本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、無線基地局1と、端末装置2とを備える。
無線基地局1は、通信範囲REGを有する。また、無線基地局1は、有線ケーブル20を介してネットワーク30に接続される。
無線基地局1は、端末装置2を管理するためのビーコンフレームBeacon(=管理フレーム)を定期的に送信するとともに、端末装置2と無線通信を行う起動状態と、端末装置2と無線通信(=データの送受信)を行うことができないスリープ状態とを有する。
無線基地局1は、一定の期間、端末装置2と無線通信を行わなかったとき、または自己に帰属する端末装置が存在しないとき(即ち、通信範囲REG内に端末装置が存在しないとき)、起動状態からスリープ状態へ移行する。
また、無線基地局1は、スリープ状態において、端末装置2から自己を起動させるためのウェイクアップ信号を受信すると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、無線基地局1は、端末装置2と無線通信を行うとともに、有線ケーブル20およびネットワーク30を介して他の通信装置と通信を行う。この場合、無線基地局1は、例えば、IEEE802.11acの周波数帯(5GHz帯)に含まれる1つのチャネルで端末装置2と無線通信を行う。
5GHz帯は、5.18〜5.70GHzの周波数帯域を有し、チャネル番号がCh36,Ch40,Ch44,Ch48,Ch52,Ch56,Ch60,Ch64,Ch100,Ch104,Ch108,Ch112,Ch116,Ch120,Ch124,Ch128,Ch132,Ch136,Ch140である19個の周波数チャネルを含む。19個の周波数チャネルの各々は、中心周波数と帯域幅とを有する。この発明の実施の形態においては、周波数チャネルを「チャネル」と言い、チャネルが異なるとは、中心周波数が異なることを言う。
端末装置2は、無線基地局1の通信範囲REG内に存在する。そして、端末装置2は、無線基地局1からビーコンフレームBeaconを受信しないとき、無線基地局1がスリープ状態であると判定する。そして、端末装置2は、無線基地局1がスリープ状態にあるときに無線基地局1との間で無線通信を開始するとき、無線基地局1を起動させるためのウェイクアップ信号を生成し、その生成したウェイクアップ信号を5GHz帯で無線通信によって無線基地局1へ送信する。即ち、端末装置2は、無線基地局1との無線通信に用いる周波数帯と同じ周波数帯を用いてウェイクアップ信号を無線基地局1へ送信する。
また、端末装置2は、無線基地局1が起動状態であるとき、通常の無線通信を5GHz帯に含まれる1つのチャネルで無線基地局1と行う。
[実施の形態1]
図2は、図1に示す無線基地局1の実施の形態1における構成図である。図2を参照して、無線基地局1は、アンテナ11と、切替器12と、ウェイクアップ信号受信機13と、メイン装置14と、電源15とを含む。
アンテナ11は、切替器12を介してウェイクアップ信号受信機13またはメイン装置14に接続される。
切替器12は、アンテナ11と、ウェイクアップ信号受信機13およびメイン装置14との間に接続される。
アンテナ11は、無線通信によって端末装置2から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームを切替器12を介してウェイクアップ信号受信機13またはメイン装置14へ出力する。また、アンテナ11は、メイン装置14から受けた無線フレームを無線通信によって端末装置2へ送信する。
切替器12は、メイン装置14からの制御信号CTLに応じて、アンテナ11をウェイクアップ信号受信機13またはメイン装置14に接続する。
ウェイクアップ信号受信機13は、例えば、100μWの電力を電源15から受け、その受けた電力によって駆動される。また、ウェイクアップ信号受信機13は、メイン装置14がスリープ状態にあるとき、切替器12を介してアンテナ11に接続される。そして、ウェイクアップ信号受信機13は、アンテナ11を介して端末装置2から無線フレームを受信すると、その受信した無線フレームの長さによって表されるウェイクアップIDを検出し、その検出したウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致するか否かを判定する。ウェイクアップ信号受信機13は、ウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致すると判定したとき、起動信号を生成し、その生成した起動信号をメイン装置14へ出力する。
一方、ウェイクアップ信号受信機13は、ウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致しないとき、無線フレームを破棄する。そして、ウェイクアップ信号受信機13は、無線フレームの受信を待つ状態になる。
なお、ウェイクアップ信号受信機13は、無線基地局1をウェイクアップさせるための無線フレームを受信する機能のみを有し、無線フレームを送信する機能を有しない。
メイン装置14は、例えば、7Wの電力を電源15から受け、その受けた電力によって駆動される。
メイン装置14は、起動状態であるとき、アンテナ11を介して端末装置2と無線通信を行い、有線ケーブル20を介して他の通信装置と通信を行う。
また、メイン装置14は、一定の期間T1、端末装置2と無線通信を行わなかったとき、または無線基地局1に帰属する端末装置が存在しないとき、起動状態からスリープ状態へ移行する。なお、一定の期間T1は、例えば、数十秒に設定される。
更に、メイン装置14は、スリープ状態にあるときに、ウェイクアップ信号受信機13から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。
電源15は、100μWの電力をウェイクアップ信号受信機13へ供給し、7Wの電力をメイン装置14へ供給する。
切替器12は、スイッチ121と、端子122,123とを含む。メイン装置14は、無線通信モジュール141と、有線通信モジュール142と、ホストシステム143とを含む。
スイッチ121は、アンテナ11に接続される。端子122は、ウェイクアップ信号受信機13に接続される。端子123は、無線通信モジュール141に接続される。
スイッチ121は、メイン装置14のホストシステム143から制御信号CTLを受ける。そして、スイッチ121は、その制御信号CTLによってアンテナ11を端子122または端子123に接続する。
この場合、制御信号CTLは、L(論理ロー)レベルの信号、またはH(論理ハイ)レベルの信号からなる。そして、スイッチ121は、制御信号CTLがLレベルの信号からなる場合、アンテナ11を端子122に接続し、制御信号CTLがHレベルの信号からなる場合、アンテナ11を端子123に接続する。
無線通信モジュール141は、ホストシステム143からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム143からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、無線通信モジュール141が動作を停止した状態である。
そして、無線通信モジュール141は、起動状態へ移行すると、無線基地局1が起動したことを端末装置2へ通知するための無線フレーム(起動通知)を生成し、その生成した無線フレーム(起動通知)を端末装置2へ送信する。
その後、無線通信モジュール141は、アンテナ11を介してビーコンフレームBeaconを定期的に送信し、端末装置2との間で無線通信リンクを確立する。そして、無線通信モジュール141は、端末装置2と無線通信を行う。この場合、無線通信モジュール141は、端末装置2から受信した無線フレームからデータを取り出してホストシステム143へ出力し、ホストシステム143から受けたデータを含む無線フレームを生成して端末装置2へ送信する。
有線通信モジュール142は、有線ケーブル20を介して他の通信装置からデータを受信し、その受信したデータをホストシステム143へ出力する。
また、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からデータを受け、その受けたデータを有線ケーブル20を介して他の通信装置へ送信する。
更に、有線通信モジュール142は、ホストシステム143からコマンド信号COM1を受けると、起動状態からスリープ状態へ移行し、ホストシステム143からコマンド信号COM2を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。なお、このスリープ状態は、有線通信モジュール142が動作を停止した状態である。
ホストシステム143は、一定の期間T1、端末装置2からの無線フレームを無線通信モジュール141を介して受けないとき、または通信範囲REG内に端末装置が存在しないとき、コマンド信号COM1を生成し、その生成したコマンド信号COM1を無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Lレベルの制御信号CTLを生成して切替器12へ出力する。そして、ホストシステム143は、スリープ状態(=停止状態)へ移行する。
また、ホストシステム143は、ウェイクアップ信号受信機13から起動信号を受けると、スリープ状態から起動状態へ移行する。そして、ホストシステム143は、コマンド信号COM2を生成し、その生成したコマンド信号COM2を無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Hレベルの制御信号CTLを生成して切替器12へ出力する。
更に、ホストシステム143は、無線通信モジュール141からデータを受けると、その受けたデータを有線通信モジュール142へ出力する。
更に、ホストシステム143は、有線通信モジュール142からデータを受けると、その受けたデータを無線通信モジュール141へ出力する。
更に、ホストシステム143は、通信範囲REG内に存在する端末装置を管理する。
図3は、図2に示すウェイクアップ信号受信機13の構成図である。図3を参照して、ウェイクアップ信号受信機13は、BPF(Band Pass Filter)131と、包絡線検波器132と、ビット判定器133と、フレーム長検出器134と、ID識別器135とを含む。
BPF131は、アンテナ11および切替器12を介して電波を受信し、その受信した受信電波から5GHz帯の周波数(5GHz帯における全てのチャネルの周波数)を有する信号を抽出する。そして、BPF131は、その抽出した信号を包絡線検波器132へ出力する。
包絡線検波器132は、BPF131から受けた信号(=無線フレーム)を一定周期(例えば、10μs)ごとに包絡線検波し、その検波した検波信号をビット判定器133へ出力する。
ビット判定器133は、包絡線検波器132から受けた検波信号を“0”または“1”のビット値に変換し、その変換後のビット列をフレーム長検出器134へ出力する。
フレーム長検出器134は、ビット判定器133から受けたビット列に基づいて無線フレームのフレーム長を検出する。より具体的には、フレーム長検出器134は、“1”のビット値の個数を累計し、“0”のビット値が入力されれば、累計値をID識別器135へ出力するとともに、累計値をリセットする。
ID識別器135は、累計値をフレーム長検出器134から受け、その受けた累計値を後述する方法によってビット列に変換する。そして、ID識別器135は、その変換したビット列を保持する。
そうすると、ID識別器135は、保持したビット列が無線基地局1の識別情報(ID)に一致するとき、起動信号を生成してホストシステム143へ出力する。
なお、ID識別器135は、保持したビット列のビット長がウェイクアップIDの長さを超える場合、ビット列のうち、最も古いビット値から順に破棄する。
また、ID識別器135は、保持したビット列が無線基地局1の識別情報(ID)に一致しないとき、その保持したビット列を破棄する。
図4は、図1に示す端末装置2の実施の形態1における構成図である。図4を参照して、端末装置2は、アンテナ21と、無線通信モジュール22と、ホストシステム23と、選択手段24とを含む。ホストシステム23は、ウェイクアップ信号生成部231を含む。
無線通信モジュール22は、アンテナ21を介して無線基地局1から起動通知を受信すると、無線基地局1との間で無線通信リンクを確立し、無線基地局1との間で無線通信を行う。
この場合、無線通信モジュール22は、アンテナ21を介して無線基地局1から無線フレームを受信し、その受信した無線フレームを復調してデータを取り出し、その取り出したデータをホストシステム23へ出力する。また、無線通信モジュール22は、ホストシステム23からデータを受け、その受けたデータを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームを無線LANによる変調方式によって変調し、その変調した無線フレームをアンテナ21を介して無線基地局1へ送信する。
無線通信モジュール22は、無線通信システム10における通信帯域内の全ての通信チャネルにおいて、キャリアセンスを行い、そのキャリアセンスの結果を選択手段24へ出力する。
無線通信モジュール22は、ホストシステム23のウェイクアップ信号生成部231からペイロードおよび伝送レートの少なくとも1つを受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを5GHz帯の周波数帯域で生成する。また、無線通信モジュール22は、選択手段24からチャネルリストを受ける。そして、無線通信モジュール22は、その受けたチャネルリストによって示されたチャネルを用いて、無線フレームをウェイクアップ信号生成部231から受けた伝送レートによって無線基地局1へ送信する。
ホストシステム23は、無線通信モジュール22がアンテナ21を介して受信したビーコンフレームBeaconを無線通信モジュール22から受ける。そして、ホストシステム23は、その受けたビーコンフレームBeaconに含まれるESSIDまたはBSSIDを取り出して管理するとともに、ESSIDまたはBSSIDに基づいて、端末装置2が帰属する無線基地局1を管理する。
また、ホストシステム23は、無線基地局1からビーコンフレームBeaconを受信しないとき、無線基地局1がスリープ状態であると判定し、コマンド信号COM3およびESSID(またはBSSID)をウェイクアップ信号生成部231へ出力する。
更に、ホストシステム23は、無線通信モジュール22からデータを受けるとともに、データを生成して無線通信モジュール22へ出力する。
ウェイクアップ信号生成部231は、コマンド信号COM3およびESSID(またはBSSID)をホストシステム23から受けると、ESSID、BSSID、およびそれらのハッシュ値のいずれかからなるウェイクアップIDを生成し、その生成したウェイクアップIDを後述する方法によってフレーム長Lに変換する。そして、ウェイクアップ信号生成部231は、所望の長さを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードを含む無線フレームを送信したときの無線フレームの時間長がフレーム長Lになるように伝送レートを決定する。そうすると、ウェイクアップ信号生成部231は、ペイロードと伝送レートとを無線通信モジュール22へ出力する。なお、ウェイクアップIDは、端末装置2が起動させる無線基地局1を示す情報である。
選択手段24は、無線通信モジュール22から各通信チャネルにおけるキャリアセンスの結果を受け、その受けたキャリアセンスの結果に基づいて、後述する方法によってウェイクアップ信号の送信に用いる通信チャネルを選択する。そして、選択手段24は、その選択した通信チャネルを示すチャネルリストを生成し、その生成したチャネルリストを無線通信モジュール22へ出力する。
図5は、ビット列と無線フレームの時間長であるフレーム長Lとの変換表を示す図である。図5を参照して、変換表TBL1は、ビット列とフレーム長とを含む。ビット列およびフレーム長は、相互に対応付けられる。
230μsのフレーム長Lは、“000000”のビット列に対応付けられる。260(μs)のフレーム長Lは、“000001”のビット列に対応付けられる。290(μs)のフレーム長Lは、“000010”のビット列に対応付けられる。以下、同様にして、2120(μs)のフレーム長Lは、“111110”のビット列に対応付けられ、2150(μs)のフレーム長Lは、“111111”のビット列に対応付けられる。そして、“000000”等のビット列は、ウェイクアップIDである。即ち、“000000”等のビット列は、ウェイクアップさせたい無線基地局1の識別情報である。
ウェイクアップ信号生成部231は、変換表TBL1を保持している。そして、ウェイクアップ信号生成部231は、“000000”からなるウェイクアップIDに対して、変換表TBL1を参照してフレーム長L=230(μs)を割り当てる。
そうすると、ウェイクアップ信号生成部231は、フレーム長がL=230(μs)に最も近くなるようにペイロードサイズを決定し、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードを無線通信モジュール22へ出力する。そして、無線通信モジュール22は、ウェイクアップ信号生成部231からペイロードを受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを5GHz帯の周波数帯域で生成し、その生成した無線フレームをチャネルリストによって示された通信チャネルを用いて無線基地局1へ送信する。
また、ウェイクアップ信号生成部231は、“000000”からなるウェイクアップIDにフレーム長L=230(μs)を割り当てると、“000000”からなるウェイクアップIDを含む無線フレームの時間長が230(μs)になるように送信するための伝送レートを決定し、その決定した伝送レートと“000000”からなるウェイクアップIDとを無線通信モジュール22へ出力する。無線通信モジュール22は、“000000”からなるウェイクアップIDと、伝送レートとをウェイクアップ信号生成部231から受ける。そして、無線通信モジュール22は、“000000”からなるウェイクアップIDを含む無線フレームを5GHz帯の周波数帯域で生成し、チャネルリストによって示された通信チャネルを用いて、その生成した無線フレームをウェイクアップ信号生成部231から受けた伝送レートで無線基地局1へ送信する。
更に、ウェイクアップ信号生成部231は、“000000”からなるウェイクアップIDにフレーム長L=230(μs)を割り当てると、フレーム長がL=230(μs)に最も近くなるようにペイロードサイズを決定し、その決定したペイロードサイズを有するペイロードを生成する。また、ウェイクアップ信号生成部231は、その生成したペイロードを含む無線フレームの時間長が230(μs)になるように送信するための伝送レートを決定する。そして、ウェイクアップ信号生成部231は、その生成したペイロードと、その決定した伝送レートとを無線通信モジュール22へ出力する。
無線通信モジュール22は、ペイロードおよび伝送レートをウェイクアップ信号生成部231から受け、その受けたペイロードを含む無線フレームを5GHz帯の周波数帯域で生成する。そして、無線通信モジュール22は、チャネルリストによって示された通信チャネルを用いて、その生成した無線フレームをウェイクアップ信号生成部231から受けた伝送レートで無線基地局1へ送信する。
このように、無線通信モジュール22は、フレーム長がL=230(μs)になるようにペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御し、その制御したペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を用いて無線フレームを無線基地局1へ送信する。その結果、無線通信モジュール22を変更することなく、ウェイクアップ信号生成部231を追加するだけで、端末装置2は、無線基地局1をウェイクアップさせることができる。
なお、ペイロードとなるデータの中身は、乱数値でもよいし、特定の値に設定されてもよい。
ウェイクアップ信号生成部231は、“000001”等からなるウェイクアップIDに対しても、同様にしてペイロードおよび/または伝送レートを無線通信モジュール22へ出力する。
変換表TBL1において、フレーム長Lが30μsごとに区切られているのは、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13のクロック周波数を低くし、ウェイクアップ信号受信機13が無線フレームの切れ目を識別できるようにするためである。
上述したように、実施の形態1においては、端末装置2は、ウェイクアップIDをフレーム長によって表した無線フレームを無線基地局1へ送信する。
この場合、無線フレームは、Probe Request等の管理フレーム、またはブロードキャストのデータフレーム、またはウェイクアップさせる無線基地局1以外の無線基地局や端末装置2以外の他の端末装置へ送信すべきデータフレームからなる。
無線フレームがデータフレームからなる場合、ウェイクアップ信号生成部231は、データフレームの伝送レートおよびフラグメンテーションを調整し、ウェイクアップIDに対応するフレーム長Lを有する無線フレームを無線通信モジュール22およびアンテナ21を介して無線基地局1へ送信する。
そして、ウェイクアップさせる無線基地局1以外の無線基地局へ送信すべきデータフレームを用いてウェイクアップIDを送信する場合、端末装置2がハンドオーバーされる場合に適している。
図6は、包絡線検波およびビット判定の概念図である。図6を参照して、ウェイクアップ信号受信機13の包絡線検波器132は、無線フレームFRをBPF131から受ける。無線フレームFRは、例えば、230(μs)のフレーム長Lを有する((a)参照)。
包絡線検波器132は、無線フレームFRの包絡線EVLを検出し、その検出した包絡線EVLを10(μs)毎に検波し、検波値I1〜I24を検出する((b)参照)。
そして、包絡線検波器132は、検波値I1〜I24をビット判定器133へ出力する。ビット判定器133は、検波値I1〜I24をビット判定し、“111・・・1110”のビット列を得る。そして、ビット判定器133は、“111・・・1110”のビット列をフレーム長検出器134へ出力する。
フレーム長検出器134は、“111・・・1110”のビット列の先頭から“1”のビット値の個数を累積し、“23”の累積値を検出する。そして、フレーム長検出器134は、24個目のビット値が“0”であるので、“23”の累積値をID識別器135へ出力するとともに、累積値をリセットする。
図7は、累積値とビット列との変換表を示す図である。図7を参照して、変換表TBL2は、累積値とビット列とを含む。累積値およびビット列は、相互に対応付けられる。
“000000”のビット列は、22≦c≦24の累積値cに対応付けられる。“000001”のビット列は、25≦c≦27の累積値cに対応付けられる。“000010”のビット列は、28≦c≦30の累積値cに対応付けられる。以下、同様にして、“111110”のビット列は、211≦c≦213の累積値cに対応付けられ、“111111”のビット列は、214≦c≦216の累積値に対応付けられる。
ID識別器135は、変換表TBL2を保持している。そして、ID識別器135は、フレーム長検出器134から23の累積値cを受けると、変換表TBL2を参照して“000000”のビット列を検出する。
そして、ID識別器135は、その検出した“000000”のビット列が無線基地局1の識別情報(ID)に一致する場合、起動信号を生成してメイン装置14へ出力する。
図8は、実施の形態1におけるチャネルボンディングの概念図である。図8の(a)を参照して、無線基地局1および端末装置2が無線通信に用いる通信帯域には、チャネルCh1〜Chm(mは2以上の整数)が存在する。チャネルCh1〜Chmは、それぞれ、中心周波数f1〜fmを有する。また、チャネルCh1〜Chmの各々は、一定の帯域幅を有する。
IEEE802.11acにおいては、Ch36,Ch40,Ch44,Ch48,Ch52,Ch56,Ch60,Ch64,Ch100,Ch104,Ch108,Ch112,Ch116,Ch120,Ch124,Ch128,Ch132,Ch136,Ch140のチャネルが存在する。そして、チャネルCh36,Ch40,Ch44,Ch48,Ch52,Ch56,Ch60,Ch64,Ch100,Ch104,Ch108,Ch112,Ch116,Ch120,Ch124,Ch128,Ch132,Ch136,Ch140は、それぞれ、5.18GHz,5.20GHz,5.22GHz,5.24GHz,5.26GHz,5.28GHz,5.30GHz,5.32GHz,5.50GHz,5.52GHz,5.54GHz,5.56GHz,5.58GHz,5.60GHz,5.62GHz,5.64GHz,5.66GHz,5.68GHz,5.70GHzの中心周波数を有する。そして、これらのチャネルCh36〜Ch140の各々は、20MHzの帯域幅を有する。
実施の形態1においては、端末装置2の無線通信モジュール22は、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、チャネルCh1〜Chmをチャネルボンディングしてウェイクアップ信号(=ウェイクアップIDを表すフレーム長を有する無線フレーム)を送信する。
より具体的には、無線通信モジュール22は、チャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmの全てを示すチャネルリストとを選択手段24から受ける。そして、無線通信モジュール22は、チャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmの全てを示すチャネルリストとに基づいて、ウェイクアップ信号生成部231から受けたペイロードを含む無線フレームをチャネルCh1〜Chmのm個の周波数帯域の全てを含む周波数帯域f_BDで生成し、その生成した無線フレームをウェイクアップ信号生成部231から受けた伝送レートで送信する。
即ち、無線通信モジュール22は、チャネルCh1〜ChmをボンディングしたボンディングチャネルCh_BDでペイロードを含む無線フレームを生成し、その生成した無線フレームをウェイクアップ信号生成部231から受けた伝送レートで送信する。
また、端末装置2の無線通信モジュール22は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)に従ってウェイクアップ信号(無線フレーム)を送信する。このCSMA/CAは、無線通信空間をキャリアセンスし、無線通信空間が空いているとき信号を送信し、無線通信空間が空いていないとき信号を送信しない無線通信方式である。
より具体的には、無線通信モジュール22は、チャネルCh1〜Chmのうちの任意の1つのチャネルをプライマリチャネルCh_primaryとして固定し、プライマリチャネルCh_primaryでDIFS(Distributed Inter Frame Space)の期間にキャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているとき、バックオフが経過するまで待機する。
その後、無線通信モジュール22は、プライマリチャネルCh_primary以外のセカンダリチャネルCh_secondary(チャネルCh1〜ChmのうちのプライマリチャネルCh_pri以外の1つのチャネル)でPIFS(Point Coordination Function Inter Frame Space)の期間にキャリアセンスを行い、無線通信空間が空いているか否かを判定する。無線通信モジュール22は、この処理を全てのセカンダリチャネルCh_secondaryについて実行する。
そして、無線通信モジュール22は、プライマリチャネルCh_primaryおよび全てのセカンダリチャネルCh_secondaryにおけるキャリアセンスの結果を選択手段24へ出力する。選択手段24は、キャリアセンスの結果に基づいて、プライマリチャネルCh_primaryおよび全てのセカンダリチャネルCh_secondaryが開いていると判定したとき、即ち、チャネルCh1〜Chmの全てが空いていると判定したとき、チャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmの全てを示すチャネルリストとを無線通信モジュール22へ出力する。
無線通信モジュール22は、選択手段24からのチャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmの全てを示すチャネルリストとに基づいて、ウェイクアップ信号をチャネルCh1〜Chmの全てを用いたチャネルボンディングで送信する。
なお、選択手段24は、プライマリチャネルCh_priが空いていないとき、またはセカンダリチャネルCh_secondaryのすくなくとも1つが空いていないとき、チャネルリストを無線通信モジュール22へ出力しない。従って、無線通信モジュール22は、ウェイクアップ信号の送信を待機する。
図9は、図1に示す無線通信システム10における動作を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
図9を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1のホストシステム143は、スリープ状態へ移行するか否かを判定する(ステップS1)。より具体的には、無線基地局1のホストシステム143は、一定の期間T1、端末装置2との間で無線通信が行われていないとき、または無線基地局1に帰属する端末装置が存在しないとき、またはスケジューリング等の他の何らかの判断アルゴリズムによる判断があるとき、スリープ状態へ移行すると判定する。また、無線基地局1のホストシステム143は、一定の期間T1内に、端末装置2との間で無線通信が行われているとき、または無線基地局1に帰属する端末装置が存在するとき、スリープ状態へ移行しないと判定する。
ステップS1において、スリープ状態へ移行すると判定されたとき、無線基地局1のホストシステム143は、コマンド信号COM1を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力するとともに、Lレベルの信号からなる制御信号CTLを生成して切替器12へ出力し、自己の動作を停止する。そして、無線基地局1の切替器12は、Lレベルの制御信号CTLに応じてアンテナ11を端子122に接続する。また、無線基地局1の無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンド信号COM1に応じて、動作を停止する。即ち、ステップS1において、スリープ状態へ移行すると判定されたとき、メイン装置14が停止する(ステップS2)。
そして、ウェイクアップ信号受信機13は、ウェイクアップ信号を待ち受ける(ステップS3)。
その後、端末装置2のホストシステム23は、無線基地局1からビーコンフレームBeaconを受信しないことを検知する(ステップS4)。即ち、端末装置2のホストシステム23は、無線基地局1がスリープ状態であることを検知する。そして、端末装置2のホストシステム23は、無線通信を開始するか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、無線通信を開始すると判定されたとき、端末装置2のホストシステム23は、起動させたい無線基地局1のESSID(またはBSSID)とコマンド信号COM3とをウェイクアップ信号生成部231へ出力する。そして、端末装置2のウェイクアップ信号生成部231は、コマンド信号COM3を受けると、ESSID(またはBSSID)に基づいて、上述した方法によってウェイクアップIDを生成する。即ち、端末装置2は、起動させたい無線基地局1を示すウェイクアップIDを生成する(ステップS6)。
そして、端末装置2のウェイクアップ信号生成部231は、変換表TBL1を参照して、その生成したウェイクアップIDをフレーム長に変換し、その変換したフレーム長を有する無線フレームを生成するために必要なペイロードサイズと伝送レートとを算出し、その算出したペイロードサイズを有するペイロードを生成し、その生成したペイロードと、算出した伝送レートとを無線通信モジュール22へ出力する。
端末装置2の無線通信モジュール22は、ウェイクアップ信号生成部231から受けたペイロードを含む無線フレームFRを無線通信帯域の全帯域で生成する(ステップS7)。
その後、端末装置2の無線通信モジュール22は、DIFSの期間、プライマリチャネルCh_primaryでキャリアセンスし、キャリアセンスの結果を選択手段24へ出力する。そして、端末装置2の選択手段24は、キャリアセンスの結果に基づいて、プライマリチャネルCh_primaryに干渉が無いか否かを判定する(ステップS8)。
この場合、選択手段24は、キャリアセンスの結果、プライマリチャネルCh_primaryが空いている場合、プライマリチャネルCh_primaryに干渉が無いと判定し、プライマリチャネルCh_primaryが空いていない場合、プライマリチャネルCh_primaryに干渉が有ると判定する。
ステップS8において、プライマリチャネルCh_primaryに干渉が有ると判定されたとき、一連の動作は、終了する。
一方、ステップS8において、プライマリチャネルCh_primaryに干渉が無いと判定されたとき、端末装置2の選択手段24は、プライマリチャネルCh_primaryに干渉が無いことを示す信号ITF_NOを無線通信モジュール22へ出力し、無線通信モジュール22は、信号ITF_NOに基づいて、プライマリチャネルCh_primaryでバックオフを行う(ステップS9)。
その後、端末装置2の無線通信モジュール22は、PIFSの期間、キャリアセンスを行い、キャリアセンスの結果を選択手段24へ出力する。端末装置2の選択手段24は、ステップS8における方法と同じ方法によって、キャリアセンスの結果に基づいて、セカンダリチャネルCh_secondaryの全てに干渉が無いか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10において、セカンダリチャネルCh_secondaryの少なくとも1つに干渉が有ると判定されたとき、一連の動作は、ステップS9へ戻り、端末装置2の無線通信モジュール22は、プライマリチャネルCh_primaryでバックオフを行う。
一方、ステップS10において、セカンダリチャネルCh_secondaryの全てに干渉が無いと判定されたとき、端末装置2の選択手段24は、チャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmを示すチャネルリストとを無線通信モジュール22へ出力し、無線通信モジュール22は、チャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmを示すチャネルリストとに基づいて、チャネルCh1〜Chmを用いたチャネルボンディングによって、ウェイクアップ信号生成部231から受けた伝送レートで無線フレームFRをアンテナ21を介して無線基地局1へ送信する(ステップS11)。
そうすると、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、アンテナ11を介して無線フレームFRを無線通信帯域の全帯域で受信し、その受信した無線フレームFRのフレーム長からウェイクアップIDを上述した方法によって検出する(ステップS12)。
そして、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、その検出したウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致するか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13において、ウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致しないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS3へ戻る。
一方、ステップS13において、ウェイクアップIDが無線基地局1のIDに一致すると判定されたとき、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、起動信号を生成してホストシステム143へ出力する。そして、無線基地局1のホストシステム143は、ウェイクアップ信号受信機13からの起動信号に応じてスリープ状態から起動状態へ移行し、コマンド信号COM2を生成して無線通信モジュール141および有線通信モジュール142へ出力する。そして、無線基地局1の無線通信モジュール141および有線通信モジュール142は、コマンドCOM2に応じてスリープ状態から起動状態へ移行する。このように、無線基地局1のメイン装置14は、ウェイクアップ信号受信機13からの起動信号に応じて、スリープ状態から起動状態へ移行する(ステップS14)。
その後、無線基地局1は、端末装置2との間でリンクを確立し、端末装置2との間で無線通信を行う。
なお、ステップS11において、選択手段24がチャネルボンディングの指示信号と、チャネルCh1〜Chmを示すチャネルリストとを無線通信モジュール22へ出力することは、選択手段24がチャネルボンディングを選択することに相当する。
上述したように、実施の形態1においては、端末装置2は、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、無線通信システム10における無線通信帯域の全帯域を用いてウェイクアップ信号(=無線フレームFR)を無線基地局1へ送信する。即ち、端末装置2は、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、チャネルボンディングを選択してウェイクアップ信号(=無線フレームFR)を無線基地局1へ送信する。
その結果、端末装置2以外の端末装置は、端末装置2から送信されたウェイクアップ信号(=無線フレームFR)を検知して信号の送信を控えるので、ウェイクアップ信号の送信に用いたチャネルCh1〜Chmに干渉信号が入って来ない。
従って、ウェイクアップ信号を正確に無線基地局1へ送信できる。そして、無線基地局1がウェイクアップ(スリープ状態から起動状態へ移行すること)に成功する確率を高くできる。
従来、隣接チャネルからの干渉を低減する方法として、所定時間の送信停止を指示する送信停止指示パケットを全チャネルで送信して他のチャネルの送信を禁止する方法が提案されている(特許文献2)。この方法では、全チャネルでの送信停止指示パケットの送信とチャネル切り替えに伴い、大きな遅延が発生する。これに対し、実施の形態1では、プライマリチャネルCh_primaryでのDIFSおよびバックオフ処理と、セカンダリチャネルCh_secondaryでのPIFSとが経過すれば、ウェイクアップ信号を送信するので、図9に示すウェイクアップ信号の送信方法は、特許文献2に開示された方法に比べ、低遅延でウェイクアップ信号を送信できる。
また、実施の形態1においては、プライマリチャネルCh_primaryまたはセカンダリチャネルCh_secondaryに干渉が有る場合、端末装置2は、ウェイクアップ信号を送信しないので、ウェイクアップに失敗する確率を低くできる。
上記においては、無線フレームFRの時間長が、変換表TBL1を参照してウェイクアップIDから変換されたフレーム長になるように、ペイロードサイズおよび伝送レートの少なくとも一方を制御すると説明したが、実施の形態1においては、単一チャネルにおける伝送レートTR_singleを用いて送信したときの無線フレームの時間長がウェイクアップIDを表すフレーム長になるように、ペイロードサイズLPAYROADを決定し、その決定したペイロードサイズLPAYROADを有するペイロードPRDを生成し、その生成したペイロードPRDを含む無線フレームFR_constを生成し、その生成した無線フレームFR_constを伝送レートTR_singleまたはチャネルボンディングしたときの伝送レートTR_channel−bondingで送信してもよい。
この場合、
TR_channel−bonding=TR_single×チャネル数
となる。
ここで、チャネル数は、チャネルボンディングに用いたチャネル数である。
例えば、TR_single=20Mbpsであり、チャネルボンディングに用いたチャネル数が10個である場合、TR_channel−bonding=20Mbps×10=200Mbpsとなる。
そして、端末装置2の無線通信モジュール22は、ペイロードPRDをウェイクアップ信号生成部231から受けると、ペイロードPRDを含む無線フレームFR_constを生成し、その生成した無線フレームFR_constを伝送レートTR_singleまたは伝送レートTR_channel−bondingで送信する。
図10は、累積値とビット列との別の変換表を示す図である。図10を参照して、変換表TBL3は、累積値とビット列とを含む。累積値およびビット列は、相互に対応付けられる。
“000000”のビット列は、(22/Ch_N)≦c≦(24/Ch_N)の累積値cに対応付けられる。“000001”のビット列は、(25/Ch_N)≦c≦(27/Ch_N)の累積値cに対応付けられる。“000010”のビット列は、(28/Ch_N)≦c≦(30/Ch_N)の累積値cに対応付けられる。以下、同様にして、“111110”のビット列は、(211/Ch_N)≦c≦(213/Ch_N)の累積値cに対応付けられ、“111111”のビット列は、(214/Ch_N)≦c≦(216/Ch_N)の累積値に対応付けられる。
ID識別器135は、変換表TBL2に加え、変換表TBL3を保持している。そして、ID識別器135は、フレーム長検出器134から(22/Ch_N)≦c≦(24/Ch_N)を満たす累積値cを受けると、変換表TBL3を参照して“000000”のビット列を検出する。ID識別器135は、(22/Ch_N)≦c≦(24/Ch_N)を満たす累積値c以外の累積値cを受けた場合も、変換表TBL3を参照してビット列を検出する。
その後、ID識別器135は、上述した動作と同じ動作を行う。
無線フレームFR_constを伝送レートTR_singleで送信した場合、無線フレームが230μsの時間長を有するとすると、無線フレームFR_constを伝送レートTR_channel−bondingで送信した場合、無線フレームFR_constは、230μs/10=23μsの時間長を有する。
そして、端末装置2の無線通信モジュール22は、伝送レートTR_singleおよび伝送レートTR_channel−bondingのうちの一方を任意に選択し、その選択した伝送レートで無線フレームFR_constを送信する。
無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、端末装置2の無線通信モジュール22が伝送レートTR_singleおよび伝送レートTR_channel−bondingのいずれの伝送レートで無線フレームFR_constを送信したかを知らないので、受信した電波を上述した方法によって処理して累積値cを検出し、その検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれるか否かを判定する。
累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれると判定されたとき、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、変換表TBL2または変換表TBL3を参照して、累積値cをビット列に変換する。その後、ウェイクアップ信号受信機13は、ビット列が無線基地局1の識別情報に一致する場合、起動信号を生成してホストシステム143へ出力する。
図11は、図1に示す無線通信システム10における別の動作を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS7〜S11をステップS7A,S8A,S9A,S10Aに代え、ステップS12をステップS12A,S12Bに代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図11を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜ステップS3を順次実行する。
そして、端末装置2は、上述したステップS4〜ステップS6を順次実行する。その後、端末装置2のウェイクアップ信号生成部231は、単一チャネルにおける伝送レートTR_singleを用いて送信したときの無線フレームの時間長がウェイクアップIDを表すフレーム長(=変換表TBL1に含まれるフレーム長)になるように、ペイロードサイズLPAYROADを決定する(ステップS7A)。
そして、ウェイクアップ信号生成部231は、その決定したペイロードサイズLPAYROADを有するペイロードPRDを生成し(ステップS8A)、その生成したペイロードPRDを無線通信モジュール22へ出力する。
端末装置2の無線通信モジュール22は、ウェイクアップ信号生成部231からペイロードPRDを受ける。そして、無線通信モジュール22は、単一チャネルの周波数帯域でペイロードPRDを含む無線フレームを生成し、またはチャネルCh1〜Chmの全ての周波数帯域でペイロードPRDを含む無線フレームを生成する(ステップS9A)。
その後、選択手段24は、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いと判定すると、チャネルCh1〜Chmを示すチャネルリストを無線通信モジュール22へ出力し、無線通信モジュール22は、チャネルCh1〜Chmを示すチャネルリストに基づいて、ステップS9Aにおいて生成した無線フレームを伝送レートTR_singleまたはチャネルボンディングしたときの伝送レートTR_channel−bondingで送信する(ステップS10A)。
この場合、無線通信モジュール22および選択手段24は、図9に示すステップS7〜S10に従って、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いことを検出する。
そうすると、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、無線フレームを無線通信帯域の全帯域で受信し、その受信した受信電波に基づいて、上述した方法によって累積値cを検出する(ステップS12A)。
そして、ウェイクアップ信号受信機13は、検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれるか否かを判定する(ステップS12B)。
ステップS12Bにおいて、検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS3へ戻る。
一方、ステップS12Bにおいて、検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれると判定されたとき、ウェイクアップ信号受信機13は、ステップS12Aにおいて検出した累積値cを変換表TBL2または変換表TBL3を参照してビット列(=ウェイクアップID)に変換し、その後、上述したステップS13,S14を順次実行する。これにより、一連の動作が終了する。
上述したように、包絡線検波における一定周期を累積値cに乗算すると、フレーム長が得られるので、ステップS12Bにおいて、検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれるか否かを判定することは、包絡線検波における一定周期を累積値cに乗算して得られたフレーム長が伝送レートTR_singleで送信したときの無線フレームの時間長または伝送レートTR_channel−bondingで送信したときの無線フレームの時間長に一致するか否かを判定することに等しい。
図11に示すフローチャートにおいて説明したように、端末装置2は、一定の長さのペイロードサイズLPAYROADを有するペイロードPRDを含む無線フレームを伝送レートTR_singleまたは伝送レートTR_channel−bondingで送信する(ステップS10A参照)。その結果、無線フレームは、伝送レートTR_singleで送信されたとき、変換表TBL1に含まれるフレーム長Lを有し、伝送レートTR_channel−bondingで送信されたとき、フレーム長(=L/チャネル数)を有する。
無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、端末装置2が伝送レートTR_singleおよび伝送レートTR_channel−bondingのいずれで無線フレームを送信したのかを知らないので、検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれるか否かを判定し(ステップS12B参照)、検出した累積値cが変換表TBL2または変換表TBL3に含まれるとき、最終的に得られたウェイクアップIDが無線基地局1の識別情報に一致することを判定する構成を採用する(ステップS13参照)。
無線基地局1以外の無線装置は、このような無線基地局1における構成を採用していないので、端末装置2から無線フレームを受信しても、スリープ状態から起動状態へ移行することができない。
従って、端末装置2が無線フレームを伝送レートTR_singleまたは伝送レートTR_channel−bondingで送信することにより、無線基地局1以外の無線装置のウェイクアップを抑制して無線基地局1だけを正確にウェイクアップさせることができる。
また、ペイロードサイズが一定である場合、無線フレームをチャネルボンディングで送信することにより(即ち、無線フレームを伝送レートTR_channel−bondingで送信することにより)、無線フレームの時間長は、(1/チャネル数)倍に短くなる。
その結果、他の無線装置からの干渉信号が無線フレームに重畳し難くなり、無線フレーム(=ウェイクアップ信号)を無線基地局1へ正確に送信できる。
また、伝送レートTR_channel−bondingは、伝送レートTR_singleのチャネル数倍になるので、端末装置2における送信動作の時間を短くできる。その結果、端末装置2の消費電力を低減できる。
なお、図11に示すチャネルボンディングは、チャネルCh1〜Chmの全てを用いたチャネルボンディングであるが、実施の形態1においては、これに限らず、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無い場合、チャネルCh1〜Chmのうちの2以上のチャネルを用いたチャネルボンディングで無線フレーム(=ウェイクアップ信号)を無線基地局1へ送信するようにしてもよい。この場合、端末装置2の無線通信モジュール22は、ステップS9Aにおいて、チャネルボンディングに用いる2以上のチャネルの周波数帯域でペイロードPRDを含む無線フレームを生成する。
なお、チャネルボンディングに用いる2以上のチャネルは、受信機が飛び飛びの複数の周波数帯域で電波を受信するのが困難であるため、周波数帯域が連続する2以上のチャネルであることが必要である。
上記においては、チャネルCh1〜Chmにおいてキャリアセンスを行い、チャネルCh1〜Chmが空いていない場合、チャネルCh1〜Chmに干渉が有ると判定し、チャネルCh1〜Chmが空いている場合、チャネルCh1〜Chmに干渉が無いと判定すると説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、次の方法によって、チャネルCh1〜Chmに干渉が無いか否かを判定してもよい。
例えば、定期的(例えば、5分毎)にチャネルCh1〜Chmの各々における無線通信の有無を計測して記憶し、無線通信が有れば、各チャネルCh1〜Chmに干渉が有ると判定し、無線通信が無ければ、各チャネルCh1〜Chmに干渉が無いと判定する。
また、定期的(例えば、5分毎)にチャネルCh1〜Chmの各々における受信信号強度を計測して記憶し、受信信号強度がしきい値(例えば、−90dBm)よりも大きいとき、各チャネルCh1〜Chmに干渉が有ると判定し、受信信号強度がしきい値(例えば、−90dBm)以下であるとき、各チャネルCh1〜Chmに干渉が無いと判定する。
また、上記においては、チャネルCh1〜Chmのうちの任意の1つのチャネルをプライマリチャネルCh_primaryとすると説明したが、このプライマリチャネルCh_primaryは、端末装置2が無線基地局1との無線通信に用いるチャネルと同じであってもよく、端末装置2が無線基地局1との無線通信に用いるチャネルと異なっていてもよい。つまり、プライマリチャネルCh_primaryは、端末装置2が無線基地局1との無線通信に用いるチャネルと無関係に決定されるものである。
[実施の形態2]
図12は、図1に示す端末装置2の実施の形態2における構成図である。実施の形態2においては、端末装置2は、図10に示す端末装置2Aからなる。
なお、実施の形態2においては、無線基地局1および端末装置2Aは、例えば、920MHz帯を用いて無線通信を行う。
図12を参照して、端末装置2Aは、図4に示す端末装置2の無線通信モジュール22を無線通信モジュール22Aに代え、選択手段24を選択手段24Aに代えたものであり、その他は、端末装置2と同じである。
選択手段24Aは、上述したチャネルボンディングの使用または未使用を干渉の有無によって決定し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによる決定結果に応じて、ウェイクアップ信号を無線基地局1へ送信する。
より具体的には、選択手段24Aは、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無い場合、チャネルCh1〜Chmのうちの任意の1つのチャネルを示すチャネルリストを無線通信モジュール22Aへ出力し、無線通信モジュール22Aは、チャネルリストによって示された1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信する。また、選択手段24Aは、チャネルCh1〜Chmのうちの任意の1つのチャネルのみに干渉が有る場合、その干渉が有る1つのチャネルを示すチャネルリストを無線通信モジュール22Aへ出力し、無線通信モジュール22Aは、チャネルリストによって示された1つのチャネル(干渉が有る1つのチャネル)を用いてウェイクアップ信号を送信する。更に、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh1〜Chmのうちの2つ以上のチャネルに干渉が有る場合、その干渉が有る2つ以上のチャネルを示すチャネルリストを無線通信モジュール22Aへ出力し、無線通信モジュール22Aは、チャネルリストによって示された複数のチャネル(干渉が有る複数のチャネル)をチャネルボンディングしてウェイクアップ信号を送信する。
また、無線通信モジュール22Aは、チャネルを切り替えながらウェイクアップ信号を再送(または連送)する。
無線通信モジュール22Aは、その他、無線通信モジュール22と同じ機能を果たす。また、選択手段24Aは、その他、選択手段24と同じ機能を果たす。
図13は、実施の形態2におけるウェイクアップ信号の送信方法を示すフローチャートである。
図13を参照して、ウェイクアップ信号の送信が開始されると、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、上述した方法によってチャネルCh1〜Chmにおける干渉をチェックする(ステップS21)。
そして、端末装置2Aの選択手段24Aは、干渉が一切無いか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、干渉が一切無いと判定されたとき、端末装置2Aの選択手段24Aは、チャネルCh1〜Chmのうちの任意の単一チャネルをウェイクアップ信号の送信用のチャネルとして選択し、その選択した単一チャネルを示すチャネルリストを無線通信モジュール22Aへ出力する。そして、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、チャネルリストによって示された単一チャネルを用いてCSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS23)。
一方、ステップS22において、干渉が有ると判定されたとき、端末装置2Aの選択手段Aは、単一チャネルのみに干渉が有るか否かを更に判定する(ステップS24)。
ステップS24において、単一チャネルのみに干渉が有ると判定されたとき、端末装置2Aの選択手段24Aは、干渉が有る単一チャネルをウェイクアップ信号の送信用のチャネルとして選択し、その選択した単一チャネルを示すチャネルリストを無線通信モジュール22Aへ出力する。そして、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、チャネルリストによって示された単一チャネルを用いてCSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS25)。
一方、ステップS24において、複数のチャネルに干渉が有ると判定されたとき、端末装置2Aの選択手段24Aは、チャネルCh1〜Chm(干渉が有る複数のチャネルを含む)を示すチャネルリストを無線通信モジュール22Aへ出力する。そして、端末装置2Aの無線通信モジュール24Aは、チャネルリストによって示されたチャネルCh1〜Chmの全てを用いたチャネルボンディングによって、CSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS26)。
そして、ステップS23,S25,S26のいずれかの後、ウェイクアップ信号の送信が終了する。
このように、選択手段24Aは、干渉が一切無い場合、チャネルCh1〜Chmのうちの任意のチャネルを選択し、無線通信モジュール22Aは、その選択されたチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信する(ステップS23参照)。また、干渉が有る場合、選択手段24Aは、その干渉が有るチャネルを少なくとも選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネル用いてウェイクアップ信号を送信する(ステップS25,S26参照)。
干渉が一切無ければ、無線基地局1は、端末装置2Aから送信されたウェイクアップ信号のみを受信するので、端末装置2Aは、ウェイクアップ信号を正確に送信できる。
また、干渉が有るチャネルを少なくとも用いてウェイクアップ信号を送信した場合、干渉が有るチャネルで無線通信を行う他の端末装置は、端末装置2Aからのウェイクアップ信号の送信を検知すると、自己の無線通信を中止する。その結果、無線基地局1は、端末装置2Aからのウェイクアップ信号に重畳して他の端末装置からの信号を受信することは無い。従って、端末装置2Aは、ウェイクアップ信号を正確に送信できる。
干渉が有る場合、通常は、干渉が有るチャネルを避け、干渉が無いチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信するが、実施の形態2においては、敢えて、干渉が有るチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信することにより他の端末装置による無線通信を阻止してウェイクアップ信号を送信することを特徴とする。これにより、ウェイクアップ信号を正確に送信できる。
図14は、チャネルボンディングの他の概念図である。図14の(a)を参照して、チャネルCh1〜Chmのうち、2つのチャネルCh3,Ch7に干渉が有る場合、選択手段24Aは、全てのチャネルCh1〜Chmを用いたチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、全てのチャネルCh1〜Chmを用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信する。この場合、チャネルCh_BD1は、ボンディングチャネルであり、周波数帯域f_BD1を有する。
図14の(b)を参照して、チャネルCh1〜Chmのうち、2つのチャネルCh3,Ch7に干渉が有る場合、選択手段24Aは、2つのチャネルCh3,Ch7を含むチャネルCh3〜Ch7を用いたチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh3〜Ch7を用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよい。即ち、選択手段24Aは、チャネルCh1〜Chmのうち、干渉が有る2つのチャネルCh3,Ch7を含むチャネルCh3〜Ch7を用いたチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh3〜Ch7を用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信する。この場合、チャネルCh_BD2は、ボンディングチャネルであり、周波数帯域f_BD2を有する。
2つのチャネルCh3,Ch7に干渉が有る場合、チャネルCh2〜Ch4,Ch6〜Ch8を用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信することはない。これは、チャネルCh2〜Ch4の周波数帯域は、チャネルCh6〜Ch8の周波数帯域に隣接していないため、受信側である無線基地局1がチャネルCh2〜Ch4の周波数帯域とチャネルCh6〜Ch8の周波数帯域とに分離して信号を受信できないからである。
従って、チャネルボンディングする場合、周波数帯域が連続する複数のチャネルを用いる必要がある。
よって、この発明の実施の形態においては、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh1〜Chmのうち、干渉が有る2つのチャネルCh3,Ch7を含み、かつ、周波数帯域が連続する複数のチャネルを用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信する。
図14の(c)を参照して、周波数帯域が連続する2個のチャネルCh3,Ch4に干渉がある場合、選択手段24Aは、2個のチャネルCh3,Ch4のみを用いたチャネルボンディング(周波数帯域f_BD3を有するボンディングチャネルCh_BD3)を選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよいし、選択手段24Aは、2個のチャネルCh3,Ch4を含むチャネルCh2〜Ch5を用いたチャネルボンディング(周波数帯域f_BD4を有するボンディングチャネルCh_BD4)を選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよいし、選択手段24Aは、2個のチャネルCh3,Ch4を含み、かつ、周波数帯域が連続する複数のチャネルであれば、どのような複数のチャネルを用いたチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよい。
干渉が有るチャネルが3個以上である場合も、選択手段24Aは、図14の(a)〜(c)のいずれかのチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、図14の(a)〜(c)のいずれかのチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信する。即ち、干渉が有るチャネルが3個以上である場合も、選択手段24Aは、干渉が有る3個以上のチャネルを含み、かつ、周波数帯域が連続する複数のチャネルを用いたチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信する。
従って、図13に示すステップS26においては、選択手段24Aは、図14の(a)〜(c)のいずれかのチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよい。即ち、図13に示すステップS26においては、選択手段24Aは、干渉が有るチャネルが2個以上である場合、干渉が有る2個以上のチャネルを含み、かつ、周波数帯域が連続する複数のチャネルを用いたチャネルボンディングを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよい。
なお、図13に示すフローチャートのステップS25においては、選択手段24Aは、干渉が有る単一チャネルを含み、かつ、周波数帯域が連続する複数のチャネルを用いたチャネルボンディング(図14の(a)〜(c)のいずれかのチャネルボンディング)を選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよい。
そうすると、干渉が有るチャネルが単一であるか2個以上であるかに拘わらず、少なくとも1つのチャネルに干渉が有れば、選択手段24Aは、干渉が有る少なくとも1つのチャネルを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信する。
また、図13に示すフローチャートのステップS23においては、選択手段24Aは、2個以上のチャネルを含み、かつ、周波数領域が連続する複数のチャネルを用いたチャネルボンディング((図14の(a)〜(c)のいずれかのチャネルボンディングと同様のチャネルボンディング)を選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択されたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信してもよい。
そうすると、干渉が一切無い場合、選択手段24Aは、干渉が無い少なくとも1つのチャネルを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択された少なくとも1つのチャネル(干渉が無い少なくとも1つのチャネル)を用いてウェイクアップ信号を送信する。
図15は、実施の形態2におけるウェイクアップ信号の別の送信方法を示すフローチャートである。
図15に示すフローチャートは、図13に示すフローチャートのステップS23〜S26をステップS27,S28に代えたものであり、その他は、図13に示すフローチャートと同じである。
図15を参照して、ウェイクアップ信号の送信が開始されると、上述したステップS21,S22が順次実行される。
そして、ステップS22において、干渉が一切無いと判定されたとき、端末装置2Aの選択手段24Aは、干渉が無い少なくとも1つのチャネルを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択された少なくとも1つのチャネルを用いてCSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS27)。
一方、ステップS22において、干渉が有ると判定されたとき、端末装置2Aの選択手段24Aは、干渉が有る少なくとも1つのチャネルを選択し、無線通信モジュール22Aは、選択手段24Aによって選択された少なくとも1つのチャネルを用いてCSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS28)。
そして、ステップS27,S28のいずれかの後、ウェイクアップ信号の送信が終了する。
干渉が一切無い場合、干渉が無い少なくとも1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信することによって、ウェイクアップ信号を正確に送信できる。そして、複数のチャネルを用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信した場合、伝送レートを単一チャネルにおける伝送レートのチャネル数倍にできる。
また、干渉が有る場合、干渉が有る少なくとも1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信することによって、ウェイクアップ信号を正確に送信できる。そして、干渉が有る2個以上のチャネルを含み、かつ、周波数帯域が連続する複数のチャネルを用いたチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信した場合、伝送レートを単一チャネルにおける伝送レートのチャネル数倍にできる。
この発明の実施の形態においては、ウェイクアップ信号を複数回連続して送信(連送)してもよい。
図16は、ウェイクアップ信号を連送する方法を示すフローチャートである。図16を参照して、ウェイクアップ信号の連送が開始されると、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、n=0を設定する(ステップS31)。nは、ウェイクアップ信号の送信回数を示す。
そして、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、ウェイクアップ信号の送信用のチャネルChWUをチャネルCh1〜Chmからランダムに選択する(ステップS32)。
その後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、チャネルChWUを用いてCSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS33)。
引き続いて、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、n=n+1を設定し(ステップS34)、n<Nであるか否かを判定する(ステップS35)。Nは、ウェイクアップ信号の連送回数を示し、チャネルCh1〜Chmの総数と同じあってもよく、異なっていてもよい。
ステップS35において、n<Nであると判定されたとき、一連の動作は、ステップS32に戻り、ステップS35において、n<Nでないと判定されるまで、上述したステップS32〜ステップS35が繰返し実行される。
そして、ステップS35において、n<Nでないと判定されると、ウェイクアップ信号の連送が終了する。
図16に示すフローチャートは、図15に示すステップS27またはステップS28において実行される。図16に示すフローチャートがステップS27において実行される場合、N個のチャネルChWUの全ては、干渉が無いチャネルからなる。また、図16に示すフローチャートがステップS28において実行される場合、N個のチャネルChWUは、干渉が有るチャネルのみからなり、または干渉が有るチャネルと干渉が無いチャネルとからなる。
図16に示すフローチャートにおいて説明したように、チャネルを変えてウェイクアップ信号を送信することによって(ステップS32,S33参照)、受信信号強度が落ち込む距離が変化する。従って、受信信号強度が繰返し連続して落ち込む確率を減少し、ウェイクアップの成功確率を高くできる。
図17は、ウェイクアップ信号の連送時におけるチャネルの選択例を示す図である。図17を参照して、使用可能なチャネルがチャネルCh1〜Ch50(それぞれ中心周波数f1〜f50を有する)である場合、端末装置2Aの選択手段24Aは、チャネルCh1を選択し、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh1を用いてウェイクアップ信号の1回目の送信を行う。その後、端末装置2Aの選択手段24Aは、チャネルCh50を選択し、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh50を用いてウェイクアップ信号の2回目の送信を行う。チャネルCh50は、中心周波数がチャネルCh1の中心周波数から最も離れたチャネルである。2回目のウェイクアップ信号の送信後、端末装置2Aの選択手段24Aは、チャネルCh1以外のチャネルCh2〜Ch50のうちで、中心周波数がチャネルCh50の中心周波数から最も離れたチャネルCh2を選択し、無線通信モジュール22Aは、チャネルCh2を用いてウェイクアップ信号の3回目の送信を行う。以降、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、同じ動作を繰り返してウェイクアップ信号を連送する。
図18は、ウェイクアップ信号の別の連送方法を示すフローチャートである。図18を参照して、ウェイクアップ信号の連送が開始されると、端末装置2Aの選択手段24Aは、n=0を設定し(ステップS41)、ウェイクアップ信号の送信用のチャネルChWUに初期チャネルChIを設定する(ステップS42)。初期チャネルChIは、使用可能なチャネルCh1〜Chmのうちの任意の1つのチャネルである。
ステップS42の後、端末装置2Aの選択手段24Aは、選択可能チャネルセットからチャネルChWUを削除する(ステップS43)。そして、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、チャネルChWUを用いてCSMA/CA方式に従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS44)。
その後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、n=n+1を設定し(ステップS45)、n<Nであるか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、n<Nであると判定されたとき、端末装置2Aの選択手段24Aは、現在のチャネルChWUから中心周波数が最も離れたチャネルを選択可能チャネルセットから選択し、その選択したチャネルを新しいチャネルChWUに設定する(ステップS47)。
その後、一連の動作は、ステップS43へ戻り、ステップS46において、n<Nでないと判定されるまで、上述したステップS43〜S47が繰返し実行される。
そして、ステップS46において、n<Nでないと判定されると、ウェイクアップ信号の連送が終了する。
図18に示すフローチャートは、図15に示すステップS27またはステップS28において実行される。図18に示すフローチャートがステップS27において実行される場合、N個のチャネルChWUの全ては、干渉が無いチャネルからなる。また、図18に示すフローチャートがステップS28において実行される場合、N個のチャネルChWUは、干渉が有るチャネルのみからなり、または干渉が有るチャネルと干渉が無いチャネルとからなる。
図18に示すフローチャートにおいて説明したように、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、チャネルを中心周波数が最も離れたチャネルに順次切り替えながらウェイクアップ信号を連送する。そして、N回のウェイクアップ信号の送信において、チャネルは、必ず異なる。その結果、受信信号強度が落ち込む距離は、確実に変化する。
従って、受信信号強度が繰返し連続して落ち込む確率をより減少し、ウェイクアップの成功確率を更に高くできる。
図19は、ウェイクアップ信号の再送方法を示すフローチャートである。図19に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートのステップS33とステップS34との間にステップS51を挿入したものであり、その他は、図16に示すフローチャートと同じである。
図19を参照して、ウェイクアップ信号の再送が開始されると、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、上述したステップS31〜S33を順次実行する。
そして、ステップS33の後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、無線基地局1から起動通知を受信したか否かによって無線基地局1がウェイクアップに成功したか否かを判定する(ステップS51)。
この場合、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、無線基地局1から起動通知を受信した場合、無線基地局1がウェイクアップに成功したと判定し、無線基地局1から起動通知を受信しない場合、無線基地局1がウェイクアップに成功しなかったと判定する。
なお、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、起動通知に代えてビーコンフレームを無線基地局1から受信した場合、無線基地局1がウェイクアップに成功したと判定し、起動通知に代えて無線基地局1からビーコンフレームを受信しない場合、無線基地局1がウェイクアップに成功しなかったと判定してもよい。
ステップS51において、ウェイクアップに成功しなかったと判定された場合、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、上述したステップS34,S35を順次実行する。
その後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、ステップS35において、n<Nでないと判定されるまで、ステップS32,S33,S51,S34,S35を繰返し実行する。
そして、ステップS51において、ウェイクアップに成功したと判定されたとき、またはステップS35において、n<Nでないと判定されたとき、ウェイクアップ信号の再送が終了する。
図19に示すフローチャートは、図15に示すステップS27またはステップS28において実行される。図19に示すフローチャートがステップS27において実行される場合、N個のチャネルChWUの全ては、干渉が無いチャネルからなる。また、図19に示すフローチャートがステップS28において実行される場合、N個のチャネルChWUは、干渉が有るチャネルのみからなり、または干渉が有るチャネルと干渉が無いチャネルとからなる。
図19に示すフローチャートにおいて説明したように、チャネルを変えてウェイクアップ信号を送信することによって(ステップS32,S33参照)、受信信号強度が落ち込む距離が変化する。従って、受信信号強度が繰返し連続して落ち込む確率を減少し、ウェイクアップの成功確率を高くできる。
図20は、ウェイクアップ信号の別の再送方法を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートは、図18に示すフローチャートのステップS44とステップS45との間にステップS61を挿入したものであり、その他は、図18に示すフローチャートと同じである。
図20を参照して、ウェイクアップ信号の再送が開始されると、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、上述したステップS41〜S44を順次実行する。
そして、ステップS44の後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、上述した方法によって無線基地局1がウェイクアップに成功したか否かを判定する(ステップS61)。
ステップS61において、ウェイクアップに成功しなかったと判定されたとき、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、上述したステップS45〜S47を順次実行する。
その後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、ステップS46において、n<Nでないと判定されるまで、ステップS43,S44,S61,S45〜S47を繰返し実行する。
そして、ステップS61において、ウェイクアップに成功したと判定されたとき、またはステップS46において、n<Nでないと判定されたとき、ウェイクアップ信号の再送が終了する。
図20に示すフローチャートは、図15に示すステップS27またはステップS28において実行される。図20に示すフローチャートがステップS27において実行される場合、N個のチャネルChWUの全ては、干渉が無いチャネルからなる。また、図20に示すフローチャートがステップS28において実行される場合、N個のチャネルChWUは、干渉が有るチャネルのみからなり、または干渉が有るチャネルと干渉が無いチャネルとからなる。
図20に示すフローチャートにおいて説明したように、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aおよび選択手段24Aは、チャネルを中心周波数が最も離れたチャネルに順次切り替えながらウェイクアップ信号を再送する。そして、ウェイクアップ信号が複数回送信される場合、ウェイクアップ信号を送信するためのチャネルは、必ず異なる。その結果、受信信号強度が落ち込む距離が確実に変化する。
従って、受信信号強度が繰返し連続して落ち込む確率をより減少し、ウェイクアップの成功確率を更に高くできる。
図21は、ウェイクアップ信号の別の送信方法を説明するための図である。図21を参照して、ウェイクアップ信号としての無線フレームFRは、例えば、4個の部分FR_1〜FR_4からなる。4個の部分FR_1〜FR_4は、例えば、相互に同じ長さ(時間的長さ)を有する。
端末装置2,2Aの選択手段24,24Aは、無線フレームFRの部分FR_1の送信用チャネルとしてチャネルCh1を選択し、無線フレームFRの部分FR_2の送信用チャネルとしてチャネルCh3を選択し、無線フレームFRの部分FR_3の送信用チャネルとしてチャネルCh2を選択し、無線フレームFRの部分FR_4の送信用チャネルとしてチャネルCh4を選択する。そして、端末装置2,2Aの無線通信モジュール22,22Aは、無線フレームFRの部分FR_1をチャネルCh1を用いて送信し、無線フレームFRの部分FR_2をチャネルCh3を用いて送信し、無線フレームFRの部分FR_3をチャネルCh2を用いて送信し、無線フレームFRの部分FR_4をチャネルCh4を用いて送信する。
このように、端末装置2,2Aの無線通信モジュール22,22Aおよび選択手段24,24Aは、周波数帯域が連続する4個のチャネルCh1〜Ch4を順次切り替えながら無線フレームFRを送信する。
これにより、特定のチャネルにおいて周辺に存在する機器に対する干渉を防止できる。
なお、チャネルを切り替えながらウェイクアップ信号を送信するときのチャネルは、4個のチャネルCh1〜Ch4に限らず、周波数帯域が連続する2個以上のチャネルであればよい。また、2個以上のチャネルでウェイクアップ信号を送信するときの各チャネルで送信する無線フレームFRの一部の長さ(時間的長さ)は、相互に同じであっても異なっていてもよい。
図22は、図2に示すウェイクアップ信号受信機13の別の構成図である。端末装置2,2Aの無線通信モジュール22,22Aおよび選択手段24,24Aが複数のチャネルを切り替えながらウェイクアップ信号(=無線フレームFR)を送信する場合、図2に示すウェイクアップ信号受信機13は、図22に示すウェイクアップ信号受信機13Aからなる。
図22を参照して、ウェイクアップ信号受信機13Aは、信号受信器130−1〜130−mと、ID識別器135Aとを含む。
信号受信器130−1は、アンテナ11および切替器12を介して電波を受信し、その受信した受信電波のうち、中心周波数f1とチャネルCh1の帯域幅とを有する受信電波を検出し、その検出した受信電波を包絡線検波し、更に、その検波後の検波信号をビット判定し、ビット列の“1”の累積値をカウントし、そのカウントした累積値をID識別器135Aへ出力する。
信号受信器130−2は、アンテナ11および切替器12を介して電波を受信し、その受信した受信電波のうち、中心周波数f2とチャネルCh2の帯域幅とを有する受信電波を検出し、その検出した受信電波を包絡線検波し、更に、その検波後の検波信号をビット判定し、ビット列の“1”の累積値をカウントし、そのカウントした累積値をID識別器135Aへ出力する。
以下、同様にして、信号受信器130−mは、アンテナ11および切替器12を介して電波を受信し、その受信した受信電波のうち、中心周波数fmとチャネルChmの帯域幅とを有する受信電波を検出し、その検出した受信電波を包絡線検波し、更に、その検波後の検波信号をビット判定し、ビット列の“1”の累積値をカウントし、そのカウントした累積値をID識別器135Aへ出力する。
このように、信号受信器130−1〜130−mは、それぞれ、チャネルCh1〜Chmに対応して設けられ、チャネルCh1〜Chmを用いて送信された電波の受信処理を行う。
信号受信器130−1〜130−mの各々は、図3に示すBPF131、包絡線検波器132、ビット判定器133およびフレーム長検出器134が図3に示すように直列に接続された構成からなる。
ID識別器135Aは、変換表TBL2を保持している。そして、ID識別器135Aは、信号受信器130−1〜130−mからm個の累積値を受け、その受けたm個の累積値の和を演算し、変換表TBL2を参照して、累積値の和をビット列に変換する。
ID識別器135Aは、その他、ID識別器135と同じ機能を果たす。
端末装置2,2Aの無線通信モジュール22,22Aおよび選択手段24,24Aが図21に示すようにチャネルをチャネルCh1,Ch3,Ch2,Ch4に順次切り替えながら無線フレームFRを送信した場合、ウェイクアップ信号受信機13Aは、チャネルCh1で送信された部分FR_1、チャネルCh3で送信された部分FR_2、チャネルCh2で送信された部分FR_3およびチャネルCh4で送信された部分FR_4の順で受信する。
その結果、信号受信器130−1は、部分FR_1の受信電波を上述した方法によって処理し、累積値B1を1番目にID識別器135Aへ出力する。
また、信号受信器130−3は、部分FR_2の受信電波を上述した方法によって処理し、累積値B2を2番目にID識別器135Aへ出力する。
更に、信号受信器130−2は、部分FR_3の受信電波を上述した方法によって処理し、累積値B3を3番目にID識別器135Aへ出力する。
更に、信号受信器130−4は、部分FR_4の受信電波を上述した方法によって処理し、累積値B4を4番目にID識別器135Aへ出力する。
更に、信号受信器130−5〜130−mの各々は、“0”からなる累積値をID識別器135Aへ出力する。
そして、ID識別器135Aは、信号受信器130−1〜130−4からそれぞれ累積値B1,B3,B2,B4を受け、信号受信器130−5〜130−mの各々から累積値(=0)を受ける。
そうすると、ID識別器135Aは、累積値B1〜B4の和を演算し、その演算した和を変換表TBL2に基づいてビット列に変換する。そして、ID識別器135Aは、その変換したビット列が無線基地局1の識別情報に一致するとき、起動信号を生成してホストシステム143へ出力する。
なお、ウェイクアップ信号受信機13Aは、4個以外の複数のチャネルを順次切り替えながらウェイクアップ信号(=無線フレームFR)が送信された場合も、上述した方法によって無線フレームFRの受信処理を行い、受信処理によって得られたビット列が無線基地局1の識別情報に一致するとき、起動信号を生成してホストシステム143へ出力する。
また、ウェイクアップ信号の送信に用いるチャネルは、周波数帯域が連続する複数のチャネルであれば、どのような複数のチャネルであってもよく、チャネルを切り替える順番は、任意である。
チャネルを切り替えながらウェイクアップ信号を送信する方法は、図13に示すフローチャートのステップS26において、チャネルCh1〜Chmの全てを用いて実行されてもよく、図15に示すフローチャートのステップS27またはステップS28において、チャネルCh1〜Chmのうちの2以上のチャネルを用いて実行されてもよい。
図23は、図1に示す無線通信システムにおける動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図23に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS7〜ステップS11をステップS71に代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図23を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜ステップS3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜ステップS6を順次実行する。
そして、ステップS6の後、端末装置2Aは、図13に示すフローチャートに従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS71)。
この場合、端末装置2AがステップS23またはステップS25を実行するとき、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、単位チャネルの周波数帯域で無線フレームFRを生成し、その生成した無線フレームFRをアンテナ21を介して送信する。
また、端末装置2AがステップS26を実行する場合、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、チャネルCh1〜Chmの全ての周波数帯域で無線フレームFRを生成(=チャネルボンディング)し、その生成した無線フレームFRをアンテナ21を介して送信する。
ステップS71の後、無線基地局1は、上述したステップS12〜ステップS14を順次実行する。これにより、一連の動作が終了する。
図24は、図1に示す無線通信システムにおける別の動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図24に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS7〜ステップS11をステップS81に代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図24を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜ステップS3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜ステップS6を順次実行する。
そして、ステップS6の後、端末装置2Aは、図15に示すフローチャートに従ってウェイクアップ信号を送信する(ステップS81)。
この場合、端末装置2AがステップS27またはステップS28を実行するとき、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、チャネルCh1〜Chmのうち、周波数帯域が連続する2以上のチャネルの周波数帯域で無線フレームFRを生成(=チャネルボンディング)し、その生成した無線フレームFRをアンテナ21を介して送信する。
ステップS81の後、無線基地局1は、上述したステップS12〜ステップS14を順次実行する。これにより、一連の動作が終了する。
図25は、図1に示す無線通信システムにおける更に別の動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図25に示すフローチャートは、図9に示すフローチャートのステップS7〜ステップS11をステップS91,S92に代え、ステップS12,S13をそれぞれステップS12C,S13Aに代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図25を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜ステップS3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜ステップS6を順次実行する。
そして、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、単一チャネルの周波数帯域で無線フレームFR(=ウェイクアップ信号)を生成する(ステップS91)。
その後、端末装置2Aの無線通信モジュール22Aは、図15に示すフローチャートのステップS21,S22を順次実行し、ステップS27またはステップS28において、図16に示すフローチャートに従って無線フレームFRをN回連送する(ステップS92)。
そうすると、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、N個の無線フレームFRの各々を無線通信帯域の全帯域で受信し、上述した方法によって、N個の無線フレームFRのN個のフレーム長を検出し、その検出したN個のフレーム長からN個のウェイクアップIDを検出する(ステップS12C)。
そして、無線基地局1のウェイクアップ信号受信機13は、N個のウェイクアップIDのいずれかが無線基地局1の識別情報(ID)に一致するか否かを判定する(ステップS13A)。
ステップS13Aにおいて、N個のウェイクアップIDの全てが無線基地局1の識別情報(ID)に一致しないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS3へ戻る。
一方、ステップS13Aにおいて、N個のウェイクアップIDのいずれかが無線基地局1の識別情報(ID)に一致すると判定されたとき、上述したステップS14が実行される。これにより、一連の動作が終了する。
図26は、図1に示す無線通信システムにおける更に別の動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図26に示すフローチャートは、図25に示すフローチャートのステップS92をステップS101に代えたものであり、その他は、図25に示すフローチャートと同じである。
図26を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜ステップS3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜ステップS6,S91を順次実行する。
そして、ステップS91の後、端末装置2Aは、図15に示すフローチャートのステップS21,S22を順次実行し、ステップS27またはステップS28において、図18に示すフローチャートに従って無線フレームFRを連送する(ステップS101)。
そうすると、無線基地局1は、上述したステップS12C,S13A,S14を順次実行する。これにより、一連の動作が終了する。
図27は、図1に示す無線通信システムにおける更に別の動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図27に示すフローチャートは、図25に示すステップS92を図19に示すステップS31〜S35,S51に代え、図25に示すステップS12C,S13AをそれぞれステップS12,S13に代え、ステップS15を追加したものであり、その他は、図25に示すフローチャートと同じである。
そして、ステップS31〜S35,S51は、図15に示すフローチャートのステップS27またはステップS28において実行される。即ち、ステップS31〜S35,S51は、干渉が一切無い場合、または少なくとも1つのチャネルに干渉が有る場合に実行される。
図27を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜S3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜S6,S91を順次実行する。
そして、端末装置2Aは、図19に示すステップS31〜S33を順次実行する。その後、無線基地局1は、上述したステップS12,S13を順次実行する。
ステップS13において、ウェイクアップIDが無線基地局1の識別情報(ID)に一致すると判定されたとき、無線基地局1は、上述したステップS14を実行し、その後、起動通知を生成して送信する(ステップS15)。
そして、ステップS13において、ウェイクアップIDが無線基地局1の識別情報(ID)に一致しないと判定されたとき、またはステップS15の後、端末装置2Aは、上述したステップS51,S34,S35を順次実行する。
そして、ステップS1において、スリープ状態へ移行しないと判定されたとき、またはステップS51において、ウェイクアップに成功したと判定されたとき、またはステップS35において、n<Nでないと判定されたとき、一連の動作が終了する。
図28は、図1に示す無線通信システムにおける更に別の動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図28に示すフローチャートは、図25に示すステップS92を図20に示すステップS41〜S47,S51に代え、図25に示すステップS12C,S13AをそれぞれステップS12,S13に代え、ステップS15を追加したものであり、その他は、図25に示すフローチャートと同じである。
そして、ステップS41〜S47,S51は、図15に示すフローチャートのステップS27またはステップS28において実行される。即ち、ステップS41〜S47,S51は、干渉が一切無い場合、または少なくとも1つのチャネルに干渉が有る場合に実行される。
図28を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜S3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜S6,S91を順次実行する。
そして、端末装置2Aは、図20に示すステップS41〜S44を順次実行する。その後、無線基地局1は、上述したステップS12,S13を順次実行する。
ステップS13において、ウェイクアップIDが無線基地局1の識別情報(ID)に一致すると判定されたとき、無線基地局1は、上述したステップS14を実行し、その後、起動通知を生成して送信する(ステップS15)。
そして、ステップS13において、ウェイクアップIDが無線基地局1の識別情報(ID)に一致しないと判定されたとき、またはステップS15の後、端末装置2Aは、上述したステップS51,S45,S46,S47を順次実行する。
そして、ステップS1において、スリープ状態へ移行しないと判定されたとき、またはステップS51において、ウェイクアップに成功したと判定されたとき、またはステップS46において、n<Nでないと判定されたとき、一連の動作が終了する。
図29は、図1に示す無線通信システムにおける更に別の動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
図29に示すフローチャートは、図9にフローチャートのステップS7〜ステップS11をステップS91,S111に代えたものであり、その他は、図9に示すフローチャートと同じである。
図29を参照して、一連の動作が開始されると、無線基地局1は、上述したステップS1〜ステップS3を順次実行し、その後、端末装置2Aは、上述したステップS4〜S6,S91を順次実行する。
そして、ステップS91の後、端末装置2Aは、図15に示すフローチャートのステップS21,S22を順次実行し、その後、ステップS27またはステップS28において、周波数帯域が連続する複数のチャネルにおいて、チャネルを順次切り替えながらCSMA/CA方式に従って無線フレームFRを送信する(ステップS111)。
その後、無線基地局1は、上述したステップS12〜ステップS14を順次実行する。これにより、一連の動作が終了する。
上記においては、起動させたい無線基地局1の識別情報(ID)を1個の無線フレームFRのフレーム長によって表すと説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、起動させたい無線基地局1の識別情報(ID)を2個以上の無線フレームのフレーム長によって表してもよい。
また、上記においては、起動させたい無線基地局1の識別情報(ID)をフレーム長によって表すと説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、起動させたい無線基地局1の識別情報(ID)をビット列によって表してもよい。
更に、上記においては、無線通信システム10は、無線基地局1と、端末装置2(または端末装置2A)とを備えると説明したが、この発明に実施の形態においては、これに限らず、無線通信システム10は、各々が無線通信を行う複数の無線装置を備えていればよい。
上述した実施の形態1においては、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、チャネルCh1〜Chmの全てを用いたチャネルボンディングを選択し、その選択したチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信することを説明した。
また、実施の形態1においては、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、チャネルCh1〜Chmのうちの1つのチャネルまたはチャネルCh1〜Chmのうちの2以上のチャネルを用いたチャネルボンディングを選択し、その選択した1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信し、またはその選択したチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信することを説明した。
更に、実施の形態2においては、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、チャネルCh1〜Chmのうちの1つのチャネルを選択し、その選択した1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信し、チャネルCh1〜Chmのうちの1つのチャネルのみに干渉が有るとき、その干渉が有る1つのチャネルのみを選択し、その選択した1つのチャネルのみを用いてウェイクアップ信号を送信し、チャネルCh1〜Chmのうちの複数のチャネルに干渉が有るとき、チャネルCh1〜Chmの全てを用いたチャネルボンディングを選択し、その選択したチャネルボンディングによってウェイクアップ信号を送信することを説明した。
更に、実施の形態2においては、チャネルCh1〜Chmの全てに干渉が無いとき、干渉が無い少なくとも1つのチャネル選択し、その選択した少なくとも1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信し、チャネルCh1〜Chmのうちの少なくとも1つのチャネルに干渉が有るとき、干渉が有る少なくとも1つのチャネルを選択し、その選択した少なくとも1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信することを説明した。
更に、実施の形態2においては、チャネルCh1〜Chmにおける干渉の有無に関わらず、周波数帯域が連続する複数のチャネル内において、チャネルを順次切り替えながらウェイクアップ信号を送信することを説明した。
そして、上述したウェイクアップ信号は、無線基地局1をスリープ状態から起動状態へ移行させるための信号である。即ち、ウェイクアップ信号は、無線基地局1を制御する信号である。従って、この発明の実施の形態においては、無線装置を制御するための制御信号を上述した各種の方法によって送信してもよい。
また、無線通信システム10は、無線基地局1と、端末装置2(または端末装置2A)とを備えるものに限らず、複数の無線装置を備えていればよいことを説明した。
従って、この発明の実施の形態による無線装置は、通信チャネルが空いているとき無線通信を行い、かつ通信チャネルが空いていないとき無線通信を行わない無線通信方式に従って無線通信を行う無線装置であって、無線装置を制御するための制御信号を生成する生成手段と、当該無線装置が無線通信に用いる通信帯域の少なくとも1つの通信チャネルの干渉の程度に基づいて制御信号を送信するための少なくとも1つの通信チャネルを選択する選択手段と、選択手段によって選択された少なくとも1つの通信チャネルを用いて無線通信方式に従って前記制御信号を送信する送信手段とを備えていればよい。
全ての通信チャネルに干渉が無いとき、全ての通信チャネルのうちの少なくとも1つの通信チャネルを用いてウェイクアップ信号を送信すれば、干渉信号がウェイクアップ信号に重畳することは無く、全ての通信チャネルのうちの少なくとも1つのチャネルに干渉が有るとき、干渉が有る少なくとも1つのチャネルを用いてウェイクアップ信号を送信すれば、他の無線装置がウェイクアップ信号を検知して自己の無線通信を中止するので干渉信号がウェイクアップ信号に重畳することは無い。その結果、ウェイクアップ信号を送信先へ正確に送信できるからである。
なお、この発明の実施の形態においては、「干渉の程度」は、干渉が有ることと、干渉が無いこととの両方を含む概念である。即ち、「干渉の程度」は、干渉が無い場合、最も小さく、干渉が有る場合、干渉が多くなるに従って大きくなる。
また、この発明の実施の形態においては、ウェイクアップの対象である無線装置がウェイクアップしたか否かを検知せずにウェイクアップ信号を複数回送信することを「ウェイクアップ信号の連送」と言い、ウェイクアップの対象である無線装置がウェイクアップしなかったことを検知すると、ウェイクアップ信号を再び送信することを「ウェイクアップ信号の再送」と言う。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。