JP6502213B2 - 人工股関節用ステム部材および人工股関節 - Google Patents

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本発明は、大腿骨骨頭と協働して人工股関節を構成する人工股関節用ステム部材、および該人工股関節用ステム部材を備えた人工股関節に関する。
従来から、人工股関節は、大腿骨へ挿入されて固定されるステムと、大腿骨骨頭とを有し、大腿骨骨頭とステムとが一体的またはテーパ嵌合によって固定されている。人工股関節において、大腿骨骨頭とステムとがテーパ嵌合によって固定される構造では、ステムの先端部に形成されたネック部が、大腿骨骨頭の、テーパ孔とも呼ばれる凹所に挿入される。
また、人工股関節において、ステムにおけるネック部がステム本体から分離された、いわゆるモジュラーネックを用いる技術が活用されている(たとえば、特許文献1,2参照)。モジュラーネックは、一端部に大腿骨骨頭が装着され、他端部がステム本体の凹所に挿入されることでステム本体に対してテーパ嵌合によって固定される。
モジュラーネックは、脚長、オフセット、前捻、後捻、内反、外反をそれぞれ個別に選択できるように設計されており、患者の骨形態に合わせた骨頭中心を容易に再現することができる。
このような、モジュラーネックを用いた人工股関節において、特許文献1に開示されるように、モジュラーネックの外周面とステム本体の凹所の内周面との間にスリーブを介装させる場合もある。モジュラーネックを用いた人工股関節において、スリーブの厚みの調整によって、脚長、オフセットを変更することが容易となる。
特許第4328911号公報 米国特許第4957510号明細書
モジュラーネックを用いた従来技術の人工股関節においては、モジュラーネックおよびステム本体が、それぞれ、ステンレス鋼、コバルトクロム合金およびチタン合金などの金属から成る。また、スリーブを備える人工股関節においては、該スリーブが金属から成る。
このような人工股関節が生体内に埋設されると、モジュラーネックとステム本体との間、ステム本体とスリーブとの間、およびモジュラーネックとスリーブとの間に体液を介して腐食電流が流れて、これらの各界面におけるモジュラーネック、スリーブ、ステム本体の表面が電気化学的反応によって腐食する。さらに、腐食電流による電気化学的反応によって、モジュラーネックとステム本体との間、ステム本体とスリーブとの間、およびモジュラーネックとスリーブとの間に微小な往復滑りが繰返し作用することにより発生するフレッチングと続発する表面腐食の進行が、促進されてしまう。
本発明の目的は、大腿骨骨頭と協働して人工股関節を構成する、モジュラーネックであるネック部品とステム本体とを含んで構成される人工股関節用ステム部材において、ネック部品およびステム本体に腐食が発生することを抑制することができる人工股関節用ステム部材、ならびに該人工股関節用ステム部材を備えた人工股関節を提供することである。
本発明は、大腿骨骨頭と協働して人工股関節を構成する人工股関節用ステム部材であって、
第1金属から成り、凹所を有するステム本体と、
前記第1金属とは異なる第2金属から成り、前記ステム本体の前記凹所に挿入される挿入部と、該挿入部に連なり、前記大腿骨骨頭が装着される骨頭装着部とを有するネック部品と、
合成樹脂を含む電気絶縁性材料から成り、前記凹所に挿入された前記挿入部の外周面と前記凹所の内周面との間に介装されるスリーブであって、該スリーブの内周面の少なくとも一部が挿入部の外周面に接し、該スリーブの外周面の少なくとも一部が凹所の内周面に接するスリーブと、を含むことを特徴とする人工股関節用ステム部材である。
また本発明の人工股関節用ステム部材において、前記電気絶縁性材料は、炭素繊維をさらに含み、前記合成樹脂と前記炭素繊維とが複合化されて成る炭素繊維強化樹脂であることを特徴とする。
また本発明の人工股関節用ステム部材において、前記合成樹脂は、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)であることを特徴とする。
また本発明の人工股関節用ステム部材において、前記PAEKは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびポリエーテルケトン(PEK)から選択されることを特徴とする。
また本発明の人工股関節用ステム部材において、前記スリーブの内周面および外周面の少なくともいずれか一方の面は、凹凸形状を有することを特徴とする。
また本発明は、前記人工股関節用ステム部材と、
前記人工股関節用ステム部材における前記ネック部品の前記骨頭装着部に装着される大腿骨骨頭と、を含むことを特徴とする人工股関節である。
本発明によれば、ステム本体の凹所に挿入されたネック部品の挿入部の外周面と凹所の内周面との間に介装されるスリーブが、合成樹脂を含む電気絶縁性材料から成るので、人工股関節用ステム部材が生体内に埋設されたときに、ステム本体とスリーブとの間、およびスリーブとネック部品との間に体液を介して腐食電流が流れることを防止することができ、ネック部品の挿入部の外周面、および、ステム本体の凹所の内周面に、フレッチングおよび続発する腐食が発生することを抑制することができる。
また本発明によれば、スリーブを構成する電気絶縁性材料が炭素繊維強化樹脂であるので、スリーブの機械的強度が向上し、それ故、スリーブの耐久性を向上することができる。
また本発明によれば、スリーブを構成する電気絶縁性材料に含まれる合成樹脂がPAEKであるので、スリーブの機械的強度が向上し、それ故、スリーブの耐久性を向上することができる。
また本発明によれば、スリーブを構成する電気絶縁性材料に含まれる合成樹脂は、PEEK、PEKK、およびPEKから選択されるPAEKによって実現される。
また本発明によれば、スリーブの内周面および外周面の少なくともいずれか一方の面が凹凸形状を有することによって、ステム本体の凹所にネック部品の挿入部がスリーブを介して嵌合される嵌合構造において、嵌合力を高めることができる。
また本発明によれば、人工股関節は、フレッチングおよび続発する腐食が発生することが抑制された人工股関節用ステム部材と、人工股関節用ステム部材におけるネック部品の骨頭装着部に装着される大腿骨骨頭と、によって実現することができる。
本発明の一実施形態に係る人工股関節10の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る人工股関節用ステム部材1の構成を示す斜視図である。 人工股関節用ステム部材1の分解斜視図である。 図2に示す人工股関節用ステム部材1を切断面線A−Aから見た断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る人工股関節10の構成を示す斜視図である。図2は本発明の一実施形態に係る人工股関節用ステム部材1の構成を示す斜視図であり、図3は人工股関節用ステム部材1の分解斜視図であり、図4は図2に示す人工股関節用ステム部材1を切断面線A−Aから見た断面図である。
人工股関節10は、人工股関節置換術によって股関節に対して置換されるものであり、人工股関節用ステム部材1と、大腿骨骨頭5とを備える。
大腿骨骨頭5は、骨盤の寛骨臼側に配置されて球状に形成されたコンポーネントとして構成される。そして、大腿骨骨頭5には、骨頭凹所5aが設けられている。大腿骨骨頭5は、この骨頭凹所5aにおいて、人工股関節用ステム部材1のネック部品であるモジュラーネック3の骨頭装着部3bに対して嵌合することで、人工股関節用ステム部材1に固定される。
大腿骨骨頭5において、モジュラーネック3の骨頭装着部3bを挿入可能な骨頭凹所5aを規定する内面は、骨頭装着部3bの挿入方向に向かって小径となる円錐台状の内周面を含む。大腿骨骨頭5は、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、またはチタン合金などから選ばれる金属から成る。本実施形態では、大腿骨骨頭5は、後述のモジュラーネック3と同じ金属の、コバルトクロム合金であるコバルト−クロム−モリブデン合金(Co−Cr−Mo合金)から成る。
人工股関節用ステム部材1は、大腿骨骨頭5と協働して人工股関節10を構成する大腿骨コンポーネントとして構成され、図2〜図4に示すように、ステム本体2と、モジュラーネック3と、スリーブ4とを含んで構成される。
ステム本体2は、柱状の部材として形成され、一方の端部側にモジュラーネック3の挿入部3aを挿入可能なステム凹所2aが設けられ、他方の端部側が大腿骨の髄腔部に挿入されて骨セメントにより固定される。骨セメントを用いずにステム本体2が大腿骨の髄腔部に挿入されることもある。
ステム本体2は、専用治具であるステムインサータの先端を、一方の端部におけるステム凹所2aに隣接した部位に当て、ハンマーでステムインサータを槌打することで、大腿骨の髄腔部に挿入することができる。また、大腿骨の髄腔部に挿入されたステム本体2を抜去する場合には、ステム本体2に抜去用アダプタを取り付け、その抜去用アダプタへスライドハンマを取り付けて、このスライドハンマによってステム本体2を抜去することができる。
ステム本体2のステム凹所2aは、平面視において非円形状であり、その平面視の形状としては、たとえば、矩形状、角部が面取りされた矩形状、楕円形状などである。本実施形態では、ステム凹所2aにおいて平面視の形状は角部が面取りされた矩形状であり、ステム凹所2aを規定する内面は、モジュラーネック3の挿入部3aの挿入方向に向かって小径となる、角部が面取りされた四角錐台状の内周面2aaを含む。
ステム本体2は、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、またはチタン合金などから選ばれる第1金属から成る。本実施形態では、ステム本体2は、チタン合金であるチタン−アルミニウム−バナジウム合金(Ti−6Al−4V合金)、チタン−モリブデン−ジルコニウム−アルミニウム合金(Ti−15Mo−5Zr−3Al合金)、またはチタン−アルミニウム−ニオブ−タンタル合金(Ti−6Al−2Nb−1Ta合金)から成る。
モジュラーネック3は、柱状の部材として形成され、大腿骨から突出して配置される。モジュラーネック3は、脚長、オフセット、前捻、後捻、内反、外反をそれぞれ個別に選択できるように設計されており、患者の骨形態に合うように、複数種類のモジュラーネック3がある。
モジュラーネック3は、ステム本体2のステム凹所2aに挿入される挿入部3aと、該挿入部3aに連なり、大腿骨骨頭5が装着される骨頭装着部3bと、を有する。モジュラーネック3において、骨頭装着部3bが一方の端部側に設けられ、挿入部3aが他方の端部側に設けられている。
モジュラーネック3の骨頭装着部3bは、先端に向かって(挿入部3a側とは反対側に向かって)小径となる円錐台状の外周面を有する。大腿骨骨頭5は、骨頭凹所5aにおいて骨頭装着部3bに対してテーパ嵌合することで、人工股関節用ステム部材1に固定される。
モジュラーネック3の挿入部3aは、ステム本体2のステム凹所2aに対応した形状であり、軸線に平行な方向から見た平面視において非円形状であり、その平面視の形状としては、たとえば、矩形状、角部が面取りされた矩形状、楕円形状などである。本実施形態では、挿入部3aにおいて平面視の形状は角部が面取りされた矩形状であり、挿入部3aは、先端に向かって(骨頭装着部3b側とは反対側に向かって)小径となる、角部が面取りされた四角錐台状の外周面3aaを有する。このように、モジュラーネック3の挿入部3aが軸線に平行な方向から見た平面視において非円形状であることによって、挿入部3aがステム凹所2aに挿入された状態で、モジュラーネック3が回転しないようにすることができる。
モジュラーネック3は、後述のスリーブ4を介在させた状態で、専用治具であるネックホルダを用いて、ステム本体2のステム凹所2aに挿入部3aを挿入し、ヘッド/ネックインパクタを用いてハンマーで槌打し、挿入部3aにおいてスリーブ4を介してステム凹所2aに対してテーパ嵌合させることで、ステム本体2に固定することができる。また、ステム本体2にテーパ嵌合によって固定されたモジュラーネック3を抜去する場合には、骨頭装着部3bの先端表面に形成されたねじ孔3cに抜去用アタッチメントを螺着させ、この抜去用アタッチメントを介して抜去器を用いてモジュラーネック3を抜去することができる。なお、モジュラーネック3は、図4に示すように、挿入部3aがスリーブ4を介してステム本体2のステム凹所2aにテーパ嵌合して固定した状態で、ステム凹所2aの底面から隙間をあけた状態であることが好ましい。
モジュラーネック3は、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、またはチタン合金などから選ばれる、ステム本体2を構成する第1金属とは異なる第2金属から成ってもよい。本実施形態では、モジュラーネック3は、コバルトクロム合金であるCo−Cr−Mo合金から成る。
スリーブ4は、合成樹脂を含む電気絶縁性材料から成り、ステム凹所2aに挿入された挿入部3aの外周面3aaとステム凹所2aの内周面2aaとの間に介装される。スリーブ4は、外形が略四角錐台状をなす筒状の部材である。スリーブ4において、その内周面4aの少なくとも一部が挿入部3aの外周面3aaに接し、外周面4bの少なくとも一部がステム凹所2aの内周面2aaに接する。なお、スリーブ4は、両端部が開口した筒状の形態に限定されるものではなく、ステム本体2のステム凹所2aの底部側(モジュラーネック3の挿入部3aに対応した側とは反対側)に対応した小径側端部が閉鎖されたキャップ状(カップ状)の形態であってもよい。
スリーブ4の外周面4bはステム本体2のステム凹所2aの内周面2aaに接触し、スリーブ4の内周面4aはモジュラーネック3の挿入部3aの外周面3aaに有効に接触して、挿入部3aに対する所要の嵌合長を確保することができる。スリーブ4の厚みにより、この嵌合長と、モジュラーネック3のステム凹所2aからの突出長さとを調整することが可能である。すなわち、スリーブ4の厚みを大きくすると、内径が縮小するから、嵌合長が短くなり、モジュラーネック3のステム凹所2aからの突出長さが長くなる。反対にスリーブ4の厚みを小さくすると、内径が拡大するから、嵌合長が長くなり、モジュラーネック3のステム凹所2aからの突出長さが短くなる。
スリーブ4を構成する電気絶縁性材料は、合成樹脂の単一材料であってもよいが、合成樹脂と炭素繊維とが複合化されて成る炭素繊維強化樹脂であることが好ましい。炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維を強化材とし、合成樹脂をマトリクスとする複合材料である。スリーブ4を構成する電気絶縁性材料が炭素繊維強化樹脂であることによって、スリーブ4の機械的強度が向上し、それ故、スリーブ4の耐久性を向上することができる。
また、スリーブ4を構成する合成樹脂は、PAEKであることが好ましい。これによって、スリーブ4の機械的強度が向上し、それ故、スリーブ4の耐久性を向上することができる。PAEKとしては、PEEK、PEKK、PEK、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などを挙げることができる。これらの中でも、PEEK、PEKK、PEKが好ましく、PEEKが特に好ましい。
ここで、ステム本体2を構成する第1金属であるTi−6Al−4V合金と、モジュラーネック3を構成する第2金属であるCo−Cr−Mo合金と、スリーブ4を構成する合成樹脂であるPEEKとを用いて、腐食電流密度の測定を行った。なお、腐食電流密度の測定は、JIS T0305「擬似体液中での異種金属間接触腐食試験方法」に従って行った。測定結果を表1に示す。
Figure 0006502213
表1に示す測定結果から明らかなように、本実施形態に係る人工股関節用ステム部材1によれば、ステム本体2のステム凹所2aに挿入されたモジュラーネック3の挿入部3aの外周面3aaと、ステム凹所2aを規定する内周面2aaとの間に介装されたスリーブ4が、合成樹脂を含む電気絶縁性材料から成るので、人工股関節用ステム部材1が生体内に埋設されたときに、ステム本体2とスリーブ4との間、およびスリーブ4とモジュラーネック3との間に体液を介して腐食電流が流れることを防止することができ、モジュラーネック3の挿入部3aの外周面3aa、および、ステム本体2のステム凹所2aの内周面2aaに、フレッチングおよび続発する腐食が発生することを抑制することができる。
また、スリーブ4の内周面4aおよび外周面4bの少なくともいずれか一方の面は、凹凸形状を有することが好ましく、スリーブ4の内周面4aおよび外周面4bの両面が凹凸形状を有することが特に好ましい。合成樹脂を含む電気絶縁性材料から成るスリーブ4は、たとえば、合成樹脂から成る柱状のブロック体を機械加工により切削することで作製することができる。スリーブ4の内周面4aおよび外周面4bの凹凸形状は、機械加工時のマシンマークによって形成することができ、この場合、凹凸形状の最大高さ(Rmax)は0.002mm以上、好ましくは0.02mm以上、特に好ましくは0.2mmである。
また、スリーブ4の内周面4aおよび外周面4bの凹凸形状は、該内周面4aおよび外周面4bに多孔質層が形成された構造によっても実現することができる。この場合、多孔質層は、平均開気孔径が10〜200μmであり、厚さが0.002mm以上、好ましくは0.02mm以上、特に好ましくは0.2mmである。このような多孔質層は、たとえば、PEEKから成るスリーブ4の場合、機械加工後に濃硫酸に浸漬することによって形成することができ、あるいは、予め塩化ナトリウム(NaCl)が混合されたPEEKを用いて機械加工によりスリーブ4を作製した後、水に浸漬させてNaClを溶出させることによって形成することができる。
スリーブ4の内周面4aおよび外周面4bの少なくともいずれか一方の面が凹凸形状を有することによって、ステム本体2のステム凹所2aにモジュラーネック3の挿入部3aがスリーブ4を介して嵌合される嵌合構造において、嵌合力を高めることができる。生体内で使用した際、何らかの不具合によりモジュラーネック3を入れ替える再置換手術が行われる場合、スリーブ4がステム本体2のステム凹所2aと嵌合した状態で、モジュラーネック3がステム本体2から取り外されることが望ましい。したがって、内周面4aおよび外周面4bに設けられる凹凸形状の最大高さ(Rmax)は内周面4aにくらべ、外周面4bのほうが高いほうが望ましい。あるいは外周面4bにだけ設けられることが望ましい。
また、スリーブ4は、金属から成るモジュラーネック3の挿入部3aおよびステム本体2のステム凹所2aとのなじみ性を改善することを目的として、内周面4aおよび外周面4bに、シランカップリング剤から成る表面層が形成されていてもよい。このようなシランカップリング剤から成る表面層は、機械加工により作製されたスリーブ4をエタノール超音波洗浄に付して表面を清浄化した後、シランカップリング剤としてたとえばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの0.10mol/L〜0.50mol/Lエタノール溶液に浸漬し、その後、波長300〜400nmの紫外線を5〜90分間照射してグラフト重合反応させ、重合反応後、エタノールで十分に洗浄することによって、形成することができる。
また、スリーブ4は、金属から成るモジュラーネック3の挿入部3aおよびステム本体2のステム凹所2aとのなじみ性を改善し、さらには、溶解した金属イオンと結合して該金属イオンの生体内への溶出を抑制することを目的として、内周面4aおよび外周面4bに、金属イオンとキレートをつくるカルボン酸基などの官能基を末端に有するメタクリル酸エステルから成る、厚さ10〜200nmの表面層が、形成されていてもよい。このようなメタクリル酸エステルから成る表面層は、機械加工により作製されたスリーブ4をエタノール超音波洗浄に付して表面を清浄化した後、メタクリル酸エステルとしてたとえば4−メタクリロキシエチルトリメリテートアンヒドリド(4−META)の0.05mol/L〜0.50mol/Lアセトン溶液に浸漬し、その後、波長300〜400nmの紫外線を5〜90分間照射してグラフト重合反応させ、重合反応後、エタノールで十分に洗浄することによって、形成することができる。
1 人工股関節用ステム部材
2 ステム本体
2a ステム凹所
2aa ステム凹所の内周面
3 モジュラーネック
3a 挿入部
3b 骨頭装着部
3c ねじ孔
3aa 挿入部の外周面
4 スリーブ
4a スリーブの内周面
4b スリーブの外周面
5 大腿骨骨頭
5a 骨頭凹所
10 人工股関節

Claims (5)

  1. 大腿骨骨頭と協働して人工股関節を構成する人工股関節用ステム部材であって、
    第1金属から成り、凹所を有するステム本体と、
    前記第1金属とは異なる第2金属から成り、前記ステム本体の前記凹所に挿入される挿入部と、該挿入部に連なり、前記大腿骨骨頭が装着される骨頭装着部とを有するネック部品と、
    合成樹脂を含む電気絶縁性材料から成り、前記凹所に挿入された前記挿入部の外周面と前記凹所の内周面との間に介装されるスリーブであって、該スリーブの内周面の少なくとも一部が挿入部の外周面に接し、該スリーブの外周面の少なくとも一部が凹所の内周面に接するスリーブとを有し、
    前記スリーブの内周面および外周面は凹凸形状を有し、該凹凸形状の最大高さは、前記スリーブ内周面に比べ外周面の方が高いことを特徴とする人工股関節用ステム部材。
  2. 前記電気絶縁性材料は、炭素繊維をさらに含み、前記合成樹脂と前記炭素繊維とが複合化されて成る炭素繊維強化樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の人工股関節用ステム部材。
  3. 前記合成樹脂は、ポリアリルエーテルケトンであることを特徴とする請求項1または2に記載の人工股関節用ステム部材。
  4. 前記ポリアリルエーテルケトンは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、およびポリエーテルケトンから選択されることを特徴とする請求項3に記載の人工股関節用ステム部材。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載の人工股関節用ステム部材と、
    前記人工股関節用ステム部材における前記ネック部品の前記骨頭装着部に装着される大腿骨骨頭と、を含むことを特徴とする人工股関節。
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