JP6476938B2 - 音声解析装置、音声解析システムおよびプログラム - Google Patents

音声解析装置、音声解析システムおよびプログラム Download PDF

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本発明は、音声解析装置、音声解析システム、プログラムに関する。
従来、マイクロフォンを利用し、マイクロフォンにより捉えられた音の発生方向を推定する技術が存在する。
特許文献1には、複数の無指向性マイクロホンから成るマイクロホンアレイ、マイクロホンアレイの近傍に位置する障害物に関する情報に基づく補正テーブルを格納する記憶部、マイクロホンアレイによって集音された音の到来方向を、音の到来時間差又は位相差及び記憶部に格納した補正テーブルに基づいて算出する到来方向推定処理部を備える音源位置推定装置が開示されている。
特開2010−213091号公報
例えば、人に発声部位からの距離が異なる2つのマイクロフォンを装着する。そしてそれぞれのマイクロフォンで取得される音声の音圧を基に、音声がマイクロフォンを装着する装着者のものであるか、装着者以外の他者のものであるかを識別(自他識別)することができる。
しかしながらマイクロフォンの周囲に障害物等が存在した場合、障害物の影響により音圧が変化し、自他識別の精度が低下する場合がある。
本発明は、マイクロフォンの周囲に障害物等が存在した場合でも影響を受けにくく、自他識別の精度が低下しにくい音声解析装置等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上の音声取得手段により生成された音声に関する情報を取得する音声情報取得手段と、前記音声取得手段の中から2個を選択し、選択された当該音声取得手段で取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別手段であって、当該音声取得手段のうち第1の音声取得手段よりも発声部位から遠い第2の音声取得手段の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、当該第1の音声取得手段よりも発声部位から遠く且つ当該第2の音声取得手段よりも近い第3の音声取得手段および当該第1の音声取得手段の2個を選択して発話音声を識別する自他識別手段と、を備えることを特徴とする音声解析装置である。
請求項2に記載の発明は、前記自他識別手段は、前記音声取得手段のうち前記発声部位から最も近い位置に配された音声取得手段と、当該発声部位から最も遠い位置に配された音声取得手段との2個をまず選択することを特徴とする請求項1に記載の音声解析装置である。
請求項3に記載の発明は、前記自他識別手段は、選択された2個の前記音声取得手段について、前記発声部位から最も近い位置に配された音声取得手段が取得した音声の音圧に対して選択された他方の音声取得手段が取得した音声の音圧が大きいときには、他方の音声取得手段の替わりに、前記発声部位から次に遠い位置に配された音声取得手段を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の音声解析装置である。
請求項4に記載の発明は、前記自他識別手段は、選択された他方の音声取得手段の音圧を前記発声部位から最も遠い位置に配された音声取得手段に合わせ補正することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の音声解析装置である。
請求項5に記載の発明は、装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上の音声取得手段と、前記音声取得手段の中から2個を選択し、選択された当該音声取得手段で取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別手段であって、当該音声取得手段のうち第1の音声取得手段よりも発声部位から遠い第2の音声取得手段の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、当該第1の音声取得手段よりも発声部位から遠く且つ当該第2の音声取得手段よりも近い第3の音声取得手段および当該第1の音声取得手段の2個を選択して発話音声を識別する自他識別手段と、を備えることを特徴とする音声解析システムである。
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上の音声取得手段により生成された音声に関する情報を取得する音声情報取得機能と、前記音声取得手段の中から2個を選択し、選択された当該音声取得手段で取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別機能であって、当該音声取得手段のうち第1の音声取得手段よりも発声部位から遠い第2の音声取得手段の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、当該第1の音声取得手段よりも発声部位から遠く且つ当該第2の音声取得手段よりも近い第3の音声取得手段および当該第1の音声取得手段の2個を選択して発話音声を識別する自他識別機能と、を実現させるプログラムである。
請求項1の発明によれば、音声取得手段の周囲に障害物等が存在した場合でも自他識別の精度が低下しにくい音声解析装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、自他識別の精度がより向上する。
請求項3の発明によれば、自他識別の精度がより高い音声取得手段を順に選択することができる。
請求項4の発明によれば、音圧の差を補正し、自他識別の精度を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、複数の装着者の音声取得手段で取得される音声に基づき、装着者のコミュニケーション関係が把握できるシステムを構築できる。
請求項6の発明によれば、音声取得手段の周囲に障害物等が存在した場合でも自他識別の精度が低下しにくくなる機能をコンピュータにより実現できる。
本実施形態による音声解析システムの構成例を示す図である。 本実施形態における端末装置の構成例を示す図である。 装着者および他者の口(発声部位)と、マイクロフォンとの位置の関係を示す図である。 マイクロフォンと音源との間の距離と音圧(入力音量)との関係を示す図である。 装着者自身の発話音声と他者の発話音声の識別方法を示す図である。 第2マイクロフォンの近くに障害物が存在したときの音圧比について示した図である。 本実施形態における端末装置の動作を示すフローチャートである。 端末装置の変形例について示した図である。 変形例における端末装置の動作を示すフローチャートである。 変形例における端末装置の動作を示すフローチャートである。 本実施形態の端末装置をそれぞれ装着した二人の装着者が会話している状況を示す図である。 図10の会話状況における各端末装置の発話情報の例を示す図である。
<システム構成例>
図1は、本実施形態による音声解析システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の音声解析システム1は、音声解析装置の一例である端末装置10と、ホスト装置20とを備えて構成される。端末装置10とホスト装置20とは、無線通信回線を介して接続されている。無線通信回線の種類としては、Wi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)等の既存の方式による回線を用いて良い。また、図示の例では、端末装置10が1台のみ記載されているが、端末装置10は、使用者各人が装着して使用するものであり、実際には使用者数分の端末装置10が用意される。以下、端末装置10を装着した使用者を装着者と呼ぶ。
端末装置10は、音声を取得し装着者の発話音声と装着者以外の他者の発話音声とを識別するための音声取得手段としての複数のマイクロフォン(第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13)と、増幅器14とを備える。また、端末装置10は、取得した音声を解析する音声解析部15と、解析結果をホスト装置20に送信するためのデータ送信部16とを備え、さらに電源部17とを備える。
第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13は、装着者の口(発声部位)からの距離が異なる位置に配される。ここでは、第1マイクロフォン11は装着者の口(発声部位)から近い位置(例えば、10cm程度)に配置され、第2マイクロフォン12は装着者の口(発声部位)に遠い位置(例えば、35cm程度)に配置されるものとする。さらに第3マイクロフォン13は、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12の間の位置に配置されるものとする。本実施形態の第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13として用いられるマイクロフォンの種類としては、ダイナミック型、コンデンサ型等、既存の種々のものを用いて良い。とくに無指向性のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型マイクロフォンが好ましい。
増幅器14は、それぞれ第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13が取得した音声に応じて出力する電気信号(音声信号)を増幅する。本実施形態の増幅器14として用いられる増幅器としては、既存のオペアンプ等を用いて良い。
音声解析部15は、増幅器14から出力された音声信号を解析する。そして、第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13で取得した音声が端末装置10を装着した装着者自身が発話した音声か、他者の発話による音声かを識別(自他識別)する。音声識別のための具体的な処理の内容については後述する。音声解析部15は、音声情報取得手段および自他識別手段の一例として機能する。
データ送信部16は、音声解析部15による解析結果を含む取得データと端末IDを、上記の無線通信回線を介して、あるいは無線通信回線に加えてインターネット等の有線通信回線を経由してホスト装置20へ送信する。ホスト装置20へ送信する情報としては、ホスト装置20において行われる処理の内容に応じて、上記の解析結果の他、例えば、第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13による音声の取得時刻、取得音声の音圧等の情報を含めて良い。また端末装置10に音声解析部15による解析結果を蓄積するデータ蓄積部を設け、一定期間の保存データを一括送信しても良い。なお有線通信回線のみで送信しても良い。
電源部17は、上記の第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、第3マイクロフォン13、増幅器14、音声解析部15およびデータ送信部16に電力を供給する。電源としては、例えば乾電池や充電池等の既存の電源が用いられる。また、電源部17は、必要に応じて、電圧変換回路および充電制御回路等の周知の回路を含む。
ホスト装置20は、端末装置10から送信されたデータを受信するデータ受信部21と、受信したデータを蓄積するデータ蓄積部22と、蓄積したデータを解析するデータ解析部23と、解析結果を出力する出力部24とを備える。このホスト装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現される。また、本実施形態では複数台の端末装置10が使用された場合には、ホスト装置20は、その複数台の端末装置10の各々からデータを受信する。なお、端末装置10とホスト装置20の間にデータ転送を中継する中継装置を介しても良く、この中継装置が解析、演算、時刻や中継装置ID等のデータを加える機能を有してもよい。
データ受信部21は、各端末装置10、あるいは中継装置からデータを受信してデータ蓄積部22へ送る。
データ蓄積部22は、例えばパーソナルコンピュータの磁気ディスク装置等の記憶装置により実現され、データ受信部21から取得した受信データを発話者別に蓄積する。ここで、発話者の識別は、端末装置10から送信される端末IDと、あらかじめホスト装置20に登録されている発話者名と端末IDの照合により行う。また、端末装置10から端末IDのかわりに装着者状態を送信するようにしてもよい。
データ解析部23は、例えばパーソナルコンピュータのプログラム制御されたCPUにより実現され、データ蓄積部22に蓄積されたデータを解析する。具体的な解析内容および解析手法は、本実施形態のシステムの利用目的や利用態様に応じて種々の内容および手法を取り得る。例えば、端末装置10の装着者どうしの対話頻度や各装着者の対話相手の傾向を分析したり、対話における個々の発話の長さや音圧の情報から対話者の関係を類推したりすることが行われる。詳しくは後述するが、本実施形態では、データ解析部23は、装着者と他者との会話関係を判定する。
出力部24は、データ解析部23による解析結果を出力したり、解析結果に基づく出力を行ったりする。この解析結果等を出力する手段は、システムの利用目的や利用態様、解析結果の内容や形式等に応じて、WEB表示、ディスプレイ表示、プリンタによる印刷出力、音声出力等、種々の手段を取り得る。
<端末装置の構成例>
図2は、端末装置10の構成例を示す図である。
上記のように、端末装置10は、各使用者に装着されて使用される。使用者が装着可能とするため、本実施形態の端末装置10は、図2に示すように、装置本体30と、装置本体30に接続された提げ紐40とを備えた構成とする。図示の構成において、使用者は、提げ紐40に首を通し、装置本体30を首から提げて装着する。
装置本体30は、金属や樹脂等で形成された薄い直方体のケース31に、少なくとも増幅器14、音声解析部15、データ送信部16および電源部17を実現する回路と電源部17の電源(電池)とを収納して構成される。ケース31には、装着者の氏名や所属等のID情報を表示したIDカード等を挿入するポケットを設けても良い。また、ケース31自体の表面にそのようなID情報等を印刷したり、ID情報等を記載したシールを貼り付けたりしても良い。
提げ紐40には、第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、および第3マイクロフォン13が設けられる(以下、第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、第3マイクロフォン13を区別しない場合には、マイクロフォン11、12、13と記載する)。マイクロフォン11、12、13は、提げ紐40の内部を通るケーブル(電線等)により、装置本体30に収納された増幅器14に接続される。提げ紐40の材質としては、革、合成皮革、木綿その他の天然繊維や樹脂等による合成繊維、金属等、既存の種々の材質を用いて良い。また、シリコン樹脂やフッ素樹脂等を用いたコーティング処理が施されていても良い。
この提げ紐40は、筒状の構造を有し、提げ紐40の内部にマイクロフォン11、12、13を収納している。マイクロフォン11、12、13を挙げ紐40の内部に設けることにより、マイクロフォン11、12、13の損傷や汚れを防ぎ、対話者がマイクロフォン11、12、13の存在を意識することが抑制される。なお、装着者の口(発声部位)から遠い位置に配置される第1マイクロフォン11は、装置本体30に設けても良い。本実施形態では、第1マイクロフォン11が提げ紐40に設けられる場合を例として説明する。
図2を参照すると、第1マイクロフォン11は、提げ紐40の装置本体30に接続される端部から離れた位置(例えば、接続部位から20cm〜30cm程度の位置)に設けられている。これにより、装着者が提げ紐40を首に掛けて装置本体30を下げた状態で、第1マイクロフォン11は、装着者の首元(例えば鎖骨に当たる位置)に位置し、装着者の口(発声部位)から約10cmから20cm程度離れた位置に配置される。
第2マイクロフォン12は、提げ紐40の装置本体30に接続される端部(例えば、接続部位から10cm以内の位置)に設けられている。これにより、装着者が提げ紐40を首に掛けて装置本体30を下げた状態で、第2マイクロフォン12は、装着者の口(発声部位)から約30cmから40cm程度離れた位置に配置される。なお、第2マイクロフォン12が装置本体30に設けられた場合も、装着者の口(発声部位)から第1マイクロフォン11までの距離は同程度である。
第3マイクロフォン13は、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12との間(例えば、接続部位から10cm〜20cm程度の位置)に設けられる。これにより、装着者が提げ紐40を首に掛けて装置本体30を下げた状態で、第3マイクロフォン13は、装着者の口(発声部位)から約20cmから30cm程度離れた位置に配置される。
なお、本実施形態の端末装置10は、図2に示す構成に限定されるものではない。例えば、マイクロフォン11、12は、第2マイクロフォン12から装着者の口(発声部位)までの音波到達経路の距離が第1マイクロフォン11から装着者の口(発声部位)までの音波到達経路の距離の数倍程度となるように、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12の位置関係が特定されれば良い。また第3マイクロフォン13は、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12との間の位置関係となるようにすればよい。したがって、第1マイクロフォン11を首の後ろ側の提げ紐40に設けても良い。また、マイクロフォン11、12、13は、上記のように提げ紐40に設ける構成に限らず、種々の方法で装着者に装着して良い。例えば、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12と第3マイクロフォン13の各々を、個別にピン等を用いて衣服に固定するように構成しても良い。また、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12と第3マイクロフォン13の位置関係が所望の位置で固定されるようにデザインされた専用の装着具を用意して装着しても良い。
また、装置本体30は、図2に示したように、提げ紐40に接続されて装着者の首から提げられる構成に限らず、携帯することが容易な装置として構成されていれば良い。例えば、本実施形態のような提げ紐ではなく、クリップやベルトにより衣服や体に装着するように構成しても良いし、単にポケット等に納めて携帯するような構成としても良い。また、携帯電話その他の既存の携帯型電子情報端末に、マイクロフォン11、12、13からの音声信号を受け付けて増幅し、解析する機能を実現させても良い。
さらにまた、マイクロフォン11、12、13と装置本体30(あるいは音声解析部15)を有線で接続するのではなく、無線通信により接続しても良い。増幅器14、音声解析部15、データ送信部16および電源部17は、上記の構成例では単一のケース31に収納されることとしたが、複数の個体として構成しても良い。例えば、電源部17をケース31に収納せず、外部電源に接続して使用する構成としても良い。
<取得音声の非言語情報に基づく発話者(自他)の識別>
次に、本実施形態における発話者の識別方法について説明する。
本実施形態のシステムは、原則として端末装置10に設けられた2つのマイクロフォン11、12により取得された音声の情報を用いて、端末装置10の装着者自身の発話(自己発話)音声と他者の発話音声とを識別する。言い換えれば、本実施形態は、取得音声の発話者に関して自他の別を識別する。また、本実施形態では、取得音声の情報のうち、形態素解析や辞書情報を用いて得られる言語情報ではなく、音圧(マイクロフォン11、12への入力音量)等の非言語情報に基づいて発話者を識別する。言い換えれば、言語情報により特定される発話内容ではなく、非言語情報により特定される発話状況から音声の発話者を識別する。
図1および図2を参照して説明したように、本実施形態において、第1マイクロフォン11は装着者の口(発声部位)に近い位置に配置され、第2マイクロフォン12は装着者の口(発声部位)から遠い位置に配置される。すなわち、装着者の口(発声部位)を音源とすると、第1マイクロフォン11と音源との間の距離と、第2マイクロフォン12と音源との間の距離が大きく異なる。具体的には、第2マイクロフォン12と音源との間の距離は、第1マイクロフォン11と音源との間の距離の1.5〜4倍程度である。ここで、マイクロフォン11、12における取得音声の音圧は、マイクロフォン11、12と音源との間の距離が大きくなるにしたがって減衰(距離減衰)する。したがって、装着者の発話音声に関して、第1マイクロフォン11における取得音声の音圧と第2マイクロフォン12における取得音声の音圧とは大きく異なる。
一方、装着者以外の者(他者)の口(発声部位)を音源とした場合を考えると、その他者が装着者から離れているため、第1マイクロフォン11と音源との間の距離と、第2マイクロフォン12と音源との間の距離は、大きく変わらない。装着者に対する他者の位置によっては、両距離の差は生じ得るが、装着者の口(発声部位)を音源とした場合のように、第1マイクロフォン11と音源との間の距離が第2マイクロフォン12と音源との間の距離の数倍となることはない。したがって、他者の発話音声に関して、第1マイクロフォン11における取得音声の音圧と第2マイクロフォン12における取得音声の音圧とは、装着者の発話音声の場合のように大きく異なることはない。
図3は、装着者および他者の口(発声部位)と、マイクロフォン11、12との位置の関係を示す図である。
図3に示す関係において、装着者の口(発声部位)である音源aと第1マイクロフォン11との間の距離をLa1、音源aと第2マイクロフォン12との間の距離をLa2とする。また、他者の口(発声部位)である音源bと第1マイクロフォン11との間の距離をLb1、音源bと第2マイクロフォン12との間の距離をLb2とする。この場合、次の関係が成り立つ。
La2>La1(La2≒1.5×La1〜4×La1)
Lb1≒Lb2
図4は、マイクロフォン11、12と音源との間の距離と音圧(入力音量)との関係を示す図である。
上述したように、音圧は、マイクロフォン11、12と音源との間の距離に応じて距離減衰する。図4において、距離La1の場合の音圧Ga1と距離La2の場合の音圧Ga2とを比較すると、音圧Ga1は、音圧Ga2の4倍程度となっている。一方、距離Lb1と距離Lb2とが近似するため、距離Lb1の場合の音圧Gb1と距離Lb2の場合の音圧Gb2とは、ほぼ等しい。そこで、本実施形態では、この音圧比の差を用いて、取得音声における装着者自身の発話音声と他者の発話音声とを識別する。なお、図4に示した例では、距離Lb1、Lb2を60cmとしたが、ここでは音圧Gb1と音圧Gb2とがほぼ等しくなることに意味があり、距離Lb1、Lb2は図示の値に限定されない。
図5は、装着者自身の発話音声と他者の発話音声の識別方法を示す図である。
図4を参照して説明したように、装着者自身の発話音声に関して、第1マイクロフォン11の音圧Ga1は、第2マイクロフォン12の音圧Ga2の数倍(例えば4倍程度)である。また、他者の発話音声に関して、第1マイクロフォン11の音圧Gb1は、第2マイクロフォン12の音圧Gb2とほぼ等しい(1倍程度)。そこで、本実施形態では、第1マイクロフォン11の音圧と第2マイクロフォン12の音圧との比に閾値(第1の閾値)を設定する。そして、音圧比が第1の閾値よりも大きい音声は装着者自身の発話音声と判断し、音圧比が第1の閾値よりも小さい音声は他者の発話音声と判断する。図5に示す例では、第1の閾値を2とし、音圧比Ga1/Ga2は第1の閾値2を超えるので装着者自身の発話音声と判断され、音圧比Gb1/Gb2は第1の閾値2よりも小さいので他者の発話音声と判断されている。
ところで、マイクロフォン11、12により取得される音声には、発話音声の他に、環境音等のいわゆる雑音(ノイズ)が含まれる。この雑音の音源とマイクロフォン11、12との間の距離の関係は、他者の発話音声の場合と類似する。すなわち、図4、図5に示した例によれば、雑音の音源cと第1マイクロフォン11との間の距離をLc1とし、雑音の音源cと第2マイクロフォン12との間の距離をLc2とすると、距離Lc1と距離Lc2とは近似する。そして、マイクロフォン11、12の取得音声における音圧比Gc1/Gc2は、第1の閾値2よりも小さくなる。しかし、このような雑音は、バンドパスフィルタやゲインフィルタ等を用いた既存の技術によるフィルタリング処理を行うことにより発話音声から分離され、除去される。
しかしながら第2マイクロフォン12は、第1マイクロフォン11に対してより下側に配置されることになる。そのため第2マイクロフォン12の近くに障害物が存在することが多くなる。即ち、装着者が椅子に座っているときのテーブル、机や、装着者が腕組みをしたときの腕などが、第2マイクロフォン12の前に遮るように障害物となって存在する場合がある。
このとき障害物と第2マイクロフォン12との間で発話音声の増幅が生じ、第2マイクロフォン12で取得される音圧Ga2が本来取得されるものより大きくなる場合がある。
図6は、第2マイクロフォン12の近くに障害物が存在したときの音圧比Ga1/Ga2について示した図である。
第2マイクロフォン12の近くに障害物が存在すると、上述したように増幅により音圧Ga2が本来取得されるものより大きくなる。その結果、図示するように音圧比Ga1/Ga2が、1未満となる。この場合、図5で説明したように、第1の閾値を2とすると、本来は装着者自身の発話音声であったものが、他者の発話音声と判断されてしまうことになる。
そこで本実施形態では、1より小さい新たな閾値(第2の閾値)をさらに設け、音圧比Ga1/Ga2がこの第2の閾値未満となった場合には、第2マイクロフォン12の近くに障害物が存在すると判断する。この第2の閾値は、例えば、0.9などの値が選択される。
そして第2マイクロフォン12の近くに障害物が存在すると判断した場合、第3マイクロフォン13の音圧を採用する。ここでは第3マイクロフォン13の音圧をGa3とする。
第3マイクロフォン13は、第2マイクロフォン12より第1マイクロフォン11により近く配置される。そのため第3マイクロフォン13の近くに障害物が存在する可能性は、第2マイクロフォン12よりも小さい。よって第2マイクロフォン12の近くに障害物が存在すると判断した場合、音圧比Ga1/Ga2の替わりに、音圧比Ga1/Ga3により装着者自身の発話音声であるか、他者の発話音声であるかを判断する。
なお障害物がない場合について音圧比Ga1/Ga2と音圧比Ga1/Ga3とを比較した場合、Ga1/Ga2>Ga1/Ga3となる。つまり音圧比Ga1/Ga2の方が、第1の閾値以上となりやすく、装着者自身の発話音声であるか、他者の発話音声であるかを判断する上では、音圧比Ga1/Ga2を採用した方が好ましい。よって本実施形態では、通常は音圧比Ga1/Ga2により判断を行ない、障害物が存在し、音圧比Ga1/Ga2が第2の閾値未満となったときに、音圧比Ga1/Ga3により判断を行なう。
また音圧比Ga1/Ga3により判断を行なうときは、音圧比Ga1/Ga2になるような補正を行うこともできる。つまり装着者の口である音源aと第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、第3マイクロフォン13のそれぞれの間の距離と音圧との間には、図4に示したような関係がある。よって音源aとの距離に応じて音圧Ga3を音圧Ga2に補正する補正係数を求めることができる。この補正係数は、1より小さい値となる。そして音圧Ga3にこの補正係数を乗算することで補正を行う。ここでは補正後の音圧Ga3を、Ga3’とする。そして音圧比Ga1/Ga3’を使用して、装着者自身の発話音声であるか、他者の発話音声であるかを判断する。
<端末装置の動作例>
図7は、本実施形態における端末装置10の動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、端末装置10のマイクロフォン11、12、13が音声を取得する(ステップ101)と、各マイクロフォン11、12、13から取得音声に応じた電気信号(音声信号)が増幅器14へ送られる。増幅器14は、マイクロフォン11、12、13からの音声信号を取得すると、音声信号を増幅して音声解析部15へ送る(ステップ102)。
音声解析部15は、増幅器14で増幅された信号に対してフィルタリング処理を行い、信号から環境音等の雑音(ノイズ)の成分を除去する(ステップ103)。次に、音声解析部15は、雑音成分が除かれた信号に対し、一定の時間単位(例えば、数十分の一秒〜数百分の一秒)毎に、各マイクロフォン11、12、13の取得音声における平均音圧を求める(ステップ104)。そして、平均音圧がある閾値以上であるか否か(利得が有るか否か)を判断する(ステップ105)。
音声解析部15は、ステップ104で求めた各マイクロフォン11、12における平均音圧の利得が有る場合(ステップ105でYes)、発話音声が有る(発話が行われた)と判断する。
そして音声解析部15は、第1マイクロフォン11と他のマイクロフォンとの平均音圧の比(音圧比)を求める(ステップ106)。即ち、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12の音圧比Ga1/Ga2を求める。また第1マイクロフォン11と第3マイクロフォン13の音圧比を求める。ただし、このとき第3マイクロフォン13の平均音圧は、上述した補正係数を用いて補正を行うことが好ましい。よってここでは補正後の第3マイクロフォン13の平均音圧Ga3’を使用し、音圧比Ga1/Ga3’を求める。
そして、ステップ106で求めた音圧比Ga1/Ga2が第1の閾値以上だった場合(ステップ107でYes)、音声解析部15は、発話音声は装着者自身の発話による音声であると判断する(ステップ108)。また、音圧比Ga1/Ga2が第1の閾値よりも小さい場合(ステップ107でNo)、音声解析部15は、音圧比Ga1/Ga2が第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップ109)。
そして音圧比Ga1/Ga2が第2の閾値以上だった場合(ステップ109でYes)、音声解析部15は、発話音声は他者の発話による音声であると判断する(ステップ110)。
また音圧比Ga1/Ga2が第2の閾値未満だった場合(ステップ109でNo)、音声解析部15は、第2マイクロフォン12の近くに障害物があると判断し、音圧比Ga1/Ga3’が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップ111)。
そして音圧比Ga1/Ga3’が第1の閾値以上だった場合(ステップ111でYes)、音声解析部15は、発話音声は装着者自身の発話による音声であると判断する(ステップ108)。また補正後の音圧比Ga1/Ga3’が第1の閾値未満だった場合(ステップ111でNo)、音声解析部15は、発話音声は他者の発話による音声であると判断する(ステップ110)。
なおステップ104で求めた各マイクロフォン11、12、13における平均音圧の利得が無い場合(ステップ105でNo)、音声解析部15は、発話音声が無い(発話が行われていない)と判断する(ステップ112)。
この後、音声解析部15は、データ送信部16を介して、ステップ104〜ステップ112の処理で得られた情報(発話の有無、発話者の情報)を解析結果としてホスト装置20へ送信する(ステップ113)。このとき、発話者毎(装着者自身または他者)の発話時間の長さや平均音圧の利得の値、その他の付加情報を解析結果と共にホスト装置20へ送信させても良い。
ホスト装置20のデータ受信部21では、マイクロフォン11、12、13により取得された音声が装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別した情報である自他識別情報を含む音声に関する情報を受信する。
<変形例の説明>
端末装置10の実施形態については、上述した例に限られるものではない。ここでは、端末装置10の変形例について説明を行なう。
図8は、端末装置10の変形例について示した図である。
図示する端末装置10は、図2に示した端末装置10に比較して、第3マイクロフォン13が複数設けられている。ここでは、第3マイクロフォン13として、第3マイクロフォン13−1および第3マイクロフォン13−2を図示している。
本実施形態の第3マイクロフォン13−1および第3マイクロフォン13−2は、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12との間に設けられる点では、図2の場合と同様である。一方、図8では、第3マイクロフォン13−1は、第3マイクロフォン13−2よりも第2マイクロフォン12に近い位置に設けられている。即ち、発話者の発声部位からの距離は、第1マイクロフォン11、第3マイクロフォン13−2、第3マイクロフォン13−1、第2マイクロフォン12の順で大きくなる。
上述した例では、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12との音圧比Ga1/Ga2が第2の閾値未満だった場合、第2マイクロフォン12の近くに障害物があると判断する。そして第2マイクロフォン12の替わりに第3マイクロフォン13を使用し、第1マイクロフォン11と第3マイクロフォン13との補正後の音圧比Ga1/Ga3’を基に発話音声が装着者の発話音声であるか他者の発話音声であるかを識別する。しかし第2マイクロフォン12に加え、第3マイクロフォン13の近くにも障害物がある場合もある。この場合、音圧比Ga1/Ga3’についても第2の閾値未満となる。
そこで本実施形態では、第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12との音圧比Ga1/Ga2が第2の閾値未満だった場合、まず第2マイクロフォン12の替わりに第3マイクロフォン13−1を使用し、第3マイクロフォン13−1の音圧(ここでは、Ga3−1とする)を利用する。つまりGa3−1を補正した第3マイクロフォン13−1の平均音圧Ga3−1’を使用し、音圧比Ga1/Ga3−1’を算出する。そして音圧比Ga1/Ga3−1’が第2の閾値未満だった場合、第3マイクロフォン13−1の近くにも障害物があると判断する。この場合、第3マイクロフォン13−1の替わりに第3マイクロフォン13−2を使用し、第3マイクロフォン13−2の音圧(ここでは、Ga3−2とする)を利用する。そして音圧比Ga1/Ga3−2’を基に発話音声が装着者の発話音声であるか他者の発話音声であるかを識別する。
このように障害物があった場合、第1マイクロフォン11の他に、他の1個のマイクロフォンとして装着者の発声部位から遠い順から順次選択を行う。そして発話音声が装着者の発話音声であるか他者の発話音声であるかの識別を行う。
なお図8では、説明を簡単にするため、第3マイクロフォン13は、第3マイクロフォン13−1と第3マイクロフォン13−2の2個であったが、さらに多くの第3マイクロフォン13を用意してもよい。この場合、第3マイクロフォン13は、装着者の発声部位から遠い順から順次選択していくようにする。
図9−1、図9−2は、変形例における端末装置10の動作を示すフローチャートである。
ここでは第3マイクロフォン13は、n個用意され、それぞれ第3マイクロフォン13−1、第3マイクロフォン13−2、 … 、第3マイクロフォン13−nとする。これらは全て第1マイクロフォン11と第2マイクロフォン12との間に設けられる。またこの順で第2マイクロフォン12により近い位置に設けられている。即ち、発話者の発声部位からの距離は、第1マイクロフォン11、第3マイクロフォン13−n、 … 、第3マイクロフォン13−2、第3マイクロフォン13−1、第2マイクロフォン12の順で大きくなる。
図9−1、図9−2においてステップ201〜ステップ210については、図7のステップ101〜ステップ110と同様である。ただし第3マイクロフォン13は、第3マイクロフォン13−1〜13−nのn個あるため、それぞれの第3マイクロフォン13について補正後の音圧比が求められる。ここではこれをGa1/Ga3−1’、Ga1/Ga3−2’、 … 、Ga1/Ga3−n’とする。
ステップ211以降は、まずカウンタiを1にセットする(ステップ211)。
次に音声解析部15は、音圧比Ga1/Ga3−i’が第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップ212)。つまりまず音圧比Ga1/Ga3−1’が第2の閾値以上であるか否かが判定される。
また音圧比Ga1/Ga3−i’が第2の閾値未満だった場合(ステップ212でNo)、音声解析部15は、第3マイクロフォン13−iの近くに障害物があると判断し、カウンタiに1を加算する(ステップ213)。
そしてカウンタiがnより大きくなったか否かを判定する(ステップ214)。
さらにカウンタiがnより大きくない場合(ステップ214でNo)、ステップ212に戻る。
また音圧比Ga1/Ga3−i’が第2の閾値以上だった場合(ステップ212でYes)、およびカウンタiがnより大きかった場合(ステップ214でYes)、音声解析部15は、音圧比Ga1/Ga3−i’が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップ215)。
そして音圧比Ga1/Ga3−i’が第1の閾値以上だった場合(ステップ215でYes)、音声解析部15は、発話音声は装着者自身の発話による音声であると判断する(ステップ208)。また補正後の音圧比Ga1/Ga3−i’が第1の閾値未満だった場合(ステップ215でNo)、音声解析部15は、発話音声は他者の発話による音声であると判断する(ステップ210)。
なおステップ204で求めた各マイクロフォン11、12、13における平均音圧の利得が無い場合(ステップ205でNo)、音声解析部15は、発話音声が無い(発話が行われていない)と判断する(ステップ216)。
ステップ217は、図7のステップ113と同様である。
このようにすることで、第3マイクロフォン13は、装着者の発声部位から遠い順から順次選択されていく。
以上詳述したように、本実施形態の端末装置10では、端末装置10のマイクロフォン11、12、13のうち発声部位から最も近い位置に配された第1マイクロフォン11と、発声部位から最も遠い位置に配された第2マイクロフォン12との2個をまず選択する。
そして選択された2個のマイクロフォンについて、発声部位から最も近い位置に配された第1マイクロフォン11が取得した音声の音圧に対して選択された他方のマイクロフォンが取得した音声の音圧が予め定めた値よりも大きいときには、他方のマイクロフォンの替わりに、発声部位から次に遠い位置に配されたマイクロフォンを選択する。
さらに選択された他方のマイクロフォンの音圧を発声部位から最も遠い位置に配された第2マイクロフォン12に合わせ補正する。
そして音圧比を基に発話音声が装着者の発話音声であるか他者の発話音声であるかを識別する。これによりマイクロフォンの周囲に障害物等が存在した場合でも障害物の影響を受けにくく、自他識別の精度が低下しにくい。
<装着者の会話関係の判定についての説明>
音声に関する情報を受信した端末装置10では、データ解析部23において複数の端末装置10から送られた音声が解析され、装着者の会話関係が判定される。
以下に本実施形態における装着者の会話関係を判定する具体的な方法について説明を行なう。ここではまず同一の部屋内等の同一のエリアにおいて二人の装着者が会話を行なっている場合に、この二人の装着者が会話をしていることを判定する場合について説明する。
図10は、本実施形態の端末装置10をそれぞれ装着した二人の装着者が会話している状況を示す図である。図11は、図10の会話状況における各端末装置10の発話情報の例を示す図である。なお説明の便宜上、ここでは二人のうち一方の装着者を装着者Aとし、装着者Aが装着する端末装置10を端末装置10Aとする。また他方の装着者を装着者Bとし、装着者Bが装着する端末装置10を端末装置10Bとする。
図10に示すように、端末装置10をそれぞれ装着した装着者A、装着者Bが会話している場合を考える。このとき、装着者Aおよび装着者Bは同一エリア内におり、互いの発話音声が届く距離にある。よって装着者A、装着者Bの発話音声は、装着者Aの端末装置10Aと装着者Bの端末装置10Bの双方に捉えられる。
端末装置10Aおよび端末装置10Bからは、それぞれ独立に、発話情報がホスト装置20に送られる。このとき、端末装置10Aから取得した発話情報と、端末装置10Bから取得した発話情報とは、図11に示すように、発話時間の長さや発話者が切り替わったタイミング等の発話状況を示す情報は近似し、同調性があることがわかる。そこで、本適用例のホスト装置20は、端末装置10Aから取得した情報と端末装置10Bから取得した情報とを比較し、同調性を判定することにより、これらの情報が同じ発話状況を示していると判断し、装着者Aと装着者Bとが会話していることを認識する。ここで、発話状況を示す情報としては、少なくとも、上述した発話者ごとの個々の発話における発話時間の長さ、個々の発話の開始時刻と終了時刻、発話者が切り替わった時刻(タイミング)等のように、発話に関する時間情報が用いられる。なお、特定の会話に係る発話状況を判断するために、これらの発話に関する時間情報の一部のみを用いても良いし、他の情報を付加的に用いても良い。
ここで装着者Aの端末装置10Aにおいて装着者Aの自己発話として認識される音声は、装着者Bの端末装置10Bでは他者の発話として認識される。反対に、端末装置10Bにおいて装着者Bの自己発話として認識される音声は、端末装置10Aでは他者の発話として認識される。そのため端末装置10Aから取得した発話情報と、端末装置10Bから取得した発話情報とは、図10に示すように、発話者(装着者と他者)の識別結果は反対になるが、発話時間の長さや発話者が切り替わったタイミング等の発話状況を示す情報は近似する。そこで、本適用例のホスト装置20は、端末装置10Aから取得した情報と端末装置10Bから取得した情報とを比較することにより、これらの情報が同じ発話状況を示していると判断し、装着者Aと装着者Bとが会話していることを認識することができる。
このように本実施形態では、上述した自他識別情報を使用して、複数の端末装置10からマイクロフォン11、12にて受信した音声の音声信号の同調性を判別する。
つまり自他識別情報が付与されることで、取得された音声が装着者自身によるものであるのか、装着者以外の他者のものであるのかが予め判別できているため、発話者が切り替わったタイミングなどが明確に把握できる。そしてこのタイミングにおいて発話者が逆転する装着者同士を見つければ、この装着者同士が会話をしていると判断できる。
このように装着者同士の会話関係を判断することで、装着者のコミュニケーション関係が把握できるシステムを構築できる。
なお上述した例では、音声の自他識別を行なうのを端末装置10の側で行なっていたが、これに限られるものではなく、ホスト装置20の側で行なってもよい。この形態における音声解析システム1としては、図1のものに対し、音声解析部15で行なっていた音声の自他識別を、例えば、ホスト装置20のデータ解析部23で行なう。この場合、データ解析部23が音声情報取得手段および自他識別手段として機能する。
また上述した例では、第1マイクロフォン11、第2マイクロフォン12、第3マイクロフォン13は、ほぼ一直線上に配されていたが、これに限られるものではなく、装着者の発声部位から異なる距離にて配されていればよい。
<プログラムの説明>
なお図7、図9−1、図9−2で説明を行った本実施形態における端末装置10が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、端末装置10に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、端末装置10の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって図7、図9−1、図9−2で説明を行った端末装置10が行なう処理は、コンピュータに、装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上のマイクロフォンにより生成された音声に関する情報を取得する音声情報取得機能と、マイクロフォンの中から2個を選択し、選択されたマイクロフォンで取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別機能であって、マイクロフォンのうち第1マイクロフォン11よりも発声部位から遠い第2マイクロフォン12の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、第1マイクロフォン11よりも発声部位から遠く且つ第2マイクロフォン12よりも近い第3マイクロフォン13および第1マイクロフォン11の2個を選択して発話音声を識別する自他識別機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
1…音声解析システム、10…端末装置、15…音声解析部、16…データ送信部、20…ホスト装置、21…データ受信部、23…データ解析部、30…装置本体

Claims (6)

  1. 装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上の音声取得手段により生成された音声に関する情報を取得する音声情報取得手段と、
    前記音声取得手段の中から2個を選択し、選択された当該音声取得手段で取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別手段であって、当該音声取得手段のうち第1の音声取得手段よりも発声部位から遠い第2の音声取得手段の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、当該第1の音声取得手段よりも発声部位から遠く且つ当該第2の音声取得手段よりも近い第3の音声取得手段および当該第1の音声取得手段の2個を選択して発話音声を識別する自他識別手段と、
    を備えることを特徴とする音声解析装置。
  2. 前記自他識別手段は、前記音声取得手段のうち前記発声部位から最も近い位置に配された音声取得手段と、当該発声部位から最も遠い位置に配された音声取得手段との2個をまず選択することを特徴とする請求項1に記載の音声解析装置。
  3. 前記自他識別手段は、選択された2個の前記音声取得手段について、前記発声部位から最も近い位置に配された音声取得手段が取得した音声の音圧に対して選択された他方の音声取得手段が取得した音声の音圧が大きいときには、他方の音声取得手段の替わりに、前記発声部位から次に遠い位置に配された音声取得手段を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の音声解析装置。
  4. 前記自他識別手段は、選択された他方の音声取得手段の音圧を前記発声部位から最も遠い位置に配された音声取得手段に合わせ補正することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の音声解析装置。
  5. 装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上の音声取得手段と、
    前記音声取得手段の中から2個を選択し、選択された当該音声取得手段で取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別手段であって、当該音声取得手段のうち第1の音声取得手段よりも発声部位から遠い第2の音声取得手段の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、当該第1の音声取得手段よりも発声部位から遠く且つ当該第2の音声取得手段よりも近い第3の音声取得手段および当該第1の音声取得手段の2個を選択して発話音声を識別する自他識別手段と、
    を備えることを特徴とする音声解析システム。
  6. コンピュータに、
    装着者の発声部位から異なる距離にて配され話者の音声を取得する3個以上の音声取得手段により生成された音声に関する情報を取得する音声情報取得機能と、
    前記音声取得手段の中から2個を選択し、選択された当該音声取得手段で取得された音声の音圧から、取得された音声が、装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別する自他識別機能であって、当該音声取得手段のうち第1の音声取得手段よりも発声部位から遠い第2の音声取得手段の音圧が予め定めた値よりも大きい場合に、当該第1の音声取得手段よりも発声部位から遠く且つ当該第2の音声取得手段よりも近い第3の音声取得手段および当該第1の音声取得手段の2個を選択して発話音声を識別する自他識別機能と、
    を実現させるプログラム。
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