JP6489000B2 - 情報処理装置、情報処理システム、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、印刷ジョブを用いて描画データを作成する情報処理装置等に関する。
業務用の大量の文書を印刷したり製本したりするいわゆるプロダクションプリンティングが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、印刷システム全体を考慮して、後処理が利用可能か否かをユーザに通知できる印刷システムが開示されている。
プロダクションプリンティングでは印刷工程がワークフローとして扱われることが多いが、印刷ワークフローでは、印刷ワークフローのオープン化が進められている。オープン化により、各社のソフトウェア(次述するワークフローアプリケーション)や印刷機器が、印刷の主要な工程における印刷ジョブの設定などを共通の記述方式で記述することが可能となる。印刷ワークフローの工程全体を記述するフォーマットとしてJDF(Job Definition Format)と呼ばれる標準フォーマットが知られている。
印刷ワークフローの工程には、文書やコンテンツの作成、印刷方法の指定、印刷、後処理などの各種の工程がある。これらの各工程は様々なワークフローアプリケーションや印刷機器により行われるものであるが、JDFによりワークフローアプリケーションや印刷機器のメーカの違いに関わりなく、印刷機器間の連携や印刷工程管理等が可能になる。
しかしながら、各ワークフローアプリケーションや印刷機器がJDFを拡張する場合があり、この場合、各社のワークフローアプリケーションが作成するJDFがワークフローアプリケーション独自の記述を含む場合がある。
図1(a)はC社の印刷処理装置が印刷ジョブを受け付ける際の不都合を説明する図の一例である。なお、図1は比較例であって従来例でないことに注意されたい。C社の印刷処理装置は、A社、B社のワークフローアプリケーションから印刷ジョブを取得している。各ワークフローアプリケーションはJDFを拡張しているため、C社の印刷処理装置は、JDFを解析して処理できないという状況が生じ得る。
そこで、各ワークフローアプリケーションの印刷ジョブに対応すべく、C社の印刷処理装置は、JDFの変換と各ワークフローアプリケーションに対応したレンダリングエンジン(以下、RIPエンジンという)を搭載することが考えられる。図1(b)では、JDF解析部56がJDFを解析してJDFを作成したワークフローアプリケーションのメーカを判断し、JDFをC社の印刷処理装置が扱える設定情報に変換する。また、各ワークフローアプリケーションに対応したRIPエンジンを有することで、各ワークフローアプリケーションが作成した印刷ジョブをユーザが意図する仕上がりで印刷することができる。
したがって、各ワークフローアプリケーションがJDFを拡張していても、C社の印刷処理装置は、A社、B社のワークフローアプリケーションが作成した印刷ジョブをユーザが意図する仕上がりで印刷できるようになる。
しかしながら、このような態様ではC社の印刷処理装置が印刷ジョブに基づいてRIPエンジンを選択することしかできないので、A社ワークフローアプリケーションやB社ワークフローアプリケーションがRIPエンジンを指定することができないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、外部からレンダリングエンジンを選択可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、印刷装置において画像形成に用いられる描画データを作成する複数の描画データ作成手段と通信可能な情報処理装置であって、印刷ジョブを用いて前記描画データを作成する前記描画データ作成手段の指定と共に前記印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、前記印刷ジョブ受信手段が受信した前記印刷ジョブを、印刷ジョブと共に指定された前記描画データ作成手段に出力する印刷ジョブ出力手段と、を有し、前記印刷ジョブ受信手段は、受信した印刷ジョブに動作モードを指定する動作モード指定情報を添付し、
前記印刷ジョブ出力手段は、印刷ジョブと共に前記動作モード指定情報を指定された前記描画データ作成手段に出力し、前記描画データ作成手段は前記動作モード指定情報が添付されている場合、添付されていない場合と異なる動作モードで前記描画データを作成することを特徴とする。
外部からレンダリングエンジンを選択可能な情報処理装置を提供することができる。
C社の印刷処理装置が印刷ジョブを受け付ける際の不都合を説明する図の一例である。 本実施形態のDFEの概略的な特徴を説明する図の一例である。 A社ワークフローアプリケーションがA社RIPエンジンに属性を設定する際の不都合を説明する図の一例である。 ワークフローアプリケーションが、DFEがサポートしていない属性を指定するための構成の概略を説明する図の一例である。 本実施形態に係る印刷システムの全体構成図の一例である。 DFEのハードウェア構成図の一例である。 DFEの機能ブロック図の一例である。 アプリケーションの機能ブロック図の一例である。 アプリケーションがDFEに送信する処理要求(問い合わせ)の一例を示す図である。 A社個別ジョブ受信部が印刷ジョブに添付する「Pass Through Mode」を示す情報を模式的に説明する図の一例である。 JDFの記載の一部を説明する図の一例である。 変換テーブルの一例を示す図である。 「DFE内ジョブ属性」の作成を説明する図の一例である。 「DFE内ジョブ属性」の一例を示す図である。 PDLと「DFE内ジョブ属性」から作成される「RIP Parameter List」を示す図の一例である。 印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報が添付されている場合の「RIP Parameter List」の一例を示す図である。 「Pass Through Mode」を示す情報が添付されない場合の、印刷ジョブの処理手順を示すシーケンス図の一例である。 「Pass Through Mode」を示す情報が添付される場合の、印刷ジョブの処理手順を示すシーケンス図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
〔本実施形態のRIPエンジンの指定方法〕
図2は、本実施形態のDFEの概略的な特徴を説明する図の一例である。図2のDFE(Digital Front End)32は印刷処理装置に相当する。
(1)C社のDFEはデバイス情報通信部63を有している。
デバイス情報通信部63は、各ワークフローアプリケーションに、RIPエンジン59の情報(A社RIPエンジン、B社RIPエンジン、C社RIPエンジン)を配信する。これにより、ワークフローアプリケーションはDFE32が有するRIPエンジン59を検出し、適切なRIPエンジン59を指定できるようになる。
(2)C社のDFE32はRIPエンジン59に対応した個別ジョブ受信部(A社個別ジョブ受信部64a、B社個別ジョブ受信部64b、C社個別ジョブ受信部64c)64を有している。個別ジョブ受信部64はRIPエンジン59と対応づけられており、A社個別ジョブ受信部64aが受信した印刷ジョブはA社RIPエンジンで処理され、B社個別ジョブ受信部64bが受信した印刷ジョブはB社RIPエンジンで処理され、C社個別ジョブ受信部64cが受信した印刷ジョブはC社RIPエンジンで処理される。したがって、ワークフローアプリケーションは個別ジョブ受信部64を指定して印刷ジョブを送信することで、RIPエンジン59を指定できる。
〔ワークフローソフト側から属性を指定する際の不都合〕
図2のような構成により、ワークフローアプリケーションがRIPエンジン59を指定することが可能になる。しかしながら、これだけではワークフローアプリケーションが、DFE32がサポートしていない属性を指定できないという不都合が残る。
図3を用いてこの不都合について説明する。図3は、A社ワークフローアプリケーションがA社RIPエンジンに属性を設定する際の不都合を説明する図の一例である。
A社RIPエンジンのメーカは、A社RIPエンジンの利便性を向上させるなどの理由のため、A社RIPエンジンの実装を拡張するためのSDK(Software Development Kit)を1つ以上提供している。
任意の企業(図ではA社とした)はSDKを用いてA社RIPエンジンの機能を拡張するモジュールを作成し、A社RIPエンジンと共に利用できる環境を構築している。このようなSDKで作成されたモジュール301の中に、RIPエンジンの使用時にPDL(Page Description Language)だけでなくJDF(設定情報の一例)も解析して、ラスターデータに反映できるものがある。すなわち、A社がSDKで作成したモジュール301はJDFを解析できるので、A社のワークフローアプリケーションはこの拡張した機能をJDFの属性として設定することで、ラスターデータに反映できることになる。
しかしながら、DFE32はC社が作成又は管理するものであるため、C社が把握している属性でなければDFE32がモジュール(A社RIPエンジン)301に伝達できない。ここで、A社としては、C社に全ての属性を開示するとは限らず、A社のワークフローアプリケーションのみが属性を設定可能にする仕様とする場合がある。
このため、A社のワークフローアプリケーションが、DFE32がサポートしていない属性を指定できないという不都合が生じる。なお、図ではA社RIPエンジンを例にしたが、B社RIPエンジンの場合も同様である。C社RIPエンジンが指定される場合は、C社のDFE32は属性を把握しているはずなので不都合は生じないと考えられるが、開示されていない属性があれば同様の不都合が生じる。
〔ワークフローソフト側から属性を指定する構成の概略〕
そこで、本実施形態のDFE32は、以下のようにして、A社のワークフローアプリケーションが、DFE32がサポートしていない属性を指定できないという不都合を解決する。
図4は、ワークフローアプリケーションが、DFEがサポートしていない属性を指定するための構成の概略を説明する図の一例である。図4は図2とほぼ同様の構成だが、図2では、デバイス情報通信部63は、開示されていない属性を設定可能なRIPエンジン59の情報と、該RIPエンジン59に対する印刷ジョブを受け付ける個別ジョブ受信部64の情報(図ではA社個別ジョブ受信部)を配信する。よって、ワークフローアプリケーションは、開示されていない属性を設定してA社個別ジョブ受信部64aに印刷ジョブを送信することで、開示されていない属性が反映されたラスターデータが得られる。
A社個別ジョブ受信部64aは受信した印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報を添付する。
そして、DFE32は、印刷ジョブに「Pass Through Mode」が添付されている場合、RIPエンジン59が印刷ジョブのJDFを直接参照できるように、印刷ジョブを処理する。したがって、A社RIPエンジンは、A社ワークフローアプリケーションが作成したJDFに基づきラスターデータを作成できる。
したがって、開示されていない属性を参照するRIPエンジンが指定された場合、個別ジョブ受信部64が「Pass Through Mode」を示す情報を添付することで、RIPエンジンの指定だけでなく、ワークフローアプリケーションがDFEに開示していない属性を指定することが可能になる。
〔構成例〕
図5は、本実施形態に係る印刷システム200の全体構成図の一例を示す。本実施形態に係る印刷システム200(情報処理システムの一例)は、LANやインターネットなどのネットワーク3を介して接続された、一台以上のエンドユーザ環境1と、POD(Print On Demand)印刷システム環境2とを有する。
エンドユーザ環境1には、クライアントPC11が配置されている。クライアントPC11はPOD印刷業務向けのワークフローアプリケーション(以下、単にアプリケーションという)12が搭載されており、ユーザの操作を受け付けて印刷ジョブの生成を行うことができる。
アプリケーション12は用紙面に複数の論理的なページイメージを複数貼り付けるための集約印刷機能(Number Up面付け機能)、ヘッダー、フッター、ページ番号などを付加するためのイメージ編集機能を実行することができる。また、アプリケーション12は印刷製本のための穴あけ(パンチ)指示やステープル留め(ステープル)などの指示を指定することができる。これらの指示や設定はJDFに記述される。JDFはジョブチケット又は作業指示書、印刷指示書などと呼ばれる場合がある。
POD印刷システム環境2は、ネットワーク3で接続された、工程管理部20と、デジタル印刷部30と、ポストプレス部40とを有している。工程管理部20はPOD印刷システム環境2においてデジタル印刷部30及びポストプレス部40の各工程に対して作業を指示し、POD印刷システム環境2のワークフローを一元管理する。
工程管理部20は、エンドユーザ環境1から印刷ジョブ(JDFとPDL)を受信し、印刷ジョブを保存する。PDL(印刷データの一例)は、ページイメージ(ラスタライズされた画像)の描画内容を指示するための言語であるが、ここではPDLで記述されたデータを意味している。PDLには、PDF(Portable Document Format)、PostScript、PCL、RPDLなどがある。
また、工程管理部20はエンドユーザ環境1からの印刷ジョブに基づいて各工程における作業をワークフローとして組み立てたり、デジタル印刷部30やポストプレス部40、各作業者の作業を効率よくスケジューリングしたり、自動運転時におけるエラー発生時、必要に応じてオペレータに通知をしたりすることもできる。一般的に工程管理部20は1台以上のPCサーバ21を含むように構成される。
工程管理部20は、印刷ジョブをデジタル印刷部30に送信し印刷を行わせる。また、印刷物はポストプレス部40に搬送され、工程管理部20からの指示によりポストプレス部40は製本などを行う。なお、デジタル印刷部30から直接、印刷ジョブがポストプレス部40に送信されてもよい。
デジタル印刷部30は、種々のプリンター(プロダクション向けプリンター、高速カラーインクジェットプリンター、カラー/モノクロMFPなどのプリンター装置)31を含むように構成される。デジタル印刷部30には、DFE32が配置される。DFE32はプリンター制御装置とも呼ばれ、プリンター31による印刷を制御する。DFE32は、図示するようにプリンター31と別体でもよいし、プリンター31と一体でもよい。DFE32は、工程管理部20から印刷ジョブを取得すると、JDFとPDLを用いてプリンター31がトナー像又はインクによる画像を形成するためのラスターデータ(特許請求の範囲の描画データの一例である)を生成して、プリンター31に送信する。
デジタル印刷部30は種々のプリンター31を有している。なお、デジタル印刷部30には印刷した記録紙に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、パンチ等の後加工(後処理)を行うためのフィニッシャ(後処理装置)と直接接続したプリンター31が含まれていてもよい。
ポストプレス部40は、工程管理部20から受信した印刷物(ポストプレスジョブ)の作業指示に従って、紙折り機、中綴じ製本機、くるみ製本機、断裁機、封入機、帳合い機等の後処理デバイスを含むように構成される。また、ポストプレス部40はデジタル印刷部30より出力された印刷物に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合い等の仕上げ処理を実行する。ポストプレス部40には、ステープラ401、パンチ穴あけ機402など、デジタル印刷後の後加工(後処理)を行うための後処理装置が含まれている。
エンドユーザ環境1のエンドユーザは、クライアントPC11から、POD印刷業務向けのアプリケーション12を使用して、画像の編集、面付け、テキスト挿入、後処理の指示などを行い、POD印刷システム環境2の工程管理部20に対して、印刷ジョブを送信する。
工程管理部20のPCサーバ21はJDFに従い、デジタル印刷部30に対して印刷の指示を行い、ポストプレス部40に対して後処理の指示を行う。
〔ハードウェア構成〕
本実施形態では、エンドユーザ環境1が作成した印刷ジョブを工程管理部20が受け取り、工程管理部20がDFE32に印刷ジョブを送信する。本実施形態のDFE32の機能は、ネットワーク上の機器が行えば必ずしもDFE32が行わなくてもよいが、本実施形態ではDFE32がRIPエンジン59の情報を通知したり、印刷ジョブに「Pass Through Mode」を添付したりするものとして説明する。
図6は、DFE32のハードウェア構成図の一例を示す。DFE32は、例えば図6に示すようなハードウェア構成により実現される。すなわち、DFE32は情報処理装置(コンピュータ)としての機能を有している。DFE32は、バス329で相互に接続されているCPU321、RAM322、補助記憶装置323、通信装置324、入力装置325、表示制御部326、及び、記録媒体I/F327を有している。
CPU321は、RAM322をワークメモリにしてプログラムを実行することで、DFE32の全体を制御する。補助記憶装置323は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発メモリである。補助記憶装置323は印刷ジョブを変換する機能を有するプログラム328を記憶している。
通信装置324は、モデム,LANカード等であり、ネットワーク3に接続してエンドユーザ環境1、工程管理部20又はポストプレス部40と通信する。また、プリンター31と通信する。入力装置325はキーボードやマウス等である。入力装置325はユーザの操作を受け付ける装置であり、キーボードやマウスなどである。表示制御部326はディスプレイ330と接続されており、CPU321からの指示によりディスプレイ330に画面を表示する。なお、ディスプレイ330はタッチパネルでもよい。
記録媒体I/F327は、可搬型の記録媒体を脱着可能であり、CPU321からの指示により記録媒体331にデータを書き込んだり、記録媒体331からデータを読み出す。記録媒体331は、例えばCD−ROM、光ディスク、USBメモリ、SDカード(登録商標)等、光学的,電気的、又は、磁気的に記録する媒体、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプのものを用いることができる。
なお、プログラム328は記録媒体331に記憶された状態で配布されるか、又は、不図示のサーバからネットワーク3を介してダウンロードされることで配布される。
また、エンドユーザ環境1のクライアントPC11、及び、工程管理部20のPCサーバ21のハードウェア構成図も図6と同様の構成で実現できる。
〔DFEの機能について〕
図7は、DFE32の機能ブロック図の一例である。DFE32は、印刷ワークフローにおいてジョブ制御、RIP(Raster Image Processor)制御、及び、プリンター制御を行う。このように、DFE32はエンドユーザ環境1や工程管理部20に対し印刷の主要な機能を提供するサーバとして動作する。なお、ジョブ制御とは、印刷ジョブの受け付け、JDFの解析、ラスターデータの作成、及び、プリンター31による印刷等、印刷ジョブの手順の一連の制御をいう。RIP制御とは、次述する「DFE内ジョブ属性」の作成後、「RIP Parameter List」を作成してRIPエンジン59にラスターデータを作成させる制御をいう。「RIP」とは「Raster Image Processor」の略であり、ラスターデータを作成する専用のICやラスターデータを作成することをいう。プリンター制御とは、プリンター31にラスターデータと「DFE内ジョブ属性」の一部(後述するFinishing情報)を送信して印刷を行わせる制御をいう。
DFE32は、ジョブ受信部51、システム制御部52、UI制御部54、ジョブ制御部55、JDF解析部56、RIP部57、RIP制御部58、RIPエンジン59、プリンター制御部61、デバイス情報管理部62、及び、デバイス情報通信部63を有している。これらは、CPU321がプログラム328を実行し、図6を含む各種のハードウェアと協働して実現される。また、DFE32は、補助記憶装置323、RAM322、及び、記録媒体331などに構築されたジョブデータ格納部53及び画像格納部60を有している。
ジョブ受信部51は、印刷ジョブを受け付ける。ログとして、例えば、一意のジョブ番号、受付日時、終了日時、ステータスなどを印刷ジョブに関連付けて記録する。印刷ジョブは、例えば以下の3つの経路で受信される。印刷ジョブは、例えばアプリケーション12などからネットワーク3を介して受信されたり、記録媒体331に記憶された状態の印刷ジョブをジョブ受信部51が読み出すことで取得される。
ジョブ受信部51は、A社個別ジョブ受信部64a、B社個別ジョブ受信部64b、C社個別ジョブ受信部64c(これらを区別しない場合、個別ジョブ受信部64という)、及び、共通個別ジョブ受信部65、を有している。
A社個別ジョブ受信部64aはA社RIPエンジンを指定する印刷ジョブを受信する。換言すると、A社RIPエンジンを指定するアプリケーション12はA社個別ジョブ受信部64aに印刷ジョブを送信する。B社個別ジョブ受信部64bはB社RIPエンジンを指定する印刷ジョブを受信する。換言すると、B社RIPエンジンを指定するアプリケーション12はB社個別ジョブ受信部64bに印刷ジョブを送信する。C社個別ジョブ受信部64cはC社RIPエンジンを指定する印刷ジョブを受信する。換言すると、C社RIPエンジンを指定するアプリケーション12はC社個別ジョブ受信部64cに印刷ジョブを送信する。共通個別ジョブ受信部65は、RIPエンジン59を指定しない印刷ジョブを受信する。
A社個別ジョブ受信部64aは、A社個別ジョブ受信部64aと対応するRIPエンジン59の情報をRIPエンジン識別情報に付与し、B社個別ジョブ受信部64bはB社個別ジョブ受信部64bと対応するRIPエンジン59の情報をRIPエンジン識別情報に付与し、C社個別ジョブ受信部64cはC社個別ジョブ受信部64cと対応するRIPエンジン59の情報をRIPエンジン識別情報に付与する。RIPエンジン識別情報については後述する。
また、説明のため、A社RIPエンジンは、DFE32に対し開示されていない属性を使用してラスターデータを作成するRIPエンジン59であるとする。このため、A社個別ジョブ受信部64aは、印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報を添付する。すなわち、A社個別ジョブ受信部64aは、「Pass Through Mode」専用の個別ジョブ受信部64であるとする。また、本実施例では、B社個別ジョブ受信部64bとC社個別ジョブ受信部64cは印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報を添付しないものとする。
また、各個別ジョブ受信部64は、「ダミーJDF」を保持している。個別ジョブ受信部64は入稿された印刷ジョブのJDFの属性(特定の属性でも任意の属性でもよい)が設定されていない場合、ダミーJDFの値を元にJDFを変更する。
個別ジョブ受信部64のダミーJDFは、各RIPエンジンに合わせた「ダミーJDF」としてC社により用意されている。ダミーJDFは、後述するJDFにおいて一般的なタグ(属性)と標準的な属性値とを有するJDFである。標準的な属性値とは、例えば、部数は"1"、回転角度は"0"度、などである。各RIPエンジンが扱うJDFの属性値の範囲は既知であり、標準的な属性値は予め定められているので、C社は、各RIPエンジン毎に、標準の属性値が各属性に設定されたダミーJDFも予め作成しておくことができる。
個別ジョブ受信部64は、印刷ジョブのJDFに設定されていない属性があれば、その属性をダミーJDFから読み出して設定する。また、印刷ジョブにJDFが含まれていない場合、ダミーJDFを印刷ジョブに添付する。また、属性値がRIPエンジン毎に決まっている範囲内に入っていない属性を検出して、RIPエンジン59と適合しないJDFが入稿されたと判断し、ダミーJDFの属性値を設定することで修正する。
ダミーJDFを用意しておくことで、アプリケーション12がJDFの属性を設定しなかったり、JDFを添付しなかったりしてもDFE32が後述する「DFE内ジョブ属性」を作成できるようになる。
ジョブ受信部51は、印刷ジョブ(JDF+PDL)をシステム制御部52に出力する。なお、JDFがダミーJDFを用いて作成されていても単にJDFという場合がある。
システム制御部52は、受信した印刷ジョブをジョブデータ格納部53に格納するか、又は、ジョブ制御部55に出力する。例えば、DFE32に予め印刷ジョブをジョブデータ格納部53に格納すると設定されている場合、システム制御部52は印刷ジョブをジョブデータ格納部53に格納する。また、例えばJDFに、ジョブデータ格納部53に格納するか否かが記述されている場合は、記述に従う。
また、システム制御部52は、ジョブデータ格納部53に格納した印刷ジョブの内容を例えばユーザがディスプレイ330に表示する操作を行った場合、JDFをジョブデータ格納部53からUI制御部54に出力する。ユーザがJDFを変更した場合、UI制御部54は変更内容を受け付け、システム制御部52は再度、変更されたJDFをジョブデータ格納部53に格納する。
また、システム制御部52は、ユーザ、エンドユーザ環境1、又は、工程管理部20から、印刷ジョブの実行の指示を受け付けると、ジョブデータ格納部53に格納された印刷ジョブをジョブ制御部55に出力する。また、例えば、JDFに印刷時刻が設定されている場合、該時刻になるとジョブデータ格納部53に格納された印刷ジョブをジョブ制御部55に出力する。
ジョブデータ格納部53は、このように印刷ジョブを格納するための記憶領域であり、DFE32の補助記憶装置323や記録媒体331に設けられる。また、ネットワーク上の記憶装置(不図示)に設けられてもよい。
UI制御部54は、JDFを解釈してディスプレイ330に印刷ジョブの内容を表示する。また、本実施形態では、RIPエンジン59が作成したラスターデータをディスプレイ330に表示する。また、ユーザによるRIPエンジン59の選択を受け付け、ジョブ制御部55に通知する。
ジョブ制御部55は、RIP制御部58に対しラスターデータを作成させ、また、プリンター制御部61に印刷を行わせる。具体的には、まず、印刷ジョブのJDFをJDF解析部56に送信すると共に、JDF解析部56にJDF変換要求を出力する。一方、印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報が付与されている場合、印刷ジョブはJDF解析部56に出力されない。RIPエンジン59がJDFを直接参照するためである。
JDF解析部56は、ジョブ制御部55からJDFとJDF変換要求を取得する。JDF解析部56はJDFの記述を解析して、JDFを作成したアプリケーション12のメーカ(又はJDFに最適なRIPエンジン59)を判断し、その結果を「RIPエンジン識別情報」に反映する。JDFに「RIPエンジン識別情報」が添付されている場合、JDFの記述の解析結果と一致することがほとんどであるが、異なっている場合はJDFの記述の解析結果よりも「RIPエンジン識別情報」が優先される。
JDF解析部56は、JDFを、アプリケーション12のメーカ用に用意されている変換テーブル66を用いてDFE32が扱うことが可能な「DFE内ジョブ属性」 に変換する。すなわち、DFE32が、C社が作成したものであれば、C社だけでなくA社又はB社のアプリケーションが作成したJDFをC社のDFE32が扱うことが可能な「DFE内ジョブ属性」 に変換する。
なお、JDF解析部56は、「DFE内ジョブ属性」を作成する際、「DFE内ジョブ属性」に「RIP制御モード」を設定する。「RIP制御モード」については次述するが、「RIP制御モード」には「Page Mode」と「Sheet Mode」がある。各社の印刷ジョブが「Page Mode」か「Sheet Mode」のどちらで作成されているのかは予め調査されている。よって、JDFを作成したアプリケーションのメーカが判断されれば「RIP制御モード」も決定できる。本実施形態では、DFE32は印刷ジョブの集約印刷の設定を「Page Mode」で扱っているものとする(Page Modeがデフォルト)。
これにより「DFE内ジョブ属性」を取得したジョブ制御部55は、「DFE内ジョブ属性」とPDLを「RIP Parameter List」に変換し、RIP制御部58に対して、「RIP Parameter List」という形で印刷ジョブを出力する。
本実施形態では印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報が添付されている場合、ジョブ制御部55はJDF解析部56に「DFE内ジョブ属性」を作成させないので、ジョブ制御部55はPDLとJDFから「RIP Parameter List」を作成する。「DFE内ジョブ属性」を作成しないのは、RIPエンジン59はJDFを直接参照するので作成する必要がないためである。また、RIPエンジン59はJDFを直接参照できるように、「RIP Parameter List」の所定の項目にRIPエンジン59がJDFを参照するための情報を設定する。
「RIP Parameter List」には「RIP制御モード」が含まれている。RIP制御部58は「RIP制御モード」に応じてRIPエンジン59を制御する。よって、「RIP制御モード」によりシーケンスが決定される。
「Page Mode」…ページ毎にRIP処理を指示して1枚に集約されたラスターデータを作成する
「Sheet Mode」…すでに複数のページが集約された1ページの各部分(集約前の各ページ部分に相当する)毎にRIP処理を指示してラスターデータを作成する
また、印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報が添付されている場合、ジョブ制御部55は「RIP Parameter List」のRIP制御モードに「Pass Through Mode」を設定する。すなわち、「RIP制御モード」には、「Page Mode」又は「Sheet Mode」が設定可能であり、さらに「Pass Through Mode」が設定可能になっている。なお、必ずしもRIP制御モードに「Pass Through Mode」を設定する必要はなく「RIP Parameter List」の決められた項目に設定されていればよい。また、ジョブ制御部55は「RIP Parameter List」に「RIPエンジン識別情報」を設定する。
RIP部57は、RIP制御部58とRIPエンジン59を有し、これらによりラスターデータを作成する。RIP制御部58は、「RIP Parameter List」の情報を解析して、複数あるRIPエンジン59から使用するRIPエンジン59を決定する。RIPエンジン59の決定は、「RIP Parameter List」の1つ以上の項目に基づく場合と、「RIP Parameter List」に明示されたRIPエンジン識別情報に基づく場合とがある。例えば、「RIPエンジン識別情報」は、JDF解析部56と個別ジョブ受信部64のいずれかで設定するが、個別ジョブ受信部64で設定された値の場合は、RIPエンジン識別情報に基づいてRIPエンジン59の決定を行う。また、RIP制御モードに「Pass Through Mode」が含まれている場合も、RIPエンジン識別情報に基づいてRIPエンジン59の決定を行う。RIP制御部58は、「RIP Parameter List」を参照して、選択したRIPエンジン59にRIPコマンドを送信する。
「RIP Parameter List」はRIPエンジン59にてRIP処理を行うために必要な情報の集合である(特許請求の範囲の制御データの一例である。)。ジョブ制御部55は「RIP Parameter List」の情報からRIPエンジン59へのRIP処理の命令を決定する。この命令をRIPコマンドという。「RIP Parameter List」には「RIP制御モード」が含まれている。RIP制御部58は「RIP制御モード」に応じてRIPエンジン59を制御する。よって、「RIP制御モード」によりシーケンスが決定される。
また、RIP制御部58は、「RIP Parameter List」を参照して、「RIP制御モード」が「Sheet Mode」の場合、「Sheet Mode」に従ってRIPコマンドをRIPエンジン59に出力する。これにより、印刷ジョブの違いを吸収できる。
RIPエンジン59はレンダリングエンジンであり、RIPコマンドに従ってラスタライズ(描画処理)を行うことでラスターデータを作成する。RIPエンジン(本実施形態ではA社RIPエンジン)59は「RIP Parameter List」に「Pass Through Mode」を示す情報が設定されている場合、「RIP Parameter List」のJDFにアクセスするための情報によりJDFを参照する。
画像格納部60は、作成されたラスターデータが格納される記憶手段である。ダミーJDFが作成された場合、1つの印刷ジョブに対し複数のラスターデータが格納される。画像格納部60は、例えば、補助記憶装置323に搭載される。または、ネットワーク上の記憶装置に搭載されてもよい。
プリンター制御部61は、プリンター31と接続されており、画像格納部60に格納されているラスターデータを読み出しプリンター31に送信することで印刷を行う。また、ジョブ制御部55から取得したFinishing情報に基づき仕上げ処理を行う。
プリンター制御部61は、各種の通信規格を利用してプリンター31と通信し、プリンター31の情報を取得することができる。例えば印刷ワークフローの規格を定めるCIP4では、JDFの規格としてデバイス仕様情報をプリンター31と送受信するDevCapsという規格を定めている。また、SNMP(Simple Network Management Protocol)という通信プロトコルとMIB(Management Information Base)というデータベースとを利用したプリンター31の情報の収集方法も知られている。プリンター制御部61はこれらを利用してプリンター31に格納されている各種の情報を取得する。例えば、プリンター31の装備の構成(ADFの有無、両面印刷ユニットの有無、トレイ構成、手差しトレイの有無、各種のフィニッシャの有無など)を取得できる。また、プリンター31の状態(印刷中、スキャン中、FAX受信中、スリープ中など)を取得することができる。また、各トレイの用紙の残量などを取得できる。
デバイス情報管理部62は、RIPエンジン59に対応する個別ジョブ受信部64の情報、DFE32のデバイス情報や接続されているプリンター31のデバイス情報を管理する。DFE32のデバイス情報とは、DFE32の個別ジョブ受信部64の情報、RIPエンジン59の製造元、RIPエンジン59が「Pass Through Mode」に対応しているか否か、RIPエンジン59が「Page Mode」又は「Sheet Mode」のどちらに対応しているかなどの情報である。プリンター31のデバイス情報とは、接続されているプリンター31の識別情報、プリンター31が可能なFinishing(仕上げ)の情報などである。デバイス情報管理部62が保持するデバイス情報は、DFE32の起動時にRIPエンジン59から取得したり、ファイルから読み取るなどして取得される。
デバイス情報通信部63は、例えばJMF(Job Messaging Format)を用いてアプリケーション(クライアントPC)12にデバイス情報を送信する。JMFは、クライアントPC11とDFE32との間で使用される言語である。アプリケーション(クライアントPC)12は特許請求の範囲の外部又は外部装置の一例である。JMFはJDFの仕様により定義されており、JMFはXMLで記述される。JMFにより、DFE32はシステムの状態、印刷ジョブの事象、印刷ジョブ実行による各種ログ情報などを送信できる。なお、MIBなどの仕組みを使用してもよい。
図8はアプリケーション12の機能ブロック図の一例である。なお、印刷ジョブを作成したりユーザ操作を受け付ける機能については省略されている。アプリケーション12は問い合わせ部71とジョブ送信部72を有している。これらは、アプリケーション12が動作する情報処理装置のCPU321がアプリケーション12を実行し各種のハードウェアと協働することで実現される機能又は手段である。
問い合わせ部71は、DFE32に後述する「Query Message」を送信する。すなわち、DFE32に対し、DFE32が有するRIPエンジン59などのデバイス情報を問い合わせる。ジョブ送信部72は、問い合わせに対する応答として得られたDFE32が有するRIPエンジン59などのデバイス情報に基づきRIPエンジン59を選択し、該RIPエンジンへの印刷ジョブを受け付ける個別ジョブ受信部64に印刷ジョブを送信する。
〔デバイス情報通信部が送信するデバイス情報〕
図9(a)は、アプリケーション12がDFE32に送信する処理要求(問い合わせ)の一例を示す図である。説明のため行番号が付されている。1行目のJMFタグは「Workflow Software A」がJMFメッセージを「DFE」に送信していることを示している。
「JDF xmlns="http://www.CIP4.org/JDFSchema_1_1"」は、CIP4準拠のJDFチケットであることを示す。
「xmlns:C="www.ccc.com/schema/ccc"」は、CIP4準拠外の各印刷業者/ベンダーが独自に拡張したJDFタグ定義を示す。本例の場合、JDF内の「C:」から始まるタグは、全て拡張タグになる。
2行目のCommentタグは「Workflow Software A」が対応しているAPI(Application Interface)のバージョンを通知しており、3行目のQueryタグは問い合わせのIDと、問い合わせの内容がデバイス情報(knownDevice)であることを通知している。
図9(b)は、問い合わせに対しDFEがアプリケーション12に送信するデバイス情報の一例を示す図である。デバイス情報は特許請求の範囲の動作情報の一例である。本実施形態で主要な記述を説明する。2行目のJMFタグは、「DFE」が「Workflow Software A」にJMFメッセージを送信していることを示している。4行目のResponseタグは応答の内容がデバイス情報(knownDevice)であることを通知している。
9〜11行目には、A社RIPエンジンのA社個別ジョブ受信部64aとデバイス情報が記述されている。VirtualPrinterタグは個別ジョブ受信部64を示すタグであり、Name属性は、個別ジョブ受信部64を特定する一意の名前を示す属性である。RipEngineタグはRIPエンジン59の情報を示すタグであり、RipMode属性はRIP制御モードを示す属性であり、Manufacturer属性はRIPエンジン59のメーカ(ベンダー)を示す属性である。したがって、A社RIPエンジンは「VirtualPrinterA」と称され、これがA社個別ジョブ受信部64aを示している。RIP制御モード(RipMode)は「PassThrough(mode)」が可能で、「Page(mode)」で印刷する。また、製造元(Manufacturer)はA社になっている。
12〜14行目には、RIPエンジンBのデバイス情報が記述されている。RIPエンジンBは「VirtualPrinterB」と称され、RIP制御モード(RipMode)は、「Sheet(mode)」で印刷する。また、製造元(Manufacturer)はB社になっている。
15〜17行目には、RIPエンジンCのデバイス情報が記述されている。RIPエンジンCは「VirtualPrinterC」と称され、RIP制御モード(RipMode)は、「Page(mode)」で印刷する。また、製造元(Manufacturer)はC社になっている。
アプリケーション12はこのようなデバイス情報により、DFE32が有するRIPエンジン59の情報を検出できる。例えば、VirtualPrinterタグのName属性をRIPエンジン59の指定情報にしてRIPエンジン59を指定できる。
〔アプリケーションによる個別ジョブ受信部の指定方法〕
デバイス情報を受信したアプリケーション12のジョブ送信部72は、適切な個別ジョブ受信部64を指定して印刷ジョブをDFE32に送信する。アプリケーション12が使用すべきRIPエンジン59は予め決まっているか、又は、ユーザが指定することができる。例えば、A社のアプリケーション12は、Manufacturer属性(メーカ名)が「A」という「VirtualPrinter Name="VirtualPrinterA」を選択する。
また、メーカ名でなく、例えばRipModeが優先されている場合は、「PassThrough」の有無や「Page」「Sheet」の違いに基づきVirtualPrinterタグが指示する個別ジョブ受信部64を選択する。
個別ジョブ受信部64を選択したジョブ送信部72は、例えば以下のURL(Uniform Resource Locator)を指定することで、個別ジョブ受信部64を指定して印刷ジョブを送信する。
HTTP://Hostname/DeviceID/VirtualPrinterName
HostnameはDFE32のホスト名でありIPアドレスで指定してもよい。
DeviceIDはJMFのQuery Messageで用いたものと同じである。
VirtualPrinterNameはResponse MessageにおいてVirtualPrinterタグのName属性の値である。
したがって、ジョブ送信部72がA社RIPエンジンを選択する場合(A社個別ジョブ受信部64aを選択する場合)、以下のURLに印刷ジョブを送信する。
HTTP://Hostname/DFE/VirtualPrinterA
各アプリケーション12はこのようにして、個別ジョブ受信部64を指定することでRIPエンジン59を選択できる。
〔A社個別ジョブ受信部が付与する「Pass Through Mode」を示す情報〕
A社RIPエンジンはDFE32に対し開示されていない属性を使用してラスターデータを作成するため、A社個別ジョブ受信部64aは、印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報を添付する。「Pass Through Mode」を示す情報により、ジョブ制御部55が「RIP Parameter List」にJDFにアクセスするための情報を設定できる。
図10は、A社個別ジョブ受信部64aが印刷ジョブに添付する「Pass Through Mode」を示す情報を模式的に説明する図の一例である。3行目のInterpetingParamsタグのMode属性の値(PassThrough)が、A社個別ジョブ受信部64aが添付する「Pass Through Mode」を示す情報である。
なお、図10ではJDF内に「Pass Through Mode」を示す情報が追加されているが、JDFとは別に「Pass Through Mode」を示す情報をファイルなどでJDFに添付してもよい。
また、A社個別ジョブ受信部64aは、RIP制御部58がA社RIPエンジンを選択できるようにRIPエンジン識別情報をJDFに添付するが図10では省略されている。
〔JDF及びJDFを作成したアプリケーションのメーカの決定について〕
JDFはXML(Extensible Markup Language)で記述される。XMLはタグに意味をもたせて文書を構造化する構造化テキストの規格である。
図11は、JDFの記載の一部を説明する図の一例である。図11(a)のJDFはC社のアプリケーション12が作成したものであるとする。JDFには、印刷ジョブに対する指示内容が記述されている。
「JDF xmlns="http://www.CIP4.org/JDFSchema_1_1"」は、CIP4準拠のJDFチケットであることを示す。
「xmlns:C="www.ccc.com/schema/ccc"」は、CIP4準拠外の各印刷業者/ベンダーが独自に拡張したJDFタグ定義を示す。本例の場合、JDF内の「C:」から始まるタグは、全て拡張タグになる。
「ResourcePool」は、印刷を実現するための属性の集合を定義する。
「LayoutPreparationParams」は、「ResourcePool」に定義される属性のひとつであり、面付け関連の属性を定義する。
「ResourceLinkPool」は、ページ間などジョブ内の特定の範囲で属性が異なる場合などに、その範囲に対する「ResourcePool」内の共通利用する属性への参照の集合を定義する。
「ComponentLink」は、「ResourceLinkPool」内の参照の定義のひとつであり、出力物に関わる属性の参照とその情報を指定する。
「Amount」は、部数を指定する。
「Rotate」は、画像の回転角度を指定する。
図11(b)はA社の拡張記述の一例を、図11(c)はB社の拡張記述の一例を示す。図11(b)の「xmlns:A="www.aaa.com/schema/aaa"」は、JDF内の「A:」から始まるタグは、全てA社の拡張タグになることを意味する。図11(c)の「xmlns:B="www.bbb.com/schema/bbb"」は、JDF内の「B:」から始まるタグは、全てB社の拡張タグになることを意味する。
したがって、JDF解析部56は、JDFのこれらの記述を参照することで、JDFを作成したアプリケーション12のメーカを特定できる。アプリケーション12のメーカに応じて後述する変換テーブル66を用いて、JDFをC社のDFE32が扱うことができる「DFE内ジョブ属性」に変換できる。
また、JDFにRIPエンジン識別情報が含まれている場合は、以上の解析を行うことなく、RIPエンジン識別情報が指定するアプリケーション12(RIPエンジン59)の変換テーブル66を用いて、JDFをC社のDFE32が扱うことができる「DFE内ジョブ属性」に変換する。
〔DFE内ジョブ属性の作成〕
図12、13を用いて「DFE内ジョブ属性」の作成について説明する。図12は変換テーブル66の一例を、図13は「DFE内ジョブ属性」の作成を説明する図の一例である。なお、ジョブ制御部55は、JDFに「Pass Through Mode」が添付されている場合、JDFをJDF解析部56に送信しないので、「DFE内ジョブ属性」が作成されるのは、「Pass Through Mode」が添付されていないJDFだけである。
JDF解析部56は、JDFを作成したアプリケーション12のメーカの変換テーブル66を用いてJDFを「DFE内ジョブ属性」に変換する。JDFを作成したアプリケーション12のメーカを判断できない場合は、すべての変換テーブル66を用いてJDFを「DFE内ジョブ属性」に変換する。この場合は、すべてのRIPエンジン用の「DFE内ジョブ属性」が作成される。
図12(a)はC社の変換テーブル66の一例を示す。C社の変換テーブル66は、「Amount」という属性名の属性値を「部数」という項目名の項目値に対応させ、「Rotate」という属性名の属性値を「回転」という項目名の項目値に対応させる。
変換方法は、図13に示すように、JDFのタグ内の属性と「DFE内ジョブ属性」の項目を対応づける変換テーブル66を参照し、JDFの属性値を「DFE内ジョブ属性」の項目値として配置するというものである。
JDF解析部56は、C社の変換テーブル66だけでなく、A社の変換テーブル66とB社の変換テーブル66を予め保持している。図12(b)はA社の変換テーブル66を、図12(c)はB社の変換テーブル66をそれぞれ示す。JDF解析部56は上記のようにJDFから拡張タグを指定する記述を検出して、アプリケーション12のメーカを判断し、各メーカに対応した変換テーブル66を使用する。
A社、B社のJDFの場合も同様に変換できる。A社の変換テーブル66は、「A:Amount」という属性名の属性値を「部数」という項目名の項目値に対応させ、「A:Rotate」という属性名の属性値を「回転」という項目名の項目値に対応させる。B社の変換テーブルは、「B:DeliveryAmount」という属性名の属性値を「部数」という項目名の項目値に対応させ、「B:Rotate」という属性名の属性値を「回転」という項目名の項目値に対応させる。なお、B社の変換テーブル66では、「B:AlternateRotation」という属性名の属性値が「false」の場合のみ回転が有効になる。したがって、A社又はB社のJDFであると判定されれば、C社のJDFと同様に「DFE内ジョブ属性」を作成できる。
なお、JDF解析部56は、集約印刷における印刷ジョブの形式が自社(C社)と異なる会社のアプリケーション12により作成されていると判断すると、「DFE内ジョブ属性」の「RIP制御モード」という項目に「Sheet Mode」を設定する。アプリケーション12が自社製であったり、集約印刷における印刷ジョブの形式が自社(C社)と同じ会社のアプリケーション12である場合は、「RIP制御モード」という項目に「Page Mode」を設定する。これにより、RIP制御部58は「RIP制御モード」に応じてRIPエンジン59に出力するRIPコマンドを制御できる。
図14は、「DFE内ジョブ属性」の一例を示す図である。「DFE内ジョブ属性」は大きく、ジョブの実行に関する「Job情報」、ラスターデータに関する「Edit情報」、及び、仕上げ処理に関する「Finishing情報」に区分されている。
・Job情報は、部数を指定する「部数」という項目を有している。
・Edit情報の「向き情報」という項目は、印刷の向きを指定する。
・Edit情報の「印刷面情報」という項目は、印刷面を指定する。
・Edit情報の「回転」という項目はページの回転角度を指定する。
・Edit情報の「拡大/縮小」という項目は拡大/縮小と変倍率を指定する。
・Edit情報の「イメージ位置:オフセット」という項目はイメージのオフセットを指定する。
・Edit情報の「イメージ位置:位置調整情報」という項目はイメージの位置調整を指定する。
・Edit情報の「レイアウト情報:カスタム・インポジション配置」という項目は、カスタム面の配置を指定する。
・Edit情報の「レイアウト情報:ページ数」という項目は、用紙1枚のページ数を指定する。
・Edit情報の「レイアウト情報:インポジション情報」という項目は、面配置に関する情報を指定する。
・Edit情報の「レイアウト情報:ページ順序情報」という項目は、印刷されるページの順序に関する情報を指定する。
・Edit情報の「レイアウト情報:クリープ位置調整」という項目は、クリープ位置の調整に関する情報を指定する。
・Edit情報の「マージン情報」という項目は、フィット・ボックスやガターなどのマージンに関する情報を指定する。
・Edit情報の「クロップ・マーク情報:センター・クロップ・マーク情報」という項目は、センター・クロップ・マークに関する情報を指定する。
・Edit情報の「クロップ・マーク情報:コーナー・クロップ・マーク情報」という項目は、コーナー・クロップ・マーク情報に関する情報を指定する。
・Finishing情報の「Collate情報」という項目は、文書が複数部数印刷される場合にページ単位で印刷するか文書単位で印刷するかの情報を指定する。
・Finishing情報の「ステープル/バインド情報」という項目は、ステープル/バインドに関する情報を指定する。
・Finishing情報の「パンチ情報」という項目は、パンチに関する情報を指定する。
・Finishing情報の「折り情報」という項目は、折りに関する情報を指定する。
・Finishing情報の「トリム」という項目は、トリムに関する情報を指定する。
・Finishing情報の「出力トレイ情報」という項目は、出力トレイに関する情報を指定する。
・Finishing情報の「入力トレイ」という項目は、入力トレイに関する情報を指定する。
・Finishing情報の「カバー・シート情報」という項目は、カバー・シートに関する情報を指定する。
また、図示するように、「DFE内ジョブ属性」には「RIP制御モード」が設定される。「RIP制御モード」には「Page Mode」又は「Sheet Mode」が設定される。なお、ダミーJDFの場合、「RIP制御モード」には「Page Mode」が設定されるものとする。
〔RIP Parameter List〕
図15は、「RIP Parameter List」の一例を示す図である。図15は、ジョブ制御部55がPDLと「DFE内ジョブ属性」から作成する「RIP Parameter List」を示す。
・入出力データ種類情報は、入力、出力データの種類を指定する。(入力、出力データは、PDLのみだけではなく、テキストファイルや、JPEGなどの画像データも指定される。
・入出力データの読み書き位置指定方式情報は、入力、出力データのオフセット(読み込み/書き込み位置)の指定方法を指定する。例えば、指定の位置から、現在の位置から、最後尾から、などを指定できる。
・入出力データの読み書き位置情報は、入力、出力データの現在の処理位置を指定する。
・入出力データの読み書きの実行モード情報は、実行モードを指定する情報である。例えば、READ、WRITE、READ_WRITEなどを指定する。
・単位情報(ディメンジョン)は、「RIP Parameter List」内で使用する単位を指定する。例えば、「mm」、「inch」、「pel」、「point」などが指定される。
・入出力データの圧縮方式情報は、入力、出力データの圧縮方法を指定する。例えば、「UNCOMPRESSED」、「PACKBITS」などが指定される。
・「RIP制御モード」は、集約印刷における制御モードを指定する。例えば、「Page Mode」又は「Sheet Mode」が指定される。
入出力画像情報部は、「出力画像に関する情報」「入力画像に関連する情報」「画像の取り扱いに関する情報」を有している。
・画像フォーマット・タイプは、出力画像のフォーマットのタイプを指定する。例えば、ラスタ等が指定される。
・画像フォーマット・ディメンジョンは、出力画像フォーマットのディメンジョンを指定する。
・画像フォーマット・解像度は、出力画像フォーマットの解像度を指定する。
・画像の位置は、出力画像の位置を指定する。
・カラーセパレーション情報は、カラーセパレーション(カラー分解)を指定する。例えば「k」、「cmyk」、「separation」などが指定される。
・カラープレーン・フィット・ポリシー情報は、カラープレーンの展開方式を指定する。
・プレーン・シフト情報は、カラープレーンのシフト量を指定する。
・画像フォーマットのカラービット数は、出力画像フォーマットのカラービット数を指定する。
・画像の向き情報は、出力画像のページの向きを指定する。
・作像位置情報は、クロップ・エリアの位置情報を指定する。
・作像サイズ情報は、クロップ・エリアのサイズ情報を指定する。
・作像方式情報は、クリップのポリシーを指定する。
・カラーICC情報は、カラーICCプロファイルに関する情報を指定する。
・フォント代替情報は、フォントの代替に関する情報を指定する。
・作像基点情報は、作像起点を指定する。例えば、「センター」、「右上」などが指定される。
・フラットKブラック情報は、フラットKブラックに関する情報を指定する。
・レンダリング情報は、レンダリング(ラスタライズ)に関する情報を指定する。
・画像フォーマット・タイプは、入力画像のフォーマットのタイプを指定する。例えば、ラスタ等が指定される。
・画像フォーマット・ディメンジョンは、入力画像フォーマットのディメンジョンを指定する。
・画像フォーマット・解像度は、入力画像フォーマットの解像度を指定する。
・画像の位置は、入力画像の位置を指定する。
・入力データは、入力データを指定する。
・ページ範囲情報は、ページ番号を指定する。
・カラーICC情報は、カラーICCプロファイルに関する情報を指定する。
・スケーリング・オフセット情報は、拡大縮小アルゴリズムのオフセットを指定する。例えば、水平方向オフセット、垂直方向オフセットなどが指定される。
・オブジェクト・領域情報は、オブジェクト領域の幅、高さを指定する。
・ハーフトーン情報は、ハーフトーンのオフセットを指定する。例えば、水平方向オフセット、垂直方向オフセットが指定される。
・スケーリング・アルゴリズム情報は、スケーリングの方式を指定する。
PDLに関連する情報は、データ領域、サイズ情報、及び、データの配置方法を指定する。
・データ領域は、PDLの格納されている領域情報を指定する。フォント情報、ページ数の情報などは、このデータ領域内に存在するPDLに含まれている。
・サイズ情報は、PDLのサイズを指定する。
・データの配置方法は、データの配置方式を指定する。例えば、リトルエンディアン、ビッグエンディアンなどが指定される。
<「Pass Through Mode」が添付された印刷ジョブの「RIP Parameter List」>
続いて、印刷ジョブに「Pass Through Mode」が添付されているため、ジョブ制御部55がPDLとJDFから作成する「RIP Parameter List」について説明する。「Pass Through Mode」は特許請求の範囲の動作モードの一例であり、「Pass Through Mode」を示す情報は動作モード指定情報の一例である。
図16は、印刷ジョブに「Pass Through Mode」を示す情報が添付されている場合の「RIP Parameter List」の一例を示す図である。PDLとJDFから直接「RIP Parameter List」を作成することで、アプリケーション12がDFE32に開示していない属性を「RIP Parameter List」に含めることができる。
まず、印刷ジョブに「Pass Through Mode」が添付されている場合、「RIP制御モード」に「Pass Through Mode」を示す情報が設定される。
また、ジョブ制御部55は、「RIP Parameter List」の以下の項目に、PDLから設定した情報に加え、JDFを設定する。
- 入出力データ種類情報
- 入出力データの読み書き位置指定方式情報
- 入出力データの読み書き位置情報
- 入出力データの読み書きの実行モード情報
すなわち、RIPエンジン59がJDFを読み取れるようにこれらの各項目にJDFにアクセスするための情報が設定される。例えば「入出力データ種類情報」にはJDFのデータの種類(テキスト、XMLなど)、「入出力データの読み書き位置指定方式情報」には「指定された位置から」という情報、「入出力データの読み書き位置情報」にはJDFの先頭アドレス、「入出力データの読み書きの実行モード情報」には読み取りを意味する「READ」、などが設定される。
これらにより、A社RIPエンジンは「RIP Parameter List」を参照してJDFにアクセスして、A社のアプリケーション12がDFE32に開示していない属性を読み取ることができる。
〔動作手順〕
「Pass Through Mode」を示す情報が添付される場合とされない場合に分けて、印刷システム200の動作手順について説明する。
図17は、「Pass Through Mode」を示す情報が添付されない場合の、印刷ジョブの処理手順を示すシーケンス図の一例である。
S1:アプリケーション12がDFE32のデバイス情報通信部63にデバイス情報を要求する。
S2:デバイス情報通信部63は、デバイス情報管理部62にデバイス情報を要求する。
S3:デバイス情報管理部62は管理しているデバイス情報をデバイス情報通信部63に出力する。
S4:デバイス情報通信部63は、デバイス情報をアプリケーション12に送信する。
S5:アプリケーション12のジョブ送信部72は、デバイス情報に基づき指定する個別ジョブ受信部64を決定する。
S6:アプリケーション12のジョブ送信部72は、DFE32のジョブ受信部51に印刷ジョブ(JDF+PDL)を送信する。
S7:ジョブ受信部51は個別ジョブ受信部64に印刷ジョブを出力する。
S8:個別ジョブ受信部64は、保持しているRIPエンジン59に対応したダミーJDFを用いて、受信したJDFを修正する。なお、この処理は行われない場合がある。
S9:個別ジョブ受信部64はシステム制御部52に印刷ジョブを出力する。
S10:システム制御部52は、ジョブ制御部55に印刷ジョブを出力する。
S11:ジョブ制御部55は、JDFと共に変換要求をJDF解析部56に出力する。
S12:JDF解析部56は、RIPエンジン識別情報に基づきJDFを作成したアプリケーション12を特定して、アプリケーション12によりレンダリングすることが想定されているRIPエンジン用の変換テーブル66で「DFE内ジョブ属性」を作成する。
S13:JDF解析部56は、「DFE内ジョブ属性」をジョブ制御部55に出力する。
S14:ジョブ制御部55は「DFE内ジョブ属性」とPDLを用いて「RIP Parameter List」を作成する。
以下の処理は、「RIP制御モード」が「Page Mode」か「Sheet Mode」によって異なっている。まず、「Page Mode」の場合を説明する。
S15-1:ジョブ制御部55は、「RIP Parameter List」をRIP制御部58に出力する。
S16-1:RIP制御部58は、RIPエンジン59を初期化する。なお、RIP制御部58は、RIPエンジン識別情報に基づきRIPエンジン59を選択する。
S17-1:ジョブ制御部55は、RIP制御部58に対しRIP実行要求を行う。
S18-1:RIP制御部58は、ジョブ制御部55の代わりにRIPコマンドを出力する。RIP制御部58は「RIP制御モード」が「Page Mode 」の場合、「Page Mode 」に適したシーケンスでRIPコマンドを出力する。
S19-1:RIPエンジン59はラスタライズを行う。
S20-1:RIPエンジン59はラスターデータを画像格納部60に格納する。
次に、「Sheet Mode」の場合を説明する。
S15-2:ジョブ制御部55は、「RIP Parameter List」をRIP制御部58に出力する。
S16-2:RIP制御部58は、RIPエンジン59を初期化する。なお、RIP制御部58は、RIPエンジン識別情報に基づきRIPエンジン59を選択する。
S17-2:ジョブ制御部55は、RIP制御部58に対しRIP実行要求を行う。
S18-2:RIP制御部58は、「RIP制御モード」が「Sheet Mode」の場合、「Sheet Mode」に適したシーケンスでRIPコマンドを出力する。
S19-2:RIPエンジン59はラスタライズを行う。
S20-2:RIPエンジン59はラスターデータを画像格納部60に格納する。
したがって、ジョブ制御部55の動作は「Page Mode」と「Sheet Mode」で違いがなく(常に「Page Mode」に従って動作する)、「Page Mode」と「Sheet Mode」の違いをRIP制御部58が「RIP制御モード」に基づき判定して、「Page Mode 」と「Sheet Mode」の違いを吸収することができる。
S21:ジョブ制御部55は印刷実行要求と共に「Finishing情報」をプリンター制御部61に出力する。このタイミングは、ラスターデータの作成前でも作成後でもよい。
S22:プリンター制御部61は、印刷実行要求を取得したことで、画像格納部60のラスターデータを確認し、印刷を行う。
図18は、「Pass Through Mode」を示す情報が添付される場合の、印刷ジョブの処理手順を示すシーケンス図の一例である。
S1:アプリケーション12がDFE32のデバイス情報通信部63にデバイス情報を要求する。
S2:デバイス情報通信部63は、デバイス情報管理部62にデバイス情報を要求する。
S3:デバイス情報管理部62は管理しているデバイス情報をデバイス情報通信部63に出力する。
S4:デバイス情報通信部63は、デバイス情報をアプリケーション12に送信する。
S5:アプリケーション12のジョブ送信部72は、デバイス情報に基づき指定する個別ジョブ受信部64を決定する。ここで、「Pass Through Mode」の個別ジョブ受信部64が選択されたものとする。
S6:アプリケーション12のジョブ送信部72は、DFE32のジョブ受信部に印刷ジョブ(JDF+PDL)を送信する。
S7:ジョブ受信部は個別ジョブ受信部64に印刷ジョブを出力する。
S8:個別ジョブ受信部64は、自分宛の印刷ジョブには「Pass Through Mode」を添付する。
S9:個別ジョブ受信部64は、保持しているRIPエンジン59に対応したダミーJDFを用いて、受信したJDFを修正する。なお、この処理は行われない場合がある。
S10:個別ジョブ受信部64はシステム制御部52に印刷ジョブ(JDF+PDL+Pass Through Mode)を出力する。
S11:システム制御部52は、ジョブ制御部55に印刷ジョブ(JDF+PDL+Pass Through Mode)を出力する。
S12:ジョブ制御部55は、JDFとPDLから「RIP Parameter List」を作成する。すなわち、「RIP制御モード」に「Page Mode」又は「Sheet Mode」、及び、「Pass Through Mode」を設定する。また、「RIP Parameter List」にJDFにアクセスするための情報を設定する。
以下の処理は、「RIP制御モード」が「Page Mode」か「Sheet Mode」によって異なっている。まず、「Page Mode」の場合を説明する。
S13-1:ジョブ制御部55は、「RIP Parameter List」をRIP制御部58に出力する。
S14-1:RIP制御部58は、RIPエンジン59を初期化する。なお、RIP制御部58は、RIPエンジン識別情報に基づきRIPエンジン59を選択する。
S15-1:「RIP Parameter List」に「Pass Through Mode」を示す情報があるので、RIPエンジン59は、「RIP Parameter List」のJDFにアクセスするための情報によりJDFを読み出しJDFを解析する。これにより、アプリケーション12がDFE32に開示していない属性をJDFから読み出すことができる。
S16-1:ジョブ制御部55は、RIP制御部58に対しRIP実行要求を行う。
S17-1:RIP制御部58は、ジョブ制御部55の代わりにRIPコマンドを出力する。RIP制御部58は「RIP制御モード」が「Page Mode 」の場合、「Page Mode 」に適したシーケンスでRIPコマンドを出力する。
S18-1:RIPエンジン59はラスタライズを行う。
S19-1:RIPエンジン59はラスターデータを画像格納部60に格納する。
次に、「Sheet Mode」の場合を説明する。
S13-2:ジョブ制御部55は、「RIP Parameter List」をRIP制御部58に出力する。
S14-2:RIP制御部58は、RIPエンジン59を初期化する。なお、RIP制御部58は、RIPエンジン識別情報に基づきRIPエンジン59を選択する。
S15-2:「RIP Parameter List」に「Pass Through Mode」を示す情報があるので、RIPエンジン59は、「RIP Parameter List」のJDFにアクセスするための情報によりJDFを読み出しJDFを解析する。これにより、アプリケーション12がDFE32に開示していない属性をJDFから読み出すことができる。
S16-2:ジョブ制御部55は、RIP制御部58に対しRIP実行要求を行う。
S17-2:RIP制御部58は、「RIP制御モード」が「Sheet Mode」の場合、「Sheet Mode」に適したシーケンスでRIPコマンドを出力する。
S18-2:RIPエンジン59はラスタライズを行う。
S19-2:RIPエンジン59はラスターデータを画像格納部60に格納する。
20:ジョブ制御部55は印刷実行要求と共に「Finishing情報」をプリンター制御部61に出力する。このタイミングは、ラスターデータの作成前でも作成後でもよい。
S21:プリンター制御部61は、印刷実行要求を取得したことで、画像格納部60のラスターデータを確認し、印刷を行う。
以上説明したように、本実施形態のDFE32は、RIPエンジン59に対応した個別ジョブ受信部64を有することで、アプリケーション12が個別ジョブ受信部64を指定して印刷ジョブを送信することが可能になる。また、DFE32に開示されていない属性がJDFに設定されていても、個別ジョブ受信部64が「Pass Through Mode」を印刷ジョブに添付し、「RIP Parameter List」にJDFにアクセスするための情報が付与されるので、RIPエンジン59はJDFを解析してDFE32に開示されていない属性をラスターデータに反映できる。
〔好適な変形例〕
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、図7ではDFE32が全ての機能を有しているが、これらの各機能はネットワーク3を介して通信可能な別々の装置に配置されていてもよい。例えば、各社のRIPエンジン59やJDF解析部56はDFE32がアクセス可能なネットワーク上に存在すればよい。
画像格納部60やジョブデータ格納部53についても同様であり、DFE32がアクセス可能なネットワーク上に存在すればよい。
また、デバイス情報管理部62やデバイス情報通信部63は、DFE32でない別のネットワーク上の装置に搭載されていてもよい。
1 エンドユーザ環境
2 POD印刷システム環境
11 クライアントPC
12 アプリケーション
20 工程管理部
30 デジタル印刷部
31 プリンター
32 DFE
51 ジョブ受信部
52 システム制御部
53 ジョブデータ格納部
54 UI制御部
55 ジョブ制御部
56 JDF解析部
57 RIP部
58 RIP制御部
59 RIPエンジン
60 画像格納部
61 プリンター制御部
62 デバイス情報管理部
63 デバイス情報通信部
64 個別ジョブ受信部
65 共通ジョブ受信部
特開2012‐238188号公報

Claims (9)

  1. 印刷装置において画像形成に用いられる描画データを作成する複数の描画データ作成手段と通信可能な情報処理装置であって、
    印刷ジョブを用いて前記描画データを作成する前記描画データ作成手段の指定と共に前記印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、
    前記印刷ジョブ受信手段が受信した前記印刷ジョブを、印刷ジョブと共に指定された前記描画データ作成手段に出力する印刷ジョブ出力手段と、を有し、
    前記印刷ジョブ受信手段は、受信した印刷ジョブに動作モードを指定する動作モード指定情報を添付し、
    前記印刷ジョブ出力手段は、印刷ジョブと共に前記動作モード指定情報を指定された前記描画データ作成手段に出力し、
    前記描画データ作成手段は前記動作モード指定情報が添付されている場合、添付されていない場合と異なる動作モードで前記描画データを作成することを特徴とする情報処理装置。
  2. 印刷ジョブは印刷データと設定情報を有し、
    印刷ジョブを用いて前記描画データ作成手段に描画処理させる制御データを作成する制御データ作成手段を有し、
    前記制御データ作成手段は、印刷ジョブに前記動作モード指定情報が添付されている場合、前記制御データに前記設定情報にアクセスするための情報を設定し、前記制御データと共に前記動作モード指定情報を前記印刷ジョブ出力手段に出力し、
    前記印刷ジョブ出力手段から前記動作モード指定情報を取得した前記描画データ作成手段は、前記アクセスするための情報に基づき前記設定情報を読み出して、前記描画データを作成する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記印刷ジョブ受信手段は、前記描画データ作成手段が指定された印刷ジョブを受信する各描画データ作成手段ごとに設けられた個別印刷ジョブ受信手段を有し、
    前記描画データ作成手段を指定する印刷ジョブを受け付ける前記個別印刷ジョブ受信手段の指定情報を外部に送信する個別ジョブ受信手段情報送信手段、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記個別ジョブ受信手段情報送信手段は、前記描画データ作成手段が特定の前記動作モードで動作するという動作情報を外部に送信し、
    特定の前記動作モードで動作する前記描画データ作成手段に対応する前記個別印刷ジョブ受信手段は、受信した印刷ジョブに前記動作モード指定情報を添付する、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記個別印刷ジョブ受信手段は受信した印刷ジョブに前記描画データ作成手段を識別する識別情報を添付し、
    前記印刷ジョブ出力手段は、前記識別情報に基づき前記印刷ジョブから描画データを作成させる前記描画データ作成手段を選択する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  6. 前記個別印刷ジョブ受信手段は、該個別印刷ジョブ受信手段に対応する前記描画データ作成手段の標準となる設定情報を保持しており、
    前記個別印刷ジョブ受信手段は、受信した印刷ジョブの設定情報を前記標準となる設定情報で修正し、受信した印刷ジョブが設定情報を有していない場合、前記標準となる設定情報を受信した印刷ジョブに設定する、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 外部装置と、印刷装置において画像形成に用いられる描画データを作成する複数の描画データ作成手段と通信可能な情報処理装置と、を有する情報処理システムであって、
    前記情報処理装置は、
    印刷ジョブを用いて前記描画データを作成する前記描画データ作成手段の指定と共に前記印刷ジョブを受信する、各描画データ作成手段ごとに設けられた個別印刷ジョブ受信手段と、
    前記個別印刷ジョブ受信手段と対応する前記描画データ作成手段に前記印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力手段と、
    前記個別印刷ジョブ受信手段の指定情報を外部に送信する個別ジョブ受信手段情報送信手段と、を有し、
    前記個別印刷ジョブ受信手段は、受信した印刷ジョブに動作モードを指定する動作モード指定情報を添付し、
    前記印刷ジョブ出力手段は、印刷ジョブと共に前記動作モード指定情報を指定された前記描画データ作成手段に出力し、
    前記描画データ作成手段は前記動作モード指定情報が添付されている場合、添付されていない場合と異なる動作モードで前記描画データを作成し、
    前記外部装置は、
    前記個別印刷ジョブ受信手段の前記指定情報に基づき指定した前記個別印刷ジョブ受信手段に印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信手段を有する、
    ことを特徴とする情報処理システム。
  8. 印刷装置において画像形成に用いられる描画データを作成する複数の描画データ作成手段と通信可能な情報処理装置に、
    印刷ジョブを用いて前記描画データを作成する前記描画データ作成手段の指定と共に前記印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信ステップと、
    前記印刷ジョブ受信ステップにより受信された前記印刷ジョブを、印刷ジョブと共に指定された前記描画データ作成手段に出力する印刷ジョブ出力ステップと、を実行させ
    前記印刷ジョブ受信ステップでは、受信した印刷ジョブに動作モードを指定する動作モード指定情報を添付し、
    前記印刷ジョブ出力ステップでは、印刷ジョブと共に前記動作モード指定情報を指定された前記描画データ作成手段に出力し、
    前記描画データ作成手段は前記動作モード指定情報が添付されている場合、添付されていない場合と異なる動作モードで前記描画データを作成することを特徴とするプログラム。
  9. 印刷装置において画像形成に用いられる描画データを作成する複数の描画データ作成手段と通信可能な情報処理装置が行う情報処理方法であって、
    印刷ジョブ受信手段が、印刷ジョブを用いて前記描画データを作成する前記描画データ作成手段の指定と共に前記印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信ステップと、
    印刷ジョブ出力手段が、前記印刷ジョブ受信手段が受信した前記印刷ジョブを、印刷ジョブと共に指定された前記描画データ作成手段に出力する印刷ジョブ出力ステップと、を有し
    前記印刷ジョブ受信ステップでは、受信した印刷ジョブに動作モードを指定する動作モード指定情報を添付し、
    前記印刷ジョブ出力ステップでは、印刷ジョブと共に前記動作モード指定情報を指定された前記描画データ作成手段に出力し、
    前記描画データ作成手段は前記動作モード指定情報が添付されている場合、添付されていない場合と異なる動作モードで前記描画データを作成することを特徴とする情報処理方法。
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