JP6475876B1 - 液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド - Google Patents

液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP6475876B1
JP6475876B1 JP2018012381A JP2018012381A JP6475876B1 JP 6475876 B1 JP6475876 B1 JP 6475876B1 JP 2018012381 A JP2018012381 A JP 2018012381A JP 2018012381 A JP2018012381 A JP 2018012381A JP 6475876 B1 JP6475876 B1 JP 6475876B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fire extinguishing
gas
liquefied
extinguishing gas
fire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018012381A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019129883A (ja
Inventor
松本 収史
収史 松本
奨 松井
奨 松井
正太郎 冨吉
正太郎 冨吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Protec Corp
Original Assignee
Yamato Protec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Protec Corp filed Critical Yamato Protec Corp
Priority to JP2018012381A priority Critical patent/JP6475876B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6475876B1 publication Critical patent/JP6475876B1/ja
Publication of JP2019129883A publication Critical patent/JP2019129883A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Abstract

【課題】液化ガスを用いるガス系消火設備において、液化消火ガスが噴射ヘッドから放出されるときの流速を落とし過ぎることなく、液化消火ガスが気化膨張した際の騒音を抑制する。【解決手段】消火ガスの流量を制御するオリフィス部112と、多孔質材料または繊維状材料からなりオリフィス部の下流側に設けられ液化ガスの放出に伴う騒音を抑制する消音部材13と、消音部材13を保護するための外殻15とを有し、消火剤が常時圧縮液化されて貯蔵されるガス系消火設備の噴射ヘッド1において、オリフィス部112の下流側且つ消音部材13の上流側に、消火ガスを液化状態のまま分散させる液化消火ガス分散層12を設ける【選択図】図1

Description

本発明は、消火ガスが圧縮液化して貯蔵されるガス系消火設備において、消火対象区画内に消火ガスを放出するために天井や壁面等に設置される噴射ヘッドに関し、特に、消火ガスが放出される際に発生する騒音を低減するための消音構造を有する噴射ヘッドに関する。
ガス系消火設備は、室内において発生した火災を消火するための設備であり、日本の消防法ではハロゲン化物消火設備と不活性ガス消火設備とに分類される。ガス系消火設備は、粉末消火設備や水・泡消火設備と異なり消火後に残留する消火剤や消火水による損害等の問題が発生しないため、サーバや大型コンピュータ等の精密機器が存在する室内の消火用として設置されている。
ガス系消火設備では、短時間に大量の消火ガスを室内に噴出させることが望ましく、消火ガスの放射速度を制御するためのオリフィス構造を有した噴射ヘッドがガスの放出口として用いられる。
噴射ヘッドから消火ガスが高速で噴出する際には、大きな騒音(具体的にはA特性騒音レベルとして120dB以上の騒音)が発生する。サーバ等、振動に弱い電子機器は、こうした100dBを超える騒音により動作不良や故障を起こすことが知られており、消火ガス放出の際の騒音を抑制するための消音構造を付与した噴射ヘッドが開発されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
消音効果のある噴射ヘッドとしては、特許文献1〜4に示されているように、消火ガスが高速で噴出するオリフィス部よりも下流側に、例えば焼結金属などの多孔質や繊維状の材料から成る消音部材を設け、消音部材の内部に消火ガスを通過させることで、消火ガスを分散・整流させるとともにその流速を低下させてから開放空間に放射して騒音の発生を抑える構造が一般的に使用されている。
その他、消火ガス噴射時の騒音を抑制する方法として、噴射ヘッドのオリフィス部の下流側に多孔質材料を複数層備えて消火ガスの流速を徐々に低下させることで騒音の発生を抑制する噴射ヘッド(以下、消音ヘッド)が開発され、すでに用いられている(例えば、特許文献5参照)。
特開2011-115337号公報 特開2011-125673号公報 特開2011-224395号公報 特開2014-087707号公報 特許第6182632号公報
一方、ハロゲン化物消火設備の消火剤として用いられるハロン1301や、不活性ガス消火設備の消火剤として用いられる炭酸ガス(CO)などのように、消火剤が常時は液体で貯蔵されており、消火設備起動時に噴射ヘッドから噴射されて外気と接触することにより消火剤(常温常圧では気体)がガス化し、拡散することで火災を消火する機構の設備もあるが、従来の消音ヘッドは、窒素ガス消火設備のように消火剤が常時高圧(例えば30MPa)の気体の状態で保存され、噴射時のオリフィス部のガス流速が非常に高い消火剤に対しては騒音を抑制する効果が高いものの、常時液体で保存され、噴射直前まで液体であるハロン1301などの液化ガスに対して使用した場合、騒音抑制効果と消火性能とを両立することが困難であった。その理由としては、液化ガスの場合、液体であった消火剤がオリフィス部を通って外気と接触して気化する際に体積膨張が急速に起こり周辺の空気密度を変化させることによる騒音の発生がある点と、窒素ガス消火設備などに比べてオリフィス部を通過する消火剤の流速が低く、消音部材を通過し噴射ヘッドから放出された消火ガスが防護空間内に拡散する速度が遅くなる点とが挙げられる。
したがって、液化ガスを用いるガス系消火設備に対する噴射時の騒音抑制については、気体で貯蔵される設備に対するものとは異なるアプローチが必要である。すなわち、液化消火ガスが噴射ヘッドから放出されるときの流速を落とし過ぎることなく、液化消火ガスが気化膨張した際の騒音を抑制する必要がある。
本発明は、消火ガスの流量を制御するオリフィス部と、多孔質材料または繊維状材料からなり前記オリフィス部の下流側に設けられ前記消火ガスの放出に伴う騒音を抑制する消音部材と、前記消音部材を保護するための外殻と、を有し、消火剤が常時圧縮液化されて貯蔵されるガス系消火設備の噴射ヘッドであって、前記オリフィス部の下流側且つ前記消音部材の上流側に、前記消火ガスを液化状態のまま分散させる液化消火ガス分散層を備え、前記液化消火ガス分散層が、金属、セラミックまたは弾性樹脂からなる複数の球体が充填されることで構成される
本発明では、オリフィス部の下流側であって消音部材の上流側に、消火ガスを液化状態のまま分散させる液化消火ガス分散層を備えているため、消火ガスを液体のまま分散させることができ、これにより、液化ガスが気化膨張した際に発せられる騒音を分散、抑制させることができる。
また、液化消火ガス分散層が、金属、セラミックまたは弾性樹脂からなる複数の球体が充填されることで構成されることにより、多孔質部材よりも強度が高く、また、このような球体は安価に入手することができ、噴射ヘッド内への充填も容易であるため、組み立てや設計変更にも対応しやすくなる。
第1実施形態の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 第1実施形態の噴射ヘッドを構成するノズルを示す平面図である。 第1実施形態の噴射ヘッドを構成する外殻を示す正面図である。 第1実施形態の噴射ヘッドを構成するキャップを示す底面図である。 第2実施形態の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 第3実施形態の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 比較例1の噴射ヘッドを示す一部破断縦断面図である。 比較例2の噴射ヘッドを示す一部破断縦断面図である。 比較例3の噴射ヘッドを示す一部破断縦断面図である。 比較例4の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 比較例5の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 比較例6の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 比較例7の噴射ヘッドを示す縦断面図である。 噴射ヘッドの強度を試験に用いる試験装置の構成を示す構成図である。 噴射ヘッドの音圧及び消火時間の試験に用いる試験装置の構成を示す構成図である。
1 第1実施形態
図1に示す噴射ヘッド1は、ガス系消火設備において、天井や壁に配置され、消火対象区画に消火ガスを噴射する役割を果たすものであり、サーバコンピュータ等が存在する室内の天井に配置される。
噴射ヘッド1は、全体として上下方向を軸とする略円柱形状に形成されており、液化消火ガスが流入するノズル11と、ノズル11に流入した液化消火ガスを分散させる液化消火ガス分散層12と、液化消火ガス分散層12の外周側、すなわちオリフィス部112より消火ガスが流れる方向の下流側に備えた消音部材13と、ノズル11と液化消火ガス分散層12との間に介在する網14と、消音部材13の外周側(下流側)に備えられ液化消火ガス分散層12及び消音部材13の外周側(下流側)において消音部材13を外周側からカバーして保護する外殻15と、外殻15の下部に固定されるキャップ16とから構成されている。
ノズル11は、配管19を介して消火ガス供給源18に接続されている。消火ガス供給源18には、消火剤が常時圧縮液化されて貯蔵されている。図1及び図2に示すように、ノズル11は、配管19に連通する流入部111と、流入部111より縮径したオリフィス部112とを備えている。オリフィス部112は単孔構造であり、配管19から送られてきた消火剤の流量を制御する役割を有し、防護空間の容積や消火剤の種類、目的とする放射時間などにより、口径を設計されている。本例では、オリフィス部112の直径は、例えば約7mm〜約12.6mm程度である。
図1に示すように、液化消火ガス分散層12は、オリフィス部112の下流側且つ消音部材13の上流側に設けられている。消音部材13は、焼結金属又は繊維状材料によって円筒状に形成されている。焼結金属又は繊維状材料は、所定の開口率を有する開口部を備えている。一方、液化消火ガス分散層12は、金属、セラミック又は弾性樹脂等によって形成された複数の球体121によって構成されている。複数の球体121の間には、隙間122が形成されている。
図3に示すように、外殻15は、円筒形状の鋼管であり、その側面には、例えば長円状の開口部151が複数貫通形成されている。また、外殻15の下面には突起152が複数形成されている。開口部151は、液化消火ガス分散層12及び消音部材13を通過してきたガスを外部へ放出するための孔であり、防護空間内にできるだけ均一に消火ガスが分散していくよう均等に配置されることが望ましい。外殻15の開口部151の総開口面積は、消音部材13の総開口断面積よりも大きい。
図4に示すように、キャップ16には、外殻15の突起152に対応する位置に、嵌合穴161が形成されている。突起152に嵌合穴161を嵌合することにより、キャップ16が外殻15に固定され、液化消火ガス分散層12が網14とキャップ16との間に挟持され、消音部材13がノズル11とキャップ16との間に挟持された状態となる。
このように構成される噴射ヘッド1に消火ガス供給源18から液化消火ガスが供給されると、その液化消火ガスは、オリフィス部112を通り、液化消火ガス分散層12に流入する。液化消火ガス分散層12では、流入した液化消火ガスによって球体121が冷却される。そして、冷却された球体121は、流入してくる液化消火ガスを冷却する役割を果たす。したがって、液化消火ガス分散層12では、液化消火ガスが気化しにくく液化状態のままでいやすい状況が維持される。また、液化消火ガスの液化状態が維持されることにより、騒音の発生を防ぐ。
液化状態を維持した液化消火ガスは、複数の球体121の間の隙間122を通ることによって分散する。オリフィス部112から出た液化ガスの流速の阻害を小さくしたまま液体を分散させることができるため、消火ガスの流速が大きく損なわれるのを防止することができる。このように構成することで、高圧気体が貯蔵される窒素消火設備に比べて消火ガス流速が低い液化消火ガス消火設備においても、消火剤の流速が低下しすぎることがないため、消火性能に悪影響を与えるのを抑制することができる。
また、液化消火ガスは、隙間122から消音部材13に向けて流れ、そこではじめて外気と接触して気化する。その際には、気化膨張による騒音が発生し得るが、球体121の存在によって気化したガスが分散するため、1つの大きな放出口から放出するよりも、騒音を低減することができる。
オリフィス部112の下流側の消音部材13の内部に、球体ではなく従来のように多孔体を用いた場合、多孔体の穴は、焼結金属などと比較して大きく、液体が入り込むため、多孔体の内部で気化し、多孔体の面で粘性摩擦が起き、音エネルギー(分子の振動エネルギー)の一部が熱エネルギーに変換されるため消音作用は生じる。しかしながら多孔体は球体と比較して強度が劣るという難点を持つため、上記のように金属、セラミック、弾性樹脂等でできた球体121を充填して液化消火ガス分散層12を構成することが望ましい。
消音部材13は、すでにガス化した消火剤による騒音の発生を抑制するための層となっている。消音部材13を構成する焼結金属又は繊維状材料は、多孔体と同様に音エネルギーを粘性摩擦により熱エネルギーとして変換し騒音を抑制する構造となっている。したがって、隙間122から流出したガスは、消音部材13を通ることによりさらに騒音が低減される。そして、消音部材13を通った消火ガスは、外殻15の開口部151から放射され、消火が行われる。
液化ガス消火設備は、窒素消火設備等の消火剤が常時高圧気体で貯蔵される設備に比べてガスの流速が低いため、窒素消火設備用のようにガス化した後に消音部材を通過させると、流速が低下しすぎて防護空間内への拡散速度が遅くなり、消火性能が悪化するという問題がある。しかし、上記噴射ヘッド1では、液化消火ガス分散層12において液化状態のうちに分散させてしまうことにより、液化ガスに特有の気化膨張時の騒音を分散させつつ、拡散速度を落とさずにガス化後も効果的に分散させることによって消火性能の低下も抑止することができる。
2 第2実施形態
図5に示す噴射ヘッド1aは、消音部材13の外周側にさらに消音部材13aを備え、消音部材が2層構造になっている点が、第1実施形態の噴射ヘッド1とは異なっている。消音部材13aの開口断面積は、消音部材13の開口断面積より大きくなっている。その他の構成は、第1実施形態の噴射ヘッド1と同様である。
3 第3実施形態
図6に示す噴射ヘッド1bは、液化消火ガス分散層12bの構成が、第2実施形態の噴射ヘッド1aとは異なっている。その他の構成は、第2実施形態の噴射ヘッド1aと同様である。
液化消火ガス分散層12bを構成する球体121bは、第2実施形態の噴射ヘッド1aにおける球体121とは異なりゴム製となっている。
上記第1−第3実施形態として示した噴射ヘッド1、1a、1bをそれぞれ実施例1、2、3とし、比較例として、図7−図13に示す噴射ヘッド2、3、3a、4、4a、5、5aをそれぞれ準備した、以下では、図7に示す噴射ヘッド2を比較例1とし、図8に示す噴射ヘッド3を比較例2とし、図9に示す噴射ヘッド3aを比較例3とし、図10に示す噴射ヘッド4を比較例4とし、図11に示す噴射ヘッド4aを比較例5とし、図12に示す噴射ヘッド5を比較例6とし、図13に示す噴射ヘッド5aを比較例7とする。
図7に示す比較例1の噴射ヘッド2は、下方に向けて拡径する開口22を有するホーン型の噴射ヘッドであり、オリフィス部21から流入した液化消火ガスが開口22を通り下端の噴出口23から噴出する構成となっている。
図8に示す比較例2の噴射ヘッド3は、Nガスの放射時に消音機能を有するタイプであり、オリフィス部311を有するノズル31と、ノズル31の下流側に設けられた消音部32と、消音部32の外側において消音部32を保護する外殻33と、下端に装着されたキャップ34とから構成されている。
消音部32は、消音部材321、322、323の3層構造となっている。消音部材321、322、323は、焼結金属により形成されており、消音部材321、消音部材322、消音部材323の順に、開口の断面積の合計が大きい。また、消音部材321、322、323の開口の断面積の合計は、オリフィス部311の開口断面積よりも大きい。消音部材321と消音部材322との間、及び、消音部材322と消音部材323との間には、それぞれOリング351、352が介在しており、消音部材321と消音部材322との間、消音部材322と消音部材323との間の距離を一定に保っている。
外殻33には、円形の開口部331が多数形成されている。開口部331の断面積の合計は、消音部材323の開口の断面積の合計よりも大きい。
図9に示す比較例3の噴射ヘッド3aは、消音部32aが、消音部材323aのみからなる1層構造となっている点が、比較例2の噴射ヘッド3とは異なる。それ以外の構成は比較例2の噴射ヘッド3と同様である。
図10に示す比較例4の噴射ヘッド4は、比較例1、2、3の噴射ヘッド2、3、3aよりも全長が短いタイプの噴射ヘッドであり、ノズル11、消音部材13、外殻15及びキャップ16は、実施例1−3の噴射ヘッド1、1a、1bと同様に構成されている。消音部材13の内側に液化消火ガス分散層12が設けられていない点が、実施例1−3とは異なる。
図11に示す比較例5の噴射ヘッド4aは、消音部材13、13aの2層構造を有する点が比較例4の噴射ヘッド4とは異なり、その他の点は一致している。
図12に示す比較例6の噴射ヘッド5は、消音部材13の内側に焼結金属より開口が大きい多孔体17を収容している点が比較例4の噴射ヘッド4と異なり、その他の点は一致している。
図13に示す比較例7の噴射ヘッド5aは、消音部材13の内側にリング状の多孔体17aを収容し、さらにその内側に球体121を収容している点が比較例4の噴射ヘッド4と異なり、その他の点は一致している。
上記実施例1−3及び比較例1−7について、強度、音圧、消火時間についての試験をそれぞれ行った。
[試験1]強度試験
実施例1−3及び比較例1−7の各噴射ヘッドの強度について、図14に示す構成の試験装置6にて試験を行った。試験装置6は、液化消火ガスを貯蔵する圧力チャンバー61を備えている。この圧力チャンバー61の内容積は68リットルである。圧力チャンバー61には、ガス導入弁62を介して窒素ガスが導入され、圧力チャンバー61の内部が加圧される。圧力チャンバー61の内部の圧力は、圧力計63によって測定される。圧力チャンバー61には、長さ0.96mの放出管64及び開閉弁65を介して、実施例1−3及び比較例1−7の噴射ヘッドがそれぞれ接続され、加圧されたガスが噴射ヘッドから放射される。
上記試験装置6において、各噴射ヘッドを設置後に開閉弁65を閉じて、ガス導入弁62から窒素ガスを使用して圧力チャンバー61及び放出管64を5.2MPa(ハロン1301消火設備の最大使用圧力)まで加圧した。そして、ガス導入弁62を閉め、開閉弁65を開放して噴射ヘッドからガスを放出した。最後に、噴射ヘッドを取り外して分解し、内部を含め脱落、変形、損傷・くるいの有無を確認した。上記の害があった場合は『×』、なかった場合は『○』とした。
[試験2]音圧試験及び消火時間試験
図15(a)、(b)に示す試験室70において、所定の条件の下に実施例及び比較例の各噴射ヘッドから消火ガスを放射し、そのときの音圧及び消火時間を測定した。
試験室70の容積は、89m(5.9m×5.9m×2.6m)であり、噴射ヘッドは試験室70の天井の中央に設置した。また、正面から見て中央右寄りに衝立71を設置した。火源72として、Φ76mm×100mmの火皿内に敷き水80mmと可燃性液体(n-ヘプタン)21mLとを注入したものを、試験室70内の四方及び・衝立71の裏の上下で計10個設置した。消火ガスとしては、ハロン1301を用い、上記計10個の火源72に点火し、燃焼状態が安定したことを確認した後、試験室内に噴射ヘッドから消火ガスを放射した。
噴射ヘッドの直下より3.5mの位置に、音圧測定用のマイクロフォン73を設置した。また、試験室70内にビデオカメラ74を設置するとともに別室に図示しないモニターを設置し、すべての火源72の状態をモニターによって確認できるようにした。
すべての火源72を燃焼させ、噴射ヘッドから消火ガスを放射し、消火時間を計測した。消火時間は、消火ガスの放射開始から全ての火皿の火炎が消えるまでの時間とし、消火ガスの放射開始から消火ガスの放射終了までにすべての火源を消火できた場合を良判定(○)、不消火(全ての火源が消えなかった場合)又は消火ガスの放射終了後に消火が確認された場合を否判定(×)とした。また、消音効果については、マイクロフォン73において測定された音圧が100dB未満である場合を良判定(○)、100dB以上である場合を否判定(×)とした。
比較例1−7及び実施例1−3についての強度、音圧及び消火時間の試験の結果は、以下の表1に示す通りである。

表1
(比較例1)
図7に示した比較例1の噴射ヘッド2は、消音機構を有していない単孔型であるため、消火時間は良好だったものの、音圧が高い結果となった。
(比較例2)
図8に示した比較例2の噴射ヘッド3では、消音効果は得られるが、消火性能は不十分であり、放射時間内に試験室内の全ての火源72を消火できなかった。これは、高圧ガスの状態で噴射されるNガスに比べ、ハロン1301等の液化ガスは、オリフィス部311を通る消火ガスの流速が遅く、さらに三層に設けられた消音部材321、322,323を通る段階で徐々に流速が落ちることで、騒音抑制効果は問題なく得られるものの、流速が低くなりすぎて、試験室内への消火ガスの拡散が遅くなり過ぎたためであると考えられる。
(比較例3)
図9に示した比較例3の噴射ヘッド3aでは、比較例2の噴射ヘッド3よりも消火時間を短くするために、消音部材を三層から一層に減らしたところ、消火時間は改善されたが、消音効果が低下した。
(比較例4)
図10に示した比較例4の噴射ヘッド4は、消火時間は問題ないものの、十分な消音効果は得られなかった。
(比較例5)
図11に示した比較例5の噴射ヘッド4aは、比較例4の噴射ヘッド4に消音部材を1層加えたものであるが、消火時間は問題ないものの、十分な消音効果は得られなかった。
(比較例6)
図12に示した比較例6の噴射ヘッド5は、液化ガスがオリフィス部112から噴出して一気に気化膨張する際の騒音を抑制することに主眼を置き、オリフィス部112の下流側であって消音部材13の上流側の空間に多孔体17を充填したところ、消音効果が大幅に向上し、消火性能も保たれた。しかし、強度試験において多孔体17が破損し、強度は不十分であった。しかしながら、消火剤をオリフィス部112のすぐ下流側で液化状態で分散させることで、消音及び消火性能の点では満足できる効果が得られることがわかった。なお、多孔体17を決められた寸法の空間に充填するには、特定の寸法を指定した加工が必要であり、コスト・納期面に難があり、また寸法変更への対応も難しいことも判明した。
(比較例7)
図13に示した比較例7の噴射ヘッド5aは、オリフィス部112の下流側であって消音部材13の上流側の空間に多孔体17aを収容し、さらに多孔体17aの内側に複数の球体121を収容したものであるが、比較例6と同様に、消音効果及び消火性能は良好であったが、多孔体17aが破損し、強度は不十分であった。
(実施例1)
図1に示した実施例1の噴射ヘッド1では、比較例6の噴射ヘッド5における多孔体17の代わりにアルミナ製の球体121を充填したところ、消火時間、消音効果を同時に満足し、さらに強度も十分であった。
(実施例2)
実施例2の噴射ヘッド1aでは、実施例1の噴射ヘッド1をベースとして、消音部材を2層構造にしたところ、消火性能と強度を損なうことなく、消音効果がさらに向上した。
(実施例3)
実施例3の噴射ヘッド1bでは、実施例2のアルミナ製の球体121に代えてゴム製の球体121bを採用したところ、実施例2に劣らない結果が得られた。
以上のように、比較例では、消音効果と消火性能とを両立することが困難であったが、実施例1−3では、噴射ヘッドの全長を短くすることで、消音部材の開口面積の段階的な変化を小さくし、消火ガスの流速を大きく落とすことなく消音効果を得ることができた。
また、球体の材質としては、金属、セラミック、弾性樹脂等幅広い応用が可能であることもわかった。こうした球体は広く一般に入手可能であり、ヘッド内への充填工程も容易であった。
消音部材13が焼結金属によって構成されている場合、焼結金属は開口が狭く密になっているため、焼結金属の厚みを厚くしたり、複数層に設けたりすると、消音作用は高くなるものの、通過する物質の運動エネルギーを摩擦により熱エネルギーに変換してしまうため圧損も起こることから、流速を下げてしまい、要望される放出時間および放出速度が得られず、消火性能が低下していく傾向がある。本実施例では、液化消火ガス分散層の下流側に焼結金属層を二層設けた実施例2及び3の噴射ヘッド1a、1bが、消音効果、消火性能を最もバランス良く両立することができた。
1、1a、1b、2、3、3a、4、4a、5、5a:噴射ヘッド
11:ノズル 111:流入部 112:オリフィス部
12、12b:液化消火ガス分散層 121、121b:球体 122:隙間
13、13a:消音部材
14:網
15:外殻 151:開口部 152:突起
16:キャップ 161:嵌合穴
17:多孔体
18:消火ガス供給源 19:配管
21:オリフィス部 22:開口 23:噴出口
31:ノズル 311:オリフィス部
32、32a:消音部 321、322、323、323a:消音部材
33:外殻 331:開口部
34:キャップ 351、352:Oリング
6:試験装置
61:圧力チャンバー 62:ガス導入弁 63:圧力計 64:放出管 65:開閉弁
70:試験室 71:衝立 72:火源 73:マイクロフォン 74:ビデオカメラ

Claims (1)

  1. 消火ガスの流量を制御するオリフィス部と、多孔質材料または繊維状材料からなり前記オリフィス部の下流側に設けられ前記消火ガスの放出に伴う騒音を抑制する消音部材と、前記消音部材を保護するための外殻と、を有し、消火剤が常時圧縮液化されて貯蔵されるガス系消火設備の噴射ヘッドであって、
    前記オリフィス部の下流側且つ前記消音部材の上流側に、前記消火ガスを液化状態のまま分散させる液化消火ガス分散層を備え、前記液化消火ガス分散層が、金属、セラミックまたは弾性樹脂からなる複数の球体が充填されることで構成される、
    液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド。
JP2018012381A 2018-01-29 2018-01-29 液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド Active JP6475876B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018012381A JP6475876B1 (ja) 2018-01-29 2018-01-29 液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018012381A JP6475876B1 (ja) 2018-01-29 2018-01-29 液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6475876B1 true JP6475876B1 (ja) 2019-02-27
JP2019129883A JP2019129883A (ja) 2019-08-08

Family

ID=65516982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018012381A Active JP6475876B1 (ja) 2018-01-29 2018-01-29 液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6475876B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4096797A1 (en) * 2020-01-31 2022-12-07 Carrier Corporation Low noise discharge nozzle

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62174547U (ja) * 1986-04-25 1987-11-06
JP2011125673A (ja) * 2009-11-02 2011-06-30 Koatsu Co Ltd ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
JP5276730B1 (ja) * 2012-03-21 2013-08-28 株式会社コーアツ ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62174547U (ja) * 1986-04-25 1987-11-06
JP2011125673A (ja) * 2009-11-02 2011-06-30 Koatsu Co Ltd ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
JP5276730B1 (ja) * 2012-03-21 2013-08-28 株式会社コーアツ ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019129883A (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7344240B2 (ja) 消音装置およびガス消火設備
JP5276630B2 (ja) ガス消火設備
WO2013125383A1 (ja) ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
CN115463367A (zh) 气体系灭火设备用的具有消音功能的喷射头及其保管和组装方法
JP6475876B1 (ja) 液化ガス消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
JP5276730B1 (ja) ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
JP5276728B1 (ja) ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
JP6182632B1 (ja) ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
JP5989591B2 (ja) ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド
CN111617408A (zh) 灭火容器及装置
JP2019012185A (ja) サイレンサ、開放器、急速開放弁、消火剤貯蔵容器及びガス系消火設備
CN212548052U (zh) 灭火容器及装置
JP5439144B2 (ja) ガス消火システム
JP2013000195A (ja) ノズル構造体
JP2011115340A (ja) 噴出ヘッド及びガス消火システム
JP2011115338A (ja) 噴出ヘッド及びガス消火システム
JP2013192960A (ja) ガス系消火設備用の消音機能を有する噴射ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6475876

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350