JP6484001B2 - 給湯器の異常検出装置 - Google Patents

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本発明は、給湯器に関し、詳しくは、給湯器の異常を検出するための異常検出装置に関する。
給湯器には、安全性を向上させる目的で、燃焼の異常などを検出するための異常検出装置を備えたものが広く用いられている。そして、そのような給湯器の1つに、特許文献1に開示されているような給湯器(瞬間的湯沸器)がある。
この特許文献1に開示されている給湯器は、図4に示すように、メインバーナ101の燃焼室103と、熱交換器104を備えた給湯器であって、パイロットバーナ102により加熱される熱電対105と、その熱起電力によりメインバーナ101およびパイロットバーナ102への燃料供給路に配設した遮断弁Vを吸着して開に保持するマグネットMを備えたパイロットセフティ回路Cに、メインバーナ101の燃焼雰囲気温度の上昇に伴って、漸次増大する抵抗体106を設けた酸欠検知安全装置付き給湯器(瞬間式湯沸器)である。
この特許文献1の給湯器においては、抵抗体106として、熱電対105による熱起電力に対して逆起電力を発生すべく接続した雰囲気温度検出用熱電対が用いられている。また、雰囲気温度検出用熱電対として、熱電対105とは逆極性となる状態に接続した副熱電対(抵抗体)106が用いられている。
そして、この特許文献1の給湯器においては、図4に示すように、パイロットバーナ102により加熱される熱電対105の熱起電力により生じる電流がパイロットセフティ回路Cに通電されることにより、別段の増幅回路を必要とすることなく、マグネットMによって、メインバーナ101およびパイロットバーナ102への燃料供給路に設けた遮断弁Vを吸着して開に保持することが可能になる。
ところで、増幅回路を用いることなく遮断弁Vを吸着して開に保持するためには、パイロットセフティ回路Cのループ抵抗値が低いことが必要になる。したがって、パイロットセフティ回路Cに、副熱電対(抵抗体)106を設けることによって生じる抵抗値の増大を抑制する必要があった。
そこで、パイロットセフティ回路Cと副熱電対106との接続部の抵抗をできるだけ小さくするため、パイロットセフティ回路Cと副熱電対106との接続に用いられるリード線と、副熱電対106とは、通常、溶接によって接続されることになる。
また、前記リード線としてより線を用いると、リード線と副熱電対106との溶接の際に、より線を構成する素線が溶接によって溶断するおそれがあるなどの理由から、リード線としては、通常、より線ではなく単線が用いられる。しかしながら、リード線の断面積(導体断面積)が同じである場合、単線の方が、より線に比べて可とう性が低いため、リード線としてより線を用いる場合に比べて、リード線の取り扱い性が悪く、製造工程における作業性が低下するという問題点がある。
また、特許文献2には、図5に示すように、熱電対201と、この熱電対201の冷接点206,207である両端部に接続されたリード線205とを備えた熱電対装置が開示されている。
この熱電対装置において、熱電対201は、種類の異なる板状金属材料からなる第1の細片202と第2の細片203とから構成されており、熱電対201の温接点は第1の細片202と第2の細片203の先端部202a,203a同士を溶接することにより形成されている。また、リード線205と接続する第1および第2の細片202,203の他端部は、かしめることによりリード線205に圧着されてこれを保持するかしめ部202d,203dとなっており、かつ、かしめ部202d,203dをかしめてリード線205を保持固定することにより、熱電対201とリード線205とが電気的に接続されている。
そして、熱電対201は、リード線205を介してバーナコントローラ212に接続されており、バーナコントローラ(図示せず)を介してメイン弁(図示せず)を作動させるように構成されている。
このように構成された特許文献2の熱電対装置の場合、製造が容易で生産性に優れている。すなわち、上述の特許文献1では、増幅由路を用いずに遮断弁Vを吸着して開に保持するようにしているが故に、リード線205と、熱電対201とを溶接によって接続するとともに、リード線205としてより線ではなく単線を用いることが必要になるのに対して、この特許文献2では、熱電対を、リード線205を介してバーナコントローラに接続して、バーナコントローラを介してメイン弁を作動させるように構成しているので、熱電対201とリード線205とを溶接ではなく、かしめによって接続することが可能になり、また、リード線としてより線を使用することが可能になるため、製造工程における作業性を向上させることが可能で、生産性に優れている。
しかしながら、特許文献2の熱電対装置の場合、種類の異なる板状金属材料からなる第1の細片202と第2の細片203から構成された熱電対201が用いられていることから、以下に説明するような別の課題がある。
すなわち、特許文献2のように、種類の異なる板状金属材料を打ち抜いて形成した細片202,203から熱電対201を構成する場合、板状金属材料を打ち抜く際に、抜きかすが材料のロスとなる。
そして、熱電対を構成する金属として好適に用いられるクロメル、コンスタンタンなどの金属材料は、一般に高価な材料であり、製造工程におけるロスは、コストの増大を招くという問題点がある。
実開昭58−181150号公報 実開平3−112643号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、製造工程における作業性を損なうことがなく、かつ、高価な金属材料のロスを低減することが可能で、生産性、経済性に優れた給湯器の異常検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の給湯器の異常検出装置は、
バーナにより加熱される熱交換器が、前記バーナの燃焼室を形成する筒胴の上部に設けられ、かつ、前記筒胴に形成された測温用開口を通して前記燃焼室に臨む状態で設けられた燃焼室温度検出手段と、前記燃焼室温度検出手段の検出情報に基づいて、前記バーナの燃焼を制御する制御手段とを備えた給湯器の異常検出装置であって、
前記燃焼室温度検出手段が熱電対によって構成され、
前記熱電対が、異なる種類の金属からなる、断面が円形の2種類の線材を、接合部において接合することにより形成され、
前記熱電対の出力端が、中空円筒状の金属からなる接続部材の一端内に、電気的に導通するように挿入されているとともに、前記接続部材には、前記熱電対の前記出力端と前記接続部材との間の電気抵抗を低減するための導通促進処理が施されており、かつ、
前記接続部材の他端には、前記制御手段と前記熱電対の出力端とを電気的に接続するためのより線からなるリード線が、前記接続部材と電気的に導通するように接続されているとともに、
前記接続部材が、絶縁部材を介して、前記筒胴に設けられた固定部材に固定されることにより、前記熱電対の前記接合部が、前記筒胴に形成された測温用開口を通して前記燃焼室に臨む所定の位置に保持されていること
を特徴としている。
また、本発明の給湯器の異常検出装置においては、前記導通促進処理が、前記接続部材を径内方向に変形させるかしめ処理であることが好ましい。
また、本発明の給湯器の異常検出装置においては、前記導通促進処理が、前記出力端と前記接続部材の前記一端とを半田付けまたは溶接する処理であることが好ましい。
本発明の給湯器の異常検出装置においては、異なる種類の金属からなる、断面が円形の2種類の線材を接合部において接合することにより熱電対(感熱部)を形成するようにしているので、例えば、板材をプレス加工して打ち抜いて熱電対(感熱部)を形成する場合のように材料ロスが生じず、高価な熱電対形成用の金属材料の損失を抑制することができる。
また、熱電対の出力端が、中空円筒状の金属からなる接続部材内に、電気的に導通するように挿入されているとともに、接続部材には、熱電対の出力端と接続部材との間の電気抵抗を低減するための導通促進処理が施され、かつ、接続部材の他端には、制御手段と熱電対の出力端とを電気的に接続するためのより線からなるリード線が、接続部材と電気的に導通するように接続された構成としているので、制御手段と熱電対の出力端とを確実に接続することが可能になる。
また、制御手段と熱電対の出力端とを電気的に接続するリード線として、可とう性に優れたより線を用いているので、製造工程における作業性を向上させることができる。
また、本発明の給湯器の異常検出装置において、導通促進処理として、接続部材を径内方向に変形させるかしめ処理を実施するようにした場合、簡便な方法で、熱電対の出力端と接続部材の一端との間の電気抵抗を低減することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、導通促進処理として、熱電対の出力端と接続部材の一端とを半田付けまたは溶接する処理を施すようにした場合、熱電対の出力端と接続部材の一端との間の電気抵抗をより一層低減することが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
なお、本発明においては、上述のかしめ処理と、半田付けまたは溶接による処理とを組み合わせることも可能である。
本発明の一実施形態にかかる異常検出装置を備えた給湯器を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかる異常検出装置を備えた給湯器において、接続部材を介してリード線が接続された状態の熱電対を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる異常検出装置を備えた給湯器において、固定部に取り付けられた熱電対を示す斜視図である。 従来の酸欠検知安全装置付き給湯器(瞬間式湯沸器)を示す図である。 従来の熱電対装置であって、熱電対の両端部の冷接点にリード線が接続された構造を有する熱電対装置を示す図である。
本発明の実施形態にかかる給湯器Aは、図1に示すように、給湯器本体10と、給湯装置本体10を覆うカバー20と、燃料ガスを燃焼させるバーナ21と、燃焼室22と、燃焼室22を形成する筒胴24と、筒胴24の上部に設けられ、バーナ21により燃料を燃焼させた燃焼ガスと水との間の熱交換を行うための熱交換器23と、筒胴24に形成された測温用開口25を通して燃焼室23に臨む状態で設けられた熱電対(燃焼室温度検出手段)1と、熱電対1の検出情報に基づいて、バーナ21の燃焼を制御する制御手段(図示せず)とを備えている。
また、給湯器Aは、異常検出装置を備えており、熱電対1による検出温度が所定温度より高いときには、熱交換器23が目詰りを起こし、結果として、燃焼室22を形成する筒胴24内の圧力が上昇し、測温用開口25を通して筒胴24の外へ高温の燃焼ガスが流れ出ていると判断するとともに、制御手段が電磁弁(図示せず)を閉止して燃料供給路を遮断し、バーナ21の燃焼を停止するように構成されている。なお、制御手段は、電池(図示せず)を電源として駆動されるように構成されている。
上述のように、燃焼室温度を検出するための手段として用いられている熱電対1としては、この実施形態では、図2に示すように、異種金属からなる2つの線材(クロメルを主成分とする断面が円形の線材1aと、コンスタンタンを主成分とする断面が円形の線材1b)を接合部11において接合することにより形成されている。なお、接合部11における接合は、上記2つの線材1a,1b同士を放電などにより高温にして溶融させるなどの方法で行われている。
なお、熱電対として用いられる2つの異種金属の組み合わせは、クロメルとコンスタンタンに限らず、公知の他の2種類の金属の組み合わせとすることも可能である。
また、この実施形態の給湯器の異常検出装置においては、熱電対1の出力端1a1,1b1を、中空円筒状の金属からなる接続部材2(2a,2b)の一端2a1,2b1の開口から内部に挿入するとともに、熱電対1の出力端1a1,1b1と接続部材2(2a,2b)との間の電気抵抗を低減する導通促進処理を施してある(図2)。
そして、この実施形態では、導通促進処理として、接続部材2(2a,2b)を径内方向に変形させるかしめ処理が施されている。
導通促進処理としてかしめ処理を施すことにより、熱電対1の出力端1a1,1b1と接続部材2a,2bとの間の導通信頼性を向上させることができる。なお、かしめ処理は容易な加工方法であり、製造工程を複雑にすることなく、確実に導通信頼性を向上させることができる。
また、この実施形態では、かしめ処理が施された接続部材2a,2bの一端2a1,2b1と熱電対1の出力端1a1,1b1とが半田付けされている。これにより、熱電対1と接続部材2a,2bとの間の導通信頼性をさらに向上させることが可能になるとともに、熱電対1の出力端1a1,1b1と接続部材2a,2bの一端2a1,2b1との機械的な結合信頼性を向上させることが可能になる。
なお、特に図示しないが、例えば、接続部材の内周面に予め突部を設けておき、熱電対1の出力端を接続部材に挿入したときに、上記突起が熱電対の出力端の表面に圧接されるように構成して、熱電対の出力端を接続部材の一端に挿入するだけで、特にかしめ処理を必要とせずに、導通促進処理が施されるようにすることも可能である。
また、上記実施形態では、熱電対1の出力端1a1,1b1と接続部材2の一端2a1,2b1とを半田付けするようにしているが、熱電対1の出力端1a1,1b1と接続部材2の一端2a1,2b1とを、スポット溶接などの方法により溶接するように構成することも可能である。
なお、本発明において、熱電対1の出力端1a1,1b1と接続部材2(2a,2b)の一端2a1,2b1との間の半田付け、あるいは、溶接は行った方が好ましいが、半田付けあるいは溶接を行わないように構成することも可能である。
また、この実施形態の異常検出装置においては、接続部材2(2a,2b)の他端2a2,2b2に、制御手段(図示せず)と熱電対1の出力端1a1,1b2とを電気的に接続する、より線からなるリード線3(3a,3b)が挿入されることにより、接続部材2(2a,2b)の他端2a2,2b2とリード線3(3a,3b)とが電気的に接続されている(図2)。
さらに、熱電対1は、図3に示すように、接続部材2(2a,2b)を絶縁部材4(4a,4b)にて被覆した状態で、筒胴24に設けられた固定部材5に保持、固定されている。具体的には、固定部材5の帯状の固定部5a,5bを、絶縁部材4(4a,4b)を把持するように巻き回すことにより、熱電対1が固定部材5に固定されている。
そして、このとき、熱電対1の接合部11が、筒胴24に形成された測温用開口25を通して燃焼室23に臨むような態様で、筒胴24に設けられた固定部材5により所定の位置に固定されている(図1参照)。
このように構成されたこの実施形態の給湯器の異常検出装置においては、上述のように、熱電対1を、異種金属からなる断面が円形の2つの線材1a,1bから構成し、2つの線材1a,1bを接合して接合部11を形成するようにしているので、板材をプレス加工により打ち抜いて熱電対を形成する場合のように材料ロスが生じず、高価な熱電対形成用の金属材料のロスを抑制して、経済性に優れた異常検出装置を提供することが可能になる。
また、上述のように、制御手段と熱電対の出力端とを電気的に接続するリード線としてより線を用いることができるので、製造工程における作業性を向上させて生産性を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 熱電対
1a,1b 熱電対を構成する異種金属からなる2つの線材
1a1,1b1 熱電対の出力端
2(2a,2b) 接続部材
2a1,2b1 接続部材の一端
2a2,2b2 接続部材の他端
3(3a,3b) より線からなるリード線
4(4a,4b) 絶縁部材
5 固定部材
5a,5b 帯状の固定部
10 給湯器本体
11 熱電対の接合部
20 カバー
21 バーナ
22 燃焼室
23 熱交換器
24 筒胴
25 測温用開口
A 給湯器

Claims (3)

  1. バーナにより加熱される熱交換器が、前記バーナの燃焼室を形成する筒胴の上部に設けられ、かつ、前記筒胴に形成された測温用開口を通して前記燃焼室に臨む状態で設けられた燃焼室温度検出手段と、前記燃焼室温度検出手段の検出情報に基づいて、前記バーナの燃焼を制御する制御手段とを備えた給湯器の異常検出装置であって、
    前記燃焼室温度検出手段が熱電対によって構成され、
    前記熱電対が、異なる種類の金属からなる、断面が円形の2種類の線材を、接合部において接合することにより形成され、
    前記熱電対の出力端が、中空円筒状の金属からなる接続部材の一端内に、電気的に導通するように挿入されているとともに、前記接続部材には、前記熱電対の前記出力端と前記接続部材との間の電気抵抗を低減するための導通促進処理が施されており、かつ、
    前記接続部材の他端には、前記制御手段と前記熱電対の出力端とを電気的に接続するためのより線からなるリード線が、前記接続部材と電気的に導通するように接続されているとともに、
    前記接続部材が、絶縁部材を介して、前記筒胴に設けられた固定部材に固定されることにより、前記熱電対の前記接合部が、前記筒胴に形成された測温用開口を通して前記燃焼室に臨む所定の位置に保持されていること
    を特徴とする給湯器の異常検出装置。
  2. 前記導通促進処理が、前記接続部材を径内方向に変形させるかしめ処理であることを特徴とする請求項1記載の給湯器の異常検出装置。
  3. 前記導通促進処理が、前記出力端と前記接続部材の前記一端とを半田付けまたは溶接する処理であることを特徴とする請求項1または2記載の給湯器の異常検出装置。
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