JP6483629B2 - 電磁波発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波を発生する電磁波発生装置に関する。
電磁波は、波長・周波数に応じて様々な用途に利用できる。例えば、可視光や赤外、紫外波長領域の電磁波は、センサ、通信、材料改質などに利用されている。また、波長が10マイクロメートルから1000マイクロメートル程度の電磁波は、テラヘルツ波と言われ、他にない特徴を持っている。例えば、生体分子が持つ特有の固有振動がテラヘルツ信号領域であることから、対象の固有振動信号をモニタすることで材料の材料分析が可能となる。また、テラヘルツ波は、材料を透過する性質がありX線と比べて安全であることから空港などのセキュリティチェックへの利用が期待できる。この他、超高速・高帯域通信にも利用ができる。
これらの電磁波を発生させる装置は様々なものがある。いずれも、かつてはガス、ランプや熱源を使っていたが、近年の半導体技術を利用することで発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)のように、低消費電力であり小型な固体素子が実現されている。
T. Otsuji et al. , "Recent advances in the research toward graphene-based terahertz lasers", Proceedings of SPIE, vol.9382, 938219, 2014.
ところで、LEDは、発生する電磁波の波長に応じたバンドギャップを有する半導体で構成されることから、所望のバンドギャップを持つ高品質な半導体を形成する技術が重要となる。換言すると、バンドギャップは材料特有の性質であることから、LEDには任意の材料を用いることができない。
例えば、集積回路を構成するトランジスタの主要材料であるシリコンは、間接遷移型であるため電磁波の発生が困難で実用には向かないとされている。また、近年、直接遷移型の材料として注目されている2次元層状物質(例えば二硫化モリブデンなど)があるが、LEDを実現するpn接合を形成することが困難とされている。また、接合面が原子1個相当であるため発光面積が狭いという問題がある。
また、テラヘルツを発生させる装置については、LEDのような固体素子化は困難とされている。現在用いられているテラヘルツ発生装置の1つは、アンテナにフェムト秒の光パルスを照射し、アンテナに流れる光電流変化で放射される信号を用いる。また、アンテナの代わりに非線形光学結晶や半導体などを使うことでも、テラヘルツ波を発生させることができる。しかし、このフェムト秒パルス発生装置は、小型化が困難で高価であるだけでなく、継続的にテラヘルツ波を発生させるためには光パルスを連続的に加える必要性がある。このような不便さから、テラヘルツ波応用の進展が阻害されており、安価で小型なテラヘルツ波発生装置の実現が求められている。
上述した問題の打開策として、原子1層で構成されるグラフェンを利用したテラヘルツ波発生も提案されている(非特許文献1参照)。グラフェンを用いることで、上述のような光パルスを外部より印加する必要がなくなり、LEDのように半導体pn接合を構成することでもテラヘルツ波を発生できるようになる。しかし、実際には、グラフェンのpn接合を実現することは困難であり、また接合面積が狭いためテラヘルツ波の強度を上げることが困難であった。
以上のように、電磁波発生装置を固体素子で実現するためには、所望の材料を用いてpn接合を形成する必要があるため、利用できる材料の制限があった。またグラフェンのように薄膜の材料を用いた場合は接合面積が小さいため、電磁波強度を上げることが困難であった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、小型な固体素子の形態でより強い電磁波強度の電磁波が出力できるようにすることを目的とする。
本発明に係る電磁波発生装置は、直遷移型の半導体から構成された第1導電体層と、第1導電体層の多数キャリアとは異なる電荷を多数キャリアとされた第2導電体層と、非導電性材料から構成され、第1導電体層と第2導電体層との間に配置されて第1導電体層と第2導電体層とを分離する分離層とを備え、分離層を介して第1導電体層と第2導電体層との間でキャリアがトンネル可能とされている。
上記電磁波発生装置において、第2導電体層に電界を印加して第2導電体層を第1導電体層の多数キャリアとは異なる電荷が多数キャリアとされた状態にする電界制御電極を備えるようにしてもよい。
上記電磁波発生装置において、第1導電体層および第2導電体層は、各々異なる方向に延在し、第1導電体層と第2導電体層とが交差する箇所で、第1導電体層と第2導電体層との間に分離層が配置されて第1導電体層と第2導電体層とが分離されている。
以上説明したことにより、本発明によれば、小型な固体素子の形態でより強い電磁波強度の電磁波が出力できるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態1における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図1Dは、本発明の実施の形態1における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図2は、第1導電体層101,分離層103,第2導電体層102の積層方向におけるエネルギー・バンド構造を示すバンド図である。 図3は、第1導電体層101,分離層103,第2導電体層102の積層方向におけるエネルギー・バンド構造を示すバンド図である。 図4は、本発明の実施の形態2における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態2における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態1における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態2における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図8Aは、本発明の実施の形態3における電磁波発生装置の構成を示す平面図である。 図8Bは、本発明の実施の形態3における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態3における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図10は、本発明の実施の形態3における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。 図11は、本発明の実施の形態3における他の電磁波発生装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1Aを用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態1における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。この電磁波発生装置は、第1導電体層101と、第2導電体層102と、第1導電体層101と第2導電体層102との間に配置された分離層103とを備える。第1導電体層101と第2導電体層102とは、接することなく形成されている必要がある。実施の形態1では、分離層103の一方の面に第1導電体層101が接して形成され、分離層103の他方の面に第2導電体層102が接して形成されている。
第1導電体層101は、直遷移型の半導体から構成され、バンドギャップエネルギーに応じた電磁波が放出可能とされている。第2導電体層102は、第1導電体層101の多数キャリアとは異なる電荷を多数キャリアとされている。第2導電体層102は、第1導電体層101の多数キャリアとは異なる電荷を多数キャリアとする半導体から構成することができる。この場合、第2導電体層102を構成する半導体は、間接型であってもよい。また、第2導電体層102は、金属から構成することもできる。
分離層103は、非導電性材料から構成され、第1導電体層101と第2導電体層102とを分離する。また、分離層103を介して第1導電体層101と第2導電体層102との間でキャリアがトンネル可能とされている。分離層103は、第1導電体層101および第2導電体層102よりも小さい電子親和力の材料から構成すればよい。例えば、分離層103は、酸化シリコン、SiNなどの絶縁材料から構成すればよい。また、分離層103は、窒化ホウ素、炭化シリコンなどのワイド・バンドギャップを有する材料から構成してもよい。
実施の形態1における電磁波発生装置は、例えば、図1Bに示すように、第1導電体層101および第2導電体層102に、第1電極111および第2電極112を設けて電圧を印加可能として用いればよい。図1Bに示す例では、第1導電体層101の一方の面に分離層103が接して設けられ、第1導電体層101の他方の面に第1電極111が接して設けられている。また、第2導電体層102の一方の面に分離層103が接して設けられ、第2導電体層102の他方の面に第2電極112が接して設けられている。
また、図1Cに例示するように、第1導電体層101および第2導電体層102に、第1電極111および第2電極112を設けてもよい。図1Cに示す例では、分離層103の一方の面に、第1電極111および第1導電体層101が各々接して設けられ、かつ、第1電極111に第1導電体層101が接して設けられている。
また、第1導電体層101、第2導電体層102、および分離層103は、図1Dの断面図に示すように、柱状とした第2導電体層102の周囲に接して筒状とした分離層103を形成し、更に分離層103の外側に接して筒状とした第1導電体層101を形成してもよい。図1Dに示す例では、断面を円形としているが、これに限るものではなく、楕円形や他の形状としてもよい。
次に、実施の形態における電磁波発生装置の動作原理について図2を用いて説明する。図2は、第1導電体層101,分離層103,第2導電体層102の積層方向におけるエネルギー・バンド構造を示すバンド図である。ここでは、1例として、第1導電体層101がn型の半導体から構成され、第2導電体層102がp型の半導体から構成され、分離層103が絶縁体から構成されたものとする。
第1導電体層101の伝導帯には電子151、第2導電体層102の価電子帯には正孔152が多数キャリアとして存在する。第1導電体層101と第2導電体層102との間に絶縁体である分離層103があるため、通常、第1導電体層101と第2導電体層102との間をキャリアは流れない。
しかし、第1導電体層101と第2導電体層102との間に電圧を印加し、図2のように第1導電体層101における電子151のエネルギーが、第2導電体層102の伝導帯より高くなると、トンネル現象によって第1導電体層101の電子151は、第2導電体層102に流れることができる。このようにして第2導電体層102に流れ込んだ電子151は、第2導電体層102の多数キャリアである正孔152と再結合をする。
同様に、第2導電体層102の価電子帯における正孔152のエネルギーが、第1導電体層101の価電子帯よりも高くなると、正孔152はトンネル現象により、第2導電体層102の価電子帯から第1導電体層101の価電子帯に流れることができる。このようにして第1導電体層101に流れ込んだ正孔152は、第1導電体層101の多数キャリアである電子151と再結合する。
上述したことにより、第1導電体層101において正孔152と電子151とが再結合したとき、第1導電体層101が直接遷移型であれば、第1導電体層101のバンドギャップに相当するエネルギーを持つ電磁波が発生する。
以上に説明したように、実施の形態における電磁波発生装置によれば、第2導電体層102が、例えば間接遷移型の半導体であっても、第1導電体層101で電磁波を発生することが可能になる。例えば、第2導電体層102をシリコンから構成しても、電磁波発生装置に電磁波発生の機能を持たせることができる。また、第1導電体層101を、金属や半金属材料から構成することも可能である。
次に、グラフェンから第1導電体層101を構成した場合について、図3を用いて説明する。図3は、グラフェンから構成した第1導電体層101、絶縁体から構成した分離層103,p型の半導体から構成した第2導電体層102の積層方向におけるエネルギー・バンド構造を示すバンド図である。
グラフェンの特徴として、伝導帯と価電子帯が線形で一点で交わるバンド構造を持っており、この交わる点をディラック点と呼ぶ。図2を用いた説明と同様に、第1導電体層101と第2導電体層102との間に電圧を印加することで、正孔152を第2導電体層102からグラフェンによる第1導電体層101に注入することができる。注入された正孔152は、光学フォノンを介してエネルギーを失う。この時、光学フォノンのエネルギーdEは、分離層103を構成する絶縁体材料などにより変わってくるが、数百meVと予想される。この値は、ラマン分光で評価することができる。
注入された正孔152がエネルギーを失いdEより小さくなると、光学フォノンによるエネルギー緩和は起きなくなるため、正孔152は、第1導電体層101において電子151と再結合する。この再結合エネルギーに応じた電磁波を発生する。再結合エネルギーEeは、Ediffを正孔152のエネルギーとグラフェンのディラック点のエネルギーの差、MOD(A,B)をAをBで割った時の余り、hをプランク定数、cを光の速度、λを電磁波の波長として、「Ee=2xMOD(Ediff,dE)=hc/λ」により表される。
従って、グラフェンによる第1導電体層101と第2導電体層102との間に印加する電圧を制御し、Ediffを制御することで、発生する電磁波の波長を制御できることになり、テラヘルツ波を発生することも可能となる。また、第2導電体層102からグラフェンによる第1導電体層101への正孔152の注入レートが、バンド内緩和や再結合のレートより大きくなると、レーザとしての動作も可能となる。なお、上述では、正孔を例に説明したが、第2導電体層102からグラフェンによる第1導電体層101に、電子を注入する構成としてもよい。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、固体素子の形態でより強い電磁波強度の電磁波が出力できる。また、上述したグラフェンより第1導電体層101を構成し、シリコンより第2導電体層102を構成し、酸化シリコンより分離層103を構成する場合、第1導電体層101は、単層のグラフェンの厚さとなり、第2導電体層は厚さ0.5μm程度でよく、また、分離層103は、以下に説明するように、10nm程度であればよい。また、所望とする強度を得るためには、平面視の面積が10mm程度であればよい。このように、実施の形態1によれば、非常に小型化が可能である。
ところで、上述したように、電磁波発生装置より電磁波を放出させるためには、第1導電体層101と第2導電体層102の間を電荷がトンネルすることが重要である。所望の強度の電磁波を放出するためには、この強度を発生させるに足りるトンネル電流が必要となる。このトンネル電流は、分離層103の厚さに依存する。トンネル電流は、分離層103が厚くなるほど指数関数的に減少する。従って、分離層103は、可能な範囲で薄い方がよいことになる。一方で、分離層103における絶縁耐圧は、分離層103の厚さに反比例する。従って、分離層103は、絶縁耐圧に耐えうる厚さにすることが重要となる。
以上のことを勘案すると、例えば、酸化シリコンから分離層103を構成する場合、分離層103の厚さは、数nmから10nm程度が望ましい。
また第1導電体層101、第2導電体層102、分離層103の、平面視で重なる領域の面積が大きいほど、放出できる電磁波の強度を増やすことができる。一般的に、広い面積で結晶性を保つ導電体(半導体)を実現することは困難である。しかしながら、本発明における電磁波発生装置は、電荷の流れが、各層の厚さ方向となるため、広範囲にわたる高い結晶性は必須ではない。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態2における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。この電磁波発生装置は、第1導電体層101と、第2導電体層102と、第1導電体層101と第2導電体層102との間に配置された分離層103とを備える。これらの構成は、前述した実施の形態1と同様である。
実施の形態2では、絶縁層104および電界制御電極105を備える。電界制御電極105は、第2導電体層102に電界を印加し、第2導電体層102を第1導電体層101の多数キャリアとは異なる電荷が多数キャリアとされた状態にする。電界制御電極105は、分離層103とは反対側の第2導電体層102の面に、絶縁層104を介して形成されている。
この電磁波発生装置では、第2導電体層102を半導体から構成することで、電界制御電極105による電界の印加により、第2導電体層102の多数キャリアを正孔あるいは電子に選択する。実施の形態2では、電界制御電極105による電界印加で、第2導電体層102の多数キャリアを、第1導電体層101の多数キャリアとは異なる電荷にする。
実施の形態2における電磁波発生装置も、前述した実施の形態1と同様であり、上述したように電界制御電極105の電界印加により選択した第2導電体層102の多数キャリアを、分離層103を介して第1導電体層101に注入することで電磁波を発生させる。
実施の形態2では、電界制御電極105を用いることで、第1導電体層101の多数キャリアに応じて第2導電体層102の多数キャリアを変更することができるため、利用できる第1導電体層101の選択幅が広がる。
ところで、実施の形態2において、第2導電体層102は、電界制御電極105で発生させる多数キャリアが分離層103との界面にも存在できる厚さが望ましく、30nm以下が望ましい。絶縁層104の厚さは薄くすることにより、第2導電体層102のキャリアを選択するために必要な電界制御電極105に印加する電圧を小さくすることができる。例えば、絶縁層104の厚さを50nm程度にすれば、電界制御電極105に印加する電圧は±数Vで良い。他の構成は、前述した実施の形態1と同様である。
ところで、実施の形態2における電磁波発生装置では、例えば図5に示すように、第2電極112を第2導電体層102に接続させればよい。第2導電体層102の分離層103を形成している面に、分離層103のない開口領域を形成し、ここに、他とは分離した状態で、第2導電体層102に電気的に接続する第2電極112を形成し、ここに電圧源などを接続すればよい。
ところで、電磁波発生装置の製造においては、各層を所定の基板上に形成することになる。例えば、図6に示すように、所定の成膜技術により、基板121の上に、第1導電体層101を構成する材料を堆積し、この上に分離層103を構成する材料を堆積し、この上に第2導電体層102を構成する材料を堆積することで、第1導電体層101,分離層103,第2導電体層102による積層構造を形成すればよい。
また、上述したように各層を堆積した基板121を素子の支持体として用いる場合、基板121が、第1導電体層101より発生した電磁波が透過できる材料から構成されていればよい。例えば、電磁波が可視光であれば、酸化シリコンから基板121を構成すればよい。また、電磁波がテラヘルツ波であれば、炭化シリコンから基板121を構成すればよい。
第1導電体層101としてグラフェンや2次元層状物質、他の薄膜材料を用いる場合、第1導電体層101を特定の材料からなる基板121の上に形成することで、広範囲にわたって第1導電体層101の高品質化が可能となる。例えば、炭化シリコンを高温に加熱することでこの表面にグラフェンが形成できるので、基板121を炭化シリコンから構成すれば、加熱処理により、グラフェンからなる第1導電体層101が基板121の上に形成できる。炭化シリコンはテラヘルツ波に対して透明であるため、前述したようにグラフェンからなる第1導電体層101を用いて発生させたテラヘルツ波は、基板121の側より外部に取り出すことができる。また、基板121を導電性材料から構成すれば、第1導電体層101と、基板121を第1導電体層101に接続する第1電極とすることができる。
また、実施の形態2で説明した電界制御電極105を用いる場合、図7に示すように、基板121の上に、第1導電体層101を構成する材料を堆積し、この上に分離層103を構成する材料を堆積し、この上に第2導電体層102を構成する材料を堆積し、この上に絶縁層104を構成する材料を堆積し、この上に電界制御電極105を構成する材料を堆積することで、実施の形態2における電磁波発生装置となる積層構造を形成すればよい。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図8A、図8Bを用いて説明する。図8Aは、本発明の実施の形態3における電磁波発生装置の構成を示す平面図である。また、図8Bは、本発明の実施の形態3における電磁波発生装置の構成を示す断面図である。図8Bは、図8Aのbb’線の断面を示している。
この電磁波発生装置は、各々異なる方向に延在する複数の第1導電体層201および複数の第2導電体層202を備える。また、複数の第1導電体層201および複数の第2導電体層202の間には、分離層203が形成されている。なお、図8Aでは分離層203を省略している。
ここで、複数の第1導電体層201は、分離層203の一方の面による同一平面上に配列されている。また、複数の第2導電体層202は、分離層203の他方の面による同一平面上に配列されている。例えば、絶縁層204の上に、複数の第2導電体層202を形成し、絶縁層204の第2導電体層202の形成面(主表面)上に、第2導電体層202を埋めるように分離層203を形成し、この上に複数の第1導電体層201を形成すればよい。
このように空間的に異なる層に分離されて配置された第1導電体層201と第2導電体層202とが交差する箇所では、第1導電体層201と第2導電体層202との間に分離層203が配置されている。この交差する領域では、分離層203の一方の面に第1導電体層201が接して形成され、分離層203の他方の面に第2導電体層202が接して形成された構成となり、実施の形態1における素子構造が構成されている。
なお、第1導電体層201は、直遷移型の半導体から構成され、バンドギャップエネルギーに応じた電磁波が放出可能とされている。また、第2導電体層202は、第1導電体層201の多数キャリアとは異なる電荷を多数キャリアとされている。これらは、前述した実施の形態1,2と同様である。
実施の形態3によれば、各々異なる方向に延在する複数の第1導電体層201および複数の第2導電体層202の交差する領域毎に、実施の形態1と同様の素子構造が形成されるので、電磁波発生装置の集積化が可能となる。
また、図9に示すように絶縁層204の裏面側に電界制御電極層205を形成することで、各々異なる方向に延在する複数の第1導電体層201および複数の第2導電体層202の交差する領域毎に、実施の形態2と同様の素子構造が得られる。
また、第1導電体層201をグラフェンから構成する場合などは、図10に示すように、炭化シリコンからなる基板221の上に、グラフェンからなる複数の第1導電体層201を形成し、この上に分離層203を形成し、この上に複数の第2導電体層202を形成し、この上に絶縁層204を形成すればよい。複数の第1導電体層201の形成では、形成したグラフェンを、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、複数の第1導電体層201とすればよい。
また、第2導電体層202の形成においては、分離層203の第2導電体層202形成面において、第2導電体層202を形成する箇所に溝を形成し、この溝に第2導電体層202を構成する材料を充填するようにすればよい。
また、上述したように第2導電体層202を形成した後、絶縁層204を形成し、この後、図11に示すように電界制御電極層205を形成すれば、グラフェンなどから構成した複数のおよび複数の第2導電体層202の交差する領域毎に、実施の形態2と同様の素子構造が得られる。
以上に説明したように、本発明によれば、電磁波の放出源となる直遷移型の半導体から構成された第1導電体層に対し、第1導電体層の多数キャリアとは異なる電荷を多数キャリアとされた第2導電体層よりキャリアを注入するようにした。この結果、本発明によれば、電磁波を発生させるための材料選択の幅が広がるとともに、素子構造の簡素化、小型化、高性能化、集積化が可能となる。また、電磁波を発生させる面積を広くすることができるので、電磁波発生強度を容易に上げることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…第1導電体層、102…第2導電体層、103…分離層。

Claims (2)

  1. 遷移型の半導体から構成された第1導電体層と、
    前記第1導電体層の多数キャリアとは異なる電荷を多数キャリアとされた第2導電体層と、
    非導電性材料から構成され、前記第1導電体層と前記第2導電体層との間に配置されて前記第1導電体層と前記第2導電体層とを分離する分離層と
    を備え、
    前記分離層を介して前記第1導電体層と前記第2導電体層との間でキャリアがトンネル可能とされ
    前記第1導電体層および前記第2導電体層は、各々異なる方向に延在し、
    前記第1導電体層と前記第2導電体層とが交差する箇所で、前記第1導電体層と前記第2導電体層との間に前記分離層が配置されて前記第1導電体層と前記第2導電体層とが分離されていることを特徴とする電磁波発生装置。
  2. 請求項1記載の電磁波発生装置において、
    前記第2導電体層に電界を印加して前記第2導電体層を第1導電体層の多数キャリアとは異なる電荷が多数キャリアとされた状態にする電界制御電極を備えることを特徴とする電磁波発生装置。
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