JP6495615B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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本発明は、放射線断層撮影装置により取得された断層画像を処理する装置および方法に関するものである。
被検体(生体)の断層画像を取得することができる放射線断層撮影装置として、PET(PositronEmission Tomography)装置およびSPECT(Single Photon Emission ComputedTomography)装置が挙げられる。
PET装置は、陽電子放出アイソトープ(RI線源)が投入された被検体内における電子・陽電子の対消滅に伴って発生し互いに逆方向に飛行する光子対を同時計数法により検出することにより、その被検体内の極微量物質の挙動を画像化した断層画像を再構成することができる。
PET装置は、被検体が置かれる測定空間の周囲に配列された多数の小型の放射線検出器を有する検出部を備えている。PET装置は、電子・陽電子の対消滅に伴って発生するエネルギ511keVの光子対を検出部により同時計数法で検出し、この同時計数情報を蓄積する。そして、PET装置は、この蓄積した多数の同時計数情報に基づいて、測定空間における光子対の発生頻度の空間分布を表す断層画像を再構成する。このPET装置は核医学分野等で重要な役割を果たしており、これを用いて例えば生体機能や脳の高次機能の研究を行うことができる。
このような放射線断層撮影装置により再構成された断層画像は、画像フィルタによりノイズが除去される。ノイズ除去の為に用いられる画像フィルタとしては、ガウシアン・フィルタ(Gaussian Filter)、ノンローカル・ミーンズ・フィルタ(Non-LocalMeans Filter)、ガイディド・イメージ・フィルタ(Guided Image Filter)が挙げられる。
従来からガウシアン・フィルタが用いられている。これに対して、ノンローカル・ミーンズ・フィルタおよびガイディド・イメージ・フィルタは、近年になって開発されたものであって、ガウシアン・フィルタと比べると画像中の濃淡の境界をよく保存することができるという特徴がある。
ノンローカル・ミーンズ・フィルタおよびガイディド・イメージ・フィルタは、一般に、断層画像に含まれるノイズが平均値0で標準偏差σの正規分布で表されると仮定して、その標準偏差σの二乗の定数倍を平滑化パラメータとし、この平滑化パラメータを用いてフィルタ処理をする。
平滑化パラメータは、ノイズ除去の効果の大きさを決めるパラメータである。平滑化パラメータの値が大きいほどノイズ除去の効果が大きく、平滑化パラメータの値が小さいほどノイズ除去の効果が小さい。平滑化パラメータは、ノンローカル・ミーンズ・フィルタではsmoothing parameter と呼ばれる場合があり、ガイディド・イメージ・フィルタではregularization parameter と呼ばれる場合がある。
しかし、ノイズの標準偏差σが一定であると仮定し平滑化パラメータを一定としてフィルタ処理をすると、断層画像によってはノイズ除去を適切に行なうことができない場合があり、また、断層画像中の領域によってはノイズ除去を適切に行なうことができない場合がある。
特表2008−543412号公報
特許文献1には、放射断層撮像のためのノイズモデル選択方法及び装置の発明が開示されている。この発明は、任意の断層画像に対して最適なノイズモデルを選択することを意図している。すなわち、この発明は、様々なデータ取得条件や再構成処理条件に応じた複数のノイズモデルを含むデータベースを予め用意しておき、対象の断層画像のデータ取得条件や再構成処理条件に対応するノイズモデルをデータベースから選択して、その選択したノイズモデルを対象の断層画像のノイズモデルとする。
しかし、特許文献1には、ノイズモデルについて詳細な記載がなく、ノイズモデルを作成する方法についても記載がなく、また、そのノイズモデルを用いて何等かの処理をすることについても記載がない。
特許文献1に開示された発明は明確ではないものの、データ取得および再構成処理の各条件において多数の断層画像を取得して、これら多数の断層画像について統計的処理をして、断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表すノイズ画像を作成することが考えられる。そして、このノイズ画像を用いて平滑化パラメータを適切に設定してフィルタ処理をすることが考えられる。しかし、このような方法は、ノイズ画像作成の為に膨大なデータおよび時間を必要とし、容易ではない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、容易にノイズ画像を作成して断層画像のフィルタ処理をすることができる装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、放射線断層撮影装置により収集されたリストデータに基づいて再構成された断層画像を処理する装置であって、(1) リストデータのうちの一部を第1部分リストデータとするとともに、他の一部を第2部分リストデータとするデータ分割部と、(2) リストデータに基づいて処理対象の断層画像を再構成する処理対象画像再構成部と、(3)第1部分リストデータに基づいて第1断層画像を再構成する第1画像再構成部と、(4) 第2部分リストデータに基づいて第2断層画像を再構成する第2画像再構成部と、(5) 第1断層画像と第2断層画像との各画素の画素値の差に基づいて、処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表すノイズ画像を作成するノイズ画像作成部と、(6) ノイズ画像に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理部と、を備える。
本発明の画像処理装置では、データ分割部が、リストデータを収集順に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割するのが好適であり、また、リストデータを一定収集時間毎に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割するのも好適である。
本発明の放射線断層撮影システムは、被検体の断層画像を再構成するためのリストデータを収集する放射線断層撮影装置と、放射線断層撮影装置により収集されたリストデータに基づいて断層画像を再構成して処理する上記の本発明の画像処理装置と、を備える。
本発明の画像処理方法は、放射線断層撮影装置により収集されたリストデータに基づいて再構成された断層画像を処理する方法であって、(1) リストデータのうちの一部を第1部分リストデータとするとともに、他の一部を第2部分リストデータとするデータ分割ステップと、(2) リストデータに基づいて処理対象の断層画像を再構成する処理対象画像再構成ステップと、(3) 第1部分リストデータに基づいて第1断層画像を再構成する第1画像再構成ステップと、(4)第2部分リストデータに基づいて第2断層画像を再構成する第2画像再構成ステップと、(5) 第1断層画像と第2断層画像との各画素の画素値の差に基づいて、処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表すノイズ画像を作成するノイズ画像作成ステップと、(6) ノイズ画像に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理ステップと、を備える。
本発明の画像処理方法は、データ分割ステップにおいて、リストデータを収集順に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割するのが好適であり、また、リストデータを一定収集時間毎に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割するのも好適である。
本発明によれば、容易にノイズ画像を作成して断層画像のフィルタ処理をすることができる。
本実施形態の放射線断層撮影システム1の構成を示す図である。 本実施形態の画像処理方法を説明するフローチャートである。 本実施形態におけるノイズ画像作成について説明する図である。 本実施形態におけるノイズ画像作成について説明する図である。 ノイズ画像を示す図である。 ノンローカル・ミーンズ・フィルタについて説明する図である。 ガイディド・イメージ・フィルタについて説明する図である。 カウント数912Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対してフィルタ処理していない場合(比較例1)の断層画像を示す図である。 カウント数92.4Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対して、半値幅を1.5mmとしたガウシアン・フィルタ処理(比較例2)をした当該フィルタ処理後の断層画像を示す図である。 カウント数92.4Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対して、ノイズの標準偏差σを一定値850としα=1.4としたノンローカル・ミーンズ・フィルタ処理(比較例3)をした当該フィルタ処理後の断層画像を示す図である。 カウント数92.4Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対して、上述したノイズ画像を用いα=1.4としたノンローカル・ミーンズ・フィルタ処理(実施例)をした当該フィルタ処理後の断層画像を示す図である。 比較例2,3および実施例それぞれにおける画素値の平均値(Mean)、比較例1との間の平均二乗誤差(RMSE)および両者の比(RMSE/Mean×100%)を纏めた表である。 断層画像における関心領域の位置を示す図である。 断層画像における関心領域の画像を示す図である。 図14中に示される直線に沿って画素値の分布を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の放射線断層撮影システム1の構成を示す図である。放射線断層撮影システム1は、放射線断層撮影装置10および画像処理装置20を備える。画像処理装置20は、データ分割部21、処理対象画像再構成部22、第1画像再構成部23、第2画像再構成部24、ノイズ画像作成部25、フィルタ処理部26および記憶部27を含む。
放射線断層撮影装置10は、被検体の断層画像を再構成するためのリストデータを収集する装置である。放射線断層撮影装置10として、PET装置およびSPECT装置が挙げられる。以下では、放射線断層撮影装置10がPET装置であるとして説明をする。
放射線断層撮影装置10は、被検体が置かれる測定空間の周囲に配列された多数の小型の放射線検出器を有する検出部を備えている。放射線断層撮影装置10は、陽電子放出アイソトープ(RI線源)が投入された被検体内における電子・陽電子の対消滅に伴って発生するエネルギ511keVの光子対を検出部により同時計数法で検出し、この同時計数情報を蓄積する。そして、放射線断層撮影装置10は、この蓄積した多数の同時計数情報を時系列に並べたものをリストデータとして画像処理装置20へ出力する。
リストデータは、光子対を同時計数した1対の放射線検出器の識別情報を含む。リストデータは、さらに、各放射線検出器が検出した光子のエネルギ情報、および、1対の放射線検出器の検出時間差情報をも含んでいてもよい。
リストデータに基づいて断層画像を再構成する技術としては、ML-EM(maximum likelihood expectation maximization)法や、これを改良したブロック反復法による逐次近似的画像再構成技術が知られている。また、ブロック反復法による逐次近似的画像再構成技術としては、OSEM(ordered subset ML-EM)法、RAMLA(row-action maximum likelihood algorithm)法およびDRAMA(dynamic RAMLA)法などが知られている。
これらの技術により再構成された断層画像では、一般に、画素値が大きい領域ではノイズの標準偏差σが大きく、画素値が小さい領域ではノイズの標準偏差σが小さい。したがって、画像フィルタ(ノンローカル・ミーンズ・フィルタ、ガイディド・イメージ・フィルタ)を用いて、断層画像の全体に亘ってノイズの標準偏差σが一定であると仮定して平滑化パラメータを一定としてフィルタ処理をすると、画素値が大きい領域ではノイズ除去の効果が小さく、画素値が小さい領域ではノイズ除去の効果が大きくなって、フィルタ処理の結果は好ましくない。
画像処理装置20は、放射線断層撮影装置10により収集されたリストデータに基づいて断層画像を再構成して処理する装置である。画像処理装置20は、平滑化パラメータを適切に設定して断層画像に対してフィルタ処理をする。
画像処理装置20のデータ分割部21は、放射線断層撮影装置10により収集されたリストデータのうちの一部を第1部分リストデータとするとともに、他の一部を第2部分リストデータとする。元のリストデータの一部データが第1部分リストデータおよび第2部分リストデータの双方に含まれていてもよい。元のリストデータの一部データが第1部分リストデータおよび第2部分リストデータの何れにも含まれていなくてもよい。データ分割部21は、元のリストデータを第1部分リストデータと第2部分リストデータとに2分割するのが好ましい。
処理対象画像再構成部22は、元のリストデータに基づいて処理対象の断層画像を再構成する。第1画像再構成部23は、第1部分リストデータに基づいて第1断層画像を再構成する。第2画像再構成部24は、第2部分リストデータに基づいて第2断層画像を再構成する。これらの再構成処理に際して、ML-EM法、OSEM法、RAMLA法およびDRAMA法などが用いられる。
ノイズ画像作成部25は、第1画像再構成部23により再構成された第1断層画像を入力するとともに、第2画像再構成部24により再構成された第2断層画像を入力して、これら第1断層画像と第2断層画像との各画素の画素値の差に基づいてノイズ画像を作成する。ノイズ画像は、処理対象画像再構成部22により再構成された処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表す。
フィルタ処理部26は、処理対象画像再構成部22により再構成された処理対象の断層画像を入力するとともに、ノイズ画像作成部25により作成されたノイズ画像を入力する。そして、フィルタ処理部26は、ノイズ画像に基づいて局所的な平滑化パラメータを設定して、その平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。
記憶部27は、放射線断層撮影装置10から入力した元のリストデータを記憶し、データ分割部21により生成された第1部分リストデータおよび第2部分リストデータを記憶する。記憶部27は、処理対象画像再構成部22により再構成された処理対象の断層画像を記憶し、第1画像再構成部23により再構成された第1断層画像を記憶し、第2画像再構成部24により再構成された第2断層画像を記憶する。また、記憶部27は、ノイズ画像作成部25により作成されたノイズ画像を記憶し、フィルタ処理部26によるフィルタ処理の後の断層画像を記憶する。
図2は、本実施形態の画像処理方法を説明するフローチャートである。本実施形態の画像処理方法は、放射線断層撮影装置10により収集されたリストデータを入力するリストデータ入力ステップS20と、データ分割部21が行うデータ分割ステップS21と、処理対象画像再構成部22が行う処理対象画像再構成ステップS22と、第1画像再構成部23が行う第1画像再構成ステップS23と、第2画像再構成部24が行う第2画像再構成ステップS24と、ノイズ画像作成部25が行うノイズ画像作成ステップS25と、フィルタ処理部26が行うフィルタ処理ステップS26とを備える。
リストデータ入力ステップS20では、放射線断層撮影装置10により収集されたリストデータを入力する。データ分割ステップS21では、その入力した元のリストデータのうちの一部を第1部分リストデータとするとともに、他の一部を第2部分リストデータとする。処理対象画像再構成ステップS22では、元のリストデータに基づいて処理対象の断層画像を再構成する。第1画像再構成ステップS23では、第1部分リストデータに基づいて第1断層画像を再構成する。第2画像再構成ステップS24では、第2部分リストデータに基づいて第2断層画像を再構成する。ノイズ画像作成ステップS25では、第1断層画像と第2断層画像との各画素の画素値の差に基づいて、処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表すノイズ画像を作成する。そして、フィルタ処理ステップS26では、ノイズ画像に基づいて局所的な平滑化パラメータを設定して、その平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。
データ分割ステップS21において、元のリストデータのうちの前半を第1部分リストデータとするとともに後半を第2部分リストデータとすると、第1部分リストデータと第2部分リストデータとの間で収集時刻が互いに異なることから、第1断層画像と第2断層画像との間でRI線源の分布が互いに異なる場合があり、その場合には適切なノイズ画像を作成することができない。
データ分割ステップS21において、データ分割部21は、元のリストデータを収集順に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割するのが好適であり、また、元のリストデータを一定収集時間τ毎に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割するのも好適である。一定収集時間τは、被検体におけるRI線源の分布の変化が僅かで一定であると見做し得る時間であり、例えば1秒間である。このようにすることで、第1断層画像と第2断層画像との間でRI線源の分布が互いに等しくなり、適切なノイズ画像を作成することができる。
処理対象画像再構成部22,第1画像再構成部23および第2画像再構成部24は、共通のものであってもよいし、別個に設けられてもよい。処理対象画像再構成ステップS22,第1画像再構成ステップS23および第2画像再構成ステップS24は任意の順に行われてもよいし、これらのうち何れか2以上のステップが並列的に行なわれてもよい。また、データ分割ステップS21が処理対象画像再構成ステップS22と並列的に行なわれてもよいし、ノイズ画像作成ステップS25が処理対象画像再構成ステップS22と並列的に行なわれてもよい。
図3および図4は、本実施形態におけるノイズ画像作成について説明する図である。これらの図は、18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)を投入した頭部の画像を示している。図3(a)は、第1部分リストデータに基づいて再構成された第1断層画像を示す。図3(b)は、第2部分リストデータに基づいて再構成された第2断層画像を示す。図4(a)は、第1断層画像と第2断層画像との各画素についての差分を表す差分画像を示す。図4(b)は、差分画像の各画素について画素値の絶対値をとって得られたノイズ画像を示す。
元のリストデータに基づいて再構成された処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差をσとすると、元のリストデータに対して2分の1のデータ量である第1部分リストデータに基づいて再構成された第1断層画像におけるノイズの標準偏差はσ/√2であり、第2部分リストデータに基づいて再構成された第2断層画像におけるノイズの標準偏差もσ/√2である。そして、第1断層画像および第2断層画像との差である差分画像におけるノイズの標準偏差はσとなる。したがって、ノイズ画像(図4(b))は、各画素の画素値をスケーリングするまでもなく、処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差σの分布を表す。
図5は、ノイズ画像を示す図である。同図(a)は、図4(b)のノイズ画像を5×5×5の方形窓で平滑化した後の本実施形態におけるノイズ画像を示す。同図(b)は、10回のリストデータ収集および画像再構成により得られた断層画像に基づいて統計処理をして得られたノイズ画像を示す。両図を対比して判るように、本実施形態において得られるノイズ画像(同図(a))は、10個の断層画像に基づいて統計処理をして得られるノイズ画像(同図(b))と略一致している。
ノイズ画像作成部25は、このような処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差σの分布を表すノイズ画像を作成する。そして、フィルタ処理部26は、このノイズ画像に基づいて局所的な平滑化パラメータを設定して、その平滑化パラメータを用いて処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をする。このフィルタ処理に際して、ノンローカル・ミーンズ・フィルタまたはガイディド・イメージ・フィルタが用いられる。
図6は、ノンローカル・ミーンズ・フィルタについて説明する図である。この画像フィルタは3次元画像に適用することができるが、便宜上、同図は2次元画像を示している。
同図中で、各正方形は画素を表している。太い実線の正方形で示された画素がノイズ除去したい画素であるとし、これを以下では「注目画素」と呼ぶ。注目画素を中心とする3×3×3個の画素(実線)からなる領域をテンプレートとする。注目画素を中心とする7×7×7個の画素(点線)からなる領域を探索領域とする。探索領域内においてテンプレートをラスタースキャンしテンプレートマッチングを行なって類似度を求め、この類似度を重みとして探索領域内の画素値を重み付け平均し、その結果を注目画素のフィルタ処理後の画素値とする。なお、テンプレートおよび探索領域それぞれの大きさは任意である。
ノンローカル・ミーンズ・フィルタについて数式を用いて説明すると以下のとおりである。フィルタ処理前の断層画像(入力画像)をpとし、フィルタ処理後の断層画像(出力画像)をqとする。注目画素を符号iで表し、注目画素iを中心とする探索領域をSと表し、探索領域S内の各画素を符号jで表す。出力画像qのうちの注目画素の画素値qは、入力画像pのうちの画素値pおよび重みwijを用いて、下記(1)式で表される。
重みwijは、画素jを中心とする領域とテンプレートとの類似度であり、下記(2)式で表される。Bは、テンプレートの大きさであり、上記の例では27(=3x3x3)である。bは、テンプレートの中心の画素からの各画素のオフセットである。hは、平滑化パラメータである。
断層画像の全体に亘ってノイズの標準偏差σが一定であるとする場合には、平滑化パラメータhは下記(3)式で表される。αは定数である。
本実施形態では、ノイズ画像を用いて画素毎にノイズの標準偏差を設定するので、平滑化パラメータhijは下記(4)式で表される。この平滑化パラメータhijが上記(2)式中のhとして用いられる。<σ>は、注目画素iを中心とする3×3×3個の画素のノイズの標準偏差の平均値であり、下記(5)式で表される。<σ>は、注目画素jを中心とする3×3×3個の画素のノイズの標準偏差の平均値である。
図7は、ガイディド・イメージ・フィルタについて説明する図である。この画像フィルタも3次元画像に適用することができるが、便宜上、同図は2次元画像を示している。
同図中で、各正方形は画素を表している。実線の正方形で示された3×3×3個の画素からなる領域を処理単位の小領域とする。ガイド画像は入力画像であってもよい。入力画像およびガイド画像をラスタースキャンして所定の演算を行うことで出力画像を得る。
ガイディド・イメージ・フィルタについて数式を用いて説明すると以下のとおりである。入力画像において画素kを中心とする3×3×3個の画素からなる小領域ωを設定する。小領域ω内の入力画像の画素値の平均値をmとする。小領域ω内のガイド画像内の各画素値をIとする。小領域ω内のガイド画像の画素値の平均値をμとする。小領域ω内のガイド画像の画素値の分散をvarとする。小領域ω内の入力画像とガイド画像との画素値の共分散をcovarとする。小領域ω内の画素の数を|ω|とする。出力画像qのうちの注目画素の画素値qは、ガイド画像Iのうちの注目画素の画素値Iおよび平滑化パラメータεを用いて、下記(6)〜(8)式で表される。
断層画像の全体に亘ってノイズの標準偏差σが一定であるとする場合には、平滑化パラメータεは下記(9)式で表される。αは定数である。
本実施形態では、ノイズ画像を用いて画素毎にノイズの標準偏差を設定するので、平滑化パラメータεは下記(10)式で表される。この平滑化パラメータεが上記(7)式中のεとして用いられる。<σ>は、小領域ω内の各画素のノイズの標準偏差の平均値であり、下記(11)式で表される。
図8〜図11は、頭部の断層画像を示す図である。図8で画像再構成に用いたリストデータの量(カウント数912M)は、図9〜図11で画像再構成に用いたリストデータの量(カウント数92.4M)の10倍程度である。データ量が大きいほど再構成された断層画像におけるノイズは小さいので、図8の断層画像をリファレンスとして、これと対比することで、図9〜図11の断層画像におけるフィルタ処理の効果を評価することができる。
図8は、カウント数912Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対してフィルタ処理していない場合(比較例1)の断層画像を示す図である。図9は、カウント数92.4Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対して、半値幅を1.5mmとしたガウシアン・フィルタ処理(比較例2)をした当該フィルタ処理後の断層画像を示す。
図10は、カウント数92.4Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対して、ノイズの標準偏差σを一定値850としα=1.4としたノンローカル・ミーンズ・フィルタ処理(比較例3)をした当該フィルタ処理後の断層画像を示す。図11は、カウント数92.4Mのリストデータに基づいて画像再構成した画像に対して、上述したノイズ画像を用いα=1.4としたノンローカル・ミーンズ・フィルタ処理(実施例)をした当該フィルタ処理後の断層画像を示す。
図12は、比較例2,3および実施例それぞれにおける画素値の平均値(Mean)、比較例1との間の平均二乗誤差(RMSE)および両者の比(RMSE/Mean×100%)を纏めた表である。比較例2,3と比べて、実施例のRMSE/Meanは小さく、実施例の断層画像は比較例1の断層画像に近い。
図13は、断層画像における関心領域(ROI: Region of Interest)の位置を示す図である。同図に示される領域に64×64×64画素の関心領域を設定する。図8〜図11の断層画像中の当該関心領域に注目すると、リファレンスの比較例1と比べると、比較例3では画素値のコントラストが低くなっているのに対して、比較例2および実施例では画素値のコントラストが保持されている。
図14は、断層画像における関心領域の画像を示す図である。図15は、図14中に示される直線に沿って画素値の分布を示すグラフである。同図で矢印で示される位置は、比較例3では画素値のコントラストが低くなっている。
このように、本実施形態では、容易にノイズ画像を作成して断層画像のフィルタ処理をすることができ、画素値の高い領域および低い領域の何れでも適切に平滑化処理をすることができる。
1…放射線断層撮影システム、10…放射線断層撮影装置、20…画像処理装置、21…データ分割部、22…処理対象画像再構成部、23…第1画像再構成部、24…第2画像再構成部、25…ノイズ画像作成部、26…フィルタ処理部、27…記憶部。

Claims (7)

  1. 放射線断層撮影装置により収集されたリストデータに基づいて再構成された断層画像を処理する装置であって、
    前記リストデータのうちの一部を第1部分リストデータとするとともに、他の一部を第2部分リストデータとするデータ分割部と、
    前記リストデータに基づいて処理対象の断層画像を再構成する処理対象画像再構成部と、
    前記第1部分リストデータに基づいて第1断層画像を再構成する第1画像再構成部と、
    前記第2部分リストデータに基づいて第2断層画像を再構成する第2画像再構成部と、
    前記第1断層画像と前記第2断層画像との各画素の画素値の差に基づいて、前記処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表すノイズ画像を作成するノイズ画像作成部と、
    前記ノイズ画像に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて前記処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記データ分割部が、前記リストデータを収集順に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記データ分割部が、前記リストデータを一定収集時間毎に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 被検体の断層画像を再構成するためのリストデータを収集する放射線断層撮影装置と、
    前記放射線断層撮影装置により収集されたリストデータに基づいて断層画像を再構成して処理する請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置と、
    を備える放射線断層撮影システム。
  5. 放射線断層撮影装置により収集されたリストデータに基づいて再構成された断層画像を処理する方法であって、
    前記リストデータのうちの一部を第1部分リストデータとするとともに、他の一部を第2部分リストデータとするデータ分割ステップと、
    前記リストデータに基づいて処理対象の断層画像を再構成する処理対象画像再構成ステップと、
    前記第1部分リストデータに基づいて第1断層画像を再構成する第1画像再構成ステップと、
    前記第2部分リストデータに基づいて第2断層画像を再構成する第2画像再構成ステップと、
    前記第1断層画像と前記第2断層画像との各画素の画素値の差に基づいて、前記処理対象の断層画像におけるノイズの標準偏差の分布を表すノイズ画像を作成するノイズ画像作成ステップと、
    前記ノイズ画像に基づいて設定した平滑化パラメータを用いて前記処理対象の断層画像に対してフィルタ処理をするフィルタ処理ステップと、
    を備える画像処理方法。
  6. 前記データ分割ステップにおいて、前記リストデータを収集順に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割する、
    請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 前記データ分割ステップにおいて、前記リストデータを一定収集時間毎に交互に振り分けて第1部分リストデータと第2部分リストデータとに分割する、
    請求項5に記載の画像処理方法。
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