JP6503671B2 - Pll回路、集積回路装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

Pll回路、集積回路装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、PLL回路、集積回路装置、電子機器及び移動体等に関する。
PLL回路の用途として例えば通信等がある。通信では多数のチャンネルを用いることが一般的であるため、その多数のチャンネルに対応した搬送波を発生させる必要がある。このような搬送波を発生できるPLL回路として、基準クロックを分数(小数)逓倍できるフラクショナルN型PLL回路(例えば特許文献1)が知られている。逓倍率が整数の場合には基準クロックの周波数を整数倍した搬送波しか発生できないが、逓倍率が分数であることで多数のチャンネルに対応した搬送波を発生できる。
フラクショナルN型PLL回路は、電圧制御発振器(VCO)の出力を分周して位相比較器にフィードバックする分周器として、フラクショナル分周器を用いる。そのフラクショナル分周器は、分数の分周比に対応した切り替え信号を発生するΔΣ変調器と、その切り替え信号に基づいて整数の分周比を切り替える分周器と、を含んでいる。ΔΣ変調器は、整数の分周比をランダムに切り替えることによって平均として所望の分数の分周比が得られるように変調を行う。
特開2012−28835号公報
上記のように、フラクショナルN型PLL回路ではΔΣ変調器により分周比をランダムに切り替えている。そのため、基準クロックに対してロックした状態であっても、フラクショナル分周器から位相比較器にフィードバックされるクロックの位相は基準クロックの位相に対して揺らいでいる。そして、この揺らぎによって電圧制御発振器の発振信号が変調され、ΔΣ変調に起因したフラクショナルノイズが発生する。フラクショナルノイズがPLLループ帯域よりも低い周波数に表れた場合、PLL回路のローパスフィルターで除去することは難しい。また、分数の分周比を変えたときにフラクショナルノイズ(スプリアス)が現れる周波数が変化し、あらゆる分周比においてフラクショナルノイズを除去することは困難である。
本発明の幾つかの態様によれば、フラクショナルノイズの発生を低減できるPLL回路、集積回路装置、電子機器及び移動体等を提供できる。
[適用例1]
本適用例は、フラクショナル分周器と、基準クロック信号と前記フラクショナル分周器の出力信号とを比較する位相比較回路と、前記位相比較回路の出力信号に基づいて出力電流を出力するチャージポンプ回路と、前記チャージポンプ回路の出力電流の電流電圧変換とフィルター処理を行うローパスフィルター回路と、前記ローパスフィルター回路の出力電圧に基づいて発振する電圧制御発振器と、を含み、前記ローパスフィルター回路は、前記電流電圧変換及び前記フィルター処理の結果の通過と保持を、前記基準クロック信号に基づいて切り替える切り替え回路を有するPLL回路に関係する。
本適用例によれば、ローパスフィルター回路による電流電圧変換及びフィルター処理の結果が、ローパスフィルター回路を通過又はローパスフィルター回路により保持される。そして、この通過と保持は基準クロック信号に基づいて切り替えられる。ローパスフィルター回路の出力電圧は、通過の期間において変化し、保持の期間において維持されるので、基準クロック信号に基づいて通過と保持が切り替わることで、ローパスフィルター回路の出力電圧が基準クロック信号の周波数で変化することになる。即ち、フラクショナル分周器が出力するクロック信号の周波数の揺らぎがローパスフィルター回路の出力電圧に表れないため、フラクショナルノイズを低減できる。
[適用例2]
本適用例では、前記ローパスフィルター回路は、少なくとも1つの容量素子と少なくとも1つの抵抗素子によって構成される第1のフィルター部と、少なくとも1つの容量素子によって構成される第2のフィルター部と、を有し、前記切り替え回路は、前記第1のフィルター部と前記第2のフィルター部の間に設けられてもよい。
このようにすれば、第1のフィルター部の容量素子を、チャージポンプ回路の出力電流の電荷を蓄積する容量素子として機能させ、第2のフィルター部の容量素子を、ローパスフィルター回路の出力電圧を保持する容量素子として機能させることができる。そして、第1のフィルター部と第2のフィルター部の間に切り替え回路が設けられることで、第1のフィルター部と第2のフィルター部を接続・遮断することが可能となり、通過・保持を実現できる。
[適用例3]
本適用例では、前記第1のフィルター部の次数は、前記第2のフィルター部の次数以上であってもよい。
ローパスフィルター回路の出力電圧を保持するためには第2のフィルター部に少なくとも1つの容量素子があれば足りる。そのため、第1のフィルター部の次数は第2のフィルター部の次数以上であっても、ローパスフィルター回路の出力電圧を十分保持できる。
[適用例4]
本適用例では、前記切り替え回路は、前記基準クロック信号に同期して前記通過と前記保持を切り替えてもよい。
このようにすれば、通過と保持が基準クロック信号に同期して切り替わるので、ローパスフィルター回路の出力電圧が基準クロック信号に同期して変化する。これにより、ローパスフィルター回路の出力電圧によって発振する電圧制御発振器の発振信号のフラクショナルノイズを低減できる。
[適用例5]
本適用例では、前記切り替え回路は、前記基準クロック信号が第1論理レベルである第1期間と、前記基準クロック信号が第2論理レベルである第2期間のうち、前記チャージポンプ回路が出力電流を出力する期間において、前記通過から前記保持に切り替えてもよい。
チャージポンプ回路は位相比較回路の比較結果に基づいて出力電流を出力するので、その出力電流には、フラクショナル分周器から出力されるクロック信号の周波数の揺らぎが含まれている。本適用例によれば、チャージポンプ回路が出力電流を出力する期間においてローパスフィルター回路の出力電圧が保持されるため、上記周波数の揺らぎをマスクし、フラクショナルノイズを低減できる。
[適用例6]
本適用例では、前記切り替え回路は、前記基準クロック信号に基づいて制御されるスイッチ素子により構成されてもよい。
このようにすれば、切り替え回路をスイッチ素子により構成できる。そして、そのスイッチ素子のオン・オフにより、切り替え回路による通過・保持を実現できる。
[適用例7]
本適用例では、前記ローパスフィルター回路は、3次のローパスフィルター又は4次のローパスフィルターであってもよい。
フラクショナル分周器は例えばΔΣ変調により小数値を変調して整数列を生成することで、平均として分数分周比となるような整数分周比の時系列を生成している。このΔΣ変調の次数が高いほどノイズシェイピングの効果が高いが、その効果と回路規模の兼ね合いから、ローパスフィルター回路の次数は、3次又は4次が望ましい。
[適用例8]
本適用例は、フラクショナル分周器と、基準クロックと前記フラクショナル分周器の出力信号とを比較する位相比較回路と、前記位相比較回路の出力信号に基づいて出力電流を出力するチャージポンプ回路と、前記チャージポンプ回路の出力電流の電流電圧変換とフィルター処理を行うローパスフィルター回路と、前記ローパスフィルター回路の出力電圧に基づいて発振する電圧制御発振器と、を含み、前記ローパスフィルター回路は、少なくとも1つの容量素子と少なくとも一つの抵抗素子によって構成される第1のフィルター部と、少なくとも1つの容量素子によって構成される第2のフィルター部と、前記第1のフィルター部と前記第2のフィルター部の間に設けられる切り替え回路と、を有するPLL回路に関係する。
[適用例9]
本適用例は、フラクショナル分周器と、基準クロックと前記フラクショナル分周器の出力信号の位相差に基づいて、発振周波数を制御するための制御信号を出力する制御信号出力部と、前記制御信号に対応する周波数で発振し、前記発振により得られたクロック信号を前記フラクショナル分周器へ出力する発振器と、を含み、前記制御信号出力部は、前記基準クロックが第1の論理レベルである第1の期間及び第2の論理レベルである第2の期間のうち一方の期間において、前記制御信号の出力をホールドするPLL回路に関係する。
[適用例10]
本適用例は、上記のいずれか1つの適用例に記載されたPLL回路を含む集積回路装置に関係する。
[適用例11]
本適用例は、上記のいずれか1つの適用例に記載されたPLL回路を含む電子機器に関係する。
[適用例12]
本適用例は、上記のいずれか1つの適用例に記載されたPLL回路を含む移動体に関係する。
本実施形態のPLL回路の構成例。 ローパスフィルター回路の比較例。 ローパスフィルター回路の比較例をPLL回路に適用した場合のタイミングチャート。 ローパスフィルター回路の比較例をPLL回路に適用した場合のノイズ特性の模式図。 図5(A)、図5(B)は、本実施形態のローパスフィルター回路の構成例と動作説明図。 本実施形態のローパスフィルター回路をPLL回路に適用した場合のタイミングチャート。 本実施形態のローパスフィルター回路をPLL回路に適用した場合のノイズ特性の模式図。 図8(A)、図8(B)は、PLL回路のノイズ特性のシミュレーション結果。 ローパスフィルター回路の第1の変形例。 ローパスフィルター回路の第2の変形例。 位相比較回路とチャージポンプ回路の第1の詳細な構成例。 位相比較回路とチャージポンプ回路の第2の詳細な構成例。 比較例においてダウン信号のパルスが出力された場合のタイミングチャート。 本実施形態においてダウン信号のパルスが出力された場合のタイミングチャート。 位相比較回路とチャージポンプ回路の第3の詳細な構成例。 集積回路装置の構成例。 電子機器を含むシステム構成例。 移動体の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.フラクショナルN型PLL回路
図1に、本実施形態のPLL回路(フラクショナルN型PLL回路)の構成例を示す。このPLL回路(PLL: Phase Locked Loop)は、位相比較回路10(PFD: Phase Frequency Detector)と、チャージポンプ回路20と、ローパスフィルター回路30(ループフィルター)と、電圧制御発振器40(VCO: Voltage Controlled Oscillator)と、フラクショナル分周器50と、を含む。
位相比較回路10は、基準クロック信号REFCKの位相と、フラクショナル分周器50により分周された帰還クロック信号FBKCKの位相とを比較し、その比較結果であるアップ信号UPとダウン信号DNを出力信号として出力する。
具体的には、位相比較回路10は、基準クロック信号REFCKの立ち上がりエッジと帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりエッジとの時間差に対応したパルス幅のパルス信号を出力する。即ち、図3等に示すように、帰還クロック信号FBKCKが基準クロック信号REFCKよりも遅い場合には、基準クロック信号REFCKの立ち上がりエッジで立ち上がり、帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりエッジで立ち下がるアップ信号UPを出力する。図13等に示すように、帰還クロック信号FBKCKが基準クロック信号REFCKよりも早い場合には、帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりエッジで立ち上がり、基準クロック信号REFCKの立ち上がりエッジで立ち下がるダウン信号DNを出力する。
なお、基準クロック信号REFCKは、PLL回路が出力クロックの位相をロックさせる対象のクロック信号であり、周波数逓倍の基準となるクロック信号である。基準クロック信号REFCKとしては種々のクロック信号を想定できるが、例えばICの外部から供給される例としては、水晶発振器等から供給される発振信号や、マイクロコンピューター等から供給されるクロック信号(例えばデータ通信用のクロック信号)等がある。或は、ICの内部で生成したクロック信号を基準クロック信号REFCKとしてもよい。
チャージポンプ回路20は、位相比較回路10の出力信号を電圧電流変換する。即ち、矩形の電圧パルスであるアップ信号UPとダウン信号DNを、矩形の電流パルスである出力電流に変換する。アップ信号UPが入力された場合には正の電流パルスを出力し、ダウン信号DNが入力された場合には負の電流パルスを出力する。電流パルスのパルス幅は、アップ信号UPやダウン信号DNのパルス幅に対応する。
ローパスフィルター回路30は、チャージポンプ回路20の出力電流を電流電圧変換すると共にフィルター処理(ローパスフィルターによる平滑化)する。ローパスフィルター回路30の出力電圧(図3、図13のVF)は、アップ信号UPに対して上昇し、ダウン信号に対して下降する。
本実施形態のローパスフィルター回路30では、まず図5(A)に示すようにチャージポンプ回路20から供給される電荷がキャパシターCB1(とCB2)に蓄積され、次に図5(B)に示すようにキャパシターCB1の電荷がスイッチ素子SWBを介してキャパシターCB3に転送される。このとき、チャージポンプ回路20の出力ノードの電圧VCとローパスフィルター回路30の出力電圧VFの波形は図6に示すような波形となり、ローパスフィルター回路30の出力電圧VFとして電流パルスが平滑化された電圧信号が出力される。
電圧制御発振器40は、ローパスフィルター回路30の出力電圧VFに応じた周波数で発振し、発振クロック信号VOUTを出力する。電圧制御発振器40は、出力電圧VFが高いほど高い周波数で発振する。即ち、位相比較回路10がアップ信号UPを出力した場合には発振周波数が高くなり、位相比較回路10がダウン信号DNを出力した場合には発振周波数が低くなる。
フラクショナル分周器50は、PLL回路の逓倍率の逆数を分周比として発振クロック信号VOUTを分周し、帰還クロック信号FBKCKを出力する。具体的には、フラクショナル分周器50は、整数分周器51と加算器52とΔΣ(デルタシグマ)変調器53とを含む。
ΔΣ変調器53は、分周比の小数部設定値DCNをΔΣ変調し、整数である変調値QDSを生成する。変調値QDSは、所定の複数の整数の中から時系列に選択された整数列であり、例えば変調値QDSが2値の場合には0と1がランダムに並ぶ整数列である。例えば小数部設定値DCN=0.2の場合、0と1が4:1の割合で出現し、平均値として0.2が得られる。この平滑化は、PLL回路のループの中で主にローパスフィルター回路30によって行われる。変調値QDSは2値に限定されるものでなく、3値以上であってもよい。その数はΔΣ変調器53の次数によって決まり、次数が高いほど変調値QDSは多値になる。
加算器52は、整数部設定値ITNと変調値QDSを加算し、その加算値ITN+QDSを分周比の設定値として出力する。例えば上記の変調値QDSが2値の例において整数部設定値ITN=10とした場合、分周比の設定値は10と11がランダムに並ぶ整数列となる。
整数分周器51は、加算器52からの分周比の設定値に基づいて発振クロック信号VOUTを分周する。整数分周器51は、複数の整数分周比を選択可能に構成されており、その複数の整数分周比の中から分周比の設定値に対応する分周比に切り替える。例えば上記のように分周比の設定値が10と11がランダムに並ぶ整数列である場合、分周比は10と11でランダムに切り替わり、平均として10と11の間の分数(小数)分周比となる。
2.ローパスフィルター回路の比較例
図2に、ローパスフィルター回路30の比較例を示す。図2のローパスフィルター回路30は、抵抗素子RA1、RA3、キャパシターCA1〜CA3を含む。これらの抵抗素子RA1、RA3、キャパシターCA1〜CA3は3次のローパスフィルターを構成している。
図3に、上記ローパスフィルター回路30の比較例を図1のPLL回路に適用した場合のタイミングチャートを示す。
図1で説明したように、帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりエッジが基準クロック信号REFCKの立ち上がりエッジよりも遅い場合、位相比較回路10はアップ信号UPを出力する。チャージポンプ回路20はアップ信号UPを正の電流パルスに変換し、その電流パルスをローパスフィルター回路30が平滑化して出力電圧VFを出力する。この出力電圧VFは電圧制御発振器40の制御電圧である。
図3のA1に示すように、制御電圧VFは、アップ信号UPが立ち上がるタイミングから急激に立ち上がる。そして、A2に示すように、アップ信号UPがハイレベルの間は制御電圧VFが緩やかに上昇し、A3に示すように、アップ信号UPが立ち下がるタイミングから制御電圧VFが下降する。このように、制御電圧VFの立ち上がり開始点から下降開始点までの時間は、アップ信号UPのパルス幅に対応している。
図1で説明したように、フラクショナル分周器50はΔΣ変調により分周比を切り替えているため、帰還クロック信号FBKCKの周波数は揺らいでいる。即ち、アップ信号UPのパルス幅もΔΣ変調によりランダムに変化している。これはPLL回路が基準クロック信号REFCKにロックした状態であっても同様である。このようなアップ信号UPのパルス幅の揺らぎは、制御電圧VFの立ち上がり開始点から下降開始点までの時間を揺らがせるため、発振クロック信号VOUTにフラクショナルノイズを発生させる原因となる。
具体的には、アップ信号UPの立ち上がりは基準クロック信号REFCKの立ち上がりと同じタイミングであるため、制御電圧VFの立ち上がりタイミングから次の立ち上がりタイミングまでの時間T11、T12、T13は基準クロック信号REFCKの周期と同じになる。一方、アップ信号UPの立ち下がりは帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりと同じタイミングであるため、制御電圧VFの下降開始点から次の下降開始点までの時間T21、T22、T23は、基準クロック信号REFCKの周期を中心としてΔΣ変調によってランダムに揺らいだ周期となっている。
電圧制御発振器40は、制御電圧VFに応じて発振周波数が変わる(例えば制御電圧VFの立ち上がり開始点から下降開始点までは、それ以外の期間よりも発振周波数が高くなる)。そのため、制御電圧VFが何らかの周期を含んでいれば、その周期で発振周波数が変調されることになる。上記のように制御電圧VFには基準クロック信号REFCKの周期とΔΣ変調によって揺らいだ周期が存在するので、それらの周期で発振周波数が変調され、発振クロック信号VOUTにノイズ(ジッター、スプリアス)を発生させる。
図4に、比較例における発振クロック信号VOUTのノイズ特性例を模式的に示す。横軸の周波数オフセットは、発振の中心周波数(基準クロック信号REFCKの周波数を逓倍した周波数)を基準(ゼロ)とした周波数である。
図4に示すように、基準クロック信号REFCKの周期による変調はリファレンスノイズ(リファレンスリーク)を発生させる。このノイズは、周波数領域で見たときに、発振周波数から基準クロック信号REFCKの周波数だけ離れた位置にスプリアスを発生させる。このスプリアスは、例えばローパスフィルター回路30のカットオフ周波数を基準クロック信号REFCKの周波数よりも低く(例えば1/10程度に)設定することで、低減可能である。
一方、ΔΣ変調によって揺らいだ周期による変調はフラクショナルノイズを発生させる。フラクショナルノイズは、周波数領域では例えば複数のスプリアスとして現れる。そのうちローパスフィルター回路30のカットオフ周波数よりも高い周波数のスプリアスは低減されるが、ローパスフィルター回路30のカットオフ周波数よりも低い周波数のスプリアスは残ってしまう。
このスプリアスを低減する手法として、ΔΣ変調器53の次数を高くすることが考えられる。ΔΣ変調器53の次数を高くすれば、ノイズシェイピングによってノイズを高域に押しやり、ローパスフィルター回路30でカットすることが可能である。しかしながら、ΔΣ変調器53の次数を高くした場合、それに応じてローパスフィルター回路30の次数を高くする必要がある。例えばローパスフィルター回路30の次数はΔΣ変調器53の次数と同一の次数又は1つ高い次数に設定する必要がある。ローパスフィルター回路30の次数を高くすると回路規模の増大等の問題があるため、ΔΣ変調器53の次数を高くすることは限界がある。
また、ある逓倍率(分数分周比)でフラクショナルノイズを消失できたとしても、他の逓倍率ではΔΣ変調の出力(つまり発振クロック信号VOUTの変調のされ方)も変わるため、フラクショナルノイズが出現する。即ち、あらゆる逓倍率でフラクショナルノイズを低減させることは非常に難しい。
3.本実施形態のローパスフィルター回路
図5(A)、図5(B)に、上記のような課題を解決できる本実施形態のローパスフィルター回路30の構成例を示す。また、図6に、図1のPLL回路に本実施形態のローパスフィルター回路30を適用した場合のタイミングチャートを示す。
なお、ここでは3次のローパスフィルターを例にとって説明するが、図9等で後述するようにローパスフィルター回路30は種々の変形実施が可能である。
本実施形態のローパスフィルター回路30は、第1のフィルター部31と、第2のフィルター部32と、切り替え回路33と、を含む。そして、切り替え回路33は、ローパスフィルター回路30による電流電圧変換及びフィルター処理の結果の通過(出力)と保持を、基準クロック信号REFCKに基づいて切り替える。
具体的には、基準クロック信号REFCKをインバーターINBにより論理反転した信号が切り替え回路33に入力される。図5(A)に示すように、基準クロック信号REFCKがハイレベルの期間HOLDでは、切り替え回路33は第1のフィルター部31と第2のフィルター部32を非接続にする。図6に示すように、基準クロック信号REFCKがハイレベルの期間HOLDにアップ信号UPが出力されるので、チャージポンプ回路20から出力された電荷が第1のフィルター部31(のキャパシター)に蓄積される。第2のフィルター部32(のキャパシター)は出力電圧VFを保持しており、この期間では出力電圧VFは変化しない。
図5(B)に示すように、基準クロック信号REFCKがローレベルの期間TRANでは、切り替え回路33は第1のフィルター部31と第2のフィルター部32を接続する。この期間TRANでは、保持期間HOLDで第1のフィルター部31(のキャパシター)に蓄積された電荷が切り替え回路33を通過し、第2のフィルター部32(のキャパシター)との間で電荷の再分配が行われる。図6に示すように、通過期間TRANでは電荷の再分配によって第2のフィルター部32の出力電圧VFは緩やかに変化(アップ信号UPの場合は上昇)する。
図2〜図4で説明した比較例では、チャージポンプ回路20からの電流パルスによってローパスフィルター回路30の出力電圧VFがパルス状(電流パルスがなまった波形)に変化し、それがフラクショナルノイズの原因となっていた。
この点、本実施形態によれば、切り替え回路33が基準クロック信号REFCKに基づいて通過と保持を切り替えることで、チャージポンプ回路20からの電流パルスをマスクすることが可能となる。即ち、保持期間HOLDにおいて切り替え回路33がオフになることで電流パルスが出力電圧VFに伝達されず、保持期間HOLDでは出力電圧VFが一定に保たれる。これによって、図6に示すように出力電圧VFの変化点は基準クロック信号REFCKの立ち上がり又は立ち上がりのタイミングとなり、基準クロック信号REFCKの周期と同じ周期のみが出力電圧VFに含まれることになる。即ち、基準クロック信号REFCKの立ち上がりから次の立ち上がりまでの時間T11、T12、T22と、基準クロック信号REFCKの立ち下がりから次の立ち下がりまでの時間T21、T22、T23である。
このように本実施形態ではΔΣ変調による揺らいだ周期が出力電圧VF(電圧制御発振器40の制御電圧VF)に現れないため、図7に示すように、フラクショナル分周器50のΔΣ変調に起因するフラクショナルノイズ(スプリアス)を低減できる。
4.第1のフィルター部、第2のフィルター部、切り替え回路
次に、第1のフィルター部31、第2のフィルター部32、切り替え回路33の詳細な構成例について説明する。
第1のフィルター部31は、少なくとも1つ(1つ以上)の容量素子と少なくとも1つの抵抗素子によって構成される。
例えば図5(A)では、第1のフィルター部31は2次のフィルターである。即ち、少なくとも1つの容量素子としてキャパシターCB1、CB2を含み、少なくとも1つの抵抗素子として抵抗素子RB1を含む。抵抗素子RB1の一端は、第1のフィルター部31の入力ノード(チャージポンプ回路20の出力ノード)に接続される。抵抗素子RB1の他端は、キャパシターCB1の一端に接続される。キャパシターCB1の他端は低電位側電源(例えばグランド)に接続される。キャパシターCB2の一端は第1のフィルター部31の入力ノードに接続され、キャパシターCB2の他端は低電位側電源に接続される。
また第2のフィルター部32は、少なくとも1つの容量素子によって構成される。
例えば図5(A)では、第2のフィルター部32は1次のフィルターである。即ち、少なくとも1つの容量素子としてキャパシターCB3を含む。また、抵抗素子RB3を含む。抵抗素子RB3の一端は、第2のフィルター部32の出力ノード(電圧制御発振器40の入力ノード)に接続される。キャパシターCB3の一端は、第2のフィルター部32の出力ノードに接続され、キャパシターCB3の他端は、低電位側電源に接続される。
また切り替え回路33は、第1のフィルター部31と第2のフィルター部32の間に設けられる。
即ち、切り替え回路33は、第1のフィルター部31の出力ノード(図5(A)では入力ノードと同じ)と、第2のフィルター部32の入力ノードとの間に設けられる。
本実施形態では、第1のフィルター部31が含む少なくとも1つの容量素子(CB1、CB2)は、保持期間HOLDにおいて電荷を蓄積する容量素子として機能する。即ち、第1のフィルター部31は、保持期間HOLDにおいてチャージポンプ回路20から出力される電流パルスをフィルタリングすると共に、その電流パルスの電荷を蓄積できる。
また、第2のフィルター部32が含む少なくとも1つの容量素子(CB3)は、保持期間HOLDにおいて出力電圧VFを保持する容量素子として機能する。即ち、第2のフィルター部32は、通過期間TRANにおいて電荷再分配に伴ってフィルタリングを行うと共に、その電荷再分配の結果を保持期間HOLDにおいて保持できる。
上記図5(A)の例では、第1のフィルター部31の次数(2次)は、第2のフィルター部32の次数(1次)以上である。
保持期間HOLDにおいて出力電圧VFを保持するには少なくとも1つキャパシターがあれば足りる。即ち、第1のフィルター部31の次数が第2のフィルター部32の次数以上であっても、出力電圧VFを保持する機能を十分に実現できる。
なお、図10で後述するように、第1のフィルター部31の次数(1次)は、第2のフィルター部32の次数(2次)よりも小さくてもよい。
ローパスフィルター回路30は次数と同じ数のキャパシターを有するが、そのうち第1次のキャパシター(図5(A)のCB1)が一般的には最大である。そのため、チャージポンプ回路20からの電荷を蓄積するという観点からは、第1のフィルター部31が第1次のキャパシターを含んでいれば足りる。即ち、第1のフィルター部31の次数が第2のフィルター部32の次数よりも小さくても、電荷を蓄積する機能を十分に実現できる。
上記のように、第1のフィルター部31と第2のフィルター部32はそれぞれ1次以上であればよい。このとき、ローパスフィルター回路30全体としての次数は2次以上であればよいが、3次又は4次が望ましい。
ローパスフィルター回路30の次数は、通常は、ΔΣ変調器53の次数と同じ次数又は1つ高い次数に設定する。ΔΣ変調器53は次数が高いほどノイズシェイピングの効果が高いが、その効果とローパスフィルター回路30の規模との兼ね合いから、ΔΣ変調器53の次数を2〜4次とし、ローパスフィルター回路30の次数を3次又は4次に設定するのが望ましい。
ここで、ローパスフィルター回路30の次数とは、ローパスフィルター回路30の周波数特性(伝達関数)の次数であり、具体的には伝達関数の極(ポール)の数である。ローパスフィルター回路30は、カットオフ周波数よりも高い周波数において減衰する特性を有するが、その減衰の傾斜は伝達関数の次数が高いほど急峻となる。例えば、抵抗素子とキャパシターによる受動的なフィルターでは、信号の伝達経路に対して並列に(例えば伝達経路とグランドの間に)接続されるキャパシターの数と伝達関数の次数とが同じになる。例えば本実施形態の図5(A)の例では、キャパシターCB1、CB2、CB3は、信号の伝達経路(チャージポンプ回路20の出力から電圧制御発振器40の入力まで)とグランドの間に接続されている。即ち、この例は3次のローパスフィルターとなる。
次に、切り替え回路33の詳細な動作や構成について説明する。図5(A)、図5(B)で説明したように、切り替え回路33は、基準クロック信号REFCKに同期して通過(非接続状態、遮断状態)と保持(接続状態)を切り替える。
具体的には、図6に示すように、切り替え回路33は、基準クロック信号REFCKが第1論理レベル(ハイレベル)である第1期間(保持期間HOLD)と、基準クロック信号REFCKが第2論理レベル(ローレベル)である第2期間(通過期間TRAN)のうち、チャージポンプ回路20が出力電流を出力する期間(第1期間、保持期間HOLD)において、ローパスフィルター回路30による電流電圧変換及びフィルター処理の結果の保持に切り替える。なお、図14に示すように、ダウン信号DNの場合には第1論理レベルはローレベルであり、第2論理レベルはハイレベルである。
図5(A)に示すように、切り替え回路33はスイッチ素子SWBにより構成され、そのスイッチ素子SWBは、基準クロック信号REFCKに基づいて制御(オン・オフ制御)される。
スイッチ素子SWBの一端は、第1のフィルター部31の出力ノード(図5(A)では入力ノードと同じ)に接続され、スイッチ素子SWBの他端は、第2のフィルター部32の入力ノードに接続される。そしてスイッチ素子SWBは、第1期間(保持期間HOLD)においてオフになり、第2期間(通過期間TRAN)においてオンになる。例えば、スイッチ素子SWBはN型(又はP型)のMOSトランジスターで構成される。或は、N型MOSトランジスターとP型MOSトランジスターを組み合わせたトランスファーゲートで構成される。なお、これに限定されず、スイッチ素子SWBは遮断と接続を切り替えられる素子であればよい。
本実施形態によれば、チャージポンプ回路20が出力電流を出力する期間(第1期間)においてスイッチ素子SWBがオフするため、出力電圧VFが第2のフィルター部32に保持され、出力電圧VFが一定となる。そして、チャージポンプ回路20が出力電流を出力しない期間(第2期間)においてスイッチ素子SWBがオンするため、出力電圧VFが変化する。第1期間と第2期間は基準クロック信号REFCKに同期して切り替わるので、出力電圧VFには基準クロック信号REFCKに同期した周期のみが現れ、ΔΣ変調による揺らぎが発生しなくなる。これにより、フラクショナルノイズの原因が取り除かれ、発振クロック信号VOUTにおけるフラクショナルノイズを低減できる。
図8(A)、図8(B)に、発振クロック信号VOUTのノイズ周波数特性のシミュレーション結果を示す。図8(A)には、図5(A)の本実施形態のローパスフィルター回路30を図1のPLL回路に適用した場合のシミュレーション結果を示す。図8(B)には、図2の比較例のローパスフィルター回路30を図1のPLL回路に適用した場合のシミュレーション結果を示す。ローパスフィルター回路30の抵抗素子及びキャパシターの値と、基準クロック信号REFCKの周波数と、PLL回路の逓倍率は同一である。
図8(A)、図8(B)に示すように、ループ帯域は本実施形態と比較例で共に約1MHzであり、本実施形態のようにスイッチングを行った場合でもループ帯域はほぼ変化しない。或は、本実施形態の方が比較例よりも若干ループ帯域が低い程度である。また、周波数オフセット2MHz付近にフラクショナルノイズのスプリアスが現れている。比較例でのスプリアスが約−87dBであるのに対して、本実施形態でのスプリアスは約−93dBであり、本実施形態では約6dB低減されていることが分かる。このように、シミュレーション結果からも、本実施形態のローパスフィルター回路30によってフラクショナルノイズを低減できることが確認できる。
5.ローパスフィルター回路の変形例
上述したように、ローパスフィルター回路30は少なくとも2次(キャパシター2個)であればよいため、種々の構成が考えられる。以下、例として2つの変形例を説明する。
図9に、ローパスフィルター回路30の第1の変形例を示す。このローパスフィルター回路30は、第1のフィルター部31、第2のフィルター部32、切り替え回路33を含む。第1のフィルター部31は、抵抗素子RC1、キャパシターCC1、CC2を含む。第2のフィルター部32は、抵抗素子RC3、RC4、キャパシターCC3、CC4を含む。切り替え回路33は、スイッチ素子SWCを含む。
この第1の変形例は、4次のローパスフィルターの例であり、第1のフィルター部31と第2のフィルター部32が共に2次のフィルターである。
なお、スイッチ素子SWCをキャパシターCC1とキャパシターCC2の間に設け、1次のフィルターと3次のフィルターに分割してもよいし、或は、スイッチ素子SWCをキャパシターCC3とキャパシターCC4の間に設け、3次のフィルターと1次のフィルターに分割してもよい。
図10に、ローパスフィルター回路30の第2の変形例を示す。このローパスフィルター回路30は、第1のフィルター部31、第2のフィルター部32、切り替え回路33を含む。第1のフィルター部31は、抵抗素子RD1、キャパシターCD1を含む。第2のフィルター部32は、抵抗素子RD3、キャパシターCD2、CD3を含む。切り替え回路33は、スイッチ素子SWDを含む。
この第1の変形例は、3次のローパスフィルターの例であり、図5(A)の構成例のスイッチ素子SWBをキャパシターCB1とキャパシターCB2の間に設けた構成に対応する。即ち、第1のフィルター部31は1次のフィルターであり、第2のフィルター部32は2次のフィルターである。
6.PLL回路の変形例
なお、以上の実施形態では電圧制御発振器40を用いたPLL回路を例にとって説明したが、PLL回路の構成は、これに限定されない。即ち、制御電圧に限らず制御信号に基づいて発振する発振器があり、その制御信号が基準クロック信号に基づいて通過・保持されていればよい。
具体的には、PLL回路は、フラクショナル分周器と制御信号出力部と発振器とを含めばよい。そして、制御信号出力部は、基準クロックとフラクショナル分周器の出力信号(帰還クロック信号)の位相差に基づいて、発振周波数を制御するための制御信号を出力し、発振器は、その制御信号に対応する周波数で発振し、その発振により得られたクロック信号をフラクショナル分周器へ出力すればよい。制御信号出力部は、基準クロックが第1の論理レベルである第1の期間及び第2の論理レベルである第2の期間のうち一方の期間において、制御信号の出力を保持すればよい。
例えば図1の構成例では、制御信号出力部は位相比較回路10、チャージポンプ回路20、ローパスフィルター回路30に対応する。また、発振器は、図1のように電圧制御発振器40に対応する。ただし、制御信号出力部と発振器は図1の構成に限定されるものではなく、例えば制御信号出力部が制御電流を出力し、その制御電流に基づいて発振器(電流制御発振器)が発振してもよい。
図6のタイミングチャートでは、基準クロック信号の第1の論理レベルはハイレベルであり、第2の論理レベルはローレベルであり、第1の期間は保持期間HOLDであり、第2の期間は通過期間TRANである。そして、制御信号の出力を保持する一方の期間は第1の期間である。但し、フラクショナル分周器の出力信号に含まれる周波数の揺らぎが制御信号に出力される期間をマスクできればよいので、制御信号の出力を保持する一方の期間は第1の期間に限定されない。
7.位相比較回路、チャージポンプ回路
図11に、位相比較回路10とチャージポンプ回路20の第1の詳細な構成例を示す。位相比較回路10は、フリップフロップ回路FE1、FE2、論理積回路ANEを含む。チャージポンプ回路20は、電流源IE1、IE2、スイッチ素子SWE1、SWE2を含む。
まず、位相比較回路10の動作を説明する。図6のように基準クロック信号REFCKが帰還クロック信号FBKCKより先行している場合を考える。基準クロック信号REFCKの立ち上がりでフリップフロップ回路FE1の出力(アップ信号UP)がハイレベルになり、その後、帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりでフリップフロップ回路FE2の出力(ダウン信号DN)がハイレベルになる。しかし、それと同時に論理積回路ANEの出力がハイレベルになるため、フリップフロップ回路FE1、FE2がリセットされ、アップ信号UPとダウン信号DNはローレベルになる。結果として、アップ信号UPのみが出力される。
次に、帰還クロック信号FBKCKが基準クロック信号REFCKより先行している場合を考える。帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりでフリップフロップ回路FE2の出力(ダウン信号DN)がハイレベルになり、その後、基準クロック信号REFCKの立ち上がりでフリップフロップ回路FE1の出力(アップ信号UP)がハイレベルになる。しかし、それと同時に論理積回路ANEの出力がハイレベルになるため、フリップフロップ回路FE1、FE2がリセットされ、アップ信号UPとダウン信号DNはローレベルになる。結果として、ダウン信号DNのみが出力される。
次に、チャージポンプ回路20の動作を説明する。位相比較回路10からアップ信号UPのパルスが入力された場合、アップ信号UPがハイレベルの期間ではスイッチ素子SWE1がオンになり、出力ノードNVCに電流源IE1からの正の電流が出力される。一方、位相比較回路10からダウン信号DNのパルスが入力された場合、ダウン信号DNがハイレベルの期間ではスイッチ素子SWE2がオンになり、出力ノードNVCに電流源IE2からの負の電流が出力される。なお、電流源IE1と電流源IE2が出力する電流値(の絶対値)は同じである。
図12に、位相比較回路10とチャージポンプ回路20の第2の詳細な構成例を示す。位相比較回路10は、フリップフロップ回路FE1、FE2、論理積回路ANEを含む。チャージポンプ回路20は、電流源IE1〜IE5、スイッチ素子SWE1〜SWE5を含む。なお、位相比較回路10の動作は第1の詳細な構成例と同様なので説明を省略する。
位相比較回路10からチャージポンプ回路20にアップ信号UPのパルスが入力された場合、アップ信号UPがハイレベルの期間ではスイッチ素子SWE1がオンになり、出力ノードNVCに電流源IE1からの正の電流が出力される。一方、位相比較回路10からチャージポンプ回路20にダウン信号DNのパルスが入力された場合、ダウン信号DNがハイレベルの期間ではスイッチ素子SWE2〜SW5がオンになり、出力ノードNVCに電流源IE2〜IE5からの負の電流が出力される。
電流源IE1〜IE5が出力する電流値(の絶対値)は同じであるため、アップ信号UPに対する電流パルスとダウン信号DNに対する電流パルスの電流比は、1:4となる。このようにダウン信号DNに対する電流パルスの方が大きい場合、PLL回路が基準クロック信号REFCKにロックした後は、アップ信号UPのパルスが毎サイクル出力される。即ち、図6のような状態で安定することになる。
8.ダウン信号DNのパルスが出力される場合
以上では、主にアップ信号UPのパルスが出力される場合を例にとって説明したが、ダウン信号DNのパルスが出力される場合にも、同様にしてフラクショナルノイズを低減できる。以下、ダウン信号DNのパルスが出力される場合の動作を説明する。
図13に、図2の比較例のローパスフィルター回路30が適用された図1のPLL回路において、ダウン信号DNのパルスが出力された場合のタイミングチャートを示す。
図13に示すように、帰還クロック信号FBKCKの立ち上がりでダウン信号DNが立ち上がり、基準クロック信号REFCKの立ち上がりでダウン信号DNが立ち下がる。帰還クロック信号FBKCKの周波数はΔΣ変調により揺らいでいるため、ダウン信号DNの立ち上がりエッジのタイミングもΔΣ変調により揺らいでいる。そのため、ダウン信号DNの立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの時間T21、T22、T23はΔΣ変調により揺らいだ周期となり、その揺らいだ周期がローパスフィルター回路30の出力電圧VF(電圧制御発振器40の制御電圧)に反映されている。そして、この揺らいだ周波数によって電圧制御発振器40の発振周波数が変調され、フラクショナルノイズを発生させている。
図14に、図5(A)の本実施形態のローパスフィルター回路30が適用された図1のPLL回路において、ダウン信号DNのパルスが出力された場合のタイミングチャートを示す。
ダウン信号DNのパルスが出力された場合、スイッチ素子SWBは、基準クロック信号REFCKがローレベルのときにオフ(保持期間HOLD)になり、基準クロック信号REFCKがハイレベルのときにオン(通過期間TRAN)になる。この場合、スイッチ素子SWBには基準クロック信号REFCKと同じ論理レベルのクロック信号が入力される(インバーターINBは省略される)。
本実施形態によれば、ダウン信号DNのパルスが出力される期間(基準クロック信号REFCKがローレベルの期間)において保持期間HOLDとなり、ローパスフィルター回路30の出力電圧VFが保持される。これにより、ΔΣ変調により揺らいだ周期が出力電圧VFに現れなくなり、出力電圧VFは基準クロック信号REFCKと同じ周期のみ(T11、T12、T13、T21、T22)を含む。ΔΣ変調により揺らいだ周期で電圧制御発振器40の発振周波数が変調されないので、フラクショナルノイズが低減される。このように、本実施形態によればアップ信号とダウン信号DNのいずれに対してもフラクショナルノイズを低減可能である。
図15に、位相比較回路10とチャージポンプ回路20の第3の詳細な構成例を示す。この構成例は、PLL回路のロック状態においてダウン信号DNのパルスが毎サイクル出力される場合の例である。なお、位相比較回路10の構成と動作は図11と同様であるため説明を省略する。
チャージポンプ回路20は、電流源IE1〜IE5、スイッチ素子SWE1〜SWE5を含む。この構成例では、電流源IE3〜IE5とスイッチ素子SWE3〜SWE5がアップ信号UP側に設けられている。即ち、アップ信号UPに対する電流パルスとダウン信号DNに対する電流パルスの電流比は、4:1となる。このようにアップ信号UPに対する電流パルスの方が大きい場合、PLL回路が基準クロック信号REFCKにロックした後は、ダウン信号DNのパルスが毎サイクル出力され、図14のような状態で安定することになる。
9.集積回路装置
図16に、本実施形態のPLL回路が適用された集積回路装置の構成例を示す。集積回路装置200は、発振回路100と、発振回路100からの発振信号に基づいて無線通信処理を行う無線通信回路と、クロック分周器260と、を含む。無線通信回路としては、PLL回路210、パワーアンプ220、制御回路250、アンテナチューニング回路280を含む。
なお集積回路装置は、例えば半導体基板に回路が形成された半導体チップに対応する。或は、その半導体チップをパッケージに封止した状態の回路装置に対応する。また、修正機回路装置の端子は、半導体チップのパッド、或はパッケージの端子に対応する。
発振回路100は、端子PXG、PXDに接続された外部の振動子(例えば水晶振動子)を発振させる回路である。
PLL回路210は、発振回路100からの発振信号を基準クロック信号REFCKとして分数逓倍(整数逓倍を含む)を行って搬送波信号を生成し、その搬送波信号を変調して無線送信信号を生成する。
具体的には、PLL回路210は、位相比較回路10、チャージポンプ回路20、ローパスフィルター回路30、電圧制御発振器40、フラクショナル分周器50、出力分周器60を含む。出力分周器60以外の構成と動作は図1と同様であるため説明を省略する。
出力分周器60は、電圧制御発振器40からの発振クロック信号VOUTを分周し、無線送信信号として出力する。即ち、出力分周器60が出力する信号の周波数が搬送波周波数となる。
パワーアンプ220は、無線送信信号を増幅し、アンテナを駆動する回路である。出力端子である端子PRFC、PRAQ、PVSPAには、パワーアンプ220とアンテナのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合回路が接続され、そのインピーダンス整合回路にアンテナが接続される。
アンテナチューニング回路280は、無線送信信号の出力パワーを最大化(最適化)するための回路である。例えば、集積回路装置200には製造バラツキがあるため、アンテナを接続したときの出力パワーに個体差が生じるが、アンテナチューニング回路280は、その個体差を調整(例えば製造工程において調整)する。アンテナチューニング回路280は例えば可変容量等で構成されており、無線送信信号の出力パワーが最大となるように可変容量の容量値が調整される。なお、アンテナチューニング回路280は省略してもよい。
クロック分周器260は、発振回路100からの発振信号を分周し、端子PCKQを介して外部回路にクロック信号を供給する回路である。このクロック信号は、例えば外部の処理部(マイクロコンピューター)に供給される。
制御回路250は、集積回路装置の各部の制御を行う。端子PENには外部の処理部からイネーブル信号が入力される。また、端子PSCK、PSDIOは外部の処理部との間で制御信号や無線通信データをやりとりするための端子である。制御回路250は、これらの信号やデータに基づいて制御を行う。なお、端子PTSTは、テスト信号やテストデータを入出力するための端子である。
無線通信を行うには、PLL回路が生成した搬送波を変調する必要があるが、例えば次のようにして変調を行う。即ち、制御回路250が外部の処理部から送信データを受け取り、その送信データに基づいてフラクショナル分周器50の分周比を変調させる。分周比は、図1で説明したように小数部設定値DCNと整数部設定値ITNで設定される。この分周比の変調によってPLL回路の発振周波数(逓倍率)が変調されるので、いわゆるFSK変調による無線通信が可能となる。
10.電子機器
図17に、本実施形態のPLL回路を適用した電子機器を含むシステム構成例を示す。以下では、電子機器がキーレスエントリーモジュールである場合を例にとり、そのキーレスエントリーモジュールを含むキーレスエントリーシステムについて説明するが、これに限らず本実施形態のPLL回路は種々の電子機器に適用可能である。
キーレスエントリーシステムは、キーレスエントリーモジュール400(電子機器)と車体500を含む。キーレスエントリーモジュール400は、送信用のアンテナ440と、アンテナ440を介して無線電波を送信する集積回路装置200(無線通信装置)と、無線送信を制御するマイクロコンピューター410と、を含む。集積回路装置200は、本実施形態のPLL回路を有する。車体500は、受信用のアンテナ540と、アンテナ540を介して無線電波を受信する無線通信装置520と、無線受信や受信データに基づく処理等を制御するマイクロコンピューター510と、マイクロコンピューター510と車体500の各部を接続するインターフェース部530と、ドアの施錠・解錠を制御するドアロック制御部550と、トランクの施錠・解錠を制御するトランクロック制御部560と、ライト(例えばウィンカーライトやヘッドライト等)の点等・消灯・点滅等を制御するライト制御部570と、を含む。
キーレスエントリーモジュール400には、不図示のボタン等が設けられており、ユーザーがボタンを操作すると、その操作情報が無線通信によって車体500側に通知される。そして、マイクロコンピューター510が操作情報を解釈し、ドアやトランクの解錠・施錠や、それをユーザーに報知するためのウィンカーライト点滅等を行う。
11.移動体
図18に本実施形態のPLL回路を含む移動体の例を示す。本実施形態のPLL回路は、例えば、車、飛行機、バイク、自転車、或いは船舶等の種々の移動体に組み込むことができる。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。
図18は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206には、本実施形態のPLL回路を有する集積回路装置200(無線通信装置)と、自動車206の各部(例えばエンジンやブレーキ、エアコンディショナー、電動ウィンドウ等)を制御するECU208(Electronic Control Unit)が組み込まれている。ECU208にも別の無線通信装置が接続されており、ECU208は、集積回路装置200から受信した情報に基づいて自動車206の制御を行う。或は、ECU208から制御情報を集積回路装置200へ送信し、集積回路装置200に接続された機器の動作を制御する。例えば、室温等の何らかのセンシング信号を取得して集積回路装置200からECU208へ送信してもよいし、或は、ドアロック解除等の指示をECU208から集積回路装置200へ送信してもよい。このように無線通信を用いることでハーネスレスの通信が可能となり、ハーネス設置が困難な可動部を飛び越える通信や、製造工程でのハーネス設置作業の省略等が可能となる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。またPLL回路、集積回路装置、電子機器、移動体の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 位相比較回路、20 チャージポンプ回路、30 ローパスフィルター回路、
31 第1のフィルター部、32 第2のフィルター部、33 切り替え回路、
40 電圧制御発振器、50 フラクショナル分周器、51 整数分周器、
52 加算器、53 ΔΣ変調器、60 出力分周器、100 発振回路、
200 集積回路装置、206 自動車、208 ECU、210 PLL回路、
220 パワーアンプ、250 制御回路、260 クロック分周器、
280 アンテナチューニング回路、400 キーレスエントリーモジュール、
410 マイクロコンピューター、440 アンテナ、500 車体、
510 マイクロコンピューター、520 無線通信装置、
530 インターフェース部、540 アンテナ、550 ドアロック制御部、
560 トランクロック制御部、570 ライト制御部、
ANE 論理積回路、CB1〜CB3 キャパシター、DCN 小数部設定値、
DN ダウン信号、FBKCK 帰還クロック信号、
FE1,FE2 フリップフロップ回路、HOLD 保持期間、
IE1〜IE5 電流源、INB インバーター、ITN 整数部設定値、
QDS 変調値、RB1,RB3 抵抗素子、REFCK 基準クロック信号、
SWB スイッチ素子、SWE1〜SWE5 スイッチ素子、TRAN 通過期間、
UP アップ信号、VF ローパスフィルター回路の出力電圧、
VOUT 発振クロック信号

Claims (10)

  1. フラクショナル分周器と、
    基準クロックと前記フラクショナル分周器の出力信号の位相差に基づいて、発振周波数を制御するための制御信号を出力する制御信号出力部と、
    前記制御信号に対応する周波数で発振し、前記発振により得られたクロック信号を前記フラクショナル分周器へ出力する発振器と、
    を含み、
    前記制御信号出力部は、
    前記基準クロックが第1の論理レベルである第1の期間及び第2の論理レベルである第2の期間のうち一方の期間において、前記制御信号の出力を保持することを特徴とするPLL回路。
  2. フラクショナル分周器と、
    基準クロック信号と前記フラクショナル分周器の出力信号とを比較する位相比較回路と、
    前記位相比較回路の出力信号に基づいて出力電流を出力するチャージポンプ回路と、
    前記チャージポンプ回路の出力電流の電流電圧変換とフィルター処理を行うローパスフィルター回路と、
    前記ローパスフィルター回路の出力電圧に基づいて発振する電圧制御発振器と、
    を含み、
    前記ローパスフィルター回路は、
    前記電流電圧変換及び前記フィルター処理の結果の通過と保持を、前記基準クロック信号の論理レベルが変化するタイミングで切り替える切り替え回路を有することを特徴とするPLL回路。
  3. 請求項において、
    前記チャージポンプ回路は、
    前記基準クロック信号が第1論理レベルである第1期間と、前記基準クロック信号が第2論理レベルである第2期間のうち一方の期間で出力電流を出力し、
    前記切り替え回路は、
    前記第1期間と前記第2期間のうち他方の期間から、前記一方の期間に移行するタイミングで、前記通過から前記保持に切り替えることを特徴とするPLL回路。
  4. 請求項2又は3において、
    前記ローパスフィルター回路は、
    少なくとも1つの容量素子と少なくとも1つの抵抗素子によって構成される第1のフィルター部と、
    少なくとも1つの容量素子によって構成される第2のフィルター部と、
    を有し、
    前記切り替え回路は、
    前記第1のフィルター部と前記第2のフィルター部の間に設けられることを特徴とするPLL回路。
  5. 請求項において、
    前記第1のフィルター部の次数は、前記第2のフィルター部の次数以上であることを特徴とするPLL回路。
  6. 請求項乃至5のいずれか一項において、
    前記切り替え回路は、
    前記基準クロック信号に基づいて制御されるスイッチ素子により構成されることを特徴とするPLL回路。
  7. 請求項乃至6のいずれか一項において、
    前記ローパスフィルター回路は、
    3次又は4次のローパスフィルターであることを特徴とするPLL回路。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載されたPLL回路を含むことを特徴とする集積回路装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載されたPLL回路を含むことを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載されたPLL回路を含むことを特徴とする移動体。
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