(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の通信装置の構成の概要を示したものである。本実施形態の通信装置は、第1の通信手段1と、第2の通信手段2と、迂回路情報取得手段3と、通信制御手段4を備えている。第1の通信手段1は、通信ネットワークを介して情報処理装置と通信を行う。第2の通信手段2は、端末装置と通信を行う。迂回路情報取得手段3は、端末装置が自装置以外の通信装置を介して情報処理装置と通信を行っている際に、端末装置と通信を行う際に用いる情報を迂回路情報として情報処理装置から取得する。通信制御手段5は、端末装置から情報処理装置への接続要求を受けたときに、迂回路情報を基に端末装置と情報処理装置との間の通信を制御する。
本実施形態の通信装置は、迂回路情報取得手段3において、端末装置が自装置以外の通信装置を介して情報処理装置と通信を行っている際に、端末装置と通信を行う際に用いる情報を迂回路情報として情報処理装置から取得している。そのため、本実施形態の通信装置は、端末装置から情報処理装置への接続要求を受けたときに、通信制御手段4において、迂回路情報を基に端末装置と情報処理装置との間の通信を制御することができる。すなわち、本実施形態の通信装置は、端末装置が自装置以外の通信装置を介して通信を行うことができない状態となったとき、端末装置が帰属していた自装置以外の通信装置に代わって、端末装置と情報処理装置との間の通信を制御することができる。その結果、本実施形態の通信装置を用いることで、障害が発生した際に、端末装置と通信ネットワーク上の情報処理装置との間の通信を継続することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の通信システムの構成の概要を示した図である。
本実施形態の通信システムは、情報処理装置11と、第1の通信装置12と、第2の通信装置13と、端末装置14を備えている。情報処理装置11、第1の通信装置12および第2の通信装置13は、通信ネットワーク15にそれぞれ接続されている。第1の通信装置12および第2の通信装置13は、ホームゲートウェイ(Home Gateway;HGW)として備えられている。また、通信ネットワーク15には、インターネットが用いられている。
端末装置14は、第1の通信装置12または第2の通信装置13を介して通信ネットワーク15上の情報処理装置11と通信を行う。端末装置14は、第1の通信装置12および第2の通信装置13と無線通信を行う。端末装置14は、例えば、第1の通信装置12および第2の通信装置13と、Wi−Fi(登録商標)方式に基づく無線LAN(Local area Network)方式の通信を行う。本実施形態の端末装置14は、通常時は、第1の通信装置12に帰属し、第1の通信装置12を介して情報処理装置11との通信を行う。また、本実施形態の端末装置14は、第1の通信装置12または第2の通信が接続されている通信経路に障害が生じた際に、第2の通信装置13を介して情報処理装置11との通信を行う。
本実施形態の端末装置14は、センサ装置に通信モジュールとして備えられている。センサ装置は、例えば、温度や湿度、振動等の環境データを取得し、端末装置14を介してデータを収集するサーバ装置である情報処理装置11に環境データを送信する。センサ装置は、人感センサなどであってもよい。また、端末装置14は、監視カメラや電力計などの計測器等が取得したデータを情報処理装置11に送信するための通信モジュールとして備えられていてもよい。また、端末装置14は、携帯電話装置や通信機能を有する情報端末装置であってもよい。
情報処理装置11の構成について説明する。図3は、本実施形態の情報処理装置11の構成を示した図である。情報処理装置11は、通信部101と、登録受付部102と、データベース部103と、迂回路設定部104と、接続可否判定部105と、データベース変更検知部106を備えている。また、情報処理装置11は、迂回路情報問い合わせ受付部107と、接続可否問い合わせ受付部108と、通信確認部109と、情報通知部110を備えている。
通信部101は、通信ネットワーク15を介して、第1の通信装置12および第2の通信装置13と通信を行う。また、通信部101は、第1の通信装置12または第2の通信装置13を介して端末装置14と通信を行う。通信部101は、通信ネットワーク15の規格に基づいて有線または無線通信を行う。
登録受付部102は、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14からの登録の受け付けを行う。登録の受け付けとは、受け付けの対象となる装置のMACアドレス、位置情報および受け付けの対象となる装置が通信に用いるプロトコル情報の情報を取得し、取得した各情報を情報処理装置11内に保存することをいう。登録受付部102は、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14それぞれから受け付けるMACアドレス、位置情報およびプロトコル情報の情報をデータベース部103に保存する。
データベース部103は、各装置の情報や接続情報をデータベースとして保存する機能を有する。データベース部103は、登録受付部102を介して受け付けた第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14のMACアドレス、位置情報およびプロトコル情報の情報をそれぞれ保存している。また、データベース部103は、第1の通信装置12および第2の通信装置13の接続情報を保存している。接続情報とは、第1の通信装置12または第2の通信装置13に、もう一方の通信装置や端末装置14が接続する際に用いる情報のことをいう。本実施形態では、接続情報には、SSID(Service Set Identifier)とパスワードの情報が設定されている。また、データベース部103は、不揮発性の半導体記憶装置やハードディスクドライブ等の記憶装置によって構成されている。
迂回路設定部104は、データベース部103を参照して第1の通信装置12または第2の通信装置13に、もう一方の通信装置や端末装置14が接続するための迂回路情報を生成する。迂回路情報とは、通信を行うことができない経路がある際に他の経路を介して接続する際に用いる情報のことをいう。図4は、本実施形態の迂回路情報の構成の例を模式的に示したものである。図4に示すように、迂回路情報は、接続先ノード情報と、接続ノード情報によって構成されている。
接続先ノード情報は、第1の通信装置12または第2の通信装置13に、もう一方の通信装置や端末装置14が接続する際に用いる情報のことをいう。接続先ノード情報は、例えば、Wi−Fiに基づく無線LAN通信の場合には、MACアドレス、SSIDおよびパスワードによって構成されている。また、接続ノード情報は、第1の通信装置12または第2の通信装置13に接続する可能性のあるもう一方の通信装置または端末装置14の情報のことをいう。接続ノード情報は、接続する通信装置や端末装置14のMACアドレスによって構成されている。迂回路設定部104は、生成した迂回路情報を情報通知部110に出力する。
接続可否判定部105は、第1の通信装置12または第2の通信装置13へのもう一方の通信装置や端末装置14の接続の可否を判定する。接続可否判定部105は、迂回路情報に第1の通信装置12、第2の通信装置13または端末装置14の情報が含まれているとき、情報が含まれている装置の接続を可能と判断する。接続可否判定部105は、判定結果を基に接続可否の情報を情報通知部110に出力する。
データベース変更検知部106は、データベース部103に保存されているデータベースが変更された際に、データベースが変更されたことを検知する。
迂回路問い合わせ受付部107は、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14から迂回路情報の要求を受け取る。迂回路問い合わせ受付部107は、迂回路情報の要求を受け取ると、迂回路情報の要求を迂回路設定部104に出力する。
接続可否問い合わせ受付部108は、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14から接続可否の確認の要求を受け取る。接続可否問い合わせ受付部108は、接続可否の確認の要求を受け取ると、接続可否の確認の要求を接続可否判定部105に出力する。
通信確認部109は、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14との通信が可能かをそれぞれ確認する。通信確認部109は、例えば、確認の対象となる各装置に応答を要求する信号を送信し、応答の有無によって通信の可否を判断する。
情報通知部110は、迂回路設定部104が生成した迂回路情報および接続可否判定部105が判定した接続可否の情報をそれぞれの情報の要求元に通信部101を介して送信する。
第1の通信装置12および第2の通信装置13の構成について説明する。図5は、本実施形態の第1の通信装置12および第2の通信装置13として用いる通信装置200の構成を示した図である。本実施形態の通信装置200は、ホームゲートウェイとしての機能を有する。
通信装置200は、通信部201と、情報保持部202と、ルータ機能部203と、被接続情報生成部204と、被接続情報保持部205と、位置情報部206を備えている。また、通信装置200は、プロトコル情報記憶部207と、MAC(Media Access Control address)アドレス情報記憶部208をさらに備えている。また、通信装置200は、登録部209と、迂回路情報問い合わせ部210と、位置情報変更検知部211と、接続可否問い合わせ部212と、情報通知受付部213をさらに備えている。
通信部201は、情報処理装置11および端末装置14とそれぞれ通信を行う。通信部201は、通信ネットワーク15の規格に基づいて有線または無線通信を行う。本実施形態の通信部201は、通信ネットワーク15の規格に基づいて情報処理装置11と光通信回線による通信を行う通信モジュールと、端末装置と無線通信を行う通信モジュールによって構成されている。情報処理装置11との通信は、光通信回線以外の通信回線によって行われてもよい。また、本実施形態の通信部201は、第1の実施形態の第1の通信手段1および第2の通信手段2に相当する。
情報保持部202は、迂回路情報問い合わせ部210の要求に基づいて情報処理装置11から取得する迂回路情報を保存する。
ルータ機能部203は、通信部201に入出力されるデータのルーティングを行うルータとしての機能を有する。ルータ機能部203は、端末装置14から情報処理装置11宛のデータを受け取ったとき、受け取ったデータを、通信ネットワーク15を介して情報処理装置11に転送する。また、ルータ機能部203は、通信ネットワーク15を介して情報処理装置11から端末装置14宛のデータを受け取ったとき、受け取ったデータを端末装置14に転送する。本実施形態のルータ機能部203は、第1の実施形態の通信制御手段4に相当する。
被接続情報生成部204は、他の通信装置および端末装置14が自装置に接続する際に用いる情報を接続情報として生成する。接続情報には、SSIDとパスワードの情報が設定されている。
被接続情報保持部205は、被接続情報生成部204が生成した接続情報を保存する。すなわち、被接続情報保持部205は、自装置に他の装置が接続する際に用いるSSIDとパスワードの情報を保存している。
位置情報部206は、自装置が設置されている位置の情報を保持している。位置情報部206は、例えば、GPS(Global Positioning System)等を用いて自装置の位置を認識し、認識した位置情報を保持する。位置情報部206は、自装置の位置情報を、他の測位方法によって認識してもよい。また、位置情報は、作業者によって位置情報部206に設定されてもよい。
プロトコル情報記憶部207は、通信部201が通信を行う際のプロトコルの情報を保存している。例えば、通信部201がWi−Fiのインタフェースを有している場合には、プロトコル情報記憶部207は、IEEE802.11acなどの通信規格に基づく通信方式の情報や暗号化形式の情報などを保存している。
MACアドレス情報記憶部208は、自装置のMACアドレスの保存している。MACアドレス情報記憶部208は、自装置に固有に割り当てられている識別情報であれば、他の情報を保存していてもよい。
登録部209は、情報処理装置11に自装置の情報を登録する。登録部209は、情報処理装置11に自装置の位置情報、プロトコル情報、MACアドレス情報および接続情報を、通信部201を介して送信する。
迂回路情報問い合わせ部210は、自装置に端末装置14が迂回路として接続する際に用いる迂回路情報を情報処理装置11に要求して取得する。
位置情報変更検知部211は、自装置の位置情報が変更されたことを検知する。位置情報変更検知部211は、位置情報部206を監視し、自装置の位置が変更された際に変更を検知する。位置が変更されたことを検知する基準は、動かされた距離等の情報としてあらかじめ設定されている。
接続可否問い合わせ部212は、端末装置14からの接続要求を受け入れる必要があるかを情報処理装置11に通信部201を介して確認する。
情報通知受付部213は、情報処理装置11から新たに受け取った迂回路情報および更新された迂回路情報を情報保持部202に保持する。本実施形態の迂回路情報問い合わせ部210および情報通知受付部213は、第1の実施形態の迂回路情報取得手段3に相当する。
端末装置14の構成について説明する。図6は、本実施形態の端末装置14の構成を示した図である。端末装置14は、通信部301と、情報保持部302と、位置情報部303と、プロトコル情報記憶部304と、MACアドレス情報記憶部305と、登録部306を備えている。また、端末装置14は、迂回路情報問い合わせ部307と、位置情報変更検知部308と、通信確認部309と、迂回路接続部310と、情報通知受付部311をさらに備えている。
通信部301は、第1の通信装置12および第2の通信装置13と無線または有線での通信を行う。また、通信部301は、第1の通信装置12または第2の通信装置13を介して情報処理装置11と通信を行う。
情報保持部302は、迂回路情報問い合わせ部307が情報処理装置11から取得する迂回路情報を保存する。
位置情報部303は、自装置の位置情報を取得し、位置情報を保持する。位置情報部303は、例えば、GPSを用いて自装置の位置を計測し、計測結果に基づく位置情報を保持する。位置情報部303は、GPSを用いた方法以外で自装置の位置を計測してもよい。
プロトコル情報記憶部304は、自装置の通信部301が通信可能なプロトコルの情報を保存している。例えば、通信部301がWiFiのインタフェースを有しているとき、プロトコル情報記憶部304は、IEEE802.11acなどの通信規格に基づく通信方式の情報や暗号化形式の情報などを保存している。
MACアドレス情報記憶部305は、自装置のMACアドレスの保存している。MACアドレス情報記憶部305は、自装置に固有に割り当てられている識別情報であれば、他の情報を保存していてもよい。
登録部306は、第1の通信装置12または第2の通信装置13を介して、情報処理装置11に自装置の位置情報、プロトコル情報およびMACアドレス情報を登録する。登録部306は、通信部301から登録する情報を第1の通信装置12または第2の通信装置13に送信し、第1の通信装置12または第2の通信装置13を介して通信部301に自装置の情報を登録する。
迂回路情報問い合わせ部307は、自装置の位置情報に基づいた迂回路の情報を情報処理装置11に要求する。
位置情報変更検知部308は、自装置が有する位置情報が変更されたことを検知する。位置情報変更検知部308は、位置情報部303を監視し、自装置の位置が変更された際に変更を検知する。位置が変更されたことを検知する基準は、動かされた距離等の情報としてあらかじめ設定されている。
通信確認部309は、情報処理装置11との接続の可否を確認する通信確認部309は、例えば、確認の対象となる各装置に応答を要求する信号を送信し、応答の有無によって通信の可否を判断する。
迂回路接続部310は、自装置が帰属している通信装置の障害を検知した際に、情報保持部302に保存された迂回路情報に基づいて、他の通信装置を介した迂回路で接続し通信を確立する。
情報通知受付部311は、情報処理装置11から送られてくる迂回路情報を受け取る。情報通知受付部311は、受け取った迂回路情報を情報保持部302に保存する。
本実施形態の通信システムの動作について説明する。図7乃至図9は、本実施形態の通信システムの動作フローを示すシーケンス図である。以下の説明では、各図の符号の「S」を「ステップ」と表記している。また、以下では、端末装置14は、通常時に、第1の通信装置12を介して情報処理装置11と通信を行っている場合を例に説明する。
始めに、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14が、自装置の情報を情報処理装置11にそれぞれ登録し、情報処理装置11が迂回路情報を生成する際の動作について図7を参照して説明する。
第1の通信装置12および第2の通信装置13の被接続情報生成部204は、自装置に他装置が接続する際に用いる接続情報をそれぞれ生成する。接続情報は、あらかじめ設定されていてもよい。接続情報は、第1の通信装置12と第2の通信装置13にそれぞれ設定されているSSID、パスワードおよび通信に使用するプロトコルの情報によって構成されている。
接続情報を生成すると、第1の通信装置12の登録部209は、自装置の接続情報を自装置の位置情報およびMACアドレスとともに、通信部201を介して情報処理装置11に送る(ステップ101)。情報処理装置11の登録受付部102は、第1の通信装置12から接続情報を受け取ると、受け取った接続情報を第1の通信装置12のMACアドレス等と関連づけてデータベース部103に保存し、第1の通信装置12を自装置に登録する(ステップ102)。また、第2の通信装置13の登録部209は、自装置の接続情報を自装置の位置情報およびMACアドレスとともに、通信部201を介して情報処理装置11に送る(ステップ103)。情報処理装置11の登録受付部102は、第2の通信装置13から接続情報を受け取ると、受け取った接続情報を第2の通信装置13のMACアドレス等と関連づけてデータベース部103に保存し、第2の通信装置13を自装置に登録する(ステップ104)。
端末装置14の登録部306は、自装置の位置情報、自装置が対応しているプロトコルの情報、MACアドレス情報および接続先ノード情報を登録情報として、通信を行っている第1の通信装置12に送る(ステップ105)。第1の通信装置12は、端末装置14の登録情報を受け取ると、受け取った登録情報を情報処理装置11に転送する(ステップ106)。
情報処理装置11の登録受付部102は、端末装置14から登録情報を受け取ると、受け取った登録情報をデータベース部103に保存し、端末装置14を自装置に登録する(ステップ107)。情報処理装置11は、端末装置14の情報を登録すると、端末装置14の迂回路情報の設定を開始する(ステップ108)。
情報処理装置11が迂回路情報を設定する際の動作について図10を参照して説明する。図10は、情報処理装置11が迂回路情報を設定する際の動作フローの概要を示したものである。
情報処理装置11の迂回路設定部104は、迂回路情報の設定を開始すると、データベース部103を参照して、通信装置および端末装置14の情報を検索する、自装置に登録されている装置の情報を確認する(ステップ201)。
データベース部103に登録されている情報がないとき(ステップ202でNo)、情報処理装置11は、迂回路情報の生成の動作を終了する。
情報処理装置11の迂回路設定部104は、第2の通信装置13を検出すると(ステップ202でYes)、端末装置14から受けったプロトコルの情報および位置情報と、第2の通信装置13から受け取ったプロトコルの情報および位置情報を比較する。迂回路設定部104は、第2の通信装置13と端末装置14のプロトコルの情報および位置情報を比較し、第2の通信装置13と、端末装置14が互いに通信可能であるかの判断を開始する(ステップ203)。
互いに通信可能であるかの判断を開始すると、迂回路設定部104は、第2の通信装置13が対応しているプロトコルと、端末装置14が対応しているプロトコルに共通のプロトコルがあるかを確認する。共通しているプロトコルがある場合、迂回路設定部104は、位置情報を参照して、第2の通信装置13と端末装置14が通信可能な距離にあるかを判断する。迂回路設定部104は、プロトコルと通信可能な距離の関係をあらかじめ保存している。
第2の通信装置13と端末装置14が、共通するプロトコルに対応し、通信可能な距離にある場合(ステップ204でYes)、迂回路設定部104は、第2の通信装置13と端末装置14が互いに通信可能であると判断する。迂回路設定部104は、第2の通信装置13と端末装置14が互いに通信可能であると判断すると、迂回路情報の設定を開始する(ステップ205)。
迂回路情報の設定を開始すると、迂回路設定部104は、データベース部103に保存されている端末装置14の接続先ノード情報に、第2の通信装置13のMACアドレス情報、SSIDおよびパスワードを設定する。また、迂回路設定部104は、データベース部103に保存されている第2の通信装置13の接続ノード情報に、端末装置14のMACアドレスを設定する。
接続先ノード情報および接続ノード情報を設定すると、迂回路設定部104は、データベース部103に他の通信装置や端末装置の情報が存在するかを確認し(ステップ206)。別の装置が存在する場合は(ステップ207でYes)、迂回路設定部104は、ステップ203からの動作を繰り返す。他の通信装置や端末装置の情報が存在しない場合は(ステップ207でNo)、迂回路設定部104は、迂回路情報に含まれる各迂回路の優先順位づけを行う(ステップ208)。
迂回路設定部104は、例えば、通信距離が短い迂回路、すなわち、位置情報が示す装置間の距離が近い迂回路を優先順位の高い迂回路として設定する。また、迂回路設定部104は、プロトコルを参照しデータの転送効率が高い通信方式の迂回路の優先順位を高く設定してもよい。迂回路設定部104は、迂回路情報に含まれる迂回路にランダムに優先順位を設定してもよい。優先順位を設定すると、迂回路設定部104は、迂回路情報の設定を完了する。
また、ステップ204において通信不可である場合(ステップ204でNo)、迂回路設定部104は、別の装置の有無の確認を行うステップ206からの動作を行う。情報処理装置11は、他の端末装置や通信装置からさらに登録を受け付けた場合には、上記の迂回路情報の設定を行う。
次に、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14が、情報処理装置11から迂回路情報を取得する際の動作について図8を参照して説明する。
本実施形態の第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14は、所定の時間ごとに情報処理装置11に迂回路情報の問い合わせを行う。所定の時間は、あらかじめ設定されている。情報処理装置11から、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14に迂回路情報が通知されるようにしてもよい。また、作業者の操作によって、迂回路情報の問い合わせが開始されるようにしてもよい。
第1の通信装置12の迂回路情報問い合わせ部210は、通信部201を介して、所定の時間ごとに情報処理装置11に迂回路情報を要求する(ステップ109)。
情報処理装置11の迂回路情報問い合わせ受付部107は、通信部101を介して第1の通信装置12から迂回路情報の要求を受け取ると、データベース部103を参照し、第1の通信装置12に対応する迂回路情報を抽出する。第1の通信装置12に対応する迂回路情報が抽出されると、情報通知部110は、第1の通信装置12に対応する迂回路情報を、通信部101を介して、第1の通信装置12に送る(ステップ110)。
第1の通信装置12の情報通知受付部213は、通信部201を介して情報処理装置11から迂回路情報を受け取ると、受け取った迂回路情報を、情報保持部202に保存する。
同様に、第2の通信装置13の迂回路情報問い合わせ部210は、通信部201を介して、所定の時間ごとに情報処理装置11に迂回路情報を要求する(ステップ111)。
情報処理装置11の迂回路情報問い合わせ受付部107は、通信部101を介して第2の通信装置13から迂回路情報の要求を受け取ると、データベース部103を参照し、第2の通信装置13に対応する迂回路情報を抽出する。第2の通信装置13に対応する迂回路情報が抽出されると、情報通知部110は、第2の通信装置13に対応する迂回路情報を、通信部101を介して、第2の通信装置13に送る(ステップ112)。
第2の通信装置13の情報通知受付部213は、通信部201を介して情報処理装置11から迂回路情報を受け取ると、受け取った迂回路情報を、情報保持部202に保存する。
端末装置14の迂回路情報問い合わせ部307は、通信部301を介して、所定の時間ごとに第1の通信装置12に迂回路情報の要求を送信する(ステップ113)。第1の通信装置12は、端末装置14から迂回路情報の要求を受け取ると、受け取った迂回路情報の要求を情報処理装置11に送る(ステップ114)。
情報処理装置11の迂回路情報問い合わせ受付部107は、通信部101を介して端末装置14から迂回路情報の要求を受け取ると、データベース部103を参照し、端末装置14に対応する迂回路情報を抽出する。端末装置14に対応する迂回路情報が抽出されると、情報通知部110は、端末装置14に対応する迂回路情報を、通信部101を介して、第1の通信装置12に送る(ステップ115)。第1の通信装置12は、情報処理装置11から迂回路情報を受け取ると、受け取った迂回路情報を端末装置14に送る(ステップ116)。
端末装置14の情報通知受付部311は、第1の通信装置12を介して情報処理装置11から迂回路情報を受け取ると、受け取った迂回路情報を、情報保持部302に保存する。
次に第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14の情報が更新されたとき、迂回路情報が更新される際の動作について説明する。以下では、端末装置14の位置情報が更新された場合を例に説明する。
端末装置14の位置情報が変更されると、端末装置14の位置情報変更検知部308は、位置情報が変更されたことを検知する。位置情報が変更されたことが検知されると、端末装置14の登録部306は、自装置の情報を、情報処理装置11に、再度、登録する。登録部306は、更新された位置情報をMACアドレス情報とともに情報処理装置11に通信部301を介して送信する。
情報処理装置11の登録受付部102は、通信部101を介して端末装置14から更新された位置情報等を受け取ると、受け取ったデータを基にデータベース部103のデータベースを更新する。データベース部103のデータベースが更新されると、データベース変更検知部106は、データベースが変更されたことを検知する。データベースが変更されたことが検知されると、迂回路設定部104は、迂回路情報を更新する。
例えば、端末装置14が、第1の通信装置12と、第2の通信装置13に接続可能な位置に移動したとする。そのようなときに、情報処理装置11は、端末装置14の迂回路情報の接続先ノードに、第1の通信装置12と第2の通信装置13のSSIDおよびパスワードをそれぞれ設定する。また、情報処理装置11は第1の通信装置12と第2の通信装置13の迂回路情報の接続ノードに端末装置14のMACアドレスを設定する。
迂回路情報を設定すると、情報処理装置11の情報通知部110は、更新した迂回路情報を、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14にそれぞれ送る。
端末装置14は、更新された迂回路情報を受け取ると、受け取った迂回路情報を情報保持部302に保存する。また、第1の通信装置12および第2の通信装置13は、更新された迂回路情報を受け取ると、情報保持部202に保存する。このように迂回路情報を更新することで、第1の通信装置12、第2の通信装置13および端末装置14は、そのときの状態に合わせた迂回路情報を得ることができる。
次に、端末装置14が第1の通信装置12を介して通信を行っている際に、第1の通信装置12の通信に障害が生じ、通信が行えなくなった場合について図9を参照して説明する。
端末装置14の通信確認部309は、異常を検知すると(ステップ117)、第1の通信装置12との通信の可否を確認する(ステップ118)。通信確認部309は、例えば、第1の通信装置12に応答を要求する信号を送信し、応答の有無によって通信の可否を確認する。通信確認部309が第1の通信装置12と通信を行えないことを検知すると(ステップ119)、迂回路接続部310は、情報保持部302に保存されている迂回路情報の接続先ノードを参照し、迂回路で通信を行う際の接続先となる通信装置の情報を抽出する。
迂回路情報に第2の通信装置13の情報が設定されているとき、迂回路接続部310は、迂回路情報から第2の通信装置13への接続に用いるSSIDとパスワードの情報を抽出する。SSIDとパスワードの情報を抽出すると、迂回路接続部310は、通信部301を介して第2の通信装置13に接続要求を送る(ステップ120)。
第2の通信装置13の接続可否問い合わせ部212は、接続要求を受けたことを検知すると、情報保持部202に保存されている迂回路情報の接続ノードを参照し、端末装置14のMACアドレスの情報が存在するかを確認する。端末装置14のMACアドレスの情報が存在していることを確認すると、接続可否問い合わせ部212は、端末装置14のMACアドレスの情報と端末装置14の接続可否の確認の問い合わせを情報処理装置11に送る(ステップ121)。
情報処理装置11の接続可否問い合わせ受付部108は、接続可否の問い合わせを受け取ると、データベース部103を参照し、端末装置14のMACアドレス情報を検索する。端末装置14のMACアドレス情報が存在すると、情報処理装置11の通信確認部109は、第1の通信装置12に疎通確認を送る(ステップ122)。通信確認部109は、例えば、例えば、第1の通信装置12に応答を要求する信号を送信し、応答の有無によって通信の可否を確認し疎通が可能かを判断する。
疎通確認の結果、疎通が出来ない場合、情報処理装置11の接続可否判定部105は、第1の通信装置12と通信不可であることを検知し(ステップ123)、端末装置14の第2の通信装置13を介した迂回路接続が必要であるという判定を行う。迂回路接続が必要と判定すると、情報処理装置11の接続可否判定部105は、端末装置14の接続を容認する情報を第2の通信装置13に送る(ステップ124)。
第2の通信装置13は、端末装置14の接続を容認する情報を受け取ると、端末装置14に接続を受け入れる接続受諾の情報を送り、端末装置14との間での接続を確立する(ステップ125)。端末装置14と第2の通信装置13の間の接続が確立すると、端末装置14は、情報処理装置11に送るデータを、第2の通信装置13に送信する(ステップ126)。第2の通信装置13は、端末装置14から情報処理装置11宛のデータを受け取ると、受け取ったデータを情報処理装置11に転送する(ステップ127)。このように、端末装置14と第2の通信装置13の間の接続が確立すると、端末装置14は、異常が生じた第1の通信装置12に代えて第2の通信装置13を介して情報処理装置11と通信することが可能になる。
本実施形態の通信システムでは、端末装置14が第1の通信装置12を介して情報処理装置11と通信と行っている際に、第1の通信装置12以外の通信装置、すなわち、第2の通信装置12を介して通信を行うための迂回路情報が生成されている。本実施形態の通信システムでは、端末装置14が第1の通信装置12を介して情報処理装置11と通信を行えなくなったときに、迂回路情報を利用することで、第2の通信装置13を介して情報処理装置11との通信を行うことができる。その際に、情報処理装置11は、第2の通信装置13から受け取る端末装置14の接続可否の確認要求に対して、迂回路情報に端末装置14の情報があったときに、端末装置14の接続を容認している。すなわち、通信に障害が生じた際に、情報処理装置11は、あらかじめ情報が登録されている端末装置にのみ迂回路を介した接続を認めている。そのため、緊急時、すなわち、障害が発生した際に、重要な端末装置にのみ通信を認めることができるので、迂回路に対する負荷を抑制しつつ、端末装置14との通信を継続することができる。以上より、本実施形態の通信システムは、障害が発生した際に、端末装置と通信ネットワーク上の情報処理装置との間の通信を継続することで高い信頼性を有する。
第2の実施形態の通信システムの構成において、迂回路となる通信装置は、端末装置14の通信時間および通信量を制限してもよい。例えば、第2の通信装置13が迂回路の通信装置であった場合に、第2の通信装置13は、端末装置14の通信時間および通信量を制限してもよい。また、第2の通信装置13は、端末装置14の通信時間または通信量をいずれか一方を制限してもよい。そのような構成とすることで、迂回路側の第2の通信装置13の通信トラフィックを端末装置14の通信が占有する状態を避けることができる。また、第2の通信装置13は、端末装置14と情報処理装置11との通信が完了した際に、SSIDおよびパスワードを廃棄して、新たに迂回路接続用のSSIDと緒明日ワードを設定してもよい。そのような構成とすることで、端末装置14の第2の通信装置13を介した通信を制限することができる。
第2の実施形態の通信システムの構成において、端末装置14は、情報処理装置11との間で暗号化通信を行ってもよい。例えば、情報処理装置11から端末装置14に公開鍵を提供し、端末装置14と情報処理装置11がSSL(Secure Sockets Layer)通信を行うようにしてもよい。暗号化通信は、SSL以外の方式に基づくものであってもよい。端末装置14と情報処理装置11の間で暗号化通信を行うことで、迂回路の通信装置に通信内容を読み取られることを防ぐことができるので、通信の安全性が向上する。
第2の実施形態の通信システムの構成において、通信装置は、自装置の情報が情報処理装置11に送った情報の他の装置への通知を制限できるようにしてもよい。情報処理装置11への登録を行う際に、第1の通信装置12および第2の通信装置13は、自装置の位置情報、プロトコル情報およびMACアドレス情報に加えて他装置への通知の可否を示す情報を、情報開示可否情報として送信する。情報開示可否情報は、例えば、第2の通信装置13が情報処理装置11に送った情報を、第1の通信装置12および端末装置14に開示してよいかを示す情報として用いられる。
情報開示可否情報は、開示可能な装置を識別するための装置固有の識別子によって構成される。装置固有の識別子としては、例えば、MACアドレスの情報を用いることができる。情報開示可否情報は、開示不可の装置を識別するための装置固有の識別子によって構成されていてもよい。また、情報開示可否情報は、開示可能な装置と開示不可の装置の両方の識別子を含むものであってもよく、また、開示の可否が装置の属性によって指定されていてもよい。情報開示可否情報は、作業者によって設定されてもよく、また、各通信装置が保有している情報を基に生成してもよい。
情報処理装置11の迂回路設定部104は、迂回路情報を生成する際に、情報開示可否情報を参照し、開示可能な場合に迂回路情報を設定する。図11は、情報開示可否情報を含む迂回路情報の構成の例を示した図である。図11に示すように、迂回路情報には、接続先ノード情報および接続ノード情報に加えて、情報開示可否情報が含まれている。また、情報開示可否情報が開示不可を示している場合には、情報処理装置11の迂回路設定部104は、開示不可の情報を迂回路情報に設定しない。このように、ホームゲートウェイ等として設置されている通信装置が情報の開示の可否を指定することで、通信システムの安全性を向上することができる。
第2の実施形態の通信システムは、第1の通信装置12および第2の通信装置13の2台の通信装置で構成されているが通信装置は、3台以上であってもよい。また、また、第2の実施形態では、端末装置14が1台のみの例を示しているが、通信システムは、複数の端末装置14によって構成されていてもよい。また、通常時に端末装置14が第1の通信装置12と通信を行う際に、第1の通信装置12と有線回線で通信を行い、迂回路の第2の通信装置13と無線回線で通信を行う構成であってもよい。また、端末装置14は、通信装置を介して通信ネットワーク15上の複数の情報処理装置とデータの送受信を行う構成であってもよい。