JP6489393B1 - 防振シート - Google Patents

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Abstract

【課題】防振シートにあって、液体をいれる封入容器にあって、袋体内部の内容物の密閉性が充分確保できる、特に高い温度の雰囲気の環境で使用可能な防振シートを提供する。
【解決手段】フィルムではさんで、内部に液体を保持した液体封入袋体を有する防振シートであって、前記フィルムは、アルミニウムなどの金属層を有する積層体であることを特徴とする防振シートとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、防振シートに関する。
振動の多くは、連続的衝撃波などの物質を伝わる物質波によって起こる。その場合、液体またはゼリー状物質は、物質波の主成分であるS波を伝えない性質を有する。この液体等の持つ物性を防振具として利用できるようにしたものに、特開2015−094448号や特開2014−105399号に記載の方法がある。これらは、本出願の発明者により創出されたもので、液体等を封入した袋体を複数、面上に配置したもので、その面を介して振動機器や乗用車、運搬車、船舶ほか動力機器の振動が、人体の様ざまな部位に伝わりにくくした用具を提供するものである。特開2014−105399号公報には、手のひら側に液体等の入った、複数の袋体容器を配した手袋の構造が記載されている。また、特開2015−094448号公報には、液体等の入った液体封入袋体を平面状に配し、その構造の強化と移動を制限するブロック化した二重の袋体構造の防振シートが記載されている。
特開2015−094448号公報 特開2014−105399号公報
しかしながら、上記のものは、液体等を封入する液体封入袋体の素材として、塩化ビニール、ポリカーボネート、アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などのフィルムを使用しているが、これらの素材では、液体封入袋体内部の内容物の密閉性が必ずしも充分確保できない場合があった。特に高い温度の雰囲気の環境で長時間使用した場合には、不十分であった。
そのため、防振シートとしてのシート強度性能を維持しながら、液体封入袋体内部の内容物の密閉性が長時間充分確保できる、特に高い温度の雰囲気の環境で長時間使用可能な防振シートを提供する。
発明が解決するための手段
(1)金属層を有する積層フィルムではさんで、内部に流動性の液体を保持した液体封入袋体と、前記液体封入袋体を外側から保持する外袋体とを有し、その外袋体は繊維が織物状または繊維と樹脂が被着積層した繊維強化フィルムを使用していることを特徴とする防振シート。
(2)前記外袋体が、カーボン繊維を使用していることを特徴とする(1)の防振シート。
発明の効果
積層フィルムとして、アルミニウムなどの金属層を有する積層体とすることで、液体封入袋体内部の液体が、気体として飛散するのを抑制する密閉性が充分確保できるので、温度、湿度ほか過酷な環境、特に高い温度の雰囲気の環境で長時間使用可能な防振シートを提供することができる。
本発明の防振シ−トの液体封入内袋体の概略斜視図を示している。 本発明の防振シ−トの液体封入内袋体を入れた外袋体とその外袋体を入れたケースの概略斜視図を示している。 本発明の防振シ−トの別の概略斜視図を示している。
本発明の積層フィルムは、金属層を有する積層体、好ましくは、金属層の一方側に樹脂層と、もう一方側に固着層の有する積層シート構造で、液体封入袋体の袋部分に使用する。樹脂層と金属層との間には、接着材などによる被着層、金属層と固着層との間には、金属防食層などを適宜設ける。被着層としてはナイロン材を使用すると突き刺し強度向上の点で好ましい。
金属層は、箔、蒸着などによる金属の薄層で、酸素ガス、水蒸気等の透過を抑制することができる。金属としては例えば、アルミニウム、銅などが使用できる。
箔の厚みとしては、0.01〜1mmが好ましく、さらに0.05〜0.8mmがより好ましい。厚みが、0.01mmより薄くなると、ピンホールが増大し、膜強度が損なわれる恐れがあり、また、1mmより厚くなると、柔軟性が損なわれる場合がある。
蒸着膜の厚みとしては、10nm〜100nm、好ましくは30nmから60nmで、厚みが、10nmより薄くなると、ピンホールが増大し、100nmより厚くなると、基材の蒸着時の熱劣化を引き起こしやすい。
樹脂層は、防振シートの外表面側に設けるもので、主にその内側の金属層を保護する役目と内部の液体を保持する役目とがある。樹脂層の材質は、塩化ビニール、ポリカーボネート、アクリルニトリルブタジエン樹脂、ナイロン、ポリリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタンなどのプラスチックが使用できる。ナイロンは、突き刺し強度向上の点で好ましい。
樹脂層の厚さは30μm程度から3mm程度のものが使用し易い。30μm以下だと強度が不足し、3mm以上だと柔軟性が減退し易く振動機器や振動工具にフィットしにくい。
固着層は、積層フィルムの周辺を固着して防振シートとして袋状にするための層で、熱溶融性の樹脂または熱接着性の樹脂などが使用できる。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン等の接着性樹脂が使用できる。
本発明の液体は、防振シートの液体封入袋体の内部に保持されるもので、液体または必要に応じて、食塩、砂糖、寒天、ゼラチンまたは石鹸などの溶質を溶解または分散したものからなっている。液体としては、水やアルコールなどの溶剤が使用できる。寒天やゼラチンなどは、使用時に流動性のあるものが好ましい。
本発明の外袋体は、防振シートの大まかな外形を形成したもので、一個または複数個の液体封入袋体を、適宜配置し固定する機能を有する。その形状は、使用される防振に合わせたものとなる。また、その表面には、クッション層、裏面にはすべり止め層などのほか製品の体裁を整え、それを入れるデザインされたケースを必要な場合設けている。
本発明の繊維強化フィルムは、液体封入袋体を外側から保持する外袋体を設ける場合のその外袋体に使用するフィルムで、繊維で強化された樹脂からなるフィルムまたは繊維と樹脂が被着積層されたものが使用できる。
繊維としては、一般に全ての公知の有機又は無機の強化繊維、例えばガラス繊維、カーボン繊維、ポリアミド繊維、セラミック繊維、金属繊維及びそれらの組合せ繊維等が使用できる。繊維の形状としては特に限定されるものではないが、織布状のものが好適である。
本発明のカーボン繊維は、液体封入袋体の強化と形状の多様化に対応するために用いる。使用目的が異形の場合には、目的に応じたブロック化を、繊維を縫い合わせることで実現出来る。
本発明のカーボン繊維は、さらに新しい使用目的に道を開拓する。例えばCFRPとして、成形して機械の部品として、振動軽減出来る形状が実現するとさらに使用用途が広がる。
次に本発明の実施の態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の防振シ−トの液体封入内袋体の概略斜視図を示している。図1(イ)は、斜視図、図1(ロ)は、幅方向の断面図を示している。
1は、液体で、水やアルコールなどを溶媒として、耐寒温度として−10℃程度の性能を想定している。また内容成分の変質に依って内袋体そのものに影響があってはならない。それらを考慮して溶質成分を構成している。
2は、積層フィルムで、2aは、樹脂層、2bは、金属層、2cは固着層を示している。
図2は、本発明の防振シ−トの液体封入内袋体を入れた外袋体とその外袋体を入れたケースの概略斜視図を示している。
3は、形に従って装着された内袋積層フィルムである。条件として分割されているのであるから、一つの袋体に係る圧力は全体のそれの数分の一になるが、余裕が必要である。
4は、外袋体である。形状の自由度を持ち、強化樹脂フィルムに限定する必要もない。すでに公知の有機または無機の強化繊維を使用出来る。
図3は、本発明の防振シ−トの別の概略斜視図を示している。
5は、体裁を整えるデザインされたケースである。とくに材質限定する必要もない。
6は、この場合防振具を目的に装着する固定用ベルトである。
7は、ケース内に外袋体として完成した防振具をいれるファスナーである。
防振機能は、いままでの作業で終了しているので、最後はデザインされたシート・ケースに入れる。言うまでもないが、このケースは安全性や機能、操作性など、使用上十分な設計が求められる。
防振シートの使用例として、例をあげる。
一例、ハーレーダビットソンの座席の防振シートに使用したAさんは、埼玉市から仙台市まで片道約400キロ同車に防振具を装着。一度も休むことなく(給油一度含む)走破できた。積層フィルムに金属層を有していない従来のものは、エンジンの熱が座席に伝わり液体を封入した液体封入袋体から水分が逃げ出し、防振シートが変形して性能が落ちてしまっていたが、こんどのものは、そういうことがなかった。
もう一例、同じくハーレーダビットソンの使用例。東京都のBさん、走行距離500キロのBさんは、ハーレーのウルトラという一番大型の機種だ。
元々振動は少ない方らしいのですが、更に振動が軽減され、熱による防振シートの変形もなく快適に走行できたと報告してきた。
最後の一人は、愛媛県のタクシーの運転手Cさん。朝8時から夜0時までの隔日勤務だそうだ。一日の利用時間が長いので、防振シートの液体に体温の影響が懸念されるが、すでに4か月になるが、防振具の形状変化に特に指摘はない。(体に伝わる振動が軽減され大変楽になりました。)と報告してきた。65歳の彼は腰が痛いのも、背筋痛も年齢的限界かと思っていたそうだ。
1 液体
2 積層フィルム
2a 樹脂層
2b 金属層
2c 固着層
3 液体封入袋体
4 外袋体
5 デザインされたケース
6 固定用ベルト
7 ファスナー

Claims (2)

  1. 金属層を有する積層フィルムではさんで、内部に流動性の液体を保持した液体封入袋体と、前記液体封入袋体を外側から保持する外袋体とを有し、その外袋体は繊維が織物状または繊維と樹脂が被着積層した繊維強化フィルムを使用していることを特徴とする防振シート。
  2. 前記外袋体が、カーボン繊維を使用していることを特徴とする請求項の防振シート。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177819A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Polymatech Co Ltd 粘性流体封入ダンパー
JP2010002154A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Ooshin Mlp:Kk 採暖装置
JP2015094448A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 有限会社鯛のたい 防振シート

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