JP6484840B2 - 爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法 - Google Patents

爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、爆発物による被害の軽減に資する爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法、並びに当該爆風圧抑制方法に用いることができる爆風圧抑制泡発生器に関する。
不発弾等の爆発物を処理する際、当該爆発物の移動は大きな危険を伴う。爆発物を土中に埋めての爆破処理も行われるが、運搬時に爆発してしまうリスクがあり、触発型爆弾については移動そのものが不可能である。従って、現場で処理を行う必要が生じる場面が存在するが、防護が不十分な場合は当該爆発物の爆発(爆風圧)によって深刻な被害が発生する恐れがある。
これに対し、一般的には、爆発物の周囲を鉄製の枠や土嚢等で囲う等の対策がなされるが、現実的に運搬できる重量の鉄製の枠では防護性能が十分でなく、土嚢は運搬及び設置時に危険が伴う。
ここで、特許文献1(特開2011−47541号公報)では、爆発源からの衝撃波を受ける防護壁を側面に備える充填槽と、当該充填槽に充填された流動体と、蓋部材と、緩衝装置と、支持部材と、を具備して構成される防護装置が提案されている。
前記特許文献1に記載の防護装置においては、充填槽の側面の防護壁が爆発源からの衝撃波を受け衝撃エネルギーで撓むことにより、充填槽内部に圧力エネルギーが生じ、充填槽内部の流動体が圧力エネルギーにより圧縮されることにより、圧力エネルギーが流動体の摩擦による熱エネルギーに変換されるとともに流動体の衝動(例えば流動や飛散)による運動エネルギーに変換されることによって衝撃エネルギーが吸収される、としている。
特開2011−47541号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている防護装置はロケットエンジン等の燃焼試験設備や火薬等の燃焼貯蔵庫において、不測の爆発によって爆発源周囲の設備が破壊されてしまうことを防ぐためのものであり、現場での処理に用いることはできない。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明は、現場における爆発物の処理において、爆発物による被害の軽減に資する爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法、並びに当該爆風圧抑制方法に用いることができる爆風圧抑制泡発生器を提供することを目的とする。
上述の課題を解決すべく、本発明者らは鋭意実験を繰り返して検討した結果、現場における爆発物の処理において、爆風圧を簡便に抑制するためには、爆発物を泡状の爆風圧抑制剤で被覆することが極めて効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ケラチン加水分解物を含む発泡性の水溶液であることを特徴とする爆風圧抑制剤、を提供する。ケラチン加水分解物を含む泡は爆風圧の吸収能が高いため、ケラチン加水分解物を含む水溶液は、簡便かつ効果的な爆風圧抑制剤として好適に用いることができる。
ケラチン加水分解物を含む水溶液は基本的に発泡性を有するが、当該発泡性を増大させることが好ましい。ここで、水溶液の発泡性を増大させる手法は本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されないが、例えば、水溶液にフッ素系合成界面活性剤を加えることで、効果的に発泡性を付与することができる。フッ素系合成界面活性剤としては、フッ素化アルキル基、フッ素化アルキレン基、フッ素化オキシアルキレン基等を含有して界面活性を示す種々のフッ素系界面活性剤を使用することができる。
本発明の爆風圧抑制剤は、更に、金属塩を含むこと、が好ましい。金属塩により、泡状態を長時間維持させることができる(金属塩を含まない場合と比較して還元速度が遅くなる)。また、泡の流動性が良すぎる場合、泡が細かな隙間等から漏れ出てしまうため、必要な泡量を維持できる時間が短くなるが、金属塩を含有させることによって泡に適度な固さ(粘度)を付与することができる。
また、本発明の爆風圧抑制剤は、発泡倍率が5倍以上であり、発泡前の水溶液の容量の25%の前記水溶液が泡から還元するために要する時間が3分以上であること、が好ましい。
ここで、発泡倍率とは、気体混入前の元の水溶液量に対する最終の泡量の比を示すものであり、爆風圧抑制剤の発泡倍率を5倍以上とすることで、爆発物が爆発した際の爆風圧を効果的に抑制するために必要な量の泡を発生させることができる。
また、発泡前の水溶液の容量の25%の前記水溶液が泡から還元するために要する時間が3分以上であることとは、水溶液の所謂25%還元時間が3分以上であることを意味している。水溶液の25%還元時間を3分以上とすることで、爆風圧抑制剤の泡性状を爆発物の処理を行う間において維持することができ、長時間に亘って爆発物が爆発した際の爆風圧を効果的に抑制することができる。
また、本発明は、本発明の爆風圧抑制剤を泡状として爆発物を被覆すること、を特徴とする爆風圧抑制方法も提供する。
本発明の爆風圧抑制剤と大気等の気体とを混合し、泡状として爆発物に被覆することで、爆風圧を効果的に抑制することができる。また、泡状の爆風圧抑制剤は形状変形が容易であるため、種々の形状及び大きさの爆発物を簡単に被覆することができる。加えて、爆風圧抑制剤は持ち運びが容易であることから、現場でも好適に用いることができる。
本発明の爆風圧抑制方法においては、爆薬100gに対する爆風圧抑制剤の被覆量を略24L以上とすること、が好ましい。爆薬100gに対する爆風圧抑制剤の被覆量を略24L以上とすることで、人体に重大な影響を与えない程度に爆風圧を十分に低減することができる。
更に、本発明は、本発明の爆風圧抑制剤と、気体吸入口と、前記気体吸入口から吸入された気体と前記爆風圧抑制剤とを混合することによって、前記爆風圧抑制剤を泡化する機構を有するノズルと、を備えること、を特徴とする可搬型爆風圧抑制泡発生器、も提供する。
本発明の爆風圧抑制剤は、気体と混合させることで容易に泡化させることができ、爆風圧抑制剤と気体とを混合する機構を有する簡易なノズルによって、泡状の爆風圧抑制剤を簡便に放射することができる。また、気体と混合させる前の爆風圧抑制剤は液体であることから、簡単な容器に充填して運搬することができる。
爆発物の爆発による被害の程度は、爆風圧に大きく影響される。5〜10kPaの場合は窓ガラスの破損、10〜20kPaの場合は軽量物飛散による軽傷、20〜50kPaの場合は鼓膜損傷等の怪我の高い可能性、50〜100kPaの場合は死亡・重傷の可能性、100〜200kPaの場合は死亡・重傷の高い可能性があり、200kPaよりも高い場合は即死となる。
つまり、爆発物からの爆風圧を略10kPa以下とすることができれば、当該地点において比較的安全に爆発物の処理を行うことができる。このような観点から、本発明の爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法、並びに当該爆風圧抑制方法に用いることができる爆風圧抑制泡発生器は、略100gの爆薬(手りゅう弾約1個分)が爆発する場合において、安全確保の観点から爆発物から3m地点の爆風圧を略10kPa以下とすることを目的として、鋭意実験を繰り返して検討されたものである。
本発明によれば、現場における爆発物の処理において、爆発物による被害の軽減に資する爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法、並びに当該爆風圧抑制方法に用いることができる爆風圧抑制泡発生器を提供することができる。
本発明の爆風圧抑制方法の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の爆風圧抑制剤を用いた場合の円筒容器の表面外観である。 本発明の爆風圧抑制剤を用いなかった場合の円筒容器の表面外観である。 本発明の爆風圧抑制剤による飛散物の減速効果を検証するために用いた爆発物及び試験片の配置を示す概略図である。 本発明の爆風圧抑制剤による飛散物減速効果の検証結果である。 爆発物からの距離と破片速度との関係を示す線図である。
以下、図面を参照しながら本発明の爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法、並びに当該爆風圧抑制方法に用いることができる爆風圧抑制泡発生器の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
(1)爆風圧抑制剤
本発明の爆風圧抑制剤は、ケラチン加水分解物を含む発泡性の水溶液であること、を特徴とするものである。
本発明の爆風圧抑制剤には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々のケラチン加水分解物を使用することができ、例えば、蹄角粉(牛の蹄や角を粉砕したもの)、動物の体毛、羽、爪、血液、カゼイン、魚の鱗、大豆等の植物等、ケラチンを含有する蛋白素材であれば全て原料として用いることができる。ここで、毛や羽等は蹄角粉に比べて嵩高く、同じ容積の釜では少ない量しか処理することができず生産効率が悪いため、ケラチン加水分解物の原料としては蹄角粉を用いることが好ましい。
ケラチン加水分解物の含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定することができるが、20〜50重量%とすることが好ましく、30〜40重量%とすることがより好ましい。ケラチン加水分解物の含有量を20重量%以上とすることで発泡性を担保することができ、50重量%以下とすることで、原液の粘度が著しく上昇して取扱いが困難となることを防止することができる。また、30〜40重量%とすることで、良好な発泡性と取扱いの容易さとを、より好適に両立させることができる。
上述のとおり、水溶液に発泡性を付与する手法は本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されないが、例えば、水溶液にフッ素系合成界面活性剤を加えることで、効果的に発泡性を付与することができる。フッ素系合成界面活性剤としては、フッ素化アルキル基、フッ素化アルキレン基、フッ素化オキシアルキレン基等を含有して界面活性を示す種々のフッ素系界面活性剤を使用することができる。
本発明の爆風圧抑制剤は、更に、金属塩を含むこと、が好ましい。金属塩により、泡状態を長時間維持させることができる(金属塩を含まない場合と比較して還元速度が遅くなる)。また、泡の流動性が良すぎる場合、泡が細かな隙間等から漏れ出てしまうため、必要な泡量を維持できる時間が短くなるが、金属塩を含有させることによって泡に適度な固さ(粘度)を付与することができる。金属塩には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の金属塩を用いることができ、Fe、Mg、Al、Ca等を例示することができるが、入手容易性及びコストの観点からは鉄塩を用いることが好ましい。
本発明の爆風圧抑制剤に用いるその他の成分は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定することができるが、例えば、炭化水素系界面活性剤、水溶性高分子、アルコール、エーテル、グリコール等を、必要に応じて適量添加することができる。
また、本発明の爆風圧抑制剤は、発泡倍率が5倍以上であり、発泡前の水溶液の容量の25%の水溶液が泡から還元するために要する時間(25%還元時間)が3分以上であること、が好ましい。
上述のとおり、発泡倍率とは気体混入前の元の水溶液量に対する最終の泡量の比を示すものであり、爆風圧抑制剤の発泡倍率を5倍以上とすることで、爆発物が爆発した際の爆風圧を効果的に抑制するために必要な量の泡を発生させることができる。
また、水溶液の25%還元時間を3分以上とすることで、爆風圧抑制剤の泡性状を爆発物の処理を行う間において維持することができ、爆発物が爆発した際の爆風圧を効果的に抑制することができる。
ここで、発泡倍率及び25%還元時間は、財団法人日本消防設備安全センター発行「フォームヘッド」(平成9年10月1日現在)の第31頁に記載の「泡消火設備発泡倍率及び25%還元時間測定方法」によって測定することができる。
(2)爆風圧抑制方法
本発明の爆風圧抑制方法は、上述の本発明の爆風圧抑制剤を泡状として爆発物に被覆すること、を特徴とする。図1に、本発明の爆風圧抑制方法の実施形態の一例を示す模式図を示す。
本発明の爆風圧抑制剤2は可搬型の爆風圧抑制泡発生器4に充填され、爆発物処理の現場に運搬される。爆風圧抑制泡発生器4が備えるレバー6を握ることで、爆風圧抑制剤2はホース8によってノズル10まで輸送され、ノズル10によって大気と混合されることで泡状となって放射される。
ここで、破片飛散防止用の防護壁12によって囲われた爆発物14に対して泡状爆風圧抑制剤16を吹き付け、爆発物14を泡状爆風圧抑制剤16で被覆することで、爆発物14が爆発した際の爆風圧を、簡便かつ効果的に抑制することができる。
泡状爆風圧抑制剤16は形状変形が容易であるため、種々の形状及び大きさの爆発物14に簡単に泡状爆風圧抑制剤16の被覆層を形成することができる。加えて、泡状爆風圧抑制剤16の泡性状は長時間維持されるため、十分に作業時間を確保することができる。
ここで、作業者の安全確保のため、爆発物14から3m以上離れた位置から泡状爆風圧抑制剤16を噴射し、泡状爆風圧抑制剤16で爆発物14を被覆できることが好ましい。
爆発物14に含まれる爆薬100gに対する泡状爆風圧抑制剤16の被覆量は、略24L以上とすることが好ましい。爆薬100gに対する泡状爆風圧抑制剤16の被覆量を略24L以上とすることで、人体に重大な影響を与えない程度に爆風圧を十分に低減することができる。一方で、被覆量が略24L以上であれば、当該被覆量を増加させても爆風圧抑制効果は大きく向上しない。
(3)爆風圧抑制泡発生器
本発明の爆風圧抑制泡発生器は、本発明の爆風圧抑制剤と、気体吸入口と、気体吸入口から吸入された気体と爆風圧抑制剤とを混合することによって、爆風圧抑制剤を泡化する機構を有するノズルと、を備えること、を特徴とする可搬型爆風圧抑制泡発生器である。
本発明の泡放出装置では、爆風圧抑制剤が絞りを高速で通過する際、気体吸入口から空気が取り込まれることで爆風圧抑制剤が発泡し、泡状爆風圧抑制剤となる。
作業者の安全確保の観点から、爆発物から3m以上離れた位置から泡状爆風圧抑制剤を放射し、泡状爆風圧抑制剤で爆発物を被覆できることが好ましいため、ノズルはホースを介して爆風圧抑制泡発生器本体に接続されていることが好ましい。用いるホースの長さを略3m以上とすることで、ノズルを爆発物近傍(例えば、破片飛散防止用防護壁の壁面)に配置し、爆発物から3m以上離れた位置から放射作業を行うことができる。
爆風圧抑制泡発生器本体の内容積は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定することができるが、爆風圧の抑制に効果的な量の泡状爆風圧抑制剤で爆発物を被覆できるように、30L程度の泡状爆風圧抑制剤を供給できるだけの内容積とすることが好ましい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
以下において、上述した爆風圧抑制剤及び爆風圧抑制方法、並びに当該爆風圧抑制方法に用いることができる爆風圧抑制泡発生器について、実施例及び比較例を用いて更に具体的に説明する。
≪実施例≫
表1に示す成分及び配合比率にて爆風圧抑制剤原液を調整し、当該爆風圧抑制剤原液を水で希釈(50%希釈)して本発明の実施例である爆風圧抑制剤を得た。また、得られた爆風圧抑制剤について、財団法人日本消防設備安全センター発行「フォームヘッド」(平成9年10月1日現在)の第31頁に記載の「泡消火設備発泡倍率及び25%還元時間測定方法」に基づいて発泡倍率及び25%還元時間を測定し、結果を表2に示した。
爆風圧抑制剤の発泡倍率及び25%還元時間は、それぞれ全て5倍以上及び3分以上となっている。当該値は、本発明の実施例である爆風圧抑制剤が優れた発泡特性を有しており、当該特性を長時間維持できることを示している。
爆風圧の測定を行うため、薄い紙容器に詰めた爆薬(日本工機製,コンポジション C−4)100gの周囲に紙製の円筒容器を設置し、泡化した爆風圧抑制剤を当該円筒容器に充填して(爆薬を泡化した爆風圧抑制剤で被覆して)爆破した。
爆風圧を測定する圧力センサ(PCB Piezotronics社製,ICP空中爆風圧センサ 137A23)を爆発物から3m、5m、7mの位置にそれぞれ配置し、当該各地点における爆風圧を測定した(圧力センサは地表から略1mの高さに設置した)。円筒容器に充填する爆風圧抑制剤の量を12L、24L、36Lとした場合の測定値を表2に示した。加えて、爆薬を泡化した爆風圧抑制剤で被覆することなく爆破した場合の爆風圧を同様に測定し、比較として表3に示した。
爆発物を爆風圧抑制剤で被覆することで、各地点における爆風圧が極めて効果的に低減されていることが分かる。ここで、被覆量の増加に伴って爆風圧の減衰率が高くなっているが、24L以上においては大きな変化が認められない。また、爆発物の処理を行う作業者が立ち入る可能性がある爆発物から3mの地点において、24Lの被覆を行った場合は爆風圧(最大圧力)が略10kPaとなっており、不意の爆発が生じた場合であっても作業者の安全が確保されることが分かる。
爆風圧抑制剤による軽量飛散物の減速効果を評価するため、鉄製容器に爆薬(中国化薬製,トリニトロトルエン)60gを詰めた爆発物の周囲に円筒容器を配置し、爆破後の円筒容器の状態を目視にて観察した(爆発物から円筒容器内壁までの距離を20cmとした)。 泡化した爆風圧抑制剤を爆発物の周囲に配置した円筒容器に充填して(爆薬を泡化した爆風圧抑制剤1で被覆して)爆破した。なお、爆風圧抑制剤の充填量は24Lとし、比較として爆風圧抑制剤を用いない場合についても評価した。
爆風圧抑制剤を用いた場合の円筒容器の表面外観を図2に、爆風圧抑制剤を用いなかった場合の円筒容器の表面外観を図3に、それぞれ示す。爆風圧抑制剤を用いなかった場合は多くの凸部及び貫通孔が認められるが、爆風圧抑制剤を用いた場合は僅かな凸部が認められる程度に留まっている。当該結果は、爆風圧抑制剤が爆風圧による軽量飛散物を効果的に減速していることを示している。
本発明の爆風圧抑制剤による飛散物の減速効果を検証するため、引抜鋼管に爆薬(日本工機製,コンポジション C−4)50gを詰めたものを設置し、爆発物から試験片までの距離を10cm、20cm、30cmとして各2点ずつ破片速度を計測した。爆発物及び試験片の配置を示す概略図を図4に示す。ここで、試験片の鋼板には、2種類の材質(SPCC:粘りの弱いもの、SPCE:粘りの強いもの)と、3種の厚さ(1.0mm、1.2mm、1.6mm)を使用した。
得られた試験結果を図5に、得られた試験結果から求められた爆発物からの距離と破片速度との関係を図6に、それぞれ示す。爆風圧抑制剤を用いない場合は、全ての鋼板に多くの貫通孔が見られ、材質や厚さによる差異は認められなかった。これに対し、爆風圧抑制剤を用いた場合は、破片速度が大きく低下しており、60〜70%の速度減衰率が得られている。ここで、爆風圧抑制剤を用いた場合は、爆発物からの距離が大きくなるにつれて、破片速度の減衰率が大きくなっている。また、爆風圧抑制剤を用いない場合は、細かな破片の衝突痕や貫通孔が見られるが、爆風圧抑制剤を使用した場合は細かな(軽い)破片は長い距離を移動できず、いずれの試験片からも小さな衝突痕すら確認できなかった。なお、鋼板の材質の違い(SPCC、SPCE)による差異は認められなかった。
≪比較例≫
円筒容器内の爆薬をウレタンフォームで被覆した以外は実施例の場合と同様にして爆風圧を測定し、結果を表4に示した。
ウレタンフォームの被覆によって爆風圧が低減されているものの、その程度は爆風圧抑制剤と比較すると明らかに小さい。また、爆発物から3mの地点における爆風圧は17.4kPaとなっており、作業者安全の観点から求められる10kPaよりも大幅に高い値となっている。
略1Lの水が入ったPET製容器内に20gの爆薬を設置した以外は実施例の場合と同様にして爆風圧を測定し、結果を表5に示した。また、PET製容器内に水を入れない場合についても同様に測定し、結果を表5に示した。
爆薬の量を20gと少なくしていることから最大圧力の値が小さくなっているが、略1Lの水による爆風圧の低減率は爆風圧抑制剤による低減率と比較して明らかに小さいことが分かる。
2・・・爆風圧抑制剤、
4・・・爆風圧抑制泡発生器、
6・・・レバー、
8・・・ホース、
10・・・ノズル、
12・・・防護壁、
14・・・爆発物、
16・・・泡状爆風圧抑制剤。

Claims (3)

  1. ケラチン加水分解物及び金属塩を含む発泡性の水溶液からなり、
    発泡倍率が5倍以上であり、発泡前の前記水溶液の容量の25%の前記水溶液が泡から還元するために要する時間が3分以上であり、
    爆薬100gに対する前記爆風圧抑制剤の被覆量が略24L以上略36L以下であること、
    を特徴とする爆風圧抑制剤。
  2. 請求項1に記載の爆風圧抑制剤を泡状として爆発物に被覆すること、を特徴とする爆風圧抑制方法
  3. 請求項1に記載の爆風圧抑制剤と、気体吸入口と、前記気体吸入口から吸入された気体と前記爆風圧抑制剤とを混合することによって、前記爆風圧抑制剤を泡化する機構を有するノズルと、を備えること、を特徴とする可搬型爆風圧抑制泡発生器

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