JP6507542B2 - バイオマーカーを用いた組換えタンパク質生産量の予測方法 - Google Patents
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Description
項1.
組換えタンパク質の生産量レベルを予測する方法であって、宿主細胞としてイノシトールリン酸の代謝に関連するタンパク質群から選ばれる1つ以上のタンパク質を発現する能力を有する細胞を用い、前記宿主細胞による前記タンパク質の生産量、または、前記宿主細胞による前記タンパク質をコードするDNAの発現量を定量することによって、前記組換えタンパク質の生産量レベルを予測する方法。
項2.
イノシトールリン酸の代謝に関連するタンパク質が、Inositol pyrophosphate phosphatase(以下、イノシトールポリリン酸ホスファターゼとも表記する。)(EC 3.1.3.56またはEC 3.1.3.62)である、項1に記載の方法。
項3.
イノシトールリン酸の代謝に関連するタンパク質が、Inositol polyphosphate−5−phosphatase(以下、イノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼとも表記する。)(EC 3.1.3.56)である、項1に記載の方法。
項4.
宿主として動物細胞を用いる、項1から3のいずれかに記載の方法。
項5.
宿主として哺乳類細胞を用いる、項4に記載の方法。
項6.
宿主としてCHO細胞を用いる、項5に記載の方法。
項7.
DNAの発現量の定量を、定量PCRを用いて行う、項1から6のいずれかに記載の方法。
項8.
宿主が発現するイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼが、配列番号3または4で示されるアミノ酸配列を有する、項7に記載の方法。
項9.
宿主が発現するイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼをコードするDNAが、配列番号1または2で示される塩基配列である、項7に記載の方法。
本発明の実施形態の一つは、組換えタンパク質の生産量レベルを予測する方法であって、宿主細胞としてイノシトールリン酸の代謝に関連するタンパク質群から選ばれる1つ以上のタンパク質を発現する能力を有する細胞を用い、バイオマーカーとして、前記宿主細胞の前記タンパク質の生産量、または、前記宿主細胞の前記タンパク質をコードする遺伝子の発現量を定量することによって、前記組換えタンパク質の生産量レベルを予測する方法である。
例えば、組換えタンパク質の産生に一般的に用いられるチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)や、マウスミエローマ細胞(NSO)、ベビーハムスターキドニー細胞(BHK)、ヒト繊維肉腫細胞(HT1080)、COS細胞などの細胞が例示されるが、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)が好適に使用される。ただし、上述の宿主細胞に限定されるものではなく、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、ブタなどの動物由来の細胞なども対象とすることができる。また、酵母、昆虫細胞などを用いたタンパク質生産システムにおける実施にも応用しうる。前記宿主細胞は、CHO細胞等において予め無血清馴化を済ませた細胞であってもよい。これらの細胞は市販のものを入手することができる。
なお、NGSとは、一般的に、近年市場に現れたDNAシークエンサーの内、サンガー法を原理とするキャピラリーシークエンサーと対比される一群の装置の総称であり、例えば、イルミナ社のMiSeqやHiSeqなどがある。
なお、細胞種が変われば、配列も変わる。
前記発現差解析においてバイオマーカーの発現量を確認することができる方法は特に限定されるものではないが、例えば、後述の実施例1に示すCHO−K1細胞株のような、組換えタンパク質の生産量とバイオマーカーの発現量とが相関しており、かつ、培養時にある特定の薬剤(実施例1ではピューロマイシン)が存在する場合と存在しない場合とで前記生産量および前記発現量に差がある細胞株を用いて、前記生産量および前記発現量の低い条件で培養したものを基準試料とし、前記生産量および前記発現量の高い条件で培養したものを被検試料として発現量の比較を行えばよい。
また、発現差解析における基準試料および被検試料の設定は、サンプリングポイントの異なる同じ細胞株由来の試料間で行っても良いし、由来となる細胞株が異なっていても良い。
<組換えタンパク質の生産量予測方法>
(1)基準とする試料の組換えタンパク質量を定量するステップ。
(2)基準とする(1)と同試料のイノシトールポリリン酸ホスファターゼの発現を定量するステップ。
(3)組換えタンパク質の生産量を予測したい被検試料のイノシトールポリリン酸ホスファターゼの発現量を定量するステップ。
(4)基準試料と、被検試料とで、イノシトールポリリン酸ホスファターゼの発現量を比較するステップ。
(5)組換えタンパク質生産量とイノシトールポリリン酸ホスファターゼの発現量は比例するため、基準試料の既知の組換えタンパク質生産量から、被検試料での組換えタンパク質生産量レベルを予測するステップ。
これらは、NGSを用いたRNA−seqによる発現差解析、qPCRを用いた解析、DNAマイクロアレイを用いた発現差解析およびELISA等の方法で定量することができるが、迅速に定量できることからqPCRを用いて行うことが好ましい。
組換えタンパク質生産量と発現量が相関関係にあるバイオマーカーをスクリーニングする目的でNGSを用いた発現差解析を行った。
CHO細胞系統では、薬剤選択マーカー発現カセットを用いた薬剤選択に使用される薬剤であるピューロマイシンを除去することにより組換えタンパク質の生産量が低下する細胞株が少なからず存在する。そこで、本実施例ではさらに、前記細胞系統から、宿主細胞の培養時に、ピューロマイシンを除去することで、組換えタンパク質であるヒト化IgG抗体の生産量が27mg/Lから1mg/Lに著しく低下した細胞株を選抜した。
この細胞株を用いて、培養時のピューロマイシンの存在時・非存在時におけるヒト化IgG抗体の生産量の差をバイオマーカー候補の発現量と比較することにより、組換えタンパク質生産量と発現量が相関関係にあるバイオマーカーをスクリーニングすることができる。
実施例1より、ピューロマイシンの有無で発現量に差があったイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼについて、組換えタンパク質の生産量レベルとの相関を確認する目的で、ピューロマイシン除去後の組換えタンパク質の生産量レベルが異なる複数の細胞株で、qPCRを用いて発現量を確認した。(ピューロマイシン除去前の細胞株由来の試料を基準試料、ピューロマイシン除去後の細胞株由来の試料を被検試料とした。)
実施例2より、イノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼの発現量が組換えタンパク質の生産量と高い相関を示すことが示唆されたが、組換えタンパク質の生産量の変化後、時間を要してイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼの発現量変化が起きている場合、組換えタンパク質の生産レベルを迅速に予測する用途に利用することができない。そのため、組換えタンパク質の生産レベルとイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼの発現量の変化との関係を時間的に確認した。
実施例2及び3では、本来のイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼの発現量が細胞株によって大きく異なる可能性を考慮し、同じ細胞株で組換えタンパク質の生産量変化前後の発現差を基準として、組換えタンパク質の生産量変化と比較した。つまり、実施例2及び3の場合、細胞株ごとに、事前のサンプリングを行い、ベースとなるイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼの発現量を確認する労力を要する。そこで、組換えタンパク質の生産量低下前の事前サンプリングを行うことなく、組換えタンパク質の生産量レベルを予測可能か検討した。
Claims (4)
- 組換えタンパク質の生産量レベルを予測する方法であって、イノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼ(Inositol polyphosphate−5−phosphataseとも表記する)を発現する能力を有するCHO細胞を宿主細胞として用い、前記宿主細胞による前記イノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼの生産量、または、前記宿主細胞による前記イノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼをコードするDNAの発現量を定量することによって、前記組換えタンパク質の生産量レベルを予測する方法。
- DNAの発現量の定量を、定量PCRを用いて行う、請求項1に記載の方法。
- 宿主が発現するイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼが、配列番号3または4で示されるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の方法。
- 宿主が発現するイノシトールポリリン酸−5−ホスファターゼをコードするDNAが、配列番号1または2で示される塩基配列である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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