JP6476673B2 - 頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置の制御方法、および、コンピュータープログラム - Google Patents

頭部装着型表示装置、頭部装着型表示装置の制御方法、および、コンピュータープログラム Download PDF

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Description

本発明は、頭部装着型表示装置の技術に関する。
頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)、HMD)が知られている。頭部装着型表示装置は、例えば、液晶ディスプレイおよび光源を利用して画像光を生成し、生成された画像光を投写光学系や導光板を利用して使用者の眼に導くことにより、使用者に虚像を視認させる。頭部装着型表示装置には、使用者が虚像に加えて外景も視認可能な透過型と、使用者が外景を視認できない非透過型と、の2つのタイプがある。透過型の頭部装着型表示装置には、光学透過型とビデオ透過型とがある。
特許文献1には、撮像部によって撮像された紙媒体に施された電子透かし情報を取得し、取得した電子透かし情報と予め保持されている情報と照合して、使用者の識別情報として取得された虹彩情報に基づいて、使用者ごとに異なる画像を視認させる画像処理装置が開示されている。また、特許文献2には、使用者の知り合いなどの顔写真と、使用者とは無関係の人の顔写真とを1つの画像の中にまとめて表示させて、表示させた画像の中から使用者の知り合いの顔写真を使用者に選択させることで、使用者が忘れがちな数字の羅列である無機質なパスワードとは異なる使用者の認証を行なう情報処理装置が開示されている。
特開2012−53629号公報 特開2014−92941号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、電子透かし情報の取得を起因として、予め保持されている情報の中から使用者ごとに異なる画像を、使用者のそれぞれに視認させるため、使用者ごとに異なる情報を予め記憶しておく必要があり、使用者ごとに異なる情報を予め記憶せずに、使用者ごとに異なる画像を使用者のそれぞれに視認させたいという課題があった。また、特許文献1および特許文献2に記載された技術では、使用者の認証を行なうために、使用者の虹彩情報を取得するための装置や複数の画像の選択といった複数の選択処理が必要であり、簡単な方法によって使用者を認証したいという課題があった。そのほか、従来の画像処理の技術においては、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、頭部装着型表示装置が提供される。この頭部装着型表示装置は、外景を撮像する撮像部と;画像を表示すると共に前記外景を透過可能な画像表示部と;撮像された前記外景の画像から、透かし情報が使用者に視認されないように埋め込まれた電子透かし画像を取得する電子透かし取得部と;取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に対応付けられた透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させる表示画像制御部と、を備える。この形態の頭部装着型表示装置によれば、撮像された外景の画像の中から検出された電子透かし画像に対応付けられた情報を予め記憶していなくても、電子透かし画像に埋め込まれた電子透かし画像を画像表示部に表示でき、頭部装着型表示装置の使い勝手が向上する。また、頭部装着型表示装置は、テレビなどの複数人が視聴できる装置と異なり、使用者のみが画像表示部に表示された画像を視認できるため、使用者のみに他の人とは異なる画像を視認させることができ、頭部装着型表示装置の使い勝手がさらに向上する。
(2)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記電子透かし取得部は、取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報を出力してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、検出された電子透かし画像に埋め込まれた透かし情報が出力されるため、透かし情報対応画像を使用者に視認させるだけでなく、出力された透かし情報を利用でき、使用者の利便性が向上する。
(3)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;個人情報を特定する個人情報特定部を備え;前記表示画像制御部は、特定された前記個人情報に基づいて、前記透かし情報対応画像を設定してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、検出された電子透かし画像が同じであっても、記憶された個人情報に応じて、異なる画像を画像表示部に表示させるため、使用者のニーズや状況に応じた画像を使用者に視認させることができ、使用者の利便性が向上する。
(4)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記表示画像制御部は、取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報が複数の種類の前記透かし情報対応画像を有する場合に、特定された前記個人情報に基づいて、前記複数の種類の前記透かし情報対応画像から1つを選択して、選択した1つの前記透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させてもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、検出された電子透かし画像が同じであっても、記憶された個人情報に応じて、複数の画像から選択された画像表示部に表示させるため、使用者のニーズや状況に応じた画像を使用者に視認させることができ、使用者の利便性が向上する。
(5)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;操作を受け付ける操作部を備え;前記電子透かし取得部は、受け付けられた前記操作のタイミングに基づいて、前記複数の種類の前記透かし情報から1つの前記透かし情報を取得してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、操作のタイミングによって表示される透かし情報対応画像が異なるため、使用者の状況に応じて、様々な画像を使用者に視認させることができる。
(6)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記個人情報は、前記頭部装着型表示装置の使用者の年齢に関連する情報であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、検出された電子透かし画像が同じであっても、個人情報としての年齢に応じて、異なる画像を画像表示部20に表示させるため、年齢制限等がある画像を使用者ごとに表示と非表示とを区別でき、使用者の利便性が向上する。
(7)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記電子透かし取得部は、前記透かし画像が複数のフレームで構成される動画である場合には、前記複数のフレームの内の前記透かし情報が埋め込まれたフレームを選択して取得してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、動画における全てのフレームが検出される必要はなく、複数のフレームの内の限られた数のフレームが検出されればよいため、画像処理の負担が軽減される。
(8)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記表示画像制御部は、取得された前記透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に基づいて、前記透かし画像に対応付けられた情報を付加してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、透かし画像に対して、さらに対応付けられた情報により、使用者は、より演出性の高い透かし画像を視認できる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行なうことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、撮像部と、画像表示部と、電子透かし取得部と、表示画像制御部と、の4つの要素の内の一つまたは二つ以上を備えた装置として実現可能である。すなわち、この装置は、撮像部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、画像表示部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、電子透かし取得部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、表示画像制御部を有していてもよく、有していなくてもよい。撮像部は、例えば、外景を撮像してもよい。画像表示部は、例えば、画像を表示すると共に前記外景を透過可能であってもよい。電子透かし取得部は、例えば、撮像された前記外景の画像から、透かし情報が使用者に視認されないように埋め込まれた電子透かし画像を取得してもよい。表示画像制御部は、例えば、取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に対応付けられた透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させてもよい。こうした装置は、例えば、頭部装着型表示装置として実現できるが、頭部装着型表示装置以外の他の装置としても実現可能である。このような形態によれば、装置の操作性の向上および簡易化、装置の一体化や、装置を使用する使用者の利便性の向上、等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述した頭部装着型表示装置の各形態の技術的特徴の一部または全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
本発明は、頭部装着型表示装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、頭部装着型表示装置の制御方法、頭部装着型表示装置を有する情報システム、頭部装着型表示装置の制御方法および情報システムを実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、および、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号等の形態で実現できる。
頭部装着型表示装置の外観構成を示す説明図である。 HMDの構成を機能的に示すブロック図である。 画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。 透かし対応画像表示処理の流れを示すフローチャートである。 動画を構成する複数のフレームに埋め込まれた電子透かし画像の一例を示す概略図である。 選択画像に基づく映画の字幕の文字画像が表示された場合の使用者の視野を示す説明図である。 画像の表示の有無を使用者に選択させる場合の使用者の視野を示す説明図である。 変形例におけるHMDの外観構成を示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.頭部装着型表示装置の構成:
図1は、頭部装着型表示装置100(HMD100)の外観構成を示す説明図である。HMD100は、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。本実施形態のHMD100は、使用者が虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型の頭部装着型表示装置である。なお、本明細書では、HMD100によって使用者が視認する虚像を便宜的に「表示画像」ともいう。
HMD100は、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させる画像表示部20と、画像表示部20を制御する制御部10(コントローラー10)と、を備えている。
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状を有している。画像表示部20は、右保持部21と、右表示駆動部22と、左保持部23と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26と、左光学像表示部28と、カメラ61と、を含んでいる。右光学像表示部26および左光学像表示部28は、それぞれ、使用者が画像表示部20を装着した際に使用者の右および左の眼前に位置するように配置されている。右光学像表示部26の一端と左光学像表示部28の一端とは、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の眉間に対応する位置で、互いに接続されている。
右保持部21は、右光学像表示部26の他端である端部ERから、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。同様に、左保持部23は、左光学像表示部28の他端である端部ELから、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。右保持部21および左保持部23は、眼鏡のテンプル(つる)のようにして、使用者の頭部に画像表示部20を保持する。
右表示駆動部22と左表示駆動部24とは、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の頭部に対向する側に配置されている。なお、以降では、右保持部21および左保持部23を総称して単に「保持部」とも呼び、右表示駆動部22および左表示駆動部24を総称して単に「表示駆動部」とも呼び、右光学像表示部26および左光学像表示部28を総称して単に「光学像表示部」とも呼ぶ。
表示駆動部22,24は、液晶ディスプレイ241,242(Liquid Crystal Display、以下「LCD241,242」とも呼ぶ)や投写光学系251,252等を含む(図2参照)。表示駆動部22,24の構成の詳細は後述する。光学部材としての光学像表示部26,28は、導光板261,262(図2参照)と調光板とを含んでいる。導光板261,262は、光透過性の樹脂材料等によって形成され、表示駆動部22,24から出力された画像光を使用者の眼に導く。調光板は、薄板状の光学素子であり、使用者の眼の側とは反対の側である画像表示部20の表側を覆うように配置されている。調光板は、導光板261,262を保護し、導光板261,262の損傷や汚れの付着等を抑制する。また、調光板の光透過率を調整することによって、使用者の眼に入る外光量を調整して虚像の視認のしやすさを調整できる。なお、調光板は省略可能である。
カメラ61は、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の眉間に対応する位置に配置されている。そのため、カメラ61は、使用者が画像表示部20を頭部に装着した状態において、使用者の視線方向の外部の景色である外景を撮像し、撮像された画像である撮像画像を取得する。カメラ61は、単眼カメラであるが、ステレオカメラであってもよい。カメラ61は、請求項における撮像部に相当する。
画像表示部20は、さらに、画像表示部20を制御部10に接続するための接続部40を有している。接続部40は、制御部10に接続される本体コード48と、右コード42と、左コード44と、連結部材46と、を含んでいる。右コード42と左コード44とは、本体コード48が2本に分岐したコードである。右コード42は、右保持部21の延伸方向の先端部APから右保持部21の筐体内に挿入され、右表示駆動部22に接続されている。同様に、左コード44は、左保持部23の延伸方向の先端部APから左保持部23の筐体内に挿入され、左表示駆動部24に接続されている。連結部材46は、本体コード48と、右コード42および左コード44と、の分岐点に設けられ、イヤホンプラグ30を接続するためのジャックを有している。イヤホンプラグ30からは、右イヤホン32および左イヤホン34が延伸している。
画像表示部20と制御部10とは、接続部40を介して各種信号の伝送を行なう。本体コード48における連結部材46とは反対側の端部と、制御部10と、のそれぞれには、互いに嵌合するコネクター(図示しない)が設けられている。本体コード48のコネクターと制御部10のコネクターとの嵌合/嵌合解除により、制御部10と画像表示部20とが接続されたり切り離されたりする。右コード42と、左コード44と、本体コード48とには、例えば、金属ケーブルや光ファイバーを採用できる。
制御部10は、HMD100を制御するための装置である。制御部10は、決定キー11と、点灯部12と、表示切替キー13と、トラックパッド14と、輝度切替キー15と、方向キー16と、メニューキー17と、電源スイッチ18と、を含んでいる。決定キー11は、押下操作を検出して、制御部10で操作された内容を決定する信号を出力する。点灯部12は、HMD100の動作状態を、その発光状態によって通知する。HMD100の動作状態としては、例えば、電源のON/OFF等がある。点灯部12としては、例えば、LEDが用いられる。表示切替キー13は、押下操作を検出して、例えば、コンテンツ動画の表示モードを3Dと2Dとに切り替える信号を出力する。トラックパッド14は、トラックパッド14の操作面上での使用者の指の操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。トラックパッド14としては、静電式や圧力検出式、光学式といった種々のトラックパッドを採用できる。輝度切替キー15は、押下操作を検出して、画像表示部20の輝度を増減する信号を出力する。方向キー16は、上下左右方向に対応するキーへの押下操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。電源スイッチ18は、スイッチのスライド操作を検出することで、HMD100の電源投入状態を切り替える。
図2は、HMD100の構成を機能的に示すブロック図である。図2に示すように、制御部10は、記憶部120と、電源130と、無線通信部132と、操作部135と、CPU140と、インターフェイス180と、送信部51(Tx51)および送信部52(Tx52)と、を有している。操作部135は、使用者による操作を受け付け、決定キー11、表示切替キー13、トラックパッド14、輝度切替キー15、方向キー16、メニューキー17、電源スイッチ18、から構成されている。無線通信部132は、無線LANやブルートゥースといった所定の無線通信規格に則って、例えば、コンテンツサーバー、テレビ、パーソナルコンピューターといった他の機器との間で無線通信を行なう。
電源130は、HMD100の各部に電力を供給する。電源130としては、例えば二次電池を用いることができる。記憶部120は、種々のコンピュータープログラムを格納している。記憶部120は、ROMやRAM等によって構成されている。記憶部120は、HMD100の使用者の年齢や性別といった個人情報を記憶する個人情報データベース122(個人情報DB122)を有する。個人情報DB122は、使用者が操作部135を操作することによって入力した使用者の名前、年齢、性別、住所、電話番号、職業、趣味などといった使用者の個人情報を記憶している。そのため、個人情報DB122に記憶された個人情報が照合されることで、HMD100の使用者の個人情報が特定される。なお、使用者ごとに異なるパスワードを設定することで、複数の使用者が同じHMD100を使用しても、HMD100を使用する使用者の独自の個人情報のみを照合して、その他の使用者の個人情報を照合できないようにしてもよい。なお、個人情報DB122は、請求項における個人情報特定部に相当する。
CPU140は、記憶部120に格納されているコンピュータープログラムを読み出して実行することにより、オペレーティングシステム150(OS150)、表示制御部190、音声処理部170、画像処理部160、透かし情報取得部168、および、画像設定部165として機能する。
表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成する。具体的には、表示制御部190は、制御信号により、右LCD制御部211による右LCD241の駆動ON/OFF、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動ON/OFF、左LCD制御部212による左LCD242の駆動ON/OFF、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動ON/OFFなど、を個別に制御する。これにより、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24のそれぞれによる画像光の生成および射出を制御する。例えば、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24の両方に画像光を生成させたり、一方のみに画像光を生成させたり、両方共に画像光を生成させなかったりする。なお、画像光を生成することを「画像を表示する」ともいう。
表示制御部190は、右LCD制御部211と左LCD制御部212とに対する制御信号のそれぞれを、送信部51および52を介して送信する。また、表示制御部190は、右バックライト制御部201と左バックライト制御部202とに対する制御信号のそれぞれを送信する。
画像処理部160は、コンテンツに含まれる画像信号を取得する。画像処理部160は、取得した画像信号から、垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSync等の同期信号を分離する。また、画像処理部160は、分離した垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSyncの周期に応じて、PLL(Phase Locked Loop)回路等(図示しない)を利用してクロック信号PCLKを生成する。画像処理部160は、同期信号が分離されたアナログ画像信号を、A/D変換回路等(図示しない)を用いてディジタル画像信号に変換する。その後、画像処理部160は、変換後のディジタル画像信号を、対象画像の画像データ(RGBデータ)として、1フレームごとに記憶部120内のDRAMに格納する。なお、画像処理部160は、必要に応じて、画像データに対して、解像度変換処理、輝度、彩度の調整といった種々の色調補正処理、キーストーン補正処理等の画像処理を実行してもよい。
画像処理部160は、生成されたクロック信号PCLK、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、記憶部120内のDRAMに格納された画像データ、のそれぞれを、送信部51、52を介して送信する。なお、送信部51を介して送信される画像データを「右眼用画像データ」とも呼び、送信部52を介して送信される画像データを「左眼用画像データ」とも呼ぶ。送信部51、52は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのトランシーバーとして機能する。
音声処理部170は、コンテンツに含まれる音声信号を取得し、取得した音声信号を増幅して、連結部材46に接続された右イヤホン32内のスピーカー(図示しない)および左イヤホン34内のスピーカー(図示しない)に対して供給する。なお、例えば、Dolby(登録商標)システムを採用した場合、音声信号に対する処理がなされ、右イヤホン32および左イヤホン34のそれぞれからは、例えば周波数等が変えられた異なる音が出力される。
透かし情報取得部168は、カメラ61によって撮像された画像(カメラ61の撮像画像)の中から、電子透かしが施されている電子透かし画像を検出する。なお、本明細書における電子透かしとは、デジタルコンテンツである画像に特定の情報を不可視的に埋め込んだ技術のことをいう。電子透かし画像は、静止画のみでなく、映像などの動画を含む。請求項における使用者に視認されないように電子透かし画像に埋め込まれた透かし情報は、赤外線や紫外線のように、可視光ではない波長によって形成された情報や、フレームレートが高くて使用者が認識できない画像や、ズーム機能を用いなければ使用者が視認できない大きさが小さい画像などが含まれる。本実施形態の下記で説明する動画は、1秒間当たりに表示されるフレーム数が24コマであり、電子透かしは、24コマのうちの1コマにのみ埋め込まれている。換言すれば、電子透かしは、動画における1秒間の内の1コマにのみに埋め込まれている。
透かし情報取得部168は、電子透かし画像が検出されると、電子透かし画像と個人情報DB122に記憶された個人情報とを照合する。透かし情報取得部168は、照合した結果に基づいて、電子透かし画像の表示の有無や電子透かし画像の表示態様といった電子透かし画像の処理を決定する。電子透かし画像に埋め込まれているデータと個人情報とを照合した具体的な結果としては、例えば、使用者の年齢と電子透かしに予め設定された年齢の閾値とが比較されることにより、電子透かし画像の表示の有無が決定される例が挙げられる。その他の電子透かし画像の処理としては、検出された電子透かし画像に対して、特定の処理を行なうことで、特定の店舗で使用できる割引クーポンを出力するなどがある。また、電子透かし画像が埋め込まれた画像が動画である場合には、透かし情報取得部168は、例えば、24コマのフレームのそれぞれを検出した後に、電子透かし画像が埋め込まれた特定のフレームから24コマごとのフレームのみを取得する。この場合に、透かし情報取得部168は、動画における全てのフレームを検出する必要はなく、1秒間に1コマだけのフレームを検出すればよいため、画像処理の負担が軽減される。
特定の画像に電子透かしを埋め込む方法としては、バッチワーク法、周波数領域での埋め込み、スペクトル拡散による埋め込み、表色変換、ランレングス法などの種々の方法が用いられる。なお、透かし情報取得部168は、請求項における電子透かし取得部に相当する。電子透かし画像に埋め込まれているデータは、請求項における透かし情報に対応する。
画像設定部165は、透かし情報取得部168によって検出されて処理された電子透かし画像に基づく画像を、光学像表示部26,28に表示させる。なお、以降では、処理された電子透かし画像に基づいて光学像表示部26,28に表示させる画像を透かし対応画像とも呼ぶ。透かし対応画像としては、使用者が外景として視聴している動画としての映画の字幕や、取得した割引クーポンなどの取得結果を表す文字画像などがある。例えば、光学像表示部26,28に映画の字幕が表示される場合には、個人情報DB122に記憶された年齢によって、漢字と平仮名との割合が異なる字幕が表示されてもよい。なお、画像設定部165は、請求項における表示画像制御部に相当する。透かし対応画像は、請求項における透かし情報対応画像に相当する。
インターフェイス180は、制御部10に対して、コンテンツの供給元となる種々の外部機器OAを接続するためのインターフェイスである。外部機器OAとしては、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や携帯電話端末、ゲーム端末等、がある。インターフェイス180としては、例えば、USBインターフェイス、マイクロUSBインターフェイス、メモリーカード用インターフェイス等、を用いることができる。
画像表示部20は、右表示駆動部22と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26としての右導光板261と、左光学像表示部28としての左導光板262と、カメラ61と、を備えている。
右表示駆動部22は、受信部53(Rx53)と、光源として機能する右バックライト制御部201(右BL制御部201)および右バックライト221(右BL221)と、表示素子として機能する右LCD制御部211および右LCD241と、右投写光学系251と、を含んでいる。右バックライト制御部201と右バックライト221とは、光源として機能する。右LCD制御部211と右LCD241とは、表示素子として機能する。なお、右バックライト制御部201と、右LCD制御部211と、右バックライト221と、右LCD241と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。
受信部53は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのレシーバーとして機能する。右バックライト制御部201は、入力された制御信号に基づいて、右バックライト221を駆動する。右バックライト221は、例えば、LEDやエレクトロルミネセンス(EL)等の発光体である。右LCD制御部211は、受信部53を介して入力されたクロック信号PCLKと、垂直同期信号VSyncと、水平同期信号HSyncと、右眼用画像データと、に基づいて、右LCD241を駆動する。右LCD241は、複数の画素をマトリクス状に配置した透過型液晶パネルである。
右投写光学系251は、右LCD241から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。右光学像表示部26としての右導光板261は、右投写光学系251から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の右眼REに導く。なお、右投写光学系251と右導光板261とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
左表示駆動部24は、右表示駆動部22と同様の構成を有している。左表示駆動部24は、受信部54(Rx54)と、光源として機能する左バックライト制御部202(左BL制御部202)および左バックライト222(左BL222)と、表示素子として機能する左LCD制御部212および左LCD242と、左投写光学系252と、を含んでいる。左バックライト制御部202と左バックライト222とは、光源として機能する。左LCD制御部212と左LCD242とは、表示素子として機能する。なお、左バックライト制御部202と、左LCD制御部212と、左バックライト222と、左LCD242と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。また、左投写光学系252は、左LCD242から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。左光学像表示部28としての左導光板262は、左投写光学系252から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の左眼LEに導く。なお、左投写光学系252と左導光板262とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
図3は、画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。右LCD241は、マトリクス状に配置された各画素位置の液晶を駆動することによって、右LCD241を透過する光の透過率を変化させることにより、右バックライト221から照射される照明光ILを、画像を表わす有効な画像光PLへと変調する。左側についても同様である。なお、図3に示すように、本実施形態ではバックライト方式を採用したが、フロントライト方式や、反射方式を用いて画像光を射出する構成としてもよい。
A−2.透かし対応画像表示処理:
図4は、透かし対応画像表示処理の流れを示すフローチャートである。透かし対応画像表示処理は、制御部10によって、カメラ61の撮像画像の中から検出された電子透かし画像に基づいて透かし対応画像が画像表示部20に表示される処理である。
初めに、操作部135が所定の操作を受け付けると、制御部10は、HMD100に電子透かし対応画像表示処理を実行するためのアプリケーション(以下、単に「アプリ」とも呼ぶ)を起動する(ステップS10)。次に、起動されたアプリに関連付けられているカメラ61が外景の撮像を開始する(ステップS12)。透かし情報取得部168は、カメラ61の撮像画像の中から電子透かし画像を検出する(ステップS14)。撮像画像の中から電子透かし画像が検出されない場合には(ステップS14:NO)、引き続き、透かし情報取得部168は、撮像画像の中から電子透かし画像の検出を待機する(ステップS14)。撮像画像の中から電子透かし画像が検出された場合には(ステップS14:YES)、画像設定部165は、検出された電子透かし画像に、年齢などの個人情報によって画像表示部20に表示される画像が異なる複数の画像が含まれているか否かを判定する(ステップS16)。検出された電子透かし画像に異なる複数の画像が含まれていると判定された場合には(ステップS16:YES)、画像設定部165は、個人情報DB122に記憶された使用者の個人情報を参照することによって、電子透かし画像に埋め込まれた異なる複数の画像から1つの画像を選択する(ステップS18)。
図5は、動画を構成する複数のフレームに埋め込まれた電子透かし画像の一例を示す概略図である。図5には、使用者が外景SCとして視認している動画である映画のフレームのそれぞれと、特定のフレームに埋め込まれた字幕の画像のイメージが示されている。なお、上記で説明したように、動画は、1秒当たり24コマのフレームで構成されている。図5に示すように、ある時点T0のフレームFT0には、大人用の字幕の画像DA0が埋め込まれており、時点T0の次のコマである時点T1のフレームFT1には、子供用の字幕の画像DC0が埋め込まれている。また、時点T1の次のコマである時点T2のフレームFT2には、電子透かし画像が埋め込まれておらず、同様に、フレームFT3およびフレームFT4にも、電子透かし画像が埋め込まれていない。そして、フレームFT0からm秒後(m=1,2,3・・・)、すなわち、24コマ目の倍数に当たるフレームFTN(Nは、24の倍数)には、大人用の字幕の画像DANが埋め込まれており、24コマ目の倍数に1加えたフレームFT(N+1)には、子供用の字幕の画像DCNが埋め込まれている。このように、使用者に視認されている映画では、大人用の字幕の画像と子供用の字幕の画像とは、1秒間の24コマの内の1コマに埋め込まれており、大人用の字幕の画像が埋め込まれたフレームの次のフレームに子供用の字幕の画像が埋め込まれている。なお、大人用の字幕の画像データは、子供用の字幕の画像データよりも、字幕に用いられる文字画像の漢字の割合が多く、平仮名の割合が少ない。
図4のステップS18の処理が行なわれると、画像設定部165は、選択された1つの画像(以下、単に「選択画像」とも呼ぶ)に基づく画像を画像表示部20に表示させる(ステップS20)。図6は、選択画像に基づく映画の字幕の文字画像TX2が表示された場合の使用者の視野VRを示す説明図である。図6には、使用者が映画館で外景SCとしての映画を視聴しているときの視野VRが示されている。図6に示すように、使用者は、外景SCに加えて、選択画像として画像表示最大領域PN内に表示された大人用の字幕の文字画像TX2を視認する。なお、画像表示最大領域PNは、画像表示部20が画像を表示できる最大領域の外枠であり、使用者には視認されない。文字画像TX2は、外景SCの映画の音声として、日本語とは異なる外国語として出力される音声を、日本語の文字として表した画像であり、文字画像TX2の内容は、「さあ、始めよう」という内容である。なお、文字画像TX2は、請求項における透かし情報対応画像に相当する。
図4のステップS16の処理において、検出された電子透かし画像に異なる複数の画像が含まれていないと判定された場合には(ステップS16:NO)、画像設定部165は、個人情報を参照することなく、電子透かし画像に埋め込まれた1つの画像を選択画像とみなして、選択画像に基づく画像を画像表示部20に表示させる(ステップS20)。
選択画像に基づく画像が画像表示部20に表示されると(ステップS20)、操作部135は、透かし対応画像表示処理のアプリを終了するための所定の操作の受付を監視する(ステップS22)。所定の操作が受け付けられた場合には(ステップS22:YES)、制御部10は、透かし対応画像表示処理を終了する。ステップS22の処理において、所定の操作が受け付けられなかった場合には(ステップS22:NO)、透かし情報取得部168は、検出している電子透かし画像の検出が続行されているか否かを監視する(ステップS24)。検出している電子透かし画像の検出が続行されている場合には(ステップS24:YES)、画像設定部165は、引き続き、検出されている電子透かし画像に基づく画像を画像表示部20に表示させる(ステップS20)。ステップS24の処理において、検出されていた電子透かし画像を検出しなくなった場合には(ステップS24:NO)、新たな電子透かし画像の検出を待機する(ステップS14)。
以上説明したように、本実施形態のHMD100では、透かし情報取得部168がカメラ61の撮像画像の中から電子透かし画像を検出し、画像設定部165が検出された電子透かし画像に基づく画像を画像表示部20に表示させる。そのため、本実施形態のHMD100では、HMD100が撮像画像の中から検出された電子透かし画像に対応付けられた情報を予め記憶していなくても、電子透かし画像に基づく画像を画像表示部20に表示でき、HMD100の使い勝手が向上する。また、HMD100は、テレビなどの複数人が視聴できる装置と異なり、HMD100の使用者のみが画像表示部20に表示された画像を視認できるため、HMD100の使用者のみに他の人とは異なる画像を視認させることができ、HMD100の使い勝手がさらに向上する。
また、本実施形態のHMD100では、個人情報DB122に記憶された使用者の年齢を含む個人情報を照合して、使用者の年齢が特定される。また、検出された電子透かし画像に年齢によって異なる複数の画像が含まれている場合には、画像設定部165は、個人情報DB122に記憶された使用者の年齢を照合することによって、電子透かし画像に埋め込まれた異なる複数の画像から1つの画像を選択し、選択された画像を画像表示部20に表示させる。そのため、本実施形態のHMD100では、検出された電子透かし画像が同じであっても、年齢等の個人情報に応じて、異なる画像を画像表示部20に表示させるため、使用者のニーズや状況に応じた画像を使用者に視認させることができ、使用者の利便性が向上する。
B.第2実施形態:
第2実施形態では、第1実施形態に対して、透かし情報取得部168が検出する電子透かし画像が、動画ではなく、静止画である点が異なり、他の構成等については同じである。そのため、第2実施形態では、透かし情報取得部168が電子透かし画像としての静止画を検出した場合の電子透かし画像の処理について説明し、第1実施形態における電子透かし画像として動画を検出した場合と同じ処理についての説明は省略する。
透かし対応画像表示処理(図4)のステップS12において、透かし情報取得部168が電子透かし画像が埋め込まれた静止画を検出した場合には(ステップS14:YES)、透かし情報取得部168は、静止画に複数の電子透かし画像が埋め込まれているか否かを判定する(ステップS16)。透かし情報取得部168は、電子透かし画像が埋め込まれた静止画を検出すると、検出した静止画に対しての電子透かしの検出の処理を終了する。換言すれば、透かし情報取得部168は、電子透かし画像を埋め込まれた静止画については、撮像画像の中に存在し続けても、一度だけ電子透かし画像として検出し、その後は、検出しない。静止画では、動画と異なり、静止画に埋め込まれた電子透かし画像が変化しないため、透かし情報取得部168は、電子透かし画像が埋め込まれた静止画を一度だけ検出すればよい。第2実施形態では、電子透かし画像が埋め込まれた画像が静止画である場合には、透かし情報取得部168は、一度だけ当該静止画を検出するため、制御部10の処理の負担を軽減できる。なお、透かし情報取得部168は、撮像画像の中に、検出していない新たな電子透かし画像が埋め込まれた画像(動画を含む)は検出する。
C.変形例:
なお、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
C−1.変形例1:
上記実施形態の透かし対応画像表示処理では、電子透かし画像に埋め込まれた画像に基づいて画像表示部20に表示される画像の一例として、映画の字幕を挙げたが、電子透かし画像の処理については、種々変形可能である。例えば、透かし情報取得部168は、電子透かし画像に基づいて、特定の店舗で使用できる割引クーポンの電子データを出力してもよい。当該電子データが、例えば、男性向けの髭剃りの場合には、個人情報DB122に記憶されたHMD100の使用者の性別によって、画像表示部20に当該電子データに基づくクーポンが表示されてもよい。この場合に、透かし情報取得部168は、個人情報DB122に記憶された使用者の性別が男性であると判定されれば、当該電子データに基づくクーポンを出力する。また、HMD100が個人情報DB122を有さない場合や、HMD100が有する個人情報DB122に性別に関する情報が記憶されていない場合には、個人情報DB122に記憶された情報に関わらず、透かし情報取得部168が電子透かし画像を検出した全てのHMD100に当該電子データに基づくクーポンを出力してもよい。この変形例では、透かし情報取得部168は、検出した電子透かし画像に埋め込まれた電子データを出力するため、使用者に電子透かし画像に埋め込まれた画像データに基づく画像だけでなく、電子データを出力させることができ、使用者の利便性が向上する。
また、電子透かし画像に埋め込まれた画像が時間の変化に伴って変化する画像である場合に、所定のタイミングによって検出された画像に基づいて画像表示部20に画像が表示されてもよい。例えば、電子透かし画像が複数の種類の運勢を示す画像であった場合に、所定のタイミングとしての図4のステップS18における決定キー11が押下された時点において、透かし情報取得部168が透かし画像を検出する。その後、画像設定部165は、検出された画像データに基づく画像を画像表示部20に表示させる。時間の変化に伴って変化する画像やデータとしては、運勢を示す画像に限られず、時間の変化に伴って値引き率がランダムに変化する割引クーポンの電子データなどであってもよい。
C−2.変形例2:
上記第1実施形態の透かし対応画像表示処理では、透かし画像が埋め込まれた電子透かし画像が検出された場合に、画像設定部165は、検出された電子透かし画像に基づく画像を画像表示部20に表示させたが、必ずしも、画像設定部165は、検出された電子透かし画像に基づく画像を画像表示部20に表示する必要はない。例えば、電子透かし画像が検出された場合に、透かし情報取得部168は、電子透かし画像が検出されたことを使用者に報知し、その後の使用者の操作によって、画像設定部165が画像の表示の有無や画像の表示態様を設定してもよい。使用者に電子透かし画像を検出したことを報知する方法としては、例えば、「電子透かしを検出しました」という文字画像を画像表示部20に表示させてもよいし、「電子透かしを検出しました」という音声を、イヤホン32,34を介して出力させてもよい。
電子透かし画像が検出されたことを使用者に報知した後に、透かし情報取得部168は、電子透かし画像に基づく画像を画像表示部20に表示させるか否かを、使用者に選択させてもよい。図7は、画像の表示の有無を使用者に選択させる場合の使用者の視野VRを示す説明図である。使用者が視認している外景SCとしての映画には字幕の画像としての電子透かしが施されている。図7に示すように、字幕の画像の表示の有無を使用者に選択させるための選択画像SI1は、文字画像TX1と、アイコン画像IC1と、アイコン画像IC2と、カーソル画像CSとを含んでいる。文字画像TX1は、電子透かし画像に埋め込まれた使用者が視認している映画に字幕が存在し、字幕を表示するか否かを使用者に問う画像である。文字画像TX1は、「字幕の透かし画像あり。表示する?」という文字で画像表示最大領域PN内に表示される画像である。使用者が操作部135を操作することで、画像表示最大領域PNにおけるカーソル画像CSの表示位置が変化する。カーソル画像CSがアイコン画像IC1またはアイコン画像IC2に重なっている状態で、操作部135の決定キー11が押下されると、カーソル画像CSが重なっているアイコン画像が選択される。
C−3.変形例3:
上記第1実施形態では、個人情報DB122に記憶された使用者の個人情報が照合された後、画像表示部20に表示される字幕の画像が設定されたが、画像設定部165は、個人情報DB122に記憶された使用者の個人情報に関係なく、電子透かし画像に埋め込まれた画像に基づく画像を画像表示部20に表示してもよい。また、HMD100は、使用者の個人情報を記憶した個人情報DB122を有していたが、必ずしも個人情報DB122を有している必要はない。例えば、操作部135が所定の操作を受け付けることにより、個人情報DB122に記憶された使用者の個人情報が照合されるか否かが決定されてもよい。また、画像設定部165は、電子透かし画像に異なる複数の画像が含まれていることを示す画像を画像表示部20に表示させて、操作部135が所定の操作を受け付けることにより、複数の画像から1つの画像を使用者に選択させてもよい。また、電子透かし画像に1つの画像のみが埋め込まれており、画像設定部165は、個人情報DB122に記憶された使用者の個人情報を照合することによって、電子透かし画像に基づく画像の表示の有無を決定してもよい。また、この場合に、画像設定部165は、電子透かし画像に埋め込まれた画像を画像表示部20に表示しない代わりに、画像表示部20に使用者が電子透かし画像に埋め込まれた画像の表示対象とならないことを示す画像を画像表示部20に表示させてもよい。例えば、記憶部120が透かし情報として著作権についての記載が埋め込まれたいくつかの電子透かし画像について予め記憶しており、オリジナルとは異なる電子透かし画像のコピー画像が検出された場合には、画像設定部165は、著作権違反を指摘する旨の文字画像を画像表示部20に表示させてもよい。また、透かし情報取得部168が撮像画像の中から複数の電子透かし画像を検出した場合に、使用者が操作部135を操作することによって、使用者が視認したい画像を埋め込まれた電子透かし画像を使用者に選択させてもよい。
上記実施形態では、動画の1秒間当たりのフレーム数が24コマであるとしたが、動画の単位時間当たりのフレーム数は、24コマに限られず、種々変形可能である。また、上記第1実施形態の透かし対応画像表示処理では、動画において、電子透かし画像が埋め込まれているフレームは、1秒間当たり24コマ中の1コマであるとしたが、電子透かし画像が埋め込まれているフレームの数については、種々変形可能である。例えば、数秒間の内の1つのフレームのみに電子透かし画像が埋め込まれていてもよいし、1秒間の内の複数のフレームに電子透かし画像が埋め込まれていてもよい。
上記実施形態では、HMD100は、透過型の頭部装着型表示装置であったが、非透過型の頭部装着型表示装置であってもよい。HMD100は、電子透かしが施された媒体を撮像して、検出された電子透かし画像に埋め込まれた画像に基づく画像が表示できればよい。
上記実施形態では、電子透かし画像に埋め込まれた画像に基づいて、映画の字幕が画像表示部20に表示されたが、電子透かし画像に施された電子透かしに基づいて行なわれる処理については、これに限られず、種々変形可能である。例えば、画像設定部165は、電子透かしに基づいて、画像光形成部や調光板を制御することで、使用者が画像表示部20を介して視認する電子透かし画像を加工してもよい。使用者が、電子透かしが施された映画を視認している場合に、画像設定部165は、映画の演出として施された電子透かしに応じて、調光板の光透過率を調整して、使用者が視認する電子透かし画像のコントラストなどを変化させてもよい。また、映画に含まれる特定のオブジェクトの画像に対して、画像設定部165は、生成した画像を重ね合わせることによって、画像表示部20がない場合に使用者が視認する画像を変化させてもよい。
C−4.変形例4:
上記実施形態では、制御部10に操作部135が形成されたが、操作部135の態様については種々変形可能である。例えば、制御部10とは別体で操作部135であるユーザーインターフェースがある態様でもよい。この場合に、操作部135は、電源130等が形成された制御部10とは別体であるため、小型化でき、使用者の操作性が向上する。また、カメラ61が画像表示部20に配置されたが、カメラ61が画像表示部20とは別体に構成され、外景SCを撮像できてもよい。
例えば、画像光生成部は、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)のディスプレイと、有機EL制御部とを備える構成としてもよい。また、例えば、画像光生成部は、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoS は登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、例えば、レーザー網膜投影型のHMD100に対して本発明を適用することも可能である。
また、例えば、HMD100は、光学像表示部が使用者の眼の一部分のみを覆う態様、換言すれば、光学像表示部が使用者の眼を完全に覆わない態様のヘッドマウントディスプレイとしてもよい。また、HMD100は、いわゆる単眼タイプのヘッドマウントディスプレイであるとしてもよい。また、HMD100は、両眼タイプの光学透過型であるとしているが、本発明は、例えば、ビデオ透過型といった他の形式の頭部装着型表示装置にも同様に適用可能である。
また、イヤホンは耳掛け型やヘッドバンド型が採用されてもよく、省略してもよい。また、例えば、自動車や飛行機等の車両に搭載される頭部装着型表示装置として構成されてもよい。また、例えば、ヘルメット等の身体防護具に内蔵された頭部装着型表示装置として構成されてもよい。
C−5.変形例5:
上記実施形態におけるHMD100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、制御部10に設けられた方向キー16を省略したり、方向キー16やトラックパッド14に加えて、操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを設けたりしてもよい。また、制御部10は、キーボードやマウス等の入力デバイスを接続可能な構成であり、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。
また、画像表示部として、眼鏡のように装着する画像表示部20に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部といった他の方式の画像表示部を採用してもよい。また、イヤホン32,34は、適宜省略可能である。また、上記実施形態では、画像光を生成する構成として、LCDと光源とを利用しているが、これらに代えて、有機ELディスプレイといった他の表示素子を採用してもよい。
図8は、変形例におけるHMDの外観構成を示す説明図である。図8(A)の例の場合、図1に示したHMD100との違いは、画像表示部20xが、右光学像表示部26に代えて右光学像表示部26xを備える点と、左光学像表示部28に代えて左光学像表示部28xを備える点とである。右光学像表示部26xは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、HMD100xの装着時における使用者の右眼の斜め上に配置されている。同様に、左光学像表示部28xは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、HMD100xの装着時における使用者の左眼の斜め上に配置されている。図8(B)の例の場合、図1に示したHMD100との違いは、画像表示部20yが、右光学像表示部26に代えて右光学像表示部26yを備える点と、左光学像表示部28に代えて左光学像表示部28yを備える点とである。右光学像表示部26yは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、ヘッドマウントディスプレイの装着時における使用者の右眼の斜め下に配置されている。左光学像表示部28yは、上記実施形態の光学部材よりも小さく形成され、ヘッドマウントディスプレイの装着時における使用者の左眼の斜め下に配置されている。このように、光学像表示部は使用者の眼の近傍に配置されていれば足りる。また、光学像表示部を形成する光学部材の大きさも任意であり、光学像表示部が使用者の眼の一部分のみを覆う態様、換言すれば、光学像表示部が使用者の眼を完全に覆わない態様のHMD100として実現できる。
また、上記実施形態において、HMD100は、使用者の左右の眼に同じ画像を表わす画像光を導いて使用者に二次元画像を視認させるとしてもよいし、使用者の左右の眼に異なる画像を表わす画像光を導いて使用者に三次元画像を視認させるとしてもよい。
また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、上記実施形態では、画像処理部160や音声処理部170は、CPU140がコンピュータープログラムを読み出して実行することにより実現されるとしているが、これらの機能部はハードウェア回路により実現されるとしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
また、上記実施形態では、図2および図3に示すように、制御部10と画像表示部20とが別々の構成として形成されているが、制御部10と画像表示部20との構成については、これに限られず、種々変形可能である。例えば、画像表示部20の内部に、制御部10に形成された構成の全てが形成されてもよいし、一部が形成されてもよい。また、上記実施形態における電源130が単独で形成されて、交換可能な構成であってもよいし、制御部10に形成された構成が重複して画像表示部20に形成されていてもよい。例えば、図2に示すCPU140が制御部10と画像表示部20との両方に形成されていてもよいし、制御部10に形成されたCPU140と画像表示部20に形成されたCPUとが行なう機能が別々に分けられている構成としてもよい。
本発明は、上記実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…制御部
11…決定キー
12…点灯部
13…表示切替キー
14…トラックパッド
15…輝度切替キー
16…方向キー
17…メニューキー
18…電源スイッチ
20…画像表示部
21…右保持部
22…右表示駆動部
23…左保持部
24…左表示駆動部
26…右光学像表示部
28…左光学像表示部
30…イヤホンプラグ
32…右イヤホン
34…左イヤホン
40…接続部
42…右コード
44…左コード
46…連結部材
48…本体コード
51,52…送信部
53,54…受信部
61…カメラ(撮像部)
69…マイク
100…HMD
120…記憶部
122…個人情報DB(個人情報特定部)
130…電源
132…無線通信部
135…操作部
140…CPU
150…オペレーティングシステム
160…画像処理部
165…画像設定部(表示画像制御部)
168…透かし情報取得部(電子透かし取得部)
170…音声処理部
180…インターフェイス
190…表示制御部
201…右バックライト制御部
202…左バックライト制御部
211…右LCD制御部
212…左LCD制御部
221…右バックライト
222…左バックライト
241…右LCD
242…左LCD
251…右投写光学系
252…左投写光学系
261…右導光板
262…左導光板
T0,T1,T2,T3,T4…時点
OA…外部機器
SC…外景
RE…右眼
LE…左眼
EL…端部
ER…端部
IL…照明光
PL…画像光
PN…画像表示最大領域
AP…先端部
VR…視野
CS…カーソル画像
SI1…選択画像
TX1…文字画像
TX2…文字画像(情報対応画像)
IC1,IC2…アイコン画像
FT0,FT1,FT2,FT3,FT4,FTN,FT(N+1)…フレーム
DA0,DC0,DAN,DCN…画像

Claims (9)

  1. 頭部装着型表示装置であって、
    外景を撮像する撮像部と、
    画像を表示すると共に前記外景を透過可能な画像表示部と、
    撮像された前記外景の画像から、透かし情報が使用者に視認されないように埋め込まれた電子透かし画像を取得する電子透かし取得部と、
    取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に対応付けられた透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させる表示画像制御部と、
    個人情報を特定する個人情報特定部と、を備え、
    前記表示画像制御部は、特定された前記個人情報と前記透かし情報との照合結果に基づいて、前記透かし情報対応画像を設定する、頭部装着型表示装置。
  2. 請求項1に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記電子透かし取得部は、取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報を出力する、頭部装着型表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記表示画像制御部は、取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報が複数の種類の前記透かし情報対応画像を有する場合に、特定された前記個人情報に基づいて、前記複数の種類の前記透かし情報対応画像から1つを選択して、選択した1つの前記透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させる、頭部装着型表示装置。
  4. 請求項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    操作を受け付ける操作部を備え、
    前記電子透かし取得部は、受け付けられた前記操作のタイミングにおいて、前記電子透かし画像を取得する、頭部装着型表示装置。
  5. 請求項から請求項までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記個人情報は、前記頭部装着型表示装置の使用者の年齢に関連する情報である、頭部装着型表示装置。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項もしくは請求項1から請求項3までのいずれか一項に従属する請求項5に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記電子透かし取得部は、前記透かし画像が複数のフレームで構成される動画である場合には、前記複数のフレームの内の前記透かし情報が埋め込まれたフレームを選択して取得する、頭部装着型表示装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記表示画像制御部は、取得された前記透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に基づいて、前記透かし画像に対応付けられた情報を付加する、頭部装着型表示装置。
  8. 外景を撮像する撮像部と、画像を表示すると共に前記外景を透過可能な画像表示部と、個人情報を特定する個人情報特定部と、を有する頭部装着型表示装置の制御方法であって、
    撮像された前記外景の画像から、透かし情報が使用者に視認されないように埋め込まれた電子透かし画像を取得する工程と、
    取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に対応付けられた透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させる工程と、を備え
    前記画像表示部に表示させる工程において、前記透かし情報対応画像は、特定された前記個人情報と前記透かし情報との照合結果に基づいて設定される、制御方法。
  9. 外景を撮像する撮像部と、画像を表示すると共に前記外景を透過可能な画像表示部と、個人情報を特定する個人情報特定部と、を有する頭部装着型表示装置のためのコンピュータープログラムであって、
    撮像された前記外景の画像から、透かし情報が使用者に視認されないように埋め込まれた電子透かし画像を取得する電子透かし検出機能と、
    取得された前記電子透かし画像に埋め込まれた前記透かし情報に対応付けられた透かし情報対応画像を、前記画像表示部に表示させる表示画像制御機能と、をコンピューターに実現させ
    前記表示画像制御機能において、前記透かし情報対応画像は、特定された前記個人情報と前記透かし情報との照合結果に基づいて設定される、コンピュータープログラム。
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