JP6478897B2 - 変調伝達関数の計算装置及び変調伝達関数の計算プログラム - Google Patents
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Description
ベースとなるベース画像から抽出された画像領域であり基準となる基準画素を含む画像領域である指定領域を取得し、取得した前記指定領域を、前記基準画素が前記指定領域の外に出ない範囲で前記ベース画像に対して移動させることで、前記基準画素を含む複数の画像領域である複数の包含画像領域を前記ベース画像から抽出する派生領域抽出部と、
取得した前記指定領域の画像と、抽出した前記複数の包含画像領域のそれぞれの画像との各エッジプロファイルを計算する第1計算部と、
前記第1計算部が計算した各エッジプロファイルが、変調伝達関数の計算に適しているかを判定する判定部と、
前記判定部が適していると判定した前記エッジプロファイルの前記変調伝達関数を計算する第2計算部と
を備える。
<***構成の説明***>
図1から図10を参照して、実施の形態1の画像処理システム3を説明する。
図1は、実施の形態1の画像処理システム3の構成図である。画像処理システム3は、変調伝達関数の計算装置1(以下、MTF計算装置1)と、データベース2aを持つデータベース装置2とを備える。MTF計算装置1は複数のベース画像70を取得する。また、MTF計算装置1はデータベース装置2から過去のMTF評価結果を取得する。MTF計算装置1は、過去のMTF評価結果を用いてベース画像の一部の領域のMTF評価結果を新たに計算する。MTF計算装置1は、新たなMTF評価結果をデータベース装置2に保存する。この新たなMTF評価結果は、次の新たなMTF評価結果の作成に使用される。
(2)小領域情報取得部20は、MTF評価に使用する画像の小領域を受け付ける。
(3)MTF評価結果計算部30は、小領域情報取得部20で選択された画像の小領域に対し、MTFの計算処理を実行する。
(4)撮像条件保存部40は、MTF評価結果計算部30の計算結果を、画像の撮像条件毎にデータベース装置2のデータベース2aに保存する。
図3は、MTF計算装置1が実行するMTFの計算方法を示すフローチャートである。MTFの計算方法はMTF計算装置1が実行するMTFの計算方プログラムによって実現される。図3を参照してMTF計算装置1が実行するMTFの計算方法を説明する。図3において、小領域検索部10、小領域情報取得部20、MTF評価結果計算部30、撮像条件保存部40が、それぞれ、小領域検索処理S10、小領域情報取得処理S20、MTF評価結果計算処理S30、撮像条件保存処理S40を実行する。
小領域抽出処理S11では、一つのベース画像70を取得する。ベース画像70は入出力インタフェース装置60を介して取得され、記憶装置50に格納される。小領域抽出処理S11では、記憶装置50から一つのベース画像70を読み出す。
図4は、小領域抽出処理S11によってベース画像70から抽出される小領域71を説明する図である。小領域抽出処理S11では、MTFの評価に使用する小領域71を、ベース画像70からランダムに抽出する。その際、小領域71に含まれる一つの画素が、基準画素71pとして小領域71から抽出される。小領域71の任意の画素を基準画素71pとしてよい。この実施の形態では小領域71の中央に位置する画素を基準画素71pとする。よって、基準画素71pは小領域71の中心画素でもある。本実施の形態では、基準画素71pは、小領域71の画素のアドレスを0スタートとする場合、図4のように、小領域71が縦及び横ともに偶数M個の画素が並んでいるとした場合、アドレスにおいて、(0.5M−1,0.5M−1)の位置の画素を、小領域71の基準画素71pとしてよい。図4は、X方向及びY方向ともに、アドレスは0〜5で、M=6の場合である。縦であるY方向及び横であるX方向ともに偶数M個の画素が並ぶ場合、(0.5M−1,0.5M−1)の位置の画素を基準画素71pとすれば、図4のように、中心点71cを右下に有する画素が基準画素71pとなる。
参照画像選択部10bは、基準画像82として、判定部33によって適していると過去に判定されたエッジプロファイルを持つ画像を保存しているデータベース装置2の画像を使用する。つまり、基準画像取得処理S12では、MTF計算対象となるベース画像70と撮像条件(緯度、ポインティング角)が同等である、過去のMTF評価に使用された画像である基準画像82を、データベース装置2のデータベース2aから取得する。後述する図10のように基準画像82には撮像条件(撮像日時、撮像点の緯度、撮像時のポインティング角)が対応付けられており、基準画像82の撮像条件をデータベース装置2で参照することが可能である。
参照画像抽出処理S13では、MTF計算対象となるベース画像70から、小領域抽出処理S11で抽出された小領域71の画像を切り出す。MTFの評価に使用する小領域71のサイズをSx×Sy画素(Sx、Syは1以上の整数)とすると、切り出す小領域71の画像はSx×Syの画素サイズであり、小領域抽出処理S11にて決定された基準画素71pを含む。小領域抽出処理S11にて決定された小領域71がベース画像70から切り出された画像を、参照画像72と呼ぶ。一つのベース画像70から小領域71は複数抽出されるが、以下では小領域はN個抽出されたとして説明する。それぞれの小領域71及び参照画像72を、添え字i(i=1、2,3・・・N)を用いて小領域71i及び参照画像72iの様に記す。小領域71iに参照画像72iが対応する。
参照画像選択部10bは、ベース画像70における画像領域を異にする複数の参照画像と、基準となる基準画像との相関演算を行うことにより各参照画像の相関値を算出し、選択のための閾値である選択閾値94と各参照画像の相関値riとの対比の結果によって、参照画像を選択する。画素値正規化処理S14では、基準画像取得処理S12で取得した基準画像82と、参照画像抽出処理S13で切り出した参照画像72iとの間のコントラストを調整するため、画素値が0以上1以下の数値となるよう変換する。切出した参照画像72iの画素値を、
Gi(X、Y)(0≦X≦Sx−1、0≦Y≦Sy−1)
とする。(X、Y)は図4に示すアドレス位置、Sx、SyはX方向、Y方向の画素数である。
図4ではSx=Sy=6である。Gi(Sx−1,Sy−1)は、一番下の行の一番右の画素に対応する画素値である。参照画像72iの最大画素値をGmax、処理後の画素値をG’i(X、Y)とし、次の式1にて参照画像を0以上1以下の数値に正規化する。
G’i(X、Y)=Gi(X、Y)/Gmax (式1)
画素値正規化処理S14は、基準画像82についても、参照画像72iと同様に、式1の正規化を実施する。正規化された基準画像82をB(X、Y)とし、正規化された参照画像72iをRi(X、Y)とする。(X、Y)はアドレスである。
相関演算処理S15では、画素値正規化処理S14で正規化されたN個の参照画像72iと、一つの基準画像82との間の相関値を計算する。まず、画素値正規化処理S14で正規化された基準画像B(X、Y)、参照画像Ri(X、Y)(i=1,2,・・・N)に対し、それぞれの平均画素値である
次に、基準画像B(X、Y)と、それぞれの参照画像Riとの間の相関値ri(1≦i≦N)を次の式2で計算する。
小領域決定処理S16では、相関演算処理S15で計算された相関値riが、選択閾値94である閾値rth以上の参照画像72iの小領域71iを、MTFの評価に推奨される領域として決定する。つまり、N個の小領域71i=1〜71i=Nのうち、参照画像選択処理S10bによって、K個の小領域71k=1〜71k=Kが選択される。ここでKは小領域決定処理S16で閾値rth以上と決定された小領域71の総数である。よってKはN以下である。
次に、小領域情報取得処理S20では、MTFの評価に使用する小領域の情報を受け付ける。
(例1)小領域決定処理S16で小領域71k=1〜71k=Kが決定された場合、運用者は、K個の小領域71kを参考とし、K個の小領域71kからMTFの評価に使用する小領域を選択する。小領域情報取得処理S20は、運用者による選択を小領域の情報として受け付ける。具体的には、小領域決定処理S16では、小領域71k=1〜71k=Kの画像をMTF計算装置1の有する図示していない表示装置に表示する。運用者が表示された小領域71k=1〜71k=Kの画像をマウスで選択することで、選択された小領域を入出力インタフェース装置60を介して、小領域情報取得処理S20が受け付ける。
(例2)小領域情報取得処理S20では、運用者が、決定された小領域71k以外の小領域を、小領域71kが決定された元のベース画像70において指定し、この指定された小領域を小領域情報取得処理S20が受け付けてもよい。具体的には、小領域決定処理S16がベース画像70を表示し、運用者がマウスでベース画像70のうちの小領域を指定する。小領域情報取得処理S20は、運用者がマウスで指定した小領域を入出力インタフェース装置60を介して受け付ける。
(例3)あるいは小領域決定処理S16が、決定された小領域71k=1〜71k=Kの情報を出力し、小領域情報取得処理S20が小領域71k=1〜71k=Kの情報を入力し、小領域として小領域71k=1〜71k=Kを受け付けてもよい。
派生領域抽出部31は、ベースとなるベース画像70から抽出された画像領域であり基準となる基準画素71pを含む画像領域である指定領域92を取得する。この設例において指定領域92は入力データである小領域71k=1、小領域71k=2の2つである。この場合、派生領域抽出部31は、指定領域92として、参照画像選択部10bが選択した参照画像の画像領域である小領域71k=1、小領域71k=2を取得する。派生領域抽出部31は、取得した指定領域92を、基準画素71pが指定領域92の外に出ない範囲で前記ベース画像に対して移動させることで、複数の画像領域であり基準画素71pを含む複数の画像領域である複数の包含画像領域93をベース画像70から抽出する。以下に派生領域抽出部31による派生領域抽出処理S31を具体的に説明する。
ライン単位LSF計算処理S32aは、小領域711(0)の画像を処理する。図6を参照してライン単位LSF計算処理S32aを説明する。
図6は、ライン方向、つまりエッジの直線方向を説明するための図である。ここでラインとは、複数の画素がX方向に並ぶ1行である。以下の、ライン単位LSF計算処理S32a〜リサンプリング処理S32fまでは、小領域711(0)の画像に対する処理である。ライン単位LSF計算処理S32aでは、図6に示すように、ベース画像における小領域711(0)の画像を、エッジの直線方向であるY方向をライン方向とし、ライン単位、つまり行単位でLSF(Line Spread Function)を計算する。ライン単位LSF計算処理S32aでは、小領域711(0)の
画像g(x、y)(0≦x≦Sx−1、0≦y≦Sy−1)
に対し、微分フィルタf(t)(−1≦t≦1)を用いて、ラインyのLSFy(x)を次の式3にて計算する。ここでSx、Syは、X方向、Y方向の画素数である。なお、微分フィルタのフィルタ係数は(−1/2、0、1/2)とする。
ライン単位のLSFピーク位置計算処理S32bでは、ラインごとに、LSFy(x)が最大となるピーク位置xmax(y)を計算する。
図7は、エッジ傾斜角の定義を説明するための図である。エッジ傾斜角計算処理S32cでは、小領域711(0)の画像におけるエッジ傾斜角を計算する。ライン番号y(0≦y≦Sy−1)と、図7に星印で示す各ラインにおけるLSFのピーク位置xmax(y)に対し平均二乗法を用い、一次の近似関数f(x)=ax+bを導く。計算された切片bはエッジ傾斜の周期であり、エッジ傾斜角計算処理S32cでは、次の式4によってエッジ傾斜角θ[rad]を計算する。
θ=arctan(1/b) (式4)
図8は、エッジまでの距離計算処理S32dを説明するための図である。エッジまでの距離計算処理S32dでは、図8に示すように、小領域711(0)の画像の各画素と、エッジ傾斜角計算処理S32cで求められた一次直線との間の距離δを計算する。小領域711(0)の画像の画素の座標を(x0、y0)とし、エッジ傾斜角計算処理S32cで計算された一次直線をax+by+c=0とした場合、エッジまでの距離計算処理S32dでは小領域711(0)の各画素と、一次直線との間の距離δ(x0、y0)を次の式5で計算する。
距離順のソート処理S32eでは、エッジまでの距離計算処理S32dで計算された各画素の距離δ(x0、y0)をソートし、小領域711(0)の画素値のデータを、距離δ(x0、y0)の短い順に一次元の配列に並べ替える。
リサンプリング処理S32fでは、距離順のソート処理S32eで並び替えられた小領域711(0)の画素を、エッジまでの距離でリサンプリングすることで、小領域711(0)のエッジプロファイルを求める。リサンプリング処理S32fには線形補間を利用する。
図9は、リサンプリング処理S32fによって求めた小領域711(0)のエッジロファイルP(0)を示す。
エッジプロファイル判定処理S33では、エッジプロファイル計算処理S32で計算されたエッジロファイルP(0)〜P(m)の「m+1」個のエッジロファイルを対象に、MTF計算処理S34に適するエッジプロファイルがどうかを判定する。
判定部33は、第1計算部32が計算した各エッジプロファイルが、MTFの計算に適しているかを判定する。判定部33は、各エッジプロファイルに対して計算された判定値である計算判定値を取得し、取得した各計算判定値を判定のための閾値である判定閾値と対比することによって、各エッジプロファイルがMTFの計算に適しているか判定する。
以下に詳述する。
エッジロファイルP(0)を例に説明する。ノイズ判定処理S33aでは、小領域711(0)のエッジプロファイルP(0)に対し、画像の暗部、明部を識別する。図9のエッジプロファイルP(0)では、破線で示す範囲97が小領域711(0)の画像の暗部に対応し、破線で示す範囲98が小領域711(0)の画像の暗部に対応する。ノイズ判定処理S33aでは、範囲97、範囲98にノイズが少ないかどうかを判定する。ノイズの具体的な判定方法は、エッジプロファイルP(0)の先頭である範囲97及び末尾である範囲98に対して一定の画素数分(プロファイルP(0)のデータ数×割合α)の標準偏差を計算する。範囲97及び範囲98の標準偏差は計算判定値である。割合αは予め設定されている。ノイズ判定処理S33aでは、明部と暗部の両方の標準偏差が判定閾値より小さければノイズは少なくMTF評価に使える、つまり次の処理に進むべきと判定し、判定閾値よりも大きければノイズが多くMTF評価に使えない、つまり、次の処理に進まないと判定する。以上の処理内容は派生領域711(1)〜派生領域711(m)のエッジプロファイルP(1)〜P(m)についても同様に実行される。
エッジ傾斜判定処理S33bでは、エッジプロファイル計算処理S32で計算された小領域711(0)のエッジプロファイルP(0)のエッジ傾斜角の周期が閾値の範囲内であれば、エッジプロファイルP(0)はMTFの評価に適していると判断する。派生領域711(1)〜派生領域711(m)のエッジプロファイルP1〜Pmについても同様である。この場合、エッジ傾斜角の周期が計算判定値であり、その判定のための閾値が判定閾値である。なお当然に、エッジ傾斜角の周期の閾値と前記の標準偏差の閾値とは、種別が異なる。
次にMTF計算処理S34を説明する。第2計算部34は、判定部33が適していると判定したエッジプロファイルのMTFを計算する。第2計算部34によるMTF計算処理S34では、ノイズ判定処理S33aとエッジ傾斜判定処理S33bとの両方においてMTF評価に適していると判断されたエッジプロファイルに対して、MTFが計算される。
以下では、エッジプロファイルP(0)を例に説明する。以下のP(0)(x)はP(0)である。LSF計算処理S34aでは、エッジプロファイルP(0)(x)(0≦x≦Np−1)に対し、微分フィルタf(t)(−1≦t≦1)を用い、次の式6でLSF(0)のL(0)(t)(0≦t≦Np−1)を計算する。ここで、0≦x≦Np−1はエッジプロファイルP(0)(x)のデータ点数を意味する。なお、微分フィルタのフィルタ係数は(−1/2、0、1/2)とする。このように式6を用いてエッジプロファイルP(0)のL(0)(t)を計算し、エッジプロファイルP(0)のLSF(0)を求める。
FFT処理S34bでは、各エッジプロファイルP(0)、P(1)、P(2)のLSF(0)〜LSF(2)対しFFT(Fast Fourier Transform)処理を行い、DC成分で規格化することで、MTFを計算する。以下では、エッジプロファイルP(0)を例に説明する。FFT処理後のデータをF(0)(x)(0≦x≦Nf−1、NfはFFT処理後のデータ点数)とし、次の式7にて
MTF(0)(x)(0≦x≦Nf−1)を計算する。
MTF(0)(x)=F(0)(x)/F(0)(0) (式7)
エッジプロファイルP(1)、P(2)に対しても、それぞれF(1)(x)、F(2)(x)及びMTF(1)(x)、MTF(2)(x)が計算される。
以上の対応関係をまとめれば、
小領域711(0)→P(0)→L(0)→LSF(0)→F(0)(x)→MTF(0)(x)、
派生領域711(1)→P(1)→L(1)→LSF(1)→F(1)(x)→MTF(1)(x)、
派生領域711(2)→P(2)→L(2)→LSF(2)→F(2)(x)→MTF(2)(x)、
となる。
評価結果計算処理S35では、MTF計算処理S34で計算されたMTFの平均を計算し、評価結果として計算する。この設例では、
MTF平均=[MTF(0)(x)+MTF(1)(x)+MTF(2)(x)]/3=評価結果
である。
判定処理S36では、次の小領域があるかどうかを判定する。この設例ではMTF評価結果計算処理S30の入力データとして、もう一つの小領域71k=2がある。よって、処理は派生領域抽出処理S31に戻り、小領域71k=1の場合と同様に小領域71k=2に対してエッジプロファイル計算処理S32、エッジプロファイル判定処理S33,MTF計算処理S34及び評価結果計算処理S35が実行される。小領域71k=2の評価結果計算処理S35が終わった場合は次の小領域はないので、処理は撮像条件保存処理S40に進む。
保存部40による撮像条件保存処理S40では、判定部33がMTFの計算に適していると判定したエッジプロファイルを持つ画像を、データベース装置2のデータベース2aに保存する。以下に詳述する。
図10は、データベース装置2の有するデータベース2aの図である。撮像条件保存処理S40では、データベース2aにMTFの評価結果を保存するが、その際、評価結果2a−1とともに、評価結果に対応する撮像条件2a−2をベース画像から抽出し、撮像条件2a−2及び「評価結果に使用した小領域、派生領域の画像2a−3」をデータベース2aに登録する。評価結果が1レコードの単位である。データベース2aでは、撮像条件2a−2である「撮像日時、撮影点の緯度、撮影時のポインティング角」毎に、評価結果2a−1であるMTF平均値と、「評価に使用した小領域、派生領域の画像2a−3」が対応付けられて登録される。この設例の場合は、
MTF平均=[MTF(0)(x)+MTF(1)(x)+MTF(2)(x)]/3=評価結果
のレコードについては、以下の(1)〜(3)の様である。
(1)ベース画像は、小領域711(0)、派生領域711(1)、派生領域711(2)が抽出されたベース画像であるから、このベース画像から撮像条件2a−2が抽出され、保存される。
(2)評価結果2a−1は、上記のMTF(0)(x)〜MTF(2)(x)の平均値が保存される。
(3)評価結果2a−1に対応する「評価に使用した小領域、派生領域の画像2a−3」は、小領域711(0)、派生領域711(1)、派生領域711(2)の各画像である。
撮像条件保存処理S40では、これらを1レコードとして,図10のデータベース2aに登録する。
(1)本実施の形態のMTF計算装置は派生領域抽出部31を備えたので、画像から、MTFの評価に適する可能性の高い複数の派生領域を抽出できる。
(2)本実施の形態のMTF計算装置は判定部33を備えたので、取得した小領域及び派生領域抽出部31が抽出した派生領域の中から、MTFの評価に適する可能性の高い領域を、より確実に選択できる。
(3)派生領域抽出部31は、小領域を基準画素に対して1画素ずつずらすことで派生領域を抽出するので、簡易な処理によってMTFの評価に適する可能性の高い領域を選択できる。
(4)参照画像選択部10bは、基準画像と複数の参照画像との相関演算処理によって参照画像に対応する小領域を決定するので、運用者の手動を必要とせず、MTFの評価に適する可能性の高い小領域を選択できる。
(5)参照画像選択部10bは、基準画像として、判定部33によって適していると過去に判定されたエッジプロファイルを持つ画像を保存しているデータベース装置2の画像を使用するので、MTFの評価に適する可能性の高い小領域を選択できる。
(6)保存部40は、判定部33がMTFの計算に適していると判定したエッジプロファイルを持つ画像を、データベース装置2に保存し、その画像を参照画像選択部10bが相関処理の基準画像として使用するので、MTFの評価に適する可能性の高い小領域を選択できる。
(7)本実施の形態のMTF計算装置では、小領域検索処理S10、エッジプロファイル判定処理S33により、評価に適した領域を自動で抽出可能である。そのため、MTFの評価を実施する運用者が、光学センサの画像処理に関する知識を有する必要がなく、評価可能である。また、自動処理により、評価の候補を抽出するため、運用者によるばらつきが発生しない。
(8)本実施の形態のMTF計算装置では、小領域の決定、派生領域の抽出及びMTF計測操作が自動化されるため、運用者の操作が簡易化される。
(9)本実施の形態のMTF計算装置では、データベース装置2bに結果を保存するので、評価したMTFを時系列で管理することができる。このため、センサのMTFの経年変化を確認可能である。
(10)MTF計算装置1では、撮像条件保存部40がベース画像から撮像条件2a−2を抽出し、撮像条件2a−2を、評価結果2a−1及び「評価に使用した小領域、派生領域の画像2a−3」に対応付けてデータベース装置2に保存するので、撮像条件2a−2による管理が可能となる。
(11)また、「評価に使用した小領域、派生領域の画像2a−3」を、参照画像選択処理S10bの基準画像として用いることができる。つまり、参照画像決定処理S10aで取得した参照画像と撮像条件を同じくする基準画像をデータベース2aから取得できるので、エッジプロファイル判定処理S33で適すると判定される可能性の高い参照画像を選択できる可能性が高まる。
最後に、MTF計算装置1のハードウェア構成の補足説明を行う。図2に示すプロセッサ91は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。図2に示す記憶装置50は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等である。
Claims (7)
- ベースとなるベース画像から抽出された画像領域であり基準となる基準画素を含む画像領域である指定領域を取得し、取得した前記指定領域を、前記基準画素が前記指定領域の外に出ない範囲で前記ベース画像に対して移動させることで、前記基準画素を含む複数の画像領域である複数の包含画像領域を前記ベース画像から抽出する派生領域抽出部と、
取得した前記指定領域の画像と、抽出した前記複数の包含画像領域のそれぞれの画像との各エッジプロファイルを計算する第1計算部と、
前記第1計算部が計算した各エッジプロファイルが、変調伝達関数の計算に適しているかを判定する判定部と、
前記判定部が適していると判定した前記エッジプロファイルの前記変調伝達関数を計算する第2計算部と
を備える変調伝達関数の計算装置。 - 前記判定部は、
各エッジプロファイルに対して計算された判定値である計算判定値を取得し、取得した各計算判定値を判定のための閾値である判定閾値と対比することによって、各エッジプロファイルが前記変調伝達関数の計算に適しているか判定する請求項1に記載の変調伝達関数の計算装置。 - 前記派生領域抽出部は、
前記指定領域を前記基準画素に対して1画素ずつずらし、1画素ずつずらして定まる各画像領域を、前記複数の包含画像領域として抽出する請求項2に記載の変調伝達関数の計算装置。 - 前記変調伝達関数の計算装置は、さらに、
前記ベース画像における画像領域を異にする複数の参照画像と、基準となる基準画像との相関演算を行うことにより各参照画像の相関値を算出し、選択のための閾値である選択閾値と各参照画像の前記相関値との対比の結果によって、前記参照画像を選択する参照画像選択部を備え、
前記派生領域抽出部は、
前記指定領域として、前記参照画像選択部が選択した前記参照画像の画像領域を取得する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変調伝達関数の計算装置。 - 前記参照画像選択部は、
前記基準画像として、前記判定部によって適していると過去に判定された前記エッジプロファイルを持つ画像を保存しているデータベース装置の前記画像を使用する請求項4に記載の変調伝達関数の計算装置。 - 前記変調伝達関数の計算装置は、さらに、
前記判定部が前記変調伝達関数の計算に適していると判定した前記エッジプロファイルを持つ画像を、前記データベース装置に保存する保存部を備える請求項5に記載の変調伝達関数の計算装置。 - コンピュータに、
ベースとなるベース画像から抽出された画像領域であり基準となる基準画素を含む画像領域である指定領域を取得し、取得した前記指定領域を、前記基準画素が前記指定領域の外に出ない範囲で前記ベース画像に対して移動させることで、前記基準画素を含む複数の画像領域である複数の包含画像領域を前記ベース画像から抽出する抽出処理、
前記抽出処理で取得された前記指定領域の画像と、抽出された前記複数の包含画像領域のそれぞれの画像との各エッジプロファイルを計算する第1計算処理、
前記第1計算処理で計算された各エッジプロファイルが、変調伝達関数の計算に適しているかを判定する判定処理、
前記判定処理で適していると判定された前記エッジプロファイルの前記変調伝達関数を計算する第2計算処理、
を実行させるための変調伝達関数の計算プログラム。
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