JP6484229B2 - 腫瘍学に使用するための組成物および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、典型的には、療法に照らして、特に腫瘍床への局部照射を最適化するための腫瘍学に照らして、医療診断および患者のモニターリングに用いるための組成物および方法に関する。さらに具体的には、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルであって、i)各ナノ粒子および各ナノ粒子集合体の密度が少なくとも7g/cmであり、該ナノ粒子またはナノ粒子集合体が原子番号Zが少なくとも25であり、より好ましくは少なくとも40である少なくとも1つの金属元素を含む無機材料を含み、そのナノ粒子およびナノ粒子集合体の各々が生体適合性コーティング剤で覆われており;ii)そのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の濃度が少なくともおよそ1%(w/w)であり;およびiii)ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの2秒−1での見かけ粘度が、20℃〜37℃で測定した場合に、約0.1パスカル秒〜約1000パスカル秒である、生体適合性ゲルに関する。
本発明の組成物は、典型的には、術後の腫瘍床の描写を改善し、その放射線照射を最適化することができる。
がんの再発またはぶり返しの局所管理は手術および放射線治療を行った後の抗がん治療の極めて重要な工程を構成する。局所管理の占める割合を改善し、そうして腫瘍の再発を減らし、理想的には回避するために、腫瘍摘出がなされた後の腫瘍床を処理するのに、いくつかの症例では術後に放射線治療が行われる。Early Breast Cancer Trialists Collaborative Groupによる最近のメタ分析は、4人の局所的な乳がんの再発を回避する毎に該がんで1人が死亡することを避けることができるため、局所的な乳がんの再発を減らすことの重要性を強く主張する。「乳房温存療法におけるカスタマイズコンピュータ制御による断層撮影術に基づくブースト容量:体積限界を臨床的に標的とするための病理組織の3次元情報の使用(Customized Computed Tomography-Based Boost Volumes in Breast-Conserving Therapy: Use of Three-Dimensional Histologic Information for Clinical Target Volume Margins)」[IJROB 75 (3) 757-763 (2009)]の著者によれば、局所管理を改善する一の方法は、腫瘍床に暴露する照射線量を増やすこと(すなわち、ブースト照射)である。その著者らはこの効果が腫瘍床(ブースト照射が具体的に標的とすべき標的の体積)の描写を改善することでさらに大きく増幅され得ると付け加える。
国際放射線単位測定委員会は、肉眼的腫瘍体積(GTV)を悪性腫瘍増殖の広がりおよび位置を大まかに測定できるものとして定義する。乳がんのアジュバント放射線療法(外科的工程の後に放射線治療工程を行う)の場合、GTVは組織の可変的な余裕幅(variable margin)で切除され、その後にキャビティが残る。そのキャビティはGTVではないが、GTVと関連付けられる。そのキャビティ壁は、多少大ざっぱではあるが、腫瘍床と言われる[「乳がんを部分的に外部ビームによる放射線療法に付すための標的とする体積の限定:最新の方法の情報を提供する臨床的、病理学的および技術的研究(Target volume definition for external beam partial breast radiotherapy: clinical, pathological and technical studies informing current approaches)」Radiotherapy and Oncology 94 255-263 (2010)]。
臨床診療においては、腫瘍床を正確に同定することが課題であり、特に可視化が悪い状態で切除されたキャビティにおいて、腫瘍床の輪郭を描写するのに、観察者間で高い変動率が頻繁に報告されている[「乳房温存療法における腫瘍の大きさと切除および放射線照射される体積の関連性(Excised and Irradiated Volumes in Relation to the Tumor size in Breast-Conserving Therapy)」 Breast Cancer Res Treat 129: 857-865 (2011)]。術後に照射される体積(放射線療法を開始する前の放射線療法を計画するCT−スキャンで描写される体積)は、乳房温存療法を用いた患者では、大部分のケースで、明瞭に可視化できず、術後に照射される体積の識別のクオリティを評価するのにキャビティ可視化の評点が頻繁に使用される。
前立腺がんの場合も同様に、EORTC Radiation Oncology Groupが、術後の放射線療法における標的となる体積の鮮明度に言及し、その標的となる体積の鮮明度および描写を標準化し、ならびに臨床クオリティを保証する操作を標準化するガイドラインを発表した;「EORTC放射線腫瘍学のグループの代表として、前立腺がんの術後放射線療法において標的とする体積を限定するための指針(Guidelines for target volume definition in post-operative radiotherapy for prostate cancer, on behalf of the EORTC Radiation Oncology Group)」[Radiotherapy & Oncology 84 121-127 (2007)]の著者らは、5人の放射線腫瘍医が8人の前立腺がんの患者に対して観察を行った場合に、術後の放射線療法にて標的となる体積の描写が観察者間で高い変動率で観察される研究に言及した(そのCTVはその腫瘍医の間で変動が最小に相当する患者では39〜53cmで、変動が最大に相当する患者では16〜69cmで変化した)。
ブースト技法の正確性を評価する研究が、「乳がん患者における止血鉗子および画像表示の使用に伴う腫瘍床ブーストの限定の改善(Improving the definition of the tumor bed boost with the use of surgical clips and image registration in breast cancer patients)」[Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys. Vol 78(5); 1352-1355 (2010)]に報告されており、それは腫瘍摘出の間に放射線不透過性のクリップを使用することで、典型的には3個以上のクリップを使用することで、腫瘍床の描写の精度が向上することを示す(図1を参照のこと)。しかしながら、CT/クリップをベースとするTB描写の正確性についての問題が残る。クリップは切除されたキャビティ壁上に位置付けられる点を鮮明にするに過ぎず、残っている腫瘍組織と切除されたキャビティの境界面は、組織の厚さおよび歪みを考慮して、補間により誘導されなければならない。
興味深いことに、腫瘤摘出術後の腫瘍床の体積の変化量についての報告で、放射線治療または放射線療法(RT)の前とその間で腫瘍床の体積が有意に変化することが分かった[「動的腫瘍床:乳房温存療法の間の乳腺腫瘤摘出術の際のキャビティの体積変化(The dynamic tumor bed: volumetric changes in the lumpectomy cavity during breast conserving therapy) Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys. 74 (3): 695-701 (2009)]。この実験では、36人の、Tis(10)、T1(24)およびT2(2)の乳がんの患者が登録された。30人の患者には腫瘤摘出術の後に乳房全体に照射を行い、つづいて10Gyのブースト線量の照射を行った。6人の患者には乳房に部分的に照射を行った。治療計画性胸部CTスキャンを、手術の直後に、乳房全体に放射線照射を計画する治療を開始する前に、および腫瘍床にブースト線量をデリバリーする前に撮影した。胸部に部分的に放射線を照射した患者は、術後と、腫瘍床治療の前にスキャンを受けるに過ぎなかった。
術後に受けるスキャンと、第2のスキャンとのインターバルの間に(平均インターバル、3週間の間に)、腫瘍床の体積は平均で49.9%減少した。計画するスキャンと、ブーストのスキャンとの間で(平均インターバル、7週間で)、腫瘍床の平均体積は44.6%減少した。
手術とRTとの間で、化学療法を計画するために、遅れ(平均インターバル、23週間)を経験した下位群の8人の患者は、術後のスキャンと、計画するスキャンとの間のインターバルの間に腫瘍床の体積が平均で60.3%減少した。この大きさと、導関数のデータをすべての一連の患者に照らして評価した場合、その観察される結果は、腫瘍床の体積が手術した直後の数週間にてより迅速に減少し、次に相対的な平坦域が得られることを示唆した。
著者らによれば、もし一回の計画性スキャンがRTの治療の間に劇的に収縮する腫瘍床の患者での臨床標的体積(CTV)をブーストする計画に使用されるとすれば、周辺の正常な組織は、美容効果に乏しく、さらに後で望ましくない効果をもたらしうる、不要で余計な照射を受けるため、理論的には、体積の大きな変化が、計画性体積、線量測定、あるいは局所管理または美容効果などの臨床的パラメータに及ぼす影響は、将来の研究のための重要な分野である。反対に、もし一回の計画性スキャンが術後かなり経ってからなされるとすれば、腫瘍床の体積の減少は、実際には、真の腫瘍床または腫瘍の手術汚染の面積を過小評価させ得る。
WO2011/084465は、がん組織を手術で摘出することで生じる組織ギャップを安定化かつ可視化することに関する。当該発明者らによれば、コンフォーマルファイリング方法は、部位の余裕幅の問題を解決するのが難しいクリップの使用よりもずっと改善されている。記載の移植片は、もはや摘出を必要とせず、次に生分解に至るまで、安定的に処方されてもよい。WO2011/084465によれば、ヒドロゲルの移植はキャビティの平均体積を増加させる。従って、標準的な余裕幅(standard margins)を適用する場合、ヒドロゲルは通常の組織照射線量を増大させる傾向にある。かくして、通常の組織照射線量を減少させるのに余裕幅の拡張を抑える必要がある。
上記より容易に理解されるように、腫瘍床だけに照射することを最適化するために、術後腫瘍床描写を改善する明瞭な必要性がなおも存在する。
発明者らは、この度、標的とされる組織体積の変化に影響を与えることなく、典型的には腫瘍床を考えた場合に、腫瘍床体積の変化、または乳腺腫瘤摘出術後の組織リモデリングに影響を及ぼすことなく、標的とされる組織の描写を、特に腫瘍床の描写をかなり改善する利点を有する組成物を提供する。本発明に照らして、腫瘍床は腫瘍摘出後に得られるキャビティを覆う組織である。
本発明の組成物は、さらに有利には、腫瘍床の回りにある健康な組織へのエネルギー(放射線)線量の堆積を増大させることなく、腫瘍床上へのエネルギー線量の堆積を少なくとも10%増加させる。
第一の目的は、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルであって、i)各ナノ粒子の密度および各ナノ粒子集合体の密度が少なくとも7g/cmであり、そのナノ粒子またはナノ粒子集合体が原子番号Zが少なくとも25、より好ましくは少なくとも40である少なくとも1つの金属元素を含む無機材料を含み、そのナノ粒子およびナノ粒子集合体の各々が生体適合性コーティング剤で覆われており;ii)そのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の濃度が少なくとも約1%(w/w)であり;およびiii)ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの2秒−1での見かけ粘度が、20℃〜37℃で測定した場合に、約0.1パスカル秒〜約1000パスカル秒である、生体適合性ゲルに関する。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、典型的には、本発明のゲルに埋め込まれている。
本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルは、有利には、標的とする生体組織がX線画像装置を用いて観察される場合に、その標識とする生体組織の少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、さらにいっそう好ましくは50%以上の描写および可視化を可能とする。
標的とされる生体組織は、典型的には、腫瘍床である。
好ましい実施態様において、該ゲルが標的とする生体組織上に適用されると、生体適合性ゲルのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、イオン化照射に供された場合に、該ゲルがない状態で同じ生体組織上に線量が堆積した場合と比べて、その標的とする該生体組織上の放射線線量の堆積を少なくとも約10%増大させることができる。
無機ナノ粒子
本発明の記載において、「ナノ粒子」、「ナノ粒子集合体」および「粒子」なる語は、区別することなく使用される。
本発明に照らして、「ナノ粒子」または「ナノ粒子集合体」なる語は、大きさがナノメーターの範囲の、典型的には1nmと500nmとの間にある生成物、特に合成物をいう。
ナノ粒子の大きさならびにその構造および組成はX線回折により分析されてもよい。
「ナノ粒子の集合体」または「ナノ粒子集合体」なる語は、ナノ粒子が相互に強固に結合した、典型的には共有結合した集合体をいう。
「ナノ粒子の大きさ」または「ナノ粒子集合体の大きさ」および「ナノ粒子の最大の大きさ」または「ナノ粒子集合体の最大の大きさ」なる語は、本明細書中、「ナノ粒子の最大の寸法」または「ナノ粒子集合体の最大の寸法」あるいは「ナノ粒子の直径」または「ナノ粒子集合体の直径」をいう。
透過電子顕微鏡法(TEM)を用いてナノ粒子またはナノ粒子集合体の大きさを測定しうる。同様に、動的光散乱法(DLS)を用いてナノ粒子またはナノ粒子集合体の溶液中での流体力学径を測定しうる。これらの2種の方法はさらに交互に用いられ、大きさの測定結果を比較し、その大きさを確認してもよい。
本明細書に定義されるようにナノ粒子またはナノ粒子集合体の最大の寸法は、典型的には約5nmと約250nmの間に、好ましくは約10nmと約100nmまたは約200nmの間に、さらにいっそう好ましくは約20nmと約150nmの間にある。
粒子の形状はその生体適合性に影響を及ぼしうるため、全く均一な形状の粒子が好ましい。薬物動態学的理由から、ナノ粒子またはナノ粒子集合体は、本質的に、その形状が球形、円形、卵形であることが好ましい。かかる形状はまた、ナノ粒子またはナノ粒子集合体と細胞との相互作用に都合がよく、細胞による取り込みにも都合がよい。球形または円形が特に好ましい。
典型的には、最大の寸法は、円形または球形のナノ粒子またはナノ粒子集合体の直径であるか、あるいは卵形または楕円形のナノ粒子またはナノ粒子集合体の最大の長さである。
ナノ粒子またはナノ粒子集合体を調製する無機材料は、典型的には、少なくとも1つの金属元素、典型的には原子番号Zが少なくとも25、好ましくは少なくとも40、その上さらに好ましくは40よりも大きい金属元素からなる。無機材料はまた、数種の金属元素、典型的には2種の金属元素を含み得る。
特定の実施態様において、ナノ粒子またはナノ粒子集合体は無機材料を含み、その無機材料は単一の金属元素または金属元素の混合物を含む。
無機材料は、実効原子番号(Zeff)が少なくとも25、好ましくは少なくとも40または41、より好ましくは少なくとも50または51、より好ましくは少なくとも60、61、62、またはさらには63である材料が好ましい。
実効原子番号は、原子番号と似ているが、原子というよりもむしろ化合物(例えば、水)および異なる材料の混合物(組織および骨など)について使用される用語である。実効原子番号は化合物または材料の混合物の原子番号を平均して計算する。それはZeffと短縮される。
実効原子番号は、その化合物中の各原子の分数割合を決定し、それにその原子の原子番号を掛けることで計算される。実効原子番号、Zeffを求める式は、以下:
で示され、ここで、
は、各元素と結び付く電子の総数の分数であり、
は各元素の原子番号を意味する。
原子番号(陽子数としても公知)は原子の核中に認められる陽子の数である。昔から記号Zで表される(本明細書中でもZで示される)。原子番号は一意的に元素を同定する。電荷中性の原子においては、原子番号は電子数に等しい。
一例が、2個の水素原子(Z=1)と、1個の酸素原子(Z=8)とでできている水(HO)の実効原子番号である。電子の総数は1+1+8で10である。2個の水素に対応する電子の分数は2/10であり、唯一の酸素に対応する電子の分数は8/10である。したがって、水のZeffは:
である。Zeffはナノ粒子の入射吸収能に関与する。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を構成する無機材料は、典型的には、金属、酸化物、硫化物およびそれらの混合物より選択される。典型的には、この無機材料は原子番号が少なくとも25の、好ましくは少なくとも40の、さらにより好ましくは40よりも大きい金属元素を含む。
ある実施態様において、ナノ粒子またはナノ粒子集合体は無機材料から構成され、ここで該ナノ粒子およびナノ粒子集合体の密度は少なくとも7g/cmである。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を構成する無機材料が酸化物である場合、この酸化物は、例えば、酸化セリウム(IV)(CeO)、酸化ネオジム(III)(Nd)、酸化サマリウム(III)(Sm)、酸化ユーロピウム(III)(Eu)、酸化ガドリニウム(III)(Gd)、酸化テルビウム(III)(Tb)、酸化ジスポロシウム(III)(Dy)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化エルビウム(Er)、酸化ツリウム(III)(Tm)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化ルテチウム(lu)、酸化ハフニウム(IV)(HfO)、酸化タンタラム(V)(Ta)、酸化レニウム(IV)(ReO)、酸化ビスマス(III)(Bi)より選択されてもよい。
特定の実施態様において、酸化物の混合物は無機材料として本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を調製するのに使用され得る。本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体はこのように酸化物の混合物からなることも、それのみからなることもできる。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を構成する無機材料が金属である場合、この金属は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、タンタラム(Ta)、ハフニウム(Hf)、テルビウム(Tb)、ツリウム(Tm)、ジスポロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)、鉄(Fe)、ネオジム(Nd)およびルテチウム(Lu)の金属から選択されてもよい。上記されるように、ある実施態様において、金属の混合物はまた、無機材料として本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を調製するのに使用され得る。本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体はこのように金属の混合物からなることも、それのみからなることもできる。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を構成する無機材料が硫化物である場合、この硫化物は、好ましくは、硫化銀(AgS)である。
酸化物、金属および/または硫化物の混合物を用いて本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を調製することもできる。本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体はこのように酸化物、金属および/または硫化物の混合物からなることも、それらのみからなることもできる。
本発明に照らして有利に用いることのできるナノ粒子の一例が、酸化ハフニウム材料で覆われた金ナノ粒子である。
好ましい実施態様において、本発明に照らして使用されるナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、立体性基を表示する試剤より選択される生体適合性材料で被覆され得る。かかる基は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリアクリレート;ポリアクリルアミド(ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド));ポリカルバミド;バイオポリマー;デキストラン、キシランおよびセルロースなどの多糖類;コラーゲン;およびポリスルホベタインなどの双性イオン化合物等より選択されてもよい。
もう一つ別の好ましい実施態様において、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、生物学的標的と相互作用しうる試剤より選択される生体適合性材料で被覆され得る。かかる試剤は、典型的には、ナノ粒子表面に陽性または陰性電荷を提供しうる。この電荷は、ゼータ電位測定を、典型的には、濃度が0.2と10g/Lとの間で変化するナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の懸濁液(そのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体をpHが6と8の間で構成される水性媒体に懸濁させる)で実施することで決定され得る。
ナノ粒子の表面に陽性電荷を形成する試剤は、例えば、アミノプロピルトリエトキシシランまたはポリリジンであり得る。ナノ粒子の表面に陰性電荷を形成する試剤は、例えば、ホスフェート(例えば、ポリホスフェート、メタホスフェート、ピロホスフェート等)、カルボキシレート(例えば、シトレートまたはジカルボン酸、特にコハク酸)またはサルフェートであり得る。
コーティング剤は、有利には、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のインビボでの一体性を保持してその生体適合性を保証または改善し、その任意の機能化(例えば、スペーサー分子、生体適合性ポリマー、標的化剤、蛋白等での機能化)を容易にする。加えて、コーティング剤は、有利には、本発明に照らして、粒子と標的とされる生体組織または細胞との結合を容易にするのに使用される。
本発明に係る特定のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、標識化剤と標的細胞にある認識因子とが相互に作用することを可能にする少なくとも1つの標識化剤をさらに含み得る。ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体が標的部位を描くとすぐに、かかる標的化剤が典型的には作用する。標的化剤はヒトまたは動物の体内にある分子に対してアフィニティを示すいずれの生物学的または化学的構造物とすることもできる。例えば、それは、ペプチド、オリゴペプチドまたはポリペプチド、蛋白、核酸(DNA、RNA、SiRNA、tRNA、miRNA等)、ホルモン、ビタミン、酵素、病的細胞により発現される分子のリガンド、特に腫瘍抗原のリガンド、ホルモン受容体、サイトカイン受容体または成長因子受容体であり得る。該標的化剤は、例えば、LHRH、EGF、葉酸塩、抗B−FN抗体、E−セレクチン/P−セレクチン、抗IL−2Rα抗体、GHRH等からなる群にて選択され得る。
生体適合性ゲル
天然ポリマーゲルは、主に、i)温度およびpH変化の結果として、およびii)金属イオンが存在する結果として、分子間結合が形成されることで得られる、かくして、ゲルが形成される間は、可逆的な溶液−ゲルの転移が生じる。
他方において、合成ゲルは共有結合または他の物理的結合により結び付けられるポリマー鎖からなる。これらの構造物は、典型的には、不可逆的なゲルを形成するに至る。
ゲルの特性は網状組織と溶媒の両方の影響を受ける。良溶媒に浸潤するとゲルは膨潤する。ヒドロゲルは典型的には水性環境下で膨潤するゲルである。
本発明において、好ましい生体適合性ゲルは生体適合性ヒドロゲルである。
医薬用途に用いられるポリマーは生体適合性でなければならない;すなわち、身体と、例えば内部器官と、またはいずれか他の生物系と接触する場合に、それらは炎症および/または拒絶反応を生じさせてはならない。
生体適合性ゲルを形成するのに使用可能な典型的なポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI);ポリエチレングリコール(PEG);ポリプロピレングリコール(PPG);多糖類(例えば、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒアルロン酸誘導体、キトサン、デキストラン等を含む);ポリ(アクリルアミド)誘導体;ポリ(乳酸)(PLA)誘導体;ポリ(アクリル酸)(PAA)誘導体;ポリ(ラクチド−コ−グリコール)酸(PLGA)誘導体;ポリビニルアルコール(PVA);ポリ(ビニルピロリドン);ポリアルキルシアノアクリレート誘導体;コラーゲン誘導体;ポリ(グルタミン酸)(PGA);およびゼラチンより選択され得る。生体適合性ゲルはまた、本明細書で特定されるポリマーのいずれの混合物で構成させることもできる。
生体適合性ヒドロゲルを調製するのに有利に用いることができる好ましいポリマーは、i)セルロース誘導体、典型的にはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびii)ヒアルロン酸ファミリーのメンバーまたはその誘導体(典型的には、官能基をヒアルロン酸に導入することで得られる誘導体)を含む、多糖類ファミリーにて選択され得る。このことは、ヒアルロン酸のグルクロン酸部分のカルボキシレートで活性エステルを形成し、その後でそれをアミノ基またはアルデヒド基と置換することで、達成され得る。
ゲルの粘度を調整するために、これらの多糖類は、典型的には、低分子量または高分子量の架橋剤を用いて架橋させることができ、あるいは(熱または照射などの物理的手段を用い、いずれの外部分子も存在しない状況下で)自己架橋させることができる。
本発明に係る生体適合性ゲルを形成するために溶媒に分散させるポリマーの量は、典型的には0.1%と50%(重量/重量、w/w)との間に、より好ましくは0.5%と40%の間に、典型的には0.5%と35%の間に、または0.5%と25%の間に、より一層好ましくは約1%、約2%または約3%と、約15%または約20%(w/w)との間にある。
生体適合性ゲルがヒドロゲルである場合、溶媒は典型的には水性媒体である。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルの20℃と37℃の間の温度で2秒−1での見かけ粘度は、約0.1パスカル・秒と約1000パスカル・秒の間に、好ましくは1パスカル・秒と750パスカル・秒の間に、典型的には5パスカル・秒と500パスカル・秒、あるいは5パスカル・秒と300パスカル・秒の間にある。粘度測定は、典型的には、20℃および37℃で、クエット型レオメーター(MODEL RM200, LAMY Rheology)を用い、0.1秒−1〜300秒−1にある所定の範囲のシェア速度で行われる。見かけ粘度は2秒−1で報告される。
各サンプルで、DIN ISO 3219基準の指示に従い、適切なスピンドルを用いて少なくとも25mlの容量で測定を行う。
粒子−ゲルの相互作用
本発明に係るナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルにおいて、各ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、無機材料、典型的には原子番号が少なくとも25の、好ましくは少なくとも40の金属元素を少なくとも1つ含む無機材料を含むか、あるいはそれのみからなり、各ナノ粒子およびナノ粒子集合体の密度は少なくとも7g/cmである。各ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は生体適合性コーティング剤で覆われるのが有利である。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のゲル中濃度は少なくとも約1%(w/w)である。好ましい実施態様において、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のゲル中濃度は約1.5%と50%(w/w)の間にあり、好ましくは1.5%と25%(w/w)の間に、より一層好ましくは1.5%と10%(w/w)の、あるいは1.5%と5%(w/w)の間に、典型的には2%と4%(w/w)の間にある。例えば、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のゲル中濃度は約1.5%、2%、3.5%、4%または5%(w/w)に等しい。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体と、ポリマーとの間に、生体適合性ゲルを形成するいずれの強い相互作用(強い相互作用とは典型的には共有結合性相互作用である)もないことが、該ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体が正確に腫瘍床を描写するために、それらがゲルより実際に放出されることを保証するための重要な特性である。
粒子と、ポリマーとの間に、生体適合性ゲルを形成する強い相互作用のないことは、典型的には、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの粘度を上記されるように20℃と37℃で測定し、その得られた粘度曲線を、ナノ粒子もナノ粒子集合体も含まないゲルの粘度曲線と比較することで確認され得る。粘度曲線が類似すること(すなわち、粘度が相互に20%しか違わないこと、典型的には15%しか違わないこと)により、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体と、ゲルとの間に強い相互作用のないことが確認される。
粒子と、ポリマーとの間に、生体適合性ゲルを形成する強い相互作用のないことは、典型的には、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの透過率スペクトル(波長の関数として)を測定し、その得られたスペクトルをナノ粒子もナノ粒子集合体のいずれも含まれないゲルのスペクトルと比べ、またナノ粒子またはナノ粒子集合体のスペクトルとも比較することにより、フーリエ変換赤外分光法でも確認され得る。ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの透過率スペクトルは、ゲルの透過率スペクトルに、ナノ粒子またはナノ粒子集合体の透過率スペクトルを付加したものと厳密に対応する。これにより、本発明に係るゲルと、ナノ粒子またはナノ粒子集合体との間に強い相互作用のないことが確認される(実施例10および11、および図6を参照のこと)。
生体組織および腫瘍床の描写および可視化
腫瘍床の可視化および治療計画(すなわち、放射線療法に適した計画)に古典的に使用される方法として、当業者に公知の、i)触診および/または外科的瘢痕を用いる計画;ii)手術前の画像化知見(典型的には、乳腺撮影)、病歴および/または手術報告を考慮する計画;iii)典型的には、放射線撮影、コンピュータ断層撮影(CT)、陽電子放出形コンピュータ断層撮影(PET)、または磁気共鳴画像法(MRI)を含む計画が挙げられる。
CTスキャナーなどのX線を用いる医学画像化方法が、腫瘍床の治療計画を決定するのに一般的に使用される方法である。
コンピュータ断層撮影(CT)画像化は、異なる組織によるX線の可変吸収をベースとし、断面画像操作で得られる。「断層撮影(tomography)」なる語は、「スライス」または「セクション」を意味するギリシャ語の「トモス(tomos)」と、「図面」を意味する「グラフ(graphe)」とに由来する。CT画像システムは体の内部の骨および軟組織の断面画像を作成する。CT画像を組み合わせて、3D画像を作成しうる。
使用されるナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、本発明に照らして、原子番号が少なくとも25の、好ましくは40の、より一層好ましくは40よりも大きい金属元素を好ましくは少なくとも1つ含む無機材料からなるか、またはそれのみからなる。ナノ粒子は、本質的に、放射線不透過性(すなわち、X線を吸収する)であり、放射線撮影またはコンピュータ断層撮影を介して典型的には容易に可視化され得る。
X線に、典型的にはCTスキャナーによってデリバーされるX線に曝されると、そのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、標的とする生体組織の電子密度と、該粒子の電子密度との差異によりCT画像にて著しいコントラストを示す。
ハウンスフィールド値は、コンピュータ断層撮影にて計算したピクセル(画素)のX線吸収係数を正規化した値である。この値はハウンスフィールド単位(HU)で表される。空気のCT値は−1000(HU=−1000)であり、水のCT値は0(HU=0)である。高Zeffの無機粒子では、典型的にはおよそ150のHU値で組織と粒子の間で分離が起こる。典型的には、120より高く、200までのHU値では、軟組織の密度はもはや測定され得ない。
本発明のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルを、i)目的とする生体組織(標的組織)上に堆積させるか、またはii)典型的には腫瘍摘出術の後に、好ましくは手術(腫瘍摘出術)の際にできたキャビティに充填されることで対象に投与され得る。
ナノ粒子またはナノ粒子の集合体はゲルから放れ、その後で標的組織上に、好ましくは腫瘍床上に堆積する。
ナノ粒子またはナノ粒子の集合体は、完全かつ持続的に標的とする組織を描写できるように、典型的には24時間〜1ヶ月未満、好ましくは24時間〜3週間、より好ましくは24時間〜2週間、標的とする組織上に堆積することが好ましい。かかる描写は、典型的には、さらなるいずれの治療計画に照らしても、高い価値があるであろう。ある実施態様において、ナノ粒子またはナノ粒子の集合体の放出および標的とされる組織上での堆積はゲル濃度に応じて変化する(実施例3、4および7を参照のこと)。
特定の実施態様において、本発明の生体適合性ゲルは標的とされる組織の描写に有用である。
キャビティが本発明に係るゲルで充填される場合、そのゲルはキャビティの容積の少なくとも10%を、好ましくはキャビティの容積の20%を、より一層好ましくはキャビティの容積の30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上を満たしてもよい。キャビティの容積の100%をかかるゲルで満たすこともできる。
必要とあれば、ゲルの反復投与が実施され得る。
ナノ粒子および/またはナノ粒子の集合体を含む本発明に係るゲルにより可能となる標的とされる組織の描写は、典型的には、X線医用画像装置を、より好ましくはCTスキャナーを用いて可視化され得る。「描写する」なる語は、ナノ粒子またはナノ粒子の集合体が、i)標的とされる組織の少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約50%、より一層好ましくは約50%、60%、70%、80%、90%、または約95%より多くを覆い;好ましくはii)標的とされる組織の表面上に厚みが100μmと0.5cmの間に、例えば500μmと0.5cmの間にある層を形成することを意味する。その層内にあるハウンスフィールド(HU)値は少なくとも120HUである。ナノ粒子またはナノ粒子の集合体が標的とされる組織の99%を、あるいは100%さえも覆うのが理想的である。
本明細書においてはまた、対象において腫瘍床を描写し、そのような描写がX線画像装置を用いてその後に該腫瘍床を可視化させることを可能とする方法であって、ここで堆積から24時間〜1ヶ月未満、好ましくは24時間〜3週間、より好ましくは24時間〜2週間からなる遅延期間における腫瘍床の描写を得るために、対象の腫瘍床を、典型的にはゲルの腫瘍床への堆積を通して、好ましくは手術(腫瘍切除)の際に、(本明細書に記載される)本発明のナノ粒子またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルに曝すことを含む方法が記載される。次に腫瘍床の描写がX線画像装置を用いて可視化され得る。
本発明はどのような型の悪性充実性腫瘍、特に上皮がん、神経外胚葉性がん、間葉性起源性がん、ならびにリンパ節が関与する限りのリンパ性がんのいずれの腫瘍床を描写するのにも使用され得る。
本明細書に記載のナノ粒子および/またはナノ粒子の集合体を含む生体適合性ゲルが、放射線療法が古典的な補助薬物療法であるか、または特定の患者にとって最適な補助薬物療法であるか、あるいは放射線療法が補助薬物療法として示され得る、がん治療のプロトコルに照らして特に使用されるものとする。かかるがんは、皮膚がん(AIDSに付随する悪性腫瘍、メラノーマを含む);扁平上皮がん;中枢神経系腫瘍(脳、小脳、下垂体、脊髄、脳幹、眼および眼窩腫瘍を含む);頭頸部腫瘍;肺がん;乳がん;胃腸腫瘍、例えば肝臓および肝胆管がん、結腸、直腸および肛門がん、胃、膵臓、食道がん;男性泌尿生殖器腫瘍、例えば、前立腺、精巣、陰茎および尿道がん;女性生殖器腫瘍、例えば、子宮頚管、子宮内膜、卵巣、卵管、膣および外陰部がん;副腎および後腹膜腔腫瘍;局在化とは無関係の骨および軟組織の肉腫;および小児腫瘍、例えばウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、中枢神経系腫瘍、ユーイング肉腫等からなる群より特に選択されてもよい。
生体組織および腫瘍床照射
本発明の生体適合性ゲルは、多くの分野にて、特にヒトまたは獣医薬の分野にて使用され得る。本明細書に記載されるように本発明の生体適合性ゲルは、好ましくは、哺乳動物、より一層好ましくはヒトにて、腫瘍学における、特にナノ粒子またはナノ粒子集合体が電離放射線に曝される場合の、治療剤として用いるのが好ましい。電離放射線は、好ましくは、X線、ガンマ線、および電子線より選択される。
好ましい実施態様において、ゲルが標的生体組織上に塗布されると、該生体適合性ゲルのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は、電離放射線が照射された場合に、該ゲルの塗布されていない標的生体組織上の放射線量堆積と比べて、その同じ組織上の放射線量の堆積を少なくとも約10%増大させる。
典型的には、本発明は、対象の標的組織にて、好ましくは対象の腫瘍床にて、少なくとも10%の放射線量の堆積強化を可能とする治療方法であって、以下の工程:
i)対象の腫瘍床を本発明に係る(本明細書に記載の)ナノ粒子またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルに、腫瘍床の描写を獲得するために、典型的には該ゲルの該腫瘍床への堆積を通して、手術(腫瘍摘出術)の際に曝す工程;および
ii)該ナノ粒子またはナノ粒子集合体を電離放射線で照射し、それにより該対象を治療する工程をその順序で含む、方法に関する。
典型的には、がん患者が対象である。
電離放射線、とりわけX線、ガンマ線、放射性同位体および/または電子線を照射すると、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体は電子および/または高エネルギーの光子を生み出す。イオン化の後に放出されるこれらの電子および/または高エネルギー光子は、フリーラジカル生成を介して、細胞損傷部に直接的および/または間接的に、最終的には細胞破壊に関与し、患者にとってより良い結果がもたらされるであろう。
粒子は合計で大量の範囲の照射線量に暴露され得る。
いずれの疾患/解剖学的部位/患者を定める病期/患者の年齢(子供、成人、老人患者)についても、用量および用法(単一線量における照射の計画およびデリバリー、あるいは分割または過分割した放射線療法に照らした計画およびデリバリー等)を規定し、どのような特別な状況においても標準治療を続ける。
上記されるように、適切な放射線または励起源は、好ましくは電離放射線であり、有利にはX線、ガンマ線、電子線、イオン線、および放射性同位元素または放射性同位体発光源からなる群より選択され得る。
電離放射線は、典型的には、約2KeVないし約25000KeV(または25MeV)、特に約2KeVないし約6000KeV(すなわち、6MeV)(LINAC源)、あるいは約50KeVないし約25000KeVのものである。
一般的であって、限定される方法ではなく、次のX線が、色んなケースで粒子を励起するのに使用され得る:
− 2ないし50keVの表面的X線:表面近くのナノ粒子を励起する(2、3ミリメータの浸透);
− 50ないし150keVのX線:診断で使用されるが、治療でも使用される;
− 200ないし500keVのX線(正中電圧):厚みが6cmの組織に浸透しうる;
− 1000keVないし25000keVのX線(メガボルト)。
放射性同位体は、別に、電離放射線源(キュリー療法またはブラキセラピーと称される)として使用され得る。特に、ヨウ素125I(t1/2=60.1日)、パラジウム103Pd(t1/2=17日)、セシウム137Csおよびイリジウム192Irが、有利に使用され得る。
陽子線、イオン線、例えば炭素線、特に高エネルギーイオン線などで帯電される粒子は電離放射線供給源および/または中性子線源としても使用され得る。電子線はまた、4MeVと25MeVの間のエネルギーをもった電離放射線供給源として使用されてもよい。
無機ナノ粒子またはナノ粒子集合体を構成する原子(「金属元素」)の所望のX線吸収端に近いあるいはそれに相当するエネルギーの放射X線を選択的に生成するのに、特定のモノクロ式放射線供給源を用いることができる。
電離放射線の好ましい供給源は線型粒子加速装置(LINAC)である。
本発明のさらなる目的は、本発明に係る(本明細書に記載の)ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルを含み、所望により治療剤を一緒に含んでもよいキットに関する。特定の実施態様において、該キットは、別個の容器に、(インサイチュ、すなわち標的部位上で、あるいは混合物を標的部位上に堆積させる前にエクスビボのいずれかで接触させること、典型的には混合させるものとする)本明細書に記載の生体適合性ゲル、および本明細書に記載のナノ粒子またはナノ粒子集合体の懸濁液を含む。
本明細書に記載のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルからなるキットであって、ここで生体適合性ゲルおよびナノ粒子および/またはナノ粒子集合体が別個の容器にあるキットが、このように本明細書にてさらに記載される。
次の実施例を用いて本発明を説明するが、実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
クリップを用いる腫瘍組織描写を示す。「Improving the definition of the tumor bed boost with the use of surgical clips and image registration in breast cancer patients」[Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys. Vol 78 (5); 1352-1355 (2010)]から由来。腫瘍床体積描写:肉眼的腫瘍体積(GTV)(赤色);臨床標的体積(CTV)クリップ=すべてのクリップ+0.5cmの余裕幅(margin);計画標的体積(PTV)(緑色)=GTV+CTVクリップ+0.5cmの側部および1cmの上部−下部の余裕幅;
腫瘍摘出術後のキャビティにゲルを堆積させて2日後、8日後および20日後に撮影されたマイクロCT(μCT)画像であって、酸化ハフニウムからなる生体適合性ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体(3.5%w/w)を含むメチルセルロース(5%w/w)で構成される本発明の生体適合性ヒドロゲルを用いた腫瘍床描写のマイクロCT画像を示す。ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体はゲルを腫瘍床に堆積させる前に該ゲルと混合させた。
腫瘍摘出術後のキャビティにゲルを堆積させて2日後、9日後および20日後に撮影されたCT画像であって、酸化ハフニウムからなる生体適合性ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体(3.5%w/w)を含むメチルセルロース(9%w/w)で構成される本発明の生体適合性ヒドロゲルを用いた腫瘍床描写のCT画像を示す。ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体はゲルを腫瘍床に堆積させる前に該ゲルと混合させた。
モンテカルロ計算法を用いる粒子濃度の放射線量強化に対する効果を示す。
ヒアルロン酸(3%w/w)からなるゲルと、ヒアルロン酸(3%w/w)からなり、酸化ハフニウムより構成される生体適合性ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体(5%w/w)を含むゲルとの、粘度測定(A:20℃;およびB:37℃)を示す。
ヒアルロン酸(0.1%w/w)からなり、酸化ハフニウムより構成される生体適合性ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体(0.26%w/w)を含むゲルのFTIRスペクトルを示す。ヒアルロン酸からなるゲルのスペクトルと比較し、酸化ハフニウムより構成されるナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のスペクトルとも比較する。
腫瘍摘出後のキャビティにゲルを堆積させた30分後(D01)、1日後(D02)、3日後(D04)および22日後(D23)に撮影されたCT画像であって、本発明の生体適合性ヒドロゲルを用いた腫瘍床の描写を示す。該ゲルは、ヒアルロン酸(3.8%w/w)、ヒアルロン酸(2.5%w/w)、または自己架橋性ヒアルロン酸(3%w/w)からなり、酸化ハフニウムより構成される生体適合性ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体(5%w/w)を含む。ゲルを腫瘍床に堆積させる前に、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を該ゲルと混合させた。
実施例
実施例1:コーティング剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを用いる生体適合性酸化ハフニウム(HfO)ナノ粒子またはナノ粒子集合体
水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)溶液をHfCl溶液に添加する。TMAOH溶液の添加は、最終懸濁液のpHが7と13の間からなるpHに達するまで行われる。白色沈殿物が得られる。
沈殿物をさらオートクレーブに移し、120℃と300℃の間からなる温度で加熱し、結晶化を行う。冷却した後、懸濁液を脱イオン水で洗浄する。
次にヘキサメタリン酸ナトリウム溶液をその洗浄した懸濁液に添加し、そのpHを6と8の間からなるpHに調整する。
ナノ粒子またはナノ粒子集合体の懸濁液の滅菌処理をインビトロまたはインビボ実験の前に行う。
実施例2:大きさの異なる金ナノ粒子の合成および物理化学特性
塩化金をクエン酸ナトリウム水溶液で還元することにより金ナノ粒子を得る。G.Frens、Nature Physical Science 241 (1973) 21より由来のプロトコルを適応させた。
典型的な実験においては、HAuCl溶液を沸騰させる。その後で、クエン酸ナトリウム溶液を添加する。得られた溶液を沸騰下でさらに5分間維持する。
クエン酸塩の金前駆体に対する割合を慎重に修飾することにより、ナノ粒子の大きさを15nmから105nmまでに調整する(表1を参照のこと)。
次に、30kDaのセルロース膜の限外濾過装置を用いて、その調製した金ナノ粒子の懸濁液を濃縮する。
得られた懸濁液を層流フード(laminar hood)の下で0.22μmのカットオフ膜フィルターを通して最終的に濾過し、4℃で貯蔵する。
200個以上の粒子の粒径を、透過電子顕微鏡(TEM)を用い、各ナノ粒子の最長の寸法を考慮することで決定する。
実施例3:ゲルを腫瘍床上に堆積させる前の生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のゲル(メチルセルロース5%w/w)内への取り込み(3.5%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が4.5%w/wと5.5%w/wの間にあるポリマー(メチルセルロース)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が3.5%(w/w)に達するようにする。そうして得られる調製物を、典型的には、磁気攪拌器で、またはスパテラでゆっくりと混合する。
実施例4:ゲルを腫瘍床上に堆積させる前の生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のゲル(メチルセルロース9%w/w)内への取り込み(3.5%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が8.5%w/wと9.5%w/wの間にあるポリマー(メチルセルロース)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が3.5%(w/w)に達するようにする。
実施例5:実施例3のヒドロゲルに埋め込まれたナノ粒子を用いる場合に得られる「腫瘍床」描写の特性のマイクロ−コンピュータ断層撮影(μCT)による評価
この実験の目的は、μCT(コンピュータ断層撮影)によって、ナノ粒子(NP)による「腫瘍床」描写の特性を評価することであった。
実施例3の試験ゲルをヌードマウスにてHCT116異種移植された腫瘍(ヒト結腸直腸がん細胞)を切除することで残ったキャビティに埋め込んだ(堆積させた)。
μCT分析は、腫瘍床にてナノ粒子および/またはナノ粒子集合体により占められる体積を経時的に評価するために、腫瘍を切除することで残ったキャビティにゲルを埋め込んだ2日後、8日後および20日後に行われた。このために、外科的キャビティの周辺で手動式セグメント化(注目画像領域(ROI))が実施された。その場合、すべてのマウスで、ナノ粒子またはナノ粒子集合体の存在を査定し、それらのナノ粒子またはナノ粒子集合体で占められる位置および体積の両方を評価するために、外科的キャビティ内で120より大きいHUでの閾値処理が行われた。図2は手術およびゲルを埋め込んだ後で2日経過するが早いかでキャビティの80%より多くが腫瘍床描写を示すCT画像を表す。
実施例6:実施例4のヒドロゲルに埋め込まれたナノ粒子を用いる場合に得られる「腫瘍床」描写の特性のコンピュータ断層撮影(CT)による評価
この実験の目的は、CT(コンピュータ断層撮影)によって、ナノ粒子(NP)による「腫瘍床」描写の特性を評価することであった。
実施例4の試験ゲルをヌードマウスにてHCT116異種移植された腫瘍(ヒト結腸直腸がん細胞)を切除することで残ったキャビティに埋め込んだ(堆積させた)。
CT分析は、腫瘍床にてナノ粒子および/またはナノ粒子集合体により占められる体積を経時的に評価するために、腫瘍を切除することで残ったキャビティにゲルを埋め込んだ2日後、9日後および20日後に行われた。このために、外科的キャビティの周辺で手動式セグメント化(注目画像領域(ROI))が実施された。その場合、すべてのマウスで、ナノ粒子またはナノ粒子集合体の存在を査定し、それらのナノ粒子またはナノ粒子集合体で占められる位置および体積の両方を評価するために、外科的キャビティ内で120より大きいHUでの閾値処理が行われた。図3は手術およびゲルを埋め込んだ後で9日経過するが早いかでキャビティの約80%より多くが腫瘍床描写を示すCT画像を表す。
注目すべきは、実施例3および4にて明記されるプロトコルに従って調製されるナノ粒子またはナノ粒子集合体を含むゲルが、2秒−1で、各々、37℃で190パスカル・秒および720パスカル・秒に相当する粘度を有することである。それらがゲルより放出されると、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の腫瘍床への堆積は、典型的には、各々、2日および9日以内に起こる(図2および3を参照のこと)。
実施例7:ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体が腫瘍床上にある場合の、ナノ粒子またはナノ粒子集合体の腫瘍床上の平均濃度の概算値から増加した放射線量の堆積量の計算
表2は、請求項1に示されるいずれかのナノ粒子またはナノ粒子集合体が腫瘍床の輪郭を描く場合の、該粒子の計算された濃度を表す。ゲル内のナノ粒子またはナノ粒子集合体の最初の濃度は1%(w/w)および3.5%(w/w)で選択された。腫瘍床の体積は、摘出された腫瘍の直径ならびに肉眼による余裕幅(macroscopic margin)を考慮しながら、腫瘍床の異なる直径(その径を1cmと9cmの間とする)を推定して計算された。ナノ粒子が腫瘍床に堆積することで形成される層の厚みは、各々、0.1、0.5、1および2mmに等しいと仮定された。これらの層のナノ粒子またはナノ粒子集合体の100g/lより大きい計算された濃度(リム(rim)内のナノ粒子の濃度−表2を参照)を太文字で表す。
図4はモンテカルロ計算法を用いる粒子濃度の放射線量の強化に対する効果を示す。
深部解剖学的局在性組織(本明細書にて「NBTXR3ナノ粒子」と同定される酸化ハフニウムより構成される、請求項1に記載されるナノ粒子を含む組織)と正常な組織(ナノ粒子のない組織)の両方について、「グローバルモデル」計算法および6−MeVの光子線を用いて放射線量の強化を行った。その計算法では、Zグローバルを用いた。
グローバルモデル計算法にて、放射線量の強化(高Zナノ粒子を含む腫瘍での線量堆積をナノ粒子のない腫瘍での線量堆積で割ったものとして定義される)は、
グローバル=(100−x)*Z+x*Zナノ粒子
[ここで、「x」は腫瘍内でのナノ粒子の濃度(ナノ粒子の質量を腫瘍の質量で割った濃度)を示し、Zは水の実効原子番号を示し、Zナノ粒子はナノ粒子(すなわち、酸化ハフニウムナノ粒子)の実効原子番号を示す]
に等しい、Z値の平均値(Zグローバル)を考慮した場合のエネルギー堆積より得られる。その計算法において、腫瘍は水の実効原子番号と等しい実効原子番号を有すると考えられる。ナノ粒子は等方性方式においてX線吸収の平均効率を増大させた。
図4の結果は、腫瘍内でのナノ粒子の濃度が10%(重量%)で、放射線量堆積の10%より大きな増加が得られることを示す。
「酸化ハフニウムのナノ粒子を用いるナノスケールでの放射線療法(Nanoscale Radiotherapy with Hafnium Oxide Nanoparticles)」[Future Oncology 8 (9), 1167-1181 (2012)]の図4より由来の結果に基づき、そして表2Aおよび2Bに従って、少なくとも10%増の放射線量の堆積が、本発明の生体適合性ゲル、すなわち、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルであって、ここでi)各ナノ粒子および各ナノ粒子集合体の密度が少なくとも7g/cmであり、該ナノ粒子またはナノ粒子集合体が原子番号Zが少なくとも25であり、より好ましくは少なくとも40である少なくとも1つの金属元素を含む無機材料を含み、そのナノ粒子およびナノ粒子集合体の各々が生体適合性コーティング剤で覆われており;ii)そのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の濃度が少なくともおよそ1%(w/w)であり;およびiii)ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの2秒−1での見かけ粘度が、20℃〜37℃で測定した場合に、約0.1パスカル秒〜約1000パスカル秒である、生体適合性ゲルを用いた場合に、腫瘍床をナノ粒子および/またはナノ粒子集合体で描写し、その後で該ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体に照射することで得られる。
表2A:ゲル中のナノ粒子の初期濃度が10g/Lであると想定した場合のリムにおけるナノ粒子の濃度
表2B:ゲル中のナノ粒子の初期濃度が35g/Lであると想定した場合のリムにおけるナノ粒子の濃度
実施例8:ヒアルロン酸ゲル(3%w/w)内への生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の取り込み(5%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が2.5%w/wと4%w/wの間にあるポリマー(ヒアルロン酸)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が5%(w/w)に達するようにする。そうして得られた調製物を典型的には磁気攪拌機またはスパテラで混合する。
実施例9:ヒアルロン酸(3%w/w)からなるゲルと、酸化ハフニウムより構成されるナノ粒子および/またはナノ粒子集合体(5%w/w)を含むヒアルロン酸(3%w/w)からなる実施例8より由来のゲルの粘度測定
粘度測定は、典型的には、20℃と37℃で、クエット血流計を用い、DIN ISO3219基準(MODEL RM200, LAMY Rheology)の指示に従い、0.1秒−1と20秒−1の間にある所定の範囲の剪断速度で行われる。見かけの粘度は2秒−1で報告される。粒子とポリマーとの間に生体適合性ゲルを形成する強い相互作用のないことは、典型的には、上記されるように、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの粘度を20℃と37℃で測定し、そうして得られた粘度曲線をナノ粒子もナノ粒子集合体も含まないゲルの粘度曲線と比べることで確認され得る。両方のゲルの2秒−1での見かけの粘度は、20℃で150パスカル・秒より高く、37℃で100パスカル・秒よりも高い。観察される粘度曲線が類似する(すなわち、数値が相互に多くて20%、典型的には多くて15%異なる)ことで、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体とゲルとの間に強い相互作用のないことが確認される(図5Aおよび5Bを参照)。
実施例10:ヒアルロン酸(0.1%w/w)のゲル内への生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の取り込み(0.26%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が0.05%w/wと0.25%w/wの間にあるポリマー(ヒアルロン酸)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が0.26%(w/w)に達するようにする。そうして得られた調製物を典型的には磁気攪拌機またはスパテラで混合する。
実施例11:実施例10のゲルのFTIR(フーリエ変換赤外分光法)スペクトル、ならびにヒアルロン酸からなる、およびまたナノ粒子および/またはナノ粒子集合体からなるゲルとの比較
生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を埋め込んだゲルにて観察されるバンドは、ヒアルロン酸からなるゲルに特徴的なバンドに、および酸化ハフニウムより構成されるナノ粒子および/またはナノ粒子集合体のバンドに相当する。一方または他方の成分の特徴的なバンドが欠けていることはなく、新たなバンドが現れることもない。FTIRスペクトルは、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体とゲルとの間に相互作用のあることを示す何の特徴も示さなかった(図6、ならびに以下の表3および4を参照)。
表3:ヒアルロン酸についてのFTIRバンドの帰属(Pasqui D.ら、多糖類を基剤とするヒドロゲル:機械的特性に影響を及ぼす水の重要な役割(Polysaccharide-based hydrogels: the key role of water in affecting mechanical properties) Polymers, Vol 4, p.1517-1534, 2012より由来)
表4:酸化ハフニウムについてのFTIRバンドの帰属
(Ramadoss A.ら、ソノケミカル方法によるHfOナノ粒子の合成および特性評価(Synthesis and characterization of HfO2 nanoparticles by sonochemical approach) Journal of Alloys and Compounds, Vol 544, p.115-119, 2012より由来)
実施例12:腫瘍床上にゲルが堆積する前のゲル(ヒアルロン酸 3.8%w/w)内への生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の取り込み(5%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が3.3%w/wと4.3%w/wの間にあるポリマー(ヒアルロン酸)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が5%(w/w)に達するようにする。
実施例13:腫瘍床上にゲルが堆積する前のゲル(ヒアルロン酸 2.5%w/w)内への生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の取り込み(5%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が2%w/wと3%w/wの間にあるポリマー(ヒアルロン酸)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が5%(w/w)に達するようにする。
実施例14:腫瘍床上にゲルが堆積する前のゲル(自己架橋したヒアルロン酸 3%w/w)内への生体適合性酸化ハフニウムナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の取り込み(5%w/w)
一容量の実施例1の生体適合性HfOナノ粒子の水性懸濁液を、一容量のゲル、典型的には濃度が2.5%w/wと3.5%w/wの間にあるポリマー(自己架橋したヒアルロン酸)のゲルに添加する。HfOナノ粒子の懸濁液とゲルとの間の容量割合を調整し、ゲル内のHfOナノ粒子の最終濃度が5%(w/w)に達するようにする。
実施例15:ナノ粒子を用いて実施例12、13および14より由来の各ヒドロゲルに取り込んで得られる「腫瘍床」描写の特性のコンピュータ断層撮影(CT)による評価
この実験の目的は、ナノ粒子(NP)による「腫瘍床」描写の特性を、CT(コンピュータ断層撮影)で評価することであった。実施例12(図7、上パネル)、実施例13(図7、中パネル)および実施例14(図7、下パネル)からの試験ゲルを、BALB/cJRjマウスにてEMT−6同所移植の腫瘍(ネズミ乳がん細胞)を切除することで残ったキャビティに埋め込んだ(堆積させた)。CT分析は、腫瘍床にてナノ粒子および/またはナノ粒子集合体により占められる体積を経時的に評価するために、腫瘍を切除することで残ったキャビティにゲルを埋め込んだ30分後、1日後、2日後、8日後および22日後に行われた。このために、外科的キャビティの周辺で手動式セグメント化(注目画像領域(ROI))が実施された。その場合、すべてのマウスで、ナノ粒子またはナノ粒子集合体の存在を査定し、それらのナノ粒子またはナノ粒子集合体で占められる位置および体積の両方を評価するために、外科的キャビティ内で120より大きいHUでの閾値処理が行われた。図7は手術およびゲルを埋め込んだ後で3日経過するが早いかでキャビティの約80%より多くが腫瘍床描写を示すCT画像を表す。
ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体がゲルから放出された後、それらの腫瘍床上への堆積は、典型的には、3日以内に生じる。
引用文献
− 乳房温存療法におけるカスタマイズコンピュータ制御による断層撮影術に基づくブースト容量:体積限界を臨床的に標的とするための病理組織の3次元情報の使用(Customized Computed Tomography-Based Boost Volumes in Breast-Conserving Therapy: Use of Three-Dimensional Histologic Information for Clinical Target Volume Margins) IJROB 75 (3) 757-763 (2009);
− 乳がんを部分的に外部ビームによる放射線療法に付すための標的とする体積の限定:最新の方法の情報を提供する臨床的、病理学的および技術的研究(Target volume definition for external beam partial breast radiotherapy: clinical, pathological and technical studies informing current approaches) Radiotherapy and Oncology 94 255-263 (2010);
− 乳房温存療法における腫瘍の大きさと切除および放射線照射される体積の関連性(Excised and Irradiated Volumes in Relation to the Tumor size in Breast-Conserving Therapy) Breast Cancer Res Treat 129: 857-865 (2011);
− EORTC放射線腫瘍学のグループの代表として、前立腺がんの術後放射線療法において標的とする体積を限定するための指針(Guidelines for target volume definition in post-operative radiotherapy for prostate cancer, on behalf of the EORTC Radiation Oncology Group) Radiotherapy & Oncology 84 121-127 (2007);
− 乳がん患者における止血鉗子および画像表示の使用に伴う腫瘍床ブーストの限定の改善(Improving the definition of the tumor bed boost with the use of surgical clips and image registration in breast cancer patients) Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys. Vol 78(5); 1352-1355 (2010);
− 動的腫瘍床:乳房温存療法の間の乳腺腫瘤摘出術の際のキャビティの体積変化(The dynamic tumor bed: volumetric changes in the lumpectomy cavity during breast conserving therapy) Int. J. Radiation Oncology Biol. Phys. 74 (3): 695-701 (2009)
− 酸化ハフニウムのナノ粒子を用いるナノスケールでの放射線療法(Nanoscale Radiotherapy with Hafnium Oxide Nanoparticles) Future Oncology 8 (9): 1167-1181 (2012);
− 多糖類を基剤とするヒドロゲル:機械的特性に影響を及ぼす水の重要な役割(Polysaccharide-based hydrogels: the key role of water in affecting mechanical properties) Polymers. 4: 1517-1534, 2 (2012);
− Ramadoss A.ら、ソノケミカル方法によるHfOナノ粒子の合成および特性評価(Synthesis and characterization of HfO2 nanoparticles by sonochemical approach) Journal of Alloys and Compounds. 544: 115-119 (2012)

Claims (10)

  1. ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むセルロース、ヒアルロン酸、またはそれらの誘導体の生体適合性ゲルであって、ここでi)各ナノ粒子およびナノ粒子集合体の密度が少なくとも7g/cmであり、そのナノ粒子またはナノ粒子集合体が原子番号Zが少なくとも40である少なくとも1つの金属元素を含む無機材料を含み、そのナノ粒子およびそのナノ粒子集合体の各々が生体適合性コーティング剤で覆われており;ii)そのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体の濃度が1〜5%(w/w)であり;およびiii)ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含むゲルの2秒−1での見かけ粘度が、20℃〜37℃で測定した場合に、パスカル秒〜720パスカル秒である、生体適合性ゲル。
  2. 無機材料が、金属、酸化物、硫化物またはそれらのいずれかの混合物である、請求項1に記載の生体適合性ゲル。
  3. ナノ粒子またはナノ粒子集合体が、少なくとも1つの標的化剤をさらに含む、請求項1または2に記載の生体適合性ゲル。
  4. 標的とする生体組織にゲルを適用する場合に、そのゲルがない場合の同じ生体組織上の放射線量の堆積量と比較して、電離放射線に曝された時に、生体適合性ゲルのナノ粒子および/またはナノ粒子集合体がその標的とする生体組織への線量の堆積量を少なくとも約10%増加させる、請求項1〜のいずれか一項に記載の生体適合性ゲル。
  5. 適用される電離放射線量が2KeV〜25MeVである、請求項に記載の生体適合性ゲル。
  6. 電離放射線がX線、ガンマ線、および電子線より選択される、請求項に記載の生体適合性ゲル。
  7. ゲルが標的とする生体組織の少なくとも40%の描写および可視化を可能とする、請求項のいずれか一項に記載の生体適合性ゲル。
  8. 生体組織が腫瘍床である、請求項のいずれか一項に記載の生体適合性ゲル。
  9. 腫瘍床が腫瘍を摘出した後にもたらされるキャビティを覆う組織である、請求項に記載の生体適合性ゲル。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載のナノ粒子および/またはナノ粒子集合体を含む生体適合性ゲルを含むキットであって、生体適合性ゲルと、ナノ粒子および/またはナノ粒子集合体とが別個の容器に入れられている、キット。
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