JP6505520B2 - 衛星通信システム、小型地球局及び消費電力削減方法 - Google Patents
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Description
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における衛星通信システム100のシステム構成図である。
衛星通信システム100は、複数の小型地球局10−1〜10−2、衛星20、管制局30及び設定端末40を備える。小型地球局10−1は、局内ネットワーク50−1に接続している。小型地球局10−2は、局内ネットワーク50−2に接続している。小型地球局10−1、小型地球局10−2及び管制局30のそれぞれは、衛星20を介して互いに通信を行う。また、局内ネットワーク50−1には、設定端末40が接続されている。
衛星通信システム100は、複数の小型地球局10と、複数の小型地球局10それぞれが接続している局内ネットワーク50と設定端末40とを含むサブシステム60を構成する。サブシステム60は、衛星通信システム100に複数存在する。なお、以下の説明では、小型地球局10−1及び10−2について特に区別しない場合には小型地球局10と記載する。また、以下の説明では、局内ネットワーク50−1及び50−2について特に区別しない場合には局内ネットワーク50と記載する。
管制局30は、小型地球局10からの要求に応じて帯域の割り当て及びチャネルの割り当てを行うことによって小型地球局10間の回線を確立する。
設定端末40は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。設定端末40は、ユーザの操作に応じて動作モード変更要求を小型地球局10−1に送信する。
局内ネットワーク50は、どのように構成されたネットワークであってもよい。局内ネットワーク50は、例えば事業所内IP(Internet Protocol)ネットワークや電話交換網である。
小型地球局10は、アンテナ101、低雑音増幅部102、周波数変換部103、電力増幅部104、合成分配部105、変復調部106(106−1〜106−N:Nは4以上の整数)、回線制御部107、インタフェース部108(108−1〜108−(N−1))、動作モードインタフェース部109、動作モード制御部110及びバッテリー111を備える。
低雑音増幅部102は、アンテナ101を介して受信された信号を増幅する。
周波数変換部103は、増幅された信号をダウンコンバートする。また、周波数変換部103は、合成分配部105から出力された信号をアップコンバートする。
電力増幅部104は、アップコンバートされた信号を電力増幅する。
変復調部106は、合成分配部105から出力された信号を復調する。変復調部106は、インタフェース部108を介して入力された送信対象となるデータを変調する。なお、変復調部106−1は、管制局30から送信された信号を復調する。変復調部106−2は、緊急事態を知らせる一斉指令用の信号を復調する。変復調部106−3〜106−Nは、一般回線用の信号を復調する。ここで、一般回線用の信号とは、他の小型地球局10から送信された信号や、局内ネットワーク50内の装置から送信された信号である。
回線制御部107は、管制局30との制御回線を確立する。
動作モードインタフェース部109は、アンテナ101によって受信された動作モード変更指示をインタフェース部108を介して取得する。動作モードインタフェース部109は、設定端末40から出力された動作モード変更要求を入力し、動作モード制御部110に出力する。
バッテリー111は、蓄電している電力を小型地球局10が備える各機能部に供給する。
動作モードテーブルは、動作モードレコード51を複数有する。動作モードレコード51は、モードID、1chあたりの帯域における通信速度、変復調部動作数及び動作させる変復調部の各値を有する。モードIDの値は、小型地球局10に設定させる動作モードを識別するための識別情報を表す。1chあたりの帯域における通信速度の値は、同じ動作モードレコード51のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10に設定させる場合に要求する1chあたりの帯域における通信速度を表す。変復調部動作数の値は、同じ動作モードレコード51のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10に設定させた場合に動作させる変復調部の数を表す。動作させる変復調部の値は、同じ動作モードレコード51のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10に設定させた場合に動作させる変復調部を表す。
以上のように、小型地球局10は、自装置の動作モードに従って変復調部106の動作を制御する。上記の各モードIDの中でモードID“1”が最も電力消費が少なく、モードID“3”が最も電力消費が多い。
小型地球局別モード情報テーブルは、小型地球局別モード情報レコード52を複数有する。小型地球局別モード情報レコード52は、モードID及び小型地球局IDの各値を有する。モードIDの値は、小型地球局10に設定させる動作モードを識別するための識別情報を表す。小型地球局IDの値は、同じ小型地球局別モード情報レコード52のモードIDで識別される動作モードを設定させる小型地球局10を識別するための識別情報を表す。例えば、小型地球局IDの値は、小型地球局10のMACアドレスであってもよいし、小型地球局10を識別することができる情報であればどのような情報であってもよい。
設定端末40は、ユーザの操作に応じて動作モード変更要求を小型地球局10−1に送信する(ステップS101)。この動作モード変更要求には、モードIDと、小型地球局10−2の宛先情報とが含まれる。小型地球局10−1は、小型地球局10−2に設定させる動作モードに応じた帯域分の回線を管制局30に要求する(ステップS102)。具体的には、小型地球局10−1は、記憶している小型地球局別モード情報テーブルを参照して、動作モード変更要求に含まれる宛先情報に対応する小型地球局別モード情報レコード52からモードIDの値を取得する。次に、小型地球局10−1は、動作モードテーブルを参照して、取得したモードIDに対応する動作モードレコード51から1chあたりの帯域における通信速度及び変復調部動作数の各値を取得する。そして、小型地球局10−1は、1chあたりの帯域における通信速度及び変復調部動作数を含む回線要求を生成する。なお、この回線要求には、小型地球局10−1が通信を行う小型地球局10−2の宛先情報も含まれる。
管制局30は、小型地球局10−1からの要求に応じて、小型地球局10−1及び小型地球局10−2にchを割り当てる(ステップS103及びステップS104)。そして、管制局30は、要求された帯域分の回線を確立する(ステップS105)。
小型地球局10−2は、小型地球局10−1から送信された動作モード変更指示を受信する。小型地球局10−2は、衛星20を介して、受信した動作モード変更指示の可否に対する応答(以下、「モード変更可否応答」という。)を小型地球局10−1に送信する(ステップS107)。具体的には、小型地球局10−2は、動作モード変更指示に含まれるモードIDで識別される動作モードで自装置が動作可能であるか否か判定する。動作モード変更指示に含まれるモードIDで識別される動作モードで自装置が動作可能である場合、小型地球局10−2は動作可能である旨を示すモード変更可否応答(OK)を、衛星20を介して小型地球局10−1に送信する。
一方、動作モード変更指示に含まれるモードIDで識別される動作モードで自装置が動作不可能である場合、小型地球局10−2は動作不可能である旨を示すモード変更可否応答(NG)を衛星20を介して小型地球局10−1に送信する。図5では、小型地球局10−2が動作可能である場合を例に説明する。
また、ステップS203の処理において、動作モードの設定が不可能である旨のモード変更可否応答が受信された場合(ステップS203−NO)、動作モード制御部110は異なる動作モード変更指示を小型地球局10−2に送信する(ステップS208)。ここで、異なる動作モード変更指示とは、ステップS202の処理で送信された動作モード変更指示に含まれるモードIDとは異なるモードIDが含まれる指示である。例えば、異なる動作モード変更指示には、ステップS202の処理で送信された動作モード変更指示に含まれるモードIDで識別される動作モードより変復調部動作数が少ない動作モードのモードIDが含まれる。なお、この際、ステップS202の処理で送信された動作モード変更指示に含まれるモードIDで識別される動作モードより変復調部動作数が少ない動作モードが無い場合、小型地球局10−1は小型地球局10−2が通信不可能として処理を終了してもよい。
動作モード制御部110は、記憶している動作モードテーブルを確認する(ステップS301)。具体的には、動作モード制御部110は、動作モードテーブルに登録されている動作モードレコード51のうち動作モード変更指示に含まれるモードIDに対応する動作モードレコード51を確認する。そして、動作モード制御部110は、確認の結果、自装置がモードIDで識別される動作モードで動作可能か否かを判定する。
小型地球局10は、設定端末40からの要求に応じて、対向する他の小型地球局10との通信に使用する帯域を管制局30に要求する。そして、小型地球局10は、帯域が確保できると、対向する他の小型地球局10に対して他の小型地球局10に設定させる動作モードを通知する。動作モードによっては、変復調部106の動作が制限される。したがって、このような動作モードで動作するバッテリーで動作している小型地球局10は、使用しない変復調部106を動作させなくて済む。そのため、帯域を確保しつつ、バッテリーの消費電力を抑えることが可能になる。その結果、小型地球局10の稼働時間を延ばすことができる。
また、動作モードによっては、変復調部106の動作が制限されない。さらに、使用する帯域における通信速度も、消費電力を抑える動作モードに比べて早い。したがって、電源が確保されていて帯域が必要な小型地球局10の運用が制限されてしまうおそれがない。そのため、状況に応じて柔軟に対応することが可能になる。
本実施形態では、動作モード制御部110が、自装置の動作モードに従って変復調部106のみを制御する構成を示したが、動作モード制御部110は変復調部106を停止させる際に停止させる変復調部106に対応するインタフェース部108も一緒に停止させるように構成されてもよい。このように構成されることによって、さらなる消費電力の削減を図ることができる。
第2の実施形態では、小型地球局が、自装置の動作モードに従って電力増幅部におけるドレイン印加電圧を制御する。なお、第2の実施形態のシステム構成は、第1の実施形態と同様であるため小型地球局についてのみ説明する。
小型地球局10aは、アンテナ101、低雑音増幅部102、周波数変換部103、電力増幅部104a、合成分配部105、変復調部106(106−1〜106−N)、回線制御部107、インタフェース部108(108−1〜108−(N−1))、動作モードインタフェース部109、動作モード制御部110a及びバッテリー111を備える。
図9は、電力増幅部104aの内部構成図である。なお、通常、電力増幅部104aは、図9に示す構成を複数段縦続接続して、アップコンバートされた信号を所定の電力まで増幅するが、図9では説明の簡単化のため1段分のみ示している。電力増幅部104aは、図9に示すようにトランジスタ61、入力端子62、出力端子63、ドレイン電源64及びゲート電源65を備える。図9に示すように、第2の実施形態における電力増幅部104aは、ドレイン電源64が可変である。
第2の実施形態における動作モードテーブルは、動作モードレコード53を複数有する。動作モードレコード53は、モードID、1chあたりの帯域における通信速度及びドレイン電圧の各値を有する。モードIDの値は、小型地球局10aに設定させる動作モードを識別するための識別情報を表す。1chあたりの帯域における通信速度の値は、同じ動作モードレコード53のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10aに設定させる場合に要求する1chあたりの帯域における通信速度を表す。ドレイン電圧の値は、同じ動作モードレコード53のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10aに設定させる場合にドレイン電源64が印加する電圧を表す。
ステップS303の処理が終了すると、動作モード制御部110aは、記憶している動作モードテーブルを参照して、動作モード変更指示に含まれるモードIDで示される動作モードを自装置の動作モードに設定する(ステップS501)。具体的には、動作モード制御部110aは、モードIDで示される動作モードとなるように、電力増幅部104aにおけるドレイン電源64の動作を制御する。例えば、モードIDが“1”の場合、動作モード制御部110aはドレイン電源64が印加する電圧がVaとなるようにドレイン電源64を制御する。
小型地球局10aは、設定端末40からの要求に応じて、対向する他の小型地球局10aとの通信に使用する帯域を管制局30に要求する。そして、小型地球局10aは、帯域が確保できると、対向する他の小型地球局10aに対して他の小型地球局10aに設定させる動作モードを通知する。動作モードによっては、電力増幅部104aにおけるドレイン印加電圧が制限される。したがって、このような動作モードで動作するバッテリーで動作している小型地球局10aは、電力増幅部104aの消費電力を抑えることができる。そのため、帯域を確保しつつ、バッテリーの消費電力を抑えることが可能になる。その結果、小型地球局10aの稼働時間を延ばすことができる。
また、他の小型地球局10aに動作モードを通知した小型地球局10aも、他の小型地球局10aと同様の動作モードで動作する。そのため、システム全体でバッテリーの消費電力を抑えることができる。
第3の実施形態では、小型地球局が、自装置の動作モードに従って電力増幅部におけるゲート印加電圧を制御する。なお、第3の実施形態のシステム構成は、第1の実施形態と同様であるため小型地球局についてのみ説明する。
小型地球局10bは、アンテナ101、低雑音増幅部102、周波数変換部103、電力増幅部104b、合成分配部105、変復調部106(106−1〜106−N)、回線制御部107、インタフェース部108(108−1〜108−(N−1))、動作モードインタフェース部109、動作モード制御部110b及びバッテリー111を備える。
図14は、電力増幅部104bの内部構成図である。なお、通常、電力増幅部104bは、図14に示す構成を複数段縦続接続して、アップコンバートされた信号を所定の電力まで増幅するが、図14では説明の簡単化のため1段分のみ示している。電力増幅部104bは、図14に示すようにトランジスタ66、入力端子67、出力端子68、ドレイン電源69及びゲート電源70を備える。図14に示すように、第3の実施形態における電力増幅部104bは、ゲート電源70が可変である。
ステップS303の処理が終了すると、動作モード制御部110bは、記憶している動作モードテーブルを参照して、動作モード変更指示に含まれるモードIDで示される動作モードを自装置の動作モードに設定する(ステップS701)。具体的には、動作モード制御部110bは、モードIDで示される動作モードとなるように、電力増幅部104bにおけるゲート電源70の動作を制御する。例えば、モードIDが“1”の場合、動作モード制御部110bはゲート電源70が印加する電圧がVaとなるようにゲート電源70を制御する。
小型地球局10bは、設定端末40からの要求に応じて、対向する他の小型地球局10bとの通信に使用する帯域を管制局30に要求する。そして、小型地球局10bは、帯域が確保できると、対向する他の小型地球局10bに対して他の小型地球局10bに設定させる動作モードを通知する。動作モードによっては、電力増幅部104bにおけるゲート印加電圧が制限される。したがって、このような動作モードで動作するバッテリーで動作している小型地球局10bは、電力増幅部104bの消費電力を抑えることができる。そのため、帯域を確保しつつ、バッテリーの消費電力を抑えることが可能になる。その結果、小型地球局10bの稼働時間を延ばすことができる。
また、他の小型地球局10bに動作モードを通知した小型地球局10bも、他の小型地球局10bと同様の動作モードで動作する。そのため、システム全体でバッテリーの消費電力を抑えることができる。
第4の実施形態では、小型地球局が、自装置の動作モードに従って変復調部及び電力増幅部の動作を制御する。なお、第4の実施形態のシステム構成は、第1の実施形態と同様であるため小型地球局についてのみ説明する。
小型地球局10cは、アンテナ101、低雑音増幅部102、周波数変換部103、電力増幅部104c、合成分配部105、変復調部106(106−1〜106−N)、回線制御部107、インタフェース部108(108−1〜108−(N−1))、動作モードインタフェース部109、動作モード制御部110c及びバッテリー111を備える。
動作モード制御部110cは、自装置の動作モードに従って各機能部の動作を制御する。具体的には、動作モード制御部110cは、動作モードに従って変復調部106及び電力増幅部104cにおけるドレイン電源64の動作を制御する。動作モード制御部110cは、動作モードテーブル及び小型地球局別モード情報テーブルを記憶する。なお、第4の実施形態における小型地球局別モード情報テーブルの構成は、図4に示す小型地球局別モード情報テーブルと同様の構成であるため説明を省略する。
第4の実施形態における動作モードテーブルは、動作モードレコード54を複数有する。動作モードレコード54は、モードID、1chあたりの帯域における通信速度、変復調部動作数、動作させる変復調部及びドレイン電圧の各値を有する。各値についての説明は、上述しているため省略する。
ステップS303の処理が終了すると、動作モード制御部110cは、記憶している動作モードテーブルを参照して、動作モード変更指示に含まれるモードIDで示される動作モードを自装置の動作モードに設定する。本実施形態では、動作モード制御部110cが電力増幅部104c及び変復調部106を制御するため、それぞれにおける動作設定を第1動作設定、第2動作設定として説明する。まず、動作モード制御部110cは第1動作設定を行う(ステップS901)。
具体的には、動作モード制御部110cは、モードIDで示される動作モードとなるように、変復調部106の動作を制御する。次に、動作モード制御部110cは第2動作設定を行う(ステップS902)。具体的には、動作モード制御部110cは、モードIDで示される動作モードとなるように、電力増幅部104cにおけるドレイン電源64の動作を制御する。
小型地球局10cは、設定端末40からの要求に応じて、対向する他の小型地球局10cとの通信に使用する帯域を管制局30に要求する。そして、小型地球局10cは、帯域が確保できると、対向する他の小型地球局10cに対して他の小型地球局10cに設定させる動作モードを通知する。動作モードによっては、変復調部106の動作の制限及び電力増幅部104cにおけるドレイン印加電圧が制限される。したがって、このような動作モードで動作するバッテリーで動作している小型地球局10cは、使用しない変復調部106において消費される消費電力及び電力増幅部104aの消費電力を抑えることができる。そのため、帯域を確保しつつ、バッテリーの消費電力を抑えることが可能になる。その結果、小型地球局10cの稼働時間を延ばすことができる。
また、動作モードによっては、変復調部106の動作が制限されない。さらに、使用する帯域における通信速度も、消費電力を抑える動作モードに比べて早い。したがって、電源が確保されていて帯域が必要な小型地球局10cの運用が制限されてしまうおそれがない。そのため、状況に応じて柔軟に対応することが可能になる。
第4の実施形態では、小型地球局10cが自装置の動作モードに従って、変復調部106及び電力増幅部104cにおけるドレイン印加電圧を制御する構成を示したが、小型地球局10cは自装置の動作モードに従って、変復調部106及び電力増幅部104cにおけるゲート印加電圧を制御するように構成されてもよい。ゲート印加電圧を制御する処理については、第3の実施形態と同様の処理を行うため説明を省略する。
図21は、第5の実施形態における衛星通信システム100dのシステム構成図である。
衛星通信システム100dは、複数の小型地球局10d−1〜10d−M(Mは3以上の整数)、衛星20、管制局30及び設定端末40を備える。小型地球局10d−1は、局内ネットワーク50−1に接続している。小型地球局10d−2は、局内ネットワーク50−2に接続している。小型地球局10d−Mは、局内ネットワーク50−Mに接続している。小型地球局10d−1〜10−M及び管制局30のそれぞれは、衛星20を介して互いに通信を行う。また、局内ネットワーク50−1には、設定端末40が接続されている。
小型地球局10dは、アンテナ101、低雑音増幅部102、周波数変換部103、電力増幅部104、合成分配部105、変復調部106(106−1〜106−N)、回線制御部107d、インタフェース部108d(108d−1〜108d−(N−1))、動作モードインタフェース部109、動作モード制御部110及びバッテリー111を備える。
宛先別帯域要求リスト部1071dは、動作モード設定時に設定した帯域における通信速度及び対向する小型地球局10dの識別情報(小型地球局ID)を宛先別帯域要求リストに書き込む。回線制御部107dは、回線要求を各インタフェース部108dより受けた場合には宛先別帯域要求リストを確認して、宛先別帯域要求リストに登録されている小型地球局10dに対しては宛先別帯域要求リストの内容を優先して帯域における通信速度を管制局30に要求する。一方、回線制御部107dは、宛先別帯域要求リストに登録されていない小型地球局10dに対しては、インタフェース部108dの要求通りの帯域における通信速度を管制局30に要求する。
宛先別帯域要求リストは、レコード55を複数有する。レコード55は、相手局、モードID、1chあたりの帯域における通信速度、変復調部動作数及び動作させる変復調部の各値を有する。相手局の値は、小型地球局10dを識別するための識別情報を表す。モードIDの値は、小型地球局10dに設定させる動作モードを識別するための識別情報を表す。1chあたりの帯域における通信速度の値は、同じレコード55のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10dに設定させる場合に要求する1chあたりの帯域における通信速度を表す。変復調部動作数の値は、同じレコード55のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10dに設定させた場合に動作させる変復調部の数を表す。動作させる変復調部の値は、同じレコード55のモードIDで識別される動作モードを小型地球局10dに設定させた場合に動作させる変復調部を表す。
ステップS204の処理が終了すると、宛先別帯域要求リスト部1071は宛先別帯域要求リストを変更する(ステップS1001)。
以上のように構成された衛星通信システム100dによれば、帯域を確保しつつ、バッテリーの消費電力を抑えることができる。以下、この効果について詳細に説明する。
小型地球局10dは、設定端末40からの要求に応じて、対向する他の小型地球局10dとの通信に使用する帯域を管制局30に要求する。この際、小型地球局10dは、小型地球局10d毎に、要求する帯域における通信速度の情報を参照して管制局30に帯域を要求する。したがって、小型地球局10d毎に適切な帯域を要求することができる。そして、小型地球局10dは、帯域が確保できると、対向する他の小型地球局10dに対して他の小型地球局10dに設定させる動作モードを通知する。動作モードによっては、変復調部106の動作が制限される。したがって、このような動作モードで動作するバッテリーで動作している小型地球局10dは、使用しない変復調部106を動作させなくて済む。そのため、帯域を確保しつつ、バッテリーの消費電力を抑えることが可能になる。その結果、小型地球局10dの稼働時間を延ばすことができる。
また、動作モードによっては、変復調部106の動作が制限されない。さらに、使用する帯域における通信速度も、消費電力を抑える動作モードに比べて早い。したがって、電源が確保されていて帯域が必要な小型地球局10dの運用が制限されてしまうおそれがない。そのため、状況に応じて柔軟に対応することが可能になる。
本実施形態では、小型地球局10d−1と、対向する小型地球局10d−2〜10d−Mとの間におけるやり取りについて説明したが、小型地球局10d−2〜10d−M間で通信が行われる場合もある。このような場合、宛先別要求リストは、内容が変更される度に小型地球局10d−1が小型地球局10d−2〜10d−Mに送信することで、小型地球局10d−1〜10d−M間で同じ宛先別要求リストを保有することができる。その結果、小型地球局10d−2〜10d−M間での接続が可能になる。
第6の実施形態では、小型地球局におけるインタフェース部において処理に優先度を設ける。具体的には、伝送帯域における通信速度を32kbpsと絞るような状態は、重要通信のみに制限する必要がある。特に、音声通話や音声に準じたファクシミリ通信は緊急度が高い。インタフェース部は、音声回線やイーサネット(登録商標)回線、RS−485等のその他の回線と接続が可能である。そこで、インタフェース部は、上記の各回線の中で優先度を設けてその優先度に従って動作する。なお、第6の実施形態のシステム構成は、第5の実施形態と同様であるため小型地球局についてのみ説明する。
音声回線アダプタ部1081は、電話、又は、ファックスなどで利用される音声回線と接続する。
イーサネット(登録商標)アダプタ部1082は、局内ネットワーク50と接続する。
他アダプタ部1083は、RS−485等の通信回線と接続する。
優先選択部1084は、各アダプタ部の優先度に従って、各アダプタ部から出力される電文を転送する。例えば、伝送容量が十分な場合、優先選択部1084は各アダプタから出力される電文を公平、又は、重み付けに従って順番に転送する。一方、伝送帯域における通信速度が低い場合(例えば、32kbpsの場合)、優先選択部1084は音声回線アダプタ部1081から出力される電文を優先的に転送し、イーサネット(登録商標)アダプタ部1082及び他アダプタ部1083から出力される電文は待機させる。そして、音声回線アダプタ部1081から出力される電文がなくなった場合に、優先選択部1084はイーサネット(登録商標)アダプタ部1082及び他アダプタ部1083から出力される電文を転送する。
小型地球局10eは、使用可能な帯域における通信速度が制限されている場合には、重要な通信(例えば、音声通話や音声に準じたファクシミリ通信)を優先させ、他の通信は重要な通信が終了するまで行わない。そのため、いつでも重要な通信を優先的に実行することが可能になる。
第7の実施形態では、バッテリー111の稼働時間を長く動作させるために各小型地球局の動作モードを設定端末において決定する。なお、第7の実施形態のシステム構成は、第5の実施形態と同様であるため設定端末についてのみ説明する。
設定端末40fは、入力部401、処理部402、出力部403及びモード設定部404を備える。
入力部401は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、タッチパネル、ボタン等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部401は、ユーザの指示を設定端末40fに入力する際にユーザによって操作される。また、入力部401は、入力装置を設定端末40fに接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部401は、入力装置においてユーザの入力に応じて生成された入力信号を設定端末40fに入力する。ここで、ユーザとは、衛星通信システム100dの運用者である。
出力部403は、設定端末40fに接続された不図示の出力装置を介し、設定端末40fのユーザに対してデータの出力を行う。例えば、出力部403は、処理部402による処理途中の結果を出力装置に出力する。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されてもよい。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、画像や文字をシートに印刷(印字)する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、インクジェットプリンタやレーザープリンタ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。
モード設定部404は、決定された動作モードを小型地球局10d−1に送信することによって、各小型地球局10dの動作モードの設定を行う。
まず、事前処理として、入力部401は、ユーザの操作に応じて、衛星通信システム100dで使用可能な管制局30から割り当てられた周波数チャネル数(帯域)、小型地球局10d−2〜10d−Mの局数、各小型地球局10の各動作モードにおける消費電力を入力する。また、入力部401は、各小型地球局10に配備されているバッテリー容量、又は、発電機の動作時間、必要な周波数チャネル数(帯域)を入力する。
一方、増加可能である旨が入力されなかった場合(ステップS1103−NO)、処理部402は各小型地球局10の帯域設定の見直しを実行する(ステップS1105)。その後、処理部402はステップS1101以降の処理を繰り返し実行する。
一方、帯域設定の見直し指示が入力されなかった場合(ステップS1109−NO)、各小型地球局10の発電機燃料、蓄電池配給計画を運用者が検討する(ステップS1110)。運用者が検討の結果の見直しを行い(ステップS1111)、その結果を入力部401に入力する。その後、処理部402は、ステップS1101以降の処理を実行する。
運用者が、設定端末40を操作して各小型地球局10dの情報を入力する。設定端末40は、入力された情報から各小型地球局10dに割り当てる帯域などを計算する。そして、設定端末40は、処理に応じて運用者に確認を求め、運用者の指示に応じて各小型地球局10dの動作モードを設定する。このように、設定端末40と運用者との間で、各小型地球局10dの動作モードの設定を対話的に行うことができる。したがって、運用者の意向に沿った動作モードの設定が可能になる。そのため、各小型地球局10dの動作モードを適切に設定することが可能になる。
第1の実施形態から第4の実施形態における衛星通信システム100では、小型地球局10が1対1(小型地球局10−1と小型地球局10−2)の構成を示したが、第1の実施形態から第4の実施形態における衛星通信システム100は1対Mの構成についても適用可能である。このように構成される場合、小型地球局別モード情報テーブルにはM台分の小型地球局IDとモードIDとの組み合わせが登録される。
各実施形態では、動作モードテーブルに登録されているモードIDが3つの場合を示したが、動作モードテーブルに登録されるモードIDは2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
Claims (15)
- 衛星を介して通信を行う複数の小型地球局間の通信に使用する回線が確立された後に、前記回線を使用して前記通信を行う対向する小型地球局に対して、消費電力を削減するための複数の動作モードのうち前記小型地球局に対応する前記動作モードに関する情報を送信する送信部と、
他の小型地球局から送信された前記動作モードに関する情報に基づいて、自装置の動作モードを前記情報で示される動作モードに設定し、設定した動作モードに応じて自装置が備える機能部の動作を制御する動作モード制御部と、
を備える衛星通信システム。 - 前記小型地球局は、複数の変復調部を備え、
前記動作モード制御部は、前記動作モードに従って前記変復調部の一部を稼働させ、残りを停止させる、請求項1に記載の衛星通信システム。 - 前記小型地球局は、送信するデータの電力を増幅させる電力増幅部を備え、
前記動作モード制御部は、前記動作モードに従って前記電力増幅部におけるドレイン電圧又はゲート電圧を下げる、請求項1に記載の衛星通信システム。 - 前記小型地球局は、複数の変復調部及び送信するデータの電力を増幅させる電力増幅部を備え、
前記動作モード制御部は、前記動作モードに従って前記変復調部の一部を稼働させて残りの前記変復調部を停止させ、かつ、前記電力増幅部におけるドレイン電圧又はゲート電圧を下げる、請求項1に記載の衛星通信システム。 - 前記通信を行う小型地球局は、互いに同一の動作モードを設定する、請求項1に記載の衛星通信システム。
- 衛星を介して通信を行う複数の小型地球局間の通信に使用する回線が確立された後に、前記回線を使用して前記通信を行う対向する小型地球局に対して、消費電力を削減するための複数の動作モードのうち前記小型地球局に対応する前記動作モードに関する情報を送信する送信部と、
他の小型地球局に送信した前記動作モードに関する情報に基づいて、自装置の動作モードを前記情報で示される動作モードに設定し、設定した動作モードに応じて自装置が備える機能部の動作を制御する動作モード制御部と、
を備える小型地球局。 - 複数の変復調部をさらに備え、
前記動作モード制御部は、前記動作モードに従って前記変復調部の一部を稼働させ、残りを停止させる、請求項6に記載の小型地球局。 - 送信するデータの電力を増幅させる電力増幅部をさらに備え、
前記動作モード制御部は、前記動作モードに従って前記電力増幅部におけるドレイン電圧又はゲート電圧を下げる、請求項6に記載の小型地球局。 - 複数の変復調部及び送信するデータの電力を増幅させる電力増幅部をさらに備え、
前記動作モード制御部は、前記動作モードに従って前記変復調部の一部を稼働させて残りの前記変復調部を停止させ、かつ、前記電力増幅部におけるドレイン電圧又はゲート電圧を下げる、請求項6に記載の小型地球局。 - 前記通信を行う小型地球局は、互いに同一の動作モードを設定する、請求項6に記載の小型地球局。
- 衛星を介して通信を行う複数の小型地球局間の通信に使用する回線が確立された後に、前記回線を使用して前記通信を行う対向する小型地球局に対して、消費電力を削減するための複数の動作モードのうち前記小型地球局に対応する前記動作モードに関する情報を送信する送信ステップと、
他の小型地球局から送信された前記動作モードに関する情報に基づいて、自装置の動作モードを前記情報で示される動作モードに設定し、設定した動作モードに応じて自装置が備える機能部の動作を制御する動作モード制御ステップと、
を有する消費電力削減方法。 - 前記小型地球局は、複数の変復調部を備え、
前記動作モード制御ステップにおいて、前記動作モードに従って前記変復調部の一部を稼働させ、残りを停止させる、請求項11に記載の消費電力削減方法。 - 前記小型地球局は、送信するデータの電力を増幅させる電力増幅部を備え、
前記動作モード制御ステップにおいて、前記動作モードに従って前記電力増幅部におけるドレイン電圧又はゲート電圧を下げる、請求項11に記載の消費電力削減方法。 - 前記小型地球局は、複数の変復調部及び送信するデータの電力を増幅させる電力増幅部を備え、
前記動作モード制御ステップにおいて、前記動作モードに従って前記変復調部の一部を稼働させて残りの前記変復調部を停止させ、かつ、前記電力増幅部におけるドレイン電圧又はゲート電圧を下げる、請求項11に記載の消費電力削減方法。 - 前記通信を行う小型地球局間は、互いに同一の動作モードを設定する、請求項11に記載の消費電力削減方法。
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