JP6508477B2 - 噴射弁 - Google Patents

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本発明は、尿素水や燃料等の液体を噴射する噴射弁に関する。
内燃機関の燃料噴射装置や排ガス装置のための噴射弁は、先端に弁開口が形成され、その弁開口を取り囲む弁座を有したニードル収容室が内部に形成されたノズルボディと、ニードル収容室において弁座に着座した閉弁位置と、弁座から離座した開弁位置との間で移動可能に設けられたニードルと、ノズルボディの先端面であるボディ端面を覆うように設けられ、噴孔が形成された噴孔プレートとを含んで構成されている。
この種の噴射弁に関する技術として、従来、ノズルボディの弁開口に対して噴孔が半径方向にずらされており、弁開口と噴孔との間に流入中空室を介在させた噴射弁の提案がある(特許文献1参照)。特許文献1の噴射弁では、噴孔プレートの、ノズルボディ(弁座体)に面したプレート面に流入中空室としての凹部が形成されている。その凹部は、一部が弁開口に突入し、凹部の残りの部分がノズルボディによって覆われている。噴孔は、ノズルボディによって覆われる凹部の部分の内側で、凹部の底面に形成されている。また、凹部は、平面視で円形、長円形又は楕円形に形成される。この特許文献1の噴射弁によれば、弁開口から流入中空室に流入した液体に対してS字型の流れが得られ、この流れにより噴孔における噴霧を助成する流れの扇形の拡散が促進できるとしている。
特開2012−503128号公報
特許文献1の技術を適用すれば、噴射弁から噴射される液体噴霧を微粒化させることができる。しかし、流入中空室の一部のみが弁開口に面する構成なので、流入中空室の弁開口に面した部分である流入部で流量が絞られてしまい、流量精度が悪化する。流量精度の悪化を抑制するために、流入中空室の径を大きくして流量部の面積を大きくすることが考えられる。しかし、流入中空室の径を大きくすると、流入中空室において液体が噴孔に多方向から流れ込むようになり、結果、噴孔から噴射した液体が噴孔プレートに飛び散って、噴孔プレートへの液体の付着量が増えてしまう。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、液体噴霧の微粒化を促進させつつ、流量精度の悪化の抑制と、噴孔プレートへの液体付着の抑制とを両立させることができる噴射弁を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の噴射弁は、先端に弁開口(10)が形成され、その弁開口を取り囲む弁座(4)を有したニードル収容室(3)が内部に形成されたノズルボディ(2)と、
前記ニードル収容室において前記弁座に着座した閉弁位置と、前記弁座から離座した開弁位置との間で移動可能に設けられたニードル(5)と、
前記ノズルボディの先端面であるボディ端面(2a)を覆うように設けられ、少なくとも1つの噴孔(11)が形成された噴孔プレート(8)とを備え、
前記噴孔プレートの前記ボディ端面に接したプレート面(8a)又は前記ボディ端面に凹部(13、16)が形成されており、その凹部は、一部(13a、16a)が前記弁開口に面しており、残りの部分(13b、16b)が、前記プレート面と前記ボディ端面のうち前記凹部が形成されていない方で覆われており、
前記噴孔は、前記弁開口に対して半径方向にずれた位置で前記凹部に繋がっており、
前記凹部は、平面視で見て対向する位置関係にある2つの縁線(13d、16d)を有し、それら2つの縁線間の幅が前記縁線の一端側から他端側にいくにしたがって次第に小さくなり、前記縁線の両端のうち前記幅が広い端部側の前記縁線間の部分が前記弁開口に面していることを特徴とする。
また、本発明を上記と別の表現であらわすと、本発明は、先端に弁開口(10)が形成され、その弁開口を取り囲む弁座(4)を有したニードル収容室(3)が内部に形成されたノズルボディ(2)と、
前記ニードル収容室において前記弁座に着座した閉弁位置と、前記弁座から離座した開弁位置との間で移動可能に設けられたニードル(5)と、
前記ノズルボディの先端面であるボディ端面(2a)を覆うように設けられ、少なくとも1つの噴孔(11)が形成された噴孔プレート(8)とを備え、
前記噴孔プレートの前記ボディ端面に接したプレート面(8a)又は前記ボディ端面に凹部(13、16)が形成されており、その凹部は、一部(13a、16a)が前記弁開口に面しており、残りの部分(13b、16b)が、前記プレート面と前記ボディ端面のうち前記凹部が形成されていない方で覆われており、
前記噴孔は、前記弁開口に対して半径方向にずれた位置で前記凹部に繋がっており、
前記凹部のうち前記弁開口に面した部分を流入部、前記凹部を平面視で見たときの面内方向の直線のうち、前記凹部の縁線(13d、13e、16d)と前記弁開口の縁線との両交点(14)間の中点(15)を通り、その両交点を通る直線(L3)に直角な直線(L4)を中心線として、
前記凹部は、前記中心線に沿って前記流入部から離れるにしたがって前記中心線に直角な方向における幅が次第に小さくなる形状に形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、一部が弁開口に面しており、残りの部分が、プレート面とボディ端面のうち凹部が形成されていない方で覆われた凹部(流入中空室)が形成され、噴孔が弁開口に対して半径方向にずれた位置で凹部に繋がっているので、特許文献1と同様に、弁開口に流入した液体に対してS字型の流れを得ることができる。これにより、噴霧の微粒化を促進できる。さらに、本発明の凹部は、凹部への液体流入部から離れるにしたがって次第に幅が小さくなる形状に形成されているので、特許文献1のように円形ベースの凹部に比べて、流入部の面積を大きくしたとしても、噴孔への液体の流れ込み方向が多方向になるのを抑制できる。よって、流量精度の悪化の抑制と、噴孔プレートへの液体付着の抑制とを両立させることができる。
噴射弁の先端側の断面図である。 図1のA部(噴孔辺り)の拡大図である。 図2のB矢視方向から流入中空室を見た平面図である。 扇型ベースの流入中空室と円形ベースの流入中空室のそれぞれで、流入中空室内での尿素水の流速ベクトルを示して、噴孔への尿素水の流れ込みの態様を説明する図である。 扇型ベースの流入中空室を採用した場合の噴孔から噴射された尿素水噴霧の態様を示した図である。 円形ベースの流入中空室を採用した場合の噴孔から噴射された尿素水噴霧の態様を示した図である。 噴孔と流入部との面積比と、噴射量のずれ量との関係を示した図である。 流入中空室の角度と、噴孔と流入中空室の壁面との間の長さの和(噴孔壁面長さの和)との関係を示した図である。 流入中空室及び噴孔の平面図であり、流入中空室の角度と、噴孔壁面長さとを示した図である。 変形例を説明する図であり、流入中空室に2つの噴孔が形成された例を示した図である。 変形例を説明する図であり、円弧相当縁線を直線状とした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、円弧相当縁線の曲率を小さくした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、円弧相当縁線の曲率を大きくした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、流入中空室の先端により近い位置に噴孔が形成された流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、半径相当縁線を外側に凸となる形状とした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、半径相当縁線を内側に凸となる形状とした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、先端角度が小さい流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、先端角度が大きい流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、先端を尖った形状にした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、先端を平らにした流入中空室の平面図である。 変形例を説明する図であり、流入中空室の中心線に対してずれた位置に噴孔が形成された図である。 変形例を説明する図であり、流入中空室の側面と底面との接続部にRが形成された流入中空室の断面図である。 変形例を説明する図であり、流入中空室の側面と底面との接続部が直角に形成された流入中空室の断面図である。 変形例を説明する図であり、流入中空室の側面が底面に対して傾斜した流入中空室の断面図である。 変形例を説明する図であり、ノズルボディ側に流入中空室が形成された噴射弁の先端側の断面図である。 図25のC部の拡大図である。 図26のD矢視方向から流入中空室及び噴孔を見た図である。 図26のE矢視方向から流入中空室及び噴孔を見た図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用された噴射弁の先端側の断面図を示している。図1の噴射弁1は、車両に搭載されたディーゼルエンジン等の内燃機関の排気管に設置されて、排気管内に還元剤としての尿素水を噴射する装置である。噴射弁1より下流の排気管には排気ガス中のNOxを選択的に還元浄化するSCR触媒が設置されている。噴射弁1から添加された尿素水が排気熱により加水分解されることによりアンモニア(NH3)が生成される。そのアンモニアとNOxとの還元反応がSCR触媒において行われることで、NOxは水や窒素に分解(浄化)する。このように、噴射弁1は尿素SCRシステムの一部を構成する。
噴射弁1の先端側は、ノズルボディ2と、ノズルボディ2の先端に配置された噴孔プレート8と、ノズルボディ2内に配置されたニードル5とを備える。ノズルボディ2は、略円筒形状に形成されており、詳しくは、先端に平面視円形の弁開口10(図2参照)が形成され、その弁開口10を取り囲む弁座4を有したニードル収容室3が内部に形成されている。そのニードル収容室3はノズルボディ2の中心軸線L1の方向に延設されている。弁座4は、ニードル収容室3の先端側において先端(弁開口10)に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内周面に設定されている。弁座4の最小内径部(縁部)と弁開口10とが繋がっている。以下では、中心軸線L1は、噴射弁1の中心軸線であるとして説明する。
ニードル5は、棒状に形成されて、ニードル収容室3においてニードル軸線の方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル5は、ノズルボディ2と概ね同軸上に配置されている。ニードル5は、ニードル収容室3の径よりも小さい径に形成されている。そのため、ニードル5の外周面と、ノズルボディ2の内周面(ニードル収容室3の面)との間に空間部7が形成される。その空間部7は尿素水が流通する尿素水通路として機能する。また、ニードル5の先端部には、弁座4に当接可能なシート部6が形成されている。
噴射弁1は、ニードル5を駆動するソレノイド等から構成された駆動部(図示外)を備えている。駆動部のソレノイドが通電されていないときは、シート部6が弁座4に着座することで、尿素水通路7と、後述の噴孔11(図2参照)とが遮断されて、噴孔11からの尿素水噴射が停止される。ソレノイドが通電されると、ニードル5が弁座4から離れる方向に移動し、この移動により、尿素水通路7が開放されて、尿素水通路7の尿素水が弁開口10を介して後述の流入中空室13(図2参照)に流入し、流入中空室13に形成された噴孔11から尿素水が噴射される。このように、ニードル5は、弁座4に着座した閉弁位置と、弁座4から離座した開弁位置との間で移動可能に設けられている。
噴孔プレート8は、ノズルボディ2の先端面2aであるボディ端面を覆う(言い換えると接触する)ように設けられている。噴孔プレート8は有底の円筒形状に形成され、すなわち筒状部8cと、その筒状部8cの一方の端部に繋がって筒状部8cに直角な設けられた平面部8dとから構成されている。平面部8dは平面視で円状に形成される。噴孔プレート8(筒状部8c、平面部8d)は、例えば、板厚が一定の板部材をプレス加工することにより形成される。
噴孔プレート8は、ノズルボディ2の外周面に筒状部8cが嵌め込まれる形で設けられる。その嵌め込まれた部分において、筒状部8cの内周面と、ノズルボディ2の外周面とが溶接等で接続されている。また、平面部8dのボディ端面2a側の面8a(図2参照)であるプレート面は、弁開口10を閉塞しつつボディ端面2aに接触している。
図2に示すように、プレート面8aには、弁開口10と噴孔11との間に介在する流入中空室として機能する有底の凹部13が形成されている。なお、以下では凹部13を流入中空室と言う。流入中空室13は、一部13aが弁開口10に突入することにより弁開口10に面しており、残りの部分13bがボディ端面2aで覆われる形に形成されている。以下では、流入中空室13のうち弁開口10に面した部分13aを流入部といい、残りの部分13bを残余部という。
図3に示すように、流入中空室13は、平面視で扇型ベースに形成されている。なお、図3において斜線ハッチングの部分13aが流入部であり、ハッチングされていない部分13bが残余部である。流入中空室13は、詳しくは、平面視で見て、扇型の半径部に相当する対向する位置関係にある2つの縁線13dと、扇型の円弧部に相当する縁線13eとを有した形状に形成される。以下では、縁線13dを半径相当縁線13dといい、縁線13eを円弧相当縁線という。円弧相当縁線13eは外側に凸の円弧状に形成される。図3では、円弧相当縁線13eの曲率半径は、半径相当縁線13dの長さと同等に設定されている。
円弧相当縁線13eの一端には一方の半径相当縁線13dの一端が接続され、円弧相当縁線13eの他端には他方の半径相当縁線13dの一端が接続されている。2つの半径相当縁線13d間の幅は、半径相当縁線13dの一端側(円弧相当縁線13eに接続された端部側)から他端側にいくにしたがって次第に小さくなっている。そして、2つの半径相当縁線13dは他端側において互いに接続される。このとき、2つの半径相当縁線13dの接続縁線13f(以下先端縁線という)が丸みを持った形状(円弧状)に設定される。また、各半径相当縁線13dは、互いに同じ長さの直線状に形成される。流入部13aは、半径相当縁線13dの両端のうち、2つの半径相当縁線13d間の幅が広い端部側(円弧相当縁線13e側)の2つの半径相当縁線13d間の部分に設定されている。
流入中空室13の形状を別の表現であらわすと、流入中空室13を平面視で見たときの面内方向の直線のうち、流入中空室13の縁線13d、13eと弁開口10の縁線との両交点14の間の中点15を通り、両交点14を通る直線L3に直角な直線L4を中心線とする。流入中空室13は、その中心線L4に沿って流入部13aから離れるにしたがって中心線L4に直角な方向における幅が次第に小さくなる形状に形成されている。このように、流入部13aにおける幅(中心線L4に直角な方向における幅)が、残余部13bにおける幅よりも大きくなっている。
図2に示すように、残余部13bの底面13cには、底面13cと、噴孔プレート8(平面部8d)の表面8bとの間を貫通する噴孔11が形成されている。このように、噴孔11は、弁開口10に対して半径方向にずれた位置で流入中空室13(残余部13b)に繋がっている。噴孔11は、噴射弁1の中心軸線L1を中心とした円周方向に1つ又は複数形成されている。本実施形態では、1つの流入中空室13当たりに1つの噴孔11が形成されている(図3参照)。つまり、流入中空室13は、中心軸線L1を中心とした円周方向に、噴孔11の個数分形成されている。噴孔11は、噴孔軸線L2(図2参照)と噴射弁1の中心軸線L1とが平行となるよう形成されたとしても良いし、中心軸線L1に対して噴孔軸線L2が斜めの角度となるよう形成されたとしても良い。
また、図3に示すように、噴孔11は、噴孔中心Oが中心線L4上に位置するよう形成されている。言い換えると、噴孔11は、2つの半径相当縁線13dに対して等距離となる位置に形成されている。さらに、噴孔11は、噴孔11への尿素水の流れ込みを1方向に集中させるという観点では、できるだけ先端縁線13fに近い位置に形成されるのが好ましい。図3では、噴孔11は、円弧相当縁線13eよりも先端縁線13fに寄った位置に形成されている。
弁開口10と噴孔11との間に流入中空室13を介在させ、噴孔11が弁開口10に対して半径方向にずれた位置に形成されることで、噴孔11から噴射される尿素水噴霧を微粒化させることができる。すなわち、ニードル5が弁座4から離座する開弁時では、弁開口10から流入中空室13に流入した尿素水は、流入部13aの位置で半径方向に流れ方向を変え、その後、噴孔11の位置で噴孔11内に流れ込むよう流れ方向を変える。つまり、尿素水のS字型の流れを得ることができる。これにより、噴孔11内において尿素水の流体形状が三日月状に変形されることで、尿素水噴霧の微粒化を促進できる。
さらに、流入中空室13は扇型ベースに形成されているので、図4の右図に示すように、流入部13aから流入した尿素水の流れを噴孔11の方向に集中させることができる。言い換えると、先端縁線13f側に尿素水が回り込んだ後、噴孔11に流れ込むのを抑制できる。その結果、図5に示すように、噴孔11から噴射された尿素水噴霧が必要以上に広がってしまうのを抑制でき、噴孔プレート8の表面8bに噴霧が付着して、尿素水由来の析出物が析出してしまうのを抑制できる。つまり、耐尿素析出性を向上できる。
また、2つの半径相当縁線13d間の角度θ(中心角)を大きくし、又は半径相当縁線13dを長くすることで、流入部13aの面積を容易に大きくすることができる。流入部13aの面積が大きくなることで、流入部13aで尿素水の流れが絞られてしまうのを抑制でき、尿素水の流量精度の悪化を抑制つまり尿素水の噴射量のばらつきを抑制できる。また、流入部13aの面積を大きくしたとしても、噴孔11と半径相当縁線13dとの間の距離が必要以上に大きくなってしまうのを抑制でき、その結果、耐尿素析出性が低下するのを抑制できる。このように、扇型ベースの流入中空室13を採用することで、噴霧の微粒化、流量精度の確保及び耐尿素析出性の確保を両立させることができる。
これに対して、図4の左図のように円形ベースの流入中空室20の場合には、尿素水を一方向から噴孔11に流れ込ませようとすると、流入中空室20の径を小さくする必要がある。この場合、流入部20aの面積が小さくなってしまい、流入部20aにて尿素水の流れが絞られる結果、流量精度の悪化につながる。図4の真ん中の図に示すように、径を大きくした円形ベースの流入中空室21を採用した場合には、流入部21aの面積を大きくできるものの、噴孔11回りの全方向から尿素水が噴孔11に流れ込む。その結果、尿素水噴霧が膜状に形成されて、図6に示すように、尿素水噴霧が必要以上に広がってしまう。そして、尿素水噴霧が噴孔プレートの表面に飛び散ることで、表面に尿素水が付着しやすく、尿素水由来の析出物が生じやすくなる。つまり、耐尿素析出性が悪化する。
扇型ベースの流入中空室13の形状についてさらに言及する。図7は、噴孔11の面積S1(噴孔軸線に直交する平面で噴孔11を切ったときの断面積)と流入部13aの平面視での面積S2との比S2/S1をいくつか変化させたときの、尿素水噴射量のずれ量(ばらつき)を示している。図7に示すように、面積比が小さいとばらつきが大きくなっているのに対し、面積比が大きいとばらつきが小さくなる。このことから、流入部13aの面積を大きくすることで、流量精度の悪化を抑制できるといえる。
図8は、2つの半径相当縁線13d間の角度(図9参照)と、各半径相当縁線13dと噴孔11との間の長さd1、d2(図9参照)の和(噴孔壁面長さの和)との関係を示している。図8に示すように、角度と噴孔壁面長さの和とは相関しており、角度が大きくなるに比例して、噴孔壁面長さの和も大きくなる。噴孔壁面長さの和が大きすぎてしまうと、噴孔に一方向から尿素水の流れ込みが発生する限界を超えてしまい、耐尿素析出性が悪化する。したがって、噴孔壁面長さの和が大きくなりすぎないように、半径相当縁線13d間の角度を設定する必要がある。
以上、本実施形態によれば、流入中空室の形状を扇型ベースとしたので、噴霧の微粒化、流量精度の確保及び耐尿素析出性の確保を両立させることができる。また、図3に示すように、噴孔11の中心Oが、流入中空室13の中心線L4上に位置するので、噴孔11と半径相当縁線13dとの間の距離が大きくなってしまうのを抑制でき、噴孔11に一方向から尿素水を流れ込ませ易くできる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、図10のように、1つの流入中空室13当たりに複数(図10では2つ)の噴孔11が形成されたとしても良い。また、円弧相当縁線13eの曲率はどのような曲率でも良く、図11に示すように直線であっても良いし、図12に示すように図3よりも曲率を小さくしても良いし、図13に示すように図3よりも曲率を大きくしても良い。
また、図14に示すように、流入中空室13の先端縁線13fにさらに近い位置に噴孔11が形成されたとしても良い。また、半径相当縁線13dは、図15のように外側に凸の形状に形成されたとしても良いし、図16のように内側に凸の形状に形成されたとしても良い。
また、半径相当縁線間の角度θは、図17のように図3よりも小さい角度であっても良いし、図18のように大きい角度であっても良い。また、図19のように流入中空室の先端13fが尖っていても良いし、図20のように平らにしても良い。図20の場合には、流入中空室は平面視で台形に近い形状となる。また、図21のように、流入中空室13の中心線L4に対してずれた位置に噴孔11が形成されたとしても良い。言い換えると、噴孔11の中心を通り、噴射弁1の中心軸線L1(図1参照)に交差する直線L5と流入中空室の中心線L4とがずれていても良い。
また、図22のように、流入中空室13の側面13gと底面13cとの接続部にRを形成しても良いし、図23のように直角に形成しても良い。また、図24のように、側面13gを底面13cに対して傾斜させても良い。
さらに、図25〜図28に示すように、ボディ端面2a側に流入中空室16が形成されたとしても良い。なお、図25〜図28においては、上記実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。図27に示すように、流入中空室16は、平面視で見て対向する位置関係にある2つの縁線16dを有し、それら縁線16d間の幅が、縁線16dの一端側から他端側にいくにしたがって次第に小さくなる形状に形成される。そして、縁線16dの両端のうち縁線16d間の幅が広い方の端部側に、弁開口10に面した流入部16a(図26参照)が設定される。噴孔11は、流入中空室16の残余部16b(図27参照)に対面した位置に形成される。
言い換えると、流入中空室16は、流入中空室16の縁線16dと弁開口10の縁線との両交点14間の中点15を通り、両交点14を通る直線L3に直角な直線L4に沿って流入部16aから離れるにしたがって、直線L4に直角な方向における幅が次第に小さくなる形状に形成される。一方、噴孔プレート8側には凹部が形成されていない(図26参照)。これによっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、上記実施形態では、尿素水噴射弁に本発明を適用した例を説明したが、エンジン筒内や吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁や、排気管に尿素水以外の液体(燃料など)を噴射する噴射弁に本発明を適用しても良い。
1 噴射弁
2 ノズルボディ
2a ボディ端面
3 ニードル収容室
4 弁座
5 ニードル
8 噴孔プレート
8a プレート面
10 弁開口
11 噴孔
13、16 流入中空室(凹部)
13a、16a 流入部
13b、16b 残余部
13d、13e、16d 流入中空室の縁線
14 流入中空室の縁線と弁開口との交点
15 流入中空室の縁線と弁開口との両交点間の中点

Claims (7)

  1. 先端に弁開口(10)が形成され、その弁開口を取り囲む弁座(4)を有したニードル収容室(3)が内部に形成されたノズルボディ(2)と、
    前記ニードル収容室において前記弁座に着座した閉弁位置と、前記弁座から離座した開弁位置との間で移動可能に設けられたニードル(5)と、
    前記ノズルボディの先端面であるボディ端面(2a)を覆うように設けられ、少なくとも1つの噴孔(11)が形成された噴孔プレート(8)とを備え、
    前記噴孔プレートの前記ボディ端面に接したプレート面(8a)に凹部(13)が形成されており、その凹部は、一部(13a)が前記ノズルボディの中心軸線から半径方向にずれた位置で前記弁開口に面しており、残りの部分(13b)が、前記ボディ端面で覆われており、
    前記噴孔は、前記弁開口に対して半径方向にずれた位置で前記凹部に繋がっており、
    前記凹部は、平面視で見て対向する位置関係にある2つの第1縁線(13d)を有し、それら2つの第1縁線間の幅が前記第1縁線の一端側から他端側にいくにしたがって次第に小さくなり、前記第1縁線の両端のうち前記幅が広い端部側の前記第1縁線間の部分が前記弁開口に面しており、かつ、2つの前記第1縁線の前記幅が広い側の端部間が第2縁線(13e)で接続されていることを特徴とする噴射弁(1)。
  2. 前記凹部のうち前記弁開口に面した部分を流入部、前記凹部を平面視で見たときの面内方向の直線のうち、前記凹部の縁線(13d、13e)と前記弁開口の縁線との両交点(14)間の中点(15)を通り、その両交点を通る直線(L3)に直角な直線(L4)を中心線として、
    前記凹部は、前記中心線に沿って前記流入部から離れるにしたがって前記中心線に直角な方向における幅が次第に小さくなる形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の噴射弁
  3. 前記凹部を平面視で見て前記噴孔の中心が前記中心線上に位置することを特徴とする請求項2に記載の噴射弁。
  4. 前記凹部は前記中心軸線を中心とした円周方向に複数形成されており、
    前記凹部ごとに前記噴孔が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の噴射弁。
  5. 前記噴孔は、前記第2縁線よりも、2つの前記第1縁線の前記第2縁線が接続される反対側の端部間を接続する縁線(13f)に寄った位置に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の噴射弁。
  6. 前記第2縁線は円弧状又は直線状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の噴射弁。
  7. 尿素水を噴射することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の噴射弁。
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