まず、本発明の実施形態に係るダイカストマシン1について、基本的な構成及び動作を説明し、次に、サーボバルブに異常があるか否かの診断に係る構成及び動作について説明する。ただし、説明の便宜上、基本的な構成及び動作の説明において、サーボバルブの異常の診断に係る構成又は動作について言及することもある。
(基本構成及び動作)
図1は、本発明の実施形態に係るダイカストマシン1の概略構成を示す図である。
ダイカストマシン1は、金型101内に溶湯(成形材料)を射出し、その溶湯を金型101内で凝固させることにより、ダイカスト品(成形品)を製造するものである。金型101は、例えば、固定金型103及び移動金型105を含んでいる。なお、溶湯は、溶融状態の金属材料である。溶湯に代えて、半凝固状態の金属が用いられてもよい。金属は、例えば、アルミニウムである。ダイカストマシン1の基本構成は、公知の種々の構成とされてよいが、例えば、以下のとおりである。
ダイカストマシン1は、マシン本体3と、マシン本体3を制御するための制御ユニット5とを有している。
マシン本体3は、例えば、金型101を開閉するための型締装置7と、金型101内に成形材料としての溶湯(溶融金属)を射出するための射出装置9と、ダイカスト品を型開きされた金型101から押し出す押出装置11とを有している。
ダイカストマシン1の成形サイクルにおける動作の概要は、以下のとおりである。
まず、型締装置7において、固定金型103を保持する固定ダイプレート13に対して移動金型105を保持する移動ダイプレート15が近接して型閉じ及び型締が行われる。次に、射出装置9において、金型101内に通じる射出スリーブ17に溶湯が供給され、射出スリーブ17内を射出プランジャ19が摺動することにより、溶湯が金型101内に射出、充填される。
その後、所定の時間が経過し、金型101内の溶湯が凝固すると、型締装置7において、移動ダイプレート15が固定ダイプレート13から離間する方向へ移動され、型開きが行われる。また、型開きに並行して、若しくは、型開き後、押出装置11の押出ピン21が移動金型105の分割面から突出し、成形品が移動金型105から押し出される。
このような動作を実現するために、ダイカストマシン1は、液圧式のアクチュエータを有している。例えば、型締装置7は、移動ダイプレート15を駆動する型締シリンダ23Aを有している。射出装置9は、射出プランジャ19を駆動する射出シリンダ23Bを有している。押出装置11は、押出ピン21を駆動する押出シリンダ23Cを有している。
なお、以下では、型締シリンダ23A、射出シリンダ23B及び押出シリンダ23Cについて、「液圧シリンダ23」といい、これらを区別しないことがある。
各液圧シリンダ23は、シリンダ部25と、シリンダ部25を摺動可能なピストン27(図2)と、ピストン27に連結されたロッド29とを有している。ピストン27は、シリンダ部25内を2つのシリンダ室に区画しており、その2つのシリンダ室に選択的に作動液(例えば油)が供給されることにより、液圧シリンダ23は駆動される。
制御ユニット5は、マシン本体3に対して適宜な位置に配置される。なお、制御ユニット5は、分散して配置されていてもよい。制御ユニット5は、例えば、主としてマシン本体3の基本的な動作に係る電源装置及び制御装置を含む不図示の制御盤と、成形条件(鋳造条件)の設定等に係る制御装置を含む操作盤31とを有している。
操作盤31は、例えば、固定ダイプレート13の側方に設けられており、表示装置33と、複数の機械式スイッチ35とを有している。表示装置33は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであり、画像を表示可能であるとともに、入力操作を受け付け可能である。機械式スイッチ35は、例えば、押しボタンスイッチ又はロータリースイッチである。
オペレータ等の作業者は、表示装置33及び/又は機械式スイッチ35に対する操作によって、例えば、成形サイクル前における成形条件の設定、成形サイクルの開始及び停止の指示、並びに/又は、動作確認のための成形サイクル外におけるマシン本体3の各部の個別動作の指示を行う。なお、成形条件は、例えば、型締力、湯量、射出速度(例えば、低速射出速度、高速射出速度及び高速切替位置)又は鋳造圧力である。
表示装置33は、作業者の操作に応じて、及び/又は、マシン本体3の状況に応じて適宜な情報(画像)を表示する。例えば、作業者が操作盤31を介して成形条件を設定している際には、表示装置33は、設定された成形条件(設定値)を表示する。また、例えば、マシン本体3において成形サイクルが行われているときには、成形条件の実測値を表示する。なお、表示される画像は、文字(数字含む)及び/又は図形(グラフ含む)を含む適宜なものとされてよい。
作業者は、例えば、表示装置33に表示された成形条件の実測値に基づいて、マシン本体3の異常を認識することができる。例えば、射出速度の設定値と実測値とが乖離していることによって異常を認識することができる。本実施形態では、このような場合に、成形サイクル外において、操作盤31に対する操作によって、その異常の原因が後述するサーボバルブの異常であるか否かを診断できることが一つの特徴となっている。
図2は、ダイカストマシン1における液圧系及び制御系の構成を示す模式図である。
上述のようにダイカストマシン1は、各種の動作を行うアクチュエータとして液圧シリンダ23を有している。ダイカストマシン1は、その液圧シリンダ23における作動液の給排を行うために、例えば、作動液を貯留するタンク37と、タンク37の作動液を送出するポンプ39と、比較的高圧で作動液を放出するアキュムレータ41と、これらと液圧シリンダ23との間に介在する液圧回路43とを有している。ポンプ39は電動機45によって駆動される。
タンク37、ポンプ39、アキュムレータ41、液圧回路43及び電動機45の構成は、公知の種々のダイカストマシンに用いられている構成と同様でよく、詳細は省略する。また、型閉じ、型締め、射出(低速射出、高速射出及び増圧)、型開き及び押出し等のいずれにおいて、ポンプ39及びアキュムレータ41のいずれの液圧源からの作動液が用いられ、その流量又は圧力がどのように制御されるか等も、公知の種々のダイカストマシンと同様とされてよい。
液圧回路43は、サーボバルブ47を含んでいる。サーボバルブ47は、サーボ機構に組み込まれ、入力信号に応じて流量及び/又は圧力を無段階で調整可能な弁である。サーボバルブ47は、例えば、ポンプ39及び/又はアキュムレータ41と、液圧シリンダ23との間に介在しており、液圧シリンダ23に供給される作動液の流量を無段階で調整する。又は、例えば、サーボバルブ47は、液圧シリンダ23と、タンク37との間に介在しており、タンク37から排出される作動液の流量を無段階で調整する。従って、例えば、液圧シリンダ23が射出シリンダ23Bである場合、射出シリンダ23Bへの作動液の流入速度又は射出シリンダ23Bからの作動液の流出速度がサーボバルブ47によって制御され、ひいては、射出速度が制御される。
制御ユニット5は、マシン本体3及び表示装置33を制御する制御装置49を有している。マシン本体3において、制御装置49に制御されるのは、例えば、電動機45及び液圧回路43(サーボバルブ47)である。制御装置49は、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置等を含んで構成されている。CPUがROM及び/又は外部記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、成形制御部51及び診断制御部52等の各種の機能部が構築される。
成形制御部51は、成形条件の設定、成形サイクルの実行、及び、成形条件の実測値の表示のための処理など、成形サイクルに係る処理を実行する。これらの処理は、公知の処理と同様でよい。診断制御部52は、後に詳述するように、サーボバルブ47に異常が生じたか否か診断するための処理を実行する。
制御装置49は、サーボドライバ53に制御指令(制御信号)を出力する。サーボドライバ53は、サーボバルブ47からのフィードバック信号が制御装置49からの制御指令に追従するようにフィードバック制御を行う。フィードバック信号は、サーボドライバ53における制御量(制御の結果)を示す信号である。フィードバック信号に示される制御量は、例えば、サーボドライバ53から流出する作動液の流量、サーボドライバ53の下流側又は上流側の圧力、及び/又は、サーボドライバ53の弁体の位置(サーボドライバ53の開口度)であり、本実施形態では、弁体の位置である。
なお、図2では、サーボドライバ53を液圧回路43の一部として示しているが、サーボドライバ53は、制御装置49の一部と捉えられてもよい。また、サーボドライバ53は、サーボバルブ47に固定されて、サーボバルブ47とともに弁ユニットを構成していてもよいし、サーボバルブ47から離れた位置に設けられていてもよい。
図3は、サーボバルブ47の構造を模式的に示す断面図である。なお、図3では、図示の都合上、タンク37を2箇所に示している。
図2及び図3において示すように、サーボバルブ47は、例えば、メイン流路55における作動液の流れを制御するメインバルブ57と、2つのパイロット流路59における作動液の流れを制御するパイロットバルブ61とを有している。メインバルブ57及びパイロットバルブ61は、例えば、互いに固定されてユニット化されている。なお、後述の説明から理解されるように、本実施形態では、メインバルブ57及びパイロットバルブ61それぞれもサーボバルブと捉えられてよい。
メイン流路55は、上記のようにメインバルブ57が作動液の流れを制御する流路であるが、サーボバルブ47がその全体として作動液の流れを制御する流路でもあり、例えば、液圧源(39及び/又は41)又はタンク37と液圧シリンダ23とを接続する。なお、図2及び図3の例では、メイン流路55は、液圧シリンダ23とタンク37とを接続する流路である。図2では、便宜上、サーボバルブ47内の、メイン流路55に接続される流路にもメイン流路55の符号を付している。
パイロット流路59は、メインバルブ57にパイロット圧を導入するための流路であり、適宜な液圧源(39及び/又は41)とメインバルブ57の内部とを接続する。パイロット流路59は、パイロットバルブ61の内部からメインバルブ57の内部へ延びる部分を含み、当該部分はメインバルブ57及びパイロットバルブ61の外郭を構成するブロック内に設けられている。ただし、このパイロットバルブ61からメインバルブ57に延びる部分は、メインバルブ57及びパイロットバルブ61とは別に設けられた管路等によって構成されていてもよい。
なお、この他、特に図示しないが、サーボバルブ47には、例えば、漏れた作動液が流れるドレン流路が設けられてよい。また、例えば、液圧をフィードバックするための流路が設けられてもよい。
メインバルブ57は、例えば、流れの切換えが連続的に行われる2ポート2位置の切換弁により構成されている。より具体的には、例えば、メインバルブ57は、液圧シリンダ23に通じるAポートと、タンク37に通じるTポートとを有し、この2つのポートを互いに接続する位置と、互いに遮断する位置との間で連続的に切り換えられる。
図3の例では、メインバルブ57は、弁体(メイン弁体63)がスプールによって構成されたスプール式弁によって構成されている。すなわち、特に符号を付さないが、メイン弁体63は、直径が相対的に大きい大径部と直径が相対的に小さい小径部とを有する軸状部材によって構成されており、その軸方向(図3の紙面左右方向)に移動する。Aポート及びTポートはメイン弁体63の側方に位置しており、メイン弁体63の移動に伴って、大径部によって遮断され、又は、小径部によって連通が許容される。
メイン弁体63の制御方式(駆動方式)は、例えば、パイロット式とされている。例えば、メイン弁体63の可動方向(図3の紙面左右方向)の両側には、2つのパイロット流路59が通じている。従って、2つのパイロット流路59の圧力がメイン弁体63の両側に付与され、その圧力による力の差によって、メイン弁体63は、その位置が連続的に切り換えられる。なお、図2及び図3では、メイン弁体63を定位置へ付勢するばねが図示されていないが、そのようなばねが設けられていてもよい。
また、メインバルブ57は、メイン弁体63の位置を検出するメイン位置センサ65を有している。メイン位置センサ65は、例えば、差動トランスによって構成されている。例えば、詳細な図示及び符号は省略するが、メイン位置センサ65は、磁石と、メイン弁体63の可動方向に直交する方向において磁石と対向し、メイン弁体63の可動方向において磁石と相対移動可能な3つのコイルとを有している。磁石及びコイルの一方はメイン弁体63に固定され、他方はメイン弁体63を収容するブロックに固定されている。メイン位置センサ65の検出値は、例えば、サーボドライバ53に出力され、また、サーボドライバ53を介して又は介さずに制御装置49に出力される。
パイロットバルブ61は、例えば、流れの切換えが連続的に行われる4ポート3位置の切換弁により構成されている。具体的には、例えば、パイロットバルブ61は、液圧源(例えばポンプ39)に通じるPポートと、タンク37に通じるTポートと、メイン弁体63の両側に通じるAポート及びBポートとを有している。そして、パイロットバルブ61は、PポートとAポートとを接続するとともにTポートとBポートとを接続する位置、PポートとBポートとを接続するとともにTポートとAポートとを接続する位置、及び、前記の2つの位置の間であって、4ポートの接続を遮断する位置の間で切り換えられる。なお、パイロットバルブ61のPポート及びTポートは、例えば、メインバルブ57のブロックに形成された流路(図3において一部のみ図示)を介してポンプ39及びタンク37に通じている。
図3の例では、パイロットバルブ61は、メインバルブ57と同様に、弁体(パイロット弁体67)がスプールによって構成されたスプール式弁によって構成されている。すなわち、特に符号を付さないが、パイロット弁体67は、大径部と小径部とを有する軸状部材によって構成されており、その軸方向(図3の紙面左右方向)に移動する。A、B、P及びTポートはパイロット弁体67の側方に位置しており、パイロット弁体67の移動に伴って、大径部によって遮断され、又は、小径部によって連通が許容される。
パイロットバルブ61の制御方式(駆動方式)は、例えば、ばね式及び電磁式の組み合わせとされている。具体的には、例えば、パイロット弁体67の両側には圧縮された1対のばね69が設けられており、この1対のばね69がパイロット弁体67を付勢する付勢力は、パイロット弁体67が中立位置(接続を遮断した位置)にあるときに釣り合っている。また、例えば、パイロット弁体67には、連続的に動作可能な複コイル式の電磁部71が連結されている。詳細な図示及び符号は省略するが、電磁部71は、例えば、ヴォイスコイル式モータによって構成されており、磁石と、パイロット弁体67の可動方向に直交する方向(磁石の半径方向)において磁石と対向し、パイロット弁体67の可動方向において磁石と相対移動可能なコイルとを有している。磁石及びコイルの一方はパイロット弁体67に固定され、他方はパイロット弁体67を収容するブロックに固定されている。電磁部71が駆動されると、パイロット弁体67は、1対のばね69の付勢力に抗して移動する。
また、パイロットバルブ61は、メインバルブ57と同様に、パイロット弁体67の位置を検出するパイロット位置センサ73を有している。パイロット位置センサ73は、例えば、メイン位置センサ65と同様に、差動トランスによって構成されている。差動トランスの構成は、既に述べたとおりであり、パイロット位置センサ73の磁石及びコイルの一方はパイロット弁体67に固定され、他方は、パイロット弁体67を収容するブロックに固定されている。パイロット位置センサ73の検出値は、例えば、サーボドライバ53に出力され、また、サーボドライバ53を介して又は介さずに制御装置49に出力される。
図4は、成形サイクルにおけるサーボバルブ47のフィードバック制御を説明するためのブロック図である。
成形制御部51は、例えば、適宜な時期に目標位置を指定するメイン制御指令C1(位置制御指令)をサーボドライバ53に出力する。メイン制御指令C1は、例えば、メイン弁体63に関して、目標位置の原位置からの変位に応じた(例えば比例する)電圧を有する信号である。原位置は、適宜に設定されてよいが、例えば、2位置の切換弁では一方の位置、3位置の切換弁では中立位置であることが好ましい。また、例えば、原位置は、制御指令が出力されていないときにばね等によって弁体が一定の位置に留まるのであれば、当該位置であることが好ましい。
メイン制御指令C1は、サーボドライバ53のメイン比較部53aに入力される。また、メイン比較部53aには、メイン位置センサ65から、当該メイン位置センサ65が検出したメイン弁体63の位置の情報を含むメインフィードバック(FB)信号(MFB)が入力される。メイン比較部53aは、メイン制御指令C1から取得した目標位置と、メインFB信号MFBから取得した検出位置との偏差を算出し、その偏差に応じた(例えば比例する)信号レベル(例えば電圧)を有するパイロット制御指令C2を出力する。
パイロット制御指令C2は、サーボドライバ53のパイロット比較部53bに入力される。また、パイロット比較部53bには、パイロットバルブ61のパイロット位置センサ73から、当該パイロット位置センサ73が検出したパイロット弁体67の位置の情報を含むパイロットフィードバック(FB)信号(PFB)が入力される。パイロット比較部53bは、パイロット制御指令C2から取得した目標位置と、パイロットFB信号PFBから取得した検出位置との偏差を算出し、その偏差に応じた(例えば比例する)電流及び/又は電圧を有する制御電力C3を出力する。
制御電力C3は、パイロットバルブ61の電磁部71に入力される。電磁部71は、例えば、ヴォイスコイル式の電動機からなり、制御電力C3の電流に比例した推進力を生じる。この推進力と、パイロットバルブ61のばね69の復元力とが釣り合う位置までパイロット弁体67は移動する。ひいては、パイロット弁体67は、制御電力C3の電流に応じた(例えば比例する)位置とされる。そして、この位置に応じた流量で、2つのパイロット流路59の一方を介して、パイロットバルブ61からメインバルブ57へパイロット圧を生じる作動液が供給される。
パイロット圧を生じる作動液は、メインバルブ57の両側のいずれか一方へ選択的に供給され、これにより、メイン弁体63は駆動方向のいずれか一方へ移動する。メイン弁体63の位置は、メイン位置センサ65によって検出され、上述のようにメイン比較部53aに出力される。そして、上記のようなフィードバック制御によって、メイン弁体63の位置は、メイン制御指令C1の目標位置に追従する。
なお、図4の例では、パイロット比較部53bとパイロットバルブ61との間において、パイロットFB信号PFBに基づいて制御電力C3を出力する位置制御ループのみが構成されている。ただし、外側から内側へ順に、位置制御ループ、速度制御ループ及び電流制御ループが構成されるなど、複数の制御ループが構成されていてもよい。同様に、メインFB信号MFBに基づいてパイロット制御指令C2を出力する過程においては、速度制御が組み込まれてもよい。
(サーボバルブの診断)
以下、サーボバルブ47の異常の有無を診断するための構成及び動作について述べる。本実施形態では、ダイカストマシン1は、サーボバルブ47全体の診断を行う診断モードと、パイロットバルブ61の診断を行う診断モードとを選択的に実行可能である。
(バルブ全体診断モード)
図5は、サーボバルブ47に異常があるか否かを診断する方法を説明するための模式図である。より詳細には、サーボバルブ47全体の診断を行うモードを説明するための模式図である。
図5の紙面上段に示すように、制御ユニット5(制御装置49)は、成形サイクル外において、メイン弁体63の位置を所定のパターンで変化させるようなメイン制御指令C1をサーボドライバ53に出力する。メイン制御指令C1の出力に応じて、サーボドライバ53及びサーボバルブ47は、図4を参照して説明したように動作する。このとき、制御ユニット5は、サーボバルブ47を介して、又は、サーボバルブ47を介さずに直接的に、メイン位置センサ65からのメインFB信号MFBを取得する。
図5の上段右側の制御ユニット5内では、メイン制御指令C1が示す目標位置(そのデータD1)と、メインFB信号MFBが示す検出位置(そのデータD2)とが模式的に示されている。具体的には、時間軸を横軸として、位置(原位置からの変位)を縦軸として、目標位置又は検出位置の変化(波形)が示されている。この概念図のように、サーボバルブ47に異常がなければ、検出位置は目標位置に追従するから、両者の波形は概ね同様の形状となる。逆に、異常があれば、両者は乖離することになる。
そこで、図5の紙面下段に示すように、制御ユニット5は、目標位置と検出位置との関係を示す画像を表示装置33に表示させる。図5の紙面下段の画像例では、目標位置を横軸として、検出位置を縦軸として、複数の目標位置それぞれに対して、同一時刻に得られた検出位置をプロットして得られる線L1が示されている。
なお、ここでいう同一時刻は、厳密に同一である必要はない。例えば、フィードバック制御は比較的短い所定の周期で繰り返し行われるが、互いに対応付けられる目標位置及び検出位置は、フィードバック制御の1又は2周期程度で、その取得された時刻が互いにずれていてもよい。また、画像の線L1は、目標位置及び検出位置のサンプリングデータがプロットされた点の集合であってもよいし、サンプリングデータを結ぶ若しくはサンプリングデータに近似させた線であってもよい。
図5の紙面下段の右側に示すように、サーボバルブ47が正常であれば、線L1は、概ね、傾きが1で切片が0の直線となる。一方、図5の紙面下段の左側に示すように、サーボバルブ47に異常があると、線L1はそのような直線にならない。従って、表示装置33に表示された、図5の紙面下段のような画像を見た作業者は、サーボバルブ47を交換することなく、ダイカストマシン1の異常が、サーボバルブ47の異常によるものであるか否か、判断することができる。
なお、メイン制御指令C1の経時変化のパターンは、適宜な形状とされてよい。ただし、メイン弁体63を、両側の駆動限間で、若しくは、それよりも狭い範囲で、往復動させるように、メイン制御指令C1のパターンは波形であることが好ましい。なお、図5では、メイン制御指令C1は1周期の波形とされている。このメイン制御指令C1は、メイン制御指令C1が出力されていないときのメイン弁体の位置(原位置)に対してメイン弁体が移動方向の両側に移動する構造(通常、図3に示した構造とは異なる)において、メイン弁体を移動方向の両側の駆動限へ順次移動させる指令である。なお、移動方向の一方側の駆動限が原位置とされる場合においては、メイン制御指令C1は、半周期の波形であってもよい。また、メイン制御指令C1は、1周期を超える波形(1往復以上弁体を移動させるパターン)であってもよい。
波形は、三角波(図5参照)、正弦波及びパルス状の波等のいずれであってもよい。ただし、三角波又は正弦波のように、立ち上がり及び立ち下りが縦軸に対して、ある程度、傾斜する波形であることが好ましい。より詳細には、この傾斜は、その傾斜から求まるメイン弁体63の目標速度が、メインバルブ57が出し得るメイン弁体63の最高速度よりも小さいことが好ましい。この場合、目標位置が徐々に変化し、これに検出位置が追従する。その結果、図5の紙面下段に示したようなグラフを描くことができ、目標位置と検出位置との対応関係が明確になりやすい。
サーボバルブ47に異常が生じたときの、線L1のパターンは種々あり得る。図5では、線L1の端部側で線L1の傾きが0になってしまっている場合を例示している。すなわち、メイン制御指令C1の目標位置が増加しているにも関わらず、メイン弁体63が、原位置から所定の距離で離れた位置で停止してしまい、駆動限まで移動しなくなった異常が示されている。このような異常は、例えば、塵がメインバルブ57に噛み込まれることにより生じる。この他、例えば、線L1は、階段状のパターンになる。
(パイロットバルブ診断モード)
図6は、サーボバルブ47に異常があるか否かを診断する方法を説明するための模式図である。より詳細には、パイロットバルブ61の診断を行うモードを説明するための模式図である。
図5に示したバルブ全体を診断するモードにおいては、制御ユニット5は、メイン位置センサ65からのメインFB信号MFBを取得した。これに対して、図6に示すパイロットバルブ61を診断するモードにおいては、制御ユニット5は、サーボドライバ53を介して、又は、サーボバルブ47を介さずに直接的に、パイロットバルブ61のパイロット位置センサ73からのパイロットFB信号PFBを取得する。
また、図5では、制御ユニット5は、メイン制御指令C1が示す目標位置と、メインFB信号MFBが示す検出位置との関係を示す画像を表示装置33に表示した。これに対して、図6では、制御ユニット5は、メイン制御指令C1が示す目標位置(データD1)と、パイロットFB信号PFBが示す検出位置(データD3)との関係を示す画像を表示装置33に表示する。その表示態様は、例えば、図5と同様である。すなわち、図6の紙面下段に示すように、横軸に目標位置をとり、縦軸に検出位置をとり、同一時刻の目標位置と検出位置とを線L2で示すものである。
このパイロットバルブ61を診断するモードにおいては、メイン位置センサ65が出力するメインFB信号MFBの信号レベル(例えば電圧)は、適宜な方法によって、メイン弁体63の位置に関わらず一定とされる。この一定の信号レベルは、好ましくは、メイン弁体63の原位置(例えばメイン制御指令C1が出力されていないときのメイン弁体63の位置)に相当する信号レベルである。
例えば、メイン位置センサ65が作動トランスにより構成されている場合、2次側の2つのコイル全体の両端(作動トランスによる電位差を出力する2つの端部)は短絡される。さらに、この両端に、2次側の2つのコイル間の部分を短絡させてもよいし、及び/又は、基準電位を接続してもよい。短絡は、例えば、作業者が不図示の短絡用コネクタをメイン位置センサ65に取り付けることによってなされる。あるいは、短絡を行う手動スイッチをメインバルブ57に設け、これを作業者が操作してもよいし、短絡を行う電気式又は電磁式のスイッチをメインバルブ57に設け、これを制御ユニット5が制御してもよい。
メイン弁体63の位置に関わらずメインFB信号MFBの信号レベルが一定とされると、サーボドライバ53が図4のフィードバック制御を行うべく動作したとしても、メイン制御指令C1が示す目標位置と、メインFB信号MFBが示す検出位置との偏差は縮小しない。その結果、メイン制御指令C1が示す目標位置の変化は、メイン比較部53aが算出する偏差の変化となり、ひいては、比例ゲインが乗じられるなどしてパイロット制御指令C2が示す目標位置の変化に現れる。従って、メイン位置センサ65の信号レベルが一定(好ましくは原位置に相当する信号レベル)とされることにより、パイロット弁体67は、あたかもメイン制御指令C1に追従するかのように移動する。別の観点では、制御ユニット5が出力するメイン制御指令C1を実質的にサーボドライバ53のメイン比較部53aが出力するパイロット制御指令C2とすることができる。
このようにパイロット弁体67がメイン制御指令C1に追従する場合、パイロットバルブ61が正常であれば、メイン制御指令C1が示す目標位置のパターン(波形)と、パイロットFB信号PFBが示す検出位置のパターン(波形)とは、前者にメイン比較部53aの比例ゲインを乗じれば、互いに概ね一致する関係となる。すなわち、メイン制御指令C1が示す目標位置と、これと同一時刻に得られたパイロットFB信号PFBが示す検出位置との比は、時間によらず概ね一定である。
従って、図5においてメイン制御指令C1とメインFB信号MFBとの比較からサーボバルブ47のバルブ全体の異常の有無を診断できたのと同様に、メイン制御指令C1とパイロットFB信号PFBとの比較からパイロットバルブ61の異常の有無を診断できる。
例えば、図6の紙面下段に示すように、制御ユニット5は、メイン制御指令C1が示す目標位置とパイロットFB信号PFBが示す検出位置との関係を示す画像を表示装置33に表示させる。この画像は、横軸にメイン制御指令C1の目標位置をとり、縦軸にパイロットFB信号PFBが示す検出位置をとり、線L2によって、同一時刻の目標位置と検出位置との対応を示している。図6の紙面下段の右側に示すように、パイロットバルブ61が正常であれば、線L2は、概ね、傾きがメイン比較部53aの比例ゲインで切片が0の直線となる。一方、図6の紙面下段の左側に示すように、パイロットバルブ61に異常があると、線L2はそのような直線にならない。
なお、同一時刻が厳密に同一である必要はないこと、線L2が点又は線によって適宜に描画されてよいことは、サーボバルブ47の全体の診断と同様である。また、サーボバルブ47の全体の診断と同様に、メイン制御指令C1のパターンは、適宜な形状とされてよく、好ましくは、半周期、1周期又はそれ以上の周期分の波形であり、波形は、好ましくは、三角波又は正弦波のように、立ち上がり及び立ち下りが縦軸に対して、ある程度の傾き(好ましくは、この傾きから求まる速度がパイロットバルブ61の出し得る最高速度よりも小さい)で傾斜するものである。
(バルブの診断のためのフローチャート)
図7は、サーボバルブ47を診断するために制御装置49が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS1では、制御装置49は、作業者の操作盤31に対する操作によって、サーボバルブ47の診断が指示されたか否か判定し、指示されたと判定するまで待機する。そして、制御装置49は、診断が指示されたと判定すると、ステップS2以降の、診断を行うための具体的な処理を開始する。
なお、ステップS1は、通常、ダイカストマシン1の全体の動作を統括するための上位のプログラムによって実現される。当該プログラムは、制御装置49の起動時に読み出されて実行される。ステップS2以降は、ステップS1の肯定判定がなされたときに読み出されて実行される、下位のプログラムによって実現される。診断制御部52は、ステップS1以降を実行する部分からなると捉えられてもよいし、ステップS2以降を実行する部分からなると捉えられてもよい。
また、ステップS1における、サーボバルブ47の診断を指示する操作は、例えば、ダイカストマシン1のマニュアル等には記載されておらず、ダイカストマシン1の製造者又は保守管理サービスを担う者のみが知る、いわゆる隠しモードを実行するための操作となっている。ただし、当該操作は、マニュアル等に記載され、ダイカストマシン1のユーザ(オペレータ)が実行可能となっていてもよい。
また、特に図示しないが、ステップS1においては、成形サイクル中か否か判定し、成形サイクル外であるときのみ、ステップS2に進むなど、その他の条件判定がなされてもよい。
ステップS2では、制御装置49は、サーボバルブ47のバルブ全体の診断(図5)、及び、パイロットバルブ61の診断(図6)のいずれかを選択する操作盤31に対する操作を受け付ける。この際、制御装置49は、選択を促す画像を表示装置33に表示させてもよい。
そして、制御装置49は、バルブ全体の診断が選択されたと判定したときは、ステップS3に進み、バルブ全体の診断のための処理を行い、パイロットバルブ61の診断が選択されたと判定したときは、ステップS4に進み、パイロットバルブ61の診断のための処理を行う。
図8は、図7のステップS3で制御装置49が実行する、バルブ全体診断処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS11では、制御装置49は、マシン本体3が診断に不要な液圧を生じない状態となるように、作業者に操作盤31等の操作を促す画像を表示装置33に表示させる。例えば、本実施形態では、サーボバルブ47のバルブ全体の診断は、メイン位置センサ65の検出値に基づいて行われ、サーボバルブ47によって制御されるメイン流路55の作動液の流量又は圧力に基づいては行われないから、メイン流路55における作動液の流れは不要である。従って、例えば、パイロット流路59に作動液を供給する液圧源以外の液圧源は、作動液を放出しない状態(例えばポンプ39であれば停止状態、アキュムレータ41であれば放出完了状態)とされてよい。また、例えば、サーボバルブ47よりも上流側にメイン流路55を開閉するバルブがある場合は、このバルブを閉じてもよい。
なお、制御装置49は、診断に不要な液圧が生じない状態とされたか否かを各種のセンサ等からの信号に基づいて判定し、診断に不要な液圧が生じない状態とされたと判定したときのみ次のステップに進むようにしてもよい。また、制御装置49は、作業者に操作を促す代わりに、制御装置49が電動機45及び/又は液圧回路43を制御して、上記のような状態を実現してもよい。
ステップS12〜S14では、図5を参照して説明したように、制御装置49は、診断用のメイン制御指令C1をサーボドライバ53へ出力し、メイン位置センサ65からメインFB信号MFBを取得し、メインFB信号MFBのメイン制御指令C1に対する追従性を示す画像を表示装置33に表示する。なお、図8では、これらのステップを順次に記載しているが、より正確には、ステップS12及びS13は繰り返し行われ、その繰り返しが終了すると、ステップS14が行われる。なお、診断用のメイン制御指令C1の出力、及び、メインFB信号MFBの取得は、例えば、作業者の操作盤31に対する所定の操作によって開始されてよい。
ステップS15では、制御装置49は、メインFB信号MFBに基づいてサーボバルブ47に異常が生じているか否か判定する。具体的には、例えば、制御装置49は、メイン制御指令C1とメインFB信号MFBとを比較して異常の有無を判定する。より具体的には、例えば、制御装置49は、同一時刻の目標位置(メイン制御指令C1)と検出位置(メインFB信号MFB)との差が所定の許容範囲を超えることがあったか否か判定し、あったと判定したときは、異常が生じたと判定する。そして、制御装置49は、異常が生じていないと判定したときは、ステップS16に進み、異常が生じたと判定したときは、ステップS17に進む。
ステップS16では、制御装置49は、正常時処理を実行する。この処理は、例えば、サーボバルブ47は正常である旨を表示装置33に表示させる処理である。
ステップS17では、制御装置49は、後述する正常化動作(ステップS18)が試行済みであるか否か判定し、試行済みでないと判定したときはステップS18に進み、試行済みであると判定したときはステップS19に進む。
ステップS18では、制御装置49は、サーボバルブ47を正常化させる正常化動作を行う。例えば、塵がメインバルブ57又はパイロットバルブ61に噛み込まれて異常が生じている場合においては、メインバルブ57又はパイロットバルブ61に所定の動作をさせることによって、塵の噛み込みが解消され、正常化されることがある。より具体的には、例えば、メインバルブ57又はパイロットバルブ61が成形サイクル等においてフルストロークで駆動されない場合、当該バルブをフルストロークで駆動することによって、塵の噛み込みが解消されることがある。そこで、制御装置49は、メインバルブ57又はパイロットバルブ61をフルストロークで往復させるようなメイン制御指令C1を出力する。
ステップS18の後、制御装置49は、ステップS12に戻り、再度、サーボバルブ47の異常の有無を判定する。
ステップS19では、制御装置49は、異常時処理を実行する。この処理は、例えば、サーボバルブ47に異常が生じていることを示す画像を表示装置33に表示させる処理である。異常が生じていることを示す画像は、例えば、「異常発生」の文字を表示したり、「異常」の文字をハイライト表示したり、異常に対応する記号を表示したりするようなものである。なお、このような表示は、ステップS17の前にも行われてよい。
ステップS15〜S19は作業者によって実行されてもよい。
例えば、作業者は、ステップS14で表示装置33に表示された画像を見て、サーボバルブ47に異常が生じたか否か判定する(ステップS15)。そして、作業者は、正常と判定したときはその旨をチェックシートに記載するなど適宜な正常時処理を行い(ステップS16)、又は、そのような処理を行わずに、サーボバルブ47以外の異常の有無の診断に移行する。
また、例えば、作業者は、ステップS15で異常が生じていると判定したときは、正常化動作を試行済みか否か判定し(ステップS17)、試行済みでないと判定したときは、正常化動作が試行されるように操作盤31を介して制御装置49に指示する。そして、試行後、作業者は、操作盤31に対する操作によって、ステップS12以降の処理を制御装置49に実行させる。ステップS19では、作業者は、例えば、サーボバルブ47を交換するなどの異常時処理を行う。
図9は、図7のステップS4で制御装置49が実行する、パイロットバルブ診断処理の手順の一例を示すフローチャートである。
この処理は、図5及び図6の比較から理解されるように、メイン位置センサ65が短絡される点、及び、パイロットFB信号PFBに基づいて診断が行われる点を除いて、図8に示した処理と概ね同様である。以下では、相違点を中心に述べる。特に言及しない点は、図8と同様である。
ステップS21では、制御装置49は、ステップS11と同様に、マシン本体3が診断に不要な液圧を生じない状態となるように処理を行う。ただし、パイロットバルブ61の診断では、メイン流路55だけでなく、パイロット流路59の作動液も不要である。従って、例えば、ポンプ39が停止状態とされるとともに、アキュムレータ41の作動液の放出が完了された状態とされるなど、全ての液圧源からの作動液の供給が停止されてよい。
なお、パイロット流路59に作動液が供給されていない場合においては、図4のフィードバック制御が行われても、メイン弁体63は移動しない。従って、パイロットバルブ61への作動液の供給の停止によっても、メイン位置センサ65を短絡したのと同様に、メイン制御指令C1に追従するようにパイロット弁体67を移動させることができる。ただし、この場合であっても、より安定してパイロットバルブ61の診断用の制御を行うためには、メイン位置センサ65が短絡されていることが好ましい。
ステップS22では、制御装置49は、メイン位置センサ65を短絡させる作業を作業者に促す画像を表示装置33に表示させる。または、メインバルブ57にメイン位置センサ65を短絡させる機能がある場合には、メインバルブ57を制御してメイン位置センサ65を短絡する。
ステップS23〜S30は、メインFB信号MFBに代えて、パイロットFB信号PFBが取得及び表示されるとともに、パイロットFB信号PFBに基づいて異常判定がなされる点を除いて、図8のステップS12〜S19と同様である。ステップS26以降が制御装置49及び作業者のいずれによってなされてよいことも、図8と同様である。
ステップS31では、制御装置49は、メイン位置センサ65の短絡を解除する作業を作業者に促す画像を表示装置33に表示させる。または、メインバルブ57にメイン位置センサ65を短絡させる機能がある場合には、メインバルブ57を制御してメイン位置センサ65の短絡を解除する。
図10は、図9のステップS22付近の変形例を示すフローチャートである。
メイン位置センサ65の短絡(ステップS22)を作業者の手作業によって行う場合においては、短絡がなされていない状態、又は、短絡が適切になされていない状態で、ステップS23以降のステップが実行されるおそれがある。そこで、この変形例では、そのような不都合を防止するための処理が行われる。
ステップS22では、既に説明したように、制御装置49は、メイン位置センサ65を短絡させる作業を作業者に促す画像を表示装置33に表示させる。その後、制御装置49は、例えば、作業者の操作盤31に対する操作に応じて、図9と同様に、診断用のメイン制御指令C1の出力(ステップS23)及びパイロットFB信号PFBの取得(ステップS24)を行う。
このとき、制御装置49は、パイロットFB信号PFBの取得と並行して、メインFB信号MFBの取得も行う(ステップS41)。そして、制御装置49は、取得したメインFB信号MFBが、メイン位置センサ65が適切に短絡されたときの信号であるか否か判定する(ステップS42)。メイン位置センサ65が適切に短絡されたときの信号は、既に述べたように、一定の信号レベルの信号であり、その一定の信号レベルは、好ましくは、メイン弁体63が原位置にあるときの信号レベル(メイン制御指令C1が出力されていないときの信号レベル)である。制御装置49は、例えば、取得したメインFB信号MFBの信号レベルが、診断用のメイン制御指令C1を出力している間に亘って、原位置にあるときの信号レベルを含む所定の範囲内に収まっているか否かによって、上記の判定を行う。
制御装置49は、取得したメインFB信号MFBが、メイン位置センサ65が適切に短絡されたときの信号であると判定したときは、ステップS25に進む。それ以降は、図9と同様である。一方、制御装置49は、取得したメインFB信号MFBが、メイン位置センサ65が適切に短絡されたときの信号でないと判定したときは、ステップS22に戻り、短絡の作業を促す画像を表示装置33に表示させる。なお、ステップS42を経由してステップS22を実行するときは、最初にステップS22を行ったときとは異なる画像が表示されてもよい。
なお、制御装置49が図10の変形例のフローチャートを実行可能であるとき、制御装置49は、図2に示すように、第1判定部52a、信号表示制御部52b及び第1警告表示制御部52cを有している。第1判定部52aは、サーボバルブ47に対するメイン制御指令C1に関わらずメインFB信号MFBの信号レベルが一定であるか否か判定する(ステップS42)。信号表示制御部52bは、第1判定部52aにより一定であると判定されたときにパイロットFB信号PFBを示す画像を表示装置33に表示させる(ステップS25)。第1警告表示制御部52cは、第1判定部52aにより一定でないと判定されたときに所定の第1警告画像を表示装置33に表示させる(ステップS22)。
図11は、図9のステップS31付近の変形例を示すフローチャートである。
メイン位置センサ65の短絡の解除(ステップS31)を作業者の手作業によって行う場合においては、短絡の解除がなされていない状態で、パイロットバルブ61の診断以外の動作が実行されるおそれがある。そこで、この変形例では、そのような不都合を防止するための処理が行われる。
ステップS31では、既に説明したように、制御装置49は、メイン位置センサ65の短絡を解除させる作業を作業者に促す画像を表示装置33に表示させる。その後、制御装置49は、例えば、パイロットバルブ61の診断以外の新たな動作を指示する操作が操作盤31になされたか否か判定し、なされたと判定するまで待機し、なされたと判定したときは、ステップS52に進む。
ステップS52では、制御装置49は、所定の短絡解除の確認用のメイン制御指令C1をサーボドライバ53に出力する。ステップS53では、制御装置49は、メインFB信号MFBを取得する。なお、図11では、これらのステップが順次に記載されているが、より正確には、ステップS52及びS53は繰り返し行われる。
ステップS54では、制御装置49は、ステップS42と同様に、取得したメインFB信号MFBが、メイン位置センサ65が短絡されているときのものであるか否か判定し、短絡されているときのものと判定したときは、ステップS31に戻り、短絡されているときのものではないと判定したときは、パイロットバルブ診断処理を終了する。
ステップS54の判定方法は、ステップS42と同様に、短絡が適切になされているときの信号であるか否かの判定であってもよいし、誤った短絡がなされている場合にもステップS31に戻るような判定であってもよい。ただし、ステップS15で異常と判定される条件よりも、短絡されていると判定される条件は厳しいことが好ましい。また、ステップS54を経由してステップS31を実行するときは、最初にステップS31を行ったときとは異なる画像が表示されてもよい。
なお、制御装置49が図11の変形例のフローチャートを実行可能であるとき、制御装置49は、図2に示すように、第2判定部52d及び第2警告表示制御部52eを有している。第2判定部52dは、パイロットFB信号PFBが表示装置33に表示された後に、サーボバルブ47に対するメイン制御指令C1に関わらずメインFB信号MFBの信号レベルが一定であるか否か判定する(ステップS54)。第2警告表示制御部52eは、第2判定部52dにより一定でないと判定されたときに所定の第2警告画像を表示装置33に表示させる(ステップS31)。
以上のとおり、本実施形態では、ダイカストマシン1は、マシン本体3と、表示装置33と、制御装置49とを有している。マシン本体3は、型締装置7、射出装置9及び押出装置11を含むとともに、サーボバルブ47を含み、成形サイクルの少なくとも一部の動作をサーボバルブ47によって流れが制御される作動液の液圧によって制御する。サーボバルブ47は、制御量に応じたフィードバック信号(メインFB信号MFB及び/又はパイロットFB信号PFB)を出力するとともに、成形サイクルにおいてフィードバック信号に基づくフィードバック制御が行われる。制御装置49は、成形サイクルを行うようにマシン本体3を制御するとともに、成形条件の設定値及び実測値の少なくとも一方を表示するように表示装置33を制御する。さらに、制御装置49は、所定のメイン制御指令C1をサーボバルブ47(厳密にはその間に介在するサーボドライバ53)へ出力したときのフィードバック信号を示す画像を表示装置33に表示させる。
従って、作業者は、表示装置33に表示されたフィードバック信号に基づいて、マシン本体3の動作異常の原因がサーボバルブ47の異常によるものであるか否か判定できる。この判定は、例えば、成形サイクルにおけるフィードバックフィード制御に用いられるフィードバック信号に基づくことから、サーボバルブ47の診断のためだけに、専用のセンサを設ける必要がない。また、成形サイクルに用いられる制御装置49及び表示装置33を用いてサーボバルブ47の診断を行い、成形サイクルの異常の原因を調べることから、ダイカストマシン1が好適に多機能化される。
また、本実施形態では、サーボバルブ47は、弁体(メイン弁体63及び/又はパイロット弁体67)を移動させて流路(メイン流路55及び/又はパイロット流路59)を開閉するとともに、前記のようにフィードバック制御及び表示装置33の表示に用いられるフィードバック信号として、弁体の検出位置を示す信号(メインFB信号MFB及び/又はパイロットFB信号PFB)を出力する。
従って、例えば、サーボバルブ47の異常の有無をより正確に判定できる。具体的には、例えば、サーボバルブ47における作動液の流れは、サーボバルブ47によって作動液の流れが制御される流路に設けられた他のバルブの状態、又は、当該流路に接続された他の流路における作動液の流れの状態に影響を受ける。従って、例えば、フィードバック信号が、流量センサ又は圧力センサからのものである場合(この場合も本発明に含まれる)、他のバルブ又は他の流路における異常によってフィードバック信号に表れた異常を、誤ってサーボバルブ47の異常と判断してしまうおそれがある。本実施形態では、サーボバルブ47の動作自体に基づいて判定が可能であることから、そのようなおそれが低減される。
また、本実施形態では、制御装置49は、サーボバルブ47によって流れが制御される流路(メイン流路55及び/又はパイロット流路59)に作動液を供給していない状態で、メイン制御指令C1をサーボバルブ47へ出力し、そのときのフィードバック信号を表示装置33に表示させる。
従って、例えば、成形サイクル外においてサーボバルブ47の診断を行うときに、診断のためだけに作動液を送出する必要性が低減される。その結果、診断に必要なエネルギーを低減することができる。また、例えば、診断の際に、何らかの要因によってマシン本体3が意図しない動作をするおそれが低減され、安全性が向上する。また、例えば、上述した他のバルブ又は他の流路における異常がサーボバルブ47の診断に及ぼす影響がより低減される。
また、本実施形態では、診断用のメイン制御指令C1は、横軸に時間をとり、縦軸に目標位置(原位置からの変位)をとったときに、立ち上がり及び立ち下りが縦軸に対して傾斜する波形となる位置指令である。
すなわち、メイン制御指令C1は、目標位置を徐々に変化させながら、弁体(メイン弁体63及び/又はパイロット弁体67)を往復させるものである。この場合、例えば、既に言及したように、メイン制御指令C1が、立ち上がり及び立ち下がりが縦軸と平行なパルス波状である場合に比較して、図5又は図6の紙面下段に示したようなグラフを描くことができ、目標位置と検出位置との対応関係が明確になりやすい。
また、本実施形態では、サーボバルブ47は、パイロットバルブ61と、メインバルブ57と、を有している。パイロットバルブ61は、電磁力によってパイロット弁体67を移動させてパイロット流路59における作動液の流れを制御するとともに、パイロット弁体67の検出位置を示すパイロットFB信号PFBを出力する。メインバルブ57は、パイロット流路59からのパイロット圧によってメイン弁体63を移動させてメイン流路55における作動液の流れを制御するとともに、メイン弁体63の検出位置を示すメインFB信号MFBを出力する。また、サーボバルブ47は、成形サイクルにおいて、制御装置49からのメイン制御指令C1が示すメイン弁体63の目標位置とメインFB信号MFBが示すメイン弁体63の検出位置との偏差に応じたパイロット弁体67の目標位置(パイロット制御指令C2)と、パイロットFB信号PFBが示すパイロット弁体67の検出位置との偏差が縮小されるようにフィードバック制御される。制御装置49は、表示装置33に表示させるフィードバック信号として、パイロットFB信号PFB及びメインFB信号MFBの少なくとも一方を用いる。
このように、本発明のサーボバルブの診断方法は、2段構成とされたサーボバルブ47にも適用可能である。2段構成とされたサーボバルブ47は、1段構成のものよりも大型乃至はコストが高くなりがちである。そのようなサーボバルブ47について不要な交換がなされるおそれが低減されることにより、作業負担の低減乃至はコスト削減が図られる。
また、本実施形態では、制御装置49は、表示装置33に表示させるフィードバック信号として、パイロットFB信号PFB及びメインFB信号MFBを選択的に用いる。
従って、例えば、サーボバルブ47のうち、どこに異常が生じたかを特定することが可能である。具体的には、例えば、パイロットFB信号PFBに基づく診断において異常が認められれば、パイロットバルブ61の異常が特定される。また、例えば、パイロットFB信号PFBに基づく診断において異常が認められず、且つ、メインFB信号MFBに基づく診断(バルブ全体の診断)において異常が認められれば、メインバルブ57の異常が特定される。このように、パイロットバルブ61の異常とメインバルブ57の異常とを区別して特定できることから、例えば、パイロットバルブ61及びメインバルブ57のうち一方のみを交換して異常を解消することが可能である。その結果、コスト削減が図られる。
また、本実施形態では、制御装置49は、成形サイクル外において、表示装置33に表示させるフィードバック信号としてパイロットFB信号PFBを用いる場合に、パイロットFB信号PFBを表示装置33に表示させる前に、サーボバルブ47に対するメイン制御指令C1に関わらずメインFB信号MFBの信号レベルが一定であるか否か判定し(ステップS42)、一定でないと判定したときは、所定の第1警告表示を表示装置33に表示させる(ステップS22)。
従って、既に述べたように、パイロットバルブ61の診断を行う前に、メインFB信号MFBの信号レベルが一定となるようにする作業が適切に行われないおそれを低減できる。すなわち、メインFB信号MFBの信号レベルを一定とすることによって適切にパイロットバルブ61の診断を行うように作業者に確実に指示することができる。
また、本実施形態では、制御装置49は、成形サイクル外において、表示装置33に表示させるフィードバック信号としてパイロットFB信号PFBを用いる場合に、パイロットFB信号PFBを表示装置33に表示させた後に、サーボバルブ47に対するメイン制御指令C1に関わらずメインFB信号MFBの信号レベルが一定であるか否か判定し(ステップS54)、一定であると判定したときは、所定の第2警告表示を表示装置33に表示させる(ステップS31)。
従って、既に述べたように、パイロットバルブ61の診断を行った後に、メインFB信号MFBの信号レベルが一定となる状態を解除する作業が行われないおそれを低減できる。その結果、その後の他の診断作業又は成形サイクルで、サーボバルブ47が意図しない動作を行うおそれが低減される。
また、本実施形態では、制御装置49は、フィードバック信号(メインFB信号MFB及び/又はパイロットFB信号PFB)に基づいてサーボバルブ47の異常の有無を判定し(ステップS15及び/又はS26)、満たすと判定したときはサーボバルブ47に異常が生じたことを示す画像を表示装置33に表示させる(ステップS19及び/又はS30)。
従って、例えば、制御装置49は、作業者による異常の有無の判定を支援したり、又は、作業者に代わって異常の有無の判定を迅速に行ったりすることができる。
なお、以上の実施形態において、ダイカストマシン1は成形機の一例であり、メイン弁体63及びパイロット弁体67それぞれは弁体の一例であり、これらの弁体の位置はサーボバルブの制御量の一例であり、メインFB信号MFB及びパイロットFB信号PFBそれぞれはフィードバック信号の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、プラスチック射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。
マシン本体の構造は、少なくとも一部の動作が、サーボバルブによって流れが制御された作動液の液圧によって制御されればよく、公知の種々の構造とされてよい。例えば、駆動方式は、成形サイクル全体の動作を液圧によって行う全液圧式に限定されず、一部の動作を電動機によって行い、他の動作を液圧によって行う、いわゆるハイブリッド式等であってもよい。また、例えば、型締め及び射出の方向は、横型締横射出に限定されず、縦型締縦射出、横型締縦射出又は縦型締横射出等であってもよい。また、例えば、型締装置の構造は、トグル式のものに限定されず、例えば、型閉じ及び型締めが別個の駆動手段により行われる複合式(2プラテン式)のもの等であってもよい。
サーボバルブは、既に述べたように、サーボ機構の中で使用され、流量又は圧力を無段階に変調可能であればよく、公知の種々の構造とされてよい。例えば、サーボバルブの構造は、2段構成のものに限定されず、例えば、1段構成又は3段構成のもの等であってもよい。また、例えば、弁方式は切換弁式に限定されないし、弁体もスプールに限定されない。例えば、弁体は、ディスク、ニードル、ボール又はポペットであってもよい。また、弁方式が切換弁式の場合、ポート数及び位置数は適宜な数とされてよい。また、例えば、サーボバルブの駆動方式は、電気−液圧(油圧)式に限定されず、電気式のもの等であってもよい。また、例えば、平衡方式は、スプリング等を用いる方式に限定されず、力フィードバック式等であってもよい。
成形機は、フィードバック信号を示す画像を表示する機能を有する場合(作業者が異常の有無を判断可能な場合)、異常の有無を判定する機能を必ずしも有している必要はない。逆に、成形機は、異常の有無を判定する機能を有している場合、フィードバック信号を示す画像を表示する機能を必ずしも有している必要はない。
バルブ全体の診断(メインFB信号に基づく診断)とパイロットバルブの診断(パイロットFB信号に基づく診断)とが選択的に行われるという場合、両診断が異なる時期に行われればよいのであり、当然に、一方の診断を行った後に、他方の診断を行ってもよい(異なる時期に両診断が行われてよい)。また、例えば、最初にバルブ全体の診断を行い、バルブ全体の診断で異常が認められたときのみ、パイロットバルブの診断を行うようにしてもよい。
サーボバルブの診断は、成形サイクル外に限定されず、成形サイクル内において行われてもよい。例えば、制御装置は、成形サイクルに必要な動作をサーボバルブにさせるために制御指令を出力したときに、このときのフィードバック信号を示す画像を表示装置に表示させ、及び/又は、このときのフィードバック信号に基づいて異常判定を行ってもよい。また、例えば、成形サイクル内において、サーボバルブが利用されていない期間があるのであれば、制御装置は、その期間に、成形サイクルに必ずしも必要でない動作をサーボバルブにさせるような制御指令を出力して診断を行ってもよい。なお、この成形サイクルに必要でない動作のとき、サーボバルブによって作動液の流れが制御される流路は、作動液が供給されていなくてよい。
サーボバルブの診断は、サーボバルブによって作動液の流れが制御される流路に作動液が供給された状態で行われてもよい。この場合は、液圧を受けた状態でサーボバルブの異常を診断することになるので、成形サイクルにおいて異常が生じた状況により近い状況でサーボバルブの異常を診断することができる。
フィードバック信号を示す画像は、目標位置と検出位置とを対応付けたグラフに限定されない。例えば、図5及び図6の紙面上方右側に示したような、制御指令の波形と、フィードバック信号の波形とを、並べて又は重ねて表示してもよい。また、例えば、マニュアルに制御指令の波形が記載されている場合等においては、フィードバック信号の波形のみを表示してもよい。実測されたフィードバック信号の波形と、理想的なフィードバック信号の波形とを、並べて又は重ねて表示してもよい。また、例えば、フィードバック信号そのものではなく、フィードバック信号と制御指令との差を示すことによって、フィードバック信号を示してもよい。また、例えば、波形等の図形ではなく、フィードバック信号と制御信号との差の値などの、フィードバック信号に基づく、異常の判定に資する指標値((数字乃至は文字)を表示してもよい。
制御装置が異常の有無を判定する場合において、その判定は、フィードバック信号に基づいて行われればよく、制御指令と比較されなくてもよい。例えば、診断用の制御指令を出力したにも関わらず、フィードバック信号が一定である場合は、制御指令と比較するまでもなく、異常と判定することができる。また、例えば、制御指令及びフィードバック信号そのものの比較ではなく、これらを微分又は積分した値を比較してもよい。総じていえば、フィードバック信号が、異常(又は正常)と定義される条件を満たすか否かの判定において、その条件は適宜に設定されてよい。
また、制御装置が異常の有無を判定して、その結果(正常及び/又は異常)を報知する場合、その報知のための報知部は、表示装置に限定されない。例えば、操作盤の所定の位置にLEDが設けられ、そのLEDの点灯、消灯及び/又は点滅によって、異常の有無が示されてもよいし、スピーカからの音声によって異常の有無が報知されてもよい。
図10のステップS41では、パイロットバルブの診断用の制御指令(ステップS23)を出力したときのメインFB信号に基づいてメイン位置センサが短絡されているか否か判定したが、ステップS23の前に、短絡の有無を判定するための専用の制御指令が出力されてもよい。