JP6475814B2 - 直接分析サンプラー - Google Patents

直接分析サンプラー Download PDF

Info

Publication number
JP6475814B2
JP6475814B2 JP2017239090A JP2017239090A JP6475814B2 JP 6475814 B2 JP6475814 B2 JP 6475814B2 JP 2017239090 A JP2017239090 A JP 2017239090A JP 2017239090 A JP2017239090 A JP 2017239090A JP 6475814 B2 JP6475814 B2 JP 6475814B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zone
analysis
sample
depth
segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017239090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018096996A (ja
Inventor
ドリス・バイェンス
ジャン−パウル・フェルホーヴェン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Heraeus Electro Nite International NV
Original Assignee
Heraeus Electro Nite International NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Heraeus Electro Nite International NV filed Critical Heraeus Electro Nite International NV
Publication of JP2018096996A publication Critical patent/JP2018096996A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6475814B2 publication Critical patent/JP6475814B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/10Devices for withdrawing samples in the liquid or fluent state
    • G01N1/14Suction devices, e.g. pumps; Ejector devices
    • G01N1/1409Suction devices, e.g. pumps; Ejector devices adapted for sampling molten metals
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/10Devices for withdrawing samples in the liquid or fluent state
    • G01N1/12Dippers; Dredgers
    • G01N1/125Dippers; Dredgers adapted for sampling molten metals
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/10Devices for withdrawing samples in the liquid or fluent state
    • G01N1/20Devices for withdrawing samples in the liquid or fluent state for flowing or falling materials
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/20Metals
    • G01N33/205Metals in liquid state, e.g. molten metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/52Manufacture of steel in electric furnaces
    • C21C2005/5288Measuring or sampling devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N1/00Sampling; Preparing specimens for investigation
    • G01N1/02Devices for withdrawing samples
    • G01N1/10Devices for withdrawing samples in the liquid or fluent state
    • G01N2001/1031Sampling from special places

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

本発明は、発光分光計で直接分析できる溶融金属、特に溶鋼又は溶融鉄の凝固サンプルに関する。
溶融状態の金属を処理する間に、例えば金属組成の化学組成や金属組織の分析や評価のために、プロセスの様々な段階で溶融金属の代表的なサンプルを得ることが必要である。製造中及びさらなる処理中に溶融金属を分析するための様々な方法は、当該技術分野において知られている。例えば、ドイツ特許第3344944号は、その製造及びさらなる加工の間に鋼を分析する方法を開示している。この方法は、連続して行われる以下のステップを特徴とする:(1)サンプリングランスをマガジンに入れ、サンプルタイプを自動的に事前選択する;(2)転炉又は電気炉内の吹き出し段階の間に制御スタンドから溶鋼のサンプルを採取する;(3)サンプリングランスを開梱し、その段ボール及びセラミック部品を開梱機に廃棄する;(4)早期欠陥検出のためにサンプルの質量を特定の値と比較する;(5)サンプルを、水、空気、不活性ガス及びドライアイスが供給される冷却部に通す;(6)自動送受ステーションを有する空気圧チューブコンベア部によってカートリッジを用いてサンプルを搬送する;(7)自動サンプル研磨機内でスペクトル分析のためにサンプルを準備する;(8)研磨された鋼サンプルの欠陥を検出して、欠陥を記録する;(9)鋼サンプルをマニピュレータを用いて分光計のペトリステージに移す。(10)分光計でサンプルを分析する。(11)分析データをコントロールスタンドに伝達する。典型的な製鉄所では、上記のステップのうちのいくつかは手動であり、他のものはロボットによるものである。しかし、分析プロセス全体は時間がかかり、大きな労働力を要する。
溶融金属浴からサンプルを抽出するための従来のサンプリング装置(例えば、ドイツ特許第3344944号のサンプリングランス)は、特許公報及び特許出願公報からも知られている。特許又は特許出願の対象ではない他の従来のサンプリング装置は、例えば市場での入手可能性のために知られている。これらの従来のサンプリング装置又はサンプラーは、一般に、分光写真及び金属組織学的分析に使用するための固体金属の片又はディスクを提供する。
このようなサンプリング装置によって得られた凝固した金属片の幾何学的形状及び寸法は、金属のタイプ又は金属組織学的要求にはしばしば固有の場合がある。しかし、液浸装置によって得られるサンプルの一般的なカテゴリーは、円板又は楕円形で、直径又は長さが28〜40mmのサンプルである。最も一般的には、そのようなサンプルは、約32mmの直径又は長径と、4〜12mmの厚さを有する。ロリポップ型サンプラーとして一般に知られているサンプラーの中には、使用者の要求に応じて円板から楕円型又はそれ以上に長い形状のサンプルを生成するものもあるが、大抵のサンプルは直径又は長径が約32mmである。
二重厚さサンプラーとして一般に知られている別のサンプラーは、同じサンプル内で2つの厚さを結合する。二重厚さサンプルの分析において、12mm断面はスペクトル分析される部分である。この厚さの凝固サンプルは、金属及び非金属偏析のない分析表面を達成するために0.8〜5mmの表面研削を必要とすることが知られている。この表面処理の必要性を排除すると分析時間が短縮され、経済的に有利である。しかし、これは、サンプルセクション全体が均一に凍結するように、サンプルキャビティを溶融金属で均一に充填し、かつ溶融金属サンプルを急速に冷却することによってのみ達成可能である。
典型的なサンプリング装置は、サンプリング装置を溶融金属浴に浸漬すると溶融金属で充填されるように構成されたサンプルチャンバ又はモールドキャビティを含む。モールドキャビティ又はサンプリングチャンバを形成するモールドは、典型的には、2つの部分からなるクラムシェル型構成又は平らなプレートによってその上側及び下側で覆われたリングのいずれかである。米国特許第3,646,816号は、このタイプの消耗的浸漬サンプラーを記載しており、当該サンプラーは、より迅速な凍結を達成するために、ディスク状サンプルの両方の平坦な表面をチルプレートによって形成し、分析の前に必要な清浄化を少なくする一対の平滑な表面を形成する。ほかの先行特許文献、例えば米国特許第4,211,117号は類似の概念に関するものであり、一方、米国特許第4,401,389号及び米国特許第5,415,052号には、この冶金用サンプルを他のセンサと組み合わされた例が示されている。当該センサのうち1つは温度測定センサであってもよい。
歴史的には、限られた数の場合を除いて全て、冶金プロセスの場所で得られた凝固した金属サンプルは、離れた化学実験室に物理的に輸送され、そこでは凝固した金属サンプルの組成はしばしばアークスパーク発光分光装置を用いて測定される。発光分光法(又は「OES」)システムは、一般に、それらの迅速な分析時間及び固有の精度によって金属サンプルの化学組成を決定するため、及び溶融金属の処理を制御するための最も有効なシステムである。この解析の結果は、次いで、冶金プロセスの場所に戻され、そこでは、現場にいる操作者が、さらなる処理に関する決定を行うためにそれらの結果を利用する。大まかに言えば、OES分析手順は、導電性金属サンプルがその分析面が下向きでOES機器、すなわち発光分光計のステージの所定の領域に面した状態で配置されることから始まる。より具体的には、サンプルは、分光計の分析開口部を跨いで閉じ、アノードがサンプルの分析表面にほぼ接するように配置される。サンプルの所望の位置決め及びアノードと分析表面の近接が達成されると、アノードと分光計ステージに電気的に接続された導電性金属サンプルとの間にスパークが放出される。この接続は、ほとんどの場合、重力と小さな荷重を加えて作られている。発光分光器の分析開口は、典型的には約12mm幅である。この距離は、アノードと機器ハウジングとの間のスパークアークを回避する。光検出器は、サンプル表面の掘削された材料から放出された光を受け取る。アノードと金属サンプルとの間の空間によって部分的に形成されたスパークチャンバは、アルゴン又は他の不活性ガスで連続的にパージされ、誤った分析値につながる空気侵入を回避する。
分光器の分析開口部を横切って平らにするために、金属サンプルの拡大は許されず、金属サンプルの分析表面は滑らかでなければならない(すなわち、分析面の平面を壊すサンプルハウジングの部分の存在は許されない)。サンプルは、分光計の分析開口部に広がっていなければならず、スパークチャンバの不活性ガスパージを容易にし、アノードに向かって連続したサンプル表面を提供するのに十分な平坦性を有する必要がある。
このような分析装置を、冶金プロセスの場所の近くの工場環境に配置すると、輸送及び取り扱いの労力を排除することにより、よりタイムリーな結果が得られ、大幅なコスト削減が得られることが実証されている。これらのタイプの現地分析システムのための冶金サンプルの提供に関連して、いくつかの問題があり、これらの問題に対するいくつかの先行技術の解決法についても問題がある。例えば、凝固中又は凝固したサンプルのホットメタル(hot metal)表面を大気に曝すことにより、その表面に酸化物が急速に形成され、このサンプルをOESで分析するためこの酸化物を機械的粉砕によって後で除去しなければならないことが知られている。
この問題に対する1つの解決法は、金属サンプルをサンプルチャンバから取り出す前に金属サンプルを室温に近づけるために凝固中の金属の熱を除去することであった。
直接分析(DA)サンプラーは、DAサンプルを生成する新たに開発されたタイプの溶融金属浸漬サンプラーである。DAサンプルは、分析前に何ら表面処理を必要とせず、そのため、OES分析方法を利用することにより、タイムリーな化学結果の入手可能性及び実験室時間の節約の両方において大きな経済的利益をもたらすことができる。
米国特許第9,128,013号は、鋼を製造するための転炉プロセスから急速に冷却されたサンプルを回収するための現地分析用サンプリング装置を開示している。このサンプリング装置は、少なくとも2つの部分によって形成されたサンプルチャンバを含み、サンプルキャビティ内に取り込まれた溶融物の質量とサンプルチャンバアセンブリの質量との比が、サンプルキャビティを充填する溶融物の急速冷却を可能にする。このサンプルチャンバを測定プローブから取り除いてサンプル表面を大気に曝すと、溶融物はすでに十分に冷却され、酸化が最大限に防止されるので、サンプル表面の後処理は不要である。
同様のDA型サンプラーは、米国特許出願公開第2014/318276号から公知である。このDA型サンプラーのサンプルキャビティの一端は、流入導管を介してサンプラーを浸漬する間に溶融金属浴に接続され、一方、サンプルキャビティの反対側の端部はカップリング装置と連通している。浸漬の間、サンプルキャビティを溶融金属で充填する前に、サンプルキャビティを不活性ガスでパージして、サンプル材料の早期充填及び酸化を回避する。流入導管は、サンプルキャビティの平坦な表面に対して垂直に配置される。サンプルキャビティの通気は、浸漬方向に対してサンプルキャビティの分析表面の下に配置される。
上述のサンプリング装置は、製鋼プロセス、特に転炉用途に使用される。米国特許出願公開第2014/318276号によれば、スチールサンプル及びスチール浴の温度は、吹き付けを中断した後の傾いた転炉から、又はサブランスと呼ばれる特別な装置により測定される。後者の場合、転炉は直立状態に留まり、吹き付けプロセスを継続することができ、したがって時間を節約することができる。酸素製鋼プロセスは、鋼重量、温度及び組成の正確な終点値を達成することを目的とする。炭素、リン及び硫黄の濃度、場合によっては最終的な鋼特性に有害な特殊元素が鋼中の含有量は組成目標枠内に収まるために監視される。高速分析DA型サンプラーは、従来のサンプリング装置よりはるかに短い時間で組成の確認結果を提供することができる。これは、その分析手順が、凝固したサンプルを脱型し、サンプルを分光計に移し、分析のためにサンプルをOESステージに置くことで減らされるからである。
コンバーター用途では、鋼の酸素含有量は高いと考えられる。特に、酸素吹き込みプロセスの終了時に、鋼の酸素含有量は、典型的には500〜1000ppm程度である。この浴から採取されたサンプルは冷却し、また鋼の温度降下(すなわち、冷却中の温度降下)が当該温度における酸素融解度及び炭素含有量を超えるとき、一酸化炭素を排出する。これらの気泡は、不規則な表面及び中空のスポンジ構造のサンプルにつながる。冷却中のこの問題を回避するために、米国特許第4,037,478号及び第4,120,204号に記載されているような先行技術のサンプラーには、脱酸素剤、最も一般的にはアルミニウム及びジルコニウムが提供される。しかしながら、断面が小さく、急速冷却サンプルチャンバを有する、急速に充填されたDAサンプラーはサンプルの面が減少するにつれて脱酸素剤の分布が悪くなるという結果をもたらすことが示されており、そのためサンプル量の減少に制限が存在する。
したがって、改善された分布を得るために、急速冷却サンプラーに脱酸素材料を混合するための手段を提供する必要がある。
また、従来のサンプリング装置によって生成されたサンプルは、分光器開口に平行な方向に少なくとも32mmの直径を有し、分光器開口に垂直な方向に4〜12mmの厚さを有する。このような寸法は、金属サンプルの分析表面を機械的に粉砕して表面から酸化物を浄化し、必要な平坦なトポグラフィを提供する事前分析準備装置によって容易に処理することができる。この形状は、サンプルを準備から分析、除去まで進めて次のサンプルを待つロボットマニピュレータにとっても便利である。典型的な製鉄所の実験室におけるロボット装置は、根本的に異なるサンプル形状を受け入れるように修正することが困難である。
しかし、従来技術のサンプル容積は、必要最小限の分析表面積に到達するのに必要な金属の最小容積よりも大きい。したがって、従来技術の装置のサンプル容積は、酸化物のない表面を得るために必要な溶融金属サンプルの急速凝固を妨げる。このように、従来の装置は、表面処理なしでOESによって確実に分析することができない。大量の冷却プレート及びサンプラーハウジングを使用して回収後の大量の金属サンプルを低温にすることは、迅速な脱型の点では実用的でなく、浸漬サンプリング装置としての使用には不経済である。
したがって、転炉又は他の処理容器から脱酸素された金属の無処理サンプルを製造するDA型サンプラーであって、金属及び非金属偏析がなく、OESによって分析することができる分析表面を得るために必要な急速冷却が可能であるサンプラーを提供することが有益である。
また、DA型サンプラー、特に、既存のOES装置で分析できるDA型サンプルを生成する溶鋼又は溶鉄のサンプリングに適用可能なDA型サンプラーを提供し、分析の速度及び制度を向上させることが有利である。
また、空気圧補助不活性ガスパージ装置に迅速に接続することができ、かつ減圧金属摂取を示し、溶融金属処理容器内の溶融金属から無処理サンプルを回収するための溶融金属浸漬装置を提供することも有益である。特に、容易に得られ、浸漬装置ハウジングから迅速に除去され、サンプルチャンバから脱型され、追加冷却や準備なしで直接OESにより分析される溶融金属サンプルを製造するための溶融金属浸漬装置を提供することは有益であり、それにより費用対効果が高い。
ドイツ特許第3344944号明細書 米国特許第3,646,816号明細書 米国特許第4,211,117号明細書 米国特許第4,401,389号明細書 米国特許第5,415,052号明細書 米国特許第9,128,013号明細書 米国特許出願公開第2014/318276号明細書 米国特許第4,037,478号明細書 米国特許第4,120,204号明細書
本発明は、長手方向軸に平行な浸漬方向に溶融金属で充填され、かつ局所的に分析された冶金サンプルを生成する急速冷却サンプラーに関する。この構成は、ここでより詳細に説明されるように、現時点で分析可能な表面が特定の寸法であることを必要とする既存の発光スペクトル分光器を最大限に活用し、また、金属サンプルを最小限の労力で除去し、脱型するために、前述のキャリアチューブに適合する最適な形状を提供する。
要約すると、以下の実施形態は、本発明の範囲内で特に好ましいものとして提案される。
実施形態1: 溶融金属浴からサンプルを採取するためのサンプラーであって、
カバープレートとハウジングを有するサンプルチャンバのアセンブリを備え、前記ハウジングは、流入導管が設けられた浸漬端部を有し、サンプルキャビティを含み、前記サンプルキャビティは、前記流入導管と流れ連通状態にある分配ゾーンと、前記分配ゾーンに隣接する分析ゾーンと、前記分析ゾーンに隣接し前記分析ゾーンの前記溶融金属流れ方向の下流にある通気ゾーンを有し、前記分析ゾーンの一部は前記分配ゾーンの上にあり、
前記流入導管の断面積は、前記分析ゾーンの断面積の0.5〜2倍であって、前記分配ゾーンの最大断面積の0.20〜0.70倍であり、
前記分析ゾーンは、1.5より大きく3mm未満の深さと、あらかじめ決められた数の分析スポットに基づいて選択された長さと幅とを有し、
前記通気ゾーンは、0.1〜1mmの深さと、前記分析ゾーンの幅以下の幅と、計算可能な長さとを有し、
前記サンプルキャビティの寸法は、以下のように連続した4つのセグメントに形成され:
前記分析ゾーンの第1部分とその下にある前記分配ゾーンの第1部分とを有する第1セグメントであって、前記流入導管の内径に等しい長さL1と、前記分析ゾーンの深さ+前記流入導管の内径+1mmの合計に等しい深さD1を有する第1セグメント、
前記分析ゾーンの第2部分とその下にある前記分配ゾーンの第2部分とを有する第2セグメントであって、前記分配ゾーンの第2部分の底面は、前記分析ゾーンの底面と40°〜90°、好ましくは60°の角度で交差し、前記交差角度に基づいて計算可能な長さL2と、前記分析ゾーンの深さと前記深さD1との和を2で除したものに等しい深さD2を有する第2セグメント、
前記分析ゾーンの残余第3部分を有する第3セグメントであって、前記分析ゾーンの長さから前記第1セグメントの長さL1及び前記第2セグメントの長さL2を差し引いたものに等しい長さL3と、前記分析ゾーンの深さに等しい深さD3を有する第3セグメント、
前記通気ゾーンを有する第4セグメントであって、前記通気ゾーンの前記計算可能な長さに等しい長さL4と、前記通気ゾーンの深さに等しい深さD4を有する第4セグメント、
前記4つの連続したセグメントは、次の式を満たす
(L1/D1)+(L2/D2)+(L3/D3)+(L4/D4)>25
サンプラー。
実施形態2:前記サンプルキャビティ及び前記流入導管が、共通の長手方向軸に沿って一列に整列されていることを特徴とする上記の実施形態のサンプラー。
実施形態3:前記溶融金属の流れ方向において、前記サンプルキャビティの幅寸法の増加がないことを特徴とする上記の実施形態のいずれかのサンプラー。
実施形態4:前記分析ゾーン及び前記通気ゾーンの全長は20〜50mm、好ましくは30mmであることを特徴とする上記の実施形態のいずれかのサンプラー。
実施形態5:前記分析ゾーンは、前記分配ゾーンの上方に均一な深さを有し、前記分析ゾーンの断面積は、前記溶融金属の流れ方向において徐々に先細りになることを特徴とする上記の実施形態のいずれかのサンプラー。
実施形態6:前記通気ゾーンの断面積が前記溶融金属の流れ方向に徐々に先細りになることを特徴とする上記の実施形態のいずれかのサンプラー。
実施形態7:前記分配ゾーン、前記分析ゾーン及び前記通気ゾーンは、連続した複数のセグメントとして構成され、各セグメントが長さ対深さ比を有し、前記複数のセグメントの前記長さ対深さ比の和が25より大きいことを特徴とする上記の実施形態のいずれかのサンプラー。
実施形態8:前記分配ゾーン、前記分析ゾーン及び前記通気ゾーンは、連続した複数のセグメントとして構成され、各セグメントが長さ対深さ比を有し、前記各セグメントの長さ対深さ比は、前記第1開口部からの距離が増加するにつれて漸次増加することを特徴とする上記の実施形態のいずれかのサンプラー。
前述の概要、及び以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解される。説明の目的のために、図面には好ましい実施形態が示されている。しかしながら、装置及び方法は、示されている特定な構成及び手段に限定されないことを理解されたい。
図1は、本発明の一実施形態による浸漬方向に配向された浸漬サンプリングプローブの側面図である。 図2は、図1の浸漬サンプリングプローブの平面図である。 図3は、空気圧ラインを含むプローブホルダに接続するためのガスコネクタを備えた図1の浸漬サンプリングプローブの側面図である。 図4は、図1の浸漬サンプリングプローブの2つの部分からなるサンプルチャンバのハウジングの正面図である。 図4Aは、図4に示すサンプルチャンバのハウジングの底面図である。 図1の浸漬サンプリングプローブの2つの部分からなるサンプルチャンバのカバープレートの正面図である。 図5Aは、図5に示すサンプルチャンバのカバープレートの底面図である。 図6は、図3の浸漬サンプリングプローブのサンプルキャビティの長手方向軸に平行な平面に沿った横断面側面図である。 図7は、凝固した金属サンプルを収容し、無処理のOES分析に適したサンプルチャンバのハウジングの正面図である。 図7Aは、図7に示すサンプルチャンバのハウジングの側面図である。 図8は、本発明の別の実施形態による2つの部分からなるサンプルチャンバのハウジングの正面図である。 図8Aは、図8に示すサンプルチャンバのハウジングの底面図である。 図8〜8Aのサンプルチャンバハウジングと組み立てられるように構成されたカバープレートの正面図である。 図9Aは、図9に示すサンプルチャンバのカバープレートの底面図である。 図10は、本発明の別の実施形態による脱酸素剤を含む浸漬サンプリングプローブの断面側面図であり、サンプルキャビティの長手方向軸に平行な平面に沿った図である。 図11は、図4のサンプルチャンバのハウジングのサンプルキャビティの、サンプルキャビティの長手方向軸に垂直な平面に沿った断面図である。そして、 図12は、図4のサンプルチャンバのハウジングのサンプルキャビティの、サンプルキャビティの長手方向軸に平行な平面に沿った、断面図である。
本発明は、OESによる直接分析のための凝固した鋼又は鉄の凝固ストリップサンプルを作製するための浸漬サンプリングプローブに関する。
図1を参照すると、浸漬サンプリングプローブ10、より具体的には溶融金属サンプリングプローブ10が示されている。最も具体的には、プローブ10は、溶融鋼又は溶融鉄に浸漬してサンプリングするのに適している。プローブ10は、測定ヘッド5を含む。測定ヘッド5は、樹脂結合珪砂からなることが好ましい。しかしながら、当業者には、測定ヘッド5は、溶融金属に浸漬されるべき物体を形成するのに適していることが知られている任意の材料で作ることができることが理解できる。
測定ヘッド5は、キャリアチューブ1に支持されている。好ましくは、キャリアチューブ1は紙キャリアチューブである。使用時には、好ましくはプローブホルダ又はランス(図示せず)がキャリアチューブ1の内部容積に挿入されて、測定ヘッド5を浸漬方向Iにおいて溶融金属の浴の表面の下に浸すのに必要な機械的作用を提供する(図示せず)。
測定ヘッド5は、溶融金属のサンプルを収集し回収するためのサンプリングチャンバ3を備えている。ここで、サンプルチャンバ3は浸漬サンプリングプローブ10に関して説明しているが、サンプルチャンバ3は、任意のタイプの溶融金属サンプリング装置と共に利用されてもよいことは当業者には理解できる。したがって、ここに記載されたサンプルチャンバ3の組み立て及び構成は、浸漬サンプリングプローブ10だけでなく、任意のタイプの溶融金属サンプリング装置に適用可能である。
好ましくは、サンプルチャンバ3は、2の部分からなるサンプリングチャンバである。より詳細には、図2を参照すると、サンプルチャンバ3は、ハウジング30とカバープレート32とから構成される。ハウジング30は、好ましくは、良好な熱伝導性及び電気伝導性である1つ以上の材料で形成され、例えば、限定的ではないが、アルミニウム、銅、及び回収された金属サンプルに電気的に結合されるための、類似の熱伝導率及び電気伝導率特性を有する他の金属で形成される。好ましくは、ハウジング30はアルミニウム製である。カバープレート32の質量は、好ましくは、サンプルチャンバ3の全体の質量の10〜20%を占める。ハウジング30は、識別手段を用いて破壊できない方法で印を付けることができる。
サンプルチャンバ3の2つの部分30、32は、好ましくは、サンプリングチャンバ3の2つの部分30、32がサンプルチャンバ3内に流入して充填する溶融金属の力により分離する傾向に抵抗するのに十分な圧縮力でクランプ4(クリップとも呼ばれる)によって一緒に保持される。クランプ4は、好ましくは金属クランプである。しかし、当業者には、クランプ4は、溶融金属に浸漬することができ、必要な圧縮力を提供する別の適切な材料で作ることができることが理解できる。
図1を参照すると、測定ヘッド5は、第1端部12及び対向する第2端部14を有する。測定ヘッド5の第1端部12は、浸漬端部に対応する。測定ヘッド5の第2端部14は、ランス又はプローブホルダに面するように構成される。サンプルチャンバ3は、第1端部16と、対向する第2端部18とを有する。サンプルチャンバ3の第1端部16は、浸漬端部に対応する。当業者であれば、「浸漬端部」という語句は、浸漬方向Iにおいて最初に溶融金属中に浸漬される本体の端部を意味することが理解できる。
サンプルチャンバ3は、ここでより詳細に説明するように、溶融金属を受け取るように構成されたサンプルキャビティを含む。サンプルキャビティは、長手方向軸X(図4参照)に沿ってサンプルチャンバ3の第1端部16の近くから第2端部18に渡って延在する。
サンプルチャンバ3の第1端部16は、好ましくは、流入導管7に取り付けられているか、又は流入導管7を備えている。より詳細には、サンプルハウジング30の第1端部16は、流入導管7を受け入れるための第1開口部20を有する(図4参照)。第1開口部20、ひいては流入導管7は、好ましくはサンプルチャンバ3、より具体的にはサンプルキャビティと一列に整列される。流入導管7は溶融金属浴からサンプルチャンバ3への溶融金属の流れを可能にする。これにより、溶融金属は、サンプルキャビティの長手方向軸Xに平行な浸漬方向で、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティに導入される。流入導管7は、好ましくは石英材料、より好ましくは溶融石英材料で作られる。しかしながら、流入導管7は、セラミック材料を含むが、これに限定されない任意の他の適切な材料から作製されてもよいことが理解できる。
流入導管7は、第1端部(図示せず)と、対向する第2端部22(図4〜4A参照)とを有する。一実施形態では、流入導管7は、ブッシング6(図1参照)によって測定ヘッド5内に固定される。ブッシング6は、好ましくは、セメント材料で作られている。流入導管7の第2端部22は、接着剤27によって実質的に気密にサンプルチャンバ3内に接着又は取り付けられている。より具体的には、流入導管7の第2端部22は、完全にサンプルチャンバ3のハウジング30の第1開口部20内に配置され、接着剤27によって接着され、実質的に気密な接合を達成する。「実質的に気密」とは、シール又はジョイントが完全に気密、又はかなりの程度で気密であることを意味する。特に、流入導管7とガスカプラー2との接合(ここで記載)に関して、形成された接合部は、好ましくは、サンプルキャビティが浸漬深さの圧力レベルを超えて加圧され得る程度に気密である。
図1及び図3に示すように、流入導管7の第1端部は浸漬端部に対応する。第1端部は、第1保護キャップ8によって覆われているので、図1及び図3では見えない。より詳細には、第1保護キャップ8は、接着剤11によって実質的に気密に流入導管7の第1端部に取り付けられている。第1保護キャップ8は、金属製であるのが好ましく、鋼製であるのがより好ましい。第1保護キャップ8は、サンプルキャビティが十分にパージされ、全ての閉じ込められた空気がそこから排出されることを保証するための開口部(図示せず)(例えば、直径1mmの穴)を含むことができる。第2保護キャップ9は今度、第1保護キャップ8を覆う(より具体的には、包む)。第2保護キャップ9は、測定ヘッド5の第1端部12に取り付けられる。好ましくは、第2保護キャップ9は、金属、より好ましくは、鋼で作られる。一実施形態では、第2保護キャップ9は、紙の被覆によってさらに保護される(図示せず)。
図1、2及び4を参照すると、サンプルハウジング30の第2端部18は、カプラー2、より具体的にはガスカプラー2を受けるための第2開口部33を含む。したがって、第2開口部33は、好ましくはハウジング30内に完全に収容されるガスポートである。カプラー2は、実質的に気密な接合を達成するために、接着剤26によってサンプルチャンバの第2端部18のガスポート33内でハウジング30にシールされる。したがって、カプラー2の端部は、完全にサンプルチャンバ3のハウジング30の本体内に配置される。
カプラー2は、導管(図示せず)、より具体的にはガス導管と結合するように構成される。より具体的には、ガス導管の第1端部がカプラー2に取り付けられ、ガス導管の反対側の第2端部が空気圧システムに取り付けられる(図示せず)。空気圧システムは、好ましくは、不活性ガスを、ガス導管を介してサンプルチャンバ3に供給し、サンプルチャンバ3をパージして加圧する。サンプルチャンバ3をパージ及び加圧するのに使用される不活性ガスの例としては、窒素又はアルゴンが挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴン)は、2バールの圧力である。空気圧システムはまた、ガス導管を介してサンプルチャンバ3からの排気ガスの除去を行う。空気圧システムがカプラー2を介してプローブ10のサンプリングチャンバ3と連通しているとき、流入導管7の浸漬端部からサンプリングチャンバ3まで(すなわち長手軸Xに沿って)連続的なガス経路があり、実質的に漏れがないが、サンプルチャンバ3は、サンプルにアクセスするために容易に分解される。
図3を参照すると、一実施形態では、カプラー2には、プローブホルダ上の対応するレセプタクルと結合するように構成されたガスコネクタ23が設けられている。より詳細には、ガスコネクタ23は、プッシュオン/プルオフタイプのコネクタアセンブリであり、プローブホルダ上の結合面にガスシールするためのOリング24を含む。
使用時には、測定ヘッド5を溶融金属浴に浸漬し、サンプルチャンバ3は、空気圧システムによって供給され、カプラー2から長手方向軸Xに沿って流入導管7に向かって移動する不活性ガスによってパージ及び加圧される。測定ヘッド5が溶融金属浴の表面の下に浸漬された後、第2保護キャップ9及び紙(もしあれば)の被覆が溶融金属の熱によって溶融し、それによって第1保護キャップ8が溶融金属にさらされる。続いて、第1保護キャップ8も溶融し、それによって、サンプルチャンバ3は流入導管7を介して溶融金属浴と流れ連通させる。より具体的には、第2保護キャップ8が一旦溶融すると、空気圧システムがパージモードから排気モード又は真空モードに反転するまで、不活性ガスの圧力は、開放の流入導管7を介して(すなわち、流入導管7の第1端部を介して)サンプルチャンバ3から出る。次いで、溶融金属は、流入導管7を通ってサンプルチャンバ3に入り、特に第1端部から第2端部22へ、続いてサンプルチャンバ3のサンプルキャビティ内に入り、ガスはカプラー2を通ってサンプルチャンバ3から排出される。ガスは、好ましくは、充填溶融金属の自然の溶鋼静圧によって排出されるが、遠隔装置によってガス導管に適用されるわずかな真空によって排出されてもよい。
また、図4〜6は、プローブ10の2つの部分からなるサンプルチャンバ3をより詳細に示す。サンプルチャンバ3のハウジング30は、第1側面又は面40と、対向する第2側面又は面42(図4A及び6参照)とを有する。第1の面40は、分析面であり、これは、サンプルが収集されるハウジング30の幾何学的側面であることを意味し、分析中に発光分光器のステージ上に下向きに置くように構成される。この場合の下方向は、OESシステムのスパークソースに向かう方向である。第1の面40は、ハウジング30の浸漬端部と対向端部との間に延在する。より詳細には、第1の面40は、第1の面AFにおいて、サンプルチャンバ3の第1端部16から第2端部18に向かって延在する。サンプルチャンバ3の第2端部18には、好ましくはハウジング30内に完全に収容されたガスポート33が設けられている。ガスポート33は、(図1又は図3に示すように)カプラー2を受け入れ、ここでは、接着剤26によって実質的に気密にハウジング30に封止されている(図3参照)。
図4及び図6に示すように、第1の面40の一部は、通気及び溶融金属の収集のために、サンプルチャンバ3の異なる領域又はゾーンを形成するためにくり抜かれている。より具体的には、ハウジング30の第1の面40は、以下のように、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティを集合的に形成する様々な窪みを含む:サンプルチャンバ3の第1端部16に近接し、流入導管7と直接連通する第1領域34と、第1領域34の上に位置する第2領域35と、第2領域35に隣接する第3領域36とを含む。第1の面40はまた、サンプルチャンバ3の第2端部18に近接し、ガスポート33と直接連通する第4の領域38の形態の追加の窪みを含む。ガスポート33(ひいてはカプラー2)及び流入導管7は、ハウジング30内に配置され、それらがサンプルチャンバ3のサンプルキャビティと直接連通し、かつ一列に整列される。より具体的には、ガスポート33及び流入導管7は、好ましくは、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティに平行に延在し、より好ましくは、ガスポート33及び流入導管7は、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティと共通の長手方向軸Xに沿って延在する。
図6を参照すると、第4の領域38は、サンプルチャンバ3のハウジング30の第1の面40に形成された凹み又は窪みによって画定された接続容積である。したがって、接続容積部38は、第1の面40に開放端部38aを有する。接続容積38はガスポート33とガス連通している。溶融金属は一般に第3領域36で凝固するので、ここで説明するように、接続容積38は一般に、溶融金属を受け取るためのサンプルハウジングキャビティの一部であるとは考えられない。
第3領域36は、接続容積38とガス連通している通気領域である。通気ゾーン36は、ハウジング30の第1の面40に形成された凹み又は窪みによって画定される。したがって、通気ゾーン36は、第1の面40に開放端36aを有し、対向する閉鎖底端36bを有する。通気ゾーン36の中心線は、好ましくは、第2領域35及びガスカプラー2と一列に整列する。
第2領域35は分析ゾーンである。分析ゾーン35は、ハウジング30の第1の面40に形成された細長い凹み又は窪みによって画定される。したがって、分析ゾーン35は、第1の面40に開放端35aを有し、反対側に部分的閉鎖底端35bを有する。より詳細には、閉鎖底端35bの物理的境界は、分析ゾーン35の長さの一部を横切って延在するのみである。
一実施形態では、分析ゾーン35の相対する端部(すなわち、浸漬方向Iの先端及び終端)が機械加工を容易にするために丸められている。しかしながら、端部がどのような形状であってもよいことは、当業者には理解できる。
分析ゾーン35の一部は、サンプルチャンバ3の第1領域34を覆う。より詳細には、分析ゾーン35の先端部(すなわち、サンプルチャンバ3の浸漬端部16に近接している分析ゾーン35の先端部)は、第1領域34を覆いかつ第1領域34と直接連通する(図6参照)。したがって、第1領域34を覆う分析ゾーン35の部分は、閉鎖底端35bによって物理的に閉じられていない。第1領域34は、流入導管7と直接連通する分配ゾーンである。より詳細には、溶融金属は、流入導管7の第2端部22から分配ゾーン34に直接導入される。このように、流入導管7は、長手方向軸線Xに平行な方向に分配ゾーン34と直接流れ連通するように配置される。
ここでも、分析ゾーン35と分配ゾーン34との間に物理的な構造はない。しかし、これらは、本発明の実施のための規定された寸法に関して別個の領域と考えられる。特に、分析ゾーン35と分配ゾーン34との間の仮想境界は、図6の破線35cによって示されるように、本質的に、閉鎖底端部35bの延長部であり、分析ゾーン35と分配ゾーン34との間の境界35cは、閉鎖底端35bと同じであることを意味する。分析ゾーン35は、ここでより詳細に説明するように、分配ゾーン34を覆う均一な深さであることが好ましい。
集合的に、接続容積38、通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34は、サンプルチャンバ3の中空容積を形成する。通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34は、集合的に、溶融金属を受け取るキャビティを含み、溶融金属(より具体的には、溶融鋼又は溶融鉄)が長手方向軸Xに沿って導入され、集められ、続いて凝固して凝固金属サンプルSを形成し、最終的に直接分析されるサンプルキャビティを意味する。通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34は、連続した領域である。
図4及び図6を参照すると、ハウジング30の第1の面40は、接続容積38、通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34の窪みを取り囲む突起39を含む。より具体的には、ここでは突起39と呼ばれる隆起部分は、接続容積38、通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34の集合容積を周囲から囲む。突起39の上部又は末端リム39aは、好ましくは、第1の面40の残りの部分に対して(すなわち、第1の平面AFに対して)0.2mm〜0.5mm、より好ましくは0.3mmの高さにある。したがって、周辺の突起39の末端リム39aは、第1の面40の第1平面AFから離間した第2平面AP上にある。第2平面APは、ここでは分析平面と呼ばれる。サンプルチャンバ3が金属で充填されると、凝固した金属サンプルASの分析可能な表面ASは、ここより詳細に説明するように、分析平面AP内に位置する。
図5〜5Aに示すように、カバープレート32は、ハウジング30と同じ材料で形成される必要はない。ハウジング30と異なり、カバープレート32は、良好な導電体である材料で形成される必要はない。例えば、カバープレート32は、溶融シリカ又は耐火セラミック材料で形成されてもよい。しかし、好ましくは、カバープレート32は、ハウジング30と同じ材料で形成される。
好ましくは、組み立ての実用上の目的のために、カバープレート32は、ハウジング30とほぼ同じ幅及び長さである。しかしながら、カバープレート32は、このような寸法に限定されず、ハウジング30の幅及び長さよりも大きいか又は小さい幅及び長さを有してもよいことは理解できる。
カバープレート32は、第1側面又は面44と、対向する第2側面又は面46とを有する。カバープレート32は、好ましくは、第1の面44から第2の面46に延びる1mm〜5mmの厚さを有する。カバープレート32の第1の面44は、サンプルチャンバ3の組み立てられた構成においてハウジング30に面するように、より具体的には、ハウジング30の第1の面40に面するように構成される。シーリング部材31が、カバープレート32の第1の面44に設けられ、サンプルチャンバ3の組み立てられた構成においてハウジング30とカバープレート32との間に位置付けられる。シール部材31は、ガスシール部材であることが好ましい。より具体的には、シール部材31はガスケットである。ガスケット31は、好ましくは、サンプルチャンバ3の組み立てられた構成において、突起39を取り巻くか又は取り囲むように寸法決めされる。ガスケット31の形状は問わない。しかし、ガスケット31は、ハウジング30の第1の面40の突起39と同一形状に形成されていることが好ましい。
一実施形態では、ガスケット31は、好ましくは、シリコーン又は任意の類似のポリマーで形成される。ガスケット31は、カバープレート32とハウジング30との間に気密シールを提供する任意の材料から形成されてもよいことは、当業者には理解できる。ガスケット31の材料がカバープレート32の第1の面44に適用された後、ガスケット31は、カバープレート32がハウジング30と組み立てられクランプ4によって共に固定される前に乾燥され、これによりガスケット31がハウジング30に接着しないことを保証する。
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、ガスケット31を代替的にOリング又は平坦なガスケット材料として形成することができることが理解できる。例えば、別の実施形態では、ガスケット31は、平坦なガスケットとして適用されるプラスチック箔である。例えば、フラットガスケットは、3M(商標)製の表面保護テープ、製品番号4011aで形成することができ、好ましくは0.04〜0.1mmの厚さを有する。
図6に示すように、サンプルチャンバ3の組み立てられた構成では、カバープレート32及びハウジング30が分析平面APに沿って一緒に組み立てられて、分配ゾーン34、分析ゾーン35及び通気ゾーン36を含むサンプルキャビティを形成する。より具体的には、カバープレート32は、ハウジング30の突起39上に(すなわち、分析平面AP内に)載置され、ガスケット31がハウジング30の第1の面40に接触して、ガスケット31が突起39を取り巻くか又は取り囲む。より具体的には、サンプルチャンバ3の組み立てられた構成では、カバープレート32は分析平面AP内で突起39と面一になっており、ガスケット31の第1表面40に対するシールにより、ガスケットタイプの結合状態でハウジング30の第1表面40にシールされる。
したがって、カバープレート32は、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティを閉じる。ここでも、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティは、流入導管7から長手方向軸Xに沿って溶融金属が導入され、収集され、その後に急速に冷却されて凝固金属サンプルS(より具体的には、凝固した鋼ストリップサンプルS)を形成する容積である。このように、組み立てられたサンプルチャンバ3は、2つの開口部のみを有し、すなわち、流入導管7と連通する第1開口部20と、カプラー2と連通するガスポート33の開口部を有する。カバープレート32のどの部分も回収された凝固した金属サンプルの体積に寄与しない。サンプルキャビティに収容された凝固した金属サンプルSの分析表面は、分析平面AP内にある。さらに、第1開口部20及び関連の流入導管7並びにガスポート33及び関連のカプラー2は、分析平面APから離間され、交差しない。
以下では、各ゾーン34,35,36の長さLは、サンプルキャビティの長手方向軸線Xに平行でかつそれと一列に整列した寸法に関して記載されて、各領域34,35,36の幅Wは、長手方向軸線Xに垂直な寸法に関して記載される、各ゾーン34,35,36の深さDは、長手方向軸線Xに垂直でかつ幅寸法に垂直な寸法に関して記載されている。より詳細には、各ゾーン34,35,36の深さは、分析平面APに沿ったポイントから、各ゾーン34,35,36の底端又は境界まで測定される。これは、サンプルチャンバ3のサンプルキャビティの一方の端部はゾーン34,35,36によって、他方の端部は分析平面内にあるカバープレート32によって囲まれるからである。
長さL、幅W及び深さDの寸法は、図4、図6及び図11に最も明瞭に示されている。ここで説明する断面積寸法は、幅W寸法に深さD寸法を乗じたものに相当する(図11参照)。
分析ゾーン35は、8〜12mm、好ましくは10mmの幅WAを有する。分析ゾーン35の先端から終端(通気ゾーン36の先端に対応する分析ゾーンの終端)までの長さLAは、25〜35mm、好ましくは30mmである。分析ゾーン35の深さDAは、分析平面APに沿った点から閉鎖底端35b及び境界35c(すなわち、窪みの底面)まで延びている。分析ゾーン35の深さDAは1.5mmより大きく、3mm未満、好ましくは2mmである。分析ゾーン35の深さDAが1.5mm以下であると、得られた凝固した鋼サンプルSの所要の均質化を得られない。すなわち、分析ゾーン35の1.5mm〜3mmの深さDAは、本発明の重要な側面である。
一実施形態では、分析ゾーン35の幅WAは、長手方向軸Xに沿ってわずかに先細りになり、このように、分析ゾーン35の断面積(すなわち、図11に示すように、縦軸Xに垂直な平面に沿った分析ゾーン35の断面積)がサンプルチャンバ3の浸漬端部16近辺で最大となり、通気ゾーン36に向かってわずかに先細りになる。より詳細には、分析ゾーン35の幅を画定する壁(すなわち、第1の面40に垂直に延在する壁)は、長手方向軸Xの方向にわずかに先細りになり、これにより、分析ゾーン35の幅は分配ゾーン34の終点で大きくなり、通気ゾーン36に向かって、長手方向軸Xの方向に減少する。このように、分析ゾーン35は、凝固した金属サンプルSの薄い断面に不適切な応力を与えることなく、凝固する溶融金属の収縮に適応することができる。
流入導管7の断面積、すなわち図11に示すような長手方向軸Xに垂直な平面に沿った流入導管7の横断面積は、分析ゾーン35及び分配ゾーン34の断面積により決定される。好ましくは、流入導管7の断面積は、分析ゾーン35の断面積の0.5〜2倍である。より具体的には、流入導管7と分析ゾーン35の比は0.5より大きく2より小さい。好ましくは、流入導管7の断面積は、分配ゾーン34の最大断面積の0.20〜0.70倍であり、これにより、脱酸素剤の取り込みを含む、金属混合に必要な入口速度を低下させる。より好ましくは、流入導管7の断面積は、分配ゾーン34の最大断面積の0.55倍である。流入導管7の断面積が小さすぎる(すなわち、分析ゾーン35の断面積の0.5倍未満及び/又は分配ゾーン34の最大断面積の0.20倍未満)場合、最適な脱酸素剤の混合を達成し、乱流を減少させるための流入溶融金属の減速が十分でなく、充填が不十分である。流入導管7の断面積が大きすぎる(すなわち、分析ゾーン35の断面積の2倍より大きく、及び/又は分配ゾーン34の最大断面積の0.70倍より大きい)場合、分配ゾーン34は、満たされると、より多くのハウジング30質量によって除去されなければならない溶融金属サンプルに顕熱を加え、これにより経済的解決策からさらに遠ざかる。
分配ゾーン34は、先に説明したように、分析ゾーン35の下にあり、したがって、分析ゾーン35の全長LAに影響を与えない。分配ゾーン34の容積は、分析ゾーン35によって画定され、より具体的には、境界35c、その上端、ならびに対向する側壁34a、34b及びその底面34cによって境界が定められている(図11参照)。側壁34a、34bは、分析平面APに対して実質的に垂直である。分配ゾーン34の幅WD(すなわち、側壁34a、34bをまたがる距離)も、好ましくは、分析ゾーン35の幅WAを超えず、好ましくは流入導管7の内径以上である。好ましくは、分配ゾーン34の幅WDは、流入導管7の内径に等しい。分配ゾーン34の底面34cの第1部分(すなわち、分析ゾーン35に対向する表面)は、長手方向軸Xに平行な水平面内に延在する。底面34cの第2の部分は傾斜しており、より具体的には角度αで上方に延在しており、分析ゾーン35の閉鎖底端35bと40°〜90°、好ましくは60°の角度αで交差している。分配ゾーン34はこの交差点で終了する。このように、分配ゾーン34の深さは、溶融金属の流れ方向に沿って、流入導管7からガスカプラー2に向かって減少する。
通気ゾーン36の深さDVは約±0.1mmの範囲にあり、通気ゾーン36の長さLVは約5mmであり、通気ゾーン36の幅WVは分析ゾーン35の幅WA以下であることが好ましい。通気ゾーン36の深さDVは、サンプルチャンバ3の浸漬端部16に近接する端部で最大である。すなわち、通気ゾーン36の深さDVは、浸漬方向Iから接続容積38に向かってわずかに減少する。より詳細には、通気ゾーン36の深さDVは、分析ゾーン35の終端から通気ゾーン36の終端まで徐々に1〜0.1mm減少させることが好ましい。
分配ゾーンの端部の後ガスカプラー2までのサンプルキャビティの幅の増加、又は流入導管7からガスカプラー2に向かう溶融金属の流れ方向のサンプルキャビティの深さ寸法の増加はない。これにより、凝固中に収縮する金属が自由に流入導管7に向かって移動できる。
分析ゾーン35の断面積(すなわち、分析ゾーン35の幅WAに分析ゾーン35の深さDAを乗じたもの)は、通気ゾーン36の断面積の2.5〜10倍である(すなわち、通気ゾーン36の幅WVに通気ゾーン36の深さDVを乗じたもの)である。したがって、通気ゾーン36の最大断面積は2〜8mm2である。
図8〜図9Aは、以下に説明するような、ハウジング60及びカバープレート62の構成の特定の差異を除いて、サンプルチャンバ3と本質的に同様の代替サンプルチャンバを示す。ハウジング60は、接続容積68、通気ゾーン66、分析ゾーン65及び分配ゾーン64を含み、それらはそれぞれハウジング30の接続容積38、通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34に相当する。ハウジング60には、サンプルチャンバ3のガスポート33と同様、その一端にガスポート63があり、サンプルチャンバ3の流入導管7と同様、流入導管67も設けられている。ハウジング60はまた、分析面であって第1平面AF内に延びる第1の側面又は面70と、対向する第2の面72とを有する。ハウジング30とは異なり、ハウジング60は、隆起した突起(すなわち、ハウジング30の隆起した突起39)を含まない。図9〜9Aに示すように、カバープレート62は、サンプルチャンバの組み立てられた構成においてハウジング60に面するように構成された第1の面74を有する。ガスケット61は、カバープレート62の第1の面74に設けられ、サンプルチャンバの組み立てられた構成において、ハウジング60とカバープレート62との間に配置される。カバープレート62は、サンプルチャンバ3のカバープレート32とは異なり、その第1の面74から延在する隆起した中央部分69をさらに含む。隆起した中央部分69は、0.2〜0.5mm、好ましくは0.3mmの高さを有する。ガスケット61は、隆起した中央部分69を取り巻くか、又は取り囲む。
サンプルチャンバの組み立てられた構成では、カバープレート62の隆起した中央部分69はハウジング60と面一になり、ガスケット61はハウジング60の第1の面70に密封する。したがって、カバープレート62は、ハウジング60の材料からくり抜かれたサンプリングチャンバの開放容積を閉じて、接続容積68、通気ゾーン66、分析ゾーン65及び分配ゾーン64を形成する。この実施形態では、分析平面は分析面のAF平面に等しい。
図10を参照すると、代替的な実施形態であるサンプルチャンバ3,3’があり、さらにストリップ71の形の脱酸素剤を含む。図6に示すサンプルチャンバ3を説明するために使用される様々な参照番号は、図10に関して繰り返されるが、これらは図6に関して既に説明したのと同じ構成要素を特定するので、図10の説明において繰り返さない。脱酸素剤は、好ましくはアルミニウムであるが、ジルコニウム、チタン又は当業界で公知の他のそのような脱酸素剤であってもよい。脱酸素剤ストリップ71の幅及び厚さは、それぞれ約2mm及び0.1mmである。脱酸素剤ストリップ71は、流入導管7の第2端部22上の曲げ部73によって浸漬方向Iと反対側の第2端部22で流入導管7に固定され、これによって、パージガスが金属脱酸素剤ストリップ71を溶融浴に押し込む力に抵抗する。金属脱酸素剤ストリップ71の長さは、好ましくは、測定ヘッド5によって囲まれた流入導管7の長さと同じ長さである。好ましくは、流入導管7に位置する金属脱酸素剤ストリップ71の部分72は、流入導管7壁に対して垂直にその幅を配置するように、少なくとも90°ねじられる。
溶融金属、特に溶融鋼又は溶融鉄の浴からのOESの分析に適した本発明の溶融金属サンプルを回収することは、以下の手順によって達成される。プローブ10は、シンプルなプッシュオン、プルオフ式コネクタ23を用いてプローブホルダに空気圧的に結合される。コネクタ23は、カプラー2によってサンプリングチャンバ3に直接取り付けられているか、又は空気圧ラインによって結合された距離にある。ガス回路の閉鎖は、不活性パージガスのわずかな過圧を提供する。機械的利点のためにプローブホルダを使用して、プローブ10を溶融金属浴に浸漬し、金属表面の下の所定の距離に所定の時間維持する。この浸漬中、金属表面上に浮遊しているスラグを通過する間に破壊に耐えるように設計された測定ヘッド5の保護キャップ9が溶融して、より小さな、流入導管7の保護キャップ8を露出させる。第1保護キャップ4が引き続き溶融すると、不活性ガスの過圧が解放され、不活性パージガスがプローブホルダからガスコネクタ23(存在する場合)及びカプラー2を通って接続容積38、通気ゾーン36、分析ゾーン35、分析ゾーン35の下にある分配ゾーン34、及び流入導管の内部容積7aに流れる。ガスコネクタ23(存在する場合)及びカプラー2は接着剤26によって実質的に気密的にハウジング30に接着され、流入導管7は接着剤27によって実質的に気密的にハウジング30に接着される。より詳細には、流入導管7の第2端部22は、ハウジング30内に完全に収容され、接着剤27によって実質的に気密的に接着されている。
このパージガスは、サンプリングチャンバ3内の最初の潜在的な酸化周囲雰囲気を除去し、そして、数秒間継続して流れて、測定ヘッド5に付着した第2保護キャップ9の残部及びスラグを洗い流す。空気圧バルブは、パージガスの方向が反転されて過圧を除去するように、特に、サンプルチャンバ3内の過圧を上記の逆経路によって排気し、サンプルチャンバ3から排出することによって、瞬時にパージから排気又は真空に切り替えられる。これにより、溶融金属浴からの溶融金属(図示せず)が流入導管7に流入して充填し、さらに流入導管7の容積部7aからサンプルチャンバ3の分配ゾーン34に注ぐ。次いで、溶融金属は、分配ゾーン34上の分析ゾーン35に供給され、分析ゾーン35を充填する。溶融金属の一部は、サンプルチャンバ3の第2端部のカプラー2に向かって流れ続け、それによって、狭い通気ゾーン36を少なくとも部分的に又は完全に充填する。プローブホルダは今度反対方向に移動し、充填されたサンプルチャンバを溶融浴から取り出す。当業者であれば、空気圧補助サンプリングを実施するのに必要なプローブホルダと空気圧バルブとスイッチの基本的な説明は、当該技術分野で知られており、本発明の一部ではないことを理解できる。
回収された小さいサイズの溶融金属は、測定プローブが処理容器から取り出されるときでさえも、ハウジング30及びカバープレート32によって冷却される。溶融サンプルからの熱抽出速度は、1分以内に1750℃の高温の溶融金属を100℃又は室温まで冷却し、これは、従来のサンプリングで必要とされるすべての外部冷却を実質的に排除し、高温の金属表面を酸素含有雰囲気に曝すときに通常起こる表面酸化の可能性を排除して即座に脱型することを可能にする。
通気ゾーン36内のわずかな先細り形状は、ガスカプラー2に到達する前に溶融金属の冷却を促進し、凝固した金属サンプルが分析ゾーン35に向かって収縮することを保証する。より具体的には、通気ゾーン36を満たす溶融金属は、接続容積38に達する前に通気ゾーン36内で完全に凍結することが好ましい。
サンプルチャンバ3に収集された溶融金属の急速な冷却は、主にサンプルチャンバ3の質量(すなわち、カバープレート32の質量にハウジング30の質量を加えたもの)と、収集され、塊に変換された溶融金属の質量との関係によって達成される。約7g/cm3の溶融密度を有する溶融鋼、又は約6.8g/cm3の溶融密度を有する溶融鉄の場合には、サンプルチャンバ3の質量と、サンプルチャンバ3内に収集された溶融金属の質量(そこに収集された体積に基づいて計算される)の比は、酸化物を含まない分析表面ASを確実にするために、好ましくは9〜12、好ましくは10の範囲である。
したがって、分析ゾーン35、通気ゾーン36及び分配ゾーン34の内部空間は特定の寸法基準を満たさなければならないが、(カバープレート2及びハウジング30からなる)サンプルチャンバ3の全体的な寸法も一定の基準を満たさなければならない。サンプルチャンバ3の質量とサンプルチャンバ3内に収集された溶融金属の質量との所望の質量比を達成するためである。当業者であれば、ハウジング30又はカバープレート32の全体的な幅、及び/又は深さ、及び/又は長さを、必要に応じて調整して、サンプルキャビティを作成するために必要な内部空間を変更することなく、ハウジング30の質量を増加又は減少させることができることを理解できる。
特に、流入導管7の第2端部22とガスカプラー2の両方がサンプルハウジング内に完全に含まれるような、両方の外径が調整可能な場合、ハウジング30の1つ以上の寸法は容易に調整でき、サンプルチャンバ3の質量(カバープレート32がサンプルチャンバ3の質量の10〜20%を占める)が、金属サンプルSの質量の9〜12倍、好ましくは10倍のような質量比要求を容易に満たすことができる。
好ましくは、溶融金属は、分析ゾーン35において、カバープレート32に当接して、より詳細には、カバープレート32の第1表面44に当接して凍結し、それにより、サンプルSの分析中に発光分光器のステージ上に下向きになるように構成される、サンプルSの分析表面ASを形成する。分析表面ASは、カバープレート32の第1の面44が突起39によって形成された表面と直接接触する平面内に延在する(すなわち、分析平面AP)。例えば、図1〜7Aに示す実施形態では、分析表面ASは、ハウジング30の突起39と同じ平面、すなわち分析平面APに延在する。より具体的には、凝固した金属サンプルSのカバープレート32の第1表面44に当接する分析表面ASと金属突起39との両方が分析平面APを広げて、OESの開口を閉じるのを助ける。図8〜8Aの実施形態では、ここでさらに詳しく説明するように、分析表面ASは、カバープレート62の隆起した中央部分69とハウジング60の第1の面70とが面一になる平面内に延在している。
このようなサンプルチャンバ3内で溶融金属が凍結すると、凝固した金属サンプルSは、ハウジング30と不可分的に形成される。測定ヘッド5は容易に破砕され、サンプリングチャンバ3をキャリアチューブ1から前方の浸漬方向Iから取り外すことができる。2つの部分からなるサンプルチャンバ3を保持するクリップ4は取り外される。従来のサンプリング装置と異なり、サンプルSはサンプルハウジング30に取り付けられたままである。したがって、ここで「サンプル」という用語は、OESに送達される金属片を指す場合、回収された凝固サンプルとサンプルハウジング30との不可分の組み合わせを指す。
次いで、サンプルSは、従来の手段によってOESに送達され、表面処理なしにOESによって直接分析される。サンプルSの急速な冷却は、脱型工程中に通常遭遇する表面酸化を回避する。これにより、機械的研削の必要性がなくなり、サンプルSの迅速な分析が可能になり、これらの結果を待つ金属プロセスに化学特性を報告することができる。流入導管7及びガスポート33(及びガスカプラー2)は、ハウジング30内に配置され、分析平面(及び分析面40の下側)から離れて、より具体的には下方に配置されており、従来技術のような、これらの構成要素が金型分割線に沿って位置するクラムシェル型で普通にあるような両側に跨っているのものではないので、酸化物のない表面を得るために流入導管7とガスカプラー2をハウジング30から取り外す必要はなく、したがって凝固した金属サンプルを処理せずにOES上に直接置くことができる(すなわち、無処理分析)。すなわち、流入導管7及びガスポート33/ガスカプラー2が分析平面APと干渉しないように、流入導管7及びガスポート33/ガスカプラー2は分析平面APと交差しない。
サンプルSとハウジング30との不可分性は、分析平面に沿った凝固金属の両側のハウジング30の延長をもたらし(すなわち、突起39による)、従来技術に対して複数の改善をもたらす。従来技術のサンプルは、OESの分析開口部を完全に覆い、したがって許容可能な金属サンプルに必要とされるよりも多くの材料を有するサンプルサイズを有する。OESの間、スパークはOESサンプルステージのエッジ材料に飛びついてはならないので、この開口部は前述のように意図的にかなり大きい。分析中に不活性ガスがスパークチャンバ内にパージされ、分析されるサンプルSと分光器ステージとの間の漏れが許容できない。
本発明は、サンプルSとハウジング30との不可分性を利用して、分析開口部を覆うためのハウジング30の表面の一部も提供する。伸長軸に垂直に伸びるサンプラーハウジング30は、分析ゾーンをOESスパークの燃焼領域よりわずかに大きいものとすることを可能にする。このサンプラーハウジング30による分析平面APの拡張により、サンプラーハウジング30の分析ゾーン35を充填する溶融金属の体積は、はるかに小さくすることができる。この減少した体積は熱入力を減少させるので、分配ゾーン34、分析ゾーン35及び通気ゾーン36を充填する溶融金属の熱は、従来技術の装置よりも実質的に少なく、したがって、急速に冷却して所望の非分離金属サンプルを達成できる。
図7〜7Aには、分解されたサンプルチャンバ3が示されている。より具体的には、図7〜7Aは、ハウジング30と、その中に含まれる、不可分的に凝固した金属サンプルSとを示す。カバープレート32はハウジング30から分解されたので、示していない。図7〜7Aに示す形態の凝固した金属サンプルSを含むハウジング30は、OESによる直接分析に使用することができる。分析表面ASは、金属充填分配ゾーン34の上に位置する分析ゾーン35に形成されたサンプルSの部分55の表面を含む。分析ゾーン部分55から延びてこれに隣接するサンプルSの残りの部分56は、通気ゾーン36内、及び、最後のルートとして、おそらくは接続容積38内に流入して、凝固した金属で構成される。しかしながら、ここでより詳細に説明するように、サンプルキャビティの全セグメントの所望の長さ対深さ(L/D)比が確実に満たされるように、溶融金属は接続容積38に流入しないことが好ましい。したがって、サンプルSの残りの部分56は、後のOES分析に影響を及ぼさない不規則構造58などの不規則性を含むことができる。分析面ASは分析平面AP内にあり、分析平面APを壊す可能性のある部品又は外来付着材は存在しない。
上述したように、サンプルチャンバ3の様々なゾーン34,35,36は、サンプルチャンバ3内に形成された凝固した金属サンプルSの異なる部分に対応する。このように、通気ゾーン36、分析ゾーン35及び分配ゾーン34の寸法は、そこに形成される凝固した金属サンプルSの様々な部分の寸法に対応する。例えば、各ゾーン36,35,34の深さは、凝固した金属サンプルSの対応する部分の厚さに対応する。特に、各ゾーン34,35,36の深さDに対する長さLの比(L/D)(ひいては、サンプルSの様々なセグメントの対応の比)は、本発明の重要なパラメータである。特に、分配ゾーン34、分析ゾーン35及び通気ゾーン36は、好ましくは、浸漬端部16の近くから対向する端部18の近くまで延びる複数の連続セグメントとして構成されている。各セグメントは、長さ/深さ(L/D)比を有する。これらセグメントのL/D比は、第1開口部20からの距離が増加するにつれて漸次増加する。すなわち、一のセグメントのL/D比は、浸漬端部16から反対端部18に向かう方向における隣接する先行の同じ長さのセグメントのL/D比よりも大きい。これは、結果として得られるサンプルSの厚さが、一のセグメントから次のセグメントへと同じ方向において(すなわち、流れ方向において)減少することを意味する。
上述したように、サンプルチャンバ3の様々なゾーン34,35,36の基本的な幾何学形状がすべて計算され、設計パラメータの経済的な選択を使用して、重要パラメータであるL/D比を満たすことができる。上述したゾーン又はセグメントのいずれかの各断面において、サンプルチャンバハウジング30は、流入導管7からガスカプラー2まで延び長手方向軸Xに沿った方向におけるサンプルキャビティの深さDの寸法の多様な変化(特に増加)なしに金属サンプルSの凝固を容易にする。同じ方向のサンプルSの厚さ寸法においても同様である。
凝固及び室温への冷却の間のサンプルSの亀裂形成を回避するために、本明細書で詳細に説明するように、サンプルキャビティの全長(すなわち、分析ゾーン35の長さLAに通気ゾーン36の長さLVを加えたもの)に沿ったサンプルキャビティの全セグメントのL/D比の合計を、対応するセグメントの平均深さDで割った値(すなわち、比L/D)は25より大きくなければならない。すなわち、サンプルキャビティの個々のセグメントのそれぞれのL/D比の合計は25より大きくなければならない。個々のセグメントのL/D比は、サンプルキャビティの全長Lが考慮される限り、等間隔のセグメント又は集められたグループとして選択することができる。好ましくは、各セグメントのL/D比は、浸漬端部及び流入導管7からガスカプラー2に向かう方向に増加する(すなわち、サンプルキャビティの深さ及びそれに対応してサンプルSの厚さが減少する)。
L/D比をより良く説明するために、図12は、分配ゾーン34、分析ゾーン35及び通気ゾーン36を含むサンプルキャビティの複数のセグメントを示す。総L/D比を計算するために、サンプルキャビティ(ひいてはサンプルSも)を以下のように分割することができるが、別の方法で分割することができる。
サンプルキャビティの第1セグメントS1は、分析ゾーン35の第1部分と、その下にある分配ゾーン34の第1部分とを含む。第1セグメントS1は、分析ゾーン35の第1端部80及び流入導管7に近接する分配ゾーン34から第1中間点84まで延びる長さLS1を有する。第1中間点84は、分配ゾーン34の底面34cが通気ゾーン36に向かって上方に角度を生じる直前のハウジング30内の点に対応する。一般に、第1セグメントS1の長さLS1は、流入導管7の直径、より具体的には内径と等しいか又はそれより小さい。より好ましくは、第1セグメントS1の長さLS1は、流入導管7の半径に等しい。第1セグメントS1の深さは、第1セグメントS1が形成された分析ゾーン35と分配ゾーン34の対応する部分の深さの合計である。第1セグメントS1に対応する分配ゾーン34の深さは、境界35cから水平方向の底面34cまで測定され、流入導管7の計算された直径に1mmを加えた値に等しい。
サンプルキャビティの第2セグメントS2は、分析ゾーン35の第2の部分と、その下にある分配ゾーン34の第2の部分とを含む。第2セグメントS2は、第1セグメントS1から、より具体的には第1の中間点84から、底面34cが分析ゾーン35の底端35bと交差するハウジング30内の点に対応する第2の中間点86まで延びる長さLS2を有する。交叉角度は一般的に既知である(例えば、角度は好ましくは60°である)ので、第2セグメントS2の長さLS2を計算することができる。第2セグメントS2の深さは、分析ゾーン35及び分配ゾーン34の対応する部分の深さによって定義され、ここでDは、当該セグメントの浸漬端部からの方向における最大深さと、当該セグメントの浸漬端部の反対端部における最大深さとの和とされる(両方とも2で割ったものである。)。この計算は、長さにわたって深さの変化を示すすべてのセグメントで使用できる。
サンプルキャビティの第3セグメントS3は、分析ゾーン35の残りの部分を含み、第2中間点86から、分析ゾーン35の終端とハウジング30の通気ゾーン36の始端に対応する第3中間点88まで延びる長さLS3を有する。分析ゾーン35の全長が分かっているので、第3セグメントS3の長さLS3は一般に容易に計算することができる。第3セグメントS3は、分析ゾーン35の対応する部分の深さに等しい深さを有する。
サンプルキャビティの第4セグメントS4は、通気ゾーン36を含む。通気ゾーン36の深さは、機械加工を容易にするために選択されているが、このパラメータの範囲内で等しく有効な他の深さも選択できる。
本発明のような、溶融金属を高均質性の亀裂のないサンプルに凝固させるサンプルハウジング30を作製するために、以下の実施例は本発明による例示的な構成を提供するが、他の多くの構成も本発明の範囲に含み得ることは理解できる。
実施例1
アルミニウム製のサンプルハウジング30は、図1〜6に従って機械加工されている。分析ゾーン35は、分配ゾーン34の上方において2mmの均一な深さDAを有する。実施例1の分析ゾーン35の表面積は、OES分析に望ましい分析スポットの数から決定される。より多くの表面積を提供することができるが、2〜4の分析スポットが一般的であり、4分析スポットが好ましい。典型的なOES分析スポットは6〜8mmであり、スポットを重ね合わせないことが望ましいので、分析ゾーン35の長さLAは3つの分析スポットを収容するために25mmとした。選択されたスポットの数は本発明を変更しないことは理解できるが、当業者は、サンプルS、及びサンプルチャンバ3のすべての構成要素の長さを増やすことが分光器のサイズについての実用上の考慮によってのみ制限されることを理解したうえで、より多くのスポットを選択することができる。また、サンプルチャンバ3のサイズが大きくなると、材料コストが高くなり、経済的な解決策が得られなくなる。より少ない分析スポットも選択することができるが、通常は2スポットが最小である。
分析ゾーン35の幅WAは同様に10mmとし、最大断面積(すなわち、深さ×幅)が浸漬方向Iに向くように、断面においてわずかに先細りになる。したがって、浸漬方向Iに位置する分析ゾーン35の最大断面積、より具体的には流入導管7に近い断面積は、20mm2(すなわち、深さ2mmに幅10mmを乗じたもの)である。流入導管7の断面積が分析ゾーン35の断面積の0.5〜2倍であるので、本実施例の流入導管7の断面積は10〜40mm2とすることができる。流入導管7は石英管である。従って、流入導管7の内径は3.5〜7.1mmである。この実施例では、流入導管7の内径は4mm(すなわち、12.6mm2の断面積)である。流入導管7の断面積が分配ゾーン34の最大断面積の0.20〜0.70倍であるので、分配ゾーン34の断面積は約18〜63mm2である。分配ゾーン34の底面34cの第2部分は、分析ゾーン35の底端35bと60°の角度で交差する。
通気ゾーン36の断面積は最大部分において2mm2である。分析ゾーン35の幅は10mmであるので、通気ゾーン36の平均深さDVは0.2mmである。
したがって、実施例1のハウジング30を使用して作成されたサンプルSの分析部分は、25mmの長さ及び2mmの厚さ(すなわち、分析ゾーン35の寸法に対応する)を有する。分配ゾーン34について最初にL/D比が計算される。分配ゾーン34は、分析ゾーン35の境界35cから分配ゾーン34の水平底面34cまでの第1深さを有し、これは計算された流入導管7の内径(すなわち4mm)に1mmを加えた値に等しい。この深さは、流入導管7の第2端部22から、流入導管7の内径(すなわち、4mm)に等しい距離だけ続く。第1セグメントS1のL/D1は、第1セグメントS1の長さLS1(4mm)を、第1セグメントS1の全深さ(分析深さ2mm+1mm+流入導管内径4mm)で割った値であり、これは4/7又は0.57に等しい。
分配ゾーンの底部は、今度は傾斜しており、好ましくは分析ゾーンの底部と交差するまで60度で傾斜している。分配ゾーン34の底面34cと分析ゾーンの底端35との間の交差角度が60°であるので、第2セグメントS2の傾斜部分は、点84から2.9mm後の距離で、分析ゾーンの底部と点86で交差する。したがって、第2セグメントS2のL/D2は、第2セグメントの長さLS2(2.9mm)を第2セグメントS2の全深さ(S2の深さとして、84に沿った最大深さ7と86に沿った深さ2の和を2で割ったものに等しく、すなわち、9/2)で割ったものであり、セグメントS2のL/Dは2.9/4.5又は0.64に等しい。
第3セグメントS3は、分析ゾーン35の深さ(すなわち2mm)のみに等しい深さと、分析ゾーン35の長手方向表面の初期計算値25mmの残りの長さに対応する長さLS3(すなわち、25mm−6.9mm=18.1mm)とを有する。したがって、第3セグメントS3のL/D3は9.05である。
このサンプルハウジング30を設計するために計算する第4セグメントS4は、通気ゾーン36に対応する。第4セグメントS4の長さ(すなわち、通気ゾーン36の長さ)は未知であり、全セグメントのL/Dの合計が25より大きいという基準によって決定される。例えば、通気ゾーンの長さが2mmで、深さが0.2mmの場合、これでL/D4値が10になるため、サンプルSのすべてのセグメントのL/D比の合計(すなわち、0.57+0.64+9.05+10)は20.3となる。この合計が25より大きくないので、この例では通気ゾーン36の長さ2mmが許容されないことは明らかである。むしろ、総L/D> 25を達成するために、通気ゾーン36の長さは最小値として3mmが必要である。この実施例では、通気ゾーン36の長さは5mmとされ、したがって、合計(L/D)=35.3は、すべての経済的可能性のほぼ中間区間にある(すなわち、25<合計(L/D)<50)。
このように、各セグメントの長さは測定可能な限り小さくても、必要なアウトプットを提供できることが示されている。より小さいセグメントは、個々のセグメント値L/Dを流入導管7からガスカプラー2の方向に減少させることができないような基準に適合するうえで、設計者にとって望ましい。
必要な質量比が9対12であることを考慮すると、この実施例のサンプルチャンバ3は、約56gの質量のハウジング30と、約9.4gの質量を有するカバープレートとを有し、6gのサンプルを回収し、冷却する(すなわち、10.9の質量比)。
実施例1は、本発明の特に好ましい実施態様を示す。
実施例2
アルミニウム製のサンプルハウジング30は、図1〜6に従って機械加工されている。分析ゾーン35は、分配ゾーン34の上方において2mmの均一な深さDAを有する。分析ゾーン35の長さLAは4つの分析スポットを収容するために32mmとした。
分析ゾーン35の幅WAは同様に10mmとし、最大断面積(すなわち、深さ×幅)が浸漬方向Iに向くように、断面においてわずかに先細りになる。したがって、浸漬方向Iに位置する分析ゾーン35の最大断面積、より具体的には流入導管7に近い断面積は、20mm2(すなわち、深さ2mmに幅10mmを乗じたもの)である。流入導管7の断面積が分析ゾーン35の断面積の0.5〜2倍であるので、流入導管7の断面積は10〜40mm2とすることができる。流入導管7は石英管である。従って、流入導管7の内径は3.5〜7.1mmである。この実施例では、流入導管7の内径は5mm(すなわち、19.6mm2の断面積)である。流入導管7の断面積が分配ゾーン34の最大断面積の0.20〜0.70倍であるので、分配ゾーン34の断面積は約28〜98mm2である。分配ゾーン34の底面34cの第2部分は、分析ゾーン35の底端35bと60°の角度で交差する。
通気ゾーン36の断面積は最大部分において1mm2である。分析ゾーン35の幅は10mmであるので、通気ゾーン36の平均深さDVは0.2mmである。
したがって、実施例1のハウジング30を使用して作成されたサンプルSの分析部分は、32mmの長さ及び2mmの厚さ(すなわち、分析ゾーン35の寸法に対応する)を有する。分配ゾーン34について最初にL/D比が計算される。分配ゾーン34は、分析ゾーン35の境界35cから分配ゾーン34の水平底面34cまでの第1深さを有し、これは計算された流入導管7の内径(すなわち5mm)に1mmを加えた値に等しい。この深さは、流入導管7の第2端部22から、流入導管7の内径(すなわち、5mm)に等しい距離だけ続く。第1セグメントS1のL/D1は、第1セグメントS1の長さLS1(5mm)を、第1セグメントS1の全深さで割った値(深さ2mm+1mm+流入導管内径5mm)であり、これは5/8又は0.625に等しい。
分配ゾーンの底部は、今度は傾斜しており、好ましくは分析ゾーンの底部と交差するまで60度で傾斜している。分配ゾーン34の底面34cと分析ゾーンの底端35との間の交差角度が60°であるので、第2セグメントS2の傾斜部分は、点84から3.5mm後の距離で、分析ゾーンの底部で交差する。したがって、第2セグメントS2のL/D2は、第2セグメントの長さLS2(3.5mm)を84での最大深さ8mm+86での最大深さ2mmの和/2=5mmで割ったものであり、セグメントS2のL/Dは3.5/5又は0.7に等しい。
第3セグメントS3は、分析ゾーン35の深さ(すなわち2mm)のみに等しい深さと、分析ゾーン35の長手方向表面の初期計算値32mmの残りの長さに対応する長さLS3(すなわち、32mm−8.5mm=23.5mm)とを有する。したがって、第3セグメントS3のL/D3は11.75である。
このサンプルハウジング30を設計するために計算する第4セグメントS4は、通気ゾーン36に対応する。第4セグメントS4の長さ(すなわち、通気ゾーン36の長さ)は未知であり、全セグメントのL/Dの合計が25より大きいという基準によって決定される。例えば、通気ゾーンの長さが2mmで、深さが0.2mmの場合、これでL/D4値が10になるため、サンプルSのすべてのセグメントのL/D比の合計(すなわち、0.625+0.7+11.75+10)は23.07となる。この合計が25より大きくないので、この例では通気ゾーン36の長さ2mmが許容されないことは明らかである。この実施例では、通気ゾーン36の長さは5mmとされており、これにより、合計(L/D)=48は、すべての経済的可能性のほぼ上限近くにある(すなわち、25<合計(L/D)<50)。
このように、各セグメントの長さは測定可能な限り小さくても、必要なアウトプットを提供できることが示されている。より小さいセグメントは、個々のセグメント値L/Dを流入導管7からガスカプラー2の方向に減少させることができないような基準に適合するうえで、設計者にとって望ましい。
当業者であれば、金属サンプルSの全ての寸法をハウジング30の寸法に基づいて計算することができることは、上記の実施例から理解することができる。
プローブ10、特にサンプルチャンバ3は、従来技術の通常の従来のサンプリング装置が使用されるすべてのサンプリング用途に使用することができる。本発明の利点は、金属プロセスが非常に速く、金属の過処理及び/又は熱の過剰処理により、時間及び材料の点で追加の高コストを招く可能性があるが、プロセスの場所で容易に入手可能な金属化学特性によって避けられた可能性があるということに照らせば、理解することができる。
本発明は、以下の要件を満たす金属の凝固サンプルを提供することによって、従来技術の欠点に対する解決策を提供する。
・発光分光計で分析される金属サンプル、
・ガス多孔性及びスラグ付着のない固体金属サンプル、
・OESの表面からアノードまでの距離を固定する流体フローラインのない平坦な、採取された分析表面、
・酸化のないサンプル表面、
・金属及び非金属偏析の領域を除去する、分析平面に垂直な最大厚さの均質金属サンプル、
・約10mm×30mmにわたるサンプル分析表面を有し、それによって少なくとも2個、好ましくは4個のスパークを得るのに十分な表面積を提供する、
・サンプル分析面の平面が、0.1mm未満のばらつきでサンプルハウジング30(すなわち、突起39)によって両方の表面方向に中断することなく延長されるように、サンプルハウジング中のサンプリングされた金属が冷却される平面と同じ平面にあるサンプル表面。
当業者であれば、本発明の広い概念から逸脱することなく、上述した実施形態に変更を加えることができることが理解できる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲内の変更をカバーすることが意図されていることが理解される。

Claims (8)

  1. 溶融金属浴からサンプルを採取するためのサンプラーであって、
    カバープレートとハウジングを有するサンプルチャンバのアセンブリを備え、前記ハウジングは、流入導管が設けられた浸漬端部を有し、サンプルキャビティを含み、前記サンプルキャビティは、前記流入導管と流れ連通状態にある分配ゾーンと、前記分配ゾーンに隣接する分析ゾーンと、前記分析ゾーンに隣接し前記分析ゾーンの前記溶融金属流れ方向の下流にある通気ゾーンを有し、前記分析ゾーンの一部は前記分配ゾーンの上にあり、
    前記流入導管の断面積は、前記分析ゾーンの断面積の0.5〜2倍であって、前記分配ゾーンの最大断面積の0.20〜0.70倍であり、
    前記分析ゾーンは、1.5より大きく3mm未満の深さと、あらかじめ決められた数の分析スポットに基づいて選択された長さと幅とを有し、
    前記通気ゾーンは、0.1〜1mmの深さと、前記分析ゾーンの幅以下の幅と、計算可能な長さとを有し、
    前記サンプルキャビティの寸法は、以下のように連続した4つのセグメントに形成され:
    前記分析ゾーンの第1部分とその下にある前記分配ゾーンの第1部分とを有する第1セグメントであって、前記流入導管の内径に等しい長さL1と、前記分析ゾーンの深さ+前記流入導管の内径+1mmの合計に等しい深さD1を有する第1セグメント、
    前記分析ゾーンの第2部分とその下にある前記分配ゾーンの第2部分とを有する第2セグメントであって、前記分配ゾーンの第2部分の底面は、前記分析ゾーンの底面と40°〜90°、好ましくは60°の角度で交差し、前記交差角度に基づいて計算可能な長さL2と、前記分析ゾーンの最大深さと前記深さD1との和を2で除したものに等しい深さD2を有する第2セグメント、
    前記分析ゾーンの残余第3部分を有する第3セグメントであって、前記分析ゾーンの長さから前記第1セグメントの長さL1及び前記第2セグメントの長さL2を差し引いたものに等しい長さL3と、前記分析ゾーンの深さに等しい深さD3を有する第3セグメント、
    前記通気ゾーンを有する第4セグメントであって、前記通気ゾーンの前記計算可能な長さに等しい長さL4と、前記通気ゾーンの深さに等しい深さD4を有する第4セグメント、
    前記4つの連続したセグメントは、次の式を満たす
    (L1/D1)+(L2/D2)+(L3/D3)+(L4/D4)>25
    サンプラー。
  2. 前記サンプルキャビティ及び前記流入導管が、共通の長手方向軸に沿って一列に整列されていることを特徴とする請求項1に記載のサンプラー。
  3. 前記溶融金属の流れ方向において、前記分配ゾーンの終わりの後、前記サンプルキャビティの幅寸法の増加がないことを特徴とする請求項1又は2に記載のサンプラー。
  4. 前記分析ゾーン及び前記通気ゾーンの全長は20〜50mm、好ましくは30mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のサンプラー。
  5. 前記分析ゾーンは、前記分配ゾーンの上方に均一な深さを有し、前記分析ゾーンの断面積は、前記溶融金属の流れ方向において徐々に先細りになることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサンプラー。
  6. 前記通気ゾーンの断面積が前記溶融金属の流れ方向に徐々に先細りになることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサンプラー。
  7. 前記分配ゾーン、前記分析ゾーン及び前記通気ゾーンは、連続した複数のセグメントとして構成され、各セグメントが長さ対深さ比を有し、前記複数のセグメントの前記長さ対深さ比の和が25より大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のサンプラー。
  8. 前記分配ゾーン、前記分析ゾーン及び前記通気ゾーンは、連続した複数のセグメントとして構成され、各セグメントが長さ対深さ比を有し、前記各セグメントの前記セグメント長さ対深さ比は、前記第1開口部からの距離が増加するにつれて漸次増加することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のサンプラー。
JP2017239090A 2016-12-13 2017-12-13 直接分析サンプラー Active JP6475814B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16203809.5 2016-12-13
EP16203809.5A EP3336511B1 (en) 2016-12-13 2016-12-13 Direct analysis sampler

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018096996A JP2018096996A (ja) 2018-06-21
JP6475814B2 true JP6475814B2 (ja) 2019-02-27

Family

ID=57708327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017239090A Active JP6475814B2 (ja) 2016-12-13 2017-12-13 直接分析サンプラー

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10352832B2 (ja)
EP (1) EP3336511B1 (ja)
JP (1) JP6475814B2 (ja)
KR (1) KR102038204B1 (ja)
CN (1) CN108225846B (ja)
BR (1) BR102017026449B1 (ja)
PL (1) PL3336511T3 (ja)
RU (1) RU2670872C9 (ja)
TW (1) TWI655416B (ja)
UA (1) UA120213C2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL3336513T3 (pl) * 2016-12-13 2021-09-06 Heraeus Electro-Nite International N.V. Urządzenie do pobierania próbek stopionego metalu
PL3336512T3 (pl) * 2016-12-13 2019-07-31 Heraeus Electro-Nite International N.V. Urządzenie do pobierania próbek do bezpośredniej analizy z radiatorem
ES2950398T3 (es) * 2016-12-13 2023-10-09 Heraeus Electro Nite Int Muestreador de análisis directo
EP3336511B1 (en) * 2016-12-13 2019-06-12 Heraeus Electro-Nite International N.V. Direct analysis sampler
ES2950447T3 (es) 2018-06-12 2023-10-10 Heraeus Electro Nite Int Dispositivos de toma de muestras de metal fundido para aplicaciones de alto y bajo contenido de oxígeno
EP3581913B1 (en) 2018-06-12 2023-06-07 Heraeus Electro-Nite International N.V. Improved molten metal sampler
EP3693720B1 (en) 2019-02-11 2023-01-11 Heraeus Electro-Nite International N.V. Method and apparatus for demolding and analyzing a direct analysis sample
CN110806406A (zh) * 2019-10-31 2020-02-18 中国地质大学(武汉) 实现高精度产状分布估计的最小交角和样本容量预测方法
KR102383120B1 (ko) * 2019-12-27 2022-04-06 우진 일렉트로나이트㈜ 디스크형 샘플 챔버 및 이를 포함하는 프로브
EP4215896A1 (en) 2022-01-21 2023-07-26 Heraeus Electro-Nite International N.V. Improved sample chamber for molten metal
EP4227669A1 (en) 2022-02-15 2023-08-16 Heraeus Electro-Nite International N.V. Exchangeable spark unit and calibration method

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3646816A (en) 1970-07-22 1972-03-07 Leeds & Northrup Co Immersion molten metal sampler
US4037478A (en) 1976-09-15 1977-07-26 Electro-Nite Co. Device for collecting samples of molten metal
FR2406822A1 (fr) * 1977-10-19 1979-05-18 Lorraine Decolletage Perfectionnements apportes aux dispositifs pour prelever un echantillon dans un bain de metal effervescent
FR2421373A1 (fr) 1978-03-30 1979-10-26 Electro Nite Event-obturateur pour dispositif de prise d'echantillon de metal en fusion
SU829682A1 (ru) * 1979-04-16 1981-05-15 Институт черной металлургии Устройство дл отбора проб жидкогоМЕТАллА
US4401389A (en) 1981-01-24 1983-08-30 Electro-Nite Co. Measuring probe for taking a sample from a metal bath and for measuring the bath temperatures
DE3344944C2 (de) 1983-12-13 1986-06-05 Knieps & Pöckler, 5828 Ennepetal Verfahren zur Analyse von Stahl während seiner Herstellung und Weiterverarbeitung
JPS61199671U (ja) * 1985-05-31 1986-12-13
DE8910869U1 (ja) * 1989-09-12 1989-10-26 Electro-Nite International N.V., Antwerpen, Be
JPH0718998Y2 (ja) * 1989-12-26 1995-05-01 日本ミンコ株式会社 溶融金属試料採取容器
DE4009167A1 (de) * 1990-03-22 1991-09-26 Electro Nite Probennehmer fuer metallschmelze
RU2026545C1 (ru) * 1991-05-12 1995-01-09 Харлашин Петр Степанович Способ отбора проб расплава и устройство для его осуществления
DE4303687C1 (de) 1993-02-09 1994-06-30 Heraeus Electro Nite Int Probennehmer für Metallschmelze
US5544693A (en) * 1994-12-14 1996-08-13 Alcan International Limited Process and apparatus for making solid samples of molten material for analysis or the like
US5577841A (en) * 1995-02-06 1996-11-26 Heraeus Electro-Nite International N.V. Molten metal immersion probe
JP3902512B2 (ja) 2002-06-07 2007-04-11 新日本製鐵株式会社 金属試料迅速採取サンプラーおよびそれを用いる迅速サンプリング方法
CN2608967Y (zh) * 2003-05-07 2004-03-31 陈健 金属熔液快速取样器
KR100661538B1 (ko) * 2004-09-08 2006-12-27 주식회사 우진 고청정 시료 채취를 위한 복합프로브용 시료채취구
US8689650B2 (en) * 2009-04-28 2014-04-08 Heraeus Electro-Nite Co., Llc Immersible oxygen sensor for molten metals
DE102010024282A1 (de) * 2010-06-18 2011-12-22 Heraeus Electro-Nite International N.V. Messsonden zur Messung und Probennahme mit einer Metallschmelze
DE102011121183B4 (de) 2011-05-18 2014-02-27 Heraeus Electro-Nite International N.V. Probennehmer für die Probennahme aus Schmelzen mit einem Schmelzpunkt größer 600°C sowie Verfahren zur Probennahme
DE102012016697B3 (de) * 2012-08-24 2013-07-25 Heraeus Electro-Nite International N.V. Messsonde zur Probennahme in Metallschmelzen
DE102013208679A1 (de) * 2012-10-31 2014-04-30 Heraeus Electro-Nite International N.V. Messsonde zur Messung in Metall- oder Schlackeschmelzen
EP2781607A1 (en) * 2013-03-20 2014-09-24 Heraeus Electro-Nite International N.V. Sampler for molten iron
DE102013224565A1 (de) 2013-04-30 2014-10-30 Heraeus Electro-Nite International N.V. Probennehmer und Verfahren zur Probenentnahme
KR20160035387A (ko) * 2014-09-23 2016-03-31 우진 일렉트로나이트(주) 복합 프로브용 쉘 컨테이너 및 복합 프로브
US10458886B2 (en) * 2016-02-29 2019-10-29 Nucor Corporation Apparatus and method for simultaneous sampling of material at multiple depths
EP3336511B1 (en) * 2016-12-13 2019-06-12 Heraeus Electro-Nite International N.V. Direct analysis sampler
PL3336513T3 (pl) * 2016-12-13 2021-09-06 Heraeus Electro-Nite International N.V. Urządzenie do pobierania próbek stopionego metalu
ES2950398T3 (es) * 2016-12-13 2023-10-09 Heraeus Electro Nite Int Muestreador de análisis directo
PL3336512T3 (pl) * 2016-12-13 2019-07-31 Heraeus Electro-Nite International N.V. Urządzenie do pobierania próbek do bezpośredniej analizy z radiatorem

Also Published As

Publication number Publication date
KR102038204B1 (ko) 2019-10-29
TW201835544A (zh) 2018-10-01
UA120213C2 (uk) 2019-10-25
JP2018096996A (ja) 2018-06-21
CN108225846A (zh) 2018-06-29
EP3336511A1 (en) 2018-06-20
RU2670872C1 (ru) 2018-10-25
US10352832B2 (en) 2019-07-16
BR102017026449A2 (pt) 2018-08-14
PL3336511T3 (pl) 2019-11-29
EP3336511B1 (en) 2019-06-12
CN108225846B (zh) 2020-07-24
BR102017026449B1 (pt) 2023-02-23
KR20180068317A (ko) 2018-06-21
RU2670872C9 (ru) 2018-12-11
TWI655416B (zh) 2019-04-01
US20180164192A1 (en) 2018-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6475814B2 (ja) 直接分析サンプラー
JP6465952B2 (ja) ホットメタル用のサンプラー
JP6539716B2 (ja) 直接分析サンプラ
JP6723978B2 (ja) ヒートシンクを有する直接分析サンプラー
BR102017026029B1 (pt) Amostrador de análise direta

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6475814

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250