以下に、本願に係る広告配信管理システム、広告配信管理方法、及び振分プログラムを実現するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る広告配信管理システム、広告配信管理方法、及び振分プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する記載は省略される。
〔1.広告配信管理処理〕
まず、実施形態に係る広告配信管理処理について説明する。図1は、実施形態に係る広告配信管理処理の一例を示す図である。なお、以下においては、広告媒体の一例としてウェブページを説明するが、広告媒体は、ウェブページ以外の広告媒体であってもよい。例えば、広告媒体は、ゲームアプリケーション、書籍閲覧アプリケーション、音楽配信アプリケーション、動画配信アプリケーションによって表示される媒体などであってもよい。
図1に示すように、実施形態に係る広告配信管理システム1は、複数の端末装置10A、10Bと、ウェブサーバ20と、管理サーバ100と、複数の振分サーバ200A、200Bと、複数の広告配信装置AN1、AN2とを有し、これらの装置は、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。以下では、端末装置10A、10Bについて、特に区別なく説明する場合には、端末装置10と記載し、振分サーバ200A、200Bについて、特に区別なく説明する場合には、振分サーバ200と記載する。なお、図1に示した広告配信管理システム1には、3つ以上の端末装置10、複数の管理サーバ100、3つ以上の振分サーバ200、3つ以上の広告配信装置が含まれてもよい。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、ブラウザアプリケーション(以下、ブラウザと記載する)がインストールされている。図1においては、端末装置10がスマートフォンである場合を例示する。なお、端末装置10は、例えば、タブレット型端末や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
ウェブサーバ20は、広告枠が設定された複数のウェブページを記憶している。ウェブサーバ20は、端末装置10のブラウザからのアクセスがあると、端末装置10によって指定されたURL(Uniform Resource Locator)に対応するウェブページを提供する。
端末装置10のブラウザは、ウェブサーバ20からウェブページを受信すると、ウェブページに設定された広告枠に対応する広告リクエスト(以下、単に「リクエスト」と称する場合がある)を振分サーバ200へ送信する。リクエストは、広告枠に表示する広告コンテンツの配信要求であり、例えば、端末装置10のユーザUの識別情報(以下、ユーザIDと記載する)や広告枠の識別情報(以下、広告枠IDと記載する)を含む。ユーザIDは、例えば、HTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、クッキーと記載する)である。かかるクッキーには、ユーザID以外に端末装置10を所有するユーザの年齢、性別などのユーザ情報を含んでもよい。例えば、端末装置10Aから振分サーバ200へ送信されるクッキーには、ユーザU1の年齢、性別などのユーザ情報を含んでもよく、端末装置10Bから振分サーバ200へ送信されるクッキーには、ユーザU2の年齢、性別などのユーザ情報を含んでもよい。
振分サーバ200は、広告リクエストに対応する広告コンテンツを広告配信装置AN1、AN2のいずれかから配信させる。広告配信装置AN1、AN2は、広告の配信元であり、例えば所定のアドネットワークである。広告配信装置AN1、AN2は、振分サーバ200からの広告配信の要求があった場合、広告配信を行う。例えば、振分サーバ200は、媒体社により管理および運用される。また、例えば、広告配信装置AN1、AN2は、各々の広告配信業者により管理および運用される。
管理サーバ100は、振分サーバ200を管理する情報処理装置である。例えば、管理サーバ100は、所定の期間(以下、「第1期間」と称する場合がある)内において複数の配信元である広告配信装置AN1、AN2のうち所定の配信元に行わせる広告配信の計画に関する配信計画情報を、各振分サーバ200に送信する。以下に示す例においては、管理サーバ100は、広告配信装置AN2に行わせる広告配信の計画に関する配信計画情報を、各振分サーバ200に送信する。なお、配信計画情報の詳細については後述する。また、例えば、管理サーバ100は、媒体社により管理および運用される。例えば、管理サーバ100及び振分サーバ200は、同じ媒体社により管理および運用され、SSP(Supply-Side Platform)等と称される場合がある。以下、図1の例を基に広告配信管理処理について説明する。
図1に示すように、管理サーバ100は、振分サーバ200に配信計画情報を送信する(ステップS1)。例えば、管理サーバ100は、広告配信装置AN2にリクエストに対する広告配信を行わせるかを決定するための閾値や第1期間内に広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数等の情報を含む配信計画情報を振分サーバ200に送信する。また、図1に示す例において、配信計画情報は、配信スケジュール、例えば第1期間内における所定の時刻において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数の情報を含む。管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた振分サーバ200は、配信計画情報に含まれる閾値と、受け付けたリクエストについて算出した第2評価値とに基づいて、リクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。なお、第2評価値は、受け付けたリクエストに対して各広告配信装置により広告が配信された場合に想定される広告の評価値(以下、「第1評価値」とする)に基づいて算出されるが、詳細は後述する。なお、以下では、振分サーバ200がリクエストに対して広告配信を行う配信元を決定する処理を、振分処理と称する場合がある。
図1に示すように、ウェブサーバ20は、端末装置10Aから送信されたページ要求(ステップS2)を受け付けると、ページ要求に応じたウェブページ11を端末装置10Aへ送信する(ステップS3)。例えば、ウェブサーバ20は、複数のウェブページ11を記憶しており、ウェブページ11には広告枠12が設定される。
ウェブサーバ20から広告枠12を含むウェブページ11を受信した場合、端末装置10Aは、広告リクエストを振分サーバ200Bへ送信する(ステップS4)。例えば、広告リクエストは、ウェブページ11に設定された広告枠12に表示する広告コンテンツの配信要求である。なお、端末装置10からの広告リクエストの送信先である振分サーバ200は、所定の基準により適宜決定される。
端末装置10Aから広告リクエストを受け付けた場合、振分サーバ200Bは、広告配信装置AN1、AN2から広告配信の要求先を決定し、受け付けた広告リクエストに対して広告配信を行う配信元を決定する。具体的には、振分サーバ200Bは、配信計画情報に含まれる閾値と、受け付けた広告リクエストについて算出した第2評価値とに基づいて広告リクエストに対して広告配信を行う配信元を決定する。広告の配信元を決定した後、振分サーバ200Bは、広告配信の要求先として決定された配信元に対して広告の配信要求を送信する(ステップS5)。図1に示す例においては、振分サーバ200Bは、広告配信の要求先として決定された広告配信装置AN2に対して広告の配信要求を送信する。
振分サーバ200Bから広告の配信要求を受け付けた広告配信装置AN2は、端末装置10Aへ配信する広告コンテンツを抽出し、振分サーバ200Bへ送信する(ステップS6)。広告配信装置AN2から広告コンテンツを受け付けた振分サーバ200Bは、端末装置10Aへ広告配信装置AN2から受け付けた広告コンテンツを送信する(ステップS7)。その後、端末装置10Aは、振分サーバ200Bから送信された広告コンテンツを広告枠12に表示する。なお、広告配信装置AN2は、振分サーバ200Bを経由せずに、端末装置10Aへ直接広告コンテンツを送信してもよい。
管理サーバ100から受け付けた配信計画情報に基づいて振分処理を開始した時点(以下、「開始時点」と称する場合がある)から第1期間よりも短い期間(以下、「第2期間」と称する場合がある)が経過した後、各振分サーバ200は、各振分サーバ200が受け付けたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新する。具体的には、振分サーバ200Aは、開始時点から第2期間が経過した後、振分サーバ200Aが受け付けたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新する(ステップS8)。また、振分サーバ200Bは、開始時点から第2期間が経過した後、振分サーバ200Bが受け付けたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新する(ステップS9)。ここに、振分サーバ200A、200Bは、各振分サーバ200が受け付けたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値が変動する。例えば、ステップS8及びS9における閾値更新により、振分サーバ200A、200Bは、異なる値の閾値に基づいて振分処理を行う。
図1に示すように、ウェブサーバ20は、端末装置10Bから送信されたページ要求(ステップS10)を受け付けると、ページ要求に応じたウェブページ11を端末装置10Bへ送信する(ステップS11)。ウェブサーバ20から広告枠12を含むウェブページ11を受信した場合、端末装置10Bは、広告リクエストを振分サーバ200Bへ送信する(ステップS12)。
端末装置10Bから広告リクエストを受け付けた場合、振分サーバ200Bは、広告配信装置AN1、AN2から広告配信の要求先を決定し、受け付けた広告リクエストに対して広告配信を行う配信元を決定する。広告の配信元を決定した後、振分サーバ200Bは、広告配信の要求先として決定された配信元に対して広告の配信要求を送信する(ステップS13)。図1に示す例においては、振分サーバ200Bは、広告配信の要求先として決定された広告配信装置AN1に対して広告の配信要求を送信する。
振分サーバ200Bから広告の配信要求を受け付けた広告配信装置AN1は、端末装置10Bへ配信する広告コンテンツを抽出し、振分サーバ200Bへ送信する(ステップS14)。広告配信装置AN1から広告コンテンツを受け付けた振分サーバ200Bは、端末装置10Bへ広告配信装置AN1から受け付けた広告コンテンツを送信する(ステップS15)。その後、端末装置10Bは、振分サーバ200Bから送信された広告コンテンツを広告枠12に表示する。なお、広告配信装置AN1は、振分サーバ200Bを経由せずに、端末装置10Bへ直接広告コンテンツを送信してもよい。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1は、通信負荷を抑制することができる。具体的には、広告配信管理システム1において、複数の振分サーバ200は、管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた後、各々自律して配信処理を行う。例えば、各振分サーバ200は、各々が受け付けたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新し、振分処理を行う。すなわち、各振分サーバ200は、開始時点から第1期間が経過するまでの間、管理サーバ100との間において通信を行うことなく、振分処理を行うことが可能となる。したがって、広告配信管理システム1は、管理サーバ100と各振分サーバ200との間の通信負荷を抑制することができる。また、各振分サーバ200は、各自の進捗に応じて閾値を変動させて振分処理を行うため、管理サーバ100と各振分サーバ200との間で通信を行うことなく、開始時点から第1期間が経過するまでの間、広告の配信元を適切に選択することができる。
なお、上記例においては、管理サーバ100がステップS1において振分サーバ200に配信計画情報を送信する場合を示したが、管理サーバ100は、異なるタイミングで振分サーバ200A、200Bに配信計画情報を送信してもよい。また、管理サーバ100がステップS1において振分サーバ200に配信計画情報を送信する場合を示したが、管理サーバ100は、各振分サーバ200の処理能力や受け付けるリクエストの分布等に応じて異なる内容の配信計画情報を振分サーバ200A、200Bに送信してもよい。また、振分サーバ200は、開始時点から第2期間が経過した時点からさらに第2期間が経過した後、振分サーバ200が受け付けたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新してもよい。振分サーバ200は、開始時点から第1期間が経過するまでの間、複数回閾値を更新してもよい。また、第2期間は、更新回数に応じて変動してもよい。また、第2期間は、各振分サーバ200で異なってもよい。
〔2.管理サーバの構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る管理サーバ100の構成について説明する。図2は、実施形態に係る管理サーバ100の構成例を示す図である。図2に示すように、管理サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、管理サーバ100は、管理サーバ100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。かかる通信部110は、図示しない所定のネットワークと有線または無線で接続される。そして、通信部110は、図示しない所定のネットワークを介して、振分サーバ200等との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図2に示すように、リクエスト情報記憶部121と、配信元情報記憶部122とを有する。
(リクエスト情報記憶部121)
実施形態に係るリクエスト情報記憶部121は、リクエストに関する情報を記憶する。例えば、リクエスト情報記憶部121は、リクエストの履歴に関する情報を記憶する。例えば、リクエスト情報記憶部121は、各振分サーバ200から取得したリクエストの履歴に関する情報を記憶する。図3は、実施形態に係るリクエスト情報記憶部の一例を示す図である。図3に示すように、リクエスト情報記憶部121は、リクエストに関する情報として、「リクエストID」、「第1評価値(推定eCPM)」・・・といった項目を有する。
「リクエストID」は、リクエストを識別するための識別情報を示す。また、「第1評価値(推定eCPM)」は、各リクエストIDにより識別されるリクエストに対応する推定eCPMを示す。具体的には、「第1評価値(推定eCPM)」は、広告配信装置AN1、AN2の各々のリクエストに対応する第1評価値(推定eCPM)を示す。例えば、「第1評価値(推定eCPM)」の単位は「円」である。
例えば、図3に示す例においては、リクエストID「R1」により識別されるリクエストは、広告配信装置AN1により広告が配信された場合に想定される第1評価値が「40」であり、広告配信装置AN2により広告が配信された場合に想定される第1評価値が「25」である。例えば、リクエスト情報記憶部121に記憶されたリクエスト情報に基づいて、図5や図6等に示す分布が生成される。
なお、リクエスト情報記憶部121は、目的に応じて種々のリクエストに関する情報を記憶してもよい。例えば、リクエスト情報記憶部121は、「第2評価値」等の項目を有してもよい。また、リクエスト情報記憶部121は、各リクエストを受け付けた日時に関する情報を記憶してもよい。
(配信元情報記憶部122)
実施形態に係る配信元情報記憶部122は、広告の配信元に関する情報を記憶する。例えば、配信元情報記憶部122は、配信元に関する情報として配信元の配信条件に関する情報を記憶する。図4は、実施形態に係る配信元情報記憶部の一例を示す図である。図4に示すように、配信元情報記憶部122は、配信元に関する情報として、「配信元ID」、「条件」、「内容」、・・・といった項目を有する。
「配信元ID」は、広告の配信元を識別するための識別情報を示す。また、「条件」は、各配信元における配信条件の有無を示す。また、「内容」は、各配信元における配信条件の内容を示す。
例えば、図4に示す例においては、配信元ID「AN1」により識別される広告配信装置(広告配信装置AN1)は、広告配信に関する条件が「無」である。また、配信元ID「AN2」により識別される広告配信装置(広告配信装置AN2)は、広告配信に関する条件が「有」であり、その内容が「予算」に関する条件である。
なお、配信元情報記憶部122は、目的に応じて種々の配信元に関する情報を記憶してもよい。例えば、配信元情報記憶部122は、「予算の金額」や「契約インプレッション数」等の項目を有してもよい。
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、管理サーバ100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、生成部132と、送信部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131)
取得部131は、各振分サーバ200から配信実績情報を取得する。配信実績情報の詳細については、後述する。また、取得部131は、広告の配信元に関する情報を受け付けてもよい。例えば、取得部131は、広告配信装置AN1、AN2から広告の配信元に関する情報を受け付けてもよい。また、取得部131は、リクエストの履歴に関する情報を受け付けてもよい。例えば、取得部131は、各振分サーバ200からリクエストの履歴に関する情報を取得してもよい。
(生成部132)
生成部132は、リクエスト情報記憶部121に記憶されたリクエストに関する情報や配信元情報記憶部122に記憶された広告の配信元に関する情報に基づいて、配信計画情報を生成する。例えば、生成部132は、リクエスト情報記憶部121に記憶された推定eCPMを第1評価値として、配信計画情報を生成する。ここで、第1評価値は、目的に応じて適宜選択可能であり、eCPMに限らず、広告に関する評価指標に関する値であれば、どのような評価指標に関する値であってもよい。広告に関する評価指標は、eCPMの他にも、例えば、CTR、CPC(Cost Per Click)、CVR(Conversion Rate)などであってもよく、第1評価値は、CTR、CPC、CVR等の推定値であってもよい。
以下では、図5〜図9を用いて、配信計画情報の生成について説明する。以下に示す例においては、広告配信装置AN2が広告配信に関する条件が付された配信元(以下、「条件付配信元」とする場合がある)である場合を示す。例えば、広告配信装置AN2は、予算の制約や契約したインプレッション数(リクエスト数)の制約等によりインプレッション数(リクエスト数)を制限する条件が付される。
また、以下では、リクエストに対して各配信元が広告を配信した場合に想定される広告指標の値を第1評価値とし、条件付配信元に関する第1評価値を他の配信元に関する第1評価値で相対化した値を第2評価値として説明する。図5は、実施形態に係る第1評価値に基づくリクエストの分布の一例を示す図である。図6は、実施形態に係る第2評価値に基づくリクエストの分布の一例を示す図である。図7は、実施形態に係る配信スケジュールの一例を示す図である。図8は、実施形態に係る個別配信スケジュールの一例を示す図である。図9は、実施形態に係る第2評価値に基づくリクエストの分布の一例を示す図である。また、以下では、図1に示す例と同様に、2つの振分サーバ200A、200Bが振分処理を行う場合を例に説明する。
例えば、図5は、第1期間に対応する所定の期間(例えば1日)におけるリクエストの履歴に関する第1評価値の分布を示す。図5中に示す各点が、履歴に含まれるリクエストに対応する。ここで、図5に示す例においては、リクエストの第1評価値をeCPMの推定値とした場合を示す。ここに、図5に示す例においては、eCPMを広告の評価指標とした場合を示す。具体的には、図5において、X軸は広告配信装置AN1のeCPMが対応し、Y軸は広告配信装置AN2のeCPMが対応する。例えば、図5は、ベクトル平面を示す。例えば、リクエストの履歴中のリクエストRQ10に対して、広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値は、x10であり、リクエストの履歴中のリクエストRQ10に対して、広告配信装置AN2が広告を配信した場合おけるeCPMの推定値は、y10であることを示す。なお、第1評価値の推定については後述する。
ここで、図2中の基準線CR11は、以下の数式(1)により表現される。
Y = X ・・・ (1)
ここに、図5に示す例において、基準線CR11よりも上側にある点に対応するリクエストは、広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値よりも、広告配信装置AN2が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値の方が大きい。すなわち、基準線CR11よりも上側にある点に対応するリクエストは、広告配信装置AN2の広告コンテンツを配信したほうが、広告配信装置AN1の広告コンテンツを配信するよりも高い広告効果が得られると想定される。すなわち、基準線CR11よりも上側にある点に対応するリクエストは、広告配信装置AN2の広告コンテンツを配信すべきリクエストである。
また、図5に示す例において、基準線CR11よりも下側にある点に対応するリクエストは、広告配信装置AN2が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値よりも、広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値の方が大きい。すなわち、基準線CR11よりも下側にある点に対応するリクエストは、広告配信装置AN1の広告コンテンツを配信したほうが、広告配信装置AN2の広告コンテンツを配信するよりも高い広告効果が得られると想定される。すなわち、基準線CR11よりも下側にある点に対応するリクエストは、広告配信装置AN1の広告コンテンツを配信すべきリクエストである。上述したように、広告配信装置AN2は、予算の制約等によりインプレッション数(リクエスト数)を制限する条件が付される。広告配信装置AN2は、第1期間に広告配信できるリクエスト数が制限される。つまり、広告配信装置AN2は、条件付配信元である。そのため、広告配信管理システム1は、例えば、基準線CR11よりも上側にある点に対応する全てのリクエストに対して、広告配信装置AN2の広告コンテンツを配信することができない。
生成部132は、第2評価値を算出するための所定の評価ベクトルRC11を生成する。図5に示す例において、評価ベクトルRC11は、基準線CR11に垂直なベクトルである。例えば、評価ベクトルRC11は、基準線CR11に垂直であってY軸から45°傾き、原点OからY軸の正の向きに延びる単位ベクトルである。
ここに、原点Oからリクエストに対応する点までの距離をL、原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルと評価ベクトルRC11の成す角の角度をθとした場合、第2評価値EVは、以下の数式(2)により算出される。なお、評価ベクトルRC11の向きや長さは、条件や目的に応じて適宜設定されてもよい。
EV = L×cosθ ・・・ (2)
このように、生成部132は、リクエストの質を決定する評価ベクトルRC11を設定し、各リクエストの位置(L,θ)と評価ベクトルRC11によって算出される第2評価値EVに基づいて、条件付配信元である広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストを決定する。具体的には、管理サーバ100は、第2評価値EVの大きいリクエストに対して広告配信装置AN2に広告を配信させる。
ここで、第2評価値EVと広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数に基づく、閾値の設定について説明する。図6は、リクエストの履歴に関する第2評価値の分布を示す。なお、図6は、図5に示すリクエストの履歴と同様のリクエストの履歴に関する第2評価値の分布を示す。
図6の横軸は第2評価値EVを示し、縦軸は対応する第2評価値EVのリクエスト数を示す。ここに、分布曲線TR10と横軸とにより囲まれる領域が履歴に含まれる全リクエスト数に対応する。ここで、広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数は、広告配信装置AN2に付された条件、例えば予算等により導出される。
ここに、生成部132は、広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数に基づいて、閾値TH11を決定する。具体的には、生成部132は、分布曲線TR10と横軸と分布曲線TR10から閾値TH11に対応する位置に引かれた垂線TL11とにより囲まれ、第2評価値EVが大きい側の領域AR10に含まれるリクエスト数S10が、広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数となるように、閾値TH11を決定する。例えば、生成部132は、領域AR10に含まれるリクエスト数S10が、広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数となるように、閾値TH11を決定する。
また、図6中に示す領域AR10は、図5中に示す領域AR10に対応する。そのため、図5〜図9に示す例においては、生成部132は、図5中の左上に位置するリクエストに対して広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるような配信計画情報を生成することとなる。
また、生成部132は、配信スケジュールを生成する。例えば、生成部132は、閾値TH11やリクエスト数S10に基づいて、配信スケジュールを生成する。具体的には、生成部132は、開始時点から第1期間が経過した時刻における広告配信装置AN2へのリクエスト数がリクエスト数S10になるように、配信スケジュールを生成する。また、例えば、生成部132は、広告配信装置AN2に関する情報を含む配信元情報記憶部122に記憶された広告の配信元に関する情報に基づいて、配信スケジュールを生成する。なお、生成部132は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を用いて配信スケジュールを生成してもよい。
例えば、生成部132は、図7に示すような配信スケジュール(以下、「全体配信スケジュール」と称する場合がある)を生成する。具体的には、生成部132は、第1期間においてリクエストに対して広告配信装置AN2に広告配信を行わせる配信スケジュールを生成する。図7の横軸は開始時点を0とした場合の時刻を示し、縦軸は各時刻における広告配信装置AN2へのリクエストの開始時点からの累積数を示す。すなわち、時刻0〜時刻t11までの期間が、第1期間に対応する。図7に示す例は、開始時点において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数を抑え、第1期間の中間において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数を増やして、第1期間の終了付近において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数を抑えるような配信スケジュールとなる。
例えば、図7に示す例において、第1期間を1日として開始時点を朝6時とした場合、配信スケジュールは、朝は広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数を抑え、昼から夜において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数を増やして、深夜〜早朝において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数を抑えることを示す。
また、生成部132は、配信スケジュールを生成する。例えば、生成部132は、広告配信装置AN2に関する情報を含む配信元情報記憶部122に記憶された広告の配信元に関する情報に基づいて、配信スケジュールを生成する。また、例えば、生成部132は、閾値TH11やリクエスト数S10に基づいて、配信スケジュールを生成する。なお、生成部132は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を用いて配信スケジュールを生成してもよい。
また、生成部132は、生成した全体配信スケジュールに基づいて、各振分サーバ200に対応する配信スケジュール(「個別配信スケジュール」と称する場合がある)を生成する。例えば、生成部132は、図8に示すような個別配信スケジュールを生成する。図8の横軸は開始時点を0とした場合の時刻を示し、縦軸は各時刻における広告配信装置AN2へのリクエストの開始時点からの累積数を示す。すなわち、時刻0〜時刻t11までの期間が、第1期間に対応する。
例えば、生成部132は、2つの振分サーバ200A、200Bに対して同様の配信スケジュールを生成する。図5〜図9に示す例において、振分サーバ200は2つである。つまり、図8に示す個別配信スケジュールは、図7に示す各時刻における広告配信装置AN2へのリクエストの開始時点からの累積数に0.5を乗算したものに対応する。例えば、図8中の時刻t11における広告配信装置AN2へのリクエストの開始時点からの累積数を示すリクエスト数S11は、図7中の時刻t11における広告配信装置AN2へのリクエストの開始時点からの累積数を示すリクエスト数S10の二分の一である。このように、生成部132は、開始時点から第1期間が経過した時刻における広告配信装置AN2へのリクエスト数がリクエスト数S11になるように、個別配信スケジュールを生成する。
また、生成部132は、各振分サーバ200に対応するリクエストの履歴に関する第2評価値の分布の情報を生成する。例えば、生成部132は、図6に示すリクエストの履歴に関する第2評価値の分布に基づいて、図9に示すリクエストの履歴に関する第2評価値の分布の情報を生成する。
図9の横軸は第2評価値EVを示し、縦軸は対応する第2評価値EVのリクエスト数を示す。つまり、図9に示すリクエストの履歴に関する第2評価値の分布は、図6に示す第2評価値に対応する広告配信装置AN2へのリクエスト数に0.5を乗算したものに対応する。ここに、分布曲線TR11と横軸とにより囲まれる領域が履歴に含まれる全リクエスト数は、各振分サーバ200が第1期間において受け付けるリクエスト数に対応する。また、分布曲線TR11と横軸と分布曲線TR11から閾値TH11に対応する位置に引かれた垂線とにより囲まれ、第2評価値EVが大きい側の領域AR11に含まれるリクエスト数S11は、図8に示すリクエスト数S11に対応する。このように、生成部132は、例えば、1日等の一定期間の配信予定のリクエスト数(インプレッション数)と、時系列的なリクエスト分布等を基にして、各振分サーバ200で配信するリクエスト数(インプレッション数)の計画を生成する。例えば、生成部132は、各振分サーバ200が、0時台のインプレッション数を1億、1時台のインプレッション数を7000万等とする個別配信スケジュールを生成する。
(送信部133)
送信部133は、生成部132により生成された配信計画情報を、各振分サーバ200に送信する。例えば、送信部133は、所定の期間内において所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数に関する情報を含む配信計画情報を各振分サーバ200に送信する。例えば、送信部133は、広告配信装置AN2にリクエストに対する広告配信を行わせるかを決定するための閾値や第1期間内に広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数等の情報を含む配信計画情報を振分サーバ200に送信する。また、例えば、送信部133は、配信スケジュール、例えば第1期間内における所定の時刻において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数の情報を含む配信計画情報を振分サーバ200に送信する。また、例えば、送信部133は、評価ベクトルRC11に関する情報を含む配信計画情報を振分サーバ200に送信する。また、例えば、送信部133は、各振分サーバ200に対応するリクエストの履歴に関する第2評価値の分布の情報を含む配信計画情報を各振分サーバ200に送信する。送信部133は、各振分サーバ200に配信計画情報や閾値を含む配信スケジュールを所定の頻度(例えば1日1回)で送信する。
〔3.振分サーバの構成〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る振分サーバ200の構成について説明する。図10は、実施形態に係る振分サーバの構成例を示す図である。図10に示すように、振分サーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、振分サーバ200は、振分サーバ200の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部210)
通信部210は、例えば、NICによって実現される。かかる通信部210は、図示しない所定のネットワークと有線または無線で接続される。そして、通信部210は、図示しない所定のネットワークを介して、端末装置10、管理サーバ100、広告配信装置AN1、AN2との間で情報の送受信を行う。
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部220は、図10に示すように、リクエスト情報記憶部221と、配信計画情報記憶部222とを有する。
(リクエスト情報記憶部221)
実施形態に係るリクエスト情報記憶部221は、リクエストに関する情報を記憶する。例えば、リクエスト情報記憶部221は、リクエストの履歴に関する情報を記憶する。図11は、実施形態に係るリクエスト情報記憶部の一例を示す図である。図11に示すように、リクエスト情報記憶部221は、リクエストに関する情報として、「リクエストID」、「第1評価値(推定eCPM)」、「配信元」・・・といった項目を有する。
「リクエストID」は、リクエストを識別するための識別情報を示す。また、「第1評価値(推定eCPM)」は、各リクエストIDにより識別されるリクエストに対応する推定eCPMを示す。具体的には、「第1評価値(推定eCPM)」は、広告配信装置AN1、AN2の各々のリクエストに対応する第1評価値(推定eCPM)を示す。例えば、「第1評価値(推定eCPM)」の単位は「円」である。また、「配信元」は、各リクエストIDにより識別されるリクエストに対して広告配信を行った配信元を示す。
例えば、図11に示す例においては、リクエストID「R11」により識別されるリクエストは、広告配信装置AN1により広告が配信された場合に想定される第1評価値が「10」であり、広告配信装置AN2により広告が配信された場合に想定される第1評価値が「30」である。リクエストID「R11」により識別されるリクエストは、広告配信装置AN2により広告が配信されたことを示す。
なお、リクエスト情報記憶部221は、目的に応じて種々のリクエストに関する情報を記憶してもよい。例えば、リクエスト情報記憶部221は、「第2評価値」等の項目を有してもよい。また、リクエスト情報記憶部221は、各リクエストを受け付けた日時に関する情報を記憶してもよい。また、振分サーバ200は、後述するフィードバック処理を行わない場合、リクエスト情報記憶部221を有さなくてもよい。
(配信計画情報記憶部222)
実施形態に係る配信計画情報記憶部222は、配信計画に関する情報を記憶する。例えば、配信計画情報記憶部222は、配信計画に関する情報として管理サーバ100から受け付けた配信計画情報を記憶する。図12は、実施形態に係る配信計画情報記憶部の一例を示す図である。図12に示すように、配信計画情報記憶部222は、配信計画に関する情報として、「配信元ID」、「リクエスト数」、「期間」、「閾値」、「評価ベクトル」・・・といった項目を有する。
「配信元ID」は、広告の配信元を識別するための識別情報を示す。また、「リクエスト数」は、配信元IDにより識別される配信元に広告配信を行わせるリクエスト数を示す。また、「期間」は、配信元IDにより識別される配信元に広告配信を行わせる期間を示す。また、「閾値」は、配信元IDにより識別される配信元に広告配信を行わせるかの基準となる閾値を示す。また、「評価ベクトル」は、配信元IDにより識別される配信元に広告配信を行わせるかに用いる第2評価値の算出に用いる評価ベクトルを示す。
例えば、図12に示す例においては、配信元ID「AN2」により識別される広告配信装置(広告配信装置AN2)に広告配信を行わせるリクエスト数は、リクエスト数S11であり、その期間は、時刻0から時刻t11までの第1期間であることを示す。なお、図12に示す例では、期間として第1期間が終了する時刻t11を記憶したが、第1期間の長さ(例えば、1日等)を記憶したり、第1時間の開始時刻と終了時刻とを記憶したりてもよい。また、広告配信装置AN2に広告配信を行わせるかの基準となる閾値は閾値TH11であり、第2評価値の算出に用いる評価ベクトルは評価ベクトルRC11であることを示す。
なお、配信計画情報記憶部222は、目的に応じて種々の配信元に関する情報を記憶してもよい。例えば、配信計画情報記憶部222は、閾値に関する情報や評価ベクトルRC11に関する情報や振分サーバ200に対応するリクエストの履歴に関する第2評価値の分布の情報を記憶してもよい。
(制御部230)
図10の説明に戻って、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、振分サーバ200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(振分プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図10に示すように、制御部230は、受付部231と、推定部232と、決定部233と、情報送信部234と、更新部235とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図10に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(受付部231)
受付部231は、広告配信を要求するリクエストを受け付ける。例えば、受付部231は、端末装置10から広告枠に表示する広告コンテンツの配信要求であるリクエストを受け付ける。また、例えば、受付部231は、端末装置10Aから端末装置10Aを所有するユーザU1のユーザIDやユーザU1の年齢、性別などのユーザ情報を含むリクエストを受け付ける。具体的には、受付部231は、端末装置10Aから広告枠に表示する広告コンテンツの配信要求であるリクエストとして、ユーザU1の年齢、性別などのユーザ情報を含むHTTPクッキーを受け付ける。また、受付部231は、広告配信装置AN1、AN2から端末装置10へ送信する広告コンテンツを受け付ける。例えば、受付部231は、リクエストに対する広告の配信元として決定された広告配信装置AN1、AN2から、端末装置10へ送信する広告コンテンツを受け付ける。
また、受付部231は、管理サーバ100から配信計画情報を受け付ける。例えば、受付部231は、広告配信装置AN2にリクエストに対する広告配信を行わせるかを決定するための閾値や第1期間内に広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数等の情報を含む配信計画情報を管理サーバ100から受け付ける。また、例えば、受付部231は、配信スケジュール、例えば第1期間内における所定の時刻において広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数の情報を含む配信計画情報を管理サーバ100から受け付ける。また、例えば、受付部231は、評価ベクトルRC11に関する情報を含む配信計画情報を管理サーバ100から受け付ける。また、例えば、受付部231は、各振分サーバ200に対応するリクエストの履歴に関する第2評価値の分布の情報を含む配信計画情報を管理サーバ100から受け付ける。例えば、受付部231は、所定の期間内において所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数に関する情報を含む配信計画情報を管理サーバ100から受け付ける。
(推定部232)
推定部232は、配信元によって端末装置10からのリクエストに対して配信されることが想定される広告の評価値である第1評価値を推定する。例えば、推定部232は、第1評価値としてeCPMの値を推定する。なお、第1評価値は、目的に応じて適宜選択可能であり、eCPMに限らず、広告に関する評価指標に関する値であれば、どのような評価指標に関する値であってもよい。広告に関する評価指標は、eCPMの他にも、例えば、CTR、CPC、CVRなどであってもよく、第1評価値は、CTR、CPC、CVR等の推定値であってもよい。
例えば、推定部232は、端末装置10からのリクエストに対して広告配信装置AN1、AN2が配信すると想定される広告の第1評価値を推定する。例えば、推定部232は、受付部231により受け付けられた端末装置10Aを所有するユーザU1のユーザ情報に基づいて、リクエストに対して広告配信装置AN1、AN2が配信すると想定される広告の第1評価値を推定する。また、推定部232は、種々の従来技術を適宜用いて、配信元によって端末装置10からのリクエストに対して配信されることが想定される広告の第1評価値を推定してもよい。
推定部232は、例えば、第1評価値をeCPMの推定値とする場合、広告配信装置AN1、AN2毎にCTRの推定値とCPCの推定値とを求め、CTRの推定値とCPCの推定値とを掛け合わせて広告配信装置AN1、AN2毎の第1評価値を求める。ここで、CTRの推定値は、リクエストに対するCTRの推定値である。推定部232は、広告枠の広告コンテンツへのクリックを従属変数とし、上述したユーザUの属性情報や広告枠の情報を独立変数(説明変数)として、例えば、SVM(Support Vector Machine)とシグモイドフィッティングによりCTRの推定値を求める。また、推定部232は、例えば、ロジスティック回帰分析によりCTRの推定値を求めることもできる。
また、CPCの推定値は、リクエストに対するCPCの推定値である。推定部232は、広告リクエストに対する配信候補の広告コンテンツの配信単価(例えば、CPCやCPA(Cost Per Action))を従属変数とし、上述したユーザUの属性情報や広告枠の情報を独立変数(説明変数)として、例えば、重回帰分析またはポアソン回帰分析によりCPCの推定値を求める。推定部232は、上述のように求めたCTRの推定値とCPCの推定値とにより、第1評価値であるeCPMの推定値を求める。
なお、振分サーバ200として、予め設定された第1評価値、例えばCPCなどを用いる場合、推定部232を有さなくてもよい。
(決定部233)
決定部233は、リクエストに対して各配信元により広告が配信された場合に想定される広告の評価値である第1評価値に基づいて算出される値である第2評価値の閾値と、配信計画情報から得られる閾値とに応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。例えば、決定部233は、広告配信に関する条件が付された配信元である条件付配信元を含む複数の配信元によってリクエストに対して配信されることが想定される第1評価値のうち、条件付配信元に関する第1評価値と他の配信元に関する第1評価値とに基づいて算出した第2評価値に応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。また、決定部233は、2つの配信元に関する第1評価値に対応する評価指標を軸とする場合において、リクエストに対応するベクトルと、所定の評価ベクトルとに基づいて算出される第2評価値に応じて、2つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。例えば、決定部233は、条件付配信元に関する第1評価値に対応する軸に対して所定の傾きを有する評価ベクトルに基づいて算出される第2評価値に応じて、2つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
(情報送信部234)
情報送信部234は、決定部233によりリクエストに対する広告の配信元として決定された配信元に広告コンテンツの配信要求を送信する。例えば、情報送信部234は、リクエストに対する広告の配信元として決定された広告配信装置AN2に広告コンテンツの配信要求を送信する。また、情報送信部234は、広告の配信元から受け付けた広告コンテンツを端末装置10へ送信する。例えば、情報送信部234は、広告配信装置AN2から受け付けた広告コンテンツを端末装置10Aへ送信する。また、情報送信部234は、リクエスト情報記憶部221に記憶されたリクエストに関する情報を管理サーバ100へ送信してもよい。
ここで、受付部231がリクエストRQ11を受け付けた場合を図13及び図14を例に説明する。図13は、実施形態に係る第2評価値の算出の一例を示す図である。図14は、実施形態に係る閾値と第2評価値との関係の一例を示す図である。図13中の評価ベクトルRC11は、図5中の評価ベクトルRC11に対応する。また、図14中の分布曲線TR11や閾値TH11は、図9中の分布曲線TR11や閾値TH11に対応する。
推定部232は、リクエストRQ11に対して広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値と、リクエストRQ11に対して広告配信装置AN2が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値とを推定する。
図13に示すように、原点OからリクエストRQ11に対応する点までの距離はL11であり、原点OからリクエストRQ11に対応する点に延びるベクトルVC11と評価ベクトルRC11の成す角の角度をθ1とした場合、評価値EV11は、上記の数式(2)に基づいて以下の数式(3)より算出される。
EV11 = L11×cosθ1 ・・・ (3)
上記の数式(3)により算出された評価値EV11は、閾値TH11よりも大きい。つまり、図14においてリクエストRQ11は領域AR11内に含まれる。したがって、決定部233は、リクエストRQ11を広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストと決定する。また、決定部233は、評価値が閾値TH11未満であった場合、リクエストを広告配信装置AN1に広告を配信させるリクエストと決定する。このように、決定部233は、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
広告の配信元を決定した後、情報送信部234は、広告配信の要求先として決定された配信元に対して広告の配信要求を送信する。
決定部233は、条件付配信元に関する第1評価値を他の配信元に関する第1評価値で相対化した第2評価値に応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。具体的には、決定部233は、他の配信元よりも広告配信数に関連する制約が強い条件付配信元に関する第1評価値を、条件に基づいて他の配信元に関する第1評価値で相対化した第2評価値に応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。図13及び図14に示す例において、決定部233は、第2評価値EVを算出するために、所定の評価ベクトルRC11を用いる。この場合、第2評価値EVは、上記の数式(2)により算出される。上記の数式(2)により算出される第2評価値EVは、例えば原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルを評価ベクトルRC11に正射影したベクトルの長さになる。
また、図13及び図14に示す例において、受付部231によりリクエストRQ11を受け付けられた場合、決定部233は、上記の数式(3)に基づいて第2評価値EV11を算出する。上記の数式(3)により算出された第2評価値EV11は、閾値TH11よりも大きい。つまり、図14においてリクエストRQ11は領域AR11内に含まれる。したがって、決定部233は、リクエストRQ11を広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストと決定する。また、決定部233は、第2評価値が閾値TH11未満であった場合、リクエストを広告配信装置AN1に広告を配信させるリクエストと決定する。このように、決定部233は、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
(更新部235)
更新部235は、各振分サーバ200が受け付けたリクエストに対する所定の配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新する。例えば、更新部235は、受付部231により受け付けられたリクエストに対する広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新する。例えば、更新部235は、配信計画情報に含まれるリクエスト数に関する情報と、広告配信装置AN2に広告配信を行わせたリクエスト数とに基づいて閾値を更新する。例えば、更新部235は、閾値の更新時において広告配信装置AN2に広告配信を行わせたリクエスト数が、配信計画情報において対応するリクエスト数よりも少ない場合、所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数が多くなるように閾値を更新する。また、例えば、更新部235は、閾値の更新時において広告配信装置AN2に広告配信を行わせたリクエスト数が、配信計画情報において対応するリクエスト数よりも多い場合、所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数が少なくなるように閾値を更新する。なお、所定の配信元による広告配信の進捗とは、所定の配信元に対応する広告配信の実績と予定とに基づく、予定された広告配信のスケジュールと実際に行われた広告配信との関係を言う。
まず、図15及び図16を用いて、閾値を高くする場合について説明する。図15は、実施形態に係る個別配信スケジュールと配信実績との関係の一例を示す図である。図16は、実施形態に係る更新された閾値と第2評価値との関係の一例を示す図である。図15及び図16に示す例は、振分サーバ200Aにおける閾値の更新の例を示す。例えば、図15に示す時刻0〜時刻t1までの期間が第2期間に対応する。
図15に示す例では、時刻0から第2期間が経過した時刻t1における配信実績AP11が配信予定PR11よりも大きい。つまり、振分サーバ200Aは、時刻t1において予定されたリクエスト数よりも多くの広告配信を広告配信装置AN2に行わせたこととなる。この場合、振分サーバ200Aの更新部235は、広告配信装置AN2の広告が配信されにくくなるように閾値を調整する。具体的には、図16に示すように、振分サーバ200Aの更新部235は、閾値TH11を閾値TH21(>閾値TH11)へ更新する。これにより、振分サーバ200Aは、時刻t1以降において、時刻t1以前と比べて広告配信装置AN2に広告配信を行わせにくくなる。これにより、振分サーバ200Aの配信実績は、配信スケジュールに近づく。なお、振分サーバ200Aは、時刻t1以後時刻t11よりも以前の時刻t2においても閾値を更新してもよい。このように、振分サーバ200は、振分処理の開始時点または閾値の更新時点から第2期間以内において閾値の更新を繰り返し行ってもよい。
次に、図17及び図18を用いて、閾値を低くする場合について説明する。図17は、実施形態に係る個別配信スケジュールと配信実績との関係の一例を示す図である。図18は、実施形態に係る更新された閾値と第2評価値との関係の一例を示す図である。図17及び図18に示す例は、振分サーバ200Bにおける閾値の更新の例を示す。例えば、図17に示す時刻0〜時刻t1までの期間が第2期間に対応する。
図17に示す例では、時刻0から第2期間が経過した時刻t1における配信実績AP10が配信予定PR11よりも小さい。つまり、振分サーバ200Bは、時刻t1において予定されたリクエスト数よりも少ない広告配信を広告配信装置AN2に行わせたこととなる。この場合、振分サーバ200Bの更新部235は、広告配信装置AN2の広告が配信されやすくなるように閾値を調整する。具体的には、図18に示すように、振分サーバ200Bの更新部235は、閾値TH11を閾値TH31(<閾値TH11)へ更新する。これにより、振分サーバ200Bは、時刻t1以降において、時刻t1以前と比べて広告配信装置AN2に広告配信を行わせやすくなる。これにより、振分サーバ200Bの配信実績は、配信スケジュールに近づく。
上述した図15〜図18に示す例においては、時刻t1以降において、振分サーバ200Aの閾値と振分サーバ200Bの閾値とは異なる値となる。具体的には、時刻t1以降において、振分サーバ200Aの閾値は閾値TH21となり、振分サーバ200Bの閾値は閾値TH31となる。このように、広告配信管理システム1においては、各振分サーバ200が、自身の配信実績に基づいて、配信スケジュールに近づくように閾値を更新する。
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る広告配信管理システム1は、上記実施形態以外にも様々な異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の広告配信管理システム1の他の実施形態について説明する。
〔4−1.フィードバック処理〕
広告配信管理システム1においては、管理サーバ100は、各振分サーバ200から取得した配信実績情報に基づいて、配信計画情報を生成してもよい。この点について、図19を用いて説明する。
図19に示す例において、振分処理の開始時点から第1期間が経過した場合、振分サーバ200Aは、配信実績情報を管理サーバ100へ送信する(ステップS16)。例えば、図15に示す例において、第1期間が経過した後、すなわち時刻t11に達した場合、振分サーバ200Aは、時刻0〜時刻t11までに行った振分処理に関する情報を配信実績情報として管理サーバ100に送信する。例えば、振分サーバ200Aは、リクエスト情報記憶部221に記憶されたリクエストに関する情報を配信実績情報として管理サーバ100に送信する。
また、図19に示す例において、振分処理の開始時点から第1期間が経過した場合、振分サーバ200Bは、配信実績情報を管理サーバ100へ送信する(ステップS17)。例えば、図17に示す例において、第1期間が経過した後、すなわち時刻t11に達した場合、振分サーバ200Bは、時刻0〜時刻t11までに行った振分処理に関する情報を配信実績情報として管理サーバ100に送信する。例えば、振分サーバ200Bは、リクエスト情報記憶部221に記憶されたリクエストに関する情報を配信実績情報として管理サーバ100に送信する。
各振分サーバ200から配信実績情報を取得した管理サーバ100は、取得した配信実績情報を反映する(ステップS18)。例えば、管理サーバ100は、取得した配信実績情報をリクエスト情報記憶部121に記憶してもよい。その後、管理サーバ100は、例えば、ステップS18で取得した配信実績情報に基づいて、配信計画情報を生成する。その後、管理サーバ100は、振分サーバ200に配信計画情報を送信する(ステップS19)。例えば、管理サーバ100は、1日1回各振分サーバ200の配信実績情報を受信して、配信予定との差分を考慮して次(翌日)の広告配信数を含む配信スケジュールを決定する。これにより、管理サーバ100は、より適切な配信計画情報に配信計画情報を更新することができる。また、管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた振分サーバ200は、更新された配信計画情報を用いることにより、広告の配信元を適切に選択することができる。例えば、管理サーバ100は、広告配信装置AN2にリクエストに対する広告配信を行わせるかを決定するための閾値や第1期間内に広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数等の情報を含む配信計画情報を振分サーバ200に送信する。例えば、管理サーバ100は、ステップS16及びステップS17において取得した配信実績情報に基づいて生成した配信計画情報を各振分サーバ200へ送信してもよい。
〔4−2.配信スケジュール及び閾値の更新〕
上記実施形態における配信スケジュール及び閾値の更新について、さらに詳述する。例えば、管理サーバ100は、各振分サーバ200が広告配信装置AN2に広告配信を行わせることができるリクエスト数をリクエスト数S11とした場合、所定の閾値TH11と時系列的なリクエストの分布等に基づいて、第1期間(例えば1日)の累積リクエストの配信スケジュールを生成する。例えば、管理サーバ100は、種々の従来技術を用いて適宜、累積リクエストの配信計画を作成する。また、管理サーバ100は、各振分サーバ200に配信スケジュールを含む配信計画情報を送信する。
また、上述のようにリクエストの分布は例えば過去の履歴等に基づく予測であり、閾値TH11に基づく配信計画通りに配信されていかない可能性がある。そのため、各振分サーバ200は、周期的に、配信予定PRと配信実績APに基づいて配信実績APを配信予定PRに近づけるため、閾値を更新して広告配信装置AN2の広告の配信されやすさを調整する。この点について、図20及び図21を用いて説明する。
図20は、変形例に係る個別配信スケジュールの一例を示す図である。図21は、変形例に係る閾値の変動の一例を示す図である。具体的には、図20及び図21に示す例では、振分サーバ200は、時刻t11において広告配信装置AN2へのリクエスト数がリクエスト数S11になるように、閾値を更新する。例えば、振分サーバ200は、以下の数式(4)により、閾値を更新する。
THnew = THold×F(AP/PR) ・・・ (4)
ここで、数式(4)中のTHoldは更新前の閾値を示し、THnewは更新後の閾値を示す。また、数式(4)中のAPは閾値更新時における配信実績数を示し、PRは閾値更新時における配信予定数を示す。また、数式(4)中のFは、所定の関数であってリクエストの分布や配信計画に応じて適宜設定される。例えば、管理サーバ100や振分サーバ200は、図21に示す例において、ある時刻tにおける、配信予定PRと配信実績APとの差の絶対値が等しい場合、分布曲線TR11と横軸と分布曲線TR11から閾値に対応する位置に引かれた垂線とにより囲まれ、第2評価値EVが大きい側の領域の面積の変化量の絶対値が同じになるように、関数Fを設定してもよい。なお、図21に示す第2評価値に基づくリクエストの分布が一様分布である場合、AP/PRを閾値THoldに乗算した値を新たな閾値THnewとしてもよい。
ここで、図20に示す例では、時刻t1における配信実績AP11が配信予定PR11よりも大きい。この場合、振分サーバ200は、広告配信装置AN2の広告が配信されにくくなるように閾値を調整する。具体的には、図21に示すように、振分サーバ200は、閾値TH11を閾値TH21(>閾値TH11)へ更新する。
また、図20に示す例では、時刻t2における配信実績AP12が配信予定PR12よりも小さい。この場合、振分サーバ200は、広告配信装置AN2の広告が配信されやすくなるように閾値を調整する。具体的には、図21に示すように、振分サーバ200は、閾値TH11を閾値TH31(<閾値TH11)へ更新する。このように、振分サーバ200は、広告配信装置AN2による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新することにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
なお、管理サーバ100は、所定の期間(年間、月間等)に決められたリクエスト数(インプレッション数)を考慮して、1日当たりのリクエスト数(インプレッション数)、例えばリクエスト数S11を決定してもよい。また、管理サーバ100は、1日の合計リクエスト数や1日の時間帯毎のリクエスト数の計画は、曜日や季節性を考慮して決定してもよい。また、管理サーバ100は、PC、スマホ等のデバイス別、または、広告掲載面(ソース)毎にリクエスト数の計画を決定してもよい。また、管理サーバ100は、スポーツや天災等により、急激にリクエストが急増減した場合、リクエストの急増減を検知して、リクエスト予定数、例えばリクエスト数S11を更新してもよい。
〔4−3.第2評価値〕
上記実施形態においては、振分サーバ200が第2評価値を算出するために所定の評価ベクトルを用いる例を示したが、振分サーバ200は、評価ベクトルを用いることなく第2評価値を算出してもよい。例えば、振分サーバ200は、2つの配信元に関する第1評価値の差により導出される値を第2評価値として用いてもよい。この場合、振分サーバ200は、2つの配信元に関する第1評価値の差により導出される第2評価値に基づいて、2つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。
例えば、振分サーバ200は、上述した例において、広告配信装置AN2の第1評価値である広告配信装置AN2が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値から、広告配信装置AN1の第1評価値である広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値を減算した値を第2評価値としてもよい。このように、振分サーバ200は、2つの配信元に関する第1評価値の差を第2評価値として用いることにより、広告の配信元を適切に選択することができる。なお、管理サーバ100や振分サーバ200は、2つの配信元の第1評価値の差に限らず、目的に応じて種々の算出手段を採用してもよい。例えば、管理サーバ100や振分サーバ200は、各配信元の第1評価値に異なる重み値を乗算した値の差を第2評価値として用いてもよい。この場合、管理サーバ100は、評価ベクトルを振分サーバ200に送信しなくてもよい。
〔4−4.評価ベクトル〕
管理サーバ100や振分サーバ200は、評価ベクトルRC11に限らず、目的に応じて適宜選択された評価ベクトルを用いてもよい。この点について、図22〜図25を用いて説明する。図22は、変形例に係る第1評価値に基づくリクエストの分布の一例を示す図である。図23は、変形例に係る第2評価値の算出の一例を示す図である。図24は、変形例に係る第2評価値に基づくリクエストの分布の一例を示す図である。図25は、変形例に係る第2評価値の算出の一例を示す図である。
例えば、図22は、第1期間(例えば1日)におけるリクエストの履歴に関する第1評価値の分布を示す。図22中に示す各点が、履歴に含まれるリクエストに対応する。ここで、図22に示す例においては、リクエストの第1評価値をeCPMの推定値とした場合を示す。ここに、図22に示す例においては、eCPMを広告の評価指標とした場合を示す。具体的には、図22において、X軸は広告配信装置AN1のeCPMが対応し、Y軸は広告配信装置AN2のeCPMが対応する。例えば、図22は、ベクトル平面を示す。
ここで、図22〜図24に示す例においては、広告配信装置AN2は、予算の制約等によりインプレッション数(リクエスト数)を制限する条件が付される。つまり、広告配信装置AN2は、条件付配信元である。そのため、振分サーバ200は、条件付配信元に関する第1評価値を他の配信元に関する第1評価値で相対化した第2評価値に基づいて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。図22〜図24に示す例においては、振分サーバ200は、第2評価値EVを算出するために、所定の評価ベクトルRC12を用いる。図23に示す例において、評価ベクトルRC12は、X軸に垂直なベクトルである。例えば、評価ベクトルRC12は、X軸に垂直であって原点OからY軸の正の向きに延びる単位ベクトルである。なお、評価ベクトルRC12の向きや長さは、条件や目的に応じて適宜設定されてもよい。
ここに、原点Oからリクエストに対応する点までの距離をL、原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルと評価ベクトルRC12の成す角の角度をθとした場合、第2評価値EVは、上記の数式(2)により算出される。
このように、振分サーバ200は、リクエストの質を決定する評価ベクトルRC12を設定し、各リクエストの位置(L,θ)と評価ベクトルRC12によって算出される第2評価値EVに基づいて、条件付配信元である広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストを決定する。具体的には、振分サーバ200は、第2評価値EVの大きいリクエストに対して広告配信装置AN2に広告を配信させる。
ここで、第2評価値EVと広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数に基づく、閾値の設定について説明する。図24は、リクエストの履歴に関する第2評価値の分布を示す。
図24の横軸は第2評価値EVを示し、縦軸は対応する第2評価値EVのリクエスト数を示す。ここに、分布曲線TR12と横軸とにより囲まれる領域が履歴に含まれる全リクエスト数に対応する。ここで、広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数は、広告配信装置AN2に付された条件、例えば予算等により導出される。ここに、管理サーバ100は、広告配信装置AN2が広告を配信できるリクエスト数に基づいて、閾値TH12を決定する。具体的には、管理サーバ100は、分布曲線TR12と横軸と分布曲線TR12から閾値TH12に対応する位置に引かれた垂線TL12とにより囲まれ、第2評価値EVが大きい側の領域AR121に含まれるリクエスト数が、各振分サーバ200が広告配信装置AN2に広告配信を行わせることができるリクエスト数となるように、閾値TH12を決定する。
ここで、振分サーバ200が、リクエストRQ12を受け付けた場合を例に説明する。管理サーバ100は、リクエストRQ12に対して広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値と、リクエストRQ12に対して広告配信装置AN2が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値とを推定する。
図23に示すように、原点OからリクエストRQ12に対応する点までの距離はL12であり、原点OからリクエストRQ12に対応する点に延びるベクトルVC12と評価ベクトルRC12の成す角の角度をθ2とした場合、第2評価値EV12は、上記の数式(2)に基づいて以下の数式(5)より算出される。
EV12 = L12×cosθ2 ・・・ (5)
上記の数式(5)により算出された第2評価値EV12は、閾値TH12よりも大きい。したがって、振分サーバ200は、リクエストRQ12を広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストと決定する。また、振分サーバ200は、第2評価値が閾値TH12未満であった場合、リクエストを広告配信装置AN1に広告を配信させるリクエストと決定する。そのため、図22〜図24に示す例においては、振分サーバ200は、図22中の上側に位置する領域AR12内のリクエスト、すなわち広告配信装置AN2のeCPMの推定値が大きいリクエストに対して広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させることとなる。このように、振分サーバ200は、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
また、図25に示す例においては、振分サーバ200は、第2評価値EVを算出するために、所定の評価ベクトルRC13を用いる。図25に示す例において、評価ベクトルRC13は、基準線CR11に重なる(沿う)ベクトルである。例えば、評価ベクトルRC13は、基準線CR11に重なりY軸から45°傾き、原点OからY軸の正の向きに延びる単位ベクトルである。ここで、図25中の基準線CR11は、上記の数式(1)により表現される。
ここに、原点Oからリクエストに対応する点までの距離をL、原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルと評価ベクトルRC13の成す角の角度をθとした場合、第2評価値EVは、下記の数式(6)により算出される。
EV = L×sinθ ・・・ (6)
このように、振分サーバ200は、各リクエストの位置(L,θ)と評価ベクトルRC13によって算出される第2評価値EVに基づいて、条件付配信元である広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストを決定する。具体的には、振分サーバ200は、第2評価値EVの大きいリクエストに対して広告配信装置AN2に広告を配信させる。なお、評価ベクトルRC13の向きや長さは、条件や目的に応じて適宜設定されてもよい。
ここで、振分サーバ200が、リクエストRQ13を受け付けた場合を例に説明する。振分サーバ200は、リクエストRQ13に対して広告配信装置AN1が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値と、リクエストRQ13に対して広告配信装置AN2が広告を配信した場合におけるeCPMの推定値とを推定する。
図25に示すように、原点OからリクエストRQ13に対応する点までの距離はL13であり、原点OからリクエストRQ13に対応する点に延びるベクトルVC13と評価ベクトルRC13の成す角の角度をθ3とした場合、第2評価値EV13は、上記の数式(6)に基づいて以下の数式(7)より算出される。
EV13 = L13×sinθ3 ・・・ (7)
上記の数式(7)により算出された第2評価値EV13が所定の閾値よりも大きい場合、振分サーバ200は、リクエストRQ13を広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストと決定する。また、振分サーバ200は、第2評価値EV13が所定の閾値未満であった場合、リクエストを広告配信装置AN1に広告を配信させるリクエストと決定する。このように、振分サーバ200は、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
〔4−5.複数(3つ以上)の配信元(N次元)〕
上記実施形態においては、広告配信管理システム1が2つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する例を示したが、広告配信管理システム1は、2つに限らず3つ以上の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。例えば、振分サーバ200は、各配信元に関する第1評価値に対応する評価指標を軸とする場合において、リクエストに対応するベクトルと、所定の評価ベクトルとに基づいて算出される第2評価値に応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。この点について、図26を用いて説明する。図26は、変形例に係る評価ベクトルの一例を示す図である。
図26に示す例においては、3つの配信元である広告配信装置AN1、AN2、AN3からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する場合を示す。図26において、X軸は広告配信装置AN1のeCPMが対応し、Y軸は広告配信装置AN2のeCPMが対応し、Z軸は広告配信装置AN3のeCPMが対応する。例えば、図26は、3次元のベクトル空間を示す。このように、3つ以上の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する場合、振分サーバ200は、多次元のベクトル空間に基づいてリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。
例えば、振分サーバ200は、条件付配信元に関する第1評価値に対応する軸に対して所定の傾きを有する評価ベクトルに基づいて算出される第2評価値に応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。図26に示すように、振分サーバ200は、例えば、所定の評価ベクトルRC14を用いる。評価ベクトルRC14は、その長さと、2つの角の角度θ、φにより示される。
図26に示す例において、評価ベクトルRC14は単位ベクトルであり、角度θは、評価ベクトルRC14とZ軸とがなす角度を示し、角度φは、評価ベクトルRC14をXY平面に正射影したベクトルとX軸とがなす角度を示す。この場合、振分サーバ200は、例えば原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルを評価ベクトルRC14に正射影したベクトルの長さrを、第2評価値EVとして算出する。振分サーバ200は、算出した第2評価値EVに基づいて、リクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。なお、評価ベクトルRC14の向きや長さは、条件や目的に応じて適宜設定されてもよい。
例えば、振分サーバ200は、算出した第2評価値EVに基づいて、Z軸に対応する広告配信装置AN3に広告配信を行わせるかを決定してもよい。また、振分サーバ200は、Z軸に対応する広告配信装置AN3以外、すなわち広告配信装置AN1、AN2に広告配信を行わせると決定した場合、評価ベクトルRC14をXY平面に正射影したベクトルを評価ベクトルとして用いてもよい。ここに、評価ベクトルRC14をXY平面に正射影したベクトルは、広告配信装置AN1、AN2のいずれに広告配信を行わせるかを決定するために用いられる評価ベクトルとなる。
例えば、振分サーバ200は、評価ベクトルRC14をXY平面に正射影したベクトルと原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルとに基づいて新たに算出された第2評価値EVに基づいて、広告配信装置AN1、AN2のいずれに広告配信を行わせるかを決定してもよい。なお、振分サーバ200は、条件付配信元に関する第1評価値に対応する軸に沿う評価ベクトルに基づいて算出される第2評価値に応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。また、振分サーバ200は、4つ以上の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する場合、評価ベクトルの角の角度をθ、φ・・・と増加させることにより、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。
また、振分サーバ200は、複数の評価ベクトルを用いて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。この場合、振分サーバ200は、例えば、2つの配信元に対応する複数の評価ベクトルを用いてもよい。また、振分サーバ200は、予め設定された複数の評価ベクトル間の優先順位に基づいて複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。例えば、振分サーバ200は、2つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する処理を繰り返し、最終的にリクエストに対する広告配信を行う配信元として決定された配信元に、リクエストに対する広告配信を行わせてもよい。
また、振分サーバ200は、例えば、特定の配信元に対する評価ベクトルを複数用いてもよい。例えば、振分サーバ200は、特定の配信元に対する評価ベクトルを用いて、その特定の配信元にリクエストに対する広告配信を行わせるかを決定してもよい。この場合、振分サーバ200は、評価ベクトルに対応する特定の配信元にリクエストに対する広告配信を行わせないと決定した場合、他の特定の配信元に対する評価ベクトルを用いて、処理を繰り返してもよい。そして、振分サーバ200は、特定の配信元に対する評価ベクトルを用いて、その特定の配信元にリクエストに対する広告配信を行わせることを決定した場合、配信元を決定する処理を終了してもよい。
また、例えば、振分サーバ200は、3つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する場合、原点Oからリクエストに対応する点までの距離をL、原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルと評価ベクトルとの間の2つの角の角度をθ、φとする。この場合、振分サーバ200は、リクエストの質を決定する評価ベクトルを設定し、各リクエストの位置(L,θ,φ)と評価ベクトルによって算出される第2評価値EVに基づいて、3つの配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。
また、振分サーバ200は、例えば、各リクエストの位置(L,θ,φ)が最も近接する軸に対応する配信元を広告配信を行う配信元として決定してもよい。なお、振分サーバ200は、4つ以上の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する場合、原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルと評価ベクトルとの間の角の角度をθ、φ・・・と増加させることにより、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。
〔4−6.条件付配信元と閾値〕
上述の変形例においては、振分サーバ200が条件付配信元である広告配信装置AN2の条件に基づいて閾値を更新することにより、広告配信装置AN2に広告を配信させるリクエストを決定する。以下では、条件付配信元が広告配信装置AN1である場合において、振分サーバ200が広告配信装置AN1の条件に基づいて閾値を更新することにより、広告配信装置AN2に広告を配信させるリクエストを決定してもよい。この点について、図27〜図29を用いて説明する。図27は、変形例に係る第1評価値に基づくリクエストの分布に基づく第2評価値の算出の一例を示す図である。図28は、変形例に係る個別配信スケジュールの一例を示す図である。図29は、変形例に係る閾値の変動の一例を示す図である。
例えば、図27は、所定の期間(例えば1日)におけるリクエストの履歴に関する第1評価値の分布を示す。図27中に示す各点が、履歴に含まれるリクエストに対応する。ここで、図27に示す例においては、リクエストの第1評価値をCTRの推定値とした場合を示す。ここに、図27に示す例においては、CTRを広告の評価指標とした場合を示す。具体的には、図27において、X軸は広告配信装置AN1のCTRが対応し、Y軸は広告配信装置AN2のCTRが対応する。例えば、図27は、ベクトル平面を示す。
ここで、図27〜図29に示す例においては、広告配信装置AN1は、インプレッション数(リクエスト数)に関する条件が付される。例えば、広告配信装置AN1は、所定の期間内に所定数のインプレッション数(リクエスト数)を満たす条件が付される。つまり、広告配信装置AN1は、条件付配信元である。ここで、広告配信装置AN2のクリック数を最大化、すなわちCTRを最大化したい場合、振分サーバ200は、条件付配信元に関する第1評価値を他の配信元に関する第1評価値で相対化した第2評価値に基づいて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
図27〜図29に示す例においては、振分サーバ200は、第2評価値EVを算出するために、所定の評価ベクトルRC15を用いる。図27に示す例において、評価ベクトルRC15は、X軸に垂直なベクトルである。例えば、評価ベクトルRC15は、X軸に垂直であって原点OからY軸の正の向きに延びる単位ベクトルである。
ここに、原点Oからリクエストに対応する点までの距離をL、原点Oからリクエストに対応する点に延びるベクトルと評価ベクトルRC15の成す角の角度をθとした場合、第2評価値EVは、上記の数式(2)により算出される。
このように、振分サーバ200は、リクエストの質を決定する評価ベクトルRC15を設定し、各リクエストの位置(L,θ)と評価ベクトルRC15によって算出される第2評価値EVに基づいて、条件付配信元である広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストを決定する。具体的には、振分サーバ200は、第2評価値EVの大きいリクエストに対して広告配信装置AN2に広告を配信させる。
例えば、図27に示す例において、原点OからリクエストRQ15に対応する点までの距離はL15であり、原点OからリクエストRQ15に対応する点に延びるベクトルVC15と評価ベクトルRC15の成す角の角度をθ5とした場合、第2評価値EV15は、上記の数式(2)に基づいて以下の数式(8)より算出される。
EV15 = L15×cosθ5 ・・・ (8)
上記の数式(8)により算出された第2評価値EV15が、閾値よりも大きい場合、振分サーバ200は、リクエストRQ15を広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させるリクエストと決定する。また、振分サーバ200は、第2評価値EV15が閾値未満であった場合、リクエストを広告配信装置AN1に広告を配信させるリクエストと決定する。そのため、図27〜図29に示す例においては、振分サーバ200は、図27中の上側に位置する領域AR15内のリクエスト、すなわち広告配信装置AN2のCTRの推定値が大きいリクエストに対して広告配信装置AN2に優先的に広告を配信させることとなる。このように、振分サーバ200は、条件付配信元の条件や他の配信元における戦略的な条件を総合して、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。なお、評価ベクトルRC15の向きや長さは、条件や目的に応じて適宜設定されてもよい。
また、管理サーバ100は、各振分サーバ200が広告配信装置AN1に広告配信を行なわせる必要があるリクエスト数(インプレッション数)をリクエスト数S21とした場合、所定の閾値TH15と時系列的なリクエストの分布等に基づいて、所定の期間(例えば1日)の累積リクエストの配信計画を作成する。例えば、管理サーバ100は、種々の従来技術を用いて適宜、累積リクエストの配信計画を作成する。
ここで、図29の横軸は第2評価値EVを示し、縦軸は対応する第2評価値EVのリクエスト数を示す。ここに、分布曲線TR15と横軸とにより囲まれる領域が履歴に含まれる全リクエスト数に対応する。また、図28及び図29に示す例では、振分サーバ200は、時刻t23において広告配信装置AN1へのリクエスト数がリクエスト数S21になるように、閾値を更新する。例えば、振分サーバ200は、上記の数式(4)により、閾値を更新する。
ここで、図28に示す例では、時刻t21における配信実績AP21が配信予定PR21よりも大きい。この場合、振分サーバ200は、広告配信装置AN1の広告が配信されにくくなるよう、言い換えると広告配信装置AN2の広告が配信されやすくなるように閾値を調整する。具体的には、図29に示すように、振分サーバ200は、閾値TH15を閾値TH35(<閾値TH15)へ更新する。
また、図28に示す例では、時刻t22における配信実績AP22が配信予定PR22よりも小さい。この場合、振分サーバ200は、広告配信装置AN1の広告が配信されやすくなるよう、言い換えると広告配信装置AN2の広告が配信されにくくなるように閾値を調整する。具体的には、図29に示すように、振分サーバ200は、閾値TH15を閾値TH25(>閾値TH15)へ更新する。このように、振分サーバ200は、条件付配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新することにより、条件付配信元の条件や他の配信元における戦略的な条件を総合して、広告の配信元を適切に選択することができる。
〔4−7.閾値の変動〕
なお、振分サーバ200は、配信スケジュールにおいて閾値の更新時以降に予定されるリクエスト数に基づいて、閾値を更新してもよい。例えば、振分サーバ200は、配信スケジュールにおいて閾値の更新時以降に予定されるリクエスト数に基づいて、閾値を変動させる割合を変化させてもよい。この点について、以下に説明する。以下に示す例においては、1時間おきに閾値を更新する、すなわち第2期間が1時間である場合に基づいて説明する。以下では、振分サーバ200が0時、1時、2時・・・と時間が変化する毎に閾値を更新する。以下では時間がn時に対応する時間帯をn時台と称する場合がある。
例えば、振分サーバ200は、以下の数式(9)に基づいて、n時台の閾値TH(n)を算出する。
TH(n)=THinitial×F((B(n)+S(n−1))/B(n)) ・・・(9)
上記の数式(9)において、初期閾値THinitialは、閾値THの初期値を示す。例えば、初期閾値THinitialは、管理サーバ100から送信された閾値THに対応する。また、数式(9)中のFは、所定の関数であってリクエストの分布や配信スケジュールに応じて適宜設定される。また、予定値B(n)は、n時台に所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数に対応する。例えば、予定値B(n)は、n時台に広告配信装置AN2に広告配信を行わせるリクエスト数に対応する。例えば、2時台に広告配信装置AN2に1000個のリクエストに対して広告配信を行わせる予定の場合、2時台の予定値B(2)=1000となる。
また、乖離値S(n)は、n時台までの配信実績と配信予定との差を示す。すなわち、乖離数S(n−1)は、n−1時台までの配信実績と配信予定との差を示す。例えば、乖離値S(n−1)は、振分処理開始時からn−1時台までの配信実績と配信予定との差を示す。この場合、乖離値S(n−1)は、n時台に用いる閾値TH(n)に閾値を更新する時点までの配信実績と配信予定との差となる。このように、上記の数式(9)を用いることにより、振分サーバ200は、閾値TH(n)に閾値を更新した以降の配信予定と、閾値TH(n)に閾値を更新する時点までの配信実績と配信予定との乖離とに基づいて、閾値を更新する。そのため、振分サーバ200は、配信実績と配信予定とを適切に反映した閾値を用いることができるため、より配信スケジュールに沿った広告配信を所定の配信元に広告配信を行わせることができる。
なお、振分サーバ200は、以下の数式(10)に基づいて、n時台の閾値TH(n)を算出してもよい。
TH(n)=THinitial×(B(n)+S(n−1))/B(n) ・・・(10)
上記の例では、初期閾値THinitialを用いたが、振分サーバ200は、更新された閾値を用いて、再帰的に閾値を更新してもよい。例えば、振分サーバ200は、以下の数式(11)に基づいて、n時台の閾値TH(n)を算出してもよい。
TH(n)=TH(n−1)×(B(n)+S(n−1))/B(n)・・・(11)
上記の数式(9)において、閾値TH(n−1)は、n−1時台の閾値、すなわち閾値TH(n)に更新する直前に用いた閾値である。これにより、振分サーバ200は、直前の閾値に基づいて、閾値を更新する。そのため、振分サーバ200は、配信実績と配信予定とを適切に反映した閾値を用いることができるため、より配信スケジュールに沿った広告配信を所定の配信元に広告配信を行わせることができる。なお、上記の数式(9)の初期閾値THinitialを閾値TH(n−1)に置き換えた数式を用いてもよい。
また、振分サーバ200は、日を跨いで乖離値S(n)を用いてもよい。例えば、振分サーバ200は、0時台に閾値を更新しTH(0)を算出する場合、前日の23時台までの配信実績と配信予定との差を示す乖離値S(23)を用いてもよい。この場合、各振分サーバ200は、初期閾値THinitialと1時間毎(n=0,1,2,…,23)の予定値B(n)があれば、自律して閾値を更新して振分処理を行うことができる。つまり、振分サーバ200は、1日1回、管理サーバ100で各各配信サーバの乖離値S(n)を集計する処理、すなわちフィードバック処理を行うことなく、振分サーバ200は、適切に閾値を更新して振分処理を行なうことができる。この場合、管理サーバ100や振分サーバ200は、例えば、第1期間を設定しなくてもよい。また、振分サーバ200は、上記の数式(11)のように、再帰的に更新された閾値を用いてもよい。
また、振分サーバ200は、配信予定よりも配信実績が大きくなり過ぎた場合、所定の配信元に広告配信を行わせることを停止してもよい。例えば、振分サーバ200は、乖離値S(n)が所定の値を超えた場合、所定の配信元に広告配信を行わせることを一時停止してもよい。具体的には、振分サーバ200は、乖離値S(n)が所定の値(例えば、1万等)を超えた場合、広告配信装置AN2に広告配信を行わせることを一時停止してもよい。また、振分サーバ200は、一時停止から所定の期間が経過した後、所定の配信元に広告配信を再開させてもよい。また、振分サーバ200は、一時停止から広告配信を再開させるまでの所定の期間を、乖離値S(n)に基づいて変動させてもよい。
また、振分サーバ200は、配信予定よりも配信実績が小さくなり過ぎた場合、所定の配信元以外の他の配信元に広告配信を行わせることを停止してもよい。例えば、振分サーバ200は、乖離値S(n)が所定の値未満になった場合、所定の配信元以外の他の配信元に広告配信を行わせることを一時停止してもよい。具体的には、振分サーバ200は、乖離値S(n)が所定の値(例えば、−1万等)未満になった場合、広告配信装置AN1に広告配信を行わせることを一時停止してもよい。なお、振分サーバ200は、上記の広告配信の一時停止の判定を行う場合、乖離値S(n)のみに限らず、目的に応じて種々の数値を用いてもよい。例えば、振分サーバ200は、S(n)/B(n+1)のように乖離値S(n)と予定値B(n+1)との相対値を用いてもよい。また、振分サーバ200は、一時停止から所定の期間が経過した後、一時停止させた配信元に広告配信を再開させてもよい。また、振分サーバ200は、一時停止から広告配信を再開させるまでの所定の期間を、乖離値S(n)に基づいて変動させてもよい。
振分サーバ200は、閾値THを更新できる最大値THmaxや最小値THminを設定してもよい。例えば、振分サーバ200は、上記の数式(9)〜(11)を用いて閾値TH(n)を算出した際に、閾値TH(n)が最大値THmaxを超えた場合、閾値TH(n)を最大値THmaxに設定してもよい。また、例えば、振分サーバ200は、上記の数式(9)〜(11)を用いて閾値TH(n)を算出した際に、閾値TH(n)が最小値THmin未満になった場合、閾値TH(n)を最小値THminに設定してもよい。これにより、振分サーバ200は、閾値の想定されない値に更新されることを抑制し、適切な値に閾値を更新する。そのため、振分サーバ200は、適切な範囲の値に設定された閾値を用いることができるため、より配信スケジュールに沿った広告配信を所定の配信元に広告配信を行わせることができる。
なお、第2期間に限らず、閾値の更新時から所定の期間(例えば、第1期間が終了するまでの期間)に予定されるリクエスト数に基づいて、閾値を変動させる割合を変化させてもよい。
〔4−8.配信元〕
上述した例においては、広告配信装置AN1と広告配信装置AN2とが別の配信元として用いられる場合を説明したが、広告配信管理システム1は、概念的に分割された複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定してもよい。例えば2つの配信元を1つの配信元とみなしたり、一の配信元と他の配信元の一部とを1つの配信元とみなしたりしてもよい。具体的には、広告配信装置AN2と、広告配信装置AN1と広告配信装置AN2とを混合させた2つの配信元に概念的に分割した場合、広告配信装置AN2のみにより広告配信が行われる数と、広告配信装置AN1と広告配信装置AN2とがランダムやRTB(Real-Time Bidding)等によって自由に配信される数との広告の出し分けに利用してもよい。この場合、例えば、ランダムやRTB等による配信を行う広告配信装置AN1と広告配信装置AN2の一部のトラフィックにリクエスト数の制約があり(条件付配信元に相当)、残りの広告配信装置AN2に第2評価値が高いトラフィックを割り当てたい(他の配信元に相当)といった場合も適用できる。
〔4−9.配信情報の表示〕
なお、広告配信管理システム1は、上述した種々の情報を提供する機能を有してもよい。例えば、広告配信管理システム1は、管理サーバ100や振分サーバ200による広告配信に関する配信情報を視覚的に提供する機能を有してもよい。この点について、図30〜図32を用いて以下説明する。なお、以下の例においては、管理サーバ100が管理サーバ100や振分サーバ200による広告配信に関する配信情報を表示する場合を例に説明する。
まず、図30を用いて、配信情報の非累積表示について説明する。図30は、変形例に係る配信情報の非累積表示の一例を示す図である。図30には、所定の振分サーバ200における広告配信装置AN1に対するリクエスト数の時系列的な変動を示す。ここで、図30に示す例において、予定曲線CL31は、所定の時間(例えば1時間)ごとに予定される広告配信装置AN1に対するリクエスト数、すなわち配信スケジュールを示す。また、図30に示す例において、実績曲線CL32は、所定の時間ごとに広告配信装置AN1に対するリクエスト数、すなわち配信実績を示す。
このように、管理サーバ100は、予定曲線CL31と実績曲線CL32とを表示する。これにより、例えば、管理サーバ100の管理者は、図30に示す非累積表示された配信情報を確認することにより、予定と実績のリクエスト(インプレッション)数の乖離から、最適な配信のためのチューニングが可能となる。例えば、図30に示す例において、時刻t31における、予定曲線CL31と実績曲線CL32との乖離は、乖離値df31であることが視覚的に表現される。そのため、例えば、管理サーバ100の管理者は、直感的に予定曲線CL31と実績曲線CL32との乖離を認識できる。
次に、図31を用いて、配信情報の累積表示について説明する。図31は、変形例に係る配信情報の累積表示の一例を示す図である。図31には、所定の振分サーバ200における広告配信装置AN1に対するリクエスト数の時系列的な変動を示す。ここで、図31に示す例において、予定曲線CL41は、所定の時間(例えば1時間)までに予定される広告配信装置AN1に対する累積リクエスト数、すなわち累積された配信スケジュールを示す。また、図31に示す例において、実績曲線CL42は、所定の時間迄の広告配信装置AN1に対するリクエスト数、すなわち累積された配信実績を示す。
このように、管理サーバ100は、予定曲線CL41と実績曲線CL42とを表示する。これにより、例えば、管理サーバ100の管理者は、図31に示す累積表示された配信情報を確認することにより、予定と実績のリクエスト(インプレッション)数の乖離から、最適な配信のためのチューニングが可能となる。例えば、図31に示す例において、時刻t41における、予定曲線CL41と実績曲線CL42との乖離は、乖離値df41であることが視覚的に表現される。そのため、例えば、管理サーバ100の管理者は、直感的に予定曲線CL41と実績曲線CL42との乖離を認識できる。
なお、予定曲線CL31や予定曲線CL41は、予定値B(n)に乖離値S(n−1)を加えて更新された予定曲線であってもよい。また、各振分サーバ200の情報や全ての振分サーバ200の合計値、平均値、最大値、最小値や標準偏差等の統計量を表示してもよい。例えば、図30や図31において表示される配信情報は、全ての振分サーバ200に広告配信装置AN1に対するリクエスト数の時系列的な変動であってもよい。例えば、全ての振分サーバ200に広告配信装置AN1に対するリクエスト数の平均に基づく、時系列的な変動であってもよい。また、例えば、管理サーバ100の管理者は、所定の操作により予定曲線CL31、CL41や実績曲線CL32、CL42を、単体で表示させてもよい。また、例えば、管理サーバ100の管理者は、所定の操作により予定曲線CL31、CL41及び実績曲線CL32、CL42を重ねて表示させてもよい。また、管理サーバ100は、比較のために過去の統計量も表示してもよい。例えば、管理サーバ100は、前日、一週間前、直近一週間の平均等の統計量を表示してもよい。
また、管理サーバ100は、全ての振分サーバ200の統計量や過去の統計量との乖離を検知することにより異常を検知してもよい。この場合、管理サーバ100は、異常を検知した場合、例えば管理サーバ100の管理者に、アラートとして報告することができる。また、管理サーバ100は、全ての振分サーバ200の合計や平均等の統計量が過去の全ての振分サーバ200の合計や平均等の統計量とある程度乖離した場合に、原因の振分サーバ200に関する情報と共にアラートとして報告してもよい。この場合、例えばアラートを認識した管理サーバ100の管理者に、どの振分サーバ200がアラートの原因かを通知することができる。
次に、図32を用いて、閾値の変動の表示について説明する。図32は、変形例に係る配信情報の閾値表示の一例を示す図である。図32には、所定の振分サーバ200における閾値の時系列的な変動を示す。ここで、図32に示す例において、変動曲線CL51は、時間ごとの閾値の変動を示す。このように、管理サーバ100は、決定した閾値TH11から閾値がどのような推移を経て遷移していったのかを、時系列的に表示することができる。つまり、管理サーバ100は、所定の振分サーバ200において配信実績数を配信予定数に近づけるために更新していく閾値の推移を視覚的にわかるように表示することができる。これにより、例えば、管理サーバ100の管理者は、閾値の推移を容易に認識できる。したがって、管理サーバ100の管理者は、例えば、予定に誘導する初期閾値(例えば、閾値TH11)のチューニングを行うことができる。すなわち、管理サーバ100の管理者は、配信開始時点(例えば、0時)に使う初期閾値を増減させることができる。また、例えば、管理サーバ100の管理者は、閾値算出に用いられる上記の式(4)や式(9)に示す関数Fのチューニングをすることが可能となる。すなわち、管理サーバ100は、閾値を更新していく関数を変更することができる。
なお、上記の表示は一例であり、目的に応じて種々の内容や組合せに基づいて、廃止情報を表示してもよい。例えば、管理サーバ100は、図32を図30や図31とともに表示してもよい。この場合、例えば、管理サーバ100の管理者は、閾値の変動と配信実績の推移との相関等を直感的に認識することができる。
なお、上記の例においては、管理サーバ100は、配信情報を表示する例を示したが、例えば、広告配信管理システム1は、管理サーバ100や振分サーバ200に加えて、上述した配信情報を集計する集計装置を有してもよい。また、例えば、広告配信管理システム1は、管理サーバ100や振分サーバ200に加えて、上述した配信情報を集計した結果を視覚的に表示する表示装置を有してもよい。また、広告配信管理システム1は、例えば、上述した配信情報を集計した結果に基づいて広告配信管理システム1における異常を検知する検知装置を有してもよい。なお、上記構成は例示であり、例えば、管理サーバ100や振分サーバ200が、上述した集計装置の機能や表示装置の機能や検知装置の機能を有してもよい。
〔4−10.配信計画情報〕
なお、管理サーバ100や振分サーバ200は、第1評価値を第2評価値として用いてもよい。例えば、管理サーバ100や振分サーバ200は、所定の配信元に対応する第1評価値を第2評価値として用いてもよい。また、管理サーバ100は、各振分サーバ200の処理能力等に基づいて、配信計画情報を生成してもよい。例えば、振分サーバ200Aの処理能力が振分サーバ200Bの処理能力よりも高い場合、管理サーバ100は、振分サーバ200Aにより所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数が、振分サーバ200Bにより所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数よりも多くなるように配信計画情報を生成してもよい。また、管理サーバ100は、上記に限らず、種々の目的に応じて振分サーバ200毎に異なる配信計画情報を生成してもよい。
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告配信管理システム1は、管理サーバ100と、複数の振分サーバ200を有する。管理サーバ100は、複数の振分サーバ200を管理する。管理サーバ100は、送信部133を有する。送信部133は、所定の期間(実施形態においては第1期間。以下同じ)内において複数の配信元のうち所定の配信元(実施形態においては広告配信装置AN2。以下同じ)に行わせる広告配信の計画に関する配信計画情報を各振分サーバ200に送信する。また、振分サーバ200は、広告配信を要求するリクエストに応じて複数の配信元から広告配信を行わせる配信元を決定する。振分サーバ200は、受付部231と、決定部233と、更新部235とを有する。受付部231は、リクエストを受け付ける。決定部233は、受付部231によりリクエストを受け付けた場合、リクエストに対して各配信元により広告が配信された場合に想定される広告の評価値(実施形態においては第1評価値)に基づいて算出される値(実施形態においては第2評価値)と、配信計画情報から得られる閾値とに応じて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。更新部235は、各振分サーバ200が受け付けたリクエストに対する所定の配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1は、通信負荷を抑制することができる。具体的には、広告配信管理システム1において、複数の振分サーバ200は、管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた後、各々自律して配信処理を行う。したがって、広告配信管理システム1は、管理サーバ100と各振分サーバ200との間の通信負荷を抑制することができる。また、広告配信管理システム1は、振分サーバ200が所定の配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新することにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、送信部133は、所定の期間内において所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数に関する情報を含む配信計画情報を各振分サーバ200に送信する。また、更新部235は、配信計画情報に含まれるリクエスト数に関する情報と、各振分サーバ200が所定の配信元に広告配信を行わせたリクエスト数とに基づいて閾値を更新する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1は、通信負荷を抑制することができる。具体的には、広告配信管理システム1において、複数の振分サーバ200は、管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた後、各々自律して配信処理を行う。したがって、広告配信管理システム1は、管理サーバ100と各振分サーバ200との間の通信負荷を抑制することができる。また、広告配信管理システム1は、振分サーバ200が所定の配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新することにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、更新部235は、閾値の更新時において各振分サーバ200が所定の配信元に広告配信を行わせたリクエスト数が、配信計画情報において対応するリクエスト数よりも少ない場合、所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数が多くなるように閾値を更新する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1において、所定の配信元の広告が配信されやすくなる。これにより、振分サーバ200の配信実績は、配信計画情報の配信スケジュールに近づく。したがって、振分サーバ200は、所定の配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新することにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、更新部235は、閾値の更新時において各振分サーバが所定の配信元に広告配信を行わせたリクエスト数が、配信計画情報において対応するリクエスト数よりも多い場合、所定の配信元に広告配信を行わせるリクエスト数が少なくなるように閾値を更新する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1において、所定の配信元の広告が配信されにくくなる。これにより、振分サーバ200の配信実績は、配信計画情報の配信スケジュールに近づく。したがって、振分サーバ200は、所定の配信元による広告配信の進捗に基づいて閾値を更新することにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、更新部235は、配信計画情報において閾値の更新時以降に予定されるリクエスト数に基づいて、閾値を更新する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1において、閾値の更新時以降に予定されるリクエスト数に応じて、閾値の変動割合が変化する。これにより、振分サーバ200は、閾値の更新時以降に予定されるリクエスト数を考慮して閾値を更新することができるため、振分サーバ200の配信実績が配信計画情報の配信スケジュールに近づく。したがって、振分サーバ200は、更新時以降の広告配信の予定に基づいて閾値を更新することにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、更新部235は、管理サーバ100から受け付けた配信計画情報に基づく処理を開始してから所定の期間よりも短い期間(実施形態においては第2期間)内に閾値を更新する。また、決定部233は、更新部235により更新された閾値に基づいて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1において、複数の振分サーバ200は、管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた後、各自の配信実績に基づいて各々自律して閾値を更新して配信処理を行う。したがって、広告配信管理システム1は、管理サーバ100と各振分サーバ200との間の通信負荷を抑制することができる。また、振分サーバ200は、更新された閾値を用いることにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、振分サーバ200は、情報送信部234を有する。情報送信部234は、管理サーバ100から受け付けた配信計画情報に基づく処理を開始してから所定の期間経過した後、所定の配信元に行わせた広告配信の実績に関する配信実績情報を管理サーバ100に送信する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1において、管理サーバ100は、複数の振分サーバ200の配信実績情報を収集することができる。また、振分サーバ200から管理サーバ100へ配信実績情報が送信されるのは、所定の期間が経過した後であるため、広告配信管理システム1は、管理サーバ100と各振分サーバ200との間の通信負荷を抑制することができる。
また、実施形態に係る広告配信管理システム1において、送信部133は、各振分サーバ200から取得した配信実績情報に基づいて更新された配信計画情報を、各振分サーバ200に送信する。また、決定部233は、更新された配信計画情報と、閾値とに基づいて、複数の配信元からリクエストに対する広告配信を行う配信元を決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信管理システム1において、管理サーバ100は、より適切な配信計画情報に配信計画情報を更新することができる。また、管理サーバ100から配信計画情報を受け付けた振分サーバ200は、更新された配信計画情報を用いることにより、広告の配信元を適切に選択することができる。
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る管理サーバ100及び振分サーバ200は、例えば図33に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図33は、管理サーバ及び振分サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定のネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定のネットワークNを介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る管理サーバ100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定のネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
〔7.その他〕
また、上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。