JP6478506B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本発明は椅子に関し、ミーティング用、事務用、スポーツを行うスタジアムのスタンドなどで使用される観客席用等、種々の用途に利用可能な椅子に関する。
特許文献1には、側面視で略L字状で、左右の後脚部が下方に一体に形成され、その上方に延びる背もたれ枠部と、側面視で上記と逆の略L字状の向きで形成され、左右の前脚部が一体に形成され、その上部で略水平に後方に向かって延びる座枠部とを有し、左右の後脚部と前脚部とを付け合わせて連結すると共に、座枠部の後端部を背もたれ部の中途に幅方向に配設したトーションバーに溶接により連結した構造の椅子が開示されている。座枠部には座板がねじにより固定され、背もたれ枠部には背板が嵌め合わされている。トーションバーは、若干前方に湾曲したように配設され、座枠部にかかる力をその弾性により吸収する。
特公昭56−7689号公報
特許文献1に開示の椅子は、上記のように座板を用いている。そのため、着座時に筋肉が大きく圧迫されて変形し、血流の偏りが生じやすく、臀部や大腿部に生じる痛み、しびれが比較的早期に訪れる。これを防止するための手段として柔らかなクッション部材を用いることが考えられるが、クッション部材が柔らかすぎるとクッション部材の変形量が大きく、応力が集中してせん断力が働き、却って筋肉負担の増加につながる。
また、特許文献1に開示の椅子は、後脚部と背もたれ枠部が、1本のパイプを前後方向、上下方向及び幅方向に曲成して作られていると共に、前脚部と座枠部も1本のパイプを前後方向、上下方向及び幅方向に曲成して作られ、前脚部と後脚部とを突き合わせるようにして接続している。すなわち、1本の長いパイプを曲成して所定形状にしているため、製造時に扱いにくく製造誤差も生じやすい。
また、特許文献1に開示の椅子は、1本のパイプで形成した後脚部と背もたれ枠部の高さ方向中途位置において、幅方向にトーションバーを掛け渡した構成である。特許文献1は、着座荷重によってパイプが撓んで破損することを防止するために、トーションバーを設けてその捩れによって外力を吸収しようとするものである。しかし、特許文献1は剛体である座板を用いているため、トーションバーが捩れるようにするために、トーションバーの中央部を、支点である両端部よりも前方に膨出させ、その膨出させた部位で座枠部の後端部を溶接している。従って、座板及び座枠部が上下動する際には捩れが生じて弾性が働くが、前後に変位させる力に対してトーションバーの捩れ弾性が作用しにくい構造である。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、着座時の外力を椅子全体で分散して減衰することができ、しかも、簡易な構成で安価に製造可能な椅子を提供することを課題とし、さらに、トーションバーを用いた際にトーションバーの機能を十分に発揮させ、減衰機能をより高めることができる椅子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の椅子は、座部及び背もたれを備えた椅子であって、前記座部が、略方形状の座部フレームと、前記座部フレームに張力構造体として支持される座部用クッション部材とを有し、前記背もたれが、略方形状の背もたれフレームと、前記背もたれフレームに張力構造体として支持される背もたれ用クッション部材とを有し、前側脚部及び後側脚部とを左右一対の脚部フレームが、各前側脚部の上部を前記座部フレームの左右に接続し、各後側脚部の上部を前記背もたれフレームの左右に接続して配設され、前記座部用クッション部材が、前記座部フレームに前後に掛け渡される所定以上の面剛性の座部用ベースネットを有し、着座時の外力を、前記座部用ベースネットの面剛性で受け、前記座部フレーム、前記背もたれフレーム及び前記脚部フレームに分散して減衰する構成であることを特徴とする。
前記脚部フレームが、下側脚部と、その両側から上方に立ち上がる前記前側脚部及び前記後側脚部とを一体に備えた側面視で略U字状に形成されていることが好ましい。前記座部フレームの後部フレームが、前記左右の脚部フレームの後側脚部間に掛け渡されたトーションバーからなる後側架橋フレームに接続され、前記座部用クッション部材にかかる荷重により、前方斜め下方に引き寄せられる力が作用し、前記トーションバーからなる後側架橋フレームに捩れ弾性が機能する構造であることが好ましい。
平面視で前記座部フレームの左右に突出する略方形状に形成されると共に、サイドフレームが前記座部フレームの左右において上方に立ち上がってアームレスト部を形成するアームレスト形成用フレームをさらに有し、前記アームレスト形成用フレームの前側横フレームが、前記左右の脚部フレームの前側脚部間に掛け渡された前側架橋フレームに接続され、前記アームレスト形成用フレームの後側横フレームが、前記左右の脚部フレームの後側脚部間に掛け渡された前記後側架橋フレームに接続されていることが好ましい。前記座部用ベースネットは、直径200mmの加圧板で1000Nまで加圧した際の荷重−たわみ特性において、荷重値400〜750Nの範囲の加圧時のばね定数が50〜80N/mmの範囲となる面剛性であることが好ましい。前記背もたれ用クッション部材が、前記背もたれフレームに上下に掛け渡される所定以上の面剛性の背もたれ用ベースネットを有してなることが好ましい。
本発明の椅子は、座部用クッション部材が、座部フレームに張られる所定以上の面剛性の座部用ベースネットを備えた張力構造体である。そのため、着座荷重等の外力が作用すると、座部用クッション部材は沈み込む方向に変位する。この点、特許文献1の座板のように外力が加わっても実質的な変位がない剛体とは異なり臀部の圧迫が小さい。その一方、座部用ベースネットが所定以上の面剛性であるため、外力が作用すると、座部用ベースネットを介して、座部フレーム、背もたれフレーム及び脚部フレーム等に伝達される。すなわち、外力を、張力構造体である座部用ベースネットで受けて、それを各フレーム全体に分散して減衰でき、着座時の筋肉負担が小さく、長時間着座に適した椅子である。
また、本発明は、座部フレーム、背もたれフレーム及び脚部フレーム、並びに、アームレスト部を設ける場合にはアームレスト形成フレームがそれぞれ異なる部材から構成されて相互に接続された構造である。そのため、特許文献1のように、座枠部と前脚部、背もたれ枠部と後脚部とをそれぞれ1本の長尺なパイプで曲成したものと比較して短いパイプで製造でき、加工時の取り扱いが容易で、製造コストの低下につなげることができる。
また、座部用クッション部材が張力構造体であるため、着座荷重による外力が作用すると、座部フレームの前部フレーム及び後部フレームを重心方向に変位させる力が働くが、本発明では、後部フレームをトーションバーである後側架橋フレームに接続している。そのため、後部フレームは特許文献1のように実質的に垂直方向に変位するのではなく前下方に変位しようとし、トーションバーである後側架橋フレームを脚部フレームに対して捩れる方向に変形させる。従って、左右の脚部フレームの後側脚部間に掛け渡される後側架橋フレームとしてトーションバーを用いた場合、トーションバーの捩り弾性を確実に機能させることができる。
図1は、本発明の一の実施形態に係る椅子の外観を示した斜視図である。 図2は、図1に椅子のフレーム構造を示した斜視図である。 図3は、図1のA−A線断面図である。 図4は、図1の分解斜視図である。 図5は、座部用ベースネットの一例にかかる荷重-たわみ特性を示した図である。
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。本実施形態の椅子1は、座部10、背もたれ20、脚部30及びアームレスト部40,40を有して構成される。本実施形態の椅子1は、図2に示したようなフレーム構造1Aを有し、このフレーム構造1Aに座部用クッション部材12及び背もたれ用クッション部材22等が配設される。まず、フレーム構造1Aについて説明する。本実施形態のフレーム構造1Aは、座部フレーム11、背もたれフレーム21、脚部フレーム31,31及びアームレスト形成フレーム41を有して構成される。
座部フレーム11は、図2及び図4に示したように、パイプ材を平面視で略方形状に加工して形成され、前部フレーム111、後部フレーム112及び左右の座部用サイドフレーム113,114を有している。左右の座部用サイドフレーム113,114には、前部フレーム111との交差部付近から数cm下方に延びる接続部113a,114aが設けられている。
背もたれフレーム21は、図2及び図4に示したように、パイプ材を正面から見て略方形状に加工して形成され、上部フレーム211、下部フレーム212及び左右の背もたれ用サイドフレーム213,214を有している。左右の背もたれサイドフレーム213,214は、本実施形態では、側面から見て上下方向中央付近213a,214aが前方にせり出す形状に形成され、背もたれ用クッション部材22を配設した際に、その部位が着座者の腰部付近を支持するランバーサポート部となる。
脚部フレーム31,31は、座部フレーム11及び背もたれフレーム21の幅方向の間隔と同等の間隔をおいて、左右一対設けられる。本実施形態ではいずれも同形状でパイプ材から形成され、設置面に略平行となる奥行き方向(座部用サイドフレーム113,114の長手方向に沿った方向)に所定の長さを備えた下側脚部31a,31aと、下側脚部31a,31aの前側端部から上方であってやや内方に向けて立ち上げる前側脚部31b,31bと、下側脚部31a,31aの後側端部から上方であってやや内方に向けて立ち上がる後側脚部31c,31cとを備え、椅子1の側面方向から見た場合に、略U字状に形成されている。
左右の脚部フレーム31,31の前側脚部31b,31bの上部間には、パイプ材からなる前側架橋フレーム32が掛け渡され、左右の脚部フレーム31,31の後側脚部31c,31cの上部間には、後側架橋フレーム33が掛け渡されている。この後側架橋フレーム33は、本実施形態ではトーションバーから構成される。前側架橋フレーム32及び後側架橋フレーム33はほぼ同じ高さに設けられており、後側脚部31c,31cの上端は、その後側架橋フレーム33との交差部付近よりも数cm上方に突出しており、この上方に突出した部位が接続部31d,31dとなっている。
アームレスト形成用フレーム41は、平面視で座部フレーム11の左右に突出する大きさの略方形状に形成されている。但し、前側横フレーム411,411は、左右端から数cmから十数cm程度内方に延びているだけで、幅方向に連続した部位とはなっていない。もちろん、連続した1本の部位として構成することもできるが、強度的に十分であることから、本実施形態では軽量化のためこのような構成としている。前側横フレーム411,411の後方に間隔をおいて後側横フレーム412は幅方向に連続した1本の部位として構成されている。前側横フレーム411,411の各外側端部と後側横フレーム412の各外側端部間には、略コ字状に上方に突出するサイドフレーム(アームレストサイドフレーム)413,414が配置されている。アームレストサイドフレーム413,414の上部水平部413a,414aには、アームレストトリム421,422が被覆され、左右のアームレスト部40,40が形成される。
次に、各フレームの接続について説明する。脚部フレーム31,31の後側脚部31c,31cの上部の接続部31d,31dは、背もたれフレーム21の左右の背もたれサイドフレーム213,214の下端開口内に挿入され、ねじ51により固定される。これにより、背もたれフレーム21と脚部フレーム31,31の後側脚部31c,31cが一体化される。
脚部フレーム31,31の前側脚部31b,31bの上端開口には、座部フレーム11の座部用サイドフレーム113,114の前部において下方に延びる接続部113a,114aが挿入され、ねじ52により固定される。これにより、座部フレーム11と脚部フレーム31,31の前側脚部31b,31bが一体化される。
脚部フレーム31,31の後側脚部31c,31c間に掛け渡されたトーションバーからなる後側架橋フレーム33には、その長手方向中間位置、両端部より数cm内方よりの位置の計3箇所に、後方に突出する後方突出ブラケット33aが設けられている。一方、アームレスト形成フレーム41の後側横フレーム412の下面には、前方に突出する前方突出ブラケット412aが、上記後側架橋フレーム33の後方突出ブラケット33aの位置に対応して3箇所に設けられている。さらに、座部フレーム11の後部フレーム112の下面には、後方突出ブラケット33a及び前方突出ブラケット412aの位置に対応して3箇所に取り付けブラケット112aが設けられている。後側架橋フレーム33の後方突出ブラケット33a上に、アームレスト形成フレーム41の前方突出ブラケット412aを重ね、その上に、座部フレーム11の後部フレーム112における取り付けブラケット112aを位置合わせする。そして、後方突出ブラケット33aの下方からねじ53により、3つのブラケット33a,412a,112aを連結固定する。従って、座部フレーム11の後部フレーム112は、トーションバーからなる後側架橋フレーム33のやや上斜め後方に配置されることになる。
アームレスト形成フレーム41の左右に位置する前側横フレーム411,411は、座部フレーム11の前部フレーム111の下方であって、前側脚部31b,31b間に掛け渡された前側架橋フレーム32の長手方向両側部にねじ54を介して固定される。なお、脚部フレーム31,31の下側脚部31a,31aには、長手方向に所定間隔をおいて脚カバー34,34が配設され、下側よりねじ55を介して固定される。
このようにして組付けられたフレーム構造1Aに座部用クッション部材12及び背もたれ用クッション部材22が取り付けられる。座部用クッション部材12は、座部用ベースネット121、座部用中間クッション122及び座部用表皮123を有して構成される。座部用ベースネット121は、二次元の布帛又は三次元の布帛から、平面視で略方形状に形成される。座部用ベースネット121は、図3及び図4に示したように、略ループ状に設けられ、その一端部121aが前部フレーム111上を通過して、その下方に位置する前側脚部31b,31b間に掛け渡された前側架橋フレーム32に係合部材を介して係合固定される。この一端部121aより後方側の中途部121bは、後部フレーム112に上側から下側に掛け回され、他端部121cは前方に引き出されて後述の座部用表皮123の前縁部123aに係合固定される。
座部用中間クッション122は、所定の厚さを有し、所定のクッション性を有するものであれば何であってもよく限定されるものではない。例えば、ポリウレタンフォームから形成したものでもよいが、通気性、排水性の観点から、三次元の布帛を用いることが好ましく、中でも、体圧分散性が高く、薄くても所定のクッション性が得られる三次元立体編物を用いることが好ましい。座部用中間クッション122は、本実施形態では3枚の三次元立体編物を積層して構成されるが積層数は限定されるものではない。なお、三次元立体編物は同種又は異種のものを組み合わせてもよく、さらに、座部用表皮123の裏面にそのうち1層又は複数層を縫製して予め一体化したものであってもよい。
座部用表皮123は、合成皮革、本革、ファブリック、二次元の布帛又は三次元の布帛等を用いて構成することができ、上記の座部用中間クッション122を被覆して配設される。座部用表皮123は、前縁部123aが、前部フレーム111に上側から掛け回され、さらに前側架橋フレーム32の下側に掛け回された後、後方に引き出され、上記の座部用ベースネット121の他端部121cと面ファスナー124を介して係合固定される。座部用表皮123の後縁部123bは、後部フレーム112及びアームレスト形成フレーム41の後側横フレーム412に上側から下側へと掛け回されて前方に引き出され、トーションバーからなる後側架橋フレーム33の下側を通過して、座部用ベースネット121の下面に面ファスナー125を介して係合される。
背もたれ用クッション部材22は、背もたれ用ベースネット221と、背もたれ用中間クッション222と、背もたれ用表皮223を有して構成される。背もたれ用ベースネット221は、背もたれフレーム21の上部フレーム211及び下部フレーム212間に張設される。具体的には、図3に示したように、上部フレーム211と下部フレーム212との間に正面側から後ろ側にループ状に掛け回され、後ろ側の面において、一端部221a,221bが面ファスナー224を介して係合される。背もたれ用中間クッション222は、背もたれ用ベースネット221に積層されて配設され、該背もたれ用中間クッション222を被覆するように背もたれ用表皮223が配設される。背もたれ用表皮223も、図3の断面図では上部フレーム211及び下部フレーム212の間にループ状に張られるが、各端部223a,223bが、下部フレーム212の下側に位置するように配設し、各端部223a,223bを下部フレーム212の下側で固定している。
ここで、座部用ベースネット121を構成する二次元又は三次元の布帛は、座部フレーム11に張った状態で所定以上の面剛性を有するものが用いられる。ここでいう所定以上の面剛性を有するものとしては、座部フレーム11に弛みのない状態で張設して、臀部面積に略相当する直径200mmの加圧板で1000Nまで加圧した際の荷重−たわみ特性において、人の着座時の平均的な荷重である400〜750Nの範囲の加圧時のばね定数が50〜80N/mmの範囲となるものが好ましい。つまり、伸びやすくないものであり、ばね定数がこれよりも低く、荷重値が小さくても伸びやすいものは、座部用ベースネット121の沈み込みが大きくなり、フレーム構造1A全体への荷重分散が損なわれる。例えば、図5は、旭化成商事(株)製の製品番号Y27013NPの二次元布帛のデータであるが、荷重400〜750Nの範囲の加圧時のばね定数が約70N/mmとなっており、この素材は座部用ベースネット121として適している。そして、座部用ベースネット121は、座部フレーム11に自然長に対して2〜10%の張力をかけて張って使用される。なお、背もたれ用ベースネット221を構成する二次元又三次元の布帛も同様のものを用いることが好ましい。
本実施形態の椅子1によれば、人が着座した際には、外力すなわち着座荷重によって張力構造体である座部用クッション部材12は下方に、背もたれ用クッション部材22は後方にそれぞれ変位する。但し、座部用ベースネット121及び背もたれ用ベースネット221として面剛性の高い素材を用いているため、変位量はそれほど大きくなく、着座荷重は、座部フレーム11、背もたれフレーム21、脚部フレーム31,31、アームレスト形成フレーム41を含むフレーム構造1A全体に伝達される。座部用ベースネット121及び背もたれ用ベースネット221の面剛性が低く、外力による変位量が大きい場合には、フレーム構造1A全体で外力を受けることができないが、本実施形態においてはこのように座部用ベースネット121及び背もたれ用ベースネット221の面剛性が高いため、座部用ベースネット121及び背もたれ用ベースネット221で受け止められた着座荷重による外力がフレーム構造1A全体に伝達されて減衰される。
また、座部用ベースネット121を含む座部用クッション部材12は、座部フレーム11の前後方向に張設されている。そして、この座部フレーム11は、後部フレーム112が、後側架橋フレーム33に後方に突出させた後方突出ブラケット33aを介して、当該後側架橋フレーム33すなわちトーションバーに連結されている。そのため、着座荷重によって下方に力が作用した場合、座部用ベースネット121を含む座部用クッション部材12が重心方向に引き寄せられる力が働く。このとき、座部用ベースネット121の前縁側(一端部121a側)は、前部フレーム111及び前側架橋フレーム32に掛け回されているため、重心方向に引き寄せられる力によってもその位置はほとんど変化しない。これに対し、座部用ベースネット121の後縁側(中途部121b側)は、後部フレーム112に掛け回されているため、重心方向に引き寄せられる力が働くと、トーションバーである後側架橋フレーム33を後方突出ブラケット33aを介して前方斜め下方に変位させるようとする。すると、後方突出ブラケット33aは、後側架橋フレーム33の各端部から所定の長さ内方に変位した位置に設けられているため、トーションバーである後側架橋フレーム33の各端部が後側脚部31c,31cに対して捩られ、トーションバーの弾性が機能する。
従って、本実施形態によれば、張力構造体である座部用クッション部材12で力を受け、その力をフレーム構造1A全体に分散して減衰させると共に、トーションバーである後側架橋フレーム33の弾性を前方斜め下方向に作用せることができるため、上下方向だけでなく前後方向にも外力を受けた際の振動吸収機能が高く、特に、着座ショックを速やかに吸収できる。
また、背もたれ20に付与される外力、すなわち、着座により背もたれ用クッション部材22を後方に押圧する方向の力が働いた場合、同様に、面剛性の高い背もたれ用ベースネット221によって力が受け止められ、背もたれフレーム21に伝達される。背もたれフレーム21は、上記のように脚部フレーム31,31に連結されているため、背もたれフレーム21に伝達された力は脚部フレーム31,31を介してフレーム構造1A全体に伝わり減衰される。また、背もたれフレーム21及び脚部フレーム31,31の後側脚部31c,31cに働く前後方向の力は、トーションバーである後側架橋フレーム33を相対的に捩れさせるため、この場合もトーションバーの弾性が機能して振動を速やかに吸収する。
また、本実施形態では、アームレスト形成フレーム41の後側横フレーム412の下面前方突出ブラケット412aを設け、トーションバーである後側架橋フレーム33の後方突出ブラケット33aに上記座部フレーム11と同様に連結している。従って、アームレスト40,40に前後若しくは左右に広げる方向に外力が働いた場合も、その力が後側横フレーム412を介してトーションバーである後側架橋フレーム33に作用する。このため、アームレスト40,40に働く力もトーションバーの弾性により緩和できる。
1 椅子
10 座部
11 座部フレーム
111 前部フレーム
112 後部フレーム
113,114 座部用サイドフレーム
12 座部用クッション部材
121 座部用ベースネット
122 座部用中間クッション
123 座部用表皮
20 背もたれ
21 背もたれフレーム
211 上部フレーム
212 下部フレーム
213,214 背もたれ用サイドフレーム
22 背もたれ用クッション部材
221 背もたれ用サイドベースネット
222 背もたれ用中間クッション
223 背もたれ用表皮
30 脚部
31 脚部フレーム
31b 前側脚部
31c 後側脚部
32 前側架橋フレーム
33 後側架橋フレーム(トーションバー)
40 アームレスト部
41 アームレスト形成フレーム
412 後側横フレーム

Claims (4)

  1. 略方形状の座部フレームと、前記座部フレームに張力構造体として支持される座部用クッション部材とを有する座部と、
    略方形状の背もたれフレームと、前記背もたれフレームに張力構造体として支持される背もたれ用クッション部材とを有する背もたれと、
    下側脚部とその両側から上方に立ち上がる前側脚部及び後側脚部とを一体に備えた側面視で略U字状に形成され、左右一対設けられる脚部フレームと
    を備えた椅子であって、
    前記左右一対の脚部フレームは、各前側脚部の上部が、前記座部フレームの左右の座部用サイドフレームの前部にそれぞれ接続され、各後側脚部の上部が、前記背もたれフレームの左右の背もたれサイドフレームの下端にそれぞれ接続されて配設され、
    前記左右一対の脚部フレームの各後側脚部間にトーションバーからなる後側架橋フレームが掛け渡され、
    前記後側架橋フレームに、後方に突出する後方突出ブラケットが設けられ、
    前記座部フレームの後部フレームが、前記後方突出ブラケットに連結され、かつ、
    前記座部用クッション部材が、前記座部フレームに弛みなく張った状態における直径200mmの加圧板で1000Nまで加圧した際の荷重−たわみ特性が、荷重値400〜750Nの範囲の加圧時で、ばね定数50〜80N/mmの範囲となる素材からなり、前記座部フレームに前後に掛け渡された座部用ベースネットを有する
    ことを特徴とする椅子。
  2. 前記座部用クッション部材が、前記座部用ベースネットを被覆する座部用表皮を有し、
    前記座部用ベースネットの一端部が、前記座部フレームの前部フレーム上を通過してその下方に位置する左右の前側脚部間に掛け渡された前側架橋フレームに係合され、中途部が、前記座部フレームの後部フレームに上側から下側に掛け回され、他端部が、前記座部用表皮の前縁部に係合されている請求項1記載の椅子。
  3. 前記背もたれ用クッション部材が、前記背もたれフレームに上下に掛け渡され、前記座部用ベースネットと同様の素材からなる背もたれ用ベースネットを有する請求項1又は2記載の椅子。
  4. 平面視で前記座部フレームの左右に突出する略方形状に形成されると共に、サイドフレームが前記座部フレームの左右において上方に立ち上がってアームレスト部を形成するアームレスト形成用フレームをさらに有し、
    前記アームレスト形成用フレームの前側横フレームが、前記左右の脚部フレームの前側脚部間に掛け渡された前側架橋フレームに接続され、前記アームレスト形成用フレームの後側横フレームが、前記後側架橋フレームに設けられた前記後方突出ブラケットに連結されている請求項1〜3のいずれか1に記載の椅子。
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