JP6504556B2 - 交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体 - Google Patents

交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6504556B2
JP6504556B2 JP2014236947A JP2014236947A JP6504556B2 JP 6504556 B2 JP6504556 B2 JP 6504556B2 JP 2014236947 A JP2014236947 A JP 2014236947A JP 2014236947 A JP2014236947 A JP 2014236947A JP 6504556 B2 JP6504556 B2 JP 6504556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
driver
phase
correlation number
per
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014236947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016099834A (ja
Inventor
敏夫 伊東
敏夫 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Institute of Technology
Original Assignee
Shibaura Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Institute of Technology filed Critical Shibaura Institute of Technology
Priority to JP2014236947A priority Critical patent/JP6504556B2/ja
Publication of JP2016099834A publication Critical patent/JP2016099834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6504556B2 publication Critical patent/JP6504556B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Navigation (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

本発明は、自動車の操作情報をもとに運転手に対して交通状況を提供する、交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体に関する。
日本における渋滞による年間の損失は時間換算で38億時間、費用換算で12兆円にも及び、生活する上での障害となるだけでなく、環境への負荷も大きいものとなっているのが現状である。そこで渋滞の対策として、定点観測によって得られた渋滞情報をリアルタイムに走行車両に知らせることで渋滞を回避させるシステムが開発されている。
特許第5481557号公報
しかし、上記システムにはインフラの整備が必須であることから、主要幹線道路や高速道路といった交通量の多い道路のみの設置に留まっており、すべての道路を網羅することは現実的には困難であると言える。インフラへの依存という課題を解決して適用範囲を広げるためには、運転手が運転する自車両から得られる情報のみで渋滞を予測し、回避へとつなげるシステムの開発が望まれていた。そこで、例えば特許文献1において、自車両の速度の時間変化から渋滞を予測し、回避へとつなげるシステムが開示されている。
図23は自動車の車両密度(Vehicle density)と交通量(Quantity of flow)の関係の一例を示す図である。自動車専用道路での交通流に着目すると、交通状態は自由走行相(Free flow phase)、渋滞相(Congestion phase)、メタ安定相(Meta‐stable phase)の3つの走行相で構成されており、渋滞の前触れとして車速が大きいまま車両密度が大きくなるメタ安定相が現れることが分かっている。したがって本発明者は、このメタ安定相を自車両から得られる情報のみを用いて検出することができれば汎用性の高い渋滞予測システムの実現に繋がると考えた。
また、運転中の運転手は視覚や聴覚などを介して外部から様々な情報を取得し、更に経験もふまえた上で車両操作を決定するため、運転する車両の前方を走行中の車両の速度変更やその車両に対する追従、その車両との車間距離などの要因が運転手の車両操作に影響を及ぼす。すなわち、自動車の走行相が運転手の車両操作に影響を及ぼすと考えられる。そこで、走行相と運転手の車両操作の関係を明らかにすることができれば、自車両から得られる運転手の操作情報を用いてメタ安定相を検出できると考えた。
すなわち、本件発明の一態様として、自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得する運転者毎操作情報取得部と、運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する交通状況情報取得部と、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得部にて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する運転者毎操作・交通状況関数取得部と、運転者毎操作・交通状況関数取得部にて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持する運転者毎操作・交通状況関数保持部と、保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う情報提供部と、を有する交通状況情報提供装置を提案する。
また、本件発明の別の態様として、自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得する運転者毎操作情報取得ステップと、運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する交通状況情報取得ステップと、運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得ステップにて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する運転者毎操作・交通状況関数取得ステップと、運転者毎操作・交通状況関数取得ステップにて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持する運転者毎操作・交通状況関数保持ステップと、保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う情報提供ステップと、を有する交通状況情報提供方法を提案する。
また、本件発明の別の態様として、自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得する運転者毎操作情報取得ステップと、運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する交通状況情報取得ステップと、運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得ステップにて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する運転者毎操作・交通状況関数取得ステップと、運転者毎操作・交通状況関数取得ステップにて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持する運転者毎操作・交通状況関数保持ステップと、保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う情報提供ステップと、を計算機に実行させるための交通状況情報提供プログラムを提案する。
主に以上のような交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラムを用いることにより、自車両から得られる情報のみで渋滞を予測し回避ルートを提案するナビゲーションシステムの構築が可能になる。
実施形態1の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図 実施形態1の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 実施形態1の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図 実施形態2の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図 実施形態2の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 実施形態2の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図 実施形態3の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図 実施形態3の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 実施形態3の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図 実施形態4の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図 実施形態4の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図 実施形態4の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図 実施例における被験者No.1の自由走行相とメタ安定相の走行データ 実施例における被験者No.2の自由走行相とメタ安定相の走行データ 実施例における被験者No.1の走行データのフーリエ変換の結果 実施例における被験者No.2の走行データのフーリエ変換の結果 実施例における被験者No.1の走行データの周波数成分の分散値の箱ひげ図 実施例における被験者No.2の走行データの周波数成分の分散値の箱ひげ図 実施例における被験者全員分の走行データの周波数成分の分散値の平均値 実施例における被験者No.1とNo.2の走行データの周波数成分の分散値の散布図 実施例において全被験者の判別率の平均値が最も高くなった走行相判別モデルの概要 実施例において行った被験者の走行相判別の判別結果 自動車の車両密度と交通量の関係の一例を示す図
以下、本発明の各実施形態について図面と共に説明する。各実施形態と請求項との相互の関係は以下のとおりである。まず、実施形態1は主に請求項1、2、9、10、11、12、13、20、21、22、23、24、31、32、33、34などに対応する。実施形態2は主に請求項3、4、5、14、15、16、25、26、27、34などに対応する。実施形態3は主に請求項6、17、28、34などに対応する。実施形態4は主に請求項7、8、18、19、29、30、34などに対応する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
<<実施形態1>>
<概要>
本実施形態は、自動車の操作情報をもとに運転手に対して交通状況を提供する、交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体に関する。
<機能的構成>
図1は実施形態1の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図である。例えば本件発明の交通状況情報提供装置は、「運転者毎操作情報取得部」0101と、「交通状況情報取得部」0102と、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」0103と、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」0104と、「情報提供部」0105と、から構成されることが考えられる。
なお、以下に記載する交通状況情報提供装置の機能ブロックは、いずれもハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらのメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、タッチパネル、カーナビゲーションシステム、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。そして、メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、二以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。
本発明は一または複数の装置との組み合わせによりシステムとして実現可能である。そして、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することも可能である。さらに、そのようなソフトウェアが記録された記録媒体も当然に本発明の技術的な範囲に含まれる。(本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。)
「運転者毎操作情報取得部」0101は、自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得するよう構成される。例えば家庭で所有している自動車の場合など、当該自動車を運転する運転者が複数存在する場合がある。その際に、本件発明の交通状況情報提供装置は、自動車を運転している運転者をその都度識別する必要がある。自動車の運転者を識別する方法として種々の方法を用いることが可能であるが、例えば自動車を運転する前に当該装置に運転者を入力する構成としても良い。また、運転者毎に自動車の運転操作は異なるものと考えられるため、当該装置が自動的に自動車の運転操作から運転者を認識する構成としても良い。なお、取得された運転者毎操作情報は、取得された日時と関連付けて、当該装置の所定の記憶領域に保持される構成としても良い。
運転者毎操作情報として種々の情報が考えられるが、例えばステアリングの操作情報、スロットルの操作情報、スピード情報、ブレーキ操作情報、トランスミッション情報のいずれか一以上としても良い。これらの情報は、自動車の運転中に比較的容易に取得しやすいため好適である。
なお、取得する運転者毎操作情報と対応する形で、運転者毎操作情報取得部は、自動車の運転者毎のステアリングの操作情報として経時的なステアリング操作角度情報である経時ステアリング操作角度情報を取得する経時ステアリング操作角度情報取得手段と、スロットルの操作情報として経時的なスロットルの開度情報である経時スロットル開度情報を取得する経時スロットル開度情報取得手段と、スピード情報として経時的なスピード情報である経時スピード情報を取得する経時スピード情報取得手段と、ブレーキ操作情報として経時的なブレーキ操作情報である経時ブレーキ操作情報を取得する経時ブレーキ操作情報取得手段と、トランスミッション情報として経時的なトランスミッションの選択情報である経時トランスミッション選択情報を取得する経時トランスミッション選択情報取得手段と、のいずれか一以上を有していても良い。各取得手段の具体的な取得方法として、例えばステアリング操作角度情報は舵角センサから、スロットル開度情報はスロットルポジションセンサーから、スピード情報は速度計から、といったように各操作情報を各取得手段が自動車の運転中に各装置から随時取得し、各取得手段が取得した情報を所定時間保持することにより経時的な操作情報を取得する構成としても良い。
経時的な情報として各手段が取得する運転者毎操作情報は、取得した情報そのものであっても良いが、周波数成分情報であっても良い。周波数成分情報を取得するには、各手段が取得した運転者毎操作情報を周波数成分情報へと変換する必要がある。「運転者毎操作情報を周波数成分情報へと変換する」方法として、例えば運転者毎操作情報をフーリエ変換、ウェーブレット変換、ウォルシュ変換などを用いて周波数成分情報へと変換する方法が考えられる。当該変換は各手段において行われる構成としても良い。
なお、周波数成分情報への変換は特定の時間帯毎に当該時間帯内の経時的な運転者毎操作情報について行われても良く、「特定の時間帯」として例えば運転者が運転中の自動車が走行中の道路の状況が、後述する交通状況情報取得部において取得される各交通状況である時の時間帯を採用し、各交通状況の時間帯毎に経時的な運転者毎操作情報の当該変換を行っても良い。具体的には、運転者が運転中の自動車がある時間帯において渋滞に巻き込まれた場合に、渋滞のなかった時間帯と渋滞に巻き込まれた時間帯それぞれにおいて、経時的な運転者毎操作情報を周波数成分情報へと変換する構成としても良い。
さらに、周波数成分情報として各手段が取得する情報が周波数成分の分散状態を示す周波数成分分散情報であっても良い。「周波数成分分散情報」とは、例えば各運転者毎操作情報の周波数成分の分散値が考えられる。「分散値」とはばらつきを示す指標であり、各手段は取得した運転者毎操作情報を周波数成分情報へと変換し、得られた周波数成分情報から分散値を取得する構成としても良い。本発明者は運転者毎操作情報の周波数成分の分散値が各交通状況に応じて異なることを見出した。すなわち、運転者毎操作情報から各交通状況の判別が可能であることを見出した。
「交通状況情報取得部」0102は、運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得するよう構成される。「交通状況情報」とは、例えば自動車が走行中の道路の交通状況について示しており、一例として、走行中の道路付近の渋滞の有無などについて示していても良い。「運転者毎操作情報と関連付けて」とは、運転中の自動車が走行中の道路の交通状況と、運転者の操作情報と、を対応させることを示す。例えば運転中の自動車が現在渋滞の車列中を走行している場合には、運転者の操作を渋滞中の操作であるとして取得する。取得された交通状況情報は、取得された日時や運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況情報提供装置の所定の記憶領域に保持される構成としても良い。
「交通状況情報を取得する」方法として、交通状況情報提供装置が自動車の走行状況から交通状況情報を判別する所定のルールを保持しており、自動車の走行状況が所定のルールを満たす場合に交通状況を取得する構成が考えられる。例えば、所定の時間内で自動車が常に停止していたり、一定の速度以下で走行していたり、停止と低速走行が繰り返し行われている場合等に、交通状況が渋滞であると判断してその情報を取得することが考えられる。また、別の例として、所定の時間内で自動車のブレーキ回数が一定回数以下であったり、スロットル開度の平均値が一定値以上である場合等に、渋滞が起こっていないと判断してその情報を取得することが考えられる。さらに、別の例として、所定の時間内でブレーキを踏む回数が増加傾向にある場合等に、渋滞が起こりそうであると判断してその情報を取得する構成としても良い。
また、「交通状況情報を取得」する別の方法として、外部装置を介して交通状況情報を取得する構成としても良い。「外部装置」とは例えばカーナビゲーションシステムのことを示し、カーナビゲーションシステムが受信した現在走行中の道路の渋滞情報等を、交通状況情報取得部が取得する構成としても良い。
なお、交通状況情報の取得は任意の間隔で行われて良く、例えば所定の時間毎(例えば5分毎)に交通状況情報を取得する構成や、上記に記載の所定のルールを満たした時点で交通状況を取得する構成としても良い。取得した交通状況情報を運転者毎操作情報と関連付けるには、例えば交通状況情報は新たに取得されるまで更新されないものとして、運転者毎操作情報が取得された際に随時交通状況情報と対応させる構成としても良い。また、運転者毎操作情報の取得日時を交通状況情報提供装置の所定の記憶領域に保持しておき、交通状況情報を取得した際に、保持されている運転者毎操作情報の取得日時と対応させる構成としても良い。
「運転者毎操作・交通状況関数取得部」0103は、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得部にて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得するよう構成される。「運転者毎操作・交通状況関数」とは、すなわち運転者の車両操作と交通状況についての関係を示す関数である。上述したように、本発明者は自動車の運転の際に運転者毎に当該関数が存在し、各運転者の車両操作から当該関数を用いて交通状況を把握することが可能であることを見出した。なお、「運転者毎操作・交通状況関数を取得する」方法として種々の方法を用いることが可能であるが、その一例を実施形態2において詳しく説明する。
運転者毎操作・交通状況関数は任意のタイミングで取得することが可能であり、例えば運転者毎操作・交通状況関数取得部において運転者毎操作情報や交通状況情報が取得された際に当該関数を取得する構成としても良い。当該関数の取得の際には、運転者毎操作情報取得部から運転者毎操作情報を、交通状況情報取得部から交通状況情報を取得する。なお、取得される運転者毎操作情報や交通状況情報は、運転者毎操作情報取得部や交通状況情報取得部が取得した各情報全てであっても良いし、その一部であっても良い。運転者毎の車両操作と交通状況の関係について正確に把握するには多くの情報を取得することが好ましいが、取得した情報が多すぎると運転者毎操作・交通状況関数の取得にかかる処理量が増大してしまう。
本実施形態において、運転者毎操作・交通状況関数は各運転者の運転中に取得される運転者毎操作情報と交通状況情報を用いて取得・更新され、更新するにつれ運転者の車両操作と交通状況との関係がより明確となり、運転者の車両操作から交通状況を正確に提供することが可能となる。しかしながら、ある程度更新が行われると、運転者毎操作・交通状況関数は所定の関数に収束し変化しなくなる場合がある。その際には、交通状況の取得を停止し、運転者毎操作・交通状況関数を更新しない構成としても良い。(詳しくは実施形態4において説明する。)
「運転者毎操作・交通状況関数保持部」0104は、運転者毎操作・交通状況関数取得部にて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持するよう構成される。なお、運転者毎操作・交通状況関数は運転者毎操作・交通状況関数取得部が新たな当該関数を取得する度に更新される構成としても良いが、更新前の当該関数も保持しておく構成としても良い。「運転者毎操作・交通状況関数を保持」とは、例えば交通状況情報提供装置の所定の記憶領域に保持される構成としても良い。
なお、本件発明において、交通状況情報提供装置は自動車に設置され、運転者毎操作・交通状況関数は実際に運転者が自動車を運転することにより取得・更新されていく。しかしながら、例えばあらかじめ運転者が自動車を運転する前に、ドライビングシミュレータなどを用いて当該運転者の車両操作と交通状況の関係を示す運転者毎操作・交通状況関数を取得し、取得された当該関数を運転者毎操作・交通状況関数保持部があらかじめ保持しておく構成としても良い。また、運転者の属性(例えば年齢・性別など)毎に運転者毎操作・交通状況関数をあらかじめ保持しておく構成としても良い。本構成をとる場合には、運転者毎操作・交通状況関数を取得するために設けられる「交通状況情報取得部」と「運転者毎操作・交通状況関数取得部」は前述したドライビングシュミレータに設けられる構成とし、自動車には「運転者毎操作情報取得部」、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」、「情報提供部」が設けられる構成としても良い。
「情報提供部」0105は、保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行うよう構成される。すなわち、情報提供部は取得された運転者毎操作情報から運転者毎操作・交通状況関数を用いて交通状況情報を取得し、取得した交通状況情報を運転者に提供するよう構成される。なお、情報提供部が取得した交通状況情報は取得された日時とともに交通状況情報提供装置の所定の記憶領域に保持される構成としても良い。その際に、交通状況情報取得部から取得した交通状況情報と、情報提供部が取得した交通状況情報は区別して保持されることが好ましい。
情報提供部における「交通状況情報を取得」とは、現在の自動車の交通状況情報だけでなく、今後の交通状況を予測して取得することも含まれる。例えば、運転者の車両操作から今後渋滞が予測された場合に、渋滞予測を交通状況情報として取得し、運転者に情報を提供する。また、運転者の車両操作から今後渋滞の解消が予測された場合に、渋滞の解消予測を交通状況情報として取得し、運転者に情報を提供する構成としても良い。
情報提供部における情報提供は、任意のタイミングで行われて良く、例えば所定の時間毎(例えば10分毎)に行われる構成や、取得した今後の交通状況が前回取得した交通状況と異なるものであった場合に行われる構成としても良い。
「情報提供を行う」方法としては、例えば自動車のスピーカから音声による運転者への情報の発信や、カーナビゲーションシステムへの情報の表示などが考えられる。具体的には、今後渋滞が予測された場合に、「この先は渋滞が予測されます。」や「迂回することをお勧めします。」といったメッセージをスピーカから音声出力したり、カーナビゲーションシステムのディスプレイに表示しても良い。また、カーナビゲーションシステムに情報を出力することにより、ナビゲーションの精度を向上させる構成としても良い。すなわち、情報提供部が渋滞予測情報をカーナビゲーションシステムに提供することにより、当該システムは運転者に別のルート案内を行うことで渋滞を回避することが可能となる。
なお、本件発明において、「情報提供部」を設けずに、自動車の運転者毎の操作情報と交通状況情報との関係を明らかにする運転者毎操作・交通状況関数を取得する装置も本件発明の発明内容に十分含まれる。
<具体的な構成>
図2は実施形態1の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。以下では「運転者毎操作情報取得部」、「交通状況情報取得部」、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」、「情報提供部」の具体的な処理について説明する。
なおこの図にあるように、交通状況情報提供装置を構成する各装置は、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0201と、「記憶装置(記憶媒体)」0202と、「メインメモリ」0203と、「出力インターフェース」0204と、「入力インターフェース」0205と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「スピーカ」0206、「カーナビゲーションシステム」0212、「舵角センサ」0207、「スロットルポジションセンサー」0208、「速度計」0209、などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には「運転者毎操作情報取得プログラム」0210、「交通状況情報取得プログラム」0220、「運転者毎操作・交通状況関数取得プログラム」0230、「情報提供プログラム」0240が格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0211などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
(運転者毎操作情報取得部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「運転者毎操作情報取得プログラム」0210をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作情報を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(交通状況情報取得部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「交通状況情報取得プログラム」0220をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(運転者毎操作・交通状況関数取得/保持部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「運転者毎操作・交通状況関数取得プログラム」0230をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得部にて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(情報提供部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「情報提供プログラム」0240をメインメモリに読み出して実行し、保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う。
<処理の流れ>
図3は、実施形態1の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。まず、ステップS0301において、運転者毎操作情報を取得する(運転者毎操作情報取得ステップ)。次に、ステップS0302において、運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する(交通状況情報取得ステップ)。なお、ステップS0301とステップS0302は逆順序で行われても、また同時に行われても良い。そして、ステップS0303において、運転者毎操作情報と、交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する(運転者毎操作・交通状況関数取得ステップ)。その後、ステップS0304において、運転者毎操作・交通状況関数を保持する(運転者毎操作・交通状況関数保持ステップ)。そして、ステップS0305において、保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う(情報提供ステップ)。上記のステップは装置が停止されるまで繰り返し行われる。
<効果>
以上のような構成をとることにより、自動車の操作情報をもとに運転手に対して交通状況を提供することが可能になる。
<<実施形態2>>
<概要>
本実施形態の交通状況情報提供装置は、基本的には実施形態1の交通状況情報提供装置と同様であるが、交通状況情報として運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す相情報であり他の自動車に走行を制約されることが少ない自由走行相と、自動車の進行に従って自由走行相の後に到来する渋滞の前段階となるメタ安定相と、自動車の進行に従ってメタ安定相の後に到来する渋滞を示す渋滞相と、を取得する点が異なる。
<機能的構成>
図4は実施形態2の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図である。例えば本件発明の交通状況情報提供装置は、「運転者毎操作情報取得部」0401と、「交通状況情報取得部」0402と、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」0403と、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」0404と、「情報提供部」0405と、から構成されることが考えられる。なお、「交通状況情報取得部」は「相情報取得手段」0406を、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」は「運転者毎操作・相関数取得手段」0407を、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」は「運転者毎操作・相関数保持手段」0408を、「情報提供部」は「相利用情報提供手段」0409を有している。以下実施形態1との相違点である「相情報取得手段」、「運転者毎操作・相関数取得手段」、「運転者毎操作・相関数保持手段」、「相利用情報提供手段」について説明する。
「相情報取得手段」0406は、交通状況情報として運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す相情報であり他の自動車に走行を制約されることが少ない自由走行相と、自動車の進行に従って自由走行相の後に到来する渋滞の前段階となるメタ安定相と、自動車の進行に従ってメタ安定相の後に到来する渋滞を示す渋滞相と、を取得するよう構成される。例えば運転中の自動車が現在渋滞の車列中を走行している場合には、運転者の車両操作が渋滞相により行われているとして取得する。なお、取得された相情報は、取得された日時や運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況情報提供装置の所定の記憶領域に保持される構成としても良い。
各相の取得方法として、例えば渋滞相を自動車の停止の発生を検知して取得し、メタ安定相を自動車の停止の発生前の期間であるとして取得しても良い。具体的には、運転中の自動車が短時間に複数回停止した際に、当該時間帯の運転者の車両操作を渋滞相中の操作であるとして取得し、当該時間帯の前の時間帯(例えば当該時間帯の直前の10分間)における運転者の車両操作をメタ安定相の操作であるとして取得しても良い。
「運転者毎操作・相関数取得手段」0407は、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得手段にて取得された相情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・相関数を取得するよう構成される。「運転者毎操作・相関数」とは、すなわち運転者毎操作情報と相情報についての関係を示す式である。本式を用いることにより、各運転者の車両操作から自動車の走行相を把握し、交通情報を提供することが可能となる。
運転者毎操作・相関数取得手段は、ニューラルネットワークを利用して運転者毎操作・相関数を取得しても良い。「ニューラルネットワーク」とは数学モデルの一つであり、多次元系や非線形系のデータ解析に有用な手法である。運転者毎操作・相関数の取得において、運転者毎操作情報や相情報は時間軸上で値として処理することができるため、ニューラルネットワークは当該関数の取得に好適である。なお、ニューラルネットワークの実現方法として種々の方法を用いることが可能であり、例えば誤差逆伝播法を用いて運転者毎操作・相関数を取得しても良い。
ニューラルネットワークを利用して運転者毎操作・相関数を取得する場合には、運転者毎操作情報と相情報が多いほど、運転者の車両操作と走行相の関係について正確に把握することが可能となる。すなわち、各相に対応した運転者毎操作情報を複数用いると、精度の良い運転者毎操作・相関数を取得することができる。各相に対応した運転者毎操作情報は、直接運転者毎操作情報取得部と相情報取得手段から得られる情報をもとに取得する場合でも、運転者の運転時間の増加とともに得られる各相に対応した運転者毎操作情報は増加していくため、精度の良い運転者毎操作・相関数を取得することができる。また別の一例として、運転者毎操作情報取得部と相情報取得手段から得られる各相に対応した運転者毎操作情報を、所定の時間間隔毎(例えば10分毎)に分割して複数の情報とすることも可能である。
「運転者毎操作・相関数保持手段」0408は、運転者毎操作・相関数情報取得手段にて取得された運転者毎操作・相関数を保持するよう構成される。
「相利用情報提供手段」0409は、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持されている運転者毎操作・相関数と、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に相情報を用いた情報提供を行うよう構成される。具体的には、例えば運転者の車両操作から運転者毎操作・相関数を用いてメタ安定相が取得された場合には、現在の自動車の走行相がメタ安定相であること、すなわち今後渋滞が予測されるとの情報を運転者に提供する。
<具体的な構成>
図5は実施形態2の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。実施形態2の交通状況情報提供装置は、記憶装置が「相情報取得サブプログラム」、「運転者毎操作・相関数取得サブプログラム」、「相利用情報提供サブプログラム」を記憶する点と、交通状況情報として「相情報」を、運転者毎操作・交通状況関数として「運転者毎操作・相関数」を取得する点を除いて、実施形態1の交通状況情報提供装置と同様である。以下では、これまで説明していない「相情報取得手段」、「運転者毎操作・相関数取得手段」、「運転者毎操作・相関数保持手段」、「相利用情報提供手段」の具体的な処理について説明する。
なおこの図にあるように、交通状況情報提供装置を構成する各装置は、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0501と、「記憶装置(記憶媒体)」0502と、「メインメモリ」0503と、「出力インターフェース」0504と、「入力インターフェース」0505と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「スピーカ」0506、「カーナビゲーションシステム」0512、「舵角センサ」0507、「スロットルポジションセンサー」0508、「速度計」0509などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には「運転者毎操作情報取得プログラム」0510、「交通状況情報取得プログラム」0520、「運転者毎操作・交通状況関数取得プログラム」0530、「情報提供プログラム」0540、「相情報取得サブプログラム」0550、「運転者毎操作・相関数取得サブプログラム」0560、「相利用情報提供サブプログラム」0570が格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0511などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
(相情報取得手段の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「相情報取得サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、相情報を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(運転者毎操作・相関数取得/保持部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「運転者毎操作・相関数取得サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作・相関数を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(相利用情報提供部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「相利用情報提供サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う。
<処理の流れ>
図6は、実施形態2の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。まず、ステップS0601において、運転者毎操作情報を取得する(運転者毎操作情報取得ステップ)。次に、ステップS0602において、運転者毎操作情報と関連付けて、相情報を取得する(相情報取得サブステップ)。そして、ステップS0603において、運転者毎操作・相関数を取得する(運転者毎操作・相関数取得サブステップ)。その後、ステップS0604において、運転者毎操作・交通状況関数を保持する(運転者毎操作・交通状況関数保持サブステップ)。そして、ステップS0605において、運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う(相利用情報提供サブステップ)。上記のステップは装置が停止されるまで繰り返し行われる。
<効果>
以上のような構成をとることにより、自車両から得られる情報のみで渋滞を予測し回避ルートを提案するナビゲーションシステムの構築が可能になる。
<<実施形態3>>
<概要>
本実施形態の交通状況情報提供装置は、基本的には実施形態2の交通状況情報提供装置と同様であるが、カーナビゲーション機能により走行位置に関する属性情報である走行位置属性情報を取得し、運転者毎操作情報と、相情報と、運転者毎操作情報及び/又は相情報を取得した走行位置の走行位置属性情報と、に基づいて運転者毎操作・相関数を取得し、運転者に情報提供を行う点が異なる。
<機能的構成>
図7は実施形態3の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図である。例えば本件発明の交通状況情報提供装置は、「運転者毎操作情報取得部」0701と、「交通状況情報取得部」0702と、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」0703と、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」0704と、「情報提供部」0705と、「走行位置属性情報取得部」0710と、から構成されることが考えられる。なお、「交通状況情報取得部」は「相情報取得手段」0706を、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」は「運転者毎操作・相関数取得手段」0707を、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」は「運転者毎操作・相関数保持手段」0708を、「情報提供部」は「相利用情報提供手段」0709を有している。以下実施形態2との相違点である「走行位置属性情報取得部」、「運転者毎操作・相関数取得手段」について説明する。
「走行位置属性情報取得部」0710は、カーナビゲーション機能により走行位置に関する属性情報である走行位置属性情報を取得するよう構成される。すなわち、走行位置属性情報取得部は、カーナビゲーションシステムから自動車の走行位置と当該位置の属性情報を関連付けて取得する。「走行位置属性情報」とは、道路に限らず駐車場、信号なども含まれる。走行位置属性情報の取得は任意のタイミングで行われてよく、例えば所定の時間毎(例えば5分毎)で取得されても、交通状況情報を取得したタイミングで取得されても良い。なお、走行位置属性情報はカーナビゲーションシステムに限らず、GPS等を用いて取得される構成としても良い。
本実施形態において、「運転者毎操作・相関数取得手段」0707は、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得手段にて取得された相情報と、運転者毎操作情報及び/又は相情報を取得した走行位置の走行位置属性情報と、に基づいて運転者毎操作・相関数を取得するよう構成される。例えば自動車が赤信号に差し掛かっている場合に、運転者毎操作・相関数取得手段は、現在の運転者の車両操作が信号位置で所定の走行相(例えば自由走行相)により行われているとして取得する。
例えば短距離間に複数の信号が設置された道路を走行する場合には、信号により短時間に複数回自動車を停止する場合がある。その際に単純に自動車の走行状況のみを用いて走行相を判別しようとすると、自動車の停止が信号によるものであるにもかかわらず、渋滞相と判別されてしまう可能性がある。そこで、本実施形態の構成をとることにより、信号による停止と渋滞による停止を区別することが可能となり、運転者の車両操作がどういった事情で行われているかをより正確に把握することが可能となり、車両操作と走行相の関係についてより正確に把握することが可能となる。
<具体的な構成>
図8は実施形態3の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。実施形態3の交通状況情報提供装置は、記憶装置が「走行位置属性情報取得プログラム」を記憶している点と、「カーナビゲーションシステム」から「走行位置属性情報」を取得する点を除いて、実施形態2の交通状況情報提供装置と同様である。以下では、「走行位置属性情報取得部」、「運転者毎操作・相関数取得部」の具体的な処理について説明する。
なおこの図にあるように、交通状況情報提供装置を構成する各装置は、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」0801と、「記憶装置(記憶媒体)」0802と、「メインメモリ」0803と、「出力インターフェース」0804と、「入力インターフェース」0805と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「スピーカ」0806、「カーナビゲーションシステム」0812、「舵角センサ」0807、「スロットルポジションセンサー」0808、「速度計」0809などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には「運転者毎操作情報取得プログラム」0810、「交通状況情報取得プログラム」0820、「運転者毎操作・交通状況関数取得プログラム」0830、「情報提供プログラム」0840、「相情報取得サブプログラム」0850、「運転者毎操作・相関数取得サブプログラム」0860、「相利用情報提供サブプログラム」0870、「走行位置属性情報取得プログラム」0880が格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。なお、これらの構成は、「システムバス」0811などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
(走行位置属性情報取得部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「走行位置属性情報取得プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、カーナビゲーション機能により走行位置に関する属性情報である走行位置属性情報を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(運転者毎操作・相関数取得部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「運転者毎操作・相関数取得サブプログラム」をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得手段にて取得された相情報と、運転者毎操作情報及び/又は相情報を取得した走行位置の走行位置属性情報と、に基づいて運転者毎操作・相関数を取得し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
<処理の流れ>
図9は、実施形態3の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。まず、ステップS0901において、運転者毎操作情報を取得する(運転者毎操作情報取得ステップ)。次に、ステップS0902において、運転者毎操作情報と関連付けて、相情報を取得する(相情報取得サブステップ)。そして、ステップS0903において、走行位置属性情報を取得する(走行位置属性情報取得ステップ)。そして、ステップS0904において、運転者毎操作・相関数を取得する(運転者毎操作・相関数取得サブステップ)。その後、ステップS0905において、運転者毎操作・交通状況関数を保持する(運転者毎操作・交通状況関数保持サブステップ)。そして、ステップS0906において、運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う(相利用情報提供サブステップ)。
<効果>
以上のような構成をとることにより、実施形態1や2の構成と比較して、運転者の車両操作と走行相の関係についてより正確に把握することが可能となり、自車両から得られる情報のみでより正確に渋滞を予測し回避ルートを提案するナビゲーションシステムの構築が可能になる。
<<実施形態4>>
<概要>
本実施形態の交通状況情報提供装置は、基本的には実施形態2又は3の交通状況情報提供装置と同様であるが、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断する点が異なる。
<機能的構成>
図10は実施形態4の交通状況情報提供装置の機能ブロックの一例を示す概要図である。例えば本件発明の交通状況情報提供装置は、「運転者毎操作情報取得部」1001と、「交通状況情報取得部」1002と、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」1003と、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」1004と、「情報提供部」1005と、「運転者毎操作・相関数収束判断部」1010から構成されることが考えられる。なお、「交通状況情報取得部」は「相情報取得手段」1006を、「運転者毎操作・交通状況関数取得部」は「運転者毎操作・相関数取得手段」1007を、「運転者毎操作・交通状況関数保持部」は「運転者毎操作・相関数保持手段」1008を、「情報提供部」は「相利用情報提供手段」1009を有している。なお、実施形態3で説明した「走行位置属性情報取得部」を有していても良い。以下実施形態2又は3との相違点である「運転者毎操作・相関数収束判断部」について説明する。
「運転者毎操作・相関数収束判断部」1010は、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断するよう構成される。「運転者毎操作・相関数の収束を判断する」方法として、運転者毎操作・相関数を用いた処理が保持された当該関数と新たに取得する当該関数とで近似している場合、例えば運転者毎操作・相関数に用いられる係数値が保持された当該関数と新たに取得する当該関数とで近似している場合などに、当該関数が収束したと判断しても良い。
相利用情報提供手段は、運転者毎運転者毎操作・相関数収束判断部での判断が運転者毎操作・相関数が収束したとの判断結果である場合には当該収束が判断された運転者毎操作・相関数を変更しないで用いて情報提供を行っても良い。通常運転者の車両操作は大きく変化しないものと考えられ、当該関数が収束した場合には、今後当該関数を新たに更新する必要は生じない。本構成をとることにより、交通状況情報提供装置の処理量を低減することが可能となる。なお、所定の時間(例えば1年間)が経過した際に、過去の運転者毎運転者毎操作・相関数収束判断部での判断を無効として、再度判断を行う構成としても良い。
さらに、本実施形態の交通状況情報提供装置は、上記の構成に加えて機能停止部を有していても良い。「機能停止部」は、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断した結果当該収束が判断された場合には、以後相情報取得手段又は/及び運転者毎操作・相関数取得手段の機能を停止するよう構成される。当該関数の収束が判断された場合には、相情報や運転者毎操作・相関数を取得する必要がない。そこで本構成をとることにより、当該装置の処理量を低減することが可能となり、効率的である。
<具体的な構成>
図11は実施形態4の交通状況情報提供装置を構成する基本的な各構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を示す概略図である。実施形態4の交通状況情報提供装置は、記憶装置が「操作・相関数収束判断プログラム」、「機能停止プログラム」を記憶している点を除いて、実施形態2又は3の交通状況情報提供装置と同様である。なお、実施形態3で説明した走行位置属性情報取得部が設けられる場合には、「走行位置属性情報取得プログラム」が記憶され、「カーナビゲーションシステム」から「走行位置属性情報」が取得される。また、機能停止部が設けられない場合には「機能停止プログラム」は記憶されない。以下では、これまで説明していない「運転者毎操作・相関数収束判断部」、「機能停止部」の具体的な処理について説明する。
なおこの図にあるように、交通状況情報提供装置を構成する各装置は、それぞれ各種演算処理を実行するための「CPU」1101と、「記憶装置(記憶媒体)」1102と、「メインメモリ」1103と、「出力インターフェース」1104と、「入力インターフェース」1105と、を備え、入出力インターフェースを介して、例えば「スピーカ」1106、「カーナビゲーションシステム」1107、「舵角センサ」1107、「スロットルポジションセンサー」1108、「速度計」1109などの外部周辺装置と情報の送受信を行う。なお、記憶装置には「運転者毎操作情報取得プログラム」1110、「交通状況情報取得プログラム」1120、「運転者毎操作・交通状況関数取得プログラム」1130、「情報提供プログラム」1140、「相情報取得サブプログラム」1150、「運転者毎操作・相関数取得サブプログラム」1160、「相利用情報提供サブプログラム」1170、「操作・相関数収束判断プログラム」1180、「機能停止プログラム」1190が格納されており、CPUはこれら各種プログラムをメインメモリのワーク領域内に読み出して展開、実行する。機能停止部が設けられていない場合には、機能停止プログラムは記憶されない。なお、これらの構成は、「システムバス」1111などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
(運転者毎操作・相関数収束判断部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「操作・相関数収束判断プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断し、当該情報をメインメモリの所定アドレスに格納する。
(機能停止部の具体的な処理)
CPUは、記憶装置から「機能停止プログラム」をメインメモリに読み出して実行し、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断した結果当該収束が判断された場合には、以後相情報取得手段又は/及び運転者毎操作・相関数取得手段の機能を停止する。
<処理の流れ>
図12は、実施形態4の交通状況情報提供装置における処理の流れの一例を示す図である。同図の流れは以下のステップからなる。まず、ステップS1201において、運転者毎操作情報を取得する(運転者毎操作情報取得ステップ)。次に、ステップS1202において、運転者毎操作情報と関連付けて、相情報を取得する(相情報取得サブステップ)。そして、ステップS1203において、運転者毎操作・相関数を取得する(運転者毎操作・相関数取得サブステップ)。そして、ステップS1204において、運転者毎操作・相関数の収束を判断する(操作・相関数収束判断ステップ)。運転者毎操作・相関数が収束していないと判断された場合には、ステップS1205において、運転者毎操作・相関数を保持する(運転者毎操作・相関数保持サブステップ)。その後、ステップS1206において、運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う(相利用情報提供サブステップ)。その後ステップS1201に戻る。また、運転者毎操作・相関数の収束が判断された場合には、ステップS1207において、相情報取得手段又は/及び運転者毎操作・相関数取得手段の機能を停止する(機能停止ステップ)。なお、機能停止部が設けられない場合にはステップS1207は行われない。その後、ステップS1208において、運転者毎操作情報を取得する(収束後運転者毎操作情報取得ステップ)。そして、ステップS1209において、運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う(収束後相利用情報提供ステップ)。
<効果>
以上のような構成をとることにより、実施形態3と比べて効率の良い、自車両から得られる情報のみで渋滞を予測し回避ルートを提案するナビゲーションシステムの構築が可能になる。
以下本実施例において、運転者毎操作情報から走行相を判別可能なモデルの検討結果について実験結果とともに説明する。
<<被験者実験によるデータ集積及び解析>>
<実験概要>
実験は再現性や被験者の安全などを考慮して、6軸揺動式ドライビングシミュレータを用いた模擬走行実験とし、被験者は普通自動車運転免許を所持している者20名を対象とした。実験を行う際、被験者に対しては「道路に適した速度で走行すること」という指示だけを与えた。また、作為的な運転を防ぐために、全ての実験が終了する前に実験の目的を被験者に知らせなかった。なお、実験に際しては、芝浦工業大学生命工学研究に関する倫理審査を受け承認されており、実験前に実験内容や個人情報の保護についての説明を行い、同意を得た上で実験を実施した。
実験では20分の間、自動車専用道路を模擬した片側2車線のコースで自由走行相とメタ安定相状態の中をそれぞれ10分走行し、小休止の後に別のコースを同様に走行する形式とした。4コースの走行を1セットとし、被験者1名につき合計5セット実施したため、10分間の自由走行相データを20種類、メタ安定相データを20種類得た。なお、メタ安定相は車両密度が20(台/km)以上として被験者に運転をしてもらった。
<自由走行相とメタ安定相における運転手毎の車両操作の特徴>
実験により得られたデータの特徴や違いを考察する。代表として被験者No.1と被験者No.2における自由走行相とメタ安定相の走行データを図13、図14に示す。横軸は時間(Time)を、縦軸は各データを表している。図13(a)、(b)において被験者No.1の特徴を観察すると、スロットル開度(Throttle opening)では、自由走行相におけるスロットル踏み込み時間と次の踏み込みまでの間隔がメタ安定相の場合と比較してやや長く、規則的になっている。また、それに伴って速度変化(Speed)もメタ安定相の方が比較的緩やかに変動している。次にステアリング操舵角度(Steering angle)に注目すると、直線路(図13(a)の130(s)付近)において自由走行相ではステアリング操作がわずかに加わっているのに対し、メタ安定相(図13(b)の700(s)以降)ではステアリング操作量が減少している箇所がある。
次に図14(a)、(b)において被験者No.2の特徴を観察すると、スロットル開度では、自由走行相においてスロットルの踏み込み量を一定に維持する傾向があるが、メタ安定相ではそれが見られない。また、それに伴って速度変化は自由走行相の方が比較的緩やかに変動している。次にステアリング操作角度に注目すると、直線路におけるステアリング操作はメタ安定相において、より微細な操作が多く行われていることが分かる。これは被験者No.1に見られた特徴とは対照的である。
以上の結果から各データの変動の細かさや振幅が異なることが考えられるため、フーリエ変換によって各データに含まれる周波数成分を調べる。この周波数成分は、同一走行相を走行した10分間のデータから求めた。サンプリング周波数は、ステアリング操舵角、スロットル開度、速度とも運転手操作の従来研究で多用される1K(Hz)とした。フーリエ変換した結果を図15、16に示す。横軸は周波数(Frequency)を、縦軸はスペクトル密度(Spectral density)を表している。
図15において被験者No.1について見ると、ステアリング操舵角度においては自由走行相の方が高周波帯域に信号が多く出ており、スロットル開度における周波数成分に大きな違いは見られない。また、速度においてはメタ安定相の方が高周波帯域に信号が多く出ている。
次に図16において被験者No.2について見ると、ステアリング操舵角度の周波数成分においては大きな違いは見られず、スロットル開度の周波数成分においては自由走行相に高周波帯域の信号が多く出ている。速度についてはメタ安定相の方が高周波帯域に偏っている。
以上2名の被験者を比較することで、自由走行相とメタ安定相における運転手毎の車両操作にはそれぞれ異なる特徴があることが確認できた。しかし被験者間に共通して見られる特徴はなく個人差があることが分かり、共通の判別関数を用いての走行相判別が出来ないことがわかった。したがって、機械学習手法であるニューラルネットワークシステム(以下NNS)を用いて個人差を考慮したパターン分類を行う必要があると考えた。
<走行相判別に適する特徴量の検討>
運転手毎の運転動作には個人差があり、一貫した特徴はないことが分かった。そこで周波数成分の違いの原因について考察し、自由走行相とメタ安定相の違いを表すことのできる特徴量を検討した。
まず周波数成分に違いが現れたのは、周辺車両との車間距離などの外部環境が変化したためであると考えられる。このことを考慮して自由走行相とメタ安定相の違いについて考えた。まず自由走行相では周辺車両が少ないため、運転手が運転しやすいタイミングで速度の加減やステアリングの操舵操作を行っていると考えられる。次にメタ安定相では自由走行相と比較して周辺車両が多いため、他車両の接近などが頻繁に発生する。 これにより運転手が持つ特有の反応特性での操作の他に、他車両から受けた影響による反応が追加されたり、運転手の持つ反応特性自体が変化したりすることが考えられる。したがって自由走行相とメタ安定相では周波数成分の分散値に違いが現れると考えられる。
次に、自由走行相とメタ安定相におけるステアリング操舵角度、スロットル開度、速度の周波数成分の分散値の箱ひげ図を図17、図18に示す。図17は被験者No.1の自由走行相(Free)とメタ安定相(Meta)のデータを、図18は被験者No.2の各データを表している。なお、縦軸が分散値(dispersion)を表している。分散値は、各走行相の20種類の周波数成分とそれらの平均値との差の2乗を20で割ったものである。以下の箱ひげ図では上から最大値、第3四分位数、中央値、第1四分位数、最小値を示す。
図19に20名全員分の走行データの周波数成分の分散値の平均値を示す。なお、横軸は各被験者(Subject No.)を、縦軸は分散値(Dispersion)を表している。各被験者における運転手挙動の周波数成分の分散値を見ると、自由走行相とメタ安定相で分散値が異なる傾向があり、走行相判別に適する特徴量であると考えられる。また、速度とスロットル開度に見られる傾向として、これらの周波数成分の分散値は、自由走行相とメタ安定相とも近い値をとることが分かる。
<<NNSによる走行相判別結果とその考察>>
<機械学習法を用いたメタ安定相検出モデル>
実験結果より走行相と運転手の車両操作の間に関係があると推定できたが、人間にはそれぞれ個人差があるため全ての運転手に共通の変化が見られるとは限らない。したがって、個人差を考慮した上で走行相の判別を行っていかなければならないと考えられる。そのため、共通のモデルを用いながらも機械学習で運転手ごとの特徴を学習する走行相判別を行うこととする。機械学習は対象となるデータの特徴や使用目的などに応じて様々な手法が提案されているため、まずは適切であると考えられる手法を選択する。運転手挙動の特性に注目すると、運転制御特性は非線形であることが分かっているため非線形で分類可能な手法が適切と考えられる。このことから候補となる手法として、NNSが考えられる。
NNSの特性として、非線形、非定常性、高次の統計量に対して有効であるということが分かっており、本実験の解析ではニューロン間の結合を学習により変化させることで計算コストを抑えつつ学習能力を向上させる誤差逆伝搬法を用いた。
誤差逆伝搬法は入力信号を入力層、中間層、出力層の順に通し、出力層における教師信号との誤差をフィードバックさせることでニューロン間の結合の強さを変更し、学習していくものである。本実験では、入力信号が運転動作で教師信号がメタ安定相と自由走行相となる。
<入力信号の選定>
走行相判別に適する特徴量は周波数成分の分散値であることが分かったため、各走行相の分散値(各走行相が最大数20で入力信号としては最大数40)を用いることで走行相判別が可能であるか検討した。
NNSによってパターン分類を行うためには、データを分割する判別関数が存在する必要がある。そこで、周波数成分の分散値を図式化して判別関数の有無を推測した。ステアリング操舵角度、スロットル開度、速度の周波数成分の分散値の散布図を図20に示す。ただし本図に示すデータは、ステアリング操舵角度、スロットル開度、速度のそれぞれにおいて正規化処理をしている。また、これらの図は自由走行相とメタ安定相が分割されて見える視点とした。
図20(a)、(b)を見ると、自由走行相とメタ安定相が概ね分かれたクラスタ状に見えるため、自由走行相とメタ安定相を分割する判別関数はそれぞれの被験者毎に存在することが考えられる。したがって走行相判別には、ステアリング操舵角度、スロットル開度、速度の周波数成分の分散値を用いた。
<誤差逆伝搬法の構成要素>
入力信号を用いたシミュレーションを通してNNSの構造を検討し、判別結果からNNSの有効性を分析する。まずはモデル構造について検討するが、NNSの設計理論は確立されておらず、対象となる信号を用いてシミュレーションを繰り返しながら決定していく必要がある。本実験で用いるNNSのモデルである誤差逆伝搬法においては、入力層のニューロン数(入力信号の種類)と Training信号・Validation信号・Testing信号の比率、中間層のニューロン数、教師信号の有無などを決定する必要があるため、これらの特徴も踏まえつつ検討していく。
まず入力層、中間層のニューロン数について検討する。各層のニューロン数は多いほどパターン識別能力が高くなるが、誤判断率も高くなる性質があるため適切な値を選択する必要がある。ここで層ごとに考えると、入力層のニューロン数はステアリング操舵角度、スロットル開度、速度の周波数成分の分散値を用いると考えて3個とする。これを固定として、中間層のニューロン数を調整することでモデルの最適化をする。中間層のニューロン数はシミュレーションにより決定する。
次に教師信号について検討する。本実験における出力は自由走行相とメタ安定相のいずれかであるため、教師信号として自由走行相を1、メタ安定相を0とする。
次に入力信号をTraining信号・Validation信号・Testing信号に配分する割合を検討する。そこでまずそれぞれの信号の持つ意味を説明する。まずTraining信号とは、出力層の誤差率に沿ってネットワークの結合を最適化していく際に用いられる信号である。次にValidation信号とは、ネットワークの最適化が完了し学習の終了を確認する信号である。最後にTesting信号とは、学習後にネットワークの性能を確認する信号である。それぞれに配分する入力信号の比率は、シミュレーションにより決定する。
<シミュレーション結果と考察>
ここでは構成要素ごとにシミュレーションを行い、それぞれの最適値を決定した。なお決定項目は入力層のニューロン数と教師信号であり、シミュレーションにおいて変化させないものとする。
<中間層のニューロン数>
Training信号、Validation信号、Testing信号の比率を70%、15%、15%に固定した状態で、中間層のニューロン数を5個から40個まで5個刻みで変化させてそれぞれ10回ずつシミュレーションを行いその平均判別率を測定した。なお、シミュレーションでは、同一走行相のクラスタから外れ、別走行相のクラスタも飛び越えるほど顕著な外れ値を除外した上で行っている。この外れ値は各走行相で最大10%存在した。なお、外れ値を除外せずに実施すると約10%判別率が下がった。以上のシミュレーション結果より、中間層のニューロン数は全被験者の平均判別率が最大となる30個とする。
<Training信号・Validation信号・Testing信号比率>
中間層のニューロン数は前述のシミュレーション結果より30個とし、Training信号・Validation信号・Testing信号への配分比率を変化させてシミュレーションを行った。
以上のシミュレーション結果より、Training信号・Validation信号・Testing信号の配分比率を全被験者とも60:20:20(入力データ数が40であれば配分比率をそれぞれ 24:8:8)としたとき全被験者の判別率の平均値が最も高くなった。
<走行相判別モデル>
図21は全被験者の判別率の平均値が最も高くなった走行相判別モデルの概要を示す。本図において、入力層としてステアリング角度(steering angle)、スロットル開度(throttle opening)、車速(speed)の周波数成分の分散情報を入力する3つのニューロンを、中間層として30つのニューロンを、出力層として自由走行相(Free flow phase)とメタ安定相(Meta-stable phase)を出力する2つのニューロンを使用した走行相判別モデルの概要について示している。
図22は、図21の走行相判別モデルを用いて走行相判別を行った判別結果を示している。図22より、被験者(Test subject)の走行相判別率(Discrimination rate)は平均81.65%となった。完全に走行相を判別できなかった原因として、NNSの特性として発生する誤判断が考えられる。これを完全になくすことは現実的に不可能であるため、モデル構造を検討することで最小限に抑えることが重要である。次に、被験者によっては実験のときの精神状態や体調によって車両操作が大きく変化する場合があり、これにより判別率が低下したと考えられる。これについては、今回用いた入力信号以外を補助的に入力することで対処する必要があると考えられる。
判別率を低下させたと考えられるこれらの影響については、今後の課題として対処していく必要がある。
0101:運転者毎操作情報取得部、0102:交通状況情報取得部、0103:運転者毎操作・交通状況関数取得部、0104:運転者毎操作・交通状況関数保持部、0105:情報提供部

Claims (25)

  1. 自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得する運転者毎操作情報取得部と、
    運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する交通状況情報取得部と、
    運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得部にて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する運転者毎操作・交通状況関数取得部と、
    運転者毎操作・交通状況関数取得部にて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持する運転者毎操作・交通状況関数保持部と、
    保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う情報提供部と、を有し、
    運転者毎操作情報取得部は、
    自動車の運転者毎のステアリングの操作情報として経時的なステアリング操作角度情報である経時ステアリング操作角度情報を取得する経時ステアリング操作角度情報取得手段と、
    スロットルの操作情報として経時的なスロットルの開度情報である経時スロットル開度情報を取得する経時スロットル開度情報取得手段と、
    スピード情報として経時的なスピード情報である経時スピード情報を取得する経時スピード情報取得手段と、
    ブレーキ操作情報として経時的なブレーキ操作情報である経時ブレーキ操作情報を取得する経時ブレーキ操作情報取得手段と、
    トランスミッション情報として経時的なトランスミッションの選択情報である経時トランスミッション選択情報を取得する経時トランスミッション選択情報取得手段と、
    のいずれか一以上を有し、
    前記運転者毎操作情報取得部が有する各手段が経時的な情報として取得する情報が、周波数成分の分散状態を示す周波数成分分散情報である
    交通状況情報提供装置。
  2. 運転者毎操作情報はステアリングの操作情報、スロットルの操作情報、スピード情報、ブレーキ操作情報、トランスミッション情報のいずれか一以上である請求項1に記載の交通状況情報提供装置。
  3. 交通状況情報取得部は、交通状況情報として運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す相情報であり他の自動車に走行を制約されることが少ない自由走行相と、自動車の進行に従って自由走行相の後に到来する渋滞の前段階となるメタ安定相と、自動車の進行に従ってメタ安定相の後に到来する渋滞を示す渋滞相と、を取得する相情報取得手段を有し、
    運転者毎操作・交通状況関数取得部は、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得手段にて取得された相情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・相関数を取得する運転者毎操作・相関数取得手段を有し、
    運転者毎操作・交通状況関数保持部は、運転者毎操作・相関数情報取得手段にて取得された運転者毎操作・相関数を保持する運転者毎操作・相関数保持手段を有し、
    情報提供部は、運転者毎操作・相関数保持手段にて保持されている運転者毎操作・相関数と、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う相利用情報提供手段を有する、
    請求項1又は2に記載の交通状況情報提供装置。
  4. 相情報取得手段は、渋滞相を自動車の停止の発生を検知して取得し、メタ安定相を自動車の停止の発生前の期間であるとして取得する請求項3に記載の交通状況情報提供装置。
  5. 運転者毎操作・相関数取得手段は、ニューラルネットワークを利用して運転者毎操作・相関数を取得する請求項3又は4に記載の交通状況情報提供装置。
  6. カーナビゲーション機能により走行位置に関する属性情報である走行位置属性情報を取得する走行位置属性情報取得部をさらに有し、
    運転者毎操作・相関数取得手段は、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得手段にて取得された相情報と、運転者毎操作情報及び/又は相情報を取得した走行位置の走行位置属性情報と、に基づいて運転者毎操作・相関数を取得する請求項3から5のいずれか一に記載の交通状況情報提供装置。
  7. 運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断する運転者毎操作・相関数収束判断部をさらに有し、 相利用情報提供手段は、運転者毎運転者毎操作・相関数収束判断部での判断が運転者毎操作・相関数が収束したとの判断結果である場合には当該収束が判断された運転者毎操作・相関数を変更しないで用いて情報提供を行う請求項3から6のいずれか一に記載の交通状況情報提供装置。
  8. 運転者毎操作・相関数保持手段にて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断した結果当該収束が判断された場合には、以後相情報取得手段又は/及び運転者毎操作・相関数取得手段の機能を停止する機能停止部をさらに有する請求項7に記載の交通状況情報提供装置。
  9. 自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得する運転者毎操作情報取得ステップと、
    運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する交通状況情報取得ステップと、
    運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得ステップにて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する運転者毎操作・交通状況関数取得ステップと、
    運転者毎操作・交通状況関数取得ステップにて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持する運転者毎操作・交通状況関数保持ステップと、
    保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う情報提供ステップと、を有し、
    運転者毎操作情報取得ステップは、
    自動車の運転者毎のステアリングの操作情報として経時的なステアリング操作角度情報である経時ステアリング操作角度情報を取得する経時ステアリング操作角度情報取得サブステップと、
    スロットルの操作情報として経時的なスロットルの開度情報である経時スロットル開度情報を取得する経時スロットル開度情報取得サブステップと、
    スピード情報として経時的なスピード情報である経時スピード情報を取得する経時スピード情報取得サブステップと、
    ブレーキ操作情報として経時的なブレーキ操作情報である経時ブレーキ操作情報を取得する経時ブレーキ操作情報取得サブステップと、
    トランスミッション情報として経時的なトランスミッションの選択情報である経時トランスミッション選択情報を取得する経時トランスミッション選択情報取得サブステップと、のいずれか一以上を有し、
    前記運転者毎操作情報取得ステップが有する各サブステップが経時的な情報として取得する情報が、周波数成分の分散状態を示す周波数成分分散情報である
    交通状況情報提供方法。
  10. 運転者毎操作情報はステアリングの操作情報、スロットルの操作情報、スピード情報、ブレーキ操作情報、トランスミッション情報のいずれか一以上である請求項9に記載の交通状況情報提供方法。
  11. 交通状況情報取得ステップは、交通状況情報として運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す相情報であり他の自動車に走行を制約されることが少ない自由走行相と、自動車の進行に従って自由走行相の後に到来する渋滞の前段階となるメタ安定相と、自動車の進行に従ってメタ安定相の後に到来する渋滞を示す渋滞相と、を取得する相情報取得サブステップを有し、
    運転者毎操作・交通状況関数取得ステップは、運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得サブステップにて取得された相情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・相関数を取得する運転者毎操作・相関数取得サブステップを有し、
    運転者毎操作・交通状況関数保持ステップは、運転者毎操作・相関数取得サブステップにて取得された運転者毎操作・相関数を保持する運転者毎操作・相関数保持サブステップを有し、
    情報提供ステップは、運転者毎操作・相関数保持サブステップにて保持されている運転者毎操作・相関数と、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う相利用情報提供サブステップを有する、
    請求項9又は10に記載の交通状況情報提供方法。
  12. 相情報取得サブステップは、渋滞相を自動車の停止の発生を検知して取得し、メタ安定相を自動車の停止の発生前の期間であるとして取得する請求項11に記載の交通状況情報提供方法。
  13. 運転者毎操作・相関数取得サブステップは、ニューラルネットワークを利用して運転者毎操作・相関数を取得する請求項11又は12に記載の交通状況情報提供方法。
  14. カーナビゲーション機能により走行位置に関する属性情報である走行位置属性情報を取得する走行位置属性情報取得ステップをさらに有し、
    運転者毎操作・相関数取得サブステップは、運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得サブステップにて取得された相情報と、運転者毎操作情報及び/又は相情報を取得した走行位置の走行位置属性情報と、に基づいて運転者毎操作・相関数を取得する請求項11から13のいずれか一に記載の交通状況情報提供方法。
  15. 運転者毎操作・相関数保持サブステップにて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断する操作・相関数収束判断ステップをさらに有し、
    相利用情報提供サブステップは、運転者毎操作・相関数収束判断ステップでの判断が運転者毎操作・相関数が収束したとの判断結果である場合には当該収束が判断された運転者毎操作・相関数を変更しないで用いて情報提供を行う請求項11から14のいずれか一に記載の交通状況情報提供方法。
  16. 運転者毎操作・相関数保持サブステップにて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断した結果当該収束が判断された場合には、以後相情報取得サブステップ又は/及び運転者毎操作・相関数取得サブステップの機能を停止する機能停止ステップをさらに有する請求項15に記載の交通状況情報提供方法。
  17. 自動車の運転者毎の操作情報である運転者毎操作情報を取得する運転者毎操作情報取得ステップと、
    運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す情報である交通状況情報を取得する交通状況情報取得ステップと、
    運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、交通状況情報取得ステップにて取得された交通状況情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・交通状況関数を取得する運転者毎操作・交通状況関数取得ステップと、
    運転者毎操作・交通状況関数取得ステップにて取得された運転者毎操作・交通状況関数を保持する運転者毎操作・交通状況関数保持ステップと、
    保持されている運転者毎操作・交通状況関数と、運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に情報提供を行う情報提供ステップと、
    を計算機に実行させるための交通状況情報提供プログラムであって、
    運転者毎操作情報取得ステップは、
    自動車の運転者毎のステアリングの操作情報として経時的なステアリング操作角度情報である経時ステアリング操作角度情報を取得する経時ステアリング操作角度情報取得サブステップと、
    スロットルの操作情報として経時的なスロットルの開度情報である経時スロットル開度情報を取得する経時スロットル開度情報取得サブステップと、
    スピード情報として経時的なスピード情報である経時スピード情報を取得する経時スピード情報取得サブステップと、
    ブレーキ操作情報として経時的なブレーキ操作情報である経時ブレーキ操作情報を取得する経時ブレーキ操作情報取得サブステップと、
    トランスミッション情報として経時的なトランスミッションの選択情報である経時トランスミッション選択情報を取得する経時トランスミッション選択情報取得サブステップと、
    のいずれか一以上を有し、
    前記運転者毎操作情報取得ステップが有する各サブステップが経時的な情報として取得する情報が、周波数成分の分散状態を示す周波数成分分散情報である
    交通状況情報提供プログラム。
  18. 運転者毎操作情報はステアリングの操作情報、スロットルの操作情報、スピード情報、ブレーキ操作情報、トランスミッション情報のいずれか一以上である請求項17に記載の交通状況情報提供プログラム。
  19. 交通状況情報取得ステップは、交通状況情報として運転者毎操作情報と関連付けて、交通状況を示す相情報であり他の自動車に走行を制約されることが少ない自由走行相と、自動車の進行に従って自由走行相の後に到来する渋滞の前段階となるメタ安定相と、自動車の進行に従ってメタ安定相の後に到来する渋滞を示す渋滞相と、を取得する相情報取得サブステップを有し、
    運転者毎操作・交通状況関数取得ステップは、運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得サブステップにて取得された相情報とを用いて両者の関係を示す関数である運転者毎操作・相関数を取得する運転者毎操作・相関数取得サブステップを有し、
    運転者毎操作・交通状況関数保持ステップは、運転者毎操作・相関数取得サブステップにて取得された運転者毎操作・相関数を保持する運転者毎操作・相関数保持サブステップを有し、
    情報提供ステップは、運転者毎操作・相関数保持サブステップにて保持されている運転者毎操作・相関数と、運転者毎操作情報取得部にて取得された運転者毎操作情報と、を用いて運転者毎に相情報を用いた情報提供を行う相利用情報提供サブステップを有する、
    請求項17又は18に記載の交通状況情報提供プログラム。
  20. 相情報取得サブステップは、渋滞相を自動車の停止の発生を検知して取得し、メタ安定相を自動車の停止の発生前の期間であるとして取得する請求項19に記載の交通状況情報提供プログラム。
  21. 運転者毎操作・相関数取得サブステップは、ニューラルネットワークを利用して運転者毎操作・相関数を取得する請求項19又は20に記載の交通状況情報提供プログラム。
  22. カーナビゲーション機能により走行位置に関する属性情報である走行位置属性情報を取得する走行位置属性情報取得ステップをさらに有し、
    運転者毎操作・相関数取得サブステップは、運転者毎操作情報取得ステップにて取得された運転者毎操作情報と、相情報取得サブステップにて取得された相情報と、運転者毎操作情報及び/又は相情報を取得した走行位置の走行位置属性情報と、に基づいて運転者毎操作・相関数を取得する請求項19から21のいずれか一に記載の交通状況情報提供プログラム。
  23. 運転者毎操作・相関数保持サブステップにて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断する操作・相関数収束判断ステップをさらに有し、
    相利用情報提供サブステップは、運転者毎操作・相関数収束判断ステップでの判断が運転者毎操作・相関数が収束したとの判断結果である場合には当該収束が判断された運転者毎操作・相関数を変更しないで用いて情報提供を行う請求項19から22のいずれか一に記載の交通状況情報提供プログラム。
  24. 運転者毎操作・相関数保持サブステップにて保持された運転者毎操作・相関数と新たに取得する運転者毎操作・相関数を比較して運転者毎操作・相関数の収束を判断した結果当該収束が判断された場合には、以後相情報取得サブステップ又は/及び運転者毎操作・相関数取得サブステップの機能を停止する機能停止ステップをさらに有する請求項23に記載の交通状況情報提供プログラム。
  25. 請求項17から24のいずれか一に記載のプログラムを計算機に読み取り可能に保持する記憶媒体。
JP2014236947A 2014-11-21 2014-11-21 交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体 Active JP6504556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236947A JP6504556B2 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236947A JP6504556B2 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016099834A JP2016099834A (ja) 2016-05-30
JP6504556B2 true JP6504556B2 (ja) 2019-04-24

Family

ID=56077874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014236947A Active JP6504556B2 (ja) 2014-11-21 2014-11-21 交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6504556B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6890265B2 (ja) * 2017-01-23 2021-06-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 イベント予測システム、イベント予測方法、プログラム、及び移動体
DE112018000477B4 (de) 2017-01-23 2023-03-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Ereignisvorhersagesystem, Ereignisvorhersageverfahren, Programm und Aufzeichnungsmedium, auf dem dieses aufgezeichnet ist
US10589784B2 (en) * 2017-08-21 2020-03-17 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. Systems and methods for intention-based steering of vehicle

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07220193A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Nagoya Denki Kogyo Kk 交通状況判別装置
JPH10134295A (ja) * 1996-10-25 1998-05-22 Inform Inst Fuer Operations Res & Manag Gmbh 道路交通状況における渋滞識別方法
JP4728315B2 (ja) * 2007-12-03 2011-07-20 住友電気工業株式会社 交通量算出装置、交通量算出プログラム及び交通量算出方法
JP2011192177A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Toyota Motor Corp 前方状況予測装置
WO2012002097A1 (ja) * 2010-06-29 2012-01-05 本田技研工業株式会社 渋滞予測方法
JP2013232160A (ja) * 2012-05-01 2013-11-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 交通情報取得装置及びコンピュータプログラム
WO2014142057A1 (ja) * 2013-03-11 2014-09-18 本田技研工業株式会社 サーバ装置、渋滞予兆情報表示システム、渋滞予兆情報配信方法、渋滞予兆情報表示方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016099834A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ali et al. A hazard-based duration model to quantify the impact of connected driving environment on safety during mandatory lane-changing
Wang et al. A review of surrogate safety measures and their applications in connected and automated vehicles safety modeling
Ali et al. Understanding the discretionary lane-changing behaviour in the connected environment
CN109774724B (zh) 用于在多种驾驶场景和条件下评估驾驶性能的方法和设备
Ali et al. Connectivity’s impact on mandatory lane-changing behaviour: Evidences from a driving simulator study
JP6832421B2 (ja) シミュレーションに基づく自動運転車の感知要求の評価方法
Danaf et al. Modeling anger and aggressive driving behavior in a dynamic choice–latent variable model
Ossen et al. Heterogeneity in car-following behavior: Theory and empirics
Sun et al. Research and implementation of lane-changing model based on driver behavior
US20180229723A1 (en) Feedback-Based Control Model Generation For An Autonomous Vehicle
US20210241616A1 (en) Method and system for multimodal deep traffic signal control
US9524640B2 (en) Traffic simulation system and traffic simulation program
CN112740188A (zh) 使用偏差进行基于日志的模拟
JP7213704B2 (ja) 自動運転プログラム評価システム、及び自動運転プログラム評価方法
US20170243518A1 (en) Information Presentation Apparatus and Method, and Computer Program Product
KR101880180B1 (ko) 드라이빙 시뮬레이터의 동작 방법 및 드라이빙 시뮬레이터
Wang et al. The impact of vehicle moving violations and freeway traffic flow on crash risk: An application of plugin development for microsimulation
Schachner et al. Development and evaluation of potential accident scenarios involving pedestrians and AEB-equipped vehicles to demonstrate the efficiency of an enhanced open-source simulation framework
JP6504556B2 (ja) 交通状況情報提供装置、交通状況情報提供方法、交通状況情報提供プログラム、記憶媒体
Bachmann et al. Improved time-to-collision definition for simulating traffic conflicts on truck-only infrastructure
US20190146493A1 (en) Method And Apparatus For Autonomous System Performance And Benchmarking
Mian et al. Modeling of individual differences in driver behavior
Ilievski Wisebench: A motion planning benchmarking framework for autonomous vehicles
Tang et al. Development of Operation Guidelines for Leader–Follower Autonomous Maintenance Vehicles at Work Zone Locations
Wen et al. Analysis of discretionary lane-changing behaviours of autonomous vehicles based on real-world data

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180711

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6504556

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250