JP6489911B2 - 画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置及びその制御方法に関するものである。
原稿などのドキュメントや写真などを光学的に読み取り、読み取った画像を電子データに変換するスキャナと呼ばれる装置が従来からある。また、そのスキャナは、単体の独立した形でなく、記録装置や送受信機能と一体化されたいわゆる複合機という形態をとり、原稿の電子化のほか複写機能やファックスなど多機能化されたものが一般的になってきている。更に近年では記録ヘッドは長尺化してきている。そして、プリンタの記録速度の向上のため、内部での画像処理の高速化が要求されている。そこで処理を並列化して処理速度を向上する方法が行われている。この並列化としては、例えば特許文献1に示すような画像を複数のブロックに分割し、それぞれの領域を異なるハーフトーン処理プロセッサによる並列化して処理する方法が提案されている。
このようなプリント機能の高速化に伴い、複写機では例えばコピー機能のようなスキャンとプリントの両機能を有するモードにおいてスキャナ機能側も高速で処理することが求められている。このスキャナ機能の高速化においても、特許文献1の方法と同様に、実現することができる。まずイメージセンサで取得されたアナログ電気信号がA/D変換されたデジタル信号である画像処理データを複数のブロックに分割する。そして、それぞれの領域を異なる処理プロセッサにより画像処理することで高速化を実現することが可能となる。
特許第4125717号公報
しかしながら、上記の方法では分割領域間で処理の不連続が生じてしまう。例えば、補正処理においてはイメージセンサに依存する互いの領域の情報が必要な場合があり、その情報が欠落することで領域の境界付近で縦スジ等の画質弊害が発生するという課題があった。
また、不連続の解決として、メモリを共有する解決手段が知られている。しかし、この方法では、並列数の増加に伴いメモリへの単位時間当たりのアクセスデータ量が倍増し、結果として処理速度の低下を招く可能性がある。例えば、ラインセンサから読み取られた画像データを補正処理する回路が必要とする単位時間当たりのメモリアクセスデータ量が600MByte/secであったとする。その場合、並列数を上げるために、補正回路を3個に増やした場合、アクセスデータ量は3倍の1800MByte/sec必要になってしまう。メモリが対処できるアクセスデータ量を超えていた場合、データ取得に待ち時間が発生し、結果として処理速度が低下してしまう。
この課題を解決するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
原稿を読み取るためのスキャナユニットを有する画像処理装置であって、
前記スキャナユニットを構成する検出素子の特性に応じた処理、並びに、前記スキャナユニットで読み取った画像から印刷のための記録画像データを生成するための画像処理を行う、互いに並列して処理可能な第1の処理ユニットと第2の処理ユニットとを有し、
前記第1、第2の処理ユニットそれぞれは、
前記スキャナユニットにおける自身が担当する読取範囲の各検出素子の特性に関する情報を検出する検出手段と、
他方の処理ユニットで検出した特性に関する情報を受信することで、自身が担当する読取範囲を超える特性に関する情報を取得する取得手段と、
前記検出手段、及び、前記取得手段で得られた特性に関する情報に基づき、前記スキャナユニットで読み取られた画像データにおける、自身が担当する印刷範囲の部分画像データを補正して、前記記録像データを生成する画像処理手段とを有する。
本発明によれば、スキャナユニットの特性情報を、並列化して処理する複数の処理ユニット間で共有することで、処理速度を低下させることなく良好な画質とするためのプリント用の記録画像データを生成することが可能になる。
実施形態に係るマルチファンクションプリンタの概観図。 実施形態に係るASICの構成を示すブロック図。 実施形態に係る分割される領域と各ASICとの関係を示す図。 実施形態に係るASICの並列化の他の例を示す図。 実施形態に係る各ASICの処理システムを示すブロック図。 本発明の第1の実施形態に係るラインセンサと各ASICが処理する領域を模式的に示す図である。 第1の実施形態に係る補正処理の画像処理を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る各画素位置に対する解像力を示すグラフを示す図。 フィルタ係数算出に用いられる設定され得る最も弱いエッジ強調量を有するフィルタ係数の例と、対応する周波数応答を示す図。 フィルタ係数算出に用いられる設定され得る最も強いエッジ強調量を有するフィルタ係数の例と、対応する周波数応答を示す図。 算出されたフィルタ係数の例と、対応する周波数応答を示す図。 第2の実施形態に係るラインセンサと各ASICが処理する領域の関係とラインセンサ間の取り付け誤差を模式的に示す図。 第2の実施形態に係る補正処理の画像処理を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る斜め45度の万線チャートとスキャナ読み取り部から取得した読み取り画像の拡大図を示す図。 第2の実施形態に係る領域境界部の補間画素を示す図。 第3の実施形態に係るラインセンサと各ASICが処理する領域を模式的に示す図。 第3の実施形態に係る補正処理の画像処理を示すフローチャート。 第3の実施形態に係る輝度特性を取得するためのパッチと、パッチの読み取り位置を模式的に表す図。 第3の実施形態に係るラインセンサの輝度特性とダイナミックレンジを示す図。 記録ヘッドの構造と、記録紙との関係を示す図。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、本実施形態では複合機(以下、単にMFPと記す)を取り上げて説明を行うが、単体のスキャナにも適用可能であることは言うまでもない。まず、本実施形態の基礎的な構成とその動作を説明し、その後で、具体的な実施形態を説明する。
図1(a)、(b)は、実施形態に係るMFP1の概観斜視図である。図1(a)は、MFP1のADF(オートドキュメントフィーダ)31部分を閉じた状態を、図1(b)はそれが開いた状態を示している。
このMFP1は、基本的に、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信してプリントするプリンタとしての機能、及び、スキャナとしての機能を有する。さらにMFP単体で動作する機能として、スキャナで読み取った画像をプリンタで印刷するコピー機能、メモリカードなどの記憶媒体から画像データを読み取って印刷する機能、或いはデジタルカメラとダイレクトに接続して、デジタルカメラからの画像データを受信して印刷する機能を備えている。
上記のため、MFP1はフラットベットスキャナなどのスキャナユニット34(CCDやCISで構成される)、インクジェット式によるプリントユニット33を備えている。スキャナユニット34は、複数の検出素子で構成され、その読取範囲は、読取対象の最大サイズの原稿の幅分有する。また、表示パネル等のディスプレイユニット39や各種キースイッチ等を備えるオペレーションユニット35を備えている。更に、MFP1の背面にはPCと通信するためのUSBポート(不図示)が設けられ、PCとの通信が行われる。各種メモリカードからデータを読み出すためのカードスロットを含むカードインタフェイス42やデジタルカメラとデータ通信を行うためのカメラポートを含むカメラインタフェイス43が設けられている。MFP1は、他にも、自動で原稿を原稿台にセットするためのADF31などを備えている。
図20は上記のプリントユニット33に搭載されたプリントヘッド101の構造と、記録媒体(記録紙)110の関係を示している。実施形態におけるプリントヘッド101は、イエローインクを吐出するノズルで構成されるノズルアレイYを有する。同様に、プリントヘッド101は、マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)それぞれの色インクを吐出するためのノズルアレイM,ノズルアレイC,及び、ノズルアレイKを有する。各ノズルアレイにおけるノズルは、記録媒体110の搬送方向(図示の矢印111)に直交する方向に並んでいる。そして、各色成分のノズルアレイによってインクが記録媒体110に吐出され、且つ、記録媒体110が矢印111に不図示の搬送系によって搬送されることで、記録媒体110上にカラー画像が形成される。また、詳細は後述するが、実施形態におけるプリントヘッド101は、プリントヘッド部102、プリントヘッド部103で構成される。これらプリントヘッド部102、103は、互いに独立して処理可能な2つの処理ユニットにより駆動制御されるものである。実施形態では、係る処理ユニットをASIC(Application Specific Integrated Circuit)で実現するものとして説明を続ける。
本実施形態におけるMFP1は複数の処理ユニット、すなわち、複数のASICで構成される。図2は、そのうちの1つのASIC200の構成を示すブロック図である。CPU201は、MFP1が備える様々な機能を制御し、ROM202やRAM203に記憶された画像処理のプログラムを実行する。ROM213は不揮発性のストレージであり、後述する処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。RAM202は、揮発性のストレージであり、プログラムやデータを一時的に保持する。データ転送I/F204はホストPCとの間におけるデータの送受信を制御する他に、ASIC間におけるデータの送受信を制御する。ASIC間の通信は、ホストPC200との送受信とは異なる通信プロトコルやデータフォーマットを用いても良い。例えば、ホストPCとの間はUSBやLANを用いて送受信し、ASIC間はより高速な送受信を行うために例えばPCIExpressを用いて接続する。ASIC間通信はメモリバスを直結しても良い。直結することでASIC間の通信速度を向上させることができる。スキャナユニット34で読み取られたデータは、AFE209でA/D変換された画像データとしてスキャナI/F205を介して受信されRAM203に保存される。スキャナ画像処理部206はRAM203から画像データを読み出し、エッジ強調やガンマ変換などの所定の処理を行ってから処理結果をRAM203に書き込む。プリンタ画像処理部207は、ROM202またはRAM203に格納されている画像データを読み出し、プリントヘッド部102又は103で記録を行う各インク色(Y,M,C,K)のデータへと変換し、量子化(2値化)して、その結果をRAM203に書き込む。プリンタI/F208はプリンタ画像処理部で生成された各インク色のデータをRAM203から読み出してプリントユニット33へ送信する。
図3は本実施形態に係る分割される領域とMFP300のブロック構成図である。MFP300は、図示のごとく3つのASIC301乃至303、スキャナユニット34、及びプリントヘッド部102,103を有する。3つのASICのうち、ASIC301は、装置全体の制御を司るものであり、以下、コントローラ用ASICという。ASIC302、303は、スキャナユニット34の特性に応じた補正、及び、プリントヘッド部102、103を制御するためのデータ、すなわち、プリントヘッド部102で記録するための記録画像データの生成処理を行うものであり、以下、画像処理用ASICという。コントローラ用ASIC301は、スキャナユニット34から読み取られた画像データを入力し、画像処理用ASIC302、303が処理する画像領域の幅に応じて入力した画像データを2分割し、分割した部分画像データをそれぞれの画像処理用ASIC302,303へ送信(分配)する。画像処理用ASIC302、303はそれぞれ担当する画像処理領域(図示の「領域1」「領域2」)のスキャナ画像処理とプリント画像処理を行う。そして、画像処理用ASIC302は処理で得られたデータをプリントヘッド部102に送信する。また、他方の画像処理用ASIC303も、処理で得られたデータをプリントヘッド部103に送信する。プリントヘッド部102、103は受信したインクデータから記録媒体110にインクを吐出し画像を形成する。本実施形態で例示するASIC301乃至303は、いずれも図2で説明したASIC200と同様の構成である。ただし、コントローラ用ASIC301は、必ずしもASIC302、303と同様の構成である必要はなく、画像を分割する機能を持った別構成のASICでもよい。
なお、本実施形態では、画像処理用ASICが2つの構成の場合を説明するが、2つ以上であれば良く、仕様に応じて増加しても良い。画像処理用ASICの数が増加すると並列化数が増加して、1つのASICの処理負荷を抑えつつ高速化・長尺化が可能となる。また、例えばコントローラ用ASIC301を削減し、ASIC302にコントローラ用と画像処理を1つのASICで共用させても良く、そのような構成をとればASICの数が減るためコストを削減することが可能となる。
本実施形態では、コントローラ用ASIC301は、画像処理用ASIC302、303と繋がっているが、この繋ぎ方はスター型と呼ばれる繋ぎ方であり、データの転送効率が良い繋ぎ方である。スター型は転送効率が良いため、転送に係る待ち時間を削減することができ、高速に処理することができる。他の繋ぎ方として、ASICが鎖状に繋がるデイジーチェーン型がある。スター型ではコントローラ用のASICにデータ転送用のI/Fを画像処理用のASIC数分用意しないといけないため、画像処理用ASICの並列数が増加するに従い、I/Fの数も増加していってしまう課題がある。しかし、図4の様にデイジーチェーン型は前のASICと後ろのASICの二つ分のI/Fだけでよく、プリンタが長尺化した時に画像処理用ASICが多く必要になったときでもコントローラ用ASICのI/Fを増やすことない。その結果、コストを低減させることができる。
図5は本実施形態に係る、MFP1におけるASIC301乃至303の処理システムを示すブロック図である。コントローラ用ASIC301のデータ入力部501は、スキャナI/F205を介してスキャナユニット34から受信されたA/D変換後の画像データを入力する。データ分割部502は、入力された画像データを画像処理用ASIC302と303が担当する領域1,2(図3、図4参照」)の画像データに分割する。後に詳細に説明するが、ASIC302と303の担当する処理領域は、予め設定された画素数だけ互いに重複する。それ故、データ分割部502は、入力した画像データを分割する際に互いに重複するように分割する。
画像処理用ASIC302内のデータ入力部503は、コントローラ用ASIC301からのデータ(分割データ)を、データ転送I/F204を介して受け取る。ASIC302のデバイス特性取得部504は、本実施形態ではスキャナユニットの特性を取得するため、予め設定された特定の原稿(濃度分布が既知の原稿)をスキャナユニット34で読み取って得られた画像データを用いて、スキャナユニット34における、画像処理用ASIC302が担当する領域のラインセンサの撮像特性情報を取得する。そして、デバイス特性取得部504は取得したラインセンサの撮像特性情報をASIC302内のRAM203に保存する。また、デバイス特性取得部504、通信部505(データ転送I/F204)を介して、取得したラインセンサの撮像特性情報を画像処理用ASIC303に転送する。
上記と同じ処理をASIC303も行う。従って、画像処理用ASIC302は、画像処理用ASIC303が担当する領域のラインセンサの撮像特性情報をデータ転送I/F204を介して受信する。そして、画像処理用ASIC302は、RAM203に、画像処理用ASIC303から受信したデータを保存する。この結果、画像処理用ASIC302は、スキャナユニット34の全領域の撮像測定情報を保持することが可能になる。なお、ここではRAM203に保存するものとして説明したが、書き込み可能な不揮発性メモリを有するのであれば、その不揮発性メモリに格納しても良い。この場合、次回、特定原稿を読み込むまでは、電源をOFFしたとしても保持できる。また、画像処理用ASIC303も上記と同じ処理を行う。
画像処理用ASIC302内のスキャナ画像処理部506(図2のスキャナ画像処理部206)は、デバイス特性取得部504で取得された画像処理用ASIC302が担当する領域の撮像特性情報と、通信部505で受信した画像処理用ASIC303が担当する領域の撮像特性情報とを用いて、ASCI302が記録処理を行う領域の画像データに対してフィルタ処理や画素補間処理、量子化等を行う。そうすることで、ラインセンサに起因する画質弊害を発生させないように補正を行う。スキャナ画像処理部506で処理されたデータはプリント画像処理部507に渡される。
上記と同様の処理を、画像処理用ASIC303も行う。この結果、画像処理用ASIC303のスキャナ画像処理部511で処理されたデータはプリント画像処理部512に渡される。
本実施形態では、データ分割部502はコントローラ用ASIC301の機能としているが、これに限定するものではない。図4の構成であった場合、画像処理用ASIC302でデータ分割処理を行っても良いし、データ分割用のASICを用いても良く、本実施形態と同等の効果を得ることができる。
なお、撮像特性通信部505が行う通信処理はRAM203に格納されたプログラムをCPU201で実行することで実現できる。データ転送I/F204に専用回路を入れることで通信処理を実現しても良い。専用回路で行うことで、高速に通信処理を行うことができ、処理の高速化を行うことができる。
ラインセンサの撮像特性情報を通信するタイミングは、撮像特性情報によって異なっても良い。適切なタイミングで通信することで、通信量を抑えることと他処理への影響を最小限に抑えることとができるため、処理を高速化することができる。
データ分割部502からデータ入力部503と508への画像データの転送方法は、ASICの繋ぎ方で異なる。図4のようなデイジーチェーン型の繋ぎ方であれば、データ分割部502でそれぞれのASICの担当を割り振り、画像データの転送は全データを転送する。データ入力部503で転送された全データから担当に割り振られている画像データのみを入力し、次に繋がれているASICに残りの画像データを転送する。担当の割り振りは、画素ごとに属性データとして付加しても良いし、転送データに画像データの座標として付加しても良い。図3のようなスター型の繋ぎ方であれば、データ分割部502でデータ入力部503への画像データと、データ入力部508への画像データとに分けて、転送処理することが好ましい。こうすることで転送データ量を減らすことができ、処理を高速化することができる。
本実施形態おける画像処理用ASIC302とASIC303は同じ回路構成になっていることが好ましい。ASICは同じ回路構成のものを大量に作成することで、コストを下げることができることが知られている。本発明では、一つのプリンタに複数の同じ回路構成のAISCを搭載することがでる。そのため、同じ回路構成のASICをより多く作成することができ、コストを削減することができる。
本実施形態では、マルチファンクションプリンタについて説明したが、スキャナ機能のみが記載されているシングルファンクションスキャナについても本発明の範囲内であり、同様の効果を得ることができる。
[第1の実施形態]
本第1の実施形態ではスキャナユニット34のラインセンサの解像力特性から注目画素位置の解像力(特性)に応じたフィルタ係数を設定してフィルタ処理することにより、注目画素位置での解像力の差異を吸収し、各画素位置で読み取られた画像データに対し最適なエッジ強調処理を施すものである。
そこで、本第1の実施形態における、スキャナユニット34のラインセンサの解像力の差異を各画素位置で補正する方法に関して説明する。この処理はスキャナ画像処理部506、511で行われる処理の1つである。
本第1の実施形態におけるスキャナユニット34は、図6に示す600dpiのラインセンサ601で原稿を読取るとする。このラインセンサ601を原稿に対して相対的に移動させることによって原稿全面が走査され、原稿面上の画像の読取りが行われる。また、ラインセンサ601のサイズは、1ライン当り5250画素の読み出しが可能であるとする。本第1の実施形態では図6に概略を示しているが、ラインセンサと直交する方向に分割される左端を基準に1番目から2628画素目の領域を分割領域Aとして図3の画像処理用ASIC302が担当し、2622番目から5250画素目の領域を分割領域Bとして図3のASIC303が担当することとして説明する。図6の斜線部の領域601がオーバーラップしている領域であり、そのサイズは水平方向に7画素となる。なお、画像処理用ASIC302のスキャナ画像処理部506は、上記のように1番目から2628画素について処理するが、プリント画像処理部507が生成する記録用画像データは1番目から2625画素までの印刷範囲となる。同様に、画像処理用ASIC303のスキャナ画像処理部511は、上記のように2622番目から5250画素について処理するが、プリント画像処理部512が生成する記録用画像データは2626画素目から5250画素までの印刷範囲となる。
本第1の実施形態では後述するように7×7のフィルタを使用するため、コントローラ用ASIC301は、データ分割部502では上記で説明した図6の分割領域A、Bを生成し、画像処理用ASIC301、302に渡す。
以下、本第1の実施形態におけるエッジ強調処理を注目画素が2625画素目であるとし、スキャナ画像処理部506の処理を図7の画像処理フローを用いて説明する。なお、以下の説明において、ラインセンサ601における検出素子の並び方向(図6の水平方向)を主走査方向と呼び、記録媒体の搬送方向を副走査方向と読むこととする。
まず、ステップS701にて、スキャナ画像処理部506は、注目画素の解像力を算出する。
ここで、ラインセンサ601の各画素位置に応じた解像力の一例を図8に示す。図8の水平軸はラインセンサ601の画素位置を示し、垂直軸は6lp/mmの解像力の%を示す。lp/mmは、空間周波数を表す単位であり、1mm当りに白黒のラインペアが何ライン入るかを表すものである。以降の説明においては、6lp/mmの解像力で各画素位置での解像力を代表させるように記述するものとする。また、ラインセンサ601に取り付けられるレンズの収差、研磨誤差、取付精度などの要因で、主走査方向の位置に応じて解像力が大きくずれることがあるため、本実施の形態では、主走査方向のみの解像力のずれを補正することを説明する。ピント位置がずれる等の要因で位置に応じて解像力が異なる場合があるため、主副2次元の位置に基づき解像力の補正を行うことも有効であるが、本実施形態では、主走査の1次元の位置に基づく解像力の補正を行うことを説明する。
図8に示す例では、1750画素、3500画素、5250画素の3点での測定された解像力が示され、それぞれの点での解像力は、40%、60%、75%である。解像力は、ラインセンサに垂直な細かい黒白の線状のチャートを投影し、入力輝度と出力信号値の関係等からコントラストの比を計算することにより求められたり、簡易的に細かい黒白の線のパターンを描いた印刷物などのチャート原稿(パターン原稿)として読取り、想定される入力輝度値と出力信号値の比から計算して求めることによって得られる。
上記3点の解像力は、領域を担当するASIC内の書き込み可能な不揮発性メモリ(以下、単に、「ROM」と表現する)に保存される。具体的には、1750画素目の検出素子位置における解像力は画像処理用ASIC302が担当する領域にあるので、画像処理用ASIC302内のROMに、3500画素目と5250画素目の検出素子位置における解像力は画像処理用ASIC303内のROMに保存される。上記3点以外の画素位置での解像力(非検出素子の解像力)は、3点を直線で結び、連続的に変化する、すなわち線形補間することでする。
上記の3点の解像力の情報を用いて、注目画素(2625画素目)の解像力を算出する。例えば1750画素目では図7に示すように算出された解像力40%がそのまま解像力として使用されるが、2625画素目では参照値がないので線形補間により解像力を算出する。2625画素目の解像力を算出するためには本第1の実施形態では1750画素目と3500画素目の解像力が必要である。1750画素目の解像力の情報はASIC302のROMに保持されているが、3500画素目の解像力の情報はASIC302のROMには保持されていない。そのため、解像力の情報をASIC302とASIC303間でデバイス特性取得部505、510がそれぞれ通信部506、519を介して送受信を行い、画像処理用ASIC302のROMに3500画素目の解像力の情報を保持する。ASIC302のROM内に保持されている1750画素目の解像力40%と3500画素目の解像力60%の情報を用いて線形補間処理が行われ、2625画素目の解像力50%が算出される。
次にステップS702にて、スキャナ画像処理部506は、目標とする解像力と注目画素の解像力から、注目画素に対するエッジ強調量の算出を行う。本第1の実施形態では目標とする解像力を300%とする。2625画素目では解像力が50%であるため、目標となるエッジ強調量を達成するために必要なエッジ強調量として、600%(300%(目標とする解像力)÷50%(注目画素の解像力))が求められる。
ステップS703にて、スキャナ画像処理部506は、エッジ強調フィルタのフィルタ係数を算出する。本第1の実施形態では、必要なエッジ強調量6lp/mmで600%を達成するためのフィルタ係数を算出する。フィルタ係数の算出方法の具体例については後述する。なお、算出したフィルタ係数は、ROMに保存するものとする。そして、適当なタイミングで更新されるようにする。
ステップS704にて、スキャナ画像処理部506は、上記のステップS703で算出されたフィルタ係数を用いて、演算に必要な注目画素近傍の画像データを用いて畳み込み演算を行う。これにより、注目画素位置2625画素目のフィルタ演算結果が得られる。
上記のステップS701からS704までの処理が上記の分割領域AとBを担当するASIC302、303によって画像データの各画素に対して処理を行う。
次に、スキャナ画像処理部506によるフィルタ係数の算出処理を、図9、図10、図11を用いて説明する。
図9(a)と図10(a)はフィルタ係数を算出するのに用いられるフィルタ係数である。図9(b)は図9(a)のフィルタ係数の周波数応答線図、図10(b)は図10(a)のフィルタ係数の周波数応答線図である。図11(a)は算出されたフィルタ係数であり、図11(b)は図11(a)の周波数応答線図である。
想定されるフィルタ係数の全てを予め保持しておくことは膨大なメモリ容量が必要となるため、現実的ではない。そこで、本実施形態では、保持している少なくとも2つのフィルタ係数から、必要とするエッジ強調量を満足するためのフィルタ係数を算出する。
本実施形態では、図9(a)と図10(a)の2つのフィルタ係数を用いる。図9(a)のフィルタ係数は、設定され得る最も弱いエッジ強調量を有するフィルタ係数であり、図10(a)のフィルタ係数は、設定され得る最も強いエッジ強調量を有するフィルタ係数である。
図9(b)、図10(b)において、その水平は空間周波数を表し、その単位はlp/mmである。垂直軸はパワーを表し、それぞれの周波数成分を何倍に強調するかを示している。ここでは、倍数を表しているため、%表示の1/100の表記としている。図9(a)のフィルタ係数に関しては、図9(b)からエッジ強調のピークが約41lp/mmで、400%になることが分かる。また、図10(a)のフィルタ係数に関しては、図10(b)からエッジ強調のピークが約41lp/mmで、700%になることが分かる。これら2つのフィルタ係数を用いて中間のピークのフィルタ係数が求められる。本実施形態では、ピーク値をパラメータとして、フィルタ係数を線形補間によって生成するため、上記のように膨大なメモリ容量を必要としない。
次に図9(a)、図10(a)に示す7×7のフィルタ係数を用いた線形補間について説明する。図9(a)、図10(a)に示す7×7のフィルタ係数の水平方向をX方向(主走査方向)、垂直方向をY方向(副走査方向)とし、図9(a)のフィルタ係数をF400(M、N)、図10(a)のフィルタ係数をF700(M、N)で表わすものとする。ここで、Fの後の数値はフィルタ係数のピーク値を表す。また、最初の引数MをX方向、次の引数NをY方向とする。上記表記は、各図中の左上を0行0列として、N行M列の係数を表しており、例えば、F400(2、3)の場合、2行3列の51を表す。
デジタルフィルタは、一般的に線形演算であるので、ピークの周波数の変わらないフィルタ係数は、線形補間演算によって求めることができる。例えば、ステップS802で算出されたエッジ強調量が560%とすると、この560%に対応するフィルタ係数F560(M、N)は、以下の(1)式に従い算出される。
F560(M、N)=F400(M、N)*(700−560)/(700−400)+F700(M、N)*(560−400)/(700−400) …(1)
小数部分は四捨五入すると、例えば560%の1行1列は−24となる。これを7×7個分演算することによって、560%に対応するフィルタ係数が求められる。本実施の形態では、図9(a)、図10(a)からも分かるように、係数の総数を128としている。線形補間演算の結果を整数で丸めることにより、若干総数がずれるので、3行3列目の係数で総数が128になるように調整する。この演算では、560%の係数の3行3列目は、279となるが、上記調整により276となる。このようにして得られた560%のフィルタ係数を図11(a)に、その周波数応答線図を図11(b)に示す。図14から、ピークが560%近傍にあることが分かる。
このように、400%から700%の間のフィルタ係数を演算により求めることが可能である。また、400%以下、700%以上の場合でも、目標とするピーク位置が大きくずれない範囲でなら、同様の演算で求めることも可能である。
本第1の実施形態においてASIC間で解像力の特性情報を互いに送受信しない場合、例えば2625画素目においては、1750画素目の解像力を40%とし、3500画素目の解像力も40%と仮定して処理する場合が考えられる。この場合は、2625画素目の解像力を40%としてエッジ強調量が算出され、それ対応するフィルタによって畳み込み演算が行われる。これでは実際の解像力が低く見積もられてエッジ強調処理が行われる。そのため境界部周辺では実際より濃く処理されてしまうことで画像中に縦スジが発生する。
本第1の実施形態で示したように、画像データをラインセンサと直交する方向に2つのブロックに分割してそれぞれの領域を異なるASICがエッジ処理する場合に、分割画像の領域を互いに重複させ、かつ各ASICが担当する領域のラインセンサの解像力の特性を相互に伝達する。その結果、領域を並列で処理し、互いの領域の解像力の特性情報を使用して処理することで領域の境界に発生する縦スジを抑制することが可能となる。
本第1の実施形態では、ラインセンサから取得される画像データを5250画素として説明したが、実際にはより多くの画素が取得される。また本第1の実施形態では、5250画素中の3画素について解像力の特性情報を算出したが、これもメモリ容量や処理精度に応じて、算出する画素数と間隔を自由に設定して良い。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態を説明する。本第2の実施形態における装置構成は第1の実施形態と同じであるものとし、その説明は省略する。本第2実施形態では、ラインセンサ601の取り付け誤差により失われる画像情報を補間処理により生成する方法に関して説明する。この処理はスキャナ画像処理部506、511で行われる処理の1つである。
本第2の実施形態では図12に示すようにスキャナのラインセンサ601が、一列に連結された2つのセンサアレイ1201,1202で原稿を読み取る。図12の分割領域AはASIC302が、分割領域BはASIC303が担当しており図中の斜線部の領域1003をオーバーラップさせて処理する。
この場合、図12に示すようにラインセンサの取り付け精度によって2つのセンサアレイ1201,1202の連結する部分に隙間(距離d)が発生する場合がある。
仮にセンサアレイ1201は正しい位置に設定され、センサアレイ1202が本来の位置より水平右方向に1画素ずれた位置に設定されたとする(d=1画素サイズの場合に相当)。装置には、センサアレイ1201、1202で読み取って得られた画像が、原稿にずれのないようにするため、隙間dの値を設定する。この結果、センサアレイ1201から得られた部分画像の右隣に隙間dに相当する1画素の空白を挿入し、そして、その右隣にセンサアレイ1202から得られた部分画像を配置し、各種画像処理を進めることになる。この結果、画像データの一部分が原稿に対してずれることは無くなるものの、画像データの一部に縦(垂直)に白スジ(情報なし)が発生する。そこで、本第2の実施形態では、この白スジを周囲の画素情報を用いて補間することにより白スジの発生を抑制する。
以下、本第2の実施形態における上記の補間処理(ここではスキャナ画像処理部506とする)を図13に示すフローチャートに従って説明する。
まずステップS1301において、スキャナ画像処理部506は、上記ラインセンサ連結部の距離dを決定する。具体的には、図14(a)に示すような斜め45度の万線チャートを読み取る。このチャートにおける各線間の水平方向の距離は等間隔であるものとする。このチャートを読み取った場合、画像処理用ASIC302に入力された分割領域Aと画像処理用ASIC303に入力された分割領域Bに関しては図14(b)の左と右の画像が読み取られる。分かり易くするために分割領域AとBの境界部を拡大した画像を図14(b)に示している。この図14(b)のW1とW2の距離(画素数)が分かれば、図12の距離dが推定可能となる。W1,W2を見つけるアルゴリズムは、例えば次のようにすればよい。
画像の水平ライン(行)を変数iで特定する。そして、分割領域Aの第i行の右端画素をPR(i)、分割領域Bの第i行の左端の画素をPL(i)とする。そして、変数iを1から順に増加させていき、最初に
R(i)=PL(i)=白画素
となる変数iを求める。図14(b)の例では、最初の行、つまり、i=1で上記条件が満たされることになる。W1は、分割領域Aの右端画素PR(i)を開始位置とし、水平左方向にスキャンして最初に見つかった黒画素と右端画素PR(i)との間の画素数(距離)とする。W2は、分割領域Bの左端画素PL(i)を開始位置として、水平右方向にスキャンして最初に見つかった黒画素と左端端画素PL(i)との間の画素数である。
画像処理用ASIC302のデバイス特性取得部504は分割領域Aの右端部の画素数W1(図14(b)の例ではW1=1)を検出し、画像処理用ASIC302内の書き込み可能な不揮発性メモリ(ROM)に保存する。一方、ASIC303のデバイス特性取得部511は画像領域Bの左端部の画素数W2(図14(b)では、W2=4)を検出し、画像処理用ASIC303の書き込み可能な不揮発性メモリ(ROM)に保存する。
画像処理用ASIC302は画像処理用ASIC303で求めたW2の情報が分からないと図12のdの距離が分からない。逆に、画像処理用ASIC303は画像処理用ASIC302で求めたW1の情報が分からないと図12のdの距離が分からない。そのため、W1、W2の情報を画像処理用ASIC302、303間で共有する。このため、双方のデバイス特性取得部504、509はそれぞれの通信部505、510によって送受信を行う。そして、画像処理用ASIC302、303それぞれは、W1,W2をそれぞれの不揮発性メモリ(ROM)に保持する。その後、スキャナ画像処理部511において、W1とW2の情報から図12のdの距離(画素数)が算出される。万線チャートにおける斜め45度の線の水平方向の距離(画素数)が既知であり、仮に、その既知の距離が4であるとしたとき、
d=既知の距離−W1−W2=4−1−2=1
として算出することができる。なお、万線チャートにおける斜め45度の線が互いに等間隔に並んでいるのであれば、隣接する黒線の水平方向の間隔(画素数)は、水平方向にスキャンした際の黒画素から白画素に変わった位置と、白画素から黒画素に変わった位置から導出可能である。
次のステップS1301において、スキャナ画像処理部506は、画素情報を補間するために分割画像Aの右端1画素と分割画像Bの左端1画素を使用して線形補間処理を行う。そのため、上記で説明したコントローラ用のASIC301では、取得した画像に対して図12に示すようにデータ分割部502で分割画像AとBを生成して画像処理用ASIC302、303に渡す。画像データの重複部は分割画像Aの右端1画素であり図12の斜線部となる。画像処理用ASIC303は各画素の画像処理を開始する前に補間画素値を算出し、補間画素を挿入する。補間画素値は例えば分割領域Aの右端のRGB値が(100、100、100)、分割領域Bの左端のRGB値が(60、60、60)であれば、dの距離1画素からRGB値(80、80、80)を算出する。その後ステップS1303で図15に示すように、オーバーラップ部1501の情報を用いて補間された補間画素を領域境界の補間画素付加部1502に付加する。
本第2の実施形態では、画像データをラインセンサと直交する方向に複数のブロックに分割し、それぞれの領域を異なるASICがラインセンサの取り付け誤差に起因する画素補間を行う。分割画像の領域を重複させ、かつ各ASICが担当する領域に依存するセンサが取得した線幅の情報をASIC間で伝達することで、領域を並列で処理するとともに画像読み取り部の取り付け誤差に起因する縦スジを抑制することが可能となる。
本第2の実施形態では、説明を分かり易くするために線形補間に使用するための画素を分割画像Aの右端1画素と分割画像Bの左端1画素として線形補間する例を示したが、補間に使用する画素は、例えば補間対象画素の周囲9画素でもよく、本第2の実施形態の画素数に限られるものではない。
[第3の実施形態]
本第3の実施形態では、スキャナユニット34のラインセンサが複数のセンサアレイで構成され、且つ、互いにオーバーラップさせた構造を有する画像処理装置において、センサアレイ間で暗部ノイズを増強しないように輝度特性を補正する方法に関して説明する。この処理はスキャナ画像処理部506、511で行われる処理の1つである。
本第3の実施形態では、図16に示すように原稿の幅よりも短い2つのセンサアレイ1601,1602を有し、互いに一部の領域をオーバーラップして読み取ることができる構成となっている。本第3の実施形態では、図16の分割領域AをASIC302が、分割領域BをASIC303が担当しており斜線部の領域1603をオーバーラップさせて処理する。他の構成は第1の実施形態と同じであるものとし、以下では、本第3の実施形態におけるスキャナ画像処理部506の補正処理を図17に示す画像処理フローで説明する。
まずステップS1701において、スキャナ画像処理部506は、輝度特性の補正を行うために、スキャナユニット34の各センサアレイ1601、1602の輝度特性を取得する。これは、図18(a)に示す白から黒のグレーのパッチ(濃淡パターン)をそれぞれセンサアレイ1601と1602のオーバーラップ部で図18(b)に示すように読み取る。オーバーラップ部で原稿中の同じパッチ部分を読み取ることは、センサアレイの輝度特性の取得において原稿中の濃度むらの影響をなくすことが目的である。各センサアレイで読み取られた各パッチのRGB値からラインセンサのRGB各チャネルの輝度特性を取得する。図19はセンサアレイ1601、1602のオーバーラップ部におけるRチャンネルの輝度特性である。図16に示す各特性で補正をすることなく原稿全面に対する画像データを生成すると、原稿上で同じ明るさであるはずの部分が、読み取り後の画像データ上では同一のデータとならない。そのためセンサアレイ1601と1602の輝度特性の差を補正する必要がある。
画像処理用ASIC302で分割領域Aを処理する際、画像処理用ASIC302のデバイス特性取得部505は、画像処理用ASICのデバイス特性取得部509と通信し、分割領域Bを担当する画像処理用ASIC303の不揮発性メモリに保存されている図16に示すセンサアレイ1602の輝度特性を取得し、自身の不揮発性メモリに保存する。画像処理用ASIC303のデバイス特性取得部5059も同様の処理を行い、画像処理用ASIC302の不揮発性メモリに保存されている図16に示すセンサアレイ1601の輝度特性を取得し、自身の不揮発性メモリに保存する。
次にステップS1702にて、スキャナ画像処理部506は、センサアレイ1601と1602の輝度特性のダイナミックレンジを算出する。本第3の実施形態でのダイナミックレンジとは、図19に示すように白点と黒点の信号値の差とする。次にステップS1703にて、スキャナ画像処理部506は、どちらのセンサアレイのダイナミックレンジが狭いかを判定する。ここでは、図19に従って、センサアレイ1601のダイナミックレンジの方が、センサアレイ1602のそれより広いと判定されるとする。そのため、画像処理用ASIC302は、ステップS1704にて、図16に示すセンサアレイ1601の特性をラインアレイ1602の特性に変換する1次元のルックアップテーブル(LUT)をRGBの各チャンネルに対して作成し、ステップS1705でそのLUT処理により輝度特性を補正する。
一方で、画像処理用ASIC303では、同様の判定をステップS1703で行った結果、センサアレイ1602のダイナミックレンジの方が狭いと判定されるため、輝度特性の補正はリニアなLUTが適用される(輝度特性は補正されない)。このようにダイナミックレンジを比較して低い方に補正するのは、ラインセンサで読み取られる特に暗部のノイズを増強させることなくラインセンサ間の輝度特性を補正することで、読み取り後の画像データの画質弊害を防ぐためである。
本第3の実施形態で示したように、センサアレイが原稿の同一領域を重複するように読取ることで各センサアレイの輝度特性を取得し、各センサアレイに対応した領域を処理するASIC間で互いに取得した輝度特性の情報を伝達する。これにより、領域を並列で処理するとともに、ノイズを増強せずにセンサアレイ間の輝度特性の差を補正することで画質弊害を抑制することが可能となる。
上記の実施形態ではいずれもASICはスター型で繋がれた状態で画像処理を担当するASIC(処理ユニット)間で読取りデバイスの特性情報を送受信する例を示したが、読取りデバイスの特性情報はコントローラを担当するASICを介して送受信することとしてもよい。
また、実施形態では2つの領域を異なるASICで処理する例を示したが、本発明はこれに限られたものではない。例えば、処理高速化のために分割数と分割領域に対応するASICを3つ以上に増やしてもよいし、スキャナの読取り可能な範囲が非常に広い場合には分割数と分割する領域に対応するASICをさらに増やしても良い。
1…MFP、31…オートドキュメントフィーダ、33…プリントユニット、34…スキャナユニット、35…オペレーションパネル、301、302、303…ASIC、501、503,508…データ入力部、502…データ分割部、504,505…デバイス特性取得部、505,510…通信部、506、511…スキャナ画像処理部、507,512…プリント画像処理部

Claims (9)

  1. 原稿を読み取るためのスキャナユニットを有する画像処理装置であって、
    前記スキャナユニットを構成する検出素子の特性に応じた処理、並びに、前記スキャナユニットで読み取った画像から印刷のための記録画像データを生成するための画像処理を行う、互いに並列して処理可能な第1の処理ユニットと第2の処理ユニットとを有し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれは、
    前記スキャナユニットにおける自身が担当する読取範囲の各検出素子の特性に関する情報を検出する検出手段と、
    他方の処理ユニットで検出した特性に関する情報を受信することで、自身が担当する読取範囲を超える特性に関する情報を取得する取得手段と、
    前記検出手段、及び、前記取得手段で得られた特性に関する情報に基づき、前記スキャナユニットで読み取られた画像データにおける、自身が担当する印刷範囲の部分画像データを補正して、前記記録像データを生成する画像処理手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記検出手段は、自身が担当する読取範囲における予め設定された、とびとびの位置の検出素子の読み取りに関する特性を検出し、
    前記画像処理手段は、自身が検出した検出素子の特性に関する情報、他方の処理ユニットが検出した検出素子の特性に関する情報から、線形補間することで非検出素子の特性を推定し、推定した各検出素子の特性に従ったフィルタを用いて、前記スキャナユニットで読み取られた画像データにおける該当する画素を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特性に関する情報は、前記スキャナユニットの検出素子における解像力を示す情報であって、
    前記画像処理手段が用いるフィルタはエッジ強調フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記スキャナユニットは、前記第1の処理ユニットが担当する読取範囲の読み取る第1のセンサアレイと、前記第2の処理ユニットが担当する読取範囲の読み取る第2のセンサアレイとを有し、且つ、読取り対象の原稿の搬送方向に直交する方向に並列に、且つ、前記直交する方向の読取り範囲が互いに重複しないように並ぶ構成を有し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれの前記検出手段は、
    前記スキャナユニットで予め設定されたパターン原稿を読み取って得た、自身が担当する読取範囲の境界部におけるパターンに関する情報を更に検出し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれの前記取得手段は、
    他方の処理ユニットで検出した前記境界部におけるパターンに関する情報を受信することで、自身が担当する読取範囲を超えるパターンに関する情報を取得する取得手段と、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれの前記画像処理手段は、
    前記検出手段、及び、前記取得手段で得られたパターンに関する情報に基づき、前記スキャナユニットを構成する前記第1のセンサアレイと前記第2のセンサアレイ間の隙間を判定し、当該隙間に対応する画素を補間する補間手段を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記スキャナユニットは、前記第1の処理ユニットが担当する読取範囲の読み取る第1のセンサアレイと、前記第2の処理ユニットが担当する読取範囲の読み取る第2のセンサアレイとを有し、且つ、読み取り対象の原稿の搬送方向に直交する方向に並列に、且つ、前記直交する方向の読取範囲の一部分が互いに重複するように並ぶ構成を有し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれの前記検出手段は、
    前記スキャナユニットで、所定の濃淡パターンを有する原稿を読み取って得た各検出素子の輝度値を検出し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれの前記取得手段は、
    他方の処理ユニットで検出した前記重複する部分の輝度値を受信し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれの前記画像処理手段は、
    前記検出手段、及び、前記取得手段で得られた前記重複する部分の輝度値から、当該重複する部分におけるダイナミックレンジの広いのが前記第1、第2のセンサアレイのいずれであるかを判定する判定手段と、
    自身が担当するセンサアレイの方がダイナミックレンジの広い場合には、ダイナミックレンジが狭い方の輝度値に変換することで、自身が担当する画像を補正する手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の処理ユニット、前記第2の処理ユニットはASICで構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記スキャナユニットで読み取った画像を分割し、前記第1、第2の処理ユニットに分配すると共に、装置全体の制御を司るコントローラとして機能するASICを更に有することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 更に、複数のインクを吐出するノズルが、記録紙の搬送方向に直交する主走査方向に並んだプリントユニットを有し、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれは、前記プリントユニットで印刷する範囲を、前記主走査方向に分割した各領域の前記記録画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 原稿を読み取るためのスキャナユニットと、
    前記スキャナユニットを構成する検出素子の特性に応じた処理、並びに、前記スキャナユニットで読み取った画像から印刷のための記録画像データを生成するための画像処理を行う、互いに並列して処理可能な第1の処理ユニットと第2の処理ユニットとを有する画像処理装置の制御方法であって、
    前記第1、第2の処理ユニットそれぞれは、
    前記スキャナユニットにおける自身が担当する読取範囲の各検出素子の特性に関する情報を検出する検出工程と、
    他方の処理ユニットで検出した特性に関する情報を受信することで、自身が担当する読取範囲を超える特性に関する情報を取得する取得工程と、
    前記検出工程、及び、前記取得工程で得られた特性に関する情報に基づき、前記スキャナユニットで読み取られた画像データにおける、自身が担当する印刷範囲の部分画像データを補正して、前記記録像データを生成する画像処理工程と
    を実行することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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