JP6481573B2 - ガス抽出治具、ガス分析方法 - Google Patents

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Description

この発明は、試料に封入された封入ガスを抽出するためのガス抽出治具、およびこれを用いたガス分析方法に関するものである。
従来、ガス封入部品に含まれるガスの分析、あるいは部品内部に発生したガスの分析に際して、ガスが拡散しない気密な空間を備えた治具を用い、この空間内で部品(試料)を破壊してガスを取り出すことが行われている。
例えば、特許文献1には、プラズマディスプレイパネル(PDP)のゲッターバルブまたは排気管を粉砕することによって、PDPパネル内の封入ガスを質量分析計に導入して測定するPDP封入ガスの分析方法が記載されている。
また、特許文献2には、飛散を防止するための試料保持器に収納したランプ試料を破壊するための試料破壊室を備えたランプ封入ガス分析装置が記載されている。このランプ封入ガス分析装置は、試料破壊室に隣接して試料導入室などが形成されている。
これら特許文献1や特許文献2に記載された分析方法や分析装置では、分析対象試料として、PDPやランプなど、サイズが大きなものを対象としている。
一方、電子デバイス等の小さなサイズの試料に含まれるガスの分析方法としては、米国MIL規格(STD-750,STD-883)に準拠するIVA(Internal Vapor Analysis)分析技術があり、このIVA分析技術を適用した具体的な分析装置の一例としては、オネイダ・リサーチ・サービス社の製造装置(HR-IVE 210-s)が挙げられる。
特開2001−349870号公報 特許第3772751号公報
上述した特許文献1や特許文献2に記載された分析方法や分析装置は、PDPやランプなど、サイズが大きな試料に含まれるガスの分析を行うために、試料破壊室や試料導入室など大容積の空間を備えた構成であり、こうした分析方法や分析装置を用いて電子部品などサイズの小さな試料を破壊すると、少量しか封入されていないガスが試料破壊室の広い空間や、この空間に繋がる真空吸引用の排気管内まで拡散してしまい、高感度、かつ高精度に封入ガスの分析を行うことができないという課題があった。
一方、上述した米国MIL規格に準拠した分析装置では、特殊で複雑なサンプリング機構が必要とされており、分析にかかるコストが高いという課題があった。また、この分析装置では、試料に含まれる封入ガスを測定する前に、少なくとも数時間程度の真空引き操作が必要であり、分析を迅速に行うことが困難であるという課題もある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、電子部品等の小型の試料に含まれる封入ガスを高濃度の状態で容易に抽出することが可能なガス抽出治具、およびこれを用いたガス分析方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガス抽出治具は、試料に封入された封入ガスを抽出するガス抽出治具であって、前記試料を収容する試料室を内蔵した筐体と、前記筐体外部から前記試料室に向けてキャリアガスを流入させるガス流入管と、前記試料室から前記筐体外部に向けて前記封入ガスおよび前記キャリアガスを流出させるガス流出管と、前記試料室の一内面に向けて前記試料を押し付けて、前記試料を破壊する破壊部材と、一端側が排気手段に接続され、前記試料室の内気を排出する排気管と、前記排気管の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明のガス抽出治具によれば、試料室に収容した試料を破壊部材を用いて破壊し、ガス流入管からキャリアガスを流すだけで、容易に封入ガスを高濃度の状態で取り出すことができる。よって、電子部品等のサイズの小さな試料に含まれる少量の封入ガスであっても、高精度な分析が可能な高濃度の状態を保ったまま、簡易な操作で容易に抽出することができる。
また、閉塞部材は、排気管の一部を閉塞可能としている。閉塞部材は、排気管の一部閉塞によって、試料室と連通する空間の体積を閉塞部材の先端部と試料室の内周面との間に制限する。これにより、破壊された試料から抽出された封入ガスが、広範囲に拡散することを防止する。封入ガスの放散は試料室の僅かな(小さな)空間に限定され、封入ガスを高濃度の状態に保つことができる。よって、封入ガスを高感度、かつ高精度で分析することを可能にする。
前記閉塞部材は、前記排気管の内周面に形成された雌ネジと、前記雌ネジに螺合して、前記排気管に挿入された閉塞位置と前記排気管から抜き出された解放位置との間で移動可能な雄ネジとからなることを特徴とする。
これにより、閉塞部材を排気管の閉塞位置と解放位置との間で自在に、かつ容易にその位置を調節することができる。
前記試料室の前記一内面は、凹凸面であることを特徴とする。
これにより、破壊部材で試料を破壊する際に、試料室の一内面の凹凸によって、少ない力で確実に試料を破壊することを可能にする。
前記ガス流入管および前記ガス流出管は、前記筐体の外面から前記試料室の内周面に向かって湾曲していることを特徴とする。
これにより、例えば、キャリアガスとして空気より軽いヘリウムを用いた場合、試料室の封入ガスを局所的に滞留させることなく効率的に流出させることができる。
前記ガス流入管および前記ガス流出管は、前記筐体の外面側よりも前記試料室の内周面側のほうが、鉛直方向の下側にあることを特徴とする。
これにより、例えば、キャリアガスとして空気より軽いヘリウムを用いた場合、試料室の封入ガスを局所的に滞留させることなく効率的に流出させることができる。
前記筐体は、前記破壊部材を回動可能に支持する上筐体と、前記試料室、前記ガス流入管、前記ガス流出管、前記排気管、および閉塞部材を備えた下筐体とからなることを特徴とする。
これにより、筐体を上筐体と下筐体に分離すれば、試料室に試料を容易に収容でき、試料分析の準備を容易にすることができる。
前記下筐体は、前記試料室、前記ガス流入管、前記ガス流出管、および前記排気管を一体に形成してなることを特徴とする。
これにより、下筐体を3Dプリンタなどを用いて、樹脂等の素材で容易に製造することができ、製造コストを低減できるとともに、複雑な形状のガス流入管やガス流出管にも対応することができる。
本発明のガス分析方法は、前記各項に記載のガス抽出治具を用いたガス分析方法であって、前記排気管を介して前記試料室の内気を排出し、前記試料室内を減圧する減圧工程と、前記閉塞部材によって前記排気管の少なくとも一部を閉塞する排気管閉塞工程と、前記試料室に収容した前記試料を前記破壊部材によって破壊し、前記試料に封入された封入ガスを前記試料室内に放散させる試料破壊工程と、前記ガス流入管から前記試料室に向けて前記キャリアガスを流し、前記封入ガスとともに前記ガス流出管から流出させる封入ガス流出工程と、流出させた前記封入ガスをガス分析装置に導入し、前記封入ガスを分析する分析工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のガス分析方法によれば、試料破壊工程において、試料室に収容した試料を破壊部材を用いて破壊し、続けて封入ガス流出工程において、ガス流入管からキャリアガスを流すだけで、容易に封入ガスを高濃度の状態を保ったまま取り出すことができる。よって、電子部品等のサイズの小さな試料に含まれる少量の封入ガスであっても、簡易な操作で、高精度な封入ガスの分析を可能にする。
また、排気管閉塞工程においては、排気管の一部を閉塞部材で閉塞することにより、破壊された試料から抽出された封入ガスが、広範囲に拡散することを防止する。これにより、封入ガスの放散は試料室の僅かな(小さな)空間に限定され、封入ガスを高濃度の状態に保つことができる。よって、封入ガスを高感度、かつ高精度で分析することができる。
前記ガス分析装置は、ガスクロマトグラフィー質量分析装置であることを特徴とする。
ガスクロマトグラフィー質量分析装置を用いることにより、サイズの小さな電子部品などの試料に含まれる微量の封入ガスを高感度、かつ高精度に分析することができる。
本発明のガス分析方法によれば、電子部品等の小型の試料に含まれる少量の封入ガスを高濃度の状態を保って容易に抽出することが可能なガス抽出治具、およびこれを用いたガス分析方法を提供することができる。
ガス分析システムの一例を示す概略構成図である。 本発明のガス抽出治具を示す外観斜視図である。 本発明のガス抽出治具を示す分解斜視図である。 本発明のガス抽出治具の鉛直方向に沿った断面を示す断面図である。 本発明のガス抽出治具の水平方向に沿った断面を示す断面図である。 本発明のガス分析方法を段階的に示すフローチャートである。 検証結果を示すグラフである。 検証結果を示すグラフである。 検証結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明のガス抽出治具、ガス分析方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明のガス抽出治具を備えたガス分析システムを示す概略構成図である。
ガス分析システム1は、ガス分析装置2と、ガス抽出治具10と、真空ポンプ(排気手段)3と、キャリアガス供給装置4とを備えている。
ガス分析装置2は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析装置が用いられる。排気手段の一例である真空ポンプ3は、後述するガス抽出治具10の排気管(図5参照)16に接続される。真空ポンプ3としては、例えば、ターボモレキュラーポンプやロータリーポンプを高真空バルブを介して直列に接続したものなどが挙げられる。
キャリアガス供給装置4は、ガス抽出治具10で得られた封入ガスをガス分析装置2に向けて流すキャリアガスをガス抽出治具10に向けて供給する。キャリアガス供給装置4は、後述するガス抽出治具10のガス流入管13(図5参照)に接続される。キャリアガス供給装置4から供給するキャリアガスとしては、封入ガスに対して反応しない不活性ガス、例えば、ヘリウムやアルゴンなどの希ガス、あるいは窒素ガスなどが用いられる。本実施形態では、ガス分析装置2として質量分析装置を使用しているため、キャリアガスとしてヘリウムガスを用いている。
図2は、本発明のガス抽出治具を示す外観斜視図である。図3は、ガス抽出治具を示す分解斜視図である。図4は、ガス抽出治具の鉛直方向に沿った断面を示す断面図である。図5は、ガス抽出治具の水平方向に沿った断面を示す断面図である。
ガス抽出治具10は、試料Sを収容する試料室12を内蔵した筐体11と、この筐体11の外部側面(外面11a)から試料室12に向けてキャリアガスを流入させるガス流入管13と、試料室12の内周面12bから筐体11の外部側面(外面11a)に向けて封入ガスおよびキャリアガスを流出させるガス流出管14とを備えている。
また、試料室12の一内面12aに向けて試料Sを押し付けて、試料Sを破壊する破壊部材15と、一端側が真空ポンプ(排気手段)3に接続され、試料室12の内気を排出する排気管16と、この排気管16の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞部材17とを備えている。
筐体11は、互いに分割可能な上筐体11Aと、下筐体11Bとを備え、上筐体11Aおよび下筐体11Bにそれぞれ形成されたネジ部21aとネジ部21bとを螺合させることにより、上筐体11Aと下筐体11Bとを一体化させることができる。
下筐体11Bには、試料室12、ガス流入管13、ガス流出管14、排気管16、および閉塞部材17を回動可能に下筐体11Bに係着させる係着部18が一体に形成されている。また、上筐体11Aには、破壊部材15を回動可能に上筐体11Aに係着させる係着部19が一体に形成されている。
これら上筐体11Aおよび下筐体11Bは、全体が硬質の樹脂、例えば、ポリアクリレート、テフロン(登録商標)やポリエチレンなどから形成されている。本実施形態では、上筐体11Aおよび下筐体11Bとして、ポリアクリレートを用いている。上筐体11Aおよび下筐体11Bの形成方法としては、3Dプリンタを用いて溶融樹脂を所定形状に堆積させる方法、あるいは、複数に分割した射出部材を熱融着によって一体化させる方法などが挙げられる。本実施形態では、3Dプリンタを用いて筐体11を形成している。
試料室12は、下筐体11Bの中心部分に形成された略円筒形の空間であり、一内面12a(底面)は、多数の凹凸22が形成された凹凸面を成している。こうした凹凸22は、破壊部材15によって試料Sを破壊する際に、試料Sの外装体(パッケージケース)を破壊しやすくする。また、試料室12の内周面12bには、ガス流入管13、ガス流出管14、および排気管16の一方の開口が露出している。こうした試料室12は、電子部品などサイズの小さい試料Sに合わせて、例えば、直径が3mm〜10mm程度、高さ(深さ)が5mm〜20mm程度になるように形成されている。
ガス流入管13は、下筐体11Bに形成された管状の穴からなる。ガス流入管13は、筐体11の外面11aから試料室12の内周面12bに向かって湾曲するように形成されている。具体的には、ガス流入管13は、筐体11の外面11a側よりも試料室12の内周面12a側のほうが、鉛直方向Vに沿った下側になるように傾斜しつつ湾曲して形成されている。
こうしたガス流入管13の他端側の開口、即ち筐体11の外面11a側の開口は、キャリアガス供給装置4(図1参照)から延びる供給管(図示略)に接続される。キャリアガスは、このガス流入管13を通って試料室12に流入する。
ガス流出管14は、下筐体11Bに形成された管状の穴からなる。ガス流出管14は、試料室12の内周面12bから筐体11の外面11aに向かって湾曲するように形成されている。具体的には、ガス流出管14は、筐体11の外面11a側よりも試料室12の内周面12a側のほうが、鉛直方向Vに沿った下側になるように傾斜しつつ湾曲して形成されている。
こうしたガス流出管14の他端側の開口、即ち筐体11の外面11a側の開口は、ガス分析装置2(図1参照)の封入ガス供給口(図示略)に配管を介して接続される。試料室12で抽出された封入ガスはキャリアガスとともに、このガス流出管14を通ってガス分析装置2に供給される。
破壊部材15は、例えば硬質の樹脂で形成された略円筒形の部材であり、上筐体11Aの係着部19に形成されたネジ部23aと螺合するネジ部23bが外周面の一部に形成されている。こうしたネジ部23aとネジ部23bとの螺合によって、破壊部材15を回動させることで、破壊部材15を鉛直方向Vに沿って上下動させることができる。これにより、破壊部材15は、その先端部15aが試料室12の一内面12a(底面)に接近した下降位置(図4(a)参照)と、先端部15aが試料室12の一内面12a(底面)から離間した上昇位置(図4(b)参照)との間で任意の位置に固定することができる。
破壊部材15は、先端部15aを試料室12の一内面12a(底面)に接近させる、即ち、鉛直方向Vに沿って下降させることで、試料室12に予め収容した電子部品などの試料Sを押し潰し、試料Sの外装体(パッケージケース)を破壊することができる。これにより、試料Sに封入されていた試料S内の封入ガスが試料室12内に放出される。破壊部材15はネジ部23aとネジ部23bとの螺合によって係着部19に係着されているので、試料Sの破壊の際に、破壊部材15を回動させるといった小さな力で試料Sを確実に破壊することができる。
破壊部材15の先端部15aの近傍には、パッキン24が形成されている。パッキン24は、破壊部材15の外周面と試料室12の内周面12bとの隙間を閉塞し、試料室12の内部を気密に保つ。また、係着部19から外方に突出する破壊部材15の先端部15aとは反対側の頭部15bは、例えば六角柱状に形成され、スパナなどの工具によっても回動操作を可能にしている。
破壊部材15の先端部15aの形状は、平坦面であればよく、試料室12の一内面12a(底面)のように多数の凹凸を形成した形状であってもよい。あるいは、試料室12の一内面12a(底面)に向けて突出した湾曲面であってもよい。
試料室12の一内面12a(底面)に形成された多数の凹凸22は、この破壊部材15によって試料Sを試料室12の一内面12a(底面)に押し付けた際に、試料Sの破壊を容易にする。また、試料室12は、破壊部材15を鉛直方向Vの上側から挿入することにより、その内容積を任意に可変させることができる。
排気管16は、下筐体11Bに形成され、一端側は試料室12の内周面12bに開口が形成され、他端側は筐体11の外面11aから突出するように外方に延びている。この排気管16の経路の途上には、閉塞部材17を挿脱可能な拡径部16aが形成されている。こうした拡径部16aは、排気管16の内径が拡大された空間であり、閉塞部材17を下筐体11Bに係着させる係着部18に繋がっている。排気管16は、この拡径部16aにおいて、その経路が略直角に屈曲している。
こうした排気管16の他端側の開口、即ち筐体11の外面11a側から突出した排気管16の先端は、排気手段である真空ポンプ3に配管を介して接続される。試料室12の内気(内部の空気)を、この排気管16を介して真空ポンプ3によって排出することにより、試料室12を減圧環境(真空環境)にすることができる。
閉塞部材17は、例えば硬質の樹脂で形成された略円筒形の部材であり、その外周面の一部に、下筐体11Bの係着部18の内周面に形成された雌ネジ26aに螺合する雄ネジ26bが形成されている。こうした雌ネジ26aと雄ネジ26bとの螺合によって、閉塞部材17を回動させることにより、閉塞部材17は、排気管16の一部を構成する拡径部16aに挿入された閉塞位置(図5(a)参照)と、排気管16の拡径部16aから抜き出された解放位置(図5(b)参照)との間で移動可能とされている。
閉塞部材17は、閉塞位置(図5(a)参照)においては、排気管16の経路の一部を閉塞させ、試料室12と連通する空間の体積を閉塞部材17の先端部17aと試料室12の内周面12bとの間に制限する。
また、閉塞部材17は、解放位置(図5(b)参照)においては、排気管16の経路を一端側から他端側まで連通させて、真空ポンプ3による試料室12内の試料室12の内気を排出可能にする。
閉塞部材17の先端部17aの近傍には、パッキン27が形成されている。パッキン27は、閉塞部材17の外周面と排気管16の拡径部16aの内周面との隙間を閉塞し、試料室12内を減圧環境にした際に外部からの空気の侵入を防止する。
以上のような構成のガス抽出治具10を用いた、本発明のガス分析方法を説明する。
図6は、本発明のガス分析方法を段階的に示したフローチャートである。
本発明のガス抽出治具10を備えたガス分析システム1を用いて、例えばArガスが封入された電子部品(以下、試料と称する)のガス(以下、封入ガスと称する)の状態を調べる際には、まず、筐体11を上筐体11Aと下筐体11Bに分割し、下筐体11B側に露出している試料室12内に、試料を導入する(S1:試料導入工程)。
次に、上筐体11Aと下筐体11Bとを、ネジ部21aとネジ部21bとを螺合させることによって一体化させる。この時、上筐体11Aの係着部19に係着されている破壊部材15は、その先端部15aが試料室12の一内面12a(底面)から離間した上昇位置(図4(b)参照)にしておく。また、閉塞部材17は、排気管16の経路上から退避した解放位置(図5(b)参照)にしておく。
次に、破壊部材15を回動させて、その先端部15aが試料室12に収容された試料Sに接する位置まで降下させる。これによって、試料室12の空間容積が必要最低限の大きさまで縮小される。
次に、真空ポンプ(排気手段)3を作動させて、排気管16を介して試料室12の内気を排出し、試料室12内を減圧環境(真空環境)にする(S2:減圧工程)。こうした減圧工程S2では、真空ポンプ3を、例えば15分ほど作動させて減圧する。
本実施形態のガス抽出治具10の試料室12は、収容する試料Sとしてサイズの小さな電子部品等を想定した、例えば、直径が3mm〜10mm程度、高さ(深さ)が5mm〜20mm程度の小さな空間であり、かつ、予め破壊部材15の降下によって試料室12の空間容積が必要最低限の大きさまで縮小されているので、試料室12を短時間で高真空環境にすることができる。
次に、閉塞部材17を回動させて、この閉塞部材17が排気管16の一部を構成する拡径部16aに挿入された閉塞位置(図5(a)参照)に移動させる(S3:排気管閉塞工程)。これによって、排気管16の一部が閉塞され、試料室12と連通する空間の体積を閉塞部材17の先端部17aと試料室12の内周面12bとの間に制限する。
次に、破壊部材15を更に回動させて、試料Sを多数の凹凸22が形成された試料室12の一内面12a(底面)に強く押し付けて、試料Sの外装体(パッケージケース)を破壊する(S4:試料破壊工程)。試料Sの破壊によって、試料Sに封入されていた試料S内の封入ガスが試料室12内に放散される。
こうした試料破壊工程S4においては、破壊部材15はネジ部23aとネジ部23bとの螺合によって係着部19に係着されているので、試料Sの破壊の際に、破壊部材15を回動させるといった小さな力で試料Sを確実に破壊することができる。また、試料室12の一内面12a(底面)を、多数の凹凸22が形成された凹凸面にすることによって、試料Sを容易に破壊することができる。試料破壊工程S4での試料Sの破壊によって、後述する封入ガス流出工程S5において、試料S内の封入ガスを流出させることができる。
試料Sを破壊して封入ガスを取り出す際に、予め排気管閉塞工程S3において、試料室12と連通する排気管16の一部を閉塞部材17によって閉塞しているので、試料破壊工程S4で破壊された試料Sの封入ガスが広範囲に拡散することを防止する。よって、封入ガスの放散は試料室12の僅かな(小さな)空間に限定され、封入ガスを高濃度の状態に保つことができる。
そして、試料破壊工程S4で試料室12内に放散された封入ガスと、常時供給されているキャリアガスとが、ガス流出管14から流出する(S5:封入ガス流出工程)。
この封入ガス流出工程S5において、ガス流入管13やガス流出管14は、筐体11の外面11a側よりも試料室12の内周面12a側のほうが、鉛直方向Vに沿った下側になるように傾斜しつつ湾曲して形成されているので、キャリアガスとして空気より軽いヘリウムを用いた場合でも、試料室12の封入ガスを局所的に滞留させることなく効率的に流出させることができる。
封入ガス流出工程S5でガス流出管14から流出した封入ガスおよびキャリアガスは、ガス分析装置2のカラムに導入され、封入ガスの成分が分析される(S6:分析工程)。
封入ガスの成分は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(ガス分析装置)によって定性、定量分析を行う。これによって、試料S内の封入ガス、例えばArガスの成分変化や、他のガスの発生などを分析することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、本実施形態の効果を検証した検証例を示す。
図2に示した実施形態のガス抽出治具を用いて抽出した封入ガス、および大気ガスについて、ガスクロマトグラフィー質量分析装置を用いて得られたGC/MSクロマトグラムを図7、図8にそれぞれ示す。また、封入ガスの成分定量結果を表1に示す。更に、ガス流入管やガス流出管を湾曲させずに直線的に形成したガス抽出治具を用いて抽出した封入ガスについて、ガスクロマトグラフィー質量分析装置を用いて得られたGC/MSクロマトグラムを図9に示す。
Figure 0006481573
これらの結果から、ガス流入管やガス流出管を湾曲させずに直線的に形成すると、GC/MSクロマトグラムのピーク形状がブロードとなり、分析分離能、および分析感度ともに著しく低下することが判明した。本発明のガス抽出治具を用いることによって、気密性を維持ししたまま、安定して各種試料内の封入ガス成分を分析することが可能であることが確認された。
1 ガス分析システム
2 ガス分析装置
3 真空ポンプ(排気手段)
4 キャリアガス供給装置
10 ガス抽出治具
11 筐体
12 試料室
13 ガス流入管
14 ガス流出管
15 破壊部材
16 排気管
17 閉塞部材

Claims (9)

  1. 試料に封入された封入ガスを抽出するガス抽出治具であって、
    前記試料を収容する試料室を内蔵した筐体と、前記筐体外部から前記試料室に向けてキャリアガスを流入させるガス流入管と、前記試料室から前記筐体外部に向けて前記封入ガスおよび前記キャリアガスを流出させるガス流出管と、前記試料室の一内面に向けて前記試料を押し付けて、前記試料を破壊する破壊部材と、一端側が排気手段に接続され、前記試料室の内気を排出する排気管と、前記排気管の少なくとも一部を閉塞可能な閉塞部材と、を備えたことを特徴とするガス抽出治具。
  2. 前記閉塞部材は、前記排気管の内周面に形成された雌ネジと、前記雌ネジに螺合して、前記排気管に挿入された閉塞位置と前記排気管から抜き出された解放位置との間で移動可能な雄ネジとからなることを特徴とする請求項1記載のガス抽出治具。
  3. 前記試料室の前記一内面は、凹凸面であることを特徴とする請求項1または2記載のガス抽出治具。
  4. 前記ガス流入管および前記ガス流出管は、前記筐体の外面から前記試料室の内周面に向かって湾曲していることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載のガス抽出治具。
  5. 前記ガス流入管および前記ガス流出管は、前記筐体の外面側よりも前記試料室の内周面側のほうが、鉛直方向の下側にあることを特徴とする請求項4記載のガス抽出治具。
  6. 前記筐体は、前記破壊部材を回動可能に支持する上筐体と、前記試料室、前記ガス流入管、前記ガス流出管、前記排気管、および閉塞部材を備えた下筐体とからなることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項記載のガス抽出治具。
  7. 前記下筐体は、前記試料室、前記ガス流入管、前記ガス流出管、および前記排気管を一体に形成してなることを特徴とする請求項6記載のガス抽出治具。
  8. 請求項1ないし6いずれか一項記載のガス抽出治具を用いたガス分析方法であって、
    前記排気管を介して前記試料室の内気を排出し、前記試料室内を減圧する減圧工程と、
    前記閉塞部材によって前記排気管の少なくとも一部を閉塞する排気管閉塞工程と、
    前記試料室に収容した前記試料を前記破壊部材によって破壊し、前記試料に封入された封入ガスを前記試料室内に放散させる試料破壊工程と、
    前記ガス流入管から前記試料室に向けて前記キャリアガスを流し、前記封入ガスとともに前記ガス流出管から流出させる封入ガス流出工程と、
    流出させた前記封入ガスをガス分析装置に導入し、前記封入ガスを分析する分析工程と、
    を備えたことを特徴とするガス分析方法。
  9. 前記ガス分析装置は、ガスクロマトグラフィー質量分析装置であることを特徴とする請求項8記載のガス分析方法。
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