JP6507631B2 - 眼科用の手術器具 - Google Patents

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本開示は、物質を破壊するための眼科用の手術器具に関する。
物質を破壊および吸引するための手術器具を駆動する手術装置が知られている。例えば、特許文献1が開示する眼科手術装置(硝子体手術装置)のハンドピースでは、内筒刃が取り付けられたピストンを圧縮空気で押して、外筒刃に沿って内筒刃を移動させる。このようにして、外筒刃の吸引口から吸引されている硝子体を切除する。スプリングの付勢力によって、ピストンには戻り方向の移動力が加えられているため、圧縮空気の供給を停止すると、ピストンは移動前の位置に戻る。制御部は、ハンドピースに圧縮空気を断続的に供給し、内筒刃の前進および後退を繰り返させる。
特開2010−57642号公報
物質を破壊するために、動力を用いて刃を移動させると、手術器具に振動が生じる場合がある。例えば、手術器具を把持する手術中の術者の手に振動が伝わり、術者の細かな操作の支障に繋がる可能性がある。
本開示は、振動が好適に抑制された眼科用の手術器具を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼組織の吸引流路を内部に有し、直線に沿って伸びる筒状の破壊部と、前記破壊部の先端側に設けられ、前記眼組織を切断するための刃と、前記直線上に配置され、前記直線に沿って移動するバランサー部と、動力源から供給される動力によって、前記破壊部と前記バランサー部とを同一の前記直線上で反対方向に移動させる移動機構と、前記動力源である圧縮気体発生部が発生させる圧縮気体が導入される気体室と、を備え、前記移動機構は、前記気体室の内壁の一部を成すと共に、前記気体室内に前記圧縮気体が導入されることで前記直線に沿う第1方向に前記破壊部を移動させるための第1ダイヤフラムと、前記気体室の内壁のうち前記第1ダイヤフラムと対向して配置され、前記気体室内に前記圧縮気体が導入されることで前記第1方向とは反対の第2方向に前記バランサー部を移動させるための第2ダイヤフラムと、を備え、前記破壊部は前記第1ダイヤフラムと前記第2ダイヤフラムを共に貫通する、ことを特徴とする。
本開示によれば、振動が好適に抑制された眼科用の手術器具を提供することができる。
本実施形態の手術装置および手術器具の概略構成を示す図である。 破壊部が可動開始位置にある状態の、刃部および外筒刃の先端の拡大断面図である。 破壊部が可動範囲の途中にある状態の、刃部および外筒刃の先端の拡大断面図である。 破壊部が可動終端位置にある状態の、刃部および外筒刃の先端の拡大断面図である。 破壊部およびバランサー部の動作を説明する部分断面図であり、図2に対応する図である。 破壊部およびバランサー部の動作を説明する部分断面図であり、図3に対応する図である。 破壊部およびバランサー部の動作を説明する部分断面図であり、図4に対応する図である。 手術装置の電気的構成を示すブロック図である。 手術器具の使用状態を説明する説明図である。 手術器具の変容例の断面図である。
以下、本開示における典型的な実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、患者眼に対して硝子体手術を行うために使用される手術装置1および手術器具2を例示して説明を行う。詳細には、本実施形態の手術装置1は、白内障手術および硝子体手術を共に実行することができる眼科用の装置である。以下では、手術装置1の構成のうち、硝子体手術を実行するための構成について説明する。
図1〜図7,図9を参照して、本実施形態の手術装置1および手術器具2の概略構成について説明する。図1に示すように、本実施形態の手術装置1には手術器具2が接続される。手術装置1は、接続された手術器具2を駆動する。
<手術器具の概略構成>
手術器具2について説明する。本実施形態の手術器具2は硝子体カッターであり、患者眼の硝子体組織を破壊(本実施形態では切断)する。また、本実施形態の手術器具2は、一例として、眼内に供給される灌流液と共に硝子体組織を吸引する。図1に示すように、手術器具2は、ハウジング3、外筒刃4、破壊部9、第1弾性部材15、第1ダイヤフラム12、第2ダイヤフラム72、バランサー部74、および第2弾性部材76等を備える。
ハウジング3は略筒状の部材であり、外筒刃4および破壊部9等の各種構成を保持する。ハウジング3を樹脂で形成してもよい。ハウジング3は、例えば、術者の指で把持される(図9参照)。本実施形態のハウジング3の内部には、内部空間11が形成されている。内部空間11は、第1ダイヤフラム12および第2ダイヤフラム72によって、3つの部屋に仕切られている。3つの部屋は、先端側から、第1コンパートメント14、気体室13、第2コンパートメント78、の順で配列されている。本実施形態の手術器具2は、第1コンパートメント14、気体室13、および第2コンパートメント78を、筒状の刃部6が貫通する(刃部6の詳細な説明は後述する)。
外筒刃4は、ハウジング3の内部から先端側へ真っ直ぐ延びる。外筒刃4は、ハウジング3に対して固定されている。外筒刃4の形状は、先端が壁部によって閉塞された筒状(例えば円筒状)である。外筒刃4の筒部における先端部近傍には、物質(例えば硝子体組織)を吸引するための開口である吸引口5が形成されている。本実施形態では、外筒刃4の先端部が患者眼の硝子体内に挿入されて、硝子体組織が吸引口5から吸引される(図9参照)。外筒刃4を、金属で形成してもよい。
破壊部9は、可動することで生体物質を破壊する。本実施形態の破壊部9は、刃部6およびピストン10を有する。刃部6は筒形状(いわゆる内筒刃)である。刃部6を、金属で形成してもよい。刃部6は、外筒刃4の内部において、直線(図2〜図7における左右方向に延びる軸A)に沿って可動可能である。図2〜図4に示すように、本実施形態の刃部6の外径は、外筒刃4の内径と略一致している。刃部6の先端には、開口部7が形成されている。筒状の刃部6の内部は、物質を吸引するための吸引経路8の一部を構成する。つまり、吸引経路8は、外筒刃4の吸引口5から刃部6の内部を通り、後述する廃液袋33(図1参照)へ延びる。
ピストン10は、刃部6を直線に沿って可動させるために用いられる。詳細には、ピストン10は、第1弾性部材15を介して圧縮気体の圧力を受けて、受けた圧力を用いて刃部6を軸Aの先端方向に移動させる。また、ピストン10は、第1弾性部材15からの付勢力を受けて、受けた付勢力を用いて刃部6を軸Aの後端方向に移動させる役割も兼用する。ピストン10は、円柱状の部材と円盤状の部材を接続した態様で形成している。ピストン10は、後端側から先端側まで連通した孔を有する。ピストン10を、樹脂で形成してもよい。本実施形態の破壊部9は、棒状の刃部6の途中にピストン10を接着している。詳細には、ピストン10の孔に刃部6を通した状態で、刃部6にピストン10を接着している。これによって、ピストン10に軸Aと平行な方向からの力が加わると、刃部6を含む破壊部9全体が軸Aの方向へ移動する。なお、円盤状の部材を後端側に配置させた状態で、刃部6にピストン10を接着している。
第1ダイヤフラム12よりも前方に形成された第1コンパートメント14には、第1弾性部材15およびピストン10を配置している。本実施形態の第1弾性部材15は、第1コンパートメント14内の先端とピストン10との間に配置している。第1弾性部材15は、ピストン10に軸方向後方(図1だと右方向)への付勢力を加える。第1弾性部材15が弾性的に付勢することで、圧縮気体発生部21からの動力によって移動された破壊部9を、移動前の位置(以降の説明で初期位置と呼ぶ場合がある)の方向に押し戻す。本実施形態の第1弾性部材15は、ばねである。第1弾性部材15を、金属で形成された圧縮コイルばねとしてもよい。本実施形態の第1弾性部材15の形状は、円筒形状(つまり、円筒コイルばね)であり、円筒形状の内側を刃部6が貫通する。
第1コンパートメント14を形成するハウジング3には、第1コンパートメント14の内部からハウジング3の外部まで延びる第1通気孔16が形成されている。従って、ピストン10が軸方向に移動して第1コンパートメント14の体積が変化しても、第1コンパートメント14内の圧力は大気圧に保たれる。第1コンパートメント14の後端側には、第1規制部60が形成されている。第1規制部60は、破壊部9の先端方向への移動を規制する。本実施形態では、第1コンパートメント14を形成する内壁を、軸Aから遠ざかる方向に陥没させることで第1規制部60を形成している。
ピストン10よりも基端側には、第1ダイヤフラム12が配置される。第1ダイヤフラム12は、破壊部9を先端方向に押し出すために用いられる。詳細には、第1ダイヤフラム12は、気体室13に導入される圧縮気体を動力として、破壊部9を先端方向に押し出す。本実施形態の第1ダイヤフラム12は、中心に孔の空いた円盤形状の部材である。第1ダイヤフラム12は、弾性特性を有する。第1ダイヤフラム12を、樹脂で形成してもよい。本実施形態の第1ダイヤフラム12には、前述の孔を中心とした、円環状の蛇腹形状部を有する。蛇腹形状部は、第1ダイヤフラム12が変形する際に用いられる。なお、第1ダイヤフラム12に蛇腹形状部が無くてもよい。例えば、第1ダイヤフラム12に、外力によって表面積が大きくなる(延びる)材質を適用してもよい。第1ダイヤフラム12の中心に形成されている孔の直径は、刃部6の筒状直径よりも若干小さく形成されている。第1ダイヤフラム12の弾性特性によって、第1ダイヤフラム12の中心に形成されている孔を刃部6が貫通する。
第1ダイヤフラム12の縁部は、全周にわたって、ハウジング3に固定されている。つまり、本実施形態では、第1ダイヤフラム12を用いて、内部空間11の少なくとも一部を、第1コンパートメント14と気体室13とに区分けしている。これによって、本実施形態の第1ダイヤフラム12は、気体室13の内壁の一部を成すと共に、気体室13内に圧縮気体が導入されることで直線(軸A)に沿う第1方向(先端方向)に破壊部9と共に移動する第1動力伝達部となる。本実施形態の第1ダイヤフラム12は、圧縮気体を受けて変形し、破壊部9を押し出す。つまり、変形した第1ダイヤフラム12の一部が、破壊部9と共に先端方向に移動する。なお、ピストン10を用いずに、刃部6を第1弾性部材15で直接移動させてもよい。例えば、第1弾性部材15と刃部6を接着する手法が考えられる。また、例えば、第1弾性部材15を用いなくてもよい。かかる態様では、ピストン10が気体室13の内壁の一部を成す。この場合、ピストン10の周縁部に環状パッキン(Oリング)を形成すると、気体室13から第1コンパートメント14に漏れる気体が低減すると考えられ、より好適である。
第1ダイヤフラム12よりも後端側には、第2ダイヤフラム72が配置されている。本実施形態の第2ダイヤフラム72は、第1ダイヤフラム12と同一の部材である。第1ダイヤフラム12と同様に、第2ダイヤフラム72の中心の孔を刃部6が貫通する。第2ダイヤフラム72の縁部は、全周にわたって、ハウジング3に固定されている。つまり、本実施形態では、第2ダイヤフラム72を用いて、内部空間11の少なくとも一部を、第2コンパートメント78と気体室13に区分けしている。これによって、本実施形態の第2ダイヤフラム72は、気体室13の内壁のうち第1動力伝達部と異なる部位を成すと共に、気体室13内に圧縮気体が導入されることで第1方向(先端方向)とは反対の第2方向(後端方向)にバランサー部74と共に移動する第2動力伝達部となる。なお、第1ダイヤフラム12または第2ダイヤフラム72を用いずに、他の弾性部材を用いてもよい。気体室13に導入された圧縮気体で破壊部9または後述するバランサー部74を移動できればよい。
このように、本実施形態の手術器具2は、第1動力伝達部および第2動力伝達部の少なくとも一方(本実施形態では両方)を、気体室13内の圧力の変化に応じて変形するダイヤフラムとしている。また、第1動力伝達部と第2動力伝達部を、気体室13内の空間を介して直線上(軸A上)で互いに向かい合わせに配置している。また、第1動力伝達部のうち気体室13内に面する部分の表面積と、第2動力伝達部のうち気体室13内に面する部分の表面積とを同一としている。これによって、例えば、第1動力伝達部(第1ダイヤフラム12)および第2動力伝達部(第2ダイヤフラム72)は、気体室13に導入された圧縮気体から同じ大きさの運動エネルギーを受ける。なお、第1動力伝達部のうち気体室13内に面する部分の表面積と、第2動力伝達部のうち気体室13内に面する部分の表面積とは、厳密に同一でなくてもよい。
第1ダイヤフラム12と第2ダイヤフラム72は離間して配置されている。第1ダイヤフラム12と第2ダイヤフラム72の間に形成される隙間は、圧縮気体が導入される気体室13となる。なお、ハウジング3に接続される気体導入チューブ17を介して、気体室13に圧縮気体が導入される。前述したように、第1ダイヤフラム12よりも後方の内部空間11内の空間であり、且つ、第2ダイヤフラム72に囲まれる内部空間11内の空間は、圧縮気体が導入される気体室13となる。したがって、第1ダイヤフラム12および第2ダイヤフラム72は、後述する圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が導入される気体室13の内壁の一部を成す。本実施形態の手術器具2は、動力源(圧縮気体発生部21)から供給される動力によって、破壊部9とバランサー部74とを同一の直線上で反対方向に移動させる移動機構(第1動力伝達部および第2動力伝達部)を有している。本実施形態では、第1ダイヤフラム12と第2ダイヤフラム72の間に、内部空間11に張り出す突出部が形成されている。この突出部は、第1接触部64と第2接触部66を含む。この突出部は、破壊部9とバランサー部74を初期位置に配置させるために用いられる(詳細は後述する)。
第2ダイヤフラム72よりも後方に形成された第2コンパートメント78には、バランサー部74および第2弾性部材76が配置されている。詳細には、第2ダイヤフラム72の後端側にバランサー部74が配置されており、バランサー部74と第2コンパートメント78内の後端の間に第2弾性部材76が配置されている。
バランサー部74は、破壊部9が移動した際に生じる手術器具2の振動を減衰するために用いられる。本実施形態のバランサー部74は、中心に孔の空いた円盤形状の部材である。バランサー部74の中心に形成された孔を、刃部6が貫通する。バランサー部74を、金属、樹脂等で形成してもよい。本実施形態のバランサー部74は、破壊部9と同質量で形成している。本実施形態では、軸Aに直交する平面で、刃部6とバランサー部74の間に隙間が形成されるように、第2ダイヤフラム72にバランサー部74を接着している。これによって、バランサー部74が移動する際の、バランサー部74と刃部6の間で生じる摩擦を抑制している。なお、本実施形態は一例であり、第2ダイヤフラム72にバランサー部74を接着しなくてもよい。例えば、刃部6またはバランサー部74に潤滑コーティングを行ってもよい。潤滑コーティングによって、各々の部材が接した場合の摩擦が低減され、バランサー部74がより好適に移動できる。
第2弾性部材76は、バランサー部74を弾性的に付勢するために用いられる。より詳しくは、第2弾性部材76は、バランサー部74に対して先端方向への力を加える。換言するなら、第2弾性部材76が弾性的に付勢することで、圧縮気体発生部21からの動力によって移動されたバランサー部74を、移動前の位置の方向へ押し戻す。本実施形態の第2弾性部材76は、ばねである。第2弾性部材76を、金属で形成してもよい。第2弾性部材76の形状は、円筒形状(つまり、円筒コイルばね)であり、円筒形状の内側を刃部6が貫通する。なお、本実施形態の第1弾性部材15と第2弾性部材76には、異なる部材が用いられている。破壊部9とバランサー部74とが同時にハウジング3に接触するように、第2弾性部材76の定数(ばね定数)が設定されている。
第2コンパートメント78には、バランサー部74の移動を規制する第2規制部62が形成されている。本実施形態では、第2コンパートメント78を形成する内壁を、軸Aから遠ざかる方向に陥没させることで、第2規制部62を形成している。ハウジング3には、第2コンパートメント78の内部からハウジング3の外部まで延びる第2通気孔77が形成されている。これによって、バランサー部74が軸方向に移動して第2コンパートメント78の体積が変化しても、第2コンパートメント78内の圧力は大気圧に保たれる。なお、本実施形態では、初期位置(気体室13に圧縮気体が導入されていない状態)において、破壊部9と第1規制部60との距離よりも、バランサー部74と第2規制部62との距離の方が短くなるように、第2規制部62を形成している。これによって、術者が把持する手術器具2の全長(軸A方向)を抑制している。第1弾性部材15と第2弾性部材76を同じ種類の部材としてもよい。この場合、本実施形態では、破壊部9とバランサー部74とが同一質量であるため、初期位置において、破壊部9と第1規制部60との距離と、バランサー部74と第2規制部62との距離とが、同一の距離となるように、第1規制部60および第2規制部62を形成することが好ましい。
ハウジング3の後部には、気体導入チューブ17と吸引チューブ18が接続される。気体導入チューブ17は、手術装置1と気体室13との間で気体を移動させる経路の一部となる。本実施形態では、一例として、気体導入チューブ17が気体室13に導入する気体を、空気としている。吸引チューブ18は、筒状の刃部6内に形成された流体の経路を手術装置1に接続する。
<破壊部とバランサー部の動作>
図2〜7を用いて、本実施形態の手術器具2の、破壊部9とバランサー部74の動作を説明する。図2に示すように、破壊部9に対して切断動力が加えられていない場合、刃部6の先端の開口部7は、吸引口5よりも後端側の可動開始位置にある。この状態では、吸引経路8は完全に開放されているので、吸引経路8内の流体に吸引圧(負圧)が加えられると、物質が吸引口5から吸引経路8に引き込まれる。
なお、図2の状態では、第1弾性部材15が破壊部9を弾性的に付勢している。換言すると、第1弾性部材15は、破壊部9を後端方向へ付勢している。また、第2弾性部材76がバランサー部74を弾性的に付勢している。換言すると、第2弾性部材76は、バランサー部74を先端方向へ付勢している。したがって、図5で示すように、破壊部9のピストン10は、第1弾性部材15によって、内部空間11に張り出す第1接触部64に押し付けられている。また、バランサー部74は、第2弾性部材76によって、内部空間11に張り出す第2接触部66に押し付けられている。
つまり、ピストン10が第1弾性部材15と第1接触部64に挟み込まれて、破壊部9は初期位置で保持された状態となる。また、バランサー部74は、第2弾性部材76と第2接触部66に挟み込まれて、初期位置で保持された状態となる。なお、初期位置とは、破壊部9(またはバランサー部74)が移動する前の位置である。換言すると、初期位置とは、気体室13に圧縮気体が導入されていない状態で、破壊部9(またはバランサー部74)が待機する待機位置である。
図2および図3で示すように、破壊部9に切断動力が加えられると、破壊部9(刃部6)は、可動範囲内を可動終端位置に向けて可動する。その結果、吸引口5から引き込まれた物質に刃部6の開口部7が接触し、物質が切断される。つまり、刃部6の開口部7が、物質を切断する刃として機能する。なお、破壊部9(刃部6)が可動終端位置に近づくにつれて、吸引口5が徐々に刃部6によって閉塞されていく。
図2の状態を、図6を用いて説明する。気体室13に圧縮気体が導入されると、第1ダイヤフラム12と第2ダイヤフラム72が変形する。図6で示すように、第1ダイヤフラム12と第2ダイヤフラム72は、互いが遠ざかる方向に変形する。これによって、変形した第1ダイヤフラム12は、ピストン10を押して、破壊部9を先端方向に移動させる。また、変形した第2ダイヤフラム72は、バランサー部74を押して、バランサー部74を後端方向に移動させる。なお、本実施形態の手術器具2は、気体室13に圧縮気体が導入されると、破壊部9とバランサー部74の移動を同時に開始させる。
図4に戻る。図4で示すように、破壊部9に十分な切断動力が加えられると、物質が完全に切断されて、吸引口5が刃部6によって閉塞される。本実施形態では、破壊部9が可動終端位置に位置される状態では、外筒刃4の壁部よりも若干後端側(軸方向の後端側)に刃部6の開口部7が位置する。つまり、破壊部9の可動終端では、刃部6の開口部7と外筒刃4の壁部が離間している。これによって、外筒刃4の壁部と接触した開口部7の先端が損傷(刃こぼれ)する事象を抑制している。また、本実施形態では、破壊部9が可動終端位置に達すると、外筒刃4の吸引口5は刃部6によって完全に閉塞される。
図4の状態を、図7を用いて説明する。図7においては、ピストン10が第1規制部60に接触している。つまり、ピストン10が第1規制部60に接触することで、破壊部9の可動が停止する。本実施形態では、ピストン10が第1規制部60に接触するタイミングで、バランサー部74が第2規制部62に接触する。ピストン10とバランサー部74とが同時にハウジング3に接触することで、破壊部9が動いた際のハウジング3の振動が減衰される。より詳しくは、破壊部9が第1規制部60に接触する直前の運動エネルギーKaと、バランサー部74が第2規制部62に接触する直前の運動エネルギーKbとが同一であり、かつ逆方向となるように手術器具2を構成する部材を形成している。運動エネルギーKaと運動エネルギーKbとが同一となるように、第2弾性部材76の弾性係数、バランサー部74の移動可能量を設定すると好ましい。例えば、バランサー部74の質量を、破壊部9の質量と同質量すると好適である。また、例えば、第1ダイヤフラム12と第2ダイヤフラム72に同じ部材を用いると好適である。
なお、運動エネルギーKaと運動エネルギーKbとが厳密に同一である必要は無い。例えば、運動エネルギーKbが運動エネルギーKaの50%であってもよい。この場合でも、バランサー部74が設けられていない場合に比べて振動は減衰される。また、運動エネルギーKaの方向と運動エネルギーKbの方向とが厳密に反対方向である必要はない。例えば、バランサー部74が軸Aとは異なる軸方向に移動してもよい。破壊部9が第1規制部60に接触した際にハウジング3へ付与する力(衝撃)を、バランサー部74が第2規制部62に接触した際にハウジング3へ付与する力で低減できればよい。
以上のように、本実施形態の手術器具2は、破壊部9を可動させることで物質を破壊する。詳細には、破壊部9の刃部6は、切断動力が加えられることで一方向(本実施形態では軸方向の先端側)に可動し、先端の開口部7によって物質を切断する。また、破壊部9への切断動力の印加が停止すると、破壊部9は反対方向(本実施形態では軸方向の後端側)に可動する。本実施形態においては、第1弾性部材15が破壊部9を弾性的に付勢して、破壊部9を反対方向(後端方向)に可動する。また、第2弾性部材76がバランサー部74を弾性的に付勢して、バランサー部74を反対方向(先端方向)に可動する。
本実施形態の手術装置1は、破壊部9の一往復を1つのサイクルとし、このサイクルを繰り返させることで、物質を断続的に切断させる。また、本実施形態では、吸引経路8の閉塞状態が、破壊部9の可動に伴って変化する。なお、破壊部9が初期位置に戻る前に次の前進を進めてもよい。換言すると、第1弾性部材15の付勢によって、ピストン10が初期位置に戻る前(戻り途中)に、気体室13に圧縮気体を供給し、ピストン10を先端方向へ進めてもよい。前述したバランサー部74によって、物質を断続的に切断させている最中においても、手術器具2の振動が減衰される。図9で手術器具2の使用状態の一例を示す。バランサー部74によって、手術器具2を把持する術者の指に振動が伝わり難く、術者の手術器具2の操作が容易になる。
<手術装置の概略構成>
次いで、手術装置1について説明する。図1に示すように、本実施形態の手術装置1は、圧縮気体発生部21、レギュレータ22、気体圧センサ23、電磁弁25、マフラー30、吸引ポンプ32、および廃液袋33等を備える。
圧縮気体発生部21(コンプレッサー)は、手術器具2の破壊部9を可動させるための動力源として用いられる。つまり、本実施形態では、圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が、手術器具2の気体室13に導入されることで、手術器具2が駆動される。本実施形態では、圧縮気体発生部21は手術装置1の内部に組み込まれている。しかし、圧縮気体発生部21は、手術装置1の外部に設けられていてもよい。また、本実施形態の手術装置1は空気を圧縮して使用するが、空気以外の気体を用いることも可能である。
レギュレータ22は、圧縮気体発生部21から電磁弁25に延びる気体の経路に設けられている。レギュレータ22は、圧縮気体発生部21から電磁弁25に向けて送られる圧縮気体の圧力を、設定圧力以下にする。本実施形態では、CPU50(図8参照)を含む制御部からの信号によって電動で駆動する電動駆動レギュレータが用いられている。しかし、ユーザが手動で設定圧力を調整するレギュレータを採用してもよい。
気体圧センサ23は、レギュレータ22から電磁弁25に延びる気体の経路に設けられている。気体圧センサ23は、レギュレータ22から電磁弁25に供給される圧縮気体の圧力を検出する。なお、気体圧センサ23は、電磁弁25から気体導入チューブ17に延びる気体の経路に設けられていてもよい。
電磁弁25は、手術器具2の気体室13への圧縮気体の導入、および導入の停止を切り換える。本実施形態では、電磁弁25のハウジングには、注入口P、排気口R、出力ポートA、および出力ポートBが設けられている。電磁弁25の電磁コイル26に通電が行われると、可動鉄心が固定鉄心側に引き寄せられて弁が移動する。その結果、注入口Pと出力ポートBが接続される(弁が開く)。電磁コイル26への通電が遮断されると、ばね27の付勢力によって弁が移動する。その結果、排気口Rと出力ポートBが接続されると共に、注入口Pと出力ポートAが接続される。出力ポートAには蓋28が設けられているので、電磁コイル26への通電が遮断されている間は、注入口Pは閉塞状態とされる(弁が閉じる)。CPU50(図8参照)によって電磁コイル26への通電のON/OFFが制御されることで、電磁弁25が開閉され、気体室13への圧縮気体の導入と導入の停止とが切り換えられる。
電磁弁25のON/OFFの周期(1サイクルの時間)は、カットレート(カッティング速度)に基づいて設定される。カットレートとは、単位時間あたりに実行されるサイクルの回数であり、本実施形態では「回数/分」の単位で表される。1サイクルにおけるON時間は、デューティー比(つまり、1つのサイクルの時間に対する、切断動力が加えられるON時間の比)として設定される。本実施形態のCPU50は、設定された値に基づいて、手術器具2の破壊部9を繰り返し往復可動させることで、硝子体組織を細かく切断する。
マフラー30は、電磁弁25の排気口Rから延びる気体の経路に接続されている。電磁弁25を通じて手術器具2から排出される圧縮気体は、マフラー30を経て外部に排出される。その結果、排気によって生じる騒音が低減される。
吸引ポンプ32は、吸引経路8内の流体に吸引圧を加えることで、手術器具2の吸引口5から流体を吸引する。吸引ポンプ32には種々の構成を使用することができる。例えば、可撓性を有する流路を押圧しながら回転することで吸引圧を発生させるペリスタリックポンプ(蠕動型ポンプ)を採用できる。また、加圧した気体をベンチュリー管に送って低い圧力を作り出すベンチュリーポンプを採用してもよい。また、手術装置1は、複数種類の吸引ポンプ32を備えてもよい。吸引ポンプ32からの吸引圧によって吸引された流体は、吸引経路8に接続された廃液袋33に排出される。
<手術装置の電気的構成>
次いで、図8を参照して、本実施形態の手術装置1の電気的構成について説明する。手術装置1は、手術装置1の制御を司るCPU50を備える。CPU50は、手術器具2の駆動制御等を含む各種制御を行う。つまり、CPU50は、手術装置1の制御部の一部である。CPU50には、RAM51、ROM52、不揮発性メモリ53、表示部55、操作部56、フットスイッチ57、外部通信I/F58、圧縮気体発生部21、レギュレータ22、気体圧センサ23、電磁弁25、および吸引ポンプ32が、バスを介して接続されている。
RAM51は、各種情報を一時的に記憶する。ROM52には、CPU50が実行するプログラム、および各種初期値等が記憶されている。不揮発性メモリ53は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。
表示部55は各種情報を表示する。操作部56は、ユーザによって操作されることで、ユーザからの各種操作指示の入力を受け付ける。操作部56としては、各種ボタン等を備えた操作パネル、表示部55の表面に設けられたタッチパネル、およびマウス等、種々の構成を採用できる。フットスイッチ57は、ユーザ(術者)が手術器具2の動作指示を入力するために、ユーザの足によって操作される。外部通信I/F58は、手術装置1と外部装置100との間の通信(有線通信でも無線通信でもよい)を行うことができる。
<手術器具の変容例>
次いで、図10を用いて、手術器具2の変容例を説明する。図10は、変容例として示す手術器具102の概略説明図である。なお、図1に示した手術器具2と同じ符号の箇所の説明は省略する。前述の手術器具2が有していた第1弾性部材15および第2弾性部材76を、手術器具102は有さない。手術器具102は、第2気体室82、第3気体室88、第3動力伝達部、および第4動力伝達部を有する。第2気体室82および第3気体室88には、圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が、手術器具102に接続される気体導入チューブ86を介して導入される。なお、気体導入チューブ86は、気体導入チューブ17とは別ルートで、圧縮気体発生部21が発する動力を手術器具2へ伝達する。
本実施形態の第2気体室82は、圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が導入される部屋であり、第1動力伝達部(第1ダイヤフラム12)よりも先端方向側に配置されている。本実施形態の第3気体室88は、圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が導入される部屋であり、第2動力伝達部(第2ダイヤフラム72)よりも後端方向側に配置されている。
第3動力伝達部は、第2気体室82の内壁の一部を成すと共に、第2気体室82内に圧縮気体が導入されることで後端方向に破壊部9と共に移動する伝達機構である。本実施形態では、第1ダイヤフラム12を第3動力伝達部として用いている。換言すると、第1ダイヤフラム12を、第1動力伝達部と第3動力伝達部とで兼用している。第4動力伝達部は、第3気体室88の内壁の一部を成すと共に,第3気体室88内に圧縮気体が導入されることで先端方向にバランサー部74と共に移動する伝達機構である。本実施形態では、第2ダイヤフラム72を第4動力伝達部として用いている。換言すると、第2ダイヤフラム72を、第2動力伝達部と第4動力伝達部とで兼用している。
変容例の手術器具102では、気体室13に圧縮気体を導入して、ピストン10およびバランサー部74を移動させるまでは手術器具2と同様である。一方、気体室13への圧縮気体の導入を停止し、その後、気体導入チューブ86を介して手術器具2の内部に導入される圧縮気体によって、ピストン10およびバランサー部74が移動前の位置の方向に戻す点が前述した手術器具2と異なる。詳細には、第1コンパートメント14(第2気体室82)および第2コンパートメント78(第3気体室88)に圧縮気体が導入されて、ピストン10およびバランサー部74が移動前の位置(初期位置)の方向に戻される。
なお、気体室13、第1コンパートメント14、および第2コンパートメント78に導入させる圧縮気体の制御はこれに限るものでない。例えば、気体室13に圧縮気体を導入させながら、第1コンパートメント14および第2コンパートメント78に圧縮気体を導入させてもよい。これによって、ピストン10またはバランサー部74の移動に弾性部材(第1弾性部材15,第2弾性部材76)を用いる場合に対して、ピストン10またはバランサー部74のより複雑な移動制御ができると考えられる。また、ピストン10またはバランサー部74の移動のために弾性部材(第1弾性部材15,第2弾性部材76)を用いる場合に対して、手術器具2を組み付ける際の精密な組立、およびバネのばらつきおよび組立のバラツキが抑制される。これによって、手術器具2を容易に製造できる。
<作用および効果>
本実施形態の手術器具2は、直線(軸A)に沿って移動することで生体組織を破壊する破壊部9と、直線上に配置され、直線に沿って移動するバランサー部74と、動力源(例えば圧縮気体発生部21)から供給される動力によって、破壊部9とバランサー部74とを同一の直線上で反対方向に移動させる移動機構(例えば、第1ダイヤフラム12,第2ダイヤフラム72)を備えている。これによって、破壊部9で生体組織を破壊する際に生じる手術器具2の振動を好適に減衰できる。例えば、術者が、手術器具2を把持しながらも、繊細な手術を行うことが容易となる。また、破壊部9を高速駆動させても、振動が好適に減衰され、手術器具2の操作が容易になる。
また、本実施形態の手術器具2は、動力源である圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が導入される気体室13を備えており、移動機構(例えば、第1ダイヤフラム12,第2ダイヤフラム72)は、気体室13の内壁の一部を成すと共に、気体室13内に圧縮気体が導入されることで直線(軸A)に沿う第1方向(例えば先端方向)に破壊部9と共に移動する第1動力伝達部(例えば第1ダイヤフラム12)と、気体室13の内壁のうち第1動力伝達部と異なる部位を成すと共に、気体室13内に圧縮気体が導入されることで第1方向とは反対の第2方向(例えば後端方向)にバランサー部74と共に移動する第2動力伝達部(例えば第2ダイヤフラム72)を備えている。これによって、例えば、手術器具2の大型化を抑制でき、術中の手術器具2の取り扱いが容易となる。また、手術器具2の構成が簡素となり、手術器具2を安価に提供できる。
また、本実施形態の手術器具2は、第1動力伝達部(例えば第1ダイヤフラム12)および第2動力伝達部(例えば第2ダイヤフラム72)の少なくとも一方を、気体室13内の圧力の変化に応じて変形するダイヤフラムとしている。これによって、より簡素な構成で手術器具2を提供できる。例えば、手術器具2をディスポーサブルタイプ(使い捨てタイプ)とする場合、振動を好適に減衰した、安価な手術器具2を提供できる。また、手術器具2の大型化を抑制できるため、操作性が好適な手術器具2を提供できる。
また、本実施形態の手術器具2は、第1動力伝達部(例えば第1ダイヤフラム12)と第2動力伝達部(例えば第2ダイヤフラム72)を、気体室13内の空間を介して直線上で互いに向かい合わせに配置している。これによって、例えば、1つの気体室(気体室13)で破壊部9とバランサー部74を共に駆動できる。また、バランサー部74で効率よく振動を減衰できる。手術器具2の大型化を抑制でき、また、手術器具2を簡素な構成にできる。
また、本実施形態の手術器具2は、第1動力伝達部(例えば第1ダイヤフラム12)のうち気体室13内に面する部分の表面積と、第2動力伝達部(例えば第2ダイヤフラム72)のうち気体室13内に面する部分の表面積とを同一としている。これによって、例えば、第1動力伝達部と第2動力伝達部は、気体室13に導入された圧縮気体から同じ大きさの運動エネルギーを受ける。したがって、より効率よく振動を減衰できる。また、例えば、第1動力伝達部と第2動力伝達部を1種類のダイヤフラムで形成できる。これによって、手術器具2を構成する部材の種類の増加を抑制でき、振動が好適に減衰された手術器具2を安価に製造できる。
また、本実施形態の変容例の手術器具102は、第1動力伝達部(例えば第1ダイヤフラム12)よりも第1方向(例えば先端方向)側に配置され、圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が導入される第2気体室82と、第2気体室82の内壁の一部を成すと共に、第2気体室82内に圧縮気体が導入されることで第2方向(例えば後端方向)に破壊部9と共に移動する第3動力伝達部(例えば第1ダイヤフラム12)を備えている。これによって、例えば、ハウジング3の内部空間11を簡素な構成にでき、手術器具2を安価に製造できる。また、弾性部材を用いて、破壊部9を第2方向に移動させる場合に対して、手術器具2の個体差(弾性部材の個体差、または弾性部材の組み付け個体差)が生じ難くなり、破壊部9の複雑な移動制御が可能になると考えられる。
また、本実施形態の変容例の手術器具102は、第2動力伝達部(例えば第2ダイヤフラム72)よりも第2方向(後端方向)側に配置されており,圧縮気体発生部21が発生させる圧縮気体が導入される第3気体室88と、第3気体室88の内壁の一部を成すと共に,第3気体室88内に圧縮気体が導入されることで第1方向(先端方向)にバランサー部74と共に移動する第4動力伝達部(例えば第2ダイヤフラム72)を備える。これによって、例えば、手術器具2の部品点数を抑制しつつ、振動が好適に減衰された手術器具2を提供できる。
また、本実施形態の手術器具2の移動機構は弾性部材(第2弾性部材76)を含み、弾性部材が弾性的に付勢することで、動力源(例えば圧縮気体発生部21)からの動力によって移動されたバランサー部74を移動前の位置の方向に押し戻す。これによって、例えば、手術器具2の内部が簡素な流路構造であっても、動力源からの動力によって移動されたバランサー部74を好適に移動前の位置の方向に押し戻すことができる。
また、本実施形態の手術器具2の破壊部9は、動力源(例えば圧縮気体発生部21)からの動力によって直線(軸A)に沿って先端側に前進し、バランサー部74は、破壊部9よりも後端側に配置されている。これによって、例えば、ハウジング3の先端側の容積、または重量を増加することなく、手術器具2の振動を好適に減衰できる。術者が把持し易い手術器具2を提供できる。
また、本実施形態の手術器具2は、動力によって移動した破壊部9に接触することで破壊部9の移動量を規制する第1規制部60と、動力によって移動したバランサー部74に接触することで、バランサー部74の移動量を規制する第2規制部62を備えており、破壊部9が第1規制部60に接触するタイミングと、バランサー部74が第2規制部62に接触するタイミングとが同時となるように構成している。これによって、簡素な構成でありながらも、手術器具2の振動をより好適に減衰できる。手術器具2が第1ダイヤフラム12(または第2ダイヤフラム72)を有さず、破壊部9(またはバランサー部74)が直接、圧縮気体の圧力を受けて移動する態様にも適用できる。
また、本実施形態の手術器具2は、破壊部9と同質量でバランサー部74が形成されている。これによって、簡素な構成でありながらも、手術器具2の振動をより好適に減衰できる。
なお、本実施形態においては、破壊部9またはバランサー部74の駆動に圧縮気体を用いているが、これに限るものではない。例えば、手術器具2にアクチュエータ(例えば、モータ、ソレノイド等)を搭載して、電気信号を入力して破壊部9またはバランサー部74を移動させてもよい。つまり、手術器具2に入力される電気信号(電力信号または制御信号)を動力として用いて、破壊部9とバランサー部74を直線上で反対方向に移動させてもよい。また、液体を導入して破壊部9またはバランサー部74を移動させてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :手術装置
2 :手術器具
9 :破壊部
74 :バランサー部
21 :圧縮気体発生部
12 :第1ダイヤフラム
72 :第2ダイヤフラム

Claims (2)

  1. 眼組織の吸引流路を内部に有し、直線に沿って伸びる筒状の破壊部と、
    前記破壊部の先端側に設けられ、前記眼組織を切断するための刃と、
    前記直線上に配置され、前記直線に沿って移動するバランサー部と、
    動力源から供給される動力によって、前記破壊部と前記バランサー部とを同一の前記直線上で反対方向に移動させる移動機構と、
    前記動力源である圧縮気体発生部が発生させる圧縮気体が導入される気体室と、
    を備え、
    前記移動機構は、
    前記気体室の内壁の一部を成すと共に、前記気体室内に前記圧縮気体が導入されることで前記直線に沿う第1方向に前記破壊部を移動させるための第1ダイヤフラムと、
    前記気体室の内壁のうち前記第1ダイヤフラムと対向して配置され、前記気体室内に前記圧縮気体が導入されることで前記第1方向とは反対の第2方向に前記バランサー部を移動させるための第2ダイヤフラムと、
    を備え、
    前記破壊部は前記第1ダイヤフラムと前記第2ダイヤフラムを共に貫通する、
    ことを特徴とする眼科用の手術器具。
  2. 請求項1に記載の手術器具であって、
    前記動力によって移動した前記破壊部に接触することで前記破壊部の移動量を規制する第1規制部と、
    前記動力によって移動した前記バランサー部に接触することで、前記バランサー部の移動量を規制する第2規制部とを備え、
    前記破壊部が前記第1規制部に接触するタイミングと、前記バランサー部が前記第2規制部に接触するタイミングとが同時であることを特徴とする眼科用の手術器具。
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