関連出願の表示
本出願は、2013年1月18日に出願された米国仮出願61/754,269の優先権主張を伴う。この先の出願の全体的な内容が、本明細書で参照により全体的に取り込まれる。
背景
[技術分野]
本発明の実施形態は、一般的に、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、UTRAN(Terrestrial Radio Access Network)、LTE(Long Term Evolution)、E-UTRAN(Evolved UTRAN)、及び/またはLTE-A(LTE-Advanced)のような無線通信システムに関するものであるが、上記の無線通信システムに限定されるものではない。
[関連技術の説明]
UMTSのUTRANは、基地局またはノードB(Node B)、及びRNC(radio network controllers)を備える通信ネットワークを参照する。UTRANは、ユーザ機器(UE)とコア・ネットワークとの間の接続を許可する。RNCは、1つまたは複数のノードBの制御機能を提供する。RNC及びこのRNCに対応するノードBは、無線ネットワークサブシステム(RNS;Radio Network Subsystem)と呼ばれる。E-UTRAN (enhanced UTRAN)の場合、RNCは存在せず、RNC機能のほとんどがeNodeB(evolved Node B、E-UTRAN のノードBともいう。)に含まれている。
ロング・ターム・エボリューション(LTE)またはE−UTRANは、改善された効率性及びサービス、低コスト、新規のスペクトルオポチュニティ(spectrum opportunity)を通じ、UMTSを改良したものを指す。特に、LTEは3GPP(3rd generation partnership project)標準規格である。そして、この3GPP標準規格は、アップリンクに関しては少なくとも毎秒50メガビット(50Mbps)のピーク速度を、ダウンリンクに関しては少なくとも100Mbpsのピーク速度を提供する。LTEは、1.4MHz〜20MHzの拡張性のあるキャリアバンド幅をサポートし、周波数分割双方向(FDD;Frequency Division Duplexing)と時分割複信(TDD;Time Division Duplexing)の両方をサポートする。LTEの利点は、例えば、高処理能力、低遅延、同一プラットフォームでのFDD及びTDDのサポート、向上したエンド・ユーザ知識、技術がシンプルなことからくる低い事業費である。
3GPP LTEの将来のリリース(例えば、LTE Rel-11,LTE Rel-12)は将来のIMT-Aシステム(international mobile telecommunications advanced system)に向けられており、本明細書においてこれを簡単にLTE-AdvancedまたはLTE-Aと呼ぶ。LTE-Aは、3GPPのLTE無線アクセス技術を拡張及び最適化する方向に向かっている。LTE-A の目標は、高いデータレートと低いレイテンシーによって、少ないコストで非常に高度なサービスを提供することである。LTE-Aは、下位互換性を確保しつつ、IMT-Advancedの国際電気通信連合無線通信部門の要件(ITU-R要件)を満たす、より最適化された無線システムになるであろう。
摘要
本発明のある実施形態は、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように第1のノードを構成することと;少なくとも上記第2のノードのアイデンティティに関する情報を含む少なくとも一つの同期信号を受信することと;この同期信号に基づいて上記第1の同期グループに上記第1のノードを同期させることと;を含む方法に関するものである。
本発明のある実施形態では、上記同期信号は階層順位を示す情報を含み、この階層順位には、上記第1の同期グループからの少なくとも一つの同期信号の中で最も低い順位が含まれる場合がある。
本発明のある実施形態によると、上記受信には、第3のノードから上記少なくとも一つの同期信号を受信することを含む場合があり、この第3のノードは、上記第1の同期グループのメンバーの場合がある。
本発明のある実施形態によると、上記方法は、上記第1の同期グループの上記第2のノードを示す情報を含む、別の同期信号を送信することをさらに含む。本発明の他の実施形態では、本方法は、同期元をレポートすることをさらに含み、この同期元は、様々なマクロセルを発信源とする確認された階層のリストと、上記第1のノードが加わることが可能な階層の順位とを含む。
本発明のある実施形態によると、上記方法は、最下層のノードをネットワークまたはネットワーク装置にレポートすることをさらに含む。本発明のある実施形態では、本方法は、上記第1のノードが第2の同期グループに加わるための設定情報を受け入れることをさらに含み、この設定情報は上記レポートに基づく。
本発明のある実施形態では、第2の同期グループは第1の同期グループと異なる場合がある。本発明のある実施形態によると、本発明はさらに、利用資源をレポートする場合がある。
本発明のある実施形態によると、上記方法は、同期の競合を観察し、この競合をネットワークまたはネットワーク装置にレポートすることをさらに含む場合がある。本発明のある実施形態によると、第1のノードは基地局、eNB、アクセスポイント、ユーザ機器の場合がある。
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備える装置に関するものである。上記少なくとも一つのプロセッサ及び上記コンピュータプログラムは、少なくとも一つのプロセッサと共に、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように第1のノードまたは装置を構成することと;少なくとも上記第2のノードのアイデンティティに関する情報を含む少なくとも一つの同期信号を受信することと;この同期信号に基づいて上記第1の同期グループに上記第1のノードを同期させることと;を遂行させるように構成される。
本発明のいくつかの実施形態によると、上記装置は、上記第1のノードに配備される装置一式、装置、構成要素、機能、及び/または手段であってもよい。本発明の他の実施形態によると、上記装置は、第1のノード自体であってもよい。
本発明の他の実施形態には、コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラムに関するものも存在する。上記コンピュータプログラムは、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように第1のノードを構成することと;少なくとも上記第2のノードのアイデンティティに関する情報を含む少なくとも一つの同期信号を受信することと;この同期信号に基づいて上記第1の同期グループに上記第1のノードを同期させることと;を含むプロセスを、プロセッサに遂行させるように制御するよう構成されている。
本発明の他の実施形態には、次のような装置も存在する。この装置は、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように第1のノードまたは装置を構成する手段と;少なくとも上記第2のノードのアイデンティティに関する情報を含む少なくとも一つの同期信号を受信する手段と;この同期信号に基づいて上記第1の同期グループに上記第1のノードを同期させる手段と;を備える装置に関するものである。
本発明の他の実施形態には、次のような方法も存在する。この方法っ葉、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように、ネットワーク等によって第1のノードを構成することを含む方法に関するものである。本発明のある実施形態では、上記設定情報は、同期元または同期の競合に関する第1のノードのレポートに基づくものである場合がある。本発明のいくつかの実施形態では、上記ネットワークの機能を、eNBで実行または形成することができる。本発明の他の実施形態では、上記ネットワークの機能を、UE(例えば、クラスタヘッド)で実行または形成することができる。
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備える装置に関するものである。少なくとも一つのメモリ及びコンピュータプログラムは、少なくとも一つのプロセッサと共に、少なくとも、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるよう、第1のノードを構成することを上記装置に遂行させるように構成されている。本発明のある実施形態では、上記構成することは、同期元または同期の競合に関する第1のノードのレポートに基づくものである場合がある。本発明のいくつかの実施形態では、上記装置が、eNBで実行または形成することのできるネットワーク機能を備える場合がある。本発明の他の実施形態では、上記装置が、UE(例えば、クラスタヘッド)で実行または形成することが可能なネットワーク機能を備える場合がある。
本発明の別の実施形態は、コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラムに関するものである。上記コンピュータプログラムは、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように、ネットワーク機能等によって第1のノードを構成することを含むプロセスを、プロセッサに実行させるよう制御するように構成されている。本発明のある実施形態では、上記制御することは、同期元または同期の競合に関する第1のノードのレポートに基づくものである場合がある。本発明のいくつかの実施形態では、上記ネットワークの機能を、eNBで実行または形成することができる。本発明の他の実施形態では、上記ネットワークの機能を、UE(例えば、クラスタヘッド)で実行または形成することができる。
本発明の別の実施形態は、最下層に第2のノードを有する第1の同期グループに加わるように、第1のノードを構成する構成手段を含む装置に関するものである。本発明のある実施形態では、上記構成手段は、同期元または同期の競合に関する第1のノードのレポートに基づいて、第1のノードを構成することができる。本発明のいくつかの実施形態では、装置が、eNBで実行または形成することのできるネットワーク機能を備える場合がある。本発明の他の実施形態では、上記装置が、UE(例えば、クラスタヘッド)で実行または形成することが可能なネットワーク機能を備える場合がある。
本発明の実施形態の一例には、複数の同期元候補が属する同期クループの識別情報に少なくとも基づいて、前記複数の同期元候補のうちどれを同期元として使用するかを選択する手段を備える、装置が含まれる。
本発明の実施形態の一例には、1つ又は複数のノードが同期元を選択する際に利用されうるように、同期元候補が属する同期グループの識別情報をブロードキャストする手段を備える、装置が含まれる。
本発明の実施形態の一例には、複数の同期元候補が属する同期クループの識別情報に少なくとも基づいて、前記複数の同期元候補のうちどれを同期元として使用するかを選択することを含む、方法が含まれる。
本発明の実施形態の一例には、1つ又は複数のノードが同期元を選択する際に利用されうるように、同期元候補が属する同期グループの識別情報をブロードキャストすることを含む、方法が含まれる。
本発明を適切に理解するため、添付図面を参照する。
本発明のある実施形態によるシステムを描いた図である。
本発明の他の実施形態によるシステムを描いた図である。
本発明の他の実施形態によるシステムを描いた図である。
本発明のある実施形態による方法のフロー図である。
本発明の他の実施形態による方法のフロー図である。
本発明のある実施形態による装置を描いた図である。
本発明の他の実施形態による装置を描いた図である。
詳細説明
本出願の図面で一般的に説明及び図示がされているように、本発明の構成要素は、幅広い様々な形態で構成、設計することができる。したがって、添付図面に記載したような、セルの同期のための方法、システム、装置、コンピュータプログラム製品の実施形態を詳細に説明する図面は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の中から選択された実施形態を単に表現するものである。
必要に応じて、以下で開示した様々な機能が異なる順序で、及び/又は同時に実行されてもよい。さらに必要に応じて、記載した機能の1つ又は複数が任意選択できたり、統合されたりしてもよい。従って、以下の説明は、本発明の原理や教授、典型的実施形態の説明に過ぎないと考えるべきであり、これらを限定するものであると考えてはならない。
本発明のいくつかの実施形態は、スモールセルの相互同期に関するものであり、このスモールセルには、マクロセルによって提供される複数の同期元が存在するスモールセルが含まれる。
スモールセルの増強は、3GPPのRANレベルのスタディ・アイテム(SI;study item、検討項目)の対象となっている。そして、このスモールセル・シナリオ(scenarios)の検討及び要求が、技術報告書(TR)36.932にまとめられている。このTRは、以下の声明を含む。同期されるシナリオ及び同期されないシナリオの双方が、スモールセルとマクロセルとの間と同様、スモールセル間でも検討されるべきである。干渉コーディネーション、キャリアアグリゲーション、inter-eNB COMP等の具体的な運用に対して、スモールセルの改善は、スモールセルのサーチ及び/または測定、干渉及び/または資源の管理に関する同期されたネットワーク構成(synchronized deployment)から利益を得ることができる。したがって、スモールセルクラスタ(small cell cluster)の時間同期の開発をその検討の中で優先し、かかる同期を実現するための新しい手段を検討すべきである。同期したスモールセル及びマクロセルからの利益を享受しているシステムの一例は、同一キャリアで時間分割二重(TDD)方式を用いて全種類のセルを操作している。スモールセル層が同期による利益を享受している一方、マイクロセルが非同期であるシステムの一例は、スモールセルを用いてTDDを利用する一方、マクロセルを用いて周波数分割二重(FDD)を利用する方式で、異なるキャリアでスモールセルとマクロセルとを操作する。
図1は、本発明のある実施形態によるマクロセル101及びスモールセル105を備えるシステムを描いている。本発明のいくつかの実施形態によると、図1の左下に、注目すべき1つの状況が示されている。そこでは、スモールセル105のグループが、1つのeNB100(eNB;LTEに対応した基地局であるeNodeBの略称)のマクロセル101のカバーエリア内に部分的にのみ存在している。eNB100のマクロセル101のサービスエリア内にないスモールセル105は、他のeNBのマクロセルのサービスエリア内にある場合がある。また、これらスモールセル105の一部はどのマクロセルのサービスエリアにも属しない場合、または、複数のマクロセルのサービスエリアに属している場合がある。
TDDのホーム基地局(HeNBs;home eNodeBs)の同期を検討している1つの解決策は、階層化された無線同期である。この解決策によると、最下層は、全地球的航法衛生システム(GNSS)によって同期されることを前提としたマクロセルである。最下層の一つ上の層は、一つ又は複数のスモールセルである。これらのスモールセルは、上記マクロセルの信号をリスニングすることによって、このマクロセルに直接同期することができる。そして一般的に、N層のセルはN−1層のセルと同期できるが、N−1層より下の層のセルとはいずれとも同期できない。また、マクロセル同士が同期していること、もしくは、あるマクロセルの中で各スモールセルは互いに分離されていることを前提としている。したがって、本方法は、非同期のマクロセルの場合には解決策を提供しない。さらに、これら従前の考察は、同一チャネルのマクロセル及びスモールセルに対してなされ、この場合、スモールセルとマクロセルとの間の同期が不可欠である。
本発明のいくつかの実施形態は、スモールセル及びマクロセルが異なる周波数帯(またはキャリア)にあるケースを考慮する。さらに、マクロセル及びスモールセルで共通のタイミングを維持することが必須でない場合もあるが、マクロセルの中のスモールセルは、主に他のマクロセル下にあるスモールセルのグループに加わることができる。
分散同期方法(distributed synchronization method)、いわゆる、外部の同期元を使用せずに同期をとる方法には複数の方法がある。その一例は、WiFiのIBSS(independent basic service set)同期である。IBSS同期は、相手ノードのタイムが自ノードのタイムより遅い場合、別のノードのタイミングを選択する方法を用いたタイムスタンプの無線交換に基づくものである。上記の方法は、スモールセルの層を局所的に同期させるために使用される。
前述のことを考慮すると、スモールセルの同期は、多くの課題を提示する可能性がある。例えば、スモールセルが全地球測位システム(GSP)受信機を備えていない場合、GPS信号のサービスエリア外(例えば、屋内)に配備されている場合等である。また、スモールセルのバックホール接続(backhaul connection)は、高精度なタイム・プロトコルを利用するのに適していると、常に想定されるわけではない。GSP受信機と優良なバックホールがない場合、TDDのホーム基地局の同期に対して提案されているように、他のセルから無線で受信された信号に基づいてセル同期がされる場合がある。しかし、マクロセルは、コヒーレントな時間基準を常に提供するわけではない。なぜなら、同期されるべきスモールセルは、異なる非同期のマクロセルの信号をチェックしている可能性があるためである。FDD帯のマクロセルは、通常、非同期であると想定される。
図2は、無線同期を前提としたシステムの一例を描いており、非同期のマクロセル1及び2の存在下にあるスモールセルの同期構成が示されている。スモールセルは、最も強い信号を出すマクロセルに同期すること、マクロセルの信号が存在しない場合は、最下層のスモールセルに同期するように規定するのが通常であろう。しかし、このようなアプローチはスモールセルの同期のいかなる操作(steering )も許可しない。このスモールセルの同期は、セル配備によって完全に定義されている場合がある。したがって、競合するスモールセルの同期の影響を回避または最低限に抑えるよう、同期されたグループの形成方法を制御するため、柔軟性のある同期システムが望ましいと考えられる。図2の例では、スモールセルが、最も強い信号を出すマクロセルまたは最下層のスモールセルに同期することを規定することにより、図中に異なる色で描かれた、異なる同期グループに属するいくつかの隣接したスモールセルのように、スモールセル間で同期の競合が起こる。この例での好ましいグループ化は、マクロセル2のサービスエリア内で離れた位置にある3つのセルを除く全スモールセルを、同一の同期グループに属させることであろう。その他のスモールセルとは離れているため、上記3つのセルは異なる同期グループを形成できる。
本発明のある実施形態は、複数の同期元が存在する場面等における、セル同期の制御のための手続き及びシグナリングを含む。いくつかの実施形態は、同期の競合の解決方法のみならず、同期元の優先リストを用いて構成されるセル、自身の同期元に関する情報をブロードキャストするセル、同期元の所見をレポートするセルに関するものである。
本発明の一態様は、最下層に特定のセルを有する同期グループに加わるよう、スモールセルに指示をするような、前述で提案した階層化同期(stratified synchronization)システムを改良するものである。図3a〜bは、異なるeNBによって構成される非同期のマクロセルの存在下における、スモールセルの同期を描いたものである。
図3aには、2つのマクロeNBの存在下における、3つのスモールセルの従来型の階層化同期が描かれている。図3aでは、同期元から矢印方向に線が出ている。スモールセル1及び2が、それぞれに対応して、eNB1及び2によって形成されるマクロセルからの信号をチェックできると仮定すると、これらスモールセル1及び2は、eNB1及び2によってカバーされる各マクロセルに同期する。なぜなら、従来より、同期元は最下層であると認識されているノードであるはずだからである。スモールセル3は、いずれのマクロセルからの信号もチェックしていない場合があり、この場合、例えばスモールセル2に同期することができる。マクロセル同士が同期していない場合、隣接するセル1及び3は非同期であると考えられる。このため、図3aの例においては、各スモールセルは、それぞれの最下層のセルに同期する。直接または階層を通じ、スモールセルが特定のマクロセルに同期するよう、ネットワークがこれらスモールセルを構成することができれば、この状況は改良されるかもしれない。その場合、スモールセルは、同期信号等を通じて自身の階層順位(stratum ordinal)及び最下層の同期元のアイデンティティ(識別情報)を示すであろう。
図3bには、改良後の同期構成が描かれている。スモールセル1は、好ましくは、最下層にマクロeNB2を有する階層化同期に加わるように構成されている。したがって、スモールセル1がスモールセル3からの信号を受信すると、スモールセル1はスモールセル3を同期元として選択する。スモールセル3は、eNB1との同期によって提供されているであろう最下層から2番目の層ではなく、最下層から4番目の層にスモールセル1を誘導すると考えられる。スモールセル1〜3同士の接続は強いが、周囲のスモールセルとの接続がそれほど強くない場合、図3bのような構成が好ましい。例えば、スモールセル1〜3が同じ建物内にある場合、または近隣に他のスモールセルが存在しない場所にこれらスモールセル1〜3がホットスポットとして配置されている場合、このようなケースとなりうる。
さらに、本発明のある実施形態は、セルに対する同期元の優先リストを提供する。本発明のある実施形態では、優先リストは、優先順位の一番高いタイミング基準を一つ含むのみではなく、同じ優先レベルを有し互いに同期している複数の同期元を含むことができる。
本発明の他の実施形態のあるものは、最下層に最も好ましいマクロセルを有する、スモールセルの配置に関するものである。いくつかのケースでは、例えばオフィスビルまたはショッピングモールの中にスモールセルがある場合、通信事業者は、スモールセルのカバーエリア内にあるマクロセルのサービスエリアをとてもよく把握することができる。そして、この予備情報に基づく、優先すべきマクロセルの選択基準を用いて、例えば、最優先すべき基準として最も多くのスモールセルをカバーしているマクロセルを選択することができる。
しかし、上記予備情報のみを利用することは常に十分であるとは言えない。また、最適な構造に到達するには、スモールセルの採寸、及び利用可能な同期元に関するレポートの生成が必要となる場合がある。例えば、そのようなレポートは、様々なマクロセルを発信源とする確認された階層のリスト、及び、スモールセルが加わることの可能な階層順位を含むことができる。上記シグナリングに基づいて、ネットワークは、スモールセルの相対的なタイミング上の記録を維持すること、最適な同期グループに加わるようスモールセルに指示すること、競合するタイミングによる影響を軽減するために周波数資源及びキャリア資源の利用を最適化することができる。
同期グループの構成を制御するアプローチは、全種類の同期手続きに対して一般化することができる。例えば、最下層に各々異なるマクロセル(図3a及びb)を有する同期グループ間で選択するのではなく、階層化同期を維持するセルグループと分散型同期を維持する別のセルグループとの間で選択することもできる。ここで、分散型同期を維持するセルグループは、例えば、WiFi IBSSタイプの同期方法等に基づいている。もう1つの一般化として、最下層で同期元として動作するよう、スモールセルにも役割分担することが考えられる。
図4には、本発明のある実施形態による方法のフロー図が描かれている。本発明のある実施形態では、図4の方法が、基地局、eNB、及び/またはスモールセルのアクセスポイント(AP)等によって実装されうる。図4に示すように、スモールセルは400にてONに切り替えられる。本方法は、同期元をサーチすることを含む(410)。本方法は、さらに、上記の同期元をネットワークにレポートすることを含む(420)。本方法は、同期の優先リストを受信することを含む(430)。
本発明のいくつかの実施形態では、ネットワークへの同期元のレポート(420)を省略することもできる。結果的に、本発明のいくつかの実施形態では、先行レポートがない場合でも優先リストを更新することができる。
優先レポートが生成された場合、420においてセルによってレポートされた情報に加え、いくつかの因子を明細に追加することができる。セルの位置情報に基づく、利用可能な同期元に関する予備情報を有する場合もある。セル同士が密集しているグループのセルは、優先順位の最も高い同一の同期元によって構成されることが好ましいと考えられる。一方、2つのセル間に2つの同期グループの境界をつくることが妥当であると考えられる場合、近接する小さなセル同士であっても優先順位の最も高い同期元が相異なることがあり、この場合はこれら相異なる同期元によって構成される。各優先レベルの同期元を含む優先リストを用いてセルの構成を行うことは、このセルがマクロセルのサービスエリアの境界領域に位置する場合に重要である。近隣のスモールセルの大部分が同期可能なマクロセルに対し、最も高い優先順位が付与される。一方、最も優先順位の高い同期元との同期が干渉等によって時折阻害される場合、そのセル(スモールセル)は他のマクロセルと同期をとることができる場合があり、これら他のマクロセルには低い優先順位が付与される。
図4の440では、そのセル(スモールセル)が、優先リスト上最も優先順位の高いグループに加わることができるか否かを判断する。図4の445において、そのセル(スモールセル)は、優先リスト上最も優先順位の高いグループとの同期を維持する。優先リスト上最も優先順位の高いグループに加わることができない場合、その優先リスト上2番目に優先順位の高いグループに、そのセル(スモールセル)が加わることができるか否か判断する(450)。図4の455において、そのセル(スモールセル)は、優先リスト上2番目に優先順位の高いグループとの同期を維持する。優先リスト上2番目に優先順位の高いグループに加わることができない場合、そのセル(スモールセル)は、優先リスト上その次に優先順位の高いグループに加わることを試みる。本方法は、これを優先リスト上最も優先順位の低いグループに加わることができるか否か判断するまで繰り返す(460)。図4の465において、そのセル(スモールセル)は、優先リスト上最も優先順位の低いグループとの同期を維持する。優先される同期グループにも、リストにある同期グループにも加わることができない場合、そのセル(スモールセル)がリストにないグループと同期可能か否かを判断する(470)。リストにないグループと同期することができる場合、そのセル(スモールセル)は、リストにない同期グループに加わることができる(475)。この同期グループは、WiFiのIBSSモードの同期等、階層化同期方法または分散型方法を用いた同期を維持する。リストにないグループとの同期が不可能であると判断された場合には、ステップ410に戻る。
セルが同期グループに加わった後(445、455、465、475)、変化が生じた場合には、ステップ410に戻って同期元のサーチを順番に従って行う場合がある。上記のような変化は、例えば、新しいセルがシステムに配備された場合、従前から配備されているセルのスイッチがONまたはOFFに切り替えられた場合、システム内の負荷レベルや干渉レベルの変化により、セルのサービス可能エリアが調整または変更された場合に生じる。同期元のサーチをするステップ410には、ネットワークによって設定された周期で定期的に戻る場合、変化が生じることが予測されたときに出されるネットワークからのトリガーによって戻る場合、同期中のセルのよって確認されるイベントに基づいて戻る場合がある。ステップ410への戻りを生じさせるイベントの例として、セルが、自身の属している同期グループとの接続を失うことがあげられる。別の例として、直接または無線によるUEレポートもしくは他のセルからのバックホール信号に基づいて、セルが重度な同期の競合を確認した場合があげられる。
本発明のある実施形態によると、同期元として動作できるそれぞれのセルは、基準として使用されるマクロeNBと同様に、自身の階層に関する情報をブロードキャストする場合がある。上記の情報は、物理ブロードキャストチャネル(PBCH;physical broadcast channel)またはこれに類するチャネルに含まれる場合があり、その他、PDSCH(physical downlink shared channel)の資源を利用して伝達される。この場合、利用可能なPDSCHの資源は、適切な識別情報を用いて事前に定義またはスケジューリングされる場合がある。
本発明のある実施形態によれば、無線資源を節約するため、スモールセルは、自身の階層及び同期の基準に関する情報をブロードキャストせず、バックホールを通じて送信する場合がある。他のスモールセルからの信号をチェックしているスモールセルは、バックホールを通じて他のセルとコンタクトし、他のセルの情報を要求すること、または他のセルに自身の情報を送信することができる。
優先すべき同期元の配置的な特徴及び構成に起因して、スモールセルクラスタ間で同期をとることができない状況となる場合もある。例えば、図3bのスモールセル1が優先されるべき同期元としてマクロ基地局1を使用するように構成される一方、スモールセル3は優先されるべき同期元としてマクロ基地局2を使用するように構成される場合、競合が存在する。この場合、スモールセル1はマクロ基地局1に同期レポートを送信し、この競合を知らせることができる。そして、この競合に対処するためネットワーク内で対応する動作がなされる。ここで、対応する動作とは、共通の同期元を使用するように、図3bの全てのスモールセルを再構築すること等である。
図5には、本発明のある実施形態による、同期の競合をレポートし、解決する方法のフロー図が描かれている。本方法は、同期元をサーチすることを含む(500)。本方法は同期の競合を確認することを含み(510)、この競合をネットワークにレポートすることを含む(520)。本方法はさらに、同期に関する優先リストを受信し、更新することを含む(530)。
ある状況では、この競合の解決手続きが不可能な場合がある。例えば、図3のマクロ基地局が異なる通信事業者に属しており、これら通信事業者がスモールセルの領域を共有している場合等である。これら残存する競合に対処するため、スモールセルは、自身の利用資源に関する情報を同期情報と共に、または分離されたメッセージとして伝達する場合がある。この利用資源は、どのキャリアが利用されるか等、上記スモールセルによって利用される周波数資源を含む場合がある。この情報は、対応する各マクロ基地局に送信される同期レポートに含まれる場合があり、その後、この情報は干渉を管理するために利用される場合がある。
以上より、スモールセルによってブロードキャストまたは送信される情報には、例えば、下記のようなものが含まれる。
・ 同期に関して:
・ 階層番号
・ 同期の基準として使用されるマクロセル
・ オプションとして、重大な競合状況における干渉の管理のために:
・ 利用資源
・ 送信電力
・ 最大送信電力
同期レポートに含まれる情報には、例えば、下記のようなものがある。
・ スモールセルを識別するID。下記の情報も伴う。
・ 階層番号
・ 同期の基準として使用されるマクロセル
・ 利用資源
・ 受信電力、経路損失、またはこれに類する情報
様々な実施形態によれば、レポートについて多くの組み合わせが可能であることに言及すべきである。例えば、スモールセルは、自身が基準とするマクロeNBに従って検出されたスモールセルに順位付けを行い、各グループの中で最適なスモールセルのみをレポートすることができる。別の例として、2つのスモールセルが階層1及び2で検出され、両方のスモールセルがマクロeNB2を基準として使用している場合、上記レポートに階層1に属するスモールセルのみを含む場合がある。他のマクロeNBを基準として使用する他のスモールセルは、そのままレポートに含まれる場合がある。
本発明のある実施形態では、同期グループの選択方法が、階層化同期システムと分散型同期システムとの間の選択も対象にすることが一般化される場合、ブロードキャスト情報及び同期レポートが、セルの使用する同期方法を通知する場合がある。
以上の記載内容は、同期及び競合のレポートにおける基地局の役割に着目したものである。一方、特に、同期の競合を確認及びレポートすることにおいて、UEが支援提供する場合がある。例えば、UEに近隣のセルをリスニングすることを要求することができる。そして、このUEは、ネットワークに同期レポートを報告することができる。同期グループ同士の接続が弱く、eNBは互いに信号をデコードできないが、セルの境界にあるUEが異なる同期グループに属する2つ以上のセルから信号を受信できる場合、上記のようなUEによる支援提供は有用であると考えられる。このようなレポートは、定期的である場合、ネットワークによるトリガーによる場合がある。
同期レポートの情報は、また、このレポートを受信するeNBによって使用され、UEによってレポートされた同期グループに従ってeNB自身の同期に適用させることができる。
本発明のいくつかの実施形態では、前述の図4及び図5に図示されているような、本明細書に記載のあらゆる方法の機能を、ソフトウェア及び/またはメモリ、その他のコンピュータ読取り可能な媒体、もしくは有形的表現媒体(tangible media)に記憶されたコンピュータプログラムによって実装され、プロセッサによって実行される場合がある。本発明の他の実施形態では、上記機能がハードウェアによって実現される場合がある。ハードウェアの例としては、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ等がある。
図6aは、本発明のある実施形態による装置10を描いた図である。本発明のある実施形態では、装置10はeNB等の基地局、またはアクセスポイント(AP)である場合がある。当業者であれば、装置10が、図6aに示されていない構成要素または機能を備える場合があることを理解するであろうことは言及すべきである。図6aには、本発明の説明に必要なこれらの構成要素または機能のみが描かれている。
図6aに示されているように、装置10は、情報を処理し、命令または操作を実行するためのプロセッサ22を備える。プロセッサ22は、汎用性のあるプロセッサ、特定用途向けのプロセッサ等いかなるタイプのものでもよい。図6aにはシングルプロセッサ22が図示されているが、本発明の他の実施形態によると、マルチプロセッサを使用することもできる。さらにいえば、プロセッサ22は、1または複数の多目的用コンピュータ、特殊用途向けのコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マルチコア・プロセッサ・アーキテクチャーを基礎とするプロセッサ等の場合がある。
さらに装置10は、プロセッサ22と接続可能なメモリ14を含み、このメモリ14は、プロセッサ22によって実行される場合のある情報及び命令を記憶する。メモリ14は、1または複数のメモリであってもよいし、ローカルなアプリケーション環境に適したあらゆる種類のものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス,磁気メモリデバイス・システム,光学式メモリデバイス・システム,固定式・移動式メモリ等の様々な適合する揮発性・不揮発性のデータ格納技術を用いて実装されてもよい。メモリ14は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、磁気ディスクまたは光ディスク等の静的記憶装置、その他のあらゆる種類の持続性マシン(non-transitory machine)・コンピュータ読み取り可能媒体のあらゆる組み合わせから成りうる。メモリ14に記憶された命令は、プログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含む場合があり、これらプログラム命令やプログラムコードがプロセッサ22によって実行されると、装置10は本明細書に記載されたタスクを実行することができる。
装置10はさらに、信号及び/またはデータを送受信するため、1または複数のアンテナ25を備える場合がある。装置10はさらに、情報を送受信するように構成された送受信機28を備える場合がある。例えば、送受信機28は、アンテナ25による送信のために情報を変調してキャリア波形にのせ、装置10の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ25を介して受信された情報を復調するように構成されうる。本発明の他の実施形態では、送受信機28は、信号またはデータを直接送受信できる場合がある。
プロセッサ22は、装置10の動作に関連する機能を実行することができる。この機能には、アンテナ利得及び/またはアンテナ位相のパラメータのプリコーディング(precoding)、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコード及びデコード、情報のフォーマット、装置10の制御全般(通信資源の管理に関する処理を含む)が含まれるが、これに限定されない。
本発明のある実施形態において、メモリ14は、プロセッサ22によって実行されたときに機能を実現するソフトウェアモジュールを記憶する。上記のモジュールには、装置10のシステム機能の操作を提供するオペレーティング・システム等が含まれている場合がある。メモリは、装置10の追加機能を実現するアプリケーションまたはプログラム等、1つまたは複数の機能モジュールを記憶することもできる。装置10の構成要素は、ハードウェアにて実装、またはハードウェアとソフトウェアとの適切な組み合わせとして実装される場合がある。
前述の通り、本発明のある実施形態によると、装置10はBSまたはAPの場合がある。本発明のある実施形態では、装置10はメモリ10及びプロセッサ22に制御されることにより、同期元をサーチすること、ネットワークに同期元をレポートすること、ネットワークから同期元の優先リストを受信すること、加わることのできる優先リストから優先順位の最も高いグループを判断すること、そして、この優先順位が最も高いと判断されたグループに加わることができる。優先リストにあるいずれのグループにも加わることができないと判断された場合、装置10は、メモリ14及びプロセッサ22に制御されることにより、優先リストにないグループに加わることができる。
図6bは、本発明の他の実施形態による装置20の例を描いた図である。本発明のある実施形態では、装置20はネットワーク要素である場合がある。当業者であれば、装置20が、図6bに示されていない構成要素または機能を備える場合があることを理解するであろうことは言及すべきである。図6bには、本発明の説明に必要なこれらの構成要素または機能のみが描かれている。
図6bに示されているように、装置20は、情報を処理し、命令または操作を実行するためのプロセッサ32を備える。プロセッサ32は、汎用性のあるプロセッサ、特定用途向けのプロセッサ等いかなるタイプのものでもよい。図6bにはシングルプロセッサ32が図示されているが、本発明の他の実施形態によると、マルチプロセッサを使用することもできる。さらにいえば、プロセッサ32は、1または複数の多目的用コンピュータ、特殊用途向けのコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マルチコア・プロセッサ・アーキテクチャーを基礎とするプロセッサ等の場合がある。
さらに装置20は、プロセッサ32と接続可能なメモリ34を含み、このメモリ34は、プロセッサ32によって実行される場合のある情報及び命令を記憶する。メモリ34は、1または複数のメモリであってもよいし、ローカルなアプリケーション環境に適したあらゆる種類のものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス,磁気メモリデバイス・システム,光学式メモリデバイス・システム,固定式・移動式メモリ等の様々な適合する揮発性・不揮発性のデータ格納技術を用いて実装されてもよい。メモリ34は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、磁気ディスクまたは光ディスク等の静的記憶装置、その他のあらゆる種類の持続性マシン(non-transitory machine)・コンピュータ読み取り可能媒体のあらゆる組み合わせから成りうる。メモリ34に記憶された命令は、プログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含む場合があり、これらプログラム命令やプログラムコードがプロセッサ32によって実行されると、装置20は本明細書に記載されたタスクを実行することができる。
装置20はさらに、信号及び/またはデータを送受信するため、1または複数のアンテナ35を備える場合がある。装置20はさらに、情報を送受信するように構成された送受信機38を備える場合がある。例えば、送受信機38は、アンテナ35による送信のために情報を変調してキャリア波形にのせ、装置20の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ35を介して受信された情報を復調するように構成されうる。本発明の他の実施形態では、送受信機38は、信号またはデータを直接送受信できる場合がある。
プロセッサ32は、装置20の動作に関連する機能を実行することができる。この機能には、アンテナ利得及び/またはアンテナ位相のパラメータのプリコーディング(precoding)、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコード及びデコード、情報のフォーマット、装置20の制御全般(通信資源の管理に関する処理を含む)が含まれるが、これに限定されない。
本発明のある実施形態において、メモリ34は、プロセッサ32によって実行されたときに機能を実現するソフトウェアモジュールを記憶する。上記のモジュールには、装置20のシステム機能の操作を提供するオペレーティング・システム等が含まれている場合がある。メモリは、装置20の追加機能を実現するアプリケーションまたはプログラム等、1つまたは複数の機能モジュールを記憶することもできる。装置20の構成要素は、ハードウェアにて実装、またはハードウェアとソフトウェアとの適切な組み合わせとして実装される場合がある。
前述の通り、本発明のある実施形態によると、装置20はネットワーク要素の場合がある。本実施の形態において、装置20は、メモリ34及びプロセッサ32に制御されることにより、同期の基準として使用される階層番号及びマクロeNBに関する情報を、1つまたは複数のセルから受信することができる。その後、装置20は、メモリ34及びプロセッサ32に制御されることにより、グループの優先順位を含む優先リストを作成し、この優先リストをスモールセルに送信することができる。
本発明のある実施形態は、同期方法に関するものである。本方法は、同期元をサーチすることと、この同期元をネットワークにレポートすることとを含む。本方法はさらに、ネットワークから同期元の優先リストを受信することを含む。本方法はまた、優先リストから加わることが可能な最も優先順位の高いグループを判断すること、そして、この最も優先順位が高いと判断されたグループに加わることを含む場合がある。本方法は、受信した優先リストにあるいずれのグループにも加わることができないと判断された場合、優先リストにないグループに加わることを含む場合がある。
本発明の他の実施形態は同期方法に関するものであり、この方法は、1つまたは複数のスモールセルから、同期の基準として使用される階層番号及びマクロeNBに関する情報を受信することを含む。その後、この方法は、グループの優先順位を含む優先リストを作成し、この優先リストをスモールセルに送信することを含むことができる。
本発明の他の実施形態は、同期の競合のレポートと解決方法とに関するものである。本方法は、同期元をサーチすることと、同期の競合を確認することと、この競合をネットワークにレポートすることとを含む。本方法はさらに、同期に関する優先リストを受信し、更新することを含む。
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備える装置に関するものである。上記少なくとも一つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも一つのプロセッサと共に、装置に対し、少なくとも同期元のサーチ、ネットワークへの同期元のレポート、ネットワークからの同期元の優先リストの受信をさせるように構成されている場合がある。上記少なくとも一つのメモリ及びコンピュータプログラムコードはさらに、少なくとも一つのプロセッサと共に、装置に対し、少なくとも優先リストから参加可能な最も優先順位の高いグループを判断させ、この最も優先順位の高いグループと判断されたグループに加わらせるよう構成されている場合がある。受信した優先リストにあるいずれのグループにも加わることができないと判断された場合、上記装置は、優先リストにないグループに加わるよう制御される場合がある。
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備える装置に関するものである。上記少なくとも一つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、上記少なくとも一つのプロセッサと共に、上記装置に対し、少なくとも、1つまたは複数のスモールセルから同期の基準として使用する階層番号及び同期元に関する情報を受信させること、グループの優先順位を含む優先リストを作成すること、この優先リストを上記スモールセルに送信することをさせるように構成される場合がある。
本発明の他の実施形態は、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備える装置に関するものである。上記少なくとも一つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも一つのプロセッサと共に、装置に対し、少なくとも同期元のサーチ、同期の競合の確認、ネットワークへの競合のレポート、同期元の優先リストの受信及び更新をさせるように構成されている場合がある。
上記のことを考慮すると、本発明のある実施形態は、様々な同期元が利用可能な場合、スモールセルの同期に対する操作の柔軟性を提供する。本発明の実施形態は、WiFiのIBSSモードの同期等で実施されているように、複数のセルとタイムスタンプを交換することなく、それぞれのセルがある1つのセルのタイミングに従うのみでよいため、簡素で適切な方法を提供することができる。
上記の通り、本発明は、開示されたステップと異なる順番、及び/または開示されたものと異なる構造のハードウェア要素を用いて実行することができることは、当業者であれば容易に理解するであろう。したがって、本発明は、これら好ましい実施形態に基づいて説明されているが、本発明の主旨及び範囲を逸脱しない限り、一定の改良、変更、代替構成を見出すことは当業者にとって容易であろう。