<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿55aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37、普図ユニット38及び停止表示ユニット39等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ないものの具体的な賞球個数が上記ものとは異なる構成としてもよく、第1作動口33と第2作動口34とで賞球個数を同一としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には、第1特図表示部37aと、第2特図表示部37bとが設けられている。第1特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭く、同様に、第2特図表示部37bの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。さらに、第1特図表示部37aと第2特図表示部37bとを合わせた表示領域の面積も、表示面41aよりも狭い。
第1特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部37bでは、第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
なお、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bに隣接した位置には、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部37cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留表示部37dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞に基づき第1特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、第2作動口34への入賞に基づき第2特図表示部37bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。図4は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図5は図柄表示装置41の表示面41aを示す図である。
図4(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面41aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図5(b)に示すように、表示面41aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面41aには、図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて表示面41aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する最有利大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成される。また、内部抽選の結果が後述する明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果又は小当たり結果であった場合には、いずれかの有効ライン上に所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合にも、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
図3の説明に戻り、特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
停止表示ユニット39には、停止準備表示部39aと、停止表示部39bとが設けられている。また、停止表示ユニット39には、停止準備表示部39aであることを示す文字が当該停止準備表示部39aに隣接させて付されているとともに、停止表示部39bであることを示す文字が当該停止表示部39bに隣接させて付されている。
停止準備表示部39aは、オンオフ制御される単色タイプのLEDランプであり、後述する一時停止準備状態(一時停止準備フラグ=1の状態)の設定に際してオン制御され、当該一時停止準備状態の解除に際してオフ制御される。また、停止表示部39bは、オンオフ制御される単色タイプのLEDランプであり、後述する一時停止状態(一時停止状態フラグ=1の状態)の設定に際してオン制御され、当該一時停止状態の解除に際してオフ制御される。これら停止準備表示部39a及び停止表示部39bについての発光制御の内容、及びその機能については、後に詳細に説明する。
なお、停止準備表示部39a及び停止表示部39bの少なくとも一方は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器によって構成されていてもよい。また、停止準備表示部39a又は停止表示部39bの表示内容としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。また、停止準備表示部39a及び停止表示部39bという複数の表示部が設けられている構成に限定されることはなく、1個の表示部における表示色や表示内容を変更させることで、一時停止準備状態であることの報知と、一時停止状態であることの報知とが行われる構成としてもよい。
図2に示すように、上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部51の上方には表示発光部53が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部54が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部55と下側膨出部56とが上下に並設されている。上側膨出部55内側には上方に開口した上皿55aが設けられており、下側膨出部56内側には同じく上方に開口した下皿56aが設けられている。上皿55aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿56aは、上皿55a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部56には、下皿56aの横方に、一時停止操作部57が設けられている。一時停止操作部57は、プッシュボタン式となっており、一時停止操作部57が操作されることにより遊技の進行を一時的に停止させる一時停止状態の設定が行われるとともに、当該一時停止状態において再度、一時停止操作部57が操作されることにより、当該一時停止状態が解除される。一時停止状態の内容については、後に詳細に説明する。
下側膨出部56において一時停止操作部57の下方には、外部出力端子58が設けられている。外部出力端子58には、外付けの図示しないヘッドホンの端子と接続可能となっており、当該ヘッドホンが接続されている場合にはスピーカ部54からの音出力が停止される代わりに、外部出力端子58を通じたヘッドホンからの音出力が行われる。したがって、遊技者は、遊技の進行に応じた音や音声をヘッドホンから聞きながら遊技を行うことが可能となる。
なお、外部出力端子58にヘッドホンが接続されている場合であっても、同一の音又は音声がスピーカ部54から出力される構成であってもよい。この場合、ヘッドホンが接続されている場合は非接続の場合よりも、スピーカ部54からの音量が小さくなる構成としてもよい。また、外部出力端子58に代えて、遊技者が携帯端末装置に音出力データを送信可能とする送信部を有する構成としてもよい。この場合、携帯端末装置において送信部から受信した音出力データに応じた音又は音声が出力され、遊技者は携帯端末装置に接続されているヘッドホンなどを通じてその音又は音声を聞くことが可能となる。このように送信部から音出力データが送信される構成においては、当該音出力データを送信させるような操作が送信部に対してされた場合には、上記ヘッドホンが接続された状態と同様の状態となる構成としてもよい。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載されている。主制御装置60は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置60を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿55a又は下皿56aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うとともに、遊技ホールの管理コンピュータからパチンコ機10に所定の信号を入力するための基板である。当該外部端子板79の詳細については後に説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU62に対してROM63及びRAM64が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65が接続されているとともに、払出制御装置77が接続されている。停電監視基板65には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。
MPU62の入力側には、各種入賞検知センサ66a〜66eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ66a〜66eには、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU62において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU62では第1作動口33及び第2作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU62の入力側には、一時停止操作部57が接続されている。一時停止操作部57は、一時停止操作信号として、非操作の状態ではLOWレベルである非操作信号を出力し、操作された状態ではHIレベルである操作発生信号を出力する。なお、これらHI・LOWの関係が逆であってもよい。MPU62では、一時停止操作部57から入力する一時停止操作信号の信号レベルを監視することで、一時停止操作部57が操作されたか否かを特定することが可能となっている。
MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置77及び音声発光制御装置80が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置80には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
MPU62の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる特電用の駆動部32b、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット37、普図ユニット38及び停止表示ユニット39が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。同様に、停止表示ユニット39には、停止準備表示部39a及び停止表示部39bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、MPU62において特電用の駆動部32bの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、MPU62において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU62において特図ユニット37の表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において普図ユニット38の表示制御が実行される。また、後述する一時停止準備状態の設定に際しては、停止表示ユニット39の停止準備表示部39aの表示制御が実行され、後述する一時停止状態の設定に際しては、停止表示ユニット39の停止表示部39bの表示制御が実行される。
停電監視基板65は、主制御基板61と電源・発射制御装置78とを中継し、また電源・発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置60や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成し、その生成した動作電力を供給する。
当該動作電力を供給するための構成について具体的には、電源・発射制御装置78には、電入中用電源部78aと電断中用電源部78bとが設けられている。電入中用電源部78aは、例えば、遊技ホール等における商用電源に接続されており、商用電源から外部電力が供給されている状況において、動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する機能を有する。電断中用電源部78bは、コンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入中用電源部78aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断中用電源部78bから放電され主制御装置60のRAM64及び払出制御装置77の図示しないRAMに対してバックアップ電力が供給される。よって、当該状況であっても、電断中用電源部78bからバックアップ電力が供給されている間は主制御装置60のRAM64及び払出制御装置77のRAMに記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ここで、主制御装置60のRAM64には現状の遊技状態及び遊技の進行内容の情報が一時的に記憶されるとともに、払出制御装置77のRAMには未払出の賞球個数の情報が一時記憶される。この場合に、これらRAMに上記のように電断中用電源部78bからバックアップ電力が供給されることにより、電入中用電源部78aからの電力供給がない状況であっても、現状の遊技状態、遊技の進行内容及び未払出の賞球情報を所定期間に亘って記憶保持することが可能となる。その一方、音声発光制御装置80及び表示制御装置90には、電断中用電源部78bからバックアップ電力は供給されない。したがって、音声発光制御装置80のRAM84及び表示制御装置90のRAM94に記憶された情報は、バックアップされることはなく、電入中用電源部78aからの電力供給が停止された場合には破壊又は消去される。
電断中用電源部78bの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM64に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。電断中用電源部78bは、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断中用電源部78bへの蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
なお、電源・発射制御装置78には、上記電断中用電源部78bとは異なる図示しない停電時用電源部が設けられている。電源・発射制御装置78では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御装置60などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
電源・発射制御装置78には、各種電源部78a,78bの他に、発射制御部78cが設けられている。発射制御部78cには、発射操作装置28に内蔵されたタッチセンサ28a、プッシュセンサ28b及び可変抵抗器28cが電気的に接続されている。
タッチセンサ28aにはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部78cに出力する。発射制御部78cでは当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触していると認識する。また、発射制御部78cでは、プッシュセンサ28bから受信した電気信号に応じて発射操作装置28の発射止めスイッチの操作の有無を把握するとともに、可変抵抗器28cを通じて受信した電気信号に応じて操作ハンドルの回転操作量を把握する。
発射制御部78cは、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合にMPU62に所定の信号形態の条件成立信号を送信する。具体的には、発射制御部78cは、タッチセンサ28aから操作ハンドルが遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、発射止めスイッチが遊技者により手動操作されていないことを示す信号をプッシュセンサ28bから受信していることを条件に、MPU62に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を継続して送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、MPU62に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。また、条件成立に対応した条件成立信号を送信する条件として、上記条件に加えて、球貸装置がパチンコ機10に接続されていることという条件を付加してもよい。
MPU62では、HIレベルの条件成立信号を受信している状況であって、遊技球の発射を許可できる状況であれば、発射制御部78cにHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を継続して送信する。なお、MPU62は、発射制御部78cからHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射制御部78cは、遊技球発射機構27が電気的に接続されており、MPU62からHIレベルの発射許可信号を受信している場合、遊技球発射機構27を定期的に駆動制御する。この場合、遊技球発射機構27に継続して遊技球が供給されている状況であれば、特定発射周期(具体的には0.6sec)に1個の遊技球が遊技領域PAに発射される。また、この発射に際しては可変抵抗器28cから受信した信号に基づき発射強度が調整されるため、操作ハンドルの回転操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
音声発光制御装置80は、MPU82が搭載された音声発光制御基板81を備えている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU82では、主制御装置60から受信したコマンドに基づき、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58を駆動制御するとともに、表示制御装置90にコマンドを送信する。
表示制御装置90は、MPU92が搭載された表示制御基板91を備えている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、そのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。MPU92では、音声発光制御装置80から受信したコマンドに基づき、図柄表示装置41の制御を実施する。
また、表示制御基板91には、図示は省略するが、MPU92の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。キャラクタROMは、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることに基づき図柄表示装置41の表示内容が変更される。
ここで、本パチンコ機10では、音声発光制御装置80と表示制御装置90との間でコマンドが双方向通信でやり取りされる。つまり、音声発光制御装置80と表示制御装置90とは図示しない信号線群を用いて電気的に接続されており、当該信号線群を利用して音声発光制御装置80から表示制御装置90に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われる。また、音声発光制御装置80と表示制御装置90とは他の信号線群を用いて電気的に接続されており、当該他の信号線群を利用して表示制御装置90から音声発光制御装置80に向けてコマンドが送信される。このコマンド送信はシリアル通信で行われる。
なお、音声発光制御装置80と表示制御装置90との間の通信方式はシリアル通信に限定されることはなくパラレル通信であってもよい。また、以下の説明では理解の容易のため、主制御装置60のMPU62、ROM63及びRAM64を、主側MPU62、主側ROM63及び主側RAM64といい、音声発光制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84を、音光側MPU82、音光側ROM83及び音光側RAM84といい、表示制御装置90のMPU92、ROM93及びRAM94を、表示側MPU92、表示側ROM93及び表示側RAM94という。
<主側MPU62にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU62にて各種抽選を行うための電気的な構成について図7を用いて説明する。
主側MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、第1特図表示部37aの表示の設定、第2特図表示部37bの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM64の抽選用カウンタエリア121に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、特図保留エリア122に格納される。特図保留エリア122は、第1特図保留エリア125と、第2特図保留エリア126と、特図用の実行エリア127と、を備えている。
第1特図保留エリア125は第1エリア125a、第2エリア125b、第3エリア125c及び第4エリア125dを備えており、第1作動口33への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア125a〜125dに格納される。
この場合、第1エリア125a〜第4エリア125dには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア125a→第2エリア125b→第3エリア125c→第4エリア125dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア125a〜125dが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第1特図保留エリア125において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2特図保留エリア126は第1エリア126a、第2エリア126b、第3エリア126c及び第4エリア126dを備えており、第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア126a〜126dに格納される。
この場合、第1エリア126a〜第4エリア126dには、第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア126a→第2エリア126b→第3エリア126c→第4エリア126dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア126a〜126dが設けられていることにより、第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、第2特図保留エリア126において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
特図用の実行エリア127は、いずれかの特図表示部37a,37bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部37aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納された保留情報が特図用の実行エリア127に移動される。一方、第2特図表示部37bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納された保留情報が特図用の実行エリア127に移動される。
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図保留エリア123に格納される。普図保留エリア123は、第1エリア128a、第2エリア128b、第3エリア128c及び第4エリア128dを備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア128a〜128dに格納される。
この場合、第1エリア128a〜第4エリア128dには、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア128a→第2エリア128b→第3エリア128c→第4エリア128dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア128a〜128dが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、普図保留エリア123において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
普図保留エリア128には、普図用の実行エリア129が設けられている。普図用の実行エリア129は、普図表示部38aにて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部38aの変動表示を開始する際には、普図保留エリア123の第1エリア128aに格納された保留情報が普図用の実行エリア129に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM64の普図保留エリア123に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物34aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の遊技球が第2作動口34に入賞にした場合に、終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物34aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物34aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1secであるのに対して、高頻度サポートモードであれば2secとなっている。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第1特図保留エリア125に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第2特図保留エリア126に格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM63に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モード及びサポートモードの両方について移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
当否テーブルとしては、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。さらに、第1特図用の当否テーブルには、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在しており、同様に、第2特図用の当否テーブルにも、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在している。つまり、本パチンコ機10は、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで、異なる当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても、当否抽選における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
各当否テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の低確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、小当たり結果となる乱数の値は3個(例えば「55」、「355」、「555」)である。そして、それ以外が、外れ結果となる乱数の値である。
第1特図用の高確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。一方、小当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。
第2特図用の低確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。一方、小当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には40個である(例えば「3」、「8」、「31」、「37」、「55」、「68」、「127」、「133」、「160」、「166」、「189」、「195」、「217」、「223」、「242」、「248」、「273」、「279」、「302」、「308」、「331」、「337」、「355」、「368」、「389」、「395」、「417」、「423」、「467」、「473」、「492」、「498」、「517」、「523」、「555」、「561」、「572」、「578」、「596」「598」)。なお、小当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である構成としてもよく、第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも少なく設定されている構成としてもよい。
第2特図用の高確当否テーブルは、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の高確当否テーブルの場合と同一である。しがって、当該大当たり結果となる乱数の値の数は、第2特図用の低確当否テーブルの場合よりも多い数となる。一方、小当たり結果となる乱数の値は第2特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第1特図保留エリア125に格納され、遊技球が第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア122の第2特図保留エリア126に格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定が行われる。
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置32の1回の開放態様が、特電入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.05secに設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32への入賞が発生しないことが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。つまり、長時間態様による特電入賞装置32の開放が15回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。つまり、短時間態様による特電入賞装置32の開放が15回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
小当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了される開閉数規定モードとなっている。開閉数規定モードでは、短時間態様による特電入賞装置32の開放が、ラウンド数規定モードにおける特電入賞装置32の開閉回数と同一回数である15回行われる。この場合に、開閉数規定モードの終了条件の上限個数は10個に設定されており、開閉数規定モードのトータルの開放継続時間は、遊技球の発射周期と開閉数規定モードの上限個数との積よりも短い時間に設定されている。よって、開閉数規定モードは、ラウンド遊技は実行されずに、当該開閉数規定モード中のトータルの入賞個数により上限個数か否かが判断される構成であるが、特電入賞装置32において上限回数分の開閉が実行される確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM63に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルの内容について図8(a),(b)を用いて説明する。
図8(a),(b)に示すように、振分テーブルには、大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる大当たり結果である。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が、1以上の回数として設定された終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードの終了後に移行した低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
非明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる大当たり結果である。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、サポートモードは開閉実行モード移行前のモードが高頻度サポートモードであれば高頻度サポートモードとなる一方、開閉実行モード移行前のモードが低頻度サポートモードであれば低頻度サポートモードとなる。このサポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
振分テーブルとしては、図8(a),(b)に示すように、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。
各振分テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の振分テーブルは、図8(a)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果との全てが設定されている。当該第1特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示高確大当たり結果に対応しており、「20〜29」が最有利大当たり結果に対応している。当該第1特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、低確大当たり結果となる確率は1/3であり、非明示高確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果といった高確大当たり結果となる確率は2/3である。また、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は2/3であり、低頻度入賞モードとなる確率は1/3である。
ここで、詳細は後述するが、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合、それを契機とした開閉実行モードの態様は、短時間態様による15回の特電入賞装置32の開閉が行われる。一方、非明示高確大当たり結果では、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の特電入賞装置32の開閉が行われる。つまり、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなった場合、開閉実行モードにおける特電入賞装置32の動作態様が見た目上、同一となる。また、これら遊技結果となった場合の遊技回では、第1特図表示部37aにおいては相互に相違する停止結果が表示されるものの、当該第1特図表示部37aよりも表示領域が大きく設定された図柄表示装置41においては識別不可となる態様で停止結果が表示される。具体的には、上記遊技結果のいずれにおいても、図柄表示装置41ではいずれかの有効ライン上の共通の図柄組合せ(例えば「3・4・1」)が停止表示される。また、低頻度サポートモードにおいて非明示高確大当たり結果となった場合、それを契機とした開閉実行モード中には、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合の開閉実行モードと区別がつかない態様で演出が実行され、さらに当該開閉実行モードの終了後には図柄表示装置41などにおいて高確率モードであることを明示する演出は実行されずに、第1作動口33への入賞に基づき小当たり結果となった場合の開閉実行モード後と同様の態様で演出が実行される。
上記構成であることにより、例えば低確率モード及び低頻度サポートモードである状況で、低頻度入賞モードとなる開閉実行モード又は開閉数規定モードとなる開閉実行モードが発生した場合には、遊技者は、開閉実行モードの終了後に高確率モードに移行していることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上が図られる。
一方、第2特図用の振分テーブルは、図8(b)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のみが設定されており、非明示高確大当たり結果及び明示高確大当たり結果が設定されていない。当該第2特図用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜29」が最有利大当たり結果に対応している。当該第2特図用の振分テーブルの場合、大当たり当選となった場合に、低確大当たり結果となる確率は1/3であり、最有利大当たり結果となる確率は2/3である。また、開閉実行モードは、常に高頻度入賞モードとなる。
つまり、第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、大当たり当選となった場合において開閉実行モード後に高確率モードとなる確率が同一である。その一方、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなる確率は第2特図用の振分テーブルの方が第1特図用の振分テーブルよりも高い。より詳細には、第1特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得るのに対して、第2特図用の振分テーブルでは低頻度入賞モードとなり得ない。したがって、大当たり当選となった場合に選択され得る大当たり結果の種類としては、第1作動口33への入賞が発生して内部抽選が行われる場合よりも、第2作動口34への入賞が発生して内部抽選が行われる場合の方が遊技者にとって有利である。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示面41aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果や、小当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主側MPU62において行うのではなく、音光側MPU82において行われる。この場合、音光側MPU82では、いずれかの大当たり結果又は小当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とを主側MPU62において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<主側MPU62における前提となる処理構成について>
次に、主側MPU62にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側MPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図9のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
ステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RAM64のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU62の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RAM64の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM64の初期化として当該主側RAM64をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM64の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置80に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU62はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM64の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図10のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、主側MPU62にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板61には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU62との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU62にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU62に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU62では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU62における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU62における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU62の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。図11は、停電情報記憶処理を示すフローチャートである。
ステップS301では、主側RAM64に設けられた繰り返しカウンタに、停電信号用の繰り返し回数情報である「10」の情報をセットするとともに、ステップS302にて、主側RAM64に設けられた停電検知カウンタの情報を初期化する。
続くステップS303では、主側MPU62の入力ポートに停電監視基板95から受信している停電信号の情報を読み込む処理を実行する。この場合、電源遮断が発生していないことに対応した停電信号(LOWレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに非電断情報として「0」の情報が格納されており、電源遮断が発生していることに対応した停電信号(HIレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに電断発生情報として「1」の情報が格納されている。ステップS303では、かかる停電信号の情報を主側MPU62のレジスタに読み込む処理を実行する。
続くステップS304では、ステップS303にて読み込んだ停電信号の情報が停電の発生(電断の発生)に対応したものであるか否かを判定する。停電の発生に対応している場合にはステップS305にて、停電検知カウンタの数値情報を1加算するように更新処理を実行した後にステップS306に進み、停電の発生に対応していない場合にはステップS305の処理を実行することなくステップS306に進む。
ステップS306では、繰り返しカウンタの数値情報を1減算するように更新処理を実行し、その後、ステップS307にて、当該繰り返しカウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。つまり、ステップS303〜ステップS306の処理を、ステップS301にて設定した繰り返し回数分実行したか否かを判定する。ステップS307にて否定判定をした場合には、ステップS303に戻り、ステップS303〜ステップS306の処理を繰り返す。一方、ステップS307にて肯定判定をした場合には、ステップS308に進む。
ステップS308では、停電検知カウンタの現状の数値情報が、停電発生に対応した契機基準回数以上となっているか否かを判定する。具体的には、ステップS303〜ステップS306の処理を繰り返し回数分実行した結果、停電検知カウンタの現状の数値情報が、「8」以上となっているか否かを判定する。契機基準回数未満である場合には、そのまま本停電情報記憶処理を終了する。
一方、契機基準回数以上である場合には、ステップS309〜ステップS312の停電時処理(電断時処理)を実行する。具体的には、先ずステップS309にて、主側RAM64の停電フラグに「1」をセットし、続くステップS310にて、チェックサム算出処理を実行する。ここで算出されたチェックサムは主側RAM64に記憶される。その後、ステップS311にて、主側RAM64の出力ポートの情報を全て「0」にセットするとともに、ステップS312にて主側RAM64へのアクセスを禁止する。そして、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、タイマ割込み処理の最初の処理として停電情報記憶処理を実行するようにしたことにより、復電後にタイマ割込み処理の途中から実行する必要がなくなる。これにより、停電発生時に実行していた処理のアドレスをスタック情報として主側RAM64に記憶する必要がなくなり、停電発生時の処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
タイマ割込み処理(図10)の説明に戻り、ステップS201にて停電情報記憶処理を実行した後は、ステップS202にて抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
続くステップS205では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、後述するステップS208にて肯定判定をするようになる。
その後、ステップS206にて一時停止用処理を実行するとともに、ステップS207にて異常停止用処理を実行する。これらの処理内容については、後に詳細に説明する。
続くステップS208では、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。遊技の進行を停止している状態には、上記ステップS205の不正検知処理にて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象の発生が確認された場合に設定される。また、上記ステップS206の一時停止用処理の処理結果によって、遊技の進行を停止している状態に設定され得るとともに、上記ステップS207の異常停止用処理の処理結果によって、遊技の進行を停止している状態に設定され得る。ステップS208にて否定判定をした場合に、ステップS209以降の処理を実行する。
ステップS209では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS210では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS211では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ66a〜66eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS212では、主側RAM64に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS213では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。当該発射制御処理の詳細な内容は後に説明する。
続くステップS214では、入力状態監視処理として、ステップS210の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ66a〜66eの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS215では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS216では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普電乱数カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図表示部38aにて普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、第1特図表示部37aに係る保留情報の増減個数を第1特図保留表示部37cに反映させるための出力情報の設定、第2特図表示部37bに係る保留情報の増減個数を第2特図保留表示部37dに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS218では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
ステップS208にて肯定判定をした場合、又はステップS209〜ステップS220の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<特図特電制御処理>
次に、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS215にて実行される特図特電制御処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まずステップS401にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、第1作動口33への遊技球の入賞が発生している場合に、第1特図保留エリア125に記憶されている保留情報の数を読み出し、その保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満である場合に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア125のうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。また、当該取得処理では、第2作動口34への遊技球の入賞が発生している場合に、第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報の数を読み出し、その保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満である場合に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア125のうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。
当該取得処理では、第1特図保留エリア125についての保留情報又は第2特図保留エリア126についての保留情報を取得した場合には、保留コマンドを音光側MPU82に送信する。音光側MPU82では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示側MPU92に送信する。表示側MPU92では、保留コマンドを受信することで、図柄表示装置41における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。この場合、当該保留コマンドには、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126のうちいずれの保留情報が増加したのかを示す情報が含まれているため、図柄表示装置41では、増加した側に対応した保留個数の表示が変更される。
また、上記のように保留情報の数が増加した場合には、タイマ割込み処理(図10)におけるステップS217の表示制御処理にて、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dのうち保留個数の増加に対応した側に対して、保留個数の増加に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
続くステップS402では、主側RAM64に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップS403にて、主側ROM63に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS404にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
ここで、ステップS402〜ステップS404の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS406)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS407)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS408)と、が設定されている。
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS409)と、特電入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS410)と、特電入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS411)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS412)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU62にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS406)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS407)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS408)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS409)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS410)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS411)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS412)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405にて、ステップS404にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS406の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS407の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS408の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS409の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS410の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS411の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS412の特電終了処理にジャンプする。ステップS406〜ステップS412のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS406〜ステップS412の処理について個別に説明する。
<特図変動開始処理>
まずステップS406の特図変動開始処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
特図変動開始処理では、ステップS501にて一時停止設定処理を実行し、続くステップS502にて一時停止状態であるか否かを判定する。これらステップS501及びステップS502の処理内容については後に詳細に説明する。
ステップS502にて否定判定をした場合には、ステップS503にて、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126の保留情報の合計個数である共通保留数が1以上であるか否かを判定する。共通保留数が1未満である場合には、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126に保留情報が記憶されていないことを意味するため、そのまま本特図変動開始処理を終了する。一方、共通保留数が1以上である場合には、ステップS504にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理について図14のフローチャートを用いて説明する。まずステップS601にて、第2特図保留エリア126の保留個数が「0」か否かを判定する。第2特図保留エリア126の保留個数が「0」である場合にはステップS602〜ステップS605の第1特図用のデータ設定処理を実行し、第2特図保留エリア126の保留個数が「0」ではない場合にはステップS606〜ステップS609の第2特図用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数が1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2特図保留エリア126の保留個数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2特図表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留エリア125の保留個数が1以上であるか否かに関係なく、第2特図保留エリア126に記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126の両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34に対応した第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報が遊技回の開始対象として優先されることとなる。
第1特図用のデータ設定処理では、まずステップS602にて、第1特図保留エリア125の第1エリア125aに格納されたデータを特図用の実行エリア127に移動する。その後、ステップS603にて第1特図保留エリア125の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア125a〜125dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア125aのデータをクリアするとともに、第2エリア125b→第1エリア125a、第3エリア125c→第2エリア125b、第4エリア125d→第3エリア125cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、主側RAM64に設けられた第2特図フラグを「0」クリアする。第2特図フラグは、今回の変動表示の開始が第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bのいずれであるかを特定するためのフラグである。
続くステップS605では、第1特図保留エリア125のデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力する。その後、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置80では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置90に送信することで、図柄表示装置41における第1特図保留エリア125に対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。
また、上記のように第1特図保留エリア125における保留情報の数が減少した場合には、タイマ割込み処理(図10)におけるステップS217の表示制御処理にて、第1特図保留表示部37cに対して、保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
第2特図用のデータ設定処理では、まずステップS606にて、第2特図保留エリア126の第1エリア126aに格納されたデータを特図用の実行エリア127に移動する。その後、ステップS607にて第2特図保留エリア126の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリア126a〜126dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア126aのデータをクリアするとともに、第2エリア126b→第1エリア126a、第3エリア126c→第2エリア126b、第4エリア126d→第3エリア126cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS608では、主側RAM64に設けられた第2特図フラグに「1」をセットする。その後、ステップS609にて、第2特図保留エリア126のデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置80に認識させるための情報であるシフト時コマンドを出力する。その後、本データ設定処理を終了する。音声発光制御装置80では、受信したシフト時コマンドに対応したコマンドを表示制御装置90に送信することで、図柄表示装置41における第2特図保留エリア126に対応した保留情報の数の表示を保留個数の減少に対応させて変更させる。
また、上記のように第2特図保留エリア126における保留情報の数が減少した場合には、タイマ割込み処理(図10)におけるステップS217の表示制御処理にて、第2特図保留表示部37dに対して、保留個数の減少に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
特図変動開始処理(図13)の説明に戻り、データ設定処理の実行後は、ステップS505にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、主側RAM64の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126のいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。また、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。そして、これら判定結果に対応した当否テーブルを、第1特図用の低確当否テーブル、第1特図用の高確当否テーブル、第2特図用の低確当否テーブル、及び第2特図用の高確当否テーブルの中から選択する。当該当否テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリア127に格納された保留情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、上記選択した当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。また、大当たり結果として設定されている数値情報と一致していない場合には、上記選択した当否テーブルにおいて小当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。
続くステップS506では、ステップS505における当否判定処理の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS507にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、主側RAM64の第2特図フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回が第1特図保留エリア125及び第2特図保留エリア126のいずれの保留情報に対応したものであるかを判定する。そして、当該判定結果に対応した振分テーブルを、第1特図用の振分テーブル(図8(a)参照)、及び第2特図用の振分テーブル(図8(b)参照)の中から選択する。当該振分テーブルの選択を行った後は、特図用の実行エリア127に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、上記選択した振分テーブルにおいていずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを把握する。具体的には、第1特図用の振分テーブルが選択された場合には、低確大当たり結果、非明示高確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。また、第2特図用の振分テーブルが選択された場合には、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを把握する。
続くステップS508では、ステップS507にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグを主側RAM64にセットする処理を実行する。具体的には、低確大当たり結果であることを特定した場合には低確フラグに「1」をセットし、非明示高確大当たり結果であることを特定した場合には非明示フラグに「1」をセットし、明示高確大当たり結果であることを特定した場合には明示フラグに「1」をセットし、最有利大当たり結果であることを特定した場合には最有利フラグに「1」をセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、主側RAM64に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
続くステップS509では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM63に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM64に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS509では、ステップS507にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報を主側RAM64に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
一方、ステップS506にて、大当たり結果ではないと判定した場合には、ステップS510にて、ステップS505における当否判定処理の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。小当たり結果である場合には、ステップS511に進む。
ステップS511では、主側RAM64に設けられた小当たりフラグに「1」をセットする。続くステップS512では、小当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM63に予め記憶されている小当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM64に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
また、ステップS510にて、小当たり結果ではないと判定した場合には、ステップS513にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM63に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM64に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS509、ステップS512及びステップS513のいずれかの処理を実行した後は、ステップS514にて、表示継続時間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに特図用の実行エリア127に格納されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM63に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、今回の遊技回が明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれかであるか否かを判定し、いずれかである場合にはその結果に対応した表示継続時間テーブルを主側ROM63から読み出し、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。この場合に、少なくとも第1特図保留エリア125に保留記憶されている保留情報を契機とした遊技回では、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを識別不可又は識別しづらい態様で図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58にて演出が実行されるように、表示継続時間の選択が行われる。但し、非明示高確大当たり結果の場合と小当たり結果の場合とで参照される表示継続時間テーブルが異なっていることで、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードであることの期待度が高い演出の選択率が両者の場合で相違させることが可能となっており、具体的には当該期待度が高い演出は小当たり結果の場合よりも非明示高確大当たり結果の場合に発生し易くなっている。一方、リーチ表示が非発生であり、さらに明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合には、外れ用表示継続時間テーブルを主側ROM63から読み出し、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。
なお、外れ用表示継続時間テーブルが参照される場合の表示継続時間情報は、第1特図保留エリア125に記憶されている保留情報を契機とした遊技回であれば当該第1特図保留エリア125に記憶されている保留情報の数が多くなるほど表示継続時間が短くなるように設定されており、第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報を契機とした遊技回であれば当該第2特図保留エリア126に記憶されている保留情報の数が多くなるほど表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるように外れ用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留情報の数やサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。
続くステップS515では、ステップS514にて把握した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS212のタイマ更新処理にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS514にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を最終停止の前時間と換言することもできる。
続くステップS516では、変動用コマンド及び種別コマンドを出力する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおり外れ用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声発光制御装置80では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。ステップS516にて出力された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置80にて受信される。
ステップS516の処理を実行した後は、ステップS517にて第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の実行対象側の表示部において、絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS518では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため、ステップS518の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS407の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の実行対象側における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
また、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置80に送信するとともに、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の実行対象側における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止時間(0.5sec)の情報を主側ROM63から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS408の特図確定中処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
特図確定中処理では、ステップS701にて、今回の遊技回の最終停止時間が経過したか否かを判定する。ステップS701にて否定判定をした場合には、そのまま本特図確定中処理を終了する。ステップS701にて肯定判定をした場合には、ステップS702に進む。
ステップS702では一時停止設定処理を実行し、続くステップS703では一時停止状態であるか否かを判定する。これらステップS702及びステップS703の処理内容については後に説明する。
ステップS703にて否定判定をした場合には、ステップS704にて、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果又は小当たり結果であるか否かを判定する。ステップS704にて否定判定をした場合には、ステップS705にて、特図特電カウンタの値を「0」クリアした後に、本特図確定中処理を終了する。これにより、次回の特図特電制御処理では、特図変動開始処理が実行されることになる。
一方、ステップS704にて肯定判定をした場合には、ステップS706に進み、主側ROM63に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、ステップS707にて、そのオープニング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該オープニング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。
続くステップS708では、オープニングコマンドを出力する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置80に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置80は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。
その後、ステップS709にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特図確定中処理を終了する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、ステップS709の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「3」となる。
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS409の特電開始処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
特電開始処理では、ステップS801にて、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS801にて否定判定をした場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS801にて肯定判定をした場合には、ステップS802にて一時停止設定処理を実行し、続くステップS803にて一時停止状態であるか否かを判定する。これらステップS802及びステップS803の処理内容については後に説明する。
ステップS803にて否定判定をした場合には、ステップS804にて、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。ステップS804にて肯定判定をした場合には、ステップS805〜ステップS807の大当たり結果時の設定処理を実行する。
大当たり結果時の設定処理では、ステップS805にて、主側RAM64に設けられたラウンドカウンタRCに15をセットするとともに、ステップS806にて、主側RAM64に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。ラウンドカウンタRCは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側MPU62にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタPCは、一のラウンド遊技又は一の開閉数規定モードにおいて、上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側MPU62にて特定するためのカウンタである。続くステップS807では、大当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、主側RAM64のフラグを確認することで、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が明示高確大当たり結果又は非明示高確大当たり結果であるか否かを判定し、いずれかの大当たり結果である場合には主側ROM63から短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が低確大当たり結果又は最有利大当たり結果である場合には、主側ROM63から長時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。
一方、ステップS804にて否定判定をした場合には、今回の開閉実行モードが小当たり結果を契機として発生していることを意味する。この場合、ステップS808〜ステップS810の小当たり結果時の設定処理を実行する。
小当たり結果時の設定処理では、ステップS808にて、主側RAM64に設けられた開閉カウンタSOCに15をセットするとともに、ステップS809にて、主側RAM64に設けられた入賞カウンタPCに10をセットする。開閉カウンタSOCは、開閉数規定モードの開閉実行モードにおいて、特電入賞装置32を開閉する回数を主側MPU62にて特定するためのカウンタである。続くステップS810では、小当たり結果に対応した開放継続時間の読み出し処理を実行する。当該開放継続時間は、主側ROM63に予め記憶されており、具体的には、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短い、0.05secとなっている。
なお、当該小当たり結果に対応した開放継続時間を、短時間態様の開放継続時間よりも長く、遊技球の発射周期よりも短い時間としてもよく、遊技球の発射周期と同一としてもよく、遊技球の発射周期よりも長くしてもよい。
ステップS807又はステップS810の処理を実行した後は、ステップS811にて、読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS812では、特電入賞装置32を開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、主側MPU62における特電入賞装置32に対応したレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS209のポート出力処理にて、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべく特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力が開始される。また、ステップS813にて、開放コマンドを出力する。開放コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置80に対して特電入賞装置32が開放されたタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置80は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。
その後、ステップS814にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電開始処理を終了する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、ステップS814の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「4」となる。
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS410の特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、ラウンド数規定モードの開閉実行モードであれば、ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。ラウンド遊技の終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特電入賞装置32を閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。また、開閉数規定モードの開閉実行モードであれば、特電入賞装置32の一の開放回の終了条件が成立したか否か、又は開閉数規定モードの終了条件が成立したか否かを判定する。いずれの終了条件も成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記いずれかの終了条件が成立している場合には、特電入賞装置32を閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。
閉鎖設定処理では、主側MPU62における特電入賞装置32に対応したレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS209のポート出力処理にて、特電入賞装置32を閉鎖状態に切り換えるべく特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力が停止される。また、閉鎖設定処理を実行した場合には、特図特電タイマカウンタへの閉鎖時間のセット処理を実行する。当該閉鎖時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期よりも長い1secとなっている。また、閉鎖設定処理を実行した場合には閉鎖コマンドを出力する。閉鎖コマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置80に対して特電入賞装置32が閉鎖されたタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声発光制御装置80は当該閉鎖コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。閉鎖設定処理を実行した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS411の特電閉鎖中処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
特電閉鎖中処理では、ステップS901にて一時停止設定処理を実行し、続くステップS902にて一時停止状態であるか否かを判定する。これらステップS901及びステップS902の処理内容については後に説明する。
ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS903にて、ラウンドカウンタRC及び開閉カウンタSOCの両方が「0」であるか否かを判定する。いずれか一方が「0」ではない場合には、ステップS904にて、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過していない場合にはそのまま本特電閉鎖中処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合にはステップS905にて、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。
ステップS905にて肯定判定をした場合には、ステップS906にて、入賞カウンタPCに10をセットするとともに、ステップS907にて、大当たり結果に対応した開放継続時間を読み出す。これらの処理内容は、特電開始処理(図16)におけるステップS806及びステップS807と同様である。
ステップS905にて否定判定をした場合には、今回の開閉実行モードが小当たり結果を契機として発生していることを意味する。この場合、ステップS908にて、小当たり結果に対応した開放継続時間を読み出す。当該処理内容は、特電開始処理(図16)におけるステップS810と同様である。
ステップS907又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS909にて、読み出した開放継続時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS910では、特電入賞装置32を再度、開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該処理内容は、特電開始処理(図16)におけるステップS812と同様である。また、ステップS911にて、特電開始処理(図16)におけるステップS813と同様に、開放コマンドを出力する。
その後、ステップS912にて、特図特電カウンタを1減算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、ステップS912の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「4」となる。
一方、ステップS903にて肯定判定をした場合には、ステップS913に進む。ステップS913では、エンディングコマンドを出力する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声発光制御装置80に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果及び小当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音声発光制御装置80は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。
続くステップS914では、主側ROM63に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。
その後、ステップS915にて、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、ステップS915の処理が実行された場合には特図特電カウンタの値は「6」となる。
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS412の特電終了処理について説明する。
特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング時間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング時間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための遊技状態移行処理を実行する。
当該遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果の種類を、主側RAM64のフラグを参照することで確認し、その確認した大当たり結果の種類に対応した当否抽選モード及びサポートモードへの設定を行う。なお、当該処理にて大当たり結果の種類に対応した情報を示すフラグを「0」クリアする。その後、特図特電カウンタを「0」クリアした後に、本特電終了処理を終了する。
<音光側MPU82及び表示側MPU92における前提となる処理構成について>
次に、音光側MPU82及び表示側92にて演出及び報知の実行制御を行うための各処理を説明する。
<音光側MPU82のタイマ割込み処理>
図18は、音光側MPU82にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
当該タイマ割込み処理では、まずステップS1001にて、主側コマンド格納処理を実行する。主側コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、そのコマンドを音光側RAM84に格納するための処理である。音光側RAM84には主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするための主側リングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは当該主側リングバッファに順次格納されていくとともに格納された順序に従って順次読み出されていく。
続くステップS1002では、表示側コマンド格納処理を実行する。表示側コマンド格納処理は、表示側MPU92からコマンドを受信した場合に、そのコマンドを音光側RAM84に格納するための処理である。音光側RAM84には表示側MPU92から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするための表示側リングバッファが設けられており、表示側MPU92から受信したコマンドは当該表示側リングバッファに順次格納されていくとともに格納された順序に従って順次読み出されていく。
その後、ステップS1003にて、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行する。図19は、主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
当該主側コマンド対応処理では、まずステップS1101にて、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらコマンドを受信している場合には、ステップS1102にて、遊技結果の記憶処理を実行する。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU62にて決定された当否抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報を音光側RAM84に書き込む処理を実行する。
続くステップS1103では、予告抽選処理を実行する。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置41にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。かかる予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするものや、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。当該予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
続くステップS1104では、停止図柄決定処理を実行する。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が最有利大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の奇数図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、低確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の偶数図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果又は小当たり結果であれば、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一の有効ラインL1〜L5上に特定の図柄の組合せ(「3・4・1」)が成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ表示の有無を特定する。そして、リーチ表示が発生する場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せ及び上記特定の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一又は二の有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ表示が発生しない場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せ及び上記特定の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
続くステップS1105では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドの内容から遊技回の表示継続時間の情報を特定するとともに、当該表示継続時間の情報、上記ステップS1102にて特定した遊技結果の情報、及び上記ステップS1103における予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。
続くステップS1106では、上記ステップS1105にて選択した演出パターンの種類、及び上記ステップS1104にて決定した停止図柄の種類の各情報を、音光側RAM84に書き込む処理を実行する。なお、演出パターンには今回の遊技回の表示継続時間の情報が含まれているため、演出パターンの情報を音光側RAM84に書き込むことで、演出パターンの情報だけでなく表示継続時間の情報についても音光側MPU82は再度読み出すことが可能となる。但し、音光側MPU82では、表示継続時間の計測については行わない。
続くステップS1107では、上記ステップS1104の処理結果に対応した停止結果コマンドと、上記ステップS1105の処理結果に対応したパターンコマンドとを、表示側MPU92に送信する。
ステップS1101にて否定判定をした場合、又はステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108にて、最終停止コマンドを受信しているか否かを判定する。最終停止コマンドを受信している場合には、ステップS1109にて、図柄停止コマンドを表示側MPU92に送信する。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1〜L5上に待機させてその状態を最終停止時間に亘って維持させることを表示側MPU92に指示するためのコマンドである。
ステップS1108にて否定判定をした場合、又はステップS1109の処理を実行した後は、ステップS1110にて、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS1111にて、オープニング対応処理を実行する。オープニング対応処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている開閉実行モードの移行契機となった大当たり結果の種類を特定し、その大当たり結果の種類に対応した開閉実行モード中の演出内容を決定するための処理を実行する。続くステップS1112では、上記ステップS1111の処理結果に対応したオープニングコマンドを表示側MPU92に送信する。
ステップS1110にて否定判定をした場合、又はステップS1112の処理を実行した後は、ステップS1113にて、開放コマンドを受信しているか否かを判定する。開放コマンドを受信している場合には、ステップS1114にて、特電入賞装置32の開放が新たに開始されたこと、すなわち1のラウンド遊技が新たに開始されたことを表示側MPU92に認識させるために当該表示側MPU92に開放コマンドを送信する。
ステップS1113にて否定判定をした場合、又はステップS1114の処理を実行した後は、ステップS1115にて、閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。閉鎖コマンドを受信している場合には、ステップS1116にて、特電入賞装置32が閉鎖されたこと、すなわち1のラウンド遊技が終了されたことを表示側MPU92に認識させるために当該表示側MPU92に閉鎖コマンドを送信する。
ステップS1115にて否定判定をした場合、又はステップS1116の処理を実行した後は、ステップS1117にて、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS1118にて、エンディング対応処理を実行する。エンディング対応処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後における当否抽選モードの内容を特定し、その当否抽選モードの種類に対応したエンディング演出の内容を決定するための処理を実行する。この場合、開閉実行モード後に高確率モードであって高頻度サポートモードとなる場合には、高確率モードであって高頻度サポートモードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。また、開閉実行モード後に低確率モードであって高頻度サポートモードとなる場合には、低確率モードであって高頻度サポートモードとなることを遊技者に認識させるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。また、開閉実行モード後に、低確率モードであって低頻度サポートモードとなる場合、又は高確率モードであって高頻度サポートモードとなる場合には、いずれの遊技状態であるかを遊技者に識別不可とさせるための内容が含まれる演出を、今回のエンディング演出として決定する。続くステップS1119では、上記ステップS1118の処理結果に対応したエンディングコマンドを表示側MPU92に送信する。
ステップS1117にて否定判定をした場合、又はステップS1119の処理を実行した後は、ステップS1120にて、報知コマンドを受信しているか否かを判定する。報知コマンドは、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS205の不正検知処理にて、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生していることが特定された場合に出力されるとともに、ステップS214の入力状態監視処理にて、遊技機本体12又は前扉枠14が開放状態であることが特定された場合にも出力される。報知コマンドを受信している場合には、その報知を行うために、ステップS1121にて、発光データの読み出し処理を実行するとともに、ステップS1122にて、音出力データの読み出し処理を実行する。これにより、報知コマンドの内容に対応した態様、すなわち報知コマンドの出力の契機となった事象に対応した態様で、表示発光部53の発光制御が行われるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58の音出力制御が行われる。その後、ステップS1123にて、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示側MPU92に送信する。
ステップS1120にて否定判定をした場合、又はステップS1123の処理を実行した後は、ステップS1124にて、解除コマンドを受信しているか否かを判定する。解除コマンドは、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS205の不正検知処理にて、所定の事象が発生している状態が解除されたことが特定された場合に出力されるとともに、ステップS214の入力状態監視処理にて、遊技機本体12又は前扉枠14が開放状態されている状態から閉鎖状態に遷移したことが特定された場合にも出力される。解除コマンドを受信している場合には、ステップS1125にて、ステップS1121にて設定した発光データ及びステップS1122にて設定した音出力データをクリアする。その後、ステップS1126にて、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示側MPU92に送信する。
ステップS1124にて否定判定をした場合、又はステップS1126の処理を実行した後は、ステップS1127にて、異常停止対応処理を実行した後に、本主側コマンド対応処理を終了する。異常停止対応処理については、後に詳細に説明する。
<表示側MPU92のV割込み処理>
ここで、図20のフローチャートを参照しながら、表示側MPU92にて実行されるV割込み処理について説明する。V割込み処理は、予め定められた周期、具体的には20msec周期で繰り返し起動される。
なお、VDPは図柄表示装置41に1フレーム分の画像信号を出力する場合、表示面41aの左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始めて、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力するとともに、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力する。そして、表示面41aの右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合に、VDPは当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、表示側MPU92へV割込み信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを表示側MPU92に認識させる。このV割込み信号の出力周期は20msecとなっている。この点、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される。
V割込み処理では、まずステップS1201にて、コマンド解析処理を実行する。具体的には、表示側RAM94のコマンドバッファに格納されているコマンドの内容を解析する。続くステップS1202では、ステップS1201の解析結果に基づいて、新規コマンドを受信しているか否かを判定する。新規コマンドを受信している場合には、ステップS1203にて、コマンド対応処理を実行する。
コマンド対応処理では、まず停止結果コマンド及びパターンコマンドを受信している場合に、停止結果コマンド及びパターンコマンドの組合せに対応したパターン用データテーブルを表示側ROM93から読み出して表示側RAM94に書き込む。
パターン用データテーブルとは、今回の遊技回用の演出に対応した動画を図柄表示装置41の表示面41aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。つまり、パターン用データテーブルには、今回の遊技回用の演出における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレームの更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。
より詳細には、パターン用データテーブルには、対象となる遊技回の表示継続時間に対応したフレーム数分のポインタ情報が設定されており、各ポインタ情報に対応させて、タスクの内容の情報と、コマンド出力の有無の情報と、追加データの情報とが設定されている。タスクの内容の情報は、今回の遊技回に対応した動画表示を行うために設定されている情報であり、当該タスクの内容の情報を一切反映させないような情報が追加データとして設定されない限り、各フレームにおいてタスクの内容の情報に応じた画像が表示される。当該タスクの内容の情報には、対応する更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるためにVDPに描画指示を行う上で必要なパラメータの情報などが設定されている。コマンド出力の有無の情報は、表示側MPU92から音光側MPU82へのコマンドの出力の有無、及びそのコマンドの種類を示す情報である。表示側MPU92は、動画の内容に応じて所定のタイミングで音光側MPU82にコマンドを出力することで、表示発光部53にて画像の内容に応じた光の演出の実行を可能とし、スピーカ部54にて又は外部出力端子58を通じて、画像の内容に応じた音出力の演出の実行を可能とさせる。追加データの情報は、パターン用データテーブルの初期設定としてはブランクとして設定されており、報知の実行指示があった場合などに追加データへの書き込み処理が実行される。追加データへの書き込みが行われた場合には、当該追加データに書き込まれている情報がタスクの内容に元々設定されていた情報よりも優先される。例えば、報知として所定の文字を画像として表示することに対応した追加データが設定されている場合には、当該文字画像が、タスクの内容に対応した画像上に追加されているように画像表示がなされる。
コマンド対応処理では、最終停止コマンドを受信している場合、最終停止用の設定処理を実行する。最終停止用の設定処理では、今回の遊技回に対応した停止図柄を、最終停止表示中の期間が経過するまで静止表示するためのデータテーブルを表示側ROM93から読み出して表示側RAM94に書き込む処理を実行する。
コマンド対応処理では、オープニングコマンドを受信している場合、オープニングコマンドに対応したオープニング用のデータテーブルを表示側ROM93から読み出して表示側RAM94に書き込む。オープニング用のデータテーブルとは、今回の開閉実行モード用の演出に対応した動画を図柄表示装置41の表示面41aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。オープニング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。つまり、当該オープニング用のデータテーブルには、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群だけでなく、演出の区切りタイミングに対応させて、音光側MPU82にコマンド送信を行うためのデータが設定されている。但し、オープニング用のデータテーブルでは、オープニング演出の開始時から、各ラウンド遊技中、及びラウンド遊技間のインターバル期間中の演出の内容が定められている。この場合、ラウンド遊技中のデータは対応するラウンド遊技が終了するまでループ又は最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されており、同様に、インターバル中のデータは対応するインターバルが終了するまでループ又は最終の更新タイミングの画像が保持されるように設定されている。そして、開放コマンド又は閉鎖コマンドの受信に伴って、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべきポインタ情報の範囲が切り換えられる構成となっている。
コマンド対応処理では、開放コマンド及び閉鎖コマンドのいずれかを受信している場合、開閉時の設定処理を実行する。開閉時の設定処理では、受信したコマンドの内容に応じて、オープニング用のデータテーブルにおいて参照すべきポインタ情報の範囲を切り換える。
コマンド対応処理では、エンディングコマンドを受信している場合、エンディングコマンドに対応したエンディング用のデータテーブルを表示側ROM93から読み出して表示側RAM94に書き込む。エンディング用のデータテーブルとは、今回のエンディング用の演出に対応した動画を図柄表示装置41の表示面41aに表示させる場合において、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。エンディング用のデータテーブルのデータ構成は、パターン用データテーブルと基本的に同一である。つまり、当該エンディング用のデータテーブルには、画像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群だけでなく、演出の区切りタイミングに対応させて、音光側MPU82にコマンド送信を行うためのデータが設定されている。
コマンド対応処理では、報知コマンドを受信している場合、報知用データの設定処理を実行する。報知用データの設定処理では、現状設定されているデータテーブルの追加データとして、今回の報知コマンドに含まれている報知の内容に対応した報知データを書き込む。これにより、次回の画像の更新に際して、当該報知データの内容が反映され、例えば報知対象事象の種類に対応した文字画像が遊技回用の演出画像や、開閉実行モード用の演出画像に追加される。
コマンド対応処理では、解除コマンドを受信している場合、報知用データのクリア処理を実行する。報知用データのクリア処理では、現状、データテーブルの追加データに設定されている報知用データのうち、今回受信した解除コマンドにおいて報知の解除対象として設定されている報知対象事象の種類に対応した報知用データをクリアするための処理を実行する。これにより、次回の画像の更新に際して、当該解除対象となった種類の報知が解除される。
コマンド対応処理では、異常コマンド又は異常解除コマンドを受信した場合に、それに対応する処理を実行するための異常用のコマンド対応処理を実行する。当該異常用のコマンド対応処理の処理内容については後に説明する。
V割込み処理(図20)の説明に戻り、ステップS1202にて否定判定をした場合、又はステップS1203の処理を実行した後は、ステップS1204にて、ポインタ更新処理を実行する。当該ポインタ更新処理では、データテーブルに設定されているポインタの情報を、1フレーム分進めるように更新する。これにより、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために必要な処理を、表示側MPU92において把握することが可能となる。
続くステップS1205ではタスク処理を実行する。タスク処理では、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在しているか否かを判定する。追加データが存在していない場合には、今回のポインタのタスクデータをデータテーブルから読み出し、その読み出したタスクデータに従って、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDPに描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。一方、データテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したエリアに追加データが存在している場合には、その追加データがタスクデータの画像に対する付加データであるか否かを判定する。付加データである場合には、今回のポインタのタスクデータ及び追加データをデータテーブルから読み出し、その読み出したタスクデータ及び追加データに従って、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDPに描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。付加データではない場合には、今回のポインタの追加データをデータテーブルから読み出し、その読み出した追加データに従って、今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるために、VDPに描画指示を行う上で必要なパラメータの演算を行う。
ステップS1205にてタスク処理を実行した後は、ステップS1206にてデータテーブルにおいて今回のポインタの情報に対応したコマンド出力の有無のエリアにコマンドデータが存在しているか否かを判定する。コマンドデータが存在している場合にはコマンドの出力タイミングであるため、ステップS1207にてコマンド設定処理を実行する。
コマンド設定処理では、遊技回の演出を開始すべきことを示すコマンド、予告表示を開始すべきことを示すコマンド、ノーマルリーチを開始すべきことを示すコマンド、スーパーリーチを開始すべきことを示すコマンド、変動を終了すべきことを示すコマンド、開閉実行モードの演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技の演出を開始すべきことを示すコマンド、ラウンド遊技間のインターバルの演出を開始すべきことを示すコマンド、エンディングの演出を開始すべきことを示すコマンド、及びデモ表示を開始すべきことを示すコマンドなどをそれぞれのタイミングに応じて音光側MPU82に送信する。
ステップS1206にて否定判定をした場合、又はステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208にて描画リスト出力処理を実行した後に、本V割込み処理を終了する。描画リスト出力処理では、今回の処理回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDPに送信する。この場合、当該描画リストでは、直前のタスク処理にて把握された画像が描画対象となり、さらに当該タスク処理にて更新したパラメータの情報が合わせて設定される。VDPでは、この描画リストに従ってビデオRAMのフレーム領域に描画データを作成する。フレーム領域に作成された描画データに従ってVDPは図柄表示装置41に信号出力を行う。これにより、図柄表示装置41において1フレーム分の画像が表示されることになる。
<音光側MPU82のタイマ割込み処理>
音光側MPU82のタイマ割込み処理(図18)の説明に戻り、ステップS1003にて主側コマンド対応処理を実行した後は、ステップS1004にて表示側コマンド対応処理を実行する。表示側コマンド対応処理では、表示側MPU92から受信したコマンドの内容に従って、発光データ及び音出力データを読み出す処理を実行する。これにより、図柄表示装置41の表示内容に対応した発光制御が表示発光部53に対して実行されるとともに、図柄表示装置41の表示内容に対応した音出力制御がスピーカ部54又は外部出力端子58に対して実行される。
つまり、本パチンコ機10では、主側MPU62を基準とした場合に音光側MPU82は表示側MPU92に対して通信の上流側に存在しているにも関わらず、音光側MPU82では表示側MPU92がコマンドを送信することを敢えて待ってから演出が実行されるようにする構成である。これにより、発光演出、音出力演出及び表示演出のそれぞれが同一の期間に発生する場合に、各演出にずれが生じづらくなる。よって、複数種類の演出手段を利用した演出を好適に行うことが可能となる。
その後、ステップS1005にて、表示発光部53の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。当該発光制御処理では、上記ステップS1003の主側コマンド対応処理又は上記ステップS1004の表示側コマンド対応処理にて読み出された発光データに従って表示発光部53の発光制御を行う。
続くステップS1006では、外部出力端子58にヘッドホンの端子が接続されているか否か、すなわち音の外部出力を行うべき条件が成立しているか否かを判定する。ステップS1006にて否定判定をした場合には、ステップS1007にて内部用の音出力制御処理を実行する。当該内部用の音出力制御処理では、上記ステップS1003の主側コマンド対応処理又は上記ステップS1004の表示側コマンド対応処理にて読み出された音出力データに従ってスピーカ部54の音出力制御を行う。一方、ステップS1006にて肯定判定をした場合には、ステップS1008にて外部用の音出力制御処理を実行する。当該外部用の音出力制御処理では、上記ステップS1003の主側コマンド対応処理又は上記ステップS1004の表示側コマンド対応処理にて読み出された音出力データに従って外部出力端子58の音出力制御を行う。ステップS1007又はステップS1008の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
<遊技の進行の一時停止を行うための処理構成>
次に、遊技の進行の一時停止を行うための処理構成について説明する。図21は、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS206にて実行される一時停止用処理を示すフローチャートである。
当該一時停止用処理では、まずステップS1301にて、主側RAM64の一時停止準備フラグ又は一時停止状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。一時停止準備フラグとは、主側MPU62において一時停止準備状態であるか否かを特定するためのフラグである。一時停止準備状態とは、遊技者により一時停止操作部57が操作された場合において一時停止状態の設定待ちとなっている状態のことである。また、一時停止状態フラグとは、主側MPU62において一時停止状態であるか否かを特定するためのフラグである。一時停止状態とは、遊技者により一時停止操作部57が操作されたことに基づき、遊技を進行させるための各種処理の実行を停止した状態のことであり、当該一時停止状態では、特図特電制御処理及び普図普電制御処理の進行が少なくとも停止される。
ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1302にて、一時停止操作部57が操作されているか否かを判定する。ステップS1302にて否定判定をした場合には、ステップS1303にて、主側RAM64に設けられた一時停止操作カウンタを「0」クリアする。一時停止操作カウンタは、一時停止操作部57が操作されている継続期間を主側MPU62にて計測するためのカウンタである。その後、本一時停止用処理を終了する。
ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1304にて、一時停止操作カウンタの値を1加算する。続くステップS1305では、その1加算後の一時停止操作カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。ここで、当該一時停止用処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図10)にて実行され、一時停止準備フラグ及び一時停止状態フラグの両方が「0」である状況で一時停止操作部57が操作されている場合には、ステップS1304の処理は4msec周期で実行される。したがって、ステップS1305では、一時停止操作部57が8msec以上に亘って継続して操作されているか否かを判定していることになる。当該8msecは、一時停止設定用の継続操作期間であり、具体的な時間は8msecに限定されることはなく任意である。
ステップS1305にて否定判定をした場合には、そのまま本一時停止用処理を終了する。一方、ステップS1305にて肯定判定をした場合には、ステップS1306にて、主側RAM64の一時停止準備フラグに「1」をセットし、一時停止操作カウンタを「0」クリアする。さらに、停止表示ユニット39の停止準備表示部39aをON制御する。その後、本一時停止用処理を終了する。
一時停止準備フラグに「1」がセットされることで、一時停止準備状態に設定される。一時停止準備状態となった状況において、一時停止状態への設定条件が成立した場合に、一時停止状態に設定され、遊技を進行させるための各種処理の実行が停止された状態となる。また、停止準備表示部39aが発光状態となることで、一時停止準備状態に設定されたことが遊技者に報知される。
一時停止用処理におけるステップS1307以降の処理の説明に先立ち、特図変動開始処理(図13)のステップS501、特図確定中処理(図15)のステップS702、特電開始処理(図16)のステップS802、及び特電閉鎖中処理(図17)のステップS901にて実行される一時停止設定処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
一時停止設定処理では、まずステップS1401にて、主側RAM64の一時停止準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS1401にて否定判定をした場合にはそのまま本一時停止設定処理を終了し、ステップS1401にて肯定判定をした場合にはステップS1402に進む。
ステップS1402では主側RAM64の一時停止準備フラグを「0」クリアし、ステップS1403では停止表示ユニット39の停止準備表示部39aをOFF制御する。これにより、一時停止準備状態が解除されるとともに、当該一時停止準備状態であることの報知が終了される。続くステップS1404では主側RAM64の一時停止状態フラグに「1」をセットし、ステップS1405にて停止表示ユニット39の停止表示部39bをON制御する。そして、ステップS1406にて発射制御部78cに対する発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定した後に、本一時停止設定処理を終了する。
一時停止状態フラグに「1」がセットされることで、一時停止状態に設定される。一時停止状態では、タイマ割込み処理(図10)におけるステップS208にて肯定判定をすることとなる。この場合、ステップS211の入賞検知処理が実行されなくなることで、各種入賞検知センサ66a〜66eの監視処理が実行されなくなり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入賞が無効化される。また、ステップS212のタイマ更新処理が実行されなくなることで、主側MPU62における各種時間の計測が停止される。また、上記ステップS1406にて発射許可信号の出力状態がLOWレベルに設定されるとともに、ステップS213の発射制御処理が実行されなくなることで、上皿55aに遊技球が貯留されている状況で発射操作装置28が操作されたとしても遊技球の発射は禁止される。また、ステップS215の特図特電制御処理が実行されなくなることで、遊技回と遊技回との合間であれば新たな遊技回の開始が中断され、開閉実行モード中であれば開閉実行モードの進行が中断される。また、ステップS216の普図普電制御処理が実行されなくなることで、普図表示部38aの変動表示中であれば当該変動表示の進行が中断され、普電開放状態中であれば普電開放状態の進行が中断される。また、ステップS217の表示制御処理が実行されなくなることで、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b及び普図表示部38aの表示内容の進行が中断される。但し、その中断されたタイミングにおけるこれら第1特図表示部37a、第2特図表示部37b及び普図表示部38aの表示内容はそのまま継続されるとともに、第1特図保留表示部37c、第2特図保留表示部37d及び普図保留表示部38bの表示内容もそのまま継続される。また、ステップS219の払出出力処理が実行されなくなることで、新たな賞球コマンドの出力が停止される。但し、払出制御装置77の処理は停止されないため、既に払出制御装置77において払出対象となっている賞球分については払出装置76を通じた遊技球の払出が継続される。上記のように各種処理が実行されなくなることで、遊技の進行が一時的に停止されることとなる。
その一方、ステップS201の停電情報記憶処理は依然として実行されるため、停電の発生に際して停電時処理を実行することが可能である。また、ステップS202の抽選用乱数更新処理、ステップS203の乱数初期値更新処理、及びステップS204の変動用カウンタ更新処理は依然として実行されるため、各種カウンタの更新は継続される。また、ステップS205の不正検知処理は依然として実行されるため、不正発生の有無を特定することは可能である。また、ステップS206の一時停止用処理は依然として実行されるため、一時停止状態の解除条件が成立したか否かを特定することは可能である。また、ステップS207の異常停止用処理は依然として実行されるため、当該処理が実行されることによる作用を生じさせることが可能である。
なお、上記構成に限定されることはなく、例えば一時停止状態であったとしても、ステップS211の入賞検知処理は実行される構成としてもよい。この場合、一時停止状態の設定時において遊技領域PAを流下していた遊技球がいずれかの入賞対応入球部に入賞した場合、それを有効なものとして扱うことが可能となる。また、ステップS214の入力状態監視処理は実行される構成としてもよい。この場合、一時停止状態に設定されている状況であっても、遊技機本体12や前扉枠14の開閉を監視することが可能となり、例えば開放状態となった場合にはそれに対して報知を行うことが可能となる。
ここで、一時停止設定処理は、既に説明したとおり、特図変動開始処理(図13)のステップS501、特図確定中処理(図15)のステップS702、特電開始処理(図16)のステップS802、及び特電閉鎖中処理(図17)のステップS901にて実行される。
特図変動開始処理(図13)のステップS501の処理タイミングは、遊技回中及び開閉実行モード中のいずれでもない状況において新たな遊技回の開始を待機している期間中に該当する。そして、ステップS501の一時停止設定処理にて一時停止状態に設定された場合には、ステップS502にて肯定判定をすることとなり、ステップS503以降の処理は実行されず、遊技回の開始条件が成立していたとしても当該遊技回は開始されないこととなる。
特図確定中処理(図15)のステップS702の処理タイミングは、遊技回の終了後であって、それに続く開閉実行モードが開始される直前、又は新たな遊技回の開始が許容される直前のタイミングである。そして、ステップS702の一時停止設定処理にて一時停止状態に設定された場合には、ステップS703にて肯定判定をすることとなり、ステップS704以降の処理は実行されず、開閉実行モードの開始条件が成立していたとしても当該開閉実行モードは開始されないこととなる。
特電開始処理(図16)のステップS802の処理タイミングは、開閉実行モードにおいてオープニング時間の経過後であって、それに続く特電入賞装置32の開放回が開始される直前のタイミングである。そして、ステップS802の一時停止設定処理にて一時停止状態に設定された場合には、ステップS803にて肯定判定をすることとなり、ステップS804以降の処理は実行されず、特電入賞装置32は開放されないこととなる。
特電閉鎖中処理(図17)のステップS901の処理タイミングは、特電入賞装置32の一の開放回と次の開放回との間の閉鎖期間中に該当する。そして、ステップS901の一時停止設定処理にて一時停止状態に設定された場合には、ステップS902にて肯定判定をすることとなり、ステップS903以降の処理は実行されず、特電入賞装置32の新たな開放回の開始条件が成立していたとしても特電入賞装置32は開放されないこととなる。
また、特図特電制御処理(図12)の特図変動中処理(ステップS407)、特電開放中処理(ステップS410)及び特電終了処理(ステップS412)では、一時停止設定処理は実行されない。
一時停止用処理(図21)の説明に戻り、ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1307にて、一時停止操作部57が操作されているか否かを判定する。ステップS1307にて否定判定をした場合には、ステップS1308にて、主側RAM64の一時停止操作カウンタを「0」クリアした後に、本一時停止用処理を終了する。
ステップS1307にて肯定判定をした場合には、ステップS1309にて、一時停止操作カウンタの値を1加算する。続くステップS1310では、その1加算後の一時停止操作カウンタの値が1000以上となっているか否かを判定する。ここで、当該当該一時停止用処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図10)にて実行され、一時停止準備フラグ又は一時停止状態フラグに「1」がセットされている状況で一時停止操作部57が操作されている場合には、ステップS1309の処理は4msec周期で実行される。したがって、ステップS1310では、一時停止操作部57が4sec以上に亘って継続して操作されているか否かを判定していることになる。当該4secは、一時停止解除用の継続操作期間であり、具体的な時間は4secに限定されることはなく任意である。但し、遊技者の意思に反して一時停止状態が解除されてしまうことを抑制するためには、一時停止解除用の継続操作期間を一時停止設定用の継続操作期間よりも長い期間とすることが好ましい。
ステップS1310にて否定判定をした場合には、そのまま本一時停止用処理を終了する。一方、ステップS1310にて肯定判定をした場合には、ステップS1311にて、主側RAM64の一時停止準備フラグ、一時停止状態フラグ及び一時停止操作カウンタを「0」クリアする。さらに、停止表示ユニット39の停止準備表示部39a及び停止表示部39bをOFF制御する。その後、本一時停止用処理を終了する。
一時停止準備フラグが「0」クリアされることで、一時停止準備状態が解除されるとともに、一時停止状態フラグが「0」クリアされることで、一時停止状態が解除される。また、停止準備表示部39aが消灯状態となることで、一時停止準備状態が解除されたことが遊技者に報知されるとともに、停止表示部39bが消灯状態となることで、一時停止状態が解除されたことが遊技者に報知される。一時停止状態が解除された場合、タイマ割込み処理(図10)のステップS208にて否定判定されるようになり、ステップS209以降の処理が実行されるようになる。
次に、図23のタイミングチャートを参照しながら、一時停止準備状態及び一時停止状態の設定並びに解除の様子を説明するとともに、一時停止用処理(図21)及び一時停止設定処理(図22)が上記のように実行されることによる作用について説明する。
図23(a)は一時停止操作部57の操作状況を示し、図23(b)は遊技回の実行状況を示し、図23(c)は開閉実行モードの実行状況を示し、図23(d)は特電入賞装置32の開閉状況を示し、図23(e)は一時停止準備状態の設定状況を示し、図23(f)は一時停止状態の設定状況を示す。
図23(a)に示すように、t1のタイミングで一時停止操作部57の操作が開始され、t2のタイミングで、その操作継続期間が一時停止設定用の継続操作期間T1となる。但し、t2のタイミングは、図23(b)に示すように、遊技回の途中のタイミングであるため、図23(e)に示すように、一時停止準備状態に設定されるものの、図23(f)に示すように、一時停止状態には設定されない。その後、t3のタイミングで、図23(b)に示すように、遊技回が終了することで、図23(e)に示すように、一時停止準備状態が解除されるとともに、図23(f)に示すように、一時停止状態に設定される。
その後、t4のタイミングで、図23(a)に示すように、一時停止操作部57の操作が開始され、t5のタイミングで、その操作継続期間が一時停止解除用の継続操作期間T2となることで、図23(f)に示すように、一時停止状態が解除される。この一時停止解除用の継続操作期間T2は、一時停止設定用の継続操作期間T1よりも長い期間となっている。
t5のタイミングで一時停止状態が解除されることで、当該t5のタイミングで、図23(c)に示すように、開閉実行モードが開始される。そして、t6のタイミングでオープニング演出が終了することで、図23(d)に示すように、特電入賞装置32の最初の開放回が開始される。
当該開放回の途中のタイミングであるt7のタイミングで、図23(a)に示すように、一時停止操作部57が再度操作され、t8のタイミングで、その操作継続期間が一時停止設定用の継続操作期間T1となる。但し、t8のタイミングは、図23(d)に示すように、特電入賞装置32の開放回の途中のタイミングであるため、図23(e)に示すように、一時停止準備状態に設定されるものの、図23(f)に示すように、一時停止状態に設定されない。その後、t9のタイミングで、図23(d)に示すように、特電入賞装置32の開放回が終了することで、図23(e)に示すように、一時停止準備状態が解除されるとともに、図23(f)に示すように、一時停止状態に設定される。
その後、t10のタイミングで、図23(a)に示すように、一時停止操作部57の操作が開始され、t11のタイミングで、その操作継続期間が一時停止解除用の継続操作期間T2となることで、図23(f)に示すように、一時停止状態が解除される。この場合に、今回の一時停止状態が設定されていた期間は、開閉実行モード中の一の閉鎖期間以上の期間となっているが、一時停止状態中においては主側MPU62における各種期間の計測が停止されているため、閉鎖期間の計測も中断されている。したがって、一時停止状態が解除されたt11のタイミングでは、特電入賞装置32の次の開放回は開始されることなく、図23(d)に示すように、一時停止状態が解除されたタイミングから閉鎖期間の計測が完了したt12のタイミングで、特電入賞装置32の次の開放回が開始される。
上記構成であることにより、遊技者は一時停止操作部57を任意のタイミングで操作可能であるとともに、その操作が主側MPU62において任意のタイミングで受け入れられる構成において、一時停止状態への設定は、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない期間、遊技回の終了後であって開閉実行モードのオープニング演出の開始前のタイミング、オープニング演出の終了後であって特電入賞装置32の最初の開放回の開始前のタイミング、及び特電入賞装置32の一の開放回と次の開放回との間の閉鎖期間中のいずれかに制限される。
遊技回においては、主側MPU62による制御により、表示継続期間に亘って特図表示部37a,37bにおいて絵柄の変動表示が行われるとともに、図柄表示装置41において図柄の変動表示が行われる。また、表示発光部53において遊技回に対応した発光制御が行われるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58において遊技回に対応した音出力制御が行われる。この場合に、遊技回の途中で主側MPU62においてのみ遊技の進行を停止して、音光側MPU82及び表示側MPU92において遊技の進行を停止しない構成とすると、特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示が中断されているにも関わらず、図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54における遊技回の演出が進行することとなってしまう。遊技回の表示継続期間は最短でも1secよりも長いため、このズレは目立ってしまい、一時停止状態の解除後において遊技者が違和感を感じてしまうおそれがある。
その一方、図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54における遊技回の演出を中断させようとすると、図柄表示装置41の表示が見た目上好ましくない態様で中断されたり、表示発光部53の発光パターンが見た目上好ましくないタイミングで中断されたり、スピーカ部54又は外部出力端子58の音出力パターンが好ましくないタイミングで中断されたりされ得る。また、この場合、主側MPU62は、演出を中断させるために専用のコマンドを音光側MPU82に送信する必要が生じてしまい、主側ROM63に予め記憶しておくコマンド数が増加してしまう。
これに対して、上記のとおり、遊技回の途中で一時停止状態とならないようにすることで、一時停止操作部57の任意のタイミングでの操作を可能としつつ、一時停止状態に設定するための専用コマンドの送信を不要としながら、特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示と、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58における演出との間でのズレが生じないようにすることが可能となる。
開閉実行モードにおけるオープニング演出の途中、及びエンディング演出の途中で一時停止状態とならないように設定されていることによる効果も、これと同様である。つまり、オープニング演出やエンディング演出は1secよりも長いため、オープニング演出の途中やエンディング演出の途中で一時停止状態となり得る構成においては、主側MPU62におけるオープニング期間又はエンディング期間の計測時間と、図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54の演出の進行状況とにズレが生じないようにするために専用コマンドを送信する必要が生じる。これに対して、オープニング演出の途中、及びエンディング演出の途中で一時停止状態とならないように設定されていることにより、一時停止操作部57の任意のタイミングでの操作を可能としつつ、一時停止状態に設定するための専用コマンドの送信を不要としながら、主側MPU62において計測される時間と、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58における演出の進行状況との間でのズレが生じないようにすることが可能となる。
特電入賞装置32が開放中である状況で一時停止状態とならないようにしたことにより、特電入賞装置32が開放された状態のまま一時停止状態となってしまわないようにすることが可能となる。また、一時停止操作部57の操作によって特電入賞装置32が開放された状態を維持させる行為を、不可とすることが可能となる。特電入賞装置32への入賞が発生した場合の賞球個数は他の入賞対応入球部に比べて多いため、不正行為の対象となり易く、仮に特電入賞装置32の開放状態を意図的に維持させることが可能となると、不正行為を行い易くなってしまうことが危惧される。これに対して、特電入賞装置32が開放中である状況で一時停止状態とならないようにしたことにより、上記のような不都合の発生を防止することが可能となる。
停止表示ユニット39には停止準備表示部39aが設けられており、一時停止操作部57の操作後であって一時停止状態に設定されるまでは停止準備表示部39aが発光状態となる。これにより、一時停止操作部57を任意のタイミングで操作可能としながら、一時停止状態の設定タイミングを上記のように制限した構成において、一時停止操作部57の操作が受け入れられたことを遊技者が認識することが可能となる。また、停止表示ユニット39には停止表示部39bが設けられており、一時停止状態では停止表示部39bが発光状態となる。これにより、遊技者や、遊技ホールの管理者は、停止表示部39bを確認することで、一時停止状態であるか否かを簡易に確認することが可能となる。
<遊技球の発射の自動停止を行うための処理構成>
次に、遊技球の発射の自動停止を行うための処理構成について説明する。図24は、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS213にて実行される発射制御処理を示すフローチャートである。
当該発射制御処理では、まずステップS1501にて、主側RAM64に設けられたフラグを確認することで、高頻度サポートモード又は開閉実行モードであるか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1502にて、主側RAM64の第1特図保留エリア125を確認することで、当該第1特図保留エリア125に格納されている保留情報の個数が上限個数となっているか否かを判定する。ステップS1502にて肯定判定をした場合にはステップS1503に進み、電源・発射制御装置78の発射制御部78cに対する発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定した後に、本発射制御処理を終了する。
発射制御部78cは、既に説明したとおり、発射操作装置28が遊技者により手動操作されることに伴い所定の発射条件が成立している場合に、主側MPU62にHIレベルの条件成立信号を送信する。主側MPU62は、HIレベルの条件成立信号を受信していることを少なくとも一の条件として、HIレベルの発射許可信号を発射制御部78cに送信する。そして、発射制御部78cは、HIレベルの発射許可信号を受信している場合に、特定発射周期で遊技球の発射制御を行う。当該構成において、ステップS1503にて発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなることで、条件成立信号の出力状態に関係なく、換言すれば、発射操作装置28が手動操作されているか否かに関係なく、遊技球の発射が禁止される。
ステップS1501にて肯定判定をした場合、又はステップS1502にて否定判定をした場合には、ステップS1504に進む。ステップS1504では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS1504にて肯定判定をした場合には、ステップS1505にて、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定した後に、本発射制御処理を終了する。ステップS1504にて否定判定をした場合には、ステップS1506にて、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定した後に、本発射制御処理を終了する。
次に、図25を参照しながら、上記発射制御処理が実行されることによる作用について説明する。図25(A)は発射操作装置28の正面図であり、図25(B)は発射制御の態様を説明するためのタイミングチャートである。また、図25(a)は条件成立信号の状態を示し、図25(b)は第1特図保留エリア125の保留個数が上限に達しているか否かを示し、図25(c)は第2特図保留エリア126の保留個数が上限に達しているか否かを示し、図25(d)は開閉実行モードの実行状況を示し、図25(e)は高頻度サポートモードの設定状況を示し、図25(f)は発射許可信号の状態を示す。
まず、図25(A)を参照しながら、発射操作装置28に対して遊技者により行われる操作の態様について簡単に説明する。
発射操作装置28は、操作ベースに対して、前後方向を中心軸として、操作ハンドル28dが回転可能に支持されている。操作ハンドル28dは、図示しない付勢手段により回転初期位置に向けて付勢されており、当該付勢力に抗する力を右回り方向に付与されることで、操作方向に回転することとなる。そして、この回転操作量に応じた発射強度で、遊技領域PAに向けて遊技球が発射されることとなる。また、発射操作装置28の操作ベースには、操作ハンドル28dの回転操作に追従しないようにして、発射止めスイッチ28eが設けられている。発射止めスイッチ28eが操作されることで、既に説明したプッシュセンサ28bがON状態となり、この場合、操作ハンドル28dが回転操作されていたとしても、遊技球の発射は停止される。
当該構成において、遊技者は、例えば第1作動口33といった所定の入賞対応入球部への入賞が比較的発生し易い発射強度となる回転位置に操作ハンドル28dを保持しながら遊技を行うことがあり、さらに操作ハンドル28dの回転位置をその位置に保持しながら遊技球の発射を停止させようとすることがある。例えば、低頻度サポートモードにおいて第1特図保留エリア125の保留個数が上限に達している場合に、遊技球の発射を停止させようとすることがある。この場合、発射止めスイッチ28eを押圧操作することで、操作ハンドル28dの回転位置を所望の位置に保持しながら、遊技球の発射を停止させることが可能となる。但し、当該操作を繰り返すと、遊技者にとって負担となるおそれがある。これに対して、上記発射制御処理が実行されることで、当該繰り返し操作が不要となる。この内容について、図25(B)を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、第1特図保留エリア125に格納された保留情報を第1特図の保留情報ともいい、第2特図保留エリア126に格納された保留情報を第2特図の保留情報ともいう。
発射止めスイッチ28eを操作していない状況で操作ハンドル28dが操作されることにより、図25(a)に示すように条件成立信号がHIレベルとなり、図25(f)に示すように発射許可信号がHIレベルとなる。これにより、遊技球の発射が開始される。
その後、t2のタイミングで、図25(b)に示すように、第1特図の保留情報の数が上限に達する。この場合、図25(d)に示すように、開閉実行モード中ではなく、図25(e)に示すように、低頻度サポートモード中であるため、図25(c)に示すように、第2特図の保留情報の数が上限に達しているか否かに関係なく、図25(f)に示すように、発射許可信号がLOWレベルとなり、遊技球の発射が停止される。
当該構成であることにより、開閉実行モード中ではなく且つ低頻度サポートモード中においては、条件成立信号がHIレベルであったとしても、第1特図の保留情報の数が上限に達することで、遊技球の発射が停止されることとなる。これにより、第1特図の保留情報の数が上限に達したことに応じて発射止めスイッチ28eを押圧操作したり、当該保留個数が減少したことに応じてその押圧操作を解除するといったことを行わなくてもよいため、遊技者の負担を軽減することが可能となる。
その後、t3のタイミングで、図25(d)に示すように、開閉実行モードとなる。当該開閉実行モード中においても、図25(b)に示すように、第1特図の保留情報の数が上限に達している。しかしながら、開閉実行モード中においては当該保留個数との関係での発射停止は行われないため、図25(f)に示すように、発射許可信号はHIレベルとされる。
当該構成であることにより、上記のように第1特図の保留情報の数が上限に達した場合に遊技球の発射を自動で停止するようにした構成において、開閉実行モード中において当該発射の自動停止が行われないようにすることが可能となる。第1作動口33への入賞頻度は、同一の発射強度で遊技球を発射している場合、開閉実行モードであるか否かに関係なく一定であり、さらに第1作動口33は特電入賞装置32の上方に存在しているため、開閉実行モード中において特電入賞装置32への入賞を狙っている場合であっても第1作動口33への入賞が発生し得る。この場合に、開閉実行モード中であっても第1特図の保留情報の数が上限に達した場合には発射が自動停止される構成とすると、特電入賞装置32への入賞が発生しないこととなってしまう。これに対して、開閉実行モード中においては当該発射の自動停止が行われないようにすることで、開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞機会を担保することが可能となる。
その後、t4のタイミングで、図25(d)に示すように、開閉実行モードが終了するが、図25(e)に示すように、高頻度サポートモードとなる。当該高頻度サポートモード中においても、図25(b)に示すように、第1特図の保留情報の数が上限に達している。しかしながら、高頻度サポートモード中においては当該保留個数との関係での発射停止は行われないため、図25(f)に示すように、発射許可信号はHIレベルとされる。
当該構成であることにより、上記のように第1特図の保留情報の数が上限に達した場合に遊技球の発射を自動で停止するようにした構成において、高頻度サポートモード中において当該発射の自動停止が行われないようにすることが可能となる。第1作動口33への入賞頻度は、同一の発射強度で遊技球を発射している場合、サポートモードに関係なく一定であり、さらに第1作動口33は第2作動口34の上方に存在しているため、高頻度サポートモード中において第2作動口34への入賞を狙っている場合であっても第1作動口33への入賞が発生し得る。また、第2特図の保留情報は、第1特図の保留情報よりも遊技回の開始対象として優先して消化されるとともに、第2特図の保留情報の方が第1特図の保留情報よりも遊技回の開始対象となった場合に遊技者にとって有利である。そうすると、高頻度サポートモード中において第2作動口34への入賞を継続させて、第2特図の保留情報が遊技回の開始対象となる状態を継続させたいと遊技者が考えているにも関わらず、第1特図の保留情報の数が上限に達した場合に発射が自動停止されてしまうと、第2特図の保留情報が遊技回の開始対象となる状態の継続が強制的に停止されることとなってしまう。これに対して、高頻度サポートモード中においては当該発射の自動停止が行われないようにすることで、高頻度サポートモード中における第2作動口34への入賞機会を担保することが可能となる。
その後、t5のタイミングで、図25(c)に示すように、第2特図の保留情報の数も上限に達する。しかしながら、図25(f)に示すように、発射許可信号はHIレベルとされる。当該構成であることにより、高頻度サポートモード中であっても、第2特図の保留情報の数が上限に達したとしても、発射の自動停止は行われない。これにより、高頻度サポートモード中においては第2作動口34への入賞を狙った発射操作を継続させることが可能となり、第2特図の保留情報が存在し続ける状態を継続させ易くなる。
その後、t6のタイミングで、図25(e)に示すように、高頻度サポートモードが終了して低頻度サポートモードとなる。この場合、図25(b)に示すように、第1特図の保留情報の数が上限に達しているため、図25(f)に示すように、発射許可信号はLOWレベルとされ、発射が自動停止される。
ちなみに、t7のタイミングで、図25(b)に示すように、第1特図の保留情報の数が上限に達していない状況で、図25(c)に示すように、第2特図の保留情報の数が上限に達したとしても、図25(f)に示すように、発射許可信号はLOWレベルとされない。
<異常事態の発生に際して遊技の進行を停止するための処理構成>
次に、異常事態の発生に際して、遊技の進行を停止するための処理構成について説明する。
まず、図26を参照しながら、パチンコ機10とホールコンピュータHCとの間で通信を行うための構成、及び当該通信に付随した構成について説明する。図26(a)はパチンコ機10が多数設置された遊技ホールの電気的な構成の概要を説明するための概略図であり、図26(b)は主制御装置60とホールコンピュータHCとの間で通信を行うための電気的構成を示すブロック図であり、図26(c)はパチンコ機10に設けられた外部端子板79の正面図である。
図26(a)に示すように、遊技ホールには島設備Sが設けられており、当該島設備Sに対して多数のパチンコ機10が設置されている。また、島設備Sには、各パチンコ機10に1対1で対応させてデータカウンタDCが設置されている。各データカウンタDCは、対応するパチンコ機10の上方に搭載されており、遊技回の実行回数を表示するための第1表示部DC1と、所定の開閉実行モードの実行回数を表示するための第2表示部DC2とが設けられている。また、第2表示部DC2においては、高確率モード及び高頻度サポートモードの少なくとも一方が継続している状況で発生した開閉実行モードの回数が、例えば点滅表示といった所定の態様で表示され得る。かかる表示がなされることにより、高確率モード及び高頻度サポートモードの少なくとも一方が継続している状況での開閉実行モードの連荘回数を遊技者に認識させることが可能となる。
各パチンコ機10及び各データカウンタDCを管理する管理制御手段として、遊技ホールにはホールコンピュータHCが設けられている。ホールコンピュータHCは、管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にMPU201が搭載されている。MPU201には、当該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータやパチンコ機10から入力した情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、を備えている。なお、以下の説明では、理解を容易なものとするために、ホールコンピュータHCのMPU201、ROM202及びRAM203を、それぞれホール側MPU201、ホール側ROM202及びホール側RAM203という。
ホールコンピュータHCは、各パチンコ機10と電気配線群EL1を通じて電気的に接続されているとともに、各データカウンタDCと電気配線群EL2を通じて電気的に接続されている。そして、各パチンコ機10から受信した情報に基づく管理処理を実行するとともに、その管理処理の結果に応じた信号を各データカウンタDCに送信する。
また、ホールコンピュータHCには、地震時用操作部204と、火災時用操作部205と、ホール側の解除用操作部206とが電気的に接続されている。これら操作部204〜206は、遊技ホールの管理者が手動操作可能となるように設けられている。地震時用操作部204が操作された場合には、ホール側MPU201は地震時対応の異常信号を各パチンコ機10に出力し、火災時用操作部205が操作された場合には、ホール側MPU201は火災時対応の異常信号を各パチンコ機10に出力し、ホール側の解除用操作部206が操作された場合には、ホール側MPU201は異常解除信号を各パチンコ機10に出力する。
次に、パチンコ機10においてホールコンピュータHCと通信を行うための構成について、図26(b)及び図26(c)を参照しながら説明する。
図26(b)に示すように、パチンコ機10には外部端子板79が設けられており、当該外部端子板79を通じて、主側MPU62とホールコンピュータHCとの間で双方向の通信が行われる。この場合、既に説明したとおり、ホールコンピュータHCは、電気配線群EL2を通じて外部端子板79に接続されている。一方、主制御装置60は、電気配線群EL3を通じて外部端子板79に接続されている。
外部端子板79には、図26(c)に示すように、複数の外部端子79a〜79hが設けられている。外部端子79a〜79hは合計8個設けられており、そのうちの7個の外部端子79a〜79gはパチンコ機10からホールコンピュータHCに向けて情報を外部出力するための端子であり、残り1個の外部端子79hはホールコンピュータHCからパチンコ機10に向けて情報を出力するための端子である。
具体的には、パチンコ機10からホールコンピュータHCに向けて情報を外部出力するための端子として、主側MPU62の当否抽選において大当たり当選となったことに基づく開閉実行モード中であることを示す情報を出力するために用いられる大当たり用の外部端子79aと、主側MPU62の当否抽選において大当たり当選となったこと又は小当たり当選となったことに基づく開閉実行モード中であることを示す情報を出力するために用いられる開閉実行モード用の外部端子79bと、当否抽選モードが高確率モード中であることがパチンコ機10の演出を利用して明示されていることを示す明示高確信号用の外部端子79cと、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す情報を出力するために用いられるサポートモード用の外部端子79dと、一の遊技回が終了したことを示す情報を出力するために用いられる遊技回数用の外部端子79eと、所定個数の遊技球の払出が行われたことを示す情報を出力するために用いられる外部端子79fと、所定の不正の発生が検知されたことを示す情報を出力するために用いられる外部端子79gと、が含まれている。
なお、パチンコ機10からホールコンピュータHCに向けて情報を外部出力するための端子の種類は上記のものに限定されることはなく、例えば遊技機本体12が開放中であることを示す情報を出力するために用いられる外部端子や、前扉枠14が開放中であることを示す情報を出力するために用いられる外部端子が設けられていてもよい。
ホールコンピュータHCからパチンコ機10に向けて情報を出力するための端子として、入力用外部端子79hが設けられている。ホール側MPU201から地震時対応の異常信号を出力する場合、火災時対応の異常信号を出力する場合、及び異常解除信号を出力する場合のいずれであっても、同一の入力用外部端子79hが用いられる。この場合、いずれの信号を出力しているのかを主側MPU62において特定可能とするように、各信号の種類に応じて信号の出力継続期間が異なっている。
なお、これに限定されることはなく、各信号の種類に応じた信号経路が存在するように複数の入力用外部端子が設けられている構成としてもよく、各信号に代えて各信号の種類に応じたコマンドを出力可能とするように複数の入力用外部端子が設けられている構成としてもよい。
ホール側MPU201から地震時対応の異常信号又は火災時対応の異常信号を受信することで、主側MPU62では遊技の進行が停止される。また、主制御装置60には、図26(b)に示すように、主側の解除用操作部131が設けられており、当該主側の解除用操作部131は主側MPU62と電気的に接続されている。主側MPU62では、上記いずれかの異常信号を受信したことを契機として遊技の進行を停止している状態において、ホール側MPU201から異常解除信号を受信し、さらに主側の解除用操作部131が操作されたことを特定した場合、その遊技の進行を停止している状態を解除する。
なお、主制御装置60は、外枠11に対して回動可能に設けられた遊技機本体12の内部又は背面側に設けられているため、当該遊技機本体12を外枠11に閉鎖している状況では解除用操作部131の操作は不可であり、当該遊技機本体12の外枠11に対する施錠状態を解除して当該遊技機本体12を外枠11に対して前方に回動させた場合に解除用操作部131の操作が可能となる。これにより、解除用操作部131が遊技ホールの管理者以外の者によって操作されてしまうことを防止することができる。
次に、図27のフローチャートを参照しながら、ホール側MPU201にて実行される異常判定用処理について説明する。当該異常判定用処理は、ホール側MPU201において比較的短い周期(例えば1msec周期)で定期的に起動される。
異常判定用処理では、まずステップS1601にて地震時用操作部204がONとなっているか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602にて、地震時対応の異常信号を各パチンコ機10に送信する。
ステップS1601にて否定判定をした場合、又はステップS1602の処理を実行した場合には、ステップS1603にて、火災時用操作部205がONとなっているか否かを判定する。ステップS1603にて肯定判定をした場合には、ステップS1604にて、火災時対応の異常信号を各パチンコ機10に送信する。
ステップS1603にて否定判定をした場合、又はステップS1604の処理を実行した場合には、ステップS1605にて、ホール側の解除用操作部206がONとなっているか否かを判定する。ステップS1605にて否定判定をした場合には、そのまま本異常判定用処理を終了し、ステップS1605にて肯定判定をした場合には、ステップS1606にて異常解除信号を各パチンコ機10に送信した後に本異常判定用処理を終了する。
次に、図28のフローチャートを参照しながら、主側MPU62にて実行される異常停止用処理について説明する。なお、当該異常停止用処理は、主側MPU62のタイマ割込み処理(図10)におけるステップS207にて実行される。
異常停止用処理では、まずステップS1701にて、主側RAM64に設けられた異常停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。異常停止フラグは、異常停止状態となっているか否かを主側MPU62にて特定するためのフラグである。異常停止状態は、ホール側MPU201からいずれかの異常信号が送信されたことに基づき、遊技を進行させるための各種処理の実行を停止した状態のことであり、当該異常停止状態では、特図特電制御処理及び普図普電制御処理の進行が少なくとも停止されるとともに、図柄表示装置41における表示内容も静止画とされる。
ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1702にて、主側RAM64に設けられた異常停止準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。異常停止準備フラグは、異常停止準備状態となっているか否かを主側MPU62にて特定するためのフラグである。異常停止準備状態は、ホール側MPU201からいずれかの異常信号を受信した場合において、異常停止状態の設定を行う前に、当該異常停止状態となることの報知を行う期間を担保するための状態のことであり、当該期間の経過後に異常停止状態に設定される。
ステップS1702にて否定判定をした場合には、ステップS1703にて、ホール側MPU201からいずれかの異常信号を受信したか否かを判定する。ステップS1703にて否定判定をした場合にはそのまま本異常停止用処理を終了し、ステップS1703にて肯定判定をした場合にはステップS1704に進む。
ステップS1704では、異常信号の出力継続期間から、今回受信した異常信号が地震時対応の異常信号及び火災時対応の異常信号のうちいずれであるかを特定し、その特定結果を主側RAM64に記憶させる。続くステップS1705では、主側RAM64に設けられた異常準備カウンタに、異常停止準備状態の継続期間に対応した数値として「2000」をセットする。当該異常準備カウンタにセットされた値は、異常停止準備状態において4msecで1減算されるため、異常停止準備状態の継続期間は8secとなる。但し、異常停止準備状態の継続期間は任意である。
続くステップS1706では、異常準備コマンドを音光側MPU82に送信する。当該異常準備コマンドには、上記ステップS1704にて把握した今回の異常信号の内容についての情報が含まれる。その後、ステップS1707にて、主側RAM64の異常停止準備フラグに「1」をセットした後に、本異常停止用処理を終了する。これにより、異常停止準備状態に設定される。
ステップS1702にて肯定判定をした場合には、ステップS1708にて、主側RAM64の異常準備カウンタの値を1減算し、続くステップS1709にて、異常準備カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。ステップS1709にて否定判定をした場合にはそのまま本異常停止用処理を終了し、ステップS1709にて肯定判定をした場合にはステップS1710に進む。
ステップS1710では、主側RAM64の各種フラグを確認することで、現状の遊技状態を把握する。具体的には、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかを把握するとともに、サポートモードが低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであるかを把握する。また、継続回数に制限がある高頻度サポートモードであれば、残りの継続回数を把握する。また、遊技回中であるか否かを把握するとともに、開閉実行モード中であるか否かを把握する。また、開閉実行モード中であれば、ラウンド数規定モード及び開閉数規定モードのいずれであるか、及びラウンド数規定モードであれば残りのラウンド遊技の回数を把握する。
続くステップS1711では、上記ステップS1710にて把握した現状の遊技状態の内容に対応した異常コマンドを主側ROM63から読み出し、その読み出した異常コマンドをステップS1712にて音光側MPU82に送信する。続くステップS1713では、発射制御部78cに対する発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。その後、ステップS1714にて、主側RAM64の異常停止フラグに「1」をセットするとともに、主側RAM64の異常停止準備フラグを「0」クリアした後に、本異常停止用処理を終了する。
異常停止フラグに「1」がセットされることで、異常停止状態に設定される。異常停止状態では、タイマ割込み処理(図10)におけるステップS208にて肯定判定をすることとなる。この場合、ステップS211の入賞検知処理が実行されなくなることで、各種入賞検知センサ66a〜66eの監視処理が実行されなくなり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入賞が無効化される。また、ステップS212のタイマ更新処理が実行されなくなることで、主側MPU62における各種時間の計測が停止される。また、上記ステップS1713にて発射許可信号の出力状態がLOWレベルに設定されるとともに、ステップS213の発射制御処理が実行されなくなることで、上皿55aに遊技球が貯留されている状況で発射操作装置28が操作されたとしても遊技球の発射は禁止される。また、ステップS215の特図特電制御処理が実行されなくなることで、遊技回中であれば遊技回の進行が中断され、開閉実行モード中であれば開閉実行モードの進行が中断される。また、ステップS216の普図普電制御処理が実行されなくなることで、普図表示部38aの変動表示中であれば当該変動表示の進行が中断され、普電開放状態中であれば普電開放状態の進行が中断される。また、ステップS217の表示制御処理が実行されなくなることで、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b及び普図表示部38aの表示内容の進行が中断される。但し、その中断されたタイミングにおけるこれら第1特図表示部37a、第2特図表示部37b及び普図表示部38aの表示内容はそのまま継続されるとともに、第1特図保留表示部37c、第2特図保留表示部37d及び普図保留表示部38bの表示内容もそのまま継続される。また、ステップS219の払出出力処理が実行されなくなることで、新たな賞球コマンドの出力が停止される。但し、払出制御装置77の処理は停止されないため、既に払出制御装置77において払出対象となっている賞球分については払出装置76を通じた遊技球の払出が継続される。上記のように各種処理が実行されなくなることで、遊技の進行が強制的に停止されることとなる。
その一方、ステップS201の停電情報記憶処理は依然として実行されるため、停電の発生に際して停電時処理を実行することが可能である。また、ステップS202の抽選用乱数更新処理、ステップS203の乱数初期値更新処理、及びステップS204の変動用カウンタ更新処理は依然として実行されるため、各種カウンタの更新は継続される。また、ステップS205の不正検知処理は依然として実行されるため、不正発生の有無を特定することは可能である。また、ステップS206の一時停止用処理は依然として実行される。また、ステップS207の異常停止用処理は依然として実行されるため、異常停止状態の解除条件が成立したか否かを特定することは可能である。
なお、上記構成に限定されることはなく、例えば異常停止状態であったとしても、ステップS211の入賞検知処理は実行される構成としてもよい。この場合、異常停止状態の設定時において遊技領域PAを流下していた遊技球がいずれかの入賞対応入球部に入賞した場合、それを有効なものとして扱うことが可能となる。また、ステップS214の入力状態監視処理は実行される構成としてもよい。この場合、異常停止状態に設定されている状況であっても、遊技機本体12や前扉枠14の開閉を監視することが可能となり、例えば開放状態となった場合にはそれに対して報知を行うことが可能となる。
ここで、異常停止状態の設定は、異常停止準備状態となってから異常停止準備状態の継続期間が経過した場合に強制的に行われる。したがって、異常停止状態の設定は、遊技回中であるか否かに関係なく行われるとともに、開閉実行モードにおいて特電入賞装置32の開放中であるか否かに関係なく行われる。また、普図表示部38aの変動表示中であるか否かに関係なく行われるとともに、普電役物34aの開放中であるか否かに関係なく行われる。これにより、地震や火災が発生した場合には、異常停止状態の設定を早期に行うことが可能となる。
異常停止用処理(図28)の説明に戻り、ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1715にて、ホール側MPU201から異常解除信号を受信したか否かを判定する。ステップS1715にて肯定判定をした場合には、ステップS1716にて、主側RAM64に設けられた解除受信済みフラグに「1」をセットする。解除受信済みフラグは、ホール側MPU201から異常解除信号を受信済みであることを主側MPU62にて特定するためのフラグである。
ステップS1715にて否定判定をした場合、又はステップS1716の処理を実行した場合には、ステップS1717にて、解除受信済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS1717にて否定判定をした場合にはそのまま本異常停止用処理を終了し、ステップS1717にて肯定判定をした場合にはステップS1718に進む。
ステップS1718では、主側の解除用操作部131がONとなっているか否かを判定する。ステップS1718にて否定判定をした場合にはそのまま本異常停止用処理を終了し、ステップS1718にて肯定判定をした場合にはステップS1719に進む。
ステップS1719では、異常解除コマンドを音光側MPU82に送信する。その後、ステップS1720にて、主側RAM64の異常停止フラグ及び解除受信済みフラグのそれぞれを「0」クリアした後に、本異常停止用処理を終了する。これにより、異常停止状態が解除されて、タイマ割込み処理(図10)のステップS208にて否定判定されるようになり、ステップS209以降の処理が実行されるようになる。
次に、図29のフローチャートを参照しながら、音光側MPU82にて実行される異常停止対応処理について説明する。なお、当該異常停止対応処理は、音光側MPU82の主側コマンド対応処理(図19)におけるステップS1127にて実行される。
異常停止対応処理では、まずステップS1801にて、主側MPU62から異常準備コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802にて、現状の発光データのポインタ停止処理を実行することで、表示発光部53における演出用の発光制御が中断される。また、ステップS1803にて、音出力データのポインタ停止処理を実行することで、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じた、演出用の音出力制御が中断される。
その後、ステップS1804にて、今回受信した異常準備コマンドから地震時対応の異常及び火災時対応の異常のうちいずれであるかを把握する。そして、ステップS1805にて、その把握した異常の種類に対応した異常停止準備用の発光データを音光側ROM83から音光側RAM84に読み出すとともに、ステップS1806にて、その把握した異常の種類に対応した異常停止準備用の音出力データを音光側ROM83から音光側RAM84に読み出した後に、本異常停止対応処理を終了する。
ステップS1805及びステップS1806の処理が実行された場合、次回の発光制御処理(ステップS1005)及び次回の音出力制御処理(ステップS1007又はステップS1008)が実行されることで、表示発光部53の発光態様が、異常停止状態となることを報知するための発光態様となるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、異常停止状態となることを報知するための音声が出力される。当該音声としては、例えば、「火災による非常事態が発生しました。間もなく遊技停止状態となります。この遊技停止状態は安全が確認されるまでは解除されません。係員の指示に従って落ち着いて行動して下さい。」といった音声が出力される。
ステップS1801にて否定判定をした場合、ステップS1807にて、主側MPU62から異常コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1807にて肯定判定をした場合には、ステップS1808にて異常停止準備用の発光データのクリア処理を実行するとともに、ステップS1809にて異常停止準備用の音出力データのクリア処理を実行する。
その後、ステップS1810にて、異常停止用の発光データを音光側ROM83から音光側RAM84に読み出すとともに、ステップS1811にて、異常停止用の音出力データを音光側ROM83から音光側RAM84に読み出す。
ステップS1810及びステップS1811の処理が実行された場合、次回の発光制御処理(ステップS1005)及び次回の音出力制御処理(ステップS1007又はステップS1008)が実行されることで、表示発光部53の発光態様が、異常停止状態となっていることを報知するための発光態様となるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、異常停止状態となっていることを報知するための音声が出力される。当該音声としては、例えば、「火災による非常事態により、遊技停止状態中です。この遊技停止状態は安全が確認されるまでは解除されません。係員の指示に従って落ち着いて行動して下さい。」といった音声が出力される。
その後、ステップS1812にて、今回受信した異常コマンドから現状の遊技状態を把握し、ステップS1813にて、その把握した遊技状態に対応した異常コマンドを音光側ROM83から読み出すとともに、その読み出した異常コマンドを表示側MPU92に送信する。また、当該異常コマンドには、異常停止状態の設定の契機となった異常の種類の情報が含まれる。その後、本異常停止対応処理を終了する。
ステップS1807にて否定判定をした場合には、ステップS1814にて、主側MPU62から異常解除コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1814にて否定判定をした場合にはそのまま本異常停止対応処理を終了し、ステップS1814にて肯定判定をした場合にはステップS1815に進む。
ステップS1815では、異常停止用の発光データのクリア処理を実行するとともに、ステップS1816では、異常停止用の音出力データのクリア処理を実行する。続くステップS1817では、発光データの復帰処理、及び音出力データの復帰処理を実行する。これにより、異常準備コマンドを受信した場合にステップS1802及びステップS1803においてポインタ停止処理の対象となった発光データ及び音出力データによる発光制御及び音出力制御が再開される。この場合、ステップS1802及びステップS1803にて中断させたタイミングにおける発光態様及び音出力態様から、発光制御及び音出力制御が再開される。その後、ステップS1818にて、異常解除コマンドを表示側MPU92に送信した後に、本異常停止対応処理を終了する。
次に、図30のフローチャートを参照しながら、表示側MPU92にて実行される異常用のコマンド対応処理について説明する。なお、当該異常用のコマンド対応処理は、表示側MPU92のV割込み処理(図20)におけるステップS1203のコマンド対応処理にて実行される。
異常用のコマンド対応処理では、まずステップS1901にて、音光側MPU82から異常コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1901にて肯定判定をした場合には、ステップS1902にて、現状のデータテーブルについてポインタ停止処理を実行することで、現状設定されている表示演出の進行を中断させる。
続くステップS1903では、今回受信した異常コマンドから異常の種類を把握し、続くステップS1904にて、その把握した異常の種類に対応した異常報知用の画像データの種類を特定する。
続くステップS1905では、今回受信した異常コマンドから現状の遊技状態を把握し、続くステップS1906にて、その把握した遊技状態に対応した遊技状態用の画像データの種類を特定する。この場合に特定される遊技状態としては、既に説明したとおり、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかが特定され、サポートモードが低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであるかが特定される。また、継続回数に制限がある高頻度サポートモードであれば、残りの継続回数が特定される。また、遊技回中であるか否かが特定されるとともに、開閉実行モード中であるか否かが特定される。また、開閉実行モード中であれば、ラウンド数規定モード及び開閉数規定モードのいずれであるか、及びラウンド数規定モードであれば残りのラウンド遊技の回数が特定される。
その後、ステップS1907にて、現状のデータテーブルにおいて現状のポインタ情報に対応した演出用の画像データの種類を特定する。そして、ステップS1908にて、各種画像データによる異常停止統合データの作成処理を実行した後に、本異常用のコマンド対応処理を終了する。
異常停止統合データの作成処理では、ステップS1904にて特定した異常報知用の画像データと、ステップS1906にて特定した遊技状態用の画像データと、ステップS1907にて特定した現状の画像データとを統合した画像データを作成する。当該画像データが作成された場合、ステップS1910の処理が実行されるまでは、V割込み処理(図20)におけるステップS1205のタスク処理では当該画像データ用の処理のみが行われるとともに、ステップS1208の描画リスト出力処理では当該画像データに対応した描画リストの出力のみが行われる。したがって、ステップS1910の処理が実行されるまで、上記統合した画像データに対応した画像が静止画として図柄表示装置41に表示され続けることとなる。
ここで、図31を参照しながら、上記統合した画像データに基づいて図柄表示装置41の表示制御が行われた場合に表示される異常停止用画像の内容について説明する。
図31に示すように、異常停止用画像では、図柄表示装置41の表示面41aが複数の画像領域G1〜G3に区画されたような表示がなされる。これら複数の画像領域G1〜G3は、異常内容表示用の画像領域G1と、演出停止表示用の画像領域G2と、遊技状態表示用の画像領域G3となっている。これら画像領域G1〜G3は相互に表示面積が相違しており、異常内容表示用の画像領域G1が最も広く、遊技状態表示用の画像領域G3が次に広く、演出停止表示用の画像領域G2が最も狭くなっている。但し、これに限定されることはなく、例えば異常内容表示用の画像領域G1と遊技状態表示用の画像領域G3とが同一の広さであってもよく、この場合、これら画像領域G1,G3のそれぞれは演出停止表示用の画像領域G2よりも広い構成としてもよい。また、各画像領域G1〜G3の全てが同一の広さであってもよい。また、複数の画像領域G1〜G3に区画されているのではなく、例えば演出停止表示用の画像領域G2を背景画像として、それよりも手前に表示されているかのように、異常内容表示及び遊技状態表示がなされる構成としてもよい。
異常内容表示用の画像領域G1では、非常事態が発生した旨の内容が表示されるとともに、その非常事態の原因となった事象の内容が表示される。図31では、「非常事態発生」という文字と、「地震発生」という文字とが併記されている。演出停止表示用の画像領域G2では、異常停止状態となったタイミングで表示面41aの全体で表示されていた内容が演出停止表示用の画像領域G2の面積分に縮小された状態で表示される。図31では、遊技回の各図柄列Z1〜Z3において高速変動表示中の状態が停止表示されている。遊技状態表示用の画像領域G3では、現状の遊技状態に対応した内容が表示される。図31では、「遊技回中」、「高確率モード中」及び「高頻度サポートモード中」という文字が併記されている。
なお、高確率モードであって低頻度サポートモード中に異常停止状態となった場合、遊技状態表示用の画像領域G3では、当該遊技状態であることが報知される。つまり、高確率モード中であって低頻度サポートモード中であることが報知される。但し、これに限定されることはなく、高確率モードであって低頻度サポートモード中においては、高確率モードであることの報知は行われない構成としてもよい。
異常用のコマンド対応処理(図30)の説明に戻り、ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1909にて、表示側MPU92から異常解除コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1909にて否定判定をした場合にはそのまま本異常用のコマンド対応処理を終了し、ステップS1909にて肯定判定をした場合にはステップS1910にてポインタ復帰処理を実行した後に本異常用のコマンド対応処理を終了する。これにより、異常コマンドを受信した場合にステップS1902においてポインタ停止処理の対象となったデータテーブルによる表示制御が再開される。この場合、ステップS1902にて中断させたタイミングにおける表示態様から表示制御が再開される。
次に、図32のタイミングチャートを参照しながら、異常停止準備状態及び異常停止状態の設定並びに解除の様子を説明する。
図32(a)はホール側MPU201からの信号の送信状況を示し、図32(b)は主側の解除用操作部131の操作状況を示し、図32(c)は異常停止準備状態の設定状況を示し、図32(d)は異常停止状態の設定状況を示し、図32(e)は特図表示部37a,37bの表示制御が停止されているか否かを示し、図32(f)は異常停止状態となる前に行われる事前報知の実行状況を示し、図32(g)は図柄表示装置41において異常停止用画像が表示されているか否かを示す。なお、図32では、遊技回の途中でホール側MPU201から異常信号が送信された場合を示す。
図32(a)に示すように、t1のタイミングで、ホール側MPU201から異常信号が送信されることにより、図32(c)に示すように、異常停止準備状態に設定され、図32(f)に示すように、事前報知が開始される。但し、このタイミングでは、主側MPU62において遊技を進行させるための処理の実行は停止されていない。
その後、t2のタイミングで、異常停止準備状態の継続期間が経過することで、図32(c)に示すように異常停止準備状態が解除され、その代わりに、図32(d)に示すように、異常停止状態に設定される。これにより、主側MPU62において遊技を進行させるための処理の実行が停止され、それに伴って、図32(e)に示すように、特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示が中断される。また、図柄表示装置41では、図32(f)に示すように事前報知が停止され、図32(g)に示すように異常停止用画像の表示が開始される。
その後、t3のタイミングで、図32(a)に示すように、ホール側MPU201から異常解除信号が送信されるとともに、t4のタイミングで、図32(b)に示すように、主側の解除用操作部131が操作される。これにより、図32(d)に示すように、異常停止状態が解除され、主側MPU62において遊技を進行させるための処理の実行が再開されることで、図32(e)に示すように、特図表示部37a,37bにおける変動表示が再開される。また、図32(g)に示すように、図柄表示装置41では異常停止用画像の表示が停止されて、当該異常停止用画像の表示を開始する前の状態から遊技回中の表示演出(例えば図柄の変動表示)の実行が再開される。
以上詳述した第1の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技ホールなどにて異常事態が発生し、それに対応した異常信号をホール側MPU201から受信した場合には、主側MPU62において遊技を進行させるための所定処理の実行が制限される。これにより、異常事態が発生した場合において、パチンコ機10にて通常の遊技を行うことを不可とすることが可能となり、パチンコ機10自体で異常事態の発生に対処することが可能となる。また、当該所定処理の実行が制限される場合には、図柄表示装置41において遊技の進行に応じた表示が停止されるため、遊技の進行が制限されていることを遊技者に認識させることが可能であるとともに、遊技の進行が制限された状態は一時的なものであり復帰可能であることを遊技者に認識させることが可能となる。これにより、遊技の進行が制限された際に遊技者に不利益が及んでいないことを認識させることが可能となり、遊技者が混乱してしまうことを抑制することが可能となる。
異常事態の解消を示す異常解除信号をホール側MPU201から受信したことを少なくとも一の条件として、主側MPU62における処理内容が制限前の状態に復帰される。これにより、異常事態の発生に際して遊技の進行を制限するようにした構成において、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。
また、遊技の進行が制限された状態が解除された場合には、図柄表示装置41における遊技の進行に応じた表示が制限前の状態から再開される。これにより、遊技者はそれを確認することで、遊技者に不利益が生じていないことを認識することが可能となる。
遊技回の演出の途中であっても、異常事態が発生した場合には上記制限状態となり、図柄表示装置41における遊技回用の表示演出は途中であっても停止表示される。これにより、異常事態が発生した場合にはそれを遊技者に早期に認識させることが可能となる。
遊技の進行が制限される場合には、図柄表示装置41における表示演出が停止表示されるだけでなく、遊技回中であれば変動表示対象となっている特図表示部37a,37bにおける変動表示も停止表示される。これにより、異常事態が発生したとしても、その解消後には特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41における表示内容を同期させることが可能となる。
開閉実行モードにおいて特電入賞装置32の開放中であっても異常事態が発生した際には、遊技の進行が制限される。これにより、異常事態が発生した場合には早期に遊技の進行を制限することが可能となる。
遊技の進行が制限される場合には図柄表示装置41において遊技の進行に応じた表示が停止されるだけでなく、現状の遊技状態の内容に対応した表示がなされる。これにより、遊技ホールの管理者が制限状態を解除する場合において各パチンコ機10の状態に応じた態様で当該解除操作を行うことが可能となる。よって、遊技者に不利益が及ばないような対象を行い易くなる。
遊技の進行が制限される場合には、それが事前に報知される。これにより、遊技の進行が制限されて図柄表示装置41において停止表示が行われた場合に遊技者が混乱しづらくなる。
遊技の進行が制限される場合には図柄表示装置41において遊技の進行に応じた表示が停止されるだけでなく、異常事態が発生していることが明確に報知される。これにより、異常事態の発生を遊技者に明確に認識させることが可能となり、遊技者に避難を促すことが可能となる。
異常事態が発生して地震時用操作部204又は火災時用操作部205が操作された場合にはホール側MPU201から主側MPU62に異常信号が送信され、主側MPU62において遊技の進行が制限されるとともに当該主側MPU62から音光側MPU82に異常コマンドが送信されることに基づき異常事態が発生したことの報知が行われる。これにより、主側MPU62により統括管理された状態で、遊技の進行の制限と、図柄表示装置41における報知とを行うことが可能であるとともに、これを、主側MPU62と音光側MPU82との間の通信を双方向通信としなくても実現することが可能となる。
パチンコ機10に設けられた主側の解除用操作部131が操作されたことを少なくとも一の条件として、遊技の進行を制限している状態が解除される。これにより、パチンコ機10単位で個別に制限状態を解除することが可能となる。
遊技の進行が制限されている状態であっても主側RAM64への電力供給は維持され、さらに遊技の進行が制限された状態のままパチンコ機10への動作電力の供給が停止されたとしても主側RAM64にはバックアップ電力が供給される。これにより、遊技の進行が制限された状態のままパチンコ機10への電源供給が遮断されたとしても、制限時における遊技の進行内容を主側RAM64において記憶保持することが可能であるため、電源の再投入後において制限前の状態に復帰させることが可能となる。
遊技者は一時停止操作部57を操作することで遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。これにより、遊技者は必要に応じて遊技の進行を制限させた状態とすることが可能となり、例えば遊技を長時間行って疲労感を感じた場合には、遊技を中断することが可能となる。よって、遊技者の疲労感を低減させることが可能となる。
遊技の進行が一時的に制限された状態においては、当該制限対象となる処理に特図特電制御処理が含まれていることにより、特図保留エリア122に保留情報が保留記憶されている状況であっても、新たな当否判定処理が制限され、それに伴って新たな遊技回の開始が制限される。これにより、遊技者は抽選機会、すなわち遊技回の開始機会が残っている状況であっても遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。また、上記のように制限対象となる処理に特図特電制御処理が含まれていることにより、新たな遊技状態の移行が制限される。これにより、遊技状態の移行機会が残っている状況であっても遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。
遊技者は一時停止操作部57を任意のタイミングで操作可能であるとともに、その操作が主側MPU62において任意のタイミングで受け入れられる構成において、一時停止状態への設定は、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない期間、遊技回の終了後であって開閉実行モードのオープニング演出の開始前のタイミング、オープニング演出の終了後であって特電入賞装置32の最初の開放回の開始前のタイミング、及び特電入賞装置32の一の開放回と次の開放回との間の閉鎖期間中のいずれかに制限される。
遊技回においては、主側MPU62による制御により、表示継続期間に亘って特図表示部37a,37bにおいて絵柄の変動表示が行われるとともに、図柄表示装置41において図柄の変動表示が行われる。また、表示発光部53において遊技回に対応した発光制御が行われるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58において遊技回に対応した音出力制御が行われる。この場合に、遊技回の途中で主側MPU62においてのみ遊技の進行を停止して、音光側MPU82及び表示側MPU92において遊技の進行を停止しない構成とすると、特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示が中断されているにも関わらず、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58における遊技回の演出が進行することとなってしまう。遊技回の表示継続期間は最短でも1secよりも長いため、このズレは目立ってしまい、一時停止状態の解除後において遊技者が違和感を感じてしまうおそれがある。
その一方、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58における遊技回の演出を中断させようとすると、図柄表示装置41の表示が見た目上好ましくない態様で中断されたり、表示発光部53の発光パターンが見た目上好ましくないタイミングで中断されたり、スピーカ部54の音出力パターンが好ましくないタイミングで中断されたりされ得る。また、この場合、主側MPU62は、演出を中断させるために専用のコマンドを音光側MPU82に送信する必要が生じてしまい、主側ROM63に予め記憶しておくコマンド数が増加してしまう。
これに対して、上記のとおり、遊技回の途中で一時停止状態とならないようにすることで、一時停止操作部57の任意のタイミングでの操作を可能としつつ、一時停止状態に設定するための専用コマンドの送信を不要としながら、特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示と、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58における演出との間でのズレが生じないようにすることが可能となる。
開閉実行モードにおけるオープニング演出の途中、及びエンディング演出の途中で一時停止状態とならないように設定されていることによる効果も、これと同様である。つまり、オープニング演出やエンディング演出は1secよりも長いため、オープニング演出の途中やエンディング演出の途中で一時停止状態となり得る構成においては、主側MPU62におけるオープニング期間又はエンディング期間の計測時間と、図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54の演出の進行状況とにズレが生じないようにするために専用コマンドを送信する必要が生じる。これに対して、オープニング演出の途中、及びエンディング演出の途中で一時停止状態とならないように設定されていることにより、一時停止操作部57の任意のタイミングでの操作を可能としつつ、一時停止状態に設定するための専用コマンドの送信を不要としながら、主側MPU62において計測される時間と、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58における演出の進行状況との間でのズレが生じないようにすることが可能となる。
特電入賞装置32が開放中である状況で一時停止状態とならないようにしたことにより、特電入賞装置32が開放された状態のまま一時停止状態となってしまわないようにすることが可能となる。また、一時停止操作部57の操作によって特電入賞装置32が開放された状態を維持させる行為を、不可とすることが可能となる。特電入賞装置32への入賞が発生した場合の賞球個数は他の入賞対応入球部に比べて多いため、不正行為の対象となり易く、仮に特電入賞装置32の開放状態を意図的に維持させることが可能となると、不正行為を行い易くなってしまうことが危惧される。これに対して、特電入賞装置32が開放中である状況で一時停止状態とならないようにしたことにより、上記のような不都合の発生を防止するこtが可能となる。
停止表示ユニット39には停止準備表示部39aが設けられており、一時停止操作部57の操作後であって一時停止状態に設定されるまでは停止準備表示部39aが発光状態となる。これにより、一時停止操作部57を任意のタイミングで操作可能としながら、一時停止状態の設定タイミングを上記のように制限した構成において、一時停止操作部57の操作が受け入れられたことを遊技者が認識することが可能となる。
一時停止操作部57が操作された場合、主側MPU62が送信する所定のコマンドに対応した演出の終了後であって次のコマンドの送信が行われる前に、遊技の進行が一時的に制限された状態となる。これにより、一時的な制限状態の設定に際して主側MPU62からそれに対応した専用のコマンドを送信しなくても、音光側MPU82及び表示側MPU92における演出の実行を制限することが可能となる。
一時停止操作部57の操作信号は主側MPU62に入力される。これにより、遊技の進行を一時的に制限するための設定に関して通信の構成を簡素化することが可能となる。
遊技の進行が一時的に制限されている状況では、停止表示部39bをON状態とすることで、それが報知される。これにより、遊技の進行が一時的に制限されている状況であることを遊技者に認識させることが可能となる。特に、当該停止表示部39bは主側MPU62により直接的に制御されるため、遊技の進行を一時的に制限する際に、専用のコマンドを主側MPU62から音光側MPU82に送信する必要が生じない。よって、遊技の進行を一時的に制限するための設定に関して通信の構成を簡素化することが可能となる。
遊技の進行が一時的に制限された状態を解除するためには、一時停止操作部57を制限状態の設定時よりも長い時間に亘って継続操作する必要がある。これにより、一時的な制限状態への設定時よりも解除時の操作を難しくすることが可能となり、意図しない状況で一時的な制限状態が解除されしまわないようにすることが可能となる。
第1特図の保留情報の数が上限に達することで、遊技球の発射が停止されることとなる。これにより、第1特図の保留情報の数が上限に達したことに応じて発射止めスイッチ28eを押圧操作したり、当該保留個数が減少したことに応じてその押圧操作を解除するといったことを行わなくてもよいため、遊技者の負担を軽減することが可能となる。
低頻度サポートモードでは、第2特図の保留情報の数に関係なく、第1特図の保留情報の数が上限に達することで、遊技球の発射が停止されることとなる。これにより、低頻度サポートモードにおいて実際に入賞頻度が高い側である第1作動口33との関係で遊技球の発射制限を行うことが可能となり、当該発射制限を行うようにしたことの効果を奏することが可能となる。
上記のように第1特図の保留情報の数が上限に達した場合に遊技球の発射を自動で停止するようにした構成において、開閉実行モード中において当該発射の自動停止が行われない。第1作動口33への入賞頻度は、同一の発射強度で遊技球を発射している場合、開閉実行モードであるか否かに関係なく一定であり、さらに第1作動口33は特電入賞装置32の上方に存在しているため、開閉実行モード中において特電入賞装置32への入賞を狙っている場合であっても第1作動口33への入賞が発生し得る。この場合に、開閉実行モード中であっても第1特図の保留情報の数が上限に達した場合には発射が自動停止される構成とすると、特電入賞装置32への入賞が発生しないこととなってしまう。これに対して、開閉実行モード中においては当該発射の自動停止が行われないようにすることで、開閉実行モード中における特電入賞装置32への入賞機会を担保することが可能となる。
上記のように第1特図の保留情報の数が上限に達した場合に遊技球の発射を自動で停止するようにした構成において、高頻度サポートモード中において当該発射の自動停止が行われないようにすることが可能となる。第1作動口33への入賞頻度は、同一の発射強度で遊技球を発射している場合、サポートモードに関係なく一定であり、さらに第1作動口33は第2作動口34の上方に存在しているため、高頻度サポートモード中において第2作動口34への入賞を狙っている場合であっても第1作動口33への入賞が発生し得る。また、第2特図の保留情報は、第1特図の保留情報よりも遊技回の開始対象として優先して消化されるとともに、第2特図の保留情報の方が第1特図の保留情報よりも遊技回の開始対象となった場合に遊技者にとって有利である。そうすると、高頻度サポートモード中において第2作動口34への入賞を継続させて、第2特図の保留情報が遊技回の開始対象となる状態を継続させたいと遊技者が考えているにも関わらず、第1特図の保留情報の数が上限に達した場合に発射が自動停止されてしまうと、第2特図の保留情報が遊技回の開始対象となる状態の継続が強制的に停止されることとなってしまう。これに対して、高頻度サポートモード中においては当該発射の自動停止が行われないようにすることで、高頻度サポートモード中における第2作動口34への入賞機会を担保することが可能となる。
高頻度サポートモード中であっても、第2特図の保留情報の数が上限に達したとしても、発射の自動停止は行われない。これにより、高頻度サポートモード中においては第2作動口34への入賞を狙った発射操作を継続させることが可能となり、第2特図の保留情報が存在し続ける状態を継続させ易くなる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、異常事態が発生した際のパチンコ機10における動作が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図33は、異常事態が発生した際にパチンコ機10をそれに対応した状態とするための電気的構成を説明するためのブロック図である。なお、電力の供給経路を二重線矢印で示し、制御信号の供給経路を単線矢印で示す。
パチンコ機10において、主制御装置60及び音声発光制御装置80といった各種装置には、電源・発射制御装置78から動作電力が供給される。この場合、当該電源・発射制御装置78には、上記第1の実施形態と同様に、電入中用電源部78aと電断中用電源部78bとが設けられており、電源・発射制御装置78に電源が供給されている状況では、電入中用電源部78aから各種装置に動作電力が供給されるとともに電断中用電源部78bの充電が行われ、電源・発射制御装置78に電源が供給されていない状況では、電断中用電源部78bから主側RAM64にバックアップ電力が供給される。また、電源・発射制御装置78には、停電時用電源部78dが設けられており、停電が発生した際には、当該停電時用電源部78dから主側MPU62に動作電力が供給されることで、当該主側MPU62において停電時処理を完了することが可能となる。なお、停電の発生は、上記第1の実施形態と同様に、主制御装置60に設けられた停電監視基板65にて特定され、停電の発生が特定された場合には当該停電監視基板65から主側MPU62に停電信号が送信される。
上記構成において、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路ELA上に、電源遮断用回路141が設けられている。電源遮断用回路141は、ホールコンピュータHCと電気的に接続されており、ホール側MPU201が送信する電源遮断用信号を受信可能となっている。ここで、本実施形態では、上記第1の実施形態における地震時用操作部204、火災時用操作部205及び解除用操作部206の代わりに、ホールコンピュータHCには異常事態用操作部211が電気的に接続されており、当該異常事態用操作部211が操作されることで、ホール側MPU201は電源遮断用信号を送信する。
電源遮断用回路141がホール側MPU201から電源遮断用信号を受信したことに基づき、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路ELAを遮断状態とする。そして、当該電気経路ELAが遮断状態となることで、電源・発射制御装置78において電入中用電源部78aからの電力供給が停止されることとなるため、停電となった場合と同様に、主制御装置60の停電監視基板65は主側MPU62に停電信号を送信することとなり、当該主側MPU62では停電時処理を実行することとなる。その後、電断中用電源部78bから主側RAM64にバックアップ電力が供給された状態となり。当該主側RAM64において情報の記憶保持が行われることとなる。また、主側MPU62への電力供給が停止された場合には、当然のことながら、音光側MPU82及び表示側MPU92への電力供給が停止され、表示発光部53は消灯状態となり、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じた音出力は停止され、さらに図柄表示装置41も消灯状態となる。
電源遮断用回路141には、タイマ回路141aが設けられている。当該タイマ回路141aは、ホール側MPU201から電源遮断用信号を受信した場合に、当該受信したタイミングから、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路ELAを遮断状態とするまでに所定の遅延時間を生じさせる機能を有している。
電源遮断用回路141には、電源復帰ボタン142が電気的に接続されている。ホール側MPU201から電源遮断用信号が送信されて、電源遮断用回路141が、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路ELAを遮断状態としている状況において、電源復帰ボタン142が操作されることで当該遮断状態が解除されて、当該電気経路ELAを通じた電源の供給が再開される。
電源遮断用回路141は、外枠11に対して回動可能に設けられた遊技機本体12の内部又は背面側に設けられているため、当該遊技機本体12を外枠11に閉鎖している状況では電源復帰ボタン142の操作は不可であり、当該遊技機本体12の外枠11に対する施錠状態を解除して当該遊技機本体12を外枠11に対して前方に回動させた場合に電源復帰ボタン142の操作が可能となる。これにより、電源復帰ボタン142が遊技ホールの管理者以外の者によって操作されてしまうことを防止することができる。
電気経路ELAには、遊技ホールの管理者による手動操作によって電気経路ELAを遮断状態とすることを可能とする電源スイッチ143が設けられている。当該電源スイッチ143も遊技機本体12の内部又は背面側に設けられているため、当該電源スイッチ143を手動操作するためには遊技機本体12を外枠11に対して前方に回動させる必要がある。なお、電源スイッチ143は、電源遮断用回路141よりも商用電源側に設けられているが、当該電源スイッチ143が電源遮断用回路141と電源・発射制御装置78との間の電気経路上に設けられている構成としてもよい。
上記のとおり、ホール側MPU201は、電源遮断用回路141と電気的に接続されているが、それ以外にも、音声発光制御装置80と電気的に接続されている。そして、異常事態用操作部211が操作された場合には、電源遮断用回路141に上記電源遮断用信号を送信するだけでなく、音声発光制御装置80の音光側MPU82に異常信号を送信する。音光側MPU82では、異常信号を受信することで、所定時間の経過後に電源が遮断された状態となることを報知するための処理が実行される。
当該ホール側MPU201にて実行される本実施形態の異常判定用処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS2001にて、異常事態用操作部211が操作されたか否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合にはそのまま本異常判定用処理を終了し、ステップS2001にて肯定判定をした場合にはステップS2002及びステップS2003の処理を実行した後に本異常判定用処理を終了する。
ステップS2002では、異常信号を各パチンコ機10の音声発光制御装置80に送信する。これにより、音光側MPU82では、所定時間の経過後に電源が遮断された状態となることを報知するための処理を即座に開始する。当該報知としては、例えばスピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、「異常事態が発生しました。まもなく電源が遮断された状態となります。この電源遮断状態は安全が確認されるまでは解除されません。係員の指示に従って落ち着いて行動して下さい。」といった音声が出力される。
ステップS2003では、電源遮断用信号を各パチンコ機10の電源遮断用回路141に送信する。電源遮断用回路141では、当該電源遮断用信号を受信することで、所定時間の経過後に、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路ELAが遮断された状態となるようにする。
当該電源遮断用回路141の電源遮断動作の流れについて、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
電源遮断用信号を受信した場合(ステップS2101:YES)、タイマ回路141aにおいてタイマ計測が開始される(ステップS2102)。そして、そのタイマ計測の結果、電源遮断時間が経過した場合(ステップS2103:YES)には、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路ELAを電源遮断状態とする(ステップS2104)。当該電源遮断状態は、電源復帰ボタン142が操作された場合(ステップS2105:YES)に解除されて、当該電気経路ELAは電源非遮断状態となる(ステップS2106)。
以上詳述した第2の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技ホールなどにて異常事態が発生し、ホール側MPU201から電源遮断用信号を受信した場合には、電源遮断用回路141により主側MPU62において遊技を進行させるための所定処理を実行するために必要な動作電力の供給が停止され、遊技の進行が不可となる。これにより、遊技者に遊技を中断させる必要が生じた場合には、パチンコ機10において電源が遮断された状態と同一の状態とすることが可能となり、遊技者に遊技を中断させて避難させることが可能となる。
主側RAM64にバックアップ電力を供給する電断中用電源部78bは、商用電源から主制御装置60への動作電力の電気経路において電源遮断用回路141よりも下流側に存在している。これにより、電源遮断用回路141により動作電力の供給が遮断されたとしても、主側RAM64へのバックアップ電力の供給は担保され、当該主側RAM64において情報を記憶保持することが可能となる。よって、遮断状態の解除後には、遮断前の状態に復帰させることが可能となる。
停電の発生を監視して主側MPU62に停電信号を出力する停電監視基板65は、商用電源から主制御装置60への動作電力の電気経路において電源遮断用回路141よりも下流側に存在している。これにより、電源遮断用回路141により動作電力の供給が遮断される場合であっても、停電監視基板65から主側MPU62に停電信号を出力することが可能となる。よって、電源遮断用回路141により動作電力の供給が遮断される場合であっても、商用電源からの電力供給が遮断される場合と同様の構成を利用して、主側MPU62において停電時処理を実行することが可能となり、遮断状態の解除後には、遮断前の状態に復帰させることが可能となる。
電源遮断用回路141により動作電力の供給が遮断される場合には、当該遮断状態となることが事前に報知された後に、当該遮断状態となる。これにより、遊技者が混乱しづらくなる。特に、電源遮断用回路141に設けられたタイマ回路141aが動作することで、上記報知後に遮断状態となるため、ホール側MPU201においてパチンコ機10に信号出力するための処理構成の簡素化を図りながら、事前報知を行うことが可能となる。
遮断状態の解除条件が成立した場合には、電源遮断用回路141における遮断状態が解除されて、主側MPU62への動作電力の供給が再開される。これにより、異常事態が発生した場合には、主側MPU62への動作電力の供給が遮断されるようにした構成において、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。
遮断状態はパチンコ機10に設けられた電源復帰ボタン142が操作された場合に解除される。これにより、パチンコ機10単位で個別に遮断状態を解除することが可能となり、遮断状態の解除に際して遊技者に不利益が及ばないように遊技ホールにおいて対処することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態と異なり、電気経路上における電源・発射制御装置78に対する電源遮断用回路141の位置関係が異なっているとともに、当該電源遮断用回路141及びホールコンピュータHCの処理構成が異なっている。以下、その相違する構成について説明し、上記第2の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図36は、異常事態が発生した際にパチンコ機10をそれに対応した状態とするための本実施形態における電気的構成を説明するためのブロック図である。なお、電力の供給経路を二重線矢印で示し、制御信号の供給経路を単線矢印で示す。
上記第2の実施形態では、商用電源と電源・発射制御装置78との間の電気経路に電源遮断用回路141が設けられていたのに対して、本実施形態では、電源・発射制御装置78と主制御装置60との間の電気経路ELBに電源遮断用回路141が設けられている。この場合、電源遮断用回路141が電源遮断状態となると、電源・発射制御装置78と主制御装置60との間の電気経路ELBが遮断された状態となるため、上記第2の実施形態のように電源・発射制御装置78に電断中用電源部78bが設けられていると、主側RAM64にバックアップ電力が供給されなくなってしまい当該主側RAM64にて情報の記憶保持を行うことができなくなり、さらに停電時用電源部78dからの動作電力も主側MPU62に供給されなくなることで当該主側MPU62において停電時処理を実行することができなくなってしまう。そこで、本実施形態では、これら電断中用電源部78b及び停電時用電源部78dは、主制御装置60に設けられている。
なお、払出制御装置77のRAMにもバックアップ電力が供給されるが、当該バックアップ電力は主制御装置60に設けられた電断中用電源部78bから払出制御装置77に供給される。
上記第2の実施形態では電源遮断用回路141にタイマ回路141aが設けられており、音光側MPU82の制御により、所定時間の経過後に電源が遮断された状態となることを報知するための処理が実行された後に、電源遮断状態とする構成としたが、本実施形態では、当該タイマ回路141aが電源遮断用回路141に設けられていない。その代わりに、上記報知後に電源遮断状態とするための時間の調整が、ホール側MPU201にて行われる。
また、上記第2の実施形態では電源遮断用回路141に電源復帰ボタン142が電気的に接続されており、当該電源復帰ボタン142が操作されることで電源遮断状態が解除される構成としたが、本実施形態では、当該電源復帰ボタン142が設けられていない。その代わりに、上記第1の実施形態と同様に、ホール側の解除用操作部206がホールコンピュータHCに対して電気的に接続されており、当該ホール側の解除用操作部206が操作されたことに基づき電源遮断状態が解除される。
以下、図37のフローチャートを参照しながら、ホール側MPU201にて実行される異常判定用処理について説明する。
まずステップS2201では、異常事態用操作部211がONとなっているか否かを判定する。ステップS2201にて肯定判定をした場合には、ステップS2202にて、異常信号を各パチンコ機10の音声発光制御装置80に送信する。これにより、音光側MPU82では、所定時間の経過後に電源が遮断された状態となることを報知するための処理を即座に開始する。当該報知としては、例えばスピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、「異常事態が発生しました。まもなく電源が遮断された状態となります。この電源遮断状態は安全が確認されるまでは解除されません。係員の指示に従って落ち着いて行動して下さい。」といった音声が出力される。続くステップS2203では、タイマ計測を開始する。
ステップS2201にて否定判定をした場合、又はステップS2203の処理を実行した場合には、ステップS2204にて、ステップS2203にてタイマ計測を開始してから電源遮断時間が経過したか否かを判定する。ステップS2204にて肯定判定をした場合には、ステップS2205にて、電源遮断用信号を各パチンコ機10の電源遮断用回路141に送信する。これにより、電源遮断用回路141は即座に電源遮断状態となり、主側MPU62では停電時処理が開始される。この場合、電源遮断用信号は電源遮断時間の経過後に送信されているため、電源遮断状態となることの報知が行われた後に電源遮断状態となる。
ステップS2204にて否定判定をした場合、又はステップS2205の処理を実行した場合には、ステップS2206にて、ホール側の解除用操作部206がONとなっているか否かを判定する。ステップS2206にて否定判定をした場合には、そのまま本異常判定用処理を終了する。ステップS2206にて肯定判定をした場合には、ステップS2207にて、電源復帰用信号を各パチンコ機10の電源遮断用回路141に送信する。これにより、電源遮断用回路141は電源遮断状態を解除し、電源・発射制御装置78の電入中用電源部78aから主側MPU62への動作電力の供給が再開される。
なお、本実施形態であっても電源スイッチ143が設けられていることにより、遊技ホールの管理者は、選択的に電源スイッチ143を通じて電源のON・OFF操作を行うことが可能である。これにより、例えば、異常事態の解消後において遊技者が戻ってきていないパチンコ機10については電源スイッチ143に対してOFF操作を行うことで、ホール側MPU201から電源復帰用信号が各パチンコ機10に送信された場合に、遊技者が戻ってきていないパチンコ機10も含めて電源が復帰されてしまうことを阻止することが可能となる。
以上詳述した第3の実施形態によれば、上記第2の実施形態と同様に、遊技ホールなどにて異常事態が発生した場合には、電源遮断用回路141により主側MPU62において遊技を進行させるための所定処理を実行するために必要な動作電力の供給が停止され、遊技の進行が不可となる。これにより、遊技者に遊技を中断させる必要が生じた場合には、パチンコ機10において電源が遮断された状態と同一の状態とすることが可能となり、遊技者に遊技を中断させて避難させることが可能となる。
また、本実施形態では、異常事態用操作部211が操作された場合、ホール側MPU201が、異常信号を音光側MPU82に送信して電源遮断時間が経過した後に、電源遮断用信号を電源遮断用回路141に送信する。これにより、電源遮断用回路141にて動作電力を遮断するのに先立って当該遮断状態とことの事前報知が行われる構成において、電源遮断用回路141の構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、電源遮断用回路141に電源復帰ボタン142が設けられておらず、ホール側MPU201から電源復帰用信号を受信した場合に遮断状態が解除される。これにより、遊技ホールの管理の元で、遮断状態を解除することが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、異常事態が発生した際のパチンコ機10における動作が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図38は、異常事態が発生した際にパチンコ機10をそれに対応した状態とするための電気的構成を説明するためのブロック図である。
上記第1の実施形態では、主側MPU62とホール側MPU201とが双方向通信可能となっており、パチンコ機10の状態に対応した信号が主側MPU62からホール側MPU201に送信されるとともに、異常事態が発生した際の異常信号及び当該異常事態が解消された際の異常解除信号がホール側MPU201から主側MPU62に送信される構成としたが、本実施形態では、パチンコ機10の状態に対応した信号が主側MPU62からホール側MPU201に送信される一方、ホール側MPU201からの信号は主側MPU62に入力されない。したがって、異常事態が発生したとしても、それを示す信号は主側MPU62に送信されることはなく、当該主側MPU62では通常通りの制御が実行されることとなる。このように主側MPU62にホール側MPU201からの信号が送信されない代わりに、ホールコンピュータHCは音声発光制御装置80と通信可能となっており、ホール側MPU201からの異常信号及び異常解除信号は、音光側MPU82にて受信される。
上記第1の実施形態と同様に、ホールコンピュータHCには、地震時用操作部204、火災時用操作部205及びホール側の解除用操作部206が電気的に接続されており、地震時用操作部204又は火災時用操作部205が操作された場合にホール側MPU201から音光側MPU82に異常信号が送信され、ホール側の解除用操作部206が操作された場合にホール側MPU201から音光側MPU82に異常解除信号が送信される。この場合、これら異常信号及び異常解除信号の送信に関して、ホール側MPU201では、上記第1の実施形態と同様の異常判定用処理(図27)を実行する。なお、本実施形態では、主制御装置60に主側の解除用操作部131が設けられていない。
図39は、音光側MPU82にて実行される本実施形態の異常停止対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS2301では、ホール側MPU201からいずれかの異常信号を受信しているか否かを判定する。ステップS2301にて肯定判定をした場合には、ステップS2302にて、今回受信した異常信号が地震時対応及び火災時対応のうちいずれであるかを把握する。そして、ステップS2303にて、その把握した異常の種類に対応した異常用の発光データを音光側ROM83から音光側RAM84に読み出すとともに、ステップS2304にて、その把握した異常の種類に対応した異常用の音出力データを音光側ROM83から音光側RAM84に読み出す。
ステップS2303及びステップS2304の処理が実行された場合、次回の発光制御処理(ステップS1005)及び次回の音出力制御処理(ステップS1007又はステップS1008)が実行されることで、表示発光部53の発光態様が、異常事態の発生を報知するための発光態様となるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、異常事態が発生していることを報知するための音声が出力される。当該音声としては、例えば、「火災による非常事態が発生しました。係員の指示に従って落ち着いて行動して下さい。」といった音声が出力される。
ここで、ステップS2303にて異常用の発光データが読み出されたとしても、それまで発光制御処理において参照されていた発光データは音光側RAM84から消去されることはなく、さらに発光制御処理が実行される度にポインタの更新は継続される。したがって、異常用の発光データがクリアされるまでは当該発光データに基づく発光パターンで表示発光部53が発光制御されるが、当該異常用の発光データがクリアされた場合には、当該異常用の発光データが読み出されてから当該異常用の発光データがクリアされるタイミングまでの時間分進んだタイミングから、元の発光データによる発光制御が再開される。
同様に、ステップS2304にて異常用の音出力データが読み出されたとしても、それまで音出力制御処理において参照されていた音出力データは音光側RAM84から消去されることはなく、さらに音出力制御処理が実行される度にポインタの更新は継続される。したがって、異常用の音出力データがクリアされるまでは当該音出力データに基づく態様でスピーカ部54又は外部出力端子58が音出力制御されるが、当該異常用の音出力データがクリアされた場合には、当該異常用の音出力データが読み出されてから当該異常用の音出力データがクリアされるタイミングまでの時間分進んだタイミングから、元の音出力データによる音出力制御が再開される。
続くステップS2305では、外部出力端子58にヘッドホンの端子が接続されているか否かを判定する。そして、ステップS2306にて、外部出力端子58の状態に対応した異常コマンドを音光側ROM83から読み出し、その読み出した異常コマンドをステップS2307にて表示側MPU92に送信する。その後、本異常停止対応処理を終了する。なお、当該異常コマンドには、今回の異常の種類の情報が含まれている。
ステップS2301にて否定判定をした場合には、ステップS2308にて、ホール側MPU201から異常解除信号を受信したか否かを判定する。ステップS2308にて否定判定をした場合にはそのまま本異常停止対応処理を終了し、ステップS2308にて肯定判定をした場合にはステップS2309に進む。
ステップS2309では、異常用の発光データのクリア処理を実行する。また、ステップS2310にて、異常用の音出力データのクリア処理を実行する。これにより、異常事態が発生していることを報知するための表示発光部53の発光制御が終了されるとともに、異常事態が発生していることを報知するためのスピーカ部54又は外部出力端子58の音出力制御が終了され、元の発光データを利用した発光制御及び元の音出力データを利用した音出力制御が再開される。その後、ステップS2311にて、異常解除コマンドを表示側MPU92に送信した後に、本異常停止対応処理を終了する。
なお、異常用の発光データ及び異常用の音出力データが設定されている状況で、主側MPU62から新たな演出に対応したコマンドを受信して新たな発光データ及び音出力データを読み出す必要が生じた場合には、異常用の発光データ及び音出力データをクリアすることなく、新たな発光データ及び音出力データが読み出され、それら新たな発光データ及び音出力データによる出力は行われないものの、ポインタ更新のみは行われる。そして、この間においても、異常用の発光データ及び音出力データに基づく発光制御及び音出力制御が継続される。
図40は、表示側MPU92にて実行される本実施形態の異常用のコマンド対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS2401では、音光側MPU82から異常コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2402にて、今回受信した異常コマンドから異常の種類を把握し、続くステップS2403にて、その把握した異常の種類に対応した異常報知用の追加データを現状のデータテーブルに設定する。
異常報知用の追加データが設定されることで、図柄表示装置41において異常事態が発生していることを示す報知が開始される。但し、当該追加データは現状のデータテーブルにおいて定められているタスクデータの付加データとして設定される。したがって、現状のデータテーブルによる演出用の画像に対して、異常報知用の画像が付加されることとなる。また、異常報知用の追加データが設定されたとしても、現状のデータテーブルに対するポインタ更新処理は継続されるため、データテーブルに基づく表示演出は進行することとなる。
その後、ステップS2404にて、今回受信した異常コマンドから外部出力端子58がON状態となっているか否かを判定する。ステップS2404にて否定判定をした場合には、ステップS2405にてOFF状態時の設定処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了し、ステップS2404にて肯定判定をした場合には、ステップS2406にてON状態時の設定処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ここで、図41を参照しながら、ステップS2405のOFF状態時の設定処理が実行された場合と、ステップS2406のON状態時の設定処理が実行された場合との表示内容の違いについて説明する。図41(a)はOFF状態時における表示内容を説明するための説明図であり、図41(b)はON状態時における表示内容を説明するための説明図である。
図41(a)及び図41(b)に示すように、異常用画像では、図柄表示装置41の表示面41aが複数の画像領域G1,G2に区画されたような表示がなされる。これら複数の画像領域G1,G2は、異常内容表示用の画像領域G1と、演出表示用の画像領域G2となっている。
異常内容表示用の画像領域G1では、非常事態が発生した旨の内容が表示されるとともに、その非常事態の原因となった事象の内容が表示される。図41(a)及び図41(b)では、「非常事態発生」という文字と、「地震発生」という文字とが併記されている。演出表示用の画像領域G2では、現状の表示演出の内容が演出表示用の画像領域G2の面積分に縮小された状態で表示される。図41(a)及び図41(b)では、遊技回中であり各図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている。
この場合に、外部出力端子58がON状態となっている場合、すなわちヘッドホンが利用されている場合(図41(b)の場合)には、外部出力端子58がOFF状態となっている場合、すなわちヘッドホンが利用されていない場合(図41(a)の場合)よりも、異常用画像において演出表示用の画像領域G2の面積が狭く、異常内容表示用の画像領域G1の面積が広くなっている。さらに説明すると、外部出力端子58がOFF状態の場合には、図41(a)に示すように、異常内容表示用の画像領域G1と、演出表示用の画像領域G2とは同一又は略同一の面積である。これに対して、外部出力端子58がON状態の場合には、図41(b)に示すように、異常内容表示用の画像領域G1の方が演出表示用の画像領域G2よりも面積が広く、さらに演出表示用の画像領域G2は表示面41aの隅角部分に狭小化されている。
上記構成であることにより、ヘッドホンが利用されているか否かに関係なく異常事態が発生したことの報知を図柄表示装置41にて行うようにしながら、遊技ホールにおける音声アナウンスが聞き取りづらくなるヘッドホン利用時には、図柄表示装置41における異常事態が発生したことの報知をより強調することが可能となる。
異常用のコマンド対応処理(図40)の説明に戻り、ステップS2401にて否定判定をした場合には、ステップS2407にて、音光側MPU82から異常解除コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2407にて否定判定をした場合には、そのまま本コマンド対応処理を終了し、ステップS2407にて肯定判定をした場合には、ステップS2408にて、異常報知用の追加データをクリアした後に、本コマンド対応処理を終了する。これにより、異常報知用の画像の表示が終了され、現状のデータテーブルに基づく表示演出のみが行われる状態に復帰する。
なお、異常報知用の追加データが設定されている状況で、音光側MPU82から新たな演出に対応したコマンドを受信して新たなデータテーブルを設定する必要が生じた場合には、その設定対象の追加データは当該新たなデータテーブルに対して新たに設定される。よって、異常報知用の画像の表示は、新たな演出用のコマンドに基づくデータテーブルがセットされたとしても継続され、異常解除コマンドを受信した場合にその画像表示が解除される。
以上詳述した第4の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技ホールなどにて異常事態が発生し、それに対応した異常信号をホール側MPU201から受信した場合には、音光側MPU82及び表示側MPU92において当該異常事態が発生したことの報知が行われる。これにより、異常事態の発生を遊技者に明確に認識させることが可能となり、遊技者に避難を促すことが可能となる。
また、ホール側MPU201から異常信号及び異常解除信号がパチンコ機10に送信される構成において、これら異常信号及び異常解除信号は主側MPU62ではなく、音光側MPU82にて受信される。これにより、不正行為の対象となり易い主側MPU62に対してパチンコ機10外部から信号が入力されないようにしながら、異常事態が発生した際にはその報知をパチンコ機10にて行うことが可能となる。
また、異常事態が発生したとしても、主側MPU62における遊技を進行させるための処理は中断されない。これにより、異常事態が発生したとしても、遊技の進行が阻害されないようにすることが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、一時停止操作部57が操作された際のパチンコ機10の動作が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
上記第1の実施形態では、主側MPU62により直接的に表示制御される表示部として、停止準備表示部39aと停止表示部39bとが設けられていたが、本実施形態ではこれら表示部39a,39bが不具備となっている。その代わりに、本実施形態では、一時停止準備状態であることの報知及び一時停止状態であることの報知が図柄表示装置41にて行われる。以下、当該構成を実現するための処理構成について説明する。
図42は、主側MPU62にて実行される本実施形態の一時停止用処理を示すフローチャートである。
ステップS2501では、主側RAM64の一時停止準備フラグ又は一時停止状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS2501にて否定判定をした場合には、ステップS2502にて、一時停止操作部57が操作されているか否かを判定する。ステップS2502にて否定判定をした場合には、ステップS2503にて、主側RAM64の一時停止操作カウンタを「0」クリアする。その後、本一時停止用処理を終了する。
ステップS2502にて肯定判定をした場合には、ステップS2504にて、一時停止操作カウンタの値を1加算する。続くステップS2505では、その1加算後の一時停止操作カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。上記ステップS2501〜ステップS2506の処理内容は、上記第1の実施形態における一時停止用処理(図21)のステップS1301〜ステップS1305の処理内容と同一である。
ステップS2505にて否定判定をした場合には、そのまま本一時停止用処理を終了する。一方、ステップS2505にて肯定判定をした場合には、ステップS2506にて、主側RAM64の一時停止準備フラグに「1」をセットし、一時停止操作カウンタを「0」クリアする。さらに、停止表示ユニット39の停止準備表示部39aをON制御する。その後、ステップS2507にて、一時停止準備コマンドを音光側MPU82に送信した後に、本一時停止用処理を終了する。
ステップS2501にて肯定判定をした場合には、ステップS2508にて、一時停止操作部57が操作されているか否かを判定する。ステップS2508にて否定判定をした場合には、ステップS2509にて、主側RAM64の一時停止操作カウンタを「0」クリアした後に、本一時停止用処理を終了する。
ステップS2508にて肯定判定をした場合には、ステップS2510にて、一時停止操作カウンタの値を1加算する。続くステップS2511では、その1加算後の一時停止操作カウンタの値が1000以上となっているか否かを判定する。上記ステップS2508〜ステップS2511の処理内容は、上記第1の実施形態における一時停止用処理(図21)のステップS1307〜ステップS1310の処理内容と同一である。
ステップS2511にて否定判定をした場合には、そのまま本一時停止用処理を終了する。一方、ステップS2511にて肯定判定をした場合には、ステップS2512にて、主側RAM64の一時停止準備フラグ、一時停止状態フラグ及び一時停止操作カウンタを「0」クリアする。その後、ステップS2513にて、一時停止解除コマンドを音光側MPU82に送信した後に、本一時停止用処理を終了する。
次に、図43のフローチャートを参照しながら、主側MPU62にて実行される本実施形態の一時停止設定処理について説明する。なお、本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に、一時停止設定処理は、特図変動開始処理(図13)のステップS501、特図確定中処理(図15)のステップS702、特電開始処理(図16)のステップS802、及び特電閉鎖中処理(図17)のステップS901にて実行される。
一時停止設定処理では、まずステップS2601にて、主側RAM64の一時停止準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS2601にて否定判定をした場合にはそのまま本一時停止設定処理を終了し、ステップS2601にて肯定判定をした場合にはステップS2602に進む。
ステップS2602では主側RAM64の一時停止準備フラグを「0」クリアし、ステップS2603では主側RAM64の一時停止状態フラグに「1」をセットする。その後、ステップS2604にて、一時停止コマンドを音光側MPU82に送信するとともに、ステップS2605にて、発射制御部78cに対する発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定した後に、本一時停止設定処理を終了する。
一時停止状態フラグに「1」がセットされることで一時停止状態に設定される。一時停止状態に設定された場合の主側MPU62の動作態様は、上記第1の実施形態と同様である。
次に、図44のフローチャートを参照しながら、音光側MPU82にて実行される本実施形態の主側コマンド対応処理について説明する。
まずステップS2701では、主側MPU62から一時停止準備コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2701にて肯定判定をした場合には、ステップS2702にて、一時停止準備用の発光データの読み出し処理を実行するとともに、ステップS2703にて、一時停止準備用の音出力データの読み出し処理を実行する。その後、ステップS2704にて、一時停止準備コマンドを表示側MPU92に送信した後に、本主側コマンド対応処理を終了する。
ステップS2702及びステップS2703の処理が実行された場合、次回の発光制御処理(ステップS1005)及び次回の音出力制御処理(ステップS1007又はステップS1008)が実行されることで、表示発光部53の発光態様が、この後に一時停止状態となることを報知するための発光態様となるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、この後に一時停止状態となることを報知するための音声が出力される。
なお、ステップS2702にて一時停止準備用の発光データが読み出されたとしても、それまで発光制御処理において参照されていた演出用の発光データは音光側RAM84から消去されることはなく、さらに発光制御処理が実行される度にポインタの更新は継続される。同様に、ステップS2703にて一時停止準備用の音出力データが読み出されたとしても、それまで音出力制御処理において参照されていた演出用の音出力データは音光側RAM84から消去されることはなく、さらに音出力制御処理が実行される度にポインタの更新は継続される。
ステップS2701にて否定判定をした場合には、ステップS2705にて、主側MPU62から一時停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2705にて肯定判定をした場合には、ステップS2706にて、一時停止準備用の発光データではなく、現状設定されている演出用の発光データのポインタ停止処理を実行することで、表示発光部53における演出用の発光制御が中断される。また、ステップS2707にて、音出力データのポインタ更新処理を実行することで、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じた、演出用の音出力制御が中断される。
その後、ステップS2708にて、一時停止準備用の発光データのクリア処理、及び一時停止準備用の音出力データのクリア処理を実行する。そして、ステップS2709にて、一時停止用の発光データの読み出し処理を実行するとともに、ステップS2710にて、一時停止用の音出力データの読み出し処理を実行する。その後、ステップS2711にて、一時停止コマンドを表示側MPU92に送信した後に、本主側コマンド対応処理を終了する。
ステップS2709及びステップS2710の処理が実行された場合、次回の発光制御処理(ステップS1005)及び次回の音出力制御処理(ステップS1007又はステップS1008)が実行されることで、表示発光部53の発光態様が、一時停止状態であることを報知するための発光態様となるとともに、スピーカ部54又は外部出力端子58を通じて、一時停止状態であることを報知するための音声が出力される。
なお、ステップS2709にて一時停止用の発光データが読み出されたとしても、それまで発光制御処理において参照されていた演出用の発光データは音光側RAM84から消去されない。同様に、ステップS2710にて一時停止用の音出力データが読み出されたとしても、それまで音出力制御処理において参照されていた演出用の音出力データは音光側RAM84から消去されない。
ステップS2705にて否定判定をした場合には、ステップS2712にて、一時停止解除コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2712にて肯定判定をした場合には、ステップS2713にて、一時停止用の発光データのクリア処理、及び一時停止用の音出力データのクリア処理を実行する。続くステップS2714では発光データの復帰処理を実行するとともに、ステップS2715では音出力データの復帰処理を実行する。これにより、一時停止コマンドを受信した場合にステップS2706及びステップS2707においてポインタ停止処理の対象となった発光データ及び音出力データによる発光制御及び音出力制御が再開される。この場合、ステップS2706及びステップS2707にて中断させたタイミングにおける発光態様及び音出力態様から、発光制御及び音出力制御が再開される。その後、ステップS2716にて、一時停止解除コマンドを表示側MPU92に送信した後に、本主側コマンド対応処理を終了する。
ステップS2712にて否定判定をした場合には、ステップS2717にて、その他の処理を実行した後に、本主側コマンド対応処理を終了する。当該その他の処理の処理内容は、上記第1の実施形態における主側コマンド対応処理(図19)のステップS1101〜ステップS1127と同様である。
次に、図45のフローチャートを参照しながら、表示側MPU92にて実行されるコマンド対応処理について説明する。なお、当該コマンド対応処理は、V割込み処理(図20)のステップS1203にて実行される。また、以下の説明では、図46(a)を参照しながら、一時停止準備中の図柄表示装置41の表示内容について説明するとともに、図46(b)を参照しながら、一時停止中の図柄表示装置41の表示内容について説明する。
まずステップS2801では、音光側MPU82から一時停止準備コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2801にて肯定判定をした場合には、ステップS2802にて、一時停止準備用の追加データの設定処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
当該一時停止準備用の追加データが設定されることで、図柄表示装置41において一時停止準備中であることを示す報知が開始される。但し、当該追加データは現状のデータテーブルにおいて定められているタスクデータの付加データとして設定される。したがって、現状のデータテーブルによる演出用の画像に対して、一時停止準備用の画像が付加されることとなる。また、一時停止準備用の追加データが設定されたとしても、現状のデータテーブルに対するポインタ更新処理は継続されるため、データテーブルに基づく表示演出は進行することとなる。当該一時停止準備中の表示内容について具体的には、図46(a)に示すように、遊技回における全図柄列Z1〜Z3での図柄の変動表示が行われている状況において、当該変動表示されている図柄と重ならない位置において「一時停止準備中」という表示がなされる。
ステップS2801にて否定判定をした場合には、ステップS2803にて、音光側MPU82から一時停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2803にて肯定判定をした場合には、ステップS2804にて、現状のデータテーブルについてポインタ停止処理を実行することで、現状設定されている表示演出の進行を中断させる。続くステップS2805では、一時停止準備用の追加データのクリア処理を実行する。その後、ステップS2806にて、一時停止用の追加データの設定処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
当該一時停止用の追加データが設定されることで、図柄表示装置41において一時停止中であることを示す報知が開始される。但し、当該追加データは現状のデータテーブルにおいて定められているタスクデータの付加データとして設定される。したがって、現状のデータテーブルによる演出用の画像に対して、一時停止用の画像が付加されることとなる。当該一時停止中の表示内容について具体的には、図46(b)に示すように、遊技回における図柄の変動表示が終了して最終停止時間が経過した直後の状況において、最終停止表示されている図柄と重ならない位置において「一時停止中」という表示がなされる。
ステップS2803にて否定判定をした場合には、ステップS2807にて、音光側MPU82から一時停止解除コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2807にて肯定判定をした場合には、ステップS2808にてポインタ復帰処理を実行する。これにより、一時停止コマンドを受信した場合にステップS2804においてポインタ停止処理の対象となったデータテーブルによる表示制御が再開される。この場合、ステップS2804にて中断させたタイミングにおける表示態様から表示制御が再開される。その後、ステップS2809にて、一時停止用の追加データのクリア処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。
ステップS2807にて否定判定をした場合には、ステップS2810にて、その他の処理を実行した後に、本コマンド対応処理を終了する。その他の処理では、音光側MPU82から受信する他のコマンドに対応した処理を実行する。
以上詳述した第5の実施形態によれば、一時停止操作部57が操作された場合には、上記第1の実施形態と同様に、主側MPU62における遊技の進行が一時的に制限される。これにより、遊技者は必要に応じて遊技の進行を制限させた状態とすることが可能となり、例えば遊技を長時間行って疲労感を感じた場合には、遊技を中断することが可能となる。よって、遊技者の疲労感を低減させることが可能となる。
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、一時停止準備状態となる場合には一時停止準備コマンドが音光側MPU82に送信されるとともに、一時停止状態となる場合には一時停止コマンドが音光側MPU82に送信される。そして、一時停止準備状態においてはそれに対応した報知が少なくとも図柄表示装置41にて行われるとともに、一時停止状態においてはそれに対応した報知が少なくとも図柄表示装置41にて行われる。これにより、これら一時停止準備状態及び一時停止状態であることの報知を、遊技者にとって明確な態様で行うことが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、一時停止操作部57が操作された際に一時停止状態に設定されるための条件が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明し、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図47(a)は、主側MPU62にて実行される普電役物の監視処理を示すフローチャートである。なお、当該普電役物の監視処理は、タイマ割込み処理(図10)にて実行される。
まずステップS2901では、第2作動口34の普電役物34aが開放中であるか否かを判定する。ステップS2901にて肯定判定をした場合には、ステップS2902にて、主側RAM64に設けられた一時停止規制フラグに「1」をセットした後に、本普電役物の監視処理を終了する。一方、ステップS2901にて否定判定をした場合には、ステップS2903にて、一時停止規制フラグを「0」クリアした後に、本普電役物の監視処理を終了する。一時停止規制フラグは、主側MPU62において普電役物34aが開放中であるか否かを特定するためのフラグである。
なお、低頻度サポートモードにおいて普電開放状態となった場合、普電役物34aは1回のみ開放されるのに対して、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態となった場合、普電役物34aは複数回開放される。この場合に、高頻度サポートモードにおける普電開放状態においては、普電役物34aの一の開放回と次の開放回との間の閉鎖期間においても、一時停止規制フラグは「0」クリアされる。
図47(b)は、主側MPU62にて実行される本実施形態の一時停止設定処理を示すフローチャートである。
まずステップS3001では、主側RAM64の一時停止準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS3001にて否定判定をした場合にはそのまま本一時停止設定処理を終了し、ステップS3001にて肯定判定をした場合にはステップS3002に進む。ステップS3002では、主側RAM64の一時停止規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS3002にて肯定判定をした場合にはそのまま本一時停止設定処理を終了し、ステップS3002にて否定判定をした場合にはステップS3003〜ステップS3007の処理を実行して一時停止状態に設定した後に、本一時停止設定処理を終了する。ステップS3003〜ステップS3007の処理内容は、上記第1の実施形態における一時停止設定処理(図22)のステップS1402〜ステップS1406の処理内容と同一である。
以上詳述した第6の実施形態によれば、普電役物34aが開放状態となっている最中に主側MPU62における遊技の進行が一時的に制限された状態とならないようにすることが可能となる。これにより、普電役物34aの開放状態が長期間に亘って継続されてしまうことを防止することが可能となる。第2作動口34への入賞は当否判定処理の実行契機となるため、当該第2作動口34に対する不正行為が想定されるが、一時停止操作部57が任意のタイミングで操作される構成において、普電役物34aの開放状態が長期間に亘って継続されてしまわないようにすることが可能となる。
また、高頻度サポートモードにおいては普電開放状態となった場合、普電役物34aが複数回開放されるが、普電開放状態中における普電役物34aの一の開放回と次の開放回との間であっても、遊技の進行が一時的に制限された状態となり得る。これにより、一時停止操作部57が操作されたにも関わらず、遊技の進行が一時的に制限された状態の設定が長期間に亘って行われないという事態の発生を阻止することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を、任意の組合せで適用した構成としてもよく、その任意の組合せで適用した構成に、以下の別形態の構成を、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態などにおいて、異常事態が発生した場合に、主側MPU62におけるタイマ割込み処理(図10)のステップS209〜ステップS220の処理が実行されなくなる構成に代えて、タイマ割込み処理自体が行われなくなる構成としてもよい。この場合、異常停止状態においては異常事態の発生が解消されたか否か、すなわちホール側MPU201から異常解除信号を受信したか否かの判定のみを繰り返し行い、異常事態の発生が解除されたことを特定した場合にはタイマ割込み処理が実行される状態に復帰する構成としてもよい。また、当該構成であっても、停電情報記憶処理は繰り返し実行されるようにすることで、遊技の進行が制限された状態のまま主側MPU62への動作電力の供給が停止されることとなったとしても、当該主側MPU62において停電時処理を実行することが可能となる。
(2)異常事態が発生した場合における異常停止状態への設定が、上記第1の実施形態において一時停止操作部57が操作された場合と同様に、パチンコ機10において特定動作(遊技回用の演出、開閉実行モードのオープニング演出及び特電入賞装置32の開放状態、開閉実行モードのエンディング演出の少なくともいずれか)が行われている状況では行われずに、当該特定動作の終了後に行われる構成としてもよい。この場合、パチンコ機10の動作として区切りの良いタイミングで異常停止状態とすることが可能となる。
(3)異常停止状態への設定が行われた場合には、異常停止状態の設定が行われてから所定の期間が経過した後に、自動的に主側MPU62において処理を実行するのに必要な動作電力の供給が遮断される構成としてもよい。この場合、主制御装置60以外の電気機器に対する動作電力の供給も遮断される構成としてもよい。当該構成であっても、主側RAM64にバックアップ電力が供給されるようにすることで、電源を再投入した際には、異常停止状態の設定時の状態に復帰することが可能となる。
(4)異常停止状態となった場合には、図柄表示装置41において、異常事態が発生していることを示す表示と、演出表示を途中で停止させた状態の表示と、現状の遊技状態の内容を示す表示とが行われる構成としたが、これらのうちいずれか1つの表示のみがなされる構成としてもよく、これらのうちいずれか2つの表示のみが行われる構成としてもよい。また、異常停止状態では図柄表示装置41への動作電力の供給が停止され、その代わりに、異常停止状態であることを示す専用の表示部において異常停止状態であることを示す表示が行われる構成としてもよく、スピーカ部54から異常停止状態であることを示す警告音が繰り返し出力される構成としてもよい。
(5)上記第4の実施形態において、主側MPU62と音光側MPU82とを双方向通信可能とし、音光側MPU82にてホール側MPU201から異常信号を受信した場合には、当該音光側MPU82から主側MPU62に異常コマンドが送信される構成としてもよい。この場合、主側MPU62では、異常コマンドを受信した場合に、上記第1の実施形態と同様に、遊技の進行が制限される構成としてもよい。
(6)異常停止状態となった場合には、払出制御装置77にそれに対応したコマンドが主側MPU62から送信され、当該払出制御装置77においても遊技球の払出制御の実行が制限される構成としてもよい。この場合、異常事態が発生した場合には、払出制御装置77のRAMに記憶された賞球個数情報に基づく遊技球の払出途中であったとしても、遊技球の払出が停止される構成としてもよい。
(7)特電入賞装置32の開放状態中に異常停止状態となった場合には、特電入賞装置32が閉鎖状態とされる構成としてもよい。この場合、異常停止状態の解除後には、その閉鎖状態への設定の対象となった開放回について、開放継続期間の途中から特電入賞装置32の開放が再開される構成としてもよく、開放継続期間の計測が最初から開始される構成としてもよい。また、これらの場合において、当該開放回に対応した上限個数の計測は、異常停止状態の設定時における値から再開される構成としてもよく、最初から開始される構成としてもよい。
(8)異常停止状態となった場合には、主側MPU62におけるタイマ割込み処理(図10)の実行周期が異常停止状態ではない場合よりも長くなることで、遊技の進行が制限される構成としてもよい。
(9)上記第1の実施形態において、異常停止状態はホール側MPU201から異常解除信号を受信した場合に解除されるとともに、主側の解除用操作部131が操作された場合にも解除される構成としてもよい。この場合、異常停止状態を解除するための方法が多様化する。
(10)上記第1の実施形態において、ホール側MPU201から異常解除信号が送信されない構成とし、主側の解除用操作部131が操作された場合に異常停止状態が解除される構成としてもよく、主側の解除用操作部131を不具備とし、ホール側MPU201から異常解除信号が送信された場合に解除される構成としてもよい。主側の解除用操作部131を不具備とした場合であっても、パチンコ機10に上記第2の実施形態などと同様に、電源スイッチ143を設けるとともに、電源スイッチ143がOFFとなっている状況であっても主側RAM64にバックアップ電力が供給されるようにすることで、異常事態が解消された場合には、未だ遊技者が戻っていないパチンコ機10については、図柄表示装置41に表示されている現状の遊技状態の内容などを踏まえて、選択的に電源スイッチ143をOFFとするようにしてもよい。
(11)上記第1の実施形態では、異常事態が発生した場合には遊技の進行が制限されることの事前報知が行われた後に、当該遊技の進行が制限される異常停止状態となる構成としたが、当該事前報知が行われることなく、異常停止状態となる構成としてもよい。この場合、異常停止状態中においても、スピーカ部54からは異常停止状態中であることを示す報知音又は報知音声が出力され続ける構成としてもよい。
また、上記第2の実施形態や上記第3の実施形態において、異常事態が発生した場合には、遮断状態となることの事前報知が行われることなく、遮断状態とされる構成としてもよい。
(12)外部出力端子58に対してヘッドホンやイヤホンが接続されているパチンコ機10のみが異常停止状態への設定が行われる構成としてもよい。異常事態が発生した場合には、遊技ホールのスピーカなどにおいて異常事態が発生したことの報知が行われるようにすることで、ヘッドホンやイヤホンを利用していない遊技者には異常事態の発生を報知することが可能であるが、ヘッドホンやイヤホンを利用している遊技者は当該報知に気付かないおそれがある。これに対して、パチンコ機10において異常停止状態の設定が行われることで、当該遊技者にも異常事態の発生を認識させることが可能となる。
(13)上記第4の実施形態において、異常事態が発生した場合には、図柄表示装置41において異常事態が発生していることを報知する画像のみが表示され、演出表示を途中で停止させた画像は表示されない構成としてもよい。
(14)パチンコ機10に熱検知センサ、煙検知センサ又は振動センサ等を設け、これらセンサにより異常事態の発生をパチンコ機10自身にて検知する構成としてもよい。この場合、ホール側MPU201からパチンコ機10に情報を出力しなくても、異常事態が発生した場合にはパチンコ機10が上記第1の実施形態などのような異常停止状態や上記第2の実施形態などのような電源の遮断状態となるようにすることが可能となる。
(15)ホール側MPU201は、電気通信回線を利用して遊技ホールの外部装置(例えば遊技ホールや遊技機メーカが加盟している外部機関の装置)から異常事態発生の情報を受信した場合に、各パチンコ機10に異常信号や電源遮断用信号を送信する構成としてもよい。この場合、上記第1の実施形態などのような異常停止状態や上記第2の実施形態などのような電源の遮断状態の解除に際しても、遊技ホールの外部装置からの情報の受信を条件とする構成としてもよく、当該解除については、遊技ホールの外部装置からの情報の受信を必要とすることなく遊技ホール内における操作を契機とする構成としてもよい。
(16)異常事態が発生していることの報知がパチンコ機10にて行われる構成に加えて又は代えて、遊技ホールにおけるデータカウンタDCなどの装置を利用して行われる構成としてもよい。
(17)地震や火災といった異常事態が発生した場合に異常停止状態となる構成に加えて又は代えて、パチンコ機10に対する不正電波、不正磁石、不正振動の発生を検知した場合に、上記第1の実施形態などのような異常停止状態、又は上記第2の実施形態などのような電源の遮断状態となる構成としてもよい。
(18)上記第2の実施形態などの電源遮断用回路141がパチンコ機10の外部に設けられており、ホール側MPU201から電源遮断用回路141に電源遮断用信号が送信された場合、パチンコ機10への動作電力の供給が停止される構成としてもよい。
(19)上記第2の実施形態などにおいて、異常事態が発生したことが特定された場合には、主側MPU62において処理を実行するのに必要な動作電力の供給は遮断されるものの、音光側MPU82及び表示側MPU92の少なくとも一方への動作電力の供給は継続される構成としてもよい。この場合、主側MPU62が電源の遮断状態となっている状況であっても、図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54又は外部出力端子58において、異常事態が発生していることの報知や、遊技の進行が制限されていることの報知が行われるようにすることが可能となる。
(20)音光側RAM84や表示側RAM94にもバックアップ電力が供給される構成としてもよい。当該構成を、上記第2の実施形態や上記第3の実施形態に適用した場合、異常事態が発生して電源の遮断状態となったとしても、当該遮断状態の解除後には、遮断状態の設定時における内容から演出を再開することが可能となる。
(21)一時停止操作部57が操作された場合の一時停止状態への設定が、上記第1の実施形態において異常事態が発生した場合と同様に、パチンコ機10において特定動作が行われている状況であるか否かに関係なく行われる構成としてもよい。この場合、遊技者が所望のタイミングで一時停止状態への設定を行うことが可能となる。
(22)特電入賞装置32が開放中であっても一時停止状態への設定が行われる構成においては、一時停止状態となった場合には、当該特電入賞装置32を一旦、閉鎖状態とする構成としてもよい。この場合、一時停止状態の解除後には、一時停止状態の設定時における開放回については、当該設定時における残りの開放継続時間に亘って特電入賞装置32が開放され、さらに上限個数の計測も設定時の値から再開される構成とすることで、一時停止状態への設定を行ったか否かによって遊技者の利益率が変動してしまわないようにすることが可能となる。
(23)一時停止状態となった場合に、主側MPU62におけるタイマ割込み処理(図10)のステップS209〜ステップS220の処理が実行されなくなる構成に代えて、タイマ割込み処理自体が行われなくなる構成としてもよい。この場合、一時停止状態においては一時停止状態の解除操作が行われたか否かの判定のみを繰り返し行い、一時停止状態の解除操作が行われたことを特定した場合にはタイマ割込み処理が実行される状態に復帰する構成としてもよい。また、当該構成であっても、停電情報記憶処理は繰り返し実行されるようにすることで、遊技の進行が制限された状態のまま主側MPU62への動作電力の供給が停止されることとなったとしても、当該主側MPU62において停電時処理を実行することが可能となる。また、当該構成であっても、不正検知処理は繰り返し実行されるようにすることで、一時停止状態中の不正行為に対処することが可能となる。なお、不正検知処理にて不正の発生を特定した場合には不正発生報知を行う構成とすることが好ましい。
(24)一時停止状態となった場合には、払出制御装置77にそれに対応したコマンドが主側MPU62から送信され、当該払出制御装置77においても遊技球の払出制御の実行が制限される構成としてもよい。この場合、一時停止状態となった場合には、払出制御装置77のRAMに記憶された賞球個数情報に基づく遊技球の払出途中であったとしても、遊技球の払出が停止される構成としてもよい。
(25)一時停止操作部57が数字やアルファベットなどからなる文字列を入力可能な構成とし、一時停止状態への設定に際しては、遊技者によって解除用の暗号文字列の設定がなされ、当該解除用の暗号文字列を入力しないと一時停止状態が解除されない構成としてもよい。これにより、一時停止状態の設定を行った者以外による一時停止状態の解除操作を不可とすることが可能となる。但し、当該構成であっても、主側RAM64のクリア操作や、遊技機本体12を外枠11に対して開放状態とした場合に操作可能となる操作部の操作を行った場合には、解除用の暗号文字列の設定を行わなくても一時停止状態を解除可能とすることで、一時停止状態のまま放置されたパチンコ機10については、遊技ホールの管理者が当該一時停止状態を解除することが可能となる。
(26)一時停止状態が所定期間継続された場合には、その内容に対応した信号がホールコンピュータHCに外部出力される構成としてもよく、その内容に対応した報知がパチンコ機10にて行われる構成としてもよい。この場合、一時停止状態のまま放置されたパチンコ機10については、遊技ホールにてそれに対処することが可能となる。
(27)一時停止状態が所定期間継続された場合には、当該一時停止状態が自ずと解除される構成としてもよい。この場合、一時停止状態のままパチンコ機10が放置されてしまうことを防止することが可能となる。また、一時停止状態が解除されるまでの時間を遊技者が認識可能となるように図柄表示装置41などで報知を行う構成とすることで、一時停止状態が解除されるタイミングを遊技者に認識させることが可能となる。
(28)高頻度サポートモード中であっても、第1特図の保留情報が上限に達した場合には遊技球の発射が停止される構成としてもよい。当該構成は、例えば、第2作動口34に向けて遊技球が発射されている状況では、当該遊技球は第1作動口33に向けて流下しない構成に適用することが好ましい。
(29)高頻度サポートモード中に第2特図の保留情報が上限又は基準数に達した場合には遊技球の発射が停止される構成としてもよい。この場合、高頻度サポートモード中においても遊技球の発射を停止させたり再開させたり操作を遊技者が行わなくてもよくなり、遊技者の疲労を軽減させることが可能となる。
(30)第1作動口33と第2作動口34とで保留情報が区別して記憶されない構成において、高頻度サポートモード中には保留情報の数に応じた発射制限が行われない構成を適用してもよい。また、第1作動口33と第2作動口34とで保留情報が区別して記憶されない構成において、高頻度サポートモード中には保留情報の数が上限又は基準数に達した場合には遊技球の発射が停止される構成としてもよい。
(31)第2特図の保留情報が第1特図の保留情報よりも当否判定に際して優先されずに、いずれの保留情報であっても取得順序に従って消化される構成においては、高頻度サポートモード中には第2特図の保留情報の数が上限又は基準数に達した場合に遊技球の発射が停止される構成としてもよく、第1特図の保留情報と第2特図の保留情報との合計数が上限又は基準数に達した場合に遊技球の発射が停止される構成としてもよい。
(32)開閉実行モード中であっても、第1特図の保留情報が上限に達した場合には遊技球の発射が停止される構成としてもよい。当該構成は、例えば特電入賞装置32に向けて遊技球が発射されている状況では、当該遊技球は第1作動口33に向けて流下しない構成に適用することが好ましい。
(33)保留情報の数との関係で遊技球の発射が自動停止されている場合には、それに対応した報知が行われる構成としてもよい。当該報知は、主側MPU62により直接的に制御される報知部にて行われる構成としてもよく、音光側MPU82による制御に基づき、表示発光部53、スピーカ部54又は外部出力端子58にて行われる構成としてもよく、表示側MPU92による制御に基づき、図柄表示装置41にて行われる構成としてもよい。
(34)遊技球の発射の自動停止は、第1特図の保留情報が「上限数−1」個以上となった場合に開始される構成としてもよい。また、当たり結果とならず、さらにリーチ表示が発生しない遊技回において保留情報の数との関係で遊技回の表示継続時間が短縮されることとなる保留情報の数以上となった場合に、遊技球の発射の自動停止が開始される構成としてもよい。
(35)保留情報の数が基準数に達した場合には、遊技球の発射周期がそれまでよりも長くなることで、遊技球の発射が制限される構成としてもよい。
(36)低頻度入賞モードの開閉実行モード中であれば、第1特図の保留情報の数が上限数又は基準数に達した場合に遊技球の発射が自動停止される構成としてもよい。
(37)保留情報の数との関係で遊技球の発射の自動停止が行われるか否かを遊技者の選択操作によって決定可能な構成としてもよい。
(38)遊技盤24bに設けられている釘24bの頭部又は全体の色を、必要に応じて変更する構成としてもよい。
(38−1)例えば、遊技領域PAの上部において当該遊技領域PAに発射された遊技球が最初に衝突し得る釘24bのうち、最初に衝突した場合に他の釘24bに衝突した場合よりも所定の入球部への入賞確率が高くなる釘24b、又は隣接する複数の釘24b群の頭部若しくは全体の色を、他の釘24bとは異なる色とする構成としてもよい。この場合、遊技者は、当該色が異なる釘24bを狙って遊技球の発射操作を行うことで、所定の入球部への入賞確率を高くすることが可能となる。当該所定の入球部としては、第1作動口33が考えられ、この場合、第1作動口33への入賞確率を高くすることが可能となる。また、これ以外にも、特電入賞装置32、第2作動口34及びスルーゲート35が挙げられる。また、所定の入球部が複数種類存在している場合には、所定の入球部種類毎に、対応する釘24b又は釘24b群の色を異ならせる構成としてもよい。この場合、所定の入球部毎に色を相違させ、各所定の入球部に対応した釘24b又は釘24b群には、その対応する所定の入球部に付されている色を付す構成としてもよい。
(38−2)遊技領域PAにおいて図柄表示装置41を挟んで左右に遊技球の流下領域が設定されているとともに、所定の遊技状態においては左側領域を遊技球が流下するように遊技球の発射操作が行われ、他の遊技状態においては右側領域を遊技球が流下するように遊技球の発射操作が行われる構成においては、遊技領域PAの上部において右側領域を流下させるのに必要な遊技球の到達位置に対応した釘24b、又は隣接する複数の釘24b群の頭部若しくは全体の色を、他の釘24bとは異なる色とする構成としてもよい。この場合、遊技者は、当該色が異なる釘24bを狙って遊技球の発射操作を行うことで、右側領域に向けた遊技球の発射を簡単に行うことが可能となる。
なお、本構成は、例えば、第1作動口33や第2作動口34が図柄表示装置41の下方に配置されている一方、特電入賞装置32が図柄表示装置41の右方に配置されており、開閉実行モードではない状況では左側領域を流下するように遊技球の発射操作が行われ、開閉実行モードでは右側領域を流下するように遊技球の発射操作が行われる構成に適用するとよい。
また、本構成は、例えば、第1作動口33が図柄表示装置41の下方に配置されている一方、第2作動口34が図柄表示装置41の右方に配置されており、低頻度サポートモードでは左側領域を流下するように遊技球の発射操作が行われ、高頻度サポートモードでは右側領域を流下するように遊技球の発射操作が行われる構成に適用するとよい。
(38−3)第1作動口33の上方に、当該第1作動口33に入球する遊技球の流下方向を縦方向に規制する機能を有する左右一対の釘24bが存在している構成においては、これら一対の釘24bの頭部又は全体の色を、他の釘24bとは異なる色とする構成としてもよい。この場合、遊技者は、自身が遊技を行うパチンコ機10を第1作動口33への入賞確率との関係で選択する場合に、その色が異なる釘24bを注目すればよいため、当該選択作業の容易化が図られる。
(38−4)同一機種のパチンコ機10において、大当たり結果の当選確率や、大当たり結果の種類が相違するといった複数の仕様が存在している場合、当該仕様に応じて、一部又は全部の釘24bについて、頭部又は全体の色を相違させる構成としてもよい。この場合、同一機種のパチンコ機10間においていずれの仕様であるかを遊技者が認識し易くなる。
(39)開閉実行モードが実行されている期間中は、当該開閉実行モード移行前における高確率モードフラグの内容に関係なく、当該高確率モードフラグの値が「0」とされる構成としてもよい。この場合、開閉実行モード中は当否抽選モードが低確率モードに設定されることとなる。また、高確率モードフラグを「0」クリアするタイミングは、特図表示部37a,37bにて、開閉実行モードへの移行に対応した態様による停止表示が開始されるタイミングであってもよく、開閉実行モードの開始タイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング時間の途中のタイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング演出の終了タイミングであってもよい。但し、当該構成においては、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する場合に、高確率モードフラグの内容からでは開閉実行モード移行前の当否抽選モードを判断することができない。したがって、開閉実行モードへの移行に際して、当該開閉実行モード移行前の当否抽選モードを特定可能とするデータの記憶処理を実行することが好ましい。
(40)開閉実行モードが実行されている期間中は、当該開閉実行モード移行前における高頻度サポートフラグの内容に関係なく、当該高頻度サポートフラグの値が「0」とされる構成としてもよい。この場合であっても、開閉実行モード中はサポートモードが低頻度サポートモードに設定されることとなる。また、高頻度サポートフラグを「0」クリアするタイミングは、特図表示部37a,37bにて、開閉実行モードへの移行に対応した態様による停止表示が開始されるタイミングであってもよく、開閉実行モードの開始タイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング時間の途中のタイミングであってもよく、開閉実行モードのオープニング演出の終了タイミングであってもよい。但し、当該構成においては、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する場合に、高頻度サポートフラグの内容からでは開閉実行モード移行前のサポートモードを判断することができない。したがって、開閉実行モードへの移行に際して、当該開閉実行モード移行前のサポートモードを特定可能とするデータの記憶処理を実行することが好ましい。
(41)特電入賞装置32の閉鎖中は特電入賞装置32が完全に閉鎖される構成としたが、特電入賞装置32の一部の領域が閉鎖されていない構成としてもよい。この場合、その一部の領域を通じて、閉鎖中であっても特電入賞装置32に遊技球が入賞し得る構成としてもよく、その一部の領域が遊技球よりも狭い領域であることにより閉鎖中において特電入賞装置32への遊技球の入賞が不可である構成としてもよい。
(42)普電役物34aの閉鎖中は第2作動口34への遊技球の入賞が不可となる構成に代えて、普電役物34aの閉鎖中であっても第2作動口34への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。但し、その入賞のし易さは、普電役物34aの開放中よりも低い必要がある。
(43)第1作動口33への入賞が発生したことにより取得された保留情報と第2作動口34への入賞が発生したことにより取得された保留情報とが区別して記憶されない構成としてもよい。また、第2作動口34側の保留情報が優先して消化される構成に限定されることはなく、これとは逆に第1作動口33側の保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、第1作動口33であるか第2作動口34であるかに関係なく取得順序で消化される構成を適用してもよい。
(44)第1作動口33への入賞が発生したことにより取得された保留情報が当否判定の対象となった場合と、第2作動口34への入賞が発生したことにより取得された保留情報が当否判定の対象となった場合とで、大当たり結果の振分態様が同一である構成としてもよい。
(45)主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置80により表示制御装置90が制御される構成に代えて、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置90が音声発光制御装置80を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置80と表示制御装置90とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置80に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置80から表示制御装置90に出力されるコマンドの構成も任意である。
(46)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(47)上記実施形態では、特図表示部37a,37bにおいて各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部37a,37bを不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部37a,37bにおいて共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部37a,37bにおいて停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部37a,37bの表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(48)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技を進行させるために少なくとも所定処理(タイマ割込み処理におけるステップS209〜ステップS220の処理)を実行する進行制御手段(主側MPU62)と、
遊技の進行に応じた表示を行う表示手段(図柄表示装置41)と、
特定条件が成立した場合(第1の実施形態ではいずれかの異常信号を受信した場合、第5の実施形態では一時停止操作部57が操作された場合)に、少なくとも前記所定処理の実行を制限し、前記表示手段における前記遊技の進行に応じた表示が停止表示されるようにする制限手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2602〜ステップS2605の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、特定条件が成立した場合には、所定処理の実行が制限されることで、遊技の進行を制限することが可能となる。これにより、特定条件が成立した場合において、遊技機にて通常の遊技を行うことを不可とすることが可能となり、遊技機自体で特定条件の成立に対処することが可能となる。
また、当該所定処理の実行が制限される場合には、表示手段における遊技の進行に応じた表示が停止されるため、遊技の進行が制限されていることを遊技者に認識させることが可能であるとともに、遊技の進行が制限された状態は一時的な制限であり復帰可能であることを遊技者に認識させることが可能となる。これにより、遊技の進行が制限された際に遊技者に不利益が及んでいないことを認識させることが可能となり、遊技者が混乱してしまうことを抑制することが可能となる。
以上より、好適に遊技を中断させることが可能となる。
特徴A2.特定解除条件が成立した場合(第1の実施形態では異常解除信号を受信した場合、第5の実施形態では一時停止操作部57に対して一時停止解除用の操作がされた場合)に、前記制限手段により制限された状態を解除して、前記進行制御手段の制御による遊技の進行内容を制限前の状態に復帰させる制限解除手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1719及びステップS1720の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2512及びステップS2513の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特定解除条件が成立した場合には、遊技の進行内容が制限前の状態に復帰されるため、特定条件が成立した場合に遊技の進行を制限するようにした構成において、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。
特徴A3.前記制限解除手段は、前記特定解除条件が成立した場合、前記表示手段における前記遊技の進行に応じた表示が制限時の状態から再開されるようにするものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、特定解除条件が成立した場合には、遊技の進行に応じた表示が制限時の状態から再開されるため、遊技者はそれを確認することで、遊技者に不利益が生じていないことを認識することが可能となる。
特徴A4.前記進行制御手段は、
抽選条件が成立した場合に抽選処理を実行する抽選処理実行手段(主側MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)と、
前記抽選処理の抽選結果に応じて遊技状態を移行させる移行処理を実行する移行処理実行手段(主側MPU62におけるステップS706〜ステップS709の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選処理の抽選結果に応じた特定演出(遊技回用の演出)が行われるように前記表示手段を表示制御する特定演出制御手段(表示側MPU92におけるタスク処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記抽選処理及び前記移行処理の少なくとも一方を含み、
前記制限手段は、前記特定演出の実行中に前記特定条件が成立した場合に、当該特定演出の途中の表示態様が前記表示手段に停止表示されるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特定演出の途中であってもその表示態様が停止表示されるため、特定条件が成立して遊技の進行を制限した場合にはそれを遊技者に早期に認識させることが可能となる。
特徴A5.前記表示手段とは別に設けられた別表示手段(第1特図表示部37a、第2特図表示部37b)と、
前記別表示手段にて所定継続期間に亘って変動表示を行わせ、前記抽選処理の抽選結果に対応した表示を行わせる別表示制御手段(主側MPU62における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出制御手段は、前記特定演出として、前記表示手段にて前記所定継続期間に亘って変動表示を行わせ、前記抽選処理の抽選結果に対応した表示を行わせるものであり、
前記制限手段は、前記特定演出の実行中に前記特定条件が成立した場合に、前記特定演出の途中の表示態様が前記表示手段に停止表示されるようにし、前記別表示手段の変動表示も停止されるようにするものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、表示手段及び別表示手段における所定継続期間に亘る表示内容を同期させた状態で、遊技の進行を制限する際の停止表示を行うことが可能となる。これにより、制限状態の解除後であっても、表示手段及び別表示手段における表示内容を同期させることが可能となる。
特徴A6.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態となることが可能な可変入球手段(特電入賞装置32)を備え、
前記進行制御手段は、前記可変入球手段を開閉制御するように開閉制御処理を実行する開閉制御手段(主側MPU62における特電開始処理、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記開閉制御処理を含み、
前記制限手段は、前記可変入球手段が前記開状態である状況で前記特定条件が成立した場合、当該可変入球手段が前記開状態である状況であっても前記所定処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、可変入球手段が開状態であっても遊技の進行が制限されるため、特定条件が成立した場合には遊技の進行を早期に制限することが可能となる。
特徴A7.前記制限手段は、前記特定条件が成立した場合、前記表示手段に現状の遊技状態の内容に対応した表示を行わせる手段(表示側MPU92におけるステップS1905及びステップS1906の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特定条件が成立して遊技の進行が制限される場合には、表示手段において現状の遊技状態の内容に対応した表示がなされるため、遊技ホールの管理者がその制限状態を解除する場合において各遊技機の状態に応じた態様で当該解除操作を行うことが可能となる。これにより、遊技者に不利益が及ばないような対処をし易くなる。
特徴A8.前記特定条件が成立した場合、前記制限手段による制限が行われるのに先立って、当該制限が行われることを事前報知する事前報知手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1706の処理を実行する機能、及び音光側MPU82におけるステップS1802〜ステップS1806の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2507の処理を実行する機能、及び音光側MPU82におけるステップS2802の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技の進行が制限されて表示手段において停止表示が行われる場合には、それが事前に報知されるため、遊技者が混乱しづらくなる。
特徴A9.前記特定条件は、少なくとも本遊技機以外の遊技機又は遊技ホールにて特定事象が発生した場合に成立するものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、遊技者に被害が及び得るような特定事象が発生した場合には、遊技の進行が制限されるとともに、表示手段において停止表示が行われるため、遊技者に避難を促すことが可能となり、遊技者に被害が及びづらくなる。
特徴A10.前記制限手段は、前記特定条件が成立した場合、前記表示手段にて前記特定事象が発生したことを遊技者に認識可能とさせる表示が行われるようにする特定事象対応手段(表示側MPU92におけるステップS1903及びステップS1904の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特定事象の発生を遊技者に明確に認識させることが可能となり、遊技者に避難を促すことが可能となる。
特徴A11.遊技機外部の装置が送信した特定情報を受信する受信手段(外部端子板79)を備え、
前記特定条件は、遊技機外部から特定情報(いずれかの異常信号)を受信した場合に成立するものであることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技ホールの管理の元で、遊技機にて遊技の進行が制限された状態とすることが可能となる。
特徴A12.前記進行制御手段は、前記制限手段を有し、前記受信手段にて前記特定情報が受信された場合に前記所定処理の実行を制限し、前記表示手段を表示制御する表示制御手段(音光側MPU82及び表示側MPU92)に制限情報(異常コマンド)を送信するものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、進行制御手段により統括管理された状態で、遊技の進行の制限と、表示手段における停止表示とを行うことが可能であるとともに、これを、進行制御手段と表示制御手段との間の通信を双方向通信としなくても実現することが可能となる。
特徴A13.前記制限手段により制限された状態を解除すべく操作される制限解除操作手段(主側の解除用操作部131)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技機単位で個別に制限状態を解除することが可能となる。
特徴A14.前記進行制御手段は、前記所定処理を実行する場合に参照される情報を一時的に記憶する情報記憶手段(主側RAM64)を備え、
当該遊技機は、外部からの電源供給が遮断されている状況であっても、情報の記憶保持を可能とするように前記情報記憶手段に電断中用電力を供給する電断中用供給手段(電断中用電源部78b)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技の進行が制限された状態のまま電源供給が遮断されたとしても、制限時における遊技の進行内容を情報記憶手段において記憶保持することが可能であるため、電源の再投入後において制限前の状態に復帰させることが可能となる。
特徴A15.遊技を進行させるために少なくとも所定処理(タイマ割込み処理におけるステップS209〜ステップS220の処理)を実行する進行制御手段(主側MPU62)と、
遊技の進行に応じた表示を行う表示手段(図柄表示装置41)と、
特定条件が成立した場合(第1の実施形態ではいずれかの異常信号を受信した場合、第5の実施形態では一時停止操作部57が操作された場合)に、前記進行制御手段による前記所定処理の実行を制限し、前記表示手段において現状の遊技状態の内容に対応した表示を行わせる制限手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2602〜ステップS2605の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A15によれば、特定条件が成立した場合には、所定処理の実行が制限されることで、遊技の進行を制限することが可能となる。これにより、特定条件が成立した場合において、遊技機にて通常の遊技を行うことを不可とすることが可能となり、遊技機自体で特定条件の成立に対処することが可能となる。
また、特定条件が成立して遊技の進行が制限される場合には、表示手段において現状の遊技状態の内容に対応した表示がなされるため、遊技ホールの管理者がその制限状態を解除する場合において、各遊技機の状態に応じた態様で当該解除操作を行うことが可能となる。これにより、遊技者に不利益が及ばないような対処をし易くなる。
以上より、好適に遊技を中断させることが可能となる。
特徴A16.耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を可能とするように音出力制御を行う第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている場合、遊技ホールのアナウンスを遊技者が聞き逃す可能性がある。これに対して、特定事象が発生した場合には進行制御手段への動作電力の供給が停止されるとともにそれに対応した表示がなされるため、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、特定事象の発生に気付かせることが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技を進行させるために少なくとも所定処理(タイマ割込み処理におけるステップS209〜ステップS220の処理)を実行する進行制御手段(主側MPU62)と、
遊技機外部の外部電源から供給される外部電力を利用して、前記進行制御手段において前記所定処理を実行するための動作電力を供給する電源手段(電入中用電源部78a)と、
遮断情報(電源遮断用信号)を受信した場合に、前記外部電源が前記外部電力を供給可能な状況であっても、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されないようにする遮断手段(電源遮断用回路141)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遮断情報を受信した場合には、進行制御手段への動作電力の供給が停止されて、遊技の進行が不可となる。これにより、遊技者に遊技を中断させる必要が生じた場合には、遊技機において電源が遮断された状態と同一の状態とすることが可能となり、遊技者に遊技を中断させて避難などさせることが可能となる。よって、好適に遊技を中断させることが可能となる。
特徴B2.前記進行制御手段は、前記所定処理を実行する場合に参照される情報を一時的に記憶する情報記憶手段(主側RAM64)を備え、
当該遊技機は、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されていない状況であっても、情報の記憶保持を可能とするように前記情報記憶手段に電断中用電力を供給する電断中用供給手段(電断中用電源部78b)を備え、
当該電断中用供給手段は、前記進行制御手段に向けた電力の供給経路において前記遮断手段よりも下流側に存在していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遮断情報が送信されて動作電力の供給が遮断されたとしても、当該遮断時における遊技の進行内容を情報記憶手段において記憶保持することが可能であるため、遮断状態の解除後において遮断前の状態に復帰させることが可能となる。
特徴B3.前記動作電力が遮断されることを特定した場合に前記進行制御手段に遮断発生情報(停電信号)を送信する遮断特定手段(停電監視基板65)を備え、
前記進行制御手段は、前記遮断発生情報を受信した場合に遮断時処理(主側MPU62におけるステップS309〜ステップS312の処理)を実行し、当該遮断時処理を実行した場合、前記動作電力の供給が再開された場合に前記情報記憶手段に記憶されている情報を参照して遮断前の状態に復帰することが可能な構成であり、
前記遮断特定手段は、前記進行制御手段に向けた電力の供給経路において前記遮断手段よりも下流側に存在していることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、遮断情報が送信されて電力供給が遮断される場合であっても、外部電源からの電力供給が遮断される場合と同様の構成を利用して、進行制御手段において遮断時処理を実行させることが可能となる。
特徴B4.前記遮断情報は、少なくとも本遊技機以外の遊技機又は遊技ホールにて特定事象が発生した場合に送信されるものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技者に被害が及び得るような特定事象が発生した場合には、進行制御手段への電力供給が遮断されて遊技の進行が停止される。これにより、遊技者に避難を促すことが可能となり、遊技者に被害が及びづらくなる。
特徴B5.前記遮断手段により前記動作電力の供給が遮断されるの先立って、当該動作電力の供給が遮断されることを事前に遊技者に認識可能とさせるよう報知手段(図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58)を制御する報知制御手段(音光側MPU82及び表示側MPU92)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、進行制御手段への動作電力の供給が遮断される場合には、それが事前に報知されるため、遊技者が混乱しづらくなる。
特徴B6.前記遮断手段は、遊技機外部の装置が送信した前記遮断情報を受信した場合に、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されないようにするものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技ホールの管理の元で、進行制御手段への動作電力の供給が遮断された状態とすることが可能となる。
特徴B7.前記遮断手段により前記動作電力の供給が遮断されるの先立って、当該動作電力の供給が遮断されることを事前に遊技者に認識可能とさせるよう報知手段(図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58)を制御する報知制御手段(音光側MPU82及び表示側MPU92)を備え、
前記遮断手段は、前記遮断情報を受信した場合、前記報知制御手段に向けて遮断報知用情報を送信し、報知用期間(電源遮断時間)が経過した後に、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されないようにするものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、遊技機外部の装置において遮断情報を送信するための構成の簡素化を図りながら、進行制御手段への動作電力の供給が遮断された状態とすることが可能となる。
特徴B8.前記遮断手段は、遮断状態の解除条件が成立した場合(電源復帰ボタン142が操作された場合)に、前記進行制御手段に前記動作電力の供給が遮断された状態を解除するものであることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、遮断状態の解除条件が成立した場合には、進行制御手段への動作電力の供給が再開されるため、遮断情報が送信された場合に進行制御手段への動作電力の供給が遮断されるようにした構成において、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。
特徴B9.前記遮断手段は、本遊技機に設けられた遮断解除操作部(電源復帰ボタン142)が操作された場合に、前記進行制御手段への前記動作電力の供給が遮断された状態を解除するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技機単位で個別に動作電力の遮断状態を解除することが可能となる。
特徴B10.前記遮断手段は、遊技機外部の装置が送信した遮断解除情報(電源復帰用信号)を受信した場合に、前記進行制御手段に前記動作電力の供給が遮断された状態を解除するものであることを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、遊技ホールの管理の元で、進行制御手段への動作電力の供給が遮断された状態を解除することが可能となる。
特徴B11.前記電源手段への電力供給を遮断するための操作を可能とする電源操作手段(電源スイッチ143)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
電源操作手段を備えた構成において、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴B12.耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を可能とするように音出力制御を行う第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている場合、遊技ホールのアナウンスを遊技者が聞き逃す可能性がある。これに対して、特定事象が発生した場合には進行制御手段への動作電力の供給が停止されるため、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、特定事象の発生に気付かせることが可能となる。
なお、上記特徴A群及び上記特徴B群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技を続行させることが好ましくない状況が生じ得ると考えられる。例えば、地震や火災などが発生した場合には、遊技を中断させて遊技者を避難させる必要がある。また、例えば、遊技機に対する不正行為が行われた場合には、不正な利益の取得を抑制する必要がある。こういった遊技を続行させることが好ましくない状況において、好適に遊技を中断させることが可能な構成を提供する必要がある。
<特徴C群>
特徴C1.少なくとも一の遊技機(パチンコ機10)との間で通信を行うことが可能なホール側手段(ホールコンピュータHC)を備えた遊技機システムにおいて、
少なくとも前記一の遊技機以外の遊技機又は遊技ホールにて特定事象が発生したことを特定する特定手段(第1の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1601若しくはステップS1602の処理を実行する機能、又は主側MPU62におけるステップS1703の処理を実行する機能、第2の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2001の処理を実行する機能、第3の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2201の処理を実行する機能、第4の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1601若しくはステップS1602の処理を実行する機能、又は音光側MPU82におけるステップS2301の処理を実行する機能)と、
当該特定手段により前記特定事象の発生が特定された後に、前記一の遊技機又は当該一の遊技機に対応した装置が特定事象対応状態となるようにする対応動作実行手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2104の動作を行う機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2307の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2402〜ステップS2406の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技システム。
特徴C1によれば、特定事象が発生した場合にはそれが遊技システムとして特定され、それに対応した特定事象対応状態への設定が行われる。これにより、遊技者に被害が及び得るような特定事象が発生した場合には、それに対処することが可能となり、遊技者に被害が及びづらくなる。よって、遊技ホールにおいて特定事象が発生した場合の対処を好適に行うことが可能となる。
特徴C2.前記ホール側手段は、前記特定手段により前記特定事象の発生が特定された場合に、特定事象情報を送信するホール側送信手段(第1の実施形態及び第4の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1602及びステップS1604の処理を実行する機能、第2の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能、第3の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2202及びステップS2205の処理を実行する機能)を備え、
前記一の遊技機が、前記対応動作実行手段を備え、
当該対応動作実行手段は、前記特定事象情報を受信した場合に、前記特定事象対応状態となるようにするものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技システム。
特徴C2によれば、特定事象の発生がホール側手段にて特定されるため、特定事象の発生の有無を一元的に管理することが可能となる。そして、特定事象の発生が特定された場合には、特定事象情報が遊技機に送信されるため、各遊技機において特定事象の発生に対応した状態とすることが可能となる。
特徴C3.前記特定手段は、
第1特定事象が発生したことを特定する第1特定手段(地震時用操作部204、ホール側MPU201におけるステップS1601の処理を実行する機能)と、
第2特定事象が発生したことを特定する第2特定手段(火災時用操作部205、ホール側MPU201におけるステップS1603の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技システム。
特徴C3によれば、特定事象の種類に対応した対処を行うことが可能となる。
特徴C4.前記特定手段は、前記特定事象が発生している状態が解除されたことを特定する解除特定手段(第1の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1605の処理を実行する機能、又は主側MPU62におけるステップS1717及びステップS1718の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2105の動作を実行する機能、第3の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2206の処理を実行する機能、第4の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1605の処理を実行する機能、又は音光側MPU82におけるステップS2308の処理を実行する機能)を備え、
当該解除特定手段により前記特定事象が発生している状態が解除されたことが特定された後に、前記特定事象対応状態を解除する状態解除手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1719及びステップS1720の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2106の動作を実行する機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2309〜ステップS2311の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C4によれば、特定事象が発生している状態が解除された場合には、遊技ホールにおける各遊技機の状態を元に戻すことが可能となる。
特徴C5.前記ホール側手段は、前記特定事象が発生している状態が解除されたことを特定した場合に特定事象解除情報を送信する解除送信手段(第1の実施形態又は第4の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1606の処理を実行する機能、第3の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C5によれば、特定事象が発生している状態が解除されたことがホール側手段にて特定されるため、特定事象発生状態の解除を一元的に管理することが可能となる。そして、当該特定事象発生状態が解除されたことが特定された場合には、特定事象解除情報が遊技機に送信されるため、各遊技機において特定事象対応状態を解除することが可能となる。
特徴C6.前記一の遊技機は、
解除操作を行うことが可能な解除操作手段(主側の解除用操作部131)と、
前記特定事象対応状態において、前記特定事象解除情報を受信し、前記解除操作手段が操作された場合に、当該特定事象対応状態を解除する状態解除手段(主側MPU62におけるステップS1717〜ステップS1720の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技システム。
特徴C6によれば、特定事象対応状態が解除されるためにはホール側手段から特定事象解除情報が送信される必要があるため、ホール側手段にて特定事象発生状態の解除を一元的に管理することが可能となる。また、特定事象対応状態が解除されるためには、さらに解除操作手段が操作される必要があるため、各遊技機単位で特定事象対応状態の解除を選択的に行うことが可能となる。
特徴C7.前記対応動作実行手段は、前記特定事象対応動作として、特定事象が発生したことを遊技者に認識可能とさせる特定事象報知が報知手段(図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58)にて実行されるようにする報知制御手段(第1の実施形態では音光側MPU82におけるステップS1808〜ステップS1813の処理を実行する機能、及びステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第2の実施形態又は第3の実施形態では音光側MPU82及び表示側MPU92、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2307の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2402〜ステップS2406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C7によれば、遊技者に被害が及び得るような特定事象が発生した場合には、特定事象報知が行われるため、遊技者に避難を促すことが可能となり、遊技者に被害が及びづらくなる。
特徴C8.前記一の遊技機は、遊技の進行を制御する進行制御手段(主側MPU62)と、前記報知制御手段(音光側MPU82及び表示側MPU92)と、を備え、
前記報知制御手段は、前記進行制御手段が送信する送信情報に基づいて、当該送信情報に対応した報知が前記報知手段にて行われるようにするものであり、
前記ホール側手段は、前記特定手段により前記特定事象の発生が特定された場合に、前記報知制御手段に向けて特定事象情報を送信するものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技システム。
特徴C8によれば、不正行為の対象となり易い進行制御手段に対して遊技機外部から情報が入力されないようにしながら、上記特定事象報知を行うことが可能となる。
特徴C9.前記進行制御手段は、前記報知制御手段において前記特定事象情報を受信した場合であっても、遊技の進行の制御を継続するものであることを特徴とする特徴C8に記載の遊技システム。
特徴C9によれば、特定事象が発生したとしても、遊技の進行が阻害されないようにすることが可能となる。
特徴C10.前記一の遊技機は、
当該遊技機に設けられたスピーカ手段(スピーカ部54)からの音出力を制御する第1音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1007の処理を実行する機能)と、
耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を制御する第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応動作実行手段は、少なくとも前記音出力装置を利用した音出力が行われている状況において前記特定手段により前記特定事象の発生が特定された場合に、前記特定事象対応状態となるようにするものであることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C10によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている場合、遊技ホールのアナウンスを遊技者が聞き逃す可能性がある。これに対して、特定事象が発生した場合には特定事象対応状態となるため、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、特定事象の発生に気付かせることが可能となる。
特徴C11.前記一の遊技機は、表示面を有する表示手段(図柄表示装置41)を備え、
前記特定事象対応状態では、前記表示手段が特定事象対応状態となることを特徴とする特徴C10に記載の遊技システム。
特徴C11によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、表示手段の表示面を目視することは容易であるため、当該遊技者に特定事象の発生を気付かせ易くなる。
特徴C12.前記対応動作実行手段は、前記音出力装置を利用した音出力が行われている状況であるか否かによって、前記特定事象対応状態の態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴C10又はC11に記載の遊技システム。
特徴C12によれば、音出力装置を利用して遊技を行っているか否かに対応させて、特定事象の発生に対処させることが可能となる。
特徴C13.前記一の遊技機は、遊技を進行させるために少なくとも所定処理(タイマ割込み処理におけるステップS209〜ステップS220の処理)を実行する進行制御手段(主側MPU62)を備え、
前記対応動作実行手段は、前記特定事象対応状態として、前記進行制御手段による前記所定処理の実行を制限し、表示手段における遊技の進行に応じた表示が停止表示されるようにする制限手段(主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C13によれば、特定事象が発生した場合には、所定処理の実行が制限されることで、遊技の進行を制限することが可能となる。これにより、特定事象が発生した場合において、遊技機にて通常の遊技を行うことを不可とすることが可能となり、遊技機自体で特定事象の発生に対処することが可能となる。
また、当該所定処理の実行が制限される場合には、表示手段における遊技の進行に応じた表示が停止されるため、遊技の進行が制限されていることを遊技者に認識させることが可能であるとともに、遊技の進行が制限された状態は一時的な制限であり復帰可能であることを遊技者に認識させることが可能となる。これにより、遊技の進行が制限された際に遊技者に不利益が及んでいないことを認識させることが可能となり、遊技者が混乱してしまうことを抑制することが可能となる。
特徴C14.前記特定事象が発生している状態が解除されたことが特定された場合に、前記制限手段により制限された状態を解除して、前記進行制御手段の制御による遊技の進行内容を制限前の状態に復帰させる制限解除手段(主側MPU62におけるステップS1719及びステップS1720の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C13に記載の遊技システム。
特徴C14によれば、特定事象が発生している状態が解除された場合には、遊技の進行内容が制限前の状態に復帰されるため、特定事象が発生した場合に遊技の進行を制限するようにした構成において、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。
特徴C15.前記制限解除手段は、前記特定事象が発生している状態が解除されたことが特定された場合、前記表示手段における前記遊技の進行に応じた表示が制限時の状態から再開されるようにするものであることを特徴とする特徴C14に記載の遊技システム。
特徴C15によれば、特定事象が発生している状態が解除された場合には、遊技の進行に応じた表示が制限時の状態から再開されるため、遊技者はそれを確認することで、遊技者に不利益が生じていないことを認識することが可能となる。
特徴C16.前記進行制御手段は、
抽選条件が成立した場合に抽選処理を実行する抽選処理実行手段(主側MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)と、
前記抽選処理の抽選結果に応じて遊技状態を移行させる移行処理を実行する移行処理実行手段(主側MPU62におけるステップS706〜ステップS709の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選処理の抽選結果に応じた特定演出(遊技回用の演出)が行われるように前記表示手段を表示制御する特定演出制御手段(表示側MPU92におけるタスク処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記抽選処理及び前記移行処理の少なくとも一方を含み、
前記制限手段は、前記特定演出の実行中に前記特定事象の発生が特定された場合に、当該特定演出の途中の表示態様が前記表示手段に停止表示されるようにするものであることを特徴とする特徴C13乃至C15のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C16によれば、特定演出の途中であってもその表示態様が停止表示されるため、特定事象が発生して遊技の進行を制限した場合にはそれを遊技者に早期に認識させることが可能となる。
特徴C17.前記表示手段とは別に設けられた別表示手段(第1特図表示部37a、第2特図表示部37b)と、
前記別表示手段にて所定継続期間に亘って変動表示を行わせ、前記抽選処理の抽選結果に対応した表示を行わせる別表示制御手段(主側MPU62における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出制御手段は、前記特定演出として、前記表示手段にて前記所定継続期間に亘って変動表示を行わせ、前記抽選処理の抽選結果に対応した表示を行わせるものであり、
前記制限手段は、前記特定演出の実行中に前記特定事象の発生が特定された場合に、前記特定演出の途中の表示態様が前記表示手段に停止表示されるようにし、前記別表示手段の変動表示も停止されるようにするものであることを特徴とする特徴C16に記載の遊技システム。
特徴C17によれば、表示手段及び別表示手段における所定継続期間に亘る表示内容を同期させた状態で、遊技の進行を制限する際の停止表示を行うことが可能となる。これにより、制限状態の解除後であっても、表示手段及び別表示手段における表示内容を同期させることが可能となる。
特徴C18.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態となることが可能な可変入球手段(特電入賞装置32)を備え、
前記進行制御手段は、前記可変入球手段を開閉制御するように開閉制御処理を実行する開閉制御手段(主側MPU62における特電開始処理、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記開閉制御処理を含み、
前記制限手段は、前記可変入球手段が前記開状態である状況で前記特定事象の発生が特定された場合、当該可変入球手段が前記開状態である状況であっても前記所定処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴C13乃至C17のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C18によれば、可変入球手段が開状態であっても遊技の進行が制限されるため、特定事象が発生した場合には遊技の進行を早期に制限することが可能となる。
特徴C19.前記制限手段は、前記特定事象の発生が特定された場合、前記表示手段に前記一の遊技機についての現状の遊技状態の内容に対応した表示を行わせる手段(表示側MPU92におけるステップS1905及びステップS1906の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C13乃至C18のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C19によれば、特定事象が発生して遊技の進行が制限される場合には、表示手段において現状の遊技状態の内容に対応した表示がなされるため、遊技ホールの管理者においてその制限状態を解除する場合において各遊技機の状態に応じた態様で当該解除操作を行うことが可能となる。これにより、遊技者に不利益が及ばないような対処をし易くなる。
特徴C20.前記特定事象の発生が特定された場合、前記制限手段による制限が行われるのに先立って、当該制限が行われることを事前報知する事前報知手段(主側MPU62におけるステップS1706の処理を実行する機能、及び音光側MPU82におけるステップS1802〜ステップS1806の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C13乃至C19のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C20によれば、遊技の進行が制限されて表示手段において停止表示が行われる場合には、それが事前に報知されるため、遊技者が混乱しづらくなる。
特徴C21.前記進行制御手段は、前記所定処理を実行する場合に参照される情報を一時的に記憶する情報記憶手段(主側RAM64)を備え、
前記一の遊技機は、外部からの電源供給が遮断されている状況であっても、情報の記憶保持を可能とするように前記情報記憶手段に電断中用電力を供給する電断中用供給手段(電断中用電源部78b)を備えていることを特徴とする特徴C13乃至C20のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C21によれば、遊技の進行が制限された状態のまま電源供給が遮断されたとしても、制限時における遊技の進行内容を情報記憶手段において記憶保持することが可能であるため、電源の再投入後において制限前の状態に復帰させることが可能となる。
特徴C22.前記一の遊技機は、
遊技を進行させるために少なくとも所定処理(タイマ割込み処理におけるステップS209〜ステップS220の処理)を実行する進行制御手段(主側MPU62)と、
遊技機外部の外部電源から供給される外部電力を利用して、前記進行制御手段において前記所定処理を実行するための動作電力を供給する電源手段(電入中用電源部78a)と、
を備え、
前記対応動作実行手段は、前記特定事象対応状態として、前記外部電源が前記外部電力を供給可能な状況であっても、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されないようにする遮断手段(電源遮断用回路141)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C21のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C22によれば、特定事象が発生した場合には、進行制御手段への動作電力の供給が停止されて、遊技の進行が不可となる。これにより、遊技者に遊技を中断させる必要が生じた場合には、遊技機において電源が遮断された状態と同一の状態とすることが可能となり、遊技者に遊技を中断させて避難などさせることが可能となる。よって、好適に遊技を中断させることが可能となる。
特徴C23.前記進行制御手段は、前記所定処理を実行する場合に参照される情報を一時的に記憶する情報記憶手段(主側RAM64)を備え、
前記一の遊技機は、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されていない状況であっても、情報の記憶保持を可能とするように前記情報記憶手段に電断中用電力を供給する電断中用供給手段(電断中用電源部78b)を備え、
当該電断中用供給手段は、前記進行制御手段に向けた電力の供給経路において前記遮断手段よりも下流側に存在していることを特徴とする特徴C22に記載の遊技システム。
特徴C23によれば、特定事象が発生して動作電力の供給が遮断されたとしても、当該遮断時における遊技の進行内容を情報記憶手段において記憶保持することが可能であるため、遮断状態の解除後において遮断前の状態に復帰させることが可能となる。
特徴C24.前記一の遊技機は、前記動作電力が遮断されることを特定した場合に前記進行制御手段に遮断発生情報(停電信号)を送信する遮断特定手段(停電監視基板65)を備え、
前記進行制御手段は、前記遮断発生情報を受信した場合に遮断時処理(主側MPU62におけるステップS309〜ステップS312の処理)を実行し、当該遮断時処理を実行した場合、前記動作電力の供給が再開された場合に前記情報記憶手段に記憶されている情報を参照して遮断前の状態に復帰することが可能な構成であり、
前記遮断特定手段は、前記進行制御手段に向けた電力の供給経路において前記遮断手段よりも下流側に存在していることを特徴とする特徴C23に記載の遊技システム。
特徴C24によれば、特定事象が発生して電力供給が遮断される場合であっても、外部電源からの電力供給が遮断される場合と同様の構成を利用して、進行制御手段において遮断時処理を実行させることが可能となる。
特徴C25.前記遮断手段により前記動作電力の供給が遮断されるの先立って、当該動作電力の供給が遮断されることを事前に遊技者に認識可能とさせるよう報知手段(図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58)を制御する報知制御手段(音光側MPU82及び表示側MPU92)を備えていることを特徴とする特徴C22乃至C24のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C25によれば、進行制御手段への動作電力の供給が遮断される場合には、それが事前に報知されるため、遊技者が混乱しづらくなる。
特徴C26.前記一の遊技機が前記遮断手段を有し、
前記遮断手段は、前記特定事象の発生が特定された場合、前記報知制御手段に向けて遮断報知用情報を送信し、報知用期間(電源遮断時間)が経過した後に、前記進行制御手段に前記動作電力が供給されないようにするものであることを特徴とする特徴C25に記載の遊技システム。
特徴C26によれば、ホール側手段における処理構成の簡素化を図りながら、進行制御手段への動作電力の供給が遮断された状態とすることが可能となる。
特徴C27.前記一の遊技機は、前記電源手段への電力供給を遮断するための操作を可能とする電源操作手段(電源スイッチ143)を備えていることを特徴とする特徴C22乃至C26のいずれか1に記載の遊技システム。
電源操作手段を備えた構成において、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C28.遊技機(パチンコ機10)との間で通信を行うことが可能なホール側手段(ホールコンピュータHC)を備えた遊技システムにおいて、
前記ホール側手段は、特定事象情報を送信するホール側送信手段(第1の実施形態及び第4の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS1602及びステップS1604の処理を実行する機能、第2の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2002及びステップS2003の処理を実行する機能、第3の実施形態ではホール側MPU201におけるステップS2202及びステップS2205の処理を実行する機能)を備え、
前記遊技機は、前記特定事象情報を受信した場合に、特定事象対応状態となるようにする対応動作実行手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2104の動作を行う機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2307の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2402〜ステップS2406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技システム。
特徴C28によれば、ホール側手段において一元管理された情報に従って、遊技機において所定の動作を行うことが可能となる。
特徴C29.耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を可能とするように音出力制御を行う第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C28のいずれか1に記載の遊技システム。
特徴C29によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている場合、遊技ホールのアナウンスを遊技者が聞き逃す可能性がある。これに対して、特定事象が発生した場合には特定事象対応状態となるため、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、特定事象の発生に気付かせることが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.少なくとも当該遊技機以外の遊技機又は遊技ホールにて特定事象が発生したことを特定する特定手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1703の処理を実行する機能、第2の実施形態又は第3の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2101の動作を実行する機能、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2301の処理を実行する機能)と、
当該特定手段により前記特定事象の発生が特定された後に、特定事象対応状態となるようにする対応動作実行手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2104の動作を行う機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2307の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2402〜ステップS2406の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、特定事象が発生した場合にはそれが特定され、それに対応した特定事象対応状態への設定が行われる。これにより、遊技者に被害が及び得るような特定事象が発生した場合には、それに対処することが可能となり、遊技者に被害が及びづらくなる。よって、遊技ホールにおいて特定事象が発生した場合の対処を好適に行うことが可能となる。
特徴D2.前記特定手段は、遊技機外部の装置から特定事象情報を受信した場合に、前記特定事象が発生したことを特定するものであり、
当該対応動作実行手段は、前記特定事象情報を受信した場合に、前記特定事象対応状態となるようにするものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、特定事象の発生がホール側の装置にて特定されるため、特定事象の発生の有無を一元的に管理することが可能となる。そして、特定事象の発生が特定された場合には、特定事象情報が遊技機に送信されるため、各遊技機において特定事象の発生に対応した状態とすることが可能となる。
特徴D3.前記特定手段は、
第1特定事象が発生したことを特定する第1特定手段(第1の実施形態では主側MPU62における捨てぷS1704の処理を実行する機能、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302の処理を実行する機能)と、
第2特定事象が発生したことを特定する第2特定手段(第1の実施形態では主側MPU62における捨てぷS1704の処理を実行する機能、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特定事象の種類に対応した対処を行うことが可能となる。
特徴D4.前記特定事象が発生している状態が解除されたことを特定する解除特定手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1717及びステップS1718の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2105の動作を実行する機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2308の処理を実行する機能)を備え、
当該解除特定手段により前記特定事象が発生している状態が解除されたことが特定された後に、前記特定事象対応状態を解除する状態解除手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1719及びステップS1720の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2106の動作を実行する機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2309〜ステップS2311の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、特定事象が発生している状態が解除された場合には、遊技機の状態を元に戻すことが可能となる。
特徴D5.前記解除特定手段は、遊技機外部の装置から特定事象情報を受信した場合に、前記特定事象が発生している状態が解除されたことを特定するものであることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、特定事象が発生している状態が解除されたことがホール側の装置にて特定されるため、特定事象発生状態の解除を一元的に管理することが可能となる。そして、当該特定事象発生状態が解除されたことが特定された場合には、特定事象解除情報が遊技機に送信されるため、遊技機において特定事象対応状態を解除することが可能となる。
特徴D6.解除操作を行うことが可能な解除操作手段(主側の解除用操作部131)を備え、
前記状態解除手段は、前記特定事象対応状態において、前記特定事象解除情報を受信し、前記解除操作手段が操作された場合に、当該特定事象対応状態を解除するものであることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、特定事象対応状態が解除されるためにはホール側の装置から特定事象解除情報が送信される必要があるため、ホール側の装置にて特定事象発生状態の解除を一元的に管理することが可能となる。また、特定事象対応状態が解除されるためには、さらに解除操作手段が操作される必要があるため、遊技機単位で特定事象対応状態の解除を選択的に行うことが可能となる。
特徴D7.前記対応動作実行手段は、前記特定事象対応動作として、特定事象が発生したことを遊技者に認識可能とさせる特定事象報知が報知手段(図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58)にて行われるようにする報知制御手段(第1の実施形態では音光側MPU82におけるステップS1808〜ステップS1813の処理を実行する機能、及びステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第2の実施形態又は第3の実施形態では音光側MPU82及び表示側MPU92、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2307の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2402〜ステップS2406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、遊技者に被害が及び得るような特定事象が発生した場合には、特定事象報知が行われるため、遊技者に避難を促すことが可能となり、遊技者に被害が及びづらくなる。
特徴D8.遊技の進行を制御する進行制御手段(主側MPU62)を備え、
前記報知制御手段は、前記進行制御手段が送信する送信情報に基づいて、当該送信情報に対応した報知が前記報知手段にて行われるようにし、遊技機外部の装置から特定事象情報を受信したことに基づいて、前記特定事象報知が前記報知手段にて行われるようにするものであることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、不正行為の対象となり易い進行制御手段に対して遊技機外部から情報が入力されないようにしながら、上記特定事象報知を行うことが可能となる。
特徴D9.前記進行制御手段は、前記報知制御手段において前記特定事象情報を受信した場合であっても、遊技の進行の制御を継続するものであることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、特定事象が発生したとしても、遊技の進行が阻害されないようにすることが可能となる。
特徴D10.スピーカ手段(スピーカ部54)からの音出力を制御する第1音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1007の処理を実行する機能)と、
耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を制御する第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応動作実行手段は、少なくとも前記音出力装置を利用した音出力が行われている状況において前記特定手段により前記特定事象の発生が特定された場合に、前記特定事象対応状態となるようにするものであることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D10によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている場合、遊技ホールのアナウンスを遊技者が聞き逃す可能性がある。これに対して、特定事象が発生した場合には特定事象対応状態となるため、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、特定事象の発生に気付かせることが可能となる。
特徴D11.表示面を有する表示手段(図柄表示装置41)を備え、
前記特定事象対応状態では、前記表示手段が特定事象対応状態となることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D11によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、表示手段の表示面を目視することは容易であるため、当該遊技者に特定事象の発生を気付かせ易くなる。
特徴D12.前記対応動作実行手段は、前記音出力装置を利用した音出力が行われている状況であるか否かによって、前記特定事象対応状態の態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴D10又はD11に記載の遊技機。
特徴D12によれば、音出力装置を利用して遊技を行っているか否かに対応させて、特定事象の発生に対処させることが可能となる。
特徴D13.遊技機外部の装置から特定事象情報を受信した場合に、特定事象対応状態となるようにする対応動作実行手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1710〜ステップS1714の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS1902〜ステップS1908の処理を実行する機能、第2の実施形態では電源遮断用回路141におけるステップS2104の動作を行う機能、第3の実施形態では電源遮断用回路141、第4の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2302〜ステップS2307の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2402〜ステップS2406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D13によれば、ホール側手段において一元管理された情報に従って、遊技機において所定の動作を行うことが可能となる。
特徴D14.耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を可能とするように音出力制御を行う第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D14によれば、音出力装置を利用して遊技を行っている場合、遊技ホールのアナウンスを遊技者が聞き逃す可能性がある。これに対して、特定事象が発生した場合には特定事象対応状態となるため、音出力装置を利用して遊技を行っている遊技者であっても、特定事象の発生に気付かせることが可能となる。
なお、上記特徴C群及び上記特徴D群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これら遊技機は遊技ホールに設置されており、遊技ホールにおいて遊技者により遊技が行われる。
これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、遊技ホールにおいては遊技者に対して所定の情報を報知する必要が生じ得る。例えば、地震や火災などが発生した場合には、遊技者にその旨を伝えて遊技者を避難させる必要がある。
<特徴E群>
特徴E1.遊技を進行させるために少なくとも所定処理(タイマ割込み処理におけるステップS209〜ステップS220の処理)を実行する進行制御手段(主側MPU62)と、
遊技者により操作可能に設けられた一時停止操作手段(一時停止操作部57)と、
当該一時停止操作手段が操作された場合、又はその後、所定条件が成立した後に、少なくとも前記所定処理の実行を制限する制限状態に設定する一時制限手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1402〜ステップS1406の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2602〜ステップS2605の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、遊技者は一時停止操作手段を操作することで遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。これにより、遊技者は必要に応じて遊技の進行を制限させた状態とすることが可能となり、例えば遊技を長時間行って疲労感を感じた場合には、遊技を中断することが可能となる。よって、遊技者の疲労感を低減させることが可能となる。
特徴E2.前記進行制御手段は、抽選条件が成立した場合に抽選処理を実行する抽選処理実行手段(主側MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記抽選処理を含むことを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、遊技者が一時停止操作手段を操作することにより、新たな抽選処理の実行が制限される。これにより、遊技者は抽選機会が残っている状況であっても遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。
特徴E3.前記進行制御手段は、遊技状態を移行させる移行処理を実行する移行処理実行手段(主側MPU62におけるステップS706〜ステップS709の処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記移行処理を含むことを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、遊技者が一時停止操作手段を操作することにより、新たな遊技状態の移行が制限される。これにより、遊技状態の移行機会が残っている状況であっても遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。
特徴E4.抽選条件が成立した場合に抽選処理を実行する抽選処理実行手段(主側MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)と、
所定継続期間に亘って遊技回動作を行わせ、前記抽選処理の抽選結果に対応した状態となるように遊技回実行手段(第1特図表示部37a、第2特図表示部37b)を制御する遊技回制御手段(主側MPU62における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理)と、
を備え、
前記所定処理は、前記遊技回を開始させるための処理(特図変動開始処理)を含むことを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、遊技者が一時停止操作手段を操作することにより、新たな遊技回の開始が制限される。これにより、新たな遊技回の開始機会が残っている状況であっても遊技の進行を一時的に制限することが可能となる。
特徴E5.前記一時制限手段は、遊技機において特定動作(遊技回用の演出、開閉実行モードのオープニング演出、特電入賞装置32の開放状態、開閉実行モードのエンディング演出))が行われている状況では前記一時停止操作手段が操作されたとしても、前記制限状態への設定を行わないものであることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、遊技機において特定動作が行われている状況では一時停止操作手段が操作されても遊技の進行は制限されないため、一時停止操作手段を遊技者が所望のタイミングで操作可能な構成であっても、遊技機の動作として好ましいタイミングで遊技の進行が制限された状態となるようにすることが可能となる。
特徴E6.前記一時制限手段は、遊技機において前記特定動作が行われている状況で前記一時停止操作手段が操作された場合、当該特定動作の終了後に前記制限状態に設定するものであることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、特定動作が行われている状況で一時停止操作手段が操作された場合、遊技の進行が制限された状態への設定が即座には行われないものの、当該一時停止操作手段の操作は有効なものとして扱われる。これにより、一時停止操作手段の操作の容易性を担保しながら、遊技機の動作として好ましいタイミングで遊技の進行が制限された状態となるようにすることが可能となる。
特徴E7.遊技機において前記特定動作が行われている状況で前記一時停止操作手段が操作された場合、前記制限状態の設定待ち状態であることを報知する設定待ち報知手段(第1の実施形態では停止準備表示部39a及び主側MPU62におけるステップS1306の処理を実行する機能、第5の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2702〜ステップS2704の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2802の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、遊技の進行が制限される制限状態への設定待ち状態であることを、遊技者が認識することが可能となる。
特徴E8.抽選条件が成立した場合に抽選処理を実行する抽選処理実行手段(主側MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)と、
所定継続期間に亘って遊技回動作を行わせ、前記抽選処理の抽選結果に対応した状態となるように遊技回実行手段(第1特図表示部37a、第2特図表示部37b)を制御する遊技回制御手段(主側MPU62における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理)と、
を備え、
前記所定処理は、前記遊技回を制御するための処理を含み、
前記特定動作が行われている状況には、前記遊技回実行手段にて遊技回動作が行われている状況が含まれることを特徴とする特徴E5乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、遊技回動作の態様が好ましくない態様である状況で遊技の進行が制限されることを防止することが可能となる。これにより、遊技回実行手段が見た目上好ましくない状態で停止されて、その状態が維持され続けることを防止することが可能となる。
特徴E9.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態となることが可能な可変入球手段(特電入賞装置32)を備え、
前記進行制御手段は、前記可変入球手段を開閉制御するように開閉制御処理を実行する開閉制御手段(主側MPU62における特電開始処理、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理は、前記開閉制御処理を含み、
前記特定動作が行われている状況には、前記可変入球手段が前記開状態である状況が含まれることを特徴とする特徴E5乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E9によれば、可変入球手段が開状態である状況で遊技の進行が制限されることを防止することが可能となる。これにより、可変入球手段が開状態のまま維持され続けることを防止することが可能となる。可変入球手段は不正行為の対象となり得るため、このように開状態において遊技の進行が制限されることを防止することで、不正行為の抑制の観点からも好ましい。
特徴E10.前記進行制御手段が送信する送信情報に従って、演出実行手段(図柄表示装置41、表示発光部53、スピーカ部54及び外部出力端子58)における演出の実行を制御する演出制御手段を備え、
前記所定処理は、前記送信情報を送信するための処理を含み、
前記一時制限手段は、前記一時停止操作手段が操作された場合、所定の前記送信情報に対応した演出の終了後であって次の前記送信情報の送信が行われる前に前記制限状態に設定するものであることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E10によれば、進行制御手段における遊技の進行が制限される場合、演出制御手段に対する送信情報の新たな送信が制限されるため、制限状態の設定に際して進行制御手段からそれに対応した送信情報を送信しなくても、演出実行手段における演出の実行を制限することが可能となる。
特徴E11.前記一時停止操作手段はその操作対応情報を前記進行制御手段に向けて送信するものであることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E11によれば、一時停止操作手段の操作対応情報は進行制御手段において直接受信されるため、遊技の進行を制限するための設定に関して通信の構成を簡素化することが可能となる。
特徴E12.前記制限状態であることを報知する制限報知手段(第1の実施形態では停止表示部39b及び主側MPU62におけるステップS1405の処理を実行する機能、第5の実施形態では音光側MPU82におけるステップS2706〜ステップS2711の処理を実行する機能、及び表示側MPU92におけるステップS2804及びステップS2806の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E12によれば、制限状態であることを遊技者に認識させることが可能となる。
特徴E13.前記進行制御手段は、前記制限状態である場合に前記制限報知手段においてそれに対応した報知が行われるようにする制限報知処理を実行する手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1405の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E12に記載の遊技機。
特徴E13によれば、制限状態であることの報知の実行制御が進行制御手段において直接的に行われるため、制限状態の設定に際して専用の送信情報を進行制御手段から他の制御手段に送信する必要が生じない。よって、遊技の進行を制限するための設定に関して通信の構成を簡素化することが可能となる。
特徴E14.前記制限状態において一時制限解除条件が成立した場合に前記制限状態を解除して、前記進行制御手段の制御による遊技の進行内容を制限前の状態に復帰させる一時制限解除手段(第1の実施形態では主側MPU62におけるステップS1311の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU62におけるステップS2512及びステップS2513の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E14によれば、遊技の進行を一時的に制限したとしても、一時制限解除条件が成立することで、制限前の状態に復帰することが可能となる。
特徴E15.前記一時制限解除手段は、前記制限状態において前記一時停止操作手段が当該制限状態に設定する場合とは異なる態様で操作された場合に当該制限状態を解除するものであることを特徴とする特徴E14に記載の遊技機。
特徴E15によれば、一時停止操作手段の操作によって制限状態の解除を可能としながら、制限状態の設定に際しては例えば操作の容易性を担保しながら、制限状態の解除に際しては例えば意図しない解除操作の発生を抑制することが可能となる。
なお、上記特徴E群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機において遊技が行われる場合、遊技者は同様の動作を継続することとなるため、遊技を長期間行うと疲労感を感じてしまい、その後の遊技の続行をためらうこととなってしまう。したがって、遊技者の疲労感を低減させることが可能な構成を提供する必要がある。
<特徴F群>
特徴F1.遊技領域に向けて遊技球を発射すべく操作される発射操作手段(発射操作装置28)と、
当該発射操作手段が操作されたことに基づき、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が始動入球部(第1作動口33)に入球したことに基づいて、所定情報を取得する情報取得手段(主側MPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した所定情報を、複数の数として定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(特図保留エリア122)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている所定情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の所定情報が記憶されている場合には、それら複数の所定情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主側MPU62におけるステップS505の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の所定情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU62におけるステップS704〜ステップS709の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記所定情報の数が基準数又は当該基準数以上となった場合に、前記発射手段による遊技球の発射を制限する発射制限手段(主側MPU62におけるステップS1503の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定情報の数が基準数又は基準数以上となった場合に発射手段による遊技球の発射が自ずと制限されるため、所定情報の数に応じて発射操作を中断したり、再開したりする必要がなくなる。よって、遊技を長期間行った場合における遊技者の疲労感を低減させることが可能となり、発射操作を好適に行うことが可能となる。
特徴F2.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態となることが可能な可変入球手段(特電入賞装置32)を備え、
前記特典付与手段は、前記付与判定手段による付与判定の結果が付与対応結果となったことに基づいて、前記可変入球手段の可変入球制御が行われる所定遊技状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行させるものであり、
前記発射制限手段は、前記所定遊技状態において前記取得情報記憶手段に記憶されている前記所定情報の数が前記基準数又は当該基準数以上となったとしても、前記発射手段による遊技球の発射を制限しないものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、可変入球手段への入球機会が発生しているにも関わらず、遊技球の発射が自ずと制限されてしまうことを防止することが可能となる。よって、可変入球手段への入球機会を担保しながら、遊技者の疲労感を低減させることが可能となる。
特徴F3.前記始動入球部は第1始動入球部であり、当該第1始動入球部とは別に第2始動入球部(第2作動口34)が設けられており、
当該遊技機は、前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主側MPU62における普図普電制御処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段による前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記発射制御手段は、前記第2モードにおいて前記取得情報記憶手段に記憶されている前記所定情報の数が前記基準数又は当該基準数以上となったとしても、前記発射手段による遊技球の発射を制限しないものであることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、第2モードにおける第2始動入球部への入球機会が発生しているにも関わらず、遊技球の発射が自ずと制限されてしまうことを防止することが可能となる。よって、第2モードにおける第2始動入球部への入球機会を担保しながら、遊技者の疲労感を低減させることが可能となる。
特徴F4.前記始動入球部は第1始動入球部であり、当該第1始動入球部とは別に第2始動入球部(第2作動口34)が設けられており、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記所定情報を取得し、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記所定情報を取得し、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した所定情報を第1所定情報として記憶し、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した所定情報を第2所定情報として記憶するものであって、前記所定数として第1所定数を上限として前記第1所定情報を記憶し、第2所定数を上限として第2所定情報を記憶するものであり、
当該受入制御手段による前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記発射制御手段は、前記第1モードにおいて前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1所定情報の数が前記基準数又は当該基準数以上となった場合、前記第2所定情報の数が前記基準数又は当該基準数以上となっていなくても、前記発射手段による遊技球の発射を制限するものであることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、少なくとも第1モードにおいては第2所定情報の記憶数に関係なく、第1所定情報の記憶数に応じて遊技球の発射が自ずと制限される。これにより、第1モードにおいて実際に入球頻度が高い始動入球部との関係で遊技球の発射制限を行うことが可能となり、当該発射制限を行うようにしたことの効果を奏することが可能となる。
特徴F5.前記第2所定情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2所定情報よりも早いタイミングで取得された前記第1所定情報が記憶されていたとしても前記第2所定情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主側MPU62におけるステップS601の処理を実行する機能)を備え、
前記第2所定情報が前記付与判定の対象となった場合の方が、前記第1所定情報が前記付与判定の対象となるよりも遊技者にとって有利であり、
前記発射制御手段は、前記第2モードにおいて前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1所定情報の数が前記基準数又は当該基準数以上となったとしても、前記発射手段による遊技球の発射を制限しないものであることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、第2所定情報は第1所定情報よりも付与判定に際して優先されるとともに、第2所定情報が付与判定の対象となった場合の方が遊技者にとって有利であるため、第2モードにおいては第2所定情報が記憶されている状態が維持されることを期待しながら遊技者は遊技を行うものと考えられる。この場合に、第2モードにおける第2始動入球部への入球機会が発生しているにも関わらず、遊技球の発射が自ずと制限されてしまうことを防止することが可能となる。よって、第2モードにおける第2始動入球部への入球機会を担保しながら、遊技者の疲労感を低減させることが可能となる。
特徴F6.前記発射制限手段は、前記発射操作手段が操作されているか否かに関係なく、前記発射手段による遊技球の発射を禁止するものであることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、発射制限に際しては、遊技球の発射が可能な状態と発射が禁止な状態とを切り換えるだけでよいため、制御が容易となり、遊技者にとっても発射制限が行われていることの理解の容易化が図られる。
特徴F7.前記基準数は複数であることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F7によれば、遊技者が所定情報の数に応じて発射操作を中断したり再開したりする必要がないようにすることが可能となる。
特徴F8.前記基準数は、前記所定数であることを特徴とする特徴F1乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者は所定情報の数が所定数となった時点で遊技球の発射を制限したいと考える可能性がある。この場合に、特徴F8によれば、当該遊技者が所定情報の数に応じて発射操作を中断したり再開したりする必要がないようにすることが可能となる。
なお、上記特徴F群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機が知られている。パチンコ機においては、例えば遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、所定遊技状態に移行させるか否かの抽選等が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示される。また、抽選結果が所定遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置等の開閉が実行され、可変入球装置等への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、上記抽選に用いる特定情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、その保留記憶された特定情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される。
ここで、上記パチンコ機において遊技が行われる場合、遊技者の発射操作手段に対する操作が煩雑になり易い。
特徴G1.耳の位置にて音出力を可能とする音出力装置(外部出力端子58に接続される装置)を利用した音出力を可能とするように音出力制御を行う第2音出力制御手段(音光側MPU82におけるステップS1008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、音出力装置を利用した音又は音声の出力を行うことが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。