JP6504694B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
また、特許文献1に記載の椅子は、背凭れと一体に回動する枢支軸に取り付けられたセクタギヤと、支持構造体側に支持され、操作レバーによる操作によって前記セクタギヤと係合可能な係止板と、を主要素として背凭れのロック機構が構成されている。このロック機構は、係止板がセクタギヤと非係合のときに背凭れの自由な傾動を許容し、係止板がセクタギヤと係合することによって背凭れの傾動をロックする。
この場合、ロック部材であるピン部材が、軸部材の嵌合孔に軸方向に沿って嵌合されることで軸部材に係合されるため、ロック部材と任意の軸部材との係合をスムーズに行うことができる。
図1は、この実施形態に係る椅子1を正面側から見た斜視図であり、図2は、この実施形態に係る椅子1を背面側から見た斜視図である。
この実施形態に係る椅子1は、フロア等の載置面上に載置される脚部2と、脚部2の上端部に設置される支基3と、支基3の上部に取り付けられて着座者の臀部及び腿部を支持する座4と、支基3に取り付けられて座4の後部側で着座者の背部を支持する背凭れ5と、背凭れ5を介して支基3に支持され、着座者の腕先部が載せ置かれる肘掛6とを備えている。なお、この実施形態においては、支基3が椅子1における支持構造体の主要部を構成している。
脚部2に取り付けられた支基3は、座4を下方から支持するとともに、背凭れ5を後下方に傾動可能に支持している。この支基3の詳細構造については後に詳述する。
同図に示すように、背凭れ5は、矩形枠状の荷重受け部を有する強度部材であるフレーム5aと、フレーム5aの荷重受け部の開口を閉じるように当該フレーム5aに張設される第1の張材5bと、第1の張材5bの外側を覆う第2の張材5cと、を備えている。
背凭れ5のフレーム5aは、荷重受け部の下端から支基3側に向かって延出する左右一対の前向杆5a1と、左右の前向杆5a1同士を連結するとともに後述するトーションユニット7の連結部15cが連結される接続部5a2と、を備えている。また、肘掛6は、背凭れ5のフレーム5aの左右の各下縁の外側側面に固定されている。
なお、トーションユニット7は、支基3と背凭れ5の連結部に設けられ、背凭れ5が支基3に対して後下方に傾動するときに、背凭れ5に、初期位置方向への所定の反力を付与するように機能する。また、トーションユニット7は、背凭れ5に付与する反力を強弱二段階に調整できるように構成されるとともに、背凭れ5の回動を初期位置でロックできるように構成されている。
図4は、支基3とトーションユニット7の一部を後部下方側から見た分解図であり、図5は、支基3とトーションユニット7を前部上方側から見た分解図である。また、図6は、支基3の上面側の中央領域を上方側から見た図であり、図7は、図6のVII−VII断面に対応する支基3とトーションユニット7の断面図であり、図8は、図7のVIII−VIII断面に対応する支基3とトーションユニット7の断面図である。
支基3は、脚柱2bのロッド2b2の上端部に固定される強度部材であるベース部材3aを有している。ベース部材3aは、上面の中央領域に、平面視が略矩形状である収容凹部20が設けられ、その収容凹部20を形成する左右の側壁には、後方側に向かって延出する一対の後向杆3a5と、前部上方側に向かって延出する一対のアーム3a1が延設されている。一対の後向杆3a5は、収容凹部20の形成されるベース部材3aの本体部との間で、前方側に向かって凹状に窪む凹部3a2を形成している。
ベース部材3aの中央部には、脚柱2bのロッド2b2が取り付けられ、図7に示すように、プッシュバルブ2b3を含むロッド2b2の上端部が収容凹部20の下収容室20b内に突出している。仕切部材23の下面側には、プッシュバルブ2b3を押圧操作するための揺動レバー27が回動可能に軸支されている。揺動レバー27は、一端側に昇降用ワイヤー30(図6参照)が接続され、他端側が、プッシュバルブ2b3に押圧操作可能に対向している。昇降用ワイヤー30は、仕切部材23から上収容室20a側に引き出され、ワイヤーガイド25を介して支基3の外部に引き回されている。支基3から引き出された昇降用ワイヤー30は座4の右側部に設けられた操作ユニット8の昇降操作レバー8a(図2参照)に接続されている。昇降用ワイヤー30は、昇降操作レバー8aの押し上げ操作によって引っ張られ、それによってプッシュバルブ2b3を押圧するように揺動レバー27を回動させる。
また、ベース部材3aのうちの、凹部3a2内の後方側に臨む壁部には、図4,図5に示すように規制突起33が設けられている。規制突起33は、左右の操作ピン19の略中間位置において後方側に突出している。規制突起33は、後に詳述するように、背凭れ5の傾動範囲を規制し、かつ、トーションユニット7に初期荷重を付与するように機能する。
内筒12は、金属や硬質樹脂等の剛体によって形成されている。内筒12は、その軸長がハウジング15の軸長よりも短くなるように形成されている。したがって、内筒12の軸長は、枢軸10の軸長よりも短く設定されている。
第1のゴム状弾性部材11は、略円筒状に形成され、その内周面と外周面が枢軸10の外周面と内筒12の内周面とに加硫接着されている。第1のゴム状弾性部材11の軸方向両側の端面は、径方向内方側が軸方向外側に膨出するように、軸線方向と直交する面に対して傾斜している。
第2のゴム状弾性部材13は、略円筒状に形成され、その内周面と外周面が内筒12の外周面と外筒14の内周面とに加硫接着されている。第2のゴム状弾性部材13の軸方向両側の端面は、径方向内方側が軸方向外側に膨出するように、軸線方向と直交する面に対して傾斜している。
ハウジング15は、上部材15aと下部材15bとを備え、これらが外筒14及び内筒12の上側と下側とを枢軸10の径方向外側から覆っている。そして、ハウジング15は、上述のように嵌合凸部15dが内筒12の係止孔12bに嵌合されることにより、内筒12に対して相対回転不能に係止されている。ただし、ハウジング15は、外筒14に対しては所定隙間をもって離間している。
なお、この実施形態においては、枢軸10が、支持構造体である支基3に連結される第1の軸部材を構成し、内筒12が、背凭れ5に連結される第2の軸部材を構成している。また、外筒14は、第1の軸部材と第2の軸部材以外の軸部材である第3の軸部材を構成している。
なお、外筒14と内筒12を連結する第2のゴム状弾性部材13と、内筒12と枢軸10を連結する第1のゴム状弾性部材11には、操作ピン19の進退変位を許容するための逃げ孔13a,11aが設けられている。外筒14の嵌合孔14aと内筒12の嵌合孔12aとは、背凭れ5が初期位置(最も起立した初期回動姿勢)にあるときに、両者が同軸になるように設定されている。したがって、背凭れ5が初期位置にあるときには、操作ピン19を、外筒14側の嵌合孔14aと内筒12側の嵌合孔12aとに跨って嵌合させることが可能となっている。図10は、操作ピン19の小径部19aが外筒14の嵌合孔14aと内筒12の嵌合孔12aに跨って嵌合された状態を示す図7と同様の断面図である。
また、トーションユニット7は、支基3に対する組み付け時に、前述のように枢軸10の両端部10aが支基3側の対応する嵌合溝3a4に相対回動不能に嵌合された後に、内筒12と一体のハウジング15を、背凭れ5を後傾させる方向に回動させることによって第1のゴム状弾性部材11を所定量捩り、その状態でハウジング15の開口部15eに支基3側の規制突起33が嵌入される。これにより、ハウジング15の開口部15eの上辺側の面が第1のゴム状弾性部材11の反力を受けて規制突起33の上面に当接する。したがって、このようにしてトーションユニット7が組み付けられると、第1のゴム状弾性部材11が捩られて初期反力を蓄えたまま、背凭れ5が初期位置(初期姿勢)において回動を規制されることになる。
(1)第1の付勢力調整位置A1
操作ピン19が、第3の軸部材である外筒14と、第2の軸部材である内筒12のいずれにも係合(嵌合)されていない最も後退した位置(図7参照)。
(2)第2の付勢力調整位置A2
操作ピン19が、第3の軸部材である外筒14にのみ係合(嵌合)される中間進退位置(図9参照)。
(3)ロック位置A3
操作ピン19が、第3の軸部材である外筒14だけでなく、第2の軸部材である内筒12にも係合(嵌合)される最前進位置(図10参照)。
この第2の実施形態に係る椅子101は、第1の実施形態と同様にトーションユニット7が枢軸10、内筒12、外筒14、及び、ハウジング15を有するとともに、枢軸10と内筒12の間が第1のゴム状弾性部材11によって連結されるとともに、内筒12と外筒14の間が第2のゴム状弾性部材13によって連結されている。ただし、枢軸10は、図示しない背凭れに一体に結合され、外筒14は、支基3に一体に結合されている。そして、外筒14と内筒12には、ロック部材である操作ピン19の小径部19aが嵌合可能な嵌合孔14a,12aがそれぞれ形成され、枢軸10には、操作ピン19の小径部19aの先端が嵌入可能なロック穴35が形成されている。また、ロック部材である操作ピン19は、第1の実施形態と同様に支基3に進退変位可能に保持されている。
この実施形態の場合、外筒14が第1の軸部材を構成し、枢軸10が第2の軸部材を構成し、内筒12が第3の軸部材を構成している。
この第3の実施形態に係る椅子201は、トーションユニット7が、枢軸10、内筒12、外筒14、及び、ハウジング15を有し、枢軸10と内筒12の間が第1のゴム状弾性部材11によって連結されるとともに、内筒12と外筒14の間が第2のゴム状弾性部材13によって連結されている点や、枢軸10が支基3側に一体に結合され、内筒12がハウジング15を介して背凭れ側に一体に結合されている点等の基本構成は第1の実施形態と同様とされている。
この第3の実施形態の第1の実施形態との大きな相違は、操作ピン219がロック位置A3に操作されたときに、操作ピン219が、内筒12と一体のハウジング15に嵌合されて内筒12の回動をロックする点である。
なお、この第3の実施形態においては、後に詳述するように操作ピン219がハウジング15に嵌合されて背凭れの傾動をロックするものであるため、内筒12の嵌合孔12aは、操作ピン219の小径部219aが遊挿され得る径であっても良い。また、操作ピン219の小径部219aの長さが、操作ピン219の最大突出時に小径部219aと内筒12の外面が干渉しない長さである場合には、内筒12には嵌合孔12aを設けなくても良い。
この実施形態の場合、枢軸10が第1の軸部材を構成し、内筒12とハウジング15が第2の軸部材を構成し、外筒14が第3の軸部材を構成している。
ただし、この第3の実施形態に係る椅子201は、操作ピン219がトーションユニット7の最外周部に位置されるハウジング15に嵌合されることで、背凭れの傾動がロックされる構造とされているため、径の小さい内筒12等に過大な負荷が作用するのを未然に防止することができる。したがって、椅子201の出荷時における性能を長期に亙って維持することができる。
10 枢軸(第1の軸部材,軸部材)
11 第1のゴム状弾性部材(ゴム状弾性部材)
12 内筒(第2の軸部材,軸部材)
12a 嵌合孔
13 第2のゴム状弾性部材(ゴム状弾性部材)
14 外筒(第3の軸部材,軸部材)
14a 嵌合孔
15 ハウジング(第2の軸部材,軸部材)
19,219 操作ピン(ロック部材)
42 嵌合孔
Claims (4)
- 背凭れが支持構造体に傾動可能に取り付けられた椅子において、
前記支持構造体に連結される第1の軸部材と、前記背凭れに連結される第2の軸部材と、前記第1の軸部材と前記第2の軸部材以外の軸部材とを含み、略同軸にかつ径方向に多層に配置される複数の軸部材と、
径方向で隣接する前記軸部材の間を連結する複数のゴム状弾性部材と、
前記支持構造体側の部材に進退変位可能に保持され、かつ、複数の前記軸部材に対して軸線方向と交差する方向に変位して、任意の前記軸部材に対して嵌合可能なロック部材と、を備え、
前記ロック部材が、前記第2の軸部材に嵌合されることによって前記支持構造体と前記背凭れとの傾動をロックし、
前記ロック部材が、前記第2の軸部材に嵌合されずに、残余のいずれかの前記軸部材に嵌合され、または、いずれの前記軸部材にも嵌合されないことによって、前記支持構造体と前記背凭れの間に作用する前記ゴム状弾性部材による付勢力を調整可能にしたことを特徴とする椅子。 - 前記第1の軸部材は、最内層の軸部材によって構成され、
前記第2の軸部材は、前記第1の軸部材の径方向外側に隣接して配置される軸部材によって構成され、
前記第2の軸部材の径方向外側には、前記第1の軸部材と前記第2の軸部材以外の軸部材である第3の軸部材が隣接して配置され、
前記ロック部材は、前記第3の軸部材と前記第2の軸部材のいずれにも嵌合されない第1の付勢力調整位置と、前記第3の軸部材に嵌合される第2の付勢力調整位置と、前記第2の軸部材に嵌合されるロック位置と、の間で進退操作されることを特徴とする請求項1に記載の椅子。 - 前記第2の軸部材は、最内層の軸部材によって構成され、
前記第2の軸部材の径方向外側には、前記第1の軸部材と前記第2の軸部材以外の軸部材である第3の軸部材が隣接して配置され、
前記第1の軸部材は、前記第3の軸部材の径方向外側に隣接して配置される軸部材によって構成され、
前記ロック部材は、前記第3の軸部材と前記第2の軸部材のいずれにも嵌合されない第1の付勢力調整位置と、前記第3の軸部材に嵌合される第2の付勢力調整位置と、前記第2の軸部材に嵌合されるロック位置と、の間で進退操作されることを特徴とする請求項1に記載の椅子。 - 前記ロック部材は、進退方向に長手であるピン部材によって構成され、
前記ロック部材と嵌合される前記軸部材には、前記ロック部材が当該ロック部材の軸方向に沿って嵌合される嵌合孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の椅子。
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