JP6501941B1 - 疲労判定装置、疲労判定方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】被験者の疲労状態をより客観的に評価することが可能な技術を提供すること。【解決手段】被験者の疲労状態を判定する疲労判定装置(140)であって、被験者に刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、被験者に刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得する取得部(11)と、第2指標と第1指標との間の変化量に基づいて、被験者の疲労状態を判定する判定部(12)と、を有する疲労判定装置(140)を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、疲労判定装置、疲労判定方法及びプログラムに関する。
従来、疲労を客観的に評価するための指標として、自律神経系の機能解析が注目されている。自律神経は、主に起きているときや緊張しているときに働く交感神経と、主に寝ているときやリラックスしているときに働く副交感神経とがあり、両者がバランスを取りながら機能し、生理的機能を調節していることが知られている。
交感神経と副交感神経はストレスの影響を受けやすく、そのバランスが崩れると、本来活動しているときに働いてくれる交感神経が働かずに、やる気が出なかったり、逆に休息の時に働いてくれる副交感神経がうまく働かず、眠れないといったことが起こる。また、疲労病態では、交感神経系の緊張が高まり、副交感神経系の活動が低下することが報告されている。
本発明者らは、疲労時に見られる交感神経と副交感神経のバランスの崩れに着目し、交感神経の働きを示す指標であるLF値と副交感神経の働きを示す指標であるHF値の比(LF/HF)に基づいて、疲労度を定量的に判定する処理システムを提供している(特許文献1)。例えば、この処理システムを用いて指先加速度脈波を2分間計測、最大エントロピー法による周波数解析にて自律神経系の評価を行うと、健常者(安静時、閉眼、座位)でLF値とHF値の比(LF/HF)は通常1〜1.5程度であるのに対して、慢性疲労症候群患者では明らかに増加することが観察される。
特開2010−201113号公報
自律神経機能の解析は、被験者の疲労状態を客観的に評価するために重要である。これまで、自律神経機能の解析は、被験者が安静かつ閉眼した状態で測定した測定結果を用いて行うことが一般的であった。しかしながら、安静かつ閉眼時で測定を行った場合、疲労状態にない健常者と、疲労状態にある健常者との評価結果が類似する可能性があることが判明している。そのため、被験者の疲労状態をより客観的に評価することが可能な技術が望まれている。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、被験者の疲労状態をより客観的に評価することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る疲労判定装置は、被験者の疲労状態を判定する疲労判定装置であって、被験者に刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、被験者に刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得する取得部と、第2指標と第1指標との間の変化量に基づいて、被験者の疲労状態を判定する判定部と、を有する。
本発明の他の態様に係る疲労判定方法は、被験者の疲労状態を判定する疲労判定装置が行う疲労判定方法であって、被験者に刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、被験者に刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得するステップと、第2指標と第1指標との間の変化量に基づいて、被験者の疲労状態を判定するステップと、を有する。
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、被験者に刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、被験者に刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得するステップと、第2指標と第1指標との間の変化量に基づいて、被験者の疲労状態を判定するステップと、を実行させる。
本発明によれば、被験者の疲労状態をより客観的に評価することが可能な技術を提供することができる。
本実施形態に係る疲労評価システムの構成例を示す図である。 閉眼状態及び開眼状態における測定結果の変化を示す図である。 被験者の疲労状態と自律神経機能との関係を示す図である。 被験者の疲労状態と自律神経機能との関係を示す図である。 被験者の疲労状態と自律神経機能との関係を示す図である。 自律神経機能の変化を被験者群ごとに示す図である。 本実施形態に係る疲労評価システムが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
(システム構成及び概要)
図1は、本実施形態に係る疲労評価システム100の構成例を示す図である。本実施形態に係る疲労評価システム100は、入力装置110と、生体情報取得装置120と、生体情報解析装置130と、判定装置140(疲労判定装置)と、出力装置150とを有する。
入力装置110は、被験者に関するデータを入力するための装置であり、例えば、キーボードやタッチパネル上の入力インタフェースなどにより構成される。本実施形態においては、被験者に関するデータとして、例えば、被験者の年齢、氏名、住所、性別などが入力される。
生体情報取得装置120は、被験者の生体情報データを収集するための装置である。ここで被験者の生体情報データとは、好適には、心拍データまたは脈拍データもしくは加速度脈波データを意味するが、これらに限られない。市販の心電計や脈拍計、活動量計、ウェアラブル機器を生体情報取得装置120として利用してもよい。なお、入力装置110と生体情報取得装置120は一体であってもよい。すなわち、生体情報取得装置120は、入力装置110としての機能を有していてもよい。
生体情報解析装置130は、生体情報取得装置120で収集された被験者の生体情報データを解析して、被験者の自律神経の働きを定量化するための装置である。本実施形態では、被験者の生体情報データを周波数解析して、周波数領域の低周波数成分からLF(Low Frequency)値を算出し、高周波数成分からHF(High Frequency)値を算出する。ここで、自律神経とは、交感神経と副交感神経とに分けられる。一般に、LF値は被験者の交感神経の働きを示す指標であり、HF値は被験者の副交感神経の働きを示す指標であるとされている。
生体情報データは、生体情報取得装置120から生体情報解析装置130に随時入力されるものであってもよいし、生体情報取得装置120にて一定期間の生体情報データを取得した後に、まとめて生体情報解析装置130に入力されるものであってもよい。
生体情報解析装置130では、生体情報データからLF値やHF値を得るために周波数解析が行われる。周波数解析(時間周波数解析)の手法は公知の解析手法を利用可能であり、例えば、最大エントロピー法(MEM法)、高速フーリエ変換法(FFT法)、ウェーブレット法等が挙げられる。これらの中でも、最大エントロピー法を用いるのが好ましい。最大エントロピー法によれば、時間分解能の高い解析を行うことができる。用いられる生体情報データは、心拍(心電図)のR−R間隔(心拍のパターン)や、加速度脈波のa−a間隔である。例えば、心拍(心電図)のR−R間隔を最大エントロピー法(MEM)を用いて周波数領域の低周波数成分(LF:0.04−0.15Hz)と高周波数成分(HF:0.15−0.40Hz)に分離し、低周波数成分及び高周波数成分のパワーの総和をそれぞれLF値及びHF値として算出する。
具体的には、LF値とHF値は、例えば、以下の式により算出することができる。
LF(t)はLF値、HF(t)はHF値、P(f)はパワースペクトル関数、C(t)は心拍(心電図)のR−R間隔の自己相関関数、tは時間、fは周波数を示す。数3に示すとおり、数式上P(f)は全時間領域で積分するものとしているが、実際は、観測領域で積分すれば足りる。
ここで、LF値やHF値の上限及び下限とした周波数は欧州心電図学会で定義されているなど一般に広く使われている数値であるが、LF値及びHF値を分離するための周波数帯はこれに限定されるものではなく、他の周波数帯によってLF値とHF値を定義付けてもよい。また、測定誤差等が許容されることは言うまでもない。なお、市販の自律神経測定器を、生体情報取得装置120及び生体情報解析装置130として利用してもよい。
判定装置140は、生体情報解析装置130で得られた被験者のLF値及びHF値を取得して被験者の疲労状態を判定する装置である。判定方法については後述する。
出力装置150は、判定装置140によって判定された被験者の疲労状態を出力するための装置である。出力される情報としては、判定結果をレポート形式で出力してもよいし、評価結果に加えて、被験者のLF値及びHF値、LF/HF値等を出力するようにしてもよい。出力装置150としては、ディスプレイなどの表示出力装置やプリンタなどの印刷出力装置を利用可能である。
図1の例では、入力装置110と、生体情報取得装置120と、生体情報解析装置130と、判定装置140と、出力装置150とが別々に図示されているが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態では、入力装置110と、生体情報取得装置120と、生体情報解析装置130と、判定装置140と、出力装置150とが一つの装置として構成されていてもよい。
ここで、発明者らは、多数の被験者を対象に、最初に、被験者が安静かつ閉眼した状態(以下、「閉眼状態」と言う。)での自律神経機能に関する指標を測定し、次に、被験者が安静かつ開眼した状態(以下、「開眼状態」と言う。)での自律神経機能に関する指標を測定した。その結果、被験者が安静かつ開眼した状態(以下、「開眼状態」と言う。)で測定した自律神経機能に関する指標と、被験者が安静かつ閉眼した状態(以下、「閉眼状態」と言う。)で測定した自律神経機能に関する指標との間の変化量が、被験者の疲労状態によって変化することを発見した。
判定装置140は、上記の実験により発見された事実を利用することで被験者の疲労状態を判定する。具体的には、判定装置140は、被験者の閉眼状態における自律神経機能に関する指標(第1指標)と、被験者の開眼状態における自律神経機能に関する指標(第2指標)とを取得し、当該指標の変化量(Δ)に基づいて、被験者の疲労状態を判定する。
被験者の疲労状態の判定に使用する自律神経機能に関する指標には、「LF値」、自律神経機能のバランスを示す指標である「LF/HF値」、又は、LF/HF値の対数である「log(LF/HF)値」等を利用することができる。なお、LF/HF値は、LF値をHF値で除算することで算出される値である。
(機能ブロック構成)
次に、判定装置140における機能ブロック構成について説明する。図1に示すように、判定装置140は、取得部11と、判定部12と、算出部13とを有する。取得部11と、判定部12と、算出部13とは、判定装置140が備えるCPU10が、メモリ等の記憶装置20に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
取得部11は、被験者の閉眼状態における自律神経機能に関する指標と、被験者の開眼状態における自律神経機能に関する指標とを取得する機能を有する。取得部11は、自律神経機能に関する指標を生体情報解析装置130から直接取得するようにしてもよいし、算出部13から取得するようにしてもよい。取得部11が取得する自律神経機能に関する指標は、最初に閉眼状態で測定され、次に開眼状態で測定された自律神経機能に関する指標であってもよい。
判定部12は、被験者の開眼状態における自律神経機能に関する指標(第2指標)と、被験者の閉眼状態における自律神経機能に関する指標(第1指標)との間の変化量に基づいて、被験者の疲労状態を判定する機能を有する。
算出部13は、生体情報解析装置130で算出された被験者のLF値及びHF値を用いて、自律神経機能に関する各種の指標を算出する機能を有する。具体的には、算出部13は、例えば、「LF/HF値」、{HF+LF}値等の算出を行う。
(実験結果)
次に、健常者165名を被験者として、開眼状態及び閉眼状態の両方で自律神経機能の測定を行い、開眼状態と閉眼状態とで自律神経活動がどのように変化するのかを測定した結果を示す。なお、健常者165名の中には、疲労状態にある健常者と疲労状態ではない健常者とが混在している。
図2は、閉眼状態及び開眼状態における測定結果の変化を示す図である。図2の測定結果は、健常者165名の測定結果を平均化した値を示している。図2(a)は、心拍数の変化を示している。図2(b)は、HF値の対数であるLog(HF)値の変化を示している。図2(c)は、LF値の対数であるLog(LF)値の変化を示している。図2(d)は、{HF+LF}値の対数であるLog(HF+LF)値の変化を示している。ここで、{HF+LF}値は、自律神経機能全体の働きを示す指標であり、LF値とHF値とを加算することで算出される値である。図2(e)は、LF/HF値の対数であるLog(LF/HF)値の変化を示している。図2において、Log(HF)、Log(LF)及びLog(LF/HF)の測定値に関する有意確率(p値)は、0.05未満であった。
実験の結果、心拍数及び自律神経全体の働きを示すLog(HF+LF)については、閉眼状態と開眼状態とで変化は無いことが判明した。一方、開眼状態では、閉眼状態と比較して、副交感神経の働きを表すLog(HF)は低下し、交感神経の働きを表すLog(LF)は上昇することが判明した。また、自律神経機能のバランス(交感神経と副交感神経のバランス)を示すLog(LF/HF)は、閉眼状態と比較して開眼状態のときに明らかに上昇することが判明した。
この変化は、開眼時には光刺激により脳の活性化が引き起こされるためと考えられる。そこで、開眼時と閉眼時における変化を光刺激に伴う自律神経活動の変化を図る指標として用いることとし、更に、健常者である被験者の疲労状態や抑うつ状態との関係を調査した。なお、被験者の疲労状態の把握は、疲労問診票、CESD質問紙(抑うつ得点)、チャルダー疲労質問票(国際疲労質問紙)、ピッツバーグ質問票(睡眠評価)、生活状況に関する質問票、全身症状に関する医学的指標であるPS(Performance Status)、VAS(ビジュアル・アナログ・スケール)を用いた各種自覚症状調査等の問診票を用いて行った。また、ライフ顕微鏡を用いた睡眠・覚醒リズムの解析を用いて、被験者の客観的な疲労状態の把握を行った。
図3〜図5は、被験者の疲労状態と自律神経機能の変化との関係を示す図である。
図3(a)は、被験者の精神的疲労とLog(LF/HF)との関係を示す。グラフの縦軸は精神的疲労の度合いを示しており、上にいくほど精神的疲労の度合が大きいことを示す。グラフの横軸は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF/HF)の変化量(具体的には「開眼状態のLog(LF/HF)−閉眼状態のLog(LF/HF)」であり以下の説明でも同様)を示している。図3(a)によれば、精神的疲労度が高い被験者ほど自律神経機能のバランスが大きく変化していることがわかる。
図3(b)は、被験者の身体的疲労とLog(LF/HF)との関係を示す。グラフの縦軸は身体的疲労の度合いを示しており、上にいくほど身体的疲労の度合が大きいことを示す。グラフの横軸は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF/HF)の変化量を示している。図3(b)によれば、身体的疲労度が高い被験者ほど自律神経機能のバランスが大きく変化していることがわかる。
図4(a)は、被験者のCESDとLog(LF/HF)との関係を示す。CESD(CES−D)とは、米国国立精神保健研究所が作成した、うつ状態の度合いを得点で示すものであり、0〜60点で評価され、点数が高いほど抑うつ状態が強いと評価される。グラフの縦軸はCESDの得点を示しており、上にいくほど抑うつ状態が強いことを示す。グラフの横軸は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF/HF)の変化量を示している。図4(a)によれば、精神的疲労度が高い被験者ほど自律神経機能のバランスが大きく変化していることがわかる。
図4(b)は、被験者の総合疲労とLog(LF/HF)との関係を示す。グラフの縦軸は総合疲労の度合いを示しており、上にいくほど総合疲労の度合が大きいことを示す。グラフの横軸は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF/HF)の変化量を示している。図4(b)によれば、精神的疲労と身体的疲労の両方又はいずれかの疲労度が高い被験者ほど自律神経機能のバランスが大きく変化していることがわかる。
図5(a)は、被験者の精神的疲労とLog(LF)との関係を示す。グラフの横軸は精神的疲労の度合いを示しており、上にいくほど精神的疲労の度合が大きいことを示す。グラフの縦軸は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF)の変化量(具体的には「開眼状態のLog(LF)−閉眼状態のLog(LF)」であり以下の説明でも同様)を示している。図5(a)によれば、精神的疲労が高い被験者ほど交感神経の反応が大きく変化していることがわかる。
図5(b)は、被験者のPSQIGとLog(LF/HF)との関係を示す。PSQIGとは、睡眠障害の度合いを示す指標であり、点数が高いほど睡眠障害が強いと判断される。グラフの縦軸はPSQIGの得点を示しており、上にいくほど睡眠障害が強いことを示す。グラフの横軸は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF/HF)の変化量を示している。図5(b)によれば、睡眠障害が高い被験者(すなわち精神疲労の可能性が高い)ほど自律神経機能のバランスが大きく変化していることがわかる。
次に、健常者165名を、CESDが15点以下であり抑うつ状態ではない群「正常群(94名)」と、CESDが16点以上であり抑うつ状態が疑われる群「抑うつ群(71名)」とに分類し、開眼状態と閉眼状態における自律神経機能の変化を測定した。
図6は、自律神経機能の変化を被験者群ごとに示す図である。図6(a)は、正常群及び抑うつ群のLog(LF)の変化量の関係を示す。グラフの縦軸はLog(LF)の変化量を示している。図6(b)は、正常群及び抑うつ群のLog(HF)の変化量の関係を示す。グラフの縦軸はLog(HF)の変化量(具体的には「開眼状態のLog(HF)−閉眼状態のLog(HF)」)を示している。図6(c)は、正常群及び抑うつ群のLog(LF/HF)の変化量の関係を示す。グラフの縦軸はLog(LF/HF)の変化量を示している。
図6(a)によれば、抑うつ群のLog(LF)値の変化量は、正常群のLog(LF)値の変化量よりも有意に大きいことが判明した。さらに、図6(c)によれば、抑うつ群のLog(LF/HF)値の変化量は、正常群のLog(LF/HF)値の変化量よりも有意に大きい傾向があることが判明した。一方、図6(b)に示すように、正常群及び抑うつ群におけるLog(HF)値の変化量は少なかった。
図6より、健常者であってもCESDが16点以上であり抑うつ状態が疑われる場合、開眼状態における交感神経の過活動が認められることから、閉眼状態及び開眼状態の両方で自律神経機能の評価を行うことが、健常者の抑うつ状態の有無を判断するメンタルヘルス障害の診断に活用できることを示唆していると言える。
(処理手順)
図7は、本実施形態に係る疲労評価システム100が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。図7の例では、自律神経機能に関する指標としてLog(LF/HF)値を用いる場合を例に説明するが、前述したように、自律神経機能に関する指標としてはLog(LF/HF)値に代えてLF値又はLF/HF値を用いることも可能である。
まず、判定装置140の取得部11は、被験者の閉眼状態及び開眼状態それぞれについてのLF値及びHF値を、生体情報解析装置130から取得する(S11)。続いて、判定装置140の算出部13は、閉眼状態のLF値及びHF値から、閉眼状態のLog(LF/HF)値を算出すると共に、開眼状態のLF値及びHF値から、開眼状態のLog(LF/HF)値を算出する(S12)。続いて、判定装置140の判定部12は、開眼状態と閉眼状態におけるLog(LF/HF)値の変化量が所定の閾値を超えているか否かを判定する(S13)。より具体的には、判定部12は、「開眼状態のLog(LF/HF)−閉眼状態のLog(LF/HF)値 > 所定の閾値」の式を満たすか否かを判定する。
所定の閾値を超えている(又は所定の閾値以上である)場合(S13−Yes)、判定部12は、被験者が身体的に疲労している状態(身体的疲労状態)又は精神的に疲労している状態(精神的疲労状態)にあると判定する(S14)。なお、精神的に疲労している状態とは「被験者は健常者であるが抑うつ状態にあること」を意味する。一方、所定の閾値以下である(又は所定の閾値未満である)場合(S13−No)、判定部12は、被験者は身体的にも精神的にも疲労していない状態である(身体的疲労状態及び精神的疲労状態ではない)と判定する(S15)。続いて、出力装置150は、判定装置140により判定された結果を画面又はプリンタ等に出力する(S16)。
(変形例)
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
例えば、判定装置140は、被験者の開眼状態と閉眼状態における自律神経機能を測定することで被験者の疲労状態を判定するようにした。このことは、光刺激に対する自律神経活動の変化を評価することで、被験者の疲労状態を判定することと同義である。しかしながら、このような自律神経活動の変化は、光刺激に限定されず、音刺激、痛み刺激など、他の簡便な物理的刺激や、化学物質などを伴う化学的刺激、運動などの身体的負荷、メンタルタスクなどの精神的刺激などの負荷を与えた場合にも生じ得る。
そこで、判定装置140は、開眼状態及び閉眼状態のみならず、被験者に所定の刺激を与える前後における自律神経機能の変化を評価することで、被験者の疲労状態を判定するようにしてもよい。従って、以上説明した実施形態において、「開眼状態」及び「閉眼状態」を、それぞれ「被験者に刺激を与えた状態」及び「被験者に刺激を与えない状態」に置き換えることとしてもよい。すなわち、判定装置140は、被験者に刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標と、被験者に刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標とに基づいて、被験者の疲労状態を判定するようにしてもよい。
また、上述した実験結果では、被験者の身体的疲労が高いほどHF値の変化量が低下する傾向があることも判明している。そのため、判定装置140は、被験者の開眼状態におけるHF(又はLog(HF)と被験者の閉眼状態におけるHF(又はLog(HF))との変化量が所定の閾値未満(開眼状態のHF(又はLog(HF)−閉眼時のHF(又はLog(HF) < 所定の閾値)である場合に、被験者が身体的に疲労している状態(身体的疲労状態)であると判定するようにしてもよい。
また、自律神経機能に関する指標としては、今回用いた心拍変動解析(周波数分析)のほかに、トーン-エンテロピー法(Tone-Entropy analysis)による評価があるが、この評価法を用いて自律神経機能評価を実施しても良い。
10…CPU、11…取得部、12…判定部、13…算出部、20…記憶装置、100…疲労評価システム、110…入力装置、120…生体情報取得装置、130…生体情報解析装置、140…判定装置、150…出力装置

Claims (7)

  1. 被験者の疲労状態を判定する疲労判定装置であって、
    前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得する取得部と、
    前記第2指標と前記第1指標との間の変化量に基づいて、前記被験者の疲労状態を判定する判定部と、
    を有する疲労判定装置。
  2. 前記第1指標及び前記第2指標は、前記被験者の交感神経の働きを示す指標であるLF値又は前記LF値を対数に変換したLog(LF)値である、
    請求項1に記載の疲労判定装置。
  3. 前記取得部は、交感神経の働きを示す指標であるLF値と副交感神経の働きを示す指標であるHF値とについて、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えない状態で測定された第1LF値と、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えない状態で測定された第1HF値と、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えた状態で測定された第2LF値と、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えた状態で測定された第2HF値とを取得し、
    前記第1指標は、前記第1LF値を前記第1HF値で除算することで算出される第1LF/HF値、又は、前記第1LF/HF値を対数に変換した第1Log(LF/HF)値であり、
    前記第2指標は、前記第2LF値を前記第2HF値で除算することで算出される第2LF/HF値、又は、該第2LF/HF値を対数に変換した第2Log(LF/HF)値である、
    請求項1記載の疲労判定装置。
  4. 前記判定部は、前記第2指標と前記第1指標との間の変化量が所定の閾値を超える場合、前記被験者は身体的疲労状態又は精神的疲労状態にあると判定し、前記変化量が所定の閾値以下である場合、前記被験者は身体的疲労状態及び精神的疲労状態ではないと判定する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の疲労判定装置。
  5. 前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激は、光刺激、音刺激又は痛み刺激である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の疲労判定装置。
  6. 被験者の疲労状態を判定する疲労判定装置が行う疲労判定方法であって、
    前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得するステップと、
    前記第2指標と前記第1指標との間の変化量に基づいて、前記被験者の疲労状態を判定するステップと、
    を有する疲労判定方法。
  7. コンピュータに、
    被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えない状態で測定された自律神経機能に関する指標である第1指標と、前記被験者に対して疲労を誘発させない刺激を与えた状態で測定された自律神経機能に関する指標である第2指標とを取得するステップと、
    前記第2指標と前記第1指標との間の変化量に基づいて、前記被験者の疲労状態を判定するステップと、
    を実行させるプログラム。
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