<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が各々設けられている(図3参照)。なお、本実施の形態においては、特定の状況下にてスピーカ部29の音出口から香りが放出される構成となっていることを特徴の1つとしているが、この芳香機能についての詳細は後述する。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を前方から見た斜視図、図8は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図7においては遊技領域形成体80aを通じて視認可能となる構成についても2点差線によって表示し、実際に遊技盤ユニット80を見た場合の概観に近い状態としている。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいてこの下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)となる位置には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、例えば上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行結果となった場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec又は0.5sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド又は2ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8及び図9に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図9は内枠13の背面図である。
図9に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図10及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図、図11は裏パックユニット15の正面図である。
図10に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図11に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図11に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図12のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入賞を検知する検知センサ391a、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391b、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391c、上作動口83aへの入賞を検知する検知センサ391d、下作動口83bへの入賞を検知する検知センサ391e、スルーゲート84への入球を検知する検知センサ391fが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉体(例えばシャッタ部材88)を開閉動作させる可変入賞駆動部、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140には、MPU542が搭載された報知・演出制御基板541が設けられている。MPU542には、当該MPU542により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM543と、そのROM543内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM544と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPU542に対してROM543及びRAM544が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。報知・演出制御装置140のMPU542は、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28、スピーカ部29、後述する香料供給機構等を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部及び図柄表示装置253における変動表示時間(変動表示期間)を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。RAM404には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図14を用いて説明する。図14の概略図に示すように、当否テーブルとしては、図14(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図14(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図14(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の電動役物91によるサポートモードという3つの条件に差異が設けられている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置82への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置82の開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置82への入賞個数が10個(所定個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置82の開閉が2回(低頻度用回数)行われる。可変入賞装置82の1回の開放は0.5sec(低頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置82への入賞個数が10個(所定個数)となるまで継続される。
本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり可変入賞装置82の開放時間は0.5secとなっている。つまり、低頻度入賞モードにて可変入賞装置82が開放されている時間は、遊技球の発射周期よりも短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは可変入賞装置82が開放されている期間中に複数の遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置82の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入球部への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置82への入賞が0〜1程度となるように構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置82への入賞が0〜1程度となる構成を容易に実現することができる。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、15R通常大当たり結果(明示低確率対応特別遊技結果)と、15R確変大当たり結果(明示高確率対応特別遊技結果)と、2R通常大当たり結果(非明示低確率対応特別遊技結果)と、2R確変大当たり結果(非明示高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。ここで、振分テーブルの内容について図15を用いて説明する。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。これに対して、15R確変大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
15R通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果となった場合には、その旨が視覚演出及び聴覚演出の少なくとも何れかによって明示されることとなる。また、電動役物91によるサポートの継続回数(動作態様)から何れの大当たり結果であるかを識別することが可能である。
2R通常大当たり結果は、開閉実行モード(低頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これに対して、2R確変大当たり結果は、開閉実行モード(低頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
2R通常大当たり結果及び2R確変大当たり結果となった場合には、その旨が視覚演出及び聴覚演出によって明示されることが回避される。また、電動役物91の動作態様から何れの大当たり結果であるかを識別することは不可となっている。つまり、2R確変大当たり結果となったことに基づいて抽選モードが高確率モードとなったり、2R通常大当たり結果となったことに基づいて抽選モードが低確率モードとなったりしても、抽選モードが何れであるかを上記視覚演出や聴覚演出に基づいて遊技者により識別されることが回避されている。
ここで、上作動口用の振分テーブルにおいては、「0〜9」が15R通常大当たり結果に対応しており、「10〜19」が15R確変大当たり結果に対応しており、「20〜24」が2R通常大当たり結果に対応しており、「25〜29」が2R確変大当たり結果に対応している。一方、下作動口用の振分テーブルにおいては、「0〜14」が15R通常大当たり結果に対応しており、「15〜29」が15確変大当たり結果に対応している。つまり、上作動口83aへの入球に基づいて大当たり結果となった場合には遊技状態が非明示となり得るのに対して、下作動口83bへの入球に基づいて大当たり結果となった場合には遊技状態が明示される構成となっている。
再び図13を参照して説明すれば、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253(表示画面253a)を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423が用いられる。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424が用いられる。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ391a〜391f等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ391a〜391f等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が上作動口83aに入賞(始動入賞)したか否かを上作動口83a用の検知センサ391dの検知状態により判定する。遊技球が上作動口83aに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、上作動口83aに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、上作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該上作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、上作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第1保留ランプ部98aの点灯させる処理を実行する。具体的には、第1保留ランプ部98aにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合には、遊技球が下作動口83bに入賞(始動入賞)したか否かを下作動口83b用の検知センサ391eの検知状態により判定する。遊技球が下作動口83bに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口83bに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第2保留ランプ部98bの点灯させる処理を実行する。具体的には、第2保留ランプ部98bにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
本実施の形態においては、各保留ランプ部98a,98bは報知・演出制御装置140に接続されている。主制御装置162では作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるべく保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドには入賞先に係る情報等が付与されており、報知・演出制御装置140は主制御装置162から送信された保留コマンドに基づいて保留ランプ部98a,98bの発光制御を行う。
両作動口83a,83bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて払出制御装置242に対して送信され、保留コマンドは同外部出力処理にて報知・演出制御装置140に送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、保留コマンド、後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。また、RAM404の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部出力端子板213に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における作動口用表示部などの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM404に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板405において停電の発生が確認され当該停電監視基板405からMPU402のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図18及び図19のフローチャートを参照して説明する。
図18に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口83a,83bへの入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、主表示ユニット87の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうちいずれか一方が変動表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM404の各種フラグ格納エリア435における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、上作動口用表示部及び下作動口用表示部のいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア432の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、上作動口83a及び下作動口83bのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて上作動口用保留エリアRa又は下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている下作動口用保留記憶数が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数が「0」である場合には上作動口用のデータ設定処理を実行し、下作動口用保留記憶数が「0」でない場合には下作動口用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、下作動口用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち下作動口用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、下作動口用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口83bに対応した下作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
上作動口83a用のデータ設定処理では、先ず上作動口用保留エリアRaの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、上作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、上作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第1保留ランプ部98aのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ部98aのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
下作動口83b用のデータ設定処理では、先ず下作動口用保留エリアRbの下作動口用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動し、下作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部98aにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。具体的には、点灯中の第2保留ランプ部98bのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ部98bのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット87の主表示部(作動口用表示部)における変動表示及び図柄表示装置253における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
(変動開始処理)
ここで、図19のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定するとともに、大当たり数値情報と一致していない場合には特別外れ用の数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア422に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、15R通常大当たり結果、15R確変大当たり結果、2R通常大当たり結果、2R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部(詳しくは下作動口用表示部、上作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部に停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM404に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、既に説明したように各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS405では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM404にセットする処理を実行する。具体的には、15R通常大当たり結果であることを特定した場合には15R通常フラグをセットし、15R確変大当たり結果であることを特定した場合には15R確変フラグをセットし、2R通常大当たり結果であることを特定した場合には2R通常フラグをセットし、2R確変大当たり結果であることを特定した場合には2R確変フラグをセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM404に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
一方、ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS407に進む。ステップS407では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
以上のとおり、結果表示の内容は、大当たり発生の有無及びその種別にて異なる表示内容が設定されている。これにより、遊技ホールの管理者は、遊技回が終了する場合に、主表示部の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち、当該遊技回に係る変動表示が行われているものを見ることにより、その遊技回の遊技結果が何であるかを監視することができる。
特に、主表示部に設けられた上作動口用表示部及び下作動口用表示部は、主制御装置162に直接表示制御される表示部であるため、サブの表示制御装置410が表示制御に際して介在することとなる表示部(図柄表示装置253)に比べ、表示の信頼性が高いものとなっている。
但し、上述したように主表示部については、上作動口用表示部や下作動口用表示部等複数の表示部が集約されており、どの部分がどのような内容を示しているのかを把握することが困難になっている。更には、図柄表示装置253の表示画面253aと比較して小さく且つ遊技領域PEの端寄りに配置されているためその視認性も表示画面253aと比べて低くなっている。このため、遊技者の注目は上記表示画面253aに向きやすいと想定される。故に、上述したように、一時的に主表示部と表示画面253aとで表示内容が相違したとしても、ホール管理者と比べて遊技者がこのような差違に気づくことを好適に抑制することができる。
ステップS405及びステップS407のいずれかの処理を実行した後は、ステップS408にて、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM404の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置253にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合にはリーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続期間カウンタにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM403に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間情報を取得し、その表示継続時間情報を表示継続時間カウンタにセットする。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、共通保留記憶数CRNの数が多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、共通保留記憶数CRNやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
ステップS408にて、表示継続時間の設定処理を実行した後は、ステップS409にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R通常大当たり結果の情報、15R確変大当たり結果の情報、2R通常大当たり結果の情報、2R確変大当たり結果の情報及び外れ結果の情報が含まれる。
ステップS409にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置253を表示制御する。これらコマンドを受信したことによる表示制御装置410における処理についての詳細は後述する。
ステップS409の処理を実行した後は、ステップS410にて主表示部において絵柄の変動表示を開始させる。その後、ステップS411にて、外部出力解除処理を実行した後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図18)の説明に戻り、主表示部(詳しくは作動口用表示部)が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部(詳しくは上作動口用表示部又は下作動口用表示部)における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該作動口用表示部を表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図19)のステップS404又はステップS407の処理においてRAM404に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部の作動口用表示部にて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS309では変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置140を経由して表示制御装置410に送信され、表示制御装置410では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置253の表示画面253aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置140や表示制御装置410にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図20〜図23のフローチャートを参照して説明する。
図20に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS501にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS503に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に、15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)、15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)、2R通常フラグ(2R通常大当たり結果対応フラグ)、2R確変フラグ(2R確変大当たり結果対応フラグ)の何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS505では格納されている大当たり結果対応フラグが15R対応のものであるか否かを判定する。ステップS505にて肯定判定した場合には、ステップS506にてRAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットし、続くステップS507にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度入賞モードフラグをセットする。一方、ステップS505にて否定判定をした場合には、ステップS508にてRAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「2」をセットし、続くステップS509にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に低頻度入賞モードフラグをセットする。なお、開放数カウンタOCは、可変入賞装置82が開放された回数を把握する手段として機能する。
ステップS507又はステップS509の処理を実行した後はステップS510に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。ステップS510の処理を実行した後はステップS511にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図21のフローチャートを参照して、オープニングコマンド設定処理について説明する。
(オープニングコマンド設定処理)
オープニングコマンド設定処理においては先ず、ステップS601にて今回の開閉実行モードが15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS601にて肯定判定をした場合にはステップS602に進み、第1種オープニングコマンドを設定する。報知・演出制御装置140(表示制御装置410)では、この第1種オープニングコマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置253の表示画面253aにて可変入賞装置82へ向けた遊技球の発射を促すメッセージ等を表示するとともに、15R確変大当たり結果となった旨を明示する画像(動画)を表示する処理を行う。
ステップS601にて否定判定をした場合にはステップS603に進み、今回の開閉実行モードが15R通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS603にて肯定判定をした場合にはステップS604に進み、第2種オープニングコマンドを設定する。報知・演出制御装置140(表示制御装置410)では、この第2種オープニングコマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置253の表示画面253aにて可変入賞装置82へ向けた遊技球の発射を促すメッセージ等を表示するとともに、15R通常大当たり結果となった旨を明示する画像(動画)を表示する処理を行う。
ステップS603にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが2R通常大当たり結果及び2R確変大当たり結果の何れかである場合には、ステップS605に進み、第3種オープニングコマンドを設定する。報知・演出制御装置140では、この第3種オープニングコマンドを受信した場合には、通常遊技状態との識別が困難又は不可となるようにして開閉実行モードのオープニング演出を実行する処理を行う。つまり、第3種オープニングコマンドを受信した場合には、上記第1種/第2種オープニングコマンドを受信した場合とは異なり、開閉実行モードへの移行を明示する表示を行うのではなく、あたかも通常遊技状態が続いているように見せかけることで開閉実行モードへの移行を隠す構成となっている。
ステップS501(図20)の説明に戻り、当該ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS512に進む。ステップS512では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS513にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS701にて可変入賞装置82の大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、ステップS702にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS702にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS702にて否定判定をした場合にはステップS703に進む。ステップS703では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図16)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS703にて否定判定をした場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS704に進み、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞駆動部を駆動状態とする。その後、可変入賞装置82(大入賞口)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS705〜S708の処理を実行する。
ステップS705では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度入賞モードフラグ及び低頻度入賞モードフラグのうち高頻度入賞モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS705にて肯定判定をした場合にはステップS706に進み、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットする。一方、ステップS705にて否定判定をした場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に低頻度入賞モードフラグが格納されている場合には、ステップS707に進む。ステップS707では開放タイマカウンタTCに「250」(0.5secに相当)をセットする。
ステップS706又はステップS707の処理を実行した後は、ステップS708に進む。ステップS708では入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS708の処理を実行した後は、ステップS709にて可変入賞装置82(大入賞口)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においは、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果となっている場合には、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。一方、2R通常大当たり結果又は2R確変大当たり結果となっている場合には、開放コマンドを受信したとしても、開放に対応した演出等を行うことはない。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて大入賞口が開放中であると判定した場合にはステップS710に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS711に進み、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した検知センサ391cからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS712にて入賞コマンドの出力処理を実行する。入賞コマンドは払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行い、2R通常大当たり結果又は2R確変大当たり結果に対応する開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示する演出等を回避する。
ステップS712にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS713に進む。ステップS713では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS714にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS714にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS710にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS715にて大入賞口を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続くステップS716では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS717では更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS717にて否定判定をした場合にはステップS718に進み、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットする。ステップS718の処理を実行した後は、ステップS719にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードとなっている場合に閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。なお、2R通常大当たり結果及び2R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードとなっている場合に閉鎖コマンドを受信した場合には、当該閉鎖コマンドに基づく演出は回避される構成となっている。
ステップS717の説明に戻り、当該ステップS717にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS720に進む。ステップS720では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS721にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。
本実施の形態におけるエンディングコマンドについては、上記オープニングコマンドと同様に、開閉実行モードへの移行時の状況等に応じて第1種エンディングコマンド/第2種エンディングコマンド/第3種エンディングコマンドが設定されている。報知・演出制御装置140は、15R確変大当たり結果に対応する第1種エンディングコマンドを受信した場合に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態へ移行する旨を示す演出を実行する処理を行い、15R通常大当たり結果に対応する第2種エンディングコマンドを受信した場合に低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態へ移行する旨を示す演出を実行する処理を行う。これに対して、2R通常大当たり結果及び2R確変大当たり結果に対応する第3種エンディングコマンドを受信した場合には、上記第1種/第2種エンディングコマンドを受信した場合とは異なり、開閉実行モードへの移行を明示する表示を行うのではなく、あたかも通常遊技状態が続いているように見せかけることで開閉実行モードへの移行を隠す構成となっている。
遊技状態移行処理(図20)の説明に戻り、ステップS513にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS514にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS515にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS516にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、開閉実行モードを経て移行する遊技状態の有利度に差が設定されていることが特徴の1つとなっており、当該特徴にかかる構成によって遊技の単調化が抑制されている。以下、上記特徴に係る構成について説明する。
(開閉実行モード終了時の移行処理)
以下、図23のフローチャートを参照して開閉実行モード終了時の移行処理(ステップS516)について説明する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、ステップS801にて今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて肯定判定をした場合にはステップS802に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R確変フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS802の消去処理を実行した後はステップS803,S804に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS803にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、ステップS804に進み、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
ステップS803及びステップS804にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果でないと判定した場合にはステップS805に進む。ステップS805においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R通常大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。
ステップS805にて肯定判定をした場合にはステップS806に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された15R通常フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS806の消去処理を実行した後はステップS807,S808に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS807にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS808ではRAM404の各種カウンタエリア434に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS807及びステップS808にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS805の説明に戻り、当該ステップS805にて否定判定を行った場合には、ステップS809に進む。ステップS809においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に2R確変フラグ(2R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。
ステップS809にて肯定判定をした場合にはステップS810に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS810の消去処理を実行した後はステップS811に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。なお、2R確変大当たり結果である場合には、15R確変大当たり結果とは異なり高頻度サポートモードフラグが格納されない。つまり、電動役物91のサポート態様については低頻度サポートモードが継続されることとなる。
ステップS809にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R通常大当たり結果である場合には、ステップS812に進む。ステップS812では、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
つまり、2R通常大当たり結果の場合には、15R通常大当たり結果とは異なり開閉実行モード終了後に高頻度サポートモードに移行することはなく、電動役物91のサポート態様については低頻度サポートモードが継続されることとなる。
本実施の形態においては、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される背景画像の表示態様、環状電飾部26の発光態様、スピーカ部29から出力されるBGM(バックグラウンドミュージック)が基づいて報知・演出制御装置140により遊技状態に応じて変更される構成となっており、これらの視覚的な情報(以下、視覚情報という)及び聴覚的な情報(以下、聴覚情報という)によって遊技状態に応じて雰囲気の異なる複数のステージが構成されている。ここで、図24及び図25を参照して報知・演出制御装置140のMPU402にて定期処理の一環として実行されるステージ移行処理について説明する。図24はステージ移行処理を示すフローチャート、図25は報知・演出制御装置140に記憶されているステージ設定テーブルを示す概略図である。
(ステージ移行処理)
ステージ移行処理においては先ず、ステップS901にて上述したサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替わるタイミングであるか否かを判定する。具体的には、15R通常大当たり結果となって高頻度サポートモードに移行した後に、当該高頻度サポートモードで実行された遊技回数が規定回数(100回)に到達した場合には、主制御装置162から報知・演出制御装置140にサポートモード切替コマンドが送信される。報知・演出制御装置140のMPU402においてはこのサポートモード切替コマンドを受信したか否かを判定する。
ステップS901にて否定判定をした場合にはステップS902に進む。ステップS902では、開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS902にて否定判定をした場合にはそのまま本ステージ移行処理を終了する。
ステップS902にて肯定判定をした場合にはステップS903に進み、当該開閉実行モードが15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS903にて肯定判定をした場合にはステップS904に進み、第1特殊ステージへの移行処理を行う。
第1特殊ステージは、表示画面253aの背景色が赤、環状電飾部26の発光レベルが高レベルとなる第1特殊発光態様、スピーカ部29から出力されるBGMが第3態様(BGM3)となるステージであり、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態となる場合には必ずこのステージが選択される(図25参照)。つまり、この第1特殊ステージに滞在している状況下においては、内部的に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態となっていることが確定する。この第1特殊ステージについては、次に開閉実行モードへ移行するまで継続されることとなる。
ステップS903にて否定判定をした場合にはステップS905に進み、当該開閉実行モードが15R通常大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS905にて肯定判定をした場合にはステップS906に進み、第2特殊ステージへの移行処理を行う。
第2特殊ステージは、表示画面253aの背景色が緑、環状電飾部26の発光レベルが中レベルとなる第2特殊発光態様、スピーカ部29から出力されるBGMが第2態様(BGM2)となるステージであり、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態となる場合には必ずこのステージが選択される(図25参照)。つまり、この第1特殊ステージが表示された場合には、内部的に低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態となっていることが確定する。この第2特殊ステージについては、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ切り替わるまで、すなわち上記サポートモード切替コマンドを受信するまで継続される。
ステップS905にて否定判定をした場合(すなわち2R通常大当たり結果又は2R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードが終了した場合)、又はステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS907に進み、通常ステージへの移行処理を行う。
通常ステージは、表示画面253aの背景色が青、環状電飾部26の発光レベルが低レベルとなる通常発光態様、スピーカ部29から出力されるBGMが第1態様(BGM1)となるステージであり、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の遊技状態及び低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の遊技状態の何れかとなる場合には必ずこのステージが選択される(図25参照)。つまり、通常ステージに滞在している状況下においては、内部的に低確率モード且つ低頻度サポートモードとなっている場合と高確率モード且つ低頻度サポートモードとなっている場合とが存在する。この通常ステージについては、次に開閉実行モードへ移行するまで継続されることとなる。
以上詳述したように、滞在ステージが通常ステージである場合には、抽選モードが高確率モードとなっている可能性がある。遊技状態を示す演出に係る視覚的情報及び聴覚的情報から2R確変大当たり結果を経由して高確率モードとなっているかそれとも低確率モードとなっているかを識別困難とすることにより通常ステージであっても遊技者に有利な状態となっている余地を残すことができる。これにより、遊技者にとって相対的に不利な通常ステージとなっている場合であっても、それにより遊技への注目度が低下することを抑制している。
本実施の形態においては、遊技者に対して図柄表示装置253や環状電飾部26からの視覚に係る情報及びスピーカ部29からの聴覚に係る情報だけでなく、嗅覚に係る情報を提供する機能が付与されていること、具体的には芳香発生装置300が設けられていることを特徴の1つとしている。そこで以下、図26を参照して当該芳香発生装置300に係る構成について説明する。図26(a),(b)は芳香発生装置300を示す横断面図(図1のA−A線部分断面図)、図26(c)は芳香発生装置300を示す縦断面図(図26(a)のB−B線部分断面図)である。なお、図26においては左右のスピーカ部29のうち右側のスピーカ部29について例示しているが、左側のスピーカ部29についても各種構成の配置が左右対称となってはいるものの、基本構成については共通となっている。
(芳香発生装置300)
既に説明したように、前扉枠14には「音出力手段」としてのスピーカ部29が設けられている。上記芳香発生装置300についてはこのスピーカ部29に関連しているため、先ずこのスピーカ部29に係る構成について補足説明する。
スピーカ部29は、音声を出力するスピーカ351と、当該スピーカ351を収容する収容部と、スピーカ351(収容部)の前方に配置され当該スピーカ351からの音を遊技機前方へ導く音導出部352とを備えている。スピーカ351は、円筒状の磁石と、当該磁石の内周に沿って配されたコイルと、コイルの一端側に設けられた振動板と、それら各種構成を格納するホルダ351aと、振動板に一体化されホルダ351aから露出するコーン紙351bとを有する所謂ダイナミックスピーカであり、コーン紙351bが音導出部352側(前側)を向くようにして配置されている。スピーカ351のコイルは報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からスピーカ351(コイル)に電流が供給されることにより、当該スピーカ351から音声が出力される構成となっている。
なお、前扉枠14には上記スピーカ351以外にも各種スピーカ(図示略)が配設されているが、上記スピーカ部29を構成しているスピーカ351と他のスピーカとでは出力可能な音域(周波数帯)が異なっている。具体的には、それら他のスピーカは中・高音域に対応する構成(例えばツイータ)である一方、スピーカ351は中・低音域に対応するサブウーハとなっている。
音導出部352は前後に延びる筒状をなしており、前扉枠14の前面部によって音導出部352の前壁部361が構成されている。この前壁部361には、音導出部352の内部領域IEとパチンコ機10の前方領域OEとを繋ぐ複数の貫通孔362が形成されている。これら貫通孔362がスピーカ部29の音出口として機能している。
音導出部352の奥壁部363には前後に貫通する開口部364が形成されており、この開口部364を通じてスピーカ351(コーン紙351b)が音導出部352の内部領域IEと対峙した状態となっている。コーン紙351bの振動によって音が出力された場合には、当該音は開口部364→内部領域IE→貫通孔362を通じて遊技機前方へ伝播することとなる。
ここで、スピーカ351から音が出力されるときには、振動板を境界としてスピーカ351の前面側及び背面側において逆の作用が生じる。具体的には、例えば振動板がスピーカ351の前面側に動くときには、スピーカ351の前面側で空気が押されて「密」となる一方で、背面側は空気の薄い「疎」となり、振動板がスピーカ351の背面側に動くときには、スピーカ351の背面側では空気が押されて「密」となる一方で、前面側は空気の薄い「疎」となる。すなわち、スピーカ351の前面側及び背面側には、逆位相の関係となる音波が出力されることとなる。この場合に、スピーカ351の前面側から出力された音波と、背面側から出力された逆位相の音波とが干渉すると、互いに打ち消しあって遊技者に伝わる音が不鮮明になり得る。特に、波長の長い低音域の音に対する影響は顕著であり、迫力や臨場感の低下を招く要因となる。
これに対して、スピーカ351の前面周縁部は奥壁部363に対して近接している。このため、当該奥壁部363がバッフル板として機能し、スピーカ351の前面側と背面側とは分離されている。よって、スピーカ351の前面側から出力された音波と背面側から出力された音波との干渉が抑制され、スピーカ351からの音の出力が良好に行われるようになっている。
また、低音域の音を増強する上では、スピーカ351から音出口(貫通孔362)までに音が通過する距離を長く確保することが好ましい。これに対して、上記のように音導出部352が前後に延びる構成として、スピーカ351から音出口までの距離を確保することにより、低音域の音を増強することが可能となっている。
遊技機正面視にて音導出部352と横並びとなる位置には、香料供給機構301が配設されている。香料供給機構301は、香料が充填されたボンベ312及びボンベ312に充填された香料を放出する(詳しくは噴霧する)ノズル313が設けられた香料放出部311と、ノズル313により香料が噴霧される中間噴霧領域SEを区画形成している円筒状のシリンダ部315とを有している。香料放出部311は報知・演出制御装置140に接続されており、香料の放出態様が報知・演出制御装置140によって制御される構成となっている。なお、香料供給機構301は遊技機前方から視認不可となるように前扉枠14の前面部(例えば装飾部材等のカバー部材)によって覆われている。
シリンダ部315は音導出部352と交差する方向(左右方向)に延びており、内部領域IE及び中間噴霧領域SEは音導出部352を構成している側壁部のうち遊技機中央側(図26(a)においては左側)の側壁部365に形成された開口部366を介して繋がっている。
シリンダ部315には、当該シリンダ部315の延びている方向に往復可能な円柱状のピストン331と、ピストン331用の駆動部332とが内蔵されている。駆動部332は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの信号に基づいて動作する。
ピストン331はその外周面とシリンダ部315の内周面との隙間がほぼ0となるように構成されており、当該ピストン331の往復時の圧力の低下が抑えられている。以下の説明においては、ピストン331が音導出部352に対して最も近づいた位置を当該ピストン331の待機位置(図26(a)参照)、音導出部352から最も離れた位置を当該ピストン331の退避位置(図26(b)参照)と称する。
図26(c)に示すように、側壁部365に形成された開口部366は、シリンダ部315よりも一回り小さくなるように形成されている。これにより、側壁部365がピストン331のストッパとして機能している。つまり、側壁部365にピストン331が当接した位置が当該ピストン331の待機位置となっている。待機位置に配置されたピストン331の端部は、開口部366に係合しており、このピストン331の端部が上記側壁部365の一部として機能している。これにより、音の導出経路が補完され、遊技機前方への音の導出機能が担保されている。
シリンダ部315の中間位置にはノズル313用の挿入孔316がシリンダ部315の内外に貫通するようにして形成されている。ピストン331が待機位置に配置された状態では、シリンダ部315に形成された上記ノズル313用の挿入孔316が塞がれている。このため、仮にノズル313から香料が漏れる等した場合であっても、当該香料が挿入孔316を通じて中間噴霧領域SE内に流入しないように規制される。
図26(b)に示すように、ピストン331が退避位置に配置された状態では、ピストン331と挿入孔316との重なりが回避され、ノズル313から中間噴霧領域SEへの香料の供給が許容されることとなる。ピストン331のストロークについてはシリンダ部315の半径よりも小さくなるように設定されており、中間噴霧領域SEの容積V2についてもシリンダ部315の内部領域IEに係る容積V1よりも小さくなるように設定されている。香料供給機構301を小型化は、当該香料供給機構301の配置自由度の向上を実現する上では有利である反面、香料の拡散機能を向上させる上で不利となり得る。
この点、本実施の形態においては、シリンダ部315において香料供給機構301(詳しくは開口部366)をスピーカ351及び音出口のうち前者寄りとなる位置に配置することにより、シリンダ内を香料が通過する際に拡散されるように促すことが可能となっている。また、上述したように、シリンダ部315の内径よりも開口部366の内径を小さくすることにより、ピストン331による押圧力を高めて、香料が届く範囲を広げている。これにより、香料供給機構301の小型化に起因した不都合の発生を抑えることが可能となっている。
以上詳述した香料供給機構301及び上記スピーカ部29によって芳香発生装置300が構築されている。ここで、図27及び図28の概略図を参照して芳香発生装置300の動きについて説明する。
(芳香発生装置300の動き)
芳香発生装置300によって芳香を発生させる場合には、先ず芳香を発生させるための準備を行う。具体的には、図27(a)→図27(b)に示すように、ピストン331が待機位置から退避位置へ移動する。これにより、中間噴霧領域SEが開放される。中間噴霧領域SEを横切るようにしてピストン331が移動することにより、中間噴霧領域SEに負圧が生じる。これにより、音導出部352の内部領域IEから中間噴霧領域SEへと気体が流れ込み、当該中間噴霧領域SEに存在する気体に流れや乱れが生じる。
ここで、図27(c)に示すように、ノズル313から中間噴霧領域SEに香料が供給(噴霧)される。これにより、中間噴霧領域SEにおいては香料が混ざった混合気体が生成される。ここで、中間噴霧領域SEにおいては上述した気体の流れや乱れが生じているため、香料が撹拌されて混合気体における香料の濃淡差が好適に緩和されることとなる。なお、以下の説明では上記混合気体を1次混合気体と称する。
次に、図27(c)→図27(d)に示すように、ピストン331が退避位置から待機位置へと復帰する。これにより、中間噴霧領域SEに存在している1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。ここで、シリンダ部315の内径よりも開口部366の内径の方が小さくなっており、1次混合気体の出口部分が狭まっている。これにより、ピストン331によって押し出される1次混合気体の流速を高めるとともに、内部領域IEへ流入した後の拡がりを促進している。以下の説明では、内部領域IEにて当該内部領域IEに存在する気体と上記1次混合気体とが混ざったものを2次混合気体と称する。
図28(e)に示すように、内部領域IEにて2次混合気体が生成されている状況下にてスピーカ351から音が出力されると、音の伝播に伴いコーン紙351bの正面側及び背面側にスピーカ351から遠ざかるようにした空気の流れ(風)が発生することとなる。この空気の流れによって内部領域IE内の2次混合気体が前方に運ばれることで、上記音出口(貫通孔362)を通じて遊技機前方に2次混合気体が排出されることとなる(図28(f)参照)。
上述したようにスピーカ351の振動部(コーン紙351b等)を利用した風の強さについては音量に依存しており、風の出力を強化しようとすれば音量が大きくなって嗅覚的な報知・演出機能よりも聴覚的な報知・演出機能が際立ってしまう可能性がある。つまり、通常のスピーカの出力態様では、嗅覚的な報知・演出機能が聴覚的な報知・演出機能に強く依存してしまう。
この点、本実施の形態においては、上記不都合を回避する工夫が施されている。具体的には、芳香を発生させる場合(遊技機前方へ香りを届ける場合)には、非可聴領域に属する音を出力する構成としている。出力を上げて風量を増大させた場合であっても音自体は聞こえないので上記嗅覚的な報知・演出機能を聴覚的な制約を受けずに任意に設定でき、当該機能を上手く発揮させることが可能となっている。以下、図29を参照して、本実施の形態における音声出力制御の流れについて説明する。
図29(a)に示すように、報知・演出制御装置140のMPU542にて芳香を発生させるタイミング(t1のタイミング)になったと判定した場合には、スピーカ351に係る演出態様が音に関するものから風に関するものに切り替る。具体的には、スピーカ351から出力される音の周波数が可聴領域に属するものから非可聴領域に属するものに変更される。この切り替えにより、以降はスピーカ351からの音が実質的に聞こえなくなる。これに併せて、又は僅かに遅れて音量が大きくなるように変更されることとなる。これにより発生する風の風量や風圧を上げることが可能となる。この場合であっても、音自体は非可聴領域に属しているため、遊技者に騒々しいとの印象を与えることを回避することができる。
本実施の形態に示す「可聴領域」は人の聴覚を基準に設定されており、図29(b)に示すように、およそ20Hz〜20kHzの周波数帯を示すものである。「非可聴領域」については、極低音側と極高音側とに大別されるが、上部のスピーカ351はサブウーハであり、中低音用のスピーカとなっている。そこで、具体的には、20Hzよりも大きい低音(可聴音)から20Hzよりも小さい低音(非可聴音)へと閾値20Hzを跨ぐようにして変更される。
なお、スピーカを用いて風を発生させる上では、コーン紙351bの振幅が大きいほうが有利となる。このため、低音用のスピーカ351を用いて風演出を実行することには技術的意義がある。
本実施の形態においては、芳香発生装置300を用いて上記通常ステージとなっている場合に遊技進行に基づいて抽選モードが高確率モードとなっているか否かの示唆が行われることを特徴の1つとしている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPU542により遊技状態の示唆を行うか否かを決定する処理(遊技状態示唆用設定処理)を行い、その決定内容に応じて遊技状態示唆を実行する処理(遊技状態示唆実行処理)を行うことを特徴の1つとしている。以下、図30及び図31のフローチャートを参照してこれら各処理について説明する。これら遊技状態示唆用設定処理及び遊技状態示唆実行処理は、報知・演出制御装置140のMPU542における定期処理の一環として実行される処理である。
なお、以下の説明においては便宜上、低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の遊技状態を「第1通常遊技状態」、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の遊技状態を「第2通常遊技状態」、低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態を「第3通常遊技状態」、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態を「第4通常遊技状態」と称する。
(遊技状態示唆用設定処理)
図30に示すように、遊技状態示唆用設定処理においては先ず、ステップS1001にて遊技状態が第2通常遊技状態となっているか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合、すなわち第1通常遊技状態、第3通常遊技状態、第4通常遊技状態及び特別遊技状態の何れかである場合には、そのまま本設定処理を終了する。ステップS1001にて肯定判定をした場合にはステップS1002に進む。
ステップS1002では遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1002にて否定判定をした場合、すなわち遊技が行われていない場合又は遊技が行われてはいるものの遊技回の開始タイミングではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。ステップS1002にて肯定判定をした場合にはステップS1003に進む。
ステップS1003では大当たり結果対応の遊技回であるか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。ステップS1003にて否定判定をした場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では、遊技状態示唆の実行の可否を抽選により決定する処理を行う。続くステップS1005ではステップS1004の処理にて遊技状態示唆が確定したか否かを判定する。ステップS1004にて否定判定をした場合には、そのまま本設定処理を終了する。ステップS1004にて肯定判定をした場合には、ステップS1006に進む。
ステップS1006では芳香発生装置300のノズル313から供給する香料の量(噴霧量)を決定する処理を行う。噴霧量については相対的に少ない第1噴霧量と相対的に多い第2噴霧量とが設けられており、これら第1噴霧量及び第2噴霧量のうち何れとするかが抽選により決定される。続くステップS1007ではスピーカ部29の音量の設定処理を行う。芳香発生に対応する音量については相対的に小さい第1音量と相対的に大きい第2音量の何れとするかを抽選により決定する。なお、これら第1音量及び第2音量についてはともにBGM用の音量よりも大きくなるように規定されている。
上記噴霧量が多くなれば芳香が発生したことに遊技者が気付きやすくなり、噴霧量が少なくなれば芳香が発生したことに遊技者が気付きにくくなる。また、音量が大きくなればなるほど芳香が遊技者に届きやすくなる。このように、噴霧量及び音量の2つのパラメータを複合させることにより、芳香による遊技状態示唆の態様を多様化している。
その後、ステップS1008にて報知・演出制御装置140(RAM544)の各種フラグ格納エリアに遊技状態示唆フラグを格納して本設定処理を終了する。報知・演出制御装置140のMPU542においては、以降の処理にて遊技状態示唆フラグの有無に基づき芳香発生装置300を用いた遊技状態の示唆を行うか否か(遊技状態示唆実行処理を行うか否か)を把握する。次に、図31を参照して遊技状態示唆実行処理について説明する。
(遊技状態示唆実行処理)
遊技状態示唆実行処理においては先ず、ステップS1101にてRAM544の各種フラグ格納エリアに遊技状態示唆フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1101にて否定判定をした場合には、そのまま本実行処理を終了する。ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102に進む。
ステップS1102では遊技状態示唆の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103に進む。ステップS1103では芳香発生装置300のピストン331の後退処理を実行する。これにより、ピストン331が待機位置から退避位置へと移動することとなる。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104ではピストン331の退避位置への移動が完了したタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1104にて肯定判定をした場合には香料の噴霧処理を実行する。これにより、ノズル313から中間噴霧領域SEへ香料が供給され、1次混合気体が生成される。この際、ノズル313から供給される香料の量(噴霧量)については、上記ステップS1006の処理にて設定された量となる。続くステップS1106では待機期間の設定処理を実行し、その後本実行処理を終了する。待機期間を設定することにより、ピストン331の待機位置への復帰が遅延され、中間噴霧領域SEにて香料を撹拌させるための期間が確保されることとなる。
ステップS1104の説明に戻り、当該ステップS1104にて否定判定をした場合にはステップS1107に進む。ステップS1107ではステップS1106にて設定した待機期間が経過したタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1107にて肯定判定をした場合にはステップS1108に進み、ピストン331の復帰処理を実行した後に本実行処理を終了する。ステップS1108の復帰処理を実行することによりピストン331が退避位置から待機位置へと復帰し、中間噴霧領域SEに存在する1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。
ステップS1107の説明に戻り当該ステップS1107にて否定判定をした場合にはステップS1109に進む。ステップS1109では図柄表示装置253(主表示部)にて確定表示を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS1109にて否定判定をした場合にはそのまま本実行処理を終了する。一方、ステップS1109にて肯定判定をした場合には、ステップS1110に進む。
本実施の形態においては、確定表示に移行した場合にBGMの出力が停止され、一時的に無音状態となるように構成されている。ステップS1110ではBGMの出力を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1110にて否定判定をした場合には、そのまま本実行処理を終了する。ステップS1110にて肯定判定をした場合にはステップS1111に進む。
ステップS1111ではスピーカ351から上記非可聴音を出力する処理を実行する。この非可聴音の音量については、上記ステップS1007にて設定された音量となるように調節される。スピーカ351から非可聴音が出力されることにより、音導出部352(内部領域IE)に音出口へ向けた風の流れが生じる。これにより、音導出部352内の2次混合気体が遊技機前方に放出されることとなる。ステップS1111にて開始された非可聴音の出力は、所定の出力期間に亘って継続される。なお、この所定の出力期間については、上述した確定表示期間よりも短く設定されており、当該遊技回の終了(確定表示期間の経過)に合せて非可聴音の出力が終了するように構成されている。
ステップS1111の処理を実行した後は、RAM544の各種フラグ格納エリアに格納されている遊技状態示唆フラグをステップS1112にて消去し、本遊技状態示唆実行処理を終了する。遊技状態示唆フラグが消去されることにより、以降は再び遊技状態示唆フラグがセットされるまで遊技状態示唆実行処理における主たる制御が回避されることとなる。
ここで、図32のタイミングチャートを参照して、芳香発生装置300による遊技状態の示唆が行われる場合の遊技の流れについて説明する。なお、図32においては2R確変大当たり結果対応の開閉実行モードを経て遊技状態が第2通常遊技状態となっている場合について例示している。
(遊技の流れ)
ta1のタイミングでは図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。この遊技回については遊技状態示唆の実行可否抽選処理に非当選となっているため遊技状態示唆が回避されることとなる。ta1のタイミングから僅かに遅れたta2のタイミングでは図柄組合せの停止表示に併せてスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止される。
ta1のタイミングから所定の確定表示期間が経過したta3のタイミングでは再び遊技回が開始される。これにより、図柄表示装置253においては停止表示されていた図柄の変動表示が開始され、スピーカ351からは可聴音(BGM)の出力が開始されることとなる。また、このta3のタイミングでは第2通常遊技状態であること、外れ結果に対応する遊技回であることを条件として遊技状態示唆の実行可否抽選処理が実行されるが、今回の抽選でも非当選となっている。
ta3のタイミングから所定の変動表示期間が経過したta4のタイミングでは、図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。ta4のタイミングから僅かに遅れたta5のタイミングでは図柄組合せの停止表示に併せてスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止される。
ta4のタイミングから所定の確定表示期間が経過したta6のタイミングでは再び遊技回が開始される。これにより、図柄表示装置253においては停止表示されていた図柄の変動表示が開始され、スピーカ351からは可聴音(BGM)の出力が開始されることとなる。また、このta6のタイミングでは第2通常遊技状態であること、外れ結果に対応する遊技回であることを条件として遊技状態示唆の実行可否抽選処理が実行されるが、今回の抽選では当選となっている。これにより、ta6のタイミングで開始された遊技回においては芳香発生装置300による遊技状態示唆が実行されることとなる。
ta6のタイミングにて遊技回が開始した後は、芳香発生の準備を開始するta7のタイミングとなったことに基づいてピストン331が待機位置から退避位置への移動を開始する。本実施の形態に示すピストン331においてはその外周面がシリンダ部315の内周面とを近づけることにより、気密性が高められている。このため、ピストン331の退避位置への移動にはある程度の期間を要する。
ta8のタイミングにてピストン331が退避位置に到達すると、これに合せてノズル313から香料が供給されることとなる(ta9のタイミング)。既に説明したように、ピストン331が退避位置に到達した直後はシリンダ部315内に気体の流れが生じている。このため、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにおいては噴霧された香料が好適に撹拌されることとなり、1次混合気体における濃淡差が抑えられることとなる。
1次混合気体が生成された後のta10のタイミングにおいては、ピストン331が退避位置から待機位置へ向けた移動を開始する。これにより、シリンダ部315内に存在している1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。そして、ta11のタイミングにて、ピストン331の待機位置への復帰が完了することとなる。
ピストン331が待機位置へ復帰した後も、遊技が続くように構成されている。シリンダ部315に移った1次混合気体がシリンダ部315の内部領域IEに存在している気体と混ざることにより2次混合気体が生成されることとなるが、この時点(遊技中)には、BGMの出力が継続されているため、スピーカ351から出力される音によって2次混合気体が撹拌されやすくなっている。
ta6のタイミングから所定の変動表示期間が経過したta12のタイミングでは、図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。ta12のタイミングから僅かに遅れたta13のタイミングでは図柄組合せの停止表示に併せてスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止され、非可聴音の出力が開始される。つまり、実際にはスピーカ351からの音の出力がカットされるのではなく、その出力態様が可聴音→非可聴音に切り替わる構成となっている。これに合せて、音量が上がることにより、音導出部352に存在している2次混合気体が音出口を通じて遊技機前方に放出されることとなる。これにより、遊技機前方にて芳香が発生する。芳香の発生は第2通常遊技状態に関連づけられており、この芳香(嗅覚に係る情報)によって内部的に高確率モードとなっている旨が示唆されることとなる。
ta12のタイミングから所定の確定期間が経過したta14のタイミングでは、図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始されるとともに、スピーカ351から出力される音が非可聴音から可聴音(BGM)に切り替えられることとなる。これに合せて音量が非可聴音に対応する音量から可聴音に対応する音量に切り替えられることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
内部的に高確率モードとなっている第2通常遊技状態と内部的に低確率モードとなっている第1通常遊技状態とで滞在するステージ(通常ステージ)を共通とすることにより、外観上何れの遊技状態となっているかの見分けを付きにくくしている。このように、遊技状態の識別を困難とし、通常ステージとなっている場合であっても遊技者にとって有利な第2通常遊技状態である可能性を残すことにより、当該通常ステージにおける遊技意欲の低下を抑制することができる。
第2通常遊技状態となっている旨が芳香発生装置300から発生する芳香によって示唆される構成となっており、芳香が発生した場合には第2通常遊技状態である期待度が高くなる。ここで、遊技状態に対応させて図柄表示装置253における表示態様を変化させたり、スピーカ部29から出力されるBGM等の演出音を変化させたりすることにより、第2通常遊技状態であることを示唆することも可能である。但し、視覚に係る情報や聴覚に係る情報と比べて、嗅覚に係る情報については、遊技機から発信されてから遊技者がそれを知覚するまでの期間(タイムラグ)が大きくなったり、更にはこの期間を様々に変化させたりすることができる。例えば、遊技機の設置環境によっても伝わり方に違いが生じたりする。このように、嗅覚に係る情報として芳香を用いることで遊技状態を示唆することには以下の技術的意義がある。
例えば、視覚や聴覚に係る情報とは異なり、嗅覚に係る情報についてはその発生元を即座に特定するのは難しくなる。つまり、遊技者が香りを感じた場合であっても、その発生元を特定するには遊技機へ近づく等の積極的な動きが必要となる。ここで、第2通常遊技状態となっているか否かが香りによって示唆される構成とすれば、他の遊技機から漂う香りである可能性を否定できないため、香りを感じた時点でその発生元が自身の遊技機であると断定することは難しくなる。このため、遊技状態を見極めようとした場合に、遊技者に対して香りの発生元を確認するといった動作を促すことができる。これにより、遊技の単調化の抑制に貢献できる。
また、遊技ホール等の島設備に遊技機が配置される場合には、前後左右に並べて配置されることが多い。つまり、複数の遊技機が隣接して配置されることが多い。このような状況下にて上述した芳香が発生した場合、芳香は風の流れに乗って移動したり拡がったりすることとなる。このような事情から、芳香の発生元の遊技機だけでなく、周囲の他の遊技機にて遊技中の遊技者等にも当該芳香が及ぶ可能性が生じる。このような事情から、芳香を感じた場合であっても、それが自身の遊技機から発生したものであるか、周囲の遊技機から発生したものであるかによって遊技の流れが大きく変化する。発生元となった遊技機のみならず周囲の遊技機にて遊技中の遊技者に対しても自身の遊技機から芳香が発生したかもしれないとの期待させることができ、遊技機(遊技)への注目度を高める効果は、芳香の発生元となった遊技機を超えて他の遊技機(詳しくは他の遊技機にて遊技中の遊技者等)にも及ぶこととなる。
芳香については、光や音と比べてその伝播速度が低い。これにより、芳香の発生元となった遊技機にて遊技中の遊技者と、他の遊技機にて遊技中の遊技者とを比較した場合には、多くのケースで前者の方が後者よりも芳香に早く気付くこととなる。このように芳香発生を知覚できるタイミングをずらすことにより、芳香を知覚した遊技者は、他者が芳香を知覚しているかを確認することで、発生元が自身の遊技機であるかを間接的に把握することができる。このような構成とすれば、遊技者間の競争心を好適に煽ることができ、遊技への積極的参加を促すことができる。
上述したように視覚に係る情報については自身の遊技機が出所となっているか否かが明確であり、聴覚に係る情報についても自身の遊技機が出所となっているか否かを特定することが容易である。これに対して香りについてはその出所を特定することが困難である。このような、ある種のあいまいさを残しながら遊技状態の示唆を行う構成においては、上述した効果を享受できる反面、視覚演出や聴覚演出よりも立場が弱くなる。つまり、視覚演出や聴覚演出等により遊技状態が示されてしまうと、香りによって遊技状態を示唆する意義が薄れてしまう。そこで、本実施の形態においては、大当たり結果となった遊技回〜開閉実行モード〜その後の遊技回の何れにおいても遊技状態を示す視覚演出及び聴覚演出を規制することにより、芳香発生の存在意義の低下をしている。
本実施の形態においては、芳香発生による遊技状態の示唆が遊技が行われているか否かに左右される構成となっている。遊技状態を確認しようとした場合には、必然的に遊技を行う必要が生じ、遊技状態の示唆機能を利用したい遊技者に対して遊技を促すことができる。これにより、遊技機の稼働率の向上に貢献できる。特に、光や音とは異なり、例え芳香が発生したとしても即座にその発生元を特定することが難しくなるため、ある程度の期間に亘って遊技を継続するように促すこともできる。これは、上述した稼働率の向上効果を強化する上で好ましい構成である。
遊技機が設置されている遊技ホール等での空調の設定等の環境条件によって空気の流れが様々になり得る。芳香については、空気を媒体として移動するという特性上、そのような空調の影響を受けやすい。環境条件等によって伝わり方にある程度のばらつきが生じること自体は、芳香の不安定さを利用して伝わり方を多様化する上では好ましい。しかしながら、空調の影響によって芳香が遊技者に届かなくなって、芳香発生による示唆機能が上手く機能しなくなることは、不平等さを助長することとなるため好ましくない。この点、本実施の形態においては、遊技機の中央部分ではなく、当該中央部分を挟んだ左右両側に芳香発生装置300をそれぞれ配設することにより、上記不都合の発生を抑制することが可能となっている。つまり、風が右から左に流れいる場合であっても、左から右に流れている場合であっても、少なくとも左右何れかの芳香発生装置300からの芳香が遊技者に届くこととなるため、芳香発生に遊技者が気付かないままとなることを抑制できる。なお、左右に芳香発生装置300を設けることにより、左右両隣の遊技機にて遊技中の遊技者に向けて芳香が拡がるように促すことができ、上述した他の遊技機にて遊技中の遊技者に対する注目度向上効果を発揮する上でも有利である。
芳香発生装置300においては特に、中間噴霧領域SEにて香料を含んだ1次混合気体を生成し、この1次混合気体を元に音導出部352にて生成された2次混合気体が遊技機前方に放出される構成となっている。1次混合気体→2次混合気体の生成過程にて、段階的に香料が拡散されることにより混合気体における香料の濃淡差が減縮され、混合気体がある程度均質化された状態で遊技機前方へと放出されることとなる。これにより、香りによって演出等を行う場合であっても、香りが上手く拡散されず香料の薄い部分が遊技者に届いて遊技者に気付かれなくなったり、逆に香料の濃い部分が遊技者に届いて不快感を与える要因となったりすることを回避できる。
例えばスプレー等を用いて遊技者に香料を直接吹き付ける構成とすることも可能である。しかしながら、このような構成では、風が過度に直接的となり、嗅覚に係る情報よりも触覚的な変化が先に把握されてしまうと想定される。芳香の発生が先に露呈しまっては、芳香発生によるインパクトが低下する。また、混合気体を風に載せて運ぶ構成においては、混合気体が届くよりも先に風が当たる等して触覚的な変化が生じては、その後に芳香が発生することが露呈してしまう。この点、本実施の形態においては音導出部352にて2次混合気体が生成された後に送風を開始する構成とすることにより、触覚的な変化に対して嗅覚的に変化が遅れることを抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
また、スプレー等によってある程度広範囲に香りを届けようとすれば、噴射自体が目に付きやすくなるため、嗅覚的な変化よりも更に前に視覚的な変化が知覚されて、芳香発生が事前に察知されやすくなる。この点、本実施の形態に示す芳香発生装置300については、芳香発生に係る各種駆動部分や香料の供給部分(ノズル313)を前扉枠14の内部に収容することにより、上記不都合の発生を抑制している。
前扉枠14については、各種遊技部品が配置される部分であるため、上記芳香発生装置300を配置することによりそれら各種遊技部品の配置領域が圧迫されることとなる。特に上述したように、複数のチャンバを利用して香料の拡散を促進しようとすれば、その占有領域が嵩む。本実施の形態においては、前扉枠14にて芳香発生装置300と他の遊技部品との共存を図る工夫がなされそのような不都合の発生が解消されている。
具体的には、前扉枠14に設けられた既存のスピーカ部29を用いて芳香発生装置300を構築している。スピーカ部29を構成するスピーカ351を送風手段、音導出部352を送風通路として利用することにより、芳香発生装置300の占有領域を減縮し、前扉枠14における配置領域を確保することが可能となっている。
振動により音を発生させる(出力する)タイプのスピーカ351が搭載された遊技機においては、音の出力態様によって大小相違するものの少なからずコーン紙351b(振動部)の振動方向に空気の流れ(風)が生じる。これにより、音導出部352にて生成された2次混合気体は、当該空気の流れに乗って音出口から遊技機前方に放出される。そもそも、コーン紙351bの振動を目で捉えるのは難しく、更に音響に配慮してスピーカ351が音導出部352の奥に配置されているため、スピーカ351の動きから視覚的に芳香発生の有無を把握することが困難になっている。
音導出部352にはシリンダ部315が接続されており、このシリンダ部315にて上記1次混合気体が生成され、当該シリンダ部315が音導出部352に供給される構成となっている。シリンダ部315にはピストン331が内蔵され、このピストン331によって1次混合気体が送り出されることとなるが、ピストン331の動きは遊技機前方から視認不可又は困難となっている。これにより、ピストン331の予備動作から芳香発生の有無が露呈することを回避している。なお、ノズル313についてもシリンダ部315に配設されているため、当該ノズル313から香料が噴霧される場合であっても、それが遊技者の視界に入ることを抑制している。
上述したようにシリンダ部315内の1次混合気体をピストン331によって押し出す構成とすることにより、1次混合気体がシリンダ部315に残ることを抑制し、芳香発生の準備を行う際の送出効率及び応答性の向上が実現されている。また、シリンダ部315に香料を供給する場合には、ピストン331が音導出部352から遠ざかる側に移動(後退)することにより、シリンダ部315内に例えば当該ピストン331の移動方向へ向けた気体の流れが生じる。このように、シリンダ部315内の気体が動いている状況下にて香料を供給することにより、当該気体の動きに合せて香料が拡散されることとなる。これにより、香料の撹拌を促進できる。そして、ピストン331が再び音導出部352側へと移動することにより、シリンダ部315内の混合気体が音導出部352側へ押し出されることとなる。このように、ピストン331の往復動を利用することにより、香発生に係る動作が簡素化できる。
スピーカ351によって混合気体を放出する際には、ピストン331によって音導出部352の側壁部365の壁面(開口部364)を補完することにより、当該音導出部352内での気流の乱れや圧力損失を好適に抑制することができる。これは、放出される混合気体の流速を担保する上で好ましい構成である。また、芳香を発生させる必要がない状況下においてはピストン331によってノズル313が塞がれた状態となり、シリンダ部315への香料の漏れが回避されることとなる。
スピーカ351のコーン紙351b(振動部)を利用した風の出力は、音の出力に依存しており、風の出力を継続するには音を継続的に出力する必要がある。つまり、通常のスピーカ351の出力態様(可聴領域に属する音を出力することを前提とする出力態様)においては、触覚的な報知・演出機能が聴覚的な報知・演出機能に強く依存してしまう。この点、本実施の形態に示すように香りを発生させる際には非可聴領域に属する音を出力する構成とすることで、出力を上げて風量を増大させた場合であっても音自体は聞こえなくなる。このため、上記嗅覚に係る報知・演出機能を聴覚に係る制約を受けずに任意に設定でき、当該機能を上手く発揮させることが可能となる。
以上のようにスピーカ351が本来有する音を発生させるという機能と、音の発生に伴い副次的に発揮される機能(空気の流れを生じさせるという機能)とを併用することにより、スピーカという既存の構成を利用し、構造の複雑化や占有領域の拡大を抑えつつ報知・演出機能の向上を実現することが可能となる。なお、本実施の形態においては上記スピーカ351として重低音タイプのスピーカ(ウーハー等)を適用しており、上記振動が大きなものとなるため振動に伴って発生する風の強さや風量が大きくなりやすい。これにより、上述した作用・効果を顕著に発揮させることができる。
スピーカ351については芳香発生手段として機能しない場合には演出音としてBGM等を出力構成となっている。このようにBGM等を出力している場合であっても、音導出部352内には音出口に向けた気体の流れが生じるため、スピーカの使用を継続することで音導出部352内の換気がなされる。つまり、BGM等の可聴音を出力することにより、音導出部352における気体の滞留を抑制し、香りが籠ることを好適に抑制できる。
<第1の実施の形態の変形例>
(1)上記第1の実施の形態については、上部のスピーカ351からの音の出力を行う構成としたが、上部のスピーカ351については、通常は使用しない構成(例えば効果音の出力時のみ出力される構成)としてもよい。遊技ホールでは様々な音が入り混じっており、小さな音が突然消えたとしても遊技者がそれに気付く可能性は低い。しかしながら、上部のスピーカ351からの音の出力の停止=芳香発生となれば、遊技者によっては芳香発生の有無を聴覚的な情報から判断できる可能性が高くなる。この点、本変形例のように、上部のスピーカ351を効果音用として用いる構成とすれば、そのような不都合を好適に回避できる。
(2)上記第1の実施の形態においては、20Hz以下の極低音を利用して風演出を行う構成としたが、ツイータ等の高音用のスピーカにより20kHz以上の極高音を利用して風演出を行ってもよい。但し、上述したように風演出を実行するには、ある程度のコーンの振幅を担保する必要があるところ、高音では振幅の確保が困難になりやすい。以上の理由から、スピーカを利用して風演出を行う場合には、本実施の形態に示したように低音用のスピーカ及び低音側の非可聴領域に属する音を利用することが好ましい。
(3)上記第1の実施の形態では、待機位置から退避位置へのピストン331の移動が完了した後に中間噴霧領域SEに香料を供給する構成としたが、ピストン331が退避位置へ到達する前のタイミングにて香料を供給する構成とすることも可能である。図26等に示すように、香料供給用のノズル313の出口部分(挿入孔316)はピストン331の移動経路の中間位置に配置されている。ピストン331が退避位置へ向けて移動する過程で、ノズル313との重なりが回避されたタイミング以降であれば、ピストン331が移動している最中であっても香料の供給は可能である。係る構成とすれば、芳香発生の準備期間の短縮に貢献できるだけでなく、1次混合気体を生成する際の香料の撹拌を一層好適に促進できる。
但し、ノズル313から香料が供給される場合には、当該香料が噴霧される構成となっているため、香料がピストン331に直接当たる等して、香料の付着が発生しやすくなる。このような事情に配慮した場合には、当該変形例を採用する場合には、後述する第3の実施の形態に示す消臭機能を併用することが好ましい。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、中間噴霧領域SEへ香料を噴霧する前に当該中間噴霧領域SEを横切るようにしてピストン331(「送り手段」に相当)を動作させることにより、中間噴霧領域SEに乱流を生じさせて1次混合気体生成時の香料の撹拌を促進する構成とした。これに対して、本実施の形態においては、中間噴霧領域SEにおける1次混合気体の生成過程が第1の実施の形態と相違している。以下、図33を参照して、本実施の形態における混合気体の生成〜芳香発生の流れについて説明する。なお、芳香発生装置300の具体的構成については第1の実施の形態と共通となっているため、それら各種構成については説明を援用する。
図33(a)に示すように、本実施の形態におけるピストン331は、第1の実施の形態に示した退避位置が待機位置となっている。以下、上記第1の実施の形態との混同を回避するため、便宜上この待機位置すなわち音導出部352から離れた位置を「第1位置」と称し、音導出部352の一部を形成している位置を「第2位置」と称する。芳香発生装置300が動作しない状況下においてはピストン331が第1位置に留まるように構成されている。
芳香発生装置300を用いて遊技状態の示唆を行う場合には、図33(a)→図33(b)に示すように、ピストン331を第1位置に配置した状態のまま、ノズル313から中間噴霧領域SEへ香料を供給する。中間噴霧領域SEへ供給された香料は、当該中間噴霧領域SEに存在している気体と混ざり1次混合気体が生成される。ここで、スピーカ351からは確定表示を行っている場合を除いてBGM等の可聴音が出力されている。このため、音導出部352の内部領域IEと繋がっている中間噴霧領域SEについても、可聴音の出力の影響によって気体に何らかの動きが発生する。このような動きによって、香料の撹拌が促進されることとなる。
1次混合気体が生成された後は、図33(b)→図33(c)に示すように、ピストン331が第1位置から音導出部352へ向けて移動する。これにより、中間噴霧領域SEの1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。ピストン331が上記開口部366に係合する第2位置へ到達することにより、1次混合気体の押し出しが完了し、且つ当該ピストン331によって音導出部352の凹みが埋まることとなる。これにより、中間噴霧領域SEが圧力損失を招く要因となることが回避され、香料の放出経路が完成する。
このように、ピストン331が第2位置へ到達した後に、スピーカ351から出力される音が可聴音から非可聴音に切り替わる。これにより、音導出部352に生成された2次混合気体が遊技機前方へ放出されることとなる(図33(c)→図33(d)参照)。香料の放出を行った後は、スピーカ351からの音を非可聴音から可聴音への切り替えに先行して又は同時に、ピストン331を第2位置から第1位置へ移動する。これにより、次回の遊技状態示唆に備えることができる。
2次混合気体を遊技機前方へ放出する構成においては、できるだけ遠くまで香料を届けることを前提とした場合に、音出口部分での圧力損失を極力小さくすることが好ましい。例えば、音出口を構成している貫通孔362の径を大きくすることにより、圧力損失を好適に小さくできる。しかしながら、貫通孔362が大きくなれば、芳香発生装置300にて香りを発生させる際の動きが目に付きやすくなると懸念される。特に、ピストン331の位置の変化そのものよりも位置を変化させる際の動きが目立ちやすくなる。これでは、芳香発生の有無を視覚情報から識別することが容易となって、芳香発生の意外性が低下し得る。この点、本実施の形態においては、ピストン331を第1位置→第2位置→第1位置の順に移動させる構成とすることにより、音導出部352における目立った動きを抑えることができる。故に、上述したような圧力損失を抑える工夫が芳香発生の意外性を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
また、ピストン331は芳香発生までに往復するのではなく第1位置→第2位置への移動に留まっている(復路は事後的に移動させれば足りる)。これにより、芳香を発生させる場合の予備動作を抑えることができ、芳香発生までの準備期間の短縮に貢献できる。故に、芳香発生による遊技状態の示唆を行う上で応答性を好適に向上させることができる。
<第2の実施の形態の変形例>
上記第2の実施の形態においては、ピストン331が開口部366に係合する位置まで移動する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、開口部366の手前であって当該開口部366との係合が回避される位置を音導出部352側への移動限界位置として設定することも可能である。このような構成とすることにより、ピストン331の動きが遊技者の目に付くことを好適に抑制することができる。
<第3の実施の形態>
音や光等については出力を停止した時点で遊技者による知覚が困難になるため応答性が高い。これに対して、芳香については出力を停止したとしてもその余韻が残るため応答性が低くなる。つまり、芳香によって遊技状態の示唆等を行う場合には、当該示唆を光や音によって示唆する場合と比較して示唆終了後もその影響が残りやすい。本実施の形態においては、芳香発生装置300を用いた遊技状態の示唆を行う際の応答性等の向上を図る工夫がなされていることを特徴の1つとしている。
具体的には、遊技状態の示唆に伴って芳香を発生させ場合には、その後に敢えて当該芳香の少なくとも一部を消す処置(以下、消臭処理という)を行う構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図34を参照して第1の実施の形態との相違点を中心に上記消臭に係る構成について説明する。図34(a)は芳香発生装置300Aの横断面図、図34(b)群は香料の拡がりを示す概略図である。
芳香発生装置300Aの香料供給機構301Aは、消臭剤が充填されたボンベ322A及びボンベ322Aに充填された消臭剤を放出する(詳しくは噴霧する)ノズル323Aが設けられた消臭剤放出部321Aを備えている。消臭剤放出部321Aは、上記香料放出部311Aに併設されており、当該香料放出部311と同様に遊技機前方から視認不可となるように前扉枠14の前面部(例えば装飾部材等のカバー部材)によって覆われている。
ノズル323Aは、シリンダ部315Aに形成された挿入孔を通じて中間噴霧領域SEに露出している。ピストン331が待機位置に配置されている状態では、この挿入孔がピストン331によって塞がれており、消臭剤が中間噴霧領域SEに漏れ出さないように規制されている。中間噴霧領域SEにて1次混合気体を生成する構成においては、シリンダ部315の内周面やピストン331の外周面に香料が付着して残存し得る。特に、上述したように中間噴霧領域SE内での撹拌を促進しようとすれば、その影響が顕著になる。
ピストン331が退避位置に配置された状態にて、中間噴霧領域SEへ消臭剤が供給されることにより、当該消臭剤によってシリンダ部315やピストン331に残存している香料の影響を抑えることができる。
消臭剤を放出する場合の芳香発生装置300の動作態様については、基本的に上記第1の実施の形態に示した香料を放出する場合と同様となっている。具体的には、芳香発生装置300によって消臭を行う場合には、先ずピストン331が待機位置から退避位置へ移動する。これにより、中間噴霧領域SEが開放される。中間噴霧領域SEを横切るようにしてピストン331が移動することにより、中間噴霧領域SEに負圧が生じる。これにより、中間噴霧領域SEにおける気体に流れが生じる。
ここで、ノズル323Aから中間噴霧領域SEに消臭剤が供給(噴霧)される。これにより、中間噴霧領域SEにおいては消臭剤が混ざった1次混合気体が生成される。ここで、中間噴霧領域SEにおいては上述した気体の流れが生じているため、この流れによって消臭剤が撹拌され、1次混合気体における消臭剤の濃淡差が好適に緩和されることとなる。
次に、ピストン331が退避位置から待機位置へと復帰する。これにより、中間噴霧領域SEに存在している1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。ここで、シリンダ部315Aの内径よりも開口部366の内径の方が小さくなっており、1次混合気体の出口部分が狭まっている。これにより、ピストン331によって押し出された1次混合気体の流速を高めるとともに、内部領域IEへ流入した後の拡がりを促進している。
内部領域IEに消臭剤を含んだ2次混合気体が生成されている状況下においてスピーカ351から音が出力されると、音の伝播に伴いコーン紙351bの正面側及び背面側にスピーカ351から遠ざかるようにした空気の流れ(風)が発生することとなる。この空気の流れによって内部領域IE内の2次混合気体が前方に運ばれることで、上記音出口(貫通孔362)を通じて遊技機前方に消臭剤を含んだ2次混合気体が排出されることとなる。
香料を含んだ2次混合気体を排出する場合には、スピーカ351から非可聴音を出力する構成としたが、消臭剤を含んだ2次混合気体を排出する場合には敢えてこのような非可聴音を出力するのではなく遊技進行に伴いスピーカ351から出力される演出音(BGM等の可聴音)を利用する点で排出態様が相違している。
消臭剤を含む2次混合気体が排出されることにより、芳香がおよぶ範囲、すなわち嗅覚に係る刺激が発生する範囲が変化することとなる。ここで、図34(b)の概略図を参照して、芳香の影響範囲の変化について説明する。
芳香発生装置300Aによって遊技状態の示唆を行う場合には、図34(b1)に示すように、音出口から排出された香料を含んだ2次混合気体は、音出口を通過した後に上下左右に拡散しながら遊技機前方へ拡がることとなる。排出済みとなった2次混合気体については、時間の経過とともに拡散が進むが、その発生元となった音出口については芳香がある程度残存することとなる。
ここで、消臭剤を含んだ2次混合気体が排出されると、当該2次混合気体は先んじて排出された香料を含んだ2次混合気体の後を追うようにして拡がることとなる。但し、既に説明したように、消臭剤を含んだ2次混合気体を遊技機前方へ送る場合には、香料を含んだん2次混合気体を遊技機前方へ送る場合と比べて、風量が少なく(風圧が弱く)なる。このため、香料を含んだ2次混合気体の全てが消臭剤によって消されるわけではなく、消臭範囲が音出口付近に制限されることとなる。このように消臭を行った結果、図34(b2)に示すように、芳香の影響範囲が遊技機から分離されて、芳香の発生元をたどること(特定すること)が困難となる。
消臭剤放出部321Aは報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの信号に基づいて動作する構成となっている。消臭剤放出部321Aについては、遊技状態の示唆を行った後に駆動される構成となっており、その駆動制御用の処理は、遊技状態示唆実行処理に組み込まれている。ここで、図35のフローチャートを参照して、本実施の形態における遊技状態示唆実行処理について説明する。
(遊技状態示唆実行処理)
遊技状態示唆実行処理においては先ず、ステップS1201にてRAM544の各種フラグ格納エリアに遊技状態示唆フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合にはそのまま本実行処理を終了する。ステップS1201にて肯定判定をした場合にはステップS1202に進む。
ステップS1202では遊技状態示唆の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1202にて肯定判定をした場合にはステップS1203に進み、芳香発生装置300のピストン331の後退処理を実行する。これにより、ピストン331が待機位置から退避位置へと移動することとなる。
ステップS1202にて否定判定をした場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204ではピストン331の退避位置への移動が完了したタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1204にて肯定判定をした場合には香料の噴霧処理を実行する。これにより、ノズル313から中間噴霧領域SEへ香料が供給され、1次混合気体が生成される。続くステップS1206では待機期間の設定処理を実行し、その後本実行処理を終了する。待機期間を設定することにより、ピストン331の待機位置への復帰が遅延され、中間噴霧領域SEにて香料を撹拌させるための期間が確保されることとなる。
ステップS1204の説明に戻り、当該ステップS1204にて否定判定をした場合にはステップS1207に進む。ステップS1207ではステップS1206にて設定した待機期間が経過したタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1207にて肯定判定をした場合にはステップS1208に進み、ピストン331の復帰処理を実行した後に本実行処理を終了する。ステップS1208の復帰処理を実行することによりピストン331が退避位置から待機位置へと復帰し、中間噴霧領域SEに存在する1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。
ステップS1207の説明に戻り当該ステップS1207にて否定判定をした場合にはステップS1209に進む。ステップS1209では図柄表示装置253(主表示部)にて確定表示を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS1209にて否定判定をした場合にはそのまま本実行処理を終了する。一方、ステップS1209にて肯定判定をした場合にはステップS1210に進む。
本実施の形態においては、確定表示に移行した場合にBGMの出力が停止され、一時的に無音状態となるように構成されている。ステップS1210ではBGMの出力を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1210にて否定判定をした場合にはそのまま本実行処理を終了する。ステップS1210にて肯定判定をした場合にはステップS1211に進む。
ステップS1211ではスピーカ351から上記非可聴音を出力する処理を実行する。この非可聴音の音量については、上記ステップS1007にて設定された音量となるように調節される。スピーカ351から非可聴音が出力されることにより、音導出部352(内部領域IE)に音出口へ向けた風の流れが生じる。これにより、音導出部352内の香料を含んだ2次混合気体が遊技機前方に放出されることとなる。ステップS1211にて開始された非可聴音の出力は、所定の出力期間に亘って継続される。
ステップS1209の説明に戻り、当該ステップS1209にて否定判定をした場合、すなわち確定表示が終了した場合には、ステップS1212に進む。ステップS1212では非可聴音の出力を終了するタイミング、すなわち非可聴音から可聴音へ出力態様を切り替えるタイミングとなったか否かを判定する。なお、後続の保留情報が存在していない場合には、確定表示の終了タイミングとなることでステップS1213に進む。
ステップS1212にて肯定判定をした場合には、ステップS1213に進みRAM544の各種フラグ格納エリアに消臭フラグをセットする。この消臭フラグがセットされることにより芳香を消すための処理(消臭処理)が実行され、消臭フラグが消去されることで当該消臭処理が回避されることとなる。
ステップS1212にて否定判定をした場合にはステップS1214に進む。ステップS1214ではRAM544の各種フラグ格納エリアに消臭フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1214にて否定判定をした場合にはそのまま本実行処理を終了する。一方、ステップS1214にて肯定判定をした場合にはステップS1215にて消臭処理を実行した後、本実行処理を終了する。ここで、図36のフローチャートを参照して消臭処理について説明する。
(消臭処理)
消臭処理においては先ず、ステップS1301にて消臭処理の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1301にて肯定判定をした場合にはステップS1302に進み、芳香発生装置300のピストン331の後退処理を実行する。これにより、ピストン331が待機位置から退避位置へと移動することとなる。
ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303ではピストン331の退避位置への移動が完了したタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1303にて肯定判定をした場合にはステップS1304にて消臭剤の噴霧処理を実行する。これにより、ノズル323Aから中間噴霧領域SEへ消臭剤が供給され、中間噴霧領域SEにて消臭剤を含んだ1次混合気体が生成される。続くステップS1305では待機期間の設定処理を実行し、当該設定処理を実行した後に本実行処理を終了する。待機期間を設定することにより、ピストン331の待機位置への復帰が遅延され、中間噴霧領域SEにて消臭剤を撹拌させるための期間が確保されることとなる。これにより、シリンダ部315やピストン331が消臭され、香料供給機構301に残った香りが抑えられることとなる。
ステップS1303の説明に戻り、当該ステップS1303にて否定判定をした場合にはステップS1306に進む。ステップS1306ではステップS1305にて設定した待機期間が経過したタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1306にて肯定判定をした場合にはステップS1307に進み、ピストン331の復帰処理を実行した後に本実行処理を終了する。ステップS1307の復帰処理を実行することによりピストン331が退避位置から待機位置へと復帰し、中間噴霧領域SEに存在する消臭剤を含んだ1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出されることとなる。この際、ピストン331が消臭剤の存在している中間噴霧領域SEを通過するようにして移動することにより、ピストン331の消臭が促進される。
ステップS1307の復帰処理を実行した後は、RAM544の各種フラグ格納エリアに格納されている消臭フラグをステップS1308にて消去し、同じく各種フラグ格納エリアに格納されている遊技状態示唆フラグをステップS1309にて消去して、本遊技状態示唆実行処理を終了する。遊技状態示唆フラグが消去されることにより、以降は再び遊技状態示唆フラグがセットされるまで遊技状態示唆実行処理における主たる制御が回避されることとなる。
ここで、図37のタイミングチャートを参照して、芳香発生装置300によって遊技状態の示唆が行われる場合の遊技の流れについて説明する。なお、図37においては2R確変大当たり結果対応の開閉実行モードを経て遊技状態が第2通常遊技状態となっている場合について例示している。
(遊技の流れ)
tb1のタイミングでは図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。この遊技回については遊技状態示唆の実行可否抽選処理に非当選となっているため遊技状態示唆が回避されることとなる。tb1のタイミングから僅かに遅れたtb2のタイミングでは図柄組合せの停止表示に併せてスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止される。
tb1のタイミングから所定の確定表示期間が経過したtb3のタイミングでは再び遊技回が開始される。これにより、図柄表示装置253においては停止表示されていた図柄の変動表示が開始され、スピーカ351からは可聴音(BGM)の出力が開始されることとなる。また、このta3のタイミングでは第2通常遊技状態であること、外れ結果に対応する遊技回であることを条件として遊技状態示唆の実行可否抽選処理が実行されるが、今回の抽選でも非当選となっている。
tb3のタイミングから所定の変動表示期間が経過したtb4のタイミングでは、図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。tb4のタイミングから僅かに遅れたtb5のタイミングではスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止される。
tb4のタイミングから所定の確定表示期間が経過したtb6のタイミングでは次の遊技回が開始される。これにより、図柄表示装置253においては停止表示されていた図柄の変動表示が開始され、スピーカ351からは可聴音(BGM)の出力が開始されることとなる。また、このtb6のタイミングでは第2通常遊技状態であること及び外れ結果に対応する遊技回であることを条件として遊技状態示唆の実行可否抽選処理が実行されるが、今回はこの抽選に当選となっている。この抽選結果に基づき、tb6のタイミングで開始された遊技回においては芳香発生装置300による遊技状態示唆が実行されることとなる。
tb6のタイミングにて遊技回が開始した後は、芳香発生の準備を開始するtb7のタイミングとなったことに基づいてピストン331が待機位置から退避位置へ向けた移動を開始する。本実施の形態に示すピストン331においてはその外周面とシリンダ部315の内周面とを近づけることにより気密性が高められている。これは、ピストン331を後退させる際に中間噴霧領域SE内に内部領域IEから気体を引き込む過程で気体に乱れを生じさせたり、中間噴霧領域SEの気体を内部領域IEに押し出したりする際の効率を上げるための工夫である。但し、このような構成を採用しているため、ピストン331の退避位置への移動にはある程度の時間を要する。
tb8のタイミングにてピストン331が退避位置に到達すると、これに合せてノズル313から香料が供給されることとなる(tb9のタイミング)。既に説明したように、ピストン331が退避位置に到達した直後はシリンダ部315内に気体の流れが生じている。このため、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにおいては噴霧された香料が好適に撹拌されることとなり、1次混合気体における濃淡差が抑えられることとなる。
1次混合気体が生成された後のtb10のタイミングにおいては、ピストン331が退避位置から待機位置へ向けた移動を開始する。これにより、シリンダ部315内に存在している香料を含んだ1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出される。そして、tb11のタイミングにて、ピストン331の待機位置への復帰が完了すると、中間噴霧領域SEに存在していた1次混合気体のほぼ全てが内部領域IEに移ることとなる。
シリンダ部315に移った1次混合気体がシリンダ部315の内部領域IEに存在している気体と混ざることにより2次混合気体が生成されることとなるが、この時点(遊技中)では、遊技が続いておりBGMの出力が継続されているため、スピーカ351から出力される音によって2次混合気体が撹拌されやすくなっている。
tb6のタイミングから所定の変動表示期間が経過したtb12のタイミングでは、図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。tb12のタイミングから僅かに遅れたtb13のタイミングでは図柄組合せの停止表示に併せてスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止され、非可聴音の出力が開始される。つまり、実際にはスピーカ351からの音の出力がカットされるのではなく、その出力態様が可聴音→非可聴音に切り替わる構成となっている。この切り替えに合せて、スピーカ351の音量が上がることにより、音導出部352に存在している2次混合気体が音出口を通じて遊技機前方に放出されやすくなる。このようにして2次混合気体が放出された結果、遊技機前方にて芳香が発生する。芳香の発生は第2通常遊技状態に関連づけられており、この芳香(嗅覚に係る情報)によって内部的に高確率モードとなっている旨が示唆されることとなる。
tb12のタイミングから所定の確定期間が経過したtb14のタイミングでは、次の遊技回に移る。これにより、図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始されるとともに、スピーカ351から出力される音が非可聴音から可聴音(BGM)に切り替えられることとなる。この切り替えに合せて音量が非可聴音に対応する音量から可聴音に対応する音量に切り替えられる。
また、待機位置に配置されているピストン331が待機位置から退避位置に向けた移動を開始する。本実施の形態に示すピストン331においては上述したようにシリンダ部315との間の気密性が高められている。このため、ピストン331の退避位置への移動にはある程度の時間を要する。
tb15のタイミングにてピストン331が退避位置に到達すると、これに合せてノズル323Aから消臭剤が供給されることとなる(tb16のタイミング参照)。既に説明したように、ピストン331が退避位置に到達した直後はシリンダ部315内に気体の流れが生じている。このため、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにおいては噴霧された消臭剤が好適に撹拌されることとなり、消臭剤を含んだ1次混合気体における濃淡差が抑えられることとなる。
1次混合気体が生成された後のtb17のタイミングにおいては、ピストン331が退避位置から待機位置へ向けた移動を開始する。これにより、シリンダ部315内に存在している消臭剤を含んだ1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ押し出される。そして、tb18のタイミングにてピストン331の待機位置への復帰が完了すると、1次混合気体のほぼ全てが中間噴霧領域SEから内部領域IEに移る。
シリンダ部315に移った1次混合気体がシリンダ部315の内部領域IEに存在している気体と混ざることにより2次混合気体が生成されることとなるが、この時点(遊技中)では、BGMの出力が継続されているため、スピーカ351から出力される音によって2次混合気体が撹拌されながら音出口を通じて遊技機前方へ排出される。この結果、先行して排出されていた香料を含む2次混合気体の一部が消臭される。また、消臭剤を含んだ混合気体がシリンダ部315Aの中間噴霧領域SE→音導出部352の内部領域IEを通過することにより、芳香発生装置300Aの消臭が行われる。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
遊技機側で芳香の発生を停止させても、香料の一部が芳香発生装置300Aに付着する等して残存する可能性を否定できない。このように香りが残ってしまっては、実際に遊技状態を示唆していない状況下においても、遊技状態の示唆が行われているかのような誤解を与えかねない。そこで、遊技状態の示唆を終了した後に、消臭を行うことにより、このような不都合の発生を抑制することができる。
芳香の放出経路と同じ経路を経て消臭成分を放出する構成とすることにより、経路上に残った香りを好適に消すことができる。より具体的には、香料が供給される対象であるシリンダ部315Aに消臭剤を供給する構成としており、シリンダ部315Aにて生成された消臭剤を含んむ1次混合気体がピストン331によって音導出部352に送り出される構成としている。このように、消臭剤の放出に係る流れを香料の放出に係る流れと共通化することにより、消臭機能の追加によって構成が過度に複雑になることを抑制している。上述したように、前扉枠14にて芳香発生装置300Aを配置できる領域は限られているため、このように構成の複雑化を抑制できる意義は大きい。
また、消臭剤の出力にピストン331及びスピーカ351が使用される構成となっており、消臭剤を含んだ混合気体がこれら各種構成にも接触する。これにより、これら出力に係る構成(駆動部分)についても消臭対象に含めることができる。
既に説明したように、スピーカ部29を芳香発生装置300に組み込む構成とした場合には、芳香による遊技状態の示唆を行っていない状況下においても音導出部352内に遊技機前方へ向けた気体の流れが発生し得る。これは、上述した換気機能を発揮させる上では好ましい。但し、換気による気体の排出先はあくまで遊技機前方である。このため、この排気に香料が混ざってしまっては、単に換気が行われているに過ぎないのにあたかも芳香による遊技状態の示唆が行われているかのように誤解される可能性を否定できない。そこで、本実施の形態に示した消臭機能によれば、排気に含まれる香料を軽減して可聴音の出力に依存した換気機能を好適に発揮させることができる。特に、芳香発生の直後のBGM等の可聴音が出力されている最中に消臭を行うことにより、当該可聴音の出力によって消臭が促進される。故に、残り香を好適に軽減することができる。
実際に芳香を知覚した遊技者は、その発生元を特定しようと試みるものと想定される。例えば、遊技機に顔(鼻)を近づける等して、自身が遊技中の遊技機からの芳香であるか否かを把握しようと試みるものと想定される。本実施の形態においては、芳香発生を追いかけるようにして消臭剤を放出することにより、芳香の発生範囲を遊技機から切り離すことができる。これにより、芳香の発生元が本遊技機であるか否かを断定することを困難としている。芳香の発生元に敢えてあいまいさを残すことで、芳香の発生元が自身の遊技中の遊技機ではない場合であっても期待感が一気に低下することを抑制できる。
上述したように、放出された芳香が遊技者に届くまでには一定のタイムラグがある。このタイムラグを利用して消臭を行うことにより、芳香の発生範囲を遊技機から好適に切り離すことができる。ここで、後追いで放出される消臭剤を含んだ混合気体については、スピーカ351から可聴音が出力されている状況下で放出される。この際、スピーカ351の音量は芳香発生時(非可聴音出力時)と比較して小さくなっているため、先に放出された芳香が全て消えてしまうことを好適に回避できる。
<第3の実施の形態の変形例>
(1)上記第3の実施の形態においては、中間噴霧領域SEを香料及び消臭剤用のチャンバとして併用する構成としたが、少なくとも消臭剤が充填されたボンベと香料が充填されたボンベとが個別に設けられているのであれば足り、ボンベに通じる配管やノズルについては共通化することも可能である。これにより、配管やノズルについても消臭対象に含めることが可能となる。
(2)消臭剤の供給箇所については中間噴霧領域SEに限定されるものではない。例えば内部領域IEを供給箇所としてもよいし、消臭剤用のシリンダ部やピストンを香料用のものとは別に設けてもよい。
<第4の実施の形態>
上記各実施の形態では、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態(所謂、潜伏確変状態)となっている状況下にて、遊技が行われたことを条件として芳香発生装置300による遊技状態の示唆を行う構成とした。本実施の形態においては、遊技状態の示唆を行うための条件が特徴的なものとなっている。具体的には、遊技を行っているほうが遊技状態の示唆が遊技者に有利な態様で行われやすい構成となっているものの、所定の実行条件が成立した場合には遊技を行っていない場合であっても芳香発生装置300による遊技状態の示唆が行われる構成となっていることを特徴の1つとしている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPU542にはRTC(リアルタイムクロック)が内蔵されている。RTCは日付及び時刻を計測可能に構成されており、MPU542は当該RTCから情報を取得することによりその時点での日付や時刻を把握することが可能となっている。そして、ROM543に記憶されている所定の時刻となった場合には、所定の態様にて遊技状態の示唆を実行するように構成されている。以下、図38(a)のフローチャートを参照して遊技状態示唆用の設定処理について説明する。
(遊技状態示唆用設定処理)
遊技状態示唆用設定処理においては先ず、ステップS1401にて所定の時刻となっているか否かをRTCからの情報に基づいて判定する。ステップS1401にて否定判定をした場合にはステップS1402に進む。ステップS1402では遊技状態示唆用第1設定処理を行う。この遊技状態示唆用第1設定処理は、所定の時刻となっていない場合に実行される処理であり、その内容は上記第1の実施の形態に示した遊技状態示唆用設定処理(図30参照)と同じであるため説明を援用する。
ステップS1401にて肯定判定をした場合にはステップS1403に進む。ステップS1403では遊技状態示唆用第2設定処理を行う。つまり、遊技状態示唆用第2設定処理は、上述した時刻条件が成立したことに基づいて実行される処理である。ここで、図38(b)のフローチャートを参照し、遊技状態示唆用第2設定処理について説明する。
(遊技状態示唆用第2設定処理)
遊技状態示唆用第2設定処理においては先ず、ステップS1501にて遊技が行われている最中であるか否かを判定する。具体的には、図柄の変動表示を行っている状況、確定表示を行っている最中であり後続の保留情報が記憶されている状況のいずれかである場合には、ステップS1501にて肯定判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合にはステップS1502に進む。
ステップS1502では現在の遊技状態が高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1502にて肯定判定をした場合にはステップS1503に進む。ステップS1503では噴霧量第1設定処理を行う。本実施の形態においては、噴霧量として香料が相対的に少ない第1噴霧量と、香料が相対的に多い第2噴霧量とが設けられており、噴霧量第1設定処理においてはこれら第1噴霧量及び第2噴霧量のうち何れとするかを抽選により決定する。具体的には図39(a)の概略図に示すように、第2通常遊技状態下にて遊技が行われていることを条件として噴霧量を設定する場合には、第1噴霧量となる振分確率が50%、第2噴霧量となる振分確率が50%となるように構成されている。
ステップS1502の説明に戻り、当該ステップS1502にて否定判定をした場合にはステップS1504に進む。ステップS1504では、他の通常遊技状態(すなわち第1通常遊技状態、第3通常遊技状態、第4通常遊技状態)のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1504にて肯定判定をした場合には、すなわち他の通常遊技状態下にて遊技が行われていることを条件として噴霧量を設定する場合には、第1噴霧量となる振分確率が100%、第2噴霧量となる振分確率が0%となるように構成されている(図39(a)参照)。
ステップS1503又はステップS1505の処理を実行した後は、ステップS1510にてRAM544の各種フラグ格納エリアに遊技状態示唆フラグをセットして本遊技状態示唆用設定処理を終了する。遊技状態示唆フラグが設定されることにより、上述した遊技状態示唆実行処理(図31参照)が行われることとなるが、この遊技状態示唆実行処理については第1の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
ステップS1501の説明に戻り、当該ステップS1501にて否定判定をした場合、すなわち遊技中ではないと判定した場合(待機中であると判定した場合)には、ステップS1506に進む。ステップS1506では現在の遊技状態が第2通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1506にて肯定判定をした場合にはステップS1507に進む。ステップS1507では噴霧量第3設定処理を行う。具体的には図39(a)の概略図に示すように、第1噴霧量となる振分確率が80%、第2噴霧量となる振分確率が20%となるように構成されている。つまり、所定の時刻となった場合に第2通常遊技状態となっている場合には、遊技中であるか否かに関係なく噴霧量として第2噴霧量が選択される可能性があるが、遊技中である場合には遊技中でない場合として第2噴霧量が選択されやすくなっている。すなわち、遊技を行っている場合には遊技を行っていない場合と比較して第2通常遊技状態となっていることを遊技者が把握しやすい構成となっている。
ステップS1506の説明に戻り、当該ステップS1506にて否定判定をした場合には、ステップS1508に進む。ステップS1508では、他の通常遊技状態(すなわち第1通常遊技状態、第3通常遊技状態、第4通常遊技状態)のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1508にて肯定判定をした場合には、第1噴霧量となる振分確率が100%、第2噴霧量となる振分確率が0%となるように構成されている(図39(a)参照)。つまり、他の遊技状態となっている状況下にて所定の時刻となった場合には、遊技を行っているか否かに関わらず噴霧量として必ず第1噴霧量が設定されることとなり、遊技中であるか否かで遊技者の有利度に差が生じない構成となっている。
ステップS1507又はステップS1509の処理を実行した後は、ステップS1510にてRAM544の各種フラグ格納エリアに遊技状態示唆フラグをセットして本遊技状態示唆用設定処理を終了する。遊技状態示唆フラグが設定されることにより、上述した遊技状態示唆実行処理(図31参照)が行われることとなるが、この遊技状態示唆実行処理については第1の実施の形態に示した遊技状態示唆実行処理におけるステップS1109及びステップS1110の処理に代えて、ピストン331が復帰したか否かを判定する処理を行う。ピストン331が復帰したと判定した場合には、ステップS1111以降の処理を行い、ピストン331が復帰していないと判定した場合には、そのまま本実行処理を終了する。
なお、ステップS1504又はステップS1508にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技状態示唆用第2設定処理を終了する。つまり、遊技状態が通常遊技状態ではなく開閉実行モード対応の特別遊技状態となっている状況下にて所定の時刻となった場合には、香料の噴霧が回避されることとなる。
以上詳述したように、本実施の形態においては所定の時刻となった場合には通常遊技状態となっていることを条件として芳香発生装置300による遊技状態の示唆が実行される。仮に、遊技状態の示唆が実行されるタイミングを全ての遊技機にて共通とした場合には、遊技を行っていない遊技者については複数の遊技機を確認対象とすることが容易となる反面、遊技を行っている遊技者については自身の遊技機に縛られて他の遊技機を確認対象とすることが困難となり得る。芳香の発生元を特定するにはある程度遊技機に近づく必要があるため、このような差が生じることとなる。どの遊技機から強めの芳香が発生しているかを特定する上では、遊技を行っている遊技者にとって不利な状況となることは遊技機の稼働率を低下させる要因となるため好ましくない。
この点、本実施の形態においては、遊技状態示唆用第2設定処理に基づいて芳香を発生させる場合には、上記不都合の発生を抑えるべく芳香の発生タイミングをずらす工夫がなされている。具体的には、遊技が行われている場合には、芳香の発生タイミングを遅延させる構成となっており、この遅延の度合いは所定の時刻となった時点での遊技の進み具合を反映させることにより多様化されている。
既に説明したように、芳香を発生させる際には確定表示中等の可聴音の出力が停止される期間を利用している。確定表示となるタイミングについては遊技回の進行状況に応じて決まるため、結果として芳香の発生タイミングを遅延させたり、その遅延の度合いに差を生じさせたりすることが可能となる。
ここで、図39(b)の概略図を参照して時刻条件の成立に基づいた芳香の発生タイミングの違いについて説明する。図39(b)では、遊技状態が第2通常遊技状態となっている遊技機であって進行状況の異なる3つの遊技機(パチンコ機)10X〜10Zにおける遊技状態の示唆ついて例示している。
遊技機10X、10Yは遊技中に所定時刻を迎えている。具体的には、遊技機10Xにおいては図柄表示装置253の表示画面253aにて遊技回(図柄の変動表示)が開始した直後に所定の時刻となっており、遊技機10Yにおいては図柄表示装置253の表示画面253aにおける図柄の変動表示が停止される直前(確定表示となる直前)に所定の時刻となっている。
これら2つの事例では、時刻条件の成立に基づいて芳香発生の準備がなされるものの、スピーカ351によって音導出部352内の2次混合気体が遊技機前方へ放出は、当該遊技回の終了間際のタイミングとなるまで遅延される。ここで、遊技機10X及び遊技機10Yを比較した場合には、変動表示が終了するまでの所要時間に差が生じている。具体的には、遊技機10Xに係る所要時間T1が遊技機10Yに係る所要時間T2よりも長くなっている。この結果、遊技機10Xにおける芳香発生のタイミングは、遊技機10Yにおける芳香発生のタイミングよりも遅くなっている。
これに対して遊技機10Zについては待機中(非遊技中)に所定時刻を迎えている。この場合、芳香発生の準備がなされてから上記放出がなされるまでの期間T3が上述したような実行条件に左右されることはなく、準備完了後は直ちに芳香発生となる。つまり、遊技機10X及び遊技機10Yと比べて所定の時刻となってから芳香発生までのタイムラグが小さくっている。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、所定の時刻となったことを条件として遊技状態の示唆が行われる。これにより、稼働中でない遊技機に対しても遊技者の注目を促すことができる。特に、芳香ついては実際に遊技機に近づいてみるまで有無を確認できない。また時間がたてば拡散/移動するため芳香の発生元を特定することが困難になる。これにより、上述した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
但し、実際に遊技を行っている場合と遊技を行っていない場合とでは、香りの発生態様が相違する。遊技を行っている方が発生元を特定しやすい態様にて香りが発生するため、遊技者にとって有利となる。このような構成とすることにより、遊技者に遊技を行うように促すことができ、遊技機の稼働率の向上に貢献することができる。
遊技中に所定の時刻となった場合と、非遊技中(待機中)に所定の時刻となった場合とで、発生する香りの種類が共通化されており、違いは香料(香りの強さ)に限定されている。ここで、香りの強さの違いは、時間経過や環境条件によって明確に識別することが困難になる。但し、実際に遊技を行っていればそれら時間経過等の影響は受けにくいため遊技者が不利になることはなく、遊技を行っていない場合に香り発生の有無を事後的に確認しようとした場合の影響が大きくなる。以上の理由から上記稼働率の向上効果を一層好適に発揮させることができる。
また、香りを複数種併用する構成とした場合には、香りが残る等することにより、芳香を発生させる場合に本来の香りとは異なる香りとして伝わる可能性を否定できない。故に、香りの種類ではなく強さによって差別化を図ることには技術的意義がある。
<第4の実施の形態の変形例>
(1)上記第4の実施の形態に示す構成を以下のように変更してもよい。すなわち、所定の時刻よりも前に芳香発生装置300による示唆の可否判定を行い、芳香発生装置300による示唆を行う場合には、所定の時刻よりも前に芳香発生の準備を行う構成とし、所定の時刻となった場合に直ちに芳香を発生させる構成としてもよい。係る構成とすれば、複数の遊技機にて芳香発生のタイミングを揃えることが可能となる。
(2)上記第4の実施の形態では、遊技が行われていない状況下(待機中)に所定の時刻となった場合には、第2通常遊技状態の如何に関わらず芳香を発生させる構成とし、芳香の強さによって第2通常遊技状態である可能性を示唆したが、第2通常遊技状態となっていないものについては芳香を発生させない構成とすることも可能である。
(3)上記第4の実施の形態では、特別遊技状態中に所定の時刻となった場合には、芳香発生装置300による遊技状態の示唆を行わない構成としたが、これを変更し、特別遊技状態中であっても芳香発生装置300による遊技状態の示唆を行う構成とすることも可能である。具体的には、特別遊技状態中に所定の時刻となった場合には、当該特別遊技状態の終了後に第2通常遊技状態へ移行することを条件として芳香発生装置300による示唆を行う構成とするとよい。この場合には、例えば香料の噴霧量を上記第2噴霧量に設定し、示唆が遊技者に把握されやすくなるように優遇することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
<第5の実施の形態>
上記各実施の形態においては、中間噴霧領域SEの1次混合気体をピストン331によって音導出部352の内部領域IEに送り出す構成としたが、本実施の形態においては1次混合気体の送り出しに係る構成(香料供給機構301)がそれら各実施の形態と相違している。以下、図40を参照して第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における香料供給機構301Bに係る構成について説明する。図40は芳香発生装置300Bの横断面図である。
シリンダ部315の奥部にはピストン331に代えて、ファン331Bが配設されている。ファン331Bはモータ332Bの出力軸に固定されており、ファン331Bの回転中心軸線がシリンダ部315の中心軸線方向と同じ方向となるように構成されている。モータ332Bは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて動作する。ファン331Bが回転することにより、中間噴霧領域SE内の気体が音導出部352の内部領域IEへ送り出されることとなる。
音導出部352には、側壁部365に形成された開口部366を開閉可能なシャッタ341Bが設けられている。シャッタ341Bは、側壁部365の内面に沿うようにしてスライド移動可能な可動板342Bと、この可動板342B用の駆動部343Bとを有してなる。駆動部343Bは報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、報知・演出制御装置140からの信号に基づいて動作する。シャッタ341Bが閉状態(図40(a)参照)となっている場合には可動板342Bによってシリンダ部315の中間噴霧領域SEと音導出部352の内部領域IEとが分断され、シャッタ341Bが開状態(図40(b)参照)となることで中間噴霧領域SEと内部領域IEとが連通するように構成されている。
シャッタ341Bが開状態となっている場合には可動板342Bの先端部が開口部366に突出したままとなっている。このようにして、1次混合気体の供給口を絞ることにより、1次混合気体を内部領域IEへ供給した際の撹拌を促進させている。
これらファン331Bやシャッタ341Bの採用に併せて、芳香発生装置300を動作させるための処理の内容、具体的には遊技状態示唆実行処理の内容が一部変更となっている。ここで、図41のフローチャートを参照して本実施の形態における遊技状態示唆実行処理について説明する。
(遊技状態示唆実行処理)
遊技状態示唆実行処理においては先ず、ステップS1601にてRAM544の各種フラグ格納エリアに遊技状態示唆フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、そのまま本実行処理を終了する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進む。
ステップS1602では遊技状態示唆の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1602にて肯定判定をした場合には、ステップS1603に進む。ステップS1603にて芳香発生装置300のファン331Bを低速で回転させる処理を実行した後、本実行処理を終了する。ファン331Bを低速で回転させることにより、中間噴霧領域SE内の気体に流れが発生する。
ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604ではノズル313から香料を噴霧すべきタイミングとなったか否かを判定する。ステップS1604にて肯定判定をした場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では香料の噴霧処理を実行する。これにより、ノズル313から中間噴霧領域SEへ香料が供給され、1次混合気体が生成される。この際、ノズル313から供給される香料の量(噴霧量)については、上記ステップS1006の処理にて設定された量となる。
ステップS1604の説明に戻り、当該ステップS1604にて否定判定をした場合にはステップS1606に進む。ステップS1606では音導出部352の内部領域IEへの1次混合気体の供給を開始するタイミング、具体的には上記噴霧処理を行ってから所定の待機期間が経過したか否かを判定する。ステップS1606にて肯定判定をした場合にはステップS1607に進む。
ステップS1607ではシャッタ341Bの開放処理を実行する。これにより、シャッタ341Bの可動板342Bが移動し、当該シャッタ341Bが閉状態から開状態に切り替わる。ステップS1607の開放処理を実行した後は、ステップS1608に進みファン331Bの回転速度を上げる処理を実行し、本遊技状態示唆実行処理を終了する。これにより、中間噴霧領域SE内の1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ送り出されることとなる。
ステップS1606にて否定判定をした場合にはステップS1609に進む。ステップS1609では、シャッタ341Bが開状態となっている状況下にて図柄表示装置253(主表示部)にて確定表示を開始したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1609にて肯定判定をした場合には、ステップS1610にてファン331Bの停止処理を実行し、ステップS1611にてシャッタ341Bの閉鎖処理を実行した後、本遊技状態示唆実行処理を終了する。これにより、中間噴霧領域SEから内部領域IEへの1次混合気体の供給が停止する。
ステップS1609の説明に戻り、当該ステップS1609にて否定判定をした場合には、ステップS1612に進む。ステップS1612では確定表示を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS1612にて肯定判定をした場合には、ステップS1613に進む。ステップS1613ではスピーカ351からのBGMの出力終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1613にて肯定判定をした場合には、ステップS1614に進む。
ステップS1614ではスピーカ351から上記非可聴音を出力する処理を実行する。この非可聴音の音量については、上記ステップS1007にて設定された音量となるように調節される。スピーカ351から非可聴音が出力されることにより、音導出部352(内部領域IE)に音出口へ向けた風の流れが生じる。これにより、音導出部352内の2次混合気体が遊技機前方に放出されることとなる。ステップS1614にて開始された非可聴音の出力は、所定の出力期間に亘って継続される。なお、この所定の出力期間については、上述した確定表示期間よりも短く設定されており、当該遊技回の終了(確定表示期間の経過)に合せて非可聴音の出力が終了するように構成されている。
ステップS1614の処理を実行した後は、RAM544の各種フラグ格納エリアに格納されている遊技状態示唆フラグをステップS1615にて消去し、本遊技状態示唆実行処理を終了する。遊技状態示唆フラグが消去されることにより、以降は再び遊技状態示唆フラグがセットされるまで遊技状態示唆実行処理における主たる制御が回避されることとなる。
ここで、図42のタイミングチャートを参照して、芳香発生装置300による遊技状態の示唆が行われる場合の遊技の流れについて説明する。なお、図42においては2R確変大当たり結果対応の開閉実行モードを経て遊技状態が第2通常遊技状態となっている場合について例示している。
(遊技の流れ)
tc1のタイミング〜tc6のタイミングでの遊技の流れについては、上述したta1のタイミング〜ta6のタイミングでの遊技の流れと同様であるため説明を援用する。
tc4のタイミングから所定の確定表示期間が経過したtc6のタイミングでは再び遊技回が開始される。これにより、図柄表示装置253においては停止表示されていた図柄の変動表示が開始され、スピーカ351からは可聴音(BGM)の出力が開始されることとなる。また、このtc6のタイミングでは第2通常遊技状態であること、外れ結果に対応する遊技回であることを条件として遊技状態示唆の実行可否抽選処理が実行されるが、今回の抽選では当選となっている。これにより、tc6のタイミングで開始された遊技回においては芳香発生装置300による遊技状態示唆が実行されることとなる。
tc6のタイミングにて遊技回が開始した後は、芳香発生の準備を開始するtc7のタイミングとなったことに基づいてファン331Bを停止状態から低速回転状態に切り替える。ファン331Bが回転を開始した後のtc8のタイミングにてノズル313から香料が供給(噴霧)される。ファン331Bの回転によって中間噴霧領域SE内の気体に流れ(乱れ)が生じている状況下にて香料を供給することにより、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにおいては噴霧された香料が好適に撹拌されることとなり、1次混合気体における濃淡差が抑えられることとなる。
1次混合気体が生成された後のtc9のタイミングにてシャッタ341Bが閉状態から開状態に切り替わり、直後のtc10のタイミングにてファン331Bが低速回転から高速回転に切り替わることとなる。これにより、シリンダ部315内に存在している1次混合気体が音導出部352の内部領域IEへ送り出されることとなる。
遊技が開始されてから所定の変動表示期間を経過したtc11のタイミングでは、図柄表示装置253(表示画面253a)における図柄の変動表示が終了され、今回の遊技結果(外れ結果)に対応した図柄組合せが表示される。tc11のタイミングでは、1次混合気体の供給期間が経過しており、このタイミングにてシャッタ341Bが開状態から閉状態に切り替わるとともに、ファン331Bが高速回転状態から停止状態に切り替わる。
tc11のタイミングから僅かに遅れたtc11のタイミングでは図柄組合せの停止表示に併せてスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が停止され、非可聴音の出力が開始される。つまり、実際にはスピーカ351からの音の出力がカットされるのではなく、その出力態様が可聴音→非可聴音に切り替わる構成となっている。これに合せて、音量が上がることにより、音導出部352に存在している2次混合気体が音出口を通じて遊技機前方に放出されることとなる。これにより、遊技機前方にて芳香が発生する。芳香の発生は第2通常遊技状態に関連づけられており、この芳香(嗅覚に係る情報)によって内部的に高確率モードとなっている旨が示唆されることとなる。
tc11のタイミングから所定の確定期間が経過したta14のタイミングでは、図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始されるとともに、スピーカ351から出力される音が非可聴音から可聴音(BGM)に切り替えられることとなる。これに合せて音量が非可聴音に対応する音量から可聴音に対応する音量に切り替えられることとなる。
本実施の形態におけるファン331Bについては、動作によって姿勢は変化するが、上記各実施の形態に示したピストン331とは違い位置は変化しない。そして、ファン331Bがシリンダ部315の奥部に配置されている。つまり、遊技者の視界に入らいない位置にファン331Bを留めておくことができる。このため、芳香を発生させる際の準備段階で準備動作が遊技者の目に入ることを抑制し、後に芳香が発生する旨が露呈することをを容易に回避することができる。
また、ファン331B及びシャッタ341Bを併用し、シャッタ341Bを閉じた状態でファン331Bを回転させることにより中間噴霧領域SEにて香料を好適に撹拌させることができる。これにより、1次混合気体における香料の分布を均一に近づけることができる。
なお、ファン331Dの軸を前後上下左右に傾けて、シリンダ部315の中心軸線の方向とファン331Bの軸方向とをずらす構成とすることも可能である。係る構成によれば、シリンダ部315(中間噴霧領域SE)における流れを乱すことにより、香料の撹拌促進に貢献できる。
<第6の実施の形態>
上記各実施の形態においては芳香発生装置300を用いて遊技状態の示唆を行う構成としたが、本実施の形態においては芳香発生装置300によって遊技回用の演出としての芳香演出(特殊演出)を行い、遊技回中に特殊演出が実行された場合には大当たり結果となる期待が高くなるなるように構成されている点で上記各実施の形態と構成が相違している。以下、図43等を参照して当該特殊演出を実行するための前提構成について補足説明する。図43は報知・演出制御装置140及び表示制御装置410の電気的構成を示すブロック図である。
(演出制御装置140及び表示制御装置410の電気的構成について)
報知・演出制御装置140に設けられたMPU542には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU542の入力側には主制御装置162が接続されており、当該主制御装置162から既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンド、シフト時コマンド、保留コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド等の各種コマンドを受信する。
既に説明したように、MPU542の出力側には、保留ランプ部47、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28、スピーカ部29、香料供給機構301、表示制御装置410等が接続されている。主制御装置162から報知・演出制御装置140に入力された各種コマンドの一部は、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置410に送信される。
表示制御装置410は、プログラムROM653及びワークRAM654が複合的にチップ化された素子であるMPU652と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)655と、キャラクタROM656と、ビデオRAM657とがそれぞれ搭載された表示制御基板651を備えている。なお、MPU652に対してプログラムROM653及びワークRAM654が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
表示制御装置410のMPU652は、報知・演出制御装置140を経由して主制御装置162から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP655の制御(具体的にはVDP655に対する内部コマンドの生成)を実施する。より具体的には、MPU652では、報知・演出制御装置140を経由して主制御装置162から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置253における各遊技回の変動表示パターンを決定する処理を実行するとともに後述する保留予告に係る処理を実行し、その処理結果に対応してVDP655に対する描画処理を実行する。これにより、図柄表示装置253の表示画面253aにて各種画像が表示されることとなる。
プログラムROM653は、MPU652により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM654は、MPU652による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM654の各エリアに記憶される。
VDP655は、図柄表示装置253に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP655はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP655は、MPU652、ビデオRAM657等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM657に記憶させる画像データを、キャラクタROM656から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置253に表示させる。
キャラクタROM656は、図柄表示装置253に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM656には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
また、キャラクタROM656には、図柄表示装置253の表示画面253aに表示させるための図柄等の画像データが格納された図柄用画像データ記憶エリアが設けられている。なお、キャラクタROM656を複数設け、各キャラクタROM656に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM653に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM656に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM657は、図柄表示装置253に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM657の内容を書き替えることにより図柄表示装置253の表示内容が変更される。
既に説明したように本実施の形態では、表示画面253aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置162からのコマンドを参照して報知・演出制御装置140により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置410によって決定される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPU542では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで図44及び図45を参照して、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について補足説明し、その後、図46のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。図44及び図45は図柄表示装置253の表示画面253aにおける表示内容を説明するための概略図である。
表示制御装置410のキャラクタROM656には、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図45(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図45(j)参照)とが予め記憶されている。図44(a)に示すように、図柄表示装置253の表示画面253aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面253aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図44(b)に示すように、表示画面253aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面253aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、15R通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置253における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
次に、図46のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPU542にて実行される変動表示制御処理について説明する。
(変動表示制御処理)
変動表示制御処理においては、先ずステップS1701にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置253にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1702に進み、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1702にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1702にて肯定判定をした場合には、ステップS1703にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS1701の説明に戻り、当該ステップS1701にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1704に進む。ステップS1704では主制御装置162から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1704にて否定判定をした場合には、ステップS1705にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更等を行う処理である。
ステップS1704にて肯定判定をした場合にはステップS1706に進み、当該ステップS1706にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定停止させる)。かかる処理では、スピーカ部29やランプ部26を駆動制御することで確定停止に対応する演出を行う。そして、確定コマンドを表示制御装置410に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置410のMPU652では、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置253にて図柄を確定停止させるよう制御する。
(変動開始用処理)
ここで、図47のフローチャートを参照して、ステップS1703の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。
変動開始処理においては、先ずステップS1701にて今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。既に説明したように、リーチ表示が行われない遊技回においては記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が変化することとなる。この変動表示時間については主制御装置162のMPU402にて決定され、この決定された情報を変動用コマンドに基づいて特定する。
なお、変動表示態様としてリーチ表示が行われる場合には、報知・演出制御装置140のMPU542により事前にその概要(種類等)が決定される構成となっている。具体的には、主制御装置162のMPU402から保留コマンドを受信した際に変動表示態様の概要が決定される。そして、この結果が変動表示態様の設定を行う際に参照されることとなる。
主制御装置162から変動用コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1801では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1801では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU542のレジスタに記憶する。
続くステップS1802では、ステップS1801にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、続くステップS1803にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の停止結果を決定する(停止結果確定処理を行う)。停止結果確定処理においては、15確変大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、15通常大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM543の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1〜L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM544に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM544の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様の詳細を決定する(変動表示態様確定処理(演出パターン確定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様確定処理では、保留コマンドを受信した際に決定された変動表示態様の概要を参照して変動表示態様の詳細を決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM544のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1802にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1804に進む。ステップS1804では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1805に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1804にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1806に進む。ステップS1806では、外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS1803、ステップS1805、ステップS1806のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1807に進む。ステップS1807では、ステップS1803、ステップS1805、ステップS1806にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置410へ出力する処理を実行する。表示制御装置410のMPU652では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における表示演出を実行するべく図柄表示装置253の表示制御を行う。
ステップS1807の処理を実行した後は、続くステップS1808にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1803、ステップS1805、ステップS1806にて設定した演出態様に基づいてスピーカ部29やランプ部26の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
ここで、図48に基づき図柄表示装置253(表示画面253a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。図48(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図48(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
(変動表示態様)
図48(a)に示すように、表示画面253aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチBの4つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置162からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチA及びスーパーリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec〜18sec」となっている。例えば、主制御装置162からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置140にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
なお、大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチAの順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチBの順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度が高くなる設定となっている。
ここで、図48(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図6参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。
そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,Bの変動表示態様について説明する。図48(b2),(b3)に示すように、スーパーリーチA,Bについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。
本実施の形態に示すパチンコ機10では、ノーマルリーチよりも大当たり結果となる期待度の高いスーパーリーチへの発展(昇格)を示唆する演出として、予告画像が表示される場合がある。具体的には、図48(b)に例示しているように、リーチラインが形成された後に、表示画面253aに泡を模した画像が表示される。この予告画像が表示されることにより、スーパーリーチへ発展する期待度が高まる。この予告画像が表示される場合に上記芳香発生装置300が連動して、芳香を放出する演出(以下、特殊演出と称する)が行われる場合がある。この特殊演出が実行されることにより、スーパーリーチへの発展期待度及び大当たり結果となる期待度が高まる構成となっている。
特殊演出は、最終的に大当たり状態が発生する状況及び大当たり状態が発生しない状況のいずれの状況においても所定の確率で発生する。当該特殊演出とするか否かを含めた演出の流れについては主制御装置162からの保留コマンドに基づいて報知・演出制御装置140のMPU542により決定されることとなる。以下、図49及び図50のフローチャートを参照し、主制御装置162のMPU402にて実行される保留コマンド出力に係る処理、具体的には作動口用の入賞処理(図16のステップS104参照)における情報取得処理の一環として実行される保留情報確認処理及び保留コマンドの設定処理について説明する。
(保留情報確認処理)
図49に示すように、保留情報確認処理においては先ず、ステップS1901にて、保留球格納エリア432の保留数記憶領域に記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU402のレジスタに記憶する。その後、ステップS1902〜S1906にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1902にて、作動口83a,83bへの今回の入賞に基づき取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。続くステップS1903では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1904に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1902にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1905に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して、上述の如く把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1904又はステップS1905の後はステップS1906に進み、ステップS1902にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1907にてMPU402のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
なお、ステップS1907の処理においては、今回の入賞に基づき取得した保留情報のうち大当たり種別判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり種別カウンタC2の値を把握し、振分テーブルを参照して大当たりの種別を判定する。ステップS1807にてMPU402のレジスタに記憶される情報には大当たりの種別に係る情報が含まれることとなる。
一方、ステップS1906にて否定判定をした場合には、ステップS1908に進む。ステップS1908では、作動口83a,83bへの今回の入賞に基づき取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。続くステップS1909では、ROM403のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1908にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1909の処理を実行した後はステップS1910に進み、ステップS1908にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1911にて、MPU402のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
(保留コマンドの設定処理)
次に、図50のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS2001にて、MPU402のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留情報確認処理(図49)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合にはステップS2002に進み、大当たり対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RAM404に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。なお、大当たり対応保留コマンドには、大当たりの種別に関する情報が含まれる。
一方、ステップS2001にて否定判定をした場合、すなわちMPU402のレジスタに大当たり情報が記憶されていないと判定した場合には、ステップS2003に進み、MPU402のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留情報確認処理(図49)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS2004にて外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS2005にて完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS2002、ステップS2004、ステップS2005にて保留コマンドの設定を行う場合には、変動種別カウンタCSの値等を参照して変動表示時間を決定し、同変動表示時間にかかる情報を当該保留コマンドに格納する。変動表示時間の決定に際しては、上記ステップS407に示した変動表示時間の設定処理と同じように、変動表示時間テーブルが参照される。このようにして設定された保留コマンドが表示制御装置410に送信され、同表示制御装置410においては同保留コマンドに基づいて図柄の変動表示態様等を把握可能となる。但し、既に説明したように完全外れの場合には、当該保留情報にかかる遊技回を開始する際に記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が変化し得る。そこで、完全外れ対応保留コマンドを設定する場合には、変動表示時間については未設定のままとなる。
ステップS2002、ステップS2004、ステップS2005のいずれかのコマンド設定処理を実行した後は、ステップS2006にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。
ステップS2006では、先ず直前の保留情報確認処理(図49)におけるステップS1901にてMPU402のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS2002、ステップS2004、ステップS2005のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS2006の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
ステップS2006にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図17)におけるステップS201の外部出力処理により、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、報知・演出制御装置140では、保留コマンドに演出態様に係る情報を追加して表示制御装置410に送信する。表示制御装置410では、その受信した保留コマンドに基づいて保留表示や演出準備用の処理等を実行する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置410において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無、リーチ表示の概要等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。
次に、図51のフローチャートを参照して報知・演出制御装置140のMPU542にて実行される演出態様決定処理について説明する。演出態様決定処理は、報知・演出制御装置140のMPU542にて所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される定期処理の一環として実行される処理であり、主制御装置162から保留コマンドを受信した場合にステップS2101〜ステップS2111の各種処理が実行されるように構成されている。
(演出態様決定処理)
演出態様決定処理においては、ステップS2101にて主制御装置162から受信した保留コマンドが大当たり対応保留コマンド又は外れリーチ対応保留コマンドであるか否かを判定する。報知・演出制御装置140のMPU542にて受信したコマンドはRAM544のコマンド格納エリア561に一旦格納される。当該コマンド格納エリア561は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。大当たり対応保留コマンド又は外れリーチ対応保留コマンドを受信しているか否かの判定に際しては、コマンド格納エリア561における今回の読み出し対象のエリアに大当たり対応保留コマンド又は外れリーチ対応の保留コマンドが格納されているか否かを判定する。なお、かかるコマンドの読み出しの構成は、変動開始用コマンド等の他のコマンドの読み出しにおいても同様である。
大当たり対応保留コマンド又は外れリーチ対応保留コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2102に進む。ステップS2102では、今回受信した保留コマンドがスーパーリーチに対応しているか否かを判定する。スーパーリーチに対応している場合にはステップS2103に進み、特殊演出可否判定処理を実行する。
特殊演出可否判定処理においては、実行条件が成立していることを前提として抽選により可否の判定を行う。実行条件が成立しているか否かについては、仮に特殊演出を実行するとした場合に当該特殊演出の実行までに芳香発生のための準備期間を確保できるか否かに基づいて判定を行う。特殊演出においては、実際に芳香が発生したタイミングと当該芳香が遊技者に伝わるタイミングとにタイムラグがあり、光や音と比べて応答性が低い。このような、応答性の低さを補うべく、リーチ表示に先行して(約1.0sec)芳香を発生させるように構成されている。これにより、リーチ表示の移行に伴って上記示唆画像(泡画像)が表示されたタイミング又は当該表示から遅滞なく芳香が遊技者に届くようにして、示唆画像の表示との連動性を担保している。
ここで、本実施の形態においては、遊技の単調化を抑制すべく変動表示が開始されてからリーチ表示となるまでに要する時間(通常変動時間)には4sec〜6secの幅が設けられており、通常変動時間については遊技回毎に個別に設定される構成となっている。具体的には、変動表示時間に係る情報と通常変動時間とは比例関係にあり、変動表示時間が長くなればなるほど通常変動時間も長くなるように設定されている。実行条件の成立の可否を見極める場合には、通常変動時間、先行時間、準備時間を参照して、今回の処理が実行されているタイミングから当該保留コマンドに係る遊技回にてリーチ表示が開始されるタイミングとなるまでの時間が、上記準備時間及び上記先行時間の和よりも長いか否かを判定する。なお、今回の保留コマンドに係る保留情報よりも前に記憶された保留情報が存在している場合には、上記判定を行う場合に先行する遊技回の変動表示時間や確定表示時間が加味される。このため、先行する保留情報が存在している場合には、先行する保留情報が存在しない場合と比較して、上記実行条件が成立しやすくなる。
実行条件が成立している場合には、実際に特殊演出を行うか否かを抽選により決定する。具体的には、ROM543の抽選用テーブル記憶エリア551に格納されている特殊演出用抽選テーブルと抽選用カウンタエリア563に設けられた特殊演出用抽選カウンタの値とを参照して決定する。つまり、上述した準備時間等に係る条件が成立している状況下にて特殊演出の可否抽選に当選した場合に、特殊演出が実行されることとなる。
なお、保留コマンドが大当たり結果に対応している場合と、外れ結果に対応している場合とを比較した場合には、後者よりも前者の方が特殊演出となりやすい構成となっている。
ステップS2104にて肯定判定をした場合にはステップS2105に進み、特殊演出対応スーパーリーチ用設定処理を実行した後に、本演出態様決定処理を終了する。一方、操作対応演出に対応した抽選結果にならなかった場合にはステップS2106に進み、特殊演出非対応スーパーリーチ用設定処理を実行した後に、本演出態様決定処理を終了する。
ステップS2105及びステップS2106の設定処理においては、今回受信した保留コマンドに係る遊技回の演出態様としてスーパーリーチA及びスーパーリーチBの何れを実行するかを特定して、当該保留コマンドに含まれる各種情報に演出態様を特定するための情報(特殊演出対応の可否及びノーマルリーチの種類に係る情報)を付加した保留情報を保留情報格納エリア567に記憶する。
ステップS2102の説明に戻り、当該ステップS2102にて否定判定をした場合、すなわちスーパーリーチ対応の保留コマンドではないと判定した場合には、ステップS2107に進み、操作対応演出可否判定処理を実行する。
特殊演出可否判定処理においては、実行条件が成立していることを前提として抽選により可否の判定を行う。実行条件が成立しているか否かについては、仮に特殊演出を実行するとした場合に当該特殊演出の実行までに芳香発生のための準備時間を確保できるか否かに基づいて判定を行う。
実行条件が成立している場合には、実際に特殊演出を行うか否かを抽選により決定する。具体的には、ROM543の抽選用テーブル記憶エリア551に格納されている特殊演出用抽選テーブルと抽選用カウンタエリア563に設けられた特殊演出用抽選カウンタの値とを参照して決定する。つまり、上述した準備時間等に係る条件が成立している状況下にて特殊演出の可否抽選に当選した場合に、特殊演出が実行されることとなる。
なお、保留コマンドが大当たり結果に対応している場合と、外れ結果に対応している場合とを比較した場合には、後者よりも前者の方が特殊演出となりやすい構成となっている。また、スーパーリーチと比較して、ノーマルリーチでは特殊演出となる確率が低くなるように構成されている。
ステップS2108にて肯定判定をした場合にはステップS2109に進み、特殊演出対応ノーマルリーチ用設定処理を実行した後に、本演出態様決定処理を終了する。一方、操作対応演出に対応した抽選結果にならなかった場合にはステップS2110に進み、特殊演出非対応ノーマルリーチ用設定処理を実行した後に、本演出態様決定処理を終了する。
ステップS2109及びステップS2110の設定処理においては、今回受信した保留コマンドに係る遊技回の演出態様としてノーマルリーチA及びノーマルリーチBの何れを実行するかを特定して、当該保留コマンドに含まれる各種情報に演出態様を特定するための情報(特殊演出対応の可否及びノーマルリーチの種類に係る情報)を付加した保留情報を保留情報格納エリア567に記憶する。
ステップS2101の説明に戻り、当該ステップS2101にて否定判定をした場合、すなわち受信している保留コマンドが完全外れ対応の保留コマンドである場合には、ステップS2111に進み完全外れ用の設定処理を行う。具体的には、今回受信した保留コマンドに係る遊技回の演出態様として完全外れを実行することを特定して、当該保留コマンドに含まれる各種情報に演出態様を特定するための情報を付加した保留情報を保留情報格納エリア567に記憶する。
ここで、保留情報格納エリア567は、第1エリアRc1〜第8エリアRc8を有しており、各エリアにつき1の保留情報を格納可能な構成となっている。各エリアRc1〜Rc8に格納された保留情報は、主制御装置162からシフト時コマンドを受信することにより、すなわち遊技回が開始された場合に、下位エリア側に順にシフトされることとなる。具体的には、第1エリアRc1のデータをクリアするとともに、第2エリアRc2→第1エリアRc1、第3エリアRc3→第2エリアRc2、第4エリアRc4→第3エリアRc3 ・・・ 第8エリアRc8→第7エリアRc7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。報知・演出制御装置140の保留情報格納エリア267においても、主制御装置162の保留球格納エリア432(詳しくは保留エリア)と同様に入球先に関係なく保留情報が時系列的にまとめて記憶される構成となっている。詳しくは今回受信したコマンドに含まれる保留数の情報を特定し、第1エリアRc1〜第8エリアRc8のうちその特定した保留数の情報に対応するエリアに上記各種情報を記憶する。報知・演出制御装置140のMPU542においては、保留情報格納エリア567に記憶された情報に基づいて上記ステップS1703に示した変動開始用処理を行う。
上述した特殊演出に係る遊技回では、報知・演出制御装置140のMPU542における変動表示制御処理(詳しくは変動中用処理)の一環として、特殊演出用処理が実行される。特殊演出用処理の基本的な流れは、上述した遊技状態示唆実行処理と同様であるため、ここでは図52のタイミングチャートを参照して特殊演出が実行される場合の遊技の流れについて説明する。
(遊技の流れ)
遊技回が実行されている最中に主制御装置162から保留コマンドを受信したtd1のタイミングでは、当該保留コマンドがスーパーリーチに対応していることを前提として、特殊演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。この時点では、実行中の遊技回を除いて保留情報が記憶されていないため、現在進行中の遊技回が終了した後に当該保留コマンドに基づく遊技回が実行されることとなる。ここで、次の遊技回はスーパーリーチに対応しているが、リーチ表示に移行するまでの通常変動時間は、特殊演出を行うための準備時間と先行時間との和よりも短くなっている。但し、現在進行中の遊技回における変動表示時間と確定表示時間とを加味すれば、上記準備時間と先行時間との和よりも長くなるため、特殊演出の実行条件が成立している。図52においては、この保留コマンドに基づいて特殊演出対応スーパーリーチAが実行される場合が例示されている。
td1のタイミングで特殊演出対応スーパーリーチAが確定すると、ピストン331が待機位置から退避位置へ向けた移動を開始する。その後、td2のタイミングにてピストン331が退避位置へ到達する。ピストン331が退避位置に到達した後のtd3のタイミングでは、ノズル313からシリンダ部315(中間噴霧領域SE)へ香料が供給される。なお、図52の例においては、このtd3のタイミングにて図柄の変動表示が終了して、確定表示に移行しているが、香料の供給タイミングは、td1に示した準備の開始タイミングに依存しており、必ずしも香料の供給タイミングと確定表示への移行タイミングとが重なるとは限らない。
確定表示となったtd3のタイミングから僅かに遅れたtd4のタイミングでは、スピーカ部29からのBGM等の出力が停止される。そして、無音状態のまま確定表示期間が経過したtd5のタイミングでは、上記保留コマンドに係る遊技回が開始される。具体的には、図柄表示装置253の表示画面253aにて図柄の変動表示が開始され、それに併せてスピーカ部29からBGMの出力が開始される。
香料が供給されたtd3のタイミングから所定の待機時間が経過したtd6のタイミングでは、ピストン331が退避位置から待機位置への移動を開始する。その後、td7のタイミングにてピストン331が待機位置に復帰する。これにより、シリンダ部315にて生成された1次混合気体が音導出部352へ押し出されることとなる。遊技回が始まったtd5のタイミングから所定の時間が経過したtd8のタイミングでは、リーチ表示への移行に先駆けてスピーカ部29からの音が可聴音から非可聴音に切り替わる。これに併せて、音量が増大することにより、音導出部352内の2次混合気体が遊技機前方へ放出されることとなる。
なお、本実施の形態においては、リーチ表示へ移行する前のタイミングでは、特殊演出の有無に関係なく一時的にスピーカ部29からの可聴音(中低音)の出力がカットされる構成となっている(他のスピーカについてはこの限りでない)。詳しくは、上図柄列Z1が停止してから下図柄列Z3が停止するまでの間はスピーカ部29からの音の出力が停止(カット)される構成となっているとともに、この時間が上記先行時間と同一又は同等となるように構成されている。このため、スピーカ部29からの音の出力が途切れたとしても、それに基づいて特殊演出が行われることが露呈することが回避されている。
遊技回が始まったtd5のタイミングから所定の時間が経過したtd9のタイミングではリーチ表示に移行する。これに合せて表示画面253aでは上記示唆画像(泡画像)が表示される。そして、この示唆画像が表示に合せて遊技者に芳香が届けられる。既に説明したように、芳香については、音や光とは異なり遊技者によって知覚されるまでのタイムラグが大きくなりやすい。2次混合気体を送り出すための風量等を大きくすることにより応答性を高めることは可能である。しかしながら、このような対応では触覚的な変化が際立ってしまい、嗅覚に訴えかける特殊演出の存在意義が弱くなると懸念される。以上の理由から、芳香に対応する表示がなされる前に当該表示に先行して芳香を発生させることには、技術的意義がある。この芳香によって、今回の遊技回にてスーパーリーチへの発展が期待できること、ひいては大当たり結果となることが期待できることが遊技者に示唆される。
td9のタイミングでは、スピーカ部29の音が非可聴音から可聴音に切り替わることにより、表示演出に対応したBGMの出力が再開されることとなる。その後、td10のタイミングでスーパーリーチへ発展し、td11のタイミングで当該遊技回に係る遊技結果が表示されることとなる。なお、図52においては、外れ結果となった場合について例示している。
以上詳述した第6の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
表示演出の流れに応じて芳香演出(特殊演出)を行うことにより、視覚に係る情報と嗅覚に係る情報とに関連性を付与することができ、今までにない斬新な演出を行うことができる。これにより、遊技の単調化を抑え、遊技への注目度向上に貢献することができる。特に、所定の表示演出(リーチ表示→泡画像の表示)が行われる場合には、何らかの変化が生じ得ることが遊技者に示唆されるため、当該所定の表示演出が行われる場合に遊技者の注目を遊技機に向けさせることができる。香りについては、伝播をさせる際の方向性や応答性が光等と比べて低く、遊技者が意図せぬ方向例えば左右や後方等を向いている状態や姿勢が後傾となっている状態等では芳香範囲から外れてしまう可能性が高くなる。これでは、上述したように関連性を付与したことによる効果が上手く発揮されなくなる。そこで、所定の表示演出が行われる場合には、所定の表示演出と同時又は僅かに遅れて芳香が発生する一方で、芳香はその後も暫くはその場に残留する。これにより、所定の表示演出を見たタイミングで芳香の発生の有無を確認することが許容されており、遊技者に芳香の有無を確認させるように促すことができる。これにより、上記不都合を解消している。
上述したように光や音と比べて香りによる演出については応答性が低い。感応的な意味での応答性(以下、感応的応答性と称する)を向上させようとすれば、例えば事前に香料をある程度拡散させておく等の事前準備が必要となり得る。但し、これでは時間的な意味での応答性(以下、時間的応答性と称する)が低下し得る。そこで、本実施の形態に示すように、所定の表示演出が行われる場合には、それよりも前の遊技回にて所定の香演出の準備を開始させることにより、時間的応答性の低下を軽減することができる。所定の表示演出及び所定の芳香演出が行われる該当遊技回に縛られることなく事前の準備を可能とすることにより、芳香演出に係る時間的な制約を好適に軽減することができる。
事前準備にある程度の時間を要する構成では、所定の表示演出が開始されるまでに準備を終えることができるか否かが重要になる。この種の構成に対して、該当遊技回よりも前の遊技回を含めて準備期間を確保する構成とすれば、芳香演出の発生機会の減少を好適に抑制することができる。
視覚演出を開始してそれが遊技者に認識されるまでに要する時間と、芳香演出を開始してそれが遊技者に認識されるまでに要する時間とを比較した場合には、前者よりも後者の方が長くなる。例えば、放出を行う際の風量等を上げれは香り発生に係る時間を短縮できるものの、風が過度に直接的となって触覚的な変化が際立ってしまい嗅覚的な変化のインパクトが低下し得る。また、香料を遊技者に直接吹きかける構成とすれば時間短縮を実現できる反面、香り発生に伴う動きが目立ったり香りが過度に直接的となって遊技者に不快感を与えたりしかねない。これらの事情に配慮した場合には、ある程度時間をかけながら香りを放出する必要がある。この点、本実施の形態に示したように、所定の表示演出が行われる前に、放出を行うことにより、上述した各種不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、所定の表示演出と芳香演出との連携機能を好適に強化することができる。
<第7の実施の形態>
本実施の形態においては、芳香発生装置300により遊技回用の演出として芳香演出を行う点では上記第6の実施の形態と同様となっているが、芳香演出の態様が第6の実施の形態と相違している。具体的には、記憶されている保留情報の中に外れ結果に対応するリーチ表示又は大当たり結果が含まれている場合に、その旨を示唆する演出として芳香演出を複数の遊技回に亘って連続して行う構成となっていることを特徴の1つとしている。つまり、芳香演出の契機となった保留情報に係る遊技回(以下、該当遊技回という)よりも前に実行される遊技回と、該当遊技回とに亘って芳香演出が連続することを特徴の1つとしている。以下、図53のフローチャートを参照して、本実施の形態の芳香演出に係る構成について説明する。なお、説明の便宜上、本実施の形態に示す芳香演出を連続予告演出と称し、第6の実施の形態に示した特殊演出と区別する。
報知・演出制御装置140のMPU542においては、保留コマンド又はシフト時コマンドを受信したことを契機として連続予告演出用設定処理を行う。
(連続予告演出用設定処理)
図53(a)に示すように、連続予告演出用設定処理においては先ずステップS2201にて実行待ちの保留情報の中に遊技状態示唆に係る保留情報が存在しているか否かを判定する。つまり、芳香発生装置300を用いて遊技状態の示唆が実行されることが確定している場合には、連続予告演出が不可となるように規制される。なお、連続予告演出が実行されることが確定している場合には、遊技状態の示唆が回避される。
ステップS2201にて否定判定をした場合にはステップS2202に進み、該当遊技回に係る保留情報よりも先に記憶された保留情報が存在しているか否か、すなわち実行待ちとなっている保留情報(該当遊技回に係る保留情報を含めた保留情報)が複数存在しているか否かを判定する。ステップS2202にて肯定判定をした場合には、ステップS2203に進む。ステップS2203では、遊技回毎に芳香発生の準備期間を確保できるか否かを判定する。本実施の形態における準備期間は4secとなっており、完全外れに対応する保留情報の最短変動表示時間よりも長くなっている。
既に説明したように、完全外れに対応する遊技回においては変動表示時間が記憶されている保留情報の数に応じて変化する構成となっている。そして、記憶されている保留情報の数が4以上となっている場合には、変動表示期間が3secとなるように設定されている。このため、例え保留情報が記憶されている場合であっても、保留コマンドを遊技回中に受信する等して上記準備期間の確保が難しい場合や、記憶されている保留情報の数が4以上となっている場合には、ステップS2203に示す条件を満たさないこととなる。
ステップS2201にて肯定判定をした場合、ステップS2202にて否定判定をした場合、ステップS2203にて否定判定をした場合には、連続予告演出の実行条件が不成立となり、そのまま本連続予告演出用設定処理を終了する。
ステップS2203にて肯定判定をした場合、すなわち連続予告演出の実行条件が成立した場合にはステップS2204に進む。ステップS2204では、RAM544の各種フラグ格納エリア566に連続予告フラグをセットして本連続予告演出用設定処理を終了する。連続予告フラグは、連続予告演出を実行するか否かを判定する際の指標となるフラグであり、連続予告演出が完了した後に消去される。
ステップS2204の処理を実行した後は、ステップS2205に進み、RAM544の各種カウンタエリア565に設けられた予告回数カウンタに連続予告演出の実行回数(予告回数)をセットする。具体的には、該当遊技回を含めて幾つの保留情報が記憶されているかを判別し、その数を予告回数として設定する。例えば、記憶されている保留情報の数が2つであり、2つ目の保留情報が上記該当遊技回に対応している場合には、予告回数カウンタに「2」をセットする。
ステップS2205の処理を実行した後は、続くステップS2206にて遊技状態示唆規制処理を実行した後、本連続予告演出用設定処理を終了する。遊技状態示唆規制処理ではRAM544の各種フラグ格納エリア566に遊技状態示唆規制フラグをセットする。以降は遊技状態示唆規制フラグが消去されるまで、第1の実施の形態等に示した遊技状態の示唆が回避されることとなる。
次に、図53(b)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPU542における定期処理の一環として実行される連続予告演出用実行処理について説明する。
(連続予告演出用実行処理)
連続予告演出用実行処理においては先ず、ステップS2301にてRAM544の各種フラグ格納エリア566に上記連続予告フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2301にて否定判定をした場合には、そのまま本連続予告演出用実行処理を終了する。ステップS2301にて肯定判定をした場合にはステップS2302に進む。
ステップS2302においては、連続予告演出用の準備を開始するタイミングであるか否かを判定する。つまり、2次混合気体を生成する一連のプロセスを開始するタイミングであるか否かを判定する。ステップS2302にて肯定判定をした場合には、ステップS2303に進む。ステップS2303にて準備開始処理を行った後は、ステップS2304にてRAM544の各種カウンタエリア565に設けられた予告回数カウンタを更新し(「1」減算し)、本連続予告せ演出用実行処理を終了する。
ステップS2302にて否定判定を行った場合、すなわち連続予告演出用の準備を開始するタイミングではないと判定した場合には、ステップS2305に進む。ステップS2305では、予告演出を実行するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上記準備開始処理が行われてから予め設定された待機期間が経過したタイミングであるか否かを判定する。この待機期間は、変動表示から確定表示へ移行するタイミング(詳しくは上記実施の形態に示したようにスピーカ351からの可聴音(BGM)の出力が終了されるタイミング)にて当該待機期間が経過するように設定されている。ステップS2305にて肯定判定をした場合には、ステップS2306にてRAM544の各種フラグ格納エリア566に予告演出実行フラグをセットし、本連続予告演出用実行処理を終了する。
ステップS2305にて否定判定をした場合にはステップS2307に進む。ステップS2307では、RAM544の各種フラグ格納エリア566に予告演出実行フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2307にて肯定判定をした場合には、ステップS2308に進む。ステップS2308では予告演出実行処理を行う。具体的には、スピーカ351による音声の出力態様を可聴音から非可聴音に切り替えるとともに、音量を増大させる処理を行う。この切り替えについての詳細は、第1の実施の形態に示した遊技状態示唆の実行時同様であるため、説明を援用する。
ステップS2308の処理を実行した後はステップS2309にてRAM544の各種フラグ格納エリア566に記憶されている予告演出実行フラグを消去して、本連続予告演出用実行処理を終了する。
ステップS2307の説明に戻り、当該ステップS2307にて否定判定をした場合、すなわちRAM544の各種フラグ格納エリア566に予告演出実行フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2310に進む。ステップS2310では連続予告の終了条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、RAM544の各種カウンタエリア565に設けられた予告回数カウンタの値等を参照して、該当遊技回にて最後の予告演出を実行したか否かを判定する。
ステップS2310にて否定判定をした場合にはそのまま本連続予告演出用実行処理を終了する。ステップS2310にて肯定判定をした場合には、ステップS2311にて連続予告フラグ及び遊技状態示唆規制フラグを消去した後、本連続予告演出用実行処理を終了する。
記憶されている保留情報の中に外れ結果に対応するリーチ表示又は大当たり結果が含まれている場合に、その旨を示唆する演出として芳香演出を複数の遊技回に亘って連続して行う構成となっている。芳香演出を行う場合には、香料を増やすことにより香りを強調することができる。しかしながら、このような対応を講じた場合には、香りが過度に強くなって遊技者に不快感を与えやすくなる。そこで、芳香演出を複数回に分けて出力する構成とすれば、先に出力された香料は後に出力された香料が到着するまでにある程度拡散されることとなり、香りが過度に強くなることを抑制できる。また、香りの拡散範囲を広域化することにより、遊技者が香りの発生に気付かないまま芳香演出が終了することを抑制できる。
<第7の実施の形態の変形例>
上記第7の実施の形態においては、1の遊技回中に芳香準備〜芳香発生を行う構成としたが、これを複数の遊技回に分けることも可能である。例えば、先に実行される遊技回にて芳香準備を行い、次に実行される遊技回にて芳香発生を行う構成とすることも可能である。また、複数の遊技回にて芳香を発生させる連続演出を行う場合には、先の遊技回にて芳香準備を行い、次の遊技回にて芳香発生と、後続の遊技回に係る芳香準備とを行う構成とすることも可能である。
<第8の実施の形態>
上記第7の実施の形態では、連続予告演出を行う場合に、各遊技回にて芳香準備→芳香発生を実行する構成とした。芳香を発生させるための準備にある程度の期間を要する構成では、この期間を確保することを前提とした場合に、連続予告演出に係る制約が強くなり得る。本実施の形態においては、このような制約の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。本実施の形態に示す芳香発生装置300Cについては第1の実施の形態に示した芳香発生装置300と構成の一部が相違している。そこで、先ず図54の概略図を参照して、上記相違点を中心に芳香発生装置300Cについて説明する。
(芳香発生装置300C)
芳香発生装置300Cは、音導出部352とシリンダ部315とを繋ぐ開口部366を開閉可能なシャッタ341Cが設けられている。シャッタ341Cは、スライド移動可能に設けられた可動板342Cと、可動板342Cを駆動させる駆動部343Cとを有してなる。駆動部343Cは報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140からの駆動信号に基づいて動作する。駆動部343Cからの駆動力によって可動板342Cは、音導出部352の内部領域IE及びシリンダ部315の中間噴霧領域SEを分断する閉位置と、それら内部領域IE及び中間噴霧領域SEを連通させる開位置とに移動する構成となっている。
つまり、シリンダ部315に内蔵されているピストン331が中間噴霧領域SE内の気体を押し出すように動作したとしても、シャッタ341が閉状態となっていることで、当該気体の内部領域IEへの移動が規制される構成となっている。
ここで、上記第1の実施の形態に示したピストン331については、待機位置及び退避位置の2位置でのみ停止する構成としたが、本実施の形態においては、状況に応じてピストン331が停止する位置を様々に変化させることができるように、ピストン331用の駆動部332としてモータが採用されている。これにより、ピストン331の位置を段階的に変化させることが可能となっており、待機位置及び退避位置の間でのピストン331の停止が許容されている。
次に、図54(b)のフローチャートを参照して、本実施の形態における連続予告演出用設定処理について説明する。
(連続予告演出用設定処理)
図54(b)に示すように、連続予告演出用設定処理においては先ずステップS2401にて実行待ちの保留情報の中に遊技状態示唆に係る保留情報が存在しているか否かを判定する。ステップS2401にて否定判定をした場合にはステップS2402に進み、該当遊技回に係る保留情報よりも先に記憶された保留情報が存在しているか否か、すなわち実行待ちとなっている保留情報(該当遊技回に係る保留情報を含めた保留情報)が複数存在しているか否かを判定する。ステップS2402にて肯定判定をした場合には、ステップS2403に進む。
ステップS2403では、現在の変動表示が終了するまでに芳香発生の準備期間を確保できるか否かを判定する。具体的には、シフト時コマンドを受信した場合には開始される遊技回の変動表示中に芳香発生の準備期間を確保できるか否かを判定し、保留コマンドを受信した場合には、当該保留コマンドを受信した時点で実行されている遊技回の変動表示中に芳香発生の準備期間を確保できるか否かを判定する。
ステップS2401にて肯定判定をした場合、ステップS2402にて否定判定をした場合、ステップS2403にて否定判定をした場合には、連続予告演出の実行条件が不成立となり、そのまま本連続予告演出用設定処理を終了する。
ステップS2403にて肯定判定をした場合、すなわち連続予告演出の実行条件が成立した場合にはステップS2404に進む。ステップS2404では、RAM544の各種フラグ格納エリア566に連続予告フラグをセットして本連続予告演出用設定処理を終了する。以降の、ステップS2405〜ステップS2406の各処理を実行する。ステップS2405〜ステップS2406の処理については、上記ステップS2205〜ステップS2206の処理と同様であるため説明を援用する。
本実施の形態においても上記第7の実施の形態と同様に、連続予告フラグに基づいて連続予告演出用実行処理を行う。本実施の形態においては、予行演出実行処理の内容が第7の実施の形態と異なっている。そこで以下、図55を参照して予告演出実行処理について説明する。なお、本実施の形態においては、ステップS2309の処理が予告演出実行処理に組み込まれている。
(予告演出実行処理)
予告演出実行処理においては先ず、ステップS2501にてシリンダ部315の中間噴霧領域SEにて生成された1次混合気体を音導出部352の内部領域IEに供給するタイミングであるか否かを判定する。ステップS2501にて肯定判定をした場合には、ステップS2502に進む。ステップS2502ではシャッタ341Cを開放する処理を行う。これにより、シリンダ部315の中間噴霧領域SEと音導出部352の内部領域IEとが連通した状態となる。
ステップS2502の開放処理を実行した後はステップS2503に進む。ステップS2503ではピストン331のストロークを把握する把握処理を実行する。具体的には、今回の連続予告の残り回数に応じてピストン331の残りストロークを当分となるように分割して、今回のストロークを把握する。例えば、残りストロークが40mmの場合であって予告の残り回数が4回である場合には、ストロークが10mmとなる。
ステップS2503の処理を実行した後は、ステップS2504にてピストン331を待機位置に向けて移動させるべく駆動処理を実行する。この駆動処理においては、ステップS2503にて把握したストロークとなるようにピストン331の動作が制限されることとなる。
ステップS2501の説明に戻り、当該ステップS2501にて否定判定をした場合、すなわち混合気体の供給を開始するタイミングではないと判定した場合には、ステップS2505に進む。ステップS2505では確定表示が開始されるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2505にて肯定判定をした場合には、ステップS2506に進む。ステップS2506ではシャッタ341Cの閉鎖処理を行う。これにより、再び中間噴霧領域SEと音導出部352の内部領域IEとが分断された状態となり、中間噴霧領域SEから内部領域IEへの混合気体の流出が回避されることとなる。
ステップS2505にて否定判定をした場合にはステップS2507に進む。ステップS2507では、確定表示を行っている最中であるか否かを判定する。ステップS2507にて否定判定をした場合には、そのまま本予告演出実行処理を終了する。ステップS2507にて肯定判定をした場合にはステップS2508に進む。ステップS2508ではスピーカ部29からの可聴音(BGM)の出力が終わるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2508にて否定判定をした場合には、そのまま本予告演出実行処理を終了する。ステップS2508にて肯定判定をした場合には、ステップS2509に進む。
ステップS2509ではスピーカ部29から出力される音を可聴音から非可聴音に切り替える処理が実行され、これに合せて音量も変更される。ステップS2509の処理を実行した後は、ステップS2510にてRAM544の各種フラグ格納エリア566に格納されている予告演出実行フラグ及び遊技状態示唆規制フラグを消去して、本予告演出実行処理を終了する。
ここで、図56のタイミングチャートを参照して、本実施の形態にて連続予告演出が実行される場合の遊技の流れについて説明する。
(遊技の流れ)
遊技回中に作動口83aへの入球が発生したte1のタイミングでは、保留数が「2」から「3」に増加する。このte1のタイミングにて連続予告演出の可否が決定される。この時点では保留数が「3」であり3遊技回に亘る連続予告が行う旨の決定がなされている。
この決定に伴い、ピストン331が待機位置から退避位置へ向けた移動を開始する。te2のタイミングではピストン331が退避位置へと到達し、直後のte3のタイミングにてノズル313から香料が供給される。これにより、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにて1次混合気体が生成される。
te4のタイミングでは、シャッタ341Cが閉状態から開状態に切り替わり、これに合せてピストン331が退避位置へ向けて移動する。この場合のピストン331の移動量は、全ストロークを3等分した量(1/3)となるように制限され、1次混合気体の一部が開口部366を通じて音導出部352の内部領域IEへと押し出されることとなる。
その後、te5のタイミングにて図柄の変動表示が終了し確定表示へと移行する。これに合せてシャッタ341Cが開状態から閉状態に切り替わる。これにより、中間噴霧領域SEから内部領域IEへの1次混合気体の移動が規制される。確定表示へと移行してから所定の期間が経過したte6のタイミングでは、スピーカ351の音が可聴音から非可聴音に切り替わる。これにより、内部領域IEの2次混合気体が音出口を通じて遊技機前方へ放出される。
遊技機前方に放出された2次混合気体(香料)は、拡散しながら遊技者に届くこととなるが、放出されてから遊技者に届くまでにはある程度のタイムラグが生じる。つまり、当該遊技回にて放出された2次混合気体は、次の遊技回の冒頭で遊技者に届くように遅延される。
確定表示が終了したte7のタイミングでは、保留数が「3」から「2」に減って、次の遊技回へ移る。これにより、図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始され、スピーカ351による可聴音(BGM)の出力が再開されることとなる。te7のタイミングから所定の期間が経過したte8のタイミングでは、シャッタ341Cが閉状態から開状態に切り替わるとともに、ピストン331が退避位置へ向けて移動する。この場合のピストン331の移動量は、全ストロークを3等分した量(1/3)となるように制限され、1次混合気体の一部が開口部366を通じて音導出部352の内部領域IEへと押し出されることとなる。
その後、te9のタイミングにて図柄の変動表示が終了し確定表示へと移行する。これに合せてシャッタ341Cが開状態から閉状態に切り替わる。これにより、中間噴霧領域SEから内部領域IEへの1次混合気体の移動が規制される。確定表示へと移行してから所定の期間が経過したte10のタイミングでは、スピーカ351の音が可聴音から非可聴音に切り替わる。これにより、内部領域IEの2次混合気体が音出口を通じて遊技機前方へ放出される。
遊技機前方に放出された2次混合気体(香料)は、拡散しながら遊技者に届くこととなるが、上述したように放出されてから遊技者に届くまでにはある程度のタイムラグが生じる。つまり、当該遊技回にて放出された2次混合気体は、次の遊技回の冒頭で遊技者に届くように遅延される。
確定表示が終了したte11のタイミングでは、保留数が「2」から「1」に減って、次の遊技回へ移る。これにより、図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始され、スピーカ351による可聴音(BGM)の出力が再開されることとなる。
te11のタイミングから所定の期間が経過したte12のタイミングでは、シャッタ341Cが閉状態から開状態に切り替わるとともに、ピストン331が退避位置へ向けて移動する。この場合のピストン331の移動量は、全ストロークを3等分した量(1/3)となるように制限され、1次混合気体の一部が開口部366を通じて音導出部352の内部領域IEへと押し出されることとなる。なお、詳細には、今回の移動によりピストン331の待機位置への復帰が完了する。
その後、te13のタイミングにて図柄の変動表示が終了し確定表示へと移行する。これに合せてシャッタ341Cが開状態から閉状態に切り替わる。確定表示へと移行してから所定の期間が経過したte14のタイミングでは、スピーカ351の音が可聴音から非可聴音に切り替わる。これにより、内部領域IEの2次混合気体が音出口を通じて遊技機前方へ放出される。
遊技機前方に放出された2次混合気体(香料)は、拡散しながら遊技者に届くこととなるが、上述したように放出されてから遊技者に届くまでにはある程度のタイムラグが生じる。つまり、当該遊技回にて放出された2次混合気体は、次の遊技回(該当遊技回)の冒頭で遊技者に届くように遅延される。
確定表示が終了したte15のタイミングでは、保留数が「1」から「0」に減って、連続予告演出の契機となった該当遊技回へ移る。これにより、図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始され、スピーカ351による可聴音(BGM)の出力が再開されることとなる。
芳香を発生させるための準備にある程度の期間を要する構成では、この期間を確保することを前提とした場合に、連続予告演出に係る制約が強くなり得る。本実施の形態においては、最初に用意した混合気体を小出しにして複数回の放出を実現することにより、上記制約の発生を抑えて、連続予告演出の実行条件を緩和することができる。
芳香発生(混合気体)の準備が完了してさえいれば、以降は混合気体の放出を行えばよい。このため、連続予告演出を実行する際の時間的応答性を好適に向上させることができる。また、準備動作を一括して行うことにより、当該動作が目立って連続予告が芳香の発生前に露呈することを好適に抑制することができる。
生成された1次混合気体をピストン331による小分けにして押し出す(送り出す)構成とすれば、混合気体の放出量の調整が容易となる。
上述したように事前に芳香演出の準備を開始する構成においては、香料が漏れ出す等して所定の表示演出よりも先に香りが遊技者に届くことで、所定の表示演出が控えていることが露呈する可能性が生じる。この点、本実施の形態に示すように、シャッタ341Cによってシリンダ部315から音導出部352への気体の移動を規制している状況下にて香料の供給を行う構成とすれば、応答性の向上に起因して連携機能が低下することを好適に抑制できる。
<第8の実施の形態の変形例>
上記第8の実施の形態においては、連続予告演出を行う場合の回数に応じてピストン331のストロークを等分することにより遊技回毎に供給される1次混合気体の量を揃える構成とした。1度の噴霧によって生成された1次混合気体を複数の遊技回に亘って使用するのであればたり、上述したようにストロークを等分する必要はない。例えば、該当遊技回に近づくにつれてストローク量が増大する構成としてもよいし、該当遊技回に近づくにつれてストローク量が減少する構成としてもよい。
上記第8の実施の形態においては、各予告演出におけるスピーカ351の動作態様を統一することにより香料の放出の度合いが共通としたが、予告演出毎にスピーカ351の動作態様を相違させてもよい。例えば、該当遊技回に近づくにつれてスピーカ351の音量を増大させることにより、風量を上げる構成とすることで、香料の放出の度合いに差を生じさせることができる。
<第9の実施の形態>
上述した各実施の形態においては、スピーカ351によって2次混合気体を遊技機前方へ移動させる構成としたが、本実施の形態においては2次混合気体を移動させる構成がそれら各実施の形態と相違している。以下、図57(a)を参照して、本実施の形態における2次混合気体の放出に係る構成について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態においては、送風通路352D(音導出部352に相当)の奥部に、スピーカ351に代えてファン351Dが配設されている。ファン351Dが回転することにより、送風通路352D内の気体が貫通孔362Dを通じて遊技機前方に放出される構成となっている。
送風通路352Dにおいてファン351D寄りとなる部分については、通路幅が拡張されている拡張部371Dが形成されている。これは、ファン351Dからの風が拡張部371Dを通過する際に拡がることにより、風の流に乱れを生じやすくなっている。送風通路352Dにおいて貫通孔362D寄りとなる位置には、整流板381Dが設けられている。整流板381Dには送風通路352Dと同じ方向に延びる多数の貫通孔が形成されており(例えばハニカム)、当該整流板381Dを通過した気体の乱れが抑制される。このように、流れを整えることにより、貫通孔362Dを通じて遊技機前方へ放出された気体の到達距離を延ばすことが可能となっている。
シリンダ部315との連通部分である開口部366Dについては、拡張部371Dと整流板381Dとの間に位置している。これは、気体の流れに積極的に乱れを生じさせている箇所に1次混合気体を供給することで、2次混合気体を生成した際の香料の分布の偏りを抑える工夫である。
整流板381Dやファン351Dを有する構成とした場合には、これら各種構成に香料が付着する可能性が高くなる。特に、音出口に隣接している整流板381Dについてはこのような事象が発生することで、上記示唆や演出等を行っていない場合であってもあたかも芳香が発生しているかのうような誤解を遊技者に与えかねない。本実施の形態における芳香発生装置300Dには、このような事情に配慮して上記第3の実施の形態に示した消臭機能が付与されている。この消臭機能に係る構成については、第3の実施の形態と同様であるため、説明を援用する。
次に、図57(b)を参照して、芳香発生装置300Dの動作態様について説明する。図57(b)は遊技の流れを示すタイミングチャートである。なお、芳香発生装置300Dについては第1の実施の形態に示した遊技状態の示唆に用いられる場合と、第6の実施の形態等に示した遊技演出に用いられる場合とがあるが、図57(b)においてはそれら2つのパターンのうち前者について例示している。
tf1のタイミグにて遊技回が開始した場合には、図柄表示装置253においては停止表示されていた図柄の変動表示が開始され、スピーカからBGMの出力が開始されることとなる。また、このtf1のタイミングでは第2通常遊技状態であること及び外れ結果に対応する遊技回であることを条件として遊技状態示唆の実行可否抽選処理が実行される。今回はこの抽選に当選となっており、tf1のタイミングで開始された遊技回においては芳香発生装置300による遊技状態示唆が実行されることとなる。
tf1のタイミングにて遊技回が開始した後は、芳香発生の準備を開始するtf2のタイミングとなったことに基づいてピストン331が待機位置から退避位置へ向けた移動を開始する。tf3のタイミングにてピストン331が退避位置に到達すると、これに合せてノズル313から香料が供給されることとなる(tf4のタイミング)。既に説明したように、ピストン331が退避位置に到達した直後はシリンダ部315内に気体の流れが生じている。このため、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにおいては噴霧された香料が好適に撹拌されることとなり、1次混合気体における濃淡差が抑えられることとなる。
1次混合気体が生成された後のtf5のタイミングにおいては、ピストン331が退避位置から待機位置へ向けた移動を開始する。これにより、シリンダ部315内に存在している香料を含んだ1次混合気体が送風通路352Dの内部領域IEへ押し出される。そして、tf6のタイミングにて、ピストン331の待機位置への復帰が完了すると、中間噴霧領域SEに存在していた1次混合気体のほぼ全てが内部領域IEに移ることとなる。シリンダ部315に移った1次混合気体がシリンダ部315の内部領域IEに存在している気体と混ざることにより2次混合気体が生成されることとなる。
tf7のタイミングから所定待機期間が経過したtf7のタイミングでは、ファン351Dが相対的に速く設定された第1回転速度で回転を開始する。これにより、送風通路352Dに存在している2次混合気体が貫通孔362Dを通じて遊技機前方に放出される。このようにして2次混合気体が放出された結果、遊技機前方にて芳香が発生する。芳香の発生は第2通常遊技状態に関連づけられており、この芳香(嗅覚に係る情報)によって内部的に高確率モードとなっている旨が示唆されることとなる。
tf1のタイミングから変動表示時間が経過したtf8のタイミングでは図柄の変動表示が終了して今回の遊技回(遊技結果)に対応する図柄組み合せが停止表示される。その後、tf9のタイミングにてファン351Dが停止する。tf8のタイミングから確定表示期間が経過したtf10のタイミングでは次の遊技回に移る。これにより、図柄表示装置253にて図柄の変動表示が開始されるとともに、スピーカによるBGMの出力が開始されることとなる。また、tf10のタイミングではピストン331が待機位置から退避位置へ向けて移動を開始する。
tf11のタイミングにてピストン331が退避位置に到達すると、これに合せてノズル323Dから消臭剤が供給されることとなる(tf12のタイミング)。既に説明したように、ピストン331が退避位置に到達した直後はシリンダ部315内に気体の流れが生じている。このため、シリンダ部315の中間噴霧領域SEにおいては噴霧された消臭剤が好適に撹拌されることとなり、1次混合気体における濃淡差が抑えられることとなる。
1次混合気体が生成された後のtf13のタイミングにおいては、ピストン331が退避位置から待機位置へ向けた移動を開始する。これにより、シリンダ部315内に存在している消臭剤を含んだ1次混合気体が送風通路352Dの内部領域IEへ押し出される。そして、tf14のタイミングにて、ピストン331の待機位置への復帰が完了すると、中間噴霧領域SEに存在していた1次混合気体のほぼ全てが内部領域IEに移ることとなる。シリンダ部315に移った1次混合気体がシリンダ部315の内部領域IEに存在している気体と混ざることにより2次混合気体が生成されることとなる。
tf14のタイミングから所定待機期間が経過したtf15のタイミングでは、ファン351Dが相対的に遅く設定された第2回転速度で回転を開始する。これにより、送風通路352Dに存在している2次混合気体が貫通孔362Dを通じて遊技機前方に放出される。このようにして2次混合気体が放出された結果、遊技機前方に漂っていた芳香の一部が消臭されることとなる。また、整流板381Dや貫通孔362Dについても消臭されることとなる。
遊技機前方への混合気体の放出に鑑みれば送風通路352Dを通過する気体の流れに伴った乱れが小さい方が好ましい。一方、1次混合気体から2次混合気体を生成する場合の拡散度合いに鑑みれば送風通路352Dを通過する気体の流れに伴った乱れが大きい方が好ましい。本実施の形態においては、整流板381Dを用いて乱れを少なくする前に(整流板381Dよりも上流側にて)1次混合気体が送風通路352Dへ移る構成とすることにより、上記2つの課題を好適に解消することができる。
スピーカではなく送風専用のファン351Dを設けることにより、音の出力との関係で芳香の発生タイミング等に係る制約を緩和することができ、芳香発生の自由度を好適に向上させることができる。ここで、ファン351Dの回転速度(送風量)を2次混合気体の生成する際には低速として拡散を促進し、2次混合気体の放出時には高速とすることで当該2次混合気体をできるだけ遠くへ届けることができる。
<第9の実施の形態の変形例>
第9の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様の消臭機能を付与する構成とすることにより応答性の向上を図る構成としたが、ファン351Dについてはその回転方向を逆向きとすることにより風の流れを反転させること(吸引)することができる。つまり、芳香発生から所定の待機期間を経てファン351Dを逆回転させる構成とすることにより、芳香の残りを抑制したり、遊技機と芳香範囲とを分断させたりすることができる。このような構成とする場合には、ファン351Dの後方に遊技機後方へつながる排気通路等を形成するとよい。
<第10の実施の形態>
芳香の発生態様を多様化することにより、芳香の拡がり方に差違を生じさせることができる。本実施の形態においては、芳香の発生態様に係る構成が相違しているものの他の主要な構成については上記第9の実施の形態と共通となっている。そこで以下、図58の概略図を参照して相違点に係る構成を中心に説明し、共通の構成については説明を援用する。
送風通路352Eの側壁部367Eには、整流板381Eを収容可能な収容凹部368Eが形成されている。整流板381Eは内部領域IE内に突出する突出位置と、収容凹部368Eに退避することにより内部領域IEへの突出が抑えられた退避位置とに移動可能となっている。整流板381Eには当該整流板381E用の駆動部としてのソレノイド382Eが併設されており、このソレノイド382Eは報知・演出制御装置140に接続されている。報知・演出制御装置140からの信号に基づいてソレノイド382Eが動作することにより、整流板381Eが突出位置と退避位置とに移動することとなる。
なお、整流板381Eが退避位置に配置されている状態では、当該整流板381Eによって収容凹部368Eの開放部分が塞がれて、当該整流板381Eの側面によって側壁部367Eが補完される構成となっている。
整流板381Eが突出位置に配置されている状態では当該整流板381Eによる整流効果によって、2次混合気体が遊技機前方へと移動しやすくなる(図58(a)参照)。このため、芳香が発生した場合には、当該遊技機にて遊技を行っている遊技者が他の遊技者よりも芳香に気づきやすくなるように優遇の度合いが強くなる。
これに対して、整流板381Eが退避位置に配置されている状態では、上述したような整流効果が得られない。拡散部371E等を設けて積極的に流れを乱す構成としたことにより、圧力損失の影響が強まり、ファン351Eからの風が遊技機前方へ届きにくくなる。この結果、貫通孔362Eを通じて遊技機前方に放出される2次混合気体の勢いが弱くなり、芳香は同貫通孔362Eから漏れるようにして拡がることとなる。整流板381Eが突出位置に配置されている場合と比較して、芳香が拡がる際の方向性が失われることにより、芳香が発生した場合であっても当該遊技機にて遊技を行っている遊技者と他の遊技者とを比較した場合の上記優遇の度合いが弱くなる。
芳香発生装置300Eを用いて上記実施の形態に示したような遊技状態の示唆や芳香演出を行う場合には、これら2つの態様を用いて芳香の拡がり方に差を生じさせることにより、芳香発生装置300Eの陳腐化を好適に抑制することができる。
芳香は、光や音とは異なり、実際に出力されてから遊技者等に届くまでの期間が長くなる。このため、当該遊技機にて遊技を行っている遊技者と他の遊技者とを比較した場合には芳香の発生を把握できるタイミングに差が生じやすい。ここで、方向性の強い拡がり方となるようにして芳香を発生させる場合には、当該遊技機にて遊技を行っている遊技者への報知・演出機能を他の遊技者よりも優遇することができる。一方、方向性の弱い拡がり方となるようにして芳香を発生させる場合には、当該遊技機にて遊技を行ている遊技者の優遇度合いを低下させて、他の遊技機に係る報知・演出機能を促進できる。
<第11の実施の形態>
芳香発生装置300によって遊技状態の示唆や芳香演出を行う際には、香りが籠る等することにより実際には上記示唆や演出を行っていない場合であっても遊技者にあたかも当該示唆や演出が行われているかのような印象を与えてしまう可能性を否定できない。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、第9及び第10の実施の形態との相違点を中心に説明する。
報知・演出制御装置140のMPU542においては、定期処理の一環として芳香発生装置300D,300Eの換気を行うための換気用処理が実行される。定期的な換気を行うことにより、芳香発生装置300D,300E内に芳香が籠ることを抑制している。以下、図59のフローチャートを参照して、換気用処理について説明する。
(換気用処理)
換気用処理においては先ずステップS2601にて遊技状態の示唆を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS2601にて肯定判定をした場合には、そのまま本換気処理を終了する。つまり、芳香発生装置300を用いた示唆や演出等が実行されている場合には、換気が規制されることとなる。ステップS2601にて否定判定をした場合には、ステップS2602に進む。ステップS2602では待機中であるか否かを判定する。ステップS2602にて肯定判定をした場合にはステップS2603に進む。
ステップS2603では、先の換気から第1インターバル期間が経過しているか否かを判定する。RAM544の各種カウンタエリア565には第1インターバル期間用のタイマカウンタが設けられている。この第1インターバル期間用のタイマカウンタについては、先の換気が完了した場合に所定の値(60分に相当)がセットされる。この第1インターバル期間用のタイマカウンタの値が「0」となっていない場合には、そのまま本換気用処理を終了する。一方、第1インターバル期間用のタイマカウンタの値が「0」となっている場合には、ステップS2604にてファン351D,351Eの逆回転処理を実行する。
ファン351D,351Eの後方には、遊技機後方に開放された排気通路が形成されている。排気通路は、送風通路352D,352Eと連通しており、ファン351D,351Eが逆回転することにより、送風通路352D,352E内に後方(排気通路)に向けた風の流れが生じる。これにより、排気通路を通じて送風通路352D,352E内の気体が遊技機外(遊技機後方)に排出され、遊技機前方の気体が送風通路352D,352E内に取り込まれることとなる。ファン351D,351Eを逆回転させる場合の回転速度は、上記示唆や演出に伴ってファン351D,351Eを正回転させる場合の回転速度よりも早くなっている。これは、できるだけ短い期間で換気を終了させる工夫であり、換気機能の追加に起因して芳香発生のタイミング等に制約が生じることを抑えている。
ステップS2604の逆回転処理を実行した後は、ステップS2605にて第1インターバル期間の再設定処理を実行した後に、本換気用処理を終了する。なお、第1インターバル期間に対応するタイマカウンタの値は、待機中となっていることを条件として更新される構成となっており、遊技中は更新が回避される。このように、遊技中の更新を回避することにより、遊技終了を契機とした換気が多発することを抑制している。遊技終了時にはBGMの出力が停止するため、換気音が目立ちやすくなる。上記工夫によれば、換気音が遊技者の耳について、あたかも何らかの示唆が行われているかのような誤解が生じることを好適に回避できる。
ステップS2602の説明に戻り、当該ステップS2602にて否定判定をした場合にはステップS2606に進む。ステップS2606では遊技中に実行された先の換気から第2インターバル期間が経過しているか否かを判定する。RAM544の各種カウンタエリア565には第2インターバル期間用のタイマカウンタが設けられている。この第2インターバル期間用のタイマカウンタについては、遊技中の先の換気が完了した場合に所定の値(30分に相当)がセットされる。この第2インターバル期間用のタイマカウンタの値が「0」となっていない場合には、そのまま本換気用処理を終了する。一方、第2インターバル期間用のタイマカウンタの値が「0」となっている場合には、ステップS2607に進む。
ステップS2607では、スピーカからBGMが出力されている最中であるか否かを判定する。ステップS2607にて否定判定をした場合にはステップS2608に進み、換気遅延処理を実行する。これにより、次にBGMの出力が停止されるまで換気が回避されることとなる。ステップS2607にて肯定判定をした場合には、ステップS2604にてファン351D,351Eの逆回転処理を実行し、ステップS2605にて第2インターバル期間の再設定処理を実行して、本換気用処理を終了する。
以上詳述した第11の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
芳香発生装置によって遊技状態の示唆や芳香演出を行う際には、芳香発生装置にて香りが籠ることにより実際には上記示唆や演出を行っていない場合に香りが漏れ出す可能性がある。これは、遊技者にあたかも当該示唆や演出が行われているかのような印象を与えてしまう要因となり得る。本実施の形態においては、ファン351D,351Eを用いて定期的な換気を行うことにより、上述したような籠りを解消することが可能となっている。
遊技機前方から給気を行い、遊技機後方へ排気を行うようにして換気が実行される。排気を遊技機後方に逃がすことにより、芳香を発生させるべきタイミングでない場合に、排気により遊技機前方にて芳香が発生することを回避できる。給気先と排気先とを別に設定することにより、隣接する他の遊技機からの排気が取り込まれることを回避して、換気によって状態が悪化することを抑制している。
遊技中に換気音が目立ってしまうことは、遊技者の遊技意欲を減退させる要因となり得る。この点、本実施の形態においては、遊技中にBGMの出力が一時停止している状況下にて換気タイミングとなった場合には、BGMの出力が再開されるまで、換気を遅延させる構成としている。このようにして、換気音をBGMに紛らわせることにより、換気音が目立ちにくくなっている。
遊技中は待機中と比べて芳香発生の機会が多くなり得る。そこで、遊技中の換気スパンを待機中の換気スパンよりも短くして、換気の実行頻度を高く設定している。このように、頻繁に換気を行う場合であっても、遊技回が進む毎にBGMの出力が一時停止される構成であるため、上記遅延機能が換気機能の低下を招くように作用することはない。
<第11の実施の形態の変形例>
上記第11の実施の形態では、遊技中の換気機能と待機中の換気機能とを併用する構成としたが、少なくとも一方の機能を有しているのであれば足り、必ずしもこれら2つの機能を併用する必要はない。
上記第11の実施の形態に示したように、遊技中に換気を行う場合には、スピーカからBGMが出力されている期間中に換気を行うことにより、換気音を目立ちにくくしたが、これに限定されるものではない。そもそも、静粛性の向上等によって換気音が目立ちにくくなっているのであれば、BGMが出力されていない状況下にて換気を行う構成とすることも可能である。
上記第11の実施の形態では、換気を行う場合のファンの回転速度を示唆や演出を行う場合のファンの回転速度よりも速くなるように設定したが、これに限定されるものではなく、示唆や演出を行う場合のファンの回転速度と同じ速度となるように設定してもよいし、それよりも遅くなるように設定してもよい。換気音が邪魔にならない程度に抑えることができるのであれば、芳香発生装置を利用した示唆や演出を行っていないことを条件とした常時換気を行う構成とすることも可能である。
<第12の実施の形態>
上記第9の実施の形態においては送風通路352Dが前後方向に延びる構成としたが、本実施の形態においてはこの送風通路352Dの向きが横向きとなるように構成されている点で上記第9の実施の形態と構成が相違している。
第1の実施の形態(図2参照)に示したように、前扉枠14の上部は前後方向の厚みが左右方向にて相違する構成となっている。具体的には、中央側にて遊技機前方への膨出量が大きくなるように上側のカバー部が湾曲している。発光体が実行された発光基板と当該発光基板を遊技機前方から覆うカバー部との間にはある程度の隙間が設けられており、この隙間についても遊技機側方から遊技機中央側に向けて大きくなっている。本実施の形態においては当該隙間が香料を含んだ2次混合気体の通り道、すなわち送風通路として機能している。
左右方向におけるカバー部の中央部分には、カバー部の内部空間を左右に仕切る仕切り部が形成されているとともに、当該仕切り部に隣接するようにして前後に貫通する通気口が形成されている。カバー部の左右の側部に配設されたファンが回転することにより、上記送風通路を通過した2次混合気体が通気口を通じて遊技機前方へ放出されることとなる。
ここで、上述したように、送風通路については、その構造上前後幅が中央側に向けて大きくなるように拡張されている。このように、通路幅が変化していることにより、送風通路内での2次混合気体の生成(香料の撹拌)が促進される構成となっている。特に、送風通路は、左右両端に近づくにつれてその曲率が大ききなっているため、ファン付近では当該撹拌機能が強化され、通気口(出口)付近では撹拌が抑えられる構成となっている。
遊技機においては、遊技ホール等の島設備に設置された状態にて隣り合う他の遊技機との共存を好適に実現すべく、前扉枠14の遊技機前方への膨出量が遊技機中央側にて大きくなるように形成されていることが多いのが実情である。このような既存の構成を上手く利用することにより、香料の撹拌を促進するための構成(通路幅の変化)を構成の複雑化を抑えながら実現することができる。
また、光の通り道を送風通路として機能させることにより、限られた領域にて発光演出等に係る構成と芳香演出等に係る構成との共存を好適に実現することができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態では、非明示確変(潜伏確変)となっている場合に、芳香発生装置300(「香出力手段」に相当)を用いて高確率モードとなっている旨を示唆する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。大当たり結果として、ラウンド数が異なる複数の大当たり結果(例えば16R大当たり結果及び8R大当たり結果)を設け、開閉実行モードにおいて第8ラウンドに到達する前に香りによって大当たりの種別を示唆する構成とすることも可能である。例えば、相対的に香りが強く設定された第1出力態様と相対的に香りが弱く設定された第2出力態様を有する構成においては、16R大当たり結果となっている場合には第1出力態様が選択されやすく、8R大当たり結果となっている場合には第2出力態様が選択されやすい構成とすることも可能である。
(2)上記実施の形態では、中間噴霧領域SEに香料を噴霧する構成としたが、香料を音導出部352(「送風通路」に相当)へ直接噴霧する構成とすることも可能である。
(3)上記実施の形態では、香料と消臭剤とを共通の中間噴霧領域SEへ供給する構成としたが、香料が供給される中間噴霧領域と、消臭剤が供給される中間噴霧領域とを個別に設けることも可能である。例えば両中間噴霧領域が送風経路を挟んで対峙する配置とする構成とするとよい。係る構成によれば、消臭剤が供給される中間噴霧領域から押し出された空気が香料の供給対象である中間噴霧領域へと流入させることが容易となる。特に、消臭を行う際には、香料が供給される中間噴霧領域を開放しておくことにより、消臭機能を一層好適に発揮させることができる。
(4)上記実施の形態では、音導出部352(「送風通路」に相当)を形成する各壁部のうち中央側の側壁部365を窪ませて中間噴霧領域SEを形成したが、中間噴霧領域SEの配設対象については任意である。但し、中間噴霧領域SEに係る可動体(ピストン331等)の動きを目に付いてしまうと、視覚的に遊技状態の示唆や特殊演出等の芳香演出が実行される旨が把握されやすくなる。このような事情に配慮した場合には、送風口の配設箇所に応じて目立ちにくくなる位置へ中間噴霧領域SEを配設することが好ましい。例えば、遊技機の外縁に添う位置に送風口が配設される構成においては、遊技機中央側の壁部を配設対象とすればよい。
(5)上記実施の形態では、音導出部352の奥壁部363に「通気孔」としての開口部364を形成したが、通気孔をどの位置に設けるかについては任意である。例えば、消臭用の中間噴霧領域を有する構成においては、この中間噴霧領域を形成する壁部に通気孔を形成することにより、通常時の匂い漏れによる影響を抑えることができる。
(6)上記実施の形態では、スピーカ351を駆動させることにより音導出部352内の2次混合気体を音出口から遊技機前方へ押し出す構成としたが、遊技機前方へ2次混合気体を押し出す構成については任意であり、例えばピストン等の可動体を用いてもよい。ピストンと音導出部352との関係を上記ピストン331及びシリンダ部315との関係と同様の関係にすることにより、芳香を発生させた後に音導出部352内に2次混合気体が残存することを抑制できる。
(7)上記実施の形態では、所定の時刻となった場合には、高確率モード及び低確率モードの何れのモードとなった場合であっても、香りを出力する構成とすることも可能である。但し、この場合の出力態様として例えば香りの強度や種類等が異なる第1態様及び第2態様を設け、高確率モードにおいては第1態様が選択されやすく、低確率モードにおいては第2態様が選択されやすい構成とするとよい。
また、所定の時刻となった場合には、高確率モードとなっている場合には高確率モード対応の出力態様にて香りを出力し、低確率モードとなっている場合には低確率モード対応の出力態様にて香りを出力する構成とすることも可能である。なお、各モードに対応する出力態様のうちいずれか一方については香りの出力を回避する構成としてもよい。
(8)上記実施の形態では、芳香発生装置300を用いて複数の遊技回に亘って実行される連続予告演出を行う構成としたが、1遊技回中に複数回繰り返して実行される表示演出に併せて連続演出を行う構成とすることも可能である。
(9)上記実施の形態では、液状の消臭剤を用いる構成としたが、消臭剤については必ずしも液状である必要はなく、例えば活性炭やセラミックス等の固体とすることも可能である。また、物理吸着によって消臭を行う構成に代えて、二酸化チタン等の光触媒を採用し、化学変化によって消臭を行う構成することも可能である。光触媒を使用する場合には、芳香発生装置300に隣接する報知・演出用のランプ部(LED)に紫外線を照射する機能を付与し、当該ランプ部からの光の一部が光触媒に照射される照射経路を確保することにより消臭機能を好適に発揮させることができる。
(10)上記実施の形態では、消臭剤を用いて香りを消す場合の風量を香料を用いて芳香演出等を行う場合の風量よりも少なくなるように構成した。これを変更し、消臭剤を用いて香りを消す場合の風量を芳香演出等を行う場合の風量と同等としてもよいし、消臭剤を用いて香りを消す場合の風量を芳香演出等を行う場合の風量よりも多くしてもよい。
(11)上記実施の形態では、芳香発生装置300から2次混合気体が放出される方向(風向き)を固定する構成としたが、当該方向を遊技状況等に応じて変更する機能を付与してもよい。例えば、第10の実施の形態においては、整流板の向きを変えることにより放出方向を変化させることができる。風に載せて香りを運ぶ構成においては、遊技ホール等に設置された空調等の影響を受けやすい。このため、演出が行われている事実が遊技者に上手く伝わらない可能性がある。このような事情に配慮した場合には、香りが出力されている期間中に、その出力方向を変化させる構成とすることには技術的意義がある。
(12)上記実施の形態に示した芳香発生装置300(「香発生手段」に相当)においては、芳しい香りを発生させる構成としたが、特定の匂いを発生させることができるのであれば足り、匂いの種類については任意に変更することも可能である。
(13)上記実施の形態では、芳香によって内部的に高確率モードとなっていることを遊技者に示唆する構成としたが、芳香には上述したようなある種のあいまいさが生じる。そこで、例えば、芳香発生が所定の回数に亘って繰り返されたことや芳香発生から所定の期間が経過したことを条件として、芳香の発生の有無の確認を促すメッセージ(例えば「芳香をチェック!」)等を音声又は表示によって報知する構成とすることも可能である。
(14)上記実施の形態においては、スピーカやファンを用いて混合気体を遊技機外に放出させる構成としたが、例えば前扉枠14等に遊技機前方から視認可能となるように配設された装飾部材等の可動体が動くことにより、混合気体を遊技機外に放出させる構成とすることも可能である。この場合、可動体が芳香発生時だけではなく芳香非発生時においても動作する構成として「可動体の動作」=「芳香発生」となることを回避すれば、芳香発生の有無が可動体の動きから露呈することを抑制できる。つまり、上記可動体については芳香発生の有無とは無関係に動作し得る構成として上述したような装飾系の可動体を採用することには芳香発生を視覚に係る情報から察知されることを抑制できるという技術的意義がある。
(15)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したこと等を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。上記抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示され、遊技状態が特別遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等のような遊技機においては斬新な遊技機が求められており、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の遊技状態となっている場合に、当該所定の遊技状態に対応した態様にて香りを発生させる香発生手段(例えば芳香発生装置300)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状態に対応させて絵柄の可変表示等によって視覚に係る情報が発信されたり、BGMや効果音等によって聴覚に係る情報が発信されたりする構成と比べて、香りの発生については、遊技機側での動作から遊技者がそれに気が付くまでの期間にタイムラグが生じたり、遊技機の設置環境等に応じて伝わり方に違いが生じたりする。遊技状態に対応させて香りを発生させることにより、今までにない斬新な遊技が可能となり、遊技機への注目度等の向上に貢献できる。
特徴A2.前記遊技状態として、通常遊技状態及び当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態が設けられており、
前記特別遊技状態となっている場合に、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記通常遊技状態は、第1通常遊技状態及び当該第1通常遊技状態よりも前記遊技状態移行手段により前記特別遊技状態に移行されやすい第2通常遊技状態を有してなり、
前記第2通常遊技状態となっている場合に、前記香発生手段を作動させて香りを発生させることにより当該第2通常遊技状態となっていることを示唆する示唆手段を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
視覚や聴覚に係る情報とは異なり、嗅覚に係る情報についてはその発生元を即座に特定するのは難しくなる。つまり、遊技者が香りを感じた場合であっても、その発生元を特定するには遊技機へ近づく等の積極的な動きが必要となる。ここで、第2通常遊技状態となっているか否かが香りによって示唆される構成とすれば、他の遊技機から漂う香りである可能性を否定できないため、香りを感じた時点でその発生元が自身の遊技機であると断定することは難しくなる。このため、遊技状態を見極めようとした場合に、遊技者に対して香りの発生元を確認するといった動作を促すことができる。これにより、遊技の単調化の抑制に貢献できる。
特徴A3.遊技進行に応じて視覚演出を行う視覚演出手段(例えばランプ部26や図柄表示装置253)及び聴覚演出を行う聴覚演出手段(例えばスピーカ部29)と、
前記特別遊技状態後に移行した遊技状態が、前記第1通常遊技状態及び前記第2通常遊技状態のいずれであるかを遊技者が識別困難又は不可となるように前記視覚演出手段による視覚演出及び前記聴覚演出手段による聴覚演出を規制する演出規制手段(報知・演出制御装置140のMPU542にて演出態様を決定する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上述したように、そもそも視覚演出については自身の遊技機が出所となっているか否かが明確であり、聴覚演出についても自身の遊技機が出所となっているか否かを特定することが容易である。これに対して香りについてはその出所を特定することが困難である。このような、ある種のあいまいさを残しながら遊技状態の示唆を行う構成においては、特徴A2等に示した効果を享受できる反面、視覚演出や聴覚演出よりも立場が弱くなる。つまり、視覚演出や聴覚演出により遊技状態が示されてしまうと、香りによって遊技状態を示唆する意義が薄れてしまう。そこで、本特徴に示すように、視覚演出及び聴覚演出を規制することにより、香りを発生させることの存在意義の低下を好適に抑制することができる。
特徴A4.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402における抽選機能)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球部(可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU402にて大入賞口開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記通常遊技状態は、第1通常遊技状態及び当該第1通常遊技状態よりも前記遊技状態移行手段により前記特別遊技状態に移行されやすい第2通常遊技状態を有してなり、
前記遊技状態移行手段は、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態に移行させる第1移行手段と、
前記特別遊技状態の終了後に、遊技状態を前記第1通常遊技状態に移行させる第2移行手段と、
前記特別遊技状態の終了後に、遊技状態を前記第2通常遊技状態に移行させる第3移行手段と
を有し、
遊技進行に応じて視覚演出を行う視覚演出手段(例えばランプ部26や図柄表示装置253)及び聴覚演出を行う聴覚演出手段(例えばスピーカ部29)と、
前記特別遊技状態後に移行した遊技状態が、前記第1通常遊技状態及び前記第2通常遊技状態のいずれであるかを遊技者が識別困難又は不可となるように前記視覚演出手段による視覚演出及び前記聴覚演出手段による聴覚演出を規制する演出規制手段(報知・演出制御装置140のMPU542における演出態様を決定する機能)と、
前記第2通常遊技状態となっている場合に、前記香発生手段を作動させて香りを発生させることにより当該第2通常遊技状態となっていることを示唆する示唆手段(報知・演出制御装置140のMPU542にて遊技状態の示唆を行う機能)と
を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
視覚や聴覚に係る情報とは異なり、嗅覚に係る情報についてはその発生元を即座に特定するのは難しくなる。つまり、遊技者が香りを感じた場合であっても、その発生元を特定するには遊技機へ近づく等の積極的な動きが必要となる。ここで、第2通常遊技状態となっているか否かが香りによって示唆される構成とすれば、他の遊技機から漂う香りである可能性を否定できないため、香りを感じた時点でその発生元が自身の遊技機であると断定することは難しくなる。このため、遊技状態を見極めようとした場合に、遊技者に対して香りの発生元を確認するといった動作を促すことができる。これにより、遊技の単調化の抑制に貢献できる。
そもそも視覚演出については自身の遊技機が出所となっているか否かが明確であり、聴覚演出についても自身の遊技機が出所となっているか否かを特定することが容易である。これに対して香りについてはその出所を特定することが困難である。このような、ある種のあいまいさを残しながら遊技状態の示唆を行う構成においては、上述した効果を享受できる反面、視覚演出や聴覚演出よりも立場が弱くなる。つまり、視覚演出や聴覚演出により遊技状態が示されてしまうと、香りによって遊技状態を示唆する意義が薄れてしまう。そこで、本特徴に示すように、視覚演出及び聴覚演出を規制することにより、香りを発生させることの存在意義の低下を好適に抑制することができる。
特徴A5.遊技者により所定の操作が行われたことに基づいて遊技を進行させる制御を行う遊技進行制御手段を備え、
前記示唆手段は、前記遊技進行制御手段により遊技が進行していることを条件として前記示唆を行う手段を有していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、香りの発生の有無が実際に遊技が行われているか否かに左右されることとなる。このため、遊技状態を確認しようとした場合に遊技者に遊技を行うように促すことができる。これにより、遊技機の稼働率の向上に貢献できる。特に、光や音とは異なり、例え香りが発生したとしても即座にその発生元を特定することが難しくなるため、ある程度の期間に亘って遊技を継続するように促すこともでき、更なる稼働率の向上が期待できる。
特徴A6.時刻情報を取得する時刻情報取得手段(報知・演出制御装置140のMPU542にてRTCから時刻情報を取得する機能)と、
前記時刻情報取得手段によって取得された時刻情報に基づいて、所定の時刻となったか否かを判定する時刻判定手段(報知・演出制御装置140のMPU542にて時刻判定を行う機能)と
を備え、
前記示唆手段は、前記所定の時刻となったことを条件として前記示唆を行う手段を有していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定の時刻となったことを条件として遊技状態の示唆が行われる。これにより、稼働中でない遊技機に対しても遊技者の注目を促すことができる。特に、香りついては実際に遊技機に近づいてみるまで有無を確認できない。また時間がたてば拡散/移動するため香りの発生元を特定することが困難になる。これにより、上述した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴A7.遊技者により所定の操作が行われたことに基づいて遊技を進行させる制御を行う遊技進行制御手段と、
時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記時刻情報取得手段によって取得された時刻情報に基づいて、所定の時刻となったか否かを判定する時刻判定手段と
を備え、
前記示唆手段は、
前記遊技進行制御手段により遊技が進行していることを条件として第1態様で香りを発生させることにより前記示唆を行う手段と、
前記所定の時刻となったことを条件として前記香発生手段を前記第1態様よりも遊技者に届くまでに拡散しやすい第2態様で香りを発生させることにより前記示唆を行う手段と
を有していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の時刻となったことを条件として遊技状態の示唆が行われる。これにより、稼働中でない遊技機に対しても遊技者の注目を促すことができる。特に、香りついては実際に遊技機に近づいてみるまで有無を確認できない。また時間がたてば拡散/移動するため香りの発生元を特定することが困難になる。これにより、上述した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
但し、実際に遊技を行っている場合と遊技を行っていない場合とでは、香りの発生態様が相違する。遊技を行っている方が発生元を特定しやすい態様にて香りが発生するため、遊技者にとって有利となる。このような構成とすることにより、遊技者に遊技を行うように促すことができ、遊技機の稼働率の向上に好適に貢献することができる。
特徴A8.前記示唆手段は、第1示唆手段であり、
前記第1通常遊技状態となっている状況下にて前記所定の時刻となったことを条件として前記香発生手段を作動させて香りを発生させることにより当該第1通常遊技状態となっていることを示唆する第2示唆手段を備え、
前記第1示唆手段に係る香りと前記第2示唆手段に係る香りとは種類が共通であるが、香りの強さが相違していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、遊技中に所定の時刻となった場合と、非遊技中(待機中)に所定の時刻となった場合とで、発生する香りの種類が共通化されており、違いは香料(香りの強さ)に限定されている。ここで、香りの強さの違いは、時間経過や環境条件によって明確に識別することが困難になる。但し、実際に遊技を行っていればそれら時間経過等の影響は受けにくいため遊技者が不利になることはなく、遊技を行っていない場合に香り発生の有無を事後的に確認しようとした場合の影響が大きくなる。以上の構成によれば特徴A7等に示した効果を好適に発揮させることができる。
また、香りを複数種併用する構成とした場合には、香りが残る等することにより、芳香を発生させる場合に本来の香りとは異なる香りとして伝わる可能性を否定できない。故に、香りの種類ではなく強さによって差別化を図ることには技術的意義がある。
特徴A9.香りを消す消臭手段(消臭剤放出部321A等)を備え、前記香発生手段から香りが発生した後に前記消臭手段によって当該香りの少なくとも一部を消すことを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、香り発生後に敢えてその元を絶つことで、例えば前後左右等の遊技機を含めた複数の遊技機について香りの発生元である可能性を残すことが可能となる。これにより、実際には香りが発生していない遊技機についても注目度の向上効果の恩恵下におくことができる。
特徴A10.前記香発生手段から香りが放出される放出通路(音導出部352等)を有し、
前記消臭手段は、前記放出通路を通じて消臭成分を放出するように構成されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
遊技機側で香りの発生を停止させても、その一部が付着する等して残存する可能性を否定できない。このように香りが残ってしまっては、実際に遊技状態を示唆していない状況下においても、遊技状態の示唆が行われているかのような誤解を与えかねない。そこで、香りの放出通路と同じ通路を経て消臭成分を放出する構成とすることにより、通路内に残った香りを消すことができ、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
<特徴B群>
特徴B1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU402にて抽選処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果に基づいて遊技を進行させる処理を行う遊技制御手段(例えば主制御装置162のMPU402にて遊技回制御処理や遊技状態移行処理等を実行する機能)と、
遊技進行に伴って表示演出を実行する表示演出実行手段(図柄表示装置253)と、
遊技進行に伴って香りを発生させる香発生手段(芳香発生装置300)と、
前記表示演出実行手段により所定の表示演出(例えば泡画像の表示)が行われる場合に、前記香発生手段を制御することにより前記所定の表示演出に対応する所定の香演出を実行する香演出実行手段(報知・演出制御装置140のMPU542にて芳香演出を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、表示演出の流れに応じて香演出を行うことにより、視覚に係る情報と嗅覚に係る情報とに関連性を付与することができ、今までにない斬新な演出を行うことができる。これにより、遊技の単調化を抑え、遊技への注目度向上に貢献することができる。特に、所定の表示演出が行われる場合には、何らかの変化が行われる可能性があることが遊技者に示唆されるため、当該所定の表示演出が行われる場合に遊技者の注目を遊技機に向けさせることができる。香りについては、伝播をさせる際の応答性が光等と比べて低く、遊技者が意図せぬ方向例えば左右や後方等を向いている状態では上手く届かない可能性が高くなる。これでは、上述したように関連性を付与したことによる効果が上手く発揮されなくなる。そこで、所定の表示演出と香りの発生との関連づけを行うことにより、そのようは不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B2.前記香演出実行手段は、
前記所定の表示演出が行われることを当該所定の表示演出が行われる前に把握する手段と、
前記所定の表示演出が行われることを把握した場合に、当該所定の表示演出に先行して前記所定の香演出の準備を開始する手段と
を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上述したように光や音と比べて香りによる演出については応答性が低い。感応的な意味での応答性(以下、感応的応答性と称する)を向上させようとすれば、例えば事前に香料をある程度拡散させておく等の事前準備が必要となり得る。但し、これでは時間的な意味での応答性(以下、時間的応答性と称する)が低下し得る。そこで、本特徴に示すように、所定の表示演出が行われる場合には、それに先駆けて所定の香演出の準備を開始させることにより、時間的応答性の低下を軽減することができる。
なお、好ましくは所定の表示演出が行われる前に、所定の香演出の準備を完了させておくことが好ましい。
特徴B3.前記香発生手段は、
香料が供給される供給部(シリンダ部315)と、
前記供給部に供給された香料が拡散される拡散部(例えば音導出部352)と、
前記拡散部にて拡散された香料を遊技機外に放出する放出手段(スピーカ351等)と
を有し、
前記所定の香演出の準備により、少なくとも前記供給部への香料の供給が行われることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、予め香料を空気に混ぜた混合気体を準備する構成とすることにより、香演出を行う場合の時間的応答性を向上させることができる。
特徴B4.前記香発生手段は、
香料が供給される供給部(シリンダ部315)と、
前記供給部に供給された香料を拡散させる拡散部(音導出部352)と、
前記拡散部にて拡散された香料を遊技機外に放出する放出手段(スピーカ351等)と
を有し、
前記香演出実行手段は、前記所定の表示演出が行われる場合に、前記拡散部に拡散された香料を当該所定の表示演出に先行して前記放出手段により放出する手段を有していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
視覚演出を開始してそれが遊技者に認識されるまでに要する時間と、香演出を開始してそれが遊技者に認識されるまでに要する時間とを比較した場合には、前者よりも後者の方が長くなる。例えば、放出を行う際の風量等を上げれは香り発生に係る時間を短縮できるものの、風が過度に直接的となって触覚的な変化が際立ってしまい嗅覚的な変化のインパクトが低下し得る。また、香料を遊技者に直接吹きかける構成とすれば時間短縮を実現できる反面、香り発生に伴う動きが目立ったり香りが過度に直接的となって遊技者に不快感を与えたりしかねない。これらの事情に配慮した場合には、ある程度時間をかけながら香りを放出する必要がある。この点、本特徴に示すように、所定の表示演出が行われる前に、放出を行うことにより、上述した各種不都合の発生を好適に抑制することができる。故に、所定の表示演出と所定の香演出との連携機能を好適に強化することができる。
特徴B5.表示部(表示画面253a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置253)を備え、
前記取得情報記憶手段は、前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶するように構成されており、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行うように構成されており、
前記遊技制御手段は、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と
を有し、
前記香演出実行手段は、前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合であって、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回にて前記所定の表示演出を実行する場合に、当該先特定手段の特定対象となった遊技回よりも前の遊技回にて前記所定の表示演出に対応する前記所定の香演出の準備を開始する手段を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように光や音と比べて香りによる演出については応答性が低い。感応的な意味での応答性(以下、感応的応答性と称する)を向上させようとすれば、例えば事前に香料をある程度拡散させておく等の事前準備が必要となり得る。但し、これでは時間的な意味での応答性(以下、時間的応答性と称する)が低下し得る。そこで、本特徴に示すように、所定の表示演出が行われる場合には、それよりも前の遊技回にて所定の香演出の準備を開始させることにより、時間的応答性の低下を軽減することができる。所定の表示演出及び所定の香演出が行われる該当遊技回に縛られることなく事前の準備を可能とすることにより、香演出に係る時間的な制約を好適に軽減することができる。
特徴B6.前記先特定の結果に基づいて前記所定の表示演出が開始されるまでの期間に係る期間情報を把握する手段と、
前記期間情報に基づいて前記所定の香演出の準備を行うことが可能であるか否かを判定する可否判定手段と、
前記可否判定手段による判定結果に基づいて前記所定の香演出を規制する手段と
を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
事前準備にある程度の時間を要する構成では、所定の表示演出が開始されるまでに準備を終えることができるか否かが重要になる。この種の構成に対して、特徴B5に示した技術的思想を適用し、該当遊技回よりも前の遊技回を含めて準備期間を確保する構成とすれば、香演出の発生機会の減少を好適に抑制することができる。
特徴B7.前記香発生手段は、
香料が供給される供給部(シリンダ部315)と、
前記供給部に供給された香料が拡散される拡散部(例えば音導出部352)と、
前記拡散部にて拡散された香料を遊技機外に放出する放出手段(スピーカ351等)と、
前記供給部から前記拡散部への気体の移動を許容する許容状態及び当該気体の移動を規制する規制状態に切替可能な規制手段(シャッタ341)と
を有し、
前記供給部への香料の供給は前記規制手段が前記規制状態となっている状況下にて実行されていることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
特徴B5等に示したように事前に準備を開始する構成においては、香料が漏れ出す等して所定の表示演出よりも先に香りが遊技者に届くことで、所定の表示演出が控えていることが露呈する可能性が生じる。この点、本特徴に示すように、規制手段によって供給部から拡散部への気体の移動を規制している状況下にて香料の供給を行う構成とすれば、応答性の向上に起因して連携機能が低下することを好適に抑制できる。
特徴B8.前記規制手段の前記許容状態への切り替えは少なくとも前記所定の表示演出に係る遊技回となるまで遅延されるように構成されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、所定の表示演出に係る遊技回となるまでは、上記規制手段が規制状態のまま維持される。これにより、特徴B6に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴B9.前記香発生手段は、前記供給部にて生成された前記香料を含む混合気体を遊技進行に応じて複数回に分けて前記拡散部へ供給することにより前記混合気体を複数回に分けて遊技機前方へ放出させる手段を有していることを特徴とする特徴B8に記載の記載の遊技機。
所定の香り演出を行う場合には、香料を増やすことにより香りを強調することができる。しかしながら、このような対応を講じた場合には、香りが過度に強くなって遊技者に不快感を与えやすくなる。そこで、香料を複数回に分けて出力する構成とすれば、先に出力された香料は後に出力された香料が到着するまでにある程度拡散されることとなり、香りが過度に強くなることを抑制できる。また、香りの拡散範囲を広域化することにより、遊技者が香りの発生に気付かないまま所定の香演出が終了することを抑制できる。
特徴B10.前記香発生手段は、前記供給部内を前記拡散部へ近くづく側及び当該拡散部から遠ざかる側へ移動するピストン(ピストン331)を有し、当該ピストンを前記拡散部側へ移動させることで前記供給部内の前記混合気体を前記拡散部へと押し出すように構成されており、
前記香演出実行手段は、前記ピストンの全ストロークを複数に分けて、当該ピストンを前記送風通路へ段階的に近づけることにより前記放出を複数回に分けて行うように構成されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10に示すように、生成された混合気体を小分けにして押し出す(送り出す)構成とすれば、混合気体の放出量の調整が容易となる。これにより、特徴B9に示した技術的思想を好適に具現化できる。また、複数回に亘って混合気体を放出する場合であっても、都度の放出に合せて上述した準備を行う必要がない。このため、香演出を迅速に遂行することができる。
特徴B11.遊技進行に伴って演出音を主力する音出力手段(スピーカ351)と、
前記音出力手段から出力された演出音を遊技機前方へ導く音導出部(音導出部352)と
を備え、
前記香発生手段からの香りが、前記音導出部を通じて遊技機前方へ供給される構成となっていることを特徴とする特徴B5乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、音出力手段を香放出用の動力源として利用できる。このように、音出力手段を演出音出力用の手段及び香り放出用の手段として併用することにより、特徴B1に示した効果を享受しつつそれに起因して演出に係る構成の占有領域が圧迫されることを抑制できる。
なお、このような構成においては、香演出とは関係なくBGM等の演出音(可聴音)が出力され、演出音の出力に応じて音導出部内の気体が遊技機前方へと移動し得る。これは、上述した香りの漏れを発生させる要因となる。そこで、本特徴に示す構成とする場合には、上記供給部と音導出部とを演出音が出力される状況下においては寸断することにより、供給部から音導出部への気体の移動を規制する構成とすることが好ましい。
<特徴C群>
特徴C1.所定の方向に延びる通路部(音導出部352)と、
香料を供給する供給手段(香料放出部311)と、
前記通路部の外に設けられ、前記供給手段から香料が供給されることにより当該香料を含んだ混合気体が生成される混合気体生成部(中間噴霧領域SE)と、
前記混合気体を前記混合気体生成部から前記通路部へ送り出す送出手段(ピストン331や駆動部332等)と、
前記通路に存在している前記混合気体を当該通路部の出口部分から遊技機前方へ放出させる放出手段(スピーカ351等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
例えば絵柄の可変表示等によって視覚に係る情報が発信されたり、BGMや効果音等によって聴覚に係る情報が発信されたりする構成と比べて、香りの発生については、遊技機側での動作から遊技者がそれに気が付くまでの期間にタイムラグが生じたり、遊技機の設置環境等に応じて伝わり方に違いが生じたりする。遊技状態に対応させて香りを発生させることにより、今までにない斬新な遊技が可能となり、遊技機への注目度等の向上に貢献できる。
本特徴においては特に、供給領域にて混合気体(以下、1次混合気体ともいう)が生成され、この1次混合気体が通路部に送り出される。通路部に移った1次混合気体は当該通路部内にて拡散され、通路部内に混合気体(以下、2次混合気体ともいう)が生成される。このように、段階的に香料が拡散されることにより混合気体における香料の濃淡差が減縮され、混合気体がある程度均質化された状態で遊技機前方へと放出されることとなる。これにより、香りによって演出等を行う場合であっても、香りが上手く拡散されず香料の薄い部分が遊技者に届いて遊技者に気付かれなくなったり、逆に香料の濃い部分が遊技者に届いて不快感を与える要因となったりすることを回避できる。
特徴C2.前記混合気体生成部に設けられ、前記混合気体生成部に供給された香料を当該混合気体生成部にて拡散させる拡散手段を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2に示すように、混合気体生成部にて香料を積極的に拡散させることにより、1次混合気体における香料の濃淡差を好適に減縮でき、香料が十分に拡散された1次混合気体を通路部に送ることにより、通路部内の気体との混合を促進できる。
特徴C3.前記放出手段は、
前記通路部に当該通路部の出口部分(貫通孔362)に向けた風の流れを生じさせる送風手段(スピーカ351等)と、
前記送風手段の駆動制御を行う駆動制御手段(報知・演出制御装置140のMPU542)と
を有し、
前記駆動制御手段は、前記混合気体生成部にて生成された混合気体が前記送出手段によって前記通路部に送り出された後に、前記送風手段による送風を開始する手段を有していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
混合気体を風に載せて運ぶ構成においては、混合気体が届くよりも先に風が当たる等して触覚的な変化が生じては、その後に香りが発生することが露呈してしまう。これでは、香りの発生によるインパクトが低下すると想定される。そこで、通路部にて2次混合気体が生成された後に送風手段による送風を開始する構成とすることにより、触覚的な変化に対して嗅覚的に変化が遅れることを抑制することができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴C4.前記混合気体生成部は、前記通路部と交差する方向に延びる通路状をなしており、
前記通路部には、前記混合気体生成部に通じる開口部(開口部366)が形成されており、
前記送出手段は、前記混合気体生成部内を当該混合気体生成部に沿って移動可能に設けられたピストン(ピストン331)を有し、
前記ピストンが前記通路部側へ移動することにより、前記混合気体生成部に存在する混合気体が前記通路部側へ送り出されることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、ピストン(可動体)が通路部側へ移動することにより、混合気体生成部に存在する混合気体が通路部へと移動する。係る構成によれば、混合気体が混合気体生成部に残ることを抑制し、混合気体の送出効率を好適に向上させることができる。
特徴C5.前記混合気体生成部は、前記ピストンが前記開口部とは反対側へ移動することにより形成され、
前記供給手段は、前記ピストンの前記開口部とは反対側への移動に伴って前記混合気体生成部に前記香料を供給するように構成されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、ピストンが開口部とは反対側へ移動(後退)することにより、混合気体生成部内には、例えば当該ピストンの移動方向へ向けた気体の流れが生じる。このように、混合気体生成部内の気体が動いている状況下にて香料を供給すれば、当該気体の動きに合せて香料が拡散されることとなる。これにより、特徴C2に示した技術的思想の実現に起因した構成の複雑化を抑制できる。
特徴C6.前記混合気体生成部は、前記ピストンが前記開口部とは反対側へ移動することにより形成され、
前記供給手段は、前記ピストンの前記開口部とは反対側への移動に伴って前記混合気体生成部に前記香料を供給され、
前記ピストンは、前記混合気体生成部に前記香料が供給された後に前記開口部側へ移動するように構成されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、ピストンが開口部とは反対側へ移動(後退)することにより、混合気体生成部内には、例えば当該ピストンの移動方向へ向けた気体の流れが生じる。このように、混合気体生成部内の気体が動いている状況下にて香料を供給すれば、当該気体の動きに合せて香料が拡散されることとなる。これにより、特徴C2に示した技術的思想の実現に起因した構成の複雑化を抑制できる。
また、ピストンが再び開口部へと移動することにより、混合気体生成部内の混合気体側通路部へ押し出されることとなる。このように、ピストンの往復動を利用することにより、香発生に係る動作が簡素化できる。
特徴C7.前記ピストンは、前記開口部寄りとなる第1位置と、当該第1位置よりも前記開口部から遠い第2位置とに移動可能となっており、前記第1位置に配置された状態では、前記通路部の壁面の一部を形成するように構成されており、
前記ピストンが前記第1位置に配置されている状況下にて前記放出手段による前記通路部内の混合気体の放出がなされることを特徴とする特徴C4乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
放出手段によって混合気体を放出する際には、ピストンによって通路部の壁面(開口部)を補完することにより、当該通路部内での気流の乱れや圧力損失を好適に抑制することができる。これは、放出される混合気体の流速を担保する上で好ましい構成である。
特徴C8.前記通路部は前後に延び、その出口部分が遊技機前方を向いており、
前記ピストンの移動方向は前記通路部の通路方向と交差する方向に延びていることを特徴とする特徴C4乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
ピストンを用いて混合気体を移動させる構成によれば、上述した各種効果を享受できる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、通路部の出口部分を通じてピストンの動きを視認可能となれば、ピストンの動き(視覚情報)から後に香りが発生することが露呈し得る。この点、本特徴に示すようにピストンの動きを工夫することにより、その動きが目に付きやすくなることを回避できる。故に、香発生が遊技者に事前に察知されて香発生の意外性が低下することを抑制できる。
特徴C9.前記通路部及び前記混合気体生成部が連通する連通状態と、前記通路部及び前記混合気体生成部とが連通しない非連通状態とに切り替える切替手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9によれば、通路部と混合気体生成部とを連通/非連通で切り替える構成とすることにより、例えば香りを発生させる状況でない場合に香料が漏れることを抑制すること、更には送風を行う際に混合気体生成部の存在が流れを乱す要因になることを抑制することが可能となる。
特徴C10.前記通路部には、当該通路部の出口部分に向かう気体を整流する整流手段が設けられており、
前記混合気体生成部と前記通路部との連通部分は、前記整流手段と前記送風手段との間に位置していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C9によれば、遊技機前方への混合気体の放出に鑑みれば通路部を通過する気体の流れに伴った乱れが小さい方が好ましい。一方、1次混合気体から2次混合気体を生成する場合の拡散度合いに鑑みれば通路部を通過する気体の流れに伴った乱れが大きい方が好ましい。そこで、本特徴に示すように、整流手段を用いて乱れを少なくする前に(整流手段よりも上流側)にて1次混合気体が通路部へ移る構成とすることにより、上記2つの課題を好適に解消することができる。
特徴C11.前記通路部において前記出口部分と反対側の端部は通気可能となるように開放されており、
前記放出手段は、
前記通路部に当該通路部の出口部分(貫通孔362)に向けた風の流れを生じさせるファン装置(ファン351D等)と、
前記送風手段の駆動制御を行う駆動制御手段(報知・演出制御装置140のMPU542)と
を有し、
前記駆動制御手段は、
前記ファン装置を所定方向に回転させることで前記通路部の気体を前記出口部分へ送る第1制御手段と、
前記第1駆動手段による送風が行われていない状況下にて前記ファン装置を前記所定方向とは反対方向に回転させる第2制御手段と
を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C10のいずれか1つに記載の遊技機。
香料を含んだ混合気体を生成して、当該混合気体を遊技機前方に放出する構成においては、通路部の壁面等に香料が付着することにより、香りが残る可能性がある。残存する香りが強くなると、香りを発生させていない状況下においても香りが発生しているかのような誤解を遊技者に与える可能性が高くなる。そこで、本特徴に示すように、香りを発生していない状況下にてファン装置を所定方向とは反対方向に回転(逆回転)させることにより、香りを遊技機後方に逃がすようにして換気を行うことができる。このようにして換気を行うことにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴C12.振動部(コーン紙351b)を有し、当該振動部の振動により音を発生させるスピーカ(スピーカ351)と、
前記スピーカを制御するスピーカ制御手段(報知・演出制御装置140)と
を備え、
前記スピーカは、前記スピーカ制御手段によって制御されることによりその出力態様が可聴領域に属する音を出力する態様と非可聴領域に属する音を出力する態様との何れかに切り替えられる構成となっており、
前記スピーカは、前記通路部を通じて音を出力可能なる位置に配置されており、
前記放出手段は、前記スピーカから前記非可聴領域に属する音を出力させることにより、前記送風通路の気体を当該通路部の出口部分へ送るように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C10のいずれか1つに記載の遊技機。
スピーカを用いて混合気体を放出させる構成とすれば、構成の簡略化だけでなく放出のための動作を目立ちにくくする上で効果的である。また、上記非可聴音を出力していない場合であっても、BGM等の可聴音を出力することにより、通路部における気体の滞留を抑制し、香りが籠ることを好適に抑制できる。
スピーカの振動部を利用した風の出力は、音の出力に依存しており、風の出力を継続するには音を継続的に出力する必要がある。つまり、通常のスピーカの出力態様(可聴領域に属する音を出力することを前提とする出力態様)においては、触覚的な報知・演出機能が聴覚的な報知・演出機能に強く依存してしまう。この点、本特徴に示すように香りを発生させる際には非可聴領域に属する音を出力する構成とすることで、出力を上げて風量を増大させた場合であっても音自体は聞こえないので上記嗅覚に係る報知・演出機能を聴覚に係る制約を受けずに任意に設定でき、当該機能を上手く発揮させることが可能となる。
なお、本特徴に示す「可聴領域」は人を基準に設定されており、およそ20Hz〜20kHzを示すものである。また、振動を大きくして風の強さを上げるには出力する音の周波数を20kHz以上とするよりも20Hz以下とすることが好ましい。
特徴C13.前記スピーカ制御手段は、前記スピーカが前記第2状態となっている状況下にて前記非可聴領域に属する音を出力する場合に、前記スピーカの音量を上げる音量増大手段(報知・演出制御装置140)を有していることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
特徴C12に示したように非可聴領域に属する音を出力する構成においては、それに合わせて音量を上げることにより発生する風の風量や風圧を上げることが可能となる。この場合であっても、音自体は非可聴領域に属しているため、遊技者に騒々しいとの印象を与えることを回避することができる。
特徴C14.前記混合気体生成部に、消臭剤を供給する消臭剤供給手段と、
前記放出手段によって遊技機前方に混合気体が放出された後に、前記消臭剤供給手段による消臭剤の供給を行う手段と
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C14によれば、香り発生に係る示唆や演出等を行った後に、香料と同じ箇所に消臭剤を供給することにより、残り香の発生を好適に抑制することができる。
なお、このような消臭機能を発揮させる上では、混合気体生成部にて消臭剤を含んだ混合気体が生成された後に、当該混合気体を通路部へ送る構成とすることで、通路部や送り手段についても消臭対象に含めることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘部材93等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。