JP6475902B1 - 液槽内における集液装置、およびそれを備える上向ろ過装置 - Google Patents
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Abstract
集水装置15を、本ろ過槽4内の清水Aに、垂直軸B回りに回転可能として浮かべられ、垂直軸Bと直交する中心線Cを挟んで互いに対向する側板21aのいずれか一方における垂直軸Bから離れた部分に集水口22が設けられ、両側板21aの外側面に作用する水圧の差によって、垂直軸B回りに旋回させられるようにした集水樋21と、一端が集水樋21に接続され、かつ他端が本ろ過槽4外に配設され、集水樋21内に溜まった清水Aを本ろ過槽4外に排出する排水管16、23とを備えているものとする。
Description
このような清水が長時間滞留した部分においては、清水中に含まれる微粒子が、その自己凝集力によって凝縮し、凝集塊となって浮遊することがある。
そのためには、ろ過槽内の清水を低速で攪拌させることが考えられるが、そのためには、攪拌装置を駆動するための電力等の動力が必要となり、設備費用や維持費用がかかることになる。
(1)液槽内における液体を集液する装置において、前記液槽内の液体に、垂直軸回りに回転可能として浮かべられ、かつ前記垂直軸と直交する中心線を挟んで互いに対向する側板のいずれか一方のみにおける前記垂直軸から離れた部分に集液口を設けるか、または前記両側板に開口面積が異なる集液口を設け、前記両側板の外側面に作用する液圧の差によって、前記垂直軸回りに旋回させられるようにした集液樋と、一端が前記集液樋に接続され、かつ他端が前記液槽外に配設され、前記集液樋内に溜まった液体を前記液槽外に排出する排液管とを備えるものとする。
集液樋における中心線を挟んで互いに対向する側板の外側の液圧を受ける受圧面積は、集液口が設けられていない側板、または開口面積が小さい集液口が設けられている側板の方が、集液口が設けられている側板、または開口面積が大きい集液口が設けられている側板の方より、集液口の開口面積、または集液口の開口面積の差に相当する分だけ大であるので、その受圧面積の差によって、集液樋は、液槽内の液体の圧力により、垂直軸を中心として、集液口が設けられている側板、または開口面積が大きい集液口が設けられている側板の方に向かって旋回させられる。
この集液樋の旋回により、液槽内の液体に流れが生じるので、液槽内の液体が液槽内の局所に滞留するのを防止することができ、もって、液体の滞留時に生じるおそれのある微粒子の凝集塊の発生を防止することができる。
しかも、液槽内の液体の圧力を利用して集液樋を旋回させるので、攪拌装置を用いる場合のように、電力等の外部動力を使用する必要がなく、設備費用や維持費用を低減することができる。
さらに、集液樋は、液槽内において旋回しつつ集液するので、固定式の集液樋より、広範囲の液面から均一に効率よく集液することができる。
液体が排液管内を流下するとき、液体は螺旋流形成手段により螺旋状に流れるように案内され、そのときの反作用により、排液管およびそれと一体の集液樋全体は、排液管の一端の開口部を中心として旋回させられる。
この集液樋の旋回により、液槽内の液体に流れが生じるので、液槽内の液体が液槽内の局所に滞留するのを防止することができ、もって、液体の滞留時に生じるおそれのある微粒子の凝集塊の発生を防止することができる。
しかも、排液管内を流下する液体の流下するエネルギーを利用して集液樋を旋回させるので、攪拌装置を用いる場合のように、電力等の外部動力を使用する必要がなく、設備費用や維持費用を低減することができる。
さらに、集液樋は、液槽内において旋回しつつ集液するので、固定式の集液樋より、広範囲の液面から均一に効率よく集液することができる。
この上向ろ過装置の基本的な構成は、特許文献1に記載されているものと同様であるので、それらについては簡単に説明し、その後に、本発明に係る集液装置の第1の実施形態について詳細に説明する。
予備ろ過槽3の上部適所には、外部へ通ずる流入管5が接続され、その内端は、上向管6となっており、上向管6の上端は、予備ろ過槽3内の上端付近に開口している。
この集水装置15は、本ろ過槽4内の清水Aに、垂直軸B回りに回転可能として浮かべられ、かつ垂直軸Bと直交する中心線C(図2参照)を挟んで互いに対向する側板21a、21bのいずれか一方における垂直軸Bから離れた部分に集水口(集液口)22が設けられた左右1対の集水樋(集液樋)21、21と、一端が各集水樋21の底板21cに接続され、かつ他端が上記排水管16に接続されて、各集水樋21内に溜まった清水Aを本ろ過槽4外に排出する、実質的に排水管16の一部をなす左右1対の分岐管23、23とを備えている。
各集水樋21は、両側板21a、21bの外側面に作用する液圧の差によって、垂直軸B回りに旋回させられるようになっている。
すなわち、図6に示すように、集水樋21における垂直軸Bより右方の半部においては、前方の側板21aに、同じく垂直軸Bより左方の半部においては、後方の側板21bに、それぞれ倒立三角形とした2個の集水口22、22が点対称に設けられている。
また、図7に示す変形例のように、集水樋21における各側板21a、21bの上縁部に形成した直方形の切り欠き30を、集水口22とすることもある。
このフロート24、24の形状は直方体に限るものではなく、球体その他の形状とすることができ、また、フロート24、24を、集水樋21の各側板21a、21bまたは底板21cに取り付けることもある。
開口部23aの中心は、垂直軸Bと一致させてある。
この螺旋流形成手段26は、本実施形態においては、下方に向かって漸次縮径させた排水筒25の下端部の内面に設けた複数の螺旋状の反らせ面26aとしてある。
すなわち、集水樋21は、清水Aの液圧の差によって、図2において矢印で示すように、時計回りに旋回させられるので、螺旋状の反らせ面26aのねじれ方向は、図5において矢印で示すように、反時計回りとしなければならない。
さらに、集水樋21は、本ろ過槽4内において旋回しつつ集水するので、固定式の集水樋より、広範囲の水面から均一に効率よく集水することができる。
なお、本発明の液槽内における集液装置の第1の実施形態におけるのと同一または類似の部材には、同一の符号を付して図示するに止め、それらについての詳細な説明は省略する。
したがって、この集水樋31は、両側板31a、31bの外側面に作用する清水Aの液圧は同一となるので、その液圧の差による旋回力は発生することはない。
このスクリュウ37における各ブレード36の上面が、集液装置の第1の実施形態における排水筒25の内面における反らせ面26aと同様に、排水筒33内を流下する清水Aを螺旋状に案内することにより、その反作用で集液樋31を垂直軸Bに旋回させる力を発生させる反らせ面をなしている。
なお、螺旋流形成手段38におけるスクリュウ37の各ブレード36の捩り方向を、上記第2の実施形態におけるものと逆方向とすることにより、集水樋31を、上記のものと逆方向に旋回させることができる。
(1)図3〜図5に示す螺旋流形成手段26を省略し、すなわち排水筒25の下端部を、内面に反らせ面26aを設けない単純な円筒形、または倒立截頭円錐形とし、集水樋21における互いに対向する側板21a、21bの外側面に作用する清水Aの液圧の差のみによって、集水樋21を旋回させるようにする。
(2)集水樋21および分岐管23を、それぞれ1個のみとする。
(3)3個以上の集水樋21および分岐管23を並設する。
(4)集水樋21を、例えば排泥板14の上端に立設した支柱(図示略)に回転可能として枢着する。
(5)集水樋21における底板21cの一側端部の下面に排水筒25を設け、集水樋21が一側端部を中心として旋回するようにする。
(6)集水樋21における互いに対向する側板21a、21bの垂直軸Bから離れた部分に、開口面積が異なる集水口を設け、その集水口の開口面積の差に基づく両側板21a、21bの外側面に作用する液圧の差によって、集水樋21が垂直軸B回りに旋回させられるようにする。
上記実施形態においては、集水する対象が本ろ過材12を通過して浄化された、ろ過済みの清水Aであるので、本ろ過槽4、集水装置15、排水管16、集水樋21、集水口22、排水筒25等の用語を使用したが、集水する対象が、工場廃液や油その他の水以外の液体の場合には、液槽、集液装置、排液管、集液樋、集液口、排液筒等の用語を使用するのが適切であるので、それらを、上記各用語の後に括弧書きで記載し、かつ特許請求の範囲においては、上位概念の用語を用いた。
B 垂直軸
C 中心線
1 上向ろ過槽
2 垂直隔壁
3 予備ろ過槽
3a底壁
4 本ろ過槽(液槽)
4a底壁
5 流入管
6 上向管
7 多孔板
8 予備ろ過材
9 排泥管
10 水平受板
11 連通孔
12 本ろ過材
13 洗浄管
14 排泥板
14a排泥溝
15 集水装置(集液装置)
16 排水管(排液管)
17 ろ過速度調整槽
18 ノッチ板
19 流出管
20 沈殿槽
21 集水樋(集液樋)
21a、21b 側板
21c底板
21d整流板
22 集水口(集液口)
23 分岐管(排液管)
23a開口部
24 フロート
25 排水筒(排液筒)
26 螺旋流形成手段
26a反らせ面
27 通気管
30 切り欠き
31 集水樋(集液樋)
31a、31b 側板
31c底板
32 フロート
33 排水筒(排液筒)
34 集水口(集液口)
35 ハブ
36 ブレード
37 スクリュウ
38 螺旋流形成手段
Claims (6)
- 液槽内における液体を集液する装置において、
前記液槽内の液体に、垂直軸回りに回転可能として浮かべられ、かつ前記垂直軸と直交する中心線を挟んで互いに対向する側板のいずれか一方のみにおける前記垂直軸から離れた部分に集液口を設けるか、または前記両側板に開口面積が異なる集液口を設け、前記両側板の外側面に作用する液圧の差によって、前記垂直軸回りに旋回させられるようにした集液樋と、
一端が前記集液樋に接続され、かつ他端が前記液槽外に配設され、前記集液樋内に溜まった液体を前記液槽外に排出する排液管
とを備えることを特徴とする液槽内における集液装置。 - 前記集液樋における底板に設けた下方を向く排液筒を、前記液槽内に設けた前記排液管における上方を向く開口部に回転可能として嵌合し、前記集液樋を前記排液管の開口部を中心として旋回可能とした請求項1記載の液槽内における集液装置。
- 前記排液筒内に、その中を流下する液体を螺旋状に案内することにより、その反作用で、前記集液樋の旋回を助長させるようにした螺旋流形成手段を設けた請求項2記載の液槽内における集液装置。
- 液槽内における液体を集液する装置において、
一端が前記液槽内において上方に向かって開口するように配設され、かつ他端が前記液槽外に配設された排液管と、
前記液槽内の液体に浮かべられ、外周壁の一部に集液口が設けられ、かつ底板に下方を向く排液筒が設けられ、前記排液筒が前記排液管の一端の開口部に回転可能として嵌合され、前記集液口より流入した前記液槽内の液体を前記排液筒より前記排液管に流出するようにした横長の集液樋と、
前記集液樋における排液筒内に設けられ、前記排液筒内を流れる液体を螺旋状に案内することにより、その反作用で前記集液樋を前記排液管の一端の開口部を中心として旋回させる螺旋流形成手段
とを備えることを特徴とする液槽内における集液装置。 - 前記集液樋を、前記液槽内の液体の液面とともに昇降可能として支持し、かつ前記集液樋における集液口の下縁が前記液槽内の液体の液面より下位の一定範囲を維持するように前記集液樋の浮力を調整するフロートを、前記集液樋に設けた請求項1〜4のいずれかに記載の液槽内における集液装置。
- 本ろ過槽の底壁のやや上方に設けた多孔の水平受板の上面に、本ろ過材を重積し、被処理水が前記水平受板と本ろ過材とを上向きに通過することにより、ろ過されるようにした上向ろ過装置において、前記本ろ過槽を液槽とし、かつ前記本ろ過槽に、請求項1〜5のいずれかに記載の液槽内における集液装置を設けたことを特徴とする上向ろ過装置。
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