JP6499901B2 - 弁及び管継手 - Google Patents
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Description
このとき締め付け力が強いとシール部材は抜け出し難くなるが、シール部材の変形量が多くなってクラックの原因になったり、シール面から突出する部分の形状が偏平形状になったりする可能性がある。
逆に締め付け力が弱いとシール部材の変形量は少ないが、シール部材が流体の流れによって環状溝から抜け出し易くなる可能性がある。
したがってこの場合、片側から締め付けた場合と比べて、シール部材の変形が均一になる。
したがって、第一態様〜第五態様の何れか1態様に記載の弁が縮径部に接近し、シール部材が縮径部に当接することで流路が閉じる。また弁が縮径部から離間することで流路が開放される。
ここで、第六態様の発明における管継手では、第一態様〜第五態様の何れか1態様に記載の弁を用いるため、シール部材の変形量が少なく、かつシール部材が環状溝から抜け出し難くなり、良好なシール性能が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る弁10について説明する。
弁10は、本実施形態においては、迅速継手などに用いられるポペットバルブであり、管状体90の流路91に配設され、流路91を開閉して管状体90内部の流体の流れを制御するものである。
弁体11は、弁10の本体部であり、略円錐形状とされている。この弁体11は、管状体90の内部に形成された流体の流路91に沿って縮径する縮径部92を有する流路91内に配置され、図示しない付勢手段(コイルばね)によって、流路91の軸方向Nに沿って縮径部92へ付勢されている。弁体11の基端部80には、軸方向に沿って延びる軸部12が設けられている。 なお、略円錐形状とは、円錐面を有する立体形状を差し、本実施形態においては、円錐面の小径側が軸方向に対して垂直な平坦形状とされた先端部16を有している。
円錐面とは、軸方向に対して傾斜した直線を、軸を中心に回転した際に形成される面である。
シール面20は、本発明の円錐面の一例であり、弁体11の基端部80を底面とした円錐面で、管状体90の縮径部92に沿って縮径している。本実施形態では、流路91の軸方向に対して35°の傾斜角で縮径している。
なお、本実施形態においては、円錐面の小径側を先端側、大径側を後端側と称することがある。
環状溝30は、シール部材40が挿入可能とされた、シール面20に設けられた円環状の溝であり、流路91の軸方向Nに沿った断面からみてU字形状とされている。
また環状溝30は、環状溝30を流路91の軸方向Nに沿った断面からみて、図2(b)で示したように、シール面20に対して一方の溝壁面、すなわちシール面20の後端側(大径部側)の下溝壁面32が垂直とされている。
なお、本発明における垂直とは、ほぼ垂直であることを意味しており、シール面20に対する垂直方向とは、シール面20に対する角度が概ね90°±5°程度傾斜している方向を含むものである。以下、本発明における垂直を、略垂直と称することがある。
なお、略当接とは、環状溝30の底面形状が、シール部材40を挿入するために十分な程度に、シール部材40の直径(=線径)よりもわずかに大径である円弧状断面を有しており、環状溝30の底面とシール部材40の外周部とが、完全に接しているか、ほぼ接している状態を示す。
シール部材40は、環状溝30内に挿入され、一部がシール面20から突出し、シール面20から突出した部分が管状体90の縮径部92を構成する面に当接して流体の流動を遮断する、円環状のゴム製部材(Oリング)である。
なお、シール部材40の、シール面20から突出した部分のうち、突出高さが最も大きい箇所を含む部分をシール部材40の先端部と称する。
なお、環状溝30の開口部の内側とは、開口部の縁よりも環状溝30の中心線側を差す。
上締付部51はシール部材40を環状溝30から抜け出させないための抜け出め部である。また上締付部51は環状溝30の開口部のシール面20の先端側、言い換えるとシール面20の小径側で環状溝30の開口部の内側に突き出てシール部材40を締め付け固定している。
このとき、シール部材40がシール面20から突出する突出高さをL1とする。
その結果、上突出部51aが変形して環状溝30の開口部の内側に突出し、上突出部51aは環状溝30の開口部の内側に突き出た上締付部51となって、シール部材40を環状溝30に締め付け固定する。
第一実施形態の弁10は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
なお、変形方向C2は、シール部材40の中心Oから、最も変形量が多いシール部材40の部分へ向かう方向である。例えばシール部材40が変形し疑似的に楕円形状となった際には、当該断面の長軸方向と一致する。
また、図3の図中の点線部分は、締付後、すなわち変形後の上締付部51、シール部材40を示す。
なお、開口幅W1は、シール面20に垂直な方向から環状溝30を見た場合の溝幅である。
以下、図面を参照しながら、第二実施形態の弁15について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
弁15は、本実施形態においては、迅速継手などに用いられるポペットバルブであり、管状体90の流路91に配設され、流路91を開閉して管状体90内部の流体の流れを制御するものである。
環状溝30は、シール部材40が挿入可能とされた、シール面20に設けられた円環状の溝であり、流路91の軸方向Nに沿った断面からみてU字形状とされている。
また環状溝30は、環状溝30を流路91の軸方向Nに沿った断面からみて、図5(b)で示したように、シール面20に対して一方の溝壁面、すなわちシール面20の先端側(小径部側)の下溝壁面31が垂直とされている。
またC1は、環状溝30を流路91の軸方向Nに沿った断面からみて、後述する下突出部52aを変形させる前のシール面20の先端側(小径部側)の上溝壁面31と、シール面20の後端側(大径部側)の下溝壁面32との中心線とも一致している。
シール部材40は、環状溝30の開口部の内側に突き出した下締付部52によって締め付けられて、環状溝30に固定されている。
下締付部52はシール部材40を環状溝30から抜け出させないための抜け止め部である。また下締付部52は環状溝30の開口部のシール面20の後端側、言い換えるとシール面20の大径側で環状溝30の開口部の内側に突き出てシール部材40を締め付け固定している。
このとき、シール部材40がシール面20から突出する突出高さをL1とする。
その結果、シール面20の後端側(大径部側)の下溝壁面32がシール面20よりも突出した下突出部52aが変形して環状溝30の開口部の内側に突出し、下突出部52aは環状溝30の開口部の内側に突き出た下締付部52となって、シール部材40を環状溝30に締め付け固定する。基端部80の端面80aは折り返されてシール面20と面一となる。
第二実施形態の弁15は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
なお、開口幅W1は、シール面20に垂直な方向から環状溝30を見た場合の溝幅である。また、図6の図中の点線部分は、締付後、すなわち変形後の下締付部52、シール部材40を示す。
以上、本発明の実施形態の例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
また、シール部材40を両側から締め付けるので、シール部材40に偏平や凹凸などの偏った変形が生じにくく、シール部材40の変形が均一になり、シール面20からの突出部分が、真円度の高い形状を保つことができる。
例えば図8で示すように、上突出部51aと、下突出部52aを押圧台65及び押圧治具70を用いて押圧し、必要な高さL0が得られた時点で押圧をストップしてもよい。
同様に、下締付部52によりシール部材40が締め付けられた状態においては、端面80aとシール部材40、シール面20とシール部材40との間は隙間なく形成されているものとしたが、シール部材40を環状溝30に保持し、必要なシール高さが得られればこれらは隙間なく形成されていなくてもよい。
傾斜角が15°より小さい場合は、流路に流体が流れた際に、弁10、15が剪断応力破壊して管継手から飛び出す可能性があり、傾斜角が60°より大きい場合は、シール面20が流路の壁となり、渦流が生じて圧力損失が大きくなることが考えられる。このため、傾斜角を15°〜60°の範囲内で設定することが好ましい。
Claims (7)
- 円錐面を有する弁体と、
前記円錐面に形成され、一方の溝壁面が前記円錐面に対して垂直となる環状溝と、
前記環状溝内に挿入され、一部が前記円錐面から突出する環状のシール部材と、
前記環状溝の他方の溝壁面側の開口部に形成され、前記開口部の内側に突き出て前記シール部材を締め付け固定する締付部と、
を有し、
前記締付部は、前記他方の溝壁に形成され前記円錐面から突出した突出部を前記開口部の内側に突き出るように変形させて形成されている、弁。 - 前記突出部は、前記環状溝の前記円錐面の先端側に位置する溝壁の一部とされている、請求項1に記載の弁。
- 前記突出部は、前記環状溝の前記円錐面の後端側に位置する溝壁の一部とされている、請求項1に記載の弁。
- 円錐面を有する弁体と、
前記円錐面に形成され、前記円錐面に対して深さ方向が垂直となる環状溝と、
前記環状溝内に挿入され、一部が前記円錐面から突出する環状のシール部材と、
前記環状溝の開口部に形成され、前記開口部の内側に突き出て前記シール部材を締め付け固定する締付部と、
を有し、
前記締付部は、前記環状溝における前記円錐面の先端側に位置する溝壁に形成され前記円錐面から突出した上突出部と、前記環状溝における前記円錐面の後端側に位置する溝壁に形成され前記円錐面から突出した下突出部と、をそれぞれ前記開口部の内側に突き出るように変形させて形成されている、弁。 - 流路と、流路に沿って形成された次第に縮径する縮径部と、を備えた管状体と、
前記流路内に配置され、前記縮径部に対して接近及び離間可能とされ、前記縮径部に接近して当接することで流路を閉じ、前記縮径部から離間することで流路を開く、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の弁と、
を備えた管継手。 - 円錐面を有する弁体と、
前記円錐面に形成され、前記円錐面の後端側に位置する溝壁面が前記円錐面に対して垂直となる環状溝と、
前記環状溝内に挿入され、一部が前記円錐面から突出する環状のシール部材と、を備えた弁において、
前記環状溝における前記円錐面の先端側に位置する溝壁に形成され前記円錐面から突出した突出部に、押圧治具を接触させる工程と、
前記押圧治具によって前記突出部を前記円錐面の軸方向に沿って押圧し、前記突出部を前記環状溝の開口部の内側に突き出るように変形させて、前記シール部材を前記環状溝へ締め付け固定する工程と、
を備えたシール部材の固定方法。 - 円錐面を有する弁体と、
前記弁体において前記円錐面の底面とされた基端部と、
前記弁体において前記円錐面の小径側が前記円錐面の軸方向に対して垂直な平坦形状とされた先端部と、
前記円錐面に形成され、前記円錐面の先端側に位置する溝壁面が前記円錐面に対して垂直となる環状溝と、
前記環状溝内に挿入され、一部が前記円錐面から突出する環状のシール部材と、を備えた弁において、
前記基端部に押圧台を接触させ、前記先端部に押圧治具を接触させる工程と、
前記押圧治具によって前記先端部を前記円錐面の軸方向に沿って押圧し、前記円錐面から突出した突出部を前記環状溝の開口部の内側に突き出るように変形させて、前記シール部材を前記環状溝へ締め付け固定する工程と、
を備えたシール部材の固定方法。
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