JP6504856B2 - 無排水化排ガス処理システム及び方法 - Google Patents

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本発明は、ボイラから排出される排ガスを処理する無排水化排ガス処理システム及び方法に関する。
従来、火力発電設備等に設置されるボイラから排出される排ガスを処理するための排ガス処理システムが知られている。排ガス処理システムは、ボイラからの排ガスから窒素酸化物を除去する脱硝装置と、脱硝装置を通過した排ガスの熱を回収するエアヒータと、熱回収後の排ガス中の煤塵を除去する集塵機と、除塵後の排ガス中の硫黄酸化物を除去するための脱硫装置とを備えている。脱硫装置としては、石灰吸収液等を排ガスと気液接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式の脱硫装置が一般的に用いられる。
近年、各国で排水規制強化が進んでおり、より厳しい規制強化が計画されている国では将来的に重金属や有害成分を含む排水を河川や海洋に排水することが困難になると見込まれていることから、排ガス処理設備における無排水化が切望されており、安定して操業することができる無排水化処理設備の出現が望まれている。
本出願人は、先に無排水化を実施する設備として、湿式脱硫装置の吸収液スラリーから石膏を分離した脱水濾液(以下、「脱硫排水」と称す。)を蒸発乾固させる噴霧乾燥装置内で、一部抽気したボイラ排ガスに接触させて当該ボイラ排ガスの排熱で噴霧乾燥する技術を提案した(特許文献1)。
ところで、煙道からボイラ排ガスを一部分岐して、その排熱によって脱硫排水の液滴を噴霧して蒸発させて、無排水化を実現する場合、噴霧した脱硫排水の微細液滴を完全に蒸発させるための噴霧乾燥装置の設置が必須となる。
この噴霧乾燥装置内部において、脱硫排水の微細液滴を完全に蒸発乾固させた際に生成される蒸発塩は、前流の脱硫装置吸収液中に溶解した成分から成る。当該蒸発塩には塩化カルシウム等の潮解性物質を多量に含み,蒸発塩の温度が例えば100℃前後を下回るとその潮解作用から周囲大気中の水分を吸湿し溶解するために付着性が増大しコンベア等での輸送性が悪化する等の問題を有している。また、集塵灰に蒸発塩が含まれることで、後流の集塵機の集塵負荷が高くなり、集塵機の設備容量増加が必要となるという問題もある。
そこで、吸収液スラリーから石膏脱水機を用いて分離した脱硫排水を噴霧乾燥装置で噴霧処理する際に発生する蒸発塩を、固形分分離装置を用いて排ガスから固気分離し、この固形分を固定化処理することで、埋め立て処理する技術を先に提案した(特許文献2)。
特開2012−196638号公報 国際公開第2014/115854号
先に述べた規制強化が計画されている国によっては排水規制強化に加え、埋立廃棄物の各成分溶出値の規制強化を計画されている国もあり、特に埋立規制物質中の、水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)は当該国の環境省内で日本国の約1/10レベルの溶出規制が提案されている状況がある。
特に、石炭焚ボイラの脱硫排水の無排水化の際に発生する蒸発塩においては、蒸発塩に含まれる潮解性化合物の潮解作用によって、セメント固化物から水銀(Hg)やヒ素(As)やセレン(Se)等の有害物質が溶出する懸念があるため、埋立処理が困難になるという問題がある。中でも,蒸発塩に含まれる環境排出基準の値が厳しい有害物質としては、例えばセレン(Se)を挙げることができる。セレンの形態として主に亜セレン酸(以下4価セレンと称す)とセレン酸(以下6価セレンと称す)とが挙げられるが、特に6価セレンは非常に安定な物質で溶出防止が非常に困難であることが知られており、6価セレンの含有量が多い廃棄物などを対象とし溶出規制の遵守がより困難となる場合には,溶出防止処理方法の中ではより高度なセメント固化処理技術が必要になる。
しかしながら、例えば石炭焚ボイラからの排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置からの脱硫排液を無排水化処理するに際し、その無排水化処理の際に発生する潮解性を有する蒸発塩を常温でセメント固化処理する場合、通常の蒸発塩とセメントを混合した後に水を加える固化方法ではセメント固化物表面に潮解性塩の作用によって水分が滲出し重金属が溶出しやすくなる、という問題がある。
よって、重金属などの有害物質と共に潮解性化合物を含む蒸発塩をセメント固化する際、セメント固化物表面に発生する蒸発塩の潮解作用による水分の滲出を抑制しつつ重金属などの有害成分の溶出を防止できる様に、セメント固化物の強度が所望強度以上となるセメント固化対策が施された排ガス処理システムの確立が必要となってくる。
本発明は、前記問題に鑑み、排ガス処理システムの脱硫装置からの脱硫排水の無排水化を行う際、発生する蒸発塩の処理を確実とする無排水化排ガス処理システム及び方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、燃料を燃焼させるボイラと、前記ボイラからのボイラ排ガスを排出する主煙道に設けられ、前記ボイラ排ガスの熱を回収する熱回収装置と、前記熱回収装置後のボイラ排ガス中の煤塵を除去する除塵装置と、前記除塵装置後の前記ボイラ排ガス中に含まれる硫黄酸化物を脱硫吸収液で除去する脱硫装置と、前記脱硫装置から排出される脱硫排水から固形物を除去する固液分離器と、前記固液分離器からの分離水を噴霧する噴霧乾燥装置と、前記噴霧乾燥装置に前記分離水を蒸発乾燥させる乾燥用ガスを導入するガス導入ラインと、前記噴霧乾燥装置で前記分離水を蒸発乾燥した後の排出ガスを前記主煙道に戻す排出ガス送給ラインと、前記排出ガス送給ラインに設けられ、前記排出ガス中の有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩を分離する蒸発塩分離器と、前記蒸発塩分離器で分離された前記蒸発塩を溶解水に溶解してスラリー化してスラリー化物を得るスラリー化槽と、前記スラリー化物に、セメント固化剤を添加し、セメント混練物を得るセメント混練槽と、前記スラリー化槽又は前記セメント混練槽のいずれか一方又は両方に鉄系添加剤を添加する鉄系添加剤供給部と、前記セメント混練物を乾燥、養生してセメント固化物とするセメント固化部と、を備えることを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第2の発明は、第1の発明において、前記溶解水が、前記固液分離器で分離した分離水の一部であることを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記セメント固化剤と共に、フライアッシュをセメント混練槽に添加することを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記分岐ガス中に、乾燥添加剤を添加することを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第5の発明は、第4の発明において、前記乾燥添加剤を添加した前記蒸発塩を蒸発塩分離器で分離した後、分離した前記蒸発塩の一部を、分岐ガスに添加することを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、前記固液分離器で分離した分離水中の溶解成分を計測する溶解成分計測装置を設け、計測した溶解成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第7の発明は、第6の発明において、前記セメント固化物中の溶出成分を計測する溶出成分計測装置を設け、計測した溶出成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第8の発明は、第1乃至7のいずれか一つの発明において、前記脱硫装置の脱硫吸収液の酸化還元電位値を計測する酸化還元電位計を設け、酸化還元電位を100〜200mVの領域に調整することを特徴とする無排水化排ガス処理システムにある。
第9の発明は、ボイラからのボイラ排ガスの熱を回収する熱回収工程、前記ボイラ排ガス中に含まれる硫黄酸化物を脱硫吸収液で除去する脱硫工程、前記脱硫工程で排出される脱硫排水から固形物を除去する固液分離工程、固液分離工程で分離された分離水を噴霧し、乾燥用ガスで蒸発乾燥する噴霧乾燥工程を有する無排水化排ガス処理方法において、前記噴霧乾燥工程後の排ガス中の有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩を固気分離する蒸発塩分離工程と、前記蒸発塩分離工程後の前記蒸発塩を溶解水に溶解してスラリー化してスラリー化物を得るスラリー化工程と、前記スラリー化工程後に、セメント固化剤を添加し混練するセメント固化剤添加工程と、前記セメント固化剤添加工程後に、セメント混連物を養生してセメント固化物とするセメント固化工程と、を有し、前記スラリー化工程又は前記セメント固化剤添加工程の少なくとも一方において、前記スラリー化物又は前記セメント混練物に鉄系添加剤を添加する鉄系添加剤添加工程を有することを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第10の発明は、第9の発明において、前記溶解水が、前記脱硫排水から分離した分離水の一部であることを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第11の発明は、第9又は10の発明において、前記セメント固化剤と共に、フライアッシュを添加し、セメント混練物を得ることを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第12の発明は、第9乃至11のいずれか一つの発明において、前記分岐ガス中に、乾燥添加剤を添加することを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第13の発明は、第12の発明において、前記乾燥添加剤を添加した前記蒸発塩を蒸発塩分離器で分離した後、分離した前記蒸発塩の一部を、分岐ガスに添加することを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第14の発明は、第9乃至13のいずれか一つの発明において、前記固液分離器で分離した分離水中の溶解成分を計測し、計測した溶解成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第15の発明は、第14の発明において、前記セメント固化物中の溶出成分を計測し、計測した溶出成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
第16の発明は、第9乃至15のいずれか一つの発明において、前記脱硫装置の脱硫吸収液の酸化還元電位値を計測し、酸化還元電位を100〜200mVの領域に調整することを特徴とする無排水化排ガス処理方法にある。
本発明によれば、脱硫排水を噴霧乾燥により無排水化処理する際、乾燥時に発生する有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩を、その後セメント固化処理するに際し、一度スラリー化物を得てから、セメント固化剤を供給してセメント固化処理するので、圧縮強度の高いセメント固化物とすることできる。この結果、セメント固化物を別途埋め立て処理される際、固定化処理がなされているので、環境排出基準を満足するセメント固化物の埋立処理を行うことができる。
図1は、実施例1に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図2は、石灰石膏法の脱硫装置の一例を示す概略図である。 図3は、実施例1に係る脱硫排水の噴霧乾燥装置の一例を示す概略図である。 図4は、セメント添加重量比(固形成分を1としている)と、セメント圧縮強度(kg/cm2)との関係を示す図である。 図5は、鉄系薬剤A、鉄系薬剤Bを添加した場合の溶出Se濃度の結果を示す図である。 図6は、実施例2に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図7は、実施例3に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図8は、実施例4に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図9は、実施例4に係る他の無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図10は、実施例5に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図11は、実施例5に係る他の無排水化排ガス処理システムの概略図である。 図12は、実施例6に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、実施例1に係る無排水化排ガス処理システムの概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Aは、燃料Fを燃焼させるボイラ11と、ボイラ11からのボイラ排ガス12を排出する主煙道L11に設けられ、ボイラ排ガス12の熱を回収する熱回収装置であるエアヒータAHと、熱回収後のボイラ排ガス12中の煤塵を除去する除塵装置である集塵機13と、除塵後のボイラ排ガス12中に含まれる硫黄酸化物を除去する脱硫装置14と、脱硫装置14から排出される脱硫排水(吸収液法の場合、吸収液スラリー)15から固形物16を除去する固液分離器17と、固液分離器17からの分離水18を噴霧する噴霧乾燥装置19と、噴霧乾燥装置19にボイラ排ガス12からの一部の分岐ガス12aを主煙道L11から導入する排ガス導入ラインL12と、噴霧乾燥装置19で分離水18を蒸発乾燥した後の排出ガス12bを主煙道L11に戻す排出ガス送給ラインL13と、排出ガス送給ラインL13に設けられ、排出ガス12b中の有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩21を分離する蒸発塩分離器22と、分離された蒸発塩21を溶解水23に溶解してスラリー化してスラリー化物24を得るスラリー化槽25と、スラリー化槽25に鉄系添加剤26を添加する鉄系添加剤供給部27と、鉄系添加剤26が混合されたスラリー化物24に、セメント固化剤28をセメント固化剤供給部29から添加し、セメント混練物30を得るセメント混練槽31と、セメント混練物30を乾燥、養生・固化してセメント固化物32とするセメント固化部33と、を備えるものである。
本システムにより、排ガスが脱硫装置14で浄化されると共に、その脱硫排水15を固液分離し、分離した分離水18を、噴霧乾燥装置19内で導入した分岐ガス12aを用いて蒸発乾燥するので、脱硫装置14からの脱硫排水15の無排水化を安定して実施することができる。
ここで、無排水化排ガス処理システム10AのエアヒータAHは、ボイラ11から主煙道L11を介して供給されるボイラ排ガス12中の熱を回収する熱交換器である。排出されるボイラ排ガス12の温度は例えば300℃〜400℃程度と高温であるため、このエアヒータAHにより高温のボイラ排ガス12と常温の燃焼用空気との間で熱交換を行い、熱交換により高温となった燃焼用空気は、ボイラ11に供給される。
このエアヒータAHへ流入するボイラ排ガス12を主煙道L11から排ガス導入ラインL12を介して分岐ガス12aとして分岐する場合には、ガス温度が高く(例えば300〜400℃)、この高温排熱と分離水18を接触させることによって脱硫排水液滴の噴霧乾燥を効率よく行うことができる。本実施例では、エアヒータAHは、分岐ガス12aを分岐する排ガス導入ラインL12の分岐部Xと、排出ガス12cを排出ガス送給ラインL13により主煙道L11側に戻す合流部Yとの間に設置している。
集塵機13は、ボイラ11からのボイラ排ガス12中の煤塵を除去するものである。集塵機13としては慣性力集塵機、遠心力集塵機、濾過式集塵機、電気集塵機、洗浄集塵機等が挙げられるが、特に限定されない。
脱硫装置14は、集塵機13で煤塵が除去された後のボイラ排ガス12中の硫黄酸化物を湿式で除去する装置である。この湿式脱硫装置14では、例えば湿式の脱硫方法として、脱硫吸収液(以下、「吸収液」ともいう。)として例えば石灰スラリーを用いる石灰石膏法の脱硫法を用いることができるが、これに限定するものではなく石灰石膏法の脱硫法以外としては、例えば水酸化マグネシウム法、海水法、苛性ソーダ法等の湿式脱硫装置を例示することができる。
この湿式の脱硫装置の一例について図2を用いて説明する。図2は、石灰石膏法の脱硫装置の一例を示す概略図である。図2に示すように、湿式の脱硫装置14は、吸収液として例えば石灰石スラリー(水に石灰石粉末を溶解させた水溶液)60が用いられ、装置内の温度は50℃前後となっている。石灰石スラリー60は、石灰石スラリー供給装置(脱硫装置用石灰供給装置)61から脱硫装置14の塔底部62内の液溜に供給される。脱硫装置14の塔底部62に供給された石灰石スラリー60は、吸収液循環ライン65を介して脱硫装置14内の複数のノズル63に送られ、ノズル63から塔頂部64側に向かって液柱として上方に噴出される。吸収液循環ライン65は、送液ポンプ65aが設けられており、送液ポンプ65aを駆動させることで、吸収液循環ライン65からノズル63に石灰石スラリー60を送る。脱硫装置14の塔底部62側から上昇してくるボイラ排ガス12がノズル63から噴出する石灰石スラリー60と気液接触することにより、ボイラ排ガス12中の硫黄酸化物及び塩化水銀が石灰石スラリー60により吸収され、ボイラ排ガス12から分離、除去される。石灰石スラリー60により浄化されたボイラ排ガス12は、浄化ガス12Aとして脱硫装置14の塔頂部64側より排出され、煙突40から外部に放出される。
脱硫装置14の内部において、ボイラ排ガス12中の亜硫酸ガスSO2は石灰石スラリー60と下記式(1)で表される反応を生じる。
SO2+CaCO3→CaSO3+CO2・・・(1)
さらに、ボイラ排ガス12中のSOを吸収した石灰石スラリー60は、脱硫装置14の塔底部62に供給される空気(図示せず)により酸化処理され、空気と下記式(2)で表される反応を生じる。
CaSO3+1/2O2+2H2O→CaSO4・2H2O・・・(2)
このようにして、ボイラ排ガス12中のSOは、脱硫装置14において石膏(CaSO・2HO)の形で捕獲される。
また、上記のように、石灰石スラリー60は、脱硫装置14の塔底部62に貯留した液を揚水したものが用いられるが、この揚水される石灰石スラリー60には、脱硫装置14の稼働に伴い、反応式(1)、(2)により石膏CaSO・2HOが混合される。以下では、この亜硫酸ガスを吸収するための石灰石石膏スラリー(石膏が混合された石灰石スラリー)を吸収液とよぶ。
脱硫装置14で脱硫に用いる吸収液(石灰石石膏スラリー60)は、脱硫装置14の吸収液循環ライン65により、循環再利用されると共に、この吸収液循環ライン65に接続された吸収液排出ラインL21を介して、その一部が脱硫排水15として外部に排出されて、別途固液分離器17に送られ、ここで脱水処理される。この固液分離された分離水18には、例えば水銀、ヒ素、セレン等の有害重金属類や、例えばCl-、Br-、I-、F-等のハロゲンイオンが含まれている。
固液分離器17は、脱硫排水15中の固形物(石膏)16と液体分の分離水(濾液)18とを分離するものである。固液分離器17としては、例えばベルトフィルタ、遠心分離機、デカンタ型遠心沈降機等が用いられる。よって、脱硫装置14から排出された脱硫排水15は、固液分離器17により固形物(石膏)16と脱水濾液である分離水18とに分離される。分離した固形物(石膏)16は、システム外部(以下、「系外」という。)に排出される。
一方、固液分離器17からの分離水18は、図1に示すように、分離水導入ラインL22を介して噴霧乾燥装置19に送られ、ここで蒸発乾燥させて、脱硫排水である分離水18の無排水化を図るようにしている。なお、分離水18の一部を返送水18Aとして、返送水ラインL23を介して脱硫装置14の塔底部62内に供給している。
噴霧乾燥装置19は、ボイラ11からのボイラ排ガス12の主煙道L11から分岐した排ガス導入ラインL12を介してボイラ排ガス12からの分岐ガス12aが導入されるガス導入手段と、分離水導入ラインL22を介して固液分離器17から導入される分離水18を散布又は噴霧する噴霧手段52とを具備している。そして、導入される分岐ガス12aの排熱により散布又は噴霧された分離水18を蒸発乾燥させている。ここでボイラ排ガス12からの分岐ガス12aには、ボイラ排ガス12中に含まれる燃焼灰を含んでおり、噴霧乾燥装置19で発生する蒸発乾燥物中には燃焼灰と蒸発塩が混合された状態で存在する。なお、符号L13は噴霧乾燥装置19で乾燥に寄与した排出ガス12bを蒸発塩分離器22に導入し、蒸発塩分離器22で蒸発塩21を分離した排出ガス12cを主煙道L11に返送する排出ガス送給ラインである。なお、排ガス導入ラインL12及び排出ガス送給ラインL13には、分岐ガス12a及び排出ガス12cの流入・排出を停止するためのダンパ手段を設けるようにしてもよい。
なお、本実施例の無排水化排ガス処理システム10Aにおいては、設けていないが、主煙道L11には、ボイラ排ガス12中の窒素酸化物を除去する脱硝装置を別途設けるようにしてもよい。なお、脱硝装置を設ける場合には、ボイラ11の下流で、主煙道L11から分岐ガス12aを分岐する分岐部Xの上流側に設置するのが好ましい。
図3は、実施例1に係る脱硫排水の噴霧乾燥装置の一例を示す概略図である。図3に示すように、本実施例の噴霧乾燥装置19は、噴霧乾燥装置本体51内に、分離水18を噴霧液18aとして噴霧する噴霧手段52と、噴霧乾燥装置本体51に設けられ、噴霧液18aを乾燥する分岐ガス12aを導入する導入口51aと、噴霧乾燥装置本体51内に設けられ、分岐ガス12aにより噴霧液18aを乾燥・蒸発させる乾燥領域53と、乾燥に寄与した排出ガス12bを排出する排出口51bと、噴霧手段52の付着物の付着状態を監視する付着物監視手段54とを具備するものである。なお、符号57は分離された固形分、V1、V2は流量調整バルブを図示する。また、分離水18は別途圧縮機55から供給される空気56により、噴霧乾燥装置本体51内部へ所定の流量と所定の噴霧液滴粒径とで噴霧手段52により噴霧されるようにしてもよい。本実施例では、分離水18の乾燥用ガスとしてボイラ排ガスから分岐した分岐ガス12aを用いているが、本発明はこれに限定されず、分離水18を蒸発乾燥させる乾燥ガスであればボイラ排ガス以外のガスを、乾燥用ガスとして用いるようにしても良い。
ここで、噴霧手段52としては、分離水18を所定の液滴径となるように噴霧するものであれば、その形式は限定されるものではない。例えば2流体ノズルや、ロータリーアトマイザ等の噴霧手段を用いることができる。なお、2流体ノズルは比較的少量の分離水18を噴霧するのに適しており、ロータリーアトマイザは、比較的多量の分離水18を噴霧するのに適している。また、噴霧器の数も1基に限定するものではなく、その処理量に応じて複数基設けるようにしてもよい。
ここで、脱硫排水15中の溶解した溶解成分(塩)は、そのまま噴霧乾燥装置19で乾燥する場合、噴霧乾燥装置19から排出する排出ガス12b中に蒸発塩として含まれるので、集塵機13に供給して集塵した場合、その集塵した集塵灰13a中に、溶解成分が含まれることとなる。
この溶解成分を含む集塵灰13aをそのまま埋め立て処理する場合には、集塵灰13aからの溶解成分が問題となる。また、蒸発塩が含まれることで、集塵機13の集塵負荷が高くなり、集塵機13の容量増加が必要となる。
本実施例では、この集塵灰13aを埋め立てた場合においても溶解成分が発生しないように、排出ガス12bから蒸発塩21を分離して処理するようにしている。
本実施例では、噴霧乾燥装置19から排出する排出ガス12b中の溶解性を有する蒸発塩21を固気分離するための蒸発塩分離器22を排出ガス送給ラインL13に設けている。
この蒸発塩分離器22としては、例えばサイクロンやバグフィルタ等のガス中の固形分を分離する装置であり、分離した蒸発塩21は、その後セメント固化処理される。また蒸発塩21を分離した排ガス12cは、排出ガス送給ラインL13を介して、主煙道L11に返送している。
この分離された蒸発塩21は、潮解性のCaCl2を多量に含むため、そのままの状態では埋立て後に、周囲の大気中の水分を吸湿することで潮解性物質自体が溶解するので、セメント固化処理時にこれを封じ込める為により高いセメント強度が必要となる。
本実施例のセメント固化処理装置では、有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩21を蒸発塩分離器22から蒸発塩をスラリー化槽25へ供給する蒸発塩排出ラインL31と、この蒸発塩21を溶解水23に溶解してスラリー化してスラリー化物24を得るスラリー化槽25と、スラリー化槽25に鉄系添加剤26を添加する鉄系添加剤供給部27と、鉄系添加剤26が混合されたスラリー化物24に、セメント固化剤28をセメント固化剤供給部29から添加し、セメント混練物30を得るセメント混練槽31と、セメント混練物30を乾燥、養生・固化してセメント固化物32とするセメント固化部33と、を備えるものである。
ここで、本実施例でセメント固化処理する対象の蒸発塩21には、例えば重金属(例えば水銀(Hg)、セレン(Se)及びヒ素(As))等の有害物質を含むものであり、この有害物質と共に潮解性化合物を含むものである。ここで、重金属とは、比重4以上の金属をいい、水銀(Hg)、セレン(Se)以外には、例えば、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)等を挙げることができる。
また、本発明の処理対象の蒸発塩21には、有害物質以外に潮解性化合物を含むものである。この潮解性化合物とは、該化合物の固体を大気中に放置するとき、その固体が空気中の水分を吸収し、その水分に固体が溶け出す現象を呈する物質をいう。例えば一般的な潮解性化合物として、例えば塩化カルシウム(CaCl2)、水酸化ナトリウム(NaOH)、塩化マグネシウム(MgCl2)等を挙げることができる。
セメント固化するためのセメント固化剤28としては、例えば3CaO・SiO2、3CaO・Al23等を配合するものであり、蒸発塩中の有害成分の固定化をより確実としている。このセメント固化剤として、例えばポルトランドセメント等を例示することができる。また、セメント固化剤と共に、フライアッシュ等を添加するようにしてもよい。
ここで、従来技術に係る蒸発塩をセメント固化する場合には、蒸発塩の固体とセメント固化剤28とを、粉体(固体)状態で混ぜ合わせ、所定の水分を添加しつつ混練して、乾燥、養生・固化させるセメント固化処理を行っている。
しかしながら、蒸発塩21に潮解性化合物が含まれている場合には、この従来技術の粉体同士の混合方法を実施するだけでは、得られたセメント固化物の圧縮強度(圧潰強度)が所望の基準値に達成せず、セメント固化物を長期間に亙って、埋立処理する場合、セメント固化物が割れたり、潮解性化合物がセメント固化物の表面に滲出したりするという問題がある。
さらに、このセメント固化物32の表面に、潮解性化合物の潮解作用に伴う水分が滲出した場合には、セメント固化物内部の有害物質が同伴して、この有害物質が外部に漏洩する場合がある。この結果、長期間に亙る埋立処理をする際、環境排出基準値が極めて低い有害物質や、将来において環境排出基準が厳しくなるような有害物質を含む場合には、そのままでは埋立処理ができなくなるおそれがある。
そこで、本発明では、スラリー化槽25において、蒸発塩21を先ず溶解水23に溶解してスラリー化する処理を行い、溶解水23でスラリー化物24を得るようにしている。このスラリー化工程において得られたスラリー化物24は、溶解水23の作用により蒸発塩21中の有害物質の分散化及び均質化を図るようにしている。
すなわち、スラリー化槽25において、溶解水23の中に徐々に蒸発塩21の固体を投入し、攪拌手段(図示せず)等で掻き混ぜ、液体と固体とが混在した懸濁状のスラリー化物24を得ることで固液の混合分散化促進処理を行い、その後のセメント固化剤28との混練処理の均質化を図り易くしている。
このように、本実施例では、蒸発塩21とセメント固化剤28とを固体状態のままで混練せずに、先ずスラリー化槽25において、一度乾燥した蒸発塩21を溶解水23を用いてスラリー化物24とした後、この得られたスラリー化物24とセメント固化剤28とを、セメント混練槽31で混練処理させることで、セメント固化物32の固化強度を増加させるようにしている。これは、前記のスラリー化物24を得る際に分散化を促進させている。これによって重金属を含むスラリー化物24とセメント固化剤28とを均質に混入させる操作の際、セメント固化剤28がスラリー内で均質化し固化強度が増加しやすくなる。この結果、当該スラリー化処理をしない時に比べてより少ないセメント量での固化が可能となる。
これにより、得られたセメント固化物32の固化強度の増加と共に、潮解性化合物の滲出しも大幅に低減することとなる。この結果、潮解性化合物に同伴して外部に滲出す有害物質量も低減できるので、長期間に亙って埋立処理した場合でも、環境排出基準を満足するセメント固化物32を得ることができる。
また、スラリー化物24を得る際、鉄系添加剤26として2価の鉄系薬剤を添加し、セメント固化剤によるセメント固化処理における水和反応と2価鉄系薬剤によるフェライト化反応が、スラリー内で均質に混合された状態で水和反応が進行すると共に、有害物質がセメントの水和反応固溶結晶体の内部に容易に取り込まれて固定化がなされるようにしている。
本実施例では、スラリー化槽25に鉄系添加剤供給部27から鉄系添加剤26を添加しているが、本発明はこれに限定されず、スラリー化槽25又はセメント混練槽31のいずれか一方又は両方に鉄系添加剤供給部27から鉄系添加剤26を添加するようにしてもよい。
ここで、2価の鉄系薬剤としては、例えば塩化第1鉄(FeCl2)、硫酸第1鉄(FeSO4)、硝酸鉄(Fe(NO32)、炭酸鉄(FeCO3)、ヨウ化鉄(FeI2)、フッ化鉄(FeF2)等を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
このようにして得られたセメント固化物の圧縮強度(圧潰強度)としては、例えば150kg/cm2以上、より好ましくは200kg/cm2以上であることが好ましい。この圧縮強度は、蒸発塩21中に含まれる重金属濃度と、セメント固化物32における目標とする溶出濃度との関係を、プラントを運用する際に事前に把握しておき、同じ運転条件(例えば同じ燃料)で運転する場合には、目標の圧縮濃度を定期的に確認しておくことで、溶出濃度が満足していることの指標とすることができる。なお、圧縮強度は溶出基準に応じて設定される。よって、蒸発塩21中に含まれる純金属濃度が高くなり、目標の溶出基準が厳しくなる場合には、高い圧縮強度を指標として運用することが望ましい。
図4は、セメント添加重量比(固形成分を1としている)と、セメント圧縮強度(kg/cm2)との関係を示す図である。
試験例は、蒸発塩である蒸発塩の固形物を溶解水23でスラリー化物24とした後、このスラリー化物24とセメント固化剤28とを混合し、セメント混練物30を得た後、乾燥、養生・固化処理をして、セメント固化物としたものである。
比較例は、従来と同様に蒸発塩である蒸発塩の固形物と、セメント固化剤28とを混合し、水を加えてセメント混練物30を得た後、乾燥、養生・固化処理をして、セメント固化物としたものである。
セメント比は、蒸発塩の固形物を1とし、これに対するセメントを3倍添加した場合(セメント比3)の試験例1及び比較例1のセメント固化物の圧縮強度を求めた。
同様に、セメントを5倍添加した場合(セメント比5)の試験例2及び比較例2のセメント固化物の圧縮強度を求めた。
ここで、本試験では、セメント固化剤として普通ポルトランドセメントを用いた。セメント固化剤28を投入した後の所定時間混練し、所定条件で乾燥した。乾燥後室温大気下で所定時間養生した。
図4に示すように、試験例1及び2のセメント固化物は共に、>200kg/cm2であった。これに対し、比較例1のセメント固化物は100kg/cm2であり、比較例2のセメント固化物は155kg/cm2であった。
次に、セメント固化操作時に添加する薬剤として、2価の鉄系薬剤として、鉄系薬剤A、鉄系薬剤Bを添加した場合の溶出Se濃度試験を実施し溶出性を確認した。
図5は、鉄系薬剤A、鉄系薬剤Bを添加した場合の溶出Se濃度の結果を示す図である。なお、図5の試験では、セメント比を5とした。
本試験のセメント固化条件は、図4の試験と同様とした。また、蒸発塩としては、脱硫排液を蒸発固化させた蒸発塩を用い、蒸発塩中のセレン(Se)濃度は、330mg/kgであり、この蒸発塩を溶解水に溶解させた際のセレン(Se)濃度は4価のセレンが11mg/L、6価のセレンが2.3mg/Lのものを用いた。
ここで、溶出試験は、米国EPA 1311法に定められるTCLP(Toxicity characteristic leaching procedure)に従って以下の通り実施した。
所定時間乾燥養生させたセメント固化物32の一部を抜出し、所定量を氷酢酸水溶液中に投入する。TCLP試験用の回転式攪拌機で18時間振とうする。なお、セメント固化物の径が9.5mm以上のものは粉砕して試験した。回転振とう後、ガラス製のろ過装置を用いてろ過し、そのろ液について定量分析を行った。定量分析としては、高周波誘導結合プラズマ(ICP)吸光光度分析法にて実施した。
図5に示すように、鉄系薬剤Aを鉄濃度換算で3重量%添加した場合(試験例3)、鉄系薬剤Aを鉄濃度換算で6重量%添加した場合(試験例4)、鉄系薬剤Bを鉄濃度換算で3重量%添加した場合(試験例5)、鉄系薬剤Bを鉄濃度換算で6重量%添加した場合(試験例6)共に、Se溶出濃度が0.01mg/L以下であった。
これに対して、鉄系薬剤を添加しない場合(比較例3)では、セメント比が7の場合であり、セメント比が8であってもSe溶出濃度が0.01mg/L以下とすることはできなかった。
前記のように鉄系薬剤A、Bを添加した場合にのみ好適な結果が得られた理由としては、以下の様な現象が起きたものと推察している。すなわち、まずスラリー化槽25において、蒸発塩21を溶解水23に溶解してスラリー化した懸濁液に、鉄系添加剤26を添加することで、この鉄系添加剤26によって当該スラリー中において6価セレンが6価セレンよりも固相に溶出し易い4価セレンに還元される。そして、セメント固化剤28の添加により、当該4価セレンがセメント固化剤28中のアルカリと鉄が反応して水酸化鉄を生成する際に固相共沈し、更に前記の分散・均質化しセメントの圧縮強度を増加せしめる状態において、セメントの固化反応が好適に促進される。
以上より、セメント固化物32を得るためには、蒸発塩21を最初に溶解水23を用いてスラリー化してスラリー化物24を得た後、このスラリー化物24に粉体のセメント固化剤28を添加し、セメント混練槽31で混練処理をし、セメント混練物30を得る。その後この得られたセメント混練物30を乾燥、養生・固化処理することで、セメント固化物32を得る。
この際の蒸発塩(固形物)とセメントとの比は、1:3〜1:6、好適には1:5が好ましい。
また、固形物:セメント=1:5において、鉄系薬剤Aや鉄系薬剤Bを鉄濃度換算で3重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは6重量%以上添加することが好ましい。
また、水分添加率(水分/総重量(蒸発塩、セメント固形剤、鉄系添加剤))としては、20%以上、より好ましくは30%以上とするのが好ましい。
蒸発塩のセメント固化処理方法は、重金属及び潮解性化合物を含む蒸発塩(濃縮物又は蒸発塩)21を溶解水23に溶解してスラリー化してスラリー化物24を得るスラリー化工程と、このスラリー化物24に、鉄系添加剤26を添加する鉄系添加剤添加工程と、鉄系添加剤26が混合された重金属を含むスラリー化物24に、セメント固化剤28を添加し、混練するセメント固化剤添加工程と、セメント固化剤28が混合されたセメント混練物30を養生してセメント固化するセメント固化工程と、を有するものである。
この結果、従来のような蒸発塩とセメント固化剤とを固体状態のままで混練せずに、本実施例では先ずスラリー化槽14においてスラリー化物24を得、当該スラリーを分散・均質化した後に、このスラリー化物24にセメント固化剤28を添加して、セメント混練槽31で混練処理させることで、より少ないセメント量でセメント固化物32の固化強度を増加させることとなる。
すなわち、噴霧乾燥処理後の排出ガス中の有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩21を固気分離し、分離後の蒸発塩21を溶解水23に溶解してスラリー化してスラリー化物を得るスラリー化工程により、蒸発塩21中の有害物質の分散化及び均質化を図る。その後、有害物質及び潮解性化合物を含むスラリー化物24に、鉄系添加剤26を添加する鉄系添加剤添加工程により、スラリー中において有害物質として例えば6価セレンが6価セレンよりも固相に溶出し易い4価セレンに還元される。その後、鉄系添加剤26が混合された有害物質及び潮解性化合物を含むスラリー化物24に、セメント固化剤28を添加し、混練するセメント固化剤添加工程により、4価セレンがセメント固化剤28中のアルカリと鉄が反応して水酸化鉄を生成する際に固相共沈し、更に前記の分散・均質化しセメントの圧縮強度を増加せしめる状態において、セメントの固化反応が好適に促進される。
そして、このセメント固化強度の増加と共に、潮解性化合物によるセメント固化物表面への水分の滲出も低減することとなり、この結果、潮解性化合物に同伴して外部に滲出する有害物質も固化物内に封入し当該有害物質の溶出濃度も低減できるので、長期間に亙って埋立処理した場合でも、環境排出基準を満足するセメント固化物32を得ることができる。
次に、本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Aの全体動作について説明する。
本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Aでは、例えば石炭焚のボイラ11からのボイラ排ガス12は、エアヒータAHでその熱が回収され、その後集塵機13にてボイラ排ガス12中の煤塵が除去される。煤塵が除去されたボイラ排ガスは脱硫装置14に導入され、例えば石灰吸収液によりボイラ排ガス中のS分が除去され、その後煙突40から浄化された排ガスが外部へ排出される。
脱硫装置14からの脱硫灰対15は固液分離器17に導入され、固形物(石膏)16を分離し、分離水18の一部は返送水18Aとして、脱硫装置14へ返送される。
その後分離水18は無排水化処理のために、噴霧乾燥装置19へ導入される。
噴霧乾燥装置19では、ボイラ排ガス12の一部の分岐ガス12aが導入され、分離水を噴霧乾燥して、脱硫排水からの分離水18の無排水化処理をすることができる。
噴霧乾燥装置19からの乾燥に寄与した排出ガス12bは、蒸発塩分離器22でガス中の固形分の蒸発塩21分離する。この分離された蒸発塩21は、スラリー化槽25へ導入され、溶解水23によりスラリー化物24を得る。この際、鉄系添加剤26がスラリー化物24に添加される。この溶解水23の添加をすることにより、一度乾燥した蒸発塩21を溶解水23によりスラリーとすることとなり、蒸発塩21中の有害物質の分散化及び均質化を図ることができる。スラリー化物24は、セメント混練槽31に導入され、セメント固化剤供給部29からセメント固化剤28が供給され、セメント混練物30を得る。このセメント混練物30は、セメント固化部33において、乾燥、養生・固化され、圧縮強度の高いセメント固化物32を得る。
以上、本実施例によれば、噴霧乾燥装置19で乾燥に寄与した排出ガス12bから蒸発塩21の固形分を蒸発塩分離器22で分離するので、集塵機13への負荷も軽減され、集塵機13の集塵能力を向上させる必要がなくなる。
また、分離した蒸発塩21は、その後セメント固化処理されるが、有害物質及び潮解性化合物を含有する場合において、一度スラリー化物を得てから、セメント固化剤28を供給してセメント固化処理するので、圧縮強度の高いセメント固化物32とすることできる。この結果、セメント固化物32を別途埋め立て処理される際、固定化処理がなされているので、環境排出基準を満足するセメント固化物32の埋立処理を行うことができる。
図6は、実施例2に係る無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。なお、実施例1の無排水化排ガス処理システムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示す本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Bでは、蒸発塩21をスラリー化する溶解水23として、脱硫排水15を固液分離部17で分離した際の分離水18Bを用いるようにしている。
実施例1におけるスラリー化槽25でのスラリー化工程時に、溶解水として脱硫排水15からの分離水18の一部18Bを用いて、溶解処理することで、無排水化排ガス処理システム10Bにおける、排水減容化の際のコスト低減(例えば噴霧乾燥装置19のコンパクト化や運転費低減)を図ることができる。
図7は、実施例3に係る無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。なお、実施例1及び2の無排水化排ガス処理システムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図7に示す本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Cでは、セメント混練槽31でセメント固化剤28によりセメント混練物30とする際、セメント固化剤28と共にフライアッシュ41を添加するようにしている。フライアッシュ41は、ボイラ排ガス12中の煤塵を除去する集塵機13からの集塵灰13aを用いることもできる。
このフライアッシュ41を添加することで、フライアッシュ41中の灰分や不活性成分によって蒸発塩が希釈されることになり、フライアッシュ41の量が多い程蒸発塩中の塩化カルシウム濃度等の潮解性物質の見掛け濃度が低減できるので、潮解作用やそれに伴ってセメント固化物32の表面への重金属の滲出の低減も図ることが出来る。また、集塵機13から排出され埋め立てられるフライアッシュ処理量が低減できる効果もある。
図8は、実施例4に係る無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。なお、実施例1及び2の無排水化排ガス処理システムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示す本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Dでは、分岐ガス12aを噴霧乾燥装置19に導入する排ガス導入ラインL12に、乾燥添加剤供給部43から乾燥添加物42を添加するようにしている。
この乾燥添加物42を添加することで、分岐ガス12a中での固体分の比率が上昇し、噴霧乾燥装置19で噴霧乾燥する際の分離水18の液滴蒸発及び蒸発塩21の固化を促進することができる。
ここで、蒸発を促進させるために排ガス導入ラインL12に導入する乾燥添加物42は、他の粉体でもよく、セメント固化剤28、フライアッシュ、アルカリ粉としてもよい。アルカリ粉としては、例えば炭酸カルシウム(石灰岩)、水酸化カルシウム(消石灰)、硫酸カルシウム(石膏)等を例示することができるが、乾燥を促進するものであれば、これらに限定されるものではない。
この乾燥添加物42を添加することで、分岐ガス12a中での固体分の比率が上昇し、噴霧乾燥装置19で噴霧乾燥する際の分離水18の液滴蒸発及び蒸発塩21の固化を促進することができる。
図9は、実施例4に係る他の無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。
また、図9に示す無排水化排ガス処理システム10Eでは、乾燥添加剤42を添加した蒸発塩21を、蒸発塩分離器22で分離した後、蒸発塩排出ラインL31から分岐し、排ガス導入ラインL12に接続されるリサイクルラインL32により、分離した乾燥添加剤42を含む蒸発塩21の一部21aを、分岐ガス12aに添加するようにしてもよい。
この乾燥添加物42を含む蒸発塩21の一部21aをリサイクルして添加することで、分岐ガス12a中での固体分の比率がさらに上昇し、噴霧乾燥装置19で噴霧乾燥する際の分離水18の液滴蒸発及び蒸発塩21の固化を促進することができる。
図10は、実施例5に係る無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。なお、実施例1及び2の無排水化排ガス処理システムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図10に示す本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Fでは、固液分離器17で分離した分離水18中の溶解成分を計測する溶解成分計測装置70を設け、計測した溶解成分の値に応じて、スラリー化槽25に添加する鉄系添加剤26又は、セメント混練槽31に添加するセメント固化剤28のいずれか一方又は両方の添加量を調整するようにしている。
分離水18中の溶解成分の計測は、定期的或いは連続的に(自動化)行いそのデータを蓄積するようにしている。
ここで、分離水18中の溶解成分としては、例えば水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)、ホウ素(B)等を計測対象としている。
これらの溶解成分の濃度を溶解成分計測装置70で定期的又は連続的に測定して、データとして蓄積し、この蓄積したデータに基づき、蒸発塩21中に含有する例えばセレン(Se)やホウ素(B)の濃度分析結果に応じた最も経済的な運転条件を制御装置71で演算し、これによってセメント固化剤28の添加量や、鉄系添加剤26の配合比を調整して、最適に制御するようにしてもよい。この制御は作業員が行っても自動で行ってもよい。ここで、溶解成分の分析は、原子吸光計測装置や、ICP発光分光分析装置、ICP質量分析(ICP-MS)法等の公知の分析装置により行うことができる。
例えば燃料Fの燃料種や、ボイラ11や集塵機13の運転条件が変動する場合、例えば水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)、ホウ素(B)等の含有濃度も大きく変動するし、必要な薬剤量も変動することとなる。例えば脱硫排水中の水銀(Hg)、ヒ素(As)、セレン(Se)濃度が大きく変動すると、セメント添加量や鉄系薬剤の添加量過多や過小の状況になる可能性があるので、これらの濃度変動に応じてセメント添加量や鉄系薬剤添加量を適正に調整して、当該添加量過多や過小添加を解消することができる。特に脱硫排水中の6価セレンの含有量がセメント添加量や鉄系薬剤の添加量を左右するので、この定期分析が重要となる。また脱硫排水中のホウ素(B)はセメント固化剤28中のアルカリ成分を消費するので、このホウ素の増減量が大きく変動すると、セメント固化剤28の添加量過多や過小の状況になる可能性があるので、これを解消することができる。ここで、脱硫排水中の各分析対象成分に応じたセメント添加量や鉄系薬剤の添加量の適正量のことを「フィードフォワード量」と呼ぶ。
図11は、実施例5に係る他の無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。図11に示す無排水化排ガス処理システム10Gでは、セメント固化物32から一部所定量を抜き取り、セメント固化物32中の溶出成分を計測する溶出成分計測装置72により溶出量を計測するようにしてもよい。
そして、溶出計測データから、脱硫排水の溶解成分計測によるフィードフォワード量とで不足或いは過剰分のセメント添加量や鉄系薬剤の添加量制御差分をフィードバック補正しながら、当該セメント添加量や鉄系薬剤の添加量の増減を行い、厳しい溶出基準を遵守しつつ経済的に最適な条件で運転を行うようにしてもよい。
図12は、実施例6に係る無排水化排ガス処理システムの概略構成図である。なお、実施例1及び2の無排水化排ガス処理システムと同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図12に示す本実施例に係る無排水化排ガス処理システム10Hでは、脱硫装置14の脱硫吸収液の酸化還元電位値を計測する酸化還元電位計75を設け、脱硫吸収液中の酸化還元電位を100〜200mVの領域に調整するようにしている。
酸化還元電位計75により脱硫吸収液の酸化還元電位(ORP:Oxidation−Reduction Potential、以下「ORP」ともいう)を計測し、100〜200mVの領域に調整することで、脱硫吸収液に存在する4価のセレンが6価のセレンに酸化されることが抑制される。即ち難分解性で溶出防止が非常に困難な6価セレンに比較すると比較的固相に移行しやすい4価セレンが6価セレンに酸化される前に脱硫排水から噴霧乾燥装置に供給することで、セレンの溶出濃度を抑制することができ、結果的にセメント添加量や鉄系薬剤の添加量低減につながるものである。
特に、低S分燃料、重金属高含有燃料等をボイラ11で燃焼させるプラントや脱硫原料としての石灰石にマンガン(Mn)を多く含むプラントでは、高ORPに状態に成りやすくなることが予想される。その場合には、還元性添加剤を添加し、ORP値を上記の適正な領域にすることで、6価のセレンの生成を抑制することができる。これにより難分解性の6価のセレンの蒸発塩21中の割合を低減することができる。
10A〜10H 無排水化排ガス処理システム
11 ボイラ
12 ボイラ排ガス
13 集塵機
14 脱硫装置
15 脱硫排水
16 固形物
17 固液分離器
18 分離水
19 噴霧乾燥装置
21 有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩
22 蒸発塩分離器
23 溶解水
24 スラリー化物
25 スラリー化槽
26 鉄系添加剤
27 鉄系添加剤供給部
28 セメント固化剤
29 セメント固化剤供給部
30 セメント混練物
31 セメント混練槽
32 セメント固化物
33 セメント固化部

Claims (16)

  1. 燃料を燃焼させるボイラと、
    前記ボイラからのボイラ排ガスを排出する主煙道に設けられ、前記ボイラ排ガスの熱を回収する熱回収装置と、
    前記熱回収装置後のボイラ排ガス中の煤塵を除去する除塵装置と、
    前記除塵装置後の前記ボイラ排ガス中に含まれる硫黄酸化物を脱硫吸収液で除去する脱硫装置と、
    前記脱硫装置から排出される脱硫排水から固形物を除去する固液分離器と、
    前記固液分離器からの分離水を噴霧する噴霧乾燥装置と、
    前記噴霧乾燥装置に前記分離水を蒸発乾燥させる乾燥用ガスを導入するガス導入ラインと、
    前記噴霧乾燥装置で前記分離水を蒸発乾燥した後の排出ガスを前記主煙道に戻す排出ガス送給ラインと、
    前記排出ガス送給ラインに設けられ、前記排出ガス中の有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩を分離する蒸発塩分離器と、
    前記蒸発塩分離器で分離された前記蒸発塩を溶解水徐々に投入しつつ溶解してスラリー化してスラリー化物を得るスラリー化槽と、
    前記スラリー化槽内の前記スラリー化物に鉄系添加剤を添加する鉄系添加剤供給部と、
    前記鉄系添加剤が混合されたスラリー化物に、セメント固化剤を添加し、セメント混練物を得るセメント混練槽と、
    記セメント混練物を乾燥、養生し、圧縮強度が200kg/cm 2 以上のセメント固化物とするセメント固化部と、を備えることを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  2. 請求項1において、
    前記溶解水が、前記固液分離器で分離した分離水の一部であることを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記セメント固化剤と共に、フライアッシュをセメント混練槽に添加することを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記分岐ガス中に、乾燥添加剤を添加することを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  5. 請求項4において、
    前記乾燥添加剤を添加した前記蒸発塩を蒸発塩分離器で分離した後、分離した前記蒸発塩の一部を、分岐ガスに添加することを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    前記固液分離器で分離した分離水中の溶解成分を計測する溶解成分計測装置を設け、
    計測した溶解成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  7. 請求項6において、
    前記セメント固化物中の溶出成分を計測する溶出成分計測装置を設け、
    計測した溶出成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
    前記脱硫装置の脱硫吸収液の酸化還元電位値を計測する酸化還元電位計を設け、
    酸化還元電位を100〜200mVの領域に調整することを特徴とする無排水化排ガス処理システム。
  9. ボイラからのボイラ排ガスの熱を回収する熱回収工程、前記ボイラ排ガス中に含まれる硫黄酸化物を脱硫吸収液で除去する脱硫工程、前記脱硫工程で排出される脱硫排水から固形物を除去する固液分離工程、固液分離工程で分離された分離水を噴霧し、乾燥用ガスで蒸発乾燥する噴霧乾燥工程を有する無排水化排ガス処理方法において、
    前記噴霧乾燥工程後の排ガス中の有害物質及び潮解性化合物を含む蒸発塩を固気分離する蒸発塩分離工程と、
    前記蒸発塩分離工程後の前記蒸発塩を溶解水徐々に投入しつつ溶解してスラリー化してスラリー化物を得るスラリー化工程と、
    前記スラリー化工程の前記スラリー化物に鉄系添加剤を添加する鉄系添加剤添加工程と、
    前記鉄系添加剤添加工程後の鉄系添加剤が混合されたスラリー化物に、セメント固化剤を添加し混練するセメント固化剤添加工程と、
    前記セメント固化剤添加工程後に、セメント混連物を養生し、圧縮強度が200kg/cm 2 以上のセメント固化物とするセメント固化工程と、を有することを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  10. 請求項9において、
    前記溶解水が、前記脱硫排水から分離した分離水の一部であることを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  11. 請求項9又は10において、
    前記セメント固化剤と共に、フライアッシュを添加し、セメント混練物を得ることを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  12. 請求項9乃至11のいずれか一つにおいて、
    前記分岐ガス中に、乾燥添加剤を添加することを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  13. 請求項12において、
    前記乾燥添加剤を添加した前記蒸発塩を蒸発塩分離器で分離した後、分離した前記蒸発塩の一部を、分岐ガスに添加することを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  14. 請求項9乃至13のいずれか一つにおいて、
    前記固液分離器で分離した分離水中の溶解成分を計測し、計測した溶解成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  15. 請求項14において、
    前記セメント固化物中の溶出成分を計測し、計測した溶出成分の値に応じて、前記鉄系添加剤又はセメント固化剤のいずれか一方又は両方の添加量を調整することを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
  16. 請求項9乃至15のいずれか一つにおいて、
    前記脱硫装置の脱硫吸収液の酸化還元電位値を計測し、酸化還元電位を100〜200mVの領域に調整することを特徴とする無排水化排ガス処理方法。
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