JP6495504B1 - 使い捨て着用物品の伸縮構造、及びこの伸縮構造を有するパンツタイプ使い捨て着用物品 - Google Patents

使い捨て着用物品の伸縮構造、及びこの伸縮構造を有するパンツタイプ使い捨て着用物品 Download PDF

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Abstract

【課題】通気性及び柔軟性に優れ、より整った襞が形成される伸縮構造を提供する。
【解決手段】上記課題は、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの間に細長状の弾性部材19が配置され、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの一方は、厚み方向に貫通する孔14が配列された有孔14不織布であり、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hを接合するシート接合部70は、直交方向XDに間隔を空けて、かつ伸縮方向EDに実質的に連続する縞状パターンで形成され、伸縮構造における孔14の配列は、直交方向XDに間隔を空けて並ぶ孔14の列91,92が伸縮方向EDに間隔を空けて並ぶとともに、孔14の直交方向寸法14Lの総和が相対的に長い第1の孔列91と孔14の直交方向寸法14Lの総和が相対的に短い第2の孔列92とが、伸縮方向EDに所定の中心間隔で交互に繰り返すものである、使い捨て着用物品の伸縮構造により解決される。
【選択図】図11

Description

本発明は、使い捨て着用物品の伸縮構造、及びこの伸縮構造を有するパンツタイプ使い捨て着用物品に関するものである。
使い捨て着用物品においては、各部のフィット性を改善するために伸縮構造を設けることが一般的となっている。例えば、パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつにおいては、胴周り部に胴周り方向の伸縮構造を設けたり、脚周り部に脚周りに沿う方向の伸縮構造を設けたりすることが広く行われている。さらに、パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキンを含めた使い捨て着用物品全般にわたり、立体ギャザーや平面ギャザーと呼ばれる前後方向の伸縮構造を設けることも広く行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このような使い捨て着用物品の伸縮構造の代表的なものは、重なり合う第1不織布層及び第2不織布層の間に、伸縮方向に沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた細長状の弾性部材を備えるものである。第1不織布層及び第2不織布層は面状の伸縮領域を形成するとともに、弾性部材を被覆、隠蔽する役割を担い、第1不織布層及び第2不織布層間に内蔵される弾性部材は、弾性伸縮のための力を生み出す役割を担うものである。弾性部材は、伸縮方向に伸長された状態で、少なくとも伸縮領域の両端部に位置する部分が第1不織布層及び第2不織布層に固定される。この固定により、弾性部材と第1不織布層及び第2不織布層とが一体化され、第1不織布層及び第2不織布層は弾性部材の収縮力により収縮して襞(皺状のものも含む。自然長状態だけでなく、弾性部材が伸長した状態でも形成される。)が形成され、またこの収縮状態から弾性部材の収縮力に抗して伸長されると、襞が展開される。通常、第1不織布層及び第2不織布層は弾性伸長限界では襞が無い展開状態となり、弾性部材の収縮に伴って襞が寄り、自然長状態では最も密に襞が寄る。
このような伸縮構造では、第1不織布層及び第2不織布層が互いに自由であると、一方の不織布層が他方の不織布層に対して部分的又は全体的に浮いて不必要な襞や膨らみを生じるおそれがあるため、第1不織布層及び第2不織布層はそのほぼ全体にわたり直接的又は間接的に接合されている必要がある。以下、第1不織布層及び第2不織布層の接合部はシート接合部という。また、弾性部材により伸縮性を生み出すため、弾性部材は伸縮領域の伸縮方向の全体にわたり延在され、かつ少なくとも伸縮領域の伸縮方向の両端部に位置する部分は第1不織布層及び第2不織布層に対して固定され、自然長状態では弾性部材の収縮に伴い第1不織布層及び第2不織布層も収縮されている必要がある。つまり、第1不織布層及び第2不織布層間の接合と、第1不織布層及び第2不織布層に対する弾性部材の固定とが必要となるのである。
現在では、弾性部材を第1不織布層及び第2不織布層に固定する手段としては、ほとんどの場合、ホットメルト接着剤が選択されている。一方、第1不織布層及び第2不織布層間の接合は、ホットメルト接着剤の使用量を低減するために、超音波溶着等の溶着により行うことも多くなってきているが、ホットメルト接着剤も根強く利用されている。例えば、弾性部材の通過位置でホットメルト接着剤を介して第1不織布層及び第2不織布層を接合することにより、第1不織布層及び第2不織布層の接合と、第1不織布層及び第2不織布層に対する弾性部材の固定とを兼ねる兼用構造は広く採用されている。また、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と直交する方向(以下、単に直交方向ともいう)に連続するシート接合部で第1不織布層及び第2不織布層が接合された構造や、直交方向における弾性部材の間の位置で直交方向に間欠的に配された、伸縮方向に実質的に連続するシート接合部で第1不織布層及び第2不織布層が接合された構造が知られている。(特許文献1〜6参照)
他方、主に通気性を改善するために、第1不織布層及び第2不織布層に厚み方向に貫通する孔を設けることが提案されている(例えば特許文献7〜9参照)。
このうち、特許文献7,8記載のものは、一方の不織布層の全面にスパイラル状又はストライプ状に塗布された接着剤により、第1不織布層及び第2不織布層の接合と、第1不織布層及び第2不織布層に対する弾性部材の固定とがなされているものである。また、第1不織布層及び第2不織布層における孔の形成は、第1不織布層及び第2不織布層の接合前又は接合後に、溶融、切り抜き、打ち抜きにより行うものである。
一方、特許文献9記載のものは、伸縮方向及びこれと直交する方向に間隔を空けて第1不織布層及び第2不織布層の接合部を溶着により形成した後、この接合部に重ねて孔を形成するものである。
しかしながら、特許文献7,8記載のものにおいて、接着剤の塗布パターンがスパイラル状である場合、第1不織布層及び第2不織布層の接合が全面となるため、孔以外の部分における通気性が低下するとともに、柔軟性も低下する(剛性が高くなる)おそれがある。
また、特許文献7,8記載のものにおいて、接着剤の塗布パターンがストライプ状である構造や、特許文献9記載の構造のように、シート接合部が伸縮方向に間欠的に配されている場合、伸縮方向におけるシート接合部の間の部分が互いに反対向きに膨らむことにより襞が形成される。しかし、この伸縮構造は、自然長状態での柔らかさは必ずしも十分ではない。これには、次のような構造上の相違が影響しているものと考えられる。すなわち、この伸縮構造では、自然長状態で伸縮方向に薄い襞が伸縮方向と直交する方向に連続し、その襞の先端が小さな曲率半径で屈曲して素材の折り目を形成するとともに、この折目を有する襞が同じ高さで近接して整列するため、襞は厚み方向に潰れにくく、かつ倒れにくい。しかも、襞の先端が小さな曲率半径で屈曲していると、先端に触れたときに特に硬い感触がするのである。
これに対し、上述の兼用構造等のように、直交方向に間欠的に配された、伸縮方向に実質的に連続するシート接合部を有する伸縮構造は、自然長状態での手触りが柔軟になる特徴を有する。これには、次のような構造上の相違が影響しているものと考えられる。すなわち、シート接合部が伸縮方向に実質的に連続していると、各シート接合部では第1不織布層及び第2不織布層が一体化していることにより互いに沿うようにしか変形できない。この結果、シート接合部及びその近傍では、自然長状態を含め、弾性部材の収縮に伴い第1不織布層及び第2不織布層が収縮した状態で、第1不織布層及び第2不織布層が互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞が形成される。また、この影響を受けて、隣り合うシート接合部の間の領域においても、概ね、シート接合部における第1不織布層及び第2不織布層の形状に続くように、第1不織布層及び第2不織布層が互いに沿うような波状をなしてその表裏両面に襞が形成される。そして、このような襞においては、単なる不織布層数による剛性向上だけでなく、シート接合部の硬さ及び第1不織布層及び第2不織布層の曲率の違いにより、緩やかに曲がる(特に自然長状態で従来との違いが顕著となる)結果、手触りが滑らかで、厚み方向に潰れやすくなり、手触りの柔軟性が向上する。
しかし、シート接合部を直交方向に間欠配置した場合、隣り合うシート接合部の間の領域では第1不織布層及び第2不織布層が自由に変形できる。また、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布は、単独で変形可能な状態では孔を有する部分が弱く折れ曲がりやすい。このため、直交方向における弾性部材の間の位置で直交方向に間欠的に配された、伸縮方向に実質的に連続するシート接合部を有する伸縮構造において、第1不織布層及び第2不織布層の少なくとも一方に有孔不織布を用いると、有孔不織布における孔を通る部分が折れ曲がりやすいことにより、襞が枝分かれしたり、襞の谷部や山部が部分的に広くなったりする等、全体として整った襞が形成されにくい。
特開2004−229857号公報 特開2013−132331号公報 特開2014−207973号公報 特開2017−064126号公報 特開2017−064133号公報 特開2017−164034号公報 特開2015−107223号公報 特開2015−128573号公報 特開2015−192862号公報
そこで、本発明の主たる課題は、通気性及び柔軟性に優れるとともに、より整った襞が形成される、使い捨て着用物品の伸縮構造を提供することにある。
上記課題を解決した使い捨て着用物品の伸縮構造等は次記のとおりである。
<第1の態様>
一部又は全部が重なり合う第1不織布層及び第2不織布層と、これら第1不織布層及び第2不織布層の間に伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性部材とを有し、
前記弾性部材は、少なくとも伸縮領域における前記伸縮方向の両端部が前記第1不織布層及び第2不織布層に固定されており、
前記伸縮領域は、前記第1不織布層及び第2不織布層が接合されたシート接合部を有しており、
前記第1不織布層及び第2不織布層の少なくとも一方は、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布である、
使い捨て着用物品の伸縮構造において、
前記シート接合部は、前記直交方向に間隔を空けて、かつ前記伸縮方向に実質的に連続する縞状パターンで形成されており、
前記伸縮構造における前記孔の配列は、前記直交方向に間隔を空けて並ぶ孔の列が、伸縮方向に間隔を空けて並ぶものであるとともに、前記孔の直交方向寸法の総和が相対的に長い第1の孔列と前記孔の直交方向寸法の総和が相対的に短い第2の孔列とが、伸縮方向に所定の中心間隔で交互に繰り返すものである、
ことを特徴とする使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
本伸縮構造では、シート接合部が、少なくとも伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて、かつ伸縮方向に連続する縞状パターンで形成されているため、良好な通気性、柔軟性を確保することができる。
また、伸縮構造における孔の配列は、直交方向に間隔を空けて並ぶ孔の列が、伸縮方向に間隔を空けて並ぶものであると、第1不織布層及び第2不織布層は孔の列に沿って折れ曲がりやすくなる。この結果、孔が折れ目となるような一続きの襞が形成されやすくなる。つまり、襞が枝分かれしたり、谷部が部分的に広くなったりしにくくなり、全体として、孔の列に沿って延びる整った襞が形成されやすくなる。
ここで、単に、孔の列を有する部分のすべてが等しく折れ曲がりやすいだけであると、すべての列で同じ向きに折れ曲りやすくなる。この場合、例えば自然長の状態(通常、製品を手に取る時はこの状態である)で、第1不織布層及び第2不織布層のいずれか一方の外面から見たときに、ほとんどすべての孔の列が隣り合う襞の間に隠れ、有孔不織布を用いていることが使用者に伝わりにくくなるおそれがある。
これに対して、本態様のように、孔の直交方向寸法の総和が異なる第1の孔列及び第2の孔列が、伸縮方向に所定の中心間隔で交互に繰り返すものであると、第1の孔列及び第2の孔列は反対向きに折れ曲り、第1の孔列同士及び第2の孔列同士はそれぞれ同じ向きに折れ曲りやすくなる。このため、例えば自然長の状態で、第1不織布層及び第2不織布層のいずれか一方の外面から見たときに、第1の孔列及び第2の孔列のいずれか一方は隣り合う襞の間、つまり谷折りとなる部分に隠れるものの、他方は山折りとなる部分に位置するため、有孔不織布を用いていることが使用者に伝わりやすくなる。
なお、「伸縮構造における孔の配列」とは、第1不織布層及び第2不織布層におけるすべての孔を合わせた配列を意味する。よって、例えば第1不織布層及び第2不織布層のいずれか一方のみが有孔不織布の場合には、その有孔不織布における孔の配列に一致するが、第1不織布層及び第2不織布層の両方が有孔不織布の場合には、各不織布層の孔の配列が本態様の条件を満足しなくても、両不織布層のすべての孔を合わせた配列が本態様の条件を満足すればよい。
また、シート接合部が「伸縮方向に実質的に連続」しているとは、特許文献4にも記載のように、対象領域を少なくとも伸縮方向と直交する方向(展開状態で第1不織布層及び第2不織布層に平行で、かつ弾性部材と直交する方向)から見て連続する(途切れなく続く)ことを意味し、その限りにおいて、シート接合部が伸縮方向に連続する(第1不織布層及び第2不織布層が伸縮方向に連続的に接合されている)形態だけでなく、シート接合部が伸縮方向に間欠的に配置される(第1不織布層及び第2不織布層が伸縮方向に間欠的に接合されている)形態も含む意味である。
<第2の態様>
前記第1の孔列及び第2の孔列は、それぞれ、同寸法・同形状の孔が前記直交方向に所定の中心間隔で直線的に並ぶものであり、
第1の孔列における孔と、第2の孔列における孔とは、寸法及び形状の少なくとも一方が異なっているか、直交方向の間隔が異なっているか、又はこれらの両方である、
第1の態様の使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
第1の孔列及び第2の孔列は本態様のように形成されていると、特に襞が綺麗に整ったものとなりやすい。
<第3の態様>
前記シート接合部は、前記弾性部材と重なる部位に配置されたホットメルト接着剤により形成されており、
少なくとも前記第1の孔列における孔の前記直交方向の間隔が、前記シート接合部の前記直交方向の間隔より狭い、
第1又は2の態様の使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようなシート接合部は、ホットメルト接着剤を塗布した弾性部材を第1不織布層及び第2不織布層で挟むことにより製造することができるものであり、使い捨て着用物品の分野では広く用いられている。しかし、このシート接合部の構造では、シート接合部で第1不織布層及び第2不織布層が弾性部材とともに収縮し、繊維構造が密になる。そのため、原理的にシート接合部で襞が分断されやすい。これに対して、本態様のように、少なくとも第1の孔列における孔の直交方向の間隔が、シート接合部の直交方向の間隔より狭いと、隣り合うシート接合部の間の領域のすべてに孔が存在するとともに、その孔が伸縮方向と直交する方向に列をなしているため、シート接合部により区切られた領域のすべてにわたり、襞の形成に関して孔の影響が支配的になるため、シート接合部で襞が分断されやすいにもかかわらず、全体として、孔の列に沿って延びる整った襞が形成されやすくなる。
<第4の態様>
前記有孔不織布における前記孔の径が、対向する不織布層側と反対側から対向する不織布層側に向かうにつれて小さくなっている、
第1〜3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
本態様のように、孔の径が、対向する不織布層側と反対側から対向する不織布層側に向かうにつれて小さくなっていると、対向する不織布層と反対側の面が谷折りとなるように折れやすい。よって、襞はより綺麗に整ったものとなる。また、本態様の伸縮構造で形成される襞では、襞と襞との間の底部に孔の列が位置するようになり、自然長時には孔が襞と襞との間に隠れるものの、使用時などに伸長した状態では孔が露出する。この変化により通気性向上が図られるのはもちろん、外観の変化であることにより通気性に優れた商品であることを使用者に訴求しやすいという利点ももたらされる。
なお、孔の径は、孔の重心を通りかつ伸縮方向と直交する方向の寸法(したがって、円の場合は直径となり、楕円の場合は長径となる)を意味する。
<第5の態様>
前記孔は、前記伸縮方向の寸法が0.3〜3.0mm、前記直交方向の寸法が0.3〜5.0mmであり、
前記第1の孔列における前記孔の前記直交方向の間隔が1.0〜5.0mmであり、
前記第2の孔列における前記孔の前記直交方向の間隔が2.0〜30.0mmであり、
前記列の前記伸縮方向の間隔が2.5〜10.0mmであり、
前記直交方向における前記シート接合部の間隔が5〜10mmであり、
前記直交方向における前記シート接合部の寸法0.5〜5.0mmである
第1〜4のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
孔及びシート接合部の配置は適宜定めることができるが、本態様の範囲内であることが好ましい。
<第6の態様>
第1不織布層及び第2不織布層のいずれか一方が、前記第1の孔列及び第2の孔列が配列された有孔不織布であり、他方が無孔不織布である、
第1〜5のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
有孔不織布は孔の列に沿って折れ曲がりやすいとはいえ、孔があるというだけでは、山折りとなるか谷折りとなるかは強制されるわけではない。そのため、伸縮領域を複数設ける場合に山折り部分に位置する孔列が領域によって異なる外観となるおそれがある。また、同じ製品であっても個々に、山折り部分に位置する孔列が異なるおそれもある。
これに対して、第1の孔列及び第2の孔列を有する有孔不織布を、第1不織布層及び第2不織布層のいずれか一方とすると、第1の孔列を有する部分は、有孔不織布側から見て谷折りとなりやすく、第2の孔列を有する部分は、有孔不織布側から見て谷折りとなりやすい。よって、伸縮領域を複数設ける場合に山折り部分に位置する孔列が領域によって異なったり、同じ製品であっても、山折り部分に位置する孔列が製品個々に異なったりする事態が発生しにくくなる。
<第7の態様>
前記第1不織布層及び第2不織布層のうち、装着者の肌側となる不織布層が無孔不織布であり、反対の不織布層が前記有孔不織布である、
第1〜6のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の伸縮構造。
(作用効果)
肌側の不織布層を無孔不織布とすることにより、孔の肌触りへの影響を無くすことができる。また、第1不織布層及び第2不織布層のうち一方にしか孔がないため、装着時に肌が露出することがなく、孔を通じた漏れを防止することができる。特に、有孔不織布が第4の態様のものであると、肌側の不織布層に形成される襞は薄い襞となり、反対側の不織布層に形成される襞は緩やかに折れ曲がる厚い襞となる。したがって、肌側の不織布層と肌との接触面積が少なく、かつ襞と襞との間の隙間が大きくなるため、特に通気性に優れたものとなる。反対側の襞は、倒れるなどの美観を損ねる変形が発生しにくく、形状安定性に優れたものとなる。
<第8の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方における前記外装体は、少なくとも前後方向の一部の範囲における前記サイドシール部間に対応する幅方向範囲にわたり、第1〜7のいずれか1つの態様の伸縮構造を、その伸縮領域の伸縮方向が幅方向となるように備えている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
前述の伸縮構造は、パンツタイプの使い捨て着用物品の外装体に好適なものである。
本発明によれば、良好な通気性及び柔軟性を確保できるとともに、より整った襞が形成される、等の利点がもたらされる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 図1の2−2断面図である。 図1の3−3断面図である。 (a)図1の4−4断面図、及び(b)図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図(孔省略)である。 展開状態の内装体の外面を外装体の輪郭とともに示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 (a)図8の4−4断面図、及び(b)図8の5−5断面図である。 孔の配列例を示す平面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。 要部を示す(a)図11の6−6断面図、(b)図11の7−7断面図、(c)第1の孔列及び第2の孔列を通る部分の収縮状態の断面図、及び(d)第1の孔列のみを通る部分の収縮状態の断面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。 要部を示す(a)図13の6−6断面図、(b)図13の7−7断面図、及び(c)第1の孔列及び第2の孔列を通る部分の収縮状態の断面図、及び(d)第1の孔列のみを通る部分の収縮状態の断面図である。 要部を示す(a)展開状態の直交方向断面図、(b)展開状態の伸縮方向断面図、及び(c)第1の孔列及び第2の孔列を通る部分の収縮状態の断面図、及び(d)第1の孔列のみを通る部分の収縮状態の断面図である。 有孔不織布の拡大断面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。 (a)自然長の状態の外装体の外面を示す正面図、(b)自然長の状態の外装体の内面を示す正面図、(c)ある程度伸長した状態の外装体の外面を示す正面図である。
以下、パンツタイプ使い捨ておむつの例について、添付図面を参照しつつ詳説する。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
図1〜図6に示されるパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃Fを構成する前側外装体12F及び後身頃Bを構成する後側外装体12Bと、前側外装体12Fから股間部を経て後側外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えている。前側外装体12Fの両側部と後側外装体12Bの両側部とが接合されて、サイドシール部12Aが形成されている。この結果、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口LOとなる。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。図中の符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
また、本パンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなる。これらの前後方向長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(内外接合部)
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、特に限定されず、例えばホットメルト接着剤により行うことができる。図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外接合部201は、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向両端部を除いた部分に設けることもできる。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た起き上がりギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の両側部は、吸収要素50の側縁で裏側に折り返しても良く、また折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
トップシート30は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、横漏れを防止するためのものであり、内装体200の両側部に沿って前後方向LDの全体にわたり延在し、内装体200の側部から表側に起立するものである。図示例の起き上がりギャザー60は、付け根側部分が幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側部分が幅方向外側に向かって斜めに起立するものであるが、これに限定されるものではなく、全体として幅方向中央側に起立する形態等、適宜の変更が可能である。
より詳細に説明すると、図示例の起き上がりギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザー不織布62を、先端となる部分で幅方向WDに折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔を空けて複数本固定してなるものである。起き上がりギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は、内装体200における液不透過性シート11より裏側の側部に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は付根部分65から延び出る本体部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、本体部分66は、幅方向中央側に延びる付け根側部分と、この付け根側部分の先端で折り返され、幅方向外側に延びる先端側部分とを有している。この形態は面接触タイプの起き上がりギャザー60であるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの起き上がりギャザー60も採用することができる。そして、本体部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分68とされ、この自由部分68の少なくとも先端部に前後方向LDに沿うギャザー弾性部材63が伸長状態で固定されている。
以上のように構成された起き上がりギャザー60では、ギャザー弾性部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、本体部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分68とされているため、自由部分68のみが図3に矢印で示すように身体側に当接するように起立する。特に、付根部分65が内装体200の裏側に位置していると、股間部及びその近傍において自由部分68が幅方向外側に開くように起立するため、起き上がりギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
(吸収要素)
吸収要素50は特に限定されるものではないが、本例では吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有するものとなっている。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図7にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部56Nとを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と起き上がりギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体200の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用できる。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されている(外装二分割タイプ)。この離間距離12dは例えば全長Yの40〜60%程度とすることができる。また、図8及び図9に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる(外装一体タイプ)。
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前側外装体12F及び後側外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、前側外装体12Fと内装体200との間から、後側外装体12Bと内装体200との間にかけて、内装体200の裏面を覆うカバー不織布20を備えていると好ましい。カバー不織布20の素材は特に限定されず、例えば外装体12の外側不織布層12S又は内側不織布層12Hと同様の素材(後述する有孔不織布層でも、無孔不織布層でもよい)とすることができる。カバー不織布20の前後方向範囲は、前側外装体12F及び後側外装体12Bに重なる部分を有している限り特に限定されず、内装体200の前端から後端までの全体にわたり前後方向LDに延在していてもよく、図7に示すように、前側外装体12Fと内装体200とが重なる領域の前後方向中間位置から後側外装体12Bと内装体200とが重なる領域の前後方向中間位置まで前後方向LDに延在していてもよい。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する前後方向範囲である胴周り部を有する。また、本形態では、前側外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る臀部カバー部Cを有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けたり、鼠径カバー部は設けるものの臀部カバー部は設けない形態としたり、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に中間領域Lと対応する部分を設けなくても良い。また、図示例では、臀部カバー部Cの下縁は、前側外装体12Fの下縁と同様、幅方向WDに沿う直線状に形成しているが、幅方向外側に向かうにつれてウエスト開口側に位置するようになる曲線とすることもできる。
外装体12F,12Bは、図2〜図5に示されるように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hにより表裏が形成されている。いうまでもないが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのいずれか一方が本発明の第1不織布層に相当し、他方が本発明の第2不織布層に相当する、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hは、図5に示すように、一枚のシート材をウエスト開口側に折目が位置するように折り畳んで形成する他、図9に示すように、二枚のシート材を貼り合わせて形成することもできる。また、これらシート材のうち最も内側に位置する部分12rを内装体200のウエスト開口WO側の端部まで延在させることもできる(図9例を参照)。また、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方は、その一部が他の部分と異なるシート材により形成されていても良い。
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布層12S,12Hの柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となった疎水性繊維を含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hとして用いることができる。
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの構成繊維の繊度及び目付けは適宜定めることができるが、通常の場合、それぞれ1.8〜6.0dtex程度、10〜30g/m2程度であると好ましい。
(有孔不織布について)
図2、図8、図11及び図12に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方は、厚み方向に貫通する孔14が散在する有孔不織布とされる。図11及び図12に示すように、装着者の肌側となる内側不織布層12Hが無孔不織布であり、外側不織布層12Sが有孔不織布であると、孔14の肌触りへの影響を無くすことができる。また、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのうち一方にしか孔14がないため、装着時に肌が露出することがなく、孔14を通じた漏れを防止することができる。図示しないが、装着者の肌側となる内側不織布層12Hを有孔不織布とし、外側不織布層12Sを無孔不織布としてもよい。図13及び図14に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならない構造であってもよい。この場合、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方を有孔不織布とすることにより、より高い通気性を獲得することができる。また、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならないため、装着時に肌が露出することがなく、孔14を通じた漏れを防止することができる。図15に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが完全に又は部分的に重なっていてもよい。また、図示しないが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布である場合において、大部分(例えば50%以上の面積)では、一方の有孔不織布の孔14と他方の有孔不織布の孔14とが重ならないものの、一部では、一方の有孔不織布の孔14と他方の有孔不織布の孔14とが重なっていてもよい。
個々の孔14の平面形状(開口形状)は、適宜定めることができる。孔14は、図10(b)に示すような長孔形とするほか、図10(e)(f)に示すような真円形、図10(a)(d)に示すような楕円形、三角形、長方形、ひし形等の多角形、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。図10(c)に示すように異なる形状の孔が混在していてもよいが、その場合、伸縮方向の寸法がほぼ同じであることが好ましく、すべての孔が単一の形状であるとより好ましい。個々の孔14の寸法は特に限定されないが、直交方向XDの寸法(最も長い部分の寸法)14Lは0.3〜5.0mm、特に0.6〜2.0mmとするのが好ましく、伸縮方向EDの寸法(最も長い部分の寸法)14Wは0.3〜3.0mm、特に0.4〜1.5mmとするのが好ましい。孔14の形状が、長孔形、楕円形、長方形、ひし形等のように一方向に長い形状(一方向の全長がこれと直交する方向の全長よりも長い形状)の場合、長手方向の寸法(最も長い部分の寸法)はこれと直交する方向の寸法(最も長い部分の寸法)の1.2〜2.5倍であることが好ましい。また、孔14の形状が一方向に長い形状の場合、孔14の長手方向が前後方向LDであることが望ましいが、幅方向WDや斜め方向であってもよい。
個々の孔14の面積及び面積率は適宜定めればよいが、面積は0.1〜2.7mm2(特に0.1〜1.0mm2)程度であることが好ましく、面積率は1.0〜15.0%(特に5.0〜10.0%)程度であることが好ましい。
一枚の有孔不織布における孔14の平面配列は特に限定されるものではない。よって、例えば、図示しないが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布である場合において、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hはの孔14の寸法、形状及び配列の少なくとも一つが異なっていてもよい。
一方、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hにおけるすべての孔14を合わせた(つまりすべての孔を平面投影したときの)配列は、直交方向XDに間隔を空けて並ぶ孔14の列91,92が、伸縮方向EDに間隔を空けて並ぶものであるとともに、孔14の直交方向寸法14Lの総和が相対的に長い第1の孔列91と孔14の直交方向寸法14Lの総和が相対的に短い第2の孔列92とが、伸縮方向EDに所定の中心間隔で交互に繰り返すものである限り適宜定めることができる。ここで、孔14の直交方向寸法14Lの総和は、孔列に含まれるすべての孔14の直交方向寸法14Lの総和である。
例えば、図10(a)(c)(d)に示すように、孔14の配列は、第1の孔列91及び第2の孔列92が、それぞれ、同寸法・同形状の孔14が直交方向XDに所定の中心間隔で直線的に並ぶものであり、第1の孔列91における孔14と、第2の孔列92における孔14とは、寸法及び形状の少なくとも一方が異なっているか、直交方向XDの間隔91y,92yが異なっているか、又はこれらの両方であると好ましい。この場合、図10(a)に示すように、第1の孔列91と第2の孔列92との伸縮方向EDの間隔14xが、第1の孔列91における孔14の直交方向XDの間隔91yよりも短い配列とする他、図10(c)に示すように、第1の孔列91と第2の孔列92との伸縮方向EDの間隔14xと、第1の孔列91における孔14の直交方向XDとの間隔91yがほぼ等しい配列、又は図10(d)に示すように、第1の孔列91と第2の孔列92との伸縮方向EDの間隔14xが、第1の孔列91における孔14の直交方向XDの間隔91yよりも長い配列とすることができる。また、図10(b)(e)に示すように、第1の孔列91における直交方向XDの孔14の位置と、第2の孔列92における直交方向XDの孔14の位置とはずれていてもよい。また、図10(f)に示すように、隣り合う孔列91,92の間が直交方向XDに連続する部分を有する限り、孔14が直交方向に沿う中心線を有する波線状に並ぶものも、伸縮方向EDと直交する方向に間隔を空けて並ぶ孔14の列が、伸縮方向EDに間隔を空けて並ぶものに含まれる。
第1の孔列91における孔14の直交方向間隔91y及び第1の孔列91と第2の孔列92との伸縮方向間隔14xはそれぞれ一定であっても、変化してもよい。これらは適宜定めることができるが、通気性を考慮すると、それぞれ第1の孔列91における孔14の直交方向間隔91yは0.9〜8.0mm、特に1.0〜3.0mmの範囲内とすることが望ましく、第1の孔列91と第2の孔列92との伸縮方向間隔14xは2.0〜10mm、特に3.0〜5.0mmの範囲内とすることが望ましい。また、第2の孔列92における孔14の直交方向間隔92yは、第1の孔列91における孔14の直交方向間隔91yの2.0〜30.0倍であることが望ましい。
孔14の断面形状は特に限定されない。例えば、孔14は、図16(d)に示すように周縁が繊維の切断端により形成されている打ち抜きタイプの孔であっても、図16(a)〜(c)に示すように、孔14の周縁に繊維の切断端がほとんど無く、ピンが繊維間に挿入されて押し広げられて形成された非打ち抜きタイプの孔14(縁部の繊維密度が高い)であってもよい。打ち抜きタイプの孔は、図16(d)に示すように、孔14の径が厚み方向中間に向かうにつれて小さくなるものであっても、厚み方向一方側に向かうにつれて小さくなるものであってもよい。
非打ち抜きタイプの孔14は、孔14の径がピン挿入側から反対側に向かうにつれて小さくなるものである。これには、孔14の径が不織布層の厚み方向の全体にわたり減少し続けるもののほか、厚み方向の中間で孔14の径の減少がほぼなくなるものも含まれる。このような非打ち抜きタイプの孔には、図16(a)(c)に示すように、ピン挿入側と反対側における孔14の縁部に繊維がピン挿入側と反対側に押し出された突出部(バリ)14eが形成され、ピン挿入側には突出部14eが形成されないものと、図16(b)に示すように、ピン挿入側と反対側における孔14の縁部に繊維がピン挿入側と反対側に押し出された突出部14eが形成されるとともに、ピン挿入側には繊維がピン挿入側に押し出されて形成された突出部14eが形成されるものとが含まれる。さらに、前者のタイプの孔14には、図16(a)に示すように突出部14eの突出高さ14hがほぼ均一であるものと、図16(c)に示すように突出部14eが、突出高さ14iが最も高い対向部分と、これと直交する方向に対向する対向部分であって突出高さ14jが最も低い対向部分とを有するものとが含まれる。突出部14eは孔の周方向に連続して筒状になっていることが望ましいが、一部又は全部の孔14の突出部14eが、孔14の周方向の一部のみに形成されていてもよい。突出高さ14h,14i,14j(光学顕微鏡を用いて測定される圧力を加えない状態での見かけの高さ)は0.2〜1.2mm程度であることが好ましい。また、突出部14eにおける、最も高い突出高さ14iは、最も低い突出高さ14jの1.1〜1.4倍程度であることが好ましい。突出部14eの突出高さは孔14の周方向に変化してもよい。
例えば、図10(a)(b)(d)に示す例のような一方向に長い形状の孔14をピンの挿入により形成すると、孔14の縁部の繊維が外側又は垂直方向に退けられ、孔14の長手方向の対向部分の突出高さiが、長手方向と直交する方向の対向部分の突出高さjよりも高い突出部(バリ)14eが形成される。孔14の突出部14eは、繊維密度がその周囲の部分と比べて低くなっていてもよいが、同程度又は高くなっているのが好ましい。
有孔不織布の構成繊維の繊度、目付け及び厚みは適宜定めることができるが、通常の場合、それぞれ1.8〜6.0dtex程度、15〜25g/m2程度、0.1〜1.3mm程度であると好ましい。また、有孔不織布のMD方向(幅方向)の剛軟度は、穿孔加工前の無孔の状態で35〜100mm、特に40〜70mmであると好ましく、穿孔加工後の状態では10〜50mm、特に15〜40mmであると好ましい。
(伸縮領域)
外装体12F,12Bには、外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に細長状の弾性部材19が設けられ、弾性部材19の伸縮に伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。すなわち、この伸縮領域A2は、自然長の状態では外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが弾性部材の収縮に伴って収縮し、多数の襞80を有する状態となる。また、この伸縮領域A2を幅方向WDに伸長すると、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが襞80なく伸び切る所定の伸長率まで伸長する。弾性部材19としては、細長状のものであれば、糸状、紐状、帯状を問わず用いることができる。また、弾性部材19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
弾性部材19は、少なくとも伸縮領域A2における伸縮方向EDの両端部が外側不織布層12S及び内側不織布層12Hに固定される。弾性部材19の固定手段は特に限定されないが、ホットメルト接着剤19Hを用いることが好ましい。例えば、図17に示すように、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により、弾性部材19における伸縮方向EDの両端部の外周面にホットメルト接着剤19Hを間欠的に塗布した後、この弾性部材19を外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に挟むことができる。この場合、弾性部材19は、その配置部位で、伸縮領域における伸縮方向EDの両端部のみが外側不織布層12S及び内側不織布層12Hにホットメルト接着剤19Hを介して固定される。図11及び図13に示すように、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性部材19の外周面にホットメルト接着剤を連続的に塗布した後、この弾性部材19を外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に挟むこともできる。この場合、弾性部材19は、その配置部位で、伸縮領域A2における伸縮方向EDの両端部はもちろん、その長手方向全体が外側不織布層12S及び内側不織布層12Hに固定される。他には、図示しないが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方の対向面における、弾性部材19の伸縮方向EDの両端部の配置位置にホットメルト接着剤を塗布した後、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの間に弾性部材19を挟むこともできる。この場合、ホットメルト接着剤は、直交方向XDに連続していてもよいし、直交方向XDに間欠的に配置されていてもよい。さらに、これらの場合、ホットメルト接着剤の連続部分は複数本の弾性部材にわたっていてもよい。
図示例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの場合、弾性部材19、すなわち伸縮領域は以下の部位に設けることが望ましい。すなわち、外装体12F,12Bのウエスト部Wにおける外側不織布層12S及び内側不織布層12H間には、幅方向WDの全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性部材17が前後方向に間隔を空けて取り付けられている。また、ウエスト部弾性部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向WDの伸長率は150〜400%、特に220〜320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向LDの全てに同じ太さのウエスト部弾性部材17を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性部材17の太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側不織布層12S及び内側不織布層12H間には、細長状弾性部材からなるウエスト下方部弾性部材15が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられている。
ウエスト下方部弾性部材15としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向WDの伸長率は200〜350%、特に240〜300%程度であるのが好ましい。
また、後側外装体12Bの臀部カバー部Cにおける外側不織布層12S及び内側不織布層12H間には、細長状弾性部材からなるカバー部弾性部材16が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられている。
カバー部弾性部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度設けるのが好ましく、これによるカバー部の幅方向WDの伸長率は150〜300%、特に180〜260%であるのが好ましい。
前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には同様にカバー部弾性部材を設けることができる。
(非伸縮領域)
図示例のウエスト下方部Uや臀部カバー部Cのように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性部材15,16を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外接合部201の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が伸縮領域A2とされる。ウエスト部Wは幅方向WDの全体にわたり伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向中間に非伸縮領域A1を設けても良い。
伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側不織布層12Hと、外側不織布層12Sとの間に、弾性部材15,16を供給し、弾性部材15,16を伸縮領域A2における少なくとも伸縮方向EDの両端部でホットメルト接着剤を介して固定し、非伸縮領域A1となる領域では固定せず、非伸縮領域A1となる領域において、弾性部材15,16を幅方向中間の1か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性部材15,16のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。前者の場合、図4に示すように、非伸縮領域A1には、伸縮領域A2の弾性部材15,16から連続する切断残部が不要弾性部材18として単独で自然長まで収縮した状態で、外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に残ることとなり、後者の場合、図示しないが、伸縮領域A2の弾性部材15,16から連続する切断残部、及び両方の伸縮領域A2の弾性部材15,16と連続しない弾性部材の切断片が不要弾性部材として単独で自然長まで収縮した状態で、外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に残ることになる。
(外側不織布層及び内側不織布層の接合構造)
伸縮領域A2は、図11及び図12に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが接合されたシート接合部70を有しており、このシート接合部70が、直交方向XDに間隔を空けて、かつ伸縮方向EDに実質的に連続する縞状パターンで形成されている。このように、シート接合部70が、少なくとも伸縮方向EDと直交する直交方向XDに間隔を空けて形成されているため、良好な通気性、柔軟性を確保することができる。また、このようにシート接合部が伸縮方向に実質的に連続していると、各シート接合部では外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが一体化していることにより互いに沿うようにしか変形できない。この結果、シート接合部70及びその近傍では、自然長状態を含め、弾性部材の収縮に伴い外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが収縮した状態で、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞80が形成される。また、この影響を受けて、隣り合うシート接合部70の間の領域においても、概ね、シート接合部70における外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの形状に続くように、図12(c)に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが互いに沿うような波状をなしてその表裏両面に襞80が形成される。そして、このような襞80においては、単なる不織布層数による剛性向上だけでなく、シート接合部70の硬さ及び外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの曲率の違いにより、緩やかに曲がる(特に自然長状態で従来との違いが顕著となる)結果、手触りが滑らかで、厚み方向に潰れやすくなり、手触りの柔軟性が向上する。シート接合部70は、伸縮領域A2の伸縮方向EDの全体にわたり連続していてもよいが、複数の襞80が形成される一部の範囲のみ連続していてもよい。
また、伸縮構造における孔14の配列は、直交方向XDに間隔を空けて並ぶ孔14の列91,92が、伸縮方向EDに間隔を空けて並ぶものであると、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hは孔14の列91,92に沿って折れ曲がりやすくなる。この結果、孔14が折れ目となるような一続きの襞80が形成されやすくなる。つまり、襞80が枝分かれしたり、谷部が部分的に広くなったりしにくくなり、全体として、孔14の列に沿って延びる整った襞80が形成されやすくなる。
ここで、単に、孔14の列91,92を有する部分のすべてが等しく折れ曲がりやすいだけであると、すべての列91,92で同じ向きに折れ曲りやすくなる。この場合、例えば自然長の状態(通常、製品を手に取る時はこの状態である)で、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのいずれか一方の外面から見たときに、ほとんどすべての孔14の列91,92が隣り合う襞80の間に隠れ、有孔不織布を用いていることが使用者に伝わりにくくなるおそれがある。
これに対して、前述のように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hにおけるすべての孔14を合わせた配列に関して、孔14の直交方向寸法14Lの総和が異なる第1の孔列91及び第2の孔列92が、伸縮方向EDに所定の中心間隔で交互に繰り返すものであると、第1の孔列91及び第2の孔列92は反対向きに折れ曲り、第1の孔列91同士及び第2の孔列92同士はそれぞれ同じ向きに折れ曲りやすくなる。このため、例えば自然長の状態で、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのいずれか一方の外面から見たときに、第1の孔列91及び第2の孔列92のいずれか一方は隣り合う襞80の間、つまり谷折りとなる部分に隠れるものの、他方は山折りとなる部分に位置するため、有孔不織布を用いていることが使用者に伝わりやすくなる。
有孔不織布は孔14の列91,92に沿って折れ曲がりやすいとはいえ、孔14があるというだけでは、山折りとなるか谷折りとなるかは強制されるわけではない。そのため、伸縮領域A2を複数設ける場合に山折り部分に位置する孔列91,92が領域によって異なる外観となるおそれがある。また、同じ製品であっても個々に、山折り部分に位置する孔列91,92が異なるおそれもある。この問題を解決する一つの方法として、図11,12に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのいずれか一方が、第1の孔列91及び第2の孔列92が配列された有孔不織布であり、他方が無孔不織布である構造が提案される。このように、第1の孔列91及び第2の孔列92を有する有孔不織布を、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのいずれか一方とすると、第1の孔列91を有する部分は、有孔不織布側から見て谷折りとなりやすく、第2の孔列92を有する部分は、有孔不織布側から見て谷折りとなりやすい。よって、伸縮領域A2を複数設ける場合に山折り部分に位置する孔列91,92が領域によって異なったり、同じ製品であっても、山折り部分に位置する孔列91,92が製品個々に異なったりする事態が発生しにくくなる。
第1の孔列91における孔14の直交方向XDの間隔91yは、シート接合部70の直交方向XDの間隔70yより狭いと好ましい。例えば、孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔91yが、シート接合部70の直交方向XDの間隔70yの1/6以上1/2未満であると、隣り合うシート接合部70の間の領域のすべてに2つ以上の孔14が存在するため、孔14が折れ目となるような一続きの襞80が、より一層形成されやすくなる。よって、より一層整った襞80が形成されやすくなる。また、図2に示す例では、ウエスト部Wでは、第1の孔列における孔14の直交方向XDの間隔91yは、ウエスト部弾性部材19の直交方向XDの間隔より長いため、シート接合部70が弾性部材19と重なる部位に配置されたホットメルト接着剤19Hにより形成されていると、上記条件を満たさないが、ウエスト部W以外では上記条件を満たすものとなっている。もちろん、伸縮領域A2のすべてが上記間隔91y,70yの大小関係を満たすことが望ましいが、この例のように伸縮領域A2のすべてが上記91y,70yの大小関係を満たす必要はない。第1の孔列と同様に、第2の孔列92における孔の直交方向XDの間隔92yも、シート接合部70の直交方向XDの間隔70yより狭いとより好ましい。
シート接合部70は、直交方向XDに間隔を空けて、かつ伸縮方向EDに実質的に連続する縞状パターンで形成されている限り特に限定されるものではない。例えば、図11及び図13に示す例のように、シート接合部70は、弾性部材19と重なる部位に配置されたホットメルト接着剤19Hにより形成されているだけでもよい。このようなシート接合部70は、ホットメルト接着剤19Hを塗布した弾性部材19を外側不織布層12S及び内側不織布層12Hで挟むことにより製造することができるものであり、使い捨て着用物品の分野では広く用いられている。しかし、このシート接合部70の構造では、シート接合部70で外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが弾性部材19とともに収縮し、繊維構造が密になる。そのため、図18に示すように、原理的にシート接合部70で襞80が分断されやすい。これに対して、前述のように、少なくとも第1の孔列における孔14の直交方向XDの間隔91yは、シート接合部70の直交方向XDの間隔70yより狭いと、襞80の形成に関して孔14の影響が支配的になるため、シート接合部70で襞80が分断されやすいにもかかわらず、全体として、孔14の列に沿って延びる整った襞80が形成されやすくなる。
弾性部材19と重なる部位にホットメルト接着剤19Hを配置するのに代えて(又はこれとともに)図17に示すように、直交方向XDに隣り合う弾性部材19の間に位置する領域に、伸縮方向EDに実質的に連続するシート接合部70を形成することもできる。後者の場合、シート接合部70は、ホットメルト接着剤により形成するほか、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着により形成してもよい。この他、弾性部材19の両端部を固定するためのホットメルト接着剤19Hが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hを接合していてもよいことはいうまでもない。
直交方向XDにおけるシート接合部70の寸法70Lは適宜定めることができるが、短いことが好ましく、直交方向XDにおける隣り合う弾性部材19の間隔19yの0.2〜0.6倍、特に0.3〜0.5倍であることが好ましい。
前述のように孔14の断面構造は特に限定されるものではないが、孔14の径が、対向する不織布層側と反対側から対向する不織布層側(例えば図11及び図12に示す例では外側不織布層12Sの外側から内側)に向かうにつれて小さくなっていると、図12及び図14に示す例のように、対向する不織布層と反対側の面が谷折りとなるように折れやすい。よって、襞80はより綺麗に整ったものとなる。また、この場合に形成される襞80では、襞と襞との間の底部に孔14の列が位置するようになり、図18(a)に示すように、自然長時には孔14が襞と襞との間に隠れるものの、使用時などに伸長した状態では図18(c)に示すように孔14が露出する。この変化により通気性向上が図られるのはもちろん、外観の変化であることにより通気性に優れた商品であることを使用者に訴求しやすいという利点ももたらされる。さらに、一部のシート接合部70は孔14を通るような配置となっていてもよいが、その場合に、シート接合部70がホットメルト接着剤19Hにより形成されていると、孔14からホットメルト接着剤19Hが露出する。しかし、襞と襞との間の底部に孔14の列が位置すると、孔14から露出するホットメルト接着剤19Hが肌に触れにくいという利点も有する。
特に、装着者の肌側となる内側不織布層12Hが無孔不織布であり、外側不織布層12Sが有孔不織布である場合に、有孔不織布の孔14の径が、対向する不織布層側と反対側から対向する不織布層側に向かうにつれて小さくなっていると、図12(c)及び図18(b)に示すように、内側不織布層12Hに形成される襞80は薄い襞となり、外側不織布層12Sに形成される襞80は緩やかに折れ曲がる厚い襞となる。したがって、内側不織布層12Hと肌との接触面積が少なく、かつ襞と襞との間の隙間が大きくなるため、特に通気性に優れたものとなる。外側不織布層12Sの襞80は、倒れるなどの美観を損ねる変形が発生しにくく、形状安定性に優れたものとなる。
また、具体的な孔14及びシート接合部70の寸法・配置は適宜定めることができるが、以下の範囲内であると特に好ましい。
孔14の伸縮方向EDの寸法14W:0.3〜3.0mm(特に0.4〜1.5mm)
孔14の直交方向XDの寸法14L:0.3〜5.0mm(特に0.6〜2.0mm)
第1の孔列91における孔14の直交方向XDの間隔91y:1.0〜5.0mm(特に1.0〜3.0mm)
第2の孔列92における孔14の直交方向XDの間隔92y:2.0〜30.0mm(特に4.0〜20.0mm)
列の伸縮方向EDの間隔14x:2.5〜10.0mm(特に3.0〜6.0mm)
直交方向XDにおけるシート接合部70の間隔:5〜10mm(特に5.0〜7.0mm)
直交方向XDにおけるシート接合部70の寸法70L:0.5〜5.0mm(特に1.0〜3.0mm)
孔14及びシート接合部70は、伸縮領域A2だけに設けることもできるが、図8及び図9に示す例のように、非伸縮領域A1を含むより広範囲の領域にわたり設けることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、パンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・閉じた平面形状に関して「中心」とは、中心を有しない図形の場合には重心意味する。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば不織布)における対象部分(例えば孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。例えば、孔の面積率は、例えばKEYENCE社の商品名VHX−1000を使用し、測定条件を20倍として、以下の手順で測定することができる。
(1)20倍のレンズにセットし、ピントを調節する。穴が4×6入るように不織布の位置を調整する。
(2)孔の領域の明るさを指定し、孔の面積を計測する。
(3)「計測・コメント」の「面積計測」の色抽出をクリックする。孔の部分をクリックする。
(4)「一括計測」をクリックし、「計測結果ウィンドを表示」にチェックを入れ、CSVデータで保存をする。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「剛軟度」は、JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.21.1 A法(45°カンチレバー法)」を意味する。有孔不織布における穿孔加工前(無孔不織布)の値は、穿孔加工前の無孔不織布が入手できない場合には、孔の有無以外(繊維組成、繊度、目付け、厚み等)はすべて同じ不織布を用意して測定を行うものとする。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつやテープタイプ使い捨ておむつの他、パッドタイプ使い捨ておむつ、使い捨て水着、おむつカバー、生理用ナプキン等、使い捨て着用物品全般に利用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装体、12A…サイドシール部、12B…後側外装体、12F…前側外装体、12H…内側不織布層、12S…外側不織布層、14…孔、14e…突出部、18…不要弾性部材、19…弾性部材、19H…ホットメルト接着剤、20…カバー不織布、200…内装体、201…内外接合部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザー不織布、A1…非伸縮領域、A2…伸縮領域、C…臀部カバー部、L…中間領域、LD…前後方向、LO…脚開口、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WD…幅方向、WO…ウエスト開口、70…シート接合部、XD…直交方向、ED…伸縮方向、80…襞、91,92…列、91…第1の孔列、92…第2の孔列。

Claims (8)

  1. 一部又は全部が重なり合う第1不織布層及び第2不織布層と、これら第1不織布層及び第2不織布層の間に伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性部材とを有し、
    前記弾性部材は、少なくとも伸縮領域における前記伸縮方向の両端部が前記第1不織布層及び第2不織布層に固定されており、
    前記伸縮領域は、前記第1不織布層及び第2不織布層が接合されたシート接合部を有しており、
    前記第1不織布層及び第2不織布層の少なくとも一方は、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布である、
    使い捨て着用物品の伸縮構造において、
    前記シート接合部は、前記直交方向に間隔を空けて、かつ前記伸縮方向に実質的に連続する縞状パターンで形成されており、
    前記伸縮構造における前記孔の配列は、前記直交方向に間隔を空けて並ぶ孔の列が、伸縮方向に間隔を空けて並ぶものであるとともに、前記孔の直交方向寸法の総和が相対的に長い第1の孔列と前記孔の直交方向寸法の総和が相対的に短い第2の孔列とが、伸縮方向に所定の中心間隔で交互に繰り返すものである、
    ことを特徴とする使い捨て着用物品の伸縮構造。
  2. 前記第1の孔列及び第2の孔列は、それぞれ、同寸法・同形状の孔が前記直交方向に所定の中心間隔で直線的に並ぶものであり、
    第1の孔列における孔と、第2の孔列における孔とは、寸法及び形状の少なくとも一方が異なっているか、直交方向の間隔が異なっているか、又はこれらの両方である、
    請求項1記載の使い捨て着用物品の伸縮構造。
  3. 前記シート接合部は、前記弾性部材と重なる部位に配置されたホットメルト接着剤により形成されており、
    少なくとも前記第1の孔列における孔の前記直交方向の間隔が、前記シート接合部の前記直交方向の間隔より狭い、
    請求項1又は2記載の使い捨て着用物品の伸縮構造。
  4. 前記有孔不織布における前記孔の径が、対向する不織布層側と反対側から対向する不織布層側に向かうにつれて小さくなっている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の伸縮構造。
  5. 前記孔は、前記伸縮方向の寸法が0.3〜3.0mm、前記直交方向の寸法が0.3〜5.0mmであり、
    前記第1の孔列における前記孔の前記直交方向の間隔が1.0〜5.0mmであり、
    前記第2の孔列における前記孔の前記直交方向の間隔が2.0〜30.0mmであり、
    前記列の前記伸縮方向の間隔が2.5〜10.0mmであり、
    前記直交方向における前記シート接合部の間隔が5〜10mmであり、
    前記直交方向における前記シート接合部の寸法0.5〜5.0mmである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の伸縮構造。
  6. 第1不織布層及び第2不織布層のいずれか一方が、前記第1の孔列及び第2の孔列が配列された有孔不織布であり、他方が無孔不織布である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の伸縮構造。
  7. 前記第1不織布層及び第2不織布層のうち、装着者の肌側となる不織布層が無孔不織布であり、反対の不織布層が前記有孔不織布である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の伸縮構造。
  8. 前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
    前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方における前記外装体は、少なくとも前後方向の一部の範囲における前記サイドシール部間に対応する幅方向範囲にわたり、請求項1〜7のいずれか1項に記載の伸縮構造を、その伸縮領域の伸縮方向が幅方向となるように備えている、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
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