JP6056544B2 - 音声解析装置、信号解析装置、音声解析システムおよびプログラム - Google Patents

音声解析装置、信号解析装置、音声解析システムおよびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、音声解析装置、信号解析装置、音声解析システム、プログラムに関する。
特許文献1には、複数発言者の音声データが混在している混在音声データを、発言者毎の音声データに分離する音声データ分離方法において、混在音声データを互いに無相関化するための無相関化処理を行うステップと、無相関化処理の行われたデータを独立成分に分離するための独立成分分離処理を行うステップとを有する音声分離方法が開示されている。
特開2003−5790号公報
音声取得手段により取得した音声が、装着者の発話音声と他者の発話音声とが混合したものであった場合でも、装着者の発話音声と他者の発話音声とを識別できることが望ましい。
請求項1に記載の発明は、隣接して配される複数の音声取得手段からなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される音声取得手段群にて生成された音声信号を取得する音声信号取得手段と、前記音声取得手段により生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、当該混合音声信号を前記組のそれぞれについて発話者毎に分離する分離手段と、前記音声取得手段群と発話者との位置関係を利用して異なる組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときの相関関係に基づいて、前記分離手段により分離されたそれぞれの音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する自他識別手段と、を備えることを特徴とする音声解析装置である。
請求項に記載の発明は、前記自他識別手段は、異なる組において発話者毎に分離された音声信号の波形を予め定められた時間差分ずらしたときの相関関係を求めることを特徴とする請求項に記載の音声解析装置である。
請求項に記載の発明は、隣接して配される複数の信号取得手段からなる組を予め定められた距離離間させて複数配置することで構成される信号取得手段群にて取得された信号の情報を取得する信号情報取得手段と、前記信号取得手段により取得された信号の情報が複数の信号源による混合信号情報であったときに、当該混合信号情報を前記組のそれぞれについて何れかの信号源からの信号の情報として分離する分離手段と、前記信号取得手段群と信号源との位置関係を利用して異なる組において信号源毎に分離された信号を比較したときの相関関係に基づいて、前記分離手段により分離されたそれぞれの信号の情報が、前記複数の信号源のうち1つの信号源から取得した信号の情報であるか他の信号源から取得した信号の情報であるかを識別する信号源識別手段と、を備えることを特徴とする信号解析装置である。
請求項に記載の発明は、隣接して配される複数の音声取得手段からなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される音声取得手段群と、前記音声取得手段により生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、当該混合音声信号を前記組のそれぞれについて発話者毎に分離する分離手段と、前記音声取得手段群と発話者との位置関係を利用して異なる組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときの相関関係に基づいて、前記分離手段により分離されたそれぞれの音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する自他識別手段と、を備えることを特徴とする音声解析システムである。
請求項に記載の発明は、前記組を構成する音声取得手段は、2個であり、前記音声取得手段群を構成する当該組は2組であることを特徴とする請求項に記載の音声解析システムである。
請求項に記載の発明は、コンピュータに、隣接して配される複数の音声取得手段からなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される音声取得手段群にて生成された音声信号を取得する機能と、前記音声取得手段により生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、当該混合音声信号を前記組のそれぞれについて発話者毎に分離する機能と、前記音声取得手段群と発話者との位置関係を利用して異なる組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときの相関関係に基づいて、分離されたそれぞれの音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する機能と、を実現させるプログラムである。
請求項1の発明によれば、音声取得手段により取得した音声が、装着者の発話音声と他者の発話音声とが混合したものであった場合でも、装着者の発話音声と他者の発話音声とを識別できる音声解析装置を提供することができる。また音声取得手段に音声が到達する時間差を利用して装着者の発話音声と他者の発話音声とを識別できる。
請求項2の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、分離された音声信号の何れが装着者の発話音声による音声信号であるかをより容易に識別することができる。
請求項の発明によれば、信号取得手段により取得した信号が、複数の信号源による混合信号であった場合でも、複数の信号源のうち1つの信号源から取得した信号であるか他の信号源から取得した信号であるかを識別することができる信号解析装置を提供することができる。
請求項の発明によれば、複数の装着者の音声取得手段で取得される音声に基づき、装着者のコミュニケーション関係が把握できる音声解析システムを構築できる。
請求項の発明によれば、装着者と1人の他者が対話している場合に、分離された音声信号が、装着者の発話音声であるか他者の発話音声であるかを識別できる。
請求項の発明によれば、音声取得手段により取得した音声が、装着者の発話音声と他者の発話音声とが混合したものであった場合でも、装着者の発話音声と他者の発話音声とを識別できる機能をコンピュータにより実現できる。また音声取得手段に音声が到達する時間差を利用して装着者の発話音声と他者の発話音声とを識別できる機能をコンピュータにより実現できる。
第1の実施形態による音声解析システムの構成例を示す図である。 本実施形態における端末装置の構成例を示す図である。 本実施形態における音声解析部の機能構成例を示した図である。 本実施形態において装着者と1人の他者とが対話している場合を示している。 装着者と他者とが同時に発話したときにマイクロフォンで生成された音声信号について説明した図である。 (a)〜(b)は、本実施形態において分離音声信号のうちの何れが装着者の発話音声による音声信号であるかを識別する方法について説明した図である。 本実施形態における端末装置の動作を示すフローチャートである。 本実施形態の端末装置をそれぞれ装着した複数の装着者が会話している状況を示す図である。 図8の会話状況における各端末装置の発話情報の例を示す図である。 第2の実施形態による信号解析装置の構成例を示す図である。 図10の信号解析装置を信号源とともに使用する形態について説明した図である。 本実施形態における信号解析部の機能構成例を示した図である。 本実施形態における信号解析装置の動作を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
例えば、2人の人がおり、この2人が対話するときは、通常は2人が交互に発話することで対話が行われる。一方、この2人が同時に発話する場合もあり、この場合音声は、混ざり合い混合音声となる。そしてこのとき混合音声をそれぞれの発話者のそれぞれの音声に分離する従来技術が存在する。これは、例えば、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)を用いる手法であり、この手法によれば、混合音声の信号である混合音声信号をそれぞれの発話者の音声信号に分離することができる。
しかしながらこの手法を用いて混合音声信号を分離しても、分離後の音声信号が何れの発話者のものであるかを特定できない問題があった。
そこで本実施形態では、以下の音声解析システム1を用いることでこの問題の解決を図っている。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。
<システム構成例>
図1は、第1の実施形態による音声解析システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の音声解析システム1は、音声解析装置の一例である端末装置10と、ホスト装置20とを備えて構成される。端末装置10とホスト装置20とは、無線通信回線を介して接続されている。無線通信回線の種類としては、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、UWB(Ultra Wideband)等の既存の方式による回線を用いて良い。また、図示の例では、端末装置10が1台のみ記載されているが、端末装置10は、使用者各人が装着して使用するものであり、実際には使用者数分の端末装置10が用意される。以下、端末装置10を装着した使用者を装着者と呼ぶ。
端末装置10は、音声を取得するための音声取得手段として、複数のマイクロフォン11a、11b、12a、12bと、増幅器13a、13b、14a、14bとを備える。また、端末装置10は、取得した音声を解析する音声解析部15と、解析結果をホスト装置20に送信するためのデータ送信部16とを備え、さらに電源部17とを備える。
詳しい配置は図2で後述するが、マイクロフォン11a、11bとマイクロフォン12a、12bとは、装着者の口(発声部位)からの距離が異なる位置に配される。ここでは、マイクロフォン11a、11bは装着者の口(発声部位)から遠い位置(例えば、35cm程度)に配置され、マイクロフォン12a、12bは装着者の口(発声部位)に近い位置(例えば、10cm程度)に配置されるものとする。またマイクロフォン11aとマイクロフォン11bは、それぞれ水平方向に隣接して配され、その距離は例えば、1cmである。またマイクロフォン12aとマイクロフォン12bも同様に水平方向に隣接して配される。
本実施形態のマイクロフォン11a、11b、12a、12bとして用いられるマイクロフォンの種類としては、ダイナミック型、コンデンサ型等、既存の種々のものを用いて良い。とくに無指向性のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型マイクロフォンが好ましい。
増幅器13a、13b、14a、14bは、マイクロフォン11a、11b、12a、12bのそれぞれが取得した音声に応じて出力する電気信号(音声信号)を増幅する。本実施形態の増幅器13a、13b、14a、14bとして用いられる増幅器としては、既存のオペアンプ等を用いて良い。
音声解析部15は、増幅器13a、13b、14a、14bから出力された音声信号を解析する。そして、マイクロフォン11a、11b、12a、12bで取得した音声が端末装置10を装着した装着者自身が発話した音声か、装着者以外の他者の発話による音声かを識別する。音声識別のための具体的な処理の内容については後述する。
データ送信部16は、音声解析部15による解析結果を含む取得データと端末IDを、上記の無線通信回線を介してホスト装置20へ送信する。ホスト装置20へ送信する情報としては、ホスト装置20において行われる処理の内容に応じて、上記の解析結果の他、例えば、マイクロフォン11a、11b、12a、12bによる音声の取得時刻、取得音声の音圧等の情報を含めて良い。また端末装置10に音声解析部15による解析結果を蓄積するデータ蓄積部を設け、一定期間の保存データを一括送信しても良い。なお有線回線で送信しても良い。
電源部17は、上記のマイクロフォン11a、11b、12a、12b、増幅器13a、13b、14a、14b、音声解析部15およびデータ送信部16に電力を供給する。電源としては、例えば乾電池や充電池等の既存の電源が用いられる。また、電源部17は、必要に応じて、電圧変換回路および充電制御回路等の周知の回路を含む。
ホスト装置20は、端末装置10から送信されたデータを受信するデータ受信部21と、受信したデータを蓄積するデータ蓄積部22と、蓄積したデータを解析するデータ解析部23と、解析結果を出力する出力部24とを備える。このホスト装置20は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現される。また、上記のように本実施形態では複数台の端末装置10が使用され、ホスト装置20は、その複数台の端末装置10の各々からデータを受信する。
データ受信部21は、上記の無線回線に対応しており、各端末装置10からデータを受信してデータ蓄積部22へ送る。
データ蓄積部22は、例えばパーソナルコンピュータの磁気ディスク装置等の記憶装置により実現され、データ受信部21から取得した受信データを発話者別に蓄積する。ここで、発話者の識別は、端末装置10から送信される端末IDと、あらかじめホスト装置20に登録されている発話者名と端末IDの照合により行う。また、端末装置10から端末IDのかわりに装着者状態を送信するようにしてもよい。
データ解析部23は、例えばパーソナルコンピュータのプログラム制御されたCPUにより実現され、データ蓄積部22に蓄積されたデータを解析する。具体的な解析内容および解析手法は、本実施形態のシステムの利用目的や利用態様に応じて種々の内容および手法を取り得る。例えば、端末装置10の装着者同士の対話頻度や各装着者の対話相手の傾向を分析したり、対話における個々の発話の長さや音圧の情報から対話者の関係を類推したりすることが行われる。
出力部24は、データ解析部23による解析結果を出力したり、解析結果に基づく出力を行ったりする。この解析結果等を出力する手段は、システムの利用目的や利用態様、解析結果の内容や形式等に応じて、ディスプレイ表示、プリンタによる印刷出力、音声出力等、種々の手段を取り得る。
<端末装置の構成例>
図2は、端末装置10の構成例を示す図である。
上記のように、端末装置10は、各使用者に装着されて使用される。使用者が装着可能とするため、本実施形態の端末装置10は、図2に示すように、装置本体30と、装置本体30に接続された提げ紐40とを備えた構成とする。図示の構成において、使用者は、提げ紐40に首を通し、装置本体30を首から提げて装着する。
装置本体30は、金属や樹脂等で形成された薄い直方体のケース31に、少なくとも増幅器13a、13b、14a、14b、音声解析部15、データ送信部16および電源部17を実現する回路と電源部17の電源(電池)とを収納して構成される。ケース31には、装着者の氏名や所属等のID情報を表示したIDカード等を挿入するポケットを設けても良い。また、ケース31自体の表面にそのようなID情報等を印刷したり、ID情報等を記載したシールを貼り付けたりしても良い。
提げ紐40には、マイクロフォン11a、11b、12a、12bが設けられる。マイクロフォン11a、11b、12a、12bは、提げ紐40の内部を通るケーブル(電線等)により、装置本体30に収納された増幅器13a、13b、14a、14bにそれぞれ接続される。提げ紐40の材質としては、革、合成皮革、木綿その他の天然繊維や樹脂等による合成繊維、金属等、既存の種々の材質を用いて良い。また、シリコン樹脂やフッ素樹脂等を用いたコーティング処理が施されていても良い。
この提げ紐40は、筒状の構造を有し、提げ紐40の内部にマイクロフォン11a、11b、12a、12bを収納している。マイクロフォン11a、11b、12a、12bを挙げ紐40の内部に設けることにより、マイクロフォン11a、11b、12a、12bの損傷や汚れを防ぎ、対話者がマイクロフォン11a、11b、12a、12bの存在を意識することが抑制される。なお、装着者の口(発声部位)から遠い位置に配置されるマイクロフォン11a、11bは、装置本体30に設けても良い。本実施形態では、マイクロフォン11a、11bが提げ紐40に設けられる場合を例として説明する。
図2を参照すると、マイクロフォン11a、11bは、提げ紐40の装置本体30に接続される端部(例えば、接続部位から10cm以内の位置)に設けられている。これにより、装着者が提げ紐40を首に掛けて装置本体30を下げた状態で、マイクロフォン11a、11bは、装着者の口(発声部位)から約30cmから40cm程度離れた位置に配置される。なお、マイクロフォン11a、11bが装置本体30に設けられた場合も、装着者の口(発声部位)からマイクロフォン11a、11bまでの距離は同程度である。
マイクロフォン12a、12bは、提げ紐40の装置本体30に接続される端部から離れた位置(例えば、接続部位から20cm〜30cm程度の位置)に設けられている。これにより、装着者が提げ紐40を首に掛けて装置本体30を下げた状態で、マイクロフォン12a、12bは、装着者の首元(例えば鎖骨に当たる位置)に位置し、装着者の口(発声部位)から約10cmから20cm程度離れた位置に配置される。
また図示するように、マイクロフォン11aとマイクロフォン11bは、提げ紐40内部のほぼ同じ位置に設けられ、互いに水平方向に隣接している。またマイクロフォン12aとマイクロフォン12bについても同様である。
このように配されるマイクロフォン11a、11b、12a、12bにより、本実施形態では、隣接して配される複数のマイクロフォン(この場合2個)からなる組(この場合、マイクロフォン11a、11bの組とマイクロフォン12a、12bの組)を装着者の口(発声部位)から異なる距離離間させて複数(この場合2組)配置することで音声取得手段群が構成される。
なお、本実施形態の端末装置10は、図2に示す構成に限定されるものではない。例えば、マイクロフォン11a、11b、12a、12bは、マイクロフォン11a、11bから装着者の口(発声部位)までの音波到達経路の距離がマイクロフォン12a、12bから装着者の口(発声部位)までの音波到達経路の距離の数倍程度となるように、位置関係が特定されれば良い。したがって、マイクロフォン11a、11bを首の後ろ側の提げ紐40に設けても良い。また、マイクロフォン11a、11b、12a、12bは、上記のように提げ紐40に設ける構成に限らず、種々の方法で装着者に装着して良い。例えば、マイクロフォン11a、11b、12a、12bの各々を、個別にピン等を用いて衣服に固定するように構成しても良い。また、マイクロフォン11a、11b、12a、12bの位置関係が所望の位置で固定されるようにデザインされた専用の装着具を用意して装着しても良い。
さらに上述した例ではマイクロフォン11aとマイクロフォン11b、およびマイクロフォン12aとマイクロフォン12bは、それぞれ水平方向に隣接して配されていたが、マイクロフォン同士が並ぶ方向は、これに限られるものではない。例えば、上下方向に並んで配してもよく、斜め方向でもよい。
また、装置本体30は、図2に示したように、提げ紐40に接続されて装着者の首から提げられる構成に限らず、携帯することが容易な装置として構成されていれば良い。例えば、本実施形態のような提げ紐ではなく、クリップやベルトにより衣服や体に装着するように構成しても良いし、単にポケット等に納めて携帯するような構成としても良い。また、携帯電話その他の既存の携帯型電子情報端末に、マイクロフォン11a、11b、12a、12bからの音声信号を受け付けて増幅し、解析する機能を実現させても良い。
さらにまた、マイクロフォン11a、11b、12a、12bと装置本体30(あるいは音声解析部15)を有線で接続するのではなく、無線通信により接続しても良い。増幅器13a、13b、14a、14b、音声解析部15、データ送信部16および電源部17は、上記の構成例では単一のケース31に収納されることとしたが、複数の個体として構成しても良い。例えば、電源部17をケース31に収納せず、外部電源に接続して使用する構成としても良い。
<取得音声の発話者(自他)の識別>
図3は、本実施形態における音声解析部15の機能構成例を示した図である。
図示するように音声解析部15は、音声信号取得手段151と、分離手段152と、自他識別手段153とを備える。
音声信号取得手段151は、マイクロフォン11a、11b、12a、12bにて生成され増幅器13a、13b、14a、14bにより増幅された音声信号を取得する。なお音声信号取得手段151は、バンドパスフィルタやゲインフィルタ等を用いた既存の技術によるフィルタリング処理を行うことにより、雑音を発話音声から分離し、除去してもよい。
分離手段152は、マイクロフォン11a、11b、12a、12bにより生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、混合音声信号をマイクロフォン11a、11bの組とマイクロフォン12a、12bの組毎のそれぞれについて発話者毎に分離する。
図4は、本実施形態において装着者と1人の他者とが対話している場合を示している。
図4では、装着者は端末装置10を装着しており、このとき装着者の発話音声と他者の発話音声は、ともにマイクロフォン11a、11b、12a、12bにより捉えられ、音声信号が生成される。
図5は、装着者と他者とが同時に発話したときにマイクロフォン11a、11b、12a、12bで生成された音声信号について説明した図である。
図中、発話者の元の音声信号を音声信号S1、他者の元の音声信号を音声信号S2としている。装着者と他者とが同時に発話したときは、マイクロフォン11a、11b、12a、12bでは、それぞれ音声信号S1と音声信号S2とが混合した混合音声信号が生成される。
このときマイクロフォン11aとマイクロフォン11bとは、ほぼ同じ箇所に隣接して配されるため、両者は、ほぼ同じ混合信号を生成する。図5では、マイクロフォン11a、11bにより生成された混合信号を混合音声信号X1として図示している。また同様にマイクロフォン12aとマイクロフォン12bとは、ほぼ同じ箇所に隣接して配されるため、両者は、ほぼ同じ混合信号を生成する。図5では、マイクロフォン12a、12bにより生成された混合音声信号を混合音声信号X2として図示している。
分離手段152は、この混合音声信号X1、X2を発話者毎に分離し、発話者毎の音声信号とする。図5では、マイクロフォン11a、11bにより生成された混合音声信号X1を分離した場合の分離信号を分離音声信号Y1、Y2で図示している。またマイクロフォン12a、12bにより生成された混合音声信号X2を分離した場合の分離信号を分離音声信号Y3、Y4で図示している。このように本実施形態では、組となるマイクロフォン11a、11bを使用して混合音声信号X1を分離音声信号Y1、Y2に分離する。さらに組となるマイクロフォン12a、12bを使用して混合音声信号X2を分離音声信号Y3、Y4に分離する。本実施形態では、このようにマイクロフォン11a、11bの組およびマイクロフォン12a、12bの組毎に混合音声信号X1、X2を分離することで、4つの分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4とする。
なお混合音声信号X1、X2を分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4に分離するのは、例えば、上述したICAを使用することで行うことができる。
この分離音声信号Y1と分離音声信号Y2は、一方が、装着者の発話音声による音声信号であり、他方が他者の発話音声による音声信号である。また同様にして分離音声信号Y3と分離音声信号Y4は、一方が、装着者の発話音声による音声信号であり、他方が他者の発話音声による音声信号である。
自他識別手段153は、分離手段152により分離された音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別(自他識別)する。本実施形態では、分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4のうちの2つが装着者の発話音声による音声信号であることを識別する。そしてこれにより他の2つが他者の発話音声による音声信号であることを識別できる。
図6(a)〜(b)は、本実施形態において分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4のうちの何れが装着者の発話音声による音声信号であるかを識別する方法について説明した図である。
ここではマイクロフォンの組同士が離間する距離の分に対応して音声が予め定められた時間差で到達することを利用する。まず図4に示すように、装着者の口(発声部位)とマイクロフォン11a、11bとの間の距離をLa1、装着者の口とマイクロフォン12a、12bとの間の距離をLa2とする。また、他者の口(発声部位)とマイクロフォン11a、11bとの間の距離をLb1、他者の口とマイクロフォン12a、12bとの間の距離をLb2とする。この場合、次の関係が成り立つ。
La1>La2
Lb1≒Lb2
つまり他者の発話音声は、マイクロフォン11a、11bの組とマイクロフォン12a、12bの組の両者にほぼ同時に到達するが、装着者の発話音声は、マイクロフォン11a、11bの組よりマイクロフォン12a、12bの組の方が、早く到達する。そしてこのときに生じる時間差tは、マイクロフォン11a、11bの組とマイクロフォン12a、12bの組の間の距離dと音速から求めることができ、ほぼ一定となる。
よって図6(a)に示すように分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4のうち装着者の発話音声に基づく分離音声信号を比較した場合は、マイクロフォン11a、11bの組とマイクロフォン12a、12bの組とで、時間差tの分ずれてほぼ同様の波形となる。一方、図6(b)に示すように分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4のうち装着者の発話音声と他者の発話音声に基づく分離音声信号を比較した場合は、マイクロフォン11a、11bの組とマイクロフォン12a、12bの組とで、時間差tの分ずらしても波形は異なる。さらに分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4のうち他者の発話音声に基づく分離音声信号を比較した場合は、波形を時間差tの分ずらすと一致しない波形となる。
そこで本実施形態では、分離手段152により発話者毎に分離された音声信号の波形を時間差tの分ずらしたときの相関関係を求める。そして異なるマイクロフォンの組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときに相関関係に基づいて、音声信号が装着者の発話音声による音声信号であるかを識別する。
本実施形態の場合、分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4について下記の4通りの組み合わせのうち1つが、装着者の発話音声に基づく分離音声信号同士を比較することになる。
(1)分離音声信号Y1と分離音声信号Y3
(2)分離音声信号Y1と分離音声信号Y4
(3)分離音声信号Y2と分離音声信号Y3
(4)分離音声信号Y2と分離音声信号Y4
本実施形態では、上記4通りの組み合わせについて、例えば、分離音声信号Y3、Y4の波形を時間差tだけ、時間的に遅らせるようにシフトする。次に分離音声信号の相関関係として相関係数を求める。そして(1)〜(4)の中で最も相関係数が高かったものが、装着者の発話音声に基づく分離音声信号の組み合わせであると判定する。さらに他の2つの分離音声信号は、他者の発話音声に基づく分離音声信号であると判定する。
以上のようにして分離音声信号Y1、Y2、Y3、Y4のそれぞれが、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別することができる。
<端末装置の動作例>
図7は、本実施形態における端末装置10の動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、端末装置10のマイクロフォン11a、11b、12a、12bが音声を取得すると、各マイクロフォン11a、11b、12a、12bから取得音声に応じた電気信号(音声信号)が増幅器13a、13b、14a、14bへ送られる(ステップ101)。増幅器13a、13b、14a、14bは、マイクロフォン11a、11b、12a、12bからの音声信号を取得すると、増幅して音声解析部15へ送る(ステップ102)。
音声解析部15は、音声信号を取得した後、音声信号取得手段151において増幅器13a、13b、14a、14bで増幅された音声信号に対してフィルタリング処理を行う(ステップ103)。これにより音声信号から環境音等の雑音(ノイズ)の成分を除去する。次に、音声信号取得手段151は、雑音成分が除かれた音声信号に対し、一定の時間単位(例えば、数十分の一秒〜数百分の一秒)毎に、各マイクロフォン11a、11b、12a、12bの取得音声における平均音圧を求める(ステップ104)。そして、平均音圧がある閾値以上であるか否か(利得が有るか否か)を判断する(ステップ105)。
音声信号取得手段151は、ステップ105で求めた各マイクロフォン11a、11b、12a、12bにおける平均音圧の利得が有る場合(ステップ105でYes)、発話音声がある(発話が行われた)と判断する。
そして音声解析部15の分離手段152は、図5で説明したようにICA等を用いることで、音声信号を発話者毎に分離し、分離音声信号とする(ステップ106)。
このときマイクロフォン11a、11b、12a、12bで取得された音声信号が、混合音声信号ではなく、装着者または他者のそれぞれ単独の発話音声に基づく音声信号である場合もある。そしてこの場合、分離手段152でICA処理を行うと、装着者または他者の単独の音声信号と、無音音声(小さなノイズ音)の信号とに分離される。ただしこの無音音声の信号は、発話音声に基づく音声信号に対し、非常に微弱な信号であるため、区別が容易である。よってこのような信号が分離されたときは、発話音声に基づく音声信号として扱わなければよい。
次に音声解析部15の自他識別手段153は、図6で説明した方法で、分離音声信号が装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別(自他識別)する(ステップ107)。
このときマイクロフォン11a、11b、12a、12bで取得された音声信号が、混合音声信号ではなく、装着者または他者のそれぞれ単独の発話音声に基づく音声信号であったときは、分離音声信号は、無声音声の信号を除くと2つのみ生成される。これは、装着者単独の発話音声に基づく音声信号であるか、他者単独の発話音声に基づく音声信号であるかのどちらかである。そしてこれを識別するのは、図6で説明した方法と同様である。即ち、この2つの分離音声信号の何れかの波形を時間差tだけ、時間的にシフトさせ、分離音声信号の相関関係を調べればよい。
なおステップ104で求めた各マイクロフォン11a、11b、12a、12bにおける平均音圧の利得が無い場合(ステップ105でNo)、音声解析部15は、発話音声が無い(発話が行われていない)と判断する(ステップ108)。
この後、音声解析部15は、データ送信部16を介して、ステップ104〜ステップ108の処理で得られた情報を解析結果としてホスト装置20へ送信する(ステップ109)。この解析結果としては、例えば、発話の有無、装着者の情報(端末ID)、マイクロフォン11、12により取得された音声が装着者の発話音声であるか装着者以外の他者の発話音声であるかを識別した情報である自他識別情報等である。またこのとき、発話者毎(装着者自身または他者)の発話時間の長さや平均音圧の利得の値、その他の付加情報を解析結果と共にホスト装置20へ送信させてもよい。
なお上述した例では、装着者と1人の他者の合計2人の発話音声が混合した場合を説明したが、3人の発話音声が混合した場合は、1つの組を構成し隣接して配されるマイクロフォンは、少なくとも3個必要である。即ち、複数の発話者が同時に発話することでマイクロフォンで取得された音声信号が混合音声信号となった場合、1つの組を構成するマイクロフォンの個数は、その混合音声信号に含まれる発話者の人数分以上必要となる。
また上述した例では、信号取得手群を構成する組の数は、2組であったが、これに限られることはなく、3組以上でもよい。この場合、上述したマイクロフォンの組同士の距離dが複数存在することになり、それぞれについて自他識別を行うことで、自他識別の精度が向上しやすくなる。
<システムの適用例とホスト装置の機能>
本実施形態のシステムでは、複数の端末装置10により上記のようにして得られた発話に関する情報(以下、発話情報)がホスト装置20に集められる。ホスト装置20は、複数の端末装置10から得られた情報を用いて、例えば、装着者同士の会話関係を解析する。
図8は、本実施形態の端末装置10をそれぞれ装着した複数の装着者が会話している状況を示す図である。図9は、図8の会話状況における各端末装置10A、10Bの発話情報の例を示す図である。
図8に示すように、端末装置10をそれぞれ装着した二人の装着者A、装着者Bが会話している場合を考える。このとき、装着者Aの端末装置10Aにおいて装着者の発話として認識される音声は、装着者Bの端末装置10Bでは他者の発話として認識される。反対に、端末装置10Bにおいて装着者の発話として認識される音声は、端末装置10Aでは他者の発話として認識される。
端末装置10Aおよび端末装置10Bからは、それぞれ独立に、発話情報がホスト装置20に送られる。このとき、端末装置10Aから取得した発話情報と、端末装置10Bから取得した発話情報とは、図9に示すように、発話者(装着者と他者)の識別結果は反対になるが、発話時間の長さや発話者が切り替わったタイミング等の発話状況を示す情報は近似する。そこで、本適用例のホスト装置20は、端末装置10Aから取得した情報と端末装置10Bから取得した情報とを比較することにより、これらの情報が同じ発話状況を示していると判断し、装着者Aと装着者Bとが会話していることを認識する。ここで、発話状況を示す情報としては、少なくとも、上述した発話者ごとの個々の発話における発話時間の長さ、個々の発話の開始時刻と終了時刻、発話者が切り替わった時刻(タイミング)等のように、発話に関する時間情報が用いられる。なお、特定の会話に係る発話状況を判断するために、これらの発話に関する時間情報の一部のみを用いても良いし、他の情報を付加的に用いても良い。
このように端末装置10の装着者同士の会話関係を解析することで、装着者のグループ全体におけるコミュニケーションの傾向を分析することができる。具体的には、例えば、会話参加者の数、会話が行われた時間、対話度、活性度などの値と会話の発生頻度との相関関係を調べることで、装着者のグループにおいてどのような態様の会話が行われる傾向があるかが判断される。
<プログラムの説明>
なお本実施形態における端末装置10が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、端末装置10に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、端末装置10の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって端末装置10が行なう処理は、コンピュータに、隣接して配される複数のマイクロフォンからなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される信号取得手段群にて生成された音声信号を取得する機能と、マイクロフォンにより生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、混合音声信号をマイクロフォンの組のそれぞれについて発話者毎に分離する機能と、分離された音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
なお上述した例では、自他識別の判断を端末装置10で行なっていたが、これに限られるものではなく、ホスト装置20の方で行なってもよい。この形態における音声解析システム1としては、音声解析部15で行なっていた処理を、例えば、ホスト装置20のデータ解析部23で行なう。この音声解析システム1においては、ホスト装置20は、音声解析装置として機能し、データ解析部23は、音声信号取得手段、分離手段、および自他識別手段として機能する。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について説明する。
<信号解析装置の構成例>
第1の実施形態では、例えば、端末装置10が、マイクロフォン11a、11b、12a、12bにより発話者の音声を取得し、これにより生成された混合音声信号を発話者毎に分離して分離音声信号とした。そして分離音声信号が端末装置10を装着する装着者の発話音声による音声信号であるか他者の発話音声による音声信号であるかを識別していたが、これに限られるものではない。
図10は、第2の実施形態による信号解析装置の構成例を示す図である。また図11は、図10の信号解析装置を信号源とともに使用する形態について説明した図である。
図10に示すように、本実施形態の信号解析装置50は、信号源から送信された信号を取得する信号取得手段として、センサ51−1、51−2、…、51−nの組と、センサ52−1、52−2、…、52−nの組とを備える。また、信号解析装置50は、取得した信号を解析する信号解析部55と、電源部57とを備える。
また図11に示すように本実施形態では、信号源はn個存在し、それぞれ「信号源1」、「信号源2」、…、「信号源n」として図示している。なお「信号源1」、「信号源2」、…、「信号源n」から出力される信号は、第1の実施形態のように音声でもよいが、これに限られるものではなく、音声以外の音や、光、赤外線、電波等の電磁波や、放射線などであってもよい。
なお本実施形態では、以後、センサ51−1、51−2、…、51−nの組を、センサ51と総称することがある。同様にしてセンサ52−1、52−2、…、52−nの組を、センサ52と総称することがある。また「信号源1」、「信号源2」、…、「信号源n」のそれぞれを区別しない場合には、単に信号源と総称することがある。
センサ51およびセンサ52は、信号源のそれぞれから送信された信号を取得し、信号の情報とする機能を有する。ここで信号の情報は、例えば、信号を電気信号としたものであり、第1の実施形態の音声信号に対応する。
またセンサ51とセンサ52とは、本実施形態では、信号源1からの距離が異なる位置に配される。ここでは、センサ51は、信号源1から遠い位置に配置され、センサ52は、信号源1から近い位置に配置されるものとする。その結果、センサ51とセンサ52とは、予め定められた距離dだけ離間して配置する。
またセンサ51−1、51−2、…、51−nのそれぞれは、隣接して配される。またセンサ52−1、52−2、…、52−nのそれぞれも同様に隣接して配される。
信号解析部55は、センサ51およびセンサ52で取得された信号を解析する。そして、センサ51およびセンサ52で取得した信号が、信号源1から取得した信号であるか他の信号源から取得した信号であるかを識別する。
電源部57は、上記のセンサ51、センサ52、信号解析部55に電力を供給する。電源部57としては、乾電池や充電池などの他に、AC電源なども含まれる。
このように配されるセンサ51およびセンサ52により、本実施形態では、隣接して配される複数のセンサ(この場合n個)からなる組(この場合、センサ51およびセンサ52の各組)を予め定められた距離離間させて複数(この場合2組)配置することで構成される信号取得手段群が構成される。
本実施形態の信号解析装置50は、第1の実施形態で例示した端末装置10のように移動可能な形態としてもよく、固定式としてもよい。
また本実施形態の信号解析装置50は、上記形態に限られるものではなく、第1の実施形態で例示したように、増幅器やデータ送信部などを設けてもよい。
さらに本実施形態の信号解析装置50に第1の実施形態で例示したようなホスト装置20を接続し、この装置に信号解析装置50で解析した結果をデータとして送信して、データの蓄積や分析等を行なう信号解析システムとしてもよい。
<取得信号の識別>
図12は、本実施形態における信号解析部55の機能構成例を示した図である。
図示するように信号解析部55は、信号情報取得手段551と、分離手段552と、信号源識別手段553とを備える。
信号情報取得手段551は、センサ51およびセンサ52にて取得された信号の情報を取得する。
分離手段552は、センサ51およびセンサ52により取得された信号の情報が、複数の信号源による混合信号情報であったときに、混合信号情報をセンサの組毎に信号源毎に分離する。
なお混合信号情報を分離して分離信号情報とするのは、図5で説明したのと同様に例えば、ICAを使用することで行うことができる。なおここでは、n個の信号源から出力されたn個の信号が、混合している場合を考える。この場合、分離手段552により、混合信号情報は、n個の分離信号情報に分離される。
信号源識別手段553は、分離手段552により分離された信号の情報が、複数の信号源のうち1つの信号源(信号源1)から取得した信号の情報であるか他の信号源(信号源2〜信号源n)から取得された信号の情報であるかを識別する。
具体的には、図6で説明したように各分離信号情報の相関関係を導出し、相関関係が最も高いもの2つが、信号源1から取得した信号の情報であると判定する。そして他の分離信号情報については、他の信号源2〜信号源nから取得された信号の情報であると判定する。
<信号解析装置の動作例>
図13は、本実施形態における信号解析装置50の動作を示すフローチャートである。
図13に示すように、信号解析装置50のセンサ51、センサ52が信号を取得すると(ステップ201)、取得された信号は、信号の情報として信号解析部55へ送られる。
信号解析部55は、信号の情報を取得した後、信号の情報の強度がある閾値以上であるか否かを判断する(ステップ202)。
信号解析部55の信号情報取得手段551は、ステップ202で求めた信号の強度が閾値以上有る場合(ステップ202でYes)、信号が取得されたと判断する。
そして信号解析部55の分離手段552は、図5で説明したようにICA等を用いることで、混合信号情報を信号源毎に分離し、分離信号情報とする(ステップ203)。
なおステップ202で求めたセンサ51、センサ52において取得された信号の情報の強度が閾値未満である場合(ステップ202でNo)、信号解析部55は、信号が無いと判断する(ステップ204)。
次に信号解析部55の自他識別手段553は、図6で説明した方法で、分離信号情報がn個の信号源のうち信号源1から取得した信号の情報であるか他の信号源2〜信号源nから取得された信号の情報であるかを識別する(ステップ204)。
なお上述した例では、分離信号情報がn個の信号源のうち信号源1から取得した信号の情報であるか他の信号源2〜信号源nから取得された信号の情報であるかを識別していたが、他の信号源についても同様の手法で識別が可能である。例えば、分離信号情報がn個の信号源のうち信号源2から取得した信号の情報であるか他の信号源1および信号源3〜信号源nから取得された信号の情報であるかを識別することもできる。
1…音声解析システム、10…端末装置、11a、11b、12a、12b…マイクロフォン、15…音声解析部、20…ホスト装置、50…信号解析装置、55…信号解析部、151…音声信号取得手段、152、552…分離手段、153、553…自他識別手段、551…信号情報取得手段

Claims (6)

  1. 隣接して配される複数の音声取得手段からなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される音声取得手段群にて生成された音声信号を取得する音声信号取得手段と、
    前記音声取得手段により生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、当該混合音声信号を前記組のそれぞれについて発話者毎に分離する分離手段と、
    前記音声取得手段群と発話者との位置関係を利用して異なる組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときの相関関係に基づいて、前記分離手段により分離されたそれぞれの音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する自他識別手段と、
    を備えることを特徴とする音声解析装置。
  2. 前記自他識別手段は、異なる組において発話者毎に分離された音声信号の波形を予め定められた時間差分ずらしたときの相関関係を求めることを特徴とする請求項に記載の音声解析装置。
  3. 隣接して配される複数の信号取得手段からなる組を予め定められた距離離間させて複数配置することで構成される信号取得手段群にて取得された信号の情報を取得する信号情報取得手段と、
    前記信号取得手段により取得された信号の情報が複数の信号源による混合信号情報であったときに、当該混合信号情報を前記組のそれぞれについて何れかの信号源からの信号の情報として分離する分離手段と、
    前記信号取得手段群と信号源との位置関係を利用して異なる組において信号源毎に分離された信号を比較したときの相関関係に基づいて、前記分離手段により分離されたそれぞれの信号の情報が、前記複数の信号源のうち1つの信号源から取得した信号の情報であるか他の信号源から取得した信号の情報であるかを識別する信号源識別手段と、
    を備えることを特徴とする信号解析装置。
  4. 隣接して配される複数の音声取得手段からなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される音声取得手段群と、
    前記音声取得手段により生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、当該混合音声信号を前記組のそれぞれについて発話者毎に分離する分離手段と、
    前記音声取得手段群と発話者との位置関係を利用して異なる組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときの相関関係に基づいて、前記分離手段により分離されたそれぞれの音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する自他識別手段と、
    を備えることを特徴とする音声解析システム。
  5. 前記組を構成する音声取得手段は、2個であり、前記音声取得手段群を構成する当該組は2組であることを特徴とする請求項に記載の音声解析システム。
  6. コンピュータに、
    隣接して配される複数の音声取得手段からなる組を装着者の発声部位から異なる距離離間させて複数配置することで構成される音声取得手段群にて生成された音声信号を取得する機能と、
    前記音声取得手段により生成された音声信号が複数の発話者による混合音声信号であったときに、当該混合音声信号を前記組のそれぞれについて発話者毎に分離する機能と、
    前記音声取得手段群と発話者との位置関係を利用して異なる組において発話者毎に分離された音声信号を比較したときの相関関係に基づいて、分離されたそれぞれの音声信号が、装着者の発話音声による音声信号であるか装着者以外の他者の発話音声による音声信号であるかを識別する機能と、
    を実現させるプログラム。
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