JP6503486B1 - 医用画像評価用のファントム - Google Patents

医用画像評価用のファントム Download PDF

Info

Publication number
JP6503486B1
JP6503486B1 JP2018033426A JP2018033426A JP6503486B1 JP 6503486 B1 JP6503486 B1 JP 6503486B1 JP 2018033426 A JP2018033426 A JP 2018033426A JP 2018033426 A JP2018033426 A JP 2018033426A JP 6503486 B1 JP6503486 B1 JP 6503486B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phantom
container
image
hole
inner container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018033426A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019148500A (ja
Inventor
明泰 菊池
明泰 菊池
義弘 桃井
義弘 桃井
Original Assignee
明泰 菊池
明泰 菊池
株式会社堀本工作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 明泰 菊池, 明泰 菊池, 株式会社堀本工作所 filed Critical 明泰 菊池
Priority to JP2018033426A priority Critical patent/JP6503486B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6503486B1 publication Critical patent/JP6503486B1/ja
Publication of JP2019148500A publication Critical patent/JP2019148500A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nuclear Medicine (AREA)

Abstract

【課題】心筋虚血の病変部分を撮影画像中に表現することが可能である。【解決手段】ファントムに設けられた心臓模擬部200は、内容器203及び内容器203を収容した外容器204を有している。内容器203外であって外容器204内の空間である外側注入空間204aには、放射性同位体を含んだ水溶液が注入される。外側注入空間204a内には、内容器203から外容器204に向かって突出した突出部211及び212が設けられている。突出部211及び212には、上記水溶液が流入するスリットが形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、医用画像評価用のファントムに関する。
医用画像、例えば、心臓核医学画像による検査は、心血管の異常疾患に対する診断のために広く用いられている。この検査では、正常な心臓の筋肉に集まる放射性医薬品が本検査の被験者の血中に投与される。次に、その医薬品から放出される微量なガンマ線がSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)撮影装置等の検査機器で捉えられる。これによって、放射性医薬品が心筋に集積する様子を表す画像が取得される。そして、取得された画像に基づき、放射性医薬品が集積する程度や範囲等に関する視覚による評価や画像から得られる分析値に基づいて診断が行われる。
ところで、上記の検査が可能な病院施設は全国に多数あるが、検査の質を担保するため、各施設において、検査機器によって取得される画像の画質を評価することが行われている。この画質評価には、人体を模擬したファントムと呼ばれる装置が用いられる。かかる医用画像評価用のファントムの一例として、特許文献1に記載されたファントムがある。特許文献1のファントムは心臓を模擬した装置である。このファントムは円筒状の直立した外容器及び内容器を有している。外容器と内容器との間の空間には、内容器から外容器に向かって突出した突出部が設けられている。医用画像の評価に当たっては、外容器と内容器との間の上記空間に放射性同位体を含む液体が注入される。この液体は、放射性医薬品を投与された人体の血液に対応する。液体が注入されたファントムは、医用画像を取得するためのSPECT撮影装置に設置される。この装置により、医用画像評価用の画像としてファントムのSPECT画像が取得される。特許文献1のファントムにおいて、上記突出部が形成された領域は、放射性同位体を含む液体が存在しない領域となる。このため、特許文献1のファントムのSPECT画像においては、突出部に対応する領域は、血液が全く存在しない病変部分、つまり、血管が完全に狭窄した心筋梗塞の病変部分に対応した領域となる。
特許第5198023号
医用画像を取得する検査機器においては、撮影対象が同じであったとしても、機器の特性や画像生成の手法の違いに応じてその撮影画像の画質に違いが生じることが、本発明者らによって指摘されている。撮影画像の画質に違いが生じると、病院施設によって検査結果に違いが生じるおそれがある。ファントムを用いた画質評価の目的の一つは、検査結果の違いを生じにくくするため、実際に人体を撮影した画像である臨床画像の画質の標準化等を図ることにある。そして、臨床画像の画質の標準化等を図るために行われる臨床画像の画質の評価においては、心筋虚血の病変部分をファントムの撮影画像中に適切に表現することが求められている。ところが、特許文献1のファントムを用いた場合、上記の通り、血管が完全に狭窄した心筋梗塞の病変部分は撮影画像中に表現されるが、血管の狭窄が部分的である心筋虚血の病変部分を撮影画像中に表現することはできない。したがって、特許文献1のファントムでは、上記目的に応じた適切な画質の評価を行えないおそれがある。
本発明の目的は、心筋虚血の病変部分を撮影画像中に表現することが可能である医用画像評価用のファントムを提供することにある。
本発明の医用画像評価用のファントムは、内容器及び前記内容器を収容した外容器を有し、放射性同位体を含んだ液体が注入される注入空間が前記内容器外且つ前記外容器内に形成された二重容器と、前記注入空間において前記内容器から前記外容器に向かって突出した突出部と、を備えており、前記突出部に凹部が形成されている。
本発明の医用画像表用のファントムによると、上記の通り、突出部に凹部が形成されている。突出部の凹部には放射性同位体を含む液体が流入する。したがって、突出部に対応する領域付近には、液体が存在する部分と液体が存在しない部分とが混在することになる。これによって、本発明に係るファントムを撮影すると、突出部に対応する領域付近は、血液が部分的に存在する病変部分、つまり、心筋虚血の病変部分を撮影した臨床画像に応じた内容を有する領域として撮影画像に表れる。このように、本発明のファントムは、心筋虚血の病変部分を撮影画像中に適切に表現することが可能である。
また、本発明においては、前記凹部が、前記注入空間に前記液体が供給される供給経路に沿って延びていることが好ましい。これによると、凹部が液体の供給経路に沿って延びているので、注入空間に液体が供給された際、凹部内に液体が円滑に流入しやすい。
また、本発明においては、前記突出部に前記凹部が複数形成されており、前記凹部のそれぞれが、前記注入空間に前記液体が供給される供給経路に沿って延びていることが好ましい。これによると、凹部が複数形成されているので、凹部の本数や凹部同士の間隔等を適宜設定することにより、心筋虚血の度合いを撮影画像中に様々に表現可能である。
また、本発明においては前記凹部の数及び大きさの少なくともいずれかが互いに異なる複数の前記突出部を備えていることが好ましい。これによると、本発明に係るファントムを撮影した1つの撮影画像中において心筋虚血の度合いが異なる複数の領域を表現することができる。
また、本発明においては、前記二重容器が、先端に向かって窄まっていることが好ましい。これによると、円筒状の容器によって心臓を模擬した特許文献1に比べ、二重容器が実際の心臓の形に近くなる。したがって、ファントムの撮影結果が実際の人体の状況に即した内容となるため、臨床画像の画質標準化等の目的に即した撮影画像を取得しやすいファントムが実現する。
また、本発明においては、前記二重容器を支持する筐体をさらに備えており、前記筐体が模擬する人体の体幹が延びる方向に対して、前記二重容器の長尺方向が傾斜していることが好ましい。実際の人体においては、体幹が延びる方向に対して心臓の長尺方向(長軸方向)が傾斜している。本発明においては、これと同様に、心臓を模擬した二重容器が体幹の延びる方向に対して傾斜していることにより、ファントムの撮影結果が実際の人体の状況に即した内容となる。したがって、臨床画像の画質標準化等の目的に即した撮影画像を取得しやすいファントムが実現する。
本発明の一実施形態に係るファントムの平面図である。 図1のファントムを斜め上方から見た図であり、図3のβ方向から見た図に相当する。 心臓模擬部及び支持部における図1及び図2のIII−III線断面図である。 図3の心臓模擬部の拡大図である。 図5(a)は、図4の内容器を図4中上方から見た図である。図5(b)は図5(a)のVB−VB線断面図である。図5(c)は、図4の内容器を図4中下方から見た図である。図5(d)は、図5(b)の内容器をβ方向から見た図である。 本発明の一実施例に係る心臓模擬部の縦断面図である。 図7(a)〜図7(i)は、突出部における図6のイ−イ線断面図〜リ−リ線断面図である。 図6の心臓模擬部のSPECT画像である。図8(a)〜図8(f)は、互いに異なる位置における心臓模擬部の横断面に対応する。 突出部の一変形例に係る図であり、図9(b)は図9(a)のIXB−IXB線断面図である。 突出部の別の一変形例に係る図である。
以下、本発明の一実施形態に係るファントム1について、図1〜図5を参照しつつ説明する。ファントム1は、図1〜図3に示すように、体幹模擬部100(筐体)及び心臓模擬部200(二重容器)を備えている。体幹模擬部100は、人体の体幹を模擬した容器である。体幹模擬部100は、アクリル等の合成樹脂からなる複数の外壁板を組み合わせることで構成されている。体幹模擬部100は、図1及び図3に示すように、底面の形状が角丸長方形であり且つ軸方向が図3のα方向(以下、軸方向αという。)に沿った柱状の概形を有している。軸方向αが体幹の延びる方向に対応している。体幹模擬部100は、底面の形状に応じた角丸長方形の平面形状を有する筒状の側壁103を有している。体幹模擬部100内には内部空間100aが形成されている。内部空間100a内には発泡スチロールの小球が充填されている(不図示)。体幹模擬部100の天井壁には、図3に示すように、内部空間100aと連通した貫通孔100b及び100cが形成されている。上記発泡スチロールの小球は、貫通孔100bを通じて内部空間100a内に収容される。なお、人体内に水がたまった状態を模擬するため、発泡スチロールの小球の代わりに水が充填されてもよい。貫通孔100bには合成樹脂製の栓部材101が挿入されており、これによって貫通孔100bが閉塞されている。貫通孔100cは、後述の脊柱模擬部120の内部空間と連通している。体幹模擬部100は、図1及び図3に示すように、内部空間100aが図3の右上(β方向とは反対方向)に向かって開口した開口部100dを有している。
体幹模擬部100には、図1〜図3に示すように、支持部110及び脊柱模擬部120が設けられている。支持部110は、図3に示すように、心臓模擬部200を支持した部分であり、体幹模擬部100の開口部100dに設けられている。支持部110は、開口部100dに固定された円板部111と、複数個のねじ式の固定具131によって円板部111の上面に固定された円板部112と、円板部112の上面に固定された円板部113と、円板部112の下面に固定された収容部114とを有している。円板部111〜113はアクリル等の合成樹脂からなる平板部材であり、体幹模擬部100の軸方向αに対して傾斜した方向に沿うように配置されている。なお、円板部111〜113の上面は図3の右上(β方向とは反対方向)に面した表面に相当し、円板部111〜113の下面は図3の左下(β方向)に面した表面に相当する。
円板部112は、図2に示すように、2つの突起部112xが形成された円板部材である。円板部111は、円板部112とほぼ同一の形状且つ同一の大きさを有している。円板部111及び112には、図3に示すように、互いに同じ大きさを有する貫通孔111a及び112aが形成されている。円板部113には、貫通孔111a及び112aより一回り小さい貫通孔113aが形成されている。貫通孔111a〜113aは、図3のβ方向から見て円形である。円板部111〜113は、β方向から見て、貫通孔111a〜113aの中心が一致するように互いに固定されている。円板部113には、図2に示すように円弧状の凹部113bが形成されている。円板部112の上面における凹部113bの近傍の位置に固定具135が取り付けられている。
収容部114は、図3に示すように、先端に向かって窄まった椀型の部材であり、心臓模擬部200の一部を内部に収容している。収容部114の先端はβ方向に向かっている。収容部114内には、心臓模擬部200の一部が収容された収容空間114aが形成されている。収容空間114aは、心臓模擬部200の上記一部とほぼ相似の形状を有し、心臓模擬部200の上記一部より僅かに大きく形成されている。
心臓模擬部200は、心臓を模擬した部分であり、図3に示すように、その長尺方向がβ方向に沿うように支持部110に支持されている。心臓模擬部200は、図4に示すように、互いに固定された円板部201及び202と、円板部201に固定された内容器203と、円板部202に固定された外容器204と、円板部201に固定された栓挿入部205とを有している。円板部201及び202は、図1及び図2に示す複数個のねじ式の固定具132によって互いに固定されている。円板部201及び202はアクリル等の合成樹脂からなる平板部材である。円板部201には、図4に示すように、貫通孔201a及び201bが形成されている。円板部201の表面201cには、貫通孔201aを跨ぐように凹部201dが形成されている。凹部201dには、内容器203の端部がはめ込まれている。円板部202には貫通孔202aが形成されている。円板部202の表面202cには、貫通孔202aを跨ぐように凹部202dが形成されている。凹部202dには、外容器204の端部がはめ込まれている。円板部201の周縁部には、図2及び図4に示すように凹部201eが形成されている。円板部202の周縁部には、図4に示すように凹部202eが形成されている。凹部201e及び202eはβ方向に沿って並んでいる。
内容器203及び外容器204は、それぞれ、アクリル等の合成樹脂からなり、図4に示すように、先端に向かって窄まった椀型の部材である。内容器203及び外容器204の先端はβ方向に向かっている。内容器203及び外容器204は、それぞれβ方向に関して長尺である。内容器203内には、水が充填された内側注入空間203aが形成されている。内容器203は図4の右方に向かって開口している。内側注入空間203aは、この開口部を通じて貫通孔201aと連通している。内容器203は外容器204内に収容されている。内容器203外であって外容器204内の空間である外側注入空間204a(注入空間)には、テクネチウム等の放射性同位体を含んだ水溶液が充填されている。外容器204は図4の右方に向かって開口している。外側注入空間204aは、図4に示すように、この開口部及び貫通孔202aを通じて貫通孔201bと連通している。栓挿入部205には貫通孔205a及び205bが形成されている。貫通孔205aは貫通孔201aと、貫通孔205bは貫通孔201bとそれぞれ連通している。貫通孔205aには栓部材133が、貫通孔205bには栓部材134が挿入されている。これによって貫通孔205a及び205bが閉塞されている。内側注入空間203aには、栓部材133が貫通孔205aから取り外された状態で貫通孔205aを通じて水が供給される。外側注入空間204aには、栓部材134が貫通孔205bから取り外された状態で貫通孔205bを通じて上記水溶液が供給される。水溶液は、図4の一点鎖線の矢印に沿って外側注入空間204aの奥へと供給されていく。
内容器203の外表面には、図4に示すように、外側注入空間204a内において外容器204の内表面まで突出した突出部211〜214が形成されている。突出部211〜214は、図5(a)〜図5(d)に示すように、それぞれ平行六面体の概略形状を有している。突出部211には、図5(a)及び図5(d)に示すように、β方向に沿ったスリット211aが4本形成されている。スリット211aは、水溶液の供給方向(図4の一点鎖線の矢印が示す方向)に沿って延びた凹部である。これにより、外側注入空間204aに水溶液が供給された際、水溶液が円滑にスリット211a内に流入する。突出部212には、図5(a)に示すように、β方向に沿ったスリット212aが5本形成されている。スリット212aは、水溶液の供給方向(図4の一点鎖線の矢印が示す方向)に沿って延びた凹部である。これにより、外側注入空間204aに水溶液が供給された際、水溶液が円滑にスリット212a内に流入する。図5(a)においてβ方向と直交するγ方向に関し、スリット212aの幅はスリット211aの幅より大きい。また、γ方向に関し、スリット212a同士の間隔はスリット211a同士の間隔より小さい。突出部213及び214は、図5(b)〜図5(d)に示すように、凹部が形成されていない中実の部分である。図5(a)に示すように、β方向及びγ方向のそれぞれに関し、突出部211の幅は突出部212の幅と等しい。図5(c)に示すように、β方向に関し、突出部213の幅は突出部214の幅と等しい。γ方向に関し、突出部213の幅は突出部214の幅より大きい。突出部211〜214は、内容器203の外表面と直交する方向に関する厚みt1〜t4が互いに等しい。
心臓模擬部200は、図1〜図3に示す固定具136によって支持部110に固定されている。固定具136は、図3に示すように段差部136a及び先端部136bを有している。先端部136bは、凹部201e及び202eを通り、円板部111及び112を貫通し、収容部114まで差し込まれている。段差部136aは凹部201eの角に掛けられている。
脊柱模擬部120は、図1及び図3に示すように、アクリル等の合成樹脂からなる円筒部材である。脊柱模擬部120は、図3に示すように、体幹模擬部100内に収容されている。脊柱模擬部120は上方に向かって開口している。この開口部において、体幹模擬部100の天井壁に形成された2個の貫通孔100cと脊柱模擬部120の内部空間とが連通している。図1に示すように、2個の貫通孔100cには栓部材121及び122が挿入されている。これによって各貫通孔100cが閉塞されている。脊柱模擬部120内には、骨と類似した吸光特性を有する水溶液が充填される。この水溶液は、栓部材121及び122が貫通孔100cから取り外された状態で貫通孔100cを通じて脊柱模擬部120内に供給されたものである。
以上説明した本実施形態によると、心臓模擬部200において、スリット211a及び212aが突出部211及び212に形成されている。これらのスリットには放射性同位体を含む液体が流入する。したがって、突出部211及び212に対応する領域付近には、液体が存在する部分と液体が存在しない部分とが混在することになる。これによって、ファントム1を撮影すると、突出部211及び212に対応する領域付近は、血液が部分的に存在する病変部分、つまり、血管が部分的に狭窄した心筋虚血の病変部分を撮影した臨床画像に応じた内容を有する領域として撮影画像に表れる。したがって、本実施形態に係るファントム1は、従来技術と比べて、より臨床画像に対応した撮影画像を取得可能である。
また、本実施形態に係るファントム1において、突出部211と突出部212とでは、スリットの本数や幅、スリット同士の間隔が異なっている。このように、スリットの構成を様々に設定することにより、実際の人体の状態に応じたものとなるように心筋虚血の度合いを撮影画像中に様々に表現可能である。このため、ファントム1を撮影した1つの撮影画像中において心筋虚血の度合いが異なる複数の領域を表現することができる。
また、本実施形態においては、心臓模擬部200が先端に向かって窄まった形状を有している。したがって、円筒状の容器によって心臓を模擬した従来技術に対し、心臓模擬部200が実際の心臓の形に近づくので、ファントム1の撮影結果が実際の人体の状況に即した内容となる。よって、臨床画像の画質標準化等の目的に即した撮影画像を取得しやすい。
また、本実施形態においては、心臓模擬部200の長尺方向(β方向)が体幹の延びる方向に対して傾斜していることにより、ファントム1の撮影結果が実際の人体の状況に即した内容となる。よって、臨床画像の画質標準化等の目的に即した撮影画像を取得しやすい。
本発明に係る一実施例について図6〜図8を参照しつつ説明する。本実施例に係るファントムは、心臓模擬部300を備えている。心臓模擬部300は、図6に示すように、複数個のねじ式の固定具332によって互いに固定された円板部301及び302と、円板部301に固定された内容器303と、円板部301及び302に固定された外容器304と、円板部301に固定された栓挿入部305とを有している。円板部301及び302はアクリル等の合成樹脂からなる平板部材である。円板部301には貫通孔301a及び301bが形成されている。円板部302には貫通孔302aが形成されている。貫通孔302aには外容器304の端部がはめ込まれている。
内容器303及び外容器304は、それぞれ図6の上下方向に関して長尺な円筒部材であり、アクリル等の合成樹脂からなる。内容器303内には、水が充填された内側注入空間303aが形成されている。内容器303は図6の上方に向かって開口している。内側注入空間303aは、この開口部を通じて貫通孔301aと連通している。外容器304内には内容器303が収容されている。内容器303外であって外容器304内の空間である外側注入空間304aには、テクネチウム等の放射性同位体を含んだ水溶液が充填されている。外容器304は図6の上方に向かって開口している。外側注入空間304aは、この開口部を通じて貫通孔301bと連通している。栓挿入部305には貫通孔305a及び305bが形成されている。貫通孔305aは貫通孔301aと、貫通孔305bは貫通孔301bとそれぞれ連通している。貫通孔305aには栓部材333が、貫通孔305bには栓部材334が挿入されている。これによって貫通孔305a及び305bが閉塞されている。内側注入空間303aには、栓部材333が貫通孔305aから取り外された状態で貫通孔305aを通じて水が供給される。外側注入空間304aには、栓部材334が貫通孔305bから取り外された状態で貫通孔305bを通じて上記水溶液が供給される。水溶液は、図6の下方に向かって外側注入空間304aの奥へと供給されていく。
外容器304における貫通孔302aにはめ込まれた端部とは反対側の端部には貫通孔304bが形成されている。内容器303における貫通孔301a側の端部とは反対側の端部には、図6の下方に向かって突出した突出部303bが形成されている。突出部303bには、内側注入空間303aと連通した貫通孔303cが形成されている。突出部303bは、図6の上方から貫通孔304bに挿入されている。貫通孔303cには栓部材335が挿入されている。これによって貫通孔303cが閉塞されている。
内容器303の外表面には、外側注入空間304a内において外容器304の内表面まで突出した突出部311〜319が形成されている。突出部311〜319は、図6及び図7(a)〜図7(i)に示すように、内容器303及び外容器304の円筒形(以下、円筒形という。)に応じて湾曲した板状の概略形状を有している。なお、図7(a)は図6のイ−イ線断面に、図7(b)は図6のロ−ロ線断面に、図7(c)は図6のハ−ハ線断面に、図7(d)は図6のニ−ニ線断面に、図7(e)は図6のホ−ホ線断面に、図7(f)は図6のヘ−ヘ線断面に、図7(g)は図6のト−ト線断面に、図7(h)は図6のチ−チ線断面に、図7(i)は図6のリ−リ線断面にそれぞれ相当する。突出部315〜319にはスリット(凹部)が形成されているが、突出部311〜314はスリット等の凹部が形成されていない中実の部分である。突出部311〜314は、図6に示すように、円筒形の半径方向(図6の左右方向)及び軸方向(図6の上下方向)のそれぞれに関する幅が等しく、図7に示すように、円筒形の周方向に関する幅が互いに異なっている。円筒形の周方向に関する幅は、突出部311、312、313及び314の順に小さくなっている。突出部315〜319のそれぞれには、図7に示すように複数のスリットが形成されている。各スリットは、円筒形の軸方向に沿って延びており、突出部315〜319のそれぞれにおいて、円筒形の軸方向に関する一端から他端まで延びた凹部である。突出部315〜319には、2本、4本、5本、5本及び2本のスリットがそれぞれ形成されている。突出部315〜319同士では、隣り合う2本のスリットの間隔が異なる。また、図中上下方向に関するスリット自体の幅も一部異なっている。例えば、突出部319のスリットは、その他いずれの突出部のスリットよりも図中上下方向に関する幅が大きい。
心臓模擬部300は体幹模擬部(不図示)に設置されて用いられる。体幹模擬部に設置された心臓模擬部300を、SPECT撮影装置を用いて撮影した結果が、図8(a)〜図8(f)である。図8(a)〜図8(f)は、円筒形の軸方向に直交する断面に関する心臓模擬部300の撮影画像である。各画像においては、心臓模擬部300から放射される放射線の強さの違いがグレースケールによって表されている。図8(a)は、図6において突出部311及び315より少し上方における、突出部が形成されていない位置の断面に関する画像である。図8(b)は、突出部311及び315の両方を通る断面に関する画像である。図8(c)は、突出部312及び316の両方を通る断面に関する画像である。図8(d)は、突出部313及び317の両方を通る断面に関する画像である。図8(e)は、突出部314及び318の両方を通る断面に関する画像である。図8(f)は、突出部319を通る断面に関する画像である。
図8(a)は、心臓模擬部300における突出部がない断面に関する画像である。したがって、図8(a)には、外側注入空間304a内に充填された水溶液中の放射性同位体から放射される放射線によって、欠損のないリング状の画像が表れている。一方、図8(b)〜図8(f)の左半分には、リングの一部が完全に欠損した領域が表れている。これは、突出部311〜314が存在する領域には放射性同位体を含んだ水溶液が存在しないためである。この領域は、実際の心臓における、血管が完全に狭窄した心筋梗塞の病変部分の撮影結果に対応した内容となっている。また、図8(b)〜図8(f)の右半分には、リングの一部が淡く欠損した領域が表れている。リングの一部が淡く欠損するのは、突出部315〜319にはスリットが形成されているので、このスリット内に存在する水溶液中の放射性同位体から放射線が発生する。このため、突出部315〜319が存在する領域近傍は、放射線が発生する領域と発生しない領域とが混在した領域となるからである。この領域は、実際の心臓における、血管が部分的に狭窄した心筋虚血の病変部分の撮影結果に対応した内容となっている。突出部315〜319のようにスリットの構成を様々に異ならせることで、図8(b)〜図8(f)に示すように、心筋虚血の度合いが撮影画像中に様々に表現されている。
<変形例等>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態における突出部211又は212の代わりに、図9(a)及び図9(b)に示す突出部251が採用されてもよい。突出部251に形成されたスリット251a(凹部)は、図9(b)に示すようにその深さが直線的に変化している。また、図10に示す突出部252が採用されてもよい。突出部252には、スリットではなく、貫通孔252a及び252bが形成されている。貫通孔252aの径は貫通孔252bの径より大きい。かかる貫通孔も本発明における凹部の一例である。
上述の実施形態及び実施例においては、専用のソフトウェアではなく、SPECT撮影装置に付属している標準のソフトウェアを用いてファントムの撮影画像を評価することが想定されている。例えば、上記標準のソフトウェアの機能であるROI解析においては、所定のサイズ(例えば、2mm×2mm)に対応する矩形領域を図8(a)〜図8(f)の画像上に設定し、当該矩形領域との比較に基づいて画像中の欠損領域の大きさを評価することが可能である。
1 ファントム
100 体幹模擬部
200、300 心臓模擬部
204a 外側注入空間
203 内容器
204 外容器
211a、212a、251a スリット

Claims (6)

  1. 内容器及び前記内容器を収容した外容器を有し、放射性同位体を含んだ液体が注入される注入空間が前記内容器外且つ前記外容器内に形成された二重容器と、
    前記注入空間において前記内容器から前記外容器に向かって突出した突出部と、を備えており、
    前記突出部に凹部が形成されていることを特徴とする医用画像評価用のファントム。
  2. 前記凹部が、前記注入空間に前記液体が供給される供給経路に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載の医用画像評価用のファントム。
  3. 前記突出部に前記凹部が複数形成されており、
    前記凹部のそれぞれが、前記注入空間に前記液体が供給される供給経路に沿って延びていることを特徴とする請求項2に記載の医用画像評価用のファントム。
  4. 前記凹部の数及び大きさの少なくともいずれかが互いに異なる複数の前記突出部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の医用画像評価用のファントム。
  5. 前記二重容器が、先端に向かって窄まっていることを特徴する請求項1〜4のいずれか1項に記載の医用画像評価用のファントム。
  6. 前記二重容器を支持する筐体をさらに備えており、前記筐体が模擬する人体の体幹が延びる方向に対して、前記二重容器の長尺方向が傾斜していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の医用画像評価用のファントム。
JP2018033426A 2018-02-27 2018-02-27 医用画像評価用のファントム Active JP6503486B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018033426A JP6503486B1 (ja) 2018-02-27 2018-02-27 医用画像評価用のファントム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018033426A JP6503486B1 (ja) 2018-02-27 2018-02-27 医用画像評価用のファントム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6503486B1 true JP6503486B1 (ja) 2019-04-17
JP2019148500A JP2019148500A (ja) 2019-09-05

Family

ID=66166724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018033426A Active JP6503486B1 (ja) 2018-02-27 2018-02-27 医用画像評価用のファントム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6503486B1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5960674U (ja) * 1982-10-14 1984-04-20 京都科学標本株式会社 人体臓器フアントム
JPH05341044A (ja) * 1992-06-08 1993-12-24 Shimadzu Corp リング型シングルフォトンect装置の補正用ファントム
JP2003536107A (ja) * 2000-06-05 2003-12-02 データ スペクトラム コーポレィション 心臓ファントム
JP5198023B2 (ja) * 2007-09-26 2013-05-15 富士フイルムRiファーマ株式会社 Spect撮像システムの評価装置及び方法
US7675028B2 (en) * 2008-06-23 2010-03-09 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Low-scattering foam phantom for molecular imaging

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019148500A (ja) 2019-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100517889B1 (ko) 영상정합 정확성 평가용 팬텀
Kasban et al. A comparative study of medical imaging techniques
Rangayyan Biomedical image analysis
US10327731B2 (en) Unit-of-module mapping phantom for multiple purposes and multiple fusion images
WO2008139167A2 (en) Radiological quality assurance phantom
Wolbarst et al. Medical imaging: essentials for physicians
LaCroix et al. Receiver operating characteristic evaluation of iterative reconstruction with attenuation correction in (99m) Tc-sestamibi myocardial SPECT images
US20160278734A1 (en) Unit block for multiple purposes and multiple images, and multi-module medical phantom using unit block
JP4495055B2 (ja) Spect用カメラおよびpet用カメラの放射能濃度分解能評価用ファントム、放射能濃度分解能評価用画像の作成方法ならびに放射能濃度分解能評価方法
LeVine III Medical imaging
JP6503486B1 (ja) 医用画像評価用のファントム
JP2004313785A (ja) 断層撮影システム及びx線投影システムの組み合わせ装置
Costa Computer tomography phantom applications
KR101518289B1 (ko) 표준섭취계수 측정을 위한 실린더형 팬텀장치
Burns Imaging of the spine: A medical and physical perspective
Ng et al. Imaging phantoms: conventional X-ray imaging applications
Kasraie et al. Characterization of atherosclerotic plaque: a contrast‐detail study using multidetector and cone‐beam computed tomography
DE102011083853A1 (de) Fusionierte SPECT/C-Bogen-Bildgebung
JP2009080047A (ja) Spect撮像システムの評価装置及び方法
Shahzad et al. Applications of diagnostic reference levels of standard doses in nuclear medicine
JP7296573B2 (ja) 着脱自在な病変部を有する医用画像評価用ファントム
WO2015145889A1 (ja) 乳房検査用画像撮影装置
Choi Feasibility of in Vivo SAXS Imaging for Detection of Alzheiemer's Disease
Reidelbach et al. Evaluation of skin doses for cone-beam computed tomography in dentomaxillofacial imaging: A preclinical study
Alqahtani Assessment of a novel small field of view medical hybrid gamma camera

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180227

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20180309

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20180312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6503486

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250