JP6502110B2 - 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法に関する。
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)を行う方法として、MT(Magnetization Transfer)効果やCEST(Chemical Exchange Saturation Transfer)効果を用いる手法が知られている。これらの手法では、自由水プロトン以外のプロトンの共鳴周波数に対応するパルス(RF(Radio Frequency)パルス)を印加し、所定の時間経過時に自由水プロトンの信号を収集する。これにより、自由水プロトン以外のプロトンから自由水プロトンへの磁化移動に対応するデータが収集される。MT効果やCEST効果を用いたイメージングでは、RFパルスを印加して自由水プロトン以外のプロトンを飽和させるが、MT効果/CEST効果による信号強度は一般に小さい。そのため、従来技術においては、自由水プロトン以外のプロトンの当該共鳴周波数に対応するRFパルスを、単一周波数で何度も繰り返し印加する場合がある。
Peter C.M.van Zijl他著「Chemical Exchange Saturation Transfer (CEST): What is in a Name and What isn’t it?」、Magnetic resonance in medicine、米国、Society of Magnetic Resonance in Medicine、2011年2月17日、65巻、4号、927−948
本発明が解決しようとする課題は、MT効果やCEST効果を用いたイメージングにおける信号強度を増強することができる磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法を提供することである。
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、シーケンス制御部と、画像生成部とを備える。シーケンス制御部は、第1の周波数のMT(Magnetization Transfer)パルスと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数のMTパルスとをそれぞれ1回以上印加した後に、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行する。画像生成部は撮像シーケンスで収集したデータを基に画像を生成する。
図1は、実施形態による、MRIシステムの概略ブロック図である。 図2は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置における、複数の周波数でRFパルスを印加することによる効果を説明した図である。 図3は、選択された高分子の(例えば、自由水の)Zスペクトル及び周波数オフセットの例を示す図である。 図4は、実施形態による、複数周波数のMTパルスを含むパルスシーケンスの例を示す図である。 図5は、隣接したパルス間の時間間隔が変えられるように各々配列された複数周波数のMTパルスを含むパルスシーケンスの図である。 図6は、複数周波数のMTパルスを各々含む、変動するフリップ角を伴うパルスシーケンスの図である。 図7は、実施形態における、マルチバンドRFパルス印加に伴う信号増強について説明した図(1)である。 図8は、実施形態における、マルチバンドRFパルス印加に伴う信号増強について説明した図(2)である。 図9は、実施形態による、MT/CEST効果増強の方法のフローチャートである。
以下、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置を詳細に説明する。図1に示すMRIシステムは、ガントリ10(概略断面で示す)と、これに接続された各種の関連システム構成要素とを有する。少なくともガントリ10は、通常はシールドルーム内に配置される。図1に示すMRIシステムの構造は、実質的に同軸の円筒形に配置された静磁場B磁石12と、Gx、Gy、及びGzの傾斜磁場コイルセット14と、大型の全身RF(Radio Frequency)コイル(Whole Body RF Coil:WBC)16とを有する。この円筒形に配置されるコイル要素の横軸に沿って、患者用寝台11によって支持された患者9の身体の一部を実質的に取り囲むように、撮像領域18が存在する。比較的小型のアレイRFコイル(Array RF Coil)19が、患者9の一部に装着されてもよい。本明細書では、アレイRFコイル19を使ったスキャンの対象となる患者9の部分を、例えば、撮像領域18内の「スキャン被検体」又は「被検体」と呼ぶ。当業者には明らかなように、表面コイル等のように、全身用RFコイルと比較して小さいコイルやアレイRFコイルは、特定の身体部分(例えば、腕、肩、肘、手首、膝、脚、胸、背骨等)に合わせて設計されることが多い。以後、そのような小型RFコイルを、アレイRFコイル又はフェーズドアレイコイル(Phased Array Coil:PAC)と呼ぶ。これらのコイルは、例えば、RF信号を撮像領域18に送信するためのコイルや、上述のような被検体の特定の身体部分からのRF信号を受信するためのコイルである。
MRIシステム制御部22は、ディスプレイ24、キーボード26、及びプリンタ28に接続された入出力ポートを有する。ディスプレイ24は、制御入力もできるようにタッチスクリーンタイプのものでもよい。
MRIシステム制御部22又はMRIシステム制御部22に連結されたコンピュータを操作して、インストールされたソフトウェアプログラムに従って、パルスシーケンス及びシステム全体の作業の管理に関する情報を、MRIシーケンス制御部30に供給してもよい。また、MRIシステム制御部22は、自動音声合成技術を用いて生成された音声メッセージにより、例えば息止めなどのタスクを行うように患者に指示してもよい。
MRIシステム制御部22はMRIシーケンス制御部30に接続され、MRIシーケンス制御部30は、Gx、Gy、及びGzの傾斜磁場コイルドライバ32、RF送信器34、また、同じRFコイルが送信と受信の両方に使用される場合、送受信スイッチ36を制御する。MRIシーケンス制御部30は、MRIイメージング(核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)イメージングとしても知られている)技術を実装するための適切なプログラムコード構造38を含む。このMRIイメージング技術として、例えば、パラレルイメージングやその他のイメージング技術がある。
パルスシーケンス情報は、パルスシーケンスに従ってGx、Gy、及びGzの傾斜磁場コイルドライバ32、RF送信器34、同じRFコイルが送信と受信の両方に使用される場合、送受信スイッチ36を操作するのに必要とされる情報を含む。そのような情報には、例えばxコイル、yコイル、及びzコイルに印加されるパルス電流の強度、持続時間、及び印加タイミングがある。
MRIシステム20は、ディスプレイ24に送られる処理画像データを作成するために、入力をMRIデータプロセッサ42に送るRF受信器40を有する。また、MRIデータプロセッサ42は、システム構成パラメータ46、MRI画像再構成プログラムコード構造44、MRIプログラム記憶装置50へアクセスできる。MRI画像再構成プログラムコード構造44及びMRIプログラム記憶装置50は、MRI画像を再構成する制御論理回路に加えて、全身RFコイル16とアレイRFコイル19のうち少なくとも一方からMRデータを取得する制御論理回路を有してもよい。また、MRIデータプロセッサ42に含まれる画像生成部は、図9に示す方法600〜610又はその一部を用いて、増強されたMT効果を利用して画像を生成する。
RF送信器34、送受信スイッチ36、RF受信器40は、全身RFコイル16及びアレイRFコイル19から離れているものとして図1に示されているが、実施形態によっては、RF送信器34、送受信スイッチ36、RF受信器40のいずれかが、全身RFコイル16、アレイRFコイル19の一方又は両方に近接して又は、表面に設置されてもよい。
図1に、MRIプログラム記憶装置50の構成を一般化して示している。MRIプログラム記憶装置50では、プログラムコード構造(画像再構成用、GUI(Graphical User Interface)の定義用、GUIへの操作者の入力受けつけ用のプログラムコード構造等)が、MRIシステムの各種データ処理構成要素へアクセス可能な非一時的コンピュータ可読記憶媒体に保存される。当業者には明らかなように、通常操作において特定のプログラムコード構造を、最優先で必要とするMRIシステム20の別のコンピュータが存在する場合、MRIプログラム記憶装置50をセグメント化して、少なくとも一部分を、(MRIシステム制御部22に普通に格納したり直接接続したりするのではなく)当該別のコンピュータに直接接続してもよい。
図1は、後述する実施形態を実現するために若干の修正を加えた典型的なMRIシステムの、大まかな概略図を示したものである。システム構成要素は様々な「ボックス」の論理的集合に分割することができ、通常、多数のデジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)と、マイクロプロセッサと、専用処理回路(例えば、高速AD変換用、高速フーリエ変換用、アレイ処理等用)とを含む。これらのプロセッサの各々は、通常、クロック制御された「状態マシン」であり、物理データ処理回路は、1クロックサイクル毎(又は、所定数のクロックサイクル毎)に、ある物理状態から別の物理状態に移る。
処理回路(例えば、CPU、レジスタ、バッファ、演算装置)の物理状態が、演算が行われていく中でクロックサイクルから別のクロックサイクルに徐々に変化するだけでなく、当該処理回路に関連するデータ記憶媒体の物理状態(例えば、磁気記憶媒体内のビット記憶場所)も、このようなシステムの操作過程において、ある状態から別の状態に変化する。例えば、画像再構成処理や時としてコイル感度マップ生成処理の終わりに、物理的記憶媒体内のコンピュータ可読でアクセス可能なデータ値の記憶場所の配列は、ある初期状態(例えば、全て一様に「0」値、又は全て「1」値)から新しい状態に変換され、すなわちある物理的な場所のある物理的な状態は、最小値と最大値との間で変化して、実世界の物理的な出来事や条件(例えば、撮像領域内の患者の内部的な物理的な構造)を表す。当業者には明らかなように、命令レジスタに順次読み込まれMRIシステム20の1つ以上のCPUによって実行されたときに、そのような格納データの配列は、物理的な構造を表現し、また当該物理的な構造を構成するものとなる。MRIシステム内で特定のシーケンスの動作状態を引き起こし遷移させる特定構造のコンピュータ制御プログラムコードについても同様である。
本明細書で説明する実施形態は、任意の被検体のMRイメージングに適用可能であり、MT効果やCEST効果を使用して、診断等に用いる画像のコントラストを向上させることができる。撮像中に、被検体がMRIガントリ内に配置された状態で、全身RFコイル16やアレイRFコイル19などの1又は複数のRFコイルが、被検体の特定部分の核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)スピンを励起するために、被検体の選択された部分にRFパルスを印加してもよい。例えば、実施形態では患者の体の領域に設置されているアレイRFコイル19を使用して、特にその領域において核スピンを励起してもよい。その後、先の励起の結果として生成されるMR信号(例えばエコー信号)が、1又は複数のRF受信コイルにより受信される。RFパルスの印加及びMR信号の受信は、同じRFコイル(例えば、RF励起パルスを伝送し且つ対応するMR信号を受信するように構成されたアレイRFコイル19)を使用して行われてもよいし、異なるRFコイル(例えば、全身RFコイル16がRFパルスを伝送するように構成され、アレイRFコイル19が対応するMR信号を受信するように構成される)により行われてもよい。診断等の目的で使用されるMRI画像を生成するためには、受信されたMR信号に対応するデータが、MRIデータプロセッサ42を含む処理システムなどの制御システムに、処理のために伝達されなければならない。
MT効果(又は、磁化移動コントラスト(Magnetization Transfer Contrast:MTC))は、例えば、MR血管造影(MR Angiography:MRA)(ただし、これに限定されない)等の用途において血液(血液の流れ)と組織との間の画像コントラストを利用する画像を生成するために使用される。MT効果は、自由水(バルク水)と様々な高分子などとの間の化学交換や交差緩和のような、複数種類のプロトンプールのプロトン(例えば水素プロトン)間の化学交換や交差緩和に基づく。複数種類のプロトンプールの各々は、異なる方法で結合したプロトンを含んでもよく、また、他のプロトンプール内のプロトンと異なるラーモア周波数を有してもよい。
自由水のT緩和時間は、高分子のT緩和時間(約0.1〜0.2ミリ秒)よりも長い(約100ミリ秒)。自由水信号のT緩和時間が長いことから、そのフーリエ変換された信号は、相対的に狭い半値幅をもつピークを有する。しかしながら、蛋白質など高分子間で動きが制限されるプロトンの信号の場合、T緩和時間が短くなるので、フーリエ変換された信号は相対的に広い半値幅を有し、データ収集中にスペクトルの中ではっきりしたピークとして現れない場合がある。
「MTパルス」は、例えば自由水及び高分子においてMT効果を引き起こすRFパルスである。自由水の共鳴ピーク周波数Fを中心周波数とみなすとき、MTパルスとしての周波数選択性パルスが印加されて、自由水の中心周波数Fから例えば500Hzだけ移動した周波数範囲を励起(即ち、共鳴周波数から離れた周波数で励起)する。この励起によって、選択された高分子(及び、励起周波数が共鳴周波数から大きく離れていない場合には、自由水が)が磁化される(より具体的には、磁化が抑制される)。自由水の磁化が巨大分子の磁化に移動するにつれて、自由水からの信号が減少する。自由水と高分子との間でMT効果化学交換や交差緩和が発生するある領域と、MT効果が発生しない(又は、かなり小さい度合いで発生する)別の領域との間で、信号の差が生じる。これらの信号の差を用いて、例えば血液の流れと組織等の関心領域又は関心被検体との間のコントラストを観察することができる。
即ち、典型的な状況において、高分子のT緩和時間は、自由水のT緩和時間に比べて極めて短く、直接的に、高分子のT緩和時間(高分子の磁化)を用いてイメージングを行うことが難しい。これに対して、自由水のT緩和時間(自由水の磁化)は、イメージングを行うのに適している。高分子のT緩和時間を直接観測してイメージングを行うことは難しい場合でも、RFパルスが印加され高分子の磁化が低下し、高分子と自由水との化学交換によって自由水の磁化が低下し、低下した自由水の磁化を観測することで、高分子に関して間接的にイメージングを行うことができる。
実施形態によっては、MRIデータの収集は、MTパルスシーケンス及びイメージングパルスシーケンスを有するパルスシーケンスで行われる。例えば、イメージングパルスシーケンスとして、2次元(Two−Dimensional:2D)スキャン又は3次元(Three−Dimensional:3D)スキャンを採用することができる。他にも、例えば、スピンエコー(Spin Echo:SE)シーケンス、磁場傾斜エコー(Field Gradient Echo:FE)シーケンス、高速SE(Fast SE:FSE)シーケンス、高速非対称SE(Fast Asymmetric SE:FASE)シーケンス等を採用することができる。
MTパルスは、イメージングパルスの前に印加される。通常、イメージングパルスシーケンス(主シーケンスともいう)の前に、MTパルスとしてのRFパルスを含むプレシーケンスが実行される。プレシーケンスは、1又は複数の任意の軸方向(スライス方向、位相エンコード方向、及び読み出し方向)に印加された傾斜スポイラパルスを含んでもよい。典型的には、MTパルスは自由水の共鳴周波数から離れた(off−resonanceな)周波数で印加され、データ収集は、自由水の共鳴周波数の周波数に関して収集される。
MTパルスは、スライス選択的に印加されてもよく、スライス非選択的に印加されてもよい。MTパルスは、例えば先端を切ったような形のsinc関数によりそれぞれ形成される、NMR励起用のRFパルスで構成されてもよい。MTパルスは、ガウス関数のRFパルスで構成される場合がある。MTパルスは、例えばsinc関数で変調することによって形成され、RFパルスは、各々所望の周波数オフセットを有する。Miyazaki他に付与された米国特許第5,557,202号明細書に記載のような2項パルスを、MTパルスとして使用することもできる。イメージングサイクル中にパルスのシーケンスにおいて印加されるMTパルス数は、例えば10パルス又は40パルスなどの数である。
スキャン中の被検体の領域にMTパルスを印加すると、選択された周波数において下垂する結合プロトンとその領域内の自由水との間にMT効果が発生する。MT効果によって、選択された結合プロトンからの信号は、自由水の信号よりも大きい量だけ減少し、その結果、画像内の対応する領域間のコントラストが増大する。
化学交換飽和移動(Chemical Exchange Saturation Transfer:CEST)は、MRIにおいてコントラストを向上させるための、MTCと類似の別の技術である。CEST効果を有するイメージングにおいて、アミド基(−NH)、ヒドロキシル基(−OH)、及びアミノ基(−NH)等の、高分子の交換性プロトンの選択RFパルス照射が、化学交換後に水信号が徐々に飽和することによって検出される。CESTにおいては、磁化の移動が、MTCが使用される半固体の代わりに移動化合物において観察される。MTCと同様に、CESTは、化学交換及び二極性交差緩和の両方に寄与するが、交換が速い場合、後者は無視されることが多い。MTCとは対照的に、CESTイメージングでは、目的のプロトンの選択照射を可能にするために、MRの時間尺度で十分に遅い交換が必要である(Peter C.M.van Zijl他、"Chemical Exchange Saturation Transfer (CEST): What is in a Name and What isn't it?"、MRM、65:927−948(2011))。
なお、CEST効果もMT効果も、自由水の共鳴周波数から離れた周波数(off−resonance)でRFパルスを印加し、例えば自由水の共鳴周波数でデータ収集を行うが、自由水と交換が行われる分子の性質として、MT効果の場合、高分子に束縛された水の場合など、自由水の共鳴周波数の周りの幅広い(数100ppm)周波数領域で自由水の共鳴周波数に対して対称なスペクトルを生じさせる分子の場合を指すことが多い。これに対して、CEST効果の場合、自由水の共鳴周波数の周りに概ね数ppmの周波数領域で自由水の共鳴周波数に対して非対称なスペクトルを生じさせる分子の場合を指すことが多く、典型的には、アミド基、ヒドロキシル基、アミノ基など、特定の官能基の化学的環境下のプロトンの、自由水プロトンとの化学交換に起因する磁化移動のことを指すことが多い。CEST効果も、MT効果も、自由水の共鳴周波数から離れた周波数(off−resonance)でRFパルスを印加し、印加されたRFパルスによって生じた(或いは抑制された)磁化が、プロトンの化学交換によって自由水に移動し、当該自由水の磁化を観測するという点では共通である。
以下、必要に応じて、「MTパルス」「MT効果を引き起こす周波数のRFパルス」という表現を用いるが、これは、「CEST効果を引き起こす周波数のパルス」を排除する意図ではなく、当該周波数のRFパルスによって生じた(或いは抑制された)プロトンの磁化が、イメージングパルス印加開始までの時間スケールで、自由水のプロトンへと移動できるような周波数のことを意味する。
先に論じたように、自由水プロトンと異なる周波数で共鳴する交換性高分子プロトンを飽和させて、溶質プロトンが自由水と交換するときにその飽和を自由水に移動させることにより、MT効果及びCEST効果がもたらされる。自由水信号は、移動によって減衰する。しかしながら、通常、自由水プールは高分子プールよりも非常に大きいので、MT効果又はCEST効果による水信号の減衰を可視化するには、飽和は通常1個のパルスより多いパルス、例えば40MTパルスのシーケンスなどの複数のパルスで行わなければならない。
MT効果やCEST効果の効率は、通常、結果的に得られたMT効果又はCEST効果による信号又は磁化の低減の観点から記述できる。CEST効果により生じた周波数依存飽和効果は、飽和なしの信号により規格化された水飽和度をプロットすることにより、飽和周波数の関数として視覚化してもよい。これにより、「Zスペクトル」(図3参照)が得られる。Zスペクトルは、水周波数F周辺の左右対称の直接飽和により特徴づけられる(換言すると、Zスペクトルは、0ppm(parts per million)を水周波数に割り当てて示される)。
従来の技術によると、MT効果及びCEST効果は、水の中心周波数つまりFの左右から選択された周波数を照射するために、選択された単一周波数のMTパルス又はパルス状のMTパルスを印加することにより観察される。通常、効率的なMT効果を得るために、複数のMTパルス(例えば、選択された周波数でのMTパルスのシーケンス)が印加される。
従来の技術によると、CESTスペクトルにおいて選択された周波数を印加する毎に、ヒドロキシル基、アミノ基、及びアミド基のプロトンの信号を別々に高めることにより、CEST効果を得ることができる。例えば、CEST効果は、ヒドロキシル基プロトン(1ppm)、アミノ基プロトン(約2ppm)、及びアミド基プロトン(約3.5ppm)の所定周波数を照射することにより得ることができる。ここで、ppm値は、自由水周波数Fを基準に定められる。
しかしながら、単一の周波数での励起により得られるCEST効果は、比較的小さい。例えば、正常組織において、CEST効果による信号利得の効果は、所定周波数での正常組織については約2〜3%である。
更に、共鳴周波数が各々異なる複数種類のプロトンの自由水との化学交換又は磁化移動プロセスに関与する場合、単一周波数を照射しても、複数種類のプロトンの磁化移動の複雑な効果を観察することができないであろう。
更に、従来の技術において使用されるように、各々高いフリップ角(例えば、200〜500°)を有する同じ周波数のMTパルスをパルスシーケンスに多数含めると、結果的に、MRIプロセスから患者が受けるエネルギーに関する比吸収率(Specific Absorption Rate:SAR)など、限界値を上回る可能性がある。
従って、自由水との複数種類のプロトンからのMT効果やCEST効果を観察するために、本明細書で開示する実施形態では、複数周波数照射パルスがMTパルスシーケンスにおいて印加される。具体的には、MRIシーケンス制御部30(シーケンスコントローラ)は、MT効果を引き起こす第1の周波数のRFパルスと、MT効果を引き起こす周波数であって、第1の周波数とは異なる第2の周波数のRFパルスとをそれぞれ1回以上印加した後に、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行する。MRIデータプロセッサ42に含まれる画像生成部は、撮像シーケンスで収集したデータを基に画像を生成する。すなわち、MTパルスシーケンスの周波数範囲は、1又は複数の高分子の共鳴周波数、つまり、1又は複数の選択された化学シフトが自由水と他種分子との間に発生し、その結果磁化の移動が発生する周波数を含む。ここで、印加されるRFパルスの周波数としては、例えば、第1の周波数は、第1の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数であり、第2の周波数は、第1の化学的環境に存在するプロトンとの間で、化学交換が行われる第2の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数である。典型的には、第1の周波数は、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のいずれか一つに対応する周波数であり、第2の周波数は、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のいずれか一つに対応する周波数であって、第1の周波数とは異なる周波数である。
また、別の例として、MRIシーケンス制御部30は、第1の周波数のRFパルスとして、複数の立体配座を取りうる分子における第1の立体配座に対応する周波数のRFパルスを印加し、第2の周波数のRFパルスとして、分子における前記第1の立体配座とは異なる第2の立体配座に対応する周波数のRFパルスを印加する。
実施形態において、MTパルスシーケンス内で複数の周波数を印加することにより、複数種類の結合プロトンにおいてMT効果又はCEST効果が同時に引き起こされて、観察されるMT効果又はCEST効果が最大限に高められる。
以下、複数の周波数のRFパルスを印加することにより、MT効果又はCEST効果が最大限に高められることを説明するが、準備として、「化学交換(chemical exchange)」について説明する。磁気共鳴イメージングでは、プロトンの核磁気共鳴を用いてイメージングを行うが、プロトンの有効核磁気モーメントは、プロトンの属する化学的環境に応じて鋭敏に変化する。ここで、化学的環境とは、例えばプロトンがどのような官能基を構成するか(例:ヒドロキシル基かアミド基か)、それらの官能基が、分子の中でどのような配置にあるか、まわりの溶媒がどのようなものであるか等の環境のことを含む。これらの化学的環境は、例えば化学反応が起こったり、分子の立体配座(コンフォメーション)が変化したりすると変化し、それに応じてNMRスペクトルが変化する。このNMRスペクトルの変化は、複数の化学的環境の間で、プロトンが交換(化学交換)されている、として理解することができる。
例えば、2種類の化学的環境の間で、プロトンが、速度「低」で化学交換されている場合、NMRスペクトルは、2つの化学的環境それぞれに対応した化学シフト(chemical shift)に対応したラーモア周波数でピークを有する。これに対して、2種類の化学的環境の間で、プロトンが、速度「高」で化学交換されている場合、2つの化学的環境がまじりあって、新たな一つの状態が形成され、NMRスペクトルには、当該新たな一つの状態に対応した、一つのピークが現れる。
化学交換が起こりうる例として、例えば、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のうち2以上の異なる官能基と、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のうち同一の官能基であって水素原子のプロトンが異なる化学的環境にある2以上の官能基とのうち少なくとも一方を一つの分子中に含む分子が挙げられる。すなわち、例えば糖類やアミノ酸、核酸等である。また、例えば、生体内温度下で複数の立体配座をとりうる分子である。例えば、環状シクロアルカンやその誘導体、複素環式化合物、反磁性及び常磁性の分子錯体等である。
図2は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置における、複数の周波数でRFパルスを印加することによる効果を説明した図である。MRIシーケンス制御部30は、MT効果を引き起こす第1の周波数のRFパルス(化学的環境「X」に対応する周波数のRFパルス)と、MT効果を引き起こす周波数であって、第1の周波数とは異なる第2の周波数のRFパルス(化学的環境「Y」に対応する周波数のRFパルス)とをそれぞれ1回以上印加する。例えば、化学的環境「X」が、アミノ基(−2ppm)であり、化学的環境「Y」が、ヒドロキシル基(−1ppm)である場合、MRIシーケンス制御部30は、第1の時刻に、「−2ppm」の周波数のRFパルスを印加し、第2の時刻に、「−1ppm」の周波数のRFパルスを印加し、第3の時刻に、「−2ppm」の周波数のRFパルスを印加し、第4の時刻に「−1ppm」の周波数のRFパルスを印加する。
一方、従来のパルスシーケンスでは、例えば、シーケンス制御部は、同一周波数のRFパルスを複数回実行する。例えば、シーケンス制御部は、第1の時刻に、化学的環境「X」に対応する周波数のRFパルス、例えば「−2ppm」の周波数のRFパルスを印加し、第2の時刻にも同様に、「−2ppm」の周波数のRFパルスを印加し、第3、第4の時刻にも同様に、「−2ppm」の周波数のRFパルスを印加する。「X」にある一部の磁化が抑制されたプロトンが、自由水に移行するため、自由水の磁化が低下し、CESTスペクトルとして観測される。
しかしながら、「X」が他の化学的環境と化学交換を起こす場合、「X」から自由水への磁化の移行の他に、他の経路、例えば「X」から「Y」への磁化の移行が起こるため、自由水で観測されるCEST効果が低下し、効率が低下する場合があった。
次に、実施形態に係るパルスシーケンスによって起こるCEST効果の増強を、図2を用いて説明する。MRIシーケンス制御部30は、第1の時刻において、「X」に対応する「−2ppm」の周波数でRFパルスを印加する。この結果、「X」のプロトンの磁化が抑制される。図2において、「X」及び「Y」の丸の大きさは、それぞれのプロトンの磁化が抑制される大きさを表している。すなわち、丸が大きいほど、プロトンの磁化が抑制されており、すなわち磁化は小さくなり、丸が小さいほど、プロトンの磁化は大きくなる。第1の時刻で抑制された「X」の磁化のうち、一部の磁化は、「X」から自由水へ移行する。この結果、自由水の磁化は低下する。また、「X」の磁化のうち、一部の磁化は、第1の化学的環境である「X」から、「X」に存在するプロトンとの間で、化学交換が行われる第2の化学的環境である「Y」へと移行する。
MRIシーケンス制御部30は、第2の時刻において、第2の化学的環境「Y」に対応する「−1ppm」の周波数でRFパルスを印加する。この結果、「Y」のプロトンの磁化が抑制される。第2の時刻で抑制された「Y」の磁化のうち、一部の磁化は、「Y」から自由水へ移行する。この結果、自由水の磁化は低下する。また、「Y」の磁化のうち、一部の磁化は、第2の化学的環境である「Y」から、「X」へと移行する。
この時、第1の時刻から第2の時刻まで、時間があまり経過していないので、第1の時刻において磁化が抑制されていた「X」の磁化は、まだいくらか抑制されている。従って、第2の時刻の時点では、「X」から「Y」への磁化の移動が存在する。このことにより、系の平衡が右(「Y」の方向)へと移動し、その結果として、「Y」から自由水への磁化の移行が増大する。従ってCEST効果(MT効果)が増強される。
次に、MRIシーケンス制御部30は、第3の時刻において、「X」に対応する「−2ppm」の周波数でRFパルスを印加する。この結果、「X」のプロトンの磁化が抑制される。第3の時刻で抑制された「X」の磁化のうち、一部の磁化は、「X」から自由水へ移行する。この結果、自由水の磁化は低下する。また、「X」の磁化のうち、一部の磁化は、「X」から、「Y」へと移行する。
この時、第2の時刻から第3の時刻まで、時間があまり経過していないので、第2の時刻において磁化が抑制されていた「Y」の磁化は、まだいくらか抑制されている。従って、第3の時刻の時点では、「Y」から「X」への磁化の移動が存在する。このことにより、系の平衡が左(「X」の方向)へと移動し、その結果として、「X」から自由水への磁化の移行が増大する。従ってCEST効果(MT効果)が増強される。
次に、MRIシーケンス制御部30は、第4の時刻において、「Y」に対応する「−1ppm」の周波数でRFパルスを印加する。第4の時刻において存在する、「X」から「Y」への磁化の移動により、同様に平衡が移動し、「Y」から自由水へのCEST効果が増強される。
すなわち、MRIシーケンス制御部30は、MT効果を引き起こす第1の周波数のRFパルスと、MT効果を引き起こす周波数であって、第1の周波数とは異なる第2の周波数のRFパルスとをそれぞれ1回以上印加する。これにより、CEST効果(MT効果)を増強することができる。
例えば、「X」から「Y」の緩和速度が大きい時、複数の周波数のRFパルスを印加することによる平衡移動の効果は大きくなる。また、図2では、第1の周波数及び第2の周波数の両方が、自由水へのMT効果を引き起こす場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、「X」と「Y」の間に化学交換は起こるが、「Y」から自由水への化学交換は起こらない場合でもよい。この場合でも、「X」との「Y」の平衡が、「Y」へRFパルスを印加することにより移動し、この結果、「X」から自由水への移行が増大する。従ってCEST効果(MT効果)が増強される。
なお、実施形態はこれに限られない。例えば、MRIシーケンス制御部30(シーケンスコントローラ)は、第1の周波数のRFパルスとして、複数の立体配座を取りうる分子における第1の立体配座に対応する周波数のRFパルスを印加し、第2の周波数のRFパルスとして、分子における前記第1の立体配座とは異なる第2の立体配座に対応する周波数のRFパルスを印加してもよい。
また、以上の例では、プロトン(原子)が交換される場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、常磁性体分子において、例えばユーロビウムに配位した水分子が交換される場合のように、分子が交換される場合であってもよいし、水分子が他の分子に取り囲まれている(コンパートメント化されている)場合において、当該コンパートメント毎に交換される場合であってもよい。
以上述べたように、MRIシーケンス制御部30(シーケンスコントローラ)は、MT効果を引き起こす第1の周波数のRFパルスと、第1の周波数とは異なる第2の周波数のRFパルスとをそれぞれ1回以上印加した後に、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行するが、この時印加されるRFパルスの周波数としては、典型的には、例えば、第1の周波数及び第2の周波数は、自由水の共鳴周波数から約1ppm(parts per million)〜約3.5ppmのオフセットまでの範囲である。また、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基それぞれに対応する周波数として、例えば、第1の周波数及び第2の周波数は、それぞれ自由水の共鳴周波数と1ppm、2ppm、及び3.5ppmのいずれかの値だけ異なる周波数である。例えば、MRIシーケンス制御部30は、40MTパルスのシーケンスを用いて、1〜3.5ppmから選択された周波数などの様々な周波数を照射する。パルスシーケンスは、3.5ppmで印加される第1のパルスと、2ppmで印加される第2のパルスと、1ppm(例えば3Tでは、1ppm=128Hz)で印加される第3のパルスとを含んでもよく、また、MTパルスシーケンスのMTパルスの総数が合計40パルスになるまで繰り返されてもよい。また、MTパルスの総数は、40以外、例えば5や20でもよいし、SARの制限を超えない限り、40より大きい数でもよい。
図3は、高分子をターゲットとして、自由水の共鳴周波数からさまざまなオフセットでRFパルスを印加した時のZスペクトル(例えば自由水の)及び周波数オフセット(相対周波数)の例を示す。アミド、アミン、ヒドロキシル基の高分子の共鳴周波数は、自由水共鳴周波数F(例えば、3テスラでは128MHz)に対して、それぞれ、約3.5ppm、2ppm、1ppmずれている。図3において、A、B、Cは、それぞれ、アミド、アミン、ヒドロキシル基の共鳴周波数を表す。
CEST効果が存在しない場合、Zスペクトルは、自由水のラーモア周波数を基準とした原点に対して、例えばガウス型やローレンツ型等の対称なスペクトルとなる。しかし、CEST効果が存在する場合、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基等を構成するプロトンのラーモア周波数(これらは自由水のラーモア周波数より低周波数側になる)に対応するオフセット周波数のRFパルスの印加に反応して、これらのオフセット周波数のRFパルスを印加した場合、Zスペクトルは低下する。これは、自由水のラーモア周波数より低周波数側で起こり、高周波数側では起こらないので、Zスペクトルの、自由水のラーモア周波数の周りでの非対称性を調べることにより、CEST効果を算出することができる。すなわち、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、撮像シーケンスで収集したデータを基にZスペクトルを算出し、自由水に対応する共鳴周波数の周りでの、前記共鳴周波数より大きい周波数における前記Zスペクトルと、前記共鳴周波数より小さい周波数における前記Zスペクトルとの間の非対称性を基に、スペクトルを算出する。
例えば、ヒドロキシル基に対応する周波数「−1ppm」のRFパルスを印加した時の信号強度が「S」であり、それとは対称な位置にある周波数「+1ppm」のRFパルスを印加した時の信号強度が「S」とし、プレサチュレーションパルスとしてRFパルスを何も印加しなかった時の信号強度が「S」とすると、CEST効果の大きさは、例えば、「(S−S)÷S」の式により算出することができる。MRIシステム制御部22の算出部は、一例として、この値を、空間的位置(ピクセル)毎に算出し、MRIデータプロセッサ42に含まれる画像生成部は、算出された値を基に、画像を生成する。
更に、MRIシステム制御部22の算出部は、算出されたCEST効果の大きさを、印加されたRFパルスの周波数の関数の周波数として、プロットし、ピーク及び当該ピークの半値幅(例えばFWHM(Full Width at Half Maximum))を検出してもよい。すなわち、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、算出されたスペクトルを基にピークを検出し、ピークの信号値又はピークの有する半値幅を更に算出する。MRIシステム制御部22の算出部は、ピークの信号値から、所定の化学的環境にあるプロトンの密度を算出することができ、これを用いて磁気共鳴イメージングを行うことができる。また、MRIシステム制御部22の算出部は、ピークの周波数の値から、プロトンの化学シフトの大きさを算出することができ、これを用いて磁気共鳴イメージングを行うことができる。また、MRIシステム制御部22の算出部は、半値幅の逆数から、緩和時間を算出することができ、これを用いて磁気共鳴イメージングを行うことができる。
なお、複数の周波数のRFパルスを印加した場合のZスペクトルの算出として、信号強度に対して最も寄与の大きい周波数を基にZスペクトルを算出してもよいし、信号強度に対する寄与に応じてZスペクトルを算出してもよい。例えば、周波数A及び周波数Bの一連のパルスを印加し、周波数Aのパルスの信号強度に対する寄与が90%で、周波数Bのパルスの信号強度に対する寄与が10%の場合、周波数Aのパルスを印加したものとみなして、Zスペクトルを算出してもよい。また、周波数A及び周波数Bの一連のパルスを印加し、周波数Aのパルスの信号強度に対する寄与が50%で、周波数Bのパルスの信号強度に対する寄与が50%の場合、周波数Aのパルスのみを印加したときの信号を、得られた信号の50%とし、周波数Bのパルスのみを印加したときの信号を、得られた信号の50%と考えて、Zスペクトルを算出してもよい。
また、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、ユーザから種々のパラメータの入力を受け付け、当該入力されたパラメータに基づいて、RFパルスを印加してもよい。具体的には、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、MRIデータプロセッサ42に含まれる入力部が、印加する複数のRFパルスの周波数、バンド幅、フリップ角、順序、時間間隔、RFパルスを印加する領域、印加するRFパルスの数、印加するRFパルスのうち異なる周波数の数、RFパルスの印加に関連する、プロトンの化学的環境の数のうち少なくとも一つのパラメータの入力をユーザから受け付ける。MRIシーケンス制御部30は、入力部に入力された入力に基づいて、複数のRFパルスを印加する。かかる構成を用いることで、MRIシーケンス制御部30は、最適な印加条件でRFパルスを印加することができ、その結果、信号強度を増強することができる。
また、MRIシーケンス制御部30が印加する複数のパルスの印加条件に関しては、複数のパルスそれぞれの印加条件は、パルス毎に異なってもよい。具体的には、MRIシーケンス制御部30は、第1の周波数のRFパルスと、第2の周波数のRFパルスとを含む複数のRFパルスを印加し、当該複数のRFパルスに含まれる少なくとも2つのRFパルスについて、バンド幅、フリップ角、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔、RFパルス印加領域のうち少なくとも一つを異ならせることができる。かかる構成を用いることで、MRIシーケンス制御部30は、印加する複数のパルスの性質に応じた最適な印加条件でRFパルスを印加することができ、その結果、信号強度を増強したり、SARを低下させることができる。
MRIシーケンス制御部30は、印加される複数のRFパルスについて、印加するRFパルスの周波数や、その順序を最適化することができる。具体的には、MRIシーケンス制御部30は、第1の周波数のRFパルスと、第2の周波数のRFパルスとを含む複数のRFパルスを印加するものであって、MRIシステム制御部22に含まれる算出部が、複数のRFパルスそれぞれについて、周波数を変化させた場合に収集される信号強度を算出し、算出した結果に基づいて、複数のRFパルスそれぞれが印加される周波数を決定する。シーケンス制御部30は、決定された周波数を基に、複数のRFパルスを印加する。かかる構成を用いることで、MRIシーケンス制御部30は、最適な周波数条件やRFパルスの印加順序でRFパルスを印加することができ、その結果、信号強度を増強したり、SARを低下させたりすることができる。
図4は例示的なパルスシーケンス302〜306を示し、各パルスシーケンスは、データ収集に向けて複数周波数のMTパルスのシーケンス(その後にデータ収集用のMRイメージングパルスシーケンスが続く)を含む。例えば、周波数A、B、C(A、B、Cは、例えば周波数スペクトル上でFから3.5ppm、2ppm、1ppm離れた、例えばアミド、アミン、ヒドロキシル基の高分子に対応する周波数であってもよい)のMTパルスは、任意の順序、例えばA−B−CやA−B−C−A−C−Bなど3つの異なる周波数の繰返しパターンで配列することができる。A及びBなどの2つの周波数を、MTシーケンスの終了まで、例えばA−B−A−Bの繰返しパターンで順序付けてもよく、A−A−A−A−B−B−B−B、A−B−B−A−A−B−B−A−A−B−B−Aなどのように任意の他の方法で順序付けてもよい。実施形態によっては、複数の周波数を、パルスシーケンス内でランダムに配列してもよい。各図2〜6では、パルスは、パルスシーケンス内の他のパルスに対する相対位置を示すために、振幅や帯域幅などのRFパルスエンベロープ特性を考慮せず、時間線内の点として示されている。
印加するRFパルスの最適な順序の一例として、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、複数のRFパルスのうち、最も優先度の高い周波数のRFパルスが、最後に印加されるように、複数のRFパルスそれぞれの周波数を決定する。例えば、「B」が最も優先度の高い周波数である場合には、パルスシーケンス304を用いて複数のRFパルスを印加し、例えば「C」が最も優先度の高い周波数である場合には、パルスシーケンス302やパルスシーケンス306を用いて複数のRFパルスを印加する。
RFパルスを印加すると、対応する周波数の磁化が飽和するが、イメージングシーケンスが開始されるまでに、飽和した磁化は部分的に緩和する。すなわち、イメージングシーケンス開始までの残り時間が多いほど、最終的な信号に対する寄与の大きさが小さくなる。従って、例えば、イメージングシーケンス開始までの残り時間が最も少ない(すなわち最終的な信号に対する寄与の大きさが大きい)RFパルスの周波数として、優先度の最も高い周波数を選択することで、少ないSARで強い信号強度を得ることができる。
シーケンス内の複数周波数のMTパルスの順序付けを調整することにより、実施形態は、周波数範囲、異なる周波数の数、又は、異なる種類のプロトンの数、異なる種類のプロトンの各々からのパルスシーケンス内のMTパルスの順番を制御することができるという、MT効果の一つの応用例になっている。
また、MRIシーケンス制御部30は、印加される複数のRFパルスについて、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔を最適化することができる。具体的には、
MRIシーケンス制御部30は、第1の周波数のRFパルスと、第2の周波数のRFパルスとを含む複数のRFパルスを印加するものであって、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、複数のRFパルスそれぞれについて、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔を変化させた場合に収集される信号強度を算出し、算出した結果に基づいて、複数のRFパルスそれぞれが印加される時刻を決定する。MRIシーケンス制御部30は、決定された前記時刻を基に、前記複数のRFパルスを印加する。かかる構成を用いることで、MRIシーケンス制御部30は、印加する複数のパルスの時間間隔に応じた最適な印加条件でRFパルスを印加することができ、その結果、信号強度を増強したり、SARを低下させたりすることができる。
図5は3つのパルスシーケンス402〜406を示し、各パルスシーケンスは、イメージングシーケンスが発生する前に隣接したパルス間の時間間隔が変えられるように調整された複数周波数のMTパルスを含む。実施形態によると、パルス間の時間間隔は、各パルスにより照射されるターゲットプロトンの緩和特性に基づいて構成することができる。例えば、パルスシーケンス402に示すように、AとBのパルス間の時間間隔を、BとCのパルスの間の間隔よりも大きくしてもよい。
印加するRFパルスの間の最適な時間間隔の一例として、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔が、自由水のプロトンと、印加されたRFパルスによって磁化に変化が生じたプロトンとが交換される速度に応じて算出される第1の所定の時間より長く、印加されたRFパルスによって生じた磁化の緩和速度に応じて算出される第2の所定の時間より短くなるように、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔を決定する。
すなわち、印加するRFパルスの間の最適な時間間隔が、自由水のプロトンと印加されたRFパルスによって磁化に変化が生じたプロトンとが交換される時間スケール(第1の所定の時間)より長い時間間隔の場合、印加されたRFパルスによって磁化に変化が生じたプロトンと、自由水のプロトンとが十分に交換されているので、自由水のプロトンの磁化が、十分に低下されることができ、十分な質のデータを収集することができる。逆に、時間間隔が、第1の所定の時間より短い時間間隔の場合、印加されたRFパルスによって磁化に変化が生じたプロトンと、自由水のプロトンとが、データ収集時に十分に交換され
ないので、十分な質のデータを得ることができない。また、時間間隔が、印加されたRFパルスによって生じた磁化の緩和時間(第2の所定の時間)より長いと、印加されたRFパルスによって生じた磁化が緩和されてしまうので、十分な質のデータを得ることができない。従って、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔が、第1の所定の時間より長く、第2の所定の時間より短い時間間隔となるように、次のRFパルスが印加されるまでの時間間隔を決定する。
異なる周波数のMTパルスの間の持続時間を制御できることにより、観察されるMT効果やCEST効果を向上させることができる。例えば、異なる周波数のMTパルス間の持続時間を、それぞれの異なる周波数のプロトンの間の相互作用や交換が促進されるように構成してもよい。通常、より良好なMT効果が得られるように、複数のMTパルスは、実質的にMTパルス間で遅延なく次々と印加される。
また、MRIシーケンス制御部30は、印加される複数のRFパルスについて、フリップ角を最適化することができる。具体的には、MRIシーケンス制御部30は、前記第1の周波数のRFパルスと、前記第2の周波数のRFパルスとを含む複数のRFパルスを印加するものであって、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、複数のRFパルスそれぞれについて、フリップ角を変化させた場合の比吸収率(SAR)及び収集される信号強度を算出し、算出した結果に基づいて、複数のRFパルスそれぞれのフリップ角を決定する。MRIシーケンス制御部30は、決定されたフリップ角を基に、複数のRFパルスを印加する。かかる構成を用いることで、MRIシーケンス制御部30は、印加する複数のパルスのフリップ角に応じた最適な印加条件でRFパルスを印加することができ、その結果、信号強度を増強したり、SARを低下させることができる。
図6は4つのパルスシーケンス502〜508を示し、各パルスシーケンスは、更にフリップ角が各々異なる複数周波数のMTパルス(その後にMRイメージングパルスシーケンスが続く)を含む。実施形態では、複数パルスのシーケンス内のMTパルスのフリップ角を変えることができるので、イメージング対象の患者により吸収されるエネルギーに関する比吸収率(SAR)を制御することができる。例えば、シーケンス内のそれぞれ異なる周波数のMTパルスのフリップ角を、MTパルスシーケンス全体によるSARが所定値を超えないように設定することができる。
各パルスのフリップ角は、様々な方法で構成することができる。実施形態によっては、パルスのフリップ角は、パルス位置がイメージングパルスに近くなるにつれて増加する。例えば、MTパルスは、小さいフリップ角から始まって、その最終MTパルスが後続のイメージングシーケンスにおけるパルスのフリップ角に、最終MTパルスのフリップ角が最も近いように、90°に最も近くなるまで徐々に大きくしてもよい。別の実施例においては、パルスシーケンス508のように、MTパルスは、大きいフリップ角(例えば、300°)から始まって、最終MTパルスが90°に最も近く(例えば、100°)になるまで徐々に小さくすることができる。イメージングシーケンスにおけるパルスは、通常、イメージングシーケンスの第1のパルスとして90°パルスを含む。他の実施形態において、フリップ角度は、パルス位置がイメージングパルスから遠ざかるにつれて増加する。更に他の実施形態においては、フリップ角の値の他の構成が可能である。
印加するRFパルスのフリップ角の一例として、MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、複数のRFパルスのうち、フリップ角が、大きくなっていくように、複数のRFパルスそれぞれのフリップ角を決定する。
フリップ角を大きくしていく理由は次の通りである。すなわち、RFパルスが印加すると、対応する周波数の磁化が飽和するが、イメージングシーケンスが開始されるまでに、飽和された磁化は部分的に緩和する。すなわち、イメージングシーケンス開始までの残り時間が多いほど、最終的な信号に対する寄与の大きさが小さくなる。一方、SARの値は、フリップ角の値に応じて決定される。従って、最終的な信号に対する寄与の大きさが大きい、RFパルスのフリップ角を小さくすることで、SARを低下させつつ、最終的な信号のゲインが大きく低下することを防ぐことができる。
連続するMTパルスのフリップ角を可変的に制御する能力を実施形態に備えることにより、全てのMTパルスに関して比較的大きい一定のフリップ角を有する従来の単一周波数パルスシーケンスにより生じるSARよりも、低いSARを得られる。
なお、MT効果/CEST効果を用いたイメージングは、磁気共鳴分光(スペクトロスコピー)を用いた方法と、相補的な役割を演じる。磁気共鳴分光は、低温では熱揺らぎが小さいため、ノイズの少ないスペクトルが得られ、従って磁気共鳴分光は効果的になる。しかし、磁気共鳴分光では、高温では熱揺らぎが大きいため、スペクトルがぼやけてしまい、十分な質のデータが得られないことがある。これに対して、CEST効果は、緩和過程に伴う磁化移動を間接的に観測するが、この緩和過程は、異なる状態間のある種の遷移に対応する。この遷移は、高温では熱揺らぎによってむしろ活性化され、CEST効果は強くなる。すなわち、磁気共鳴分光が不可能な高温であっても(高温であればあるほど)、CEST効果を利用することで、イメージングを行うことが可能になる。
実施形態では、一例として、MRIシーケンス制御部30は、磁気共鳴分光スペクトルを測定した場合の装置の性能に応じて定まるエネルギー分解能より、熱揺らぎによるエネルギー幅が大きい温度下において、第1の周波数のパルス及び第2の周波数のパルスを印加する。すなわち、装置のエネルギー分解能より、熱揺らぎが大きいような温度下では、磁気共鳴分光(スペクトロスコピー)は事実上不可能になる。このような高い温度領域でも、MT効果/CEST効果はむしろ高温になるほど増強されるので、MT効果/CEST効果を用いることにより、よりよいイメージングが可能となる。
実施形態によっては、MTパルスシーケンスは、MT飽和に向けてマルチバンドRFパルスを含んでもよい。各マルチバンドRFパルスは、2又はそれ以上の周波数を含む(例えば、2又はそれ以上の種類の高分子プロトンを励起する)。具体的には、例えば、MRIシーケンス制御部30は、MT効果を引き起こす第1の周波数成分と、第1の周波数成分とは異なる第2の周波数成分であって、MT効果を引き起こす又はMT効果を引き起こさない第2の周波数成分とを含むRFパルスを印加し、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行する。MRIシステム制御部22に含まれる算出部は、撮像シーケンスで収集したデータを基にZスペクトルを算出する。ここで、印加するRFパルスの一例として、MRIシーケンス制御部30は、第1の周波数成分として、第1の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数成分を含み、第2の周波数成分として、第1の化学的環境に存在するプロトンとの間で、化学交換が行われる第2の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数成分を含むRFパルスを印加する。
各マルチバンドRFパルス(複数の周波数成分を含むパルス)は、様々な周波数において選択的であるように構成することができる。すなわち、MRIデータプロセッサ42に含まれる入力部が、第1の周波数成分及び第2の周波数成分それぞれの周波数の値の入力を、ユーザから数値の入力を受け付けることにより、又は、ユーザから所定の数値のリストの中からの選択操作を受け付けることにより、受け付け、MRIシーケンス制御部30が、入力部に入力された結果に基づいて、RFパルスを印加するような構成も可能である。この場合、マルチバンドRFパルスは、複数のMTパルス周波数を選択的に照射する。マルチバンドRFパルスは、選択された複数の周波数を同時に照射することに備える。例えば、3.5ppm、2.0ppm及び1.0ppmなど、選択される複数周波数選択性パルスを、パルスの変化する帯域幅又は周波数、或いは帯域幅と周波数の両方を変えることにより、構成してもよい。
図7は、実施形態におけるマルチバンドRFパルス印加について説明した図である。例えば、図7の左図に示すように、従来技術では、シーケンス制御部は、第1の化学的環境「X」に対応する周波数に対応するパルスを印加し、その結果、「X」のプロトンの磁化が抑制される。「X」の磁化のうち、一部の磁化は、「X」から自由水へ移行する。また、「X」の磁化のうち、一部の磁化は、第2の化学的環境「Y」へと移行する。MT効果/CEST効果は観測されるが、「X」の磁化のうち、一部の磁化が「Y」へと移行してしまうため、信号強度は弱くなる。
これに対し、例えば、図7の中央の図に示すように、本実施形態では、MRIシーケンス制御部30は、「X」に対応する周波数成分と、「Y」に対応する周波数成分とを含んだパルスを印加する。その結果、「X」及び「Y」のプロトンの磁化が抑制される。「X」の磁化のうち、一部の磁化は、「X」から自由水へ移行する。また、「X」の磁化のうち、一部の磁化は「Y」へと移行する。これに加えて、「Y」の磁化のうち、一部の磁化は、「X」へと移行する。これにより、平衡が左に移動し、その結果として、「X」から自由水への磁化の移行が増加する。同様に、Yについても、「X」から「Y」への磁化の移行の存在により、平衡が右に移動し、その結果として、「Y」から自由水への磁化の移行が増加する。以上のように、マルチバンドRFパルス印加により、自由水への磁化の移行が増加する。
なお、シーケンス制御部30が、印加するパルスの有する複数の周波数成分それぞれが、MT効果(CEST効果)を引き起こす場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、シーケンス制御部30は、図7の右図に示すように、「X」に対応する周波数成分と、「X」とプロトンの化学交換はあるが、自由水への緩和は非常に遅い(又は緩和が起こらない)化学的環境である「Z」に対応する周波数成分とを含むRFパルスを印加してもよい。この場合も同様にして、「Z」へのパルス印加の結果平衡が移動し、「X」から自由水への磁化の移行が増加する。
また、複数の化学的環境の間の平衡が移動することにより磁化の移行が増加する例について説明したが、実施形態はこれには限られない。例えば、第2の周波数のRFパルスが、自由水への緩和過程に影響を与えることにより、磁化の移行が増加する場合であってもよい。図8はこのような状況の一例を表している。シーケンス制御部30は、例えば、図8の左図に示すように、第1の周波数成分(化学的環境「A」に対応する)と、第2の周波数成分を含むRFパルスを印加する。化学的環境「A」にあるプロトンが、立体的障害等により、活性化エネルギー「Δ」で特徴づけられる中間状態を経由して自由水へと緩和する場合を考える。第1の周波数成分により、「A」のプロトンの磁化が抑制される。一方、第2の周波数成分により、所定の核スピンの値が変化し、例えば、スピン軌道相互作用等を通じて、「A」を構成する分子のコンフォメーションが変化する。この結果、例えば、図8の右図に示すように、活性化エネルギー「Δ」が低下し、「A」から自由水への緩和が増加し、磁化の移行(MT効果(CEST効果))が増加する。
図9は、実施形態による、MT効果やCEST効果を増強する方法のフローチャートを示す。操作602〜610は、図1に示すMRIデータプロセッサ42、MRIシステム制御部22、MRIシーケンス制御部30により実行や制御がなされてもよい。
600でのエントリの後、操作602にて、被検体(例えば、患者)及びMRIシステムをスキャンに向けて準備する。準備は、イメージングパルスシーケンスの前にMTパルスシーケンスを含むパルスシーケンスの選択又は指定を含んでもよい。MTパルスシーケンスは、指定の周波数範囲にわたるパルスを含む。実施形態によっては、MTパルスシーケンス内に含められる個々のパルスの周波数を設定可能である。
MTパルスシーケンスは、パルス間の持続時間やそれぞれのパルスのフリップ角における変動を含むように、設定可能としてもよいし、予め設定されていてもよい。シーケンスは、マルチバンドのパルスを含んでもよいし、選択されたパターンに従って配列されたパルスを有してもよい。MTパルスシーケンスは、実施形態によっては、図4〜図6に表すパルスシーケンスの1又は複数に対応してもよいし、マルチバンドのパルスを含んでもよい。
操作604にて、複数周波数のMTパルスシーケンスを、MRIガントリ内の被検体に印加する。複数周波数の一連のMTパルスが、被検体の選択領域に印加される。複数周波数のMTパルスの印加によって、複数の異なる種類の結合プロトンのMT効果が、同じスキャン間隔中に生じる。
操作606にて、MRイメージングパルスシーケンスを被検体に印加する。MRイメージングパルスシーケンスは、通常、NMRスピンエコーRF応答の生成を促す、90°又は180°励起パルスなどの、1又は複数の励起パルスを含んでもよい。
操作608にて、イメージングパルスに応答するNMRスピンエコーデータをMR k空間データとして収集する。十分なMR k空間データを収集するために、操作604〜608を複数のスキャン間隔の間に繰り返してもよい。
収集されたMRデータは、MT効果やCEST効果によってコントラストが増強されているので、操作610にて得られる空間領域のMRI画像では、MT効果やCEST効果の影響を受けた特定領域のコントラストが向上している。
本明細書で開示する実施形態では、複数周波数のMTパルスが、MTパルスのシーケンスに組み込まれる。複数周波数のMTパルスを使用することにより、実施形態では、単一周波数オフセットを適用することにより得られたMT効果に関連して改善されたMT画像が得られる。
実施形態では、例えばアミド(―NH、3.5ppm)、アミン(―NH2、約2ppm)、ヒドロキシル(―OH、1ppm)を含む様々な周波数を複数照射することにより、MTパルスシーケンスにおける複数周波数成分からのCEST効果が高くなる可能性がある。実施形態のように、1〜3.5ppmの範囲内の複数周波数のMTパルスを適用することにより、複数の異なる種類のプロトンとの相互作用による複合CEST効果を得ることができる。
更に、実施形態によっては、MTパルスシーケンスにおいて可変のフリップ角を適用することにより、SARが低下する。
以上、実施形態について説明してきたが、実施形態はこれに限られない。例えば、図2では、MRIシーケンス制御部30は、Xに対応するMTパルス及びYに対応するMTパルスを印加したが、片方のパルスはMTパルスでなくてもよい。例えば、Zを、Xとプロトンの化学交換はあるが、自由水への緩和は非常に遅い(又は緩和が起こらない)化学的環境とし、MRIシーケンス制御部30は、Xに対応するMTパルス及びZに対応するパルス(MTパルスでない)を印加してもよい。
また、本実施形態では、MRIシーケンス制御部30が、複数の周波数のRFパルスを印加して、MT効果/CEST効果を増強する例を示したが、実施形態はこれに限られない。例えば、MRIシーケンス制御部30が、複数の化学的環境同士での化学交換の大きさや速度を調べる目的で、複数の周波数のRFパルスを印加してもよい。例えば、MRIシーケンス制御部30は、第1の撮像セットで、Aの周波数に対応するパルスのみを印加して、データを収集し、第2の撮像セットでBの周波数に対応するパルスのみを印加して、第3の撮像セットで、Aの周波数成分及びBの周波数成分を含んだパルスを、印加する。第1及び第2の撮像セットで得られたデータと、第3の撮像セットで得られたデータを比較することで、AとBとの化学交換の詳細について調べることができる。
これまで説明した実施形態における磁気共鳴イメージング装置のいずれか一つを用いて、被検体に所定の化学物質を投入し、造影剤として利用することで、外因性CEST(MT)イメージングをする磁気共鳴イメージング方法が挙げられる。例えば、実施形態に係る磁気共鳴イメージング方法として、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のうち2以上の異なる官能基と、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のうち同一の官能基であって水素原子のプロトンが異なる化学的環境にある2以上の官能基とのうち少なくとも一方を一つの分子中に有する分子を被検体に投入し、実施形態に記載の撮像シーケンスを実行する磁気共鳴イメージング方法が挙げられる。造影剤の一例として、例えば糖、アミノ酸、環状シクロアルカンやその誘導体、複素環式化合物、分子錯体などが挙げられる。
また、これまで説明した実施形態における磁気共鳴イメージング装置のいずれか一つを用いて、被検体内に存在する化学交換を起こす分子をターゲットとしてイメージングを行うことで、内因性CEST(MT)イメージングをする磁気共鳴イメージング方法が挙げられる。例えば、実施形態に係る磁気共鳴イメージング方法として、生体内温度下で複数の立体配座をとりうる分子を含む被検体の領域を関心領域とし、実施形態に記載の撮像シーケンスを実行する磁気共鳴イメージング方法が挙げられる。
以上述べた少なくとも一つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置によれば、MT効果やCEST効果を用いたイメージングにおける信号強度を増強することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
30 MRIシーケンス制御部
42 MRIデータプロセッサ

Claims (19)

  1. 1の周波数のMT(Magnetization Transfer)パルスと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数のMTパルスとをそれぞれ1回以上印加した後に、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行するシーケンス制御部と、
    前記撮像シーケンスで収集したデータを基に画像を生成する画像生成部と
    を備える、磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記第1の周波数は、第1の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数であり、前記第2の周波数は、前記第1の化学的環境に存在するプロトンとの間で、化学交換が行われる第2の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数である、請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記第1の周波数は、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のいずれか一つに対応する周波数であり、前記第2の周波数は、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のいずれか一つに対応する周波数であって、前記第1の周波数とは異なる周波数である、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記第1の周波数及び前記第2の周波数は、自由水の共鳴周波数から略1ppm(parts per million)〜略3.5ppmのオフセットまでの範囲である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記第1の周波数及び前記第2の周波数は、それぞれ自由水の共鳴周波数と1ppm、2ppm、及び3.5ppmのいずれかの値だけ異なる周波数である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記シーケンス制御部は、前記第1の周波数のMTパルスと、前記第2の周波数のMTパルスとを含む複数のMTパルスを印加し、前記複数のMTパルスに含まれる少なくとも2つのMTパルスについて、バンド幅、フリップ角、次のMTパルスが印加されるまでの時間間隔、MTパルス印加領域のうち少なくとも一つを異ならせる、請求項1〜5のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記シーケンス制御部は、前記第1の周波数のMTパルスと、前記第2の周波数のMTパルスとを含む複数のMTパルスを印加するものであって、
    前記複数のMTパルスそれぞれについて、フリップ角を変化させた場合の比吸収率(SAR)及び収集される信号強度を算出し、算出した結果に基づいて、前記複数のMTパルスそれぞれのフリップ角を決定する算出部を更に備え、
    前記シーケンス制御部は、決定された前記フリップ角を基に、前記複数のMTパルスを印加する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記シーケンス制御部は、前記第1の周波数のMTパルスと、前記第2の周波数のMTパルスとを含む複数のMTパルスを印加するものであって、
    前記複数のMTパルスそれぞれについて、次のMTパルスが印加されるまでの時間間隔を変化させた場合に収集される信号強度を算出し、算出した結果に基づいて、前記複数のMTパルスそれぞれが印加される時刻を決定する算出部を更に備え、
    前記シーケンス制御部は、決定された前記時刻を基に、前記複数のMTパルスを印加する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記シーケンス制御部は、前記第1の周波数のMTパルスと、前記第2の周波数のMTパルスとを含む複数のMTパルスを印加するものであって、
    前記複数のMTパルスそれぞれについて、周波数を変化させた場合に収集される信号強度を算出し、算出した結果に基づいて、前記複数のMTパルスそれぞれが印加される周波数を決定する算出部を更に備え、
    前記シーケンス制御部は、決定された前記周波数を基に、前記複数のMTパルスを印加する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 印加する複数のMTパルスの周波数、バンド幅、フリップ角、順序、時間間隔、MTパルスを印加する領域、印加するMTパルスの数、印加するMTパルスのうち異なる周波数の数、MTパルスの印加に関連する、プロトンの化学的環境の数のうち少なくとも一つのパラメータの入力をユーザから受け付ける入力部を更に備え、
    前記シーケンス制御部は、前記入力に基づいて、前記複数のMTパルスを印加する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. 前記撮像シーケンスで収集したデータを基にZスペクトルを算出し、自由水に対応する共鳴周波数の周りでの、前記共鳴周波数より大きい周波数における前記Zスペクトルと、前記共鳴周波数より小さい周波数における前記Zスペクトルとの間の非対称性を基に、スペクトルを更に算出するスペクトル算出部を更に備える、請求項1〜10のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  12. 前記スペクトル算出部は、算出された前記スペクトルを基にピークを検出し、前記ピークの信号値又は前記ピークの有する半値幅を更に算出する、請求項11に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  13. 前記シーケンス制御部は、前記第1の周波数のMTパルスとして、複数の立体配座を取りうる分子における第1の立体配座に対応する周波数のMTパルスを印加し、前記第2の周波数のMTパルスとして、前記分子における前記第1の立体配座とは異なる第2の立体配座に対応する周波数のMTパルスを印加する、請求項1〜12のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
  14. 1の周波数成分と、前記第1の周波数成分とは異なる第2の周波数成分とを含むマルチバンドのパルスであるMT(Magnetization Transfer)パルスを印加し、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行するシーケンス制御部と、
    前記撮像シーケンスで収集したデータを基にZスペクトルを算出する算出部とを
    備える、磁気共鳴イメージング装置。
  15. 前記MTパルスは、前記第1の周波数成分として、第1の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数成分を含み、前記第2の周波数成分として、前記第1の化学的環境に存在するプロトンとの間で、化学交換が行われる第2の化学的環境に存在するプロトンの化学シフトに対応する周波数成分を含む、請求項14に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  16. 前記第1の周波数成分及び前記第2の周波数成分それぞれの周波数の値の入力を、ユーザから数値の入力を受け付けることにより、又は、ユーザから所定の数値のリストの中からの選択操作を受け付けることにより、受け付ける入力部を備え、
    前記シーケンス制御部は、前記入力部に入力された結果に基づいて、前記MTパルスを印加する、請求項14又は15に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  17. 1の周波数のMT(Magnetization Transfer)パルスと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数のMTパルスとをそれぞれ1回以上印加した後に、撮像領域に対して撮像シーケンスを実行し、
    前記撮像シーケンスで収集したデータを基に画像を生成する
    ことを含む、磁気共鳴イメージング方法。
  18. アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のうち2以上の異なる官能基と、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基のうち同一の官能基であって水素原子のプロトンが異なる化学的環境にある2以上の官能基とのうち少なくとも一方を一つの分子中に有する分子を被検体に投入して、前記撮像シーケンスを実行する、請求項17に記載の磁気共鳴イメージング方法。
  19. 生体内温度下で複数の立体配座をとりうる分子を含む被検体の領域を関心領域として、前記撮像シーケンスを実行する、請求項17に記載の磁気共鳴イメージング方法。
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