、設定情報が示す印刷部数のワイヤレスプリントを実行する。
以上の処理により、タブレット端末2におけるプリントプログラムでは本来対応していないプリンターの機能を画像形成装置1が備えている場合に、装置名を選択する操作を行うことで当該機能が指定される。そのため、タブレット端末2の実装を変更することなく、画像形成装置1が備えるプリンターの機能がワイヤレスプリントにおいて利用される。また、複数の機能の組み合わせ別に生成された装置名がタッチパネル203に表示されるため、装置名を選択する操作を行うことで複数の機能が指定される。さらに、機能の指定をキャンセルするための装置名がタッチパネル203に表示されるため、装置名を選択する操作を行うことで機能の指定がキャンセルされる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する変形例のうち、2つ以上のものが組み合わされて用いられてもよい。
プリント開始指示が入力されるタイミングは、実施形態に記載したタイミングに限らない。例えば、ステップS9において装置名のリストが再表示されると、ユーザは、装置名を再び選択することなく、プリント開始指示を入力してもよい。具体例として、図8(B)の操作画面I1が表示されている状態で集約化機能を指定してワイヤレスプリントを行う場合、ユーザは領域D2にタッチして操作画面I2を表示させ、プリント開始指示を入力してもよい。
プリントシステムPSの動作は、図6に示した動作に限らない。例えば、ステップS7からステップS11に示した処理は省略されてもよい。この場合、ステップS5において装置名が選択されると、タブレット端末2は、操作画面I2をタッチパネル203に表示してもよい。別の例で、ステップS7において、制御部101は、選択装置名から特定される機能についてのより詳細な機能別に装置名を生成してもよい。この場合、選択装置名から特定される機能についてのより詳細な機能に対応する装置名がタッチパネル203に表示される。ユーザは、装置名を選択する操作を行うことで、先に指定した機能についてのより詳細な機能を絞り込む。
図10は、操作画面I1を例示する別の図である。図10は、選択装置名から特定される機能についてのより詳細な機能に対応する装置名がタッチパネル203に表示される例を示す。図10(A)に示す操作画面I1の領域D2には、現時点での選択装置名として「PrinterA(P」が表示されている。操作画面I1の領域D1には、「PrinterA」についての装置名として「PrinterA(P2」、「PrinterA(P3」、「PrinterA(P4」、及び「PrinterA(P<」が表示されている。「PrinterA(P2」は、2穴を形成するパンチ機能に対応する装置名である。「PrinterA(P3」は、3穴を形成するパンチ機能に対応する装置名である。「PrinterA(P4」は、4穴を形成するパンチ機能に対応する装置名である。例えば、3穴を形成するパンチ機能を指定してワイヤレスプリントを行う場合、ユーザは、「PrinterA(P3」を選択する。
図10(B)に示す操作画面I1の領域D2には、現時点での選択装置名として「PrinterA(N-up」が表示されている。この例で、「PrinterA(N-up」は、集約化機能に対応する装置名である。操作画面I1の領域D1には、「PrinterA」についての装置名として「PrinterA(2up」、「PrinterA(4up」、「PrinterA(8up」、及び「PrinterA(N-up<」が表示されている。「PrinterA(4up」は、4ページ分の画像を1枚の用紙にまとめて印刷する集約化機能に対応する装置名である。「PrinterA(8up」は、8ページ分の画像を1枚の用紙にまとめて印刷する集約化機能に対応する装置名である。例えば、4ページ分の画像を1枚の用紙にまとめて印刷する集約化機能を指定してワイヤレスプリントを行う場合、ユーザは、「PrinterA(4up」を選択する。
ステップS8において、画像形成装置1は、装置名のリストをタブレット端末2にマルチキャストで送信してもよい。この場合、アクセスポイントPに複数台のタブレット端末2が無線接続されているときには、複数台のタブレット端末2の各々に装置名が送信される。なお、複数のタブレット端末2において図6に示す動作が並行して行われた場合、一のタブレット端末2において行われた装置名の選択が、他のタブレット端末2のタッチパネル203に表示される操作画面I1の領域D1に反映される可能性がある。そのため、自らが装置名を選択したことを契機に生成された装置名と他のユーザが装置名を選択したことを契機に生成された装置名とを各ユーザに区別させるためには、画像形成装置1は、ステップS7において、タブレット端末2を識別する情報(例えば、タブレット端末2を利用するユーザのユーザ名、タブレット端末2を識別するタブレット名、及びIPアドレスなど)を含む装置名を生成することが望ましい。
タッチパネル203に表示される操作画面は、実施形態に記載した操作画面に限らない。例えば、タッチパネル203に表示される操作画面には、プリンターの機能を指定するための領域が含まれていてもよい。この場合、タブレット端末2は、ステップS13において、当該領域における設定の内容を示す設定情報を画像形成装置1に送信する。
図11は、操作画面I2を例示するさらに別の図である。図11の例で操作画面I2には、実施形態に記載した操作画面I2の内容に加えて、両面印刷の有無を切り替えるための領域D3が含まれている。この場合、タブレット端末2は、ステップS13において、両面印刷の有無を示す設定情報を画像形成装置1に送信する。
プリンターの機能を指定するための領域がタブレット端末2の操作画面に含まれる場合、画像形成装置1は、当該領域で指定される機能に対応する装置名(すなわち、装置名を選択せずに指定される機能に対応する装置名)をタブレット端末2に送信しなくてもよい。画像形成装置1は、例えば、過去に行われたワイヤレスプリントについてのプリント履歴をタブレット端末2ごとに記憶している。プリント履歴には、装置名を選択せずに指定される機能の機能名(以下「指定可能機能名」という)が含まれている。なお、この指定可能機能名は、タブレット端末2から送信される設定情報から特定される。例えば、図11に示した操作画面I2を介してワイヤレスプリントが行われた場合、画像形成装置1は、指定可能機能名として両面印刷機能を記憶する。画像形成装置1は、装置名を生成する際に、ワイヤレスプリントを利用するタブレット端末2についてのプリント履歴を参照して、当該プリント履歴が示す指定可能機能名に対応する装置名を生成しないようにする。
図12は、画像形成装置1が管理するプリント履歴H1を例示する図である。この例で、プリント履歴H1は、「クライアント名」、「選択装置名」、及び「指定可能機能名」の各フィールドを含むレコードの集合体である。図12において、「端末名」は、ワイヤレスプリントを利用したタブレット端末2の端末名を示す。「選択装置名」は、前回ワイヤレスプリントが行われた際の選択装置名を示す。「指定可能機能名」は、各端末装置における指定可能機能名を示す。図12の例で、プリント履歴H1は、「TABLET-A」を利用するユーザが前回のワイヤレスプリントにおいて集約化機能を指定したこと、及び、「TABLET-A」の操作画面にはプリンターの機能を指定するための領域が含まれていないことを示している。プリント履歴H1は、また、「TABLET-B」を利用するユーザが前回のワイヤレスプリントにおいてプリンターの機能を指定していないこと、及び、「TABLET-B」の操作画面には両面印刷機能を指定するための領域が含まれていることを示している。
図13は、あるタブレット端末2において図11に示した操作画面I2を介してワイヤレスプリントが行われた後に、再び同じタブレット端末2を操作してワイヤレスプリントを行う際に表示される操作画面I1を例示する図である。この例で、操作画面I1には、両面印刷機能に対応する装置名は表示されない。
装置名について、プリンターの機能の表記は実施形態に記載したものに限らない。例えば、ある機能の指定をキャンセルする目印として用いられる記号は、「<」でなくてもよい。
画像形成装置1とタブレット端末2の無線通信を介して利用される画像形成装置1のサービスは、プリントサービスに限らない。プリントサービス以外のサービスが、画像形成装置1とタブレット端末2の無線通信を介して利用されてもよい。この場合にも、図6と同様の動作が行われ、利用されるサービスの機能別に生成された装置名がタブレット端末2の操作画面に表示され、当該装置名の中から一の装置名が選択されることにより、サービスの機能が指定されてもよい。
プリントシステムPSにおいて用いられる各装置のハードウェア構成は、図4及び図5に示した構成に限らない。各装置は、図6に示した各ステップの処理を実行できれば、どのようなハードウェア構成であってもよい。例えば、画像形成装置1が後処理部109を有する替わりに、ステープル処理及びパンチ処理などを行う後処理装置が画像形成装置1に接続されていてもよい。
アクセスポイントPに接続される画像形成装置1及びタブレット端末2は1台に限らない。アクセスポイントPには、複数台の画像形成装置1及びタブレット端末2が接続されてもよい。
画像形成装置1は、無線LANのアクセスポイントの機能を内蔵していてもよい。この場合、タブレット端末2は、アクセスポイントPを介さずに、画像形成装置1と直接無線接続されてもよい。また、画像形成装置1が提供するサービス及び各サービスについて画像形成装置1が備える機能は、実施形態に記載したものに限らない。
情報処理装置は、画像形成装置1に限らない。情報処理装置は、端末装置との無線通信を介してサービスを提供する装置であればいかなる装置であってもよい。また、端末装置は、タブレット端末2に限らない。端末装置は、情報処理装置との無線通信を介してサービスを利用する装置であれば、例えばスマートフォン、携帯電話機、又はパーソナルコンピュータなどいかなる装置であってもよい。
実施形態において、画像形成装置1によって実行される制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワーク経由でダウンロードされてもよい。