JP6509661B2 - 風力発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は風力発電装置に関する。
特許文献1には、従来の風力発電装置として、ナセルの長手方向一端側に取り付けた尾翼によって、ナセルの長手方向他端側に取り付けたプロペラが風の主流方向(風向)に対して正面を向くようにしたものが開示されている。
特開2013−2363号公報
しかしながら、都市部のように建築物が密集しており、また、建築物が複雑に配置された環境では、風の主流成分が弱くなる一方で、乱流成分が非常に強くなる傾向になる。そのため、前述した従来の風力発電装置を都市部に設置した場合には、プロペラが停止したまま、ナセルが一方向に旋回し続けたり、両方向に交互に旋回を繰り返したりするケースが多くなり、風力発電装置において発電が行われる頻度(以下「発電頻度」という。)が低下するという問題点がある。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、風力発電装置の発電頻度の低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、支柱と、支柱に対して旋回自在に取り付けられたナセルと、ナセルの内部に配置され、発電機としての機能を有する回転電機と、ナセルに取り付けられ、風を受けて回転して回転電機の回転軸を回転させて回転電機を発電させるためのプロペラと、ナセルに取り付けられ、風の主流方向に対してプロペラが正面を向くようにナセルを旋回させるための尾翼と、電力を充電するためのバッテリと、を備える風力発電装置が、ナセルの内部に配置された補助交流発電機と、ナセルが旋回したときに補助交流発電機の入力回転軸を回転させて補助交流発電機を発電させるための駆動機構と、回転電機の発電電力に加えて補助交流発電機の発電電力を少なくともバッテリに充電できるように配線された配電部と、をさらに備える。
本発明のこの態様による風力発電装置によれば、発電頻度の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態による風力発電装置の概略構成図である。 図2は、本発明の第1実施形態による風力発電装置の配電部の構成について説明する図である。 図3は、プロペラが停止した状態でナセルが旋回させられたときに配電部を流れる電流の流れを示した図である。 図4は、プロペラが停止した状態でナセルが旋回させられたときに配電部を流れる電流の流れを示した図である。 図5は、プロペラが回転しているときに配電部を流れる電流の流れを示した図である。 図6は、プロペラが回転しているときに配電部を流れる電流の流れを示した図である。 図7は、本発明の第2実施形態による風力発電装置の概略構成図である。 図8は、本発明の第2実施形態による風力発電装置の配電部の概略構成図である。 図9は、本発明の第3実施形態による風力発電装置の概略構成図である。 図10は、本発明の第4実施形態による風力発電装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による風力発電装置100の概略構成図である。
本実施形態による風力発電装置100は、都市部においても設置可能な比較的小型の風力発電装置であって、支柱1と、ナセル2と、プロペラ3と、回転電機4と、尾翼5と、バッテリ6(図2参照)と、を備える。
支柱1は、風力発電装置100の設置面に配置される設置台11と、設置台11から垂直に伸びる中空のシャフト12と、を備える。支柱1の高さは、例えば数メートルから十数メートル程度である。
ナセル2は、その内部に回転電機4などの機器類を格納する筐体である。ナセル2は、シャフト12の先端に取り付けられ、シャフト12によって設置面から適切な高さに支持される。ナセル2の底部には、ナセル2をシャフト12に取り付けるためのナセル支持軸21が取り付けられる。ナセル支持軸21は、ナセル2の底部から設置面に向かってシャフト12の軸方向と平行に伸びており、シャフト12の内部に固定された2つの転がり軸受13a,13bによって、シャフト12に対して回転自在に支持される。このようにナセル2は、シャフト12の軸心周りに360度回転することができるように、シャフト12の先端に取り付けられている。換言すれば、ナセル2は支柱1に対して旋回自在に取り付けられている。
プロペラ3は、ナセル2の長手方向一端側(図中左側)に配置される。プロペラ3は、風を受けたときに予め定められた方向(時計周り又は反時計周りのいずれか一方向)に回転する2枚のブレード31と、各ブレード31の基端部が連結されると共にナセル2に対して回転自在に取り付けられて各ブレード31と共に回転するハブ32と、を備える。なおブレード31の枚数は、2枚に限られるものではなく、少なくとも1枚以上あれば良い。
ハブ32には、ハブ32と一体となって回転するハブ回転軸33が設けられる。ハブ回転軸33は、ハブ32からナセル2の内部まで延びており、ナセル2の内部で回転電機4の回転軸41に直結されている。
回転電機4は、ナセル2の内部に配置される。回転電機4は、電気配線を接続するための正側端子4a(図2参照)及び負側端子4b(図2参照)を備える。本実施形態による回転電機4は、回転軸41に固定されて回転軸41と一体となって回転するロータにコイルを巻き付け、ロータの周りに回転磁界を発生させる永久磁石からなるステータを配置させた直流電動発電機である。すなわち本実施形態による回転電機4は、正側端子4a及び負側端子4bの両端子間に外部から直流電圧を印加することで回転軸41を回転させる(又は回転軸41にトルクを入力する)電動機としての機能と、回転軸41をプロペラ3によって回転させることで正側端子4a及び負側端子4bの両端子間に直流電圧(起電力)を生じさせる発電機としての機能と、を有する。本実施形態において回転電機4を直流電動発電機とした理由については後述する。
尾翼5は、ナセル2の長手方向他端側(図中右側)に取り付けられる。尾翼5は、風力発電装置100の周囲を流れる風を受けて、その風の主流方向に対してプロペラ3の回転面が正面を向くように、ナセル2を旋回させる。なお本実施形態では、尾翼5とナセル2とを別体とし、尾翼5をナセル2に取り付けるようにしたが、尾翼5とナセル2とを一体としても良い。
バッテリ6(図2参照)は、例えばニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池などの充放電可能な二次電池である。バッテリ6には、風力発電装置100によって発電された電力が充電される。バッテリ6に充電された電力は、必要に応じて外部の電気部品(外部負荷)などに供給できるようになっている。バッテリ6は、電気配線を接続するための正側端子6a(図2参照)及び負側端子6b(図2参照)を備える。本実施形態では、バッテリ6として、無負荷時における、正側端子6a及び負側端子6bの両端子間の電圧(以下「バッテリ電圧」という。)が約12[V]のものを用いているが、バッテリ電圧は12[V]のものに限らず任意の電圧のものを用いることができる。
ここで、プロペラ3を停止状態から起動させて回転させるためには、プロペラ3が正面から受ける風の主流成分の風速が、所定の起動風速以上になることが必要である。この起動風速は、風力発電装置自身の機械的抵抗力と、回転電機4のロータとステータとの間で発生する磁気的抵抗力(いわゆるコギングトルク)と、に応じて決まる。すなわち、機械的抵抗力と磁気的抵抗力との総和が、停止した状態のプロペラ3を回転させるために必要な初期トルクとなり、初期トルクが大きくなるほど起動風速も高くなる。
そして、都市部のように建築物が密集しており、また、建築物が複雑に配置された環境では、風の主流成分が弱くなる一方で、乱流成分が非常に強くなる傾向になる。そのため、特許文献1に記載の従来例による風力発電装置を都市部に設置した場合には、風の主流成分の風速が起動風速以上とならずにプロペラ3が停止したまま、尾翼5が風の乱流成分の影響を強く受けてナセル2が一方向に旋回し続けたり、両方向に交互に旋回を繰り返したりするケースが多くなる。その結果、従来例による風力発電装置の場合、発電頻度が低下するという問題がある。
そこで本実施形態では、ナセル2が旋回したときの運動エネルギを電気エネルギに変換できるようにし、この電気エネルギを利用することで、風力発電装置100の発電頻度の低下を抑制する。そのために本実施形態による風力発電装置100は、補助交流発電機7と、ナセル2が旋回したときに補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させることができるように構成された駆動機構8と、補助交流発電機7で発電した電力を回転電機4及びバッテリ6に供給することができるように配線された配電部9と、をさらに備える。
補助交流発電機7は、入力回転軸71に固定されて入力回転軸71と一体となって回転するロータの内部に複数の永久磁石を埋設し、コイルを巻き付けたステータをロータの周りに配置させた単相同期交流発電機である。補助交流発電機7は、その入力回転軸71がシャフト12の軸方向と平行となるようにナセル2の内部に配置される。入力回転軸71は、その一端部側がナセル2の底部からナセル2の外部に突出している。そして、その入力回転軸71の一端部には、駆動機構8の一部である第2歯車82が取り付けられる。補助交流発電機7は、ナセル2が旋回して入力回転軸71が駆動機構8によって回転させられると、入力回転軸71の回転速度に応じた交流電圧(起電力)を、第1出力端子7a(図2参照)及び第2出力端子7b(図2参照)の両端子間に生じさせる。
駆動機構8は、支柱1の外周に固定された第1歯車81と、補助交流発電機7の入力回転軸71に設けられて第1歯車81と噛み合う第2歯車82と、を備える。第1歯車81及び第2歯車82は、それぞれ外歯歯車である。第1歯車81の歯数は、第2歯車82の歯数よりも多い。
第1歯車81は、支柱1の外周に固定されて回転できないようになっているので、尾翼5が風を受けてナセル2が旋回させられると、第2歯車82が自転しながら第1歯車81の周りをナセル2の旋回方向に公転することになる。これにより、ナセル2が旋回したときに補助交流発電機7の入力回転軸71が回転し、補助交流発電機7の第1出力端子7a及び第2出力端子7bの両端子間に交流電圧が印加される。なお本実施形態では、駆動機構8をナセル2の外部に設けているが、ナセル2の内部に設けるようにしても良い。
配電部9については、図2も参照して説明する。図2は、本実施形態による配電部9の概略構成図である。
図2に示すように、配電部9は、整流器90と、第1交流配線91aと、第2交流配線91bと、正側直流配線92aと、負側直流配線92bと、正側直流分岐配線93aと、負側直流分岐配線93bと、正側電力取出配線94aと、負側電力取出配線94bと、を備える。
整流器90は、交流を整流して直流にする電子部品である。本実施形態による整流器90は、4つのダイオードによってブリッジ回路を構成することで単相交流を全波整流するブリッジダイオードであり、第1交流入力端子901aと、第2交流入力端子901bと、正側直流端子902aと、負側直流端子902bと、を備える。第1交流入力端子901a及び第2交流入力端子901bの両端子間に交流電圧が印加されると、正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に、印加された交流電圧に応じた直流電圧が生じる。
第1交流配線91aは、補助交流発電機7の第1出力端子7aと、整流器90の第1交流入力端子901aとを電気的に接続する。第2交流配線91bは、補助交流発電機7の第2出力端子7bと、整流器90の第2交流入力端子901bとを電気的に接続する。
正側直流配線92aは、整流器90の正側直流端子902aと、回転電機4の正側端子4aとを電気的に接続する。負側直流配線92bは、整流器90の負側直流端子902bと、回転電機4の負側端子4bとを電気的に接続する。このように正側直流配線92a及び負側直流配線92bは、回転電機4が電動機として機能したときに、回転電機4の回転軸41の回転方向と、プロペラ3の回転方向とが一致するように、整流器90の各直流端子902a,902bと回転電機4の各端子4a,4bとを電気的に接続する。
正側直流分岐配線93aは、正側直流配線92aから分岐してナセル支持軸21の内部に軸方向に形成された空間内を通り(図1参照)、ナセル支持軸21に取り付けられたスリップリング22を介してバッテリ6の正側端子6aに電気的に接続される。正側直流分岐配線93aには、バッテリ6からの電流が回転電機4に流れないように、逆流防止ダイオード931が設けられる。負側直流分岐配線93bは、負側直流配線92bから分岐してナセル支持軸21の内部に軸方向に形成された空間内を通り、ナセル支持軸21に取り付けられたスリップリング22を介してバッテリ6の負側端子6bに電気的に接続される。
正側電力取出配線94aは、逆流防止ダイオード931とバッテリ6との間の正側直流分岐配線93aからさらに分岐する配線である。負側電力取出配線94bは、スリップリング22とバッテリ6との間の負側直流分岐配線93bからさらに分岐する配線である。バッテリ6に充電された電力は、この正側電力取出配線94a及び負側電力取出配線94bを介して必要に応じて取り出され、外部の電気部品(外部負荷)などに供給される。
次に、図3から図6を参照して本実施形態による風力発電装置100の動作について説明する。
まず図3及び図4を参照して、プロペラ3が停止した状態でナセル2が旋回させられたときの風力発電装置100の動作について説明する。図3及び図4は、それぞれプロペラ3が停止した状態でナセル2が旋回させられたときに配電部9を流れる電流の流れを示した図である。
プロペラ3が停止しているときに尾翼5が風の乱流成分を受けてナセル2が旋回させられると、駆動機構8によって補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられる。これにより、補助交流発電機7で発電が行われ、整流器90の第1交流入力端子901a及び第2交流入力端子901bの両端子間に交流電圧が印加される。その結果、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に直流電圧が生じる。整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧は、補助交流発電機7の入力回転軸71の回転速度が高くなるほど高くなる。
プロペラ3が停止しているときに補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に直流電圧が生じると、この直流電圧が回転電機4の正側端子4a及び負側端子4bの両端子間に印加され、回転電機4が電動機として機能する。すなわち回転電機4の回転軸41に対して、回転電機4の両端子間に印加された直流電圧の大きさに応じたトルク(以下「アシストトルク」という。)を入力することができる。そのため、このアシストトルクの分だけ、停止した状態のプロペラ3を回転させるために必要な初期トルクが小さくなるので、補助交流発電機7による発電が実施されていない場合と比べて起動風速を下げることができる。
このとき、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧がバッテリ電圧以下のときは、図3に矢印で示すように正側直流分岐配線93aには電流が流れず、補助交流発電機7の発電電力はバッテリ6に充電されない。一方で、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなると、図4に矢印で示すように正側直流分岐配線93aにも電流が流れ始めるようになり、補助交流発電機7の発電電力の一部がバッテリ6に充電されるようになる。
このように、プロペラ3が停止しているときに補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられた場合は、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧がバッテリ電圧以下であれば(図3)、補助交流発電機7の発電電力によって回転電機4が電動機として機能し、回転電機4の回転軸41にアシストトルクを入力することができる。そして、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧がバッテリ電圧よりも高ければ(図4)、補助交流発電機7の発電電力の一部をバッテリ6に充電しつつ、残りの発電電力によって回転電機4を電動機として機能させて、回転電機4の回転軸41にアシストトルクを入力することができる。
したがって本実施形態による風力発電装置100によれば、例えば風の主流成分が弱く、一方で乱流成分が強くて通常であればプロペラ3が停止したままナセル2が旋回し続けるようなシーンにおいて、起動風速を低減することができるので、プロペラ3を停止状態から起動させ、プロペラ3を回転状態にできる頻度を増加させることができる。結果として、風力によって回転電機4の回転軸41を回転させて、回転電機4によって発電を行うことができる頻度を増加させることができる。よって、風力発電装置100による発電頻度を増加させ、ひいては風力発電装置100による発電量を増加させることができる。
また、仮にプロペラ3を回転させることができなかったとしても、ナセル2が旋回することによって補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられ、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じた直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなったときには、補助交流発電機7の発電電力の一部をバッテリ6に充電することができる。すなわち、プロペラ3を回転させて回転電機4によって発電を行うことができなくても、補助交流発電機7によって発電が行うことができる場合がある。よって、風力発電装置100による発電頻度を増加させ、ひいては風力発電装置100による発電量を増加させることができる。
次に図5及び図6を参照して、プロペラ3が回転しているときの風力発電装置100の動作について説明する。図5及び図6は、それぞれプロペラ3が回転しているときに配電部9を流れる電流の流れを示した図である。
風の主流成分の風速が、アシストトルクの分だけ低下した起動風速以上になると、プロペラ3が回転し始め、ハブ回転軸33、ひいては回転電機4の回転軸41の回転速度が徐々に増加していく。そして、回転電機4の回転軸41の回転速度がある回転速度よりも高くなり、回転電機4の正側端子4a及び負側端子4bの両端子間に生じる直流電圧(起電力)がバッテリ電圧よりも高くなると、図5に矢印で示すように、回転電機4から正側直流分岐配線93aに電流が流れ始めるようになる。すなわち、回転電機4が発電機として機能するようになって、回転電機4によって発電された電力がバッテリ6に充電されるようになる。
なお、回転電機4が発電機として機能しているときに、補助交流発電機7でも発電が行われた場合は、回転電機4と補助交流発電機7とが並列に接続された状態でそれぞれが発電を行うことになる。そのため、補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間にバッテリ電圧よりも高い電圧が生じると、図6に矢印で示すように、補助交流発電機7側からも正側直流分岐配線93aに電流が流れ始めるようになり、回転電機4の発電電力に加えて、補助交流発電機7の発電電力がバッテリ6に充電されるようになる。
このように、プロペラ3が回転して回転電機4の回転軸41が風力によって回転させられている場合は、回転電機4の正側端子4a及び負側端子4bの両端子間に生じる直流電圧(起電力)がバッテリ電圧より高くなったときに、回転電機4を発電機として機能させて、回転電機4の発電電力をバッテリ6に充電することができる。また、回転電機4が発電機として機能している場合に、補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間にも直流電圧が生じたときは、当該直流電圧がバッテリ電圧よりも高ければ、回転電機4の発電電力に加えて、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6に充電することができる。したがって本実施形態による風力発電装置100によれば、回転電機4のみ備える風力発電装置と比較して、風力発電装置100による発電量を増加させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、支柱1と、支柱1に対して旋回自在に取り付けられたナセル2と、ナセル2の内部に配置され、発電機としての機能を有する回転電機4と、ナセル2に取り付けられ、風を受けて回転して回転電機4の回転軸41を回転させて回転電機4を発電させるためのプロペラ3と、ナセル2に取り付けられ、風の主流方向に対してプロペラ3が正面を向くようにナセル2を旋回させるための尾翼5と、電力を充電するためのバッテリ6と、を備える風力発電装置100が、ナセル2の内部に配置された補助交流発電機7と、ナセル2が旋回したときに、補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させて補助交流発電機7を発電させるための駆動機構8と、回転電機4の発電電力に加えて補助交流発電機7の発電電力を少なくともバッテリ6に充電できるように配線された配電部9と、をさらに備える。
そのため、ナセル2が旋回したときに補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させて補助交流発電機7を発電させ、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6に充電することができる。したがって、プロペラ3を回転させて回転電機4によって発電を行うことができなくても、補助交流発電機7によって発電が行うことができる場合がある。そのため、風力発電装置100による発電頻度の低下を抑制することができ、ひいては風力発電装置100の発電量を増加させることができる。
また本実施形態では、回転電機4を、発電機としての機能を有すると共に電力供給を受けることにより電動機としても機能する直流電動発電機とした。そして配電部9は、補助交流発電機7の発電電力を、バッテリ6に加えて回転電機4にも供給することができるように配線されている。具体的には配電部9は、交流側端子(第1交流入力端子901a及び第2交流入力端子901b)と直流側端子(正側直流端子902a及び負側直流端子902b)とを備え、交流電流を整流して直流電流にする整流器90と、整流器90の交流側端子と補助交流発電機7とを電気的に接続する第1電力線(第1交流配線91a及び第2交流配線91b)と、整流器90の直流側端子と回転電機4とを電気的に接続し、補助交流発電機7の発電電力を回転電機4に供給して回転電機4を電動機として機能させるための第2電力線(正側直流配線92a及び負側直流配線92b)と、第2電力線から分岐してバッテリ6に電気的に接続され、回転電機4の発電電力と補助交流発電機7の発電電力とをバッテリ6に充電するための第3電力線(正側直流分岐配線93a及び負側直流分岐配線93b)と、を備える。
そのため、プロペラ3が停止しているときに補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて整流器90の直流側端子間に直流電圧が生じると、この直流電圧が回転電機4に印加され、回転電機4が電動機として機能する。すなわち回転電機4の回転軸41に対して、回転電機4に印加された直流電圧の大きさに応じたアシストトルクを入力することができる。したがって、このアシストトルクの分だけ、停止した状態のプロペラ3を回転させるために必要な初期トルクが小さくなるので、補助交流発電機7による発電が実施されていない場合と比べて起動風速を低減することができる。
起動風速を低減することで、プロペラ3を停止状態から起動させて回転させることのできる頻度を増加させることができる。結果として、プロペラ3を回転させて回転電機4によって発電を行うことができる頻度を増加させることができる。よって、風力発電装置100による発電頻度の低下を抑制でき、ひいては風力発電装置100による発電量を増加させることができる。
また本実施形態では、回転電機4を直流電動発電機とすることで、以下のような効果も得ることができる。すなわち、従来から起動風速を下げるために、回転電機4としてコギングトルクを小さくした発電機を使用するものがあるが、このようなコギングトルクを小さくした発電機は一般的に交流発電機である。交流発電機を外部からの電力供給により電動機として機能させるためには、整流器90によって整流された直流電流を、さらに交流に変換して交流発電機に供給するためのインバータや、当該インバータを制御するための制御装置などが必要となる。そのため、風力発電装置100(特に配電部9)の構成が複雑になると共に風力発電装置100の大型化を招く。
これに対し、回転電機4を直流電動発電機とすれば、回転電機4を電動機として機能させるにあたって、インバータや制御装置などが不要となり、風力発電装置100の構成を簡素化でき、風力発電装置100の小型化を図ることができる。
したがって、本実施形態のように回転電機4を直流電動発電機とし、補助交流発電機7の発電電力を、バッテリ6に加えて回転電機4にも供給することができるように配電部9を構成することで、風力発電装置100の小型化を図りつつ、起動風速を低下させてプロペラ3を停止状態から起動させて回転させることのできる頻度を増加させることができる。
(第2実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第2実施形態による風力発電装置100について説明する。本実施形態による風力発電装置100は、回転電機4を交流発電機とし、補助交流発電機7の発電電力がバッテリ6にのみ供給されるように配線した配電部9を備える点で第1実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
図7は、本実施形態による風力発電装置100の概略構成図である。図8は、本実施形態による風力発電装置100の配電部9の概略構成図である。
本実施形態による回転電機4は交流発電機である。特に本実施形態では、入力回転軸71に固定されて入力回転軸71と一体となって回転するロータの内部に複数の永久磁石を埋設し、コイルを巻き付けたステータをロータの周りに配置させた単相同期交流発電機を回転電機4として使用している。しかしながら、単相に限らず多相の交流発電機を回転電機4として使用しても良いし、同期型に限らず誘導型の交流発電機を回転電機4として使用しても良い。
そして本実施形態では、図8に示すように、補助交流発電機7の発電電力がバッテリ6にのみ供給されるように配電部9が構成されている。具体的には、配電部9は、第1実施形態と同様の機能を有する整流器90、第1交流配線91a、第2交流配線91b、正側電力取出配線94a及び負側電力取出配線94bを備える。そして本実施形態による配電部9は、第1正側直流配線95aと、第1負側直流配線95bと、第2整流器96と、第3交流配線97aと、第4交流配線97bと、第2正側直流配線98aと、第2負側直流配線98bと、をさらに備える。なお本実施形態では、「整流器90」と第2整流器96とを区別するために、「整流器90」のことを「第1整流器90」という。
第1正側直流配線95aは、第1整流器90の正側直流端子902aと、バッテリ6の正側端子6aとを電気的に接続する。第1正側直流配線95aには、バッテリ6からの漏電を防止するための逆流防止ダイオード951が設けられる。第1正側直流配線95aは、ナセル支持軸21の内部に軸方向に形成された空間内を通り(図7参照)、ナセル支持軸21に取り付けられた第1のスリップリング22及び逆流防止ダイオード951を介して第2正側直流配線98aに接続されている。
第1負側直流配線95bは、第1整流器90の負側直流端子902bと、バッテリ6の負側端子6bとを電気的に接続する。本実施形態では、第1負側直流配線95bは、ナセル支持軸21の内部に軸方向に形成された空間内を通り(図7参照)、ナセル支持軸21に取り付けられた第1のスリップリング22を介して第2負側直流配線98bに接続されている。
第2整流器96は、第1整流器90と同様の整流器であって、第1交流入力端子961aと、第2交流入力端子961bと、正側直流端子962aと、負側直流端子962bと、を備える。
第3交流配線97aは、回転電機4の第1出力端子4aと、第2整流器96の第1交流入力端子961aとを電気的に接続する。第4交流配線97bは、回転電機4の第2出力端子4bと、第2整流器96の第2交流入力端子961bとを電気的に接続する。
第2正側直流配線98aは、第2整流器96の正側直流端子962aと、バッテリ6の正側端子6aとを電気的に接続する。第2正側直流配線98aは、ナセル支持軸21の内部に軸方向に形成された空間内を通り(図7参照)、ナセル支持軸21に取り付けられた第2のスリップリング23を介してバッテリ6の正側端子6aに電気的に接続されている。第2正側直流配線98aには、バッテリ6からの漏電を防止するための逆流防止ダイオード981が設けられる。
第2負側直流配線98bは、第2整流器96の負側直流端子962bと、バッテリ6の負側端子6bとを電気的に接続する。第2負側直流配線98bは、ナセル支持軸21の内部に軸方向に形成された空間内を通り(図7参照)、ナセル支持軸21に取り付けられた第2のスリップリング23を介してバッテリ6の負側端子6bに電気的に接続されている。
引き続き図8を参照して、本実施形態による風力発電装置100の動作について説明する。
プロペラ3が停止しているときにナセル2が旋回して補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられると、第1整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に直流電圧が生じる。そして、この直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなると、補助交流発電機7の発電電力がバッテリ6に充電される。
一方、風力によってプロペラ3が回転させられて回転電機4の回転軸41が回転し、回転電機4で発電が行われると、第2整流器96の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に直流電圧が生じる。そして、この直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなると、回転電機4の発電電力がバッテリ6に充電される。
風力によってプロペラ3が回転させられているときも、補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間にバッテリ電圧よりも高い電圧が生じたときは、回転電機4の発電電力に加えて、補助交流発電機7の発電電力がバッテリ6に充電されるようになる。すなわち本実施形態では、プロペラ3が回転して回転電機4による発電が行われているか否かにかかわらず、補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて第1整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じた直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなったときには、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6に充電することができる。
以上説明した本実施形態による風力発電装置100では、回転電機4を交流発電機とした。そして配電部9は、第1交流側端子(第1交流入力端子901a及び第2交流入力端子901b)と第1直流側端子(正側直流端子902a及び負側直流端子902b)とを備え、交流電流を整流して直流電流にする第1整流器90と、第1交流側端子と補助交流発電機7とを電気的に接続する第1電力線(第1交流配線91a及び第2交流配線91b)と、第2交流側端子(第1交流入力端子961a及び第2交流入力端子961b)と第2直流側端子(正側直流端子962a及び負側直流端子962b)とを備え、交流電流を整流して直流電流にする第2整流器96と、第2交流側端子と回転電機4とを電気的に接続する第2電力線(第3交流配線97a及び第4交流配線97b)と、第1直流側端子とバッテリ6とを電気的に接続し、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6にのみ供給するための第3電力線(第1正側直流配線95a及び第1負側直流配線95b)と、第2直流側端子とバッテリ6とを電気的に接続し、回転電機4の発電電力をバッテリ6に充電するための第4電力線(第2正側直流配線98a及び第2負側直流配線98b)と、を備える。
そのため、プロペラ3が回転して回転電機4による発電が行われているか否かにかかわらず、補助交流発電機7の入力回転軸71が回転させられて第1整流器90の第1交流側端子(正側直流端子902a及び負側直流端子902b)の両端子間に生じた直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなったときには、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6に充電することができる。したがって、プロペラ3を回転させて回転電機4によって発電を行うことができなくても、補助交流発電機7によって発電が行うことができる場合がある。そのため、風力発電装置100による発電頻度の低下を抑制することができ、ひいては風力発電装置100の発電量を増加させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による風力発電装置100について説明する。本実施形態による風力発電装置100は、駆動機構8の構成が第1実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
図9は、本発明の第3実施形態による風力発電装置100の概略構成図である。
図9に示すように、本実施形態による風力発電装置100の駆動機構8は、第1歯車81と第2歯車82との間に増速歯車機構83を備える。
本実施形態による増速歯車機構83は、ハウジング84と、回転軸85と、入力歯車86と、出力歯車87と、を備える。
ハウジング84は、回転軸85がシャフト12の軸方向と平行となるようにナセル2の内部に配置される。
回転軸85は、ハウジング84内に固定された2つの転がり軸受841a,841bによって回転自在に支持されており、その一端部側がナセル2の底部からナセル2の外部に突出している。そして、その回転軸85の一端部に、回転軸85と一体となって回転する入力歯車86及び出力歯車87が同心円状に固定されている。
入力歯車86は、第1歯車81と噛み合っており、尾翼5が風を受けてナセル2が旋回させられると、自転しながら第1歯車81の周りをナセル2の旋回方向に公転する。
出力歯車87は、入力歯車86よりも歯数が多い歯車であって、第2歯車82と噛み合っている。
本実施形態による駆動機構8は上記の通り構成されており、尾翼5が風を受けてナセル2が旋回させられると、入力歯車86が自転しながら第1歯車81の周りをナセル2の旋回方向に公転する。これにより、入力歯車86と一体となって回転する増速歯車機構83の回転軸85が、入力歯車86の自転速度と同じ回転速度で回転させられることになる。その結果、増速歯車機構83の回転軸85に固定された出力歯車87も回転し、出力歯車87と噛み合う第2歯車82が回転して補助交流発電機7の入力回転軸71が回転されることになる。
したがって本実施形態による駆動機構8によれば、増速歯車機構83の回転軸85の回転速度に、速度比(=出力歯車87の歯数/第2歯車82の歯数)を乗じた回転速度で補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させることができる。そのため、出力歯車87の歯数が第2歯車82の歯数よりも多くなるようにすることで、増速歯車機構83の回転軸85の回転速度(入力回転速度)よりも高い回転速度で、補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させることができる。
これにより、補助交流発電機7の入力回転軸71の回転速度が高くなった分だけ、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧を高くすることができる。そのため、当該直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなる頻度を増加させることができ、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6に充電できる頻度を増加させることができる。なお、本実施形態では増速歯車機構83が1段の場合を例示して説明したが、2段以上の多段にしても良い。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による風力発電装置100について説明する。第4実施形態による風力発電装置100は、第3実施形態と同様に駆動機構8が増速歯車機構83を備えているが、当該増速歯車機構83の構成が第3実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
図10は、本実施形態による風力発電装置100の駆動機構8の概略構成図である。
図10に示すように、本実施形態による風力発電装置100の駆動機構8は、第1歯車81と第2歯車82との間に、第3実施形態と異なる増速歯車機構83を備える。この本実施形態による増速歯車機構83では、ナセル2の外部から突出している補助交流発電機7の入力回転軸71の先端に固定された第2歯車82を、遊星歯車機構88のサンギヤ881として機能させる。以下、遊星歯車機構88の構成について説明する。
遊星歯車機構88は、サンギヤ881(=第2歯車82)と、リングギヤ882と、複数のプラネタリギヤ883と、プラネタリキャリア884と、を備える。
サンギヤ881は、補助交流発電機7の入力回転軸71と一体となって回転する外歯歯車であり、遊星歯車機構88の中央部に配置される。
リングギヤ882は内歯歯車であり、サンギヤ881と同心円上となるように、サンギヤ881の周囲に配置される。本実施形態では、リングギヤ882が回転することができないように、リングギヤ882はナセル2の底部に取り付けられたハウジング885に固定されている。
各プラネタリギヤ883はそれぞれ同一形状の外歯歯車であり、サンギヤ881及びリングギヤ882と噛み合うように、サンギヤ881とリングギヤ882との間に所定の間隔を空けて配置されている。
プラネタリキャリア884は、その回転軸884aが2つの転がり軸受886a,886bによってハウジング885に回転自在に支持されており、回転軸884aと同じ回転速度で回転軸884aを中心にして回転する。プラネタリキャリア884は、プラネタリキャリア884が回転したときに、各プラネタリギヤ883が個々に回転(自転)しながらサンギヤ881の周囲を回転(公転)することができるように、各プラネタリギヤ883に対して回転自在に連結されている。回転軸884aの先端には、回転軸884aと一体となって回転する入力歯車86が固定されており、この入力歯車86が支柱1の外周に固定された第1歯車と噛み合っている。
本実施形態による駆動機構8は上記の通り構成されており、尾翼5が風を受けてナセル2が旋回させられると、入力歯車86の自転速度と同じ回転速度で回転軸884aが回転させられ、プラネタリキャリア884が回転する。このとき、本実施形態ではリングギヤ882が回転できないようなっているので、各プラネタリギヤ883が個々に回転(自転)しながらサンギヤ881の周囲を回転(公転)し、これにより、サンギヤ881が回転させられることになる。
そのため、プラネタリキャリア884の回転軸884aの回転速度に、遊星歯車機構88の速度比(=(サンギヤ881の歯数+リングギヤ882の歯数)/サンギヤ881の歯数)を乗じた回転速度で、補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させることができる。すなわち、プラネタリキャリア884の回転軸884aの回転速度(入力回転速度)よりも高い回転速度で補助交流発電機7の入力回転軸71を回転させることができる。
これにより、補助交流発電機7の入力回転軸71の回転速度が高くなった分だけ、整流器90の正側直流端子902a及び負側直流端子902bの両端子間に生じる直流電圧を高くすることができる。そのため、当該直流電圧がバッテリ電圧よりも高くなる頻度を増加させることができ、補助交流発電機7の発電電力をバッテリ6に充電できる頻度を増加させることができる。なお、本実施形態では遊星歯車機構88を1段だけ備える増速歯車機構83を例示して説明したが、遊星歯車機構88を2段以上備えるようにしても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上記の各実施形態では、単相交流を全波整流する整流器90を使用していたが、単相交流を半波整流する整流器を用いても良い。
また上記の各実施形態において、尾翼の受風面積を拡大すれば、補助交流発電機7によつ発電の頻度を増加させることができると共に、その起電力も大きくすることができる。したがって、尾翼は例えば従来のものと比較して大型のものを用いることが好ましい。
また上記の第4実施形態では、リングギヤ882を固定し、プラネタリキャリア884を入力ギヤ、サンギヤ881を出力ギヤとして入力回転速度を増速するプラネタリ形配置の遊星歯車機構88を例示したが、サンギヤ881を固定し、プラネタリキャリア884を入力ギヤ、リングギヤ882を出力ギヤとして入力回転速度を増速するスター形配置としても良い。
100 風力発電装置
1 支柱
11 設置台
12 中空のシャフト
13a 転がり軸受
13b 転がり軸受
2 ナセル
21 ナセル支持軸
22 スリップリング(第1スリップリング)
23 第2スリップリング
3 プロペラ
31 ブレード
32 ハブ
33 ハブ回転軸
4 回転電機
4a 回転電機の正側出力端子(回転電機の出力端子)
4b 回転電機の負側出力端子(回転電機の出力端子)
41 回転軸
5 尾翼
6 バッテリ
6a バッテリの正側端子
6b バッテリの負側端子
7 補助交流発電機
7a 補助交流発電機の第1出力端子
7b 補助交流発電機の第2出力端子
71 入力回転軸
8 駆動機構
81 第1歯車
82 第2歯車
83 増速歯車機構
84 ハウジング
841a 転がり軸受
841b 転がり軸受
85 回転軸
86 入力歯車
87 出力歯車
88 遊星歯車機構
881 サンギヤ
882 リングギヤ
883 プラネタリギヤ
884 プラネタリキャリア
884a 回転軸
885 ハウジング
886a 転がり軸受
886b 転がり軸受
9 配電部
90 整流器(第1整流器)
901a 第1交流入力端子(交流側端子)(第1交流側端子)
901b 第2交流入力端子(交流側端子)(第1交流側端子)
902a 正側直流端子(直流側端子)(第1直流側端子)
902b 負側直流端子(直流側端子)(第1直流側端子)
91a 第1交流配線(第1電力線)
91b 第2交流配線(第1電力線)
92a 正側直流配線(第2電力線)
92b 負側直流配線(第2電力線)
93a 正側直流分岐配線(第3電力線)
93b 負側直流分岐配線(第3電力線)
931 逆流防止ダイオード
94a 外部負荷への正側出力
94b 外部負荷への負側出力
95a 第1正側直流配線(第3電力線)
95b 第1負側直流配線(第3電力線)
951 逆流防止ダイオード
96 第2整流器
961a 第1交流入力端子(第2交流側端子)
961b 第2交流入力端子(第2交流側端子)
962a 正側直流端子(第2直流側端子)
962b 負側直流端子(第2直流側端子)
97a 第3交流配線(第2電力線)
97b 第4交流配線(第2電力線)
98a 第2正側直流配線(第4電力線)
98b 第2負側直流配線(第4電力線)
981 逆流防止ダイオード

Claims (7)

  1. 支柱と、
    前記支柱に対して旋回自在に取り付けられたナセルと、
    前記ナセルの内部に配置され、発電機としての機能を有する回転電機と、
    前記ナセルに取り付けられ、風を受けて回転して前記回転電機の回転軸を回転させて当該回転電機を発電させるためのプロペラと、
    前記ナセルに取り付けられ、風の主流方向に対して前記プロペラが正面を向くように前記ナセルを旋回させるための尾翼と、
    電力を充電するためのバッテリと、
    を備える風力発電装置であって、
    前記ナセルの内部に配置された補助交流発電機と、
    前記ナセルが旋回したときに、前記補助交流発電機の入力回転軸を回転させて当該補助交流発電機を発電させるための駆動機構と、
    前記回転電機の発電電力に加えて、前記補助交流発電機の発電電力を少なくとも前記バッテリに充電できるように配線された配電部と、
    をさらに備える風力発電装置。
  2. 前記回転電機は、発電機としての機能を有すると共に、電力供給を受けることにより電動機としても機能する直流電動発電機であって、
    前記配電部は、補助交流発電機の発電電力を、前記バッテリに加えて前記回転電機にも供給するように配線される、
    請求項1に記載の風力発電装置。
  3. 前記配電部は、
    交流側端子と直流側端子とを備え、交流電流を整流して直流電流にする整流器と、
    前記整流器の交流側端子と、前記補助交流発電機と、を電気的に接続する第1電力線と、
    前記整流器の直流側端子と、前記回転電機と、を電気的に接続し、前記補助交流発電機の発電電力を当該回転電機に供給して当該回転電機を電動機として機能させるための第2電力線と、
    前記第2電力線から分岐して前記バッテリに電気的に接続され、前記回転電機の発電電力と前記補助交流発電機の発電電力とを当該バッテリに充電するための第3電力線と、
    を備える請求項2に記載に風力発電装置。
  4. 前記駆動機構は、
    前記支柱の外周に固定された第1歯車と、
    前記補助交流発電機の入力回転軸に設けられて前記第1歯車と噛み合うと共に、前記ナセルが旋回したときに、当該第1歯車の周りを自転しながら当該ナセルの旋回方向に公転する第2歯車と、
    を備える請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の風力発電装置。
  5. 前記駆動機構は、
    前記支柱の外周に固定された第1歯車と、
    前記補助交流発電機の回転軸に設けられた第2歯車と、
    前記第1歯車と噛み合い、前記ナセルが旋回したときに当該第1歯車の周りを自転しながら当該ナセルの旋回方向に公転する入力歯車と、前記第2歯車と噛み合い、当該入力歯車の回転軸に固定されると共に当該第2歯車よりも歯数の多い出力歯車と、を有する増速器と、
    を備える請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の風力発電装置。
  6. 前記駆動機構は、
    前記支柱の外周に固定された第1歯車と、
    前記補助交流発電機の回転軸に設けられた第2歯車と、
    前記第1歯車と噛み合い、前記ナセルが旋回したときに当該第1歯車の周りを自転しながら当該ナセルの旋回方向に公転する入力歯車と、
    前記入力歯車の回転を増速させて前記第2歯車に伝達する遊星歯車機構と、
    を備える請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の風力発電装置。
  7. 前記回転電機は、交流発電機であって、
    前記配電部は、
    第1交流側端子と第1直流側端子とを備え、交流電流を整流して直流電流にする第1整流器と、
    前記第1交流側端子と、前記補助交流発電機と、を電気的に接続する第1電力線と、
    第2交流側端子と第2直流側端子とを備え、交流電流を整流して直流電流にする第2整流器と、
    前記第2交流側端子と、前記回転電機と、を電気的に接続する第2電力線と、
    前記第1直流側端子と前記バッテリとを電気的に接続し、前記補助交流発電機の発電電力を当該バッテリにのみ供給するための第3電力線と、
    前記第2直流側端子と当該バッテリとを電気的に接続し、前記回転電機の発電電力を当該バッテリに充電するための第4電力線と、
    を備える請求項1に記載の風力発電装置。
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